平成22年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成22年3月15日(月)
1開会  午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    浅 田 和 夫
  議事管理担当課長 菊 池 達 也
  主任主査    石木田 浩 美
  主任主査    岩 渕 伸 也
  主任主査    鈴 木 文 彦
  主任主査    藤 原 由喜江
  主査    菅 原 俊 樹
  主査    大 森 健 一
1説明員
  保健福祉部長   千 葉 茂 樹
  保健福祉部副部長
  兼保健福祉
  企画室長    福 島 寛 志
  医務担当技監   六本木 義 光
  保健福祉企画室
  企画課長    石 田 啓 一
  保健福祉企画室
  管理課長    細 川 倫 史
  医療国保課
  総括課長兼
  医師支援推進監  野 原   勝
  保健衛生課
  総括課長    佐々木   信
  地域福祉課
  総括課長    奥 寺 高 秋
  長寿社会課
  総括課長    岡 村 鋭 次
  障がい保健福祉課
  総括課長    菅 原   博
  児童家庭課
  総括課長    佐々木 比呂志
  医師支援推進監  佐 野   淳

  医療局長     田 村 均 次
  医療局次長    細 川 孝 夫
  参事兼職員課
  総括課長    志 田 清 一
  参事兼業務課
  総括課長    八 木 善 一
  参事兼
  システム管理室長 岡 山   卓
  管理課総括課長  大 槻 英 毅
  医事企画指導監  及 川   秀
  薬事指導監    松 川 幸 市
  臨床検査指導監  東 野 英 憲
  看護指導監    村 山 和 子
  栄養指導監    上 野 照 子
  医師支援推進監  島 田 文 彦

