平成22年2月定例会 予算特別委員会会議録

前へ 次へ

平成22年3月16日(火)
1開会  午前10時4分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    浅 田 和 夫
  議事管理担当課長 菊 池 達 也
  主任主査    石木田 浩 美
  主任主査    岩 渕 伸 也
  主任主査    鈴 木 文 彦
  主任主査    藤 原 由喜江
  主査    菅 原 俊 樹
  主査    大 森 健 一
1説明員
  教育委員会委員長 八重樫   勝
  教育長    法 貴   敬
  教育次長兼
  教育企画室長   遠 藤 達 雄
  教育次長兼
  学校教育室長   佐々木 修 一
  教育企画室
  企画課長    佐 藤   博
  予算財務課長   高 橋 宏 弥
  学校施設課長   宮 野 孝 志
  学校企画課長   宮   卓 司
  首席指導主事兼
  義務教育課長   小 岩 和 彦
  首席指導主事兼
  高校教育課長   佐 藤 成 人
  高校改革課長   上 田 幹 也
  首席指導主事兼
  特別支援教育
  担当課長    鈴 木 長 幸
  主任指導主事兼
  生徒指導担当課長 佐 藤 淳 子
  首席指導主事兼
  産業教育担当課長 佐々木   淳
  生涯学習文化課
  総括課長兼
  県立埋蔵文化財
  センター所長   大 月 光 康
  文化財・世界遺産
  課長兼
  県立埋蔵文化財
  センター副所長  中 村 英 俊
  スポーツ健康課
  総括課長    川 口 仁 志
  教職員課総括課長 及 川 伸 一
  首席経営指導主事
  兼小中学校人事
  課長    菊 池   宏
  首席経営指導主事
  兼県立学校人事
  課長    高 橋 和 雄

  企業局長     千 葉 勇 人
  企業局次長兼
  経営総務室長   太 田 和 男
  企業局技師長   池 内   達
  経営総務室
  管理課長    鈴 木 清 也
  経営企画課長   中屋敷   暢
  業務課総括課長  菅 峨 範 夫
  電気課長    野 崎 明 裕

  予算調製課
  総括課長     八 矢   拓
〇中平均委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第24号から議案第28号まで、議案第30号から議案第34号まで、議案第68号及び議案第69号の以上32件を一括議題といたします。
 本日は、教育委員会及び企業局関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、教育長から教育委員会関係の説明を求めます。
〇法貴教育長 それでは、平成22年度の当初予算に係る教育委員会関係の説明を申し上げます。
 平成22年度における教育委員会所管予算については、いわて県民計画アクションプランの確実な推進により、人材・芸術文化の宝庫いわての実現に向けて、地域や学校の現状や課題とニーズなどを踏まえ、必要な分野に重点的に予算を配分する選択と集中に配意して編成を行ったところです。
 平成22年度教育施策の重点事項は、いわて県民計画に掲げる家庭、地域との協働による学校経営の推進、知・徳・体を備え調和のとれた人間形成、生涯を通じた学びの環境づくり、文化芸術の振興及び豊かなスポーツライフの振興の五つを主要な柱として、教育施策を推進してまいりたいと考えています。
 まず、一つ目の柱である家庭、地域との協働による学校経営の推進については、これまでの3年間の各学校における取り組みの成果を明らかにしながら、家庭、地域との協働による目標達成型の学校経営を一層推進してまいります。
 二つ目は、知、徳、体を備え調和のとれた人間形成です。
 学習面、生活面における基礎、基本の確実な定着など、学校教育の充実に向けた取り組みを推進するため、児童生徒の学力向上、豊かな心をはぐくむ教育の推進、健やかな体をはぐくむ教育の推進、特別支援教育の充実に力を入れてまいります。特に、本県の学力向上、生徒指導対策に係る課題分析をもとに、中学校での学校生活における生徒一人一人へのきめ細やかな対応を図るために、人員配置を手厚くし重点的に取り組みを推進してまいります。
 三つ目は、生涯を通じた学びの環境づくりです。
 県民一人一人が生涯にわたる学びを通じて郷土への誇りを持ち愛着を深めるとともに、地域づくりの推進に生かされるよう、学びの場いわてとしての環境づくりを推進してまいります。
 四つ目は、文化芸術の振興です。
 文化振興基金を効果的に活用し、文化芸術を核としたまちづくりなど文化芸術活動への支援を行うとともに、歴史遺産の継承と伝統文化の振興を図ってまいります。
 五つ目は、豊かなスポーツライフの振興です。
 生涯スポーツの振興とともに、平成28年に本県で開催される岩手国体などに向けた競技力の向上のためのハード面、ソフト面にわたる環境整備の充実を図ってまいります。
 以上が教育施策の重点事項の概要です。
 次に、平成22年度岩手県一般会計予算のうち、教育委員会関係について説明申し上げます。
 お手元の議案その1の8ページをお開き願います。議案第1号平成22年度岩手県一般会計予算ですが、第1表歳入歳出予算の歳出の表中、教育委員会が所管する予算は、10款教育費の1項教育総務費から7項保健体育費までと、9ページの11款災害復旧費のうち、3項教育施設災害復旧費を合わせ総額1、362億3、097万円となります。これを前年度当初予算額と比較しますと12億479万円余、率にして0.9%の減となっており、主に教職員の人件費の減少によるものです。
 各項目ごとの内容につきましては、便宜、お手元の予算に関する説明書により説明申し上げます。予算に関する説明書の205ページをお開き願います。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事項を中心に説明申し上げますので、御了承願います。
 10款教育費1項教育総務費1目教育委員会費は、教育委員会の運営に要する経費です。205ページから206ページにわたる2目事務局費は、事務局の管理運営に要する経費、関係県などが共同で設置している日本の次世代リーダー養成塾の負担金及び外国語指導を行う外国青年招致事業に要する経費です。206ページをお開き願います。3目教職員人事費は、教職員の健康診断など人事管理に要する経費のほか、子ども手当、退職手当などに要する経費です。207ページの4目教育指導費は、教職員の研修や学校教育に係るソフト事業に要する経費です。その主な内容として、説明欄の5行目の児童生徒健全育成推進費ですが、不登校やいじめなどの学校不適応に対応するため、スクールカウンセラーをすべての中学校で活用できるよう配置するとともに、高校への配置もふやし、専門的な相談機能の充実を図ります。また、携帯電話やインターネットなどによる問題行動の減少を目指して、情報モラル教育の充実や保護者などへの啓発活動などを行うものです。中ほどの特別支援教育推進事業費は、共に学び、共に育つ教育を目指すいわて特別支援教育推進プランに基づき、障がいのある児童生徒が充実した学校生活を過ごすことができるよう支援員や教育補助員、看護師を配置するほか、幼稚園から高等学校までのすべての学校において特別支援教育の充実強化を図るものです。3行飛びまして、学校、地域の協働によるキャリア教育推進事業費は、キャリア教育を推進するため、工業高校の技術指導など実践的教育や普通高校の企業体験の推進に要する経費です。次の、いわてコミュニティ・スクールステップアップ事業費は、小・中学校が、保護者や地域と協働しながら目標達成型の学校経営の実現を目指す取り組みの支援に要する経費です。次の、いわて未来創造人サポート事業費は、家庭、地域と協働して、岩手の特色ある産業、文化を支える人材を育成するなど、生徒の進路実現に向けた県立学校の取り組みに要する経費です。次の、いわて進学支援ネットワーク事業費は、生徒の進路希望達成を支援し、将来の岩手を支える人材を育成するため、合同企画による外部講師の講座や各学校の進学指導の取り組みに要する経費です。1行飛びまして、中高連携英語力向上推進事業費は、中学生及び高校生を対象とした英語能力判定テストの実施や指導改善研修会の開催により、生徒の英語力及び教員の授業力の向上を図るために要する経費です。1行 飛びまして指導運営費は、理科支援員の配置や学習定着度状況調査の実施に要する経費のほか、文部科学省からの研究委託事業などの実施に要する経費です。207ページから208ページにわたる5目教育センター費は、教職員の研修などに要する経費のほか、総合教育センターの管理運営に要する経費です。208ページをお開きください。6目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料等です。
 209ページの2項小学校費1目教職員費は、小学校教職員の人件費、旅費等であります。また、すこやかサポート推進事業費は、少人数指導のため引き続き非常勤講師を配置しようとするものです。
 210ページをお開きください。3項中学校費1目教職員費は、中学校教職員の人件費、旅費などの経費です。
 なお、1行目教職員費には、中学校1年生への35人学級の試行の継続、理科、数学の授業時数増への対応などに必要となる教員の配置に要する経費、及び生徒指導や学習定着状況などで課題のある学校への非常勤職員の配置に要する経費を含んでおります。
 2目学校管理費は、併設型中高一貫教育校として、昨年4月に開校した県立一関第一高等学校附属中学校の管理運営に要する経費です。
 212ページをお開き願います。4項高等学校費1目高等学校総務費は、高等学校教職員の人件費、旅費などの経費のほか、説明欄の3行目、高等学校教育改革推進費は、再編統合に伴うバス運行費補助及び新しい県立高校整備計画の検討などに要する経費です。212ページの2目全日制高等学校管理費、213ページの3目定時制高等学校管理費は、それぞれの管理運営などに要する経費です。214ページをお開きください。4目教育振興費は、高等学校における教育用備品の整備、農業及び水産業教育などの実験実習に要する経費のほか、下から四つ目、高校奨学事業費補助は、高校生向け奨学資金などを財団法人岩手育英奨学会に対し補助するものです。214ページから215ページにわたる5目学校建設費は、高等学校の建物等施設整備に要する経費です。校舎建設事業費は、高等学校の再編整備として、釜石商工高等学校の第二体育館の改築工事を行うものであり、215ページの体育館建設事業費は、手狭になった岩谷堂高等学校の第一体育館の改築を行うとともに、耐震補強が困難である宮古高等学校第二体育館の改築工事を行うこととしております。校地整備事業費は、一戸高等学校及び大船渡東高等学校において工事を継続するほか、新たに岩谷堂高等学校において工事に着手することとしています。次の校舎大規模改造事業費は、花北青雲高等学校ほか8校において、校舎や屋内運動場の耐震補強工事などを実施することとしております。このほか、校舎、教職員住宅などの整備、維持管理に要する経費を計上しております。6目通信教育費は、通信教育の管理運営に要する経費です。
 216ページをお開きください。5項特別支援学校費1目特別支援学校費は、特別支援学校教職員の人件費などの管理運営に要する経費、花巻清風支援学校の下水道切りかえや各校の維持管理に要する経費です。
 218ページをお開き願います。6項社会教育費1目社会教育総務費は、社会教育関係職員の人件費のほか、子供の読書活動の推進及び児童生徒の安全・安心な居場所を設置する放課後子ども教室への補助など、生涯学習推進に要する経費などです。特に、各地域に定着している教育振興運動の推進に要する経費と、一番下の指導運営費中、学校と地域を結ぶコーディネーターを配置する共同推進事業の委託と補助により、学校、家庭、住民等が総ぐるみで地域の教育課題の解決に取り組んでまいります。また、全国生涯学習フォーラム開催事業費は、平成23年本県開催に向けた準備に要する経費です。218ページから219ページにわたる2目文化財保護費の主な内容としては、219ページの1行目、文化財保護推進費は、指定文化財の保存、修理への補助、民俗芸能の伝承を促進するほか、北海道、北東北の縄文遺跡群及び九州、山口の近代化産業遺産群の世界遺産登録に向けた取り組みの支援に要する経費です。柳之御所遺跡整備調査事業費は、国指定史跡柳之御所遺跡の学術調査を行うほか、史跡公園として整備、公開に要する経費であり、一つ飛んで、世界遺産登録推進事業費は、平成23年の平泉の文化遺産世界遺産登録に向けてイコモスによる現地調査に対応するほか、県民などの機運の醸成などを行うための経費です。219ページから220ページにわたる3目芸術文化振興費は、青少年へのすぐれた芸術鑑賞機会の提供、中高校生の芸術文化活動の支援、岩手芸術祭の開催に要する経費などの芸術文化振興に要する経費のほか、県民会館の管理運営に要する経費等です。220ページをお開きください。4目図書館費は、県立図書館の管理運営に要する経費等です。5目博物館費は、県立博物館の管理運営に要する経費ですが、平成22年度においては、北東北3県の共同展及び開館30周年を記念した特別展、いわて漆の文化─これは仮称でございますが─を開催することとしております。221ページの6目美術館費は、県立美術館の管理運営に要する経費です。
 222ページをお開き願います。7項保健体育費1目保健体育総務費は、保健体育関係職員の人件費、県立学校学校医や児童生徒の検診その他保健管理に要する経費及び指導運営に要する経費です。222ページから223ページにわたる2目体育振興費は、生涯スポーツの振興に要する経費、国民体育大会への本県選手団の派遣経費、児童生徒の体力、運動能力の向上対策に要する経費、各種体育大会への選手派遣に要する経費への補助及び競技力向上のための事業実施に要する経費です。その主な内容としては、2行目の生涯スポーツ推進費は、総合型スポーツクラブ及び指導者育成のための経費、高田松原野外活動センターでの研修事業の実施などに要する経費です。下から2行目の児童の体力向上推進事業費は、小学校体育指導者の授業力の向上のための研修を行うとともに、小学校体育や中学、高校部活動に地域のスポーツ人材を派遣するために要する経費です。223ページの中ほど、競技力向上対策事業費は、国民体育大会出場選手や中学・高校生選手の強化対策及びジュニア選手、いわてスーパーキッズの早期発掘と育成などの実施に要する経費です。3行飛びまして、第71回国民体育大会選手強化事業費は、平成28年に本県で開催される国民体育大会に向け、競技団体と連携して選手強化を図るほか、全国中学校体育大会及び全国高等学校総合体育大会出場の旅費を全額補助することとしております。また、全国高等学校総合体育大会推進事業費は、平成23年に本県で開催される全国高等学校総合体育大会及び全国高等学校スキー大会の開催準備に要する経費です。3目体育施設費は、県営体育施設の管理運営及び県営体育施設の施設整備などに要する経費です。
 なお、国体選手強化施設整備事業費は、スポーツ医・科学理論に裏づけされたサポートを受けながら、継続的にトレーニングができる多目的屋内練習施設─ドームの設計に要する経費です。
 次に、ページを飛んでいただきまして、232ページをお開き願います。11款災害復旧費3項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費は、県立学校施設に災害が発生した場合に備えた復旧経費です。
 次に、債務負担行為について説明申し上げます。
 議案その1に戻りまして、13ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、教育委員会で所管する事業は、ナンバー35の校地整備事業費からナンバー37の国体選手強化施設整備事業費の3件です。校地整備事業は、岩谷堂高等学校のグラウンド整備工事、特別支援学校施設整備は、一関清明支援学校校舎の増築等工事、国体選手強化施設整備事業は、多目的屋内練習施設の設計が翌年度にわたることから、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものです。
 以上で予算関連議案の説明を終わります。
 次に、条例の改正について説明申し上げます。
 議案その6の20ページをお開き願います。議案第69号県立学校授業料等条例の一部を改正する条例です。現在、国会に上程されております公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の施行に伴い、県立高等学校の授業料及び通信制受講料については、専攻科、特別専攻科を除きまして、原則として徴収しないこととなりますが、この条例の一部改正は、授業料などを徴収しないことが生徒間の負担の公平の観点から相当でないと認められる者からは、当該授業料などを徴収することとし、あわせて所要の整備をしようとするものであります。
 具体的には、改正後の第3条第1項ですが、第1号は、専攻科又は特別専攻科に在学する者、第2号は、法に規定する高等学校等─高等学校、高等専門学校の1から3学年、高等学校の課程に類する課程を置く専修学校等─を既に卒業し又は修了した者、第3号は、高等学校等に在学した期間が通算して、例えば全日制は36月、定時制、通信制は48月を超える者です。
 第1号は、法律の対象に含まれていないため、第2号、第3号は県立高等学校の授業料などを徴収しないことが、生徒間の負担の公平の観点から相当でないと認められるため、授業料などを徴収しようとするものです。
 なお、当該条例の施行日ですが、法律の施行に伴い、平成22年4月に県立高等学校の授業料が原則不徴収となる見込みであることから、同日に施行し対応する必要があり、附則において規定し、平成22年4月1日から施行しようとするものです。
 以上で教育委員会関係議案の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇中平均委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間─おおむね30分に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇及川幸子委員 まずもって、おはようございます。ただいまから質問を始めます。(「返事がないぞ」と呼ぶ者あり)教育には元気が一番だと思いますので、よろしくお願いいたします。
 このたびの一般質問において、私は、学校教育の部分については、授業の内容のあり方、読書指導のあり方、学力向上、体力向上について、そして学ぶ力、生きる力をはぐくむ教育について触れました。
 きょうは3点ほどお伺いしたいと思いますが、まず1点目でございます。児童生徒健全育成推進事業についてでありますが、この中での不登校、いじめの状況はどうなっているでしょうか。小・中学校それぞれ伺いたいと思います。
 また、このことに対する取り組みはどうなのかお伺いいたします。
 そして、この取り組みによって不登校が解消され、登校している児童の様子もお知らせいただきたいと思います。
〇佐藤主任指導主事兼生徒指導担当課長 まず、不登校といじめの状況について御説明申し上げます。
 平成20年度の状況でございますけれども、不登校、年間30日以上欠席の生徒数でございますが、小学校につきましては、人数が146人、これは前年度比23人の減少、在籍数に占める割合でございますけれども、0.20%、この比率につきましては、前年度比0.03ポイントの減少となってございます。中学校でございますが、人数が998人、これは前年度比26人の減少、在籍数に占める比率でございますが2.51%、これは前年度同様の数字でございます。
 いじめの状況についてでございますが、小学校のいじめの認知をした件数でございますけれども、220件、これは前年度比259件の減少、中学校につきましては180件、これは前年度比110件の減少となってございます。
 取り組みの状況でございますけれども、各学校から特に成果が上がった取り組みとして報告をいただいておりますのは、不登校につきましては、電話、家庭訪問などを担任の先生等が働きかけまして、家庭と一緒になりながら取り組んで改善したということ、あるいは担任だけではなく、学校全体の教職員が共通理解をし個別に支援を行った結果、改善が見られたという報告もございます。
 また、いじめにつきましては、何よりもいじめを許さないという学校や学級の風土づくりに取り組んだということ、また、児童生徒に対しましては、定期的な個別面談やアンケートを通しまして細やかな実態の把握を行ったということが報告されております。
 なお、県教育委員会といたしましては、スクールカウンセラー等の相談員を配置いたしまして、専門的な指導助言を行うことによりまして、不登校あるいはいじめの予防、改善を図っておりますし、また、各種研修会を実施したり、あるいは不適応対策資料の作成などをしているところでございます。
 結果といたしまして、登校するようになった、あるいは登校までは行かないけれども好ましい変化が見られたといういわゆる改善率でございますが、小学校は59.5%、中学校につきましては58.8%が解消したという報告をいただいております。
 また、いじめについてでございますけれども、解消した、あるいは一定の解消が図られ指導継続中であるということを合わせますと、小学校につきましては98.2%、中学校につきましては93.9%となってございます。
〇及川幸子委員 いろいろと取り組みをなされて改善がなされ、前年度比から大分下がっているので、このまま一生懸命続けていければ、これは本当に半分以下にしなければいけないと思います。登校するようになった児童も、小学校59.5%、中学校58.8%、中学校は不登校から、いじめから、やはり数が多いのだなと思いますけれども、不登校は、特に中学校は998名で、卒業にも間に合わなかった生徒さんがいるというのは残念でございますから、小学校、中学校のときに、そういう方向性を見きわめていただいて頑張っていただきたいと思います。
 その中で、対応にスクールカウンセラーという言葉が出ました。先ほど法貴教育長の説明ですと、すべての学校での配置ということですが、141人の学校の配置はどのように選択されて、また、この状況として、あわせて取り組みを詳しくお知らせいただきたいと思います。
〇佐藤主任指導主事兼生徒指導担当課長 スクールカウンセラーの配置につきまして、平成22年度の計画でございますけれども、小学校については6校、中学校につきましては187校、高等学校につきましては1校でスクールカウンセラーを活用できる体制を構築する予定をしております。
 中学校につきましては、126校につきましては週1回スクールカウンセラーが訪問する、残り61校につきましては、年に6回、または年に1回訪問して対応するという形をとってございます。これにつきましては、基本的に、学校規模を一つの目安として配置を考えたところでございます。
 なお、週に1回中学校に配置されておりますスクールカウンセラーにつきましては、その学区内の小学校を月4日のうちの1回は訪問することによりまして、小・中学校の連携を図り、小・中の接続を潤滑なものといたしまして、学校不適応対策の一翼を担うと考えておるところでございます。
 このスクールカウンセラーを配置することによりまして、まず、学校におきましては、児童生徒に対して専門的な視点からのカウンセラーの相談ができますとともに、子供だけではなく、保護者、それから教職員に対しての教育相談や助言をすることができます。あわせて、教育相談だけではなく、教職員や保護者に対して心の問題についての研修をすることもできますので、それらを通しまして、専門的な視点を持っての教育相談が可能になると思っております。
 教育委員会といたしましても、スクールカウンセラーの望ましい活用事例をまとめた資料を作成しておりますし、また、配置校の教員を対象といたしました研修会を実施いたしまして、より効果的な活用ができるように進めてまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 今お話しされた中で、学校規模を目安ということですけれども、大規模校であっても、かなりそういう取り組みが一生懸命なされている学校もあると思うんですよ。少ない学校でもそういう問題がある子供もあると思いますから、一概には学校規模を目安というわけにはいかないのではないかと思うんですが、その辺いかがですか。
〇佐藤主任指導主事兼生徒指導担当課長 御指摘のとおり、人数の少ない学校でも、さまざまなスクールカウンセラー等の支援を必要としている学校はあると認識しておりますので、この事業の中では、一つは、緊急対応ということが可能な状態もつくっておりますので、例えば、年に6回ということを想定している学校であっても、もし緊急な要請があればできるだけ対応しようと考えておりますし、また、臨床経験の多いスクールカウンセラーにつきましては、比較的柔軟に対応できる仕組みをつくっておりますので、どうしてもこの曜日だけと固定されたものだけではなく、柔軟に対応できるように体制をつくっているところでございます。
〇及川幸子委員 スクールカウンセラーさんも頑張ってはいると思うんですが、心が、悩んでいる子供たちは、クラスの友達のだれかにそういうものを求めているということもあると思うんです。ですから、クラス全体へのそういう心の部分の指導が徹底されなければならないと思いますので、それを同時に教育の中で取り組んでいただきたいと思います。
 その中で、いじめを受けている子が、みずから相談ダイヤルを利用してくれるのが一番なんですけれども、そういうことができる子供は心配ないのですが、できない子供を危惧するところでありますが、このことに対する取り組みはどうなのか。
 そしてまた、いじめを受けていても、だれにも言えず命を失う痛ましい事故が全国でも発生しておりますが、そういうだれにも言えないという児童をどのように把握していくのか、その点についてお伺いしたいと思います。
〇佐藤主任指導主事兼生徒指導担当課長 御指摘のとおり、いじめ等を受けた場合には、だれかにそれを発信するということは、とても大切なことだと思っておりますので、まず、学校においては、その子供たちに対して、心のチャンネルを開きながら、子供たちの様子を見ていくということが最も大切であろうと思っております。
 また、その学校以外の場面で子供たちが訴えができる相談の窓口といたしましては、24時間のいじめ相談電話であるとか、あるいはメールでの相談であるとか、各教育事務所にも、ふれあい電話というものを設置してございます。
 それぞれの相談ダイヤル等で本人が相談している状況でございますけれども、24時間対応しているいじめ相談電話では、児童生徒本人からの電話は、昨年度は48件で33%、相談全体の33%が子供本人からの訴えでございました。また、各教育事務所等で設置しておりますふれあい電話は、相談件数すべての中の217件、これは割合でいいますと20.7%が子供本人からの相談でございました。また、メールも開設してございますが、これも、相談として受けた中で、本人からのメールというのが46件で、これは90.2%、ほとんどが子供からの相談ということで対応してございます。
 また、それでもなお相談ができないでいる子供というのも確かにいるのではないかと危惧しているところでございます。そういった子供を把握するためには、まず一つ目は、何よりも学校の教員が、一人一人の児童との信頼関係を構築していくことであろうと思います。そういった信頼関係の中で、子供の小さな変化を見逃すことなく対応していくという教師自身の学級経営の力をつけていかなければならないと考えております。
 また、担任だけが見るのではなく、多くの目で子供たちの姿を見ていくということがとても大切であろうと思いますので、全教職員が、子供たちの様子を共有できていくという学校体制をつくっていくことも必要だろうと思います。
 あわせて、特にベテランの教員は、子供の様子だけではなくて、子供の周りにあります環境を見ながら、子供の様子が変化する予兆を見つけるというノウハウを持っている教員が多うございますので、そういった先輩教員のノウハウというものが学校内で蓄積されて、若い先生方にも伝承されるような、そういった研修の充実を事務局といたしましても図ってまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 ありがとうございました。
 そういうふうに一生懸命努められておりますと、これは長い目で、本当に優しさを持っての取り組み、そしてまた、先ほども申し上げましたけれども、全クラスの児童が、やっぱりこういういじめとかがあってはだめだという、そういう指導の中で常に取り組まれていくべきと思いますので、今後においても一生懸命取り組んでいただきたいと思います。
 次に移ります。学校建設費についてお伺いしたいと思います。
 予算には学校建設費が計上されております。校舎大規模改修工事事業には9校ということで先ほどお話がありました。よりよい改造ができることが求められるところからお伺いするのですが、改造工事中における児童生徒等の事故、健康被害がどうだったのか、また、今後において留意すべき点などについてもお伺いいたします。
〇川口スポーツ健康課総括課長 ただいまの質問につきましては、県内におけるシックスクール症候群、並びに化学物質過敏症というようなことでございますけれども、県内には、これは昨年度の調査でございますが、医師に診断されました児童生徒が小・中で8名ございます。それから、保護者からの申し出があった児童生徒、これは、小・中・高合わせまして101名ございます。
 これらの対策につきましては、日常の学校環境について、学校環境衛生基準に基づきまして定期検査、それから日常検査を実施し、児童生徒の環境改善の整備に努め、検査基準値を超えた場合には、学校薬剤師と連携の上、原因の除去に努めるとともに、換気を十分に行うなどの対策を講じているところでございます。
〇及川幸子委員 このたび、胆沢第一小学校において、校舎大規模改造工事中に、それに伴う健康被害についていろいろ取りざたされておりますが、その状況と県教委における対応の仕方についてお伺いしたいと思います。
〇宮野学校施設課長 奥州市からの聞き取り調査によりますと、本年度から2カ年事業で実施しております胆沢第一小学校・校舎大規模改造工事、屋根の改修あるいは外壁塗装、室内の床、壁、天井の全面改修、こういった事業を今年度から来年度にかけて実施してございますけれども、この中で、児童1名が頭痛などを訴えまして、病院で受診した結果、シックスクール症候群と診断されたものでございます。
 原因としては、診断書によりますと、工事で使用している接着剤などの化学物質による中毒症状と考えられるとのことでございまして、化学物質の暴露をできるだけ少なくする対処が必要だというように診断されたところでございます。
 県教委としては、当該状況について奥州市から聞き取り調査を実施いたしまして、現時点で、学校環境衛生基準等制度に違反するような対応というものは見受けられませんけれども、今後、引き続き必要な助言等に努めてまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 建設においてはかなり神経を使いながら、請負業者等も細心の注意を払いながら事故防止に努めていることとは思いますが、被害を受けられた父兄の方への対応等はどうだったのでしょうか。
〇宮野学校施設課長 今回、健康被害を発症された児童の親御さんと学校側と、電話等を含めまして何度かいろいろ御相談をしているようでございます。
 3月11日におきましては、教育委員会の担当課長、担当者、校長が、御自宅まで訪問して、今回の原因及び今後の対応について説明したというように伺っております。
 今回の原因につきましては、仮使用しておりました教室付近の階段床材長尺シートの張りつけ作業に使用した接着剤が原因と考えられるということでございますし、それからあと、教育委員会、学校側の対応としては、一つには、原因となった接着剤の使用を直ちに中止いたしまして、現在、代替品及び施工方法の変更を検討しているということ、あるいは児童が工事現場に近づかないよう指導の徹底を図っているということ、それから、できるだけ土日等の作業を多くするよう作業工程の見直しを検討するということ、あるいは、この春休みにおいては、普通教室の全クラスへの換気扇の設置を実施するということ、それから、平日どうしても作業をしなければならない場合においては、送風機の設置により揮発成分の教室、廊下への流入防止措置などの対策を講じる、こういう対策を実施、あるいは今後するということを御父兄の皆様に御説明して、御理解いただいたというように聞いてございます。
〇及川幸子委員 私も、その児童がきのうまで休まれているということで、きょうから登校ということで、学校側に伺いましたところ、炭素マスクをして元気で授業を受けているということで安心したところでございます。
 事故が起きてからの教育委員会の対応も早かったのだと思いますが、今後においても、万全の注意で、児童が安全な中で授業が受けられますように本当に念じております。
