平成22年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成22年3月18日(木)
1開会  午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    浅 田 和 夫
  議事管理担当課長 菊 池 達 也
  主任主査    石木田 浩 美
  主任主査    岩 渕 伸 也
  主任主査    鈴 木 文 彦
  主任主査    藤 原 由喜江
  主査    菅 原 俊 樹
  主査    大 森 健 一
1説明員
  県土整備部長   佐 藤 文 夫
  県土整備部副部長
  兼県土整備
  企画室長    中 田 光 雄
  道路都市担当技監 平 井 節 生
  河川港湾担当技監 沢 口   央
  県土整備企画室
  企画課長    木 村   稔
  県土整備企画室
  管理課長    西 村   豊
  建設技術振興課
  総括課長    渡 邊 健 治
  技術企画指導課長 菊 地 一 彦
  道路建設課
  総括課長    深 澤 忠 雄
  農林道課長    伊 藤 千 一
  道路環境課
  総括課長    水 野 尚 光
  河川課総括課長  佐 藤   悟
  河川開発課長   今 野 政 和
  砂防災害課
  総括課長    藤 原 健 二
  都市計画課
  総括課長    佐 藤 明 夫
  まちづくり課長  西 尾 高 登
  下水環境課
  総括課長    岡 田 由紀夫
  建築住宅課
  総括課長    大 水 敏 弘
  建築指導課長   澤 村 正 廣
  営繕課長    遠 藤 龍 一
  港湾課総括課長  野 中   聡
  空港課総括課長  波々伯部  信 彦

  予算調製課
  総括課長    八 矢   拓
〇中平均委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第24号から議案第28号まで、議案第30号から議案第34号まで、議案第68号及び議案第69号の以上32件を一括議題といたします。
 本日は、県土整備部関係の質疑を行い、その後、議案32件について意見の取りまとめを行いたいと考えておりますので、御了承を願います。
 最初に、県土整備部長から県土整備部関係の説明を求めます。
〇佐藤県土整備部長 県土整備部所管の予算審議に当たりまして、県土整備部の平成22年度当初予算の基本的な考え方につきまして御説明申し上げます。
 当部では、今般策定されましたいわて県民計画を着実に推進するとともに、地域経済を下支えするため、平成22年度当初予算につきましては、国の公共事業関係費が大幅に減少する中で、県が実施する公共事業を積極的に展開することによりまして、全体として、前年度当初予算とおおむね同水準を確保したところであります。
 予算編成に当たりましては、当部が三つの緊急課題として掲げております地域経済の活性化、地域医療への支援、平成23年度の平泉世界遺産登録を契機とする観光振興、また、県北・沿岸振興に意を注ぎながら、いわて県民計画で掲げております産業を支える社会資本の整備や安全で安心な暮らしを支える社会資本の整備など、社会資本分野の四つの政策を着実に推進するための事業を盛り込んだところであります。
 また、事業箇所につきましては、投資効果を早期に発現する観点から継続箇所を優先にしつつ、新規箇所につきましても、前年度並みの箇所数を確保したところであります。
 具体的には、いわて県民計画で掲げております社会資本分野の四つの政策について、次のとおり進めてまいります。
 第1は、産業を支える社会資本の整備であります。
 地域産業を支援するため、幹線道路ネットワークなどの道路整備や港湾の機能向上を進めるとともに、平成23年の平泉文化遺産の世界遺産登録に向け、観光客の誘致促進を図るため、いわて花巻空港の機能強化を推進してまいります。
 第2は、安全で安心な暮らしを支える社会資本の整備であります。
 地震、津波災害から県民の生命を守るため、木造住宅の耐震化を促進するとともに、防潮堤等の津波対策施設の整備や、緊急輸送道路における橋梁の耐震補強等を引き続き全力で進めてまいります。
 また、局地的な豪雨等による洪水や土砂災害への備えを着実に進めるとともに、通学路における歩道整備や、地域医療を支える救急搬送ルートの道路改善にも取り組んでまいります。
 第3は、豊かで快適な環境を創造する基盤づくりであります。
 美しく魅力ある県土を実現するため新たに景観計画を策定するとともに、まちづくりと連動した道路整備などにより、魅力あるまちばの再生に取り組むほか、汚水処理施設や都市基盤の整備、県産材を使用した岩手型住宅の建設支援など、快適な居住環境づくりも進めてまいります。
 第4は、社会資本の維持管理と担い手の育成、確保であります。
 これまでに整備を行ってきた社会資本の高齢化に対応するため、維持管理予算を拡充するとともに、予防保全型の維持管理を推進してまいります。
 また、社会資本の良好な整備や維持管理を担う地域の建設企業につきましては、技術と経営にすぐれた企業が成長できる環境整備を進め、新分野への進出や、新技術、新工法の開発などの取り組みを支援してまいります。
 それでは、県土整備部関係の議案について御説明申し上げます。
 なお、県土整備部において一元的に所管しておりました農林道並びに農地海岸及び漁港海岸にかかわる事業につきましては、より効率的な業務執行の観点から、平成22年度に農林水産部へ移管となりますが、この予算につきましてもあわせて御説明申し上げますので、御了承願います。
 まず、議案第1号平成22年度岩手県一般会計予算についてでありますが、お手元の議案その1の7ページをお開き願います。県土整備部関係の予算は、6款農林水産業費633億4、606万7、000円のうち、農林水産部への移管分を含め68億345万1、000円と、次のページの8款土木費707億7、631万9、000円と、9ページの11款災害復旧費67億9、030万3、000円のうち、農林水産部及び教育委員会の所管を除きまして45億6、556万8、000円を合わせまして、県土整備部関係の予算額は821億4、533万8、000円であります。この予算規模は、前年度当初予算に比較しまして6億125万9、000円、0.7%の減となっております。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事項を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 予算に関する説明書の155ページをお開き願います。まず、6款農林水産業費3項農地費2目土地改良費のうち、説明欄の上から8行目の農道整備事業費は、一関市西磐井地区など11カ所の整備に要する経費、次のページの下段にあります農道橋点検事業費は、農道橋の点検を行う経費であります。下段にあります県土整備部関係は、農村の生活環境の改善を図るため実施する農業集落排水事業等に要する経費であります。次のページの3目防災事業費のうち、説明欄上から3行目の海岸高潮対策事業費は、高潮や津波による災害を防止するため、防潮堤等の整備に要する経費であります。
 次に、162ページをお開き願います。4項林業費6目林道費は、山村地域の生活環境の改善と林業生産基盤の整備を図るための林道整備等に要する経費であります。次に、172ページをお開き願います。水産業費11目漁港漁場整備費のうち、説明欄上から7行目の海岸高潮対策事業費と、次の津波危機管理対策緊急事業費は、高潮及び津波による災害を防止するため、防潮堤等の整備や海岸保全施設の改修等に要する経費であります。
 次に、179ページをお開き願います。8款土木費1項土木管理費1目土木総務費は、職員の人件費など管理運営に要する経費のほか、流域下水道事業特別会計等に対する繰出金等であります。180ページをお開き願います。2目建設業指導監督費は、建設業者等の指導監督に要する経費等のほか、建設業の新分野進出、新技術、新工法開発など、経営、技術力強化のための取り組みに対し総合的に支援を行う建設業総合対策事業や、経営革新の取り組みに対して貸し付けを行ういわて建設業経営革新特別資金貸付金であります。3目建築指導費は、地震に強い住宅の普及のため、木造住宅1、000戸の耐震診断にかかわる経費及び105戸の耐震改修に要する経費の助成等を行う木造住宅総合耐震支援事業や、建築確認事務等に要する経費等であります。次のページの4目空港費は、いわて花巻空港の平行誘導路の整備に要する経費のほか、空港ターミナルビル機能向上事業費は、空港ターミナルビルの国際線チェックインカウンターや手荷物荷さばき所等の拡充に要する経費であります。
 183ページをお開き願います。2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、職員の人件費などの管理運営に要する経費等であります。2目道路維持費は、歩行者等の安全を確保するため、歩道等の交通安全施設の整備や道路施設の維持管理等に要する経費等であります。184ページをお開き願います。3目道路新設改良費は、道路の改築並びに道路防災等の工事を実施しようとするものであります。主なものといたしましては、県内の主要道路の大規模な改良、舗装工事等を実施し、交通の円滑化を図るための道路改築事業、道路への落石、崩壊対策のための道路災害防除事業、県道等を効果的に整備する緊急地方道路整備事業等であり、直轄道路事業費負担金は、国が実施する釜石・秋田横断自動車道や三陸縦貫自動車道等の道路整備事業にかかわる県負担金であります。次のページの4目橋りょう維持費は、橋梁維持修繕に要する経費であります。186ページをお開き願います。5目橋りょう新設改良費は、橋梁の耐震補強を緊急に実施する経費等であります。
 次のページの3項河川海岸費1目河川総務費は、河川管理等に要する経費であり、直轄ダム管理費負担金は、国が管理する四十四田ダムほか4ダムの管理等に要する経費の県負担金であります。2目河川改良費は、災害を防止するため、河川の築堤や護岸等の工事や三陸沿岸河川の水門、防潮堤など、津波、高潮災害の防止に要する経費等であり、直轄河川事業費負担金は、国が実施する一関遊水地など、北上川の河川改修や維持修繕に要する経費の県負担金であります。次のページをお開き願います。3目砂防費は、土砂流出等の災害を防止する砂防事業や急傾斜地の崩壊による災害を防止するための急傾斜地崩壊対策事業を実施しようとするものであり、直轄砂防事業費負担金は、国が実施する磐井川流域の直轄特定緊急砂防事業等にかかわる県負担金であります。次のページの4目海岸保全費は、高潮及び津波による災害を防止するため、防潮堤等の整備や海岸保全施設の改修等に要する経費等であります。次のページをお開き願います。5目水防費は、大雨や洪水の河川情報を迅速かつ正確に収集、伝達するための経費等であります。6目河川総合開発費は、簗川ダム、津付ダム並びに遠野第二ダムの建設等に要する経費であり、直轄ダム建設事業費負担金は、国が実施する胆沢ダム建設事業にかかわる県負担金であります。
 192ページをお開き願います。4項港湾費1目港湾管理費は、久慈港ほか5港の港湾施設の維持管理に要する経費等であります。2目港湾建設費は、大船渡港ほか3港の港湾改修工事等に要する経費であり、直轄港湾事業費負担金は、国が実施する久慈港の湾口防波堤や宮古港の竜神崎防波堤の港湾施設整備事業にかかわる県負担金であります。
 194ページをお開き願います。5項都市計画費1目都市計画総務費は、御所湖及び花巻広域公園等につきまして、指定管理者に管理を行わせるために要する経費のほか、美しいまちづくりを推進するための景観施策に要する経費等であります。2目街路事業費は、都市交通の確保等を図るため、都市基盤施設と宅地との一体的な整備を行う土地区画整理事業費補助や都市計画道路を緊急に整備する緊急地方道路整備事業等であり、主なものとしましては、盛岡南新都市の整備、二戸市駅前の船場地区の整備等に要する経費であります。次の3目下水道事業費は、下水道の処理場や幹線管渠など、根幹的施設の建設を県が代行して行う過疎地域公共下水道整備代行事業のほか、市町村の浄化槽設置整備事業や下水道事業債の元利償還に充てる基金等への補助に要する経費等であります。
 197ページをお開き願います。6項住宅費1目住宅管理費は、県営住宅等について、指定管理者に管理を行わせるために要する経費等であります。
 なお、説明欄の下段にあります住みたい岩手の家づくり促進事業費補助は、平成22年度新たに省エネ性能にすぐれ、県産材を使用した住宅の新築や増改築に対し、住宅ローンに対する利子の一部を一括して助成することによりまして岩手型住宅の取り組みを推進するとともに、住宅への投資意欲の助長を図ろうとするものであります。2目住宅建設費は、県営住宅の整備に要する経費等であります。
 次に、少し飛びまして227ページをお開き願います。11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費1目農地及び農業用施設災害復旧費のうち、海岸保全施設災害復旧事業費及び2目林道災害復旧費は、過年災害及び現年災害に係る災害復旧工事の実施に要する経費等であります。
 230ページをお開き願います。2項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費及び次のページの2目港湾災害復旧費は、過年災害及び現年災害に係る災害復旧工事の実施に要する経費等であります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の議案その1に戻っていただきまして、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、県土整備部関係は、12ページの15番と23番は農林水産部へ移管される事業であります。このほかに、24番から34番までで計13件であります。これらは、空港ターミナルビル機能向上事業など、工期が翌年度以降にわたる事業につきまして、それぞれの期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 次に、特別会計3件につきまして御説明申し上げます。
 38ページをお開き願います。議案第8号平成22年度岩手県土地先行取得事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ6億9、640万円であります。
 次のページの歳入の主なものでありますが、1款財産収入は、先行取得した公共用地の売り払い収入等であります。
 3款県債は、土地取得事業に充当するものであります。
 40ページをお開き願います。歳出でありますが、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であります。
 3款土地取得事業費は、補助事業用地の取得に要する経費であります。
 次のページの第2表地方債でありますが、これは、補助事業用地取得事業に係る地方債の限度額等を定めるものでございます。
 48ページをお開き願います。議案第11号平成22年度岩手県流域下水道事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ90億6、032万6、000円であります。
 49ページの歳入の主なものでありますが、1款分担金及び負担金は、盛岡市ほか関係市町村からの管理費及び建設費に対する負担金であり、3款国庫支出金は、建設事業に対する国庫補助金であります。
 4款繰入金は、建設事業及び県債の元利償還に充当するものであり、7款県債は、建設事業費に充当するものであります。
 50ページをお開き願います。歳出でありますが、1款流域下水道事業費は、流域下水道の管理運営、下水処理場の施設及び幹線管渠の建設等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であります。
 次のページの第2表債務負担行為でありますが、流域下水道建設事業は、都南浄化センターの水処理施設の更新等の工事につきまして、期間及び限度額を定め、債務を負担しようとするものであります。
 52ページをお開き願います。第3表地方債でありますが、これは、流域下水道建設事業に係る地方債の限度額等を定めるものであります。
 次のページの議案第12号平成22年度岩手県港湾整備事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ23億5、790万6、000円であります。
 54ページをお開き願います。歳入の主なものでありますが、1款使用料及び手数料は、港湾施設の使用料であり、3款繰入金は、県債の元利償還費に充当するものであり、6款県債は、港湾施設整備事業等に充当するものであります。
 次のページの歳出でありますが、1款事業費は、大船渡港の埠頭用地造成等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であります。
 56ページをお開き願います。第2表地方債でありますが、これは、港湾施設整備事業に係る地方債や、資本費平準化債等に係る限度額等を定めるものであります。
 次に、予算以外の議案につきまして説明申し上げます。
 少し飛びまして、78ページをお開き願います。議案第19号土木関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、これは、平成22年度において実施しようとする建設事業の一部を80ページまでの表に定めるとおり、受益市町村に負担させようとするものであります。
 次に、81ページにあります議案第20号流域下水道事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、これは、平成22年度において実施しようとする都南処理区等の管理運営費及び建設事業の一部を、83ページまでの表に定めるとおり、受益市町村に負担させようとするものであります。
 次に、当部関係の条例議案につきまして御説明申し上げます。
 お手元の議案その2の48ページをお開き願います。まず、議案第26号海岸占用料等徴収条例の一部を改正する条例についてであります。海岸保全区域等における占用料については、海岸法施行規則の規定に基づき、近傍類地等の土地代を考慮して定めることとされていることから、改正が予定されている岩手県漁港管理条例に定める占用料に準拠して、占用料の額を改正しようとするものであります。
 次に、49ページにあります議案第27号岩手県手数料条例の一部を改正する条例についてであります。県土整備部に関する条例改正については、96ページの右側の別表7のとおりです。右側の表ですけれども、これは、租税特別措置法の一部改正に伴い、優良宅地認定及び優良住宅認定の手数料にかかわる規定につきまして、所要の整備をしようとするものでございます。
 次に、104ページをお開き願います。議案第32号県立都市公園条例の一部を改正する条例についてであります。これは、別表の第3に定める艇庫の使用区分に、利用が見込まれるカナディアンフォアを追加し、あわせて所要の整備をしようとするものであります。
 次に、106ページをお開き願います。議案第33号岩手県港湾施設管理条例の一部を改正する条例についてであります。これは、岩手県道路占用料徴収条例に定める道路占用料が昨年改正されたこと及び岩手県漁港管理条例に定める漁港占用料の改正が予定されていることから、これらに準拠して、水管、電柱等の工作物を設置する場合の占用料を改正しようとするものであります。
 次に、107ページにあります花巻空港管理条例の一部を改正する条例についてであります。これは、別表第2に、地下に設ける電線その他これに類する工作物等の区分を新設し、また、岩手県道路占用料徴収条例に定める道路占用料が昨年改正されたことなどから、これに準拠して、空港内に工作物を設置する場合等の占用料を改正しようとするものでございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
〇中平均委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間─おおむね30分に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 四つの重要港湾そして河川を管理する県土整備部に、防波堤と防潮堤についてお伺いをいたしたいと思います。
 今回のチリ地震津波、大変宮古以南の港々が大被害を受けておりました。実はこのチリ地震といいますのは、昭和35年、今から48年前、私が中学校3年のときでありましたが、そのときも実は襲来をしているのでございます。そして、そのときは養殖というのはまだ始まっていなかったと思いますから養殖等の被害はなかったと思いますが、船舶あるいは道路、あるいは宮古市の場合は山田線の軌道敷まで流されてしまい、家屋も流され、そういった大きな被害があったところでございます。
 当時、私たちは、津波というものは地震があってその後に来るものだと思っておりましたが、その時点で、言ってみれば、こっちに地震がなくても、太平洋の向かい側から来るんだと初めてわかった次第であります。その後、そういった大きな被害を受けたところの防災上の観点から、国が県に対して、四つの重要港湾に、防災対策として湾口防波堤を選ぶかあるいは湾内の堤防のかさ上げを選ぶか、それの選択を聞いたようでありまして、大船渡、釜石そして久慈は、湾口防波堤を選択しました。我が宮古市は、湾口防波堤ではなくて、湾内の堤防のかさ上げを選択したわけでございます。その中で、防波堤でありますのでこれは当時の運輸省の仕事、直轄の仕事だと思いますが、結果的には目的は船舶航行、あるいは湾内施設、そういったものを守るという観点だったとは思いますけれども、湾口防波堤ができてしまえば、湾内の漁業家は湾口防に期待するところがあるんです。津波をこれで防止してくれる、よけてくれる、そういうこともあったと思うんですが、今回のチリ地震津波、大船渡では大変防波堤の内側の養殖棚が被害を受けております。釜石はほとんど被害がなかったと言っていいと思います。ところが宮古市は、湾口に戸が入っていない状況でありますので、100%と言っていいくらいの被害を受けました。久慈には波が行ったようでありますが、養殖棚等は仮にあったとしても、沖出しをしているということで余り影響はなかったようでありますが、この場合の湾口防波堤の津波予防というものに対しての、大船渡と釜石の差というのはどう見たらいいのでしょうか。100%守るということではないんだと思いますけれども、そういう観点はどんなふうにお持ちなのか、まずお伺いをしたいと思います。
〇野中港湾課総括課長 大船渡港と釜石港の湾口防波堤の効果でございますけれども、大船渡港それから釜石港それぞれ潮位計がございまして、釜石港は湾奥にあるわけでございますが0.5メートルと、他の港に比べて非常に低い潮位でございまして、効果があったと考えております。それから大船渡港につきましては、潮位計は湾外にございますけれども、湾口のほうではいかだ等は流された被害があったようでございますが、湾奥のほうでは津波の高さが低かったようでございますので、そういった意味では湾口防波堤の効果があったと考えております。
