平成17年8月臨時会 第14回岩手県議会臨時会会議録

前へ 次へ

〇26番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第1号から第4号について質問いたします。
 議案第1号は、平成17年度岩手県一般会計補正予算(第2号)であります。これは、国道455号北山トンネル建設工事の工事費が大幅に増加することから、道路改築事業の債務負担行為の限度額を17億6、000万円増加しようとするものであります。
 北山トンネル工事は、ことし4月にトンネル掘削現場で陥没事故がありました。そもそも軟弱な地盤と指摘されてきましたが、事前の地質調査、設計段階での検討に問題があったのではないでしょうか。いずれにしても安全を最優先して工事を進めるべきと考えますが、今後の具体的な対策、工事費の増、工期はどうなるでしょうか。
 議案第2号から第4号は、県営建設工事にかかわる請負契約案件であります。これは、公正取引委員会から、岩手県が発注する建築一式工事の入札参加業者に独占禁止法違反があったとして91社に排除勧告がなされたことから、県議会への提案が延期されていたものであります。
 第1に、3件の契約案件は、防災ダム事業千貫石2期地区第10号工事の落札率が92.4%、県立一関一高校舎改築(建築)工事は92.7%、県立大船渡高校校舎改築(建築)工事は92.8%となっていますが、これで公正な競争入札が行われたと考えているでしょうか。
 第2に、落札した平野組は、二つの県立高校校舎改築工事を落札しています。県営工事が大幅に減少している中で、取り過ぎではないでしょうか。平野組は、談合が指摘された3年6カ月の間で一番受注額が多い企業でしたが、今年度どれだけの工事を現段階で受注しているでしょうか。
 第3に、三つの工事の落札企業は、公正取引委員会から排除勧告をされている企業であります。不応諾で、これから審判が行われる予定ですが、県のヒアリングでは、不応諾の理由、談合についてどう答えていたでしょうか。
 第4に、公正取引委員会による県内91社の排除勧告は、県政にとって極めて重大な問題であります。
 増田知事に質問します。
 公正取引委員会によれば、遅くとも平成13年4月1日以降、平成16年10月25日まで、トラストメンバーズ・TST振興会の名のもとに、県発注の建築工事で談合が行われていたと指摘しています。91社が受注した件数は116件、185億8、600万円となっています。知事は、今回の排除勧告をどう受けとめているでしょうか。
 増田県政のもとで、長期にわたって談合が繰り返されてきたことが濃厚ですが、知事の責任をどう認識されているでしょうか。
 抜本的な談合防止策を講じるべきですが、どうでしょうか。
 知事はこれまで、排除勧告を受けた企業から政治献金を受けているでしょうか。
 県としても、入札の実態の分析など、独自に談合疑惑の真相究明を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第5に、指摘された116件の入札結果についての実態について質問します。
 一つ、年度ごとに95%以上、90%以上、85%以上、80%以上、80%未満の落札件数はどうなっているでしょうか。
 二つ、低入札価格調査の件数は年度ごとにどうなっているでしょうか。
 三つ、低入札調査で保留・失格となった件数とその理由はどうなっているでしょうか。
 第6に、入札制度の改善についてであります。
 国とスーパーゼネコンは、競争の徹底によって、一部大企業に経営を集中させ、その他のゼネコンと下請、孫請企業の再編・スリム化を目指しています。これでは、談合を防止することも地域経済と地域の産業を振興することもできません。
 そこで質問します。一つ、一番重要なことは、建設業界の重層的構造と建設労働者の不安定な就業形態を改善することだと考えますが、県として、どう実態を把握され、認識されているでしょうか。
 二つ、そのために下請、孫請の企業に対しても、同一労働同一賃金を保証するように指導・徹底すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 三つ、具体的には、条件つき一般競争入札を拡大し、地元優先発注と資本金によるランク別発注を貫き、実際に工事を施工する企業が元請となるよう可能な限り分離・分割発注を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 四つ、ダンピングを防止するためには、低入札価格制度の改善強化が必要です。下請労働者の賃金価格や下請単価が不当に低くならないように、具体的失格基準を定め、事業中も、事業終了後も監視と調査を行う体制を確立すべきでありますが、いかがでしょうか。
 第7に、談合疑惑の徹底解明とあわせて必要なことは、地域経済の振興策と健全な建設業界・企業の育成であります。県民にとって必要な福祉・暮らし・教育関連の公共事業に公共事業の中身を変えるとともに、県内企業への仕事確保についても立ち入った対策を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、審判の状況を見なければなりませんが、談合で実際受注した企業は91社中47社であります。受注していない企業への対応に違いがあってもいいと思いますが、いかがでしょうか。
 第8に、この5年間で、排除勧告された91社に対して、県からの再就職、いわゆる天下り職員はいるでしょうか。いるとすれば企業数と人員を示していただきたい。
 以上でありますが、答弁次第で再質問させていただきます。