 最後の質問になります。文章作成の授業についてお伺いしたいと思います。
 自分の思いを文章にあらわし作文にする機会というのは本当に大事だと思いますが、長期休み、夏休みとか冬休みの間はそういう課題はあるのですが、普通の授業の中で、日常の授業の中で、国語の時間でこういうふうに文章を書かせる授業というのはどのようになっているでしょうか。今後の取り組みについてもあわせて伺います。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 文章を書く学習についてでございます。
 自分の思いあるいは考え方というものを文章にあらわす学習は、国語の学習を中心として主に進められておりますけれども、国語以外でも、例えば総合的な学習の時間、特別活動、道徳の時間、すべての教育活動の中で取り組まれております。
 国語の授業では、例えば、見たり、聞いたりしたこと、あるいは体験したことなどについて、自分で感じたこと、思ったことなどを書きとめていく、あるいは文章として表現をしていく、あるいは文章や資料を読んで自分の考えをまとめて書くという、書く学習を行っております。
 文章を書くということは、自分なりの考えを持って、その考えを整理して、そして相手にきちんと伝えるという意味でも非常に大切な学習でありますので、今後も充実を図ってまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 文章を書くということは大変重要だと思います。私も孫の宿題を見ながら、夏休み、冬休みになると、本当に3枚の便せんに書くのがもう大変な作業でございます。へらへらしゃべれるんですけれども、いざ文章にするとなると、おもしろかった、楽しかった、うまかった、そういうものしか書けないので困っております。やっぱりそういう積み重ねが大事だと思いますので、今後においても、先生方も一生懸命頑張ってやっていただきたいと思います。
 最後、法貴教育長、実は、3月11日の新聞を見まして、私、うるうると来ました。余りにも感動したので、小学校に行く前のうちの孫に読んで聞かせました。働く母へ感謝のおにぎりという、これは、県内コンクールで最優秀をいただいた二十歳の視覚障がいを持った方のエッセーです。この内容が、本当に読んだだけで涙を誘いました。
 私は先日、水沢中学校の卒業式に出ました。一昨年のこの委員会においても、その内容をここで法貴教育長にお話ししました。校長先生から卒業証書をもらうたびに、ありがとうございましたと感謝の気持ちを一人一人申し上げた生徒の光景を見て、私はうるうると来たということを話しました。
 今度は一体どういう卒業式かと思ったら、校長先生から、及川先生、ことしはちょっと趣向を変えましたよと。いやいや何か、舞台で踊るのかと思いましたら、3年生が卒業証書をもらった後に、一同、父兄に向かって歌を歌いますということでした。歌を歌ったのがふるさとですね。これを3番までずっとずっと歌いました。やっぱり奥州市に戻って、ここで育った誇り、山川はすばらしい、そういうところで君たちは生まれたんだという、そして、お父さん、お母さんに感謝しなさいと。いかにいます父母、これが本当にしみじみと、この詞を追いながら私も胸が熱くなりました。
 本当にすばらしい卒業式を体験した私でございますが、教育長、最後に、親に対するその感謝の思い、そして15年育った子供たちが、どのように故郷に思いをはせているか、その部分について最後にお聞きして、質問を終わります。
〇法貴教育長 委員御案内のように、やはり郷土を愛する心とか、親に感謝する心ということが、非常に家族のきずなも含めて求められているのではないかと。日本人の精神の中で、そういう心が今、失われてきているのではないかという話を述べられている方たちもいますけれども、やはり学校教育の中で、そういう思いやりの心、本当にきずなを大切にする心、それから心豊かに相手を思いやる心みたいな、道徳みたいな教育を来年度に向かって、小中学校で先人教育とか、歴史教育なんかも深めていきたいと考えていますので、そういう心をはぐくむ教育についても、ぜひ積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
〇樋下正信委員 私は、教職員人事費の子ども手当11億4、800万円余ですけれども、これは、多分、平成21年度は児童手当だったのではないかと思いますが、これの積み重ねといいますか、額になる根拠を教えてほしいと思います。
〇高橋予算財務課長 子ども手当の予算でございますけれども、算定の対象範囲は、公立の小中学校、県立学校及び教育委員会所属の教職員1万3、800人余を対象として、該当する分について算定しております。予算額は、当初予算の給与費算定における児童手当所要額の3倍という計算ルールで、今回、仮計上したものでございます。まだ実績がないため、来年2月、最終の支給時期に不足が生じないようにということでかために算定した結果、ほかのデータ等とも比較して、児童手当所要額の3倍を計上すればほぼ大丈夫であろうと。
 ちなみに、扶養認定のデータ等から推計しますと、対象の子供の数は、教育委員会関係では7、000人ほどが対象になるものと見ております。
〇樋下正信委員 わかりました。
 それでは、次に、事務局費の外国青年招致事業費のところで、これは、いわゆるALTというんですか、外国語の教育の補助教員というんですか、日本人の先生と一緒に外国語の発言とか、海外の日常生活などの指導をしていると聞いておりますけれども、日本人の先生も一生懸命努力していると思いますが、そういう中で、専門的な外国語というのでしょうか、とりわけ理数系とか専門的な工学系、そういうところにも配置といいますか、その先生が補助教員としてついているということでございまして、この外国語の向上といいますか発展に寄与していると思いますが、この先生については、雇用期間というか、5年が限度だと聞いております。
 そこでお聞きするわけでございますけれども、5年じゃなく、もっと教えてほしいという学校の声とか生徒さんの声があるようでございますが、その辺のことについて、例えば県の雇用として再配置というのでしょうか、採用ができないのか、何か特例などを設けて雇用できるような形がないのか、お聞きしたいと思います。
〇及川教職員課総括課長 まず、私のほうから基本的な部分についてお答えいたします。
 現在運用しております人事異動の基準は、小中学校、県立学校とも、同じ学校での勤務年数は6年というものを基準にしておりますけれども、学校の事情とか、教科の特性とかといったさまざまな条件がございますので、基準より長くなったりする場合、短くなったりする場合と、まず、異動の基準としてはそういったものがございます。
 あとは、そのほかに、小中学校の場合は、学校公開とか、学校行事とか、教科担当の配置、いろいろな事情がございます。それから、実際にその教員の方が、事実上、その学校でどれだけ勤務されているか、あるいはその学校での実績等、いろいろな事情を考慮して実際の人事異動を組んでおるということがございます。
 それから、県立学校の場合は、競技スポーツ、高校生の選手強化とか、いろいろな状況がございますので、その指導の教員の配置とか、いろいろな条件が出てまいります。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育課長 ALTの件でございますけれども、基本的には単年度契約になっております。そして、学校のほうで非常にすばらしいという評価があり、ALT本人が更新したいという意思表示があったときに更新できます。これは2回更新できると。つまり3回、3年間勤めることができます。
 特に優秀な人材だということで、県教委のほうで審査いたしまして、優秀な人材として認めれば、さらに2回更新、つまり5年間までは継続して採用できますが、それ以上については、そもそもCLAIRのほうでの募集の段階での条件で、いわゆる5年までだよという契約条件になっていますので、CLAIR─自治体国際化協会ですか、そちらのほうでは、もうそれ以上は配置しないというか、そういう形になっていますので、県とすれば、その方の継続はお願いできないという状況でございます。
〇樋下正信委員 そこで、先ほどもちょっと聞いたのですけれども、特例など何らかの形で雇用できないか、また、県単独で雇用して、教育委員会に入ってもらうとか、何かそういう形でできないかという、できるのであれば、そういう形でもお願いしたいということでありますので、その辺について何かいい案があればと思って質問しております。
〇法貴教育長 全体の制度の中でそういう取り決めになるのですけれども、全体の制度をもう少し勉強してみないとわからないということだと思っていますので、CLAIRの制度の中身、それから県で採用できるかどうかについて、少し研究させていただきたいと思います。
〇樋下正信委員 ぜひよろしくお願いします。
〇佐々木順一委員 1点のみお伺いしたいと思いますが、過般の一般質問でも新居田委員が取り上げました運動公園に建設予定の多目的屋内練習施設等と木造化の関係についてお伺いいたしたいと思います。
 まず、この今後の整備計画のスケジュールについてお伺いしたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 多目的屋内練習施設につきましては、現在、基本構想整備検討委員会におきまして、整備基本構想を取りまとめているところでございます。来年度、設計プロポーザルによります設計業者を選定の上、基本設計、それから実施設計の契約と考えてございます。基本設計の策定に当たりましては、基本設計検討専門委員会の設置を考えております。
 平成23年度に入りまして、実施計画を完了し、施工業者を選定、工事契約を終えて、建設着手と考えてございます。
 それで、平成24年から25年、建設工事に入りまして、25年8月以降に利用開始できるよう、そこを目指しまして、できるだけ早期に完成して、国体の競技力向上に寄与する施設としたいというような考えでおります。
〇佐々木順一委員 わかりました。
 それで、今年度で基本構想終了だと思います。以降、設計プロポーザルから基本設計、実施設計、こういうことの御紹介が今ありました。それで、新居田委員も木造化の関係で一般質問でお尋ねになりましたが、その際にいろいろ御答弁がありました。後ほど聞きますが、基本構想は間もなく、今年度で終わるわけでありますから、今まで都合4回ぐらいの委員会が開かれたと思っておりますが、その基本構想の協議の過程の中で木造化についての話し合いがあったのかどうか、まずその点を一つお伺いしたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 この整備基本構想におきましては、施設の基本的なあり方として、施設整備の目的や施設整備の規模、管理運営方法などを協議してございまして、木造化あるいは県産材の利用については協議しておりません。
 施設の構造等につきましては、先ほど申しました平成22年度における基本設計作業において設置する基本設計検討専門委員会の中で検討していく考えでございます。
〇佐々木順一委員 わかりました。では、専門委員会のほうで本格的に検討するということだったと理解いたしました。
 それでは、この前、教育長が一般質問の答弁でお答えになりましたが、結論は、検討ということでありました。検討と言ってもいささか幅がありまして、いわば、この木造化、あるいは県産材の利用、こちらのほうに重心を置いて検討するのか、あるいはやらないことを前提にして検討するのか、ゼロから100までの広範なとらえ方ができると思いますので、教育長は、その検討という中身、どういったお考えで検討という答弁をされたのか、もうちょっと詳しくお伺いしたいと思います。
〇法貴教育長 一般質問のときに、さまざまな角度からということでお話し申し上げました。林業関係団体からも強い要望があることも承知しておりますし、できればそういうものを取り入れられればいいということですが、制約条件として、例えば工期、先ほどの国体施設として競技力向上のために早く供用開始したいという工期の問題とか、経費の問題とか、それから林業団体の要望、競技団体の要望等、あとは医科学サポートセンターの医科学的、専門的な知識からのさまざまな要望がかなりあって、それから、そういう中で、この工期の中で、どういう構造で、どういうことができるのかということを、さまざまな角度と申し上げたわけであります。
〇佐々木順一委員 わかりました。大きくは工期とか、経費も含まれると思いますが、そういった課題は専門委員会の中で協議していくということと思いますが、それでは、県産材の利用とか木造化については全く除外して専門委員会の協議に臨むのか、あるいは専門委員会にそういった木造化、県産材の利用というものも含めてテーマとして協議していただくのか、その点ちょっとお考えを確認したいと思います。
〇法貴教育長 今、お答え申し上げましたけれども、当然、そういう要望があることも承知しておりますので、プロポーザルとかのときに、どれほどの経費がかかるのか、それから工期はどうなのかというところも含めて検討に入るということでございます。
〇佐々木順一委員 それでは、ちょっと視点を変えたいと思いますが、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律案、これは政府のほうでありますが、いわゆる公共建築物木材利用促進法案が、先般、閣議で決定されました。法案の段階でありますから、まだ国会では通っていないわけでありますが、その中の要綱を見ますと、当然ながら国の責務も明記しておりますし、地方公共団体の責務も明記されております。
 所管の農林水産大臣の話をかりると、本来であれば、木材の利用のところを、ここを国産材と本当は置きかえたいけれども、国産材と置きかえるとWTOの関係もあるので、そこまでは、国産材とは明記することが不可能であったが、木造の意味合いは国産材を念頭に置いている、想定している、こういうことであります。
 それで、例えば、この責務の中だったと思いますが、予算による支援措置として、シンボル性の高い木造公共建築物等の整備等を支援しなければならない、これは国あるいは地方公共団体だと思います。それから、地方公共団体は、国の施策に準じて公共建築物等における木材の利用の促進に関する施策を策定し、公共建築物における木材の利用に努めなければならない、こういう要綱なんです。恐らく通常国会で通ると思います。
 つきましては、教育長に聞きますが、この法案に対する理解度と、今後、専門委員会で木造の利用あるいは木造化などなどの検討も対象にせざるを得ないと思いますが、この法律案の関係と、今から専門的に検討する多目的屋内練習場施設等の関係について、どういった考えをお持ちなのかお伺いしたいと思います。
〇法貴教育長 今、委員おっしゃられた法律案の内容はよく承知しておりまして、そういうところで例えばどういう支援措置などが行われるのかということも含めまして、先ほども何回か申し上げましたけれども、木造化あるいは国産材を多く使うということに関しては排除しているわけではありませんので、そういう検討委員会の中で十分検討していただきたいと考えております。
〇佐々木順一委員 排除しているわけではないということでありますから、裏返すと、こういう木造化、県産材の利用のほうに重心を置いて検討していくというように理解をいたしました。それでいいのかどうか、しつこいようでありますが、もう一度お願いいたします。
〇法貴教育長 県の施策としても、県産材の利用とか国産材の利用というのは一つの大きな目標になっていますので、使えるものであるならば、それからそういう条件に合致するものであれば、できるだけ多くの木質を使うということは基本にして進めたいと考えています。
〇佐々木順一委員 ありがとうございました。
 それでは委員長にお願い申し上げたいと思いますが、今、御紹介したとおり、政府のほうでは木材の利用の法律案を検討し、国会に上程することになっております。木材振興というのは、本県の重大な、重要な政策の柱でもあります。先ほど教育長からは、県産材の利用、それから木造化については排除するものではないということがありました。何もドームの木造化あるいは県教育委員会のスポーツ施設の木造化を私は言っているわけじゃなくて、先ほども及川幸子委員の関係で学校の改築の問題もありました。これも公共物でありますから、こちらのほうにもやっぱり木造化というものを真剣に検討していかなきゃならないと思っております。いわば、教育委員会のみならず、岩手県の今後改築あるいは新築する公共物、こういったものにつきましても、県産材の利用とかいろんな角度からやっぱり配慮していかなきゃならないと思っておりますので、予算特別委員会はまだまだ審議時間がありますが、どうぞ、取りまとめの際には、附帯意見の中に、私が今申し上げた県産材の利用というような表現を、どう表現されるかはお任せしますが、そういったところに意を用いた附帯決議の案を起こしてもらうように御要請申し上げたいと思っておりますが、委員長の御見解をお尋ねして質問を終わりたいと思います。
〇中平均委員長 私の見解ということでございました。最終日において、可決する、しないもこれからのあれだと思いますが、その後で当然取りまとめと、通例であれば附帯意見をつけていくということでございます。ただいまの佐々木順一委員の御意見も十分承りまして、また、これは各会派共同でということに通例ではなりますので、その際においては、ただいまの御意見も参考に対応させていただきたいと思いますので、御了承をよろしくお願いいたします。
〇平沼健委員 今の佐々木委員からのドームの件なんですけれども、教育長、木造は排除しないというお話で非常にそれはすばらしいことなんですけれども、そうじゃなくて、逆に、岩手県は森林県です。だから、初めから木造を主体につくりますよというようなことを検討委員会で検討すると。こういう問題があるから、じゃ、それをどうすればいいかという、木材を前向きに使っていくんだという、そういうことを腹に据えてもらわないと、排除しないという、それは期待しますけれども、その辺、もうちょっと教育長の答弁をいただければいいんですけれども。
〇法貴教育長 何回かお答えしていますけれども、工期とか経費とかさまざまな制約条件の中で、できる限り木質を使うということは心に決めておりますので、そういう姿勢で臨みたいと思っています。
〇平沼健委員 ありがとうございます。それでは、本来の質問に入ります。
 及川幸子委員から先ほど質問がありましたので、不登校といじめについてはネグらせてもらいます。
 ただ、先ほど佐藤生徒指導担当課長が、不登校やいじめは減ったということで、それはそれですばらしいことだと思って聞いておりました。この不登校については、人数が出てくるからわかると思うんですが、いじめについてはなかなか難しいと思うんですね。いじめた人、いじめられた人、それぞれ違うと思うんですけれども、いじめたつもりじゃないのが片やいじめられたということかもしれません。だから、そういう数字を掌握して出しているんでしょうけれども、実際に県内の子供たちは、いじめが減っていると感じているのであればいいんですよ。その辺は調査の仕方が難しいというか、今までやったことがないのかどうかわかりませんけれども、その辺も何かあったら後ほどあわせてお答えいただければと思います。
 今度は逆に、教職員のほうなんですけれども、教職員のいじめというのはないんでしょうけれども、いろんな指導に行き詰まるとか心の病とか、そういう学校運営上で長く休んでいる先生方がおられるわけでして、そういう先生方というのは近年ふえているんでしょうか。それが一つ。
 それから、そういう方々に対するフォローというか支援というか、そういうのはどのような形で取り組まれているのか、まずお尋ねいたします。
〇及川教職員課総括課長 まず、精神的な問題、心の病で休んでいる教職員、そういう方々の状況についてですが、まず平成20年度で精神性の疾患で休職された方は、全体で71人ほどおりました。今年度については現在取りまとめ中でございますが、平成19年度が70人、平成20年度が71人おりました。
 こういう方々への支援策ということでございますが、休んでいる方々でございますが、まずこういった方々がなるべく出ないように、あるいは出た場合はどうするかということで、管理監督者の方を対象とした実践セミナーを開催しております。
 それから、休んでいらっしゃる教職員が職場への復帰、これが円滑にできるように、まず職場の管理監督者向けの支援マニュアルというのをつくっておりますので、これに基づいて、その職場での復帰訓練というのが実施されております。
 また、休んでいらっしゃる方あるいは所属長等への対応として、保健師が学校現場を直接訪問して、これから復職される方あるいは所属長などへの相談に応じるということで、復職支援相談事業というのを今年度から実施しているところでございます。
〇佐藤主任指導主事兼生徒指導担当課長 児童生徒のいじめの問題につきましてでございますが、委員が御懸念のように、いじめの数字の多さ、少なさだけで、そのものを把握するというのは大変危険であると考えております。
 私どもも一つの目安といたしましては、文部科学省が一斉に調査をしております認知件数ということでは公表しているところではございますけれども、あわせて、学校に対しましては、このいじめにつきましては、多寡の問題よりも、いじめをいかに早期に発見し、そして早期に対応できるかということに十分配慮していただきたいということは、今般も改めて通知をし、お願いをしたところでございます。
 なお、そのためには、例えばアンケート等で、だれかが、わからないけれどいじめられたという感じを持ったという訴えについても、それを受けとめ、きちっと対応してほしいというようなこと、あるいは一度加害の立場に立った子供が、次には、その被害という立場に変わっていくというのが最近の状況でございますので、継続した見守りを続けてほしいというようなことを今般お願いし、決して多寡の問題だけで処理をしないようにということは、各学校に対しても通知しているところでございますし、私どももそれを心がけて、このいじめの問題については当たってまいりたいと考えております。
〇平沼健委員 全くそのとおりだと思いますね。
 教職員のほうなんですけれども、70人前後ということなんですけれども、職場復帰をされるという、そういういろんなカウンセリングを受けたり、いろんな職場の同僚の方々の支援を受けながら職場復帰をしていくと思うんですけれども、これはどうなんですか。例えば、半年とか1年後には大体職場復帰されているというか、そういうことがないと年々ふえていくわけですよね。その辺はどうなっているんですか。わかりますか、意味が。先生の職場復帰についてです。
〇中平均委員長 平沼委員、もう一度お願いいたします。
〇平沼健委員 教職員ですよ。そういう心の病気で休まれているという方が70人前後、平成19年、20年。平成21年はこれからでしょうけれども、その方々がどの程度の期間で職場復帰をされているのかということなんですよ。職場復帰をしないと、人数的に年々ふえていくわけですね。あるいは10年とか5年の方もいるかもしれませんけれども、その辺はどのようにとらえているんでしょうか。
〇及川教職員課総括課長 どれぐらいで復帰できるかというのはいろんな病気のパターンがございますので、メンタルだけでなくいろんな病気がございますが、大体平成20年度の平均ですと、お1人の方が療養した際に、療養の日数、つまり、復帰までの日数と置きかえてもいいのではないかと思いますが、これにつきましては、メンタルの問題だけではなく平均療養日数といいますと、大体214日にぐらいになっております。
 それから、メンタルの関係で、復帰の際は特別健康審査会ということで、精神科の先生と我々のほうで、本人あるいは所属長、家族の方と面談をした上で復帰をしていただくことになるわけですが、毎年度、そうやって特別健康審査会を受ける方が大体50人から60人ぐらいの方がいらっしゃいまして、大体50人ぐらいは、そのうち年間、審査を受けて復帰している状況でございます。
〇平沼健委員 大体わかりました。復帰する場合にはメンタルの検査を受けるということなんですね。それが50人ぐらいということですか。それが毎年そうだということですね。
 それで、次の質問にもこれはかかわってくるんですけれども、教職員費が今年度新規となっていますけれども、教職員費という項目があるんですけれども、この説明を読みますと、生徒指導や学習定着状況等で課題のある中学校で学校生活の安定と充実を図るため、教員の取り組みを支援する非常勤職員を配置すると。これが新規になっているんですよね。これが二つの意味があると私はとったんですが、生徒の問題、前段の生徒指導や云々というところですね。それから、後段の学校生活の安定と充実を図るため、教員の取り組みを支援する非常勤職員を配置する。125校、142名となっていますけれども、これは私の解釈の仕方が間違っていれば教えてください。
 生徒の指導に難しいというか、そういうような中学校があるということが一つと、あと、教職員の指導力に問題があるのでそこに非常勤職員を配置するという、そういう解釈でいいのかどうかということなんですけれども、そこをちょっと教えていただけませんでしょうか。
〇菊池首席経営指導主事兼小中学校人事課長 委員お尋ねの件でございますが、現在、学校生活サポート推進事業というものを立ち上げまして、非常勤職員を必要な学校に配置をしておるわけなんですが、これにつきましては佐藤生徒指導担当課長の話もございましたし、また、意識調査、これは全国学力調査で行ったものでございますが、その中に、自分にはよいところがありますかという設問がございます。そういった質問に対しまして、肯定的な回答をした者が、全国が61.2%に対しまして本県は53.8%にとどまっておるなど、自尊感情が低い傾向が見られるというところがございました。生徒一人一人に、よりきめ細かい対応が必要であるということで、この事業を実施しておるところでございます。
 この非常勤職員の配置につきましては、教員の多忙化が叫ばれる中、生徒指導や学習指導の充実と学校生活の安定に向けた本務教員の取り組みをさまざまな角度から下支えをするということを目的にしております。指導力が劣る、指導力に問題があるということではございませんでして、子供と向き合う時間をふやすということなど、教員が十分に力を発揮できる環境を整えるために配置しているというものでございます。
〇平沼健委員 せっかくですけれども、意味がよくわからないんですよね。何というのか、学習力アップのためということじゃないようですね、今のを聞いていますと。何か生活支援的なことなんでしょうか。その辺よく教えてくれませんか。
〇菊池首席経営指導主事兼小中学校人事課長 これは生徒指導に限ったことではございませんでして、例えば学力向上に若干苦労しているというような課題を持っている学校等につきましては、そういった使い方をするということがございますし、いわゆる本務教員の職務を一部代替する等の下支えをする職員を配置して、教員が生徒指導あるいは学力向上というような課題に対して取り組めるような時間を生み出そうと、そういう目的で実施しておるものでございます。特に、生徒指導に特化して配置しているものではございません。
〇平沼健委員 ちょっと私は理解がしづらいんですけれども、要するにあれですか。例えば、県内全体の学習力の底上げを図るために、ある学校がちょっと低いですよと、そこに派遣をして何ぼでも底上げを図るというか、そういうようなことが一つあるんでしょうか。そういうことですか。
〇法貴教育長 学校生活サポート事業は、今、課長がお答えしたように、二面、いろいろな使い方があるんですけれども、生徒指導面、先ほど佐藤生徒指導担当課長のほうから不登校がなかなか減らない学校もある、あるいは学力向上で、なかなか課題があって伸びない学校があるみたいなところを重点的にピックアップして、今までは満遍なく教員を配置したんですけれども、そこに重点的な配置をして、そういう課題を解決してもらおうということで配置するものでございます。ですから、指導力不足の教員がいるところにそのかわりというわけじゃなくて、よりきめ細やかな教育を実践してほしいということで、プラスして非常勤を置くということですが、いずれ、今言ったような課題解決型の教員配置ということでございます。
〇平沼健委員 また後ほど詳しくお尋ねに行きます。要するに、問題がある学校というかクラスというか、そういうところに先生の数をふやしてサポートしますよということなんですね……。はい、わかりました。理解ができなくて済みませんでした。時間をかけてしまって。
 最後に、これも新規なものですからお尋ねしますけれども、学校、地域の協働によるキャリア教育推進事業というのが810万円で今回出てきております。専門高校の実践的教育活動、これは従来からあったと思うんですが、普通高校の体験的学習活動というのが出ております。この辺をちょっと説明をいただければありがたいんですが、専門高校というと、実社会に対する今まではインターンシップというのもありましたし、その辺との兼ね合いというか、あるいは違いがあればあわせてお聞かせください。
〇佐々木首席指導主事兼産業教育担当課長 学校、地域の協働によるキャリア教育推進事業でございますけれども、専門高校の実践的教育活動は、技能向上を目指した資格取得に向けた外部講師による実践的指導や企業現場研修に取り組むものでございます。普通高校の体験的な学習といたしましては、企業見学それから現場見学などに取り組むものでございます。
 委員から御質問がございましたインターンシップとのこれまでの違いでございますけれども、この事業につきましては、今御説明申し上げましたとおり、専門高校の実践的教育活動として、技術、技能の向上を目指した資格取得に向けた外部講師による実践的指導でございます。これまでのインターンシップとはそこが異なりまして、より専門的な能力の育成を目指しているものと考えております。
〇平沼健委員 今のお答えで、県内各地域の専門性というのが違うと思うんですね、地域によって。そうすると、当然そこの地域に合わせた専門性のある形をつくるということなんですか。そういう意味でよろしいんでしょうか、最後にお尋ねします。
〇佐々木首席指導主事兼産業教育担当課長 委員おっしゃるとおり、そのとおりでございます。農業分野、水産分野、工業分野、それぞれ地域の特性がございます。学校の特徴もございますので、地域に合わせた形で進めていくということでございます。
〇新居田弘文委員 私のほうから3点お尋ねをしたいと思います。
 一つは、地域の高校存続についてでございます。
 私は3月6日、奥州市内の胆沢高校の閉校式典に出席をいたしました。当該校は1948年に開校して、今まで約3、700人の卒業生を輩出して、まさに伝統のある学校ということでございますが、今回18人の卒業生を出して、それでその後の閉校式ということでございました。
 ことし、胆沢高校を含めて閉校になった学校の数、名前を御紹介いただきたいと思います。
〇上田高校改革課長 今年度をもって閉校となる学校のお尋ねでございます。
 本校といたしましては二つ、東和高校と胆沢高校でございます。あと、分校は三つございます。遠野高校情報ビジネス校、宮古高校川井校、それから久慈高校山形校の5校でございます。
〇新居田弘文委員 それで、今の廃校は現在進められている整備計画に基づいて、生徒数が少なくなったということもありまして、そういう方向で今進んでおりますけれども、私は思うんでございますが、胆沢高校は奥州市内ということで、周りには普通高校とか商業、工業、農業、それぞれ選択できる高校がたくさんあります。ですが、それ以外の今紹介されましたような、特に分校等については、周りにはなかなか遠くてよその町、村を越えないと学校に行けないというような状況に今後なるのではないかなという心配をしております。まさに教育を受ける均衡が失せられるのではないかということで、去る一般質問でも教育長のほうから答弁がありましたが、私は今進められている高校教育のあり方の第2次整備計画をつくるに当たって、そのような遠い地域、中山間地とかあるは沿岸とか、まさに国で定めている高校標準法にとらわれず、もっと弾力的に考えていいのではないかなという質問に対して、教育長からは、これは基準でありますので尊重して取り組みたいというような旨のお話、回答がありました。
 そこで伺いますけれども、最近の政府の動きによりますと、地域主権戦略会議の中で、地方自治体の仕事を縛るいわゆる義務づけの見直しを検討対象にしていると。その中で、公立高校の定員の基準など、今、本校で240人以上と定まっておりますが、将来的には、これが自治体の条例で独自に決められるような方向で検討中だということの報道もありますので、今進められている整備計画の検討委員会の段階でも、こういうものも背景にしながら岩手の実態をもう少し見まして、地域の教育機会の均等を図る、あるいは子供さん方の教育的な時間とか経済的な負担を軽減するためにも、そういう検討をしていいのではないかと思いますが、前回の一般質問に加えての質問でございますが、教育長に所見をお伺いしたいと思います。