〇伊藤勢至委員 今、久慈港が湾口防波堤の整備に一生懸命取り組んでいますが、緒についたばかりということで今回は参考にはならないと思いますが、宮古市から、こういった災害を受けて湾口防波堤が欲しいとか、そういう要望があってもいいように思っているんですが、ありましたでしょうか、ちょっとお聞きします。
〇野中港湾課総括課長 宮古港湾口防波堤の整備要望につきましては、県のほうでは聞いてございません。
〇伊藤勢至委員 国の直轄ということもありますから、国の考え方というのもあるんでしょう。
 私が個人的に上京した際に、今の国交省のナンバーツー、当時の運輸省のナンバーツーと言ってもいい方に─かつては釜石の港湾事務所にいた方ですが、その方と懇談をする機会がありまして、お聞きしたところ、湾内の堤防かさ上げを選んで湾口防もというと、これは欲張りと思われるでしょうかとお聞きをしましたら、いや、防災という観点からは可能性がないわけでもない、こういうお話もしていただいたところでありまして、もし宮古市からそういう話があったら、ぜひ検討をしていただきたいと思っております。これについては答弁は求めません。
 次は、鍬ケ崎地区の防潮堤整備ということについてお伺いをいたします。
 新年度4、000万円の調査費を計上しているようでありますけれども、これにつきましては、平成21年4月の新聞に、長年の願い、防潮堤整備へということで、決定したということで上がりまして、宮古市役所はすぐ6階の建物の中に横断幕を張って決定したと、うれしいというような表現をしたわけであります。しかし、今ここに来て、その4、000万円の調査費を使って詳細設計に入ろうとしている今、鍬ケ崎地区の方々から反対だという、そういうものをつくられては我々の生活が成り立たない、あるいは水産業が継続できない、そういった声がぼつぼつ起きてきているようでございます。これは当然、県と市も共同でやってきたものだと思うんですけれども、そういうことを反対の方々が市役所のほうに行って、全然説明がない、聞かない、聞いたことがない、そういうことを言いますと、これが県がやっているだから県に、県に、県にと、こう言うというんですね。ところが、私は、本当はひきょうだと思っております。一緒にやったのであれば、一緒に説明をして、あるいは、あなた方も説明してください、我々も説明をしますと、こういうことでなければいけないと思っていますが、そういったことについて私はもう、いい、悪いは置いておいて、一緒にもっと説明をしていただきませんと、せっかくの4、000万円なる調査費などを使って前向きに着々と進んでいったときに、反対運動でも起きたものなら、これはちょっとまずいことになりかねない、そういう懸念がございます。
 そういう中で、鍬ケ崎地区を二つの工区に分けるようでありますが、鍬ケ地区と日立浜地区と。鍬ケ崎が730メートル、日立浜が800メートル、こういうことで、こういう図面も示されて、点線で囲った中に防潮堤の位置を決定しようということのようでありますが、この鍬ケ地区は宮古湾海戦もあった昔からの港でございますが、すぐ後ろが山で奥行きのないところなんですね、人が住んでいるところが。そういうところで、水産業をやっている方々ほとんどが船外機つきの小船を持って、ウニでありますとかアワビでありますとか、そういったものを採取してなりわいにしている。あるいは水産の加工場もございます。そういったところに、防潮堤が会社の真ん中を突っ切るようなことがあったら、もう水産会社をやっていけないと。あるいは先ほど言いました小船を持っている人たちが、堤防の後ろに船を隠すようなことになると、とても我々も高齢の人間では難しい。したがって、やめざるを得なくなる、そういう声も実は出ているわけであります。
 さらに、一番最初に伺いました防波堤の件ですけれども、防潮堤の730メートルと800メートルを足した1、500メートル、この部分を、今、竜神崎堤防というのをやっていますけれども、これの反対側に置いてくれれば、これで湾口防波堤になるんじゃないか、コンクリートの量から言って。深さも20メートルぐらいですから、そういう声も実は上がっておるようであります。これは進めるのであれば、あるいは進めていただけるのであれば、その前に、もっと宮古市と一緒になって住民への説明をやっていただかなければ、これはちょっとまずいことになりはしないかと心配をしていますが、その点についてお考えをお示しください。
〇佐藤河川課総括課長 宮古港鍬ケ崎地区の津波対策につきましては、これまで学識経験者や地元関係者等を委員といたします鍬ケ崎地区津波対策基本構想検討委員会、あるいは地元の町内会の方々から参加いただいて実施してまいりましたワークショップ、これらの中で津波対策の方策についていろいろ御検討をいただいてきております。それらの意見も踏まえながら、県といたしましては、漁業関係者あるいは倉庫利用者等の方々と協議を進めまして、現在の防潮堤案という対策案を採用いたしまして事業の採択となったところでございます。
 防潮堤案とした津波対策事業についての住民説明会でございますけれども、これまで2回開催しておりまして、1回目の住民説明会は平成20年10月27日に行っております。ワークショップの参加者あるいは鍬ケ崎地区の方々を中心に、27名の方々に参加をいただきまして、計画についておおむね御理解をいただいたものと認識しております。しかし、鍬ケ崎地区以外に住んでおられる方々への説明を尽くすべきという声もございまして、ことしの1月23日に2回目の説明会を開催しております。
 宮古市の広報等に説明会の開催を掲載するなどした結果、日立浜、角力浜の方々を中心に108名の方々に御参加をいただきまして、ここでは防潮堤以外の対策を望む意見もいただいたところでございます。県では今年度、鍬ケ崎地区の倉庫利用者等の方々あるいは漁協などの意見を聞きながら、防潮堤の大まかな位置、ルートでございますけれども、あるいは形状等を検討しておりまして、平成22年度、これらの内容につきまして住民の方々にお示しをし、広く地元の理解が得られるように説明を尽くしてまいりたいと考えております。
 もう一点でございますけれども、鍬ケ崎地区の防潮堤のコンクリート、海のほうに整備をすれば同じような効果が出せるのではないかということもございましたけれども、海のほうに津波対策のための防波堤を整備するということにつきましては、多額の事業費と時間を要することとあわせまして、漁業関係者等との調整も課題であると考えているところでございます。
〇伊藤勢至委員 ワークショップを開いたとか、住民説明会をやったとか、何人集まった、説明したとおっしゃいますけれども、このワークショップなるものが、例えば漁業関係団体の長であるとかあるいは商工会議所の長であるとか、そういった方々を集めてやっていましても、そこからなかなか下におりてこないというのが現状なんですね。そして、どんどんマスコミには報道されて看板が上がってしまう。何だ何だとなるのが、宮古だけかもしれませんが、大体、県民そういうものじゃないでしょうか。つまり、頭はわかっているけれども、末端までそういうものが下りてこない。特に鍬ケ崎の場合は、漁業権の関係で、昔は浜から何メートル以内に住んでいなきゃならないということがあったんですが、それがなくなりましてから、今、佐原団地でありますとか日の出町団地でありますとか、住民の方々が団地に移っているんですよ。船は浜に置いている。ですから、そういう方々にまで情報が届いていなかった。そういうこともあるんだと思います。したがいまして、町内会長さんとかそういうものを使わせていただいて、当然これは宮古市にも応援をしてもらわなければいけないことだと思うんです。こうやってまず考えを住民の皆さんによく教えることから始めていただかないと、今の状況で始まったんでは、必ずいい結果にならないような気がして心配をしております。
 一方、宮古市では、この16日に、港湾の活気を地域の元気にと、宮古市港湾振興ビジョン策定委員会を開いたようでありまして、最後に防災面で鍬ケ崎地区の防潮堤整備の早期完成を、国、県へ働きかけると、こうなっていますが、働きかけはすると言いながら、現場で汗をかくことを宮古市はやっていないと私は思っているんです。したがいまして、県も市も一緒になって住民の説明に取り組んでもらわないと、これはちょっとという心配がありますので、ぜひそのように当たっていただきたいとお願いをしておきます。
 それから次に、最後もう一点ですが、北部環状線、別名宮古病院アクセス道路と言いますが、これについてお伺いをしたいと思います。
 現在の県立宮古病院、平成6年に現在地に新築移転になりました。そのころから、病院に行くアクセスの道路が45号線1本しかない。したがいまして、災害などがあった場合あるいは冬季間の積雪、凍結といったときに、救急車等が病院にスムーズに駆けつけられないこともあり得る。こういうことから、宮古の医師会を通じて、ぜひあと1本の道路ということから始まったのが県道岩泉線から45号線に結節をする北部環状線、宮古病院アクセス道路だったわけであります。
 私は宮古市議会に2期5年おりまして、この間、18回連続して、定例会でこの北部環状線の問題を取り上げてまいりました。そしてこの間、県庁にも通い、当時の道路課長は後の副知事の竹内さんでありましたが、何度も通っていろいろ御指導、御示唆をいただいてやってまいりました。そして、おかげさまで、たまたま今度は県議のほうに参りましたので、これも自分の継続した命題と思って取り組んでまいりまして、平成12年に当時の土木部長から、県代行もあり得るので前向きに検討していくという、大変ありがたいお話をいただきました。
 その際の条件は、用地買収と埋蔵文化財調査。この埋文調査というのは、実は黒森神楽で有名な黒森神社のふもとを経由していくんですが、この黒森神社というのが南北朝時代の第89代長慶天皇の廟だという説がありまして、そういった関係のいろんなものが出たようでありまして、埋文調査等が若干かかった。だけれども、埋文調査と用地買収、宮古市が6億円か7億円。そしたら70億円の北部環状線を県代行でやるということだったわけで、宮古市も督励をしてまいりましたが、平成12年ですから、もう10年経過をいたしました。その間に、私は、宮古市に県がせっかくやってくれるというんだから、県の気が変わらないうちに早く用地買収と埋文調査をやれとやってきたんですが、10年かかってしまいまして、ようやくですけれども終わりが見えてきたという状況のようであります。
 そこで、県土整備部においては、気が変わっていないのかどうかを伺うとともに、気を変えることなくぜひこれに当たっていただきたい、その状況をお知らせいただきたい。
〇水野道路環境課総括課長 北部環状線についてでございます。宮古市におきましては、これまで委員今御紹介のとおり、詳細設計や用地補償、あるいは埋蔵文化財調査などを進めておりまして、来年度には終える見込みと聞いております。県代行に着手するためには用地補償を完了するとともに、県の公共事業評価を行う必要がございます。このことから、宮古市における作業の進捗状況を見きわめながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 いい御答弁をいただきましてありがとうございます。
 この北部環状線は、45号線と106号線を北部で結ぶということになりますので、今回のようなチリ地震津波などもっと大きいものが来て被害があった場合に、宮古市内を経由しなくても盛岡方面に抜けられるという道路でもあります。また、この道路が完成をすれば、末広町の歩行者天国というのは十分に可能だと思っております。したがいまして、病院、医療の効果だけでなく、経済効果も結構期待される道路だと思っておりますので、どうぞ気持ちを変えることなく、今のまま前にお進みをいただくようにお願いをして終わります。
〇樋下正信委員 私は予算に関する説明書の194ページの街路事業費というところで2点ほどお聞きをしたいと思います。
 盛岡の盛南開発や国道45号の西回りバイパスという整備が進んでいる中で、盛南地区、駅の西地区、駅前、そしてこの県庁前の中央通を結ぶ幹線街路の整備は大変重要な整備課題だと考えておりますが、盛岡駅の北側を通る、そして盛南地区からこの中央通までの街路整備の状況についてお伺いをしたいと思います。
 長田町という町内があるんですけれども、そこの区間がこれから整備をなされようとしているわけでございますが、この整備状況と見通しはどうなっているのか、お伺いをいたします。
〇佐藤都市計画課総括課長 長田町工区でございますけれども、都市計画道路で言いますと盛岡駅長田町線という街路名でございますが、盛岡駅から旭橋を通りまして中央通に至る街路でありまして、盛南地区と都心地区を結ぶ公共交通軸に位置づけられました重要な路線となっております。
 整備区間であります長田町工区は幅員が狭く、また、慢性的な交通渋滞が発生しているということで、平成19年度から4車線化の整備を進めております。これまで、地元説明会や調査、計画を行いながら、平成21年度、今年度は用地取得や建物の補償に着手したところでございます。
 整備に当たりましては、電線の地中化や歩道の融雪など、景観やひとにやさしいまちづくりとしての整備を行うものでございます。
 今後の事業の見通しにつきましては、まずもって引き続き用地や補償物件の取得を重点的に進め、今後とも早期の完成供用に向けて取り組んでいきたいと考えております。
〇樋下正信委員 ぜひ計画的に進めていただくようによろしくお願いします。
 次に、杜の大橋、これは今のお話しした全く反対方向に位置する場所でございます。この杜の大橋は、2車線の暫定的な整備で、今2車線で供用されているわけでございますが、この橋の整備の今後の見通しはどうなっているのか、お伺いいたします。
〇佐藤都市計画課総括課長 杜の大橋につきましてでございますが、現在、暫定となっているわけでございます。この整備につきましては、盛岡地区の開発に伴う交通需要に対応しまして効率的に整備を進めるということで、橋梁区間については、下部工は、4車線対応で整備しておりまして、上部工について、当面の交通需要に見合った暫定2車線ということで整備、供用を行っているものでございます。
 今後の見通しということでございますが、盛南地区の土地区画整理事業の進捗状況や、それから先ほどの長田町工区を含めたバス路線など、公共交通軸としての形成状況や、盛南地区を通る46号のバイパスが盛岡南インターと接続した場合の交通需要等を見きわめながら、今後の整備について検討していくこととしております。
〇飯澤匡委員 それでは、県土整備部の予算の確保という観点からまずお伺いしたいと思います。
 道路特定財源の暫定税率分については、これは一般財源化を前政権からされまして、これは、この間総務のほうにも確認をしましたら、一般財源化されたものの、予算のスキームとしてはほぼ従前どおりの社会資本整備に充てられると聞いております。
 そこで、まず第1点目は、2009年に創設された地域活力基盤創造交付金の本県の活用施策を示していただきたい。
 それから、まとめて聞きますが、来年度から国交省は個別補助金を廃止して、地方公共団体にとって自由度の高い社会資本整備総合交付金を創設すると伺っておりますが、この事務事業というものが今まで個別になされていた補助金が一本化、統一化されることにより効率性は高まると考えられ、自由度も増すということで、本県にとって期待される部分が多い反面、これは今後、事業選択の客観性だとか透明性の確保はますます重要になると考えます。その対策と方針についてお伺いします。
〇木村県土整備企画室企画課長 まず、地域活力基盤創造交付金の本県の活用施策についてでございますが、本交付金の配分を受けるため、本県では、県と市町村合同で4、それから市町村単独で8、計12の計画を策定しまして、本年度、平成21年度は、県、市町村合わせまして、国費ベースで約174億円の交付金の配分を受けたところでございます。
 本交付金につきましては、委員御案内のとおり、道路特定財源の一般財源化に伴い創設された制度でございまして、従前の交付金と違いまして、道路整備事業以外にも道路事業と一体的に実施する社会資本整備ですとか、その効果を高めるソフト事業も対象になったところでございます。このような制度の趣旨を踏まえまして、県の計画策定に当たりましては、全庁的に事業を募りまして、道路整備事業以外にも例えば河川改良ですとか、警察関係の信号機、交通標識、それから緑地公園、観光サイドの観光案内板などの整備を計画に盛り込んだところでございます。来年度は社会資本整備総合交付金が創設されまして、この交付金も引き継がれることになっておりますことから、今後におきましても、引き続き市町村とか関係機関と連携しながら、新交付金のメリットを最大限に生かして、必要な事業を進めてまいりたいと考えております。
 続きまして、社会資本整備総合交付金についてでございますが、この新しい交付金につきましては、国土交通省所管の地方公共団体向け個別補助金を一つの交付金に原則一括しまして、地方公共団体にとって自由度が高く、創意工夫が生かせる総合的な交付金として、平成22年度に創設される予定でございます。まだ骨子の段階で詳細は明らかになっておりませんけれども、当部が実施する補助事業の多くがこの交付金に移行するものと考えております。
 この交付金の交付を受けようとする事業につきましては、計画の目標ですとか、目標を達成するために必要な事業、それから事業の効果の把握に関する事項などを記載した整備計画を策定しまして、県民に対しまして公表することによりまして、事業の客観性だとか透明性の確保を図るものとされているところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、本県では、これまで事業箇所の選択に当たりましては、政策等の評価に関する条例に基づきまして、事前に公共事業評価や大規模事業評価を行いましてその結果を公表してきたところでございますけれども、さらに今後は新しい交付金の整備計画等もあわせて公表しますとともに、必要に応じまして整備計画の進捗状況も公表するなど、客観性、透明性の向上を図りながら、地域が必要とするよう社会資本整備を進め、いわて県民計画を着実に推進してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 自由度が高まるということは、その計画の策定だとかそれから事業の選択については、私は問題提起をして課題にもなると思いますが、そこの点については、より慎重にかつ前広に公表しながら、県民にわかりやすくやっていかないと、確かに補助金を廃していろんなしがらみを絶つということは大事ですけれども、交付金についても私は同じことが言えると思うんです。だから、所管する県土整備部の中においても、その点については来年ということになると思いますけれども、留意をされていただきたいと。特に、企画室部門での振興局との連携とか市町村との連携というのは大事になっていきますので、その点も踏まえてやっていただきたいと思います。
 それでもう一点、関連してお伺いするんですが、暫定税率分については、ことしはちょっと私はわけのわからない方向で予算の確保という形で決まってしまったと。これが今議論が高まらないうちに、環境税ということになっていくというような方向性も示されています。これは逆に、総合予算の、本県で言えば県土整備部門の予算の確保から言うと、非常に不透明な部分もあると思うんですよ。環境税というのは、一般的にさまざまな道路整備以外の部分についても使われる、今度はもっともっとその範囲、用途が広がるということが考えられますので、その点を情報として結構ですから、予算の確保の観点と、それから環境税に振りかわった場合どのような影響があるかという点について、どのような御認識を持っているかお伺いします。
〇深澤道路建設課総括課長 暫定税率分が環境税にかわった場合の影響でございますが、環境税につきましては具体的な内容がまだわかっていないと。例えば、目的税か普通税かとか、それから国税にするのか地方税にするのかとか、あるいは使途の範囲ということで今委員からもお話がありましたけれども、交通渋滞対策にどれだけ使えるかとか、そういったことがわかっていない段階でございまして、そういった時点でございますので、明確には本県の道路事業の影響について見通すことは難しいのかなと考えておりますので、今後も国の動向を注視しながら、県としても財源が確保されるように努めていきたいと考えているところでございます。
〇飯沢匡委員 そういうことだと思うんですが、いずれ税金というのは、支払う側とそれからそれを使う側と、その点を私自身は明確にしていってやらなければならないと思っていますし、あとは予算の確保という点においては、社会資本の整備、道路整備についてはまだまだ課題は多いと思っていますので、その点においてもこれからも留意されて、本県の社会資本の整備に努めていただきたいと思います。
 もう一点、別の質問をします。道路環境整備についてお伺いします。
 中心市街地の活性化に資するために、現在、本県では市町村と県が魅力のある道路づくりに共同で行っている企画がございます。これは私の地元で言うと、一関市のふれあい道づくり計画策定事業であるとか、今後コミュニティを活性化させていくという、本県の行政の目的にもこれは合致とするものだと思うんですが、これの例を出して言いましたけれども、この事業に関する発展性、これからどういう基本姿勢で臨んでいくのか、その点についてまずお伺いいたしたいと思います。
〇水野道路環境課総括課長 県では、かつて宿場町など交通の要衝として栄えた中心市街地のにぎわいを取り戻すために、まちづくりに関しまして地域が行う多様な取り組みと連動しながら、既存の道路のあり方などを検討することを目的に、一関市千厩町など、県管理道路における6カ所で、現地調査あるいは地域の実情やまちづくりの思いなどについて、地元市町村あるいは商店会、地域住民の方々と意見交換を行ってきました。
 これを踏まえまして、今後は、地元商店会や地域住民の方々が主体となるまちづくり協議会も設立いたしまして、地元市町村と、これに県が協働で参画いたしまして、魅力のある町場の再生を道づくりの視点から考えていきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 県がそこまで関与していただいて、まちのにぎわいの復活であるとか、交流人口をふやすという観点でハード部門で支えていっていただくというのは、大変すばらしい姿勢だと思います。
 今後、市町村とか、そしてまた、ただいま答弁にありましたような協働の参画、その点について、今までどうしても県の敷居が高い印象がありましたので、ぜひもっともっと積極的に入って、できるならば、できる限りの予算を配置していただければありがたいんですが、それは限りがあるでしょうから、頑張っていただきたいと思います。
 じゃ、最後になりますが、一関市の当該事業については、今後の県として想定するスケジュールについて、先ほどちょっと言及されましたが、来年以降のスケジュールについてどのように想定されているか、お示しいただきたいと思います。
〇水野道路環境課総括課長 来年度のスケジュールについてでございますけれども、まちづくり協議会の中で、ワークショップの開催とか、まちづくりに関する専門家による講演会とか、あるいは先進地の視察などを行いまして、具体のまちづくり計画の作成につなげていきたいと考えております。