〇知事(増田寛也君) 斉藤信議員の御質問にお答え申し上げます。
 公正取引委員会による排除勧告について幾つかの御質問でございますが、まず、どう受けとめているかということであります。
 入札談合ですが、これは最も悪質な独禁法違反行為の一つでございまして、公正で自由な競争により受注者を決めようとする競争入札制度を根幹から否定するものでございまして、ひいては発注者の予算の適正な執行を妨害する、納税者である県民の利益を著しく損ねる行為である、こういうふうに認識しております。
 県では、このような認識に立って、入札制度について見直すべき点は早急に見直すとともに、建設業者や、また建設業界に対しては、談合など不正行為の根絶のため、再発防止に向けた抜本的な対策を求めなければならないと考えております。
 それから、責任の問題でありますけれども、これまで、本庁の部局長で構成されております入札制度改善等検討委員会というものがございますが、ここで決定した入札改善プログラムに基づいて、各般にわたる談合防止対策を講じてきたにもかかわらず、今回、県が発注する工事に対して、公正取引委員会から県内建設業者に対して排除勧告がなされたことは、大変遺憾なことでございます。
 県では、今回の排除勧告を真摯に受けとめて、その内容を分析した上で、入札制度について、見直すべき点は見直しをして、このようなことが生じないように対処していきたいと考えております。
 それから、談合防止対策について具体的に申し上げますと、この談合など不正行為を行いがたくする入札制度改善の基本的な方策として、一般的には二つが必要であるとされております。一つは競争性を高めること、それから、二つ目は談合などの不正行為につながる機会を減らすこと、この二つであります。
 公正取引委員会の排除勧告に伴う当面の措置として、県では昨日、次の4点を決定したところであります。一つは、指名競争入札における競争性の向上。二つ目は、予定価格の事前公表。これは、現在試行しております予定価格の事前公表の対象範囲を拡大する。それから、3点目は、電子入札の対象範囲の拡大。4点目は、低入札価格調査制度の見直し。これを決定いたしました。
 今後、公正取引委員会での審判で明らかにされる事実関係を踏まえまして、入札制度のさらなる改善に努めてまいりますが、一方で、受注者側においても、法令遵守の意識を一層高めてもらう必要があると考えております。
 それから、真相究明についてでありますが、今般、審判が開始されて、本件に係る詳細な事実関係はその中で明らかになるものと考えておりますので、県では当面、この審判を注視していきたいと考えております。
 最後に、政治献金についてのお話がありましたが、私は、公正取引委員会による排除勧告を受けた企業からの政治献金は受けておりません。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。