〇法貴教育長 高校標準法のお話は一般質問でお答えしたとおりです。今、委員御案内のように、国において学級定員制の標準等の見直しの検討作業も進められております。それから、地域主権戦略会議において、公立高等学校の収容定員基準の条例の委任についても論議が進められていると聞いています。あのときもお答えいたしましたけれども、いずれ、こういう動きは注視しながら、十分に考慮して進めてまいりたいと考えております。
〇新居田弘文委員 わかりました。どうぞそういう方向で検討して、固まってから何ともならないということにならないように、ひとつ岩手の実態に即した検討を進めていただきたいと思います。
 二つ目でございますが、土曜日の授業再開についてお尋ねをいたします。
 公立の小中学校については、学校教育法あるいは学習指導要領によりまして1992年から完全5日制が施行されまして、いわゆるゆとり教育で現在に至っておりますが、今、土曜日の時間帯をどのようなゆとり教育に使われているのか。その活用実態とその効果、あわせまして、土曜日を休業日にしたことによって、以前と以後の学力等にどのような変化があるのかお聞きしたいと思います。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 土曜日の授業日ということについてでございます。
 県内では、もう委員の皆さんも御承知のとおり、例えば学校では土曜日、親御さん方も招いての学校行事は土日という形でやっておりますし、あるいは授業参観日なども土曜日にもやっております。一番大事だなと思っていますのは、本来、土曜日は休業日になっておりますので、その土曜日にいろんな学習活動を実施するということは、学校あるいは保護者や地域の方々との関連の中で、土曜日、日曜日でなければ学習効果あるいは学習のねらいが達成できないというものについては、今現在も県内のさまざまな小・中学校で実際に行っておりますし、そのような方向なのだろうなと思っております。
 それから、土曜日が休みになった、あるいはその前との学習の効率という部分ですが、そのことにつきまして正式に数字等での把握はいたしておりません。ただ、学校週5日制の趣旨は、子供たちを家庭に帰しながらその中でいろんな家族としてのさまざまな体験とか経験とか、そういうものを行うということでございますので、例えば教科の学習とか、そういうものとはまた別なところで考えていかなければならないものかなとは感じております。
〇新居田弘文委員 数字の上ではなかなかあらわせないんだと思いますが、今、お話がありましたように、地域の文化とか伝統とか、いろんな面を勉強する機会には多分なっているのではないかと思っております。ただ、現実的に、岩手県を含めて、学習の成果といいますか、レベルが他県と比較してかなり低位にあるということも実態でありますし、あるいは日本自体が先進諸国に比べて低位にあるということも今までの実績等から報道されておりまして、日本国内でもいろんな取り組みが今模索されていると思います。そういう中で、東京都教育委員会では、土曜日の授業を再開したいということで、いろんな条件はありますけれども、文科省とも協議しながら月2回ですか、そういう取り組みも始まっております。
 私が申し上げたいのは、岩手県としても、全国の様子を見ることもいいんですが、既に全国レベルでも東京都はずっと上のレベルだと思うんですけれども、そういう中ですら、そういう取り組みが既に始まっておりますので、やっぱり岩手県としてもすぐ、あす、あさってというわけにはいかないと思いますけれども、真剣にそういうことを教育委員会としても取り上げて検討していいのではないかなと思いますが、所見をお伺いしたいと思います。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 ただいま東京都の例を御指摘いただきました。これは実は平成20年1月に中教審の答申が出されまして、その中で先ほどお話ししたような土曜日、日曜日であれば教育効果が上がるという、そういう活動について、その重要性について答申が出たわけですが、東京都ではそれを受けて、今お話がありましたように月2回、条件がございますけれども、活用するようにという通知を出したということは伺っております。ただ、先ほどもお話し申し上げましたけれども、本来休業日である日に、例えば地域や保護者との関係の中でやらなければならいものであればそうですが、そうでないところを休業日に授業をするということが、果たして子供たちの負担も含めてどういうものかということを考えたときに、そういうことを含めながら検討しなければならないと。
 それから、学習の状況の御指摘もございました。もう、これまでもいろいろ御報告申し上げておりますけれども、先ほどもありましたが、ただ単に先生方の指導力だけではなくて、それを取り巻くさまざまな要素なり状況を、今後さらに検討しながら取り組んでいかなければならないと思っております。ですから、土曜日の授業をするようにという通知を、今するという考えは持ってございません。
〇新居田弘文委員 実態は先ほどお話がありましたように、もう少し頑張ってほしいというのが父兄の皆さん、あるいは皆さんも同じ思いだと思います。ただ、それを土曜日に使うか使わないかまた別途検討するということですので、それは少し様子を見たいと思います。
 三つ目でございますが、最近、奥州市衣川区内の長者ケ原廃寺跡に隣接する接待館遺跡が国の史跡指定になったという報道を耳にしておりますが、その史跡の持っている内容について御紹介をいただきたいと思います。
〇中村文化財・世界遺産課長 奥州市衣川区の接待館遺跡、これは国史跡になりまして接待館と名称が変わってございますけれども、この内容でございますけれども、平泉遺跡群調査整備指導委員会から、柳之御所遺跡に匹敵する重要な遺跡であるというような指摘を得ております。と申しますのは、柳之御所同様の大規模な堀がめぐってございまして、その中に大量のかわらけが廃棄されているということで、非常に重要な遺跡であると評価されているところでございます。
〇新居田弘文委員 そこで伺いますけれども、平泉の文化遺産、今回2回目ということで世界文化遺産登録の申請をして、ことしイコモスの調査とか、あるいはユネスコで来年判定といいますか結果を受ける状態でございますが、今回の再申請に当たりましては、先ほど申し上げました長者ケ原廃寺跡も含めて何資産か今回落としましたね。そして本体が登録になった後に、それは追加登録を目指したいということで進んでおりますけれども、今、紹介がありました接待館につきましても、まさに12世紀の藤原時代の歴史を残す遺跡でございますが、追加登録遺産としての候補としてなり得るのではないかなと思っておりますが、その辺についての所感をお伺いしたいと思います。
〇中村文化財・世界遺産課長 今、委員から御指摘がございました長者ケ原廃寺跡を初めとする4資産、今回推薦されなかった4資産につきましては、それぞれの課題を踏まえて、調査研究の成果が整理できた段階で、今後追加登録を目指すとしているところでございまして、現在、国や県、関係市町において、課題の確認あるいは調査研究の方針などを検討しているところでございます。
 なお、接待館につきましては、まだ周囲の発掘調査が若干必要だという状況がございます。今後、そういった調査研究を進めながら、追加登録の可能性につきましては、専門家等からの指導を得ながら、必要に応じて検討してまいりたいと考えているところでございます。
〇新居田弘文委員 ぜひしっかりと調査いたしまして、申請にふさわしいのであれば、ぜひそういうふうに進めていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、せっかく八重樫委員長が出席しておりますので、教育に対するお考を御披瀝いただきたいと思います。
 今、NHKテレビの大河ドラマで龍馬伝が放送されておりまして、いわゆる江戸時代末期から明治につながる、明治維新前夜の放送だと思います。当時はまさに坂本龍馬を含めまして、いろんな方々、薩摩あるいは長州、土佐等を含めて、まさに江戸から遠い小藩の下級武士の人たちが日本の将来を思ってあのような活動をして、まさに今の日本の礎をつくったのではないかと思っておりますが、今、翻って現状の実態を見ますと、国際的な視点とかあるいは将来を思うとか、その辺について個々にはそれぞれ秘めていると思いますが、識者からの話によりますと、日本のあれが小粒になったのではないかなと言う方もいますので、今後、岩手の教育をどういう姿に持っていくのか、その所感をお伺いして終わります。
〇八重樫教育委員会委員長 突然の質問でありましてろくな話はできませんけれども、私も学校の教員を長く務めまして、いろいろな生徒を教えてまいりました。もちろん、大工になりたい、農業をやりたいという子もいますし、東京に出て一旗上げたいという子もおります。我々は小さいときから夢をいっぱい持たせるような小・中学校の教育においてやって、世界にも目を向けるような子供を育てると。もちろん、地元をどんどん出て行けばいいというわけじゃないので、地元のよさも、地元の産業あるいは文化、自分の家の田んぼを守るような子も育てなければならないし、世界に羽ばたく、日本に羽ばたくような子がいるのであれば、そういう子供を育てるというのが我々教員の役目かなと思っていますし、ぜひそういう子供たちがどんどん出るように、ただし、そういうふうにしてどんどん東京、世界に出ていくと、一方では、過疎地とかという問題も出てきますので、その辺が大変難しいところですけれども、小さく固まるのではなくて、夢をでっかく持ちながら世界にも羽ばたくような子、そして地元をも愛するような子供、そういう子供をぜひ育てていきたいものだなと思います。
〇佐々木博委員 ただいまの新居田委員の学校週5日制、これに関連してちょっと伺いたいと思います。
 小学校は平成23年度、中学校は平成24年度からでしょうか、新学習指導要領が始まりますけれども、平成21年度から前倒し期間に入っているはずでありますが、本県の場合はどういった状況になっているでしょうか。
 聞くところによりますと、前倒しをやりますと、授業時間がふえるんですね。その関係で、非常にタイトになっているというようなお話も聞くわけですが、その辺についてちょっとお聞かせいただきたいと思います。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 ただいま委員御指摘のように、今年度から小学校は移行措置ということになっております。それで、小学校は来年度、23年度本実施ということですが、今現在、移行期間の中で、例えば最終的に完全実施になったときの時数はしっかり決められておりますけれども、その移行期間中につきましては、学校の状況に応じながらやれる教科とか、そういうことが多少違いがございます。その中で、確かに時数がふえるわけでありますので、その時数を生み出すという苦労といいますか、工夫はさまざま必要になってまいります。そういう意味で、学校ではいろいろ苦労をされている部分がございますが、その学校あるいは子供たちの状況に合わせながら、例えば今年度は何時間に設定すると、そして徐々にふやしながら最終的に完全実施の時数に持っていくという形で、各学校でいろいろ工夫をしていただいていると思っております。
 確かに、ふえていく部分をどうやっていくかということに関しては非常につらいといいますか、言葉があれですけれども、苦しい部分はあるのかなとは認識しております。
〇佐々木博委員 たしか小学校は45分授業、中学校は50分授業、1日7時間授業をつくらなければ間に合わなくなるんじゃないかというようなお話も聞いていますけれども、せっかくゆとり教育と言いながら1日7時間も授業をやって、それが果たして本当にゆとり教育になるのかなと、一つはそんな思いがいたします。
 それから、先ほど小岩義務教育課長が土曜日、日曜日、どういった使われ方をしているかということについての御答弁がありましたけれども、そういった理想的なところも確かにあるでしょうけれども、ほとんど何もされていないところも現実にはかなり多いんですね。
 それで、私一番の問題は、文科省の役人は土曜日、日曜日は休みだという前提で物を考えていますけれども、今、土曜日、日曜日が休みじゃない職業がすごく多いんですよ。それで、結局、小学校低学年の子供なんか、親もいないところで一日じゅうテレビを見たりゲームをやったり、そういった子供たちがむしろすごく多いんですね。ですから、そういったこともいろいろあって、恐らく東京都は、月に2回ですか、いろいろ制限はあるけれども学校で授業をやってもいいと、そういう方針を多分打ち出したんだろうと私は思います。
 土日といいますか、休みのこの使い方というのは、本当に地域によっていろいろだろうと思うんですが、例えば昨年度、私たちの会派は杉並区の和田中学校に行ってまいりまして、見学するつもりが、中学生の生徒と一緒に授業を受けさせられてきたんです。世の中観という授業を受けてきたんですけれども、そのときにいろいろ勉強になったんですが、一つは、あそこは塾を学校で呼んで、そして夜、勉強させているということが話題になっているわけであります。これを夜スペと言うそうで、何か変なことを連想するんですが、夜のスペシャル授業ということだそうであります。一緒にやったのが土寺というのがありまして、これは何かといいますと、土曜日の寺子屋授業なんですよ。それであの辺、大学の教育学部に行っている学生さんだとか、あるいは学校の先生をやったOBだとか、大学の先生もいるようでしたけれども、そういった方々が集まって寺子屋塾をやっているんですね。本当にそういったことがきちんとやれるところであれば、私は週5日制は大いに結構だなと思いますけれども、だけれども、現実にやれていないところのほうが圧倒的に多くて、それは年に何回かは親がそろって何かやるということはもちろんあるわけですけれども、日常どうかということになると、無為に過ごしている例のほうがはるかに多いと、これが多分実態だろうと思います。
 ですから、週5日制、基本的には私は反対じゃありませんけれども、ただ、土日の使われ方、現実にどういう使われ方をされているかということをもう少し県教委としては詳しく実態を調べてみて、そしてやはりそれなりの対処の仕方というものを考えていくべきではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 土曜日、日曜日の過ごし方、子供たちの過ごし方につきまして、委員今御指摘の状況というものは私どもも伺っております。すべての地域、子供たちではもちろんないわけですけれども。その中で学校週5日制という、先ほども申し上げましたけれども、趣旨というものに照らし合わせて考えたときに、どういうところで、どこまで県教委が市町村教委と連携をとりながらやっていかなければならないかというのは、非常に難しい部分があるのではないかなと思っております。それこそ、地域の違いがございますので、本当にある意味では地域の中で、昔は受け皿みたいなスタンスの言い方もしまして、子供たちが活動できる場所をきちっと設定しながら、いろいろ工夫してやっている地域もございます。それを県として、例えば一律に、本来休業日であるところをというものが果たしてどうかというところも十分考えていかなきゃなりませんし、それから、先ほど言った子供たちの負担、あるいは学校、実際に子供たちを指導している先生方が授業時数等についてどうお感じになっているかとか、そういうことも含めながら、やっぱり検討していかなければならない中身ではないかなと思っております。
〇佐々木博委員 関連ですのでこれで最後にしますけれども、さっきも申し上げましたけれども、土曜日、日曜日が休みだという前提で物を考えることが現代にマッチしていないと思います。これからますます土日に休めない方々がふえてきますよ。もう、本当に休日が分散しているんですよ。ですから、そういった時代背景も考慮して、ぜひとも対応していただきたいと思います。
〇工藤勝子委員 高校再編による今後の課題についてお尋ねをいたします。
 先ほど新居田委員からも御質問がありましたけれども、今年度、遠野ビジネス校を初めといたしまして、五つの高校、分校が閉校となりました。遠野ビジネス校も、60年を超える歴史に幕を閉じたわけであります。多いときは300名を超える生徒がいたというときもございました。しかし、最後は34名で、でも、閉校式はすばらしい感動的なものがございました。
 そこで、閉校された各地元においては、今後あそこの学校をどうするんだという声が上がっております。そういう中において、私もなかなか聞かれても答えられない部分もありますけれども、前に聞いたときには、校舎等において草刈りだけはしたいというような答弁があったと思っておりました。そういうところで、今後、校舎、体育館、校庭も含めて、また、ビジネス校でありましたので、パソコン等も整備されてあったんだろうと思っております。その備品等の今後の活用検討についてお尋ねをいたします。
〇宮野学校施設課長 まず、閉校となった校舎、体育館、いわゆる閉校施設、今年度末に閉校となる5校を含めまして6校ございますが、この閉校施設については、県の他部局あるいは市町村に利活用について照会しておりますけれども、現時点で具体的な活用の見通しは立っていないという状況でございます。
 それから、パソコン等の備品の活用についてでございますけれども、今年度末に閉校となる5校の校務用等のパソコンについて申し上げますと、基本的には統合する学校へ移動した上で、今後、県内全体の過不足調査などを行って、配置がえをして再利用を図るという予定にしてございます。
 また、教育用、授業用のパソコン、これも215台ほどありましたが、基本的に教育用パソコンについてはリース契約で調達しているものでありますことから、基本的には、リース契約業者へ返還するということになるものでございますが、一部のパソコンにつきましては、古いタイプのパソコンを使用している学校へ移設をして再利用を図ることにしてございます。
 その他さまざま学校には備品等々ございますけれども、統合先の学校での活用のほか、県のネットワークコンピューターを活用して、各学校、各公所へ利用希望照会を行いまして、その利活用に努めているところでございます。
〇工藤勝子委員 校舎はどうかわかりませんけれども、敷地は市町村のもの、財産というんですか、また、例えば個人のものもあるという話も聞いておるんですけれども、そういうことはございますか。例えば個人のものがあって、今後閉校になっても借地していますので、借地料を払っていかなければならないというところはございますか。
〇宮野学校施設課長 校舎ですと、例えば旧久慈水産高校、これは廃校になりまして現在未利用でございますけれども、あの敷地の約4割ほどが地元の組合といいますか、共有なんでございますけれども、地元の皆さんの所有地でございまして、現時点でもその賃借料を支払っていると。
 私どもとしても、基本的には廃校施設についてはその利活用を図っていくということが第一義でございますし、ただ、どうしても老朽化した施設については、地域の防犯、安全上、あるいは景観上、解体ということも当然考え、そして特にも賃借料をお支払いしているものについては、その返還を進めていくということを当然考えていかなければならないものだというように思っておりますが、実情を申し上げれば、さまざまに施設設備の整備、耐震化を初めいろいろ進めていかなければならないという中で、久慈水産高校の場合も、仮に壊しますと解体費だけで億という金がかかります。そういう中で、なかなか解体費のほうまでまだ手が回らないという実情でございます。
〇工藤勝子委員 それでは遠野ビジネス校は、あそこの敷地は県のものですか。
〇宮野学校施設課長 恐れ入ります。確認をさせていただきます。
〇工藤勝子委員 それでは、久慈のほうの関係で賃借料も発生しているというようなことがございますけれども、今後、管理に向けた県の負担について、どのくらいになるのかというところをきちっと調べていらっしゃるんでしょうか。
〇宮野学校施設課長 さまざまに維持管理費がかかってまいります。先ほど申し上げた賃借料もございますし、あるいは警備の関係の委託料とか、あるいは樹木の管理でありますとか芝の管理でありますとか、さまざまそういうものもあります。ちょっとその辺の各種経費について、今ちょっと取りまとめた資料はございません。御了承願います。
〇工藤勝子委員 それでは、この県教委の予算の中で、そういう維持管理の経費というのはどこの部分に入るのか、教えていただきたいと思います。
〇高橋予算財務課長 済みません。高等学校全日制で申しますと、予算に関する説明書の212ページ、全日制高等学校管理費の管理運営費の中に、例えば機械警備をやっている委託料でありますとか、日常的な草刈りに要する経費等を計上しております。それぞれあとは全日制の管理運営費に計上しております。
〇中平均委員長 工藤勝子委員の質疑の途中ではありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時57分 休 憩
午後1時3分 再開
〇久保孝喜副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。本日は、この後9人の質問者が予定されております。質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 補充答弁を求めます。
〇宮野学校施設課長 午前中に遠野高等学校情報ビジネス校の土地についてお尋ねがございまして、県有地かというお尋ねがございました。財産台帳を確認いたしましたが、3.5ヘクタールほどございまして、県有地でございます。ただ、これは、宮守村からの寄付ということになってございます。
〇高橋予算財務課長 廃校に係るランニングコストでございますけれども、おおよそ機械警報設備の委託料が25万円ほど、そのほかにグラウンド等の草刈りで12万円ほどが、無人の場合でもランニングコストとしてかかります。
〇工藤勝子委員 やはりあいているいろいろなこういう施設を活用してもらうためにも、今後も市町村との協議というのは必要になってくるだろうと思っています。市町村に活用を求めているという話がありましたけれども、今後もこういう点について市町村との話し合いを進めていく考えなのか、お話を伺います。
〇宮野学校施設課長 やはり地域で活用いただくということがよろしいかと思っていまして、私ども、これまでは、やや機械的に県庁内で各部局に照会をし、それで活用見込みがなければ市町村のほうに文書で照会をするということで、やや形式的に照会をしていたきらいがあると反省しております。
 今後におきましては、やはり各市町村の地域づくりの将来構想であるとか、あるいは直接市町村に利用計画がない場合でも、地域の医療法人であるとか、福祉法人であるとか、あるいはNPO法人であるとか、さまざまにそういう活用可能性がないのかとか、直接現地に足を運んで、市町村の皆様ともひざを突き合わせて、いろいろそういった情報の収集とか協議をやってまいりたいと思っております。
〇工藤勝子委員 例えば、民間、市町村で活用する場合は、やっぱりここに県との賃借料が発生することになるのでしょうか。その点だけ聞いて、ここは終わりたいと思います。
〇宮野学校施設課長 貸付料の減免ということでございますけれども、県の財産の交換、譲渡、貸付け等に関する条例、これによりますと、現時点では、いわゆる国とか都道府県、あるいは市町村、それから公共的団体への貸し付けというものについては、減免できるという規定がございます。
 ただ、いわゆる一般の民間の会社といいますか、そういったものは、例えば工場とかといったことに使うとなると、公共的団体に当たらないということもありまして、現在の制度では、一般的には減免措置は講じられないというようになってございます。
〇工藤勝子委員 わかりました。
 それでは次に、第71回国民体育大会選手強化事業についてお尋ねいたします。
 平成28年、6年後になりました2巡目の岩手国体に向けて選手の育成強化が行われると思っております。平成20年、21年、国体における成績はどうだったでしょうか。今年度、平成22年の目標はどう設定していらっしゃるんでしょうか。
 また、スーパーキッズ等の取り組み等もありますが、それぞれの競技で子供たちの持っているまさに潜在能力を引き出す指導者としての人材確保が最も重要だと思っておりますが、人材確保の取り組み状況はどうなっているでしょうか、お聞きいたします。
〇川口スポーツ健康課総括課長 まず初めに、国民体育大会の結果でございます。
 第64回国民体育大会の結果は、男女総合成績、天皇杯でございますが、昨年から56.5点減らし、順位も三つ下げて39位ということでございました。
 今大会は目標を30位と設定しておりましたが、大会初日、優勝者は出したものの、個人種目で順調な滑り出しをしたところでございましたけれども、後半に入り、大量得点の競技、団体競技の不振がございまして目標達成には至っておりません。
 来年度の国体の目標は25位というものを設定しております。
 次に、指導者の確保の取り組み状況ということでございますが、岩手県教員採用試験等におきましてスポーツ特別選考という制度がございまして、その中で優秀な人材を確保するということで進めておりまして、実績といたしまして、平成22年度は1名を採用したところでございます。
〇工藤勝子委員 今のところ1名の採用という形ですけれども、これではとても寂しくて何ともならないのではないかと思っています。それぞれの競技において、やはりそれなりの指導者というものを県に呼んで選手の強化を図らないと、多分、25位もまさに夢の夢に終わるのではないか、そのように思っているんです。
 まさに国体は、開催地が天皇杯をとると、今までそういうことだったんでしょうけれども、でも、参加でいいということじゃないんだろうなと私は思っております。そういう面を含めましても、ぜひ選手の強化を今後図って、6年後にはある程度の上位に位置づけるというような形の目標を持ってやらなければスポーツ振興が図られない、そういう気持ちでおりますので、ぜひ今後、この人材確保に向けて、どのような形で進めていくのかというようなところをもう一度お伺いしたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 委員御指摘のとおり、第71回国民体育大会に向かいましては、選手強化本部を設置しまして、その中で中長期計画を立てまして、それに従って進めております。その選手強化本部の掲げている目標も、開催地にふさわしい優秀な成績を上げるという目標を掲げておりまして、先ほど御指摘ありましたように、ただ大会を開催すればいい、参加すればいいというものではないということについては、十分認識しております。
 今回、国体も39位ということで、大変不本意な結果ではございましたけれども、現在の国体に向けた選手強化は、平成28年に選手の主力となる世代、中学生、高校生、それから小学生、その辺をターゲットといたしまして強化を進めております。その結果としましては、今回の国体も、全体としては下がっておりますが、少年種別は今まで以上の結果が出ておりまして、そういう意味では、ターゲットとして進めている強化の実りが見えていると認識しております。
 また、御指摘がありました指導者の問題でございますけれども、県の選手強化本部では、指導者を県外から獲得してくる、それ以上に、現在の本県の指導者の資質向上を図っていくことを優先すべきだというような考え方を持っております。したがいまして、県内の現在指導していただいている方々の資質向上のために、国内トップレベルの指導方法や最新の指導技術の習得を目指しまして、国内トップコーチを本県にお招きして、幅広く本県の指導者を指導していただく事業や、あるいは本県でトップコーチとして認定した優秀指導者を中央競技団体が主催する指導者研修会に派遣するなど、現在、指導者育成に努めているところでございます。
〇工藤勝子委員 ありがとうございました。ぜひ、皆さんの御努力を期待しているところでございます。
 それで、サポート体制ということもありましたけれども、このサポート体制を整備して一層充実するための取り組み、計画についてもお伺いいたします。例えば、これが今のサポート体制ということになるのでしょうか。そうじゃないでしょうか。サポートとは周りの人たちの部分だろうと思うんですね。やはり国体に向けてどんどん県民が、第1回の昭和45年の国体のように、県民全体が盛り上がるような形になっていかなければならないと思うんですけれども、その辺についてお尋ねいたします。
〇川口スポーツ健康課総括課長 選手強化に伴いますサポート体制ということでございますが、今、御指摘いただきましたように、多くの県民が力強く後押ししていただける体制づくり、これも一つのサポートでございます。
 また、選手強化本部が当面取り組まなければならないサポート体制として考えながら進めておりますのは、選手のコンディショニングを維持したり、整えたりするためのトレーナー、この部分につきましては、各競技団体から、ぜひとも配置をしてほしいという要望が多く寄せられております。
 しかしながら、本県は、公認スポーツトレーナーというのは現在5名しかいない状況でございます。したがいまして、このトレーナーを各競技別に配置することを目指しまして、昨年度、公募の上、選考いたしました48名を対象に、現在96時間のカリキュラムによる養成講習会を実施しております。
 さらに、中・高校、各競技団体からの要望がもっとあるわけでございまして、それに向けては、平成22年度から、第2期生も募集しながら計画的に育成しようと考えております。
 もう一点、スポーツ健康科学センターの開設に向けたデータの蓄積ということも重要なことでございます。これも、本県の代表選手を対象に、体力測定データの収集あるいは分析を行いながら、平成28年に生かせるような体制づくりを現在進めているところでございます。
〇工藤勝子委員 わかりました。
 それでは、通告いたしておりましたので、私のほうからも、県産材の活用についてお話をさせていただきたいと思っております。
 いろいろ聞かれましたので、実は、原口総務大臣が、日にちはちょっと忘れましたが、遠野と紫波に視察に入りました。そのときにねっと・ゆりかごも視察されたんですけれども、遠野の木工団地で集成材が加工されるところを知事と一緒に見学されました。その後、紫波の上平沢小学校の木造校舎を見学されたということであります。
 結局、逆に都会のほうと申しましょうか東京のほうでは、今、非常に国産材の木材、県産材も含めてでしょうけれども、木造校舎が建築されているという情報もあります。そういう中において、なぜ岩手県だけがコンクリートなのかというようなことも、私は非常に疑問を持つところであります。
 ぜひ、今後、いろいろな形の中で、やはり岩手らしい教育現場、校舎、そういうものを建設する考えに変えていただきたいと思っております。今度いろいろな形で法律が変わってくるのも、例えば総務大臣が来て、今後、やはり日本の木材振興を図らなければならないという大きな前提もあるものだと、私はそのように思っております。そういう面からも、ぜひ岩手らしい木造校舎、体育館、そういう施設の建設に向けて、もう一度、教育長からお話を聞いて、この部分は終わりたいと思います。
〇法貴教育長 学校施設の整備に当たっては、建築基準法の規制の範囲内で、かつ防災体制を十分考慮の上、積極的に木材を使用したいと考えておりまして、鉄筋コンクリート造となった場合でも、床材、壁材、天井などの内装仕上げ材として県産材の活用に努めているところであり、県公共施設・公共工事に係る木材利用推進計画─これは平成19年度から21年度において、教育委員会の目標値250立米に対して420立米使用して、達成率168%ぐらいになっているということでございまして、こういう取り組みについても、今後、校舎建築等に向けて、県産材をできるだけ使っていくと考えてございます。
〇工藤勝子委員 校舎等も大事ですけれども、例えば子供たちが使用する机とかいす、そういうものも大量に使用するということになれば、コストが非常に安くなっていくんだろうと思っております。ぜひ、子供たちに木のぬくもりを与えるという意味からも、そういう備品等にも目を向けていただければいいのではないかと思っております。
 最後になりますけれども、県内のスポーツ少年団の現状と認識についてお尋ねいたします。
 国体のお話もいたしましたけれども、県内小学校を対象としたスポーツ少年団、多分、数多くあるんだろうと思っております。野球、サッカー、バレーボールといろいろな活動の現状を県はどの程度認識されていらっしゃるのか。まさに小学生の伸び盛りの子供たちには目指す夢というのがあるんですね。子供たちに聞くと、サッカーの選手になりたい、野球の選手になりたい─なかなかお医者さんになりたいとか、先生になりたいということはないんですけれども、とにかくスポーツの選手になりたいというのは、子供たちの大方の夢であります。
 その子供たちの夢を実現させるというんでしょうか、そこでボランティアで、まさに青少年の健全育成も含めて、放課後、さらには夜、うちの孫も夜行っているんですけれども、夜、それから土曜、日曜、そして、さらにはいろいろな形の中で大会等も頻繁にありまして出ておられます。