〇佐々木博委員 通告しておりませんので一番最後にお聞きしようかと思っておりましたけれども、ただいま、飯澤委員から社会資本整備総合交付金のことについての質問がありましたので、関連してお聞きしたいと思います。
 実は、私、この社会資本整備総合交付金につきましては、歳入の関係で総務部審査のときにお聞きしておりますけれども、問題は、国庫補助金の歳入が例年同様の計上の仕方がされているわけでありますが、現実に今回の国の予算というのは、それが社会資本整備総合交付金に変わって約2兆2、000億円計上されていますから、その関係で、恐らくその土木の国庫補助の総額の確保が大丈夫なのかどうかということを、実は総務部の審査のときにお聞きしました。
 正直なところ、まだ制度の詳細設計ができていないわけでございまして、不明なところもあるけれども、恐らく総額の確保は大丈夫だろうという御答弁を実はいただいたわけであります。額さえ確保できれば、使い方については、地方の自主性を尊重するということですから、そう影響はないだろうと思いますが、問題は、まず総額が確保されるかどうか、そこも心配なわけでありますけれども、実は、私が一番気になっているのは、今、大変不景気なわけでありますので、2月の補正である程度のロットは確保しておりますが、切れ目のない事業の発注というものがすごく期待されているだろうと思うわけであります。それが、もしこの総合交付金の関係で事業の確定がおくれるというようなことになりますと、発注がおくれるのではないか。そうすると、この不景気に、さらに悪影響を与えるのではないかという心配がありまして、そのことについて、どういったことを想定されて対処しようとされているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
〇佐藤県土整備部長 まず、交付金の総額につきましては、今、3月末ごろに国のほうから内示があるだろうと考えています。その内示の総額が、今、県予算案に御提案している総額と、私ども、ある程度ダウンするといいますか減額されるということを想定しまして計上していますので、ある程度総額はそれなりに、予算案の総額とほぼ匹敵するような額が内示されるのではないかと期待しているところです。
 2月補正でゼロ国債とか、いろいろ補正をいただいたわけですけれども、今後、端境期に向けまして、2月補正の前倒し執行、それからゼロ国債、ゼロ県債の発注、そして、今、話題になっております総合交付金、これが、3月末ごろに内示を受けまして、すぐ交付申請の準備をするということにしてございまして、端境期の期間であっても発注がおくれないように、できるだけ早期に発注できるような手続を今、国とも連携しながら進めようとしているところです。
 来年度の発注につきましても、今年度と同様に、できるだけ早期に発注できるような体制をとっていきたいと考えているところです。
〇佐々木博委員 ありがとうございます。恐らくは、継続事業についてはそのままほとんど通るのではないかというお話を実は聞いておりますけれども、ただ、いずれ新しい制度でありますし、新規に申請もしなければいけないようなことになっているようでもあります。それで、できるだけ早期発注とはいいましても、決まらないことには、設計もあるでしょうし、積算もあるでしょうし、発注するためには、どうしても必要な時間というものがあると思いますので、できるだけ先読みといいますか、考えられることを想定しながら、切れ目のない発注に心がけていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇関根敏伸委員 2点についてお聞きいたします。
 まず最初に、県内の汚水処理施設整備の状況についてお聞かせいただきたいと思います。
 新年度も代行の下水道事業でありますとか、浄化槽等々への補助等々、事業化が予定されておるわけでございますけれども、そんな中、県土整備部の下水道事業費だけをとってみても、前年比3億3、000万円ほどの減という厳しい事業費で事業化が予定されているわけでございます。
 そんな中、いわゆる汚水処理施設整備関連の予算の総額の推移がどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと思っております。
 また、県では、いわて汚水適正処理ビジョンというものもつくられていらっしゃるようですが、汚水処理人口普及率ということがこの中で示されておりまして、平成22年度末に80%という目標を立てていらっしゃるようでございますが、この予算の推移とともに、この普及率、目標達成の状況がどうなっているのか、まず聞かせていただきたいと思います。
〇岡田下水環境課総括課長 まず、汚水処理施設整備関連の予算の推移ということですけれども、下水道などの集合処理による汚水処理施設整備の予算は、平成11年度には、処理場の建設とか、根幹的な幹線暗渠とか、そういうところの整備に事業費を要していましたので、岩手県全体で約608億円ほどございました。その後、処理場とかの整備が終わって、主力が面の整備になってきておりますので、来年度ですけれども、平成22年度では183億円余りと約3分の1ほどに減少しております。
 それから、汚水処理人口普及率の目標達成に向けた状況ということですけれども、いわて汚水適正処理ビジョン2004は、平成16年度に策定されておりまして、平成22年度末の汚水処理人口普及率80%を目標にしております。
 平成20年度末の汚水処理人口普及率は、ビジョンの計画値74.4%に対して70.2%になっております。公共下水道など集合処理方式の伸びに比較して、浄化槽の伸びが期待したほどでなく、全体では4.2ポイントほど低い状況にございます。
〇関根敏伸委員 ありがとうございました。平成11年との比較では、大きく施設整備の状況が変わっているようですから、これは一概に比較できないにしろ、相当これは、3分の1程度の減という中で汚水処理を進めていかなければならない、大変厳しい状況にあろうかと思っております。
 平成20年度末でも目標値を4%ほど下回っているという状況でございますので、ぜひ頑張っていただきたいと思うんですが、そんな中、県内の市町村で下水道事業を行っているわけでございますけれども、この適正化ビジョンの中でも、下水道財政をしっかり把握していくんだ、経営状況も公開していくんだ、こういったことが示されておるわけでございます。
 いろいろ漏れ聞きますと、県内市町村でも、下水道事業会計は大変厳しい環境の中にあると聞いているわけであります。接続率の向上が一元的には大きく影響してくるのではないかと思っておりますけれども、維持管理費だけを見ても、使用料で回収できない状況にもなっているということも聞いているわけでございますけれども、まず、県内の下水道事業の経営状況を県としてはどのように把握していらっしゃるのか。そしてまた、この接続率の向上や、いわゆる使用料回収率向上に向けた取り組み、県の支援策についてお聞かせいただきたいと思います。
〇岡田下水環境課総括課長 まず、県内市町村の下水道事業の経営状況ということですけれども、平成19年度の決算における使用料回収率の県内市町村の平均で、公共下水道が53.5%になっております。維持管理費については、アベレージでは使用料収入で賄っているんですけれども、いわゆる建設費の国庫補助の裏負担、それは全部起債を起こしますので、それの資本費の回収については、御指摘のとおり、回収し切れていないという経営状況にございます。不足した費用については、市町村の一般会計から繰り入れしている状況でございます。
 それから、県では、下水道事業の持続可能な経営を目指すために接続率の向上が重要な課題としてとらえておりまして、各地方振興局と総合支局ごとに水洗化促進懇談会を設置して、継続的に水洗化の促進に取り組んでおります。
 それから、使用料の回収率の向上については、適正かつ効率的な維持管理の推進ということや適正な使用料単価の設定を市町村に要請しておりますとともに、汚水処理事業経営勉強会を開催して、情報を共有して市町村支援をしております。
〇関根敏伸委員 市町村に属することだと思いますし、使用料の部分について言えば、住民負担との関連も出てくることだと思いますので、これは、県としてできることは限られていると思いますけれども、懇談会をつくって接続率の向上を働きかけていらっしゃるようでございますが、やはりこれは、県も、より有効なさまざまな手だてをとりながら、こういった部分の後押しをぜひお願いしていっていただきたいと思っております。
 そんな中、先ほども答弁の中でありましたが、普及率向上の中で、浄化槽の普及というものが伸びてこないと全体の普及率は伸びてこないんだろうなと思っております。
 浄化槽による整備目標が大きくなっているわけでございますけれども、この伸び悩みの中で、県の支援あるいは誘導策がどのようになっているのかお聞かせいただきたいと思いますし、また、この浄化槽の設置に当たっては、法定検査が義務づけられていると思っておりますし、これをきっちりやっていくことが汚水処理の適正化ということに結びついてくるんだろうと思いますが、推進率の向上を含めました課題等をどうとらえ、どう対応をとろうとしていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇岡田下水環境課総括課長 まず、浄化槽設置に対する県の支援策、誘導策ですけれども、いわて汚水適正処理ビジョン2004における平成20年度末の浄化槽の汚水処理人口普及率は、計画値は14.3%になっておりますが、実績値は10.2%になっております。
 浄化槽整備の促進のために、財政面の支援としては、市町村に沿うように、県費補助である個人設置型の浄化槽については浄化槽設置整備事業費補助、それから市町村設置型の浄化槽については浄化槽下水道事業債償還基金補助の所要額の確保に努めております。
 また、浄化槽の誘導策としては、浄化槽の普及促進のチラシの配布をやっておりますし、また、浄化槽出前講座の開催等、普及啓発に係る取り組みを直接行っております。
 それから、浄化槽は法定検査がつきものなんですけれども、この受検率の向上についてですが、本県の法定検査受検率は、平成20年度において、全国で1番目で88%でございます。
 なお、未受検者の通知を行うよう、浄化槽検査センターなどと連携して、受検率のさらなる向上に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、浄化槽の普及がなかなか進まないのが課題と考えておりまして、先ほどのような普及啓発活動は、継続していく必要があると考えております。
 また、工夫として、市町村によっては、独自の上乗せ補助を実施するなどの取り組みをしているところもあり、今後とも、効果的な施策について、市町村と連携して情報共有しながら、これに取り組んでまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 わかりました。受検率が全国1位ということでございまして、県の御努力もあろうかと思いますし、やはり県民の意識というものもかなり高いのかなと考えております。いずれ、森・川・海の条例ができたり、県議会主導で水条例ができたり、こういった水環境に関しては、より一層適正化のための御努力をお願いしたいと思います。
 次の質問に移りますが、2番目は、建設業の総合対策ということでございます。
 新年度もこの総合対策事業費2、450万円が計上されております。経営支援センターへ補助してアドバイザーを派遣したり、コーディネーターを派遣したり、新分野進出を支えたり、経営革新にすぐれた企業を表彰したり、こういったことを多面的に行っていただいていることは評価しておりますけれども、これは、事業が始まってから数年が経過していると思いますが、この事業目的、技術と経営にすぐれた企業が存続し成長できる環境づくりを進めるとともに、経営革新に取り組む建設企業を総合的に支援する、こういった目標でこの事業化を行っているわけでございます。
 現在までの評価と課題等、この総合支援に向けて総括的に聞かせていただきたいと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 建設業総合対策事業の状況についてでございますけれども、大きく二つに分けますと、一つは、本業を強化するという支援を行っております。もう一つは、新分野進出と他分野への進出を支援していくという取り組みを行ってきているところであります。
 これまでの取り組みの評価についてでございますが、まず、本業強化の支援についてでございますが、毎年、経営改善をテーマにしたセミナーを開催するなど、取り組みを続けてきているところでございまして、今年度につきましては、本業における収益性の向上といったものをテーマにセミナーを開催しまして、延べで593人が参加するなど、これまでになく参加者が多かったと。これは、やはり厳しい経営環境に置かれている建設企業の皆様の危機感というものが、そこにあらわれているのではないかと感じております。
 現在、県内の建設業の利益率の推移を見てみますと、平成16年度以降、経常利益率はマイナスで推移しております。このことは、年々厳しさを増しているということを如実にあらわしていると考えておりまして、引き続き、先ほど申し上げました経営力強化に資するようなセミナーを開催しながら、発注者として、受注者と対等な立場で、協力して効率的な工事実施に資するような取り組みも進めていきたい、力を入れていきたいと考えております。
 それからもう一つ、新分野進出の支援についてでございます。これまで、県の支援制度を活用しまして新分野事業に取り組んでおります建設企業は、この2月末で108社となっております。これらの中で、一部では事業が順調に進み利益を上げている企業もございますが、多くは苦戦しているという状況でございます。
 苦戦の要因といたしましては、建設業は、もともと受注産業であるということもございまして、新分野のビジネスモデルが全く異なるということで、新分野に進出したはいいが、販路開拓とか資金の確保でかなり苦労しているということが考えられます。
 したがいまして、これまでも支援をさまざまやってきたわけですが、今年度は、農業分野に進出している企業を対象といたしまして、流通関係者などを招いた講演、ミニ商談会といったようなマッチング支援、販路開拓を支援してきておりますし、来年度に向けましては、融資制度の貸付条件を緩和するなど、新分野進出企業それぞれの成長段階に応じたきめ細かな支援を行っていくこととしておるところでございます。
〇関根敏伸委員 いろいろ当局の御努力は評価をしますが、なかなか本業、新分野とも厳しい状況ということが報告されたかと思います。
 そんな中、殊にも今年度、あるいは新年度を迎えようとしている現状は、さらに一層この建設業を取り巻く環境は厳しくなることが予想されるわけでありますけれども、そんな中、最近の相談内容等の傾向はどういったものになっているのか。
 あとは、新分野とは別に、この経営革新という中で、企業同士の共同化ということも方向性として示されているわけでございますが、これが、具体的にモデル事業等も推進されているようですが、具体的に建設業同士が持っているものをうまく力を合わせて共同化が進んでいるのかどうかお聞かせいただきたいと思いますし、また、県が協調融資のための資金を準備して、いわて建設業経営革新特別資金等々も準備されているわけでございますが、この貸付状況等がどのようになっているのかお聞かせいただきたいと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 最近の相談内容等の傾向についてでございますが、相談については、県の建設業協会で設置しております経営支援センターと、それから各振興局の建設業総合相談センターで対応してきているところでございます。平成20年度の相談件数は合計で317件、21年度は2月末現在でそれを超えまして、既に407件の相談が来ております。傾向といたしましては、分野別で見ますと、まず、本業の強化、それから、新分野では農業進出といったものに関するものが多くなっております。内容別では、やはり経営改善、それから、先ほど申し上げました販路開拓といった相談が多くなっているところでございます。
 次に、企業共同研究モデル事業の推進状況についてでございますが、このモデル事業は、新分野進出等に取り組もうとする建設企業などの共同研究グループに対して、その経費の3分の2を60万円を上限として助成してきているものでございます。
 平成20年度の利用実績は5件、平成21年度は3件という実績でございまして、具体的な事例といたしましては、県南のグループが原木シイタケの収量向上を実現させたり、県央のグループがワサビ加工品の商品化を実現するなどの成果を上げているところでございます。
 次に、建設業経営革新特別資金の貸付状況についてでございますが、これまでの利用実績は延べ4件、7、500万円にとどまっているところでございます。
 利用が少ない原因の一つに、貸付対象とか、その条件の設定が現状の企業ニーズに合わないということが考えられますことから、建設企業や取扱金融機関等の意見をもとに、建設企業がより利用しやすい制度になるように、現在、技術、製品について、これまで独自開発に限っていたものを、フランチャイズ方式による導入も認めるといったこととか、その他さまざまな見直しをやっておりまして、金融機関と最終的な調整に入っているところでございます。
〇関根敏伸委員 ありがとうございました。
 相談内容がかなり急激にふえているという状況の中で、やっぱり危機感を改めて認識するわけでございますが、そんな中で、せっかく準備している資金の貸付状況、枠から言うとこれは、協調融資でいきますと10億円ぐらいの枠がありますよね。7、500万円程度にとどまっているということは、このせっかくつくった制度が、やっぱり現実対応がなされていない部分があるんだろうなと感じるところであります。貸付要件を緩和するとか、いろいろな取り組みもされていらっしゃるようですが、今、建設業が求めているのはどういったものなのかという本来の事業の趣旨をしっかりとらまえていただいて、いろいろな改善等に取り組んでいただきたいと思っております。
 そんな中、きのうも農林水産部の審査があったわけでございますが、この建設業の一つの新分野の方策として、林建の連携、共働というものが示されているようであります。具体的には、新年度に入ってから説明会等が開催されるような予定になっていると聞いていますけれども、私は、個人的には、これからの県の林業であるとか、森林整備であるとか、こういった部分と今後の建設業の新たな方向性として期待をして見守っているわけでございますけれども、県としては、この事業をどうとらえて、建設業等々に関して今後の方策等をどう示そうとしているのか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 農林水産部との林建共働に向けた取り組みについてでございますけれども、農林水産部のほうで提案しております新たな事業として、林建共同型林内路網整備事業というものがございます。これにつきましては、本県の豊かな森林資源活用を図るために、整備がおくれている作業道などの路網整備を集中的に整備することが必要とされている中で、道路整備の経験と豊富な労働力を有します建設業が、そういった林業関係者と連携して取り組むということは、非常に重要であると考えておるところでございます。
 林建共働につきましては、当部におきましても補助金などにより支援してきたところでございますが、今後、林業、建設業双方にとってプラスになるこれらの取り組みがさらに進むよう、農林水産部と連携を密にして林建共働を促進してまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 ありがとうございます。
 最後になりますけれども、こういった個々具体の支援とか取り組み状況等をお示しいただいたわけでございますが、改めて、新年度、建設関連予算等々、公共事業予算等々、県単事業も一生懸命取り入れていただいて、減少率をごく少ない形でおさめていただいて事業量を確保していただいている、あるいは前倒し発注などにも努めていただいている。
 こういった取り組みを大いに評価するわけでありますが、そんな中、御承知のとおり、県内、91社問題を含め、建設業はますます大きな環境の変化が予想されるわけでありますけれども、そういった中で、県土整備部だけではなくて、いわゆる全庁的な中でこの建設業の支援のあり方というものをどのようにとらえ、どう検討されていらっしゃる状況なのか、最後、部長にお聞かせいただいて、終わりたいと思います。
〇佐藤県土整備部長 今、御指摘のように、建設業界はかなり厳しい状況にあるということも、私ども重く受けとめているところでございます。
 やはり県土整備部所管の事業だけでは、入札の面とか、あるいは今、林建共働のお話もありましたけれども、そういうこともなかなか当部だけでは進まないということでございまして、やはり今、御指摘のように、全庁的に建設企業も含めた地域産業の活性化に資するような取り組みをどのようにしていくかということをいろいろ、全庁的な課題として経済・雇用対策本部会議等々で議論しているところでございます。
 来年度も引き続き、経済・雇用対策本部会議は継続されていくと思いますので、その会議の場などを通じまして、私どもの考え方も含めていろいろ議論しながら、新しい施策も含めたものに取り組んでいきたいと思っております。
〇平沼健委員 住宅管理費について伺います。
 この住宅管理費の中で、住みたい岩手の家づくり促進事業費補助として1、700万円ほど計上されております。これは、ある程度中身は知っていますけれども、本当に今のような経済状況の中では、住宅のほうの戸数がふえれば、やっぱりその分だけ地域の経済が活性化される、これはもうそういう形だと思っておりますし、これは県産材を使っての事業ということのようでございますので、なおさらすばらしい事業だなと思って、関心を持っておるところでございます。
 それで、この中の事業で、1戸当たり10立方メートル以上の県産材を使った場合というようなことが出ております。この10立方メートルというのは、どういう根拠というか、その考え方というものをお聞かせいただきたいと思っておりますし、それと同時に、この事業によって、ここ数年、住宅が国内で随分落ちておりまして、平成18年はたしか129万戸はできたんですけれども、平成21年、1月から12月ですが、全国で80万戸を切っているんですよね。
 そういうような中で、岩手県がここ数年間、どのぐらいの戸数かということをまずお聞きして、それに対して、こういう事業をしてどの程度の上乗せを図ろうと考えているのか、その辺を含めてお聞かせいただきたいと思っております。
〇大水建築住宅課総括課長 住みたい岩手の家づくり促進事業につきましてですけれども、高い省エネ性能を備え、かつ県産材を使用した住宅の新築、増改築に対しまして、住宅ローンの利子額の一部を補助するということで、新たに予算化して事業を実施したいと考えております。
 10立方メートルという考え方につきましては、建坪35坪程度の木造住宅では約20立方メートル程度の木材を使用しますので、その2分の1以上の量を県産材として使っていただこうということで、条件として設定しているものでございます。