〇県土整備部長(橋本義春君) まず、一般国道455号北山トンネル建設工事の工事費についてでありますが、事前の地質調査、設計段階での検討に問題があったのではないかというお尋ねでございますけれども、トンネルの調査・設計に当たりましては、建設省都市局及び道路局から示されておりますトンネル技術基準に基づいて行っておりまして、ボーリング調査や弾性波探査などの必要な調査を実施しております。
 また、設計に当たっては、地質条件に応じた工法を採用するとともに、補助工法につきましても、その条件を勘案して設計を行っております。
 このようなことから、事前の調査・設計は、トンネル技術基準に基づいて行ったものでありまして、妥当であったと考えております。
 なお、施工に当たりましては、地質の状況を監視しながら慎重に進めてきたところでありますが、4月に発生した陥没は、それまでの地質の状態からは想定し切れない急激な変化があったためと考えております。
 次に、今後の具体的な対策、工事費の増、工期はどうなるのかというお尋ねでありますが、具体的な対策工法につきましては、地山の強度を増すための補助工法として、トンネル頂部に長尺の鋼管を挿入して薬液を注入するAGF工法、切り羽に長尺の鏡ボルトを打ち込む工法などを採用し、安全を確保しながら施工することとしております。
 工事費の増についてでありますが、崩落箇所に係ります工事費の増は約4、800万円でございます。
 工期についてですが、崩落に伴う休止期間は約2カ月ございました。補助工法の増工に伴い、掘進速度が通常の半分程度になりますことから、10カ月近い延長が必要となり、トンネル本体の工事の完成は、平成19年7月ごろになる見込みでございます。
 次に、入札制度の改善に係る御質問のうち、建設業の重層構造と建設労働者の就業形態についてでありますが、建設業は、現地受注産業であることや総合工事業と専門工事業の組み合わせによる施工という他産業に見られない特徴を有しますことから、建設業法におきまして、建設工事の適正な施工を確保する観点から、元請負人に対する施工体制台帳の整備等のさまざまな責務を定めています。
 県においては、これまでも業界団体等に対し、建設産業における生産システム合理化指針の徹底を要請しますとともに、建設業事務調査により、元請・下請関係の実態を調査し、元請業者の不適切な対応等への是正命令や県営工事の元請業者に対する下請調書の提出の義務づけの徹底などを行っておりまして、結果としては、改善が図られてきているものと認識しております。
 次に、下請、孫請の企業に対する同一労働賃金の保証の指導・徹底についてでありますけれども、県営工事において使用しております労務単価は、設計積算の基礎データとして使用しているものでありまして、この単価をもって労働賃金としての支払いを保証するものではなく、建設労働者の労働賃金は、それぞれの企業が独自に就業規則等により定めるものと認識しておりまして、相互契約の問題であると考えています。
 次に、分離・分割発注を進めることにつきましては、特に、土木、建築の総合工事業について、これまでも工事の難易度や現場条件、地域の実情等を十分に勘案し、可能な限り分離するように対応してきております。今後とも、こうした考えをもとに取り組んでまいりたいと思っております。
 次に、地域経済の振興策と健全な建設業界・企業の育成に関連した県内企業への仕事確保の対策についてでありますが、これまでも、県営工事の請負者に対しまして、下請等は県内建設業者を優先すること及び県内資材の優先活用を請負契約書の付記事項に記載しまして要請いたしますとともに、県内建設業者の受注率の低い舗装工事等の指名方針の見直しを図るなど、徹底に努めてきております。
 また、県外の大手建設業者に対しましては、土工協等との懇談の場等を通じまして要請を行っておりまして、今後とも、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

