平成22年12月定例会 第19回岩手県議会定例会会議録

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〇9番(岩崎友一君) 自由民主クラブの岩崎友一でございます。
 先般の釜石選挙区の補選におきまして、有権者の皆様方の負託をいただき、県政に参画させていただくこととなりました。多岐にわたる県政課題、地域課題の大きさと、それに係る責任の重さに身の引き締まる思いがいたします。
 このたび、先輩諸兄の皆様の御配慮によりまして、初めての一般質問の機会をちょうだいいたしました。ここに改めて感謝申し上げる次第であります。
 それでは、通告に従い順次質問させていただきますので、知事を初め、当局の皆様には誠意ある答弁をお願いいたします。
 初めに、知事が描いている本県のビジョンについて伺います。
 達増知事は、平成19年の就任後、岩手県総合計画の後期実施計画として、県民一人一人が確かな希望を抱く県土づくりを目指すいわて希望創造プランを策定され、危機を希望に変えるための取り組みを推進されてきました。さらに昨年12月には、新しい長期計画として、いっしょに育む希望郷いわてを基本目標とするいわて県民計画を策定され、その中で、産業創造県いわての実現、食と緑の創造県いわての実現など、岩手の未来をつくる七つの政策を軸に県政を推進しておりますが、知事就任以来、これらの課題にどのように取り組み、これまでにどのような成果を得たのか、まずお伺いいたします。
 現在の状況は、これまで県民が経験したことのないほど、まことに変化の激しい、将来の予測が極めて難しい時代であります。我々の行く手には、雇用環境の改善、人口流出への歯どめ、県民所得の向上、地域医療の確保など、大きな県政課題が山積しております。知事は、10年後の本県のビジョン、将来像と課題、その実現のための方策をどのように描いているのかお伺いいたします。
 ところで、本県においては、県土の均衡ある発展、すなわち県北・沿岸振興が県政の最重要課題の一つであることは言うまでもありません。これまでも、県北・沿岸地域に対しては、道路や港湾整備事業等、多額の投資を行ってきたことは周知のとおりでありますが、沿岸地域に住む者の視点からは、内陸との格差は依然として大きいものがあり、今後さらなる集中的な投資が必要と考えられるものでありますが、県北・沿岸振興に対する知事の抱負をお聞かせいただきたいと存じます。
 国は先ごろ、使途が限られている約600の国庫補助負担金を地方自治体が原則自由に使える一括交付金化することについて、平成23年度は5、000億円以上を導入する方針を表明し、初年度は都道府県に配分し、翌年度からは市町村にもその対象を拡大することとし、平成24年度の規模は1兆円以上として、23年度予算概算要求ベースで約3.3兆円ある投資的補助金を段階的に一括交付金化する計画との報道がなされております。具体的な配分方法や金額など、詳細については不明な点が多いものの、公共事業中心とはいえ、いわゆるひもつきでない、地方の自由な裁量により使途を決定できる財源が国から移譲されることはまことに歓迎すべきことであり、知事におかれましては、先般実施されたアンケートに賛成の意を示されているところでありますが、このアンケートに対する知事の真意についてお伺いいたします。
 私としましても、一括交付金につきましては県北・沿岸振興に大いに役立ててほしいところであります。そこで知事に伺いますが、知事として一括交付金にはどのような期待をお持ちなのでしょうか。
 次に、長期的視点に立った産業の育成について伺います。
 県民所得の向上、雇用環境の改善、人口流出への歯どめを実現し、県民一人一人が確かな希望を抱くためには、本県の産業経済基盤を支えるための将来を見据えたグランドデザインの構築が不可欠であります。現在、県としては、自動車関連産業のほかにも半導体関連産業や医療機器関連産業など、すそ野が広く成長性の高い産業育成に尽力されていることと思います。これらの産業は雇用能力も高く、今後も本県の産業を牽引していくものと大いに期待するものでありますが、平成13年、ITバブル崩壊時、企業の生産拠点が中国へシフトし、県内の誘致企業が相次いで撤退した例、あるいは自動車業界においても、2001年の日産自動車村山工場や2002年の同久里浜工場などのように、生産設備の老朽化とともに生産拠点を県外あるいは国外のほかの地域に移すとなった場合、産業の空洞化が懸念されるわけであります。
 そこで知事にお伺いしますが、本県経済の長期的な安定を確保するためには、将来を見据え、時代や景気に左右されにくい食産業や次世代を担う産業を長期的視点に立って育成することが重要であると考えるところですが、この問題にどのように対応していくのかお考えを伺います。
 次に、地域医療について、大きく三つ伺います。
 本県の医療の歴史を振り返ってみると、広大な県土、峠々を越えて他市町村へ赴く交通の不便さが大きく立ちはだかる中で、県民があまねく医療を受けることができるよう、先人が多くの市町村に県立病院を整備した歴史があります。他県には見られない県立病院の充実ぶりであり、これにより、それまで全国最低レベルであった医療レベルが格段に改善されたのであります。
