平成23年6月定例会 第23回岩手県議会定例会 会議録

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〇5番(岩渕誠君) 民主党・ゆうあいクラブの岩渕誠です。
 質問に先立ちまして、東日本大震災津波で犠牲になられました多くの皆様の御冥福をお祈りするとともに、被災されました住民の皆様にお見舞い申し上げます。また、発災以来、復旧、復興のため昼夜を問わず活動を続けておられます自衛隊、警察、消防を初めとする各機関の職員、支援の手を差し伸べていただきました全国各地、世界各国の皆様に心から感謝申し上げます。未曾有の大災害に立ち向かい、岩手が岩手の誇りを胸に復興を果たすためには、前を向いていこうとする心と、その思いを具体的な形にしていくことが何よりも大切であります。私は、この観点に立ち、具体的提言も含めて、まず被災者支援、復興関連を中心に質問してまいります。
 最初に、地域防災のあり方について伺います。
 復旧、復興を果たしていくためにも、その前提となるのは、今後どの程度の災害を想定し、どのような考え方で、どこまでハード、ソフト両面で整備を図っていくか、まず住民の安全を守るための考え方と方策を示すことが肝要と思います。県では、災害を最小限に抑える減災の考え方を国に提言するなどしているところであり、津波災害に関しては、災害を防ぐ防災の考え方からは変化しているように受けとめています。私は、その考え方そのものは必要なものであると思いますが、一方で、この指針については、これまでの県や市町村の防災計画と、今回の大震災での現実にどの程度違いがあったかなど検証が必要であり、これを踏まえて県民に示していくことが大切ではないかと考えます。
 想定外の津波だったとはいえ、例えば市町村の一時避難場所が津波の浸水予測域にどれほどあったのか、こうした設定について、国、県、市町村との情報交換はあったのか、そして、そこに避難したにもかかわらず、どれだけの人が犠牲になったのか。こうしたことを明らかにしながら、減災の理念で住民の安全をどう守っていくのかという具体策を示す必要があると思います。今後の県の地域防災計画の見直しの是非と、見直す場合の観点について知事にお伺いいたします。
 さて、今回の大震災から復興を果たす上で喫緊の課題の一つが瓦れき処理の問題であることは、皆様御承知のとおりであります。現在、県内の瓦れき総量は583万トンとされており、このうち再生利用が可能なコンクリートがらの142万トン、木くずの10万トンの処理も含めて膨大な作業量が見込まれています。処理の広域化も含めて検討が進んでおりますが、塩分を含んだ瓦れきの常設焼却炉に与える影響や長距離運搬にかかる効率性の課題を考えるとき、やはり現地で処理のできる仮設炉の設置を優先すべきと考えます。
 県では、実行計画の中で仮設炉と広域処理の必要性について言及していますが、瓦れきの処理は、復旧、復興、まちづくりの前提の一つだけに、ここで仮設炉建設の規模について県のお考えをお示しください。また、再生利用可能な瓦れきは、堤防、防潮堤、道路の建設等に積極的に利用し、トータルコストの抑制に努めるべきと考えます。
 さて、今回の大震災では内陸部も大きな被害を受けました。特にも一関市や奥州市は、3年前に起きた岩手・宮城内陸地震から完全復興を果たそうとしたやさきに3月11日の大震災、そして4月7日の余震に見舞われたのです。一関市の例を見ますと、今回の大震災の被害額は、これまでのところ、岩手・宮城内陸地震の被害額のおよそ4倍に当たる160億円に達しようとしております。
 達増知事におかれましては、いち早く、最も被害のひどかった地区の一つ、一関市赤荻の住家などを視察され、住民の声に耳を傾けていただくなどした上、内陸も沿岸部と同様の瓦れきの処理や被災者生活再建支援法の適用、民間賃貸住宅などを利用した被災者の生活の場の確保などに取り組んでいただいたことに感謝申し上げます。特にも、被災した水田の復旧に当たっては、査定前着工の早急な実施により、心配されていた田植えもほぼ全域で完了し、最大限生産基盤が守られたことは、関係者の努力のたまものと敬意と感謝を表するものです。
 しかしながら、3年間で2度の大きな地震に見舞われた県南部においても依然傷跡は深く、国道342号や457号はいまだ通行どめが続いています。雇用や観光、産業振興の各般にわたって各自治体と足並みをそろえた復興の指針が必要であり、実行のための具体的な計画策定も求められてくるのではないかと考えます。これは、沿岸部をパートナーとして支えていくためにも必要なことと思いますが、沿岸と内陸を結ぶ高速道路以外の横軸道路の整備も含め、県はどうお考えでしょうか。
 登壇しての質問の最後に、予算編成についてお伺いいたします。
   〔議長退席、副議長着席〕
 復興に当たっては、必要な予算をどのような財源で手当てし、いかに早く執行していくかという規模とスピード感とともに、必要な予算を必要なときに使えるような切れ目のない財政出動が求められてきます。この点でいえば、国の予算編成については少な過ぎる、遅過ぎるものであり、大いに反省を求めます。
 さて、この大震災で問われたことの一つは統治と自治であったと私は思っています。これは、我が国に起きた幾たびかの災害の発生時に必ず問われ続けてきたことでありますが、国としての統治が災害によって機能不全に陥ったとしても、地域の自治は必ず最初に機能し、それは隣組のような小さな単位から自然と発生したことは、皆さんが実感しておられることと思います。地方自治の力こそ復興に立ち向かう原動力であると私は確信いたしますが、予算編成の面でも、この地方自治の力を発揮させるため、速やかに県の第3次補正予算を編成すべきと考えます。県知事選、県議選が9月に執行されることになれば、復旧、復興予算の審議はこのままでは10月にずれ込み、6月の臨時会で可決した第2次補正予算だけでは十分な復旧、復興を果たすことができなくなるおそれがあると思います。国も、おくればせながら補正予算を近々国会に提出予定でありますし、これを踏まえた、あるいは先取りした予算の編成を行い、選挙実施前に議会で審議することは、執行部、議会共通の責務であると思いますが、当局はいかがお考えでしょうか。
 以上で登壇しての質問を終わります。
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 岩渕誠議員の御質問にお答え申し上げます。
 県の地域防災計画の見直しについてでありますが、今回の東日本大震災津波では、大津波警報が発令され、発災直後から避難を呼びかけたものの、住民の意識、避難の態様や避難場所などさまざまな要因により多くの犠牲者が発生しました。また、大規模な停電や通信網の遮断、道路の寸断、燃料の不足等により、初期において対応に支障を来たす面もございました。これらを踏まえ、国の中央防災会議においては、津波対策に関して防災基本計画の見直しを行うこととしており、先般も東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震、津波に関する専門調査会において中間取りまとめを行ったところであります。
 県におきましても地域防災計画を見直す方針であり、現在、国の動向を踏まえながら、並行して検証作業を進めております。この検証、見直しの過程におきましては、例えば、住民への警報の伝達、情報提供のあり方、避難行動及び避難場所のあり方、通信機能の確保、備品・備蓄の充実、物流システムのあり方などについて十分な検討、調査を行っていくこととしております。これらの検討調査を受け、県防災会議の場でさらに専門的な議論を重ねていただき、今回のような大災害にも十分対処できる、より実効性のある計画を策定していきたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては副知事及び関係部長から答弁させますので、御了承願います。
   〔副知事上野善晴君登壇〕