 また、住宅着工の動向につきましてでございますけれども、お話しいただきましたとおり、全国では80万戸を切るという状況になっておりまして、岩手県におきましても、昨年の住宅着工戸数は5、085戸ということで、前年に比較しまして約3割の減という状況になっております。また、平成18年度の住宅着工は9、115戸でございましたので、それから比較しても相当な落ち込みという状況になってございます。こうした中で、住宅の建設あるいは購入に対しまして投資意欲を持っていただくということから、今回、新たに補助制度を設けるものでございます。
 住宅投資意欲につきましては、景気動向などが大きく影響いたしますけれども、国においては、住宅版エコポイントが創設されたところでありますので、こうした制度とも連動して、住宅投資意欲の向上に一定の効果があるということで対応してまいりたいと考えております。
〇平沼健委員 そのようなことのようでございますけれども、私がちょっと提案申し上げたいのは、本当にこれはすばらしい事業だと思っているんですが、例えばこれは、あくまでも県産材を使わせるというか、使ってもらうというような考え方が強いわけですよね。そうすると、1戸当たり木材が20立方メートル使われているのが大体平均だとすると、その半分ということなんですが、要するに、なぜ100%、例えば全部県産木材でつくったうちに対しては、こういう補助をしますよということにはならなかったんでしょうか。
 この柱にしても、板材にしても、壁にしても、床にしても、これは今の時代、すべて県産材で賄えるんですよね。だから、その辺の考え方があったのかないのかということを一つお尋ねしたいし、これは、たしか単年度だけの補助なんですよね。しかも、融資金額の金利に対する補助ということで、そうすると、例えば、ことし1年間かけてうちをつくりたいという方がいる。この方は、もう決まっているからつくるはずなんですよね。それを前倒しで、後年度つくる人がいて、県のこういうようなこと、あるいは国とか市町村もこれがありますけれども、こういう事業によって前倒しで出てくるという考え方なんでしょうか。まず、その辺をひとつお聞かせください。
〇大水建築住宅課総括課長 まず、県産材の使用の量ということについてでございますけれども、できる限り住宅について県産材を使用していただきたいということから10立方メートルということで設定したわけですが、さらに、20立方メートル以上使用した場合には、それに上乗せをする形で10万円を補助するということで、最大30万円補助するという仕組みにしております。
 こうしたことで、できるだけ県産材の利用ということをPRしていきたいと考えております。
 また、すべてをということになりますと、住宅の中には一部合板を使ったりというところもございますので、すべて県産材というのはなかなか難しいかもしれませんけれども、この制度をもとに、できるだけ県産材の活用ということを県民に対して働きかけていきたいと考えております。
 それから、単年度の補助ということでございますけれども、今回、新たな制度ということで県産材を使った住宅に対する補助を行うわけですが、県の補助があるということで、住宅を新たに建てよう、あるいは取得しようという動きも出てくればと考えております。
 今後の補助につきましては、そうした実際の応募の状況を見ながら考えていきたいと思っております。
〇平沼健委員 ちょっと今、奇異に感じましたけれども、これは、県産材というのは製材だけなんですか。というのは、今、合板云々という話が出ましたね。合板だって今はほとんどが県産材ですよ。杉とか、県産のカラマツとか、そういうものは、これは木材というか木質なんだけれども、この住宅には該当しないということですか。あるいは繊維板も含めて、そういう考え方なんでしょうか。
〇大水建築住宅課総括課長 合板でありましても、県産材を使っているということの証明が受けられるものについては対象に含めて、すべて積み重ねて10立方メートル以上使用するものについては補助しようというものでございますので、そうしたものも含めて、できるだけ県産材を使用していただきたいと考えております。
〇平沼健委員 認証ということなんでしょうけれどもね。県産材以外のものというのは、そういう面では本当に少なくなっていますよ。それが一つ。
 それから、今、岩手型住宅というものがあるわけですよね。せっかくこういうことをやるときには、やっぱり岩手の森林というかそういうものの保全もあるし、岩手の木材というか材料を使ったうちには、こういう手厚い助成がありますよというような形を出したほうが、むしろこれはインパクトがあるのではないのかなと私は個人的に思っておるから、さきのような質問を申し上げました。
 1年間ぽっきりのこういう金利に対する助成というのは、これはなかなか、余り歓迎されないというか広まらないのではないでしょうかね。やっぱりローンを組む人というのは、20年とか25年でしょう。そうすると、初めの5年間ぐらいは、この程度の助成をしますよというのであれば、それは前倒しで、県産木材を使って、じゃ、つくってみようかという人も出てくるかもしれませんけれども、そういう考え方はどうかなと私は思いますけれどもね。それが一つ。
 それと、もう一つは、やっぱりこういう事業だけで、これはこれでいいんでしょうけれども、それ以外に複合的な施策というか、住宅1戸つくるのに、例えばいろいろなものに対する消費税がかかるわけですよね。これは結構多いんですよね。だから、この期間中にこういうものをつくった人には、消費税を減免するとか、あるいは消費税は県のほうで肩がわりするとか、何かそういう極端なというか、アドバルーン的なものをぶち上げないと、なかなかこれは、今のこういう経済状況では、これだけがあるから、じゃ、国のそういう施策、あるいは市町村の施策も含めても、そんなに大きな期待ができるのかなという疑問を私は持っているんです。すばらしい事業ですけれども、そう思うんですが、これについて何か所見があれば。
〇大水建築住宅課総括課長 単年度ということでございますけれども、これは、手続上ということもございまして、できるだけ簡略で速やかに補助できるという仕組みで、今回、制度を設計したものでございます。住宅の取得、建設あるいは購入を行うときに費用が多額にかかりますので、その費用負担の軽減を図るという観点から、初年度のときに一定の額を交付するという形で組み立てたものでございます。
 また、今後につきまして、実際の応募の状況や県民の方々の声なども踏まえて、県産材を使っていただく住宅の普及に必要な対策について、また考えていきたいと思っております。
〇平沼健委員 わかりました。本当にこれはすばらしい事業だと私は思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 それから、同じ住宅管理費の中で、空き家活用定住促進事業費というものがございますね。2、200万円ほどです。これは、都会の方に来ていただくというか、住んでいただくというか、そういう事業だと思うんですけれども、これは、今年度というか、新年度新しくというのではなくて、従来からこういうことがありましたですよね。
 これのこれまでの経過というか実態というか、来られた方がいるわけですから、その方々の状況というか、その辺をちょっとお聞かせいただきたいし、空き家活用ということで、今、空き家が各地域、相当出ていると思うんですけれども、その辺は具体的にとらえていられるんでしょうか。
〇大水建築住宅課総括課長 空き家活用定住促進事業につきましてですが、これは、ふるさと雇用再生特別基金事業という雇用の対策事業の基金を活用して、雇用対策という形で実施しているものですが、事業提案者からハローワーク等を通じて失業者の方を雇用いただくことを条件に事業を行っていただくという形で行っているものです。
 事業につきましては、平成21年度から23年度までの3カ年ということで、その期間内に、実際にその後、進めていけるような新たなビジネスモデルを構築していただこうという事業として進めているものです。
 今年度は、盛岡市の松園地区におきます団地内の空き家の実態調査であるとか、あるいは地元住民や関係団体等との意見交換、あるいはシンポジウムや住民相談会の開催、首都圏関係者との協議といったようなことを行っております。
 まずは、事業が3カ年ということでございますので、実態調査から入っているということでございまして、実際の移住ということにつきましては、今後、事業が具体的に進んでいく中で検討していきたいというところでございます。
 空き家につきましては、総務省が実施した2008年の住宅・土地統計調査というものがございますけれども、県全体で約55万戸の住宅がございますが、このうちの7万7、300戸が空き家となっております。県内の空き家率は14.1%ということで、これは5年前に比較いたしますと、5年前が11.5%でございましたので、2.6ポイントの増加という状況になっております。
〇平沼健委員 そうすると、平成21年度からですから、これまでに何人かの方が定住されていると思うんですけれども、これについては、特別何か大きな問題はないのでしょうか。
 それから、他の部局との連携という答弁が先ほどございましたけれども、雇用対策ということでしょうが、その辺はうまく連携されているんでしょうか。
〇大水建築住宅課総括課長 実際に松園地区に首都圏から移られて、あるいは二地域居住という形で首都圏とこちらを行き来してということで住まわれている方もいらっしゃいます。
 世論調査などを踏まえますと、やはり医療機関の整備であるとか、あるいは土地家屋を安く取得できるとか、居住地の決定に必要な情報が入手できるとか、そういったニーズがあるという状況でございます。
 それから、他部局との連携ということにつきましては、UJIターンということを地域振興部で所管してございますけれども、今年度につきましては、埼玉県で実施しました黄金の國いわてフェアに、これは地域振興部のほうが主催なわけですが、こちらのほうからもブースとして出展いたしまして、松園地区の空き家活用や二地域居住についてのPRを行ったということでございます。
 今後とも、UJIターンあるいは定住促進策といったところとも連携して、事業を進めてまいりたいと考えております。
〇平沼健委員 ありがとうございます。
 じゃ、最後に一つだけ。宮古の課題でちょっと恐縮ですけれども、おかげさまで三陸縦貫道の宮古道路があと3日後に開通式を迎えます。本当にありがとうございます。
 ただ、これは予定どおりというか完成されるんですけれども、問題は、岩手県の工事であります宮古西道路が、当初の計画では、同じ時期に開通するというか、そうしないと意味が半減するというか、要するに45号線と106号線がつながらないということです。そういうようなことで岩手県も今までいろいろな形で毎年投資をしてやってきてくれているんですが、実際には、この宮古西道路というのは、工事というか、実際の道路の工事にはまだ入っていなくて、土地の問題、あるいは設計とかということだと思います。これがいつごろ106号線につながるような形が出てくるのかということが沿岸の、特に宮古広域の一つの今の課題なんですけれども、その辺の今後の予想というのは、財源の問題があってなかなか難しいとは思うんですが、お聞かせいただければと思っております。
 こういうことを言うのは、せっかく宮古道路、45号線の道路ができたのはありがたいんですけれども、逆に、このことによって、106号線へのはけ口がないものですから、今使っています花輪橋が相当込むわけですよね。その辺を地域の人は今非常に心配していまして、やっぱりこれは西道路を早くつくっていただくのか、あるいは3日後に完成する宮古インターというんでしょうか、これから閉伊川を横断する橋をつけて106号線につなぐ、これしかないと思うんですけれども、これは直轄ということで国のほうだと思うんですが、その辺を含めて、わかる範囲で結構ですので、お聞かせいただければと思います。
〇深澤道路建設課総括課長 宮古西道路についてでございますけれども、先ほど委員からお話がありましたとおり、この道路のうち、インター線600メートルにつきましては、宮古道路とあわせまして、この3月21日に供用する予定でございます。
 この宮古西道路の今後でございますけれども、インター線から田鎖ICのところ、花輪橋のところまでですけれども、そこまでの供用を早期にしようということで今後進めていきたいと考えておりまして、今年度は、一部用地補償を行ったところでございます。新年度も2億8、950万円で引き続き用地補償を進めるとともに、一部、工事に着手する予定としております。
 完成でございますが、このまま事業がうまくいくとという仮定でございますけれども、平成30年度には106号線にタッチしていきたいということで取り組んでいるところでございます。
 それから、閉伊川の横断橋でございますが、国では、今年度、測量調査、橋梁設計などを実施しておりまして、下部工工事も発注したと伺っております。
 新年度は、事業費3億円から5億円が見込まれておりまして、引き続き、物件補償と下部工工事をすると伺っております。
 県といたしましても、広域的なネットワークの形成に非常に重要なものでございますので、早期完成を働きかけていきたいと考えております。
〇中平均委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時56分 休 憩
午後1時2分 再開
〇中平均委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇高橋昌造委員 それでは、私からは大きく分けて2点についてお伺いいたします。
 まず最初に、第1点目でございますが、予算に関する説明書の181ページの空港費に関連してお伺いいたします。
 いわて花巻空港の周辺の飛行機の騒音対策について、まず、どのような形で騒音の定点観測をしているか。測定場所、何カ所ぐらい。そして測定の結果、基準値に対してどういう状況なのか。また、どのような形で公表しているのか。
 ついでにお聞きしますが、もし地元周辺から苦情があるとすればどのような苦情なのか、それに対してどのような対応をしているか、まずお伺いいたします。
〇波々伯部空港課総括課長 花巻空港における航空機騒音対策についてでございますけれども、花巻空港では拡張による供用開始前に騒音の予測調査を、また、供用開始後におきましては騒音実測調査を実施いたしまして、必要に応じて民家の防音工事、具体的には空調機器の設置費の補助を実施してきたところでございます。現在は、中型機対応といたしまして、平成6年度から9年度に実施した、防音工事で設置した空調機器が既に10年以上経過していることから、平成19年度から本年度までの3カ年で、この空調機器の機能回復事業を実施してきたところでございます。
 この航空機騒音の対策の範囲についてでございますけれども、先ほど申し上げましたように、騒音実測調査というものを実施しておりまして、これは一定の騒音レベルを超える区域を、これは先ほどの御質問の中の何カ所ではかっているかのかというデータは今持ち合わせてございませんけれども、航空機騒音というのはピーク時の高いいわゆる間欠騒音というものでございまして、単にその音の大きさというだけではなくて、人に対する心理的影響ですとか、騒音の発生頻度、発生する時間帯等、このようなものを勘案して、一定の算定式で算定した騒音レベルというものを基準に、この実施区域を指定しているところでございます。
 現在、騒音実施区域の指定を最後に行ったのが平成9年2月でございまして、現在の区域を申し上げますと、空港周辺のおおむね南北に7キロ、東西1キロぐらいの範囲となっているところでございます。
 なお、こちらの地域の住民に対しての説明につきましては、まず騒音対策事業の実施に当たりまして、学識経験者ですとか地域住民代表者で構成する騒音対策協議会の意見の聴取というものを行っているほか、関係住民を対象に説明会を開催するなど、こういった形で住民の方々の理解を得て実施しているところでございまして、個別の苦情といいますか、騒音がうるさいといったような問い合わせは空港事務所等で承っておりますけれども、その際には、こういった現在の対象区域が定められた経緯等を御説明をしながら、御理解を得るよう努力しているものと認識しております。
〇高橋昌造委員 次に、空港の利用促進事業、新年度におきまして2次交通アクセス改善事業を実施されるということでございますが、実施事業の内容と、その事業を実施することによって当局はどのような成果を期待しているものか、簡潔にひとつお願いいたします。
〇波々伯部空港課総括課長 いわて花巻空港へのアクセスにつきましては、現在、盛岡駅及び花巻駅との間で航空便に接続したアクセスバスの運行、そのほか観光地との間で乗り合いタクシーということで、乗り合い型のエアポートライナーというものが運行されております。
 ここの空港アクセスの改善につきましては、新ターミナルの移転後におきまして、岩手県空港利用促進協議会の中に空港アクセスの改善方策検討委員会を設置いたしまして、利用者へのアンケート等を実施して、現在、空港アクセスの改善方策について検討を進めておるところでございます。来年度の事業として実施予定のものの中に、盛岡からの空港アクセスバスにつきまして、運賃の低廉化等の実証実験を行うということを予定しております。
 こうした取り組みの成果ということでございますけれども、やはり、いわて花巻空港の置かれる環境を考えますと、この岩手県は南北に新幹線が縦断しているという中で、また、拠点都市の盛岡からそれなりに離れたところに空港があるということでございますので、空港までのアクセスをより便利に、安く、短く、アクセスしやすくするということが今後の空港の競争力向上には欠かせないということでございますので、こうした取り組みによって、空港利用者の利便性向上を図ることで、空港そのものの競争力、魅力を高めていく効果があるのではないかと考えております。
〇高橋昌造委員 それでもう一つ、私、期待しておったのは、花巻空港の近くには新幹線新花巻駅とか在来線花巻駅、花巻空港駅とかあるわけですが、そういうところとの接続、いわゆる今度ダイヤの改正が3月14日からスタートしているわけですが、地元のバス会社とかJRと、ダイヤ改正のときにお話し合いをしておるのか。地元にもそういう駅なりまたはバスターミナルがあるわけですので、そういうところにも接続できるようなお考えはないのか、再度お聞きいたします。
〇中平均委員長 答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇波々伯部空港課総括課長 先ほど御指摘いただきました新花巻駅あるいは花巻空港駅との接続がないという御指摘については、利用者の方々からもいろいろいただいておりまして、先ほど御説明いたしました利用者へのアンケート調査を今実施して集計中でございますけれども、そういった結果を受けまして、現在、バス事業者などとそこの接続の可能性につきましては内々協議を行ったりしてございますので、今後、今御指摘のあったJRですとか、関係の事業者ともまた協議を続けまして、その可能性を探ってまいりたいと思っております。
〇高橋昌造委員 あともう一つ、空港に行って駐車場も立派であるしまた空港内のビルも立派なんで、これからの観光施策の推進の一環として、今言ったようなこともきちんと対応していただくほかに、ああいうものをもう少し利活用して、空港のビルとか駐車場、地元との共生なりをして、花巻にはいろんな文化があるわけです。例えば早池峰神楽とか、そういうものと一体にして、あそこの広場をうまく使って交流、子供たちとかお母さんたちとの、ああいうところをひとつ、ただつくり放し、あとは飛行機がさっぱり飛ばなくなったということじゃなく、あのスペースをうまく利活用するような、バスをただ盛岡につなぐだけだというのじゃなく、そこのところをもう少し一歩前に踏み出したお考えはないのか。
 あなたたちは、ただ空港ビルなり空港を管理していればいいということではなく、そこをもうちょっと踏み込んだ対応ができないのかということをもう一度お聞きします。
〇波々伯部空港課総括課長 ただいまの御質問につきましては、現在、ターミナルビルを管理運営いたします岩手県空港ターミナルビル株式会社と連携をいたしまして、ターミナルビル内で地域の関係者と連携した、例えば文化的な教室を開いたりですとか、あるいは空港内には駐車場の正面に多目的広場というものも設置してございますので、そういったスペースを活用したイベントの開催、こちらのほうはまだ我々のPRが足りないのかもしれませんけれども、そういった地域と連携した取り組みを今始めているところでございますので、今後もそういった空港の関係者と連携しながら、空港のにぎわいの創出といったものに重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
〇高橋昌造委員 あそこにはかなりの投資をしているわけですから、それを何というか、もっとしっかり取り組んでやっていただきたいということで次に移ります。
 第2点目は、社会資本の維持管理のあり方についてお伺いいたしますが、まず、県当局としては維持管理の基本計画の策定を考えておるようですが、この策定期間は何年ぐらい見て、そしてどのような実施をしていくか。投資額もどのぐらい予定しておるのか、もし、その計画策定の中で取り込んでおるのであれば、内容をお示し願いたいと思います。
〇佐藤県土整備部長 社会資本の維持管理につきましては今後ますます重要になってくるということから、各分野におきまして、アセットマネジメントということで今取り組んでいるところです。その各分野の計画というのは各分野でそれぞれ違ってきておりまして、ここ数年内では、すべての分野で計画が策定されるという予定でございます。
 今後の維持管理費の総額ということですが、これは今、シミュレーション中でございまして、お示しするのはちょっと時間を貸していただければと思っております。
〇高橋昌造委員 今度の新年度の予算のときの説明の中にも、社会資本の長寿命化を図るために、維持保全から予防保全に切りかえていくと。何となく言葉としてはわかるような気がするんですが、全体この中身はどういうことなのかと。なぜ事後から予防に切りかえていくと長寿命化につながるのか、そこをもう少しわかりやすく御説明していただくことができないのか。
 また、計画策定の中で、どういうところにそれが反映されていくのか、お示しを願いたいと思います。
〇佐藤県土整備部長 人間の体に例えますと、やはり常日ごろの健康維持管理をしておけば、ある程度の病気になった場合でも比較的軽くなるということが言えるかと思います。社会資本の施設につきましても、すっかり壊れてから維持修繕をするとなるとかなりお金がかかるということで、日ごろからの、日常からの点検をしながら、少し壊れたところで修繕をしていくということで長持ちをさせていく、そういう考え方が予防保全型ということでございます。
 予算につきましては、通常の維持修繕費の中で、そういう予防保全型の修繕費を計上しているということでございます。
〇高橋昌造委員 それでは、あとはこれから年度末、年度始め、例えば道路なんかは停止線の白線が消えたり道路標識が壊れたり、いろいろ雪が解けた後あれなんですが、それで年度末、年度始めに、切れ目のない発注をしていくために当局はどのような対応をしているか、いわゆる対応をまずお聞きしたいと思います。