 しかしながら、県民の医療を守り支える県立病院も、財政赤字の面からのみその存在が語られ、都市部から隔絶された地域の住民の医療、福祉を支えてきた功績を語られることが少なくなり、医師不足という問題も重なり、統廃合あるいは無床化へと時流が動いたわけであります。
 私は、県民の医療、福祉を考えた場合、高度な医療を県内のどこの地域でも受けることができるという機会を平等に保障する観点から、収益性の議論に重きを置くのではなく、もっと前向きに医療を提供できる体制を考えていくべきであると考えますが、知事の所感をお伺いいたします。
 二つ目は、県立病院の医師不足対策についてであります。
 近年、医療の高度化が著しく、沿岸地域の県立病院にも高度な医療機器が導入される予定とも仄聞しておりますが、幾らハード面を整備しても、医師の確保がなされないのでは、せっかくの医療機器も効果を発揮できないのではないでしょうか。これまで、どのような対策によりどれだけの招聘実績を上げているか、今後さらにどのような対策をお考えか伺います。
 主な県立病院においては臨床研修病院として研修医を受け入れていますが、臨床研修医は医師免許を取得しており、指導医のもとに医療行為を行うことができ、研修の後半にはある程度の戦力として期待できること、さらには、2年間の研修修了後にそのまま当該病院に残って即戦力となるケースも多いことなどのメリットがあり、特に医師不足に苦慮している県立病院において非常に期待されるところであります。
 この臨床研修医の確保については、全国一斉のマッチングというシステムによって採用が決定されているようですが、人気が高く、毎年のように定員いっぱいの採用をしている県立病院がある一方で、採用が定員に満たない県立病院もあるなど、県立病院間でも格差が生じてきています。つきましては、最近の県立病院ごとの臨床研修医の確保状況と、県立病院間で格差なく研修医を確保していくための方策、さらには臨床研修修了後の定着の状況と、定着してもらうための対策について県の考えを伺います。
 三つ目は、ドクターヘリについてであります。
 ドクターヘリは、現在、全国では23カ所の病院に導入され、人命救助に貢献しております。私は、県民一人一人の命の重さは同じであり、県内どこにいても同等の医療を受けられるべきであるという観点から、広い面積を持つ都道府県ほど救急医療専用機の導入が不可欠であり、早急に導入すべきであると考えております。本県においても、平成24年度の運航開始に向け、本年度は運航ルールの検討、基地ヘリポートの整備計画策定、来年度は運航要領の決定、基地ヘリポートや地域の中核病院へのヘリポート整備などを行うこととなっておりますが、現在までの進捗状況と導入までのスケジュールをお伺いいたします。
 次に、県営建設工事の入札について伺います。
 県は、建設関連業務委託において、低入札対策として昨年7月から最低制限価格制度を本格導入し、一定の効果を上げているわけであります。しかしながら、工事請負契約においては依然として最低制限価格制度は導入されておらず、平成21年度の全工事の落札率は82.2%と低い状況が続いております。委託契約において一定の効果を得られたわけですから、工事請負契約においても最低制限価格を導入すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 また、速やかに導入できないのであれば、その間、国交省東北地方整備局の制度と同様に、予定価格を事前公表ではなく事後公表にすることにより落札率を上げられるのではないかと思うわけですが、いかがでしょうか。
 また、本県の場合、総務部が入札を担っているわけでありますが、こういった都道府県は全国にどれくらいあるでしょうか。そして、入札制度を総務部が所管する意図はどこにあるのでしょうか。
 次に、土木、建築製品の地産地消の取り組みについて伺います。
 我が国、そして本県は、1990年代初頭のバブル崩壊以来、20年にも及ぶ長い経済的停滞の中にあります。リーマンショックに端を発する世界同時不況以来続く現在のデフレ不況の中で、いずれの産業分野においても、企業の海外移転、生産の減退、所得や雇用の喪失など深刻な状況が続いているのは周知のとおりであり、これまでにも国、県を通してさまざまな景気対策がとられているものの、なかなか決め手となるものがないのが現状であります。
 年々、国、県ともに公共工事予算削減の中、雇用の受け皿である土木、建築業界はかつてないほどの不況下に置かれております。特にも、土木、建築関連製品を扱う2次メーカー、3次メーカーは、企業の営業努力やコスト削減だけではもう既に解決できる問題ではなく、県として県内企業を守るという強い意志のもと対策を講じなければいけないものであると考えます。
 そこで、土木、建築関連製品の地産地消の取り組みを強化すべきであると思うわけであります。食料品につきましては、その取り組みはさらなる推進が必要なものの年々着実に浸透し、1次産業従事者の所得確保や雇用の安定の一助となってきているわけでありますが、このような取り組みを土木、建築関連製品にも展開していくべきだと考えるところであります。先ほど取り上げましたとおり、県営建設工事において県内業者と契約することは言うに及ばず、可能な限り県産品を使用すべきであると考えますが、知事の見解を伺います。