〇総務部長(時澤忠君) まず、契約案件3件の落札率についてでありますが、これは、現在の社会経済情勢のもとにおける企業間の競争の結果であると受けとめているものでございます。
 次に、平成17年度におきまして平野組が落札し受注している工事でございますが、現時点で落札決定しております工事357件ございます。そのうち、教育委員会発注の岩手県立一関第一高等学校校舎改築工事ほか7件となっているものでございます。
 次に、3件の落札事業者の不応諾理由でございます。
 ヒアリングを行いました結果、勧告の内容に納得できない。排除勧告の内容が見えてこない。あるいは勧告書の内容では事実関係が漠然としている、何をもって法律に触れたか具体的なものがない。勧告書の内容が一方的な内容であり、どの工事なのかなど明確なものではないというような理由から、不応諾としたという回答を得ているところでございます。
 次に、116件についての落札率等でございます。
 排除勧告を受けました91社が受注しました116件につきましては、現時点で具体的な件名が特定できないということがございます。しかしながら、排除勧告の対象期間におけます県内建設業者を対象としたすべての建築A級工事が134件ございます。これとの中で落札率と発注の関係を見てみますと、平成17年度49件のうち、落札率が、95%以上が35件、90%以上95%未満が6件、85%以上90%未満が5件、80%以上85%未満が1件、80%未満が2件。平成14年度38件のうち、落札率が、95%以上が23件、90%以上95%未満が5件、85%以上90%未満が8件、80%以上85%未満が2件、80%未満がゼロ件。平成15年度35件のうち、落札率が、95%以上が15件、90%以上95%未満が6件、85%以上90%未満が10件、80%以上85%未満が4件、80%未満がゼロ件。そして、平成16年度12件のうち、落札率が、95%以上が3件、90%以上95%未満が2件、85%以上90%未満が4件、80%以上85%未満が2件、80%未満が1件となっているものでございます。
 それから、低入札価格調査の件数でございますが、平成13年度14件、平成14年度23件、平成15年度24件、平成16年度22件となっておりまして、発生割合は増加傾向にあると考えております。
 そして、低入札価格調査で最低入札者が保留・失格となった件数でございますが、平成13年度3件、平成14年度4件、平成15年度13件、平成16年度10件となっております。数値的判断基準以外での失格理由につきましては、工事費内訳書の算出根拠が適正でない、見積数量が適正でない、品質・規格が適正でない、建設副産物の処理が適正でないなどが主なものとなっているものでございます。
 続きまして、今後の入札制度の改善でございます。
 今後の入札制度の改善につきましては、四つの視点から考えていきたいと考えております。一つ目が、競争性、透明性、公平性の確保でございます。二つ目が、談合等不正行為の排除の徹底でございます。三つ目が、価格と品質にすぐれた調達でございます。4番目が、技術と経営にすぐれた建設業ということで、この視点を基本に考えていきたいと考えております。
 今回の事件に関しまして、現在、不応諾ということで、審判手続の中でいろいろなことが明らかになっていくと考えておりまして、そうした中で明らかになる事実関係等も踏まえながら、先ほど申し上げました視点から、入札制度の改善について検討してまいりたいと考えております。
 それから、ダンピング防止でございます。低入札価格調査制度の運用につきましては、従前から品質の低下、下請・資材業者へのしわ寄せ等につながります、いわゆるダンピング受注排除の観点から、随時、制度の改善・見直しを行ってきておりまして、平成15年2月、平成16年1月に見直しを行ってきております。特に、平成15年2月には、施工中のみならず、工事完成時におきましても低入札価格調査の内容が施工内容と一致するかどうかということも調査しているものでございます。
 さらに、今回、先ほど知事が申し上げましたように、入札制度改善等検討委員会におきまして、低入札価格調査制度の見直しというものも行っているわけでございまして、いわゆるダンピング受注排除の観点から、今後とも厳正に対処してまいりたいと考えております。
 それから、談合で実際に受注した企業と受注していない企業に対する対応についてのお尋ねがございました。
 これは、まだ現在審判の過程で、今後いろいろなことが明らかになると考えておりますが、先般の公正取引委員会の排除勧告の中での事実認定によりますと、勧告を受けた91社全員が共同して独占禁止法違反行為を行っていたとされております。受注しているものと受注していないものとが分かれていることも含めて独占禁止法の違反行為という考え方が背景になっているものでございますので、県といたしましても、そのような考え方を踏まえながら対応を検討すべきと考えているものでございます。
 それから、排除勧告を受けた91社への県職員の再就職でございますが、県の退職職員の再就職につきましては、基本的に、職業選択の自由を尊重する必要がございますし、また、県として民間企業へ県退職職員の再就職をあっせんしてきておりませんので、勧告を受けました91社に対します県退職職員の再就職の状況については、把握できていない状況でございます。
 なお、県職員の退職環境の適正化を図るために、県では、退職職員の人材バンクというものを平成16年2月に設置いたしました。また、同時に職員に対しましては、退職前に在職していた職と密接な関係のあります営利企業への再就職を、原則、退職後2年間は自粛するように求めておりますし、また、企業に対しましては、再就職した場合であっても、県の公共事業等に係る営業活動には、2年間は従事させないよう要請しているところでございます。
 さらに、職務の公正な執行を確保するために、外部からの職務に関する働きかけに対する取扱要領というものを平成16年4月1日に施行いたしまして、職員が職務に関し県退職者から働きかけを受けた場合、あるいはその場合におけます記録・報告に関して取り扱いを定めまして、組織として適正な対応の徹底を図るとともに、その内容を公表すると定めているところでございます。

〇総合政策室長(相澤徹君) 公共事業の中身を変えるということについてでございますけれども、公共事業につきましては、社会資本の形成を通じ県民生活の向上に大きな役割を果たしてきたところであり、今後とも、県民の暮らしを支える下水道の整備や防災対策、文教施設の整備、さらには、地域の産業を支える交通インフラの整備など、生活・生産の両面にわたる良質な社会資本の整備が必要であると考えております。
 また、県民ニーズを十分踏まえながら、公共事業評価結果などを踏まえ、緊急度や優先度の高いものを厳選してまいりたいと考えております。

