平成22年9月定例会 第18回岩手県議会定例会 会議録

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〇10番(木村幸弘君) 社民党の木村幸弘でございます。
 認定第4号平成21年度岩手県一般会計歳入歳出決算について、反対討論を申し上げます。
 このたびの決算審査においては、平成19年度、20年度決算が2年連続で不適切な会計処理により不認定とされてきた経緯から、県民は厳しく本決算について注視しておりました。図らずも今議会定例会開会直前の9月17日、森のトレー裁判の判決が下り、全面敗訴という事態に至り、本事業の根本的な問題を含め、敗訴確定による補助金返還額の未回収債権の取り扱いを初め、いわてNPOセンターの不祥事事案に対する県の対応、さらには知事公用車購入事案など、本県の厳しい財政事情にかんがみて、知事の県政運営に対する姿勢や統治能力、指導力とともに、県行政全体のコンプライアンスの確立が今議会を通じて県民に明確に示され、説明責任が果たされるのかということがまさに問われるものでありました。
 しかし、残念ながら知事のトップマネジメントは果たされたとは言えず、以下の点について県民の行政不信が高まったと指摘せざるを得ません。
 その第1は、森のトレー問題であります。
 本事案については、そもそも事業遂行のプロセスから本県の対応を含めて問題があったこと、国に対する補助金交付決定の経過について疑義が解明されていないこと、そして、補助金返還問題に関する国の責任については、適化法の壁や取り消し訴訟による立証の困難性などを理由としてその追及の旗をおろし、今後も問題点は主張していくとしているものの、今、地方主権に基づく国との対等な関係が改めて求められているときに、本事案のみならず、適化法の問題や補助金行政のあり方を問う、勝ち負けの論理にとらわれない毅然とした対応こそが政権交代後における民主党籍を持つ達増知事のトップマネジメントとして問われているものではないでしょうか。
 このような努力が果たされずに、控訴断念によって生ずると想定される県民負担の事態を看過することは到底容認できないものであります。
 第2は、いわてNPOセンター不祥事事案にかかわる支出において、これまで過度に依存してきた県の姿勢が問われてまいりました。
 行政のNPOとの協働関係が、県の都合によって使い回しのきく民間委託先として扱われていなかったでしょうか。法人の役割や体制を十分に踏まえずに、もたれ合いの関係を構築してきたことによって起きるべくして起きた事案であり、民間委託推進の成果を求める行政と、活動の財政的確立を図ろうとする法人との関係や行政サービスの公的責任の今後のあり方を問う問題でもありました。その意味で、県の姿勢とその対応にも問題があったものであります。
 最後に、知事公用車購入の是非を問うものであり、厳しい財政運営が強いられる中、不適切な会計問題を初め、行財政改革による各施策の見直し、さらには職員給与の特例減額が行われるなど全庁挙げて経費節減と県民の信頼回復に取り組んでおり、1、400万円余の公用車購入は、県民生活、雇用不安が依然として拡大している中で県民意識との隔たりは大きく、いかなる理由であっても到底理解できるものではありません。
 以上申し上げて反対討論といたします。(拍手)
〇議長(佐々木一榮君) 次に、斉藤信君。
   〔38番斉藤信君登壇〕

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