〇副知事(上野善晴君) 県南内陸部に対する復興支援についてでございますが、今回の東日本大震災津波とその後の余震におきましては、岩手・宮城内陸地震の被害を受けられました県南内陸部におきましても、家屋の倒壊やパイプハウスなどの農業用施設の破損など、大きな被害を受けておられると認識いたしております。
 先般策定いたしました復興基本計画案では、今回の大地震津波によって、内陸地域おいても直接的な被害や社会経済的な影響が広く及んでいること、また、復興の達成に向けては、沿岸地域と内陸地域が一体となった取り組みが必要であることから、内陸地域を含む県全体を対象地域としたところでございます。
 こうしたことから、復興基本計画案の具体的取り組みにおきましては、内陸部も含めました各市町村の意見も踏まえ、内陸部の被災状況にも対応すべく、第1に、復興道路としての高規格幹線道路などの幹線道路ネットワークの重点整備のほか、第2に、緊急輸送道路などの耐震補強や道路防災施設などの整備、第3に、農地などの農業生産基盤の復旧、整備、第4に、住宅や公共建築物の耐震化の促進などを盛り込んだところでございます。
 今後は、各市町村の復興に関連する計画の策定状況などを踏まえ、8月を目途に、県の復興の指針となる復興実施計画案を策定していく予定でございます。また、沿岸部と内陸部を結ぶ国道284号などの国道、県道の整備につきましても、復興に果たす重要性などを踏まえつつ、復興実施計画案の策定の段階でその位置づけを検討し、整備を推進してまいります。
   〔環境生活部長工藤孝男君登壇〕
〇環境生活部長(工藤孝男君) 災害廃棄物の処理についてでありますが、県の災害廃棄物処理実行計画に掲げる3年以内の処理を達成するためには、可燃物について1日当たり約1、150トンの処理を行う必要があります。県内の処理施設の能力が約655トンであり、仮に約300トンを広域処理したといたしましても、1日当たり約200トンの能力を持つ仮設焼却炉が必要になると考えております。このため、処理効率を考え、県内2カ所に、1日当たりの処理能力がおおよそ100トン規模の焼却炉がそれぞれ1施設必要になると考えております。設置場所につきましては、太平洋セメント大船渡工場など既存の処理施設の能力と可燃物の量とのバランスなどを総合的に勘案しながら、現在、鋭意検討中でございます。
 また、コンクリートがらは、今後、復興基本計画に基づくまちづくりなどに有効活用するとともに、木くずを合板の材料や燃料として再生利用するなど可能な限りリサイクルを進め、処理費用の低減に努めていくこととしております。
   〔総務部長加藤主税君登壇〕
〇総務部長(加藤主税君) 震災に関連する補正予算の編成についてでございますが、被災者への支援や被災地域の復旧、復興のため迅速に対応する必要がありますことから、震災直後に初動対応に係る予算を専決処分するとともに、復旧、復興に向け早急に事業着手が必要な事業等につきまして、その時期を逸することのないよう適時に補正予算を編成の上、臨時会を招集し、御審議いただいたところでございます。
 これまでこうした対応をとってきたわけでございますが、今後におきましても、国の予算編成の動向を注視、また、その内容につきまして情報収集を図りつつ、被災者のニーズをくみ取りながら、復旧、復興に支障が生じないよう、適時適切に対応してまいりたいと考えております。
〇5番(岩渕誠君) 答弁ありがとうございました。
 それでは、何点かお尋ねしてまいりたいと思います。
 まず、地域防災計画の見直しの方針を示していただきました。この見直しとあわせてぜひお考えをいただきたいのは、津波、防災あるいは海洋の分野といったところでの研究機関との連携ということです。今回の災害については人類の知を超えたものだったとしても、やはり私たちは、英知と経験を持って未来を切り開いていかなければならないと思います。県の復興計画案でも研究機関については言及しておりますけれども、三陸沿岸、とりわけこの岩手を防災研究、津波研究の世界的先端地域にしていくことは、私は、世界的な責務だと感じております。
 また、同時に、復興を目指す中では、防災分野に限らず最先端の研究をもって三陸に光を当てたい、こういう考え方が随所に見られるようになっていると思います。例えば、バイオ燃料の分野では、オーランチオキトリウムというものが注目を浴びております。これは、穀物系などのバイオエタノールに比べて非常に生産効率がよいために、石油をつくる藻類ということで注目されておりまして、これは、三陸をフィールドに生産できればというアイデアもあるようです。
 それから、きのう与謝野経済財政政策担当大臣がBSイレブンに出演しまして、ILCを支援していきたい、こういうことを言明されておるようであります。
 いずれにせよ、世界をリードする研究を三陸、岩手で展開し、復興の知的資源を集積することは必要だと思うんですが、知事に御所見を伺いたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 岩手沿岸・三陸には、東京大学大気海洋研究所などの研究機関によりまして、長年にわたり蓄積されてきた世界的な海洋研究の実績があります。いわて海洋研究コンソーシアムも立ち上がり、国内の第一線で活躍する研究者との交流や共同研究なども実施されてまいりました。
 各研究機関の施設は大きな被害を受けたところでありますが、その復旧を図るとともに、被災地において、津波防災や海洋に関する世界の英知を集めた総合的な研究環境を整備し、国内外の研究者が、津波災害等に関する学術的な研究を行い、その成果を情報発信することが、三陸地域の復興はもとより、世界の防災研究等の発展に貢献していくものと考えております。
 こうしたことから、ILCも含めまして、国際的な防災、海洋研究拠点の本県への整備について、内閣総理大臣を初め、文部科学大臣や関係する省庁等に対して強く要望しているところであります。
〇5番(岩渕誠君) ぜひ形にしていただきたいと思います。
 上野副知事のほうから国道284号という話が期せず出ました。実際に横軸をこれからどうしていくかという問題はあるのですが、今々の問題としては、例えば復興道路、復興のために使われる道路なんですが、実は、そのガード下が、一関市の室根のところのガードでは、トレーラーがぶつかったりして、非常に復興の妨げに現時点でなっているわけです。ですから、これを早く解消していただかないと復興が進みません。これは答弁要りません。やっていただきたいと思います。
 そして、総務部長にお尋ねしたいと思います。
 松本前復興大臣が、知恵を出さなければ助けないというようなお話をしていったそうでありますが、みずから、知恵ではなくて首を差し出されたというのが今の実態でございまして、地方には知恵も熱意もあるというふうに思います。ないのはお金と権限です。あり過ぎるのは国の規制と縄張り意識。私は、これをきちんと整理をすれば、地方自治というのはうまくいくと思っています。
 それで、今回、やはりその予算の関係、適宜適切にということがありましたけれども、国の3次補正がどういったものになるか、これは非常に気になるところであります。これについては、やはり必要な予算はとる、そして、大事なことは、一括交付金が出ていますけれども、これをしっかりと中身のあるものにしてほしいということ。それから、地方負担をできるだけ少なくしてほしい。これがないと財政的に破綻をします。
 そして、それだけでは足りません。今までの大きな災害の際には、復興基金を最後は造成をして、それでもって補助残あるいは私有財産のほうの支援に充てた、こういうのが経緯でございます。ただし、その復興基金については、これまでは、要するに果実運用をしてやってくるというもので、大体今まで、能登半島地震では800億円、それから、阪神・淡路大震災の基金では8、000億円ということになっておると思いますが、果実運用では、現在はほとんど無理なわけですね。そういう意味では、取り崩し基金を国主導でつくってもらわなければいけないわけでありますが、最後の着地点はそこになると思いますけれども、総務部長は、その辺、どうお考えですか。