〇26番(斉藤信君) 北山トンネルの工事費増が4、000万円という話でしたが、17億6、000万円というのが今度の補正予算の中身ですから、この17億6、000万円の中身について答えていただきたい。
 それと、一関一高の契約案件なんですけれども、これは落札率が92.7%でした。落札しなかった業者の札は300万円単位の違いなんですよ。単純な、もう談合札じゃないか、こういう疑惑のあるこれは入札結果ですが、そうした調査はしませんでしたか。
 そして、今回91社の排除勧告で談合組織と言われたのが、トラストメンバーズという談合組織でありました。県のヒアリングでは、トラストメンバーズ・TST振興会への参加の有無と活動内容というものを聞いていますね。今回の3件にかかわって、この業者はトラストメンバーズに参加していたのか、TST振興会への参加と活動はどうだったのか、このことをしっかりと答えていただきたい。
 実は、私のところにこのトラストメンバーズの総会資料があります。この総会の名簿には、少なくとも一関一高と大船渡高校を落札した業者は、役員として名簿にあります。そして、この総会の資料にはこう書いているんですね。最近、一般競争、公募型の発注が多くなりましたので、混乱を避けるために、参加希望者は、公告日を決めて3日以内にトラストメンバーズ事務局かA級会に申し込んでください。これはもう、談合しますよと、こういうふうになっているんですよ。その役員名簿にあるんですね。ですから、皆さんのヒアリングでこの3件の落札業者はどう答えたのか、はっきりと答えていただきたい。
 それと、知事が、知事の期間に、遅くとも平成13年4月から談合が行われたという認定でした。これは公正取引委員会が実証する上で平成13年4月1日にしただけの話です。私は、本当に5年、10年という長期にわたって談合が行われてきたと見るのが常識だと思いますが、増田知事は、最初は建設業界の大応援で知事になった方であります。トラストメンバーズ・TRT振興会の存在を知っていたと思いますが、いかがでしょうか。
 それと、先ほど政治献金のことで私が聞きましたら、政治献金はないと。政治団体、後援会、この会費としても、こういう企業からの会費はなかったのか、このこともお聞きします。
 それと、談合防止の問題で、私は、競争性と透明性の確保とともに、建設業の構造的な問題を解決するということを提起いたしました。今、国も競争性を強調しているんですよ。そして、さっき私が話したように、一部のゼネコンも再編する、下請、孫請も再編するという、これが実は国が今やっているねらいなんですね。だから私は、競争性の確保だけでは談合は解決できないし、同じ仕組みが残ってしまう。今、建設業界最大の問題は、やっぱり下請、孫請をしっかり守って、そこで働く就労者の賃金をしっかり支えるようなものをつくらなければいけないと思うんです。
 知事に私は最後に聞きますが、公共事業が減っていくのは、これは今の状況では仕方がない。じゃ、公共事業が減っていく中で、どうやって仕事を確保するか。不要不急のダムとか港湾とかを見直して、学校の校舎の改築とか、建築とか、耐震化、福祉施設の建設、こういうものに流れを変えてこそ、今、本当に地元の業者に仕事を回すことができる。その回す場合に、本当に元請ができて、いわば実際に施工する業者が仕事をもらえるような仕組みにつくっていくことが、私は、本当の意味で今度の談合疑惑を解決することになるだろうと。このことを聞いて、終わります。

〇知事(増田寛也君) まず、今TS何とか振興会という名前とか、トラストメンバーズというお話があったんですが、これは、私は知りません。
 それから、企業から後援会ですとか、そういったところに献金がなかったかどうかということですけれども、そうした企業からのものはいただいておりません。
 あと、公共事業の内容でありますけれども、これは、今、時代がこういう時代でありますから、公共事業でどういう工事を行うかというのは、今厳密に行っておりまして、不要不急なものはやらないように、こういうことでやっております。
 今後も一層そうした不要不急なものでなく、今やることに意味があるものに事業費を充てるということでやっていきたいと思いますし、あと、事業の実施の際も、極力、地域の地場の皆さん方がそうしたものに参画できるようにしていくことは大事だと思います。ただ、一方で競争性を、公正な競争を確保するということはやっぱり大事ですから、その公正な競争が確保される中で、そうした地域経済への影響ということも考えていかなければいけないと考えております。

〇総務部長(時澤忠君) 契約案件につきまして、談合ではないかという御指摘がございましたけれども、具体的な談合情報等も寄せられておりませんし、適切に執行されたと認識しているものでございます。
 それから、ヒアリングの際に、トラストメンバーズ、あるいはTSTの関係の御質問がございました。これにつきましては、親睦団体として参加していたということ、あるいは名簿に載せられていたというような回答を得ているところでございます。

〇県土整備部長(橋本義春君) 所要額17億6、000万円の内訳についてのお尋ねでございますけれども、掘削の補助工法、先ほどちょっと御説明申し上げましたAGFとか、あるいは長尺の鏡ボルト等に要する費用が約19億5、000万円でございまして、それから、支保工、沈下変状部対策といたしまして約1億3、500万円、それから掘削工が、岩がやわらかくなったということもありまして、これは減額になっておりまして、3億6、500万円減額になっています。それから、坑口部の防音対策につきまして3、000万円ほどプラスになりまして、その差し引きをいたしまして約17億5、000万円と見込んでいるところでございます。

〇議長(伊藤勢至君) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、ただいま議題となっております議案第1号から議案第5号までは、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
   
〔参照〕
      委員会付託区分表
(第14回県議会臨時会 平成17年8月2日)
                        総務委員会
1 議案第5号
                        商工文教委員会
1 議案第3号
2 議案第4号
                        農林水産委員会
1 議案第2号
                        県土整備委員会
1 議案第1号
   

〇議長(伊藤勢至君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後1時42分 散 会


前へ 次へ