平成22年12月定例会 第19回岩手県議会定例会会議録

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〇22番(小田島峰雄君) 民主党・ゆうあいクラブの小田島峰雄でございます。
 いよいよ任期最後の登壇となってしまいました。通告に従いまして、順次質問させていただきます。
 最初に、地方自治の今後の方向についてお尋ねいたします。
 地方自治に携わる地方自治体の長を初め、多くの関係者にとって、地域のことは地域で決めることのできる真の地方自治の実現、確立は、長年にわたる最重要課題の一つでありましたことは、既に御承知のとおりであります。何年経過しても遅々として進まない現状に、多くの関係者がいら立ちや歯がゆさを感じている中にあって、ここに来て新たな動きが出てまいりました。
 その第1が、広域連合をめぐる議論であります。
 去る11月9日、山形市内で開催された北海道東北地方知事会議において、地域主権改革に伴って国からの権限移譲の受け皿となる広域連合の設立に向け、事務レベルで検討を始めることにしたとのことであります。本県も参加する方針のようでありますが、具体の検討はこれからとしても、どのような方向を目指していくのか、将来の道州制も視野に入れた動きなのか、懸念される点はないのか、さらには、同様の関西広域連合、九州広域行政機構などの動きもあり、今後どう発展していくとお考えなのか、知事にお伺いいたします。
 第2は、構造改革特区についてであります。
 国が法令で地方自治体の仕事を縛る義務づけ、枠づけの見直しに向けて、47都道府県が、保育所の設置基準など計23項目の構造改革特区を片山善博地域活性化担当相に一斉提案したとの報道がありました。国の規制を緩和、撤廃して、地域の実情に応じた施策を実現するのがねらいとのことでありますが、大いに進めるべきと考えます。
 そこで、知事はこのことについてどのようなスタンスをとっておられるのか、提案した23項目のうち全都道府県の賛同を得たのは3項目のみとのことですが、本県は、何に賛同し、何に問題ありとしたのか、その理由についてもお答えいただきたいと思います。
 また、さきに述べました広域連合とも密接にかかわってくるものと思いますが、この点についてもお伺いいたします。
 第3は、一括交付金についてであります。
 国は、来年度から約600の補助金を分野ごとに再編し、分野内であれば自由に使える制度を順次進めていく方針であります。過日、このことについての首長アンケートの結果が報じられておりまして、知事を初め過半の首長の皆さんが賛成であるのに対し、どちらとも言えない、反対の首長が15人に上っております。その15人の首長の皆さんのお気持ちをそんたくすれば、総論は賛成であるが、国の分権改革が遅々として進まないことに加え、さきの三位一体改革の二の舞になるのではないか、結局、地方の財源総額が減じられ、国を利するだけになりはしまいか、さらには、世界に冠たる官僚組織が、そうやすやすと許認可権を放棄するはずがない等の思いが、結果にあらわれているのでありましょう。
 私も長年地方行政に携わってまいりまして同じ思いを抱く一人でありますが、とはいえ、この機を逸してはならないとも思っております。二度と改革を後退させないためにも、今後、国と地方の協議の場が重要になってまいります。一括交付金に対する御所見とあわせ、地域主権関連3法案についても、お考えを御披瀝いただきたいと思います。
 次に、総合リハビリテーション体制の整備に関してお尋ねいたします。
 現在、本県におきましては、脳血管疾患や事故など、さまざまな疾病、原因により障がいを負うこととなり、リハビリテーションを必要とする方々があらゆる年齢段階で多数おられ、医療、介護、福祉、就労などの多様な分野からの総合的な支援の取り組みが求められていることは、御案内のとおりであります。
 これらの課題解決のために、本県には、リハビリテーション医療施設として、いわてリハビリテーションセンターがあり、更生相談施設としては福祉総合相談センター、そして、障がい者支援施設として県立療育センターがあります。本来、これらの施設は相互に密接に連携し、機能を補完し合い、所定の成果を発揮すべきでありますが、現実には、設置場所や運営主体が異なっていることから、必ずしも円滑な運営がなされていないのが実態であります。
 具体的に申し上げますと、いわてリハビリテーションセンターについて言えば、入院患者の約半数は65歳以下の現役世代の方々で、生活の再建に向けた継続的で総合的な支援が必要でありながら、病院機能中心となっており、社会リハビリテーション機能が不備であるとの指摘があります。
 一方、社会リハビリテーションとしての自立支援を担う療育センター障がい者支援部は、施設設備や職員体制の弱体、医療との連携不足の中で機能の発揮が不十分、また、いわて労災病院が廃止された経緯もあり、脊損患者などへの支援体制が十分でないこと、さらには、総合的な機能を担う機関がないことにより、リハビリテーション医を初めとする人材の有効活用や次代を担う人材の養成確保面においても課題があることなど、さまざまな問題が生じているのが実態であります。
 過日、機会がありまして、障がいを持った方々や医療、福祉、保健各分野の機関、団体の業務に携わっている方々との意見交換会に臨んでまいりました。そこでは、まだまだ現役世代の方々が、十分な医療や指導が受けられず、社会復帰がなかなか進まないこと、脊損患者が入院する医療機関の体制が必ずしも十分でないこと、高次脳機能障がいを持った子を受け入れる施設の体制が不十分であることなどの意見を聞いてまいりました。
 そこで、知事にお伺いいたします。多少時間がかかりましょうけれども、冒頭申し上げた、第1に高度なリハビリテーション医療の提供、第2に生活の再建、社会復帰に向けた継続的で総合的な支援の機能、第3に高度なリハビリテーション医療の提供や社会復帰支援を通じたリハビリテーション医など、専門スタッフの養成機能などを有した一体型の総合リハビリテーションセンターを将来建設すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 また、現在、県におかれては、老朽化し建てかえの時期が到来している県立療育センターの整備に向けて、基本構想を策定し、具体的な検討に入っているとお聞きいたしております。立地場所、機能等についても鋭意検討を進めておられるとのことでありますが、何より、先ほど申し上げた将来の一体型施設整備に向け、立地場所とあわせ十分な拡張性を有した施設となるよう願うものでありますが、現時点での基本的方向、考え方についてもお答えいただきたいと存じます。