〇総務部長(加藤主税君) 御提案の復興基金についてでございます。
 復興基金は、これまでの例を見ますと、被災者のさまざまなニーズに対しまして、長期間にわたり安定的な支援を行う上で非常に有効なものであったと評価されておりまして、私どもといたしましても、そうした認識は有しております。
 御指摘のとおり、これまでの復興基金につきましては、運用益を財源として事業を行う運用型というものでございまして、現在の低金利の状況では、なかなか現実的ではないという課題がございます。議員の御指摘のとおりでございまして、取り崩し型の基金とすることが重要ではないかと考えておりまして、政府の復興構想会議におきましても、知事から、国費による取り崩し型の基金の設立を検討すべきだという旨の申し入れを行っております。
 さきの復興会議の復興の提言の中でも、基金の設立を検討すべきという記述はございましたが、そういう段階にとどまっております。今後の具体的な国の動きをよく注視いたしまして、議員御提案のような形で、被災者に対しまして長期にわたり安定的な支援が可能となる、そういう仕組みができますよう、引き続き、私どもとしても国に対しまして働きかけを強めてまいりたいと考えております。
〇5番(岩渕誠君) これは、最終的な財源とすれば一番大きなものになると思いますので、ぜひ実現を働きかけていただきたいと思います。
 それでは、先に進みます。災害時の被災者支援ということについてお尋ねしてまいりますけれども、やはり長期間にわたっての避難生活、仮設を余儀なくされるということでありますから、支援情報を的確に提供して、可能な支援について漏れのないような体制を構築することというのが、私は不可欠だと思います。
 この点について私どもの会派では、3年前の地震の教訓、それから過去の災害の経験を生かすべく、被災者カルテの導入という提言をたびたび行ってまいりました。いろいろ課題はあったわけでありますけれども、ネットワーク化、基礎データの電子化というものも進んできたところでありますから、この被災者カルテというのは、いよいよこの場面で非常に重要なツールになっていると私は思っています。
 岩手県においても、この被災者カルテを統合したような形で被災者台帳システムの導入を進めている、こういうことでございます。しかも、これまで取り上げられてきた従前の西宮方式ではなくて、最先端の岩手オリジナルというような形で被災者台帳システムをやったということは、これは非常に期待をしております。一日も早い本格稼働を期待しているところなんですが、現在の進行状況と今後の見込みについてお知らせをいただきたいと思います。
 私は、このシステムは今、義援金とかそういったところに限られているわけでありますけれども、これから仮設住宅での被災者の健康管理、あるいは医療、そういった部分とか、あるいは社会福祉士、あるいは保健師、ケアマネジャーなどの業務量の負担軽減にもつながると思います。さらには、これは膨大なデータ処理事務が出てくるんですが、ここには、若年層の雇用の創出というものも見込めると考えておるんです。これを見越して、やはり市町村と県で統一したシステム構築を急ぐべきだと私は思いますが、そして活用すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
〇総務部長(加藤主税君) 被災者台帳システムの現在の進行状況と導入の見込みについてでございますが、県では、被災者の現状や被災者への支援の状況等に関する情報の一元管理、共有により、被災者が行う各種申請等の負担軽減、申請漏れの防止等を図りまして、効果的、効率的な被災者支援につながりますよう、被災者台帳システムを導入することとし、その準備を進めております。
 現在、ネットワークを活用した岩手版のプログラムを作成するために、新潟県中越地震の際、柏崎市で活用されたシステムをベースにいたしまして、これに修正を加えている、そういった作業の途中でございます。間もなく修正作業が終了する見込みという状況でございます。
 今後、市町村のシステム導入意向の確認及び利用を予定している市町村から実際にデータ提供を受ける、そういった諸準備を進めまして、用意の整った市町村から、順次導入を図ってまいりたいと考えております。
 また、統一したといいますか包括的なシステムにすべきだということ、いろいろさまざまなシステムのメリットについてお尋ねがございました。被災者台帳システムが導入されれば、導入した市町村と県の間におきましては、統一したシステムの利用がさまざま可能となってまいります。
 それぞれの市町村及び県が、被災者支援にかかわるさまざまな業務の処理のために、運用しているシステムをこのシステムに統合し、切りかえていく、そういったことのほか、新たに生じる業務をこのシステムを通じて処理することによりまして、業務相互間の連携が図られる、また、事務が非常に効率化するということでございまして、被災者支援施策の充実、向上が期待できると考えております。
 このため、個人情報保護の観点にも留意しなければならないわけですが、こうした点をきちんと押さえつつ、市町村や庁内の各部局の理解、協力が得られるように努めることによりまして、システムを利用する業務範囲の拡充を図ってまいりたいと考えております。
〇5番(岩渕誠君) いずれ被災者の台帳システムというのは、行政のためのシステムではなくて、やはり住民個々が、被災者個々がその情報にアクセスできる、そういう意味では、個票のカルテというものが重要になってまいりますし、そこの打ち込みのマンパワーというところをどうするかというのが、恐らく市町村の課題だと思います。これをよく検討して、そこに雇用も発生するわけですから、そういったところを踏まえてぜひ進めていただきたいと思います。
 次に、まちづくりと農地の問題について伺います。
 農地の問題では、転用許可に対しての権限移譲と手続の簡素化、非常に課題も多いと思います。それぞれの市町村の復興計画を考えたとき、やはりその地形的特性から、遊休農地はもちろん、優良農地についても利用が検討されていると承知しています。これは、法律的には農地法の転用許可との整合性が課題だと思うんですが、現在は、原則として4ヘクタールを超えるものについては農林水産大臣が、それ以下は県知事が権限を有しています。
 岩手県の場合は、2ヘクタール以下についても、既に陸前高田市あるいは大船渡市など4市で権限移譲を行っているわけですが、私は、土地利用計画を柔軟に進めるためにも、その権限を国から県へ、県から市町村へと移すべきであると思いますし、また、手続を相当簡素化しないと土地利用計画は進まないと思っているんですが、どのような見解をお持ちでしょうか。
〇農林水産部長(東大野潤一君) 農地転用許可の権限の移譲についてでございますが、県では、これまでも、地域主権推進の観点から、農地転用許可権限の県への移譲、また、国との調整、協議の廃止による手続の迅速化等につきまして国に提案するとともに、市町村に対しては、県からの権限の移譲に取り組んでまいりました。
 今般の東日本大震災津波におきましては、海岸近くの平たんな土地が被災しておりまして、高台の農地を転用したいとの希望が増加しております。土地利用に関する権限の移譲あるいは手続の簡素化が、強く求められているものと認識してございます。
 県といたしましては、震災からの早期復興のためには、市町村の権限のもとで、農地法等の関係法令の手続の一元化や国との協議の省略などにより土地利用計画の見直しが速やかに実現できる仕組みが必要だと考えており、特区の創設を提案し、国の復興構想会議の提言にも盛り込まれたところですが、今後とも、この特区の早期実現に向けまして、引き続き国に対して働きかけてまいりたいと考えております。
〇5番(岩渕誠君) わかりました。国に要望する部分と、それから、県独自に進められる部分もあると思いますので、そこは、県は県の責任として、進められるところは進めていただきたいと思います。
