平成22年12月定例会 第19回岩手県議会定例会会議録

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〇14番(及川あつし君) ただいまの我が会派の吉田敬子議員の質問項目中、NPOに関して関連でお伺いをしたいと存じます。
 吉田敬子議員からは、これまでの対応の概略、また、今後の対応方針について質疑が交わされたところでありますが、私は改めて、たびたびお尋ねをしてきておりますが、県のこれまでの対応の検証と今後の対応という意味でお伺いをしたいと思います。
 まず、この10カ月たびたびお尋ねしてきたいわてNPOセンターの問題、また、岩手県のNPO政策について概略的に申し上げれば、まず問題の本質について言えば、いわてNPOセンター自身の問題があったということ、また、前理事長さんなどの方々の個人的な対応の法令違反等の問題もあったということ。これについては、県が一定期間検証を重ねて、必要な部分については警察に告発をし、これは受理をされたと。受理された後の話は、伺いたいわけですが、お伺いしましても個別の事案についてはお答えできないということもわかっておりますので、あえてお尋ねはいたしません。
 それについては今後の警察の対応を見守りたいということでございますが、10カ月前指摘したもう一つの内容、つまり、いわてNPOセンター自身の問題と同時に、この問題を生じさせた原因の一方には、岩手県自身それぞれの問題もあったのではないかということもたびたび指摘をしてまいりました。これまで知事、また部長等の答弁においては、一定の責任を認めつつも、一体何が、岩手県としてこうした問題を惹起したことに関してどういう問題があったのか、私は十分に検証されていないと思っておりますし、また検証しなければ、今、策定中と伺っておりますガイドラインについても十分なものができ上がらないんじゃないかという意味で私は伺いたいのであります。
 県の責任に関して言えば、まず選定過程に私は瑕疵があったというふうに思っておりますし、その結果、委託の集中ももたらした。この点については、結果としての委託の集中についての責任の答弁もございました。
 委託事業の進捗状況について管理が不十分であったがゆえに結果としていろいろな問題を惹起してしまった。そして最終的に、問題を指摘されつつも、対応が後手後手に回って、NPO法上の権限を有しているにもかかわらず適切な権限行使を行わなかったということで問題を大きくした。きょうは部長のほうから、今後は時期を逸することなく指導していきたい、このような答弁もありましたけれども、私は、そうした観点から、以下、お伺いをしたいと思っております。
 まず、過日、新聞報道がございました。投げっ放しやめますという非常に激しい表現の新聞報道でありますが、NPOへの事業委託について、県は反省を示して、今後ガイドラインを策定するということで、年内に策定したい考えとの報道がございました。この報道を受けまして、私は担当課に、このガイドラインの案をぜひ開示をしていただいて、どういう検討をしているのか我々議員にも示してくれということを申し上げたわけでありますが、これについては公開できないという回答でありましたけれども、私はこれはおかしいと思うんです。これまで議会と執行部の皆さんで議論をしてきて、これからの取り組みについてどうするかという議論のたたき台を私たちに示さないというのはどういう意味なんでしょうか。まず、現時点での案を非公開とされている理由についてお伺いをしたいと存じます。
 2点目であります。
 ガイドラインの案はちょうだいしませんでしたが、概要というものがやっと手に入りました。その概要の中で記されているものについてお伺いします。
 今後の事業委託先の選定について、この概要の中では、十分な公募期間を確保することと記載されております。ということは、これまで十分な公募期間を確保していなかったのでしょうか。これまでの経過について再度御検証の上、御答弁をいただきたいと思います。
 3点目であります。
 前回の議会でこれも種々議論になりました県職員が役員に就任している場合の取り扱いについて。この概要では、どうその要素を取り込むか別途検討と書かれております。NPOで県の事業を受託した場合の県職員の役職員の就任の取り扱いについてはどのような検討がなされているのかお伺いいたします。
 次に、委託事業の完了に関して、同じくこの概要においては、収支実績報告書の提出を求め、委託費の使途が適正であることを確認することとなっておりますが、こういう記載があるということは、今まで十分に、委託をしつつも収支実績報告書がしっかりとした内容で提出をされていなかったし、使途が適正であるかどうかも確認しなかった、ゆえにこういう記載があるんでしょうか。