 そういう形の中で、まさにスーパーキッズは、それぞれ県からすぐれた体力、能力を持った子供たちを集めて教育をしているわけですけれども、もっと子供たちの底上げを図るには、小学校の伸び盛りの段階で、指導している人たちの、まさにこういうボランティアでやっている人たちの指導者というものは、非常に大事な要素になってくるんだろうと思っています。
 県は、それは市町村だから県は関係ないよということではないだろうと思っております。そういう面において、今後のまさに基礎づくりとなるこのスポーツ少年団に関して、県はどのように認識されているのか。
 それから、支援とか予算とかというような関係ではありませんけれども、ぜひこういう人たちにも光が当たるような、教育長にも質問いたしますが、例えばこういう人たちを一度集めて、懇談会を持ってみて、現状を知るというようなことなんかをする考えはないのかお聞きいたします。
〇川口スポーツ健康課総括課長 本県のスポーツ少年団は、現在、団員が3万人弱でございまして、その指導者は今年度5、586名に上っております。そのほとんどが、御指摘いただいたように、ボランティアとして指導に当たっていただいているところでございます。
 指導に当たっては、技術指導のみならず、スポーツを通して、スポーツマンシップ、あるいは自己精進の大切さ、そして子供たちの生活面まで指導していただいておりまして、各指導者の意欲や情熱により本県のスポーツ少年団活動が支えられ、児童生徒の健全育成に大いに貢献していただいていると認識しております。
〇法貴教育長 御提案のあったスポーツ少年団にかかわるような方たちの懇談会みたいな話であったのですけれども、競技団体とも十分意見調整して、どういうものがいいのかということを検討してまいりたいと考えています。
〇工藤勝子委員 認識だけで終わったわけでございますけれども、実は、遠野で事故があったことを多分御存じだろうと思っております。本当に痛ましい事故でありました。そういう形で、小学校6年生の男の子、すばらしいスポーツ万能の選手でありましたけれども、亡くなりました。
 どこでどう責任をとるのか、責任問題がどうなるのかはよくわかりませんけれども、だれも責任はとれないのだろうと思っております。そうなったときに、やはりボランティアで指導している人たちの心に残る傷というのは、相当のものなんだろうなと、私はそのように思っております。まさにボランティアですから、本当に何ともならないことなんだろうと思っていますけれども、ぜひ県で、今後、こういうスポーツ少年団を指導している人たちに、認識だけではなくて、何かの形でこういう人たちに支援をするような方策をとっていただきたいと思うんです。
 例えば教育長と代表者の懇談会だけでも、私たちの活動が認められたという思いも多分あるのではないか、私はそのように考えます。そういう意味から、ぜひ、この人たちが、まさに小学校、中学校のスポーツの振興に大きな役割を果たしていると思っておりますので、もう一度、御所見がありましたら、お話を聞いて、終わります。
〇川口スポーツ健康課総括課長 スポーツ少年団につきましては、県の本部という組織がございまして、その県本部の中に、当課、教育委員会スポーツ健康課の職員もその役員の中に位置づけさせていただいて、一緒になって子供たちの健全育成に努めているところでございます。
 委員御指摘のスポーツ少年団を支える指導者に対する激励といいますか、そういうことにつきましては、今後、さらにいろいろ検討しながら支援してまいりたいと思います。
〇千葉康一郎委員 私から、先ほど委員長のほうから進行に協力してくださいということでございますので、協力いたします。2点質問いたします。
 まず最初に、さきの一般質問等でも出されましたけれども、小学生の学力向上対策について伺います。
 今の本県の学校教育における最重要課題の一つ、これは学力向上であると思います。全国学力調査の結果などから見ると、その状況はまことに芳しくありません。去年の新聞報道になって古くなりますけれども、いずれ昨年4月に実施された全国学力・学習状況調査の本県の結果というのは、小学生は、国語、算数いずれの科目も全国平均を上回る一方、中学3年生は、特に数学の正答率が低いという結果が出ております。中学進学後の学力向上の課題として、改めて浮き彫りになったと思っております。
 算数、数学などは、中学校における取り組みはもちろんのこと、私は、成績はいいと言いながらも、小学校の高学年、いわゆる5、6年生といいますか、そのときにきっちりと習得しなければ、中学校に進んでもこれは進んでいかないと思っております。特に小学校5、6年になりますと、少数とか分数とかになってくると、そのときはわかったとしても、しっかり習得していないとわからなくなっていく、こういう状況があると思います。いずれ、そんなことから基本をしっかり身につけるための反復学習といいますか、あるいは家庭学習こそ大事であろうと思っております。
 県の教育委員会は、この学力向上に向けて、現状における課題とその改善に向けた対策をどのようにお考えなのか伺います。
 これは、いずれ後から教員の指導力向上のほうにもつなげていきたいと思いますので、まずもって、その辺をお伺いしたいと思います。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 本県の学力の状況につきまして、今、委員から御指摘がありましたように、中学校数学に課題が大きい、そのとおりなわけでございます。さらに、小学校からの基礎、基本の定着と大きく関係するのではないかということも、そのように認識してございます。
 それで、県教育委員会といたしましても、中学校対応のために、中学校だけではなくて、やはり小学校から中学校への接続の部分をどういうふうにやっていくかとか、あるいは、特にも算数、数学科のところで今現在取り組んでおりますのは、もうすぐ完成しますけれども、今、御指摘ありました、特にも小学校5年生、6年生から中学校3年生までの小・中を見通しましたカリキュラム編成というものを今、指導主事にお願いしてつくっていただき、これを各小・中学校に配布しようと思っております。つまり、小学校で学んだこと、あるいは、例えば中学年で学んだことが、小学校5年生、6年生でどういうふうにまた反復して学習されなければならないのか、小学校で学習されたことが、中学校ではまたどこで、どういう形で使われていかなければならないのかという形でカリキュラムを編成しているところでございます。
 あるいは、それに合わせながら、今度は、その分野にかかわる確認のための調査問題というものをあわせてつくりながら、学校に活用していただきたい。そういうことも含めながら、小・中の算数、数学の接続を図ってまいりたいと今、準備をしているところでございます。
 それから、これまでもやってきておりますけれども、指導主事による学校訪問等を、小学校、中学校にも派遣しながら、どういう授業のあり方がいいのかという先生方の研修にも、さらに取り組んでいただくということにしております。
〇千葉康一郎委員 今、いわゆる小学校5、6年生から中学校3年生まで連動したカリキュラムを作成中だということですけれども、いずれ、先般、及川幸子委員が一般質問でこの問題を取り上げたと思うんですが、教育長から、たしか算数と数学という話があったように記憶しております。これは、算数、数学のみならず、別な科目も、やっぱりそういうふうな連動したカリキュラムをつくるべきではないかと思っております。その辺はどういう考えなのか、お聞きしたいと思います。
 それから、もう一つ、今お話がありましたように、家庭訪問とか、さまざま出てきますけれども、やはり、これは学校だけの問題じゃなくて、家庭における予習、復習といいますか、そういう時間のとり方が、今の子供たちの調査を見ますと、岩手県の場合は、テレビとかゲームに相当時間が費やされていると調査の結果出ております。この辺をやっぱりある程度、家庭とともに変えていかなければならないのではないかと思いますけれども、どういうふうに思っていますか。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 小学校、中学校を通したカリキュラム編成を他教科でもというお話でございます。そのカリキュラムの編成の必要性はそのとおりだと認識しております。ただ、ことしに限りましては、やはり算数、数学が大きな課題でもあるということで、ちょっと言葉はあれですが、とりあえず、まず算数、数学のところを今、作成しているところでございます。他教科につきましては、これからまた、さらに検討してまいりたいと思っております。
 それから、家庭学習につきましても、委員御指摘のとおり、やはり学校で先生方がしっかりしたわかる授業を行っていくと同時に、子供たちが、学校の中の授業だけでは定着を図るのは非常に難しい部分がありますので、学習の時間あるいは内容等も含めて、学校と家庭がしっかりと連携しながら、お互いに協力しながら取り組んでいくことが必要だろうと思っております。
 そういう意味で、今年度から教育振興運動の県の大きな方針として読書と家庭学習ということに取り組んでいただいておりますし、私どもも、さまざまな会議だけではなくて、PTAの研修会等にもお邪魔させていただいて、家庭学習等の必要性について保護者の方々の御理解をいただけるように今、努めているところでございます。
〇千葉康一郎委員 いずれ家庭学習時間の確保と環境づくり等、学校と家庭が一体的になった仕組みといいますか、その取り組み、これを今後きっちり進めていただきたいと思っております。
 先ほど、冒頭、教育長から教育費の内容の説明がございましたけれども、教育費が前年度より大幅に減ったということでありました。その内容といいますと、いわゆる教職員の人件費が減少したことが大きいという説明があったと記憶しています。
 いずれ子供の減少に伴って徐々に学校規模が小さくなってきているわけですが、一つの学校に勤務する先生の数も、生徒が減りますから当然減ると思いますが、私は、学力向上の面から、子供たちも、それから教員も、お互いに切磋できる環境が必要だ、一定の学校規模が必要ではないかと。それができる環境、そういう学校規模が必要なのではないかと思っているわけです。
 その学校規模というのは、小・中学校の場合には、いずれ学校教育法によって、設置は市町村長、それからそこに張りつける先生の配置は県教委、こういうことですから、一体的にこれを進めていかなければならないわけですけれども、いわゆる小さい学校ですと競争心もそこそこということになって、将来の子供にとっては、残念ながら、切磋琢磨する気持ちがなかなか出てこないと思っているんですね。
 したがって、これは教育委員会では答えられないことかもしれませんけれども、統廃合が今、盛んに小学校、中学校で行われていますが、この統廃合について、進まない地域もかなりあると思うんですが、この件について教育委員会はどういうふうに思っているか、その辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
〇宮学校企画課長 小学校、中学校の統廃合の関係でございますけれども、現在、本県全体におきまして少子化の進行の中で、生徒児童数の減少が進んでおります。そうした中で、学校の小規模化というものも進んでまいったところであります。
 小規模な学校のいい点ももちろんあるわけですけれども、悪い点等については、委員御指摘になったようなことが指摘されているところでございます。
 県内におきましては、現在、小学校あるいは中学校の再編統合が進んでございます。再編統合によりまして、ある一定規模の児童生徒数が確保されることによりまして、人間関係の固定化の解消ですとか、多様な仲間との交流による社会性の育成ですとか、お互い学び合うような機会を通じての学習意欲ですとか主体性の向上、そういったさまざまなメリット、あるいは教員配置の増加などを通じました学校教育の充実など、効果が報告されているところでございます。
 もとより、委員お話しありましたように、小中学校の統廃合、再編統合につきましては、その設置者であります市町村が、児童にとって必要な教育環境の整備ですとか、教育上の効果の向上を目指して取り組むものでございます。
 県の教育委員会といたしましては、児童生徒の減少がこれからも進む中で、学校の活性化ですとか教育指導の充実、教育水準の維持向上を図る観点から、小規模な学校の統合を図っていくことも有効な政策の一つであると認識しているところでございます。
 今後、市町村教育委員会に対しましては、県内で統廃合が進んでございますので、さまざまな先行事例等の情報提供などを行いながら、もしそういった形で統合等を進める場合には、保護者ですとか地域の皆様の十分な御理解なり御協力をいただきながら進めていくように、御助言してまいりたいと考えてございます。
〇千葉康一郎委員 いずれ、教育環境の望ましい規模というのは確かにあると思うんですけれども、そういうことで、この辺は事情もさまざまあると思いますが、各教育委員会とも話をして、要するに子供たちが伸びるような環境づくりを進めていく必要があるのではないかと思っておりますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 次に、教員の指導力向上の観点から、先ほどもお話が出ましたクラブ活動とか、さまざまそういう部活動に対する指導者、いわゆる、これは外部の人材活用をしてはどうかということについて伺うものでございますが、教育は人なりとよく言われますけれども、児童生徒の学力向上には、教員の指導力向上は不可欠なわけですね。
 しかしながら、多くの先生は、いろいろと学校を歩いて聞いてみますと、大変忙しいと。土日も休めないと。先ほどお話が出ましたが、そういういわゆる多忙感が先生の中にあると感じております。したがって、今も申し上げましたけれども、放課後も土日もないわけで、部活動指導のために授業研究といいますか、そういうものも十分できないということがあるわけです。
 そこで一つ、さっきも話が出ました部活動を支援する人材を大いに学校として採用できるように。採用というのは、必ずしも正職員じゃなくて、いわゆる非常勤とか何かで採用すべきじゃないかと思っておりますが、いずれ学校で、例えば大会とか、あるいは他の地域に行って試合をするとかという場合、いろいろと学校の責任になるわけですね。例えば事故とかさまざまあれば。そういう意味から、学校の非常勤とか何かの扱いにしてやれば、その辺がいいのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
〇川口スポーツ健康課総括課長 まず、本県の中学校、高等学校では、運動部活動に現在も多くの地域人材が外部指導者として活用されております。今年度の数値では、公立中学校では64.7%、それから県立の全日制高校では40.8%という数字が報告されております。
 これらの地域スポーツ人材を活用した成果というところでは、学校からは、教員の多忙感軽減が図られたということ、それから、専門的指導を受けたことによって学校における今後の指導に生かすことができるようになった、また、生徒の運動技能が向上した、さらに、精神的な面の向上、あるいは自主的で意欲的な活動が図られるようになったというようなことで、評価としては、大変いい評価が出されているところでございます。
 この地域スポーツ人材のあり方につきましては、各学校によっていろいろなケースがございます。県が行っている事業として進めているものもありますし、各学校あるいは保護者会を通して手だてを講じられているものもあるというようなことでございます。
 現在行われているものについては、大変有効であるというようなお話はいただいているところでございまして、今後とも、外部指導者の活用については進めていきたいと考えているところでございます。
〇千葉康一郎委員 後ろのほうから、わきのほうから、もう15分経過したからという話がありますので、この辺でとどめますけれども、いずれ、さっきもお話がありましたように、地域にはさまざま優秀な人材があります。それから学校の責任というような問題もありますので、ひとつ、できれば、ここではサポート推進事業とか、さまざまありますけれども、非常勤という形にしてでも採用しまして、そして、スポーツ競技の向上なり、あるいは人格形成、そういうような面で非常勤扱いを進めていただきたいと思っているところでございます。
 いずれ、とにかく教育委員会は一生懸命頑張っていますが、より一層、学力向上のために、保護者と、あるいは地域の人たちと一緒になって進めていただきたいと思います。
 終わります。
〇小田島峰雄委員 私は、本当に進行に協力いたします。大きく2点についてお尋ねします。
 第1点目は、第二次県立高等学校整備計画についてであります。このことにつきましては、先ほど、新居田弘文委員、工藤勝子委員もお取り上げになって質問されておりました。多少重なる部分がございますけれども、順次お聞きいたしたいと存じます。
 まず、その前に、つい先ごろ、県立東和高等学校の閉校式がございまして、その後、東和高校の思い出を語る会がありまして出席いたしてまいりました。そこにこちらの八重樫教育委員長が御出席されて、遅くまで、最後まで出席されておられました。こんなに遅くなって大丈夫ですかと私がお尋ねいたしたところ、こういうときだからこそ同窓会やPTAの皆さん方としっかりとお話をしなければいかんのだ、それが私の仕事なんだ、こう言っておられました。御本人を前にして何でございますけれども、久々に歯切れのいい物言いに接しまして感銘いたした次第でございます。
 惜しむらくは、法貴教育長の姿がその場に見えなかったことが、極めて残念であります。
 そこで、せっかく教育委員長がおられますから、まず、この東和高校の閉校式、あるいは、その前には久慈高校の山形校にも出席されたとお聞きいたしました。こうして同窓会やPTAの皆さん方とお話をされて、どういう感慨をお持ちになられたのか、ちょっと御披瀝をいただきたいと存じます。
〇八重樫教育委員会委員長 3月6日、そして3月4日には山形校に行ってまいりました。午前中の卒業式も感動的だったそうでございます。私は、閉校の宣言をしなければならない、つらい告示をしに行ってまいりましたけれども、しかしながら、閉校式も、例えば東和高校の場合は市長、久慈の場合も市長も出ましたが、県議等々、閉校式に皆さん大勢いらして、大変思い出深い閉校式になりました。
 いろいろステップを踏んだり経緯があって閉校になったわけでありますけれども、いざ閉校となると、本当につらいものがあったなと思いますし、いや、もう決まったからいいからとは慰められましたけれども、いざ式典が始まりますと、皆それぞれに、残念だ、残念だという話がありまして、私も胸が痛い思いをいたしました。仕方ないとはいえ、非常に残念だったなという気持ちは持っております。
 ただ、そこに参加した子供たち、東和高校の場合は五十数名だったでしょうか、皆、整然と本当に立派な態度で座っておりましたし、当日いただいた閉校記念誌の子供たちの思い出を書いた作文を待っている間に全部読ませていただきましたが、全部の子供たちが、全員が、東和高校に入学してよかった、ここの卒業生でよかった、誇りを持って卒業できる、それから、閉校式の代表の生徒もそういう話をしてくれて、本当に立派な生徒が育っているんだなと。人数は少なかったかもしれませんが、あるいは閉校しなければならないという条件だったかもしれませんけれども、子供たちは堂々と卒業していきましたし、立派に成長して卒業していったなと私は感じました。すばらしい閉校式だったと思います。
 本当にありがとうございました。
〇小田島峰雄委員 大変ありがとうございました。次回は、ぜひ教育長を御同行されてごらんいただきたいと思います。
〇八重樫教育委員会委員長(続) 久慈のほうを十分に言わないでごめんなさい。久慈のほうも本当に同じように、久慈の場合はもっと人数が少なかったんですけれども、本当に立派な子供たちでした。
 突然済みません。そういうことがありましたので、後話になってしまいましてごめんなさい。そういうことで、同じように感じましたので。
〇小田島峰雄委員 それでは、質問に入らせていただきます。
 第二次の整備計画に入ります前に現計画があるわけであります。平成12年から今年度、21年度までの現計画があるわけでございますが、改めてお伺いいたします。この現計画によって統廃合された高校数は幾つあるのか。また、統廃合後、現在残っている高校のうち、県教委がこれまで説明されてこられました、望ましいのは4学級以上だという話をされてこられましたけれども、今残っている学校のうち、その4学級に満たない高校数は幾つあるのか、学級数ごとにお答えいただきたいと思います。
〇上田高校改革課長 まず、現行計画での高校の動きでございますが、現行計画、県立高等学校新整備計画は平成12年度に策定いたしました。策定時点では、設置数83校ございました。平成21年、今年度が最終年度でございまして、設置数は65。これは、この時点で募集停止している学校は除いております。18校が統廃合により減となっております。
 なお、平成22年度も募集しておりますが、その学校数は、田野畑校の募集停止がございましたので64校でございます。
 次に、4学級に満たない学級を持っている学校の数でございますが、これは、平成22年度の募集学級ベースで申し上げますと、4学級に満たない高校数は28校ございます。3学級規模の学校が12校、2学級の規模の学校が14校、それから1学級規模が2校、計28校でございます。
〇小田島峰雄委員 ありがとうございました。現在、4学級に満たない学級数を持っている高校が28校、その内訳は、今お話がございましたとおり、3クラスが12校、2クラスが14校、1クラスに至っては2校もあるんだ、こういうお話でございます。
 そこで、本年度計画満了を迎えるこの現計画をどう総括しておられるのかというのを次にお聞きいたしたいと思います。
 せんだって、久保孝喜委員もこの問題を取り上げておられましたけれども、特に小規模校の検証をどうされておられるのかということでございます。何が問題、何が課題かといったことについてお答えいただきたい。
 また、今度の現計画を進めるに当たって、何か反省すべき点はなかったのか、そういった点についてもお尋ねいたします。
〇上田高校改革課長 現行計画の評価、検証でございますが、第二次県立高等学校長期経営構想検討委員会、1年半にわたって御検討いただきました。その中で小規模校についての評価もございました。
 まず、評価といたしましては、生徒一人一人に対応したきめ細やかな指導ができ、地域との連携により、進路や部活動の成果など一定の成果を上げている、そういった高校がある、こういった評価をちょうだいいたしました。ただ、一方で、生徒の科目選択の幅がやはり少なく、多様な進路希望がございますので、それへの対応、あるいは学習内容の質の確保がなかなか難しいといったような課題もお示しいただいたところでございます。
 それから、恐らく計画策定に向けての進め方についての反省点ということかと存じますが、現行計画の後期計画を策定した際には、まず、県教委案を御提示いたしまして、それで御意見をお伺いした上で、例えば見直し案等を改めて提示する、こういう進め方をさせていただいたところでございます。
 当時、これに関してはさまざまな議論がございました。また、今回は、まず新しい県立高等学校の方向性等についての案をお示ししておりまして、県内各地、説明会ということでお話を伺う機会がございましたけれども、その中では、この進め方については、地域ではやはり不安あるいは戸惑いがあったといったような御意見、御指摘をちょうだいしたところでございます。
 このような経緯あるいは御意見、御指摘を重く受けとめているところでございます。
〇小田島峰雄委員 今もお答えにございましたとおり、計画を進めるに当たって、さまざまな議論がこの高校再編計画にはございました。県立病院の再編のときも同じでございますけれども、とかく県の皆さん方は、一たん原案を決めますと、それに向かってしゃにむに進んでしまうという傾向が見られます。これから第二次の計画を策定されるわけなんだけれども、そこで、以上の総括を踏まえて、この計画をどう進めていくか、まず、進め方とスケジュールについてお伺いいたします。
〇上田高校改革課長 第二次県立高等学校整備計画─まだこれは仮称でございますけれども─を策定したいと考えております。来年度、平成22年度におきましては、ブロックごとに地域住民の方々との意見交換の場を設けまして、十分に御意見をちょうだいしながら検討を進める予定としております。
 また、この計画につきましては、翌々年度、平成23年度前半ごろを目途に策定できるように進めてまいりたいと考えてございます。
〇小田島峰雄委員 先ほどの総括を踏まえて、今度はきちんと意見を聞きながら進めるというお話でございます。ぜひともそうしていただきたいと思います。いろいろ議論する中で、住民の皆さん方というのは、しゃにむに残せ、残せという議論だけではございません。結局、議論の末には、しかるべき方向をみんなで見出そうという力が出てまいります。ぜひとも、そうやっていただきたいと思います。
 ここに、今後の中学校卒業予定者数の見込みの資料がございます。これを見ますと、10年後は約3、000人の生徒数が減少すると出ております。県内ブロックごとに見ましても、特にも盛岡地区が極めて大きな減少を示しているということでございます。これによりますと、学級数でいきますと10年後に81学級も減ってしまう。そういうことになりますと、この第二次の計画の中で、特にもやっぱり問題になりますのは、小規模校の扱いでございましょう。この考え方について、また改めてお聞きいたしたいと思います。
 私は、何も20人になっても、10人になっても、5人になっても学校を残せなんていうことを申し上げるつもりはございません。しかしながら、申し上げるまでもないことでありますけれども、例えば地理的なハンディキャップを負った子供たち、あるいは経済的なハンディキャップを負った子供たちの学ぶ意欲がそがれたり、あるいは学ぶ権利が制限されたりということがあってはならいと思うのでありますが、そういった点にどうこたえていくのかというのは、この第二次の計画の中でも極めて重要な問題となるものと思います。そういう観点でお尋ねいたしたいと思います。
〇上田高校改革課長 御質問ございましたが、具体的な学校の配置、特にも小規模校を含めたということでございますけれども、先ほど申し上げました第二次県立高等学校整備計画、もちろん仮称でございますが、その策定とあわせて、特にも国の動向等がございますので、それを見きわめながら、来年度およそ1年間かけましてきめ細やかに地域の御意見を伺いまして、小規模校を含めました対応につきまして、総合的に検討してまいりたいと考えております。
〇小田島峰雄委員 新居田委員の質問にもございました、国の施策の方向が若干変化してくるということでございます。小規模校に対する考え方が若干改められるとお聞きいたしましたけれども、いずれにしても、さっきも申し上げましたように、学ぶ意欲のある子供たちをしっかりとフォローしてあげる、統合するにしても、その経済的な、あるいは地理的なハンディキャップをできるだけ軽減してあげる、こういう観点で今度の計画も策定しなければならんだろうと思います。
 法貴教育長、その点について教育長のお考えをちょっとお聞きしたいと思います。
〇法貴教育長 今、上田課長からお話ししましたけれども、やはり3学級ではなくて、4から6以下の学級については、地域でさまざまな意見があるんだと思いますが、そういう中で、今、委員がおっしゃられたようなことも念頭に置きながら、十分地域とお話をし合って、どういう形が一番いいのかということについては、その取りまとめをしていきたいと考えております。
〇小田島峰雄委員 ありがとうございました。
 私もかつて、旧東和町内に6校の小学校がございましたが、1校に統合いたしました。どこもかしこも少子化の大きな流れの中で、なかなかきちんとした教育もできないという観点から行ったものでございます。いずれは、だれのための教育かということをやっぱり念頭に置いて今後の計画を進めるべきでありましょう。
 次に移ります。二つ目は、廃校施設の利活用についてであります。これも質問がございました。ダブらないようにお話をさせていただきたいと思います。
 先ほどの御答弁の中で、廃校施設につきましては、現在18校ございますとお答えがありました。その中で、現在、何らかの形で活用されているもの、いないもの、これについてお答えいただきたいと思います。
 それから、この廃校施設18校の、教育財産から外れているかもしれませんけれども、教育財産上の評価額は合わせて幾らになるのか、お答えいただきたいと思います。
〇宮野学校施設課長 廃校となりました18校の中で活用されている学校の状況ということでございますが、既に売却等処分したものが4校ございまして、これは、例えば、大原商業高校は一関市の大原中学校として活用されてございますし、藤沢高校は藤沢中学校として活用されております。あるいは釜石北高校、これは、釜石市の土地開発公社が取得しまして、誘致企業の土地として活用するということでございますし、黒沢尻南高校は、専修大学北上福祉専門学校として活用されているという事例がございます。
 それから、現時点で学校敷地を貸し付けしまして公共的施設等として利活用されているものが2校ございます。これは、例えば久慈商業高校は、久慈市のほうに土地を無償で貸し付けしまして、長内中学校及び学校給食センターとして活用されてございます。ちなみに、建物は既に無償で譲渡しているという状況でございます。それから、岩泉高校の小川校につきましては、岩泉町において、シイタケ生産技術研修センター及び郷土資料館等として活用してございまして、これも県で土地を無償貸し付け、建物は譲与しているということで、そういった利活用がされているということでございます。
 18校の評価額ということでございましたけれども、既に売却等処分したものもございますので、現時点で未利用となる、今年度末でさらに5校が廃校になりますが、それに旧久慈水産高校を加えた6校について申し上げさせていただきますが、土地の財産台帳価格が11億6、800万円、それから建物は、校舎、体育館、産振棟などを含めまして、合計で11億3、300万円となってございます。
〇小田島峰雄委員 基本的には、教育財産の用途廃止をすれば不要遊休財産になって、それを売却して幾らかでも財政に貢献をする、こういう考えだろうと思いますけれども、改めて、この廃校処分に係る基本的な考え方、どういった手順で、どういう考え方で行われるのかお聞きしたいと思います。
〇宮野学校施設課長 廃校施設の利活用処分に当たっては、できるだけ地域の活性化に資するよう、県庁内部及び地元市町村と連携を図りながら検討を進めてまいりたいと思っております。
 また、廃校施設の利活用、処分に当たっての基本的な手順といいますか流れは、先ほども申し上げましたが、まずは県の内部における活用を検討するということです。これで活用計画がない場合は、市町村に対しまして活用の照会をさせていただき協議するということですし、県あるいは市町村で活用の見込みがないという場合は、一般競争入札等による処分も検討するということとしております。
 なお、利活用、処分に当たりましては、原則としては譲渡としておりまして、譲渡が困難な場合は貸し付けも検討するという考え方でおります。
〇小田島峰雄委員 県においてまずは利活用ができるかどうかを検討する、そしてなかった場合には市町村の意向を聞くと、最終的には競争入札によって処分をすると、こういうお考えでございました。
 そこで、市町村は今財政難でございます。非常にいい施設だとわかっていても、なかなかその後のメンテナンス、ランニングコスト等を考えますと、おいそれと市町村でも手を挙げにくいというのが実態でございましょう。そういう中で、民間においても、施設の利活用について具体的な話し合いがなされることもあるというふうにもお聞きしておりますし、我がほうでも、そういった話し合いに向けて今動き出しているところでございます。
 そこで、先ほど御説明がございましたように、活用されている事例を見ますと、さまざまな形態があるようでございます。そこで、市がだめであれば、民間のさまざまな団体ということになるわけでありますけれども、この普通財産の払い下げの基準がございまして、そこはさっき工藤委員にもお答えがあったようでございますけれども、公共団体あるいは公共的団体が減免の対象になるというお答えでございました。
 そこで、例えばNPO法人などの非営利特定団体でありますとか公益法人でありますとか、そういったものは減免の対象となるかどうか。もっと言えば、例えば任意のボランティア団体等が活用したいという場合には減免の対象となるかどうか、お聞きをいたしたいと思います。
