平成22年9月定例会 第18回岩手県議会定例会 会議録

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〇24番(嵯峨壱朗君) 自由民主クラブを代表いたしまして一般質問させていただきます。
 最初に、副知事の選任について知事にお尋ねいたします。
 まずもって冒頭一言申し上げておきますが、私は、9月に就任された上野副知事に異議があると言いたいのではございません。記者会見等で知る限り、副知事の県政にかける意欲については私も評価しておりますし、同じ思いを抱いているところであり、ある意味で県政推進のパートナーとして活躍されることを心から期待しているところでございます。私は、知事の県議会に対する説明の姿勢について疑問を持っていることから質問するものであることを申し上げておきます。
 去る9月1日、県議会臨時会において副知事の選任に関し同意を求める議案が議決されました。この時期の副知事人事案件、しかも臨時会を招集するという余りに唐突な提案に驚きもあり、当然本会議においては十分な提案理由説明があるものと思っていたところでありますが、従前どおり、型どおりの説明しかなされませんでした。
 そこでお尋ねしますが、このような異例の提案であるにもかかわらず、なぜ十分な説明がなされなかったのでしょうか、その理由をお尋ねいたします。
 また、国においては、2008年2月、衆参両院の議院運営委員会に置いて、当時野党であった民主党などから国会の同意人事案件については候補者の所信聴取を行うよう申し入れがなされ、与党であった自民党がこれを受け入れたということがございました。こうした国の流れがありますが、知事はこれをどう考えておられるのでしょうか、知事の所感をお尋ねいたします。
 このような事例を見るとき、知事は、副知事を選任しなければならないと考えた提案理由を県議会の場においてきちんと説明すべきであったと考えております。この場において改めて提案理由の説明をお願いいたします。
 次に、民主党の代表選とマニフェストに関して知事にお尋ねいたします。
 去る9月14日、2週間に及んだ民主党の代表選が行われました。この代表選は、実質的には我が国の総理大臣を決めるための選挙であり、国政の方向、ひいては本県県政の方向に多大な影響を及ぼすものでございました。同代表選に際しては、本年9月上旬、共同通信が、子ども手当の取り扱いなど、昨年の民主党のマニフェストの修正に関する全国の都道府県知事を対象としたアンケートを行っております。このアンケートに対し、マニフェストを修正すべきでないと回答したのは、全国の都道府県知事の中で達増知事のみでありました。このことについて知事はどのようにお考えなのでしょうか。また、知事がそのように判断された理由について知事のお考えをお伺いしたいと思います。
 民主党籍を有される知事は、民主党代表選に絡み、小沢総理誕生を望み、支援されておられました。その過程において、小沢氏が政治と金の問題などから、報道各社の世論調査で支持率が低いとの報道に対しては、調査対象となっている方がいろいろなことを知らないままに答えてしまっているのではないかと述べる一方、ネット上では逆の結果が出ていると、インターネットの調査について評価されておられました。報道機関の世論調査に比較し、ネット調査を評価すると言われるのであれば、どのような根拠があるのかお尋ねしたいと思います。
 本年2月、朝日新聞社が東北6県の知事を対象として、外国人参政権について賛否を聞いておりました。これに賛成を表明したのは、ほかの5人の知事が法案への賛否は示さず慎重であった中、達増知事のみであったと報道されておりました。事実とすれば、その理由をお示し願いたいと思います。また、達増知事のみであったという事実について知事の所感をお伺いしたいと思います。
 知事はツイッターを始めるとき、岩手の魅力、観光、物産情報を中心に利用したいと述べられていたと思っておりますが、民主党代表選にかかわっては、政治的発言を繰り返し、積極的に当時の小沢前幹事長を支持しておられました。私は、一知事がそうした態度を表明すること自体に問題があると思いますが、これまで達増知事の絶対矛盾的自己同一性といった高い境地におられる知事のスタンスからすれば、世間、県民から隔絶しており、全く矛盾を感じないのでありましょうし、私も達増知事なら仕方がないと思うところでございます。
 そこでお尋ねいたします。知事は、県の公式ホームページにリンクされているツイッターにおいてそうした政治的発言をすることについてどのように考えておられるのでしょうか、お尋ねいたします。
 次に、人口減社会の進行への対応についてお尋ねいたします。
 本県の平成11年10月の人口総数は約141万6、000人でありました。それから10年後の平成21年10月、134万1、000人と、人口でこの10年間の間に約7万5、000人、率で約5.3%減少しております。県の最新の基本推計で見ると、この時点から9年後の平成30年には121万8、000人で約9%、さらに17年後の平成47年には97万2、000人で約20%の減少となると予測されております。
 こうした人口減社会の進行は何も本県だけの問題ではありませんが、全国平均を上回るペースでの高齢化の進行と考え合わせるとき、県勢にとって、産業面のほか、さまざまな分野で重大な影響が生じてくると思われます。本県にとってどのような影響と課題があるのか、知事の御認識をお伺いいたします。
 生産年齢人口とは、そもそも人口の年齢構造は、経済活動の見地から年少人口、生産年齢人口、老年人口の三つに分けられ、そのうち労働市場にあらわれる可能性を含む人口で、通常15歳以上65歳未満の人口を言います。この生産年齢人口は、生産活動そのものはもとより、消費活動の中心をなす世代と考えられております。本県の平成11年10月の生産年齢人口─15歳以上65歳未満─約90万5、000人に対し、10年後の平成21年は80万2、000人と、人口で約10万3、000人、率で約11%の減少となっております。この生産年齢人口は本県のあらゆる分野の産業を担う人間の基礎となるものであり、その減少がそのまま県内総生産の減につながっていく、県民所得の減につながっていく、そういったことを危惧するものでございます。私は、これによる課題をしっかり把握し、今のうちから具体的な対策を打ち出していかなければ本県産業の未来は見えてこないものと思っております。
