平成23年8月臨時会 第24回岩手県議会臨時会 会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第1号2011年度岩手県一般会計補正予算(第5号)について質問いたします。
 今回の補正予算は、東日本大震災の救援復興にかかわる国の第2次補正予算への対応と福島原発事故による県内への放射能汚染対策が主な内容で、総額305億円余となるものであります。
 知事に質問します。
 国の補正予算に機敏に対応しようとすることは評価しますが、被災地では、国の対応のおくれはもとより、県の対応も極めて遅いという声が出されています。
 具体的に質問します。
 第1に、この間、4、400億円を超える東日本大震災津波対策の補正予算が既に組まれていますが、その取り組み状況、進捗状況はどうなっているでしょうか。
 第2に、放射能汚染対策として、学校、保育園等の放射線量の測定と除染作業に要する経費が1億600万円余盛り込まれています。我が党は6月末にすべての学校での放射線量の調査を申し入れましたが、原発事故から既に5カ月が経過しようとする中での対応は余りにも遅過ぎたと言うべきではないでしょうか。この調査の実施は9月予定であります。
 第3に、県産牛肉安全安心確立緊急対策事業として4、100万円余が盛り込まれています。汚染した稲わらを使用したと疑われる肉牛の全頭検査、それ以外の全戸検査を実施しようとするものであります。既に山形県、秋田県などが全頭検査を決めている中で、岩手県の対応は余りにも遅過ぎたのではないでしょうか。おくれた理由は何でしょうか。7月25日の知事の定例会見では示されず、2日後の27日に全頭検査、全戸検査の方針が示されたことは、知事の政治姿勢と決断力のなさを示すことになったのではないでしょうか。
 第4に、今、農家と消費者は米の放射能汚染を一番心配しています。ところが、米の放射線量の調査は、県南の一関市、奥州市、平泉町、藤沢町に限られています。これでは岩手の米の安全の確認にはならないのではないでしょうか。全市町村で米の放射線量の調査を行うべきではないでしょうか。
 次に、関係部長に質問いたします。
 第1に、災害廃棄物緊急処理支援事業として17億855万円余が計上されています。これまでの災害廃棄物の撤去状況、一時仮置き場への撤去はどうなっているでしょうか。大槌町が20.5%、釜石市が28.3%でおくれていますが、その理由は何でしょうか。
 また、県が責任を持つべき災害廃棄物の処理、処分はどうなっているでしょうか。
 仮設焼却炉を1基賃借で設置する予定ですが、どこに設置し、いつから稼働できるのでしょうか。2基設置の予定だったと思いますが、今後の見通し、県内の処理、処分の能力はどうなるでしょうか。
 第2に、災害救助費が94億3、600万円余計上されています。応急仮設住宅として民間賃貸住宅の借り上げ戸数を2、000戸から4、000戸に変更し、玄関網戸や手すり、スロープ等を整備しようとするものであります。民間賃貸住宅の借り上げ申請戸数、契約戸数はどうなっているでしょうか。
 応急仮設住宅の建設戸数、完成戸数、入居戸数、入居率、これは先ほど答弁がありましたから、空き家の戸数はどうなっているか、集会所、談話室の設置状況はどうなっているか示していただきたい。この空き家は優先的に集会所、談話室として活用すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 民間借り上げ住宅にも日赤6点セットは設置されるのでしょうか。雇用促進住宅、県市町村営住宅への設置状況はどうなっているでしょうか。
 仮設住宅の玄関網戸や手すり、スロープ、道路の舗装の状況と今後の見通しを示していただきたい。
 第3に、被災者再建支援金負担金が10億3、000万円余計上されています。対象件数、支給件数、支給率はどうなっているでしょうか。義援金、災害弔慰金についても示していただきたい。
 第4に、被災地健康相談支援事業費として5、719万円余計上されています。どういう人材と人員で、どれだけの仮設住宅を訪問し、どういう活動を行う計画か、いつから実施できるのか示していただきたい。
 第5に、障害者支援施設等災害復旧事業費補助11億1、781万円余、老人福祉施設等災害復旧事業費補助27億6、749万円余となっています。障がい者施設、老人福祉施設の被災状況と今回の補助対象施設はどうなっているでしょうか。被災された障がい者の状況、要介護高齢者の介護サービス利用状況はどうなっているか示していただきたい。
 第6に、被災地医療確保対策事業費が160万円余計上されていますが、総額12億円余となるものであります。病院、診療所の被災状況と再開の状況はどうなっているでしょうか。仮設診療所への補助への申請と補助件数、補助額、診療所の改修等への補助への申請と補助件数、補助額はどうなっているでしょうか。