 次に、深刻な雇用情勢の中で、雇用対策に係る県としての取り組み姿勢についてお尋ねいたします。
 昨年4月期から12月期における本県の有効求人倍率は、近年では最低水準の0.3倍台で推移してきたことは、御案内のとおりであります。そのような状況を踏まえて編成された本県予算は、何より経済、雇用対策を最重要課題に位置づけ、新規高卒者の就職支援や喫緊の雇用創出策として本年9月現計で191億円と聞いておりますが、相応の予算を確保し積極的に施策の展開を図ってこられたことに対し、敬意を表する次第であります。
 本年10月期における全県有効求人倍率を見ると0.47倍まで回復しており、過日、岩手労働局が公表した来春の新規高等学校卒業予定者の就職内定率も前年同月を5.9ポイント上回る64.4%となり、幾分好転の兆しが見えるものの、依然として本県雇用情勢は厳しい状況にあります。
 そこで、第1に、当初予算に掲げた雇用確保の目標値4、142人に対し、現在どのようになっているのか、また、年度後半に入り今後の推移をどう見ているのか、お伺いいたします。
 第2に、市町村で行う施策との連携についてお尋ねいたします。
 県内の多くの市町村においては、今春における新卒者の就職が極めて厳しい状況であったことから、一人でも多く採用に結びつけたいとの思いで、財政環境が厳しい中にもかかわらず、採用企業に対する雇用支援奨励金など積極的な施策を展開しております。
 花巻市の例を見ましても、1人当たりの限度額60万円で、今年度の目標10件をはるかに上回り、追加補正を行う予定と聞いております。
 このような中、県におきましては、新規高卒者等を雇い入れた事業主に対する奨励金または補助金を支出した市町村に対し、予算の範囲で、新卒者等ふるさと就職促進事業費補助金を交付することとしておりますが、その限度額はわずか5万円であります。
 国におきましても、この9月に閣議決定された新成長戦略実現に向けた三段構えの経済政策に基づく新卒者就職実現プロジェクトとして奨励金制度を創設したとのことでもあり、この際、県においても、企業の雇用開拓に係る鮮明な支援姿勢を示し、市町村をリードすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
   〔議長退席、副議長着席〕
 第3に、就業支援の推進についてお尋ねいたします。
 先日、ジョブカフェ花巻を調査してきたところでありますが、それによると、ジョブカフェ花巻に配置されている人員は、国1名、県7名、市3名、合わせて11名で、若年者の雇用開拓から就業支援までの幅広い対応を行っておりました。このうち県の7名の内訳は、非常勤職員の就業支援員2名、緊急雇用創出事業を活用した求人開拓員2名、キャリア教育支援員3名となっており、緊急雇用創出事業による5名は、失業者の期限つき雇用であります。そもそもみずから次の仕事を探さなければならない中で、果たしてスキルを高めることができるのか、率直に感じた次第であります。
 そこで、県として、この際、本腰を入れて求人開拓など就業支援の推進に当たるべきと考えますが、今後の方針についてお伺いいたします。
 また、緊急雇用創出事業は、来年度で終了するものでありますが、その後の展開をどうされるのか、あわせて伺います。
 次に、環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPPをめぐる諸問題についてお尋ねいたします。
 このことにつきましては、昨日の本会議におきましても先輩議員が取り上げておられますし、去る9月県議会の本会議や決算特別委員会におきましても、多くの議員が、特に米価問題を取り上げ大変活発な議論が交わされたことは、御承知のとおりであります。その後、次第に明らかになってまいりましたTPPの問題は、米のみならず、すべての農産物を包含する、言ってみれば我が国農業と農村の存廃にかかわる重大な問題に発展しており、農業県岩手、食料供給基地岩手を標榜する本県にとっても極めて深刻な影響をもたらすとの観点から、順次お尋ねをいたしてまいります。
 御案内のとおり、過日開かれましたアジア太平洋経済協力会議、いわゆるAPEC首脳会議の席上、菅直人首相は、TPPへの協議入りの基本方針を表明いたしました。協定参加あるいは参加の時期等については触れなかったものの、我が国は、間違いなく開国に向かって大きくかじを切ったと見るべきでありましょう。
 首相は、開国と農業の再生を両立させ日本の新たな繁栄を築くと述べておりますが、具体的な中身については言及しておらず、農業団体を中心に猛反対の嵐が吹き荒れております。
 農林水産省では、関税撤廃の影響を試算しており、それを見ますと、農産物の生産減少額が4兆1、000億円に上るだけでなく、水田など環境保全につながる農業の多面的な機能も失われ、その額は3兆7、000億円にも達するとしており、合わせて7兆8、000億円と試算しております。
 本県におきましても、過日、本県農業への影響額の試算を明らかにいたしましたが、それによると、主要な7品目で1、469億円減少する見込みとのことであります。水稲や小麦、乳牛は輸入品に置きかわり、ほぼ壊滅するとしており、特にも米は、有機栽培米など差別化できる10%程度しか残らず、価格も低下、生産額は628億円から596億円、95%減少し32億円まで激減するとしております。極端な前提条件での試算とはいえ、極めてショッキングな内容であることには違いありません。
 この問題の判断が極めて困難なのは、御承知のとおり、国内世論が二分していることであります。産業界や経済界と農業団体、農家との深刻な対立が先鋭化しつつあるということなのであります。このような状況を反映し、政権与党を初め、各党においてもほぼ議論が伯仲しております。前原外務大臣の第1次産業のGDPに占める割合は1.5%にすぎない、1.5%を守るために98.5%のかなりの部分が犠牲になっているとの発言は論外としても、日本経団連など経済3団体の、TPP参加を先送りすれば、我が国は信頼を失い、世界の成長と繁栄から取り残されてしまうとの言葉は、世論形成の大きな力となっております。
 そこで、知事にお伺いいたします。この問題については知事も大きな懸念をお持ちのようでありますが、改めて、これまでのTPPをめぐる議論をどうごらんになり、どのような御所見をお持ちかお尋ねいたします。
 また、この問題に対する農業団体や農家の大きな不信の原因は、首相が触れなかった農業再生の具体的な政策にあることは明らかであります。政府は、首相を議長とする食と農林漁業の再生推進本部を設置し、来年6月をめどに農業改革プランを示し、同年10月をめどに行動計画を策定する考えであり、所得補償制度の拡充を視野に財源措置の検討に入るとのことでありますが、私には、順番が狂ってしまったとしか思えないのであります。