 現在、仕様書に県産品を使うよう県として指導いただいていることについては大変感謝を申し上げるところではありますが、一部には浸透していないと聞き及んでいるところであります。なお一層の県産品の利用を図るため、新たな取り組みが必要と考えますが、県のお考えはいかがでしょうか。
 次に、漁業振興、特に担い手の育成対策について伺います。
 漁業は農業と並ぶ本県の基幹産業であり、その振興の成否は、まさに本県沿岸地域の命運を左右すると言っても過言ではありません。しかしながら、今年2月の津波による沿岸養殖施設の壊滅的な被害、今秋のサンマやサケの不漁など、いま一つ明るさに欠ける状況となっております。
 本県の漁業生産額は、昭和57年の822億円余をターニングポイントとして低下し、平成19年には437億円余と約半分に減少しており、漁業従事者も、昭和53年の2万843人に比べ平成20年では9、948人とこの30年で半分以下となり、減少の一途をたどっているところであり、このままでは本県漁業の産業としての存立が脅かされるのではないかと、まことに憂慮されるところであります。
   〔副議長退席、議長着席〕
 一方、発展途上国に見られるような人口爆発、地球温暖化に伴う気候変動による食料生産の異変、さらには、欧米や中国における魚を食べる文化の浸透、水産資源の獲得競争など、世界的に見ても水産資源への需要は今後、劇的に高まっていくものと考えられるところであります。すなわち、我が国の食料生産基地を標榜する本県にとって、漁業はまことに将来有望な産業として大きな期待が寄せられるところであり、漁業の将来を担う担い手の育成は急を要するのであります。漁業所得の向上、作業環境の改善、さらには協業化の促進等、多面的な施策を強力に推し進めていく必要があると考えるところでありますが、県のこれまでの取り組みとその成果、今後の課題について伺います。
 次に、高校再編と地域コミュニティのかかわりについて伺います。
 11月18日付の岩手日報によりますと、第2次県立高校整備計画策定に向けた論議に合わせて県高教組が行ったアンケートの中間まとめによると、高等学校の1学級当たりの定員について、40人では目が行き届かないことなどから、8割を超す教職員が余りよくない、見直すべきと回答しており、また、県教育委員会が今後の高校教育の基本的方向で望ましい学校規模を1学年4から6学級としていることについて、肯定的な保護者は36.4%、教職員43.2%、否定的な保護者は51.2%、教職員43.4%と割れたと報じられております。高等学校は人間形成にとって最も重要な時期であり、あすの岩手を担う人材を育成する観点からも、その質と機会は県内いずれの地域においてもあまねく保障されなければならないものと確信するものであります。そのような意味で、子供たちが自身の目標を達成できるよう、適切な教育環境の整備や教員の配置、教育課程の編成などを通じて教育内容の充実を図り、教育の質を保障することは極めて重要であり、先ほどのアンケート結果をしんしゃくすれば、高校再編に当たっては、子供たちに望ましい教育の質を保障することができる条件として、1学級の定員は40人以下であるべきではないでしょうか。教育長の御所見を伺います。
 ところで県においては、いわて県民計画の中で地域コミュニティの強化をうたっているところですが、近年、平成の大合併により、その地域ならではの施策の実施が困難になりつつあること、地域の人口が減少あるいは高齢化していく中で、地域コミュニティの活力の低下が懸念されるところであります。
 これまで高等学校は、地域のさまざまな活動等に積極的に参加し、地域コミュニティの一翼を担ってきたわけでありますが、現在進められようとしている高等学校の再編は、1学級40人の定員が厳格に適用された場合、特に地域コミュニティが学校の諸活動と密接に連携している1市町村1校の市町村にとっては活力の衰退を招きかねないと私は深く懸念するものであります。
 県教育委員会においては、現在、今後10年間を見通した高等学校の再編計画を策定するところと伺っております。もとより高等学校の再編の目的は、高等学校教育をいかに保障するかが本旨であることは十分理解するところでありますが、私は、地域コミュニティの維持という観点からも、1市町村1校の設置である場合においては、地域住民の意見を十分に尊重し、より慎重に検討すべきと考えるところであります。この点について教育長はどのようにお考えか御所見をお伺いします。
 また、地域コミュニティについては、ソーシャルキャピタルという地域力の基礎となる概念が用いられることもありますが、このような地域の現状を踏まえ、県は市町村とともに、地域コミュニティの活力のもととなる人と人との信頼関係、地域コミュニティの組織やボランティア組織等をどのように育成強化していくのでしょうか、その方策について伺います。
 次に、県内港湾の利用促進について伺います。
 本県の主要な港湾、例えば釜石、大船渡港における輸出入の状況を見ると、平成21年こそ世界的なリーマンショックの影響などにより大きく低下しているものの、これまでおおむね順調な伸びを示してきたところであります。しかしながら、東北各県の港湾との比較では、平成21年度の輸出入額において、仙台塩釜港5、927億円、秋田港991億円、八戸港2、195億円に対し、岩手は重要港湾全体の合計でも280億円と、大きく水をあけられております。