 第7に、水産業共同利用施設復旧支援事業費補助が72億2、300万円余計上されています。被災した漁協、水産加工協等の水産業共同利用施設の早期復旧と修繕等への補助であります。補助対象件数、補助率、事業主体の負担率はどうなるでしょうか。被災した施設のどれだけが対象となるでしょうか。
 以上でありますが、答弁によっては再質問いたします。
〇知事(達増拓也君) 斉藤信議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、東日本大震災津波対策に係る補正予算の取り組み状況についてでありますが、各補正予算に計上された事業については、被災地の復旧、復興に資するよう、鋭意事業の実施に取り組んでおります。
 震災対応にかかわる事業については、過去に類を見ない内容の事業も多く、さまざまな調整等により時間を要するものもありますが、仮設住宅の整備や瓦れきの処理を初め、被災者の方々への支援や被災地域の復旧、復興に向け速やかに実施するよう取り組んでおり、事業におくれが生じることがないよう努めているところであります。
 次に、放射能汚染対策についてでありますが、国においては、発災当初から福島県及びその隣接県等を主たる放射線対策の地域としてきたことから、本県を含む広範な地域への放射性セシウムの拡散について、国による監視や情報提供が十分ではございませんでした。
 県では、サーベイメーターによる測定が可能になった6月から独自に県内各市町村の地表付近の空間線量率を調査し、盛岡市などと比べて高い傾向が認められた県南地域についてはさらに旧市町村単位で測定を行うとともに、公園等の土壌や学校のプールで使用される水道水の監視を強化してまいりました。また、一部の市町村においても、県と連携しながら独自にきめ細かな調査を実施した結果、胆江、両磐地域において局所的に空間線量率の高い場所の存在が明らかになってきたところであります。
 こうした状況を踏まえ、県では7月29日に知事を本部長とする原発放射線影響対策本部を設置し、原発放射線影響対策の基本方針を策定し、放射線の影響を受けやすいとされる子供の健康を重視する観点から、教育施設や児童施設における空間線量率の状況把握と毎時1マイクロシーベルト以上の局所の除染対策を推進することとしたところであり、今後も適時適切に対応してまいります。
 次に、全頭検査、全戸検査についてでありますが、県内における全頭検査の開始を発表したのは、7月25日に山形県、秋田県、新潟県、7月27日に岩手県、宮城県、7月28日に栃木県という状況であります。
 本県においては、7月15日に宮城県で暫定許容量を超える稲わらが発見されたことを踏まえ、翌16日に原発事故後に収集された宮城県産稲わらを給与した肥育牛について出荷自粛を要請、また、20日には県産稲わらにも範囲を拡大して出荷自粛を要請するなど、消費者の安全確保を第一に対応してまいりました。肉用牛の検査体制等の構築についても、関係団体との調整を図りながら、畜産農家に対する経営支援や風評被害対策も含めた総合的な対策として、他県と同様に事案全体に対する対策という観点から適切に対応してきたものであります。
 次に、米の放射線量調査についてでありますが、本県がさきに公表した米の調査計画では、当初、本県を含まない14都県に対して国が示した枠組みに準じ、予備調査については、県が調査した空間放射線量率の最大値が1時間当たり0.1マイクロシーベルトを超える県南地域の4市町を対象とし、本調査については、調査地域の追加を検討することとしておりました。今般、政府から本県にも農林水産物の検査計画の策定を求められたことなどを踏まえ、予備調査の対象市町村は最新の空間放射線量率の調査結果を反映させるとともに、本調査では県内すべての市町村を対象とすることとし、関係機関、団体と調整してまいります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〇環境生活部長(工藤孝男君) まず、災害廃棄物の撤去状況についてでありますが、一時仮置き場への撤去は、7月25日現在、県全体で53.6%となっております。
 釜石市につきましては、解体を要する家屋が多く、持ち主が立ち会いを求める場合がほとんどでありますことから、撤去に時間を要しているものでございます。
 大槌町についてでございますが、震災後大規模な火災が発生し、多くの家屋が焼失したところでありますが、災害廃棄物の発生量の推計に当たりましてこの焼失分を考慮しておらず、結果として推計量が過大となり、見かけ上の撤去率が低くなっている可能性がございます。これにつきましては、今後、詳細計画を策定する中で検討したいと考えてございます。
 なお、環境省の推計では、大槌町につきましては撤去率が55%となってございます。
 次に、県が委託を受けた災害廃棄物の処理状況についてでございますが、太平洋セメント大船渡工場におきまして陸前高田市ほかの瓦れきの処理をしているほか、陸前高田市につきましては腐敗した魚介類の海洋投入処分を実施しております。また、野田村におきましてはコンクリートがらの破砕処理、宮古市におきましては、魚市場周辺の衛生環境改善のために出先地区の災害廃棄物を小本港に移動し分別作業を行っているところでございます。山田町におきましても木くずのリサイクルを進めているなど、できるところから順次進めているという状況でございます。