 財源の問題についても、自由貿易協定、いわゆるFTAで先行するお隣韓国でも、農業団体の猛烈な反対がある中で、2004年から2013年までの10年間で、日本円に換算して約8兆4、000億円の農業対策を進めているとのことであります。これを国内総生産─GDP比で日本に当てはめると約40兆円、単年度では約4兆円であり、本年度の農林水産省の総予算2兆4、500億円余と比べますと、年間予算の約1.6倍であります。
 累増する国債残高、逼迫する我が国財政環境の中で、農業予算に充当する財源はおのずから限界もあると思うのですが、今後の我が国農政の方向についての御所見も、あわせてお答えいただきたいと思います。
 さて、次に米の問題に移ります。このことにつきましては、冒頭申し上げましたように、多くの議員各位が、特に米価の下落問題を取り上げ活発な議論が交わされたところであります。それほどこの問題は深刻であり、農家にとりましては死活問題となっていることの証左であります。
 私の住んでいる花巻周辺でも、特に専業農家を中心に再生産意欲が著しく減退し、真剣に農業からの撤退を検討している方も少なくありません。
 私は、さきに述べましたように、たとえ第1次産業のGDPに占める割合がわずかであろうと、農林水産業は国の基であり、第1次産業を軽んじて国の発展などあり得ないと思っている一人であります。一人でも多くの農家が希望を持って営農に取り組める環境をつくるためにも、今こそ充実した国、県の施策が必要との観点から、順次質問いたします。
 県においては、このたびの米価下落の原因を、消費者の低価格志向の高まりと過剰米による需給緩和の影響が大きいと分析し、特にも本年度は、平成21年産の未契約米が30万トン以上見込まれることに起因するとしております。
 まず第1に、このような状況は今に始まったことではなく、今後もしばらく続くと想定し対処しなければならないと思いますが、今、何をなすべきとお考えかお答え願います。
 また、3万トン以上持ち越すと見られていた本県産米については、先ごろ全量契約となったようでありますが、同様の問題に直面している東北他県においては、生き残りをかけて必死のマーケティング強化に乗り出しております。価格もさることながら、販路開拓のための手だてはどうだったのか、販売の仕方についても反省点や課題がなかったのか、あわせてお答え願います。
 第2に、米の消費拡大についての政策に関し、お尋ねいたします。
 県では、園児や児童生徒に対する食育の推進とあわせ、学校給食における米飯給食の拡大に取り組んでいるとのことでありますが、これで十分であるとお考えなのか。年間の米消費量1人60キロを割ろうとしているとき、本県ならではの消費拡大策を提案し、他県等をリードすべきと思いますが、どうでしょうか。
 ちなみに、私は3食のほとんど御飯を食べております。副食には、三陸沿岸の魚介類と、たまに花巻の白金豚があれば最高であります。パスタなどとんでもない話であります。余計なことを申し上げました。
 第3に、米の輸出についてお尋ねいたします。
 このことについては、平成17年から取り組んでおられ、積極的に販売促進に当たっていることを高く評価しております。特にも昨年は、知事みずからがトップセールスに乗り出し、県産米のアピールをされたとのこと、心から敬意を表する次第であります。
 しかしながら、平成21年度は、前年対比149%増とはいうものの、量的には実績で23トンであります。現地との価格差、他県との激しい競争など、困難な問題もあると思いますが、今後の戦略についてお答え願います。
 第4に、戸別所得補償についてお尋ねいたします。
 1万5、000円の定額分については年内に交付されるとのことでありますが、問題は変動分であります。来年、年を越した後の相対価格を見なければ予測がつかないとのことでありますが、生産費との関係で期待値もありましょう、お答え願います。
 第5に、農業所得の向上対策についてお尋ねいたします。
 農林水産省の生産農業所得統計によれば、ここ数年、農業産出額が低下しており、それに伴って農家総所得も漸減しております。平成20年度の農家総所得は363万7、000円でありますが、農外所得、年金などを控除すれば、農業所得はわずか49万9、000円であります。恐らくことしの数値が公表されるときは、さらに低下しているに違いありません。
 農業所得の向上は、農家の高齢化、担い手不足にも直結する問題でもあり、今後の対策についてお答え願います。
 次に、本県教育を取り巻く諸問題について、順次お聞きしてまいります。
 最初に、教員免許更新制度についてお尋ねいたします。
 本制度に基づく免許状更新講習につきましては、平成21年度から実施されたものであります。本県は、他県と比べて、教員の負担を軽減すべく開催時期や期間に相当の配慮をしているようでありますが、年間5日間とはいえ、日常の業務に忙殺されている教員にとっては、受講のための距離的な問題とあわせ、負担と感じている方も少なくありません。また、研修内容についても、特に最新の教育技術や情報を会得できるわけでもなく、他のさまざまな研修制度と比べ魅力あるものとはなっていないのが実態であります。
 そこでお伺いいたしますが、改めて本制度の必要性、意義についてお答え願います。
 また、教員の資質、能力開発をねらいとするのであれば、他の代替する多様な研修制度で十分であると考えるものでありますが、御所見を伺います。
 第2に、教員の評価制度についてお尋ねいたします。
 学校現場の管理職にとって、毎回困惑し、苦慮しているものの一つに、この教員評価制度があると聞いております。従前の勤務評定にかえて、現在は勤務状況確認シートによって評価がなされているとのことであります。評価に当たって、教員個々の目標設定、達成のための努力、目標に至るプロセスなどは千差万別であり、民間の営業マンと違い実績を数値化するわけにもいかず、現場の管理職の苦悩も察して余りあるものがあります。県教委からは、上位の評価を受ける職員がそれぞれ何名と割り当てがなされることから、単に順番で評価を行っているとの話もあります。
 そこで、教育長は、現行の評価制度の実態をどう認識されているのかお伺いいたします。
 また、人事考課はいずれの世界にあっても必要なものと考えますが、恣意的な評価を廃し、学校現場にふさわしい評価とするため一考を要するのではないかと思いますが、この点についてもお伺いいたします。
 第3に、教職員の健康管理についてお尋ねいたします。