 そこでお尋ねいたします。
 まず、第1次産業である農林水産業についてでありますが、かねてより他産業に比して特に従業者の著しい高齢化が問題とされており、これまでのさまざまな対策にもかかわらず、なかなか成果が上がってこないと聞いております。現在どのような課題があり、今後どのような対策が有効であると考えておられるのか御答弁願います。
 次に、製造業、建設業等の第2次産業についてであります。
 まさに本県産業の中核をなしていると言えます。このうち、特にも本県への誘致企業がその牽引役となっております。近年の製造品出荷額の動向を見るとき、多少の増減はあるものの堅調に推移してきているようであり、生産年齢人口の減少の影響が懸念されるところでございます。今後10年、20年先においても持続的に本県経済をリードする役割を担っていくためには、どのような課題があり、どのような政策を考えておられるのかお尋ねしたいと思います。
 次に、円高による県内経済への影響についてお尋ねいたします。
 現在、ギリシャの財政危機に端を発するユーロ危機─通貨の信用不安による為替レートの大幅な下落や景気回復が思わしくないドル安などにより、長らく円高傾向が続いております。我が国の経済は、自動車、電機、鉄鋼など輸出型産業の企業収益の悪化など、さまざまな悪影響が出始めているところでございます。これがさらに長引けば、生産基盤の海外移転による国内産業の空洞化が一層進み、ただでさえ厳しい国内雇用のさらなる減少や賃金の低下につながってくることが心配されております。
 こうした中、本県にも自動車や電子部品など多くの企業が立地しており、本県経済の中核を担っているものでありますが、この円高は県内経済にどのような影響を及ぼしているのか、また、県はこれに対してどのような対策を行っているのか御答弁願います。
 次に、本県インフラ全体のアセットマネジメントについてお伺いいたします。
 アセットマネジメントとは、一般的に資産を効率よく管理運用するという意味とされております。このことについて、本年8月、岩手県立大学等が主催した2010年第1回公共政策フォーラムいわてアセットマネジメント元年を聴講し、本県インフラを資産としてどのようにマネジメントしていくかが今後の県政の重要な課題の一つであると考えることから質問するものでございます。
 まず、全国的な動向についてでありますが、国や自治体が設置、管理する主なインフラとして、公共事業、いわゆる箱物である学校、病院、公営住宅、庁舎、社会教育施設等があるほか、道路、橋梁、上水道、下水道等がございます。これらについては、一たん設置すればその瞬間から必ず老朽化が始まり、維持管理費が生じ、耐用年数が過ぎて使えなくなれば通常は更新投資が必要となり、膨大なコストが一度に生じてまいります。
 2010年4月に内閣府PFI推進委員会において東洋大学の根本祐二教授が提出した資料によりますと、公共施設、道路、橋梁、上水道、下水道の現在のストックを50年間、道路のみ15年間とし、更新投資額を大まかに試算すると総額337兆円、1年当たり8.1兆円が必要となるとの指摘がございます。これに対して、現在の社会資本投資に占める更新投資を10%と仮定して控除した後、将来の人口減少に比例して公共投資の事業仕分けを実施する対策を織り込んでも、なお1年当たり2.1兆円が不足すると指摘されております。国も自治体も巨額な財政赤字を抱えている現下の状況を見るとき、非常に深刻な事態ではないかと考えるものでございます。
 この問題への対応については、いわて県民計画の長期ビジョン、岩手の未来をつくる七つの政策の一つである社会資本・公共交通・情報基盤、いわてを支える基盤の実現という項目の中に、社会資本の維持管理と担い手の育成、確保として短くまとめられております。私は、本県が設置管理しているインフラ全般について、県は長期的な視点に立って大胆かつ戦略的な対応が必要ではないかと思うところでございます。知事は現状をどのようにとらえ、どのように管理しようと考えておられるのか、基本的な現状認識と今後のマネジメントのあり方についてお尋ねいたします。
 県のインフラといえば、道路や橋梁、港湾、空港、県営住宅等、これまでの総投資額では県土整備部が最も多額であり、さまざまなマネジメントをされてきたと思います。県土整備部所管の主なインフラに係るアセットマネジメントについて県土整備部長の考えをお尋ねいたします。
 また、そうしたインフラの中で、道路と橋梁は、それらがなければ日常の県民生活やすべての産業活動が成り立たないという意味において絶対不可欠であり、維持管理の優先度は最も高いと考えます。
 そこでお尋ねいたします。県土整備部が所管する道路と橋梁の維持管理費の年額は平成21年度ベースでどうなっているのか、また、今後の維持管理計画はどのようになっているのか御答弁願います。
 次に、農林水産業における農道や林道、漁港等もそれぞれの産業の基盤であり、今後ともそれら産業の振興に必要不可欠であるというのは論をまちません。
 そこでお尋ねいたしますが、農林水産部が所管する農道、林道、漁港等の維持管理費の年額は平成21年度ベースでどうなっているのか、また、今後の維持管理計画はどのようになっているのか御答弁願います。
 次に、教育委員会が所管する県立学校、県営体育施設についてお尋ねいたします。
 県立学校の内訳は、中学校が1校、高等学校が64校、特別支援学校が13校あり、また、県営体育施設が県営運動公園ほか6施設ございます。これらは建築後相当年数を経過し、老朽化しているものも多いようでありますが、これらの維持修繕費を考えるとき、これからやっていけるのかどうか懸念されるところでございます。
 そこでお尋ねいたしますが、それらの維持修繕費はどうなっているのか、また、今後の維持修繕計画はどのようになっているのかお尋ねいたします。
 次に、市町村のインフラについてのアセットマネジメントについてお尋ねいたします。