 次に、仮設焼却炉についてでございますが、現在、設置予定地域の市町村などと最終的な協議を行っているところでございまして、調い次第、場所等につきましては公表させていただく予定としております。稼働につきましては、来年の3月を予定しているところでございます。
 2基目の仮設焼却炉につきましては、県以外が設置する方向で現在、鋭意検討されているところでございますが、同じく地元協議が調い次第、公表させていただく予定となってございます。
 2基の仮設焼却炉が稼働した場合、県内施設の処理能力は合わせて約200トン─1日当たりの処理量でございますが─増加する予定となってございます。
〇理事(廣田淳君) 災害救助費についてでありますが、民間賃貸住宅の借り上げにつきましては、8月8日現在、申請戸数3、751件であり、契約戸数は2、308件となっております。
 応急仮設住宅の空き家の見込みでございますけれども、建設戸数1万3、938戸から入居希望戸数1万2、595戸を引きました1、384戸と見込んでおります。
 次に、日赤家電6点セットにつきましては、民間賃貸住宅についても設置されております。さらに、雇用促進住宅、県市町村営住宅への設置状況は、7月29日現在、1、065セット設置されております。
 応急仮設住宅の玄関網戸は、引き戸タイプの玄関についてはすべて、風除室の設置、これもすべてについて9月末までを目途に設置を進めております。
 手すりやスロープにつきましては、入居者の希望に応じて住戸内外への設置を行っております。
 舗装につきましては、各住戸に至るまでの団地内通路を2メートル程度の幅で整備することとしており、10月にはすべての団地で舗装される予定であります。
 なお、仮設住宅団地の談話室等の整備状況でございますけれども、324団地中、談話室は108団地、集会所は35団地で整備の予定でございます。
 次に、被災者生活再建支援金についてでありますが、8月5日現在で対象件数2万1、000件と見込んでいる中、1万9、531件、174億5、162万円支給しており、支給率は件数ベースで93.0%となっております。
 義援金は8月5日現在、対象件数を3万2、740件と見込んでおり、第1次配分は2万5、536件、114億950万円、支給率77.9%、第2次配分については2万5、257件、190億7、941万円余、支給率は77.1%でございます。
 災害弔慰金は7月28日現在、対象件数4、377件計上している中で、103件、3億5、000万円余を支給し、支給率2.3%でございます。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) まず、被災地健康相談支援事業費についてでありますが、この事業は、保健師、看護師等の3名を1チームとし、8チームによりすべての沿岸被災地の応急仮設住宅群の集会所や談話室などを定期的に巡回し、被災者を対象とした健康教室、保健指導等を委託事業として実施するものであります。
 具体的には、本年8月中の開始をめどとして、1カ月に1回程度の割合で応急仮設住宅群を巡回し、血圧測定や健康に関する講義、健康運動指導、リーフレット等の配布による普及啓発などを実施するものであります。
 次に、障害者支援施設等災害復旧事業費補助についてでありますが、県内の579カ所の障がい者支援施設及び障がい福祉サービス事業所のうち、被災した施設は84カ所でありましたが、このうち、国庫補助の対象である被害額80万円以上となった施設は23カ所となっております。
 また、これらの施設を利用していた障がい者の方々の状況についてでありますが、ほとんどの施設においては、応急復旧工事の実施、仮設施設の整備により障がい福祉サービスの提供を再開していることから、被災前と同様にサービス提供を受けているところでございます。
 また、障がい福祉サービスの停止を余儀なくされていた通所施設3カ所におきましては、被災を免れたほかの施設を利用し、サービスの提供を受けているところでございます。
 次に、老人福祉施設等災害復旧事業費補助についてでありますが、県内の特別養護老人ホームや老人保健施設、認知症高齢者グループホームなど405の入所居住系の施設のうち117施設が被災しており、通所や訪問介護など居宅サービスでは122事業所、老人福祉センターは2カ所が被災しております。このうち、今回、国庫補助対象となる被害額が80万円以上の施設事業所は全体で62カ所となっております。
 また、要介護高齢者の被災後のサービスの利用状況についてでありますが、まず、入所居住系施設の入所者につきましては約9割の方が引き続き同じ施設に入所しており、使用不能となった施設の入所者については、近隣の施設や内陸の施設等においてサービスを利用しているところでございます。