〇水野道路環境課総括課長 切れ目のない発注という御質問でございます。
 例えば道路の補修などですと、冬にかなり損傷が激しくなるものですから、ゼロ県債などを用いまして舗装修理などは年度、3月の下旬に発注いたしまして、工事は4月に入って、4月、5月ぐらい。普通の工事が出ないころに、ゼロ県債の工事が出るというようなことで平準化するというような考えで補修とかそういうものをやっております。
〇高橋昌造委員 最後ですが、佐藤部長、本当に長い間御苦労さまでございました。お世話になりました。嫌な思いをさせたこともあると思いますが、そして、今定例会で議論をもう交わすこともできなくなるというと、本当に落涙の思いでございます。
 それで、最後に部長、老朽化した橋のかけかえとか市町村道の県道昇格とか、そういうところに道筋をつけていただいたことに本当に感謝しております。
 それで、ここでひとつ部長として、土木技術者として、県土整備行政のトップとして、今後、岩手県の社会資本整備のあり方について、思うところがあれば御所見をお伺いして終わります。
〇佐藤県土整備部長 一般質問でも知事からも御答弁申し上げましたとおり、今、本県の社会資本整備はまだ道半ばということだと考えております。また、先ほど申し上げましたように、これからも維持管理、社会資本整備のストックの部分の維持管理費が相当かさんでくると。そういう中で、私ども県民の福祉の向上のための社会資本整備また維持管理、これは非常に大事だということで、今後も県土整備部一丸となって、県民福祉の向上のために邁進していきたいと思っております。また、後輩の諸君もそういう思いだと感じております。よろしくお願いします。
〇三浦陽子委員 花巻空港に関連してちょっとお尋ねしたいことがありまして、実は総括質疑のときも花巻空港の話で、チャーター便の話を出させていただいたんですけれども、先ほど高橋昌造委員からのお話の中にもあったように、利活用の問題も私も大変気になっていたところもありましたので、先ほど御答弁いただいたことをぜひとも進めていただきたいということです。
 あと、実は私からすると料金が非常に高く感じたんですね。それはなぜかと思ったら、今、JAL1社だけですけれども、全然価格競争もない中で、ずっと前の会社から引き続いてJALになったわけですけれども、これから介護の問題とかで使うこともあると思うので、そういう価格設定につきましてどのようなお考えであるか。
 それからまた、どうしても1社だけしかないものなのか、今までの経緯の中でJALしかなかったのか、その辺のことがお聞きしたかったんですけれども、よろしくお願いいたします。
〇波々伯部空港課総括課長 まず、航空機の価格料金についてでございます。航空機の料金につきましては、規制緩和以降、特に各種割引が出ておりまして、花巻空港でも、余り知られていないかもしれませんが、1カ月ぐらい前までに購入すれば大幅な割引が受けられるという、先得という割引制度なんかがございます。ただ、今御指摘のように、ほかの空港と比べましてまだまだ、例えばビジネスで使えるような割引制度ですとか、そういったオプションが少ないのも事実でございまして、また、御指摘があったように、その原因がJAL1社の空港であるということも若干影響しているのかなという感じはしております。ただ、私ども、花巻空港の現状を見ますと、名古屋線ですとかあるいは大阪線につきましても、意外とJRの新幹線との競争下に置かれているという、これはいろんなデータを見ましてもそういう認識がございまして、JALのほうにはダイヤ改善の要望などの際に、あわせて運賃割引の拡大ということについても要望しておるところでございまして、今後もそういった働きかけをしてまいりたいと思っております。
 また、そもそもどうして航空会社が1社なのかということでございますが、余り具体的には申し上げられませんけれども、過去に、ほかの会社などにそういった就航の働きかけなどを行ったこともあると認識はしておりますけれども、やはり花巻空港の現在の需要量、年間35万人、1路線当たり一番大きな大阪路線でも年間15万人という、需要量を考えますとなかなか現実的には複数社の参入というものに十分な需要量が出ていないということで、ただ、JALが今こういう状況でもございますので、引き続きそういった可能性につきましても探ってまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 先般、茨城空港の問題などで、日本の空港が大変な状況だということが出ておりましたけれども、本当にどっちが先かはわからないんですけれども、料金を安くすれば利用者がふえるのか、利用者がふえれば料金が安くなるのか、その辺は私もわかりかねますが、いずれ、ずっと1社にかかわった取り組みだけを進めていれば、余りいい効果があらわれないのではないかと想像するのですけれども、今後、その辺につきましてどういう見きわめの中でやっていくおつもりか、全くもうそういう期待はないのか、希望がないのか、その辺、もしあればお伺いしたいと思います。
〇波々伯部空港課総括課長 ただいまの御指摘につきましては、前の答弁の中でも触れさせていただきましたけれども、利用者アンケートの中でも、新規路線の希望なども少しとったりもしておりますけれども、今後の花巻空港の利用者の拡大のためには路線ネットワークの拡大を図っていくと。今、非常に厳しい時期ですから、これは1年以内という期限を設定されるとなかなか厳しいんですけれども、中期的にはそういったものに取り組んでいく必要があると考えておりますので、新しい路線を誘致するに当たっては、現在就航していただいている会社だけではなく、そういったところに可能性を絞るのではなくて、新しい航空会社、これは海外も含めてだと思いますけれども、そういったところに働きかけを行うというような取り組みによって、できる限り多くの航空会社に入っていただくような努力は続けてまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 本当に花巻空港の問題はずっと前から問題になっておりましたし、相当県費も投資していると思いますので、ぜひとも花巻空港がもっともっと利便性がよくなる空港になることを期待いたしまして終わります。
〇嵯峨壱朗委員 県土整備部平成22年度当初予算のポイントという冊子があるんですけれども、それを見ますと四つあって、その4番目に、社会資本の維持管理と担い手の育成、確保というものが出ていましたけれども、この担い手としての建設企業の育成、確保についてどのように考えているか、内容を示していただきたいと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 担い手としての建設企業の育成、確保についてでございますが、これは、社会資本の整備、維持管理を担う建設企業を育成、確保しようというものでございまして、具体的には、先ほど申し上げました建設業総合対策事業等を使いまして本業を支援していくというものでございまして、例えば経営力強化のためのそういった講習会を開催するなどというものを考えております。
 それからもう一つは、建設企業が地域に根差して、地域社会から信頼され必要とされる存在であってほしいと、あり続けてほしいということで、建設企業の地域貢献活動を入札参加資格や総合評価落札方式において加点評価していくというような取り組みによりまして、地場の建設企業と地域のパートナーシップの確立を支援していこうというものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 わかりました。というか、ちょっと認識違いをしていたところもありました。社会資本整備の担い手としての建設企業ということですね。私は、建設業の担い手かと思っていました。育成するのかと。というのも、今、仕事がなくなってきているわけですし、そして高校とかも、建設関係の土木科とか建築科とかどんどん減っていますよね。そうした中で、実際にどうやって技術者を育成していくのかなという疑問が常にあったんです。仕事もなくなっている。恐らく新規採用というのもほとんどないんじゃないかと思っております。そういった視点でとらえていましたので、そのこともちょっとお聞かせ願えればと思いますけれども。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 建設業の担い手という視点での御質問でございますけれども、委員おっしゃるとおり、今、建設業は非常に厳しい経営環境にありまして、比較的大きな企業においてもなかなか新卒を雇えないと。経常利益率マイナスが続いているような状態で、そこまで担い手を育成する余力がないという現状と認識しておるところでございます。これは、さまざまな視点から、地場の維持管理なり地域づくりを担う建設業を、支援、育成していくということが必要だと考えておりまして、多方面から支援をしていきたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 恐らく社会資本整備というのは続いていきますし、維持補修も含めて、恐らく継続的に育成していく必要があるかと思いますので、その辺の角度からお願いしたと思います。
 次に、湾口防波堤についてお尋ねしたいと思います。
 議論にもなっておりましたけれども、先だって津波がありました。久慈湾口防波堤がまだ未完成ということで、報道等にも出ておりましたけれども、整備進行率が約30%という状態のようであります。今年度予算が前年の半分とまでいきませんで、それに近い量まで減額されておりました。恐らく完成までにあと40年かかるのかわかりませんけれども、こういった整備については国の動向等をどう把握しているのか、また、県の考え方についてお尋ねしたいと思います。
〇野中港湾課総括課長 久慈港の湾口防波堤の整備につきましては、地域の安全・安心確保のために、これまでも国の経済対策を活用するなど、その促進に努めてきたところでございます。委員御案内のとおり、平成22年度の政府予算案では、投資の重点化としまして、国際競争力の強化などのために投資のめり張り、あるいは港湾整備の選択と集中の方針が出されたところでございまして、現在整備中の久慈港の湾口防波堤などの直轄事業については、大変厳しい内容となっております。このため、さきのチリ地震津波を踏まえまして、国に対しまして、直轄港湾整備事業の促進と予算の確保につきまして、知事が緊急提言を行ったところでございます。
 今後とも、地域の安全・安心のために、事業促進につきまして、地域と連携を密にしながら取り組んでまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 実際、2009年度は当初予算が28億円、そして今年度は15億円から幾らかという予算のようであります。そうすると、久慈にはこの間1.2メートルの津波、随分久慈も全国的に宣伝されましたけれども、それはそれでよかったのか悪かったのかですけれども、湾が広くて波が広がっていくんですよね。ですから、恐らくそれぐらいでおさまったんで、もし、もっと狭まっていたらうんと高くなったりということがあったと思うんですけれども、養殖施設も余りないので、被害はそうなかったのがよかったなと思っておりました。
 いずれ、ここに国家石油備蓄基地というのがあるんですよね。恐らくそういった観点から見ても、当時は全国の使用量の3日分と言っておりましたけれども、今は4日分ぐらいあるのかそれはわかりませんけれども、そういった観点からもぜひ進めていただきたいと思っているんですけれども、いろんな防災も含め、多面的に必要性を訴えていっていただければと思います。
 改めて、知事が要望したということですけれども、知事が要望してぜひ力をいただきたいんですけれども、どんな感触だったのか。それと、県にはこれから継続的にそういうふうにやっていっていただきたいんですけれども、その見通しについてもお尋ねしたいと思います。
〇野中港湾課総括課長 御案内のとおり、久慈湾には国家石油備蓄基地あるいは平成10年に造船会社が入るなど、かなり活況を呈しているところでござまして、非常に重要な施設があります。そういった意味で、湾口防波堤の整備は地域の安全・安心確保とあわせて、そういった企業の支援のためにも非常に必要な施設と考えているところでございます。
 先ごろ知事が国に対して提言した際には、我々としては御理解いただいたと考えております。今後とも、予算の確保について頑張ってまいりますので、よろしくお願いします。
〇喜多正敏委員 私からは3点お伺いしたいと思います。
 予算に関する説明書197ページの岩手型住宅建設補助についてでありますけれども、これで県産材を活用するということでありますが、100棟ということでありますけれども、期待する木材の使用量は幾らになるかということであります。
 それからもう一つは、本県は冬場の到来が早いと、それから、県産材の樹種が適時に確保されるかというようなこともポイントだと思うのでありますけれども、予算編成成立後、素早いPRが必要と思うのでありますけれども、この事業のPRについてどのように取り組まれていくかということについてお伺いしたいと思います。
 それからもう一つは、助成した住宅の中で、これは大変見学に足りるというものがあれば、建築中あるいは建設後、建て主さんあるいは工務店と協議が必要であると思いますけれども、見学できるような仕掛けを考えておられるかどうか、お伺いをしたいと思います。
 それから、一般質問でもお話をいたしましたけれども、まだ岩手型住宅を見たことがないという県民が多いと思うのでありますけれども、やはり百聞は一見にしかずということを申し上げましたが、ことし国の新規事業で、地域材活用木造住宅振興事業が創設をされたということで、1戸当たり9割以内、2、000万円の補助制度が展示住宅の整備ということで設けられたわけでありますけれども、この制度を活用して、モデル住宅というわけでありますので、土地とかそのための見学に対応する人員の問題などもあると思うわけでありますけれども、この制度を活用して、工務店あるいは建設業、林業関連団体と共同でこの岩手型住宅を建設してはどうかと思うのでありますけれども、いかがでしょうか。
〇大水建築住宅課総括課長 来年度、新たに創設する住みたい岩手の家づくり促進事業でございますけれども、新築、増改築を合わせて100戸ということで予定してございますが、目標県産材使用量は1、000立法メートル程度と考えております。
 また、事業のPRについてでございますけれども、県におきましては、これまで岩手の県産材を使い、あるいは環境に配慮した岩手型住宅というものを推進しておりまして、この岩手型住宅をさらに発展させるという形で、県民に対してこの助成制度についても、周知、PR活動に努めてまいりたいと思っております。県内の工務店とも連携した取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 さらに、見学会でございますけれども、助成を行う際に、何らかの県民の方々に対する岩手型住宅を実感していただくという形での見学会や、あるいはホームページへの掲載などを要件とするというような形で助成を行っていくことを考えております。こうしたことによりまして、岩手型住宅を実際に見ていただける方をふやしていくということで、普及啓発に努めてまいります。
 また、国の制度でございますけれども、国のほうにおきまして、地域材を活用した展示住宅の建設についての助成が行われるということでございまして、これにつきましてはことしの2月に事業者の募集が行われ、県内においても15件の応募があったと聞いております。
 展示住宅の建設につきましては、これについても県民に対して住宅建設の促進につながるのではないかと考えておりますし、また、地域材を活用した岩手型住宅の普及、促進にもつながるということになりますので、県内の岩手型住宅に関する賛同事業者など、こうした工務店と連携して、展示型住宅の建設が進むように働きかけてまいりたいと考えております。
〇喜多正敏委員 県産材の活用を図る上で、実際に木材を調達して施工建設に当たる工務店、建築士の方から、適時適切に樹種、規格、乾燥材、強度の満たすものがそろうかどうかということが実はちょっと懸念があるわけでありますけれども、こうした登録工務店、建築士から、施工に当たっての要望等についてどのようなものがあり、建設推進担当部局としてどう対応しようとしているかお伺いします。
〇大水建築住宅課総括課長 県産材を活用する上での課題ということでございますけれども、県内の各工務店あるいは建築士等の意見ということでございますが、一定の品質が確保されたものを速やかに安価に入手するという点につきまして、難点があるという指摘もあるということでございます。一方で、入手ルートを確保しているような工務店におきましては、特に問題なく対応できるという意見もございます。このため、工務店と森林組合等との連携強化、あるいは情報格差の是正などが有効な対策になるのではないかと考えております。
〇喜多正敏委員 今回の岩手型住宅の建設費補助も含めて、私は流通現場で実際使おうと思うとなかなか使い勝手が悪いという状況があって、山元の整備も必要でありますけれども、そうしたことについての対応が不十分ではないかと危惧をするわけでありますので、そうした情報をきちっと工務店あるいは建築士さんのほうから集めて、ぜひ農林水産部のほうに流すとか、一緒になってやるとか、そういう取り組みをぜひしていただきたいと。山のほうからプッシュするだけでなくて、市場から引っ張るという手だてが極めて重要ではないかと。
 一説によれば、生の原木が福島に出荷をされて、福島で乾燥して東京の市場に出ていくと、あるいは逆に岩手に入ってくるということも行われているということで、極めて残念だと思っているわけなので、ぜひそういうふうに取り組みをお願いしたいと思います。
 それから、いわて元気のある工務店支援事業の工務店と、農林水産部の県産材需要拡大促進事業における工務店のアドバイザー登録というのが二つあるわけでありますけれども、この関係は一体どうなっているかお伺いしたいと思います。
〇大水建築住宅課総括課長 農林水産部のアドバイザー登録との関係でございますけれども、農林水産部におきましては、県産材の活用を積極的に提案する建築士、工務店を、いわて森の棟梁ということで登録するもので、県産材を活用するためのノウハウを研修会の開催などによって向上させていくというような取り組みでございます。
 一方、いわて元気のある工務店支援事業につきましては、住宅をエンドユーザーにつなげていくという観点から、省エネや地域特性に配慮した岩手型住宅の普及促進のため、県と工務店とが連携して、そのPRを進めていくという関係になってございます。
〇喜多正敏委員 そうしますと、工務店のアドバイザーも当部の工務店支援事業の工務店も、ダブる場合もあるということですか。
〇大水建築住宅課総括課長 はい、そのとおりでございます。
〇喜多正敏委員 両方それぞれの目的があって、そのようなアドバイザーなり工務店を登録するということはわからないわけでもないんでありますけれども、利用する県民のほうからすると、県が二つあるということでちょっとわかりにくいのではないのかと。でき得れば、県産材を活用する中にあっても省エネは達成してもらいたいと、地域風土に合った住宅を建てたいと。目標がある程度、共通にできるのではないかなと思うところもありますので、もう少し使い勝手のいい制度にできないものかなと思うのでありますけれども、いかがでしょうか。
〇大水建築住宅課総括課長 今後、この助成制度につきましても林業振興課と連携して取り組んでいきたいと思っておりますので、県民にわかりやすい制度の仕組み等について林業振興施策と連携した取り組みということで進めてまいりたいと考えております。
〇喜多正敏委員 それぞれいい制度なので、ぜひそのようにして取り組んだほうがわかりやすいのではないかと思います。
 それで、いわて元気のある工務店の登録が2月から始まったと。何となく遅いような気もしていたわけでありますけれども、登録の目標数と現在の登録の件数、それから登録の条件というのはどのようになっているのでしょうか。
〇大水建築住宅課総括課長 岩手型住宅の賛同事業者でございますが、この1月から募集を開始したところでございまして、現在までに16社、1グループからの応募をいただいております。これをアクションプランにおきましては、来年度末までに50社とすることを目標としてございます。
 条件といたしましては、これまで各工務店等において岩手の県産材あるいは省エネ型の住宅づくりに積極的に取り組んでいるということで、申請書を提出していただきまして、県の岩手型住宅の取り組みにも連携して取り組んでいただける工務店ということで登録しております。
〇喜多正敏委員 各委員会からもお話がありましたとおり、地元建設業界は大変苦境に陥っているので、ぜひ支援をしていただきたいと思います。
 次に、194ページの美しいまちづくり推進事業についてお伺いをいたします。
 まず、本県の景観形成についての課題をどのように認識をされているか、お伺いをいたします。
 それから、景観計画策定による良好な景観保全ということを掲げておられるわけでありますけれども、この景観計画策定についてはどのように進めていかれるのか、お伺いします。
〇西尾まちづくり課長 岩手県景観計画の策定に当たりましては、昨年度、これからの県の景観行政のあり方を検討するため、岩手大学工学部の南教授を委員長にいたしました外部有識者委員会を設置いたしまして、その検討結果といたしましてまとめた新・いわて景観ビジョンに基づいて取り組んでいるものでございます。
 委員会では、現行条例による過去15年間の取り組みとして、平泉地域を初めとする主要な地域での景観の保全に貢献するとともに、広く県民各層に景観形成意識の普及を図り、地域の景観形成を実現するための具体的活動が各地で生まれるなど、一定の成果について評価されております。しかしながら、広く県土において廃屋や無秩序に見える電線や電柱、不法に投棄された廃棄物、違法な看板、一部の建築物等が、県が本来備えております美しい景観を阻害しているという実態は否めず、平泉の世界遺産登録を目指す取り組みなど、景観が担う新たな社会ニーズへの対応も含めて、さらなる目に見える景観施策効果の実現が必要との意見がございまして、県としても同様の認識を持っているところでございます。
 この景観につきましては、本県のこれからの景観施策のマスタープランとして位置づけられるものでございますが、今後の予定といたしましては、この計画の策定に当たりましては、庁内関係課、市町村、各種関係団体との協議を行うとともに、知事が設置いたしております外部有識者16名からなる岩手県景観形成審議会に諮って内容の審議をお願いし、検討作業を進めているところでございます。
 素案につきましては、本年2月10日から3月9日までの間、パブリックコメントを募集いたしまして、一般県民等から90件の意見をちょうだいしているところでございます。現在、いただいた御意見を参考に内容の修正を検討しており、来年度早々に再度のパブリックコメントを実施した後、都市計画審議会、景観形成審議会を経まして、本年10月の告示を目指しております。
 また、計画の施行に係る条例につきましては、本年9月議会における御審査をお願いし、平成23年4月からの施行を予定しているところでございます。