 財政状況が厳しく、これから先、アセットマネジメントに苦労するのは市町村も同様であろうかと思われます。市町村のインフラは、当然みずからの責任において管理されるべきものでありますが、それはそれといたしまして、すぐれた自治体の取り組み等があるのであれば、県はそれらの情報を広く県内市町村に提供し、共有するなど支援を行うべきではないかと考えます。そのことにより県と市町村のよりよい連携も生まれ、県全体として、最小のコストで適切かつ望ましいアセットマネジメントが実現するものと考えます。
 そこでお尋ねいたしますが、県は市町村のアセットマネジメントに対してどのように認識しておられるのか、また、何らかの支援を行っていかれる考えはないのか御答弁願います。
 次に、県有資産の活用方策について質問いたします。
 県にはさまざまな県有資産があると思いますが、その中で、今回は特に職員公舎の有効活用の方策についてお尋ねいたします。
 私の地元の久慈には、県北広域振興局の職員のための職員公舎が143戸ございます。そのうち17戸があいていると聞きました。そこで県内の状況を確認しましたところ、平成22年4月現在、県内の各振興局などに勤務する職員の公舎については、全体で1、243戸のうち289戸、2割以上があいているという状況にあるということでございました。
 そこでまずお尋ねしますが、300戸近くもの公舎があいている状況をどのようにとらえておられるのかお尋ねいたします。
 私は、未利用資産の活用といった観点から、入居の見込みのない公舎については、長期間利用されていないなど一定の条件を前提として、市町村や民間に売却とか貸し出しなどといった活用方法もあるのではないかと考えております。
 そこでお尋ねいたします。入居の見込みのない職員公舎について、今後どのような活用策を講じていかれるのかお尋ねいたします。
 次に、県北・沿岸振興のかなめである農林水産業の振興についてお伺いいたします。
 県北、沿岸においては、第1次産業から第3次産業までバランスのとれた産業振興策が望まれるものですが、その中で、同地域の冷涼な気候や豊かな水産資源を抱える漁場を考えるとき、それら気候的、自然的特性を最大限に生かした農林水産業の振興をいかに戦略的に進めていくかが非常に重要であると考えることから質問いたすものであります。
 まず初めに、県北・沿岸振興と副知事2人制についてお伺いいたします。
 現在、県北・沿岸振興本部長は宮舘副知事が務められておりますが、今般就任されました上野副知事は産業振興担当であると聞いております。いずれの副知事も当地域の産業振興にかかわっておられるわけでありますが、宮舘副知事と上野副知事は具体的にはどういう役割分担をされておられるのか知事にお尋ねいたします。
 次に、県北・沿岸地域の主要産業である畜産業の振興についてお伺いいたします。
 本県の畜産業は、平成20年の産出額を見ると1、280億円と農業産出額全体の2、445億円の過半を占めるとともに、家畜の飼養頭羽数は、乳用牛で全国第3位、肉用牛で第5位、ブロイラーで第3位、豚においても全国第7位と全国トップクラスの地位にあります。また、乳製品や食肉加工、販売などを通じて、食品製造業、小売業はもとより、運輸業などの関連事業における雇用創出など、地域経済に大きな役割を果たしていると認識しており、今後においても本県農業の基幹部門として振興を図らなければならないと考えております。
 そうした中、県北・沿岸地域においては、畜産業は、平地が少なく丘陵地が多い同地域の立地条件を生かせる産業であり、私はもっと生産振興に力を入れていくべきものと考えております。特に、古くから県北・沿岸で飼われている日本短角種は、夏山冬里方式で飼育された赤身肉が特徴であり、消費者の健康志向や安心・安全志向ともマッチしていると思います。
 また、養豚については、先般、畜産議員クラブで研修させていただきました大規模経営が県内にも数多く生まれている現状でございます。養豚は限られた面積で一定の所得確保が可能であり、さらに大規模経営では地域からの雇用も期待できると思われます。しかし、昨今の景気不況により牛肉や豚肉の消費全体が落ち込む中にあって、経営的に厳しい状況にあるとも聞いております。
 そこでお伺いいたしますが、日本短角種と養豚の生産振興を進める上でどのような課題があり、どのような対策が必要であると考えておられるのかお示し願います。
 また、県内のブロイラー生産については、飼料価格高騰や輸入鶏肉の増大により価格の低迷が大きな課題となっているところであります。さらに、鶏舎の老朽化によって、ことしの猛暑の中、17万羽を超える大量死があったと関係者から聞いております。県においては、ぜひこうした食鳥産業、ブロイラー農家に対し前向きに取り組んでいただくよう要望しておきます。
 次に、久慈を含む沿岸地域の水産業の振興についてお尋ねいたします。
 本県の海面漁業養殖業生産量は全国第6位、その生産額は第10位となっております。私は、岩手県は全国に名立たる水産県であると認識しておりますが、知事は、このことをどのように認識しておられるのでしょうか。岩手県は水産県であるとの認識がおありでしょうか、お尋ねいたします。
 また、水産業の振興に当たっての課題と今後の取り組むべき方向性をお示し願うとともに、その達成に向けた強い意欲をお伺いいたします。
 ことしの夏は記録的な猛暑で海水温も高目に推移したとのことで、サンマ漁に影響が出ているところであります。この高水温が県内の漁業にどのような影響を与えているかお尋ねいたします。特にも、これから最盛期を迎えるサケ漁へは、昨日の田村議員の質問にもございましたが、どのような影響があるのかをお尋ねしたいと思います。
 また、県では、サケの回帰率の向上、北海道は3%から5%、岩手は2%から3%と回帰率の低迷が際立っております。これは近年ずっとそういった傾向になっております。この回帰率の向上のために、新たな飼育管理技術の開発や人材育成などさまざまな取り組みを行っておりますが、その中で、健苗、いわゆる健康なサケの稚魚を生産するふ化場の施設が大分老朽化しているとの話を聞いております。さまざまな原因がある中で、岩手の場合はこのふ化場の施設の老朽化が大きな理由の一つになっているのではないかと指摘されております。生産基盤を良好に保つためにも、この老朽化施設への何らかの手だてが必要かと思いますが、その対策についてお尋ねしたいと思います。