 それから、これは指摘にとどめますけれども、農地の問題では、気仙川の土地改良区、ここは小友の干拓、いろいろやっていますが、これは今、作付不能になっている。ところが、あそこは県営の基盤整備が入っていますから、それの償還金とかといった問題が、これは農家の経営にも影響してくるわけです。ぜひ、ここはしっかりとした対応をしていただきたい。こういう場合は、普通は償還金の延長とか免除というものが出てくると思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
 次に行きます。災害発生直後から、本当に国の内外から多くの支援をいただいたわけなんですが、とりわけボランティアの皆さんには、過酷な環境の中で被災者の力になっていただいておりますことに、改めて感謝を申し上げたいと思います。
 6月末までの集計では、市町村のボランティアセンターに登録して活動していた皆さんだけで、実に13万人を超えているということなんです。しかし、一方で、マスコミの報道によれば、単純に阪神・淡路大震災との数的比較をした場合には、その総数というのは3分の1にとどまっているという指摘もあります。
 その理由の一つとしてやはり考えられるのは、宿泊場所の確保という点だと私は思っております。特に、個人でボランティアをする場合には、これが一番ネックになっているんだと思っています。
 まだまだボランティアの皆さんの力は必要なわけなんですが、これから夏場を迎えて学生あるいは社会人のボランティア参加が大量に見込まれるわけですが、公的施設を開放して、ボランティアの後方支援センターの充実、あるいは受け入れインフォメーションは急務だと思っております。せっかくの善意ですから、それを実現するということが、やっぱり行政にも求められてくると思います。
 まだ被災地のみで完結して受け入れることが難しいわけですから、特にも内陸南部などで拠点を展開することが必要だと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
 それからまた、これからの季節、炎天下での作業となります。ボランティアは自己責任ですというようなことでなくて、やはり受け入れ側の態勢整備も進めて、けがの対策、健康管理ということを十分にやっていただきたいと思うんですが、具体策があればお伺いしたいと思います。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) まず、ボランティアの宿泊場所の確保についてでありますけれども、今回の災害に際しましては、県内外の社会福祉協議会から職員派遣等の協力を得まして、県の社会福祉協議会には県災害ボランティアセンターを、それから、市町村の社会福祉協議会には市町村災害ボランティアセンターを設置いたしまして、ボランティアの受け入れ、それから、活用に努めているところでございます。
 こうした中で、被災地での活動を後方支援するため、遠野市は、遠野市社会福祉協議会が、県内外のNPOなどと連携してボランティアの活動拠点を確保しているほか、盛岡市では、旧県立宮古高校川井校、また、内陸南部の一関市や住田町では、公民館等をボランティアの支援拠点として開設し、被災地で不足しているボランティアの宿泊場所としての役割も果たしているところでございます。
 しかしながら、これから夏場にかけまして、県内外から多くのボランティアを受け入れるため、県立大学やNPOと連携したプロジェクトを進めているところでもあり、議員御指摘のとおり、宿泊場所の拡充と情報発信、これは非常に重要であると考えております。
 このため、ボランティアの宿泊場所として、県有施設の提供を検討するほか、市町村に対して、公民館などの公的施設の積極的な開放を依頼しているところでございます。
 また、徐々にではありますが、被災地の宿泊施設も復旧しつつありますことから、ホテルや民宿等に関する情報についても、災害ボランティアセンター等、関係機関と協力して、積極的に情報発信してまいりたいと考えてございます。
 それから、次に、ボランティアの健康管理についてでありますが、災害ボランティアセンターでは、ボランティアバス参加者に対して、車中で健康管理を含めた事前健診を行っておりますほか、毎日の活動前の全体ミーティングで、こまめな水分補給と十分な休憩、けがの防止などに留意した上で活動するよう注意喚起しており、また、熱中症への注意を促すリーフレットや水、塩あめ等の対策グッズの配布準備を進めているところであります。
 加えて、服装につきましても、活動内容に応じて、底の厚い靴や手袋、マスクの着用を求めるとともに、現地でこれらの装備の貸し出しや給付を行っているところでございます。
 さらに、万が一の事態に備えて、ボランティア保険への事前加入をお願いしておりますが、ボランティアバス利用者等については、県社会福祉協議会が保険料を負担し、本人負担が生じないよう配慮もしているところでございます。
 いずれ、これから本格的な夏を迎えるに当たりまして、災害ボランティアセンターと協力をして、これらの取り組みを一層徹底し、ボランティアの健康管理と事故防止に努めていきたいと考えております。
〇5番(岩渕誠君) 宿泊場所に関しては、やはり県の公社あるいは県立学校跡地、まだまだ検討の余地があると思います。早急に整備をお願いしたいと思いますし、それから、ボランティアの健康管理については、保険云々はそのとおりなんですが、出たときどうするかという、そのことをやっぱりきちんとしなければいけないと思います。どこに搬送するんだ、どこで診てもらうんだと。もともと医療体制が縮小していますから、そういった中でどうするんだということをきっちりと現場までおろしていただきたいと思います。
 それでは、電力自給率の向上対策と電源開発の問題についてお尋ねしてまいりたいと思います。
 電源開発をめぐる環境は、震災を機に大きく変わったのだというふうに感じておられる方は多いと思います。そして、これからどうするかということ、これについても、国民的な議論がまさに本格的に始まろうという段階だと私は思っております。
 翻って、我が県においてはなんですが、これまで水力を中心とした電源開発に、国内でも有数のバイオ発電などの取り組みによる新エネルギーというものを加えて行われてきました。しかし、現実を見ると、県内の消費電力に占める県内発電量、いわゆる電力自給率ですが、これは24.6%にとどまっております。私は、この現実を直視する必要があると思いますし、今後の岩手における電力自給率の向上について、その是非と方向性、そして具体策を講じるべき段階に来ていると思います。当局の見解をお伺いしたいと思います。
 幸い、岩手県の電源開発の内訳を見ますと、発電量のうち、水力によるものが半分程度、地熱がおよそ10%、風力などの新エネルギーが8%程度ということでありますけれども、千葉大学が行った全国調査によれば、こうした再生可能エネルギーの発電量としては、岩手は全国で、大分、秋田、富山に次いで4番目、こういうことになっております。
 今後、被災地の復興のために当地での電源開発という話も出てくると思いますが、海上も含めた風力、波力あるいは太陽光など、そういった可能性が指摘されているわけであります。
 これら電源開発を行う場合には、いずれも可能性はあるんですが、立地上の問題が出てくる。それは、具体的に言うと、国立公園、国定公園に絡む法律との関係だと思っております。自然との共生を図るということは言うまでもないんですが、その共生の形というものも、3月11日を機に変わりつつある部分もあるのかなと思っております。そういう面では、再生可能エネルギーの開発と自然保護の新たな両立の姿があるのではないかと私は思っておりまして、これをきちんと突き詰めていくことなくして前には進めないとも思っているんですが、御見解をお示しいただきたいと思います。
〇環境生活部長(工藤孝男君) まず、本県における電力自給率の向上についてでございますが、本県では、これまで、新エネルギービジョンに基づきまして、小水力や風力、地熱、太陽光などの再生可能エネルギーの導入に取り組んできたところでありますが、今回の東日本大震災津波による発電所の被害などにより電力不足が深刻化する中、再生可能エネルギーに対する期待が、より一層高まってきていると認識しております。