 また、居宅サービスの利用者につきましては、震災後も約4分の3の方が居宅サービスを継続しており、施設へ入所された方を加えると約8割の方が介護サービスを利用していらっしゃいます。
 次に、被災地医療確保対策事業費についてであります。
 まず、沿岸市町村の病院、診療所の被災状況と再開の状況についてでありますが、沿岸市町村にあった240の医療機関のうち、病院13カ所、医科診療所49カ所、歯科診療所58カ所と120の医療機関が被災したところでありますが、自院の修繕や仮設診療所の設置により、8月1日の時点で81の医療機関が保険診療を再開しているところであり、施設数で約8割の医療機関がおおむね通常の診療体制となっているところであります。
 次に、国の補助事業を導入して県が仮設診療所を整備する仮設診療所整備事業の状況についてでありますが、本県では、県立病院の三つの仮設診療所を含めて医科で19カ所、歯科で14カ所を設置する計画であり、国に対し約8億5、000万円の補助金申請を行うこととしております。
 現在、運営する医師等からの情報提供を受けながら、それぞれの施設に必要な仕様や機器等を調整し、順次購入手続等を進めておりますが、現時点で既に医科12カ所、歯科5カ所がこの仮設診療所での診療を開始しており、10月までにおおむね設置が完了する見通しとなっております。
 また、6月補正予算において措置いたしました被災診療所機能回復事業についてでありますが、沿岸被災地において、災害復旧費補助や仮設診療所整備事業等による支援を受けられない被災医療機関に対し、応急的な診療再開に要する修繕や医療機器の購入等の経費を補助するもので、国に対し財政措置の要望を行っているところであります。
 補助対象となる診療所は、現時点において医科12カ所程度、歯科33カ所程度、合計で45カ所程度、補助金総額は3億円程度となる見込みでありますが、このうち、医科は12カ所すべて、歯科は26カ所、合計38カ所は既に診療を再開しているところであります。
 現在、これらの補助対象となる診療所に対し修繕等に係る所要額の調査を進めており、速やかに調査結果を取りまとめて補助金交付を行い、早急に地域の医療提供体制の確保を図ってまいりたいと考えております。
〇農林水産部長(東大野潤一君) 水産業共同利用施設復旧支援事業費補助についてでありますが、今般の補正予算で計上いたしました補助事業の件数は、機器整備、施設の修繕及び倉庫等のリースを合わせて510件となっております。補助率及び事業主体の負担率につきましては、国が9分の6、県と市町村が9分の1ずつをかさ上げすることで補助率は9分の8、事業主体の負担率は9分の1となります。
 被災した施設への事業導入につきましては、直近の被害状況調査では水産施設等の被害は約1、000カ所となっており、他の事業での補助予定箇所を加えますと約8割が事業対象となります。
〇38番(斉藤信君) 知事に再質問いたします。
 肉牛の全頭検査、全戸検査でありますけれども、県外出荷が約7割を占める、こういう中で、全戸検査で本当に全国の消費者に安全確認ができるのか、全頭検査に踏み切るべきではないのか。
 もう一つは、福島県、宮城県は既に出荷停止中の肉用牛の買い上げを決めています。国もそれに補助するとなっていますから、私は、肥育サイクルを守るためにも、肉用牛の買い上げを県としても速やかに行うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 それと、米の放射線量の調査については、本調査で全市町村やると、こういう回答でしたね。きのうの議案説明会ではそれが出ていないのですよ。どうも岩手県の対応というのは、1日、2日するとすぐ変わってしまう。こういうところにやっぱり知事の決断というかイニシアチブというのを感じないんですよ。1日、2日たつところっと変わると。もっと早く、毅然としたそういう対応を踏み出してこそ農家も消費者も安心するんですよ。そういう対応が知事には不足しているのではないか、改めてここはお聞きいたします。
 次に、災害救助法にかかわって、これは8月10日でまた延長されていると思うけれども、災害救助法延長の状況を示していただきたい。
 応急仮設住宅の空き家戸数を聞きましたら1、384戸だと。そして、集会所、談話室の設置が143団地で、324団地でありますから、180団地は集会所も談話室もないと。どこに空き室があるかわかりませんが、私は、やっぱり集会所、談話室のない団地であれば、優先的に空き家は集会所や談話室に転用する、そして最大限すべての団地に談話室を整備するようにしていただきたい。いかがでしょうか。