 このように大きな差の原因はどこにあるのでしょうか。例えば仙台塩釜港を例にとると、港湾の規模的な差は言うまでもありませんが、港湾へのアクセス道路としての仙台環状道路やセントラル自動車誘致のための大和インターの整備など、道路網と連動した効果的な整備が図られており、クレーン等の荷役施設が完備しているからではないかと考えられるところであります。
 現在、内陸部を結ぶ釜石秋田横断自動車道や国道107号など肋骨道路の整備を促進してきており、近い将来、さらに大幅な時間短縮が図られると期待されるものであります。県は、従来からポートセールスに取り組まれておりますが、このような内陸部との時間短縮は港湾の利用促進にとって絶好のチャンスではないでしょうか。
 そこで伺いますが、現在行われているポートセールスの中で、本県の港湾は利用する企業側からどのような評価を受けているのか、また、そのストロングポイントとウイークポイントはどのようなものかお知らせください。また、その評価を踏まえて、今後、県としてどのようなポートセールスを展開していくのかお知らせください。
 最後に、主要地方道大槌小国線土坂峠のトンネル化について伺います。
 本県の人口の推移を見ると、昭和60年の143万3、000人余をピークとして、平成21年には134万人余と6.5%も減少しております。特にも沿岸地域の減少率は顕著であり、ピーク時の昭和37年と比べ、平成21年には35.9%の減少となっております。このまま出生率が低下し、今後、高齢化が一段と進行していくとすれば、人口が加速度的に減少し、生産、消費の両面において県北・沿岸地域の経済規模に著しく収縮をもたらし、地域社会のさらなる疲弊をもたらすものと深く憂慮するところであります。
 そういった中、沿岸部の振興を大きく促進するためには、内陸部と沿岸部を結ぶ道路が必要であることは言うまでもありません。主要地方道大槌小国線は、大槌町を含む沿岸地域と県中央部を結ぶ最短路線ではありますが、現状の道路は急勾配、急カーブが多く、また幅員が狭いため大型車両の通行が困難であり、加えて、冬期間においては通行どめ、あるいは積雪により普通車両の交通にも支障を来す状況であります。
 この土坂峠のトンネル化は、企業誘致を含めた地域経済活性化の観点、波板海岸を初めとする三陸海岸の観光振興という観点、さらには津波来襲時の大槌、山田地域の孤立化の防止という防災上の観点、重症患者を盛岡まで90分以内で搬送する救急医療の確保という観点からも、その整備は三陸縦貫道とともに近隣市町村地域住民の悲願であり、先ごろ地元で行われた住民決起集会には500人を超える方々が集まり、その強い思いを風船に込めて大空高く飛ばしたところであります。県の公共事業予算が厳しい中ではありますが、その早期着工は、沿岸地域、特にも大槌町、山田町、釜石市を中心とした近隣市町村の振興に大きく寄与するものと確信するところであります。
 土坂峠のトンネル化について本会議で取り上げるのは平成8年から数え今回で実に15回目となりますが、このことを知事はどのようにとらえておられるのでしょうか。今後の整備の見通しとあわせてお伺いします。
 以上をもちまして私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴大変ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 岩崎友一議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、就任以来の取り組み、成果についてでありますが、知事就任以来、県民の仕事と暮らしを守るため、岩手が置かれた現状を把握しながら、何をなすべきかを県民とともに考え、県政運営を行ってきたところであります。この間、平成20年1月にはいわて希望創造プランを策定し、危機を希望に変える取り組みを進めてまいりました。昨年12月にはいわて県民計画を策定し、希望あふれる岩手の実現に向け、七つの政策を掲げ、これからの岩手の方向性を明らかにしたところであります。また、これらの政策の推進に当たっては、地域経営の考え方に基づいて、地域社会を構成するあらゆる主体の総力を結集して希望郷いわてを実現するための取り組みを進めてきたところであります。
 このような取り組みによりまして、例えば地域医療の分野における、県民一人一人が地域の医療を支える県民総参加型の地域医療体制づくりに向けた県民運動の展開、中国の自治体や民間企業との連携による上海万博への出展、啄木と龍馬というソフトパワーにはぐくまれた高知県交流などの地域主権の観点に立った取り組みの推進など、一定の成果があったところであります。
 次に、10年後の本県のビジョンと課題、その実現のための方策についてでありますが、社会経済のグローバル化の進展や急激な人口減少、少子高齢化の進行を岩手を取り巻く大きな潮流としてとらえつつ、この課題に適切に対応し、岩手の未来を切り開いていくために、いわて県民計画では、ゆたかさ、つながり、ひとの三つの視点を踏まえながら、基本目標にいっしょに育む希望郷いわてを掲げ、県民一人一人がともに支え合いながら、いきいきと働き、安心して暮らし、楽しく学ぶ、そういう希望あふれる社会の実現を目指しているところであります。