 平成21年度における小・中・高校に勤務する教職員のうち、休職している方が120名であり、平成17年度の85名と比較するとほぼ4割の増加であります。さまざまな事由により休職を余儀なくされているとは思いますが、問題は、そのうち毎年度ほぼ6割から7割の方が、精神疾患により休職しているということなのであります。
 つい先ごろも、採用間もない教員が、みずから命を絶った事件が報道されたばかりであります。難関を突破し、希望に燃えて入ってきた有能な教職員が、どんな理由であれ、みずから命を絶ったり教壇を去らなければならなかったりすることを、看過するわけにはまいりません。
 県教委におかれても鋭意対策を講じておられることは承知いたしておりますが、年々増加の一途をたどっている状況をどう認識しているのかお伺いいたします。
 この要因についてはさまざまあるかと存じますが、教員間、保護者間のコミュニケーション不足から来る孤立感、疎外感なども一因と思うのであります。従前と大きく異なり、職員室で互いに問題意識を共有し、議論し、解決していく、そのようなよき風土が今や失われようとしているのであります。また、学校所在地に居住していないがために保護者と酒を酌み交わす機会などもほとんどない現状では、無理からぬものがあると思うのであります。私には、極めて寒々とした学校現場の姿が目に浮かんでまいります。改めて、その原因と対策についてもお答え願います。
 第4に、触法事案で処分された教職員の実態についてお尋ねいたします。
 手元の資料を見ますと、平成20年度の47人を最高に、ここ数年2けた台で推移しており、本年度も11月1日現在、既に18人が処分されております。内容は、交通違反、体罰、わいせつ・セクハラ、監督責任など多岐にわたっておりますが、教職員全体から見れば割合は小さいとはいえ、ゆゆしき事態には変わりありません。
 教育長は、これらの対策として、教職員の意識の引き締めや職場で問題意識の共有を進める方針とのことでありますが、さきに述べましたように、教員間、保護者間に横たわる根本的な問題を改めない限り、この問題は後を絶たないと思うのであります。
 改めて、決してなくならない教職員の不祥事をどう防止していくのか、決意の一端を御披瀝いただきたいと思います。
 また、同時に、教育長は、校長と副校長の仕事をサポートし、教諭をまとめる役割を持つ主幹教諭の配置をふやし、学校内の透明性や組織強化を図る考えを示しておられますが、改めて主幹教諭配置のねらいと担任事務の詳細についてお答え願います。
 以上で私の一般質問を終わります。答弁によっては再質問させていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 小田島峰雄議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、広域連合をめぐる議論についてでありますが、さきの北海道東北地方知事会議では、広域的事務の実施に関する事務レベルの検討会について宮城県知事から提案されたものでありますが、現時点では、具体的に広域連合の設立を目指した検討組織とは認識していないところであります。
 検討会は、関西、九州地域などの動きも参考にしながら、事務レベルで、地域主権改革のもとでの広域連携のあり方などを検討していくものと理解しており、そのような取り組みは有意義と考え、本県では、検討会に参加することとしたものであります。
 なお、道州制の問題については、住民自治の観点に立った幅広い議論がまずは必要と考えておりまして、今回の動きとは切り離して考えていくべき課題と認識しております。
 今後の展開につきましては、検討を積み重ね、参加道県の意向も踏まえる中で方向性が見出されてくると考えておりまして、まずは具体の事務も念頭に置きながら、メリット、デメリットを含めた広域連携のあり方について検討を始めることが肝要と考えております。
 次に、構造改革特区についてでありますが、今回の構造改革特区の共同提案は、一層の義務づけ、枠づけの見直しを地方から促進する観点で都道府県が連携した取り組みであり、地域主権改革の推進に向けて、非常に意義深く、地域の具体的な課題解決の方途を広げられる好機ととらえております。
 本県の実情等も踏まえまして検討を行った結果、全23項目の提案のうち、本県では16項目について賛同しました。例えば、病院等の病床数算定基準の緩和、特例病床許可に際して必要な厚生労働大臣との協議の廃止、下水事業予定地の有効活用のための使用制限の緩和などであります。これら16項目について共同提案に参加しているところであります。
 一方、検討の結果、福祉分野で5項目、農業分野と環境分野でそれぞれ1項目、計7項目については、現行の資格要件や設置基準を変更したとしても本県としての具体的なメリットが認められないと判断して、現時点では共同提案への参加を見送ったところでありますが、自治体の自由度の拡大につながる提案の趣旨には基本的に賛同するものであります。
 なお、今回の提案につきましては、今後、関係省庁との協議を経て来年2月ごろに一定の結論を得ることとされておりまして、その状況も見ながら、最終的にどの項目に認定申請をするかという本県としての対応や、広域での連携した対応の必要性等について改めて検討していきたいと思います。
 次に、一括交付金についてでありますが、国から地方へのひもつき補助金を、基本的に地方が地域の実情等を踏まえ、自由に使える一括交付金とすることは、地域のことは地域が決めるという地域主権の確立に資するものと考えております。
 一括交付金化に向けては、先般、政府案が示されましたが、本県としましては、対象となる投資補助金の範囲を明確にすべきであること、人口密度が低く、財政力に乏しい地域への十分な配慮が必要であること、国と地方の協議の場を通じて、制度の実施状況に応じた見直しが可能となる制度とすべきなどと考えております。
 今後とも、全国知事会等と連携し、地方の意見を十分に踏まえた制度となるよう働きかけていきたいと思います。また、地方自治体の行政に重大な影響を及ぼす国の施策については、国と地方が対等な関係で十分に協議することが極めて重要であり、その実効性を高める上でも、国と地方の協議の場の法制化を含む、いわゆる地域主権関連3法案の意義は大きいものと考えており、早期の成立を強く望んでおります。
 次に、総合リハビリテーション体制の整備についてでありますが、脳血管疾患等により障がいを持った方々が生活を再建し、社会復帰を図るためには、医療、福祉、行政等の関係機関が連携し、総合的かつ継続的な支援を提供する総合リハビリテーション体制の整備が必要であるとの議論が、現在、県内の医療関係者の間で高まっていることは承知しております。