 それと、もう一つ、せっかく集会所、談話室を設置しても、管理者がまだ決まっていないというのでかぎがかかっているところがあるんですよ。私、こんなことは絶対許してはならないと思います。やっぱり開放して、その団地の方がいつでもそこに行って、団地の人たちと触れ合える、ボランティアと触れ合える、そういう活用を私はやるべきだし、そういう援助をする支援体制を強化すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 それと、被災地健康相談支援事業費、そして心のケア対策というのも今回の予算で出ているのですが、既に今度の震災で自殺者が岩手県では3人と、東北3県では16人と、こういう報告があります。災害関連死も出ていると思います。この実態をどういうふうに把握しているか。そして、私は、津波で助かった命を絶対失わせてはならないと、二次被害をつくってはならないと。しかし、残念ながらそういう事態が引き起こされているわけですから、これについての特段の対策を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 県のある政策の発表を行ったことについて、その前日にそのことを発表していなかったから決断が遅いとかリーダーシップがないというのは全く非論理的なことでありますので、それは訂正していただきたいと思います。
 それから、牛肉の買い上げについてでありますけれども、現在、国と進めております早期出荷の段取りが早く進めば宮城県よりも早く出荷が可能になりますので、まずはその調整を進めていきたいと思っておりますけれども、買い上げについても、これは今、生産団体等と調整をしているところでありまして、いずれにせよ、岩手で牛肉を生産している生産者が生産活動をやりやすいように県として対応してまいります。
〇理事(廣田淳君) 3点御質問がありました。災害救助法の延長につきましては、昨日、1カ月間延長ということで国から連絡が来てございます。
 それから、仮設住宅の集会場の件でございますけれども、空き家、空き室の活用というようなことで私ども考えておりまして、これは国と今やりとりをしている最中でございますし、また、管理者のお話が出ましたけれども、できるだけ被災者の方々がコミュニティが形成できるような仮設住宅団地の運営ができるように、当方でもガイドラインをつくりまして1カ月ほど前に市町村のほうに示してございますけれども、引き続き、そういった形が進むように、市町村ともども進めてまいりたいと考えております。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 自殺者が3名出たという実態にございますが、本県におきまして、心のケアについて、発災直後から、全国からのこころのケアチームの派遣などを受け、それから保健師が避難所を回りながら、ハイリスクの方々を相談なり診療に結びつけてきた、そういうふうな動きを、取り組みをずっと進めてきたところでありますけれども、今般、避難所から応急仮設住宅のほうにステージが動いていく過程の中で、引き続きこころのケアチームの派遣をいただくとともに、沿岸に相談拠点を、7カ所のうち今のところは6カ所開設をしているわけですが、そこのところで診療なり相談をきちっと行うと。そのために、ハイリスクの方々を今回の事業によりまして保健師が抽出をし、その相談に結びつけていくと。で、医師の適切なケアに結びつけて対応していくというふうに仕組みを考えているところであります。ただ、自殺をされるということは、単に健康面だけではなくて、雇用の問題ですとかさまざまな要因がございますので、そういうことも含めて仮設住宅の中に生活相談を行う方々の配置をし、全体的な対応をしてまいりたいと考えているところでございます。
〇38番(斉藤信君) 知事の答弁、異常ですよ。7月25日にあなたは定例会見をやって、全頭検査を打ち出せなかった。農協、畜産農家から直訴されて、打ち出したのは7月27日じゃないですか。それも農政担当技監が発表しているんですよ。こんな大事なことを、なぜ知事が発表しないんですか。いいですか。米の調査だってね、全市町村調査っていうのをみんな求めているんですよ。農協も求めているんですよ。そのときにそれを打ち出せない。きょうでしょう、やっとそれを打ち出したのは。私は事実に基づいて、あなたの対応は不十分だと言ったんだ。あなたの答弁、何ですか、論理的でないなんていう答弁。それ、撤回すべきですよ、あなた。事実に基づいた質問にしっかり答えていただきたい。
〇知事(達増拓也君) きょう、この議会の場において、米の全市町村での検査の方向性について知事が発言するということについてリーダーシップがないというのであれば、その前の、知事ではなく農政担当技監が発表したことについてリーダーシップがないということと、これは明らかに矛盾をするものであります。きょう発表することについて、なぜきのう発表しなかったという言いがかりは、これはどんな場合にでも通用する、内容を問わず、とにかく言いがかりをつけるための論理でありまして、そういったことについては、先ほど言った答弁を撤回する必要はないと考えます。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕

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