 こうした岩手の未来の実現に向けて、地域経営の考え方に基づきながら、産業・雇用、農林水産業、医療・子育て・福祉など七つの政策と政策分野が横断的で戦略的な六つの構想をあわせて推進していくことによって、岩手らしく主体的に世界に通用する地域の独自性を発揮していきたいと考えております。
 次に、県北・沿岸振興に対する抱負でありますが、県北・沿岸の発展なくして岩手の発展はあり得ないという思いで、いわて希望創造プランに県北・沿岸圏域の振興を主要課題の一つとして掲げ、県北・沿岸振興本部を中心に、地域資源を最大限に生かし、地域と一体となり産業振興に重点的に取り組んでまいりました。
 いわて県民計画におきましても、県政の重要課題として県北・沿岸の振興に重点的に取り組むことを一層明確にいたしましたほか、六つの構想の中に、主として県北・沿岸圏域を対象とした海の産業創造いわて構想、元気になれるいわて構想を盛り込んだところであります。
 また、平成20年度からは、県北・沿岸移動県庁を実施し、本年度から体制を強化した広域振興局を通じて、地域の事情や課題を把握し振興施策に反映させてきたところであります。
 今後も、地域住民の声をくみ上げ、地域と一体になって県北・沿岸圏域の自立と活力を生み出す産業経済基盤の構築に取り組んでいきたいと思います。
 次に、一括交付金についてでありますが、さきのアンケートにおきましては、地域のことは地域が決めるという地域主権の確立に資するものであるということから、一括交付金化は推進すべきと回答しました。
 一括交付金化に向けては、先般、政府案が示されましたが、本県としては、人口密度が低く、財政力に乏しい地域への十分な配慮等が必要であると考えています。
 このような地方の意見を十分に踏まえて、真に地方の自由裁量を拡大し、実質的な地方の自主財源に転換される制度として、一括交付金が設計されることを期待しております。
 次に、長期的視点に立った産業の育成についてでありますが、本県経済の長期的な安定を確保するためには、特定の産業分野に偏ることなく、競争力ある複数の産業を柱とした足腰の強い産業構造を確立することが重要であります。
 これまでも、そうした観点から自動車や半導体関連産業の集積促進に取り組んでまいりましたが、さらに、内需型産業である医療機器関連産業の創出に着手するとともに、1次から3次までの産業間の緊密な連携による食産業のさらなる振興や、海洋資源を活用した新しい産業の創出に取り組むなど、多様で、すそ野の広い産業の集積を進めているところであります。
 一方、平成22年3月、科学技術による地域イノベーション指針を策定しまして、将来の低炭素社会や健康長寿社会の到来を見据え、今後、産学官が目標と戦略を供給しながら、次世代自動車や環境・エネルギーなど、次代を担う産業の創出に取り組んでいくこととしたところでありまして、こうした取り組みを切れ目なく進めることにより、中長期的に成長が期待でき、さらに景気動向に影響されにくい産業構造を構築していきたいと考えております。
 次に、地域医療についてでありますが、本県の県立病院は、二次保健医療圏ごとに二次救急や高度専門医療の提供を行ってきたほか、初期救急や一般医療の提供も行うなど全国に例を見ない幅広い役割を担い、県民の保健医療の向上に貢献したところであります。
 一方、医師不足や患者数の減少に加え、多額の累積欠損金を抱えるなど、経営を取り巻く環境が厳しさを増しているのも事実であります。
 しかしながら、地域医療の確保は極めて重要な課題でありますので、県立病院における高度医療や救急医療などの取り組みに対しまして、必要な財政支援を行って、質の高い医療を受けられる体制の整備に努めているところであります。
 今後とも、良質な県営医療を持続的に提供していくために、医療局において、収益の確保や費用の効率的執行に努めるとともに、県民が必要なときに適切な医療が受けられるよう、市町村や民間の医療機関との役割分担と連携を図りながら、県立病院が本県の医療提供体制の中で、引き続き重要な役割を担っていくべきと考えております。
 次に、土木、建築関連製品の地産地消の取り組みについてでありますが、県営建設工事においては、県内業者が施工可能と認められる工事は、極力、県内業者に発注するよう努めています。
 また、建設資材の県産品の活用は、県内需要の増加による地域経済の活性化、雇用創出につながるものと考えます。
 このため、県営建設工事においては、平成15年8月以降、落札者への建設資材の県産品の活用並びに県内業者の下請発注について要請し、一定の効果があらわれていると認識しております。
 今後も、より一層県産品の活用が図られるよう取り組んでいく考えであります。
 次に、主要地方道大槌小国線土坂峠のトンネル化についてでありますが、地域からの要望などを通じ地元の期待の大きさを感じており、これまで測量、設計や環境調査など、さまざまな調査を進めてきたところでありますが、地形が急峻なため長大なトンネルが必要であり、膨大な事業費を要することや、交通量が少ないことなどから事業化ができない状況にあります。
 今後の整備の見通しについては、交通量の推移や公共事業予算の動向、さらには、現在検討を進めています道路ネットワークにおける本区間の位置づけを見きわめながら、総合的に判断していく必要があると考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔医療局長田村均次君登壇〕