〇喜多正敏委員 一般質問でもお話をしましたけれども、景観を形成していくという観点からすると、ただあるものを保全するだけではなくて、いい景観を創出していくための実弾入りの支援制度が必要ではないかと思うのでありますが、いかがでしょうか。
〇西尾まちづくり課長 これから策定いたします景観計画につきましては、本県におけます現状の景観の課題と、それから向かうべき方向性や役割を改めて広く県民と共有しますとともに、その中で定めます規制誘導施策におきましては、より具体性を持った効果的な整備基準、それから届け出対象行為の拡充を図ることによりまして、指導効果の向上を図ることとしております。
 また、規制制度による手法だけではなく、地域の景観形成の取り組みを実効性を持ってさらに拡大させるため、広域振興局ごとの連絡協議会の設置による体制整備や、小学生を対象とした景観教育の実施など、より多くの県民が課題への対応を含めまして、広くかかわれる施策の展開を定めることによりまして、県民が誇りと愛着を持てる県土の形成を推進し、景観資産の活用による地域の活性化への寄与も目指しているところでございます。
〇喜多正敏委員 いずれ、実効性のある計画と施策をお願いしたいと思います。
 それから、景観形成重点地域の指定は、今、岩手山ろく八幡平と平泉と二つでしょうか。これはまだまだ保全地域というのはあるような気がするんですけれども、拡大をするという方向はあるんでしょうか。
〇西尾まちづくり課長 景観形成重点地域につきましては、現在、平泉周辺区域につきましては、ほとんどの地域が平泉町の所管となってございます。現在、県がかかわってございますのは、岩手山ろく周辺地域ということでございます。
 重点地域設定に当たりましては、これ以外に早池峰山周辺とかあるいは沿岸のリアス式海岸等、そちらの地域も検討したところでございますが、地域からの要望が現状としてはない状況でございまして、実現には至っておりません。新たな景観計画の中で、景観重点地域の位置づけについては継承させていく予定となってございまして、県としてもさらに地域の実情、個性を生かした景観づくりという趣旨で、市町村と連携を図りながら、引き続き推進してまいりたいと考えております。
〇喜多正敏委員 外国人の観光客を誘致しようという動きがあるわけでありますし、また、日本人は海外に行って一流の町並みや観光地、景観を見てまいります。成田におりて国道を走ってくると、日本の家屋、商店街がバラックに見えると、こういうことで大変がっかりするわけでありますので、そういう一流の目に耐えるような景観形成のために、重点地域をぜひ地域の方々と話し合って、そういう機運の醸成等を形成していっていただきたいと思います。
 それから、景観からの地域づくりで、今までるる地域に入ってやってきているわけですけれども、平成18年度以降あるわけでありますが、これについて、何かやった結果、事業に結びついている実績はあるんでしょうか。
〇西尾まちづくり課長 景観からのまちづくり、景観点検事業につきましては、平成16年度から現在25カ所で実施してございます。その中で、多くの地域が、地域の景観づくりが地域の住民の方々に根づいて継続されている箇所が生まれてございます。
 例えば、盛岡市のつなぎ温泉周辺地域では、地域の観光地らしい景観を形成するための色彩ガイドラインというものをその事業の中でつくったわけでございますが、その後も、町内会が新たな建築物等にガイドラインの遵守について協力を要請するなどという地域の動きが出てございます。また、二戸市の金田一温泉周辺地域では、温泉地を含めた地域全体について景観への意識を高めるためのセミナーをこの事業を使ってやったところでございますが、その後、散策路の活用による各種事業を継続して実施しているなど、すべての地域が理想的に継続されているわけではございませんが、かなりの地域において、この事業を活用したその後の継続する活動が実現しているというような状況になってございます。
〇喜多正敏委員 その際に、まちづくりアドバイザーという制度があるわけであります。実に多彩なデザインとか都市計画とか屋外広告とか、なっておられるわけでありますけれども、この中に遺憾ながら、今話題になっているいわてNPOセンターの方が入っているとか、あるいは女性が6人しかいないということとか、住んでよい、訪れていいまちづくりというのは観光にもつながるわけでありますけれども、観光の専門家が入っていないということでありますので、もう少し幅広く女性の方の感性を生かすとか、こういうことで─これは平成22年9月までの任期ということでありますけれども─含めまして、充実、検討するお考えはあるでしょうか。
〇西尾まちづくり課長 御指摘のありました現在の名簿登載者につきましては、今後の全庁的な取り扱いに沿いまして、適切に対応してまいります。
 それから、観光に関連する人材の登録でございますけれども、委員御指摘のございました来年度の改選時期に、幅広く、特に女性それから観光に関連する人材の登録を、いろいろと人材を探しながら、また、御協力の了解をいただきながら制度の充実に努めてまいります。
〇喜多正敏委員 これで最後であります。大変恐縮でありますけれども、地域課題についてお伺いをいたします。
 県北の物流あるいは緊急医療等で国道4号の果たす役割は極めて高いわけでありまして、また、県南と県北、三陸と秋田ということでありますけれども、国道4号盛岡北道路建設促進の組織も立ち上がったわけでありますけれども、来年度以降の取り組みについてお伺いをしたいと思います。
 また、盛岡と滝沢の連絡についてでありますけれども、松園地区が空き家活用住宅促進事業ということでも取り上げられたとか、あるいは県立大学周辺への情報産業の集積計画が進みつつあると。こういう中で、地域からも車が通ると歩道がほとんどなくて危険だということで、盛岡環状線野沢地区の道路整備の取り組みについてお伺いしたいと思います。
〇深澤道路建設課総括課長 国道4号の盛岡北道路でございますが、これは平成19年度に国において事業着手されまして、今年度は、事業費5億4、000万円で現道拡幅区間であります巣子地区の用地調査と用地買収を進めていると伺っております。新年度は、事業費3億円から5億円が見込まれておりまして、巣子地区の用地買収を引き続き進めると伺っております。
 県といたしましては、交通渋滞緩和に向け、早期に工事に着手されるよう、今後も引き続き国に働きかけていきたいと考えております。
〇水野道路環境課総括課長 盛岡環状線滝沢村野沢地区についてでございますけれども、この地区はいわて銀河鉄道下の函渠部、これは長方形の断面のトンネル状になっている部分でございますけれども、この部分を含めまして歩道がなく、特にも函渠部は幅員が狭く大型車のすれ違いが困難で、通学児童が危険にさらされております。このことから、大型車同士のすれ違いと通学児童の安全の確保を図るため、平成21年度から整備事業に着手いたしまして、最も危険となっております函渠部を平成24年度まで完成する予定で進めております。
〇喜多正敏委員 見通しはどうなんですか。平成22年度はどのような取り組みになるんでしょうか。
〇水野道路環境課総括課長 平成22年度は函渠部の設計、これはIGRに県が委託して行うものでございますけれども、函渠部の設計と、その函渠部の工事一部着手ということになっております。
〇喜多正敏委員 よろしく促進方をお願い申し上げまして、これで終わります。
〇熊谷泉委員 私の方からも大きく分けて2点についてお伺いをいたします。
 毎年度歩道の整備が進められており、順次、県民の安全も確保されているわけですが、新年度、交通安全施設整備事業として22億5、200万円を計上されておりますが、この予算によって歩道の整備がどのくらい進むものか、お伺いをいたします。
〇水野道路環境課総括課長 平成22年度の予算におきまして、県が管理する道路の歩道の整備は12カ所におきまして用地補償を行うほか、15カ所で工事を進め、これによって約4キロの歩道が整備されます。
〇熊谷泉委員 ただいま12カ所ということでございますが、実際は、県内ではこれ以上の要望が寄せられている部分がまだまだあると思いますが、歩道整備の上で何を優先とするか、その視点をお聞かせ願いたいと思います。
〇水野道路環境課総括課長 歩道整備上の優先とする視点でございますけれども、必要性、重要性、緊急性、効率性、熟度の5項目で算定されます事業評価点数のほかに、地元の要望や県内バランスなどの要素を加えまして、事業着手箇所を決定しております。特に、児童が安全に通学できるように、小学校周辺の通学路の歩道整備を優先的に進めているところでございます。
〇熊谷泉委員 今、私も通学路について聞こうとしたところですが、4月に入れば入学シーズンで、黄色い帽子に新しいランドセルという集団も見受けられるわけですが、父兄にとっては通学路の安全確保が気になるところでありますし、昨年、実は紫波高校の近くで高校生が痛ましい事故に遭いました。町では、そこについて新年度、歩道整備の予算を計上したようでございますが、今言われました通学路の整備状況が、今度の予算でどのくらい整備されるものか伺います。
〇水野道路環境課総括課長 平成22年度に歩道の整備を予定している箇所は、すべて通学路になっております。それで先ほど御答弁申し上げたとおり15カ所で工事を進めますので、これによって4キロの歩道が整備される予定となります。
〇熊谷泉委員 15カ所すべて通学路ということで、大変ありがとうございます。そういうことで、児童の安全が少しでも確保されるようになるということで了解をいたしました。
 歩道の整備の進め方でございますが、こういう通学路の一部にもなっているかと思いますが、実は県道で歩道が何キロも整備されていて、1カ所だけ50メートルとか100メートルが切れているような場所があちこちにあるわけでございます。その辺の事情を聞いてみますと、最初に道路をつくるとき、地主さんが用地買収に反対をしたということでございますが、いろいろ欲があったかもしれませんが、その後、世代がかわって、地元ではどうしてもそこの道路整備をしなければという声が上がってきたとき、もう世代がかわった次の方が、いや、うちらは協力しますから、ぜひ、この歩道をつくっていただきたいという例が多々あるわけでございます。そういうことで、せっかく何キロも続いたところを、1カ所完備するだけで全体の効果が得られると思います。
 それと、あとは、歩道の整備の幅でございますが、幅については、地元の裁量が大分できるというふうになったと聞いておりますが、幅員の狭い場所、あるいは用地買収になかなか費用がかかるわけですが、そういうところは、基準の2メートルでなくても、もうちょっと狭い歩道でも用が足せる場所もあると思いますが、その辺、県では実際そういう狭い歩道がつくられたのか、これからの整備に当たってどういうふうにお考えになっているか、お聞かせ願いたいと思います。
〇水野道路環境課総括課長 まず、歩道の途切れている箇所についてでございます。こういう場所は、今、委員がお話のとおり、用地の取得に御協力がいただけなかったようなことからそういう状況になっておりますけれども、県といたしましては、このような箇所におきまして、事情の変化などにより用地取得が可能になった場合は、現地の状況を調査するとともに、こういうところは整備の効果が非常に高うございますので、そういうことも考慮しながら工事の着手時期を検討していきたいと考えております。
 それから、歩道の幅についてでございます。県が管理する道路につきましては、先ほど委員がお話のとおりでございまして、歩道は通常2メートルを標準の幅員としておりますが、平成17年度に地域の実情に応じた岩手のみちづくりを取りまとめまして、この中で、急峻な地形や人家が建ち並ぶ区間などにつきましては、幅員2メートル未満の歩道整備も可能としたところでございます。幅員が1.5メートルまでは可能としております。
〇熊谷泉委員 今、水野総括課長の御答弁で、その途切れているところを、通学路の中にもそういう箇所がありますので、ぜひ、それを優先していただきたいと思います。
 幅については、地域の事情ということで、これからも整備の上でそういう格好で進めていただければと思います。
 第2点目でございますが、先日も盛岡で建設業の倒産ということがありましたし、先ほど関根委員の質問の答弁の中にも、建設業は平成16年から利益率が毎年マイナスということで、建設業にとっては大変厳しい状態になっているわけでございますが、その中で、いわゆる91社問題についてお伺いしたいと思います。
 平成21年10月13日に公正取引委員会から、多数の県内業者に対して、排除措置命令を含む審決案が出されたわけでございます。それまでには17回の審判を経て審決案が出されたということで、従来の例であれば、これがもう根本的に覆されるというような状況ではないと思うわけでございますが、当初、岩手県の場合は、数カ月以内に審決が下されるということで、ことしの1月下旬から、遅くとも2月中旬までにはそういう形になるという予想だったわけですが、いまだに審決とならない理由は何か、それについての何か情報が得られているものがあれば、お聞かせ願いたいと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 いわゆる91社問題について、審決に時間を要しているのはなぜかという御質問でございますけれども、この件に関しましては、公正取引委員会から発表は一切ございません。それ以外も、今後の動き等に関する情報は全く入っていないところでございます。
〇熊谷泉委員 今、全く情報がないということでございますが、そういう状態にあって、ちょっと今、次から何点か質問いたしますが、いわゆる91社と言われる、何社か減ったようでございますが、県工事における近年の実績はどのくらいだったのでしょうか、お知らせ願いたいと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 91社の県工事の受注実績についてでありますが、平成20年度の普通会計ベースで、受注したのが58社で約163億円となっております。これは、総額が平成20年度557億円でございましたけれども、その約3割を占めるものでございます。
〇熊谷泉委員 ただいま、総額の30%がその91社で占められているということでございますが、新年度、県工事において、この91社が、ある意味、こういう縛りがかかった状態ということであるとどういう影響が出るのか、お伺いいたします。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 新年度のその影響についてでございますけれども、現段階で最終的な審決が出ていないということもありまして、その影響についてお示しすることは、非常に困難な状況にございます。
〇熊谷泉委員 今、建設業界は大変厳しいわけですが、審決がどういう内容になるかはまだわからないということですが、出た場合、国からの課徴金、あるいは県の賠償金がおおよそどのくらいになるか、把握されているものがあればお示し願いたいと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 課徴金、賠償金の額についてでございますが、一般論として申し上げますと、公正取引委員会から受注調整が認定されますと、認定された工事の請負金額の3%の課徴金が課せられます。県においては10分の1の損害賠償金を課すということになっております。
 ただ、先ほどの繰り返しになりますが、審決が出ていない段階でもございますし、公正取引委員会からどの工事が認定されるか、受注調整が行われていたかという認定がされるか、現時点で把握できない状況にありますので、その額についてお示しすることは困難な状況にございます。
〇熊谷泉委員 結果が出ないうちに影響を言うのも何ですが、平成18年度の県民所得の推計では、建設業全体では生産額が3、120億円、県全体の6.9%、雇用に関しては、就業者数が6万7、700人ということで全体の9.6%という数字もあるわけでございます。
 排除措置命令を受けた場合は、関連の専門業者あるいは資材業者への連鎖反応もあるわけでございますが、こういった不況の中で、もし倒産が続くようなことがあれば、雇用の問題あるいは経済の問題に大変大きな影響を及ぼすと思いますが、それについての御所見を伺いたいと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 審決が下った場合の雇用、経済への影響についてでございますが、仮に受注調整が行われたという認定があったとすれば、委員御指摘のとおり、雇用、経済へ少なからぬ影響を与えるものと考えられます。
 ただ、また繰り返しで大変申しわけございませんが、現時点でなかなかその影響を具体的に把握するということは、この場で申し上げられないところでございます。
〇熊谷泉委員 そういう答弁の繰り返しでございます。これまでの議会の議論の中でも、審決が出なければ明確な答えが出ないということでありましたが、実は、その審決案が出されない前であれば、ある意味、発注して、今まで、平成17年以来、何年かずっと工事が続けられてきたわけですが、こういう状態になりますと、審決が出ないと、今、県もそうですが、各市町村も新年度からの新しい公共工事の予算を審議しているわけです。
 4月から新しい予算が執行されるということでございますが、こういう状態で、いつ出るかわからない、ある意味、爆弾を抱えた状態だと思うわけであります。ある意味、新しい工事を受注しても、途中ですぐ、1カ月もたたないうちに審決が下って、事業が継続できないということもあると思いますが、そういうことで、公正取引委員会は何人かの委員で、6人とか申されていますが、どういう事情で公正取引委員会が決定を下されないのか。いつまでもずるずるとこういう状態は、国の機関ですので、県が言ってどうのこうのという話はできないわけですが、もう少し、情報が入らないとかそういうことじゃなくて、これを打開しないと、全く蛇の生殺しみたいで─表現は悪いですが─動きがとれないと思いますが、それについて、部長、何か御見解があればお伺いしたいと思います。
〇佐藤県土整備部長 ただいま渡邊総括課長が答弁申し上げたとおりでございまして、当部としては、庁内の連絡会議の場を通じまして、関係部局と連携しながら、引き続き、今後の動向を注視してまいりたいと考えております。
〇熊谷泉委員 賠償金については、業界では100億円とかという話もあります。法で定められたペナルティーは、それはそれで各社において粛々と解決するべきものだと思いますが、新しい事業も受注できないような状態では、経営の維持も大変ですし、県の事業に、あるいは業界全体、経済に悪影響等を与えると思います。ぜひ、情報をきちんと把握して、早く公正取引委員会を開けということではございませんが、余りそればかりを言っていても、新年度に入ると大変なというか、業界にとっては非常な痛みなわけですので、今後ともよろしく御対応をお願いいたします。
 終わります。
〇佐藤県土整備部長 ただいま新年度に入ってからのお話がちょっとあったんですけれども、当部では、やはり先ほども答弁申し上げましたように、端境期対策として前倒し発注を続けていくということでございまして、また、その受注した業者の方が、一般論として申し上げますが、受注後に、そういう受注調整があったということで審決が出た場合は、遡及されないということでございますので、契約は引き続き生きるということでございますので、少し補足させていただきたいと思います。
〇工藤大輔委員 ただいまの91社の関係で、関連して数点お伺いしたいと思います。
 来年度の事業の中で、以前の説明の中では指名停止があったとしても、県内の会社の中で仕事を回せるとか、できるという説明は、以前あったと記憶しております。そういった中で、私は、除雪等も含めて影響が大きいと思いますけれども、例えば、この除雪に関して言えば、現在91社に該当されている、そこの中に含まれている企業が例えば何社、何路線中何路線ぐらいがこの関係する方々で請け負っているのかどうかとか、機械の関係等を借り受けなければちょっと対応できないのではないかという思いもしておりますが、いかがでしょうか。
 また、仮に指名停止となった場合に、以前の事例で結構なんですけれども、県の事業にかかわれないとなると思いますが、入札以外のその他の事業についても、果たしてかかわることができないのかどうか、改めて、以前の結果がどうであったか確認したいと思います。
〇水野道路環境課総括課長 91社問題で、平成21年度除雪業務を担っていただいた会社は37社ございます。
 それから、路線は複合になっておりますので、路線での統計はしておりませんけれども、その37社の業者の方から借り上げました除雪機械は全部で69台となっておりまして、これは県全体の借り上げ数の、487台借りておりまして、全体の14.1%を占めております。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 建設工事の入札以外の取り扱いがどうなるかということでございますが、過去の例から申し上げますと、指名停止を受けた場合においては、建設関連業務、いわゆる建設コンサルタントとか、そういった委託を請け負う、そういった資格を持っている場合にも、同じ指名停止が科されるというものでございます。
〇工藤大輔委員 先ほども質疑があった、例えば、いわて建設業経営革新特別資金とか、建設業新分野進出等モデル創出事業とか、そういった建設業の方々に関係する事業もあるかと思いますが、これらについても、今の御答弁では、事業にかかわれるというか、その該当にならないということの認識でよろしいのか、確認します。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 県で助成している制度が幾つかございますけれども、補助金とか貸付金の取り扱いがどうなるのかというお尋ねだと思います。
 これにつきましては、制度自体の目的がどういうものであるか、それから、処分の内容がどの程度のものであるのか、そういったことを見ながら対応すべきものと考えておりまして、現時点でまだ審決の内容が出ておりませんので、この場で具体的にどういうふうに対応するかということをお示しすることは、困難な状況にございます。
〇工藤大輔委員 わかりました。
 例えばこの中には、事業の中に予算化されている中には、新規のものもあれば、継続のものもあるんだと思います。じゃ、継続している事業であり、継続の対象となっている企業の方の取り扱いがどうなるかとか、いずれ、これの方向性については、早急に決めていただく必要があるんだと思います。そうでなければ、来年度の、万が一、指名停止がこのぐらいになったとか、指名停止の処分が出てしまった場合の、それだけでも大きな影響があるにもかかわらず、また、継続していた、予定している事業についてもできなくなるとか、とまってしまうとかということになると、さらに企業のほうでは追い打ちがかかるということになりますので、改めて、その方向性については、私は、決めておき、通知をしながらこの難局を乗り切るという体制に県も率先して乗り出すべきだと思いますが、その認識について、最後にお伺いします。
〇佐藤県土整備部長 先ほども申し上げましたが、継続というのは、債務負担とかそういう契約をしている場合には、その契約までは遡及しないということでございます。