 このため、本県に豊富に賦存する未利用の再生可能エネルギーの積極的な活用を図っていくことが重要であり、本県の電力自給率の向上にもつなげていきたいと考えております。
 しかしながら、再生可能エネルギーの利活用を図る上で、コスト面や立地条件などの制約がありますことから、固定価格買い取り制度の早期成立や再生可能エネルギー導入促進特区の実現など、利用促進のための環境の整備を国に働きかけるとともに、住宅や事業所、病院、公共施設などでの利活用や、非常時においても地域で一定のエネルギーを賄えるエネルギー自給システムの構築など、導入促進に向けた具体的な方策について検討を進めていくこととしております。
 また、自然との共生についてでございますが、本県は、多様で、かつ豊富な再生可能エネルギー資源に恵まれているわけでございます。中でも三陸地域につきましては、風況に恵まれ、これを生かした風力発電の導入が期待されておりますが、コスト面に加え、自然環境との調和が課題になると考えてございます。
 これに関しましては、国が平成16年2月に国立・国定公園内における風力発電施設設置のあり方に関して、基本的な考えを示すとともに、本年3月に、風力発電施設の審査に関する技術的ガイドラインを取りまとめたところであります。これらによりますと、立地の必然性、公益性を考慮するとともに、自然景観や生物多様性の影響に対して十分な支障軽減措置が講じられることなどにより、自然公園内に風力発電施設の設置は可能であるとされているところであります。
 この考え方を踏まえ、三陸地域の復興や地球温暖化防止などといった公益性に配慮しつつ、自然景観や生物多様性への影響をできるだけ少なくすることにより、自然保護との両立を図っていくことが重要であると考えております。
〇5番(岩渕誠君) 電力自給率の向上、これの具体的数字とその手段というものをぜひ取りまとめていただきたいと思います。
 ここからは、内陸の被害に焦点を当てて、県の対応についてお伺いしてまいりたいと思います。
 私も内陸、地元の被災者の皆さんを回りますと、非常に、どなたもこうおっしゃるんですね。私たちも大変被害が大きかった。だけれども、沿岸の皆さんのことを考えれば、私たちも余り、言いたくても言えないんだよと。本当に辛抱強いというところだと思います。そして、そういうお気持ちになるのは皆さんそうなんですが、実際に内陸でも被害が多いので、さあ、そうは思ったものの、実際どう進めばいいんだということをお考えになっている皆さんが本当に多いんですね。
 そういう中で、やっぱり内陸被害の特性などを踏まえて、よりきめ細やかな対応が求められていると思います。そういった観点から、課題を指摘して、県の方針をただしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、内陸でも瓦れき処理というのは非常に課題になっております。内陸でも、被害が大きいところは公費負担ということになったわけなんですが、実際に運用を見てみますと、これは、ある程度一定以上の大企業の場合は、これは解体が必要と判断された建物、この費用は補助の対象になっていません。この大企業というのは何だというと、これはあくまで資本金と従業員規模に基づいた中小企業基本法の認定なんです。例えば、小売業の場合は、ほぼ地元で営業しているんですけれども、資本金5、000万円、従業員50人以下じゃないと中小企業扱いになりません。それ以上は大企業だということです。
 また、農協の場合も同じなんですね。合併によって大きくなったというんですが、経営とか営農指導の実態は地元密着。運用上は、ただし、大企業だからおたくの面倒は見ませんよ、こうなっています。これでは、企業の二重ローンあるいは農家への負担金という問題がまた出てくると思います。ちなみに、土地改良区は助成の全く対象外です。
 県は、こうした点についてどのように把握しておられるでしょうか。国に対して、さらに要件緩和を求めるべきと思いますが、いかがですか。
〇環境生活部長(工藤孝男君) 議員御指摘のとおり、中小企業のみが、事業所の解体撤去の対象となっているところでございます。
 現在、中小企業に該当しないため解体費の支援対象となっておらない被災事業所の数については、市町村によれば、内陸部を含めて全体で20カ所程度と把握しているところでございます。
 解体費用が多額に及ぶ場合、企業等の再生、ひいては地域の復興や雇用の維持、確保を図る上で大きな足かせとなりかねないことから、県では、中小企業以外の事業所の解体費用につきましても補助対象に加えるよう、国に対してこれまでも要望しているところでございます。
〇5番(岩渕誠君) 本当のナショナルスポンサー的な大企業は、自立でいいと思うんです。でも、ここで言っているのは、やっぱり地場企業なんですよね。ここはやっぱり国のほうでしっかりやってもらわなければいけませんし、そうでなければ、東大野農林水産部長、そして齋藤商工労働観光部長、ぜひともいろんな制度を考えていただきたい。私は求めておきます。
 それで、実はもう一つ、内陸の被害で瓦れきのほかに目立っているのは宅地の被害です。盛り土を行った宅地でそれは非常に顕著にあらわれていますけれども、国の制度上、私財産である宅地の復旧については公的支援というのは今はありません。しかし、これを放置した場合には隣家への被害が広がるおそれもあります。したがって、私は支援は必要だと思っています。地元の一関市では、こうしたことに着目しまして、制度創設を国にお願いしているわけですが、一方で、みずから、崩壊危険がある宅地や私道の修復については独自の支援制度を創出して対応に当たっています。県としても、歩調を合わせて制度の創設あるいは財政的支援の実現を目指すべきと思いますけれども、お考えをお示しいただきたいと思います。
 また、あわせて宅地修復等への支援が行われた場合、今後はやはり盛り土による土地造成については何らかの規制強化が必要だと私は思うんですが、県の考えを伺いたいと思います。
〇県土整備部長(若林治男君) 宅地私道被害に対する支援であります。現行制度では、公共性ということで一定程度の面積、3、000平方メートル以上の大規模な盛り土造成箇所で、滑動崩壊の被害を軽減するために行う工事に対しての補助、宅地耐震化事業というものがあるんですが、それ以外の宅地や私道の復旧につきましては、私有財産の復旧に関する助成であるため、総合的な見地から判断していく必要があると考えておりますが、今回の大震災では、地盤沈下や宅地擁壁の倒壊などによりまして多数の住居の損壊や傾斜が発生しております。被災者の財政負担を軽減する観点から支援が必要と考えております。
 このため、県では、被災した宅地の復旧を早急に行うための支援制度の創出について国に対して要望しているところであります。また、県といたしましても、過去に発生した大災害の事例などを参考にいたしまして、積極的な支援の要否や、支援を行う場合の事業内容などについて検討を行ってまいりたいと考えております。
 次に、盛り土による土地造成に係る規制の強化についてですが、主として建築物の建築等を目的として行います一定の開発行為でありますが、都市計画法に基づく開発許可が必要であります。許可に当たっては、地盤沈下やがけ崩れによる宅地の災害を防止するため、地盤やのり面の安全性などの項目について、法令で定められた技術基準に適合していることを審査しております。この技術基準は、阪神・淡路大震災、中越地震の発生を契機といたしまして平成18年に改正しておりまして、盛り土をした後の地盤に水の浸透による滑り等が生じないように、宅地の耐震性を確保するための基準が追加されております。
 県といたしましては、今後とも、強化された基準に基づきまして開発許可制度の適正な運用を図るとともに、開発許可の権限を有している市などに対して必要な情報を提供しながら、良好な宅地水準が確保されるように努めてまいりたいと思います。