 県といたしましては、現在、有識者の参画を得て、老朽化が進んでいる県立療育センターの整備に向けた御意見をいただいているところでありますが、その過程では総合リハビリテーション体制についての議論もあったところでありまして、県立療育センターの障がい者支援部門と県福祉総合相談センター内にある身体障害者更生相談所との連携体制のあり方も含め、療育センターそのものの整備規模や必要とされる機能、体制等について幅広く検討を行っているところであります。
 議員御提言の一体型の総合リハビリテーションセンターの建設につきましては、いわてリハビリテーションセンターの整備年度が比較的新しいことなどから当面は困難であり、将来的な検討課題と考えておりますが、県といたしましては、医療関係団体からの提言も踏まえ、本年度内に総合リハビリテーション体制のあり方について検討を進めるための有識者による懇談会を設置することとしておりまして、当面の関係機関の連携強化の方法や中長期的な視点からの関係施設のあり方、そして医療後継者の養成などについて総合的に議論をいただくこととしております。
 次に、環太平洋パートナーシップ協定についてでありますが、我が国として強い経済を実現するためには、本来、輸出に過度に依存するのではなく、地域資源の発掘と足腰の強い地域産業の育成によって、地域が主役となる内需主導型の経済を確立することが重要であります。
 環太平洋パートナーシップ協定については、センシティブ品目の段階的撤廃の措置はありますものの、関税の撤廃が原則とされていまして、多国間の市場取引が促進される一方で、農林水産業や食産業など、地域の特性や資源を最大限に生かした産業の振興ということに大きな影響を与えることが懸念されております。こうした貿易協定の検討に当たりましては、本来、地域資源の発掘と足腰の強い地域産業の育成を図る上でどのような貿易のあり方が望ましいのか、品目ごとや、2国間、多国間での連携の姿を戦略的に構築することが必要であるにもかかわらず、現時点ではこうした議論が十分には行われていないと感じております。
 環太平洋パートナーシップ協定については、日本が地域主導の自立的な成長を実現する上で、関税撤廃がどのような効果を有するのか、農林水産業に携わる生産者を含めた現場や地域の立場を十分に踏まえて、協定の内容そのものに関して根本的な検討、議論が行われるべきと考えております。
 また、協定への参加については、協定の内容そのものに関する検討をまず前提とし、さらに農林水産業を初めとした必要な国内対応策が講じられて、地域の声も反映した国民の合意が得られるまで十分な時間をかけて慎重に検討することが必要と考えております。
 次に、今後の我が国農政の方向についてでありますが、農業は、本県のみならず、担い手の減少や高齢化等による生産構造の脆弱化や生産物価格の低迷による農業所得の減少など、さまざまな課題を抱えておりまして、環太平洋パートナーシップ協定参加をめぐる議論にかかわらず、農業者が高い所得を安定的に確保できる魅力ある産業として発展できるよう、これらの課題に対応したあらゆる施策を進めていかなければならないと考えております。
 また、農業は、国民生活に不可欠な食料の安定供給のほか、自然環境の維持、増進や水源涵養など多面的な役割と機能をも果たす産業であるとともに、本県においては、地域経済を支える基幹産業の一つに位置づけられるものと認識しております。
 このように、農業、農村に関する施策は国民生活などと深く結びついていますことから、国においては、農業を通じて国民の命と健康を守り、さらには我が国の経済、環境、伝統文化等を含めた国民生活を豊かなものとするよう、食の安全と消費者の信頼確保や戸別所得補償制度による食料自給率の向上、さらには農業、農村の6次産業化などについて、国家戦略として強力に推進すべきものと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁をさせますので、御了承をお願いいたします。
   〔保健福祉部長千葉茂樹君登壇〕
〇保健福祉部長(千葉茂樹君) 県立療育センターの整備に向けました基本的方向、考え方についてでありますが、県立療育センターの改築に当たりましては、有識者の方々から、新たなニーズに対応した施設機能の充実、施設設備の充実、及び職員体制の強化に重点を置いて整備を行うべきであるという御意見をいただいているところでありますが、特に施設機能の充実に関しましては、先ほど知事から御答弁申し上げました中長期的な視点からの関係施設のあり方をも想定し、議員御提言の機能の拡張性にも十分配慮しながら、現在、関係部局と鋭意検討を進めているところでございます。
 なお、整備候補地につきましては、医育機関との連携、専門医師等の確保といった点に加え、今申し上げました点にも配慮しながら検討してまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長齋藤淳夫君登壇〕
〇商工労働観光部長(齋藤淳夫君) 雇用対策についてお答えいたします。
 まず、雇用創出計画についてでありますが、平成22年度におきましては、自動車関連産業創出推進事業や企業誘致などの産業振興施策等と雇用対策基金事業により、4、142人の常用雇用を創出することを目標としております。この目標に対しまして、産業振興施策等では9月末までに1、184人、雇用対策基金事業では10月末までに3、131人、合わせて4、315人と、達成率が104%となっており、既に目標を上回る状況となっております。
 今後につきましては、現在、有効求人倍率の動向など雇用情勢が底がたくなってきており、さらなる上積みに向けまして、引き続き雇用の創出に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、市町村との連携についてでありますが、ことし春の卒業者につきまして、県では、新卒者を採用した企業へ奨励金を支給する市町村への補助を行うこととしたほか、未就職者については、就職支援セミナーや就業体験の実施、さらに県の時間雇用職員として採用した上で社会人としてのマナー習得等を促すなど、早期就職に結びつくよう支援を行っているところであります。
 一方、来年春の新規高卒者につきましては、市町村やハローワーク等と連携した経済団体等に対する採用要請や、早期から個別企業を訪問するなどの取り組みを進めており、現在のところ、県内企業の求人数が前年同期を上回っている状況になっております。今後は、未内定の高校生に対しまして、学校現場において個別指導を強化するほか、就業支援員による求人開拓や県内3地域で就職内定応援ガイダンスを新たに開催することとしております。
 また、国におきましても、新卒雇用に対する新たな緊急対策として、新卒者をトライアル雇用の後に正規に雇い入れた場合、総額80万円を支給することとしており、さらに卒業後3年の既卒者までを新卒者として扱うなど、企業に対しまして手厚い奨励金の創設を初め、数々の取り組みが行われ始めております。