 それから、来年度予算の継続箇所あるいは新規箇所につきましては、単年度工事でやっておりますので、私どもとしては、地域経済の活性化のために、前倒し発注を念頭に置きながら進めてまいりたいと思っています。
 したがって、繰り返しになって恐縮ですが、まだ審決の内容等、具体なものがわかりませんので、我々としては、先ほど申し上げたような取り組みを続けてまいりたいと思っています。
〇工藤大輔委員 わかりました。
 公共事業も減っていく中、民事もなかなか拡大しない中にあって、業界は非常に厳しいと認識しております。そういった中で、こういった事例を契機として新たな事業モデルに参画したい、経営革新に挑んでいきたいという企業もあると思いますので、そういったところに対しまして、積極的な支援ができるような体制を構築してくださるよう改めて要望して、終わりたいと思います。
〇小野寺有一委員 私は、港湾についてお尋ねしたいと思います。
 なるべくまとめて伺わせていただきたいと思いますが、本県の貨物輸送のうち、本県港湾で取り扱う貨物の割合がどの程度になっているのか、その現状を県当局としてどのように評価し、分析しておられるのかを、まず聞かせていただきたいと思います。
 それから、前原国土交通大臣のもとで、国では、港湾整備の選択と集中ということで、スーパー中枢港湾にいろいろな国の投資を集中させていくんだ、それから、全国的にもそういった方針を示していくのだと言われておりますけれども、その具体的な中身について、県としてどのように把握しておられるのか、それから、その本県への影響をどのように把握されていらっしゃるのかをお尋ねしたいと思います。
 そして、先ほど嵯峨壱朗委員の質疑に対しての答弁でもございましたけれども、その対応として、達増知事が緊急提言を行ったと言われていらっしゃいますが、その内容をお示しいただきたいと思います。
〇野中港湾課総括課長 まず、本県の貨物輸送についてでございます。
 平成19年度に国が実施しました貨物の地域流動調査によりますと、本県発着の全体貨物量は約1億6、000万トンとなっております。
 内訳としましては、自動車輸送が1億5、000万トン、海上輸送、海運が約500万トン、それから鉄道が120万トンでありまして、本県港湾利用の占める割合は3.1%となっております。
 なお、自動車輸送貨物には、京浜港など他県の港湾利用貨物もございますので、これらの貨物を本県港湾利用にシフトすることが課題と考えてございます。
 特に、本県のコンテナ貨物につきましては、半分以上が京浜港を利用しているということから、これからコンテナ航路の開設や広域道路網等、物流ネットワークの構築による輸送コストあるいはCO2の削減等のメリットを提案するなど、より戦略的なポートセールスが必要と考えているところでございます。
 次に、港湾整備の選択と集中の方針についてでございますけれども、平成22年度政府予算案では、国際競争力の強化の早期実現を図るため、直轄港湾整備事業の選択と集中を図ると。具体的には、全国に重要港湾が103港ございますけれども、その重要港湾103港から、重点港湾─これはまだ仮称でございますが─約40港を選定し、新規の直轄港湾整備事業の着手対象を原則これに限ると。重点港湾は、地域拠点性、貨物取り扱い実績により絞り込みを行い、今後、港湾管理者からの意見聴取を経た上で決定するとのことでございます。
 次に、本県への影響についてでございますけれども、本県におきます直轄港湾整備事業につきましては、久慈港及び宮古港につきましては、湾口防波堤及び竜神崎防波堤をそれぞれ継続して進めていただいているところでございます。また、釜石港では、平成20年度に湾口防波堤が完成したところでございます。さらに、大船渡港では、同じく平成20年度に水深13メートル岸壁が完成したところでございます。
 当面は、老朽化が進む大船渡港の湾口防波堤の改良につきまして、直轄港湾整備事業により緊急に対応すべき事業と考えており、港湾整備の選択と集中の方針の中で、重点港湾に選定されない場合には、新規着手できないことが想定されるところでございます。
 次に、緊急提言の内容についてでございますけれども、重点港湾の選定に当たりましては、地域拠点性や貨物取り扱い実績により絞り込みを行うとされておりますけれども、本県港湾の貨物取扱量は少なく、重点港湾の選定には厳しい状況にございます。
 このため、重点港湾の選定に当たりましては、取り扱い貨物の実績にかかわらず、荒天時の避泊や津波被災後の物流確保の観点から、安全な拠点としての港湾にも十分な配慮を行うことと提言したところでございます。
 さらに、大船渡港の湾口防波堤は老朽化が進み、その改良に当たりましては、直轄港湾整備事業による緊急な対応が必要なことから、大船渡港を重点港湾に選定することを提言したところでございます。
 あわせて、先ほど申しましたけれども、今回の津波を踏まえまして、久慈港の湾口防波堤及び宮古港の竜神崎防波堤の整備促進を提言したところでございます。
〇小野寺有一委員 ありがとうございます。
 ちょっと実は耳を疑ってしまったのですが、本県の貨物輸送のうち、本県の港湾での取り扱い貨物の割合は3.1%だというお答えがありました。その原因は何だと分析していらっしゃるでしょうか。
〇野中港湾課総括課長 全国的な貨物の輸送状況を見ますと、これは、本県から出た、あるいは入るという移動の集計でございますので、そういった全国的な流れから見ますと、やはり自動車輸送が圧倒的に多いというのが実情でございます。港湾については、特に岩手県は低いのかもしれませんけれども、数%から10%のオーダーで推移しているものでございます。
 その少ない原因としまして、やはり本県の港湾の利用が少ないとともに、他県の港湾の利用も多いと。本県から車でほかの港へ運ぶものも陸上輸送にカウントされておりますので、そういったものが入っておりますので、本県の利用が少ない、あるいは他県の港湾を利用しているというところが一つの現状ではないかと、我々としては課題としてとらえておるところでございます。
〇小野寺有一委員 今、他県の港を使っている可能性が高いから、本県の利用率が低いのではないかという話がありましたが、お答えになっていないのではないかと思うわけです。他県だって、要はその事情は全く同じなわけでありますので、そういった意味では、やはりその原因というものをきちんと把握しなければ、僕は、選択と集中という知事がずっと公共事業に対しておっしゃっている提言というのは、全面的に賛成ですけれども、その背景には、きちんとしたそういう物流についての戦略とかといったものがなければ、選択と集中というのはあり得ないのではないかと思うわけです。
 実際に、今まで私は何度かクレーンの問題とか埠頭の問題等で、港湾管理者として本当にこのままでいいのかというような内容の御指摘をしてきたと思いますけれども、そのときに、要は、今まで本県にある4港の重要港湾をどのように戦略的にすみ分けていくのかとか、そういったものを、本来なら港湾管理者がなすべきところを各自治体任せにしてきた、そういう戦略性の欠如が、こういった現況を招いてしまっているのではないかと私は思います。
 そこで、今、大船渡港の湾口防波堤の老朽化が進んで、その部分を直轄港湾整備事業による緊急な対応が必要だということで、各県から大体1港が想定される全国の重点港湾に大船渡港を選定するというお話でありましたけれども、本当にその決め方でいいのでしょうか。写真を見せていただきましたけれども、大船渡の湾口防波堤は確かに修繕が必要だなというのは、一目見れば明らかなわけですが、そこが壊れたので、そこを重点港湾に指定するという決め方でいいんでしょうか、どうでしょうか。
〇野中港湾課総括課長 委員はただいま、各県から1港を選定すると申しましたけれども、これは全国から約40港を絞り込むということでございまして、例えば貨物の実績から申しますと、40番目は愛媛県の今治港で約700万トンの取り扱い貨物があるという状況の中では、岩手県の港湾が選ばれるとは、我々としては楽観視はしてございません。
 一方で、新規直轄事業を考えた場合には、大船渡港の湾口防波堤の改良が必要だということでございますので、重点港湾の趣旨としては、新規港湾整備事業の着手対象となるということでございますので、そういった点で、大船渡港を重点港湾として考えたところでございます。
〇小野寺有一委員 それでは、ちょっと質問を変えますが、過去10年間の本県の重要港湾の取り扱い貨物量の推移、それから昨年の貿易額はどのようになっているでしょうか。
〇野中港湾課総括課長 重要港湾の取り扱い貨物量の推移でございますけれども、平成11年から平成20年までの過去10年間の港湾取り扱い貨物量の推移につきましては、重要港湾全体で、平成11年の734万トンから平成20年の562万トンと減少傾向にございます。
 港湾別に申しますと、久慈港が平成11年35万トンが20年には28万トン、同様に、宮古港が76万トンから52万トン、釜石港が187万トンから222万トン、大船渡港が435万トンから271万トンと推移してございます。
 次に、昨年、平成21年における貿易額、これはまだ速報値でございますけれども、貿易額につきましては全体で約280億円となっております。港湾別に申しますと、宮古港が約34億円、釜石港が140億円、大船渡港が約107億円となっております。
〇小野寺有一委員 先ほども申し上げましたが、港湾整備の一義的な責任というのは、やはり港湾管理者としての県にあるんだろうと思いますが、そうは言っても、県も苦しいことだし、あと、地元については、それなりの受益もあるということで、港湾整備については各港湾の所在自治体も一生懸命取り組んでいるところだと思うんですが、その中で、重点港湾を県が選定するということ自体に無理があるのではないか。県が今まで100%港湾整備のことをいろいろやっていたというならば、その中でここを重点整備するというのはわかりますが、そうではなくて、いろいろなところの人から手をかりていながら、その中でここだけを選定するということ自体に無理があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
 それから、重点港湾の選定に当たっては、先ほどのお話の中でも、地域の拠点性とか貨物の取扱量実績を加味して行うということだと御説明がありましたけれども、それで、今、貨物量の取り扱いの推移を伺わせていただきましたが、個別の名前は申し上げませんが、減っているところと、それから10年前からしてふえているところと重点港湾に選定しようとしているところが違うところになっていますよね。それは、この制度の趣旨からするとやはりおかしいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
〇野中港湾課総括課長 最初に、重点港湾の選定について県が行うことについてでございますけれども、重点港湾の選定につきましては、国が行う新規の港湾整備事業の選択と集中を図るため、国の方針として示されたものでございまして、本県では、国に対しまして、重点港湾の選定に当たっては、貨物取り扱い実績だけではなく、安全な拠点としての港湾にも十分な配慮を行うことを提言したものでございます。
 それから、地域拠点性の話でございますけれども、先ほど申しましたとおり、新規の直轄港湾整備事業で大船渡港の湾口防波堤の改良が必要であるという観点から、我々としては、重点港湾選定に当たっては、そういった安全な拠点港としての提言を行ってきたものでございます。
〇小野寺有一委員 今、御答弁の前に、重点、重点とか、重要、重要とかという話がありましたけれども、僕は、重点港湾という名称そのものが、仮称のようですが、やはり問題があるのではないかと。やはりそういった整備が必要なところというのは整備が必要なわけでありまして、それは、国の直轄事業として進めるべきだと思うんですが、それを国家戦略とか地域戦略の重点とか、そういったものに当てはめていくこと自体に無理があるのではないかと思うわけでありまして、それについての御意見を伺いたいということが一つ。
 それから、整備箇所の選定を国が選択と集中という観点で推し進めるということであれば、重点港湾が仮に大船渡港になったとしても、その重点港湾から外れたほかの重要港湾に対して、港湾管理者として当然支援がなされるべきではないかと思うわけでありますけれども、いかがでしょうか。
〇野中港湾課総括課長 先ほど、重点、重要を間違えて大変失礼しました。ややこしいものでございますから。ただ、重点港湾というのは、あくまでも仮称と聞いております。
 何度も繰り返しになりますけれども、重点港湾の選定に当たりましては、私どもとしては、新規の着手が必要な港湾というとらえ方で考えてございます。
 それから、港湾管理者としての支援でございますけれども、また繰り返しになりますが、重点港湾の候補選定については、国の新規着手事業の必要性を考慮したものであるということ。
 したがって、継続している事業につきましては、これまでどおり促進を図ることには変わらないと考えております。
 また、その港湾につきましては、委員御指摘のとおり、企業進出効果あるいは物流支援など沿岸振興に果たす役割は非常に大きいと考えておりまして、今後とも、県としては、企業立地推進課や関係市町との連携をさらに密にしながら、ポートセールス等によって港湾振興に取り組んでまいりたいと考えております。
〇小野寺有一委員 言葉じりをとらえて大変恐縮ですけれども、今、国として、重点港湾というのはそういうお考えなんだというお話をされましたが、先ほど野中総括課長御自身が御説明になったとおり、国としては、要は貨物取扱量だけの順位でいけば、たしか40位が愛媛県の今治港だそうでありますが、そこまでで、それ以下のところは、本当は集中しませんよと国としては言っていらっしゃるわけで、この新規の着工、それからこういった改修が必要だというのは、県の港湾管理者としての立場のほうがどちらかといえば強いはずでありまして、それを国のほうの方針がこうだからという説明をされるのは、少し無理があるのではないかと思うわけであります。
 先ほど、港湾管理者としての支援が必要ではないかということを私は御指摘申し上げましたけれども、具体的には、例えば貨物を集荷するのに、大船渡でも、いろいろなところで、それぞれの自治体が苦労して集荷されていらっしゃいますし、港湾振興、ポートセールス体制、それから港湾の利用促進について、補助が欲しい、あとは港湾管理者としての組織体制の強化、そういったものが求められているわけでありますけれども、具体的にこのような支援が必要だと思うのですが、それについての御見解をお示しいただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
〇佐藤県土整備部長 具体的な支援につきましては、港湾課の野中総括課長から答弁させます。
 今の重点港湾の基本的な考え方は、先ほど野中総括課長が答弁申し上げましたように、国のほうでは二つの面、地域拠点性と、それから貨物取り扱い実績によって絞り込みを行うとされています。
 そこで、県といたしましては、今後、四つの重要港湾のうち、国の新規直轄事業が、当面どの事業が必要かということで考えた結果、先ほど申し上げましたように、久慈港、宮古港、それから釜石港、この三つの港湾は、当面、国の新規直轄事業が入らないということで、ポートセールス、いわゆる利活用の促進に向けて対応していく考えになったものなんですね。
 それで、大船渡港は、確かに湾口防波堤もできていますし、13メートルの岸壁もできていますけれども、大船渡の湾口防波堤が、先ほど委員御指摘あったように、かなり老朽化が進んでいる。そうしますと、国のこれからの重点施策に対しまして、県としてどういうふうに対応したらいいかということを考えた結果、やはり大船渡港の湾口防波堤は改良が必要だ、修繕が必要だということがあって、県とすれば、4重要港湾のうち、国の直轄事業を当面入れなければならない大船渡港を重点港湾としたということで御理解いただければと思っております。
〇野中港湾課総括課長 具体的な支援ということでございます。
 私も1年間、各市と連携しまして、今までポートセールス等、あるいは港湾セミナーを一緒にやってまいりました。その中で各関係市から、独自の取り組みとか、いろいろな提言をいただいております。それをまた、どのような形でそういった具体的な戦略に持っていくのかも含めまして、各市の意見を聞きながら反映させるような努力をしてまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 まず最初に、津付ダム、簗川ダムの見直し、検証についてお聞きします。
 本会議での私の質問に対する知事答弁では、できるだけダムに頼らない治水への政策転換について、基本的に国民の利益に資するものと答え、新たな基準が示された場合には、その段階で適切に対応していく、こう答弁がありました。
 今後の治水対策のあり方に関する有識者会議の開催状況と検討内容をどういうふうに把握しているでしょうか。
〇今野河川開発課長 有識者会議についてでございますけれども、平成21年12月3日に設置された有識者会議は、平成22年3月10日までに6回開催されているところでございます。
 また、検討内容は、できるだけダムに頼らない治水への政策転換を進めるため、幅広い治水対策案の立案手法、新たな評価軸の検討、総合的な評価の考え方等についてであり、各委員からの発表、委員以外の有識者からの発表とヒアリングを行っている状況と把握しているところでございます。
〇斉藤信委員 国の検証ダムに、津付ダムも簗川ダムもその対象になっております。この検証ダムについては、前原大臣からの資料提供で現段階を継続する必要最小限の予算案とするよう求められていましたが、来年度の両ダム事業の内容はどうなっていますか。
〇今野河川開発課長 来年度の事業内容についてでございますけれども、両ダムとも、平成22年度当初予算における事業内容は、つけかえ道路工事や猛禽類のモニタリング等の環境調査等を主に行うものとしております。
〇斉藤信委員 それにしては、かなり高額の予算が盛り込まれているのではないかと思います。
 簗川ダムについては、来年度、再評価─再々評価と言ってもいいと思いますが─が行われます。津付ダムについては、検証基準が示された場合に、大規模事業評価専門委員会に改めて再評価をするかどうかの諮問を行うとなっていると思いますが、当初だと4月早々から簗川ダムの再評価は行われるわけですが、今回の場合、8月末に国の見直し方針が定まるとなっていますが、これは、簗川ダムの問題はどういうふうに進めるのでしょうか。
〇今野河川開発課長 簗川ダムの再評価でございますけれども、簗川ダムにつきましては、前回評価から5年が経過していることから、来年度の大規模事業評価専門委員会に再評価を諮問する予定でございます。
 これにつきましては、2月10日に開催された第8回大規模事業評価専門委員会において、今までの国の動向について説明した結果、新たな基準がことし夏ごろに有識者会議で取りまとめられる予定とされていることから、その基準が示された段階で、大規模事業評価専門委員会に報告し、意見を聞いて適切に対応したいと考えております。
〇斉藤信委員 そうすると、簗川ダムの再評価は、国の新しい検証基準が示されてからと。かなり短期間の審査で、来年度の予算にかかわってくるんですよね。もう本当に9月、10月ぐらいに方向性を出さないと、来年度予算の予算編成ということになって、いつも十分な議論をしないで結論を急ぐということがこれまでもありました。
 いずれにしても国の方針が180度今変わろうとしているときですから、私は、新基準が示されてからの再評価でやむを得ないと思うけれども、ただ、その際、期間がないからというので徹底した検証が行われないようなことがないように、ひとつこれは求めておきます。
 それで、私は、再評価に当たってもう一つ提起しておきたい問題は、ダム事業が環境に与える影響を正しく評価すべきだと思います。
 NHKが昨年から、いわて自然遺産という特集を組みまして、この中で、簗川にサクラマスが戻ってきている、北上川を200キロさかのぼってきているという、これは全国でも全く珍しいと。いわばサクラマスが戻る清流なんですよ。
 私は、もちろんサクラマスだけではなくて、クマタカや、さまざまな貴重種、希少な動植物がたくさんある地域なんですけれども、こうした環境に与えるリスクというのは、本来、ただ移植とかなんとかすればいいということではないと思うんです。一度破壊したものは戻らないわけですから。そういうものもきちんと評価すべきだと。
 気仙川につきましても、ここはサクラマスが大量に産卵している、そういう点でも全国有数の川だと、これは専門家がそういうふうに指摘しております。私は、きょうはサクラマスのことしか指摘しませんが、それ自身が貴重な……(「それしかないんじゃないか」と呼ぶ者あり)冗談じゃない、あなた。クマタカから、レッドデータブックのAランクから、もう山ほどあるのですよ。だから、環境委員会をつくってやっているのですよ。県議会も認識を改めなければだめですよ。
 外野席にちょっと反応しましたけれども、NHKで、いわば100年後に残したい岩手の自然遺産と、これはテレビで見た人も多いと思うので私は特に紹介しましたが、そうした環境破壊という問題をダム事業の必要性の中でしっかり評価の項目に入れるべきだと思いますが、この点はいかがでしょうか。
〇佐藤県土整備部長 今、簗川ダムについては、御指摘のような非常に良好な河川環境、周辺環境ではあります。ただ、一方では、例えば100年確率の洪水が発生した場合には、ダム下流では床上浸水被害が想定される家屋が約680戸あって、想定被害額は約1、280億円と見込んでいるところです。
 一方、津付ダムですけれども、やはり気仙川というのは非常に良好な河川環境ではあります。一方では、30年確率の洪水が来た場合には、ダム下流では床上浸水被害の家屋が約1、600戸ぐらい、それから想定被害額は約760億円ぐらいと見込まれております。
 したがって、今、御指摘の良好な環境と、このような治水の必要性をいかに共生させていくか、いかに両立させていくかが課題になっているのではないかと考えているところでございます。
 先ほど答弁申し上げました有識者会議でも、その環境に関する論点も主な論点として取り上げられておりますので、今後の有識者会議の議論の動向を見ながら、また、私が先ほど申し上げた簗川ダムあるいは津付ダムの治水の必要性も勘案しながら、県としても適切に対応していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 佐藤部長から答弁があるとは思っていなかった。河川課長以来、佐藤部長とは、時には激しく論戦をして、私は本当に名残惜しいんだけれどもね。
 実は今、被害想定を言われたけれども、これは全然反論にならないのですよ。本来、ダム事業というのは、ダムでなければならないというときに初めてダム建設事業に着手すべきなのです。簗川の場合でも津付の場合でも、河川改修で対応可能なのですよ。そうすれば環境破壊に手をかけなくてもよいと。代替案があるのですよ。しかし、簗川にしても津付にしても、先にダムありきでこの事業は計画されてきた、ここに根本的な問題があるのです。