 次に、アワビについてお尋ねいたします。
 アワビは全国一の生産量、生産額を誇る水産資源であり、特にも養殖の適地が少ない県北地区にとっては漁家所得の安定に大きく寄与しているところであります。
 この貴重なアワビの密漁を防止するため、漁協では一丸となって密漁監視に当たっており、また、県においては、久慈市に臨時の取締事務所を設置してアワビ資源等を守っていただいていることにまず感謝を申し上げます。聞くところによると、アワビの密漁検挙件数は近年多くなっているとのことであり、暴力団等の組織的な密漁もあるところでございます。県に対しましても、今後とも広大な岩手海域の水産資源を守るためにも、アワビを初めとした密漁対策へのさらなる取り組みの強化をお願いするところでございます。
 さて、近年のアワビを取り巻く情勢は、平成20年度に単価が大きく下落し、まだ完全に回復していない厳しい状況にございます。私は、全国一のアワビ生産県を持続させる意味からも、生産量の増大による漁家所得の向上が大事であると考えておりますが、アワビの振興対策についてお尋ねいたしたいと思います。
 以上、御質問申し上げましたが、答弁によっては再質問させていただきます。御清聴を感謝申し上げます。大変どうもありがとうございます。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 嵯峨壱朗議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、さきの県議会臨時会における提案理由についてでありますが、臨時会の招集趣旨とあわせて、今般の選任についての考え方を簡潔に申し上げたものであります。
 また、国会の同意人事案件の対応についてでありますが、国会の同意を必要とする人事案件のうち、日本銀行総裁等、特に重要な幾つかの人事案件について、候補者の所信聴取が行われているものと承知しております。この取り扱いについては、当時の与野党の合意に基づき、国権の最高機関である国会の判断により行われているものと認識しております。
 次に、副知事選任議案の提案理由についてでありますが、さきの県議会臨時会の冒頭に申し上げましたとおり、本県が直面するさまざまな危機的状況を克服し、中長期的に足腰の強い岩手の経済と社会を構築していくために、トップセールスを初めとするトップマネジメント部分を一層強化する観点から、新たに副知事を選任し、体制強化を早期に行いたいということであります。
 次に、民主党代表選についてでありますが、共同通信社が行った民主党代表選に関する緊急都道府県知事アンケートの中で、民主党の政権公約は修正するべきか、修正するべきではないかという設問があり、私は、修正するべきではないと回答したところであります。その理由は、この夏の参議院議員選挙におきまして、菅民主党代表から、消費税の増額を初めとする昨年の衆議院議員選挙での民主党マニフェストを大幅に修正する方向が示されたところ、結果は民主党大敗となり、厳しい民意が示されました。昨年の衆議院議員選挙で民主党が大きく躍進し、政権交代が実現したのは、民主党の国民の生活が第一という政策に対する民意が示された結果であり、この政権公約は国民との約束と言え、格差社会化をストップし、地方が希望を持てるようにするためにも実現すべきと考えているところです。
 次に、民主党代表選にかかわるインターネットによる民意の把握についてでありますが、インターネット調査の中には、問いに答えた人の理由等のコメントを一つ一つ読むことができるものがあります。また、そうではない調査でも、関連するさまざまなコメント等を参照することで、報道機関の世論調査に比べ、調査結果の背景をより広く、あるいは深く知ることができます。したがいまして、ネット調査には特有のメリットがあると考えます。
 次に、外国人参政権にかかわる朝日新聞の記事についてでありますが、当時、いまだ閣議決定もなされず、内容も確定はしていなかった永住外国人への地方参政権付与法案に関して問われ、一般論としまして、国際的な慣習と整合する形で、外国人の皆さんも、住んでいる地域の自治に、より参画できるようになることは、自治の観点から好ましいと考えましたので、記事にあるような発言をしたものであります。なお、他の知事の皆さんもそれぞれの考えを述べたものと認識しております。
 次に、民主党代表選にかかわるツイッターでの発言についてでありますが、知事のツイッターは、県の口コミメディア展開の一つとして始められたものであり、知事が日々の仕事を通じて遭遇する驚きや感動を、多くの方々と共有したいということで、個人的な感想も交えながら、本県にまつわるさまざまな情報を本県の魅力として発信しているところであります。
 民主党代表選において、岩手県人である小沢一郎氏の演説や討論に対し、ツイッターの世界が政治関係としてはかつてないような盛り上がりを見せていました。その盛り上がり自体驚きであり、また、感動的な内容の発言も多数見られたため、私も幾つか関係の発言をしたところであります。政治に関することであっても、知事のツイッターとして妥当な内容だったと思います。
 なお、民主党代表選挙は公職選挙法に基づく選挙ではなかったため、私も比較的自由に発言をしましたが、公職選挙法に基づく選挙については、その運動について法律上の厳格な制限のもとで行われますことから、今までツイッターでは一切発言をしておりません。
 次に、人口減社会の進行による影響と課題についてでありますが、人口の減少により、労働力人口や消費人口の減少による地域産業の生産活動の低下や経済規模の縮小、若者、地域の担い手の減少による社会的活力の減退、人口の偏在や過疎化の進行によるコミュニティ機能の低下、高齢化に伴う社会保障の負担の増加、こうした影響が生じることが懸念されており、これらに適切に対応していくことが課題と考えています。こうしたことから、いわて県民計画におきまして、アクションプランの政策推進目標に人口の社会減に歯どめをかけることを掲げており、少子高齢化社会に対応した持続的な社会経済基盤を構築するとともに、岩手ならではの地域資源を積極的に守り育てていくため、各種の施策に取り組んでいるところであります。