〇宮野学校施設課長 先ほども若干答弁申し上げましたが、県の財産の交換、譲渡、貸付けに関する条例というのがございます。市町村あるいは民間等で活用するといった場合に、基本的には財産を譲渡するという場合と、貸し付けをするという場合がございます。県の条例によりましては、第3条の第1号によりまして、譲渡の場合でございますけれども、これは減免できる対象が国、都道府県、市町村その他公共団体となってございます。そういった団体が公用、公共用または公益事業の用に供するという場合に減免ができるという規定になってございます。でございますので、譲渡について申し上げますと、いわゆるこれが国、都道府県、市町村、その他公共団体まででございますので、これ以外のいわゆる公共的団体という規定が譲渡の条文にはございませんので、NPO法人でありますとか民間の会社、これについては減免の規定の対象にならないということで、仮に減免をしようとすれば、これは個別の議決をとって減免をするということになります。
 それから、条例の第4条においては、貸し付けの減免について規定をしてございます。この第4条のほうでは、先ほどの国、都道府県、市町村その他公共団体に加えて公共的団体、これに対する減免という規定になってございますので、貸し付けということであれば、この貸付料の減免については、先ほどのNPO法人、その他広く農協であるとかさまざま公共的団体がございますので、そういった団体に対する減免はできるという制度になってございます。
〇小田島峰雄委員 18校、そのうちの活用されているところは除いて、今お答えがありましたが中には耐震補強も済んでいない校舎もあるわけであります。例えば東和高校で申し上げれば、校舎等は耐震補強は終わっていますけれども体育館がなっていないとか、そういう問題もございます。そして、いろいろ社会教育団体でありますとか、これからいろいろ話し合いがなされるかと思うんでありますけれども、何とか、できるだけそういった方々に道を開いていけるような取り扱いをお願いしたいものであります。
 財産の処分等については総務部のほうの所管とお聞きをしておりまして、向こうに行きますと、基本的には廃校になったらそれはお金にかえるべきだというお考えのようでございますが、東和高校の場合には、61年間地域とともにあった学校でございますし、地域なくして考えられなかったこともございます。そういうことで、ぜひとも今後にあっても、地域で活用していく道を探るべきだと思いますが、最後、教育長の御見解をお聞きして質問を終わります。
〇法貴教育長 廃校にした施設というのは有効利用、地域で使用していただければ一番有効利用になるのかとは考えていますけれども、さまざまな制約条件があるわけですので、個別具体的な話については、そこ別にきちんと判断していきたいと思います。
〇三浦陽子委員 私からは、3点質問を予定させていただいております。
 その前に、八重樫教育委員長、御就任、大変おめでとうございます。私もかつてPTAで大変お世話になった1人といたしまして、大変心頼もしく思っておりますので、ぜひとも岩手県の教育に御尽力いただきたいと思います。
 高校におけます進路指導について伺いたいと思います。
 先ほど平沼委員からも、キャリア教育の取り組みについての御質問がございましたけれども、今回も主要事業の中にキャリア教育という言葉が出てまいりますが、このキャリア教育の取り組みにつきまして、進路指導との兼ね合いといいますか、そこにどのように成果としてあらわれているか、そして課題があるとすれば何なのか。そして、さらに今後、重点的にどういうところに取り組んでいくのかをお伺いしたいと思います。
〇佐々木首席指導主事兼産業教育担当課長 私のほうからは、キャリア教育の現在の取り組みについてお答えさせていただきます。
 キャリア教育では、はぐくむべきものとして、社会人、職業人として自立できる知識、技能、態度をはぐくむこと、それから、自立に向けた自己の将来を考えさせることであると考えております。各学校におきましては、外部講師を招いての講演会あるいはOBを招いての講演会、それから企業見学、専門高校におきましてはインターンシップ等実施しているわけでございますけれども、生徒の将来の希望をきちんと把握しながら、そして進路目標を達成できるように、今取り組んでいるところでございます。
 それから、平成21年3月に告示されました高等学校の学習指導要領におきましても、キャリア教育を推進することが明記されまして、勤労のとうとさあるいは職業に関する学習の必要性について示されたところでございます。キャリア教育を先進的に取り組んでいる学校もございますので、その高校のノウハウ、情報を共有しながら、今後とも、高校においてはキャリア教育を進めていきたいと考えております。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育課長 私のほうからは、進路指導の成果及び課題についてお話ししたいと思います。
 県立高校の進路指導につきましては、すべての生徒が希望する進路を達成できるよう、県高校教育研究会進路指導部会と連携しながら進めているところでございます。
 平成20年度と21年度の学校基本調査の比較から進路状況を申し上げますと、進学関係では、大学等への進学率、これが昨年より1.6%増の40.6%、専門学校への進学率は、昨年度より0.1%減少の18.6%、各種学校等への進学率、これが昨年より0.3%減少の4.2%、職業能力開発施設等への進学は、昨年と同じ1.3%となっております。就職率は、昨年より2.2%減少の30.8%となっております。一方、いわゆる一時雇用者、それからその他無業者といいましょうか、その合計が昨年度より0.8%増加の4.5%となっておりますので、ここの解消を図っていくことが課題であるととらえております。
〇三浦陽子委員 大学等の進学率が大変アップしたということをお聞きいたしました。目標をどこに定めるかということもあるかと思いますけれども、それだけ高等教育に向けての取り組みといいますか、指導が徹底されてきているのかなと見るところでございます。
 今後の重点的な取り組みについてのお答えがなかったかと思うんですが、もしあれば、それをお聞きいたしたいと思います。
 そして、先ほど専門学校、各種学校の進学状況についてもお話しされましたけれども、進路指導を今お聞きしたら、大学とか短大とかを含めてだと思いますが、そちらの進学率は上がっているけれども、各種学校というか専門学校、専修学校には、ちょっと減少傾向が見られるというお話もありましたが、そこの進路指導の体制についていろいろ課題があるように伺っているところでございますが、そこについてどのくらい把握していらっしゃるか。そしてまた、進路指導の部分で、課題をどのように解決してこうとしていらっしゃるか、伺いたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育課長 先ほどお話し申し上げましたように、今一番、生徒それぞれが何を目指しているかということをとらえたとき、課題として考えたのが、一時雇用者と無業者といいますか、その他の進路のところの4.5%を占める生徒の指導だろうと思いました。
 これについての取り組みは確かにお話をし忘れましたので、いずれ、今、産業教育担当課長からも話がありましたけれども、キャリア教育の推進を進めることと進路希望が達成できる学力の育成、これについてより重点的に取り組んでいく必要があると考えております。特にも、キャリア教育を通しまして、生徒の勤労観、職業観、こういったものを育成していきたいと思っております。
 それから、専門学校等への進学状況等についてお話がありました。
 専門学校は、御承知のとおり、専門知識あるいは技術等を身につけ、社会にとって即戦力となる人材を育成する教育機関でございます。昨年4月には、本県の高校生の18.6%、先ほどお話しいたしましたけれども、2、473名の生徒が進学しております。
 進路指導についてさらにお話をいたしますと、専門学校は御承知のとおり数も多く、しかも内容といいますか種類が多岐にわたっておりますので、学校現場では、専門学校に関する情報が不足がちであるということは否めないと思っております。したがいまして、業者による説明会等を通じて、専門学校の情報を得ている現状が見受けられることも確かにございます。ただ、そのような中にありましても、専門高校を中心に、生徒の希望する専門学校を訪問して、適切な進路選択のための情報収集に努めている学校もございます。したがいまして、今後、これから校長協会、あるいは先ほど申しましたけれども県高校教育研究会進路指導部会等と連携を強めまして、専門学校の情報の収集、それから生徒、保護者の方々への提供などを通して、適切な進路指導が行われるように、各高校が主体となった取り組みを強化してまいりたいと思っております。
〇三浦陽子委員 情報がなかなか入ってこない状況だというお話でしたし、岩手県内にも専門学校、専修学校がありますが、県外の学校がかなり多い状況だと思います。情報がないということは、生徒さんもしくは保護者の方が、自分で行って確かめる方法しかないのかなと思いますけれども、資料によりますと、総合学科のある高校で、専修学校に行っている子供さんが3割ぐらいいるというデータもここにあるんですが、普通高校だと2割ぐらいでしょうけれども、総合学科とか、あとは先ほど専門高校とおっしゃいましたが、商業高校とか結構率的には高いように見えるんですが、自分が行きたいところに行ければ一番いいんでしょうけれども、そこの学校の情報がないがために、行ってみたら看板と全然中身が違ったとか、そういう場合もあるように聞いております。まして、資格を取れるということで行ったけれども、資格も取れないでしまったというようなケースもあるというふうにいろいろな問題点が指摘されているようですけれども、その辺につきまして教育委員会ではどのように把握されていますでしょうか。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育課長 御指摘のところ、確かにそういう手抜かりがこちらの進路指導ではあったというところも若干はあります。現実には、専門学校等の情報というのは膨大ないろんな資料が送られてきて、その段階でまず消化不良になってしまうということもございます。あとは今の時代ですから、インターネット等でいろんな情報収集はするということはできますが、やはり委員お話しのとおり、現実に行ってみるということが一番大事になってくるわけですので、その際、どの程度生の情報を手に入れられるか、そこが確かにいま一つ弱いということは否定できないと思いますので、そこら辺を詰めていきたいと思います。詳細なデータ等はまだございませんので、これからとにかく指導を充実させるということで進めてまいりたいと思います。
〇三浦陽子委員 子供たちにとって大事な進路決定をする場面でありますので、高校の先生方が進路指導に一生懸命頑張っていらっしゃるということは私も想像がつきますし、私も4人の子供を卒業させていただいたというのもあって、就職する子もいれば進学する子ももちろんおりますけれども、進学した後も仕事、就職を前提に考えていかなければいけない部分もありますので、キャリア教育というのは本当に大事なものだと思っておりますので、しっかりとした御指導をお願いしたいと思います。
 それで、私はこの間、大東高校の情報ビジネス科の桑の葉っぱを使った研究をして、それを販売するというニュースを見たんですけれども、そういう自分たちが実際に生産から流通まで乗せるという経験ができるというのは、社会人として自分もこうやって頑張るときが来るんだということを示す、すばらしい取り組みだったような感じがいたしましたけれども、そういう取り組みをしている高校もきっとたくさんあるかと思いますが、何かモデル的に御披瀝いただけるものがあったら教えていただきたいと思います。
〇佐々木首席指導主事兼産業教育担当課長 委員から今お話がございましたように、専門高校が中心でございますけれども、実際に実習等を含めて、物をつくってそして生産し、そしてそれを販売するというようなことをしている学校も複数ございます。例えば盛岡農業高校などにありましては、御存じのとおりパンとかあるいはいろんな植物、それから宮古水産高校におきましてはいろんな海産物というようなことで、そういう例はたくさんございます。そういうものは、今後とも、キャリア教育も含めて充実させていきたいと思っておりますので、我々はそれを推し進めていきたいと思っております。
〇三浦陽子委員 通告しておりませんでしたけれども、ありがとうございます。
 それでは、特別支援教育につきましてお伺いしたいと思います。
 今まで認知されなかった部分ということもあるんだと思いますが、増加傾向になっている特別支援が必要な子供たちに対する取り組みにつきましてその現状と、それから、果たしてそれが本当に保護者のニーズに合ったものになっているのかどうか。今、もし問題点があるとすれば、その課題とそれから今後の方向性についてお伺いしたいと思います。
〇鈴木首席指導主事兼特別支援教育担当課長 委員御指摘のように、特別な支援を必要とする児童生徒の在籍というのは、都会ほどではないにせよ、岩手でもふえている状況でございます。その中で、小中学校ではどの学校に入っても、充実した対応が期待されております。
 それから、特別支援学校においては、これも御承知のように、教室不足が起こっている現状がございますので、やはり教育環境の整備といったようなものが課題として上がっております。
 今後の方向性でございますけれども、小中学校の特別支援教育を充実させていくこと、中でも通常学級にも支援が必要な方が在籍しておられますので、そういったところでもきちんと指導できるように充実させること。それから特別支援学校については、施設設備の充実というところが課題と認識しております。
〇三浦陽子委員 学校現場は大変な状況になっているのではないかなと想像できますけれども、今のお話も、結局、ふえてくると非常に設備が足りないような状況だということですが、実際に、私の知り合いの方のお孫さんが通っている小学校、ちょっと発達障がいのお子さんなんですけれども、そのお子さんが、自分が孫として見るととってもいい子なんだけれども、学校に行くと非常に蔑視されるというか、自分が居心地が余りよくなく、そして、僕はばかなのかなと言ってみたり、非常に自分を卑下したりするような、そしてまた、みんなに迷惑をかけているので先生もちょっと別な部屋に置いているという、そういう子供の心の部分についての配慮というのが、もしかしたらもう少しあってもいいのかなという思いがしておりますけれども、その辺につきましてどのようなお考えでしょうか。
〇鈴木首席指導主事兼特別支援教育担当課長 今の例に出されたLDあるいはADHDという、いわゆる発達障がいのお子さんというのはどうしても失敗経験が多くなってまいりますので、そういったような形で自尊心が低いという傾向がございます。特別支援教育に当たっては、その辺を十分に認識しながら配慮していくということが必要だと思っております。そこの部分について、すべての教員が十分な理解を持っているかというと、対応は進んでいるんですけれども、前向きに進めてはいるんですけれども、まだその辺が十分じゃないというところは課題として持ってございます。
〇三浦陽子委員 インクルーシブ教育ということを掲げて取り組んでいても、現実には、なかなか個別の対応に苦慮されているんだろうというふうに思いますが、個別の課題に十分対応できないということと、先の進路指導にも非常にかかわってくるんだろうと思いますが、特にも高校の場合なんかそうだと思いますけれども、その辺の対策といいますか、今後、検討課題としてあるものがあればお聞きします。
〇鈴木首席指導主事兼特別支援教育担当課長 特別な支援が必要なお子さんへの指導というのは、継続的にそして一貫性のある教育を必要としていると考えます。そのためには、先ほど来小学校、中学校あるいは高等学校間の連携というような、つながりという話題も出ておりますけれども、特別支援教育にとってはまさにそのとおり、就学前、そして小学校、中学校、高校、そして社会に出る段階まで、線になるような支援というものが必要になってきていると思っております。学校においては、具体的な指導に当たっては、個別の指導計画を策定して、そして、みんなでお子さん方の指導に目を向けるといったようなことが必要となっていると思っております。
 それから、高等学校に関しましても、現在1.6%の方が在籍しているというデータを持っております。そして、やはり入ってからの指導、そして今度は出ていくときの進路の課題というのも出てきております。この辺についても、私たちは目を向けなきゃならないと思っているところでございます。
〇三浦陽子委員 本当に現実、大変だろうと思います。
 そこで、ちょっと通告にはなかったんですが、私も一般質問それからこの間の総括質疑のときに、杜陵学園の学校教育導入につきまして知事から御見解を伺って、ちょっと何度もしつこくて申しわけないんですけれども、今回やっと実現に向けて、来年度から実施ができるという本当に朗報を受けて大変うれしく思っているところでございますが、やはり今お話があった特別支援の必要なお子さんが結構入っているという現状があります。
 そこで、教員として今度配置される方々がいらっしゃると思いますけれども、そういう方々が特別支援ということに関してきちっと理解をしている方であればいいのかと思いますが、もしそうでないと、非常に生活と学校が別になるわけですので、そこら辺のきちっとした取り組みが今後必要になってくるのではないかと思われますけれども、その辺につきまして、突然で恐縮ですけれども御見解があればお聞きしたいと思います。
〇鈴木首席指導主事兼特別支援学校担当課長 実は関係のほうから私たちのほうにも情報提供がございまして、そのとおり数名でございますけれども、過去に特別支援学級に在籍していたお子さん、あるいはサポートの教員をつけておられたお子さんが在籍しているということが私たちもわかりました。つきましては、配置された教員の方々に対する研修等、十分に私たちも対応していきたいと思っております。
〇三浦陽子委員 今の現状から見ると、普通学校にもそういう子供さんがいらっしゃるということですので、児童自立支援施設としての杜陵学園の役割は、そういう学校教育の本当に原点だと私は思いますし、現に私がいろいろ視察でお聞きしたら、そこの先生方は、ここは学校教育の本当に原点なんだというお話もありました。ですから、今後こういう杜陵学園に配置された先生方の取り組みをもっと全県、人ごとではなく、本当に自分たちの問題として受けとめていただけたらいいのではないかなと思いますけれども、教育長、もし御見解があればお願いいたします。
〇法貴教育長 特別支援教育というのは、インクルーシブ教育というのがまだ生まれて間もないという、そういう言葉が、ともに学びともに育つということが最終的にそういう究極の目的にはなるんですけれども、それに向けて教員自身が、今言ったように意識を改革していかなきゃいけないということがありまして、来年度から、早期に全員が研修を受けて、特別支援教育というのはどういうものだということの認識を、みんなでもう一度原点に立ってやろうということにしていますので、そういう取り組みを進める中で、そういう教育の目的に向けて推進していきたいと思います。
〇三浦陽子委員 それでは、学校保健についてお伺いしたいと思います。
 今のお話の特別支援というのは、体の部分もありますし、精神的な障がいもあるし、知能の障がいもありますけれども、そういうお子さん、それからいわゆる正常なお子さん、いろいろありますが、健康課題とか学校安全対策の取り組みとしては、子供たち一人一人にきちっと目を向けた取り組みが必要だと思いますが、学校保健におきまして、最近気になる現状とか課題、もしくは、これから具体的にもっとこれを重点的に取り組んでいかなければならないと思っている取り組みがあればお知らせ願いたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 児童生徒の健康課題は、疾病のみならず、いじめや不登校の問題、薬物乱用、性の逸脱行動、肥満など、多様化かつ深刻化しているというのが現状だと認識しております。こういうことから、児童生徒の保健管理のほかに、来年度の重点項目と考えておりますのは、1点目が、心の健康についてでございます。
 現代の健康課題の多くは、自分の存在に価値や自信が持てないということなど、心の健康課題と深くかかわっているという指摘もございまして、そういう意味から、心の健康づくりという点が一つの大きな重点と考えております。
 二つ目の重点項目でございますが、これは性に関する教育、薬物乱用防止教育を進めていかなければならないと思っております。
 近年、大麻やMDMA、それから覚せい剤などの薬物乱用による事件、事故が多発しているという現状がございます。青少年の薬物乱用や性に関する問題行動を防止するために、児童生徒が正しい知識を身につけて適切な行動選択ができるように指導していかなければならないと考えております。
 三つ目でございますが、これは肥満防止対策でございます。
 本県の児童生徒の肥満傾向の割合は、すべての学年で全国平均を上回っているという現状がございます。子供の肥満については、今後、生活習慣病などの健康障害を招く危険性があるということでございまして、体力向上対策、食育の推進等、あわせて連携しながら進めていきたいと考えております。
〇三浦陽子委員 私も実は学校健診に行って、小学校の子供さんたちの口の状況を見せていただくことがあるんですけれども、口の中を見ると生活が見えるという部分もありますし、あとは確かに経済的な理由で治療に行けないという子供さんもいらっしゃるんですが、今、県の歯科医師会では虐待防止のために健診をして、それらしいことが見つかった場合は報告をするような取り組みを進めようとしておりますが、学校保健の中で、その辺のことにつきましてはどの程度話し合われて、現実にそういうところで見つかったケースというのは今まであったんでしょうか。
〇川口スポーツ健康課総括課長 ただいま委員御指摘がありました口の中で子供たちの生活、家庭の状況についていろいろな情報が得られるということにつきましては、お話がありましたように、歯科の研究会等で、我々もまた学校の養護教諭たちも、研修会に参加させていただきながら研修を積んでいるところでございます。現在、そういうことで、具体的な例として取り上げているところはまだございませんが、現場の先生方も、そういう視点で物を見ていくということについての研修を積んでいるというのが今の段階だという認識でおります。
〇三浦陽子委員 長くなったようで大変恐縮でございます。
 では、本当に人づくりを担っている教育委員会の皆様の御活躍をお祈りいたしまして終わります。
〇高橋博之委員 ただいまの三浦陽子委員のキャリア教育のところについて、手短に関連の質問をさせていただきたいと思います。
 今、新規高卒者の働き口がないということが大変大きな県政課題になっておりますが、一方で、離職率も依然高い水準で推移をしているというところはなかなか指摘をされないところでありますが、大きな問題であると思っております。
 平成21年度で言いますと46.3%、だから半分は3年たたずにやめてしまっているという現実があります。皆さんからいただいた資料の中で、企業からのアンケートの結果がありますけれども、やめた理由を見ると、仕事になじめなかった、あるいは職場での人間関係というのが上位に位置しております。
 それこそ、昔だったらよく私も親父に言われましたけれども、頭に来る先輩にいじめられようが、飽きようが何しようが、仕事にしがみついて働いたもんだと、こういう話をされますけれども、今こうして、いとも簡単に飽きたとか、合わないとか、嫌なやつがいたと言ってやめてしまうと。こういう数字を私はとても問題だと思っているんですが、これを下げるためにまさにキャリア教育、今、皆さん一生懸命取り組みをされていると思うんですが、この、今、皆さんがおやりになっている社会体験だとか社会見学だとかインターンシップ、もちろんやらないよりはやったほうがいいと思いますが、これだけでその数字を下げられると思っておりますか。
〇佐々木首席指導主事兼産業教育担当課長 今、委員御指摘のとおり、離職率につきましては確かに50%近い状況であると。ただ、この離職につきましては、データとして厚生労働省のほうから出ているんですけれども、県内の離職ということになります。
 就職の場合は、高校生、新卒者の場合は県内、それから6割方が県外に出ていくという状況もありますので、実態としては、県の生徒自体の離職というふうにはなかなかいかない部分もあるのかと思います。ただ、それを前提に申し上げますと、そういうことで離職率は非常に高いと。キャリア教育は、ここ数年全国的にも言われてまいりましたので、生徒の勤労観、職業観、それから忍耐力、あるいは基礎学力、あるいは基本的生活習慣のなさ、そういうものが企業等からのアンケートで出てきているのが事実でございます。それを受けて、我々といたしましても、県の教育委員会といたしましては、本年度末、今月ですけれども、キャリア教育指針というものを策定しまして、そして来年度は各学校にキャリア教育の推進を進めていきたいと、周知を図って進めていきたいと考えております。
 インターシップあるいは就労体験というのは、キャリア教育の中核をなすものと考えております。ただ、それだけがキャリア教育ではないというのも事実でございます。あるいはそういう基礎学力を含めて、そして心の人格の育成も含めて、そして自分の人生を、将来10年後、20年後を考えるキャリア教育を進めていって離職率等の低減をしていきたいと考えています。
〇高橋博之委員 わかりましたが、キャリア教育の一番の教材は、私は先生だと思うんですね。先ほど教育委員長も、これからこういう方針で教育に取り組んでいきたいという中で、夢を持つ若い人たちを育てていきたいんだという話をされておりましたが、それにはまず先生が夢を語れないといけないと私は思うんです。その意味で、もちろん学校の先生になりたくて一生懸命勉強をして、4大を出て先生になる方の中にもすばらしい方々がたくさんいらっしゃるのは知っておりますが、純粋培養で育った人たちだけじゃなくて、もっと社会の荒波にもまれて、生きることのすばらしさや夢を持つことのすばらしさを身を持って生徒たちに教えられる、そういう民間の経験者をもっともっと私は採用していくべきだと思うんですが、校長先生ではよく聞きますけれども、現在、教員で民間出身の先生、社会人採用がどれだけあるのか、実績をお知らせいただきたいと思います。
〇高橋首席経営指導主事兼県立学校人事課長 本県で中学校と高等学校において、平成14年度から社会人特別選考を実施しております。民間企業等の従事者で同一企業等に5年以上の勤務実績があって、教科科目に関する高度な専門的知識や技能を有する方を対象といたしまして、平成21年度、つまり今年度からでございますけれども、3年以上の勤務実績というものに変更いたしまして、さらに博士の学位を有する方も募集しております。実は、教員免許を保有していなくても、任用できるという制度も始めております。
 先ほど採用実績のお話がございましたけれども、これまで7名の採用実績がございます。このうち、民間企業の経験者は3名というところになっております。この3名の方、元アナウンサーの方、あるいは建設会社の社員として働いていた方、あるいは民間企業の職員であった方等々でありますけれども、その方々は、現在、学校のほうではそれぞれの特色を生かした形で教員生活を送っているという現状でございます。
〇高橋博之委員 教育長、社会人の方に、キャリア教育という観点からもっと門戸を広げていくべきではないのかと私は思っておりますが、教育長のお考えをお聞きしたいと思います。
〇法貴教育長 社会人採用はそれぞれの特色があって、そのように非常に活躍していただいていることは事実ですけれども、ここ数年、採用数そのものが非常に狭ばまっておりまして、本務教員の試験についても非常に門戸が狭くなっているところに、この社会人採用が先に走りますので、そこで多く採用しますと、次の採用幅が狭くなるという話が出ていまして、全体の定数管理の中でどれほどのものを採用していけるかということについては、できる限り多く採用するということですが、門戸も狭くならないような調整をしながら対応をしていく必要があると考えています。
〇高橋博之委員 これで最後にしますが、そういう難しい問題もあることはわかりましたが、先生の生きざまというか、私は一番いいキャリア教育の教材だと思いますので、ぜひそういうことで引き続き、この社会人採用にも力を入れて取り組んでいただきたいと思います。
 それからもう一点、企業の採用する側の方とお話をすると、入ってきてやめる人たちに共通して見られるのが、コミュニケーション能力がないということを聞きます。職場で人間関係をつくれない、自分の考えを自分の言葉で語れないと、これは大きな問題だと思います。
 昨年、私どもの常任委員会で、山口県の下関の中高一貫の学校を見にいったときに、とにかくコミュニケーション能力を向上させようという授業に大変力を入れておりまして、班をつくって研究をして、クラスの全生徒の前で自分の言葉で語って、それで質疑をするということを教えて、校長先生だったか担当の先生が、うちは恐らく100%就職するだろうし、どこにでも採ってもらうし、どこに出しても恥ずかしくないと、やめないというような話をしておりましたが、簡単な当たり前のことですけれども、自分の考えを自分の言葉で人に伝えると、これすらできないという子供が今ふえているんだろうと思います。特に岩手県の場合は控え目な子供たちも多いわけですから、ぜひ学校のほうで、コミュニケーション能力を向上させる授業にもっともっと力を入れるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育課長 コミュニケーション能力の育成についてでございますけれども、いずれにしても基礎、基本の確実な定着、それから基本的な生活習慣の確立、そしてコミュニケーション能力の育成と、これが社会人になるために非常に重要なことだと考えております。
 昨年3月に告示されました学習指導要領でも、言語活動の充実、これが国語科だけではなく各教科において、しかも、いろんな研究を聞いてそれをまとめて書く、そしてそれを発表するとか、国語に限らず各教科において重点的に取り組む事項というふうになされておりますので、いずれにしても、コミュニケーション能力の育成のためには、こうした取り組みを各教科の授業で着実に進めていくことが大切だと思っております。
 そしてまた、コミュニケーション能力の育成のためには、発表するだけではなくて、話を聞くという姿勢、それから双方向の話し合いが成立するという能力、そういったもの、いわゆる伝え合う力の育成が必要であると思っております。こういったものは、教科の学習も大事ですが、いずれ学校の教育活動全体で育成していく観点が必要であろうと思っております。
 ということで、高等学校におきましては、義務教育段階の学習を踏まえまして、国語を初め各教科における言語活動、それから体験活動等の充実を図りながら、同時に、進路意識や自立した社会人となるための自覚を持たせて、社会性や実践的なコミュニケーション能力の育成を図っていくということが緊急の課題だと思っていますし、強力に努めて指導してまいりたいと思っております。
〇五日市王委員 私からは、2点についてお伺いをいたします。
 まず1点目、国民体育大会選手強化事業費についてお伺いをいたします。
 この約1億8、600万円のうちの1億1、000万円が中・高生の全国総合体育大会出場への支援、旅費とかの全額支援ということでございますが、中総体、高総体に限らず、例えば東北大会とか全国大会も含めて、同様の取り組みをしている県内市町村の状況をまずお示し願います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 現在の県内市町村の取り組み状況でございますけれども、中学校への補助につきましては、市町村によりまして補助率はさまざまでございますけれども、交通費、宿泊費につきまして33市町村で支援が実施されております。先ほどお話にありましたように、県大会以上というような条件がついてございます。
 また、高等学校への補助につきましては、1市1町で実施されております。
〇五日市王委員 そうしますと、今度県が新しくといいますか全額補助をするということになるわけですが、そういった場合、市町村との兼ね合いというか、これがまずどうなるかというのをお伺いいたします。
 あわせまして、今回のこの補助は単年度なのか、それとも国体までなのか、それとも国体以降も続けるのか、そのことについてお伺いをいたします。
〇川口スポーツ健康課総括課長 各市町村の補助の仕方につきましては、ほかの補助があった場合はそれを差し引いて補助するという形になっているのがほとんどでございますので、県が補助をするとなりますと、その分は、市町村での負担がなくなるということになると思います。
 それから2点目、この補助がどこまでかというようなお話でございましたが、平成28年度に本県で開催します国民体育大会においては、前にもお話し申し上げましたが、開催県としてふさわしい優秀な成績をおさめるためにという目標を大きく掲げてございます。そのことから、国体開催年に少年、成年種別の中心となります児童生徒を対象とした選手強化を推進していく必要があると考えておりまして、28年までは継続していきたいと考えております。その後につきましては、事業の成果を見定めながら検討すると考えております。