〇医療局長(田村均次君) まず、医師確保対策についてでありますが、全国的な医師不足の中、勤務医招聘等の専担組織である医師支援推進室を設置し、各県立病院との連携のもと、大学医局への派遣要請や奨学金制度による養成医師の拡大、即戦力医師の招聘など、各般の医師確保対策を積極的に展開しているところであり、こうした取り組みの結果、本年11月1日現在の常勤医師数は465名と前年度末と比べ10人の増となっており、減少傾向に歯どめがかかりつつあるものと考えております。
 今後におきましても、こうした取り組みを充実するほか、地域医療を担う総合医の育成を来年度から新たに開始するなど、さまざまな工夫をしながら、県立病院の医師確保に全力で取り組んでいくこととしております。
 なお、議員御指摘のとおり、来年度、釜石病院にがんの放射線治療に使用するリニアックを導入予定でありますが、放射線科医の新たな配置を目指しているところではございますが、仮に配置が間に合わない場合におきましても、遠隔で治療を管理するシステムを活用しながら、中央病院からの応援医師により対応することとしております。
 次に、臨床研修医についてでありますが、平成20年度からの最近3年間の県立病院全体の臨床研修医の採用数は、平成20年度が47名、21年度が52名、22年度が58名と毎年増加しているところでありますけれども、定員いっぱいに採用できる病院がある一方、沿岸部の4病院では、合計21名の定員に対して平均で12.3名にとどまっている状況にございます。
 このような状況も踏まえつつ、今まで以上にさまざまな病院での研さんが可能となるよう、来年度から、2年目の研修医が、県内の研修病院を自由にローテーションできる独自の研修プログラムを、全国に先駆けて開始することとしております。
 また、臨床研修医の研修修了後の県内勤務率は約8割と全国的にも高い水準で推移しているところであり、県内で引き続き勤務していただけるよう、後期研修の充実や医師の処遇改善などに積極的に取り組んでいきたいと考えております。
   〔保健福祉部長千葉茂樹君登壇〕
〇保健福祉部長(千葉茂樹君) ドクターヘリについてでありますが、まず、ドクターヘリの運航ルールにつきましては、今年度、岩手医科大学や県医師会、県消防長会、県関係部局等で構成しております岩手県ドクターヘリ運航調整委員会準備会を設置し、これまでに2回開催したところであり、その中で検討を進めております。
 具体的には、ドクターヘリ要請基準のあり方や病院間搬送への対応、防災ヘリとの役割分担のあり方、ドクターヘリが離着陸する際の安全確保策などについて議論が交わされており、今後、これらの課題を整理し、平成23年度中には運航要領として取りまとめ、関係者間での共有に努めていくこととしております。
 また、ヘリポートについては、現在、岩手医科大学矢巾キャンパスに整備する予定の基地ヘリポートや格納庫等の施設整備に関する調査を進めておるほか、県全体での広域救急搬送機能の強化を目指し、救命救急センターを初めとする中核的な県立病院のうち、現時点でヘリポート未整備の病院への整備について、設置場所や方法等に関する調査を実施しているところであり、これらの調査結果を踏まえまして、平成23年度にヘリポート等の整備を行い、シミュレーション飛行等の訓練を実施した上で、平成24年度の運航開始に努めてまいります。
 なお、運航主体となります岩手医科大学におきましても、当該年度の運航に向けまして、フライトドクター、フライトナースの養成研修に取り組んでいるものと承知しております。
   〔総務部長菅野洋樹君登壇〕
〇総務部長(菅野洋樹君) 県営建設工事の入札における最低制限価格制度の導入等についてでございますが、現在の低入札価格調査制度や予定価格の事前公表は、入札の透明性の向上や不正行為の防止などを目的として導入したものでございます。その後、県営建設工事の入札においては、不正行為が認知されていないことなどを考えますと、これらの方式は、現在においても一定の合理性を有しているものと考えてございます。
 しかしながら、現在の落札率の状況等を見ますと、現行の制度も改善する必要があろうと考えておりまして、先ほど申し上げたメリットを最大限生かしつつ、ダンピングの発生を防止し得る方策について、他県等の状況も勘案しながら検討を進めているところでございます。
 次に、入札制度の所管についてでありますが、建設工事の入札事務につきましては、全国では、本県を含め7都府県で総務部等が所管いたしております。
 本県では、発注部局と分離し、よい意味での相互牽制のもとに円滑に入札事務を執行していく観点から、総務部で担当することとしたところでございまして、今後とも、発注部局と連携しながら、適切な事務の執行に努めてまいりたいと考えております。
   〔県土整備部長平井節生君登壇〕
〇県土整備部長(平井節生君) 土木、建築関連製品のなお一層の県産品利用の取り組みについてでございますが、県産品の使用割合は、取り組みを始めた平成15年度以降の利用実態を抽出調査した結果、県土整備部所管工事におきましては、金額ベースで9割を超えております。一部では、県産品の使用が進んでいない状況もあると認識しているところでございます。