 いずれ私がお伺いしたい趣旨は、これまでのNPOに対する委託のあり方、または指導監督、育成のやり方について十分な検証がなければ、今後のガイドラインが十分な、また実効性のあるものが出てこないのではないかという観点でお伺いをするところでありますので、御答弁のほどよろしくお願い申し上げます。
〇政策地域部長(加藤主税君) 4点ほど御質問いただきました。
 まず、NPOへの事業委託の適正化に関するガイドライン─現在策定中のものでございますが、非公開についての問題でございます。
 このガイドライン─仮称でございますが、これは、いわてNPOセンターの一連の不祥事を教訓といたしまして、選定の際の公平性や透明性の確保、業務の確実な実施を確保するための実施体制の確認、法令遵守に対する意識、取り組みの確認、業務の適正な執行のための進捗管理、完了確認のあり方、こういった観点から作成しようとしているものでございます。
 ガイドラインの策定に当たりましては、事業の委託等を行う可能性のあります庁内関係部署に広く影響が及びますことから、庁内各課等からガイドライン(案)に対する意見徴収を行っているところでございまして、今後それらの意見等を踏まえ、修正等が生ずることが想定されます。県といたしましても、いまだ成案を得ていない策定途上のものでございまして、現時点では公表に至っていないというものでございます。
 次に、公募期間についてお尋ねがございました。
 事業委託における公募手続につきましては、それぞれの事業担当部署におきまして責任を持って行っていただいておりますが、これに関しまして、出納局から庁内各室課に対しまして平成20年2月に通知が出されております。その中では、委託に係る公募につきましては、その選考期日の前日から起算して少なくとも10日前までに公告しなければならないとされております。また、指定管理につきましては、総務部が作成いたしております公の施設に係る指定管理者制度導入のガイドラインにおいては、募集期間は1カ月以上とし、十分な周知期間を設けるとされております。
 これまでの取り扱いということでございますが、これらを踏まえまして、各事業担当部署で公募対象、事業の内容等を勘案いたしまして適切な公募期間を設定してきたものと考えております。
 次に、県職員が役員に就任している場合の取り扱いについてでございますが、一般的に、県職員がNPO活動、市民活動に率先して参加するということにつきましては大いに奨励すべきものと考えております。このため、県と契約関係にあります法人の役員に県職員がついている、そういう事例が生じる可能性も存するところでございます。これを制限する法律の規定はないものの、職員は職務の公正を確保するため、職務の遂行に当たって常に中立かつ公正でなければならないとされております─これは当然のことでございますが。そういうことがございまして、県の職員が役員に就任しておりますNPOが県と委託契約を結ぶ際には、中立、公正を疑われることのないよう、十分な配慮のもと、公正でオープンな手続をとる必要があると認識しております。
 例えば、職員が直接担当する業務、事業、あるいは決裁権を有する事業につきまして、その職員が役員を務める法人と契約すること、そういうような県民の理解が得られないのではないかと考えられます事案を抽出、整理いたしまして、こうした事例が生じないための適当な対応策のあり方につきまして、NPO活動の現場への影響等も含めまして、関係部局と情報を共有しながら現在検討を進めているところでございます。
 次に、委託業務の完了確認のこれまでの状況についてでございます。
 事業委託につきましては、各事業担当部署におきまして責任を持って事業の完了確認を行っておるということでございます。それぞれ委託契約、委託事業の内容はさまざまでございますので、実際にどのような完了確認を行っているか、それぞれの詳細までは把握しておりません。
 請負による事業委託につきましては、基本的には契約書、仕様書等に定められた内容どおりの成果が得られれば事業の完了とされるものでございますことから、これまで、各事業担当部署におきまして、事業の内容、経費の性質等を勘案いたしまして、必要に応じまして収支実績報告を徴収してきたものと考えております。
〇14番(及川あつし君) 御答弁ありがとうございました。
 それでは再度伺いますが、ガイドラインについては策定途上だということで公表できないということでありますが、成案ができた段階で議会側にも、これは議案としてはなっておりませんが、やっぱり政策の意見交換という意味で、成案ができた場合には可及的速やかに、しかるべき時期に我々にも示すべきだと思いますが、その点についての基本的な考え方と、その成案の策定予定時期についてもお示しいただきたいと思います。