〇5番(岩渕誠君) 若林県土整備部長の大変前向きな御答弁だったと思っております。国に働きかけるだけではなくて県も検討するということですから、しっかりやっていただきたいと思います。
 ちなみに、参考までにお話ししますと、一関市は宅地の相談というのは予算上は大体80件を予定していたんですが、もう既に問い合わせは130件も来ています。かなりあるということを認識していただきたいと思います。
 次に行きます。
 今回の震災では震災孤児のケアの問題というのは課題の一つだと思っています。子供さんの中には内陸の学校に通学する子供たちも少なくないようであります。調査したところ、沿岸部等の出身者で内陸の学校に通っている高校生が150人ぐらいいるんだそうでありますけれども、この子供たちというのは下宿で過ごしている子供さんたちも多くて、学校の仲間や先生、下宿の大家さんなどが本当に親身になってお世話しているところであります。ただ、生まれ育った地域から離れて暮らす子供たちを支える人的な力というのは、今のままではちょっと限りがあるのではないかと思っています。こうした子供たちに対してもきめ細やかな対応をすべきだと思っておりますが、教育長はどのようにお考えでしょうか。
〇教育長(菅野洋樹君) 被災した生徒への対応についてでございますが、まず、物的な支援といたしましては、教科書等の無償貸与、それから問題集等の副教材、文房具、通学用品、体育着、実習着等の学業継続に必要な物品の支援を行っているところでございます。また、財団法人岩手育英奨学会におきまして、被災特別枠奨学生として新たな貸与枠も設けてございます。
 また、心のサポートといたしましては、心にダメージを受けた生徒等への心のサポートを進めるための教員研修会を、4月に県内15会場で延べ17回実施しております。また、発災前から行っておりますスクールカウンセラーといった方々の配置に加えまして、新たに臨床心理士等で構成するいわて子どものこころのサポートチームを設置いたしまして、教員への支援や緊急対応が必要な生徒等に即応できるようにしているところでございます。さらに、今後、トラウマ反応への対処法等についての教員研修会を、夏季休業中に内陸部及び沿岸部でそれぞれ6回開催いたしたいと考えてございます。このように、まず生徒たちが日常的に接する教員の対応能力の向上を図りつつ、この教員を専門家が常に支援するという重層的な体制を構築いたしまして、心のサポートに万全を期してまいりたいと考えてございます。
 いずれにいたしましても、親元を離れて生活する生徒たち、こういった子供たちが前向きに学業に打ち込むことができるよう、地域の皆さん方との連携も図りながら、それぞれの生徒たちの状況に応じまして、より一層きめ細やかに対応に努めてまいりたいと考えております。
〇5番(岩渕誠君) ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、流通対策についてお伺いをいたしてみます。
 沿岸部の復興を強力に後押しするためにも、内陸としては産業復興をしっかりしていくということは大切なことだと思っています。
 先日、いわて銀河プラザのほうにちょっとお邪魔をしたんですが、非常に活況を呈しているということでした。本当に岩手のサポーターとして何かできないかというのが売り上げにも反映しているようであります。また、いろんなところから復興フェアの申し出があるようであります。この機を逃さず、やはり私は岩手のサポーターづくりというのを進めていただきたいと思います。これが長期間にわたる復興の道のりを強力に支える方法の一つだと思っています。
 この際、岩手の産品を扱っていただく人たちを広げることはもちろんなんですが、岩手のものを販売していただくサポーターづくりというのが私は必要だと思っています。いろいろ伺ってみますと、私はなかなか被災地に何度も行けないんだけども、岩手のものを買うだけでなく、例えば売ったりして販売サポーターという形で応援したいという人も結構いるんです。そういう仕組みを進めていくことも必要だと思いますが、県の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
 それから、実は今いろんな被災地支援が出ていますけれども、上昇しているように見えますけれども、非常にダメージを負っているものもあります。それは高級食材です。とりわけ高級牛肉は品質がよければよいほど苦戦を強いられています。この原因は何かというと、首都圏での自粛ムードがまだ続いているということなんです。特にホテルでのパーティーなんかは全くやらないですから、そこはもうだぶついちゃって価格がずっと落ち込んでいるということが、牛の例をお話ししましたけれども、高級食材では続いておると思います。これは、そういった二次被害も懸念されるわけでありますけれども、県として、この対応をいかがするおつもりなのかお聞かせ願います。
〇商工労働観光部長(齋藤淳夫君) 私は、前段の岩手産品の販売サポーターについてお答え申し上げます。
 県ではこれまで、県産品の安定的かつ継続的な販路拡大が重要との観点から、百貨店や大型量販店、誘致企業などの支援を得ながら、首都圏での物産展や企業内販売会を実施するとともに、販売をサポートしていただける企業や岩手ファンの開拓に取り組んできており、こうした活動の結果、物産展や、本県に進出いたしました大手電機メーカーや自動車部品メーカーの本社などでの販売会が定着してきております。
 今回の震災後は、これら百貨店での物産展が全国的規模での展開へと拡大するとともに、新たにJR、私鉄などの駅ナカでの販売や、大手宅配業者、旅行代理店によるカタログ販売が実施されるなど、販売機会が増大してきております。また、御案内がありましたいわて銀河プラザを初めとする県外のアンテナショップも大幅な売り上げ増加を記録しているところでございます。
 県としては、こうした支援の動きに的確に対応していくため、部局横断による推進チームを立ち上げるとともに、首都圏におけるイベント等の販売スタッフとして応援ボランティアを組織するなど、体制を強化したところであります。今後も、現在の好調な県産品の販売が一過性のもので終わることなく定着が図られるよう、今までの取り組みで得られましたつながりを生かして、さらなる人的ネットワークの涵養を図るとともに、これを機に、こうした方々と岩手を結ぶ仕組みを立ち上げるなど、継続して岩手を応援していただける仕組みをつくってまいりたいと考えております。
〇農林水産部長(東大野潤一君) 私からは、高級食材の取引についてお答えいたします。
 議員から御指摘がございましたが、高級和牛の取引は、震災による自粛ムード等により価格が低迷してございます。こうした中、被災地の食材を購入することで復興を応援しようとする動きも全国的に拡大してございまして、本県にも全国各地から県産品の購入や復興フェアの開催の申し込みが数多く寄せられてございます。
 県といたしましては、このような全国の復興支援の動きに迅速かつ的確に対応していきたいと考え、本庁、広域振興局、県外事務所で構成する―先ほど商工労働観光部長がお話ししました部局横断的な組織でございますけれども―食の復興推進チームを設置いたしまして、県産の農林水産物等の販売促進に取り組んでおります。この取り組みの中でも、いわて牛などにつきましても積極的にPR、販売に努めてございます。また、例年2万5、000人ほどを集客する東京食肉市場まつり2011では当県が当番県になってございますので、いわて牛を強力にアピールしていきたいと考えてございますし、平泉の世界文化遺産登録をいわて牛の効果的な売り込みの好機ととらえまして、高品質ないわて牛の知名度を高め、販売拡大に結びつけていきたいと考えてございます。
〇5番(岩渕誠君) 齋藤商工労働観光部長、ぜひその販売ボランティアをしっかりとやっていただきたいと思います。
 大震災関連の質問の最後に放射性物質の問題についてお尋ねをいたします。