 次に、本県のインフラ全般に関する現状認識と今後のマネジメントのあり方についてでありますが、本県においては、国や他の都道府県と同様、高度経済成長期以降に、道路を初めとする社会資本の整備が急速に進んだことなどから、対象施設の老朽化が一斉に進み、これに伴い、維持管理費も増加しているところであります。さらに、今後、老朽化が急速に進むことが見込まれており、学校、病院を含む社会資本全般の適切な維持管理の必要性は一層高まっていくものと考えます。このため、厳しい財政状況の中にありまして、中長期的視点のもとで計画的に維持管理を行い、施設の長寿命化と行政コストの低減を図るアセットマネジメントの考え方は、今後の県政運営において有効であると考えております。
 これまで、修繕費や更新経費が多額に上る道路などの公共土木施設を中心にアセットマネジメントの導入を図ってきたところでありますが、今後は、この考え方を他の分野にも広げ、計画的な維持管理を徹底することにより、県が保有するインフラ全体としての長寿命化とライフサイクルコストの縮減を推進していきたいと思います。
 次に、県北・沿岸地域の産業振興における両副知事の役割分担についてでありますが、県北・沿岸振興は県政の最重要課題であり、両副知事が常日ごろから意思疎通、連携を密にし、認識を共有しながら、それぞれの所管事項に関して適切な役割を発揮することによって、これまで以上に取り組みを強化することとしています。具体的には、宮舘副知事は、県北・沿岸振興本部長として県北・沿岸振興全体の総括、企画を担当し、上野副知事は、商工労働観光、農林水産の産業振興や、港湾、漁港、道路などの県土整備事業の推進を担当するものであります。
 次に、水産業の振興についてでありますが、世界有数の優良漁場に恵まれた本県におきまして、水産業は沿岸地域における重要な産業であり、これまで、つくり育てる漁業の推進や担い手の育成、水産物の加工、流通の振興に取り組んでまいりました。その結果、日本一の生産量を誇るアワビやワカメは岩手ブランドとして全国に浸透するとともに、サケやウニも本州一の生産実績を持つに至り、まさに本県は水産県であると認識しております。
 一方、就業者の減少や高齢化の進行、高次加工品の割合が低いなど、さまざまな課題を抱えていますことから、地域営漁計画の策定や実行を支援するとともに、サケの回帰率やアワビ回収率の向上に取り組むほか、6次産業化や水産加工振興による高付加価値化を促進し、水産業の振興を図ってまいりたいと思います。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔農林水産部長小田島智弥君登壇〕
〇農林水産部長(小田島智弥君) まず、生産年齢人口の減少による第1次産業の課題と対策についてでありますが、本県農林水産業は、生産構造の脆弱化が進行しており、他産業並みの所得を確保できる経営体の育成はもとより、多様な担い手の確保、育成が課題であると考えております。このため、農業においては、認定農業者等の経営の高度化や、経営規模拡大による生産の効率化の促進、林業においては、地域けん引型林業経営体の技術力や経営能力の向上、水産業においては、養殖漁業経営体の規模拡大や作業の省力化、協業化への支援などの取り組みを進めているところであります。
 また、新規就農者等が増加傾向にありますことから、こうした多様な担い手を確保、育成していくため、技術指導等による定着化への支援や、企業参入を促進するためのワンストップサービス体制の構築など、きめ細やかな対策を実施してまいります。
 次に、農林水産部が所管する施設の維持管理についてでありますが、平成21年度に、農地防災ダムや県有林内の林道及び県管理漁港などの維持管理に要した経費は約3億7、000万円となっております。これらの施設については、老朽化の進行度合いや機能低下の状況などに応じて、順次補修や更新を行いながら、計画的な維持管理に取り組んでいるところであります。現在、県管理漁港については、施設の長寿命化に向けた機能保全計画を策定中であり、その他の施設についても、今後、施設ごとに、立地特性や重要度などを踏まえ、維持管理計画の策定を検討してまいります。
 次に、畜産業の振興についてであります。
 まず、日本短角種についてでありますが、一層の生産コストの低減と販路拡大が課題であると考えており、このため、県としては、自給粗飼料の生産拡大を進め、粗飼料多給肥育によるコスト低減を図るとともに、高知県と連携した赤肉サミットの開催などを通じて、こだわりの牛肉としての短角牛のよさを広くPRしながら、新規需要の開拓や県内での消費拡大に取り組んでまいります。
 また、養豚については、生産性の向上と高付加価値化が課題であると考えており、このため、衛生的で飼養環境にすぐれた最新の豚舎整備によって生産性の向上を図るとともに、バイヤーとのマッチングや6次産業化への支援に取り組んでまいります。
 次に、高水温の県内漁業への影響についてでありますが、サンマ漁業においては、サンマの南下がおくれ、9月末の水揚げ数量は昨年同期の約4割、金額は8割にとどまっております。また、養殖におきましては、ホタテガイのへい死やワカメ種苗の芽落ちなどが懸念されることから、現地において適切な作業を指導しているところであります。特にサケ漁業の影響につきましては、9月29日現在、県内魚市場への秋サケの水揚げ数量は160トン、金額は5、800万円と、いずれも前年同期の約5割にとどまっているところであります。本県沖の表面水温が平年より高いことから回帰がおくれている状況にありますが、本県秋サケ漁の盛漁期は11月でありますことから、今後の動向に注視してまいりたいと考えております。
 次に、ふ化場の老朽化した施設への対策についてでありますが、県内のふ化場は、サケふ化放流事業の基盤となる重要な施設でありますが、昭和50年代に整備した施設が多く、老朽化している状況にありますことから、これまで国の交付金を活用し、ふ化場施設の改修や整備を行うとともに、ポンプ等の機器類の整備について、県の支援により順次対応してきたところであります。今年度は、国の交付金を活用し、海中飼育施設の設置や稚魚ふ化槽の改修を県内3カ所で実施しているところでありますが、今後とも、サケふ化放流事業が円滑に実施できるよう、ふ化場施設の整備について支援してまいります。