 現在、請負者からは、使用資材に関する調書を提出いただいておりますけれども、その中で県産品以外の使用がある場合には、調書上でその理由を確認しているところでございます。
 加えて、今後は、県産品を使用しない理由などについて、建設業懇談会等の機会に意見交換をしながら、より一層の県産品の利用促進の仕組みづくりを検討してまいりたいと考えております。
 次に、本県港湾についての企業の評価等についてでございますが、企業が利用する港湾を選ぶ際には、コンテナ船など多様な船舶が安全に接岸できる港湾施設や港湾を結ぶ輸送道路の整備状況、輸送日数などの定時性の確保、陸送費や海上運搬費などのトータルコストが重要と言われております。
 本県港湾の強みとしては、荒天時においても安全性、静穏性の高い水域、大型船舶の接岸が可能な岸壁等があり、港湾施設には整備途上のものもありますが、一定程度評価されている点が挙げられると考えております。
 一方、利用企業からは、仙台塩釜港などと比較して定期コンテナ航路数が少ないとの指摘があり、加えて、内陸部の企業からは、輸送時間の短縮についても指摘されているところでございます。
 ポートセールスの展開についてでございますが、県では、地元市町や荷役業者と連携したポートセールス、インフラ等の進展状況をPRする現地見学会や港湾セミナー等を強化することにより、本県港湾のメリットを広く企業にアピールするとともに、これらの場を通じて、企業からのニーズをよりきめ細かく把握してまいりたいと考えております。
   〔農林水産部長小田島智弥君登壇〕
〇農林水産部長(小田島智弥君) 漁業の担い手対策についてでありますが、県では、養殖業の盛んな18漁協が策定した地域営漁計画の実行支援を通じて、意欲ある養殖経営体の規模拡大や漁場を有効に活用する協業化の促進、省力化機器の導入による作業環境の改善などに取り組み、漁業所得の向上を図り、中核的な養殖漁業経営体の育成を促進しているところであります。
 また、漁業への就業を希望する方を対象に、漁業就業支援フェアの開催によるイカ釣り漁船などの船主とのマッチング支援や、漁協が経営する定置網漁船の乗組員として実務研修させ、漁業就業に必要な技術や船舶免許等を取得させる事業に取り組んでおります。
 この結果、養殖漁業1経営体当たりの施設数が増加するなど、その規模拡大が進んでいるとともに、現在21名の方が新規就業者として実務研修を行っているなど、取り組みの成果が着実にあらわれているところであります。
 しかしながら、漁業者の高齢化や減少が現在急速に進展しており、これらの取り組みによる中核的経営体の確立が喫緊の課題であると考えてございます。
 このため、県では、地域営漁計画の実行に際しては、漁業者の6次産業化などの取り組みを積極的に支援するとともに、市町村及び関係団体と連携して、総合的な漁業担い手の育成に努めてまいります。
   〔政策地域部長加藤主税君登壇〕
〇政策地域部長(加藤主税君) 地域コミュニティの育成強化についてでございますが、地域コミュニティにおいては、地域の自主性をもとに、その地域で暮らす人々が、みずから考え活動しているものでございまして、地域資源の再発掘と活用策の検討、交流人口の拡大などについて、解決に向けた自発的な取り組みが行われることが基本と考えております。
 地域ごとの取り組みへの支援につきましては、第一義的には市町村が行っているわけでございますが、県といたしましても、地域をリードする人材の育成や地域コミュニティ間の連携の強化、先進事例の紹介などの広域的な取り組みを行うことによりまして、地域コミュニティの育成強化を図っているところでございます。
 具体的には、過疎地域における交通など、特定地域が抱える課題の解決に向けた支援、後継者難に対応するための人材育成、地域で積極的に活動する団体の紹介、連携の強化、移住者など外からの目線によるノウハウの活用などを通じまして、地域コミュニティの活力源であります人や組織の意識を醸成し、地域コミュニティの育成強化につなげてまいりたいと考えております。
   〔教育長法貴敬君登壇〕
〇教育長(法貴敬君) 高校における1学級の定員についてでありますが、第二次高等学校長期構想検討委員会において、各ブロックで直接地域の方々の御意見をお伺いするなど熱心に検討いただいた結果、高校の学級定員は、生徒の社会性や協調性の育成など人材育成の観点や、高校教育における学級の生活集団としての機能、少人数指導、習熟度別学習による柔軟な対応による生徒の学習環境の確保の実態などを踏まえると、教職員配置を初めとする現行の制度のもとでは、40人学級が現実的との報告をいただいたところであります。
 これを踏まえ、本年3月に県教育委員会において策定した今後の高等学校教育の基本的方向において、学級定員については、高校標準法の標準に基づき設定するとしたところであります。
 今後とも、国における学級編制あるいは教職員定数に関する検討の方向を見据えつつ、必要に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、高校再編と地域コミュニティの維持についてでありますが、各学校においては、生徒の社会性や豊かな心をはぐくむために、地域と連携した教育活動や生徒の地域活動への参加に積極的に取り組んでおりますが、このような活動などが、地域に貢献しており、高い評価をいただいているものと認識しております。