 一般質問でいろいろやりとりがありましたので、私からは詳しく申しませんけれども、私の地元は一番南でございまして、福島原発に最も近いということもあって、検査体制をしっかりやってくれ、情報を公開してくれ、そして補償が必要な場合はしっかり補償してくれ、非常に痛切な声がございます。ぜひ対応していただきたいと思います。
 私は、今回特にお願いしたいのはリスクコミュニケーションの徹底ということなんです。リスクコミュニケーションは、行政、専門家、企業、市民がリスク情報を共有して相互に意思疎通を図るものですが、これが今全く機能していません。我が国では、残念なことに、メディアリテラシーという文化がありません。何を信じてやればいいのかというのがわからない状況なんです。ですから、やはり風評被害を防ぐ意味でもリスクコミュニケーションをしっかり行政の責任でやっていただきたいと思うんですが、いかがですか。
〇環境生活部長(工藤孝男君) 放射性物質についてでございますが、原発事故の影響に関する説明責任、情報につきましては、本来国がしっかり果たすべきものであると考えておりますが、その対応が必ずしも十分ではなく、また、さまざまな情報が飛び交っておりますことから、多くの県民の方々が不安を抱えているものと考えてございます。
 現在の状況は、国の基準に照らしまして健康に影響を及ぼすレベルではないと認識しておりますが、放射性物質による影響は、今後長期間に及ぶと見込まれますことから、県民が正確な情報に基づき冷静に対応できるようなことが求められていると考えてございます。このため、県ではこれまで、報道機関やホームページなどを通じまして、県民に無用の誤解が生じないよう意を用いながら、モニタリングの結果や放射能に関する正確な情報の提供に努めてきたところであります。さらに今後は、放射能の影響についてより理解を深めていただくため、専門家も交えた勉強会の開催でありますとか県の広報媒体の活用、さらには放射能に関するわかりやすい資料の配布などによりまして、県と県民が共通の認識を持つことができるよう一層努めていきたいと考えております。
〇5番(岩渕誠君) いずれ、さまざまな角度からきちんとした情報を出していく、積極的に広報する、これは、秘書広報室長が担当部署ですから、しっかりとやっていただかなきゃ困ります。しっかりやっていただきたいと思います。
 ここからは平泉の関連で質問を行ってまいります。
 暫定リスト入りから10年、登録延期から3年、いよいよ平泉の文化遺産が世界遺産に登録されました。多くの皆様の御努力、とりわけユネスコの会議でも絶賛されたように、この3年間、再挑戦に向けすばらしい取り組みをされてきた関係者に深い敬意と感謝を申し上げます。
 言うまでもなく、平泉の文化というのは、争いの日々の中で肉親を失い、焦土と化した大地に、非戦平和、平等、自然との共生、自立の思想を広めようと立ち上がった藤原清衡公のこのみちのくへの思いが込められたものであります。今まさにこの大震災から立ち上がろうとする岩手の姿に通ずるものであり、このタイミングでの登録は、県民に対して天からの、あるいはみちのくに誇りを持って生きてきた先人からの啓示とも言えます。
 知事はいろいろな場所でスピーチを行って思いを語っておりますけれども、いま一度、県民に向けてその思いを御披瀝いただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 奥州藤原氏初代清衡公は、東北地方の中心に位置する平泉に拠点を置いて、戦乱のない平和な理想郷を目指し、人と人との共生、人と自然との共生という理念に通ずるこの世の浄土をつくろうとして、そうした中で平泉の文化遺産が築かれたわけであります。戦乱からの復興を願って築かれた平泉が、今回、東日本大震災津波に見舞われた東北地方初となる世界文化遺産に登録されて世界に認められたということは、私たちの長年の夢がかなったということであるとともに、東北全体の復興に向けた光となるものでもあり、大変喜ばしく、意義深いと考えております。
 今回の登録に当たっては、外務省、文化庁、推薦書作成委員会、関係市町及び関係機関の皆さんの御尽力、御努力のたまものでありまして、改めて敬意を表し、また御礼を申し上げたいと思います。私たちは平泉の理念を胸に、誇りを持って世界遺産平泉を将来にわたって守り伝えていくという思いでございます。
〇5番(岩渕誠君) 今の知事の思いは県民の思いとも一つになれるものと思います。そして、大事なことは、誇り高い平泉文化が世界に認められたことに決しておごらず、もう一度その歴史を謙虚に受けとめて行動することだと思います。特に被災者に寄り添いながらということは大事だと思います。そういう意味では、この平泉の意味を伝えていくためには、今大事なことは、まず県民みずからがしっかりとその意味をとらえ、今こそこの国に必要な平泉の意味と向き合うことだと思います。そして、それをまちづくり、県づくりに生かしていくことだと思います。
 そうした意味において、私は、この登録を契機に、仮称でありますけれども、平泉の日を県として制定し、県民がその思いに同化することが必要と思いますけれども、知事のお考えをお聞かせください。
〇知事(達増拓也君) 平泉の文化遺産が世界遺産に登録されたということは、平泉が人類にとってかけがえのない宝であることが認められた一方で、これらを将来にわたって守り伝えていくことを世界に約束していくことでもあります。
 平泉の日の制定ということでありますけれども、今回の登録が、東日本大震災津波からの復興に向けて歩んでいる中での世界遺産登録であり、県民が平泉の理念を見つめ直し、次世代への継承や国内外への発信を行っていく上で、毎年改めて平泉を考える契機になると考えられますことから、関係者の御意見等も伺いながら研究してまいりたいと思います。
〇5番(岩渕誠君) 平泉を先祖とする我々は、今回の大震災に当たっても、被災地での態度というのは世界から非常に称賛されました。それはやはり、藤原清衡公の思いというのは、あるいは東北に生まれた私たちの共通の文化としてこれが称賛された部分があるのだろうと思います。ぜひ、平泉の日の実現に御努力いただきたいと思っています。
 一方、世界遺産はこの価値を維持していくことが必要なんですけれども、そのためにはやはり調査、研究というものが大切になってくると思います。県は、これまでも国立博物館の誘致などを行ってきたと思いますけれども、まさに機は熟したと思います。県としての平泉研究の拠点づくりも必要と感じますけれども、御所見を伺います。
 あわせて、地元では、今回、再挑戦に当たって除外された遺産のあり方を、ぜひ追加登録を目指して調査してほしいという声が高まっております。その中で、骨寺村荘園とか非常にすばらしい地域づくりをしております。ぜひこれも世界に発信してしかるべきの遺産だと思っております。
 県では、構成資産から除外されたうち、柳之御所遺跡の復元整備を進めていますけれども、これはどうしていくのでしょうか。それから、バーチャルを活用した遺産の整備の可能性についてもたびたび取り上げてきていますけれども、この段階でどのようにお考えでしょうか。
〇教育長(菅野洋樹君) 国立博物館の誘致についてでございますが、国民文化祭開催を契機といたしまして、平成3年から、政府予算要望において、北の文化や歴史に主題を置いた国立博物館の誘致を要望しているところでございますが、残念ながら、まだ国の積極的な対応をいただくまでには至ってないというところでございます。ただ、今回の平泉の世界遺産登録が大きな追い風と感じておりまして、国に対して誘致についての要望を強めていきたいと考えております。
 平泉文化の研究の拠点づくりのためには、まず平泉研究を深めることが非常に大事だろうと思ってございまして、平成12年から継続して国内の研究者との共同研究や発掘調査を進めてまいりました。さらに、平成21年度からは岩手大学との共同研究も進め、現在は県内5大学によるいわて高等教育コンソーシアムとの研究連携を行っているところでございます。今後とも、平泉の文化の研究拠点づくりに向けてより一層研究を推進してまいりたいと考えております。