〇五日市王委員 いずれ、これは大変私はいいことといいますか、高く評価をさせていただいておりますし、国体までということももちろんわかるんですが、その後も、これから少子化とかスポーツをやる環境もなかなか生徒たちは厳しくなってきますし、岩手県は県民所得が低いところですから、さらに県内で見てもばらつきがありますので、これは市町村との兼ね合いもあると思うんですが、ぜひとも続けていっていただきたいなと思います。
 国体の関係はこれで終わりますが、問題は、今度教育のもっと大きな観点からのお話なんですが、学校のスポーツ、体育系だけではなくて、実は学校には文化系のクラブというのもあるわけでございます。文化系のクラブの人たちが例えば全国大会に行くとか、そういった場合はどういった対応になっているか、お伺いをいたします。
〇大月生涯学習文化課総括課長 文化系への支援についてでございますが、平成20年度から全国中学校総合文化祭派遣補助を開始するなど、現在、中学校、高等学校、それぞれの総合文化祭の開催や全国総合文化祭への派遣に対する補助を行っております。派遣への補助は2日の宿泊分でございます。このほか、高校生の文化活動の技量を向上させるため、文化部に所属する生徒を対象として、専門性の高い外部講師を招いて技術講習会を開催するところでございます。
〇五日市王委員 2日分の補助を平成20年度からと言いましたか、やっていただけるということはいいんですが、これは今までのスポーツ関係の方にしているのと同じような方法だと思うんですけれども、この間3月13日の日報の夕刊にも、はんが甲子園出場とか、例えばまんが甲子園、ファッション甲子園とか、こういうのもあるようでございます。いわゆる文化、芸術の部門でもありますし、ソフトパワーの部門でありますね。今回、知事も漫画に関連したいろんな事業も組まれているということで、これ以外にも、当然美術系、吹奏楽系、合唱系、いろんなものがあると思います。そういったところにもきちんと目を向けていくのが必要なんじゃないかと思うんですね。常に、文化系はスポーツ系の陰に隠れているようなイメージがあるわけでございまして、その辺の大きな考え方というのはいかがでしょうか。
〇大月生涯学習文化課総括課長 中学生に対しましては、平成20年度から補助を開始したということで、高校生におきましては、それ以前から開始しているところでございます。
 委員御指摘のとおり、体育系のみならず、文化系への支援というのは非常に大事だと考えておりまして、今年度の2月補正におきましても、体育系のみならず、文化系への補助についてもお認めいただいたところでございます。
 また、高等学校につきまして、委員御承知のことだと思いますけれども、先ほどおっしゃられたことのほか、昨年夏の全国大会におきましては、盛岡二高の筝曲部が最優秀賞をとったり、岩手高校が団体戦準優勝、福岡高校の女子学生が書道部門において全国1位から10位に与えられる奨励賞を受賞するなど、大変優秀な成績を残しているところでございます。
 文化への補助につきましては、なかなかふえないところでございますけれども、例えば今年度、国からの6月補正で1億円の文化に対して使っていいよという基金がございました。この中で100万円、県の総合文化祭への補助をしたところでございます。なかなかこういったものがないと、文化への補助というのは増額は厳しいところでございますけれども、来年度、今年度と同額の予算を計上しております。なかなか県の財政が厳しい状況なので、このような形で取り組んでまいりたいと思います。
〇五日市王委員 いずれ、厳しい財政状況というのはわかるんですが、きょうの最初の重点施策の中にもあったように、文化芸術振興というのも大きく掲げているわけですね、特に達増知事になってから。ですから、こういった部門へのある意味不公平感が出てくるのかなというような部分もありますので、教育長、いかがですか。
〇法貴教育長 予算措置の仕方というか、全体の県予算の中で枠組みがあるんですけれども、特別に枠を超えて要求できるというのは喫緊の課題みたいなのがあって、国体の競技力向上というのが我々の喫緊の課題だったために、別枠要求ということで措置されたところだと思っています。
 私も文化部のほうには非常につらい思いをしているんですけれども、そういう何か枠の編成の中でどういう重点化をしていくかということになれば、ここをふやしていくと、どこかを全体の中で調整していくということになりますので、そういう予算編成過程の中で、重点化していく中で、どういう取り組みが今後できるのかということについては、委員会内部で十分検討していきたいと考えています。
〇久保孝喜副委員長 五日市王委員の質疑の途中ではありますが、世話人会の申し合わせにより、この際10分間ほど休憩をいたします。
   午後2時59分 休 憩
午後3時15分 再開
〇中平均委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇五日市王委員 それでは、2点目に移りたいと思います。一般質問でも取り上げましたけれども、国重要文化財への支援についてお伺いいたします。
 一般質問でも取り上げ、平成16年度以前、正法寺と中尊寺にかさ上げ補助を行ったということでございますが、それ以外について、実績はどういうものがあるか教えていただきたいんですが。
〇中村文化財・世界遺産課長 平成16年度以前の県のかさ上げ補助の実績でございますが、平成10年までさかのぼって調べてございます。
 正法寺以外につきましては、平成15年度から16年度に、東和町所有の旧小原家住宅の災害復旧の修理事業を実施してございまして、これについては、国庫が85%で、県が7.5%をかさ上げし、地元所有者である東和町が7.5%を出しているという状況でございます。
〇五日市王委員 そうしましたら、このかさ上げ補助を見直した後、いわゆる平成16年度以降に国庫補助事業導入で改修を行った例があればお伺いいたします。
 また、現時点で要望というものがかなりあるというような教育長の答弁だったんですが、どのぐらいあるのかお伺いいたします。
〇中村文化財・世界遺産課長 補助金を見直しました平成16年度以降の実績でございますけれども、東和町所有の旧伊藤家住宅の修理、同じく伊藤家住宅の災害復旧の修理、それから江刺市所有の旧後藤家住宅の災害復旧の修理、それから中尊寺経蔵等の修理の計4件でございます。
 なお、現在、計画を伴い要望として出されているものにつきましては、盛岡市の岩手銀行旧本店本館、それから二戸市の天台寺本堂、仁王門の修理の2件でございます。
〇五日市王委員 いずれ平成16年度以降は、いわゆる災害の関係であるとか、世界遺産の関係にしかということであったわけですが、今お聞きいたしますと、岩手銀行と二戸市の天台寺だけということになるわけですね。
 そうすると、同じような質問になるわけですが、こちらも、いわゆる文化芸術振興という観点からもそうですし、いずれこの辺、もちろん国の分以外は全部県でお願いしますということじゃないわけですよね。当然、所有者負担というものもあるでしょうし、地元もそれなりの負担をしながらやっていくということだと思いますので、これはどうなんでしょうか、こういったものにかさ上げ補助を復活する、あるいは世界遺産という要件にプラス何かつけ加えるとか、そうしないと、災害は確かに特別な部分だからしようがないと思うのですが、いずれ世界遺産ということになると、もう限られますよね。今度は、岩手県で言ったら一戸の関係と釜石の関係が新たに世界遺産の関係になると思うんですが、そうなってくると、まず、実質ほかに支援ができないということになってしまうと思うんですが、いかがなものでしょうか。
〇中村文化財・世界遺産課長 県のかさ上げ補助見直しということでございますが、教育長が一般質問の折にも答弁させていただきましたが、この廃止につきましては、県の補助金制度の見直しによって、市町村総合補助金などに振りかわっているといった面もあるようでございます。したがいまして、今後の見直しにつきましては、県の補助金制度全体の中で検討していくべきものではないかと考えているところでございます。
 なお、釜石等の世界遺産のお話もあったわけでございますが、この補助を見直した時点で、その後に世界遺産というと平泉しかなかったわけでございますが、縄文、それから釜石と暫定リスト登載物件がふえてございまして、これらについても、今後、検討していかなければならないと考えているところでございます。
〇五日市王委員 そうしますと、まず、教育委員会では補助はできないけれども、例えばそういう市町村総合補助金であるとか、例えば振興局の何かそういった予算であるとか、あるいは文化関係の教育委員会以外の部署でも、そういったことに支援をしていく可能性はあるんですか。
〇中村文化財・世界遺産課長 この案件について私のほうからというわけにはいかないですが、実態として、過去の例で申しますと、文化財の保護の観点という立場に立ちますと教育委員会の予算、文化庁予算になりますが、地域振興の観点というところから振興局等の予算を使った例もあるとは認識してございます。
〇高橋昌造委員 私は、県立図書館関係と食育の推進についてお伺いいたします。
 まず最初に、八重樫教育委員長にお伺いいたします。
 読書は、豊かな心をはぐくみ、人生の礎をつくると言われておりますし、それから、食育は3育、知育、徳育、体育などと並んで最重要視されているということで、まさに教育の基本であり原点と言われておるわけでございますが、まず、このことにつきまして、八重樫教育委員会委員長はどのようなお考えなのかお伺いいたします。
 八重樫教育委員長、ひとつよろしくお願いします。
〇八重樫教育委員会委員長 今、高橋委員のお話のとおり私も思っております。特に読書は、知識を身につけるだけじゃなくて、人間の考え方、感性、人間全体を育てる大事な活動だと思っております。それから、食育につきましても、偏った食事をすることによって、体がきちんとできない、あるいは、物の本によりますと、乱暴なことをするとか、さまざまなことも指摘されておりますので、きちんとした栄養素をとりながら、感謝をしながらきちんと食べる、そういう教育が、学校においても、家庭においても大事なものと私はとらえております。
〇高橋昌造委員 ありがとうございます。
 それから、もう一つ委員長にお伺いいたしますが、八重樫教育委員長は、本県の教育界のいわゆるトップリーダーとして、県民の皆様方に一挙手一投足注目されておるわけでございます。そこで、学力向上、体力向上につきまして、いわゆるトップリーダーとして明確な目標または決断をしなければならないときがあるわけですが、今、委員長に御就任なされて、この学力向上、体力向上のために、県民の皆さん方に強いメッセージをぜひ発信していただくことができないか、そこのところをひとつお伺いいたします。
〇八重樫教育委員会委員長 学力向上については、全国学力テストとかさまざまなことがあって、そのたびに県教委もいろいろなコメントをしておりますが、個人的な見解にはなりますけれども、国がやっているテストの結果だけで人間の価値は決まらない、むしろ人間としてどう生きていくかと。それぞれに能力もあるし、個性もありますし、人を思いやるとか、あるいは困難を乗り越えていくような、そういう力があれば、例えば因数分解がだめでもいいのではないかと。極端な話になりますけれども、そういうぐらいの考えで、ただ、小中学校、高等学校で学ぶ、児童生徒として学ぶべき、日本人として学ぶべき学力は身につけてほしいと。そうした上で、テストの結果、順位だけで人間をはからないような、そういう大人になってほしいと。県民がそのように子供たちを見てほしいと。自分の子供も、周りの子供もそう見てほしいと。
 体育についても、確かに国体、オリンピック、金メダルが必要ではありますけれども、そのように努力したことによって、子供が、あるいはその人間が、将来、困難を乗り越えていく力になるのではないかなと。
 皆さんも、花巻東高校の佐々木監督の講演を聞いたとニュースで見ましたけれども、私も彼の話を聞きました。それから、対談集も読みましたけれども、彼の言っている哲学に私は大賛成です。プロ野球の選手として生きていく人間はほんの一握りだと。社会人としてどう生きるか、そういうことをクラブ活動できちんと身につけるべきだと。ですから、小・中・高校においても、そういう力をつけるためにクラブ活動が大事だと。
 要するに、体力もそうじゃないかなと。困難を乗り越えていく精神力、いわゆる体力をつけるために、県民挙げて、ひ弱な人間にならないように、大人も元気で生きていくような県民になってほしい、こんなふうに思っております。
〇高橋昌造委員 教育委員長、まことにありがとうございます。いずれ、本県の教育のまさにこれからリーダーとしていろいろな力を発揮してまいらなければならないわけでございますので、ひとつよろしくお願いいたします。また、期待もしております。
 それでは次に、県立図書館関係についてお伺いいたしますが、この県立図書館には、視覚とか聴覚の障がい者のために、例えば拡大読書器とか、音声図書器とか、点字プリンターとか、そういった障がい者のためにいろいろなものが配置されていると思いますが、その配置状況がどのようになっているのか。また、もしわかるのであれば、市町村立の図書館においても、そういう障がい者が利用しやすい対応がなされているのか、その辺のところをひとつお伺いいたしたいと思います。
〇大月生涯学習文化課総括課長 県立図書館を初めとする公立図書館の拡大読書器等の配置状況についてでございますけれども、まず、県におきましては、視覚及び聴覚障がい者に対する支援は、県立聴覚障がい者情報センターにおいて行っておりまして、拡大読書器3台、CD読書器5台、点字プリンター1台を設置いたしまして、利用者に供しているところでございます。
 なお、県立図書館におきましては、視力が比較的低い利用者を想定し、拡大読書器4台を設置しているところでございます。
 市町村の設置状況につきましては、当課が確認、把握している限りにおきましては、拡大読書器が9館に設置されておりまして、CD読書器は2館、プリンターは1館のみに設置されているところでございます。
〇高橋昌造委員 ありがとうございます。いずれ、障がい者の皆さん方も利用しやすい県立図書館をぜひ目指していただきたい。
 次に、この県立図書館を時々利用させていただいているんですが、児童の方々、この小さな子供さんたちの利用が何となく少ないような気がするんです。そこで、私も図書館に入ると緊張するんですよ、静かにしなければならないということで、余り大きい声も出されないということで、あそこに行くと何かストレスがたまる感じがするんですが、いずれ子供たち、この小さい子供さんたちが、小さいときに読書に親しむ環境をつくってやらなければならないと思うんです。
 それで、あそこの図書館の中に児童専用、子供用の図書室みたいなものを常設できないものか、そのお考えがないのか、ひとつお伺いいたします。
〇大月生涯学習文化課総括課長 委員御指摘の子ども図書室の設置につきましては、委員御承知のとおり、現在、県立図書館において、同様の趣旨であります児童コーナーを設けて、児童書、絵本、紙芝居等、児童向けの資料を配架するとともに、お話し室において、定期的にお話し会を開催しており、今後とも、子供、また保護者に親しまれるような児童コーナーにしてまいりたいと考えているところでございます。
〇高橋昌造委員 ありがとうございます。私は、そのことはもう既にわかっておるのですが、できれば、学校就学以前の子供さんたちが、お父さん、お母さんたちと手をつないで、そして読書に親しむというか、絵本を見たり、何かそういうところが欲しいということでございますので、ひとつ検討していただければなと。
 次に、図書館ではないんですが、小・中・高において図書委員会という制度があるようでございますが、この委員会の中で、本の整理とか、いろいろなものをやられておるようでございますが、そういったリーダーの人たちを学校の、子供司書という表現がいいのかどうか、例えばこれは仮称ですよ。そして、今、そうでなくても学校現場では図書司書が本当に少ないというか、充足されていないというような状況があるので、そういった育てる意味も含めて検討するお考えがないのか、ひとつお伺いいたします。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 ただいま委員からお話がありましたように、小中学校では図書委員会というものが大体の学校でございまして、それぞれの学校でいろいろ創意工夫をした活動を現在もしております。
 例えば、これは小学生ですが、上級生が下級生に読み聞かせをしてあげたりとか、あるいは図書委員会として推薦図書を校内の生徒に教えるとか、あるいは、もちろん教師の力をかりながらですけれども、学校の図書室の運営をしたり、あるいはコンクールの企画、運営ということなども中学校等ではやっております。
 図書委員会あるいは図書委員がリーダーシップを発揮しながら、学校の中で読書活動をさらに広げていくように、今現在もやっているところでございます。
 ですから、委員からお話のありました子供司書といいますか、仮称でございますが、そういう形で位置づけるということも一つの方法だとは思いますが、今やっているような活動をもっともっと意欲的にやっていけるような、そういう励ましも含めて各学校で取り組んでいければいいかなと思っております。
〇高橋昌造委員 形はどうあれ、いずれこの読書活動の一翼になるようにお願いできればなと。
 それから、きょうの質問で、私はがっかりしたというか悲しいことがあったわけですが、実は、学校給食を取り上げた関係で、食育のことをお聞きしようとしたら、これは、学校給食の関係は教育委員会だけれども、それ以外は私どものところではないというような、議会事務局を通してそういうお話があったので、縦割りではなく、いずれ、先ほど私はあえて、通告はしておらなかったのですが、教育委員長に食育の大切さをなぜお聞きしたかということは、やはり小さいときにやらなければならないわけでございます。だから、これは環境生活部だ、教育委員会だという球の投げ合いをしないで、言われたらば素直に受けとめて、キャッチングをしてやられるようにひとつお願いできればなと。
 そこで一つお聞きいたしますが、私は、学校給食を通して児童生徒に対する食育教育がどうなっているのか、まずお伺いいたします。
〇川口スポーツ健康課総括課長 学校、家庭における食育の状況ということで、食育基本法においては、食育とは、さまざまな経験を通じて食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てることとされております。
 現在、学校では、教育活動全体を通して総合的に食育を進めておりまして、学校給食等を生きた教材として、栄養教諭等を中心に食育が推進されております。特にも、地場産物の活用等を通じて、地域の産業等への理解を深め、食への感謝の気持ちや郷土への愛情をはぐくむなど、学校給食を通じた食育推進がなされているところでございます。
 また、家庭におきましては、家族で食卓を囲み、楽しく食事をし、バランスよい栄養摂取や間食のとり方など、望ましい食習慣の確立を図ることが求められておりまして、食育を推進するためには、学校と家庭が連携することが非常に重要でございます。給食便りなどのような、学校から家庭への情報提供、また家庭から学校への連絡など、十分な連携を図りながら進められているところでございます。
〇高橋昌造委員 私は、ここで食育基本法のやりとりをしているのではないんですよ。食というのは、書いて、人を良くするということですよ。その人をよくするためにはぐくむ、それが食育なんです。だから、ここであなたから基本法とかそういうことじゃない。私に言わせれば、もうちょっと食育に対しての取り組み、具体的な、そして、こういう先進事例もあるし、今後、これからの学校給食はこうあるべきとか、こういう考え方もあるというようなことを、ただ棒読みのことをお聞きして─きょうはこれで終わりますが、いずれ、学校には栄養士が配置されているわけですが、きょうここを一つお聞きしたいのは、学校の栄養士の配置基準というのはどうなのか。また、配置の状況、そして、充足されておるのかどうか、まずそこをちょっとお伺いいたします。
〇菊池首席経営指導主事兼小中学校人事課長 学校栄養職員あるいは学校栄養教諭につきましては、自校給食を行っている学校等については1人、それから、給食センターを抱えているところについては1、500食について1人というような基準で職員が配置されているとなっております。
〇高橋昌造委員 最後にいたしますが、いずれ、いわゆる学校栄養士というか、その配置をして、その成果はどのようになっているのかお聞きいたしまして、終わります。
〇川口スポーツ健康課総括課長 学校給食につきましては、栄養教諭が中心となって各地域で食育を推進されているところでございますが、一つ大きな課題と言えるのは、栄養教諭の配置が、給食センターへの配置が本県では多くなっているというのが現状でございます。
 そういう状況の中で、学校給食に所属しながら各学校の食育にどう支援できるかということについては、大きな課題として認識しておりまして、この辺につきましては、さらにモデルケースを指定しながら研究を進めていく予定としております。
 ただ、栄養教諭の配置という制度が進められる中で、確実に各学校における食育は進められてきていると認識しておるところでございます。
〇小野寺好委員 中学・高校部活動への地域スポーツ人材の派遣のかかわりで質問いたします。
 中学生、高校生の競技力というのは、本人の潜在的な能力もさることながら、指導者次第で著しく向上する、そういったことで、教師以外の有力な方の力をかりることは非常に意味があると思います。ただ、反面、過度な練習とか体罰といったことでの事故といった報道も時々見受けられます。
 そういったことで慎重に選ぶ必要があるかと思うんですが、そこで、募集の仕方とか、指導力があるかないかの判定、報酬はどうなっているのか、事故防止等はどのように配慮されているのかお伺いします。
〇川口スポーツ健康課総括課長 県によります地域スポーツ人材の活用ということでございますけれども、この件につきましては、今年度は、公立小学校体育実技アシスタント派遣事業、それから、運動部活動地域スポーツ人材派遣事業、加えて、武道・ダンス地域スポーツ人材派遣事業の3事業を実施いたしまして、合計138校への派遣を行ったところでございます。
 派遣する指導者の募集の仕方につきましては、県スポーツ指導者協議会─これは、資格を持ったコーチが集まって組織しております協議会でございます─それから県競技団体等から、資格を有するなど専門性の高い方の推薦を受けて、その中から派遣しております。
 指導の謝金については、事業内容により異なりますけれども、1時間1、950円といたしまして、1回の指導時間は2時間を原則とし、年20回を上限とするというような制度で実施しております。
 事故防止等についてでございますけれども、派遣指導者を対象としました講習会を開催しておりまして、派遣する前に学校方針の理解、あるいは顧問との連携の重要性、それから、効果的で安全な運動部活動指導のあり方、教育的配慮事項の共通理解を図った上で派遣しているところでございます。
〇小野寺好委員 次に、部活の際に、練習試合とか大会の場合に、大勢で移動しなくてはならないのですけれども、その場合の移動はどうなっているのか。私立高校の場合は、特別の部のために専用のマイクロバスとかを用意することができるかと思うんですが、公立の場合は、そういったことはちょっと無理かなと思いまして、そういった場合の対処をどうやっているのかと。
 報道で、善意で古いバスとか、あと運転操作のミスとか、場合によってはもらい事故、こういったことで、せっかくの大会なんかの出場のための移動で事故に遭ったりとか、そういったことが時々ありますので、本県の場合どうなっているのか。保険とか補償、そういった部分も含めてお聞きしたいと思います。
〇及川教職員課総括課長 現在、県教委では、例えば土日の練習試合等に生徒を先生が引率する場合のガイドラインというものを定めておりまして、その中では、職員みずからがきちんと運転してください、その車については、職員本人か職員と同一世帯の親族所有の車両を利用してくれ、それから、使用される車がきちんと点検整備されていること、その車における対人賠償保険、対物賠償保険、搭乗者傷害保険等、それぞれ任意保険契約がきちんと締結されていること、それから、保護者の了解をきちんと得て私用車を使ってくれ、運転技術はきちんと習熟した職員であること、それから、1日の走行距離、そういった行程が十分に職員に過度の疲労を及ぼすおそれがないことといった内容について、所属長に承認を得て使用するようにというガイドラインを定めておりまして、補償等につきましては、基本的には、私用車を使用した場合には、それぞれの当該車両の任意保険等を使用するようにという形になっております。
〇中平均委員長 本県における事故例。答弁漏れです。
〇及川教職員課総括課長(続) そういった部活の関係で引率して車を運転してといったことについて、本県で事故があったという例は聞いておりません。
〇小野寺好委員 ちょっと予定外の質問を1個したいんですけれども、学校の耐震化の工事ですが、2年前の四川大地震のときにたくさんの子供さんたちが建物の中で死んでいったということで、さきの政権では、たくさんの予算措置を講じたわけですが、さきの政権交代でこの予算がばっさりと削られていったと。そういった中で、ことしの予定とか、もしお答えいただけるのであればお聞きしたいと思います。
〇宮野学校施設課長 耐震化事業、国の予算との関連ということで、国の補助制度のある市町村の公立学校、小中学校の耐震化事業ということでございますけれども、来年度、平成22年度の事業に係る市町村からの要望額につきましては2月に調査をしておりまして─2月時点での再調査では19億9、600万円となっております。
 これは、ちなみに昨年11月にも一度調査をしたのでございますが、これに比較すると4億6、300万円、18.8%の減となっておりますが、この減の理由につきましては、大体、毎年11月と2月で次年度分の調査を実施してございますけれども、その事業費の精査によるものでありますとか、あるいは、私どものほうでも平成22年度の予算額が決して十分ではないというお話もございましたので、市町村のほうに働きかけをいたしまして、来年度の事業を今年度の事業のほうに前倒しをしてもらうといったようなこともしまして、そういったことでこの減になっているというように思っております。
〇及川あつし委員 ちょっと質問の順番を変えまして、今、小野寺好委員からも質疑があった件について、先に御見解をいただきたいと思います。
 問題点の指摘という意味でなんですが、今、小野寺委員からお話があったように、中学校などでは、特に毎週末、部活動において練習試合だと、大会になればまた試合だということで、大体、保護者が手分けをして、ほぼ毎週、自家用車を繰り出して子供たちの送迎にいそしんでいるところであります。自分たちの子供の活動に親が一定の労力を割くのは、これは極めて当たり前なことなわけでありますけれども、やっぱりずっと見ていまして、このやり方が本当にいいのかなと実は私もかねがね思っておりました。
 私が中学校のころなんかに比べて、物すごく今、どこの体育系のクラブ、しかもあまねくどこの学校も、週末の活動というのが非常に活発になっておりまして、うちのクラブであれば、部員が多いところで50とか60人いますから、毎週末、土曜日も日曜日も車が十数台うわっと行くわけですよね。本当にこれでいいのかなというような認識でおりまして、今、及川総括課長から、ガイドラインがあるという話を初めて聞きました。恐らくガイドラインの現場での運用というのは、ほぼ徹底されていないなというのが、今、私はわかったところであります。
 この件について、親御さんから今いろいろな意見があって、やっぱりこういう送迎の仕方で安全面からもいいのかとか、あと、土日休みじゃない方もかなりいますので、本当にこうした形で部活を支えていくことが本来的に正しいかという声も上がっております。きょうは明確な今後こうしますという答弁は求めませんが、今、ガイドライン等の答弁があったわけですが、かなり実態と違うと思いますので、ぜひ現状についてさらにもう少し調査をして、ガイドラインにとどまらない対応も必要なのかなという気がしていますが、現在、教育委員会として把握している現状認識と、今後きちんとした調査も必要だという点についてどのようにお考えか、まずお伺いしたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 学校におけます部活動につきましては、練習試合あるいは大会等に生徒を連れていくという場合には、基本的には公共交通機関を利用するというのが大原則でございます。
 したがいまして、今のようなお話は、学校長が、その大会参加に対して許可をするという段階の中で、どのように生徒を連れていくのかということについても、当然、学校長として認識しながら許可を出すという手続が、学校長が許可をするという手続が必要なわけでございます。
 したがいまして、今の委員御指摘のようなことは、実は中体連の会議の中でも、あるいは各学校からの声の中にも実態として聞こえてきているというのは事実でございます。したがいまして、その辺については、もう一度しっかりとしたルールの徹底というものを図っていかなければならないとは認識しておりますけれども、改めて、その辺についてはもう少し実態把握を進めたいと考えてございます。
〇及川教職員課総括課長 先ほど、ちょっと説明が不足したかもしれませんが、ガイドラインをつくっておるというのは、県立学校に対しての話でございます。中学校等の部活に関する認識については、今、スポーツ健康課総括課長から申し上げたとおりでございます。
〇及川あつし委員 川口課長、質問がやぶ蛇になっては困るのであれですが、私がPTAをやっている学校が特殊な例ではなくて、全部やっていますよ。しかも、どこの部活も。
 私は今、逆に、公共交通機関を使うのが原則だというのは、多分ほとんどの保護者が知らないと思うんですよね。じゃ、公共交通機関を原則使って移動しなさいというと、本当に今までのような活動ができるのかといったら、できないと思うんですよ。ですから、そこのはざまの中で、現状やむない形で、保護者も汗をかきながらかなりやっていると思うんですけれども、さっき御答弁いただいたように、きちんと利用実態が、そういう声が出ているというよりも、これがほぼ実態ですので、こういう質問をしたからといって、じゃ、全部公共交通機関にしなさいと言われるのも困るものですから、安全面をどうやって確保するかといった、あと本質的にどうあるべきかというのをもう少し時間をかけて御検討いただきたいという趣旨でございますので、よろしくお願いします。
 質問に入るわけでございますが、いつも議会事務局からいただいている情報、直近のナンバー12に学校教材費の件が出ておりました。一般質問で私は図書費の件について伺ったんですが、同様の問題だなと思ったわけであります。
 学校の教材費については、御案内のとおり、きょう一部質疑がありましたけれども、学習指導要領が改訂されることに伴って、いわゆる基準財政需要額の算定額が非常に伸びているということなわけでありますが、図書費同様に、各地方自治体において予算措置率に相当のばらつきがあるというような結果が出ているようでありますし、本県も、この数字を見る限り、非常に寂しい数字だなというような感じがいたしております。
 そこで、まず第1弾にお伺いしたいのは、本県の教材費、地方交付税の積算額で出た分について、どのような予算措置率になっているかお伺いしたいと思いますし、それが全国的にどういう順位になっているのか、また、子供1人当たりに対してどのような教材費の額が交付されている状況なのか、現状をまずお示しいただきたいと思います。
〇宮野学校施設課長 県内公立小中学校の教材費に係る地方交付税の基準財政需要額に対する予算措置率についてでございますけれども、文部科学省のほうで調査しています直近のデータで、これは平成20年度の決算額に対する措置率でございますが、決算額と措置率は、本県は31.5%となっておりまして、全国で46番目という状況でございます。
 それから、子供1人当たりで計算した平成20年度決算額の教材費の額は3、138円でございまして、全国平均の5、516円に比較し2、378円少ないという状況でございまして、この1人当たりの額についても、全国的に見た場合は42番目と下位にある状況でございます。
〇及川あつし委員 今、宮野課長から御答弁あったように、非常にまずいなというような数字が出ていると思われます。今の御答弁では、本県については、子供1人当たり教材費が3、138円ですが、東京都が一番高いようで、東京都は1万1、014円ですから、子供1人当たりの教材費が3.5倍ぐらいあるんですかね。もちろん各都道府県の財政力の問題もあると思うんですけれども、これはちょっと、余りにもひどいなという感じがいたしております。