 簗川の場合は、根田茂川と簗川上流の合流地点にダムをつくるために、根田茂川上流のほうが約2倍の集水面積があるんですよ。なだらかな川で、洪水の区域が変わっている。いわば自然の川で洪水を調節しているすばらしい川なんですよ、簗川というのは。だから、河口付近は100年に1回の洪水にも対応できる川幅があるのですよ。越水しない、そういう堤防を強化すれば、簗川の洪水は対応できる。津付なんか、30年に1回の洪水は、河川改修のほうが安くつくんですよ、90億円も。だから、今の答弁は率直に言って全く答弁にならないんだけれども、やりますか、これを。
 ダムの必要論というのは代替案のない場合です。しかし、簗川にしても津付にしても代替案がある。津付の場合は、河川改修のほうが90億円も安くなるのに、無理してダムをつくるところに二重の無理があるのですよ。これは指摘だけにとどめて、反論するならどんどん反論してください。望むところです。
 津付のサクラマスについては、専門家が、実はあそこに発電用の古いダムがあるんですね。それで魚道があるんだけれども、階段式の魚道で、よほどの洪水のところでなければ、サクラマスはそこを乗り越えられないものなんですよ。こういう古い発電所が本当に今も必要なんだろうかという大変重大な指摘もしていますが、そこらのことはわかっていますか、河川課総括課長。
〇佐藤河川課総括課長 大股川の下流に、今、委員御指摘の発電所の取水堰がございます。そこに魚道は設置されておりますけれども、下流の河床が洗掘される等により、その機能を十分に発揮していないということも承知しております。
 これは河川の占用許可工作物でございますけれども、私ども河川管理者として、占用者であります東北電力に申し入れをいたしております。具体的な時期についてはまだ私も確認できておりませんが、魚道の改良をしていただくという方向で調整を進めているところでございます。
〇斉藤信委員 それでは、ダムの問題に関連して、胆沢ダムの問題についても一言お聞きします。
 これは、国の直轄ダム事業負担金で来年度も約30億円の負担をしております。実は、一番新しい赤旗新聞日曜版に、胆沢ダムの談合問題が証拠を含めて指摘されています。
 実は、ダム事業の下請工事会社である大手山崎建設、そして大阪の砕石工業所が、どの時期に、どのダムを、どの企業が受注するかという一覧表をつくっていたと。例えば胆沢ダムで言えば大成建設、これは、最初一括発注の予定だった。これが三つに分かれて、結局は鹿島、大成、西松になったんです。そういうふうに書かれているんです。鹿島、大成、西松。岩手県に係って言いますと、鷹生ダムは清水建設、北本内ダムは大成建設。鷹生ダムはこのとおりになりました。北本内ダムは中止しましたから、これはペケになりました。
 そして、国会の中でも、実は堤体盛り立て工事、これは2004年に入札で鹿島が193億円でとったのですが、談合情報があって、そのとおり落札になった。原石山材料採取工事、これは2005年入札。大成建設が落札して、下請は水谷建設だったけれども、談合情報どおり落札した。三つ目は、西松が洪水吐き打設工事を95億5、000万円。三つの工事とも、談合情報があって、そのとおり落札した。これは、政府も認めて徹底調査を約束しました。
 これは、談合が認められれば、予定価格の16.5%は不当利益になるんですよ。これは、岩手県も30億円も来年度負担金を出すというね。こういう点からいくと徹底した談合疑惑の調査を国に求めるべきではないか。今までの胆沢ダムの負担金の総額は幾らになりますか。
〇今野河川開発課長 胆沢ダムの県の負担金でございますけれども、これまで投資した事業費が1、850億円程度ございますので、それの大体14%から15%が県の負担だと考えております。
〇斉藤信委員 もう一つ聞いたでしょう。談合。
〇佐藤県土整備部長 私どもとしては承知しておりません。
〇斉藤信委員 これは国会で政府は認めて、徹底調査をすると言っているんですよ。一番新しいものにきちんと証拠文書をつけて出していますから。国会でも明らかになっている問題ですからね。これは岩手県もかかわっているんですから、金を出しているんですから、徹底調査をぜひ求めて─知らない、知らないって、教えているんだから、知らないなんて言わないでやっていただきたい。
 次に、住宅リフォーム助成事業についてお聞きします。
 県内市町村で住宅リフォーム助成が広がっています。大きな効果を上げていますが、県として実施市町村、助成額、事業費総額をどう把握しているでしょうか。来年度新たに実施する市町村も含めて示していただきたい。
〇大水建築住宅課総括課長 県内市町村のリフォーム助成についてでございますけれども、今年度は、奥州市など9市町村で助成を実施しております。補助限度額は、岩手町が50万円となっており、その他の市町村では10万円から20万円となっております。助成の総額は、9市町村で合わせて6、380万円という状況です。
 また、来年度につきましては、新たに2市4町でリフォーム助成を開始する予定と聞いております。
〇斉藤信委員 今、9市町村で実施して、来年さらに2市4町に広がると。奥州市の場合、600万円程度の助成で2億円の事業費になっているんですよ。八幡平市は、これは20万円という限度額を引き上げまして、1、000万円の予算がどんどん3、000万円まで膨らんで、これまた2億円を超える事業費になったと。
 私は、県内でこんなに利用の多い、経済効果の高い事業はないんだと思うんですね。ここまで広がったら、県も、例えば消費税分は県が面倒見ましょうと。これを全市町村に広げる、その枠をもっと拡大するということのほうが、県産木材の活用にとっても、そして住宅の改修にとっても、私は最も効果的な方向だと思いますが、いかがでしょうか。
〇大水建築住宅課総括課長 住宅のリフォームに対する補助につきましては、秋田県等、他県においても実施されておりまして、住宅の改修に対する需要関係に一定の効果があるのではないかと考えております。
 岩手県におきましても、住みたい岩手の家づくり促進事業という来年度創設する事業におきまして、新築とあわせて、増改築についても、県産材を使用し一定の省エネルギー性能を確保するものについては、利子額の一部を助成するということで進めてまいりたいと考えております。
 県といたしましては、岩手型住宅の普及促進や助成制度の活用などの施策を県内工務店と連携して進めていくことで、住宅リフォームの促進を図ってまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 岩手型住宅の推進も私は否定しませんよ。しかし、今、実際に県内市町村で、やっぱり効果があらわれている、広がっている。こういう取り組みこそ、県が応援して全市町村に広げるべきではないかと言っているんですよ。岩手型住宅はいいけれども、あれは100戸程度でしょう。耐震改修助成もいいんだけれども、残念ながら100戸程度、100戸まで行かないですよ。これは今年度の実績見込みを後で示してほしいけれどもね。
 耐震診断、耐震改修、来年度の予算は105戸だ。これは、やっぱり数百戸、1、000戸という形で、それだったらすぐ県民もやりたいと、私はこういう形が出ているんだと思うんですね。やっぱり需要のある、県がやればはっきり効果が広がる、地元の工務店も助かると。地元の工務店も本当に求めていますよ。私は、そういう意味では、こうして広がって効果もあるものこそ、県が受けとめてやるべきではないか、改めてお聞きします。
〇大水建築住宅課総括課長 リフォームに対する助成につきましてですが、県内でも各市町村における取り組みが進んできていると思っております。
 また、国におきましては、住宅版エコポイント制度ということで新たに助成がスタートしているという状況でございますので、こうした国あるいは市町村の動向を見ながら、岩手県におきましても、来年度新たな制度を創設しますので、その応募の状況を見ながら、今後の適切な制度の運用を図ってまいりたいと考えております。
〇澤村建築指導課長 木造住宅の耐震診断及び耐震改修の状況につきまして、あわせて御質問いただきましたので、お答えいたします。
 平成21年度は、耐震診断につきましては、県内33市町村において、2月末現在559戸実施されております。対前年度比ですと約83%になります。
 耐震改修につきましても、33市町村が補助制度を設けており、今年度は26市町村で74戸が実施されております。対前年度比約128%となっております。
〇斉藤信委員 先ほど私が強く求めたので、ぜひ今後、今、広がって、要求のある、需要のあるこういうものに対応するように考えていただきたい。
 次に、時間がありませんので、花巻空港整備事業についてはまとめてお聞きします。
 3月9日、国土交通省が明らかにした国内線需要予測と2008年実績、これはどう受けとめているでしょうか。花巻空港は、83万人に対し35万人、42%と発表されていますが、これは、恐らく当初の需要予測ということを国土交通省は基準にしているのではないか。
 321億円の花巻空港整備事業の当初の目的、県単独事業として実施した理由、結果として目的、目標からかけ離れた過大な事業となったことについての受けとめ、さらに、国際チャーター便の利用実績はどうなっているでしょうか。
〇波々伯部空港課総括課長 まず、1点目、国内線の需要予測とその実績についてでございます。
 3月9日に国土交通省が公表いたしました数値につきましては、今、委員御指摘のとおり、平成10年度に実施いたしました当初の需要予測の平成16年度時点での予測数値でございます。
 なお、需要予測につきましては、GDP、人口等の社会経済指標を用いまして、地域間の旅客流動量などの長期的なトレンドに基づいて算出しておるものでございますけれども、実際の利用者数につきましては、その時々の経済状況や航空会社の経営状況、あるいは具体的な路線、便数の状況などによって左右される面があるものと考えております。
 花巻空港の具体的な乖離の原因につきましては、近年における景気低迷等による落ち込みというものもありますし、また、予測時点で想定した路線が、実際には実現しなかったですとか、あるいは、その後、福岡線等の運休などで、やはり花巻空港発着の路線、便数が減少したのが大きな原因ではないかと考えております。
 次に、花巻空港整備事業の当初の目的についてでございますけれども、花巻空港整備事業は、地域間交流の活発化ですとか、あるいは本格的な国際化時代の到来に対応いたしまして、内外に開かれた県土の形成を推進するために、国内外との交流拠点として整備するということであったわけでございます。
 中でも、県単独事業である平行誘導路の整備につきましては、当初の目的は、今申し上げたとおりでございますけれども、近年、大型機のチャーター便の就航ニーズに対応できずに花巻空港での受け入れを断念するような事例も発生していることから、改めて再検証いたしまして、引き続き継続して整備をしていくということでさせていただいているものだと認識しております。
 最後に、国際チャーター便の利用実績につきまして、こちらのほうは、年度によってばらつきはあるものの、平成16年度以降、最近5年間ぐらいで見ますと、毎年80便から110便程度、利用者数で見ますと1万人から1万9、000人程度ございまして、今年度も、これまでの間に69便、利用者数で約9、000人の利用実績となっております。
〇斉藤信委員 これは、国土交通省の発表では、69空港中9割が予測を下回ったと。その中でも42%というのは達成率が低いほうですよ。福岡便がなくなったとか、名古屋便がこれからなくなる最大の理由は利用率なんですよね。勝手に路線がなくなったというよりはね。結局、全国的に9割がこうなっているから日航が破綻するわけでしょう。私は今、全国的に日本の航空行政のあり方が問われているんだと思うんですよ。
 私は、そういう中で321億円の花巻空港整備事業は、ほとんどこれは県の判断で、県単独事業で進められたというところに、県行政の責任があるんだと思います。
 最後です。私も湾口防と津波対策について一言だけ質問したいと思います。
 大船渡港の湾口防の効果、釜石、久慈の場合は効果があったのか。さっきあったと言いましたけれども、検証できるような形で本当にあったのかどうか、そこを明確に教えていただきたい。
 そして、大船渡港の湾口防の場合、私は農林水産部でも言ったんですが、湾口防の両側で養殖施設の被害が集中したと。その際、航路回復の指示が海上保安庁から出されて、漁民が、注意報のさなかに、この浮遊物の撤去に取り組んでいるんですよね。こういうものは漁民にさせなくてはならないものなのか。本当に、被害も受けて、そして撤去もしなくてはならないと。この被害の原因なんかも含めて、私は、港湾の部門からも徹底した検証、分析が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 また、全県的な防潮堤、防波堤の整備状況はどうなっているでしょうか。
〇野中港湾課総括課長 津波対策の効果についてでございますけれども、大船渡港の最大津波高は、湾口防波堤外側の気象庁の検潮所で0.4メートルを記録してございます。一般的にリアス式海岸の湾奥では津波高が大きくなることになりますけれども、大船渡湾の場合は、湾奥で津波高が大きくなる傾向は見られず、湾口防波堤の効果があったと考えております。
 また、釜石港では、湾奥にあります気象庁の検潮所の最大津波高の記録が0.5メートルでございまして、同様に効果があらわれているものと考えております。
 久慈港では、湾奥の諏訪下地区の検潮所でございますけれども、最大津波高1.2メートルと大船渡港、釜石港に比べて大きい記録がございますが、これは、湾口防波堤が整備途中であるため、まだ効果があらわれていないものと思われます。
 大船渡港の湾口防波堤の両側で被害が集中したことにつきましては、津波が湾口防波堤の開口部を通過した際に、防波堤の両側に渦状の流れが生じまして、これにより養殖施設が流されたのではないかと聞いております。
 また、航路上に養殖施設が流されたため、海上保安部が、その撤去の間、船舶の航行等の制限を行ったと聞いてございます。
 今後、農林水産部、あるいは湾口防波堤の設置者である国などと相談しながら、実態調査等を行ってまいりたいと考えております。
〇佐藤河川課総括課長 県内の防潮堤の整備状況についてでありますが、県全体の海岸線の延長約709キロメートルのうち、津波対策が必要な延長は約79キロメートルとなっております。そのうち、平成20年度末時点で、約57キロメートルについては、既往の津波高さをもとに定めた計画津波高さまで整備が完了しております。その整備率は約72%となっております。
〇野中港湾課総括課長 防潮堤に加えまして、津波対策の防波堤の整備率についてもお答え申し上げます。
 久慈港につきましては、平成2年度から着手しておりまして、現在の事業費ベースの進捗率は32.1%となってございます。釜石港につきましては、昭和53年度に着手しまして、平成20年度に完成してございます。また、大船渡港の湾口防波堤につきましては、昭和37年に着手しまして、昭和41年度に完成してございます。
〇中平均委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇中平均委員長 質疑がないようでありますので、これで県土整備部関係の質疑を終わります。
 県土整備部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 お諮りいたします。当委員会に付託されました議案32件についての意見の取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室において各会派の代表の方々で御協議を願い、その結果を待って、委員会を開き、結論を出すことにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇中平均委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 この際、意見の取りまとめのため暫時休憩いたします。
   午後3時15分 休 憩
午後6時1分 再開
〇中平均委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 当委員会に付託されました議案32件について、各会派の代表の方々で協議した結果を御報告申し上げます。
 議案第1号平成22年度岩手県一般会計予算については、次の意見、すなわち、我が国の経済情勢は、緩やかに回復していくものと見込まれるものの、なお自律性は弱く、失業率が高水準にあるなど厳しい状況にある。県内においても、一部に持ち直しの動きが見られるものの、厳しい状況が続いている。
 このような中にあって、本県の財政は、県税収入が平成22年度においても落ち込み、20年ぶりに1、000億円を下回ることが見込まれる一方で、国の平成22年度地方財政対策により、臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税が増額されたことなどから、厳しい経済、雇用情勢等に適切に対応するための財源が確保される見込みとなったものの、総体としては県債に大きく依存した財政運営が続いている。
 また、国の経済対策に伴い発行した県債の償還が、当分の間、高い水準で推移することや、主要3基金の残高が大きく減少し、いまだ回復していないことなどから、今後の財政運営の見通しは依然として厳しいものとなっている。
 県は、喫緊の課題である雇用対策や地域経済の底上げに意を注ぎながら、昨年度を大きく上回る積極型の当初予算としたところであるが、このような深刻な財政見通しを踏まえ、今後の行財政運営に当たっては、引き続き地方税財政制度の改革を国に強く働きかけるほか、あらゆる角度からの歳入確保の取り組みを強化する一方、いわて県民計画のアクションプランに基づく改革を着実に推進し、安定した行財政基盤の構築に努められたい。
 また、いわて県民計画に掲げる希望郷いわての実現に向けて、雇用の創出・就業の支援、地域経済の活性化、地域医療の確保、さらには人口の社会減への歯どめなど、本県が直面する課題の克服に取り組むほか、県民との協働事業の展開に当たっては、その適切・着実な推進に努めるとともに、本県の豊かな自然に根差した地域資源の積極的な活用にも配意しながら、計画に盛り込まれたさまざまな施策の着実な推進に努められたい。
 さらには、新たにスタートする4広域振興局体制のもと、地元市町村との緊密な連携を図りながら、総合力、機動力を発揮した地域経営を推進し、特にも、県北・沿岸圏域の振興に積極的に取り組むとともに、多発する自然災害に対する防災力の強化を図り、県民一人一人がともに支え合いながら生き生きと働き、安心して暮らし、楽しく学んでいくことができる、希望あふれる県土の形成と均衡ある発展が実現されるよう、一層の努力をされたい旨の意見を付し、原案を可とすることといたし、次に、議案第13号平成22年度岩手県立病院等事業会計予算については、次の意見、すなわち、我が県の地域医療は、過去の国の医師抑制策による深刻な医師不足、とりわけ勤務医の不足と診療科目の偏在という医療資源の問題と、医療費抑制を目的に診療報酬が減少傾向にあることによる経営的問題という、二つの深刻な課題に起因する危機に依然としてさらされている状況にある。
 こうした経緯を踏まえ、地域診療センターの無床化を含む岩手県立病院等の新しい経営計画が実施されているところではあるが、前記の二つの問題の根本的な解決には至っておらず、このままでは、現状での医療提供体制の量的、質的維持が極めて困難な状況にある。
 今後の運営においては、地域医療のみならず地域福祉の観点からも早期の医療再生に取り組む責務を強く自覚し、医師の離職防止、行政と住民が一体となり地域を挙げた医師招聘の積極的展開、医師養成のための環境整備、高齢化が進む岩手県に求められる医師の育成のための研修プログラムの充実などの取り組み等、育成、養成、定着のそれぞれの側面で、医療資源の充実につながるあらゆる手段を講じられたい。
 その上で、引き続き地域医療をめぐる提供側と住民との相互理解と市町村との相互協力体制、とりわけ保健・医療・福祉分野での一体的な政策展開体制等の構築を可及的速やかに進め、県民の理解と協力を得て英知を結集できる環境を充実させる必要がある。
 また、無床化された地域診療センターについては、民間の力を借りた入院ベッドの復活など空きスペースの活用方策が進められているが、これまでの経緯にかんがみ、県として、引き続き当該地域の医療の充実に特段の努力と支援を図られたい。
 なお、今後の医療政策の方向性、財政負担のあり方、医療局の組織及び県立病院等の経営形態のあり方の検討などを進め、県民に良質な医療を持続的に提供できるよう努められたい旨の意見を付し、原案を可とすることといたし、また、そのほかの議案については、それぞれ原案を可とすることといたした次第であります。
 これより討論を省略し、採決を行います。
 まず、議案第1号について採決いたします。
 本案は、先ほど読み上げました意見を付し、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇中平均委員長 起立多数であります。よって、議案第1号は、先ほど読み上げました意見を付し、原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、議案第13号について採決いたします。
 本案は、先ほど読み上げました意見を付し、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇中平均委員長 起立多数であります。よって、議案第13号は、先ほど読み上げました意見を付し、原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、議案第12号及び議案第15号から議案第19号まで、以上6件について一括して採決いたします。
 各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇中平均委員長 起立多数であります。よって、議案第12号及び議案第15号から議案第19号までは、原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、議案第2号から議案第11号まで、議案第14号、議案第20号、議案第24号から議案第28号まで、議案第30号から議案第34号まで、議案第68号及び議案第69号、以上24件について一括して採決いたします。
 各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇中平均委員長 起立全員であります。よって、議案第2号から議案第11号まで、議案第14号、議案第20号、議案第24号から議案第28号まで、議案第30号から議案第34号まで、議案第68号及び議案第69号は、原案を可とすることに決定いたしました。
 以上をもって当特別委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。委員各位の御協力に対しまして、深く感謝を申し上げます。
 これをもって予算特別委員会を閉会いたします。(拍手)
   午後6時8分 閉 会

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