 今後とも、各種支援策を有効に活用し、一人でも多くの新卒者が就職できるよう、市町村、岩手労働局、ハローワークなどとの連携を一層強化し、支援に努めてまいります。
 最後に、就業支援の推進についてでありますが、今般の急激な雇用情勢の悪化に対応しまして、就職支援体制を短期間に充実させる必要があったことから、今年度は緊急雇用創出事業を活用いたしまして、通常の体制に加えて、緊急かつ臨時的に、地域において求人開拓やキャリア教育支援等に当たる職員を増員したところであります。体制の強化によりまして多くの企業を訪問することができるようになりまして、さらなる求人開拓の推進や企業とのネットワーク化、キャリア教育支援に協力いただくボランティア等の体制づくりなど、広範な就業支援に取り組んでいるところであります。
 一方、国におきましては、新卒者雇用に関します緊急対策といたしまして、9月から県内のハローワークに大卒就職ジョブサポーター6名、高卒就職ジョブサポーター6名、計12名を追加配置し、さらに今般の補正予算でも増員しながら、求人開拓等を含めた就業支援を大幅に強化すると聞いております。緊急雇用創出事業終了後の体制につきましては、こうした国の新たな就業支援体制と連携しながら、県として適切な支援のあり方について検討を進めてまいります。
   〔農林水産部長小田島智弥君登壇〕
〇農林水産部長(小田島智弥君) 米価下落について、今何をなすべきかというお尋ねについてでありますが、米価格の下落に影響を与える過剰米について、県としては、非主食用米へ仕向ける緊急措置を講ずるよう国に対して要請するとともに、関係団体と連携し、県産米の販売促進などに取り組んできたところであり、平成21年産の県産米の在庫分については販売に一定のめどがついたと伺っておりますが、全体的な需給動向は依然として緩和基調にあり、米価格の見通しは不透明であります。
 このため、平成22年産米について、関係団体と連携した販売促進の取り組みを強化するとともに、中長期的な展望に立った新たな県産米の生産販売戦略を策定し、消費者ニーズにこたえる安全・安心、良食味米の安定的な生産や消費拡大、販売支援の取り組みを強力に展開していきたいと考えております。
 次に、県産米の販路開拓及び販売上の反省点、課題についてでありますが、県はこれまで、全農岩手県本部と連携し、県産米のPRや販売支援を行ってきたところでありますが、販路開拓については、米卸業者との関係強化により平成20年産米の販売までは一定の成果を上げてきたものの、その後、需給ギャップが拡大する中で、新たな販路の確保が不十分だったこと、また販売面では、米卸業者より川下の量販店、小売業者に対する販売促進対策が不足していたこと、さらには、消費者にとっては競合産地と比較して本県産ひとめぼれの知名度が低かったことなどが反省点、課題であるととらえております。
 このため、今後の販売活動に当たっては、新たな取引先の確保による業務需要を含めた多様な販路の開拓や、生協や量販店等との相互交流の実施による関係強化、さらには、食味のよさや環境共生等のPRによる産地イメージや知名度の向上などを柱に据えて取り組んでまいります。
 次に、米の消費拡大の取り組みについてでありますが、県では、食習慣が形成される年代である園児や児童生徒に対し食育を推進するとともに、あわせて学校給食における米飯給食の拡大にも取り組んでおります。本県の小中学校における米飯給食の実施状況は週3.6回と全国トップクラスであり、米粉パン学校給食の日などの取り組みも進めております。また、社員食堂等の事業所の給食への利用を促進するため、昨年度、本県独自にいわて地産地消給食実施事業所認定制度を創設し、現在、77事業所で取り組まれているところであります。
 このほかにも、ひとめぼれの店として県内のホテル、旅館を中心に認定し、食事を通じて観光客などを対象とした県産米の利用拡大に努めており、こうした幅広い取り組みにより、今後も県産米の消費拡大に一層努めてまいります。
 次に、米の輸出についてでありますが、これまで、経済成長が著しく、日本食への関心が高い東南アジア等をターゲットとして県産米の数量拡大に取り組んできたところであります。今年度においては、現地の流通事情に精通し、販売力を有する現地米卸と連携して販売促進に取り組んだ結果、シンガポールにおいては、前年23トンの取り扱いが直近の11月末までに43トンに増加するなど、着実に販売の拡大が図られてきております。
 今後においても、フェア等を通じた販売先の開拓やビジネスパートナーとなる現地卸売業者等の確保とあわせ、例えば天日干し米など岩手ならではの特徴を生かした高付加価値米を提案するなど、輸出先での県産米の知名度向上や販売数量の拡大に努めてまいります。
 次に、戸別所得補償制度についてでございますが、米戸別所得補償モデル事業の変動部分は、平成22年産の販売価格の全国平均が、平成18年から20年産までの過去3年の全国平均である60キロ当たり1万4、838円を下回った場合に、その差額から消費税を控除して交付単価を算定することとされております。平成22年産の販売価格については、23年1月までの相対取引価格を使用するとされており、詳細はまだ明らかとはなっておりませんが、仮に直近の22年産の10月の相対取引価格の全銘柄平均60キロ当たり1万2、781円をもとに交付単価を試算すると1、959円と見込まれます。
 次に、農業所得の向上対策についてでありますが、農業所得の向上のためには、生産コストの低減と販売額の拡大を図ることが重要であると考えております。このため県としては、生産コストの低減に当たっては、農地の利用集積など、経営規模の拡大による生産の効率化を進めるとともに、低価格資材等の活用を促進しているところであります。また、販売額の拡大については、単収向上や高品質、安定生産技術の開発と普及を進めるとともに、ブランド商品の開発と契約取引、直売、ネット販売など多様な販売チャンネルを開拓するほか、加工、販売分野に進出する6次産業化や農商工連携の推進などの取り組みを支援し、担い手の所得向上と経営の安定を図ってまいります。
   〔教育長法貴敬君登壇〕
〇教育長(法貴敬君) まず、教員免許更新制度についてでありますが、教員免許更新制は、その時々で教員として必要な資質、能力が保持されるよう、定期的に最新の知識、技能を身につけることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目的に、平成21年4月から導入されたものであります。