 私も学校現場から、教材費について市の教育委員会に上げても全然措置されないという声をずっと聞いてきたんですけれども、数字を、こういう実態があるんだなというので今回改めて知ったところでありますが、現場の現状とか、学校現場からどういう声が届いていて、どのように今把握しているか、お伺いしたいと思います。
〇宮野学校施設課長 今、委員からもお話がございましたとおり、やはり基本的には、財政的に厳しい状況といいますか、各市町村の教育委員会も、耐震化事業を初め、さまざまそういった課題がございまして、なかなか教材費に手が回っていかないというような状況があるとお聞きしております。
 なお、毎年、文部科学省調査を実施してございますけれども、先ほど申し上げたその前の年度、平成19年度、このときもやはり全国で最下位から2番目といいますか、46番目ということで、こういう状況が続いてございますので、私どもとしても、今後、この状況についてもう少し突っ込んだ形で各市町村の実態を調査して、必要な助言をしてまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 実態調査と必要な助言というところで尽きるのではないかと思いますが、例えば、学校現場からちょっと聞いてみたんですけれども、新しい学習指導要領によれば、きょうも質疑が一部ありましたが、小学校は平成23年度から本格実施ですので、外国語の学習が始まると。今、各学校現場で英語ノートは配られているようですけれども、英語の教育に伴ういろいろなカードの教材とか、新しい教材を買いたいけれども全然整備されていないと言うんですよ。全く。教育委員会に上げてもつかないというようなことも聞いています。
 中学校で言うと、特徴的なのは、平成24年度から義務的に武道をやるわけですけれども、剣道をやろうにも、剣道の用具が非常に高いし、とてもそんな教材費はつかない。これから、平成24年度については、中学校は、女子も男子もみんな柔道ばかりになる、こんな現状になっているのかなというような感じがしています。
 音楽についても、和楽をこれから重点化するということですから、お琴とか、太鼓とかといっても、到底そんな状況じゃないと言うんですね。理科のビーカーすら買えない、こんな状況でありますので、これはちょっと何とか改善していかないと、学力の問題も今回、一般質問で取り上げましたけれども、教材費の予算措置率というのは異常だなと実は思っているところでございます。
 私は、今、答弁で、財政的に厳しいから予算措置率が低いというだけじゃなくて、教材費の重要性というんですか、教育全体、日本についてはOECDの中でも低いと言われていますけれども、本県については、教育にかける予算の認識がちょっと低いのかなと。この教材費一つをとってもですね。図書購入費の件についても質問いたしましたけれども、やはり必要性の認識というところだと思うんですよね。財政需要というのはどこの分野でも高いと思いますから、そこで一概に財政の問題だけを指摘できないという感じもいたしておりますが、改めて、予算措置率がなぜこんなに低いのかという要因をどういうふうに分析しているか、再度御答弁をいただきたいと思います。
〇宮野学校施設課長 要因については、先ほど答弁申し上げたとおり、正直申し上げて、まだ詳しい実情というものを調査してございませんので、それについて今後、調査をしてまいりたいと思っております。
 なお、今、いわゆる認識の問題といいますか、そういうお話もございました。まさしくそのとおりであろうと思っております。私どもでも、今年度におきましては、文部科学省の職員をお2人県内にお呼びして、市町村教育委員会の職員を集めて、学習指導要領全面実施に向けた教材緊急整備に関する説明会といったようなものも開催して、まずは、市町村教育委員会の職員の意識の喚起ということもしてございます。
 なお、教材費に係る予算額でございますけれども、徐々にここ3年、4年、額は増額になってございまして、ちなみに平成21年度当初予算額につきましては、全体で4億1、700万円となってございまして、対前年度、平成20年度の当初に対しては約6、000万円、26.4%の増加ということで、各市町村においても予算の確保に向けて御努力いただいていると認識してございまして、県としても、引き続きそういう方向で御助言なり、御支援なりしてまいりたいと思っております。
〇及川あつし委員 教育は物によって行うものじゃないという認識を私は基本的に持っていますが、ただ、やっぱり最低限の物の整備というのは絶対に必要だなと思っていますので、宮野課長から御答弁いただいたように、学校現場で今、教材の整備がどういう状況になっているかというのを、ぜひ各市町村教委のほうから吸い上げて、一度きちんと精査していただきたいと思います。
 この質問の発端は、実はこういうことだったんです。来年度、もう間もなくですが、平成22年度入学の父兄に対してのいろいろな説明会の中で、22年度に入る子供は、平成24年ですから、3年生になったときに新しい学習指導要領の本格実施になる。ですから、3年生の段階で女の子も柔道着は最低買ってもらわなければならないですよという話をしたら、物すごい騒ぎになったんですよ。たった1年柔道をやるのに柔道着をみんなで買うのか、こんな話になったんですね。何だ、何だと調べていったら、こういう現状だということでありますので、各学校現場で、いずれかなり教材の整備には苦労していると思いますので、きちんと状況を把握して対応していただきたいということを繰り返し申し上げたいわけでありますが、教育委員長、御答弁いただければいただきたいと思います。
〇八重樫教育委員会委員長 委員御指摘のとおり、教師の力だけでは、チョーク一本だけではやはりできないと思います。きちんとした整備をして、子供たちが十分にその教科の学習に専念できるように、今、課長からも答弁がありましたけれども、市町村教育委員会の調査もしてもらいながら、将来を担う子供たちを育成するために必要だということをぜひ訴えていきたいと思います。
〇斉藤信委員 せっかく教育委員長も出席されておりますので、質問したいと思います。
 いわて型コミュニティスクールと検証可能な目標達成型の学校運営について、具体的にどのような目標が設定されているのか。その目標が設定されるプロセス、そして、どう検証されているのか示していただきたい。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 まず、目標の設定についてでございます。その目標の設定に当たりましては、知、徳、体のバランスのとれた児童生徒の育成という観点から、あるいはそれぞれの学校の実態、あるいは子供たち一人一人の実態に応じて各学校で設定されているものであります。
 具体的にですが、例えば基礎、基本の定着という視点では、ある学校では、その担当学年の漢字の読み書きを何割できるようにするとか、あるいは豊かな人間性という視点からいきますと、例えば、あいさつが響き合う学校にしようとか、あるいは体力的な面で、年間を通してマラソン等をやっていく、あるいは50メートル走を何秒で走れるようにしようという形で、それぞれの実態に合わせながら目標を設定しておりますというふうに認識しております。
 それから、目標設定のプロセスについてでございます。その設定につきましては、各学校ごとにさまざまな状況がまだまだございます。例えば、この構想のスタートの段階、スタート時では、校長先生が作成して、先生方に示すという場面が結構あったわけですけれども、最近では、管理職の先生、管理職だけではなくて、全教職員が一緒に参画して、いろいろ議論をしながら作成していく、あるいは、中にはPTAの方々も参加をして、一緒に学校の目標、子供たちを育てる目標をつくっていくということをしている学校もございます。
 いずれ、学校と保護者、地域が一緒になって子供たちを育てるという視点に立った場合に、やはり大事なことは、その子供たちとかかわっていく、どんな大人の方々が、学校職員も含めて、子供たちに寄せる思いといいますか、そういうものも一緒にあわせて共通認識に立っていくという意味で、この目標をいろいろPTAも含めてつくっていくということは、非常に重要なことではないかと思っております。
 検証についてでございます。各学校では、自分の学校の取り組み等につきまして、職員あるいは保護者の方々からもアンケートをとったりしております。そういうことの報告も受けたりもしております。
 それから、さらに、ちょうど2年目でしたけれども、平成20年度に管理職、それから保護者へのアンケート調査を実施しております。その結果、学校経営の改革とか、地域、家庭が連携していく、そういう状況が非常によくわかる、あるいは学校から家庭へ、学校で望んでいること等がしっかり見えてくるようになったという回答も数多く寄せられております。
 それから、来年度はこの構想の最終年度になりますので、来年度また検証のためにアンケート調査等も実施する予定でございます。
〇斉藤信委員 じゃ、改めて聞きますよ。そのいわて型コミュニティスクールというのと目標達成型の学校経営というのと、これは一体なのですか。その概念として一体なのか、どこが違うのか、これが第1点。
 第2点は、県の教育委員会からもらった資料を見ると、学校長のリーダーシップによる目標達成型の学校経営への転換、このことが特別強調されているんですよ。校長がリーダーシップを発揮して、検証可能な目標達成型の学校経営計画を策定し、その目標を実現させると。
 私は、例えば教職員が知恵を出して、中には子供も参加させてというところもありますから、すべてを否定するつもりはありません。しかし、県の教育委員会がやっているのは、校長のリーダーシップで目標をつくって検証しなさいということではないのかと。本当に教職員や子供も参加させて、PTAも参加させて、そういう目標を掲げることを重視しているのかどうかというのを第2点にお聞きしたい。
 第3点に、私は、この事例集を見せていただきました。結局、これを見ると、目標を決めるので手間暇かかると。例えば、これは奥州市の中学校の例ですけれども、学校の教育目標、そして、学年の経営計画、各部の経営計画、学級の経営計画、こういうものを立てるわけですよ。そして、それを評価システムと確認シートを一元化してやるんですよ。確認シートというのは人事考課ですよ。私は、こんなことになったら、まさに学校の管理強化を強めるだけのことにしかならないのではないかと。計画をつくっては年に何回も検証する。それが人事考課と結びついて、校長、副校長との懇談にもなっていく。こういうやり方は、私は何の足しにもならないと思いますよ。
 これは田野畑村の中学校の場合ですけれども、学校評価システムの評価時期というのがあって、5月に生徒評価、職員評価、7月、生徒・保護者評価、職員評価、8月、役員評価、学校評議員評価、10月、生徒評価、職員評価、12月、生徒・保護者評価、職員評価、1月、役員評価、学校評議員評価、3月、生徒評価、職員評価。これだったら評価ばかりやっていることになるじゃないですか。(「常任委員会でやれ」と呼ぶ者あり)何言っているんですか、これは来年度の予算の話ですよ。委員長、きちんと言ってください。来年度予算について聞いているんだから。(「常任委員会があるんだから、常任委員会が。そっちでやれ」と呼ぶ者あり)きちんと説明してやってください。
 その点を、私は、こんなことをやったら、学校の主役である子供たち一人一人の行き届いた教育というのはできないのではないかと思いますが、いかがですか。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 まず、お尋ねの、いわて型コミュニティスクール構想と目標達成型が一体なのかということでございますが、いわて型コミュニティスクール構想というのは、目標達成型の中には二つの視点がございます。一つは、学校がしっかりした経営目標を定める、もう一つの視点は、地域、保護者と協働して子供たちを育てる、これが目標達成型の学校経営でございますが、これらを総称して、いわて型コミュニティスクール構想という呼び方をしております。ですから、一体のものととらえていただいて結構だと思います。
 それから、校長のリーダーシップが前面に出ているということについてでございますが、校長のリーダーシップというのをどういうふうにとらえるかという部分になろうかと思いますけれども、これは、校長が自分で勝手に、独善的に目標を設定したり何かして押しつけるという意味のリーダーシップではなくて、学校全体、先生方が一緒に学校経営に参画する雰囲気とかあるいはシステムとか、そういうものも含めて、あるいは学校経営そのものを地域に開くという手だて、方法等考え方も含めて、校長としてのリーダーシップを発揮していただきたいという意味のリーダーシップということでございます。
 それから、事例の中にいろいろあるということでございますが、これは学校なりに、学校としての評価、これから次に進んでいく評価というものをきめ細かくステップを踏んでいる学校という事例もございますし、また違う、これもいろいろ千差万別な形でやられている、その中の一例だと思っております。
 管理強化につながるのではないかということでございますけれども、私どもは管理強化を強めるためにこの構想を進めているのではなくて、あくまでも子供たちを、学校と家庭、地域が一緒になって育てるというこの視点を大事にしたいというのがこの構想だととらえております。
〇中平均委員長 斉藤委員に申し上げます。
 当該審査対象になっている部局、当該委員も、質疑、発言が認められてはおりますが、その発言はできるだけ簡潔に行うよう、昭和62年議運了承ということでなっておりますので、その点よろしくお願いいたします。
〇斉藤信委員 それで、教育委員長に私はお聞きしたいんですよ。
 教育委員長は教育委員長演述で、一人一人の子供に寄り添って、その成長、発達を保障するのが大事なんだと、こういう演述をしました。私は、こうした目標達成型で計画を立てて検証ばっかりやっていたら、そうでなくても多忙な先生方の、子供たちに一人一人に寄り添った本当の教育ができないのではないかと。そして先ほどの議論の中でも、自己肯定観が岩手の子供は全国と比べても低いと、こういう話もありました。
 国際的に言いますと、孤独を感じるというのが29%で、世界でダントツに日本は高いんですよ。子供が本当にそういう形で自己肯定観がなく孤立化させられている。そういうときに、本当に一人一人に寄り添った教育こそ進めることが必要だし、そういう点ではもっと学校は自由で、先生方にもっと自由度を与えてやるべきではないですか。教育長にお聞きします。
〇中平均委員長 斉藤信委員に確認いたします。教育委員会委員長でよろしいですか。
〇斉藤信委員 教育委員会委員長、申しわけない。
〇八重樫教育委員会委員長 目標達成型につきましては、私も校長をやりましたけれども、必ずしも、全分野、すべての学年についてきめ細かにはできませんでした。それをつくるのにエネルギーを注いで、点検することだけにきゅうきゅうとしているということもあります。ですから、物によっては数値化できるものもあります。できないものもあります。しかし、学校は、何を、どんな子供を育てるんだと言われたときに、ある目標がなければ、それも学校経営としては片手落ちになるということでございますので、例えば遅刻をしない生徒になろうとか、読書をたくさんしようと。たくさんて何だと、こう来ると、また、いろいろと300人いれば300通りになってこれまた大変だということになります。ですから、時には抽象的なものになってもしようがないんじゃないなかと。ただ、ある目標に向かって学校が進んでいくと。そして1年たったときに、こういう子供が育ちましたよと。では、それをどのようにしてチェックするんだと、点検するんだというときには、子供たちの感想とか反応とか、親の感想を聞けば、それで済むことがあると思います。学校によっては、細かに決めて、それをステップを踏んで一人一人に全部やりたい。やれるところはやっていいと思います。それは学校の自由度を県教委は認めているはずでありますので、そのようにやればいいと思います。
 校長のリーダーシップにつきましては、校長がこれをやるからなということは、どこの学校もしていないはずでありますし、校長がリーダーシップをとって、こういう目標をつくってやりましょうと言って、職員と相談をしながらつくる。そこに校長のリーダーシップという言葉を県教委は使っているんじゃないかなと、私は解釈してやりました。ということです。
 それから、悠揚感といいましょうか、誇りを持てるかどうかという問題もありましたけれども、個人の主観的な感想、反応でありますのでとやかくは言われませんけれども、他と比べて岩手が低い、あるいは劣っているかどうかは、私は個人の主観といいますか判断でありますので、その数字で岩手の子供たち、日本の子たちを全部評価することはできないんではないかなと、私は個人的に思っております。
 例えば、社会的な背景もあるんじゃないかと。このように不況であったりとか、倒産があったりとか、お父さんが働いていないとか、収入がないとかということがあると、子供たちは将来に希望を持てないということもあるでしょうし、そういうこともありますので、例えば岩手の子供たちは、奥ゆかしさとか謙遜するとか、消極的だということもあるんではないかなと、私はそんなような気もしております。おれはおれはという、人をかき分けても自分の幸せを求める人間よりは、私はむしろいいのではないかなと思っております。
 しかし、できるとか、できるようになりたいとか、あるいは可能性があるとか、夢を持つ、持たせるということが、人間の成長を促すきっかけになるんじゃないかなという意味で、我々教員、大人、県民全体が、岩手はいいところだと、頑張れば評価されると。助かっているよと、おまえのおかげで助かっているよということを、大人が子供たちに常日ごろから呼びかけていくと。おまえのおかげでお母さんが安心して働けるよとか、褒めるとか、そういうことをどんどんやって、ここがだめだ、あそこがだめだ、そういう結果が出たときに、岩手は低いんじゃないか、日本は低いんじゃないかなというところだけ見るんじゃなくて、そうでない子もたくさんいるんだというところに目をつけていくことによって子供たちは伸びていきますし、必ずしもおれがこうできると言わなくても、力を持っている子はたくさんいるんではないかなと私は信じております。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇伊藤勢至委員 斉藤委員は当該委員なわけですよね。我々は、当該委員は発言をできるだけ控えるようにという、冒頭の委員長からの御指示に従って協力をしてきているつもりでございます。そういった中で、もう既に20分も時間が経過しています。しかも、教育委員会の審議でございまして、教育委員会の今の教育委員長あるいは教育長のお話の中には、教育の目的は最終的にはいい社会人をつくることで、その社会にはルールがあると。ルールを守れる人間を教育していくという議論をしている中で、議会の中で年長議員と言われる議員から、そういうルールを破っていくのはいかがなものか。したがって、委員長の職責で当該委員の発言はこれ以上当てなくてもいいのではないか、そのように思います。
〇中平均委員長 ただいまの伊藤委員からの議事進行でございます。
 先ほども申し上げました昭和62年、議会運営委員会了承により、審査対象になっている部局を所管する常任委員会に所属する委員、ただいまお話のいわゆる当該委員、認めるとはされておりますが、その際、できる限り簡潔に行うということがともに明記されている中で、当該委員の発言は今まで行われるということでございます。
 そういった点を含めまして斉藤信委員に申し上げます。斉藤信委員は当該委員でもありますので、世話人会の申し合わせの趣旨を踏まえ簡潔に質疑されることとし、最後の質疑とされるようお願いを申し上げます。
〇斉藤信委員 最後の質問と私言ったんですがね。
 今、教育委員長から答弁がありましたが、かなりずれておりました。私が聞いたのは、自己肯定観というのは自分にはよいところがあると思いますかと。自分を何か自慢するという話じゃないのですよ、聞いていることはね。私はそういう意味で、この評価についてはちょっとずれているのではないかと。
 それと、目標達成型の取り組み事例というのは、これ県教委がつくって先進事例で紹介しているんですよ。その中に、こういう人事考課、確認シートと一体となった検証を何回もやるようなやり方でいいのかと、毎月検証するような取り組みでいいのかと。県教委がこれを紹介するということは、これを推進するということですよ。私はそんなことを言ったら、まさに学校現場で、一人一人に寄り添った教育は進まないのではないか。こういうことで、私は具体的に教育委員長にお聞きをしましたので、その点について改めて答えてください。
〇法貴教育長 岩手県の生徒のみならず、全国的に、中学校に行くと、小学校で物すごく自分がすばらしいと思うという子供が例えば80%から90%というのが、中学校になると、どんと下がって50%ぐらいになると。そういうことで、本県では、中学校に少し焦点を当てて、もう少しきめ細やかな教育をしていくべきだということで、来年度の予算編成で中学校に少し厚く教員を配置しようという形で予算措置をさせていただいています。
 それから、目標達成型のことで今御指摘がありましたけれども、目標を達成して検証をして、検証だけであとは数値目標だけを立てるということは本末転倒になりますので、子供一人一人がよくなるような学校経営を進めるという趣旨で、これからも取り組んでいきたいと考えております。
〇中平均委員長 ほかに質疑はございませんか。
〇吉田洋治委員 私は、特別支援学校費に関連しましてお伺いします。
 時間も迫っておりますので、簡潔にお伺いをしたいと思いますが、今、委員長から昭和62年の話が出ましたが、私が初当選をした年でございました。
 このたび県教委では、いわて特別支援学校推進プラン案が示されたところでございます。それによりますと、教育環境整備の促進が明記されておりまして、平成22年度までに整備計画を策定して公表することを掲げております。岩手県特別支援学校PTA連合会では、この事案について、これまでも県教委を中心に強く要望をしてきたところでございますけれども、関係者一同大変喜んでおりますが、また同時に、大いに期待をしているというところでございます。
 昨年、政和・社民クラブにおきましては、特P連の担当校となっております県立盲学校の視察をさせていただきまして、校長先生を初め、現場の生徒さんたちを含めていろいろな意見交換をさせていただいて、現状認識を新たにさせていただいたところでございます。
 そこでお伺いをいたしますけれども、特別支援学校の教育環境整備についての策定計画、これを今後どのように推進をしていこうとしているのか、この計画の具体について考え方をお示し願いたいと思います。
〇鈴木首席指導主事兼特別支援教育担当課長 御案内のように、12月にいわて特別支援教育プランを策定いたしました。その中で、明確に示してあるものについて課題を平成22年度に整理をして、そして、その中でどういう整備ができるかということを事務局内で共有いたしまして、そして、その後の整備計画を作成していくということで今、考えてございます。
〇吉田洋治委員 課題を整理して今後進めていくという御答弁なわけでございますが、今次予算にも、特別支援学校費に関しましては、さまざまな角度から予算が計上されております。私は今の御答弁の中で、今後、当面できること、それから短期的にあるいは中長期的に進めていかなければならないこと、これを時系列的に明確にしていく必要があるのではないかと。これを示していくことが、各単Pの学校の方々にも理解を深めていただきながら、強力に推進をしていける方向を見出すことができるんじゃないかと思うんですけれども、その点についてはどうでしょうか。
〇鈴木首席指導主事兼特別支援教育担当課長 実はいろいろ今までの課題につきまして、今委員がおっしゃったように、できるものからとにかく喫緊の課題、そして合意を得られるものから進めている経緯がございます。例えば釜石小の教室増設とか、あるいは今度一関清明支援学校を整備させていただきます。そういう形で喫緊の課題は何なのか、それから他部局との連携も必要な場合もありますので、そういったようなところを見据えまして、今おっしゃったような形で、中長期的なもの、あるいは喫緊のものと整理して進めていきたいと思っております。
〇吉田洋治委員 特別支援学校の教育環境あるいは生活環境の整備につきましては、従来からいわゆる特殊学校PTA連合会、あるいは盲・聾・養護学校PTA連合会、そして現在の特別支援学校PTA連合会、こういう形の中で特P連の皆さんが各学校から出されてきたさまざまな要望、あるいはまた、そうしたことを年1度の研究会を開いて議論をし合って、そしてまとめ上げていって県教委のほうにきちっと要望していくと、こういうことを進めてきたわけですね。私どもはそうした要望を受けまして、PTA連合会の立場の中から、これまで長くいろいろと県教委を中心に要望をさせていただきました。
 私は県教委と保健福祉部、そして進路を決めていく商工労働観光部、ここの三者の連携というのが非常に重要だと思っているんですね。この連携についても、今までも教育委員会は中心になりながらきっちり進めてきたと思うわけでございますけれども、実は要望の際に、たくさんの要望があるんだけれども、教育長からも、絞って重点的に要望したらどうかという御意見もいただいたわけでございますけれども、しかし、単Pの要望については各学校の切なる思いでございますから、それは直接県教委にも、あるいは福祉関係にも、あるいは商工労働関係にも要望をしてきたということ、まずこれは御理解をしていただきたいなと思うんです。
 そこで、みたけ支援学校、御承知のとおり児童生徒が増加しておりまして、ここは昭和55年度に現校舎を設立いたしました。この時点では、14学級ということでございました。現在、平成21年度では27学級ということで、開校時のほぼ倍近くになっていると。学級数がどんどんふえているわけでございます。そして、本校舎は教育長にも視察をしていただいたと思いましたが、いわゆる深刻な教育資料等々の不足もございます。そして校舎の老朽化もございまして、決して褒められた支援学校ではないなといつも思っていまして、教育環境を整備していただきたいと、こういう強い要望もお願いをしているところでございますけれども、現状の認識についてお伺いをしたいと思います。
〇鈴木首席指導主事兼特別支援教育担当課長 盛岡みたけ支援学校の状況につきましては、委員御案内のとおり、同じ認識でございます。長い間課題になってきておるところでございます。ただ、整備に当たりましては、どういう方向がいいかということが、いろんな状況がありましてなかなか定まっていないところがあります。例えば、盛岡地区ただ一つの知的障がいの小学部、中学部、高等部と、順番に受け入れている学校でございますので、そういう形で大きくなって、しかも教室不足が生じてきたということもございますので、根本的にどういう解決をすれば一番子供たちにとっていい方法なのか、そして、それが結果的に施設整備に余裕が出てくればいいわけです。そういうところも含めまして考えていきたい。
 先ほども言いましたけれども、あそこはみたけの園の施設と一緒になった、敷地の中にあるものでございますので、例えば土地の有効利用とかも含めて考えていく必要があるんだろうということで課題として持っておりますし、いろんなアイデアとか意見を聞きながら進めていければと考えているところでございます。
〇吉田洋治委員 課題として思っているということですが、最重要課題として位置づけて対応してもらいたいなと思うんです。
 法貴教育長、要望させていただきまして、12月にはみずから要望の会にも御出席いただきまして、村上会長さんを初め、役員の方々と親しく意見交換もしていただきまして感謝をしているところでございます。
 特別支援学校は、児童生徒は約1、600人前後が在籍していると思います。そしてまた、病気と闘いながら、あすの希望を本当にしっかりと胸に抱きながら勉学に励んでいると、こういう子供たちがおるわけでございまして、弱者に対する思いやり、こういうものをさらに高めていただきたいなと思っておるわけでございますが、今、鈴木担当課長からもお話がございましたけれども、隣接するみたけの園との同一敷地内にあるわけなんで、これらとの連携を深めていただきまして、これは教育委員会と保健福祉部という連携をとってもらわなければなりませんけれども、保健福祉部長からも積極的に対応していきたいというお話をいただいておるところでございますけれども、教育長の御見解と今後の対応をお示しいただければと思います。
〇法貴教育長 みたけ支援学校の課題は、今鈴木担当課長からお話ししたとおり、同一の認識を持っています。それから、保健福祉部との連係プレーが必ず必要だということも認識しておりまして、両部で今までの課題をなかなか解決できなかったんですけれども、そこの部分は連携を強めて話し合いを進めて、できる限り早く話し合いを進めていきたいと考えています。
〇中平均委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇中平均委員長 質疑がないようでありますので、これで教育委員会関係の質疑を終わります。
 教育委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、企業局長から企業局関係の説明を求めます。
〇千葉企業局長 企業局関係の予算について御説明申し上げます。
 まず、お手元の議案の説明に入る前に、平成22年度の事業運営に当たっての基本的な考え方について申し上げます。
 企業局では、これまでも中期経営計画を3カ年ごとに策定し、具体的な取り組み目標を設定した実効性ある経営改革に取り組んでまいりましたが、クリーンな電力と良質な工業用水を安定的に供給し続けるため、老朽化が進む施設への対応や技術の継承、さらには、水力や風力などの再生可能エネルギーの担い手としての役割など、将来に向かって取り組まなければならない多くの課題があります。このために、今後も地方公営企業として、長期的な視点でこれらの課題に的確に対応しながら、時代に適応した経営に努めていく必要があると考え、今般、長期経営方針を策定することとしたところであります。
 平成22年度の事業運営に当たりましては、この長期経営方針に基づき、公営企業の経営の基本原則である経済性の発揮と公共の福祉の増進を基本としながら、平成22年度からの3カ年は、第3次中期経営計画による取り組みを着実に推進してまいります。
 まず、電気事業では、このほど、東北電力と平成22年度以降の長期10年間、安定的に供給するという基本契約を締結したところであり、この契約をもとに、健全で安定した経営の維持に努めることとしております。
 新規開発では、建設に着手する胆沢第三発電所の工事を着実に進めるとともに、中小水力発電等では、新たな候補地点を探索するなど開発、調査を推進するほか、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金を活用し、一般会計や市町村のクリーンエネルギー導入事業の支援等、地域貢献にも努めてまいります。
 また、工業用水道事業では、昭和53年の創業以来抱えていた累積欠損金が、平成21年度末には解消できるめどが立つなど、経営上、節目のときを迎えており、平成24年度に予定されている入畑ダムの水源転用の効果等を見通し、今後の事業運営に当たって検討をしてまいりたいと考えております。
 それでは、議案について御説明申し上げます。
 議案その1の61ページをお開き願います。議案第14号平成22年度岩手県電気事業会計予算についてであります。
 第2条は、業務の予定量でありますが、第1号の年間販売目標電力量は、胆沢第二発電所ほか12発電所の目標電力量の合計を5億2、199万9、000キロワットアワーと定めようとするものであります。第2号の主要建設事業は、次ページにかけてでありますが、胆沢第三発電所の建設工事を実施しようとするものであります。
 第3条は、収益的収入及び支出の予定額であります。収入の第1款電気事業収益は45億5、091万円余で、その主な内訳でありますが、第1項の営業収益42億8、095万円余は、水力発電所12カ所の電力料収入等であり、第2項の財務収益1億9、779万円余は株式配当金等で、第3項の附帯事業収益5、608万円余は、稲庭高原風力発電所の電力料収入であります。
 次に、支出の第1款電気事業費用は41億2、612万円余で、その主な内訳でありますが、第1項の営業費用37億8、372万円余は、職員給与費、修繕費及び減価償却費等であり、第2項の財務費用1億7、951万円余は、企業債の支払い利息等で、第3項の附帯事業費用6、163万円余は、稲庭高原風力発電所の運転管理費用であります。
 この結果、収入と支出を差し引きまして、利益は税込みで4億2、479万円が見込まれるものであります。
 第4条は、資本的収入及び支出の予定額であります。収入の第1款資本的収入は7億8、973万円余で、その主な内訳でありますが、第1項の補助金4、327万円余は、胆沢第三発電所の建設事業等に対する国庫補助金であり、第2項の負担金1億2、861万円は、仙人発電所共有施設工事等負担金で、第3項の長期貸付金償還金6億1、784万円余は、一般会計等からの貸付金償還金であります。