 次に、公募期間について、先ほど部長のほうから指定管理に関しては出納局からの通知で10日前云々という話がありましたけれども、もちろん議論されていると思いますが、ある委託事業が10日前に突然インターネット上で公募されて、さあ、NPOの皆さん、この10日間で原案をつくって公募に応じてください、これは無理だと思うんです。ですから、ある一定期間、指定管理と同様に1カ月とることが適当かどうかわかりませんけれども、いずれ10日では短いというふうに思いますし、この議論をするのであれば、何度も申し上げますが、県の皆さんが特定の団体に対して公募情報を流して、特定のNPOに事業を委託をせしめていたという実態を過去において検証しない限り、次のガイドラインはまともなものが出ないというふうに思っております。
 きょう質問に登壇しました吉田敬子議員は、御存じのとおり、かつてNPOの職員をやっていた議員であります。その当時のお話を私も直接いろいろ聞きましたし、ほかの方からも聞いております。これまでも指摘しております。県のそれぞれの部署が適正にやったと何度も政策地域部長がおっしゃいますけれども、いわてNPOセンターの問題については刑事告発がされたということで、あとはセンターも今、破産処理の手続も入っているということで極めて残念な状況にあるわけでありますが、県民の皆さんからは、一体、では県はどういう責任をとるんだと、一体県はどういう反省を示しているんだという声が私にも、またほかの議員にもそういった批判の声はまだやむことがございません。このためには、これを一たんけじめをつけて、次の健全なNPO育成を図るためには、再度でありますが、県の対応に過去において過ちがなかったのか、問題がなかったかどうかということを検証するべきだと思いますが、この点については知事から御所見を賜りたいと思います。
 以上2点、お伺いして質問とさせていただきます。
〇知事(達増拓也君) 何か具体的にあれば伺いたいと思います。
〇政策地域部長(加藤主税君) まず、NPOのガイドラインの策定の問題についてでございます。
 現在、庁内調整中というふうなことでございます。形が整って成案が得られましたならば必要な情報提供はさせていただきたいと思いますし、また、それに応じまして御意見をいただければ、盛り込めるものにつきましては考えさせていただきたいと思っております。
 時期につきましては、先ごろの議会でも知事から答弁させていただきましたが、年内を目途にというふうなことで現在作業中ということでございます。
〇議長(佐々木一榮君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時19分 休 憩
出席議員(48名)
1  番 吉 田 敬 子 君
2  番 工 藤 勝 博 君
3  番 高 橋 但 馬 君
4  番 小 野   共 君
5  番 岩 渕   誠 君
6  番 郷右近   浩 君
7  番 高 橋   元 君
8  番 喜 多 正 敏 君
9  番 岩 崎 友 一 君
10  番 木 村 幸 弘 君
11  番 久 保 孝 喜 君
12  番 小 西 和 子 君
13  番 高 橋 博 之 君
14  番 及 川 あつし 君
15  番 亀卦川 富 夫 君
16  番 高 橋 昌 造 君
17  番 菅 原 一 敏 君
18  番 中 平   均 君
19  番 五日市   王 君
20  番 関 根 敏 伸 君
21  番 三 浦 陽 子 君
22  番 小田島 峰 雄 君
23  番 熊 谷   泉 君
24  番 嵯 峨 壱 朗 君
25  番 飯 澤   匡 君
26  番 大 宮 惇 幸 君
27  番 千 葉 康一郎 君
28  番 新居田 弘 文 君
29  番 工 藤 大 輔 君
30  番 佐々木 順 一 君
31  番 佐々木   博 君
32  番 田 村   誠 君
33  番 工 藤 勝 子 君
34  番 平 沼   健 君
35  番 樋 下 正 信 君
36  番 柳 村 岩 見 君
37  番 阿 部 富 雄 君
38  番 斉 藤   信 君
39  番 及 川 幸 子 君
40  番 佐々木 一 榮 君
41  番 伊 藤 勢 至 君
42  番 渡 辺 幸 貫 君
43  番 吉 田 洋 治 君
44  番 小野寺 研 一 君
45  番 千 葉   伝 君
46  番 佐々木 大 和 君
47  番 菊 池   勲 君
48  番 小野寺   好 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後2時33分 再開
〇議長(佐々木一榮君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。小田島峰雄君。
   〔22番小田島峰雄君登壇〕(拍手)

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