 本県では、教員免許更新制の導入や学習指導要領の改訂を契機に、これまでの教員研修体系を全面的に見直し、教員経験者15年研修─これは2日間でありますけれども─を廃止し、教職経験者10年研修の日数を縮減し、その上で改めて授業力向上研修を立ち上げ、免許更新講習をこの研修体系の中に組み入れて実施しているところであります。
 授業力向上研修は34歳、44歳、54歳の教員を対象とした基本研修であり、現場に役立つカリキュラムを構成し、校種別、教科別、一部年齢別に教科指導力の育成を重点化するとともに、多様なニーズにこたえる内容としています。
 既に授業力向上研修は3回行われておりますが、受講後のアンケートでは、95%以上の研修者が有意義、おおむね有意義と回答しており、研修内容は有意義であったというふうに理解しております。
 教員の評価制度については、学校経営計画などの実現のために教職員個々の役割を学校長と教職員が勤務状況確認シートにより共有し、その職務遂行の過程における努力や実績を学校長が認めることにより教職員一人一人の意欲を高めていくことを目的として平成19年度から実施してきているところであります。これまでの取り組みにより、教職員すべてが学校の教育目標の達成に向けて努力していくという学校風土の形成の一助となっていると認識しているとともに、評価者である学校長には、公平、公正な評価となるよう常日ごろから努力をしていただいていると認識しております。
 この制度が議員御指摘のような制度にならないよう、各学校長を対象とした研修などを通じて制度の趣旨の徹底を図っており、今後とも公平、公正な評価に努め、学校教職員が意欲を持って職務を遂行することができるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、教職員の健康管理についてでありますが、精神疾患により不調を来す教職員が全国的に増加しておりますが、本県でも例外ではなく、同様の傾向が見られることは大変憂慮すべき状況にあると認識しております。
 精神疾患による病気をした者に係る病気に至った原因を分析した結果、職場の同僚または児童生徒、保護者との人間関係に起因するものが25.9%と最も多く、以下、本人の性格、気質に起因するものが23.9%、人事異動や学校経営上の問題、役職・昇任による負担等の職場環境に起因するものが19.5%となっております。
 対策としては、先ほど吉田敬子議員にもお答えしましたように、何にも増して病気にならない、病気にさせないための未然防止対策が大切であり、相談体制の強化などを図ってまいりたいというふうに考えています。
 また、議員御指摘のような、寒々とした学校現場ということが思い起こされることがないよう、助けを求めてきた教職員にすっと援助をやれるような、弱音を吐けるような職員室となるような学校風土の醸成に努めてまいりたいというふうに考えております。
 次に、教職員の不祥事についてでありますが、不祥事の原因としては、職場環境の問題も大きな原因と考えますが、教職員個人に倫理観と人権意識あるいは自覚と責任などが欠けていたこと、また、管理職のマネジメントによる教職員への日常の指導や、組織が一体となった取り組み等が十分機能していなかったことなども考えられるところであります。
 このため、初任者研修や教職経験者研修などにおいて教育公務員としての心構えや服務規律、公務員倫理などについての指導を徹底するとともに、コンプライアンスマニュアルを用いた職場研修や、職場での話し合いの場を設けるなどの対策を実施しています。
 今後も、一人で抱え込まず職場全体で事案に対応するというような、職場全体で児童生徒を育てるというふうな組織風土をつくりながら、一方、あらゆる機会をとらえてコンプライアンスの徹底を図り、全学校、全教職員挙げて不祥事の防止に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、主幹教諭の配置のねらいと担任事務の詳細についてでありますが、主幹教諭は、校長や副校長を補佐し、一定の責任を持って担当する校務を取りまとめて整理することを目的とし、教員への指示、指導助言による組織横断的な校務の調整、教職員の人材育成、保護者、地域住民、その他の関係機関との連絡調整などの職務を行うこととされております。主幹教諭の配置により、児童生徒が抱える課題への的確な対応や、教員間、保護者とのコミュニケーションが一層円滑になり、学校現場における個々の教員と地域、学校、家庭との連携のつなぎ手としての役割を果たし、組織体制ができるよう一層の充実に寄与するものと考えております。
〇22番(小田島峰雄君) 休憩の前に二、三再質問をさせていただきます。
 各項目につきまして丁寧な御答弁をいただきました。最初に、知事にお尋ねいたしたいと思います。
 地域主権関連3法案についてのお答えがございました。今、この問題につきましては、全国都道府県議会議長会でも緊急要請を行っているところであります。きょうの新聞等を見ますと、今臨時国会におきましても、この関連法案は継続審議となるようでございまして、いつ可決成立するか極めて不透明でございますが、今後の地域主権改革、地方分権改革にとって、極めて重要な意味を持つと私は思っております。
 特にも、答弁にありました国と地方の協議の場は、地方の声を国政に反映する上で極めて重要であります。知事は、政権に最も近い立場におられるわけでありまして、これまでも、知事会などを通じて積極的に御発言をされてきたと承知いたしております。
 そこで、今後ますます重要性を増すであろうこの地方6団体の中でも、特に知事会のあり方について御所見をお伺いいたしたいと思います。
 次に、千葉保健福祉部長に御答弁をお願いしたいのでありますけれども、県立療育センターについてのお答えがございました。お聞きしますと、将来構想を見据えた検討がなされているとのことでございまして、大変力強く感じた次第であります。
 知事のお答えにありましたように、リハビリテーションセンターは、まだ建設後17年しかたっておりません。そこで、今すぐ解体撤去して統合せよなどということは毛頭申し上げるつもりはございませんけれども、運営主体が異なることから来る諸問題については、余り時間をかけずに、もしかして解決可能ではないかと考えるわけでありますが、この際、運営主体を一体化いたしまして、情報や人事の交流を活発化することによって円滑な運営が可能ではないかと思いますが、このことについてお答えいただきたいと思います。
 法貴教育長にお答えいただきたいと思うのでありますけれども、教員の免許更新講習につきましては、アンケート調査を実施すれば、非常に有意義であったという回答のようでございますが、よもやアンケートに署名捺印せよなどと言って集めているわけではないかとは思いますけれども、現場でいろいろお話をお聞きすることとは、大分ギャップがあるような感じがいたします。