 次に、アワビの振興対策についてでありますが、本県のアワビは、これまで県、市町村と漁業団体が一体となって、つくり育てる漁業を推進してきた結果、全国一の生産量を維持しているものと考えております。具体的には、毎年約800万個のアワビ種苗の放流や餌料海藻の造成、さらには、県の漁業取締船と漁協の監視船との連携による密漁監視などの取り組みにより、本県のアワビ資源が維持されているものであります。県といたしましては、引き続き、市町村、漁業団体と連携しながら、回収率の高い優良漁場にアワビ種苗を集中的に放流することにより、アワビの回収率を高め、アワビ生産量の拡大を図ってまいります。
   〔商工労働観光部長齋藤淳夫君登壇〕
〇商工労働観光部長(齋藤淳夫君) まず、人口減社会における第2次産業の課題と対策についてでありますが、生産年齢人口が減少することによって、労働力となる人材の確保が困難となり、企業の生産活動の低下という問題が生じる懸念があります。そうした問題に対応するためには、雇用力のある、持続的かつ安定的に活動できる企業が集積していることが必要と考えており、そのため、企業の開発部門の誘致、地場企業の技術力向上、高度技術人材の育成などに取り組み、県内で開発から製造まで一貫して行うことができる分厚い産業集積を促進し、足腰の強い産業構造の実現を目指しているところです。また、造船、食品製造、コネクターなど、各地域の特性に応じた産業を重点業種として、それぞれ一層の集積を図ることにより、地域バランスのとれた産業配置も促進していくことが必要と考えております。さらに、地場企業については、生産効率化のための技術開発や機械化などの省力化はもとより、工程改善、いわゆるカイゼンの普及を図り、生産性を高める取り組みを行っていく必要があると考えております。このような企業活動の活発化は雇用の場の創出につながり、ひいては人口の社会増を促すものとなり、生産年齢人口の減少に対応する有効な対策となるものと考えているところです。
 次に、円高による県内経済への影響等についてでありますが、県では、9月下旬に、自動車や電子部品の関連企業が集積しております県南地域の金融機関などを訪問し、円高の影響について情報収集を行いました。現時点では円高による直接的な影響は見られないが、企業によっては、今後、円高が長期に及ぶ場合には、受注の減少などの影響が出てくるとの声が聞かれたところであります。県といたしましては、当面、為替相場の推移や県内企業への影響などを注視しながら、機動的に金融機関を訪問するなどして情報収集に努めたいと考えております。
 なお、来る10月18日には、東北経済産業局とともに盛岡市でワンストップ・サービス・デイを実施し、企業のさまざまな相談に総合的に対応することとしております。その後におきましても相談窓口を設置するなどし、今後とも適切に対応してまいりたいと考えております。
   〔県土整備部長平井節生君登壇〕
〇県土整備部長(平井節生君) 県土整備部所管の主なインフラのアセットマネジメントについてでございますが、当部が所管している道路や県営住宅等の維持管理に当たりましては、損傷が深刻化してから大規模な修繕を行う事後保全型から、損傷が深刻化する前に修繕を行う予防保全型の維持管理に移行し、施設の長寿命化を図ることなどにより、ライフサイクルコストの縮減を図りたいと考えております。このため、当部が所管する社会資本の各分野において、施設の長寿命化対策などを定めた維持管理計画の策定を進め、計画に基づく適切な維持管理を推進したいと考えております。
 道路などの維持管理費についてでございますが、平成21年度2月補正予算において、道路舗装の補修や橋梁の修繕などに要した維持管理費は104億円余りとなっております。
 今後の維持管理計画についてでございますが、道路の維持管理に当たりましては、施設の特性や重要度、社会的影響などを考慮し、長寿命化させるもの、更新するものなどに分類し、施設ごとに維持管理計画を策定することとしております。特に、橋長15メートル以上の橋梁につきましては、昨年度、岩手県橋梁長寿命化修繕計画を策定し、橋梁の健全度を回復させながら長寿命化を図っていくことにより、更新を減らす管理を目指しております。また、橋長15メートル未満の橋梁も同様に、平成22、23年度の2カ年で長寿命化修繕計画を策定するとともに、道路舗装、シェルター等の道路施設につきましても、点検を通じた損傷度の把握などを行い、長寿命化を含めた維持管理計画の策定に取り組んでいるところでございます。
   〔政策地域部長加藤主税君登壇〕
〇政策地域部長(加藤主税君) 市町村のアセットマネジメントへの県の支援についてでございますが、本県市町村の公共施設等につきましては、高度経済成長期以降急速に整備が進められてきたことから、施設の老朽化が進み、近年、維持補修費が増嵩する傾向にございます。このため、施設の長寿命化と行政コストの最適化を図るアセットマネジメントに取り組んでいくことは、市町村にとっても有効であると認識しております。
 県としては、バランスシートの作成などを通じました適切な資産価値の把握に関する助言や、アセットマネジメントに関する自治体のすぐれた取り組みの情報提供などを通じまして、市町村がアセットマネジメントの重要性を認識し、その対策に適切に取り組めるよう支援してまいりたいと考えております。
   〔総務部長菅野洋樹君登壇〕
〇総務部長(菅野洋樹君) 県職員公舎の有効活用についてであります。御指摘のありました空き室の中には、今後、市町村や民間に売却等を行うことを前提といたしまして入居等をさせていない152戸が含まれておりますので、これを控除した場合の空き室は137戸となり、実質的な入居率は87.4%となる状況にございます。
 空き室につきましては、年度途中の異動などに備えまして一定数は必要ではございますが、県有財産の有効活用の観点からも、できるだけ解消しなければならないと考えております。このため、空き室が生じている公舎につきましては、県警察職員や教職員などの入居を認めるなど、できるだけその解消に努めているところであります。
