平成22年9月定例会 第18回岩手県議会定例会 会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案と請願不採択に対する反対討論を行います。
 議案第28号は、県営住宅の家賃滞納者に対して訴えを提起することに関し議会の議決を求めるものであります。
 今回の対象者について独自に調査をしましたが、経済的に困難な状況が推察されます。また、県営住宅を退去させられるなら、さらに生活困難に陥ることが予想される状況であります。県としてもっと丁寧に滞納者に対して対応し、分割払い等の解決は可能と考えられるケースと思います。県のさらなる対応を求めるものであります。
 議案第30号は、岩手県公会堂の指定管理者をいわてNPOフォーラム21に指定しようとするものであります。
 今回の新たな指定管理者の指定は、いわてNPOセンターの不正と指定管理者の辞退によるものであります。それだけに、この間の教訓を踏まえた選定が求められる事案であります。
 今回、指定管理者に指定されたNPOフォーラム21には、副代表理事に部長級の県幹部職員と理事に4人の県職員が含まれています。14人中5人、理事の3分の1以上は県職員という構成は、県丸抱えの組織と言うべき実態であります。
 また、いわてNPOフォーラム21の目的、事業の実態は、NPO、市民等へのNPO活動に関する情報収集と提供及びネットワーク促進にかかわる事業、行政との連携によるNPO支援のための調査研究及び政策提言と推進にかかわる事業等となっています。行政との連携によるNPO支援を目的にしながら、みずから行政の公募に応募し事業をとったのでは、みずからの団体の目的にも反するのではないでしょうか。
 さらに、選定結果の得点は第2位とわずか1点差の293点、第3位とも3点差であります。県民から見て、極めてわかりにくい選定結果と言わなければなりません。県として、県民から疑問の声が出ないような慎重で明瞭な選定こそ求められていると考えるものであります。
 次に、請願陳情第92号子どもの医療にかかわる施策の拡充を求める請願が一部不採択となりました。不採択とされた項目は、第2項目の細菌性髄膜炎ワクチンの自治体での公費助成を求めるものであります。
 細菌性髄膜炎は、乳幼児に重い後遺症を引き起こし、死亡に至るおそれが高い重篤な感染症であります。その原因の多くはヒブと肺炎球菌によるものであります。既にワクチンができ、WHOも定期接種を推奨しているものであり、定期接種している国では、細菌性髄膜炎は大幅に減少しています。ワクチンの接種は、本来、国が責任を持って実施すべきものであります。しかし、国が行わないとしたら、県民の命を守る立場から、県として実施すべきだと考えるものであります。
 第3項目は、子供の医療費無料の助成を小学校6年生まで拡大すること、所得制限を外し、自己負担、窓口負担をなくすことを求めるものであります。
 全国的には、北海道や群馬県など9都道府県が、入院の場合、小学校卒業または中学校卒業までの医療費助成を実施しています。所得制限なしが14県となっています。
 県内市町村では、宮古市など16市町村が、小学校卒業以上の医療費助成を実施しています。うち高校卒業までは一戸町、中学校卒業までが8町村となっています。小学校卒業までの医療費助成は、全国の先進的な都道府県で既に取り組まれており、県内でも大きな流れとなっているものであります。
 少子化、人口減少が進む中で、子供を大切にする県政の実現は、県民が強く求めている重要課題でもあります。不採択にすることは、県民の願いに背を向けるものと言わなければなりません。
 請願陳情第87号と第88号は、花泉診療所についての請願であります。その内容は、常勤医師の確保と事業計画で明記された常勤医師2名、非常勤3名の確保を求め、事業計画どおりの診療所の運営を求めたものであります。
 請願提出後、4月中旬に常勤医師1名がやっと配置され、8月からは入院患者も受け入れられるようになりましたが、民間移管の前提となった3月末提出された事業計画では、常勤医師2名、非常勤医師3名が確保されたとしていました。ところが、4月以降7月までは、常勤医師は事実上、不在となったのであります。非常勤医師も2カ月ごとにかわり、先週、今週は、地元の非常勤医師1名しか出勤しない状況となっているのであります。いまだに事業計画に反する事態となっていることは重大であります。外来患者の9月の実績は701人で、1日平均31.9人と常勤医師が不在だった5月の801人、1日平均44.5人と比べて減少していることは、患者離れと言うべき状況を脱していないと言わなければなりません。
 4月の民間移管に移行したその時点から事業計画に反した事態が起こったことは、医療法人白光の信頼性を失う不誠実な事態と言わなければなりません。
 県医療局と保健福祉部は、責任を持って指導し、改善を図るべきであります。事業計画に反した花泉診療所の改善と県の指導を求めた請願を数の力で不採択としたことは、許されないことであります。