 次期整備計画の策定に向けては、地域との連携の状況など地域の実情などを十分に踏まえつつ、地域の方々の御意見、御提言をきめ細やかにお伺いしながら、さまざまな観点から総合的に検討していく考えであります。
〇議長(佐々木一榮君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
〇9番(岩崎友一君) 御答弁ありがとうございました。以下3点、再質問させていただきたいと思います。
 まず一つは、知事が描いております本県のビジョンについてでありますけれども、今後、急速な人口減少が見込まれる中で、人口の自然減だけでも本県の経済に大きな影響を与えるものと思うんですけれども、社会的な人口の減少、これは是が非でも食いとめていかなければならない課題であると思います。その中でも若者の定着というのは欠かせないわけでありますけれども、そのためには、やっぱり雇用というものが一番不可欠であろうと思うわけであります。
 知事に対して、この雇用についての認識をお伺いしたいと思います。
 二つ目が、土木、建築関連製品の地産地消の取り組みについてですけれども、先ほど今後の仕組みづくりについて県土整備部長から答弁いただきましたが、現在の本県における取り組み内容を見ますと、県産品として定義されている土木、建築関連製品は、二つ定義がございまして、一つが、県内の工場で生産、加工または製造された建設資材、二つ目が、県内に主たる営業所や本店を有する者から調達した建設資材とされているようであります。県内の工場で生産、製造されたものならいいのですけれども、県内の営業所を通して調達した建設資材という定義になりますと、逆に県産品の使用に抜け道を与えてしまっているように思えるわけであります。
 私は、県内の工場で生産、製造された製品をより一層優先的に使用するよう、この条件を見直すことや、総合評価落札方式を導入していくことが必要ではないかと思うわけでありますが、この点について、県としてのお考えをお伺いしたいと思います。
 三つ目が、主要地方道大槌小国線土坂峠のトンネル化についてでありますが、知事の答弁にも交通量が少ないというのがありましたが、確かに、この交通量は決して多いわけではないんですけれども、それは今のその道路が、急勾配、急カーブ、冬期間には凍結あるいは積雪で通れないといった事情があるわけでありまして、逆に、トンネルの整備によりまして利便性が高まれば、交通量が増加するというのは明らかであります。
 何よりも、この道路をつくる、つくらないという中で、BバイCの視点からではなく、地域の振興あるいは防災、救急の視点から整備を検討するという、まさに発想の転換が必要ではないかと思うわけでありますけれども、この点に関して知事に力強い御答弁をお願いしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) まず、若年者の雇用に対する認識についてでありますが、若年者がその能力を十分に発揮できる仕事につき、希望を持って生き生きと働くことができる地域社会を実現していくためには、雇用、労働環境の整備を図り、持続的、安定的に成長できる経済基盤を構築していくことが重要と考えております。
 このため、ジョブカフェによる就業支援サービスの提供や新卒者への就職支援など、若年者の地元企業への就職や定着を支援しながら、義務教育段階からのキャリア教育の推進など、若年者が地域の産業を支える人材として能力を発揮できる環境づくりを進め、国際競争力の高いものづくり産業の集積促進や地域の特性、資源を生かした食産業、観光産業、農林水産業の振興などに取り組んでいくこととしております。
 次に、土坂峠のトンネル化についてでありますが、沿岸圏域の地域資源を生かした産業振興や安全・安心な暮らしを支えていくため、基盤となる道路整備が必要と考えております。
 道路整備の事業採択に当たりましては、費用便益比のみによって決定するのではなく、地域の実情を考慮した上で総合的に判断すべきものと考えています。
 当該区間の整備については、交通量の推移や公共事業予算の動向、さらには、現在検討を進めている道路ネットワークにおける本区間の位置づけを見きわめながら、総合的に判断していく必要があると考えております。
〇県土整備部長(平井節生君) 県営建設工事の県産品使用の条件の見直しということでございますけれども、県営建設工事において使用している生コンなどの使用資材のほとんどは県内産でございます。しかしながら、県内産品だけでは調達できない資材もあり、地域経済の活性化や雇用確保の観点から、調達先を県内に主たる営業所を有する者と限定して、そこを通じて調達した建設資材も条件にかなうものとしているところでございます。
 県産品の使用の趣旨を総合評価落札方式に導入することにつきましては、他県の取り組み実績を踏まえながら、検討してまいりたいと考えております。
〇議長(佐々木一榮君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時58分 散 会

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