 次に、除外資産等についてでございます。柳之御所遺跡は、平成22年4月から史跡公園としての公開を開始したところでございます。今後の柳之御所遺跡の復元整備に当たっては、世界遺産登録の審査が年々厳しさを増しているといったことを考えますと、復元の真実性がより強く求められてくるのだろうと思ってございます。このため、文化庁や平泉遺跡群調査整備指導委員会の指導を得ながら、慎重に調査研究を深めてまいりたいと考えております。
 こうしたことを考えますと、やはりバーチャルによる整備というのは一つの有用な方策であろうと考えてございます。現在、東京大学と明日香村が連携いたしまして、既に、飛鳥京の整備についていわゆる実験を行ってございます。映像を見るゴーグルの操作性等に課題があるとも聞いてございますが、一方で、平泉町におきましては、無量光院跡の整備の中でこういったものを活用したいという意向を持っていらっしゃると聞いております。したがいまして、何とかこういった実現に向けて今後も積極的に情報を収集しながら、平泉町とともに取り組んでまいりたいと考えております。
〇5番(岩渕誠君) 私は、バーチャルの問題を取り上げるのがこれで3回目でありますが、ようやく納得のいく答弁をいただいたと思っております。いずれ、復元することによって世界遺産の登録にならないというような状況もますます強まっているような部分もあります。ぜひその辺は研究いただいてやっていただければと思います。
 さて、世界遺産に登録されて最も期待されるのが観光への影響でございます。既に登録を見据えて、平泉関連予算の執行、そして来年のデスティネーションキャンペーンへとつながるものとして、県でも準備を進めてきたことと思いますけれども、今後、大震災の発生も踏まえ、どう進めていくのか、また、解決すべき課題は何かをお伺いしたいと思います。
 私は、沿岸の被災地の思いなくして平泉もないと思っておりますし、多くの地元の皆様も同じ思いであると思います。
 私ども県南では、自分だけ繁盛すればいいということを軽蔑して我れ繁盛というような言葉を時々使います。そういうことではないんですね、今は。やはり平泉にいらっしゃるのであれば、ぜひ一日でもよいから被災地でボランティア体験を行っていただきたい。そして、被災地とともに歩む観光というものも模索していただきたいと思っています。
 私の地元一関市では、若手の経営者が中心になって、桜でつながる日本の絆プロジェクトというものを進めております。これは、桜をかたどったTシャツを販売した益金で被災地に桜の苗木を送ろうという活動なんです。これは、苗を植え、そして育てて、花を咲かせるまでのその長い期間にわたって、Tシャツを買ってくれた皆さんに被災地に何度も足を運んでいただいて、被災地の人たちと一緒になって、その復興支援を続けてもらいたいというねらいで取り組んでいる団体がございます。平泉の観光も被災地とともに歩むという考えが必要と私は思っているんですが、県当局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
〇商工労働観光部長(齋藤淳夫君) まず最初の観光対策についてであります。県ではこれまで、平泉の世界遺産登録とデスティーネーションキャンペーン、いわゆるDCとの相乗効果を生かしまして、本県への誘客増と県内各地への波及をオール岩手の体制で目指してきたところであります。しかしながら、このたびの東日本大震災津波によりまして、早期に解決すべき課題といたしまして、まず、被災した地域の観光施設の復旧及び被災事業者の事業の立て直し、そして、2番目といたしまして、観光客が減少している地域経済の活性化、この二つの大きなテーマが新たに生じたものと認識しております。これらの課題解決のため、まず、施設の復旧や事業の立て直しに向けましては、被災施設の修繕費の補助や、設備・運転資金の融資などの支援の措置を講じているところであります。
 また、観光客の回復に向けましては、DCの取り組みの一つの柱として、世界遺産平泉から全県域、特にも平泉より北側に誘引ベクトルを向けるということが重要だと考えております。具体的には盛岡・八幡平広域観光圏とも連携しながら、体験メニューを組み込んだ長期滞在旅行をセールスする、あるいは知名度の高い十和田湖を有する青森県、秋田県とも連携しながら、平泉から北に向かう旅行商品を造成していきたいと考えております。
 また、被災地とともに歩む観光のあり方についてでございます。世界遺産平泉の観光を被災地の復旧、復興につなげていくことは極めて大切なことだと考えておりまして、私どもも、平泉を訪れた人はぜひ被災地を訪れていただく、それから被災地のボランティア活動においでいただく方は逆に平泉も訪れていただく。これは当然被災地の状況や被災者の御心情を配慮しながら進めていかなきゃならないと思いますが、この世界遺産平泉のあらゆる生命をとうとび、ともに生きるという理念を、岩手を訪れるできるだけ多くの方々に知っていただいて、被災地への支援の輪ができるような旅行商品、あるいは観光の進め方をしてまいりたいと考えております。
〇5番(岩渕誠君) 最後に、平泉と震災の関係で申し上げます。
 震災直後、世界的な称賛を浴びたのは、我慢強く、そして思いやりにあふれ、高い倫理性に基づいて人間らしい行動を行ってきた被災地の皆さんの態度でありました。たたずまいでありました。これは、やはり私たちの文化そのものだと思いますが、被災から日がたつにつれ、その態度を保持していくためにも、保持させていただくためにも、称賛を続けてもらうためにも、やはり県としてしっかりと復興対策に取り組むこと、これが平泉文化を守ることだと思います。よろしくお願い申し上げます。
 終わります。(拍手)
〇副議長(小野寺研一君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時31分 休 憩
出席議員(46名)
1  番 吉 田 敬 子 君
2  番 工 藤 勝 博 君
3  番 高 橋 但 馬 君
4  番 小 野   共 君
5  番 岩 渕   誠 君
6  番 郷右近   浩 君
7  番 高 橋   元 君
8  番 喜 多 正 敏 君
9  番 岩 崎 友 一 君
10  番 木 村 幸 弘 君
11  番 久 保 孝 喜 君
12  番 小 西 和 子 君
14  番 高 橋 博 之 君
15  番 及 川 あつし 君
16  番 亀卦川 富 夫 君
17  番 高 橋 昌 造 君
18  番 中 平   均 君
19  番 五日市   王 君
20  番 関 根 敏 伸 君
21  番 三 浦 陽 子 君
22  番 小田島 峰 雄 君
23  番 熊 谷   泉 君
24  番 嵯 峨 壱 朗 君
25  番 飯 澤   匡 君
26  番 大 宮 惇 幸 君
27  番 千 葉 康一郎 君
28  番 新居田 弘 文 君
29  番 工 藤 大 輔 君
30  番 佐々木 順 一 君
31  番 佐々木   博 君
32  番 田 村   誠 君
33  番 工 藤 勝 子 君
34  番 平 沼   健 君
35  番 樋 下 正 信 君
36  番 柳 村 岩 見 君
37  番 阿 部 富 雄 君
38  番 斉 藤   信 君
39  番 及 川 幸 子 君
40  番 佐々木 一 榮 君
41  番 伊 藤 勢 至 君
42  番 渡 辺 幸 貫 君
43  番 吉 田 洋 治 君
44  番 小野寺 研 一 君
46  番 佐々木 大 和 君
47  番 菊 池   勲 君
48  番 小野寺   好 君
欠席議員(1名)
45  番 千 葉   伝 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後3時48分 再開
〇副議長(小野寺研一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。小野共君。
   〔4番小野共君登壇〕(拍手)

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