 次に、支出の第1款資本的支出は16億8、741万円余で、その主な内訳でありますが、第1項の建設費1億7、387万円余は、胆沢第三発電所の建設費であり、第2項の改良費7億8、958万円余は、各発電所の設備の改良及び更新に要する経費であります。
 第3項の電源開発費2、380万円余は、胆沢第4地点に係る発電所の詳細設計費等であり、第4項の企業債償還金5億895万円余は、企業債元金の償還金であります。
 第5項の長期貸付金1億6、696万円余は、工業用水道事業会計へ貸し付けを行うものであります。
 第6項の繰出金1、922万円余は、知事部局が実施する新エネルギー導入促進事業等に充てることとして、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金から一般会計へ繰り出しするものであります。
 次に、第5条の債務負担行為でありますが、これは、胆沢第三発電所の土木設備建設工事ほか6事業について、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものであります。
 64ページをお開き願います。第8条は、議会の議決を経なければ流用することができない経費と、その金額を定めようとするものであります。
 以上で電気事業会計の予算の説明を終わります。
 次に、65ページをごらん願います。議案第15号平成22年度岩手県工業用水道事業会計予算について御説明申し上げます。
 第2条は、業務の予定量であります。北上工業団地及び岩手中部工業団地に立地する18事業所に対する給水量について、年間総給水量を1、540万2、635立方メートルに、1日平均給水量を4万2、199立方メートルにそれぞれ定めようとするものであります。
 第3条は、収益的収入及び支出の予定額であります。収入の第1款工業用水道事業収益は10億6、997万円余で、その主な内訳でありますが、第1項の営業収益9億6、817万円余は給水収益等であります。
 第3項の事業外収益1億180万円余は、工業用水道料金の減免をするために措置された一般会計からの負担金等であります。
 次に、支出の第1款工業用水道事業費用は9億3、360万円で、その主な内訳でありますが、第1項の営業費用8億917万円余は、職員給与費、委託費及び減価償却費等であり、第2項の財務費用1億882万円余は、企業債の支払い利息等であります。
 この結果、収入と支出を差し引きまして、利益は税込みで1億3、637万円余が見込まれるものであります。
 66ページをお開き願います。第4条は、資本的収入及び支出の予定額であります。収入の第1款資本的収入は6億3、422万円余で、その主な内訳でありますが、第1項の企業債3億30万円は、各工業用水道施設の建設改良資金を借り入れしようとするものであります。
 第2項の出資金1億6、696万円余は、一般会計から出資を受けようとするものであり、第3項の他会計からの長期借入金1億6、696万円余は、電気事業会計から借り入れをしようとするものであります。
 次に、支出の第1款資本的支出は10億6、354万円余で、その主な内訳でありますが、第1項の改良費3億57万円余は、各工業用水道施設の改良及び更新に要する経費であり、第2項の企業債償還金5億2、840万円余は企業債元金の償還金で、第3項の他会計からの長期借り入れ金償還金2億3、456万円余は、一般会計等への償還金であります。
 次に、第6条は、一時借入金の借り入れ限度額を3億3、400万円と定めようとするものであります。
 第8条は、議会の議決を経なければ流用することができない経費と、その金額を定めようとするものであります。
 第9条は、平成21年度末で累積欠損金が解消される見込みとなったことから、資本的収入額が資本的支出額に対し不足する額の補てん財源として、平成22年度の利益剰余金を充てることができるよう、あらかじめ処分する使途と金額を定めようとするものであります。
 以上で工業用水道事業会計の予算の説明を終わります。
 なお、これらの予算に関する実施計画、資金計画、給与費明細書、債務負担行為に関する調書及び財務諸表につきましては、予算に関する説明書の452ページから502ページに記載しておりますが、説明は省略をさせていただきます。
 以上で企業局関係の議案の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇中平均委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後4時50分 休 憩
午後5時28分 再開
〇久保孝喜副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 休憩前の説明に対し質疑はありませんか。
〇三浦陽子委員 電気料金の改定状況についてお伺いいたします。
 電気料金については、平成21年度は2年に1度の改定の時期に当たり、売電先である東北電力と交渉中と聞いております。リーマンショック以降の世界経済の悪化などの影響を受けて大口電力需要が大幅に減少したことなどにより、東北電力は、平成20年度の決算において純損益317億円の損失となり、その後も景気悪化により販売電力量がなかなか回復せず、依然として厳しい経営環境にあると思われます。
 このような中で東北電力との料金改定の交渉もさぞ厳しいものと推察いたしますが、経営の根幹となる料金改定の状況はどうであったのでしょうか。また、料金が決まる前に編成した平成22年度予算への影響はないのか、お尋ねいたします。
〇菅峨業務課総括課長 電気料金の改定についてでありますが、東北電力への卸供給につきましては、平成22年度以降の10年間、安定的に供給するという基本契約を締結したところでありますが、最初の2年間となる平成22、23年度分の料金について、昨年12月から同社と協議を進めてきたところであります。
 同社は、厳しい経営環境の中で経費節減に努めているとし、本県を初めとする卸供給事業者に対しても同様の節減努力を求めてきたところでありますが、必要経費につきましてこちらのほうから丁寧に説明し、理解を求めた結果、全水力発電所の平成22、23年度の売電単価を1キロワットアワー当たり7円26銭とし、3月10日付で電力受給契約を締結したところであります。
 料金につきましては、いわゆる総括原価方式に基づいて、必要であると見込まれる原価に利潤を加えて得た額と料金収入が一致するように設定されることとされております。
 今回の総括原価を前回と比較しますと、必要経費として修繕費等の増額が認められました一方で、人事委員会勧告に準じた給料手当、公社債の利率をもとに算定する自己資本報酬額及び元金償還が進んだ企業債の支払い利息等が減額となっております。
 この結果、総括原価としましては8、100万円余の減額となりまして、現契約の単価7円37銭と比較すると1.5%の減となる7円26銭となったものでありまして、これは、前々回、平成18、19年度の単価と同額となっております。
 なお、この料金は、当初予算において計上した単価7円21銭を上回ったことから、収入におきましては2、700万円余の増額が見込めるものであります。支出の面でも、経費の節減に努めて、今後とも安定経営のため、利益の確保に努めてまいりたいと存じます。
〇三浦陽子委員 平成22年度の予算への影響はないということで、大変安心いたしました。
 それでは、次に、新規水力発電の開発についてお尋ねいたします。
 さきの一般質問で新居田議員の質問に対し、局長は、来年度から県内数カ所で調査に入る計画とお答えになっておりますが、新たな候補地点について、どのように選定して、どのような調査を進めるおつもりなのか、お示し願います。
〇池内企業局技師長 新たな水力発電の開発候補地点についてでありますが、現在、流量観測を行っている雫石町有根沢地点などは、コスト面から進展が図られないため、別の開発候補地点を新たに探すことにしております。
 まず、来年度は、これまで県内各地の河川を踏査して作成したデータをもとに、開発規模と建設費用により経済性の検討を行いまして候補地点を複数選定し、現地において、取水や発電所の適地があるかどうか、また、導水路のルートをどうするかなどの調査を行うこととしております。
 平成23年度以降は、これらの地点の中から採算性のよいと見込まれる地点を選定しまして、開発の検討を進める上で不可欠な流量観測に着手したいと考えております。
 なお、現在、国においては再生可能エネルギーの全量買い取り制度を検討中でありますので、その動向を的確に把握し、その買い取り制度に対応しながら、今後の新規開発を進めてまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 大変有望な水力発電のコンパクトなものになると思いますので、ぜひ、たくさんの県内の設置場所を決定していただきたいと思います。
 それでは、工業用水道事業につきましてお伺いいたします。
 実使用量の動向についてですが、一昨年の秋以降、世界的な景気の悪化に伴う企業の生産調整等により、工業用水の使用料は急速に減少していると聞いております。また、最近、鉱工業生産指数は回復基調にあるものの、有効求人倍率は依然として厳しい状況にあります。
 企業局では、来年度も一般会計からの支援を受けて工業用水道事業の料金を減免するとのことでありますが、一方で、自動車や半導体関連企業に回復の動きがあるやに聞いております。
 工業用水道の実際の使用量はどういう動向なのか、お示し願います。
〇菅峨業務課総括課長 工業用水の実際の使用量の動向についてでありますが、景気が悪化する前の平成19年度との比較で申しますと、平成20年11月に前年同月比でマイナス15.8%と急激に落ち込んで以降、平成21年2月のマイナス22.3%を底に、平成21年度に入って少し回復の兆しはあるものの、4月から2月までの平均はマイナス7.8%と下回っております。
 また、最近の月ごとの動向を見ましても、11月がマイナス10.9%、12月がマイナス2.5%、1月がマイナス7.8%、2月がマイナス12.6%と一進一退の状況であることから、まだ本格的な回復までには至っていないものと考えております。
〇三浦陽子委員 昨今の経済情勢を勘案いたしますと、企業にとっては、工業用水道料金の負担も大きいことから、料金の減免、それ自体については企業からも好評を得ているようでありますが、企業が望んでいるのは、こういった一時的なものではなく、恒久的な施策であると思われます。
 本年度で工業用水道事業の累積欠損金がようやく解消するということであり、また、平成24年度には入畑ダムの工業用水道水源の一部を農業用水源に転用することにより、資金不足も解消すると伺っております。
 さきの決算特別委員会では、企業局では料金体系の見直しを検討するとのことでありましたが、今後どのような方向で検討を行おうとしているのか、お示し願います。
〇千葉企業局長 料金体系の見直しについてでありますが、委員御指摘のとおり、平成21年度で累積欠損金が解消できる見通しが立ったこと、それから、さらには平成24年度には入畑ダムの水源転用により資金不足も解消できる見通しになったことを踏まえまして、料金体系見直しの検討を進めるということにしております。
 見直しの検討に当たりましては、まず、今後とも良質で安定した供給が欠かせないことから、そのために必要な維持修繕費等の経費を的確に見通した上で、全国の状況を調査しながら、ユーザーからの要望も勘案し、少しでも料金を下げることができないか、あるいは実際の使用量が反映される二部料金制にしてはどうかといった観点で検討したいと考えております。
 また、見直しをするときには、国の承認を受ける必要がありますことから、関係機関とよく協議するとともに、ユーザーの理解も得ながら、入畑ダムの水源転用資金が入る予定の平成24年度をめどに検討を進めてまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 ありがとうございました。料金体系の見直しを検討するということで、いろいろと御苦労も多いかと思いますが、頑張ってよろしくお願いいたします。
〇嵯峨壱朗委員 初めに、第3次中期経営計画についてお尋ねしたいと思います。
 第2次が今年度で終わって、そして第3次が来年度から3年間で始まるわけですけれども、同時にまた、長期経営方針も来年度から10年間、平成が続いていれば31年─不謹慎な発言で済みません─まで10年間ということでありますが、平成22年度の当初予算とか3次計画を見ますと、電気事業で利益の減少ということが示されておりますけれども、その理由をまずお聞かせ願いたいと思います。
〇菅峨業務課総括課長 電気事業の利益が減少していることについてですが、平成11年に電力自由化を背景としまして卸供給料金の算定方法が変わっております。利益に直結する事業報酬率が公社債等の市場金利に連動することとなりました。その結果、金利の低下傾向と相まって利益も減少する傾向にあるということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 また、工業用水道事業、これは、先ほど説明もありましたけれども、累積欠損金が解消されて黒字が見込まれるということですが、リーマンショックを受けての一昨年あたりからの世界的な景気の低迷というんですか、いわゆる利用企業の景気動向というものにも影響されてくると思うんですが、どのようにその状況を把握しているかお尋ねしたいと思います。
〇菅峨業務課総括課長 平成21年度の工業用水の実際の使用量につきましては、景気が悪化する前の平成19年度と比較しますと、昨年の8月まで10%前後の減少で推移し、その後も一進一退の状況が続いております。さらに、直近である2月につきましても12.6%の減少となっております。
 また、契約水量の減量要望も寄せられているところでありまして、こうしたことから、工業用水ユーザーの経営状況が厳しいものと認識しております。
〇嵯峨壱朗委員 景気が大きく影響すると思って懸念するところであります。
 さらに、安定的なものと思われていますけれども、実は、発電施設とか工業用水施設の老朽化が進んでいて、そういった問題も基本的な問題としてあるかと思っていました。今回、平成31年までの長期経営方針を立てたわけですけれども、この第3次の経営計画では、どのようなところに重点を置いてこういった問題解決も含めて取り組んでいくのか、お尋ねしたいと思います。
〇千葉企業局長 次期中期経営計画での取り組みについてでありますけれども、次期中期経営計画は、このたび策定する長期経営方針の第1段階の行動計画と位置づけしまして、将来にわたって電力や工業用水の安定供給のために必要な対策を講じながら、目標とする利益を確保するとともに、長期的な課題にも取り組んでいくこととしております。
 重点的な取り組みとしては、まず、両事業ともに、土木工作物など施設の老朽化への対応があります。例えば、岩洞発電所は、運転開始後50年を経過することから、施設の現況をよく調査しまして対策を講じてまいります。
 電気事業では、今回提案した胆沢第三発電所に続く新規開発地点の確保が重要と考えております。そこで、来年度は、先ほど答弁申し上げましたとおり、新たな候補地点を数カ所選定、調査しまして、事業化の可能性を追求していくこととしております。
 また、工業用水のほうは、ユーザーからの要望も踏まえまして料金体系の見直しを進めてまいります。
 こうした課題への取り組みに加えまして、今後の事業を継続して安定的にやっていくためには、その基盤となります技術の継承あるいは人材の育成など、こういった組織力の向上に向けた取り組みにも力を入れてまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 安定的な経営を目指して、適時適切な設備更新等も含めてしっかりやっていっていただきたいと思っております。
 次に、風力発電についてでありますけれども、今、再生エネルギーということで新たな注目が出てきたと思っておりますが、稲庭風力発電所の平成21年度の運転状況ですが、前半は目標の100%を超えた、順調に運転していったと聞いておりましたが、今年度の収支も昨年度に引き続き赤字となる見込みと伺っておりました。何かトラブルもあったのかもしれませんけれども、赤字の要因についてどのようにとらえているのか、そしてまた、平成22年度のそれをどのように見込んでいるのかもお尋ねしたいと思います。
〇野崎電気課長 平成21年度も赤字となる見込みとなった要因でございますけれども、平成21年度の上期は、風況に恵まれまして、供給電力量は目標に対して100.1%となったところでございますが、下期につきましては、平均風速が計画を下回り、特に2月は、例年になく計画の84%と風況が穏やかだったことなどによりまして、2月までの実績を加味した下期の供給電力量の実績は約87%となるものと見込んでおります。
 その結果、年間の供給電力量の実績につきましては約92%となり、全体の収支では、約500万円の赤字となる見込みとなっております。
 次に、平成22年度につきましては、昨年11月の落雷で2号風車の羽根に傷がつきまして、現在、運転は可能で運転を継続しておりますが、その傷が拡大して運転不能となるおそれがありますので、平成22年度に補修することとしております。その費用といたしまして当初予算に900万円ほどを見込んでおり、そのうち約6割は保険で補てんされますが、結果として、計画どおりの収入が得られたとしても、若干の赤字となる見込みでございます。
 今後も保守管理に万全を期しまして、安定した運転を維持するように努めてまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 風頼みというところでなかなか見込みが立たないのがつらいところですけれども、何とか黒字になってもらうようにしたいと思います。
 平成13年の稲庭高原風力発電所以降、新規の発電所を建設していないわけでありますけれども、昨今の地球温暖化対策等への関心の高まりから、さらに期待されているものが大だと思っておりました。
 そうした中で、今度の長期経営方針でも、引用しますけれども、今後の新規風力開発については、調査等を実施し、有望地点の確保に努めるとともに、さまざまな開発手法も考慮しながら事業化に向けた取り組みを進めていくと前向きな方針が示されておりますが、来年度以降のこの風力発電の取り組みについてお尋ねしたいと思います。
〇野崎電気課長 来年度以降の風力開発の取り組みについてでありますが、本県の新たな開発地点といたしましては、風の乱れによる発生電力量への影響、電力の受け入れ先である送電線の状況、希少猛禽類の生息状況などから、適地が限られてきていると考えております。
 しかしながら、近年、風況を解析する技術が進みまして、山間部などの風況の乱れなども考慮した検討を行い、風車を最適に配置することなどによりまして、発生電力量の増加や風の乱れに起因する故障などを防止することが可能となっております。
 平成22年度は、こういった新たな解析技術を活用いたしまして、これまで風況観測を行ってきた中では有望地点である一戸町の高森高原地点などの再評価を行っていくとともに、県北地域で風況観測を行っている民間事業者との情報交換なども行いながら、新たな開発地点の確保に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 電力の移入県ですので、いろいろな電源を開発していただきたいと思っておりますし、洋上の話も前にありましたけれども、それについては今は聞きませんが、いろいろな可能性を追求していただきたいと思っております。
 3点目ですけれども、地域貢献についてお尋ねいたします。
 まず、現在でも市町村等の植樹活動の支援とかを企業局はしておりますけれども、長期経営方針の柱にもこの地域貢献を取り上げられております。この平成22年度の主な取り組みについてお尋ねしたいと思います。
 そしてまた、今後の地域貢献のあり方もあわせてお尋ねしたいと思います。
〇中屋敷経営企画課長 まず、今後の地域貢献についてでございますが、長期経営方針あるいは次期中期経営計画の中でも重点的な取り組みというところに位置づけておりまして、今後もクリーンエネルギーの導入促進や地球温暖化対策に関連する事業を中心といたしまして、取り組みを充実してまいりたいと考えております。
 それから、平成22年度の主な取り組みでございますが、市町村等が行う小規模なクリーンエネルギー導入支援事業のほか、県の一般会計に対しましては、いわてバイオマスエネルギー利活用促進事業など、いわて県民計画のアクションプランの環境政策に掲げる8事業を対象に、繰り出しなどを行う予定であります。
〇嵯峨壱朗委員 あと、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金を利用した事業というのは、結構、一般会計の中でも導入されてやっているわけですけれども、これは、これまでも含めてですが、平成21年度はどういった事業をしていたのか、お尋ねしたいと思います。
〇中屋敷経営企画課長 今年度、積立金を活用した事業としましては、一般会計に対して住宅用太陽光発電の導入補助事業、あるいはペレットストーブの普及促進事業など、8事業に対して3、100万円余を活用してございます。
〇嵯峨壱朗委員 結構、市町村では助かっている部分があって、今、前とまた違った意味で温暖化が言われている中で貴重な事業だと思っているわけですけれども、平成18年度の決算で利益の一部が積み増しされてから、利益が出たにもかかわらず積み増しがされていないという実態があるようでありますが、その積立金の積み増しまたは取り崩しの状況はどうなっているか、お尋ねしたいと思います。
〇中屋敷経営企画課長 平成18年度に3億円で創設いたしましたこの積立金は、平均4、700万円ほどを毎年取り崩して活用してございます。一方、積み増しにつきましては、豊水による増収分といたしまして、平成19年度に2、500万円ほど積み増しいたしましたが、その後は増収分がなく、その結果、平成22年度末における積立金の残高は約1億円余になると見込まれております。
〇嵯峨壱朗委員 これで最後にしますけれども、いずれ、このまま続くと、今の説明のとおり、積立金が底をついてしまいますね。今後の活用見込みと、これは何年間も指摘しているわけですけれども、温暖化対策という意味で言うと、いろいろな事業への活用が期待されていると思うんですが、その財源をどのように確保していくのかお尋ねして、終わりたいと思います。
〇中屋敷経営企画課長 今後の活用見込みと財源確保についてでございますが、これまでの実績を踏まえまして、かつ、積立金を有効に活用するため、今後は、クリーンエネルギーの導入促進につながる事業中心に活用する方向で検討しておりまして、当面、次期中期経営計画では、毎年4、000万円程度の規模で展開したいと考えております。
 また、豊水による増収分のみでは安定した積み増しができないということから、今後は、電気事業の運営に支障を及ぼさない範囲で、一定の割合で補てんする方向で検討を進めたいと考えております。
〇斉藤信委員 電気事業会計予算については、新エネルギー開発の検討は、今、嵯峨委員の質問への答弁以上のものはあるのかないのか。
 風力発電の問題も、ことしも赤字、来年も赤字と。この要因は何なのか。個別のものはいいんだけれども、毎年赤字ということになると、これは風力発電の今後の可能性にもかかわってくる問題ではないのかと思っていますが、どういう問題を解決すれば新規開発に結びついていくのかを示していただきたい。
〇野崎電気課長 稲庭高原風力発電所のこれまでの赤字の要因につきましては、大きなところでは、やはり落雷による長期停止、あるいはその補修費用といったところがございましたけれども、ここ最近は、落雷対策といった対策技術も進んでまいりまして、落雷に対する強い風車という開発が進んできております。ただ、稲庭高原風力発電所については、落雷対策が、今まで一部の機器に導入するにとどまっておりまして、その改良のためにはまた莫大な費用がかかるということで、今の状況を適切に維持管理しながら、黒字の確保に努めてまいりたいと思っているところでございます。
 ただ、やはり風況の影響によるところが一番大きゅうございまして、風況も、風力発電は、風が強ければ発電するというものではなく、かえって、風が強い場合には安全のために停止するといったような状況もございます。そういったこともございますので、なかなか結果として黒字に至らない要因があるわけではございますけれども、今後、好風況になるところを期待するとともに、適切な維持管理をもちまして、安定的な供給になるように努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 最初に開発した稲庭高原風力発電の赤字が続くということになると、なかなか次に進むのは大変じゃないかと。落雷対策は講じてきていると。しかし、風況が一番ということになると、風況調査は何だったのかということになりますよね。これはちょっと指摘だけにしておきます。
 工業用水道事業について。工業用水道の料金の減免について、これはもう既に今年度補正から行われていると思いますが、来年度も1億43万円余が一般会計の負担金として予算化されています。今年度の実績、来年度の受益企業はどうなっているか、減免の条件はどうなっているのか示していただきたい。
〇菅峨業務課総括課長 工業用水道料金の減免についてでありますが、世界的な景気の低迷に伴う企業の生産調整によりまして、平成20年11月以降、工業用水道の実際の使用料が大幅に落ち込み、現在も本格的な回復までには至っていないといった状況で、一般会計が雇用の維持確保として措置しました負担金を受けて、一律に年間契約水量の10%相当額の減免を行っているところであります。
 この減免は、県の工業用水を使用している製造業者17者を対象にしているものであります。
 平成21年度は、年間で1億43万円余の料金を減免したところであり、平成22年度につきましても、今年度と同じ条件で継続実施しようとするものでございます。
〇斉藤信委員 工業用水道だけ減免措置があるというのも、私はちょっと異常じゃないかと思うんですよ。18社が受益企業で、これは、北上地区の広域行政組合が減免対象外になって17社ということですね。その17社の中には、例えば岩手東芝エレクトロニクス、株式会社富士通ファシリティーズ・エンジニアリング、シオノギ製薬、関東自動車工業、もう大手、大企業が名を連ねておりまして、例えば関東自動車は1、000億円の内部留保をため込んでいると。シオノギも東芝もそうですよ。いわば体力がある誘致大企業も対象になるというのは、私は減免のし過ぎではないかと。その他の中小企業についての減免を私は否定するつもりもありませんが、1、000億円、数千億円という内部留保をため込んでいるところまで減免の対象にする必要はないのではないか。
 特に富士通は、1、130人の人減らし、合理化をやるんですよ。いわば人減らしをやっているところに減免するというのは、おかしい話じゃないかと。頑張って労働者の雇用を守っているというのならまだいいですけれども、関東自動車だって、切るときは800人切った。東芝だって切りましたよ。私は、そういう意味で、雇用の維持を条件にするべきではないのかと。人は減らすが減免はもらう、内部留保には手をつけない、これは県民から理解されないと思いますが、いかがですか。
〇菅峨業務課総括課長 工業用水道の料金は責任水量制であることから、契約水量と実際の使用水量との間には、景気悪化前におきましても平均で20%程度の乖離がございます。
 ユーザーからは契約水量の減免要望が出されておりまして、これに昨今の急激な景気の悪化が重なりまして生産を伴わないコストとなっており、さらに負担が増しております。この状況については、どの企業でも同様だと認識しております。
 また、企業局としては、知事部局の産業振興などの施策を受けた上での対応ということでありまして、個別企業の財務状況を見た上で減免の条件を設定するということは難しいのではないかと考えております。
〇斉藤信委員 今、経済危機の影響をみんな受けていますよ。工業用水道を使っていない企業だって受けているんですよ。県民だって所得が減少しているんですよ。だから、減免されているのは17社だけですよ。そこに1億円余の県民の税金を使って減免されるというには、私は、それなりの県民が理解される条件がないとだめだと思いますよ。少なくとも雇用を守るというのは最低の条件じゃないかと。ましてや財力のあるところまで、体力のあるところまで減免する必要はないのではないか。
 これは、最後に局長に聞きます。そのことをぜひお答えいただきたい。私は、これでは県民に理解されないと。県民の1億円の税金を使うんだったら、もっと困っている人のところに使うべきじゃないかと。
 それと、1億6、696万円余の一般会計出資金、この理由、性格、これまでの累積額はどうなっているのか。また、一般会計の償還金が1億6、100万円となっていますが、この経緯について示していただきたい。
〇千葉企業局長 工業用水の減免についてですけれども、先ほど来、御説明申し上げているとおり、景気が悪化する平成19年度と比べて、かなり使用料が落ち込んでいるという状況で、先ほども御説明したとおり、責任水量制をとっていることからして、例えば、収益として年間約10億円の収益を得ているわけですけれども、実際の企業が使うのは、責任水量制でなければ、例えば一般水道と同じ従量制でいきますと7億円か8億円の収入になるところを、責任水量制で料金をいただいていることで10億円をいただいていると。やはり生産に直接結びつかない料金として今までも2億円ぐらい多く負担していただいたのに、さらに、景気が落ち込んだがゆえに1億円の負担増加になってきていると。
 そういったところに着目して、一般会計のほうで県の政策として、雇用、それから経済対策として措置されたものとして、企業局もそれに応じて減免するという施策として実施しているものでございます。
 私たちは、ユーザーとの関係でいきますと、やっぱりユーザーが一番求めているのは料金だということで聞いております。ユーザーの方では、世界的な競争、あるいは国内での競争、それから同じ企業内での競争というようなことを受けて、雇用を守っていくというような状況に競争をしていかなければならないというようなところを支援しておりまして、今後、雇用のほうも、一たん落ち込んではおりますけれども、少し回復してきて、また、先ほど申し上げたような厳しい状況はありますが、そういった一進一退の状況にありますので、県として一般会計と連携して、そういった施策として実施しているものでございます。
〇菅峨業務課総括課長 1億6、696万円余の一般会計出資金の理由と累計額についてでございますけれども、本県の工業用水道事業は、水源であるダムの建設費負担や当初の想定どおり契約水量がふえなかったことなどから、利用者からの料金収入だけでは毎年の企業債を償還していけない状況にあります。
 そのため、その不足する分について、経営健全化対策として一般会計からの出資により補てんしているところであり、平成22年度当初予算において1億6、600万円余の一般会計出資金を計上しているところであります。
 また、経営健全化対策としての一般会計からの出資は平成3年度から行っておりますが、平成22年度までの累計額については27億2、900万円余と見込まれるところでございます。
 次に、一般会計への償還金1億6、100万円の経緯でございますが、工業用水道事業の経営健全化対策として、平成6年度と平成8年度に高利率の企業債の繰上償還を行いましたが、その財源として一般会計から24億3、000万円余を無利子で借り入れしたもので、平成22年度償還額の1億6、100万円を予算計上したものでございます。
 なお、平成21年度末の一般会計からの借入金の残高は9億8、600万円余で、償還は平成28年度まで続く見込みでございます。
〇斉藤信委員 これで最後にします。
 富士通は1、700人の従業員のうち1、130人を再配置という、これは人員削減なんですよ。もう既にラインも取り払われてしまったんですね。私は、工業用水道の利用の大幅な減少はこれによっているのではないのかと。富士通の減少というのは、全体の中でどのぐらいの比率を占めていますか。
〇菅峨業務課総括課長 富士通の利用状況についてでございますけれども、特定の法人に関する情報でありますので、情報公開条例の非開示要件に該当すると考えますので、お答えすることはできないものでございます。
〇久保孝喜副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇久保孝喜副委員長 質疑がないようでありますので、これで企業局関係の質疑を終わります。
 企業局の皆さん、御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時7分 散 会

前へ 次へ