 このような方策によっても、なお入居の見込みがない公舎につきましては、その状況に応じまして、市町村への譲渡、一般競争入札による売却等の処分を進めていく方針でございまして、こうした処分を積極的に進め、県有財産の有効活用を図ってまいりたいと考えております。
   〔教育長法貴敬君登壇〕
〇教育長(法貴敬君) 教育委員会所管のインフラに係るアセットマネジメントについてでありますが、維持修繕費については各年度によって変動がありますが、平成22年度当初予算において、県立学校分は約5億400万円、県営体育施設分は約3、100万円を計上しているところであります。
 これらの施設の維持管理については、議員御案内のような維持管理計画を立てておりませんが、定期点検のほか施設を管理している学校などからヒアリングを実施し、老朽、危険箇所の早期発見に努め、緊急度や重要度に応じて順次修繕等を実施しているほか、耐震補強工事にあわせて大規模改修も実施しているところであります。
 なお、これまでは、建築後40年を経過し、老朽化が進んでいる建物を改築の対象としてきたところでありますが、今後においては、建物の耐用年数─これはおおむね50年ですけれども─まで最大限の活用が図られるよう、計画的な維持管理に努めてまいります。
〇24番(嵯峨壱朗君) 御答弁ありがとうございます。
 何点か再質問させていただきます。
 まず、副知事の選任についてでありますけれども、9月2日の岩手日報ですか、ここに、知事は、県議会の過半数の議席を確保できる見通しがついたことから、副知事の選任案を提案したのではないかとの記事が載っておりましたけれども、それは事実かどうか、本当にそう考えたのかどうかということをお尋ねしたいと思います。新聞の報道と自分は違うと言えば、それでいいだけの話です。
 それと、先ほどの質問にかかわってですけれども、この副知事の選任が、なぜこの時期なのかということを改めて問わせていただきたいと思います。任期半ばですよね。ですから、仮にですけれども、達増知事がおやめになれば半年で、その3年半の任期を上野副知事は務めていくということになるわけですけれども、そういった意味で、この時期、なぜなのかというのがやはり疑問ですので、改めて説明していただきたいと思います。
 それと、にもかかわらずこの時期に選任したということは、恐らく継続するという考えがあると思いながら私は伺っておりましたけれども、そう理解しております。それでいいでしょうかということです。
 それと、知事は地域主権という─民主党も言っておりますけれども、地域主権という言葉自体が原則的に存在するかどうかという問題もあるかと私は思っておりますけれども、一応そういった言い方をしております。その中で、中央、財務省から来ていただいたと。これは、地域主権という観点からすると、整合性というのはどのようにとられているのかお聞かせ願いたいと思います。
 それと、先ほど人口減少社会の進行ということで質問しましたけれども、恐らくこれは、当然、いわて県民計画においてはそういった前提で立てられていると思いますけれども、検討中の次期アクションプラン、さらに加速度的に進行している人口減少だと思うんですけれども、その点、特に重点的に取り組むべきと考えておりますけれども、知事はどう考えているかお尋ねしたいと思います。
 また、アセットマネジメントですけれども、これは、今、知事の考え方、他のさまざまな分野、部局の考え方をお伺いしましたけれども、恐らくそれぞれ中長期─短期と言うのかな、計画を立てているようでありますけれども、こういった工程をしっかりとチェックする全庁的な部局というか、そういったものがそろそろ必要ではないかと私は思っているんです。そうしないと、先ほど私が質問したように、膨大なコストがかかっていきます。そして、公共投資等の恐らく半分以上、8割とかが、維持修繕とかそういったものに向かっていくのではないかと思われるんです。そういった意味でいうと、施設の有効利用というのも含めて、全庁的にそれぞれの部局が工程をしっかり計画を立てているかということも含めて管理していく必要があるのではないか、そういった部門をつくるべきじゃないかと私は思っておりますけれども、こういった考え方についてお尋ねしたいと思います。
 それと、先ほどのインターネットの話でしたけれども、結果として、インターネットと世論調査のそれぞれが出た中で見ると、世論調査と同様の結果が出たんですよね、代表選というのは。それからするとどうなのかなと、その点についてもぜひ知事からお伺いしたいと思っておりました。
 それと、記者会見等では、そういったインターネットを通じての、みずからの考えでみずから判断するといった流れも含めてオザワ現象という言い方をしております。このオザワ現象というのは記者会見を見てもどうも私は理解できないので、この際ですから、ぜひこのことについても説明していただければと思います。
〇知事(達増拓也君) まず、副知事選任の時期についてでありますけれども、これは人事上のさまざまな調整の結果としてこの時期の提案となったものでありまして、私の任期とはかかわりなく、できるだけ早期にトップマネジメント体制を整備したいとの考えに基づいて選任をいたしました。
 地域主権との関係については、地方自治法にのっとって、地方自治体として主体的に決定されたと思っております。
 次に、人口の問題についてでありますけれども、次期アクションプランは、今のアクションプランの成果と課題に加えて、人口減少や少子高齢化の進行を初めとした本県を取り巻くさらなる社会経済情勢の変化を踏まえて策定される必要があると考えておりますが、来年の統一地方選における県民的な議論を反映して平成23年度からの4年間の政策を具現化するものでありますので、幅広い県民の声を踏まえ、取り組みの方向性が検討されていくものであると考えております。
 アセットマネジメントを全庁的に管理するセクションの設置についてでありますけれども、現在は関係部局がそれぞれ責任を持って取り組んでいるところでありますが、これを一歩進めて、アセットマネジメントの技術的なノウハウの全庁的な共有、活用を積極的に進めていく必要は認められると思います。これらを進める上で、全庁的に管理するセクションの位置づけはどうあるべきか、議員御提言の趣旨も含めて研究してまいりたいと思います。