 請願陳情第105号は、労働者派遣法の抜本改正を求めるものであります。その内容は、1、製造業への派遣を全面的に禁止すること、2、専門業務の内容を見直し、限定すること、3、日雇い派遣を禁止すること、4、常時雇用を期間の定めのない雇用とすること、5、均等待遇を明記することであります。
 これらの多くは民主党の政策にも示されているものであります。ところが、政府が提出した労働者派遣法の改定案は、財界の圧力に屈して、製造業への派遣禁止では、常時雇用という短期雇用を繰り返し、1年以上であれば禁止の対象外とする抜け穴をつくりました。その結果、製造業派遣と登録派遣の禁止の対象となるのは18万人で、全体の16.7%にすぎません。専門業務26業務を禁止の例外とすれば、その半数に当たる事務用機器操作45万人が対象から外されます。まさに大穴の改定案になっているのであります。
 現在の雇用危機の最大の問題は、労働法制の規制緩和によって、非正規雇用が労働者の3分の1以上まで広がり、経済危機の中で、こうした派遣、期間工がばっさりと使い捨てられたことであります。働くなら正社員が当たり前の労働者派遣法の抜本改正こそ求められているのではないでしょうか。この不採択に強く反対をするものであります。
 以上申し上げ、私の討論といたします。御清聴ありがとうございました。
〇議長(佐々木一榮君) 以上で通告による討論は終わりました。これをもって討論を終結いたします。
 これより、請願陳情中、受理番号第87号及び受理番号第88号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第87号及び受理番号第88号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第30号岩手県公会堂の指定管理者を指定することに関し議決を求めることについてを採決いたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、議案第30号岩手県公会堂の指定管理者を指定することに関し議決を求めることについては、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第103号青年の生活と雇用を守り、将来に希望を持てる岩手県の実現についての請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第103号青年の生活と雇用を守り、将来に希望を持てる岩手県の実現についての請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第92号子どもの医療にかかわる施策の拡充を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第92号子どもの医療にかかわる施策の拡充を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第102号青年の生活と雇用を守り、将来に希望を持てる岩手県の実現についての請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第102号青年の生活と雇用を守り、将来に希望を持てる岩手県の実現についての請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第105号労働者派遣法の抜本改正についての請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第105号労働者派遣法の抜本改正についての請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第28号訴えの提起に関し議決を求めることについてを採決いたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、議案第28号訴えの提起に関し議決を求めることについては、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第1号から議案第27号まで、議案第29号、発議案第1号及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立全員であります。よって、議案第1号から議案第27号まで、議案第29号、発議案第1号及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 日程第33に先立ち、地方自治法第117条の規定により、副議長と交代させていただきます。
   〔議長退場、副議長着席〕
   日程第33 議案第31号岩手県県民の森の指定管理者を指定することに関し議決を求めることについて
〇副議長(小野寺研一君) 次に、日程第33、議案第31号岩手県県民の森の指定管理者を指定することに関し議決を求めることについてを議題といたします。
 本案に関し、委員長の報告を求めます。新居田農林水産委員長。
   〔農林水産委員長新居田弘文君登壇〕

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