 お答えがございました最新の知識、技能を身につけさせるための講習だというお話でございましたけれども、これも若干、内容については検討を要するのではないかという意見がたくさんありましたことをお伝えいたしたいと思います。
 それから、精神疾患による休職者の問題、あるいは多発する教職員の不祥事の問題、基本的には、私は、根っこは同じなのではないかと思うのであります。質問の中でも申し上げましたけれども、教員間あるいは保護者間で、私が想像している以上にコミュニケーションがないと。言ってみれば、隣は何をする人ぞと。下手に相談なんかしますと、勉強不足あるいは努力不足を指摘されたりするというような状況下では、特にも経験の浅い先生方は、率直に協議したり、教えを請うたりするような状況とはなっておらないのが実態ではないかと思っております。
 主幹教諭を配置されると、また、今その所掌事務等についてもお答えがありましたけれども、語弊があるかと思いますが、教員を管理するという面からだけでは、この問題の解決はできないと思います。やっぱり主幹教諭が、そういう意味で大きな力を発揮してくれることを願ってはおりますけれども、そういう点について、もう一度お答えをちょうだいいたしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 国と地方の協議の場との関連で全国知事会のあり方についてでありますが、国と地方の協議の場の法制化は、国と地方が緊密な協力関係のもとで協議を行い、地域主権改革の推進や政策の効果的かつ効率的な推進を図ろうとするもので、新しい国と地方の関係への移行という意味で、大きな意義を持つと認識しております。
 全国知事会については、今後、協議の場の実効性を高めるために、地域の実情や情報を踏まえた質の高い知見を提言していくことや、地方側の意見集約に向けて、地方6団体の中心として積極的な役割を果たしていくことなどが期待されるところであります。
 本県といたしましても、知事会に対し、岩手の実情をしっかりと踏まえた提言を行って、協議の場を通じて、政策に反映させるよう努めていきたいと考えております。
〇保健福祉部長(千葉茂樹君) 県立療育センターといわてリハビリテーションセンターの運営主体の一体化についてでありますが、現在、県立療育センターにつきましては、社会福祉法人岩手県社会福祉事業団を指定管理者として施設の運営を担っていただいているところであり、また、いわてリハビリテーションセンターにつきましては、平成23年度以降においても、引き続き財団法人いわてリハビリテーションセンターを指定管理者とすることにつきまして、今定例会に御提案申し上げているところでございます。
 議員から御提言のありました運営主体の一体化につきましては、先ほど知事から御答弁申し上げました、総合リハビリテーション体制のあり方に関する有識者による懇談会において御検討いただくこととしております、中長期的視点からの関係施設のあり方とも密接に関連するものでありますことから、当該懇談会の場で御議論をお願いしたいと考えているところでございます。
 なお、財団法人いわてリハビリテーションセンターにつきましては、今般の公益法人制度改革に伴いまして、今後、どのような法人形態を目指して移行を進めるのかということにつきまして、法人及び当該法人に出資しております県を初めとする関係団体におきまして、今後、議論を行う必要があるものと考えております。
 今申し上げました両施設の運営主体の一体化の議論と財団法人いわてリハビリテーションセンターの法人形態の議論は、相互に関連するものでございますので、今後、この点にも十分配慮しながら対応していくこととしております。
〇教育長(法貴敬君) 現場は、議員御指摘のとおり、保護者との関係、あるいは同僚、管理職との関係、あるいは子供の対応の難しさとか、さまざまな面で課題を抱えているわけですけれども、先ほどお答え申し上げたように、家庭、教員間、あるいは地域との連携のつなぎ手としての主幹教諭みたいなものの能力をぜひ発揮していただきまして、学校が個人個人のプレーでなくて、組織的に対応できるような形になっていければいいのかなと思っております。
〇副議長(小野寺研一君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時42分 休 憩
出席議員(48名)
1  番 吉 田 敬 子 君
2  番 工 藤 勝 博 君
3  番 高 橋 但 馬 君
4  番 小 野   共 君
5  番 岩 渕   誠 君
6  番 郷右近   浩 君
7  番 高 橋   元 君
8  番 喜 多 正 敏 君
9  番 岩 崎 友 一 君
10  番 木 村 幸 弘 君
11  番 久 保 孝 喜 君
12  番 小 西 和 子 君
13  番 高 橋 博 之 君
14  番 及 川 あつし 君
15  番 亀卦川 富 夫 君
16  番 高 橋 昌 造 君
17  番 菅 原 一 敏 君
18  番 中 平   均 君
19  番 五日市   王 君
20  番 関 根 敏 伸 君
21  番 三 浦 陽 子 君
22  番 小田島 峰 雄 君
23  番 熊 谷   泉 君
24  番 嵯 峨 壱 朗 君
25  番 飯 澤   匡 君
26  番 大 宮 惇 幸 君
27  番 千 葉 康一郎 君
28  番 新居田 弘 文 君
29  番 工 藤 大 輔 君
30  番 佐々木 順 一 君
31  番 佐々木   博 君
32  番 田 村   誠 君
33  番 工 藤 勝 子 君
34  番 平 沼   健 君
35  番 樋 下 正 信 君
36  番 柳 村 岩 見 君
37  番 阿 部 富 雄 君
38  番 斉 藤   信 君
39  番 及 川 幸 子 君
40  番 佐々木 一 榮 君
41  番 伊 藤 勢 至 君
42  番 渡 辺 幸 貫 君
43  番 吉 田 洋 治 君
44  番 小野寺 研 一 君
45  番 千 葉   伝 君
46  番 佐々木 大 和 君
47  番 菊 池   勲 君
48  番 小野寺   好 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後3時58分 再開
〇副議長(小野寺研一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。岩崎友一君。
   〔9番岩崎友一君登壇〕(拍手)

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