 それから、インターネットにおける世論調査というのは、先ほども申し上げましたとおり、世論調査にはないさまざまな長所もありますので、さまざまな分野で活用されていけばいいと考えております。
 それから、オザワ現象といいますのは、ツイッターの世界も含め、街頭演説でありますとかテレビを通じて見られたさまざまな演説、討論などで小沢一郎氏に対する支持が急速に広まり、また深まりを見せ、それがネットを通じてさらに高度化していくといったような事柄について、著名な脳科学者であります茂木健一郎さんもツイッターでこれは憲政史上画期的なことだという趣旨のコメントをしておりまして、私も、そうしたかつてなかったような現象だということでオザワ現象と呼んでいるものであります。
〇24番(嵯峨壱朗君) 今、結果として世論調査とネットの調査との違いが出て、知事はネット調査、今言ったような側面は確かにあるのかと思います。実際に私の感覚からすると、インターネットを利用している方がどれだけいるのかなという気がしているんですよね、全体として見て。岩手県でもこういった調査をした経緯がございますけれども、なかなかわからないですけれども、私の身近なところで見ても、私自身もそうですけれども、よっぽど必要じゃない限り、身近じゃないからかもしれませんけれども使わない。ですから、それほど一般化されていないということがあるのかなと私は思っているので、そこに余りにも重きを置くとちょっと事実と離れてしまうような感じがして、それを危惧するところであります。
 ただ、いずれネットにそういった側面があることは認めております。いずれその点も十分に注意して見ていかなければならないと思っております。
 それと、水産業についても知事から水産県であるという認識をちょうだいしましたけれども、本当に沿岸部というのは漁農兼業も多々ありますけれども、どうしても現金主義という側面からすると漁業というのは欠かせない。ぜひこういったことも強く認識していただいて、さらに投資というか、いろいろな形で改修等も含めてしていただきたい。
 その中で、先ほど部長からアセットマネジメントとのかかわりで平成21年度の修繕費、改修費が3億7、000万円という話が出ましたが、これは果たして要求というか、実際に必要なものに対してどの程度手当てされているのか非常に疑問を持つところであります。そういったことについて部長としてどういった認識をお持ちなのかお尋ねしたいと思います。
 アセットマネジメントについては知事から積極的なお話をいただきましたけれども、これは実際に恐らくもっと深刻な数字を当局では押さえているかと思うんですけれども、新規の事業はほとんどできなくなるんじゃないかと。ほとんど恐らく修繕で、新しい道路とかというのは難しいのではないか、そこまでの深刻な事態になっていると思うんですけれども、そういった認識はやはりあると思っていいでしょうか。さらに深刻な状態があると私は思っているんですけれども、先ほどの答弁、一般的にさらっと出ていますけれども、これからの財政状況等を見るともっと深刻な認識が必要ではないかと思うんです。県土整備部長でもいいですし、どなたでもいいですけれども、本当のところをお聞かせ願いたいと思います。
 それと、先ほど総務部長、私、職員公舎について今回お聞きしましたけれども、実は部長の管轄ではないのかもしれませんけれども、教職員の公舎もあるし警察の公舎もある。さらにもっと違ったものもあるでしょう。それからするともっと、半分は売却等、処分が決まっていると言いますけれども、実態はもう少し深刻じゃないかと私は思っているんです。ちょっと所感をお聞かせ願えればと思います。
〇農林水産部長(小田島智弥君) 農林水産部が所管します施設の維持管理についてでありますが、3億7、000万円、平成21年度で措置しているところであります。これは老朽化が進んでいるもの、あるいは機能低下が進んでいるものについて手当てをしているものでありますが、壊れてから手をかけるというよりは、早目早目に計画的に予防的な措置を行うことによって結果として維持管理経費が安く上がるということがありますので、計画的にそういった措置をするということを、今、漁港についてはきちっとした計画を策定中でございますが、そのほかの施設につきましても、厳しい予算の中で何とか予防的に手をかける、そういう計画の検討も行ってまいりたいと考えております。
〇総務部長(菅野洋樹君) まず、いわゆる維持管理費の関係でございますが、ただいま関係部長が前提として厳しい財政状況というお話を申し上げましたとおり、本県の財政状況を考えますと、一方で、今後増大していく維持管理費をどうコントロールして良好な公共財産を守っていくかというのは非常に大きな課題でございますので、予算を所管する総務部といたしましても、各部局と連携をしながらしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。御指摘のとおり、非常に重要な課題であり、深刻な問題であろうと考えております。
 それから、公舎の関係でございますが、御指摘のとおり、私ども知事部局だけで所管している公舎だけではなく、教員住宅等、他の任命権者の所管している公舎もございます。どうしても、特に教育財産につきましては学校のそばに設置してあったということもございまして、必ずしも都会部、いわゆる人口集積地だけに立地しているわけではない、そういったことで、なかなか処分の困難な財産等もございます。
 また一方で、例えば道路の廃道敷地ですとか河川の廃川敷地ですとか、やはり場所によってはなかなか処分が非常に難しい財産もございます。したがいまして、こういった財産につきましては、関係部と一緒になりながら、どう活用し、県民にとって最も有効な活用の仕方があるのか、私どもとしても主体的に連携しながら検討してまいりたいと考えております。
〇議長(佐々木一榮君) 次に、佐々木博君。
   〔31番佐々木博君登壇〕(拍手)

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