  医師支援推進室長 根 子 忠 美

  予算調製課
  総括課長    八 矢   拓
〇中平均委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第24号から議案第28号まで、議案第30号から議案第34号まで、議案第68号及び議案第69号の以上32件を一括議題といたします。
 本日は、保健福祉部及び医療局関係を終わるように進行したいと考えておりますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、保健福祉部長から保健福祉部関係の説明を求めます。
〇千葉保健福祉部長 平成22年度保健福祉部関係の当初予算及び予算関連議案につきまして御説明申し上げます。
 最初に、平成22年度予算編成に当たりましての当部の基本的な考え方でございますが、昨年12月に策定いたしましたいわて県民計画に掲げる岩手の未来をつくる七つの政策の一つでございます医療・子育て・福祉、共に生きるいわての実現をに向けまして、1、地域の保健医療体制の確立、2、家庭や子育てに夢をもち安心して子どもを生み育てられる環境の整備、3、福祉コミュニティの確立の3項目を施策のポイントとして重点的に取り組んでいくこととしております。
 まず、ポイントの一つ目でございます地域の保健医療体制の確立につきましては、まず、地域の医療の基本となります医師等の養成、確保を図るため、奨学金等による医師の計画的な養成、臨床研修医の確保、定着の促進、及び病院勤務医の負担軽減など医師の勤務環境向上や処遇改善の支援に取り組むほか、中核病院の常勤医不在時に開業医が診療応援を行う場合の取り組みの支援を新たに実施してまいります。
 また、質の高い医療が受けられる体制の整備を図るため、ドクターヘリの導入を促進するとともに、県立病院へのヘリポートの整備を推進するほか、がん診療連携拠点病院の整備によるがん医療の均てん化、さらには、救急医療を行う病院の耐震化整備の支援などに取り組んでまいります。
 また、新型インフルエンザの感染拡大防止及び円滑な医療提供体制の確保を図るため、県民への普及啓発をさらに実施するとともに、医療機関の設備整備の支援など、感染症対策の推進に取り組んでまいります。
 また、自殺対策を推進するため、相談支援体制の整備、人材養成、普及啓発に総合的に取り組んでまいります。
 ポイントの二つ目でございます、家庭や子育てに夢をもち安心して子どもを生み育てる環境の整備については、妊娠、出産から新生児に至る総合的な周産期医療体制の整備や岩手の実情に応じた母子健康手帳の作成など、安全・安心な出産環境の充実を図りますとともに、放課後児童クラブ等の活動や保育所整備の支援など、子育て世代の仕事と育児の両立支援の充実を図るほか、社会全体で子育てを支援するための総合的な情報発信などの取り組みを推進し、住民ボランティアの養成による地域の子育て力の向上を推進するなど、多様な地域子育て支援活動の充実を図ってまいります。
 また、児童虐待の未然防止や早期発見などに取り組むほか、県立療育センターの改築整備に向けた具体的な業務体制や整備規模などを検討するための調査を実施するなど、保護を要する児童等を支援するとともに、医療費助成を母子家庭のほかに新たに父子家庭に拡大するなど、ひとり親家庭への支援にも取り組んでまいります。
 ポイントの三つ目、福祉コミュニティの確立につきましては、地域福祉活動コーディネーターの育成など、住民参加による生活支援の仕組みづくりや福祉、介護分野の人材確保などを推進してまいります。
 また、介護サービス施設の整備や介護業務従事者の処遇改善等に取り組む事業者の支援、さらには介護人材の育成、認知症疾患医療センターにおける専門的な医療機能の充実など、高齢者が住みなれた地域で生活できる環境の構築に取り組むとともに、障がい者の地域定着や工賃水準の向上に向けた取り組みを支援するほか、障がい者支援施設の生活環境の充実を図るため、老朽化が著しいやさわの園の改築整備など、障がい者が地域で自立した生活ができる環境の構築に取り組んでまいります。
 また、安全・安心のセーフティネットづくりのため、低所得世帯等に対する生活福祉資金貸付の円滑な実施の支援や住居を喪失した離職者等への住居手当支給による就職活動の支援のほか、人権意識の普及、高揚を図るための各種大会の開催などに取り組んでまいります。
 以上が平成22年度予算編成に当たりましての当部の基本的な考え方でございます。
 恐れ入ります。続きまして、当部関係の議案について御説明申し上げます。
 まず、議案第1号平成22年度岩手県一般会計予算でございますが、お手元の議案その1の6ページをお開き願います。当部関係の一般会計歳出予算は、3款民生費772億2、300万円余のうち、2項県民生活費を除きます765億9、900万円余と、次のページにございます4款衛生費189億9、600万円余のうち、2款環境衛生費を除きます102億8、500万円余と、恐れ入りますが9ページに参りまして、12款公債費1、146億4、600万円余の一部900万円余と、13款諸支出金1項公営企業貸付金から3項公営企業負担金までのうち、2項公営企業出資金と3項公営企業負担金の一部を除く285億8、800万円余でありまして、合わせますと合計で1、154億8、200万円余の予算額となっているところでございます。これを平成21年度当初予算と比較いたしますと122億3、500万円余の増、率にいたしまして11.9%の増となっておりますが、その主なものは、介護サービス施設等整備臨時特例事業費25億3、900万円余、介護業務従事者処遇改善等臨時特例事業費22億400万円余、子育て支援対策臨時特例事業費8億9、500万円余、障がい者自立支援対策臨時特例事業費8、200万円余、介護給付費等負担金10億9、700万円余などの増でございます。
 各臨時特例事業費が増額となりました理由は、先般、議決をいただきました平成21年度2月補正予算等におきまして、今年度の国の補正予算等により措置されました各臨時特例交付金の交付を受けまして、基金の造成あるいは積み増しを行いました各臨時特例基金の事業実施に要する経費を計上したことによるものでございます。
 以上、予算の内容につきましては、恐れ入りますが、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、お手元の予算に関する説明書107ページをお開き願います。
 まず、予算の内容の説明に入る前に、107ページの3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費と、108ページの2項障がい者福祉費の間の事業費の移動について御説明申し上げます。
 今般、一部の事業費につきまして予算計上科目の見直しを行ったところでございまして、平成21年度まで、1目社会福祉総務費には医療、福祉等を通じた全般的な施策あるいは地域福祉課予算のように福祉全般にかかわる予算を計上しておるところでございますが、実は、3障がいに係ります基本的な障がい者関係の6事業74億6、700万円余につきましても平成21年度まではここに計上しておりました。平成22年度からは見直しを行いまして、2目障がい者福祉費のほうに計上することに改めたものでございます。
 したがいまして、1項社会福祉総務費及び2項障がい者福祉費に大きな増減が出ておりますが、仮に目間の事業費移動がなければ、1目社会福祉総務費は39億9、700万円余から114億4、500万円余となり、前年度比で16億2、500万円余の増となるものでございます。同じく2目障がい者福祉費は95億7、600万円余から21億900万円余となり、前年度比3億300万円余の増となるものでございます。
 それでは、予算の内容について申し上げます。
 なお、金額の読み上げにつきましては省略させていただきまして、主な事業を中心に説明させていただきたいと思いますので、御了承をお願い申し上げます。
 3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費のうち、説明欄の上から7番目でございます社会福祉活動推進費は、社会福祉活動の育成助長を図るため、民間社会福祉団体に対する助成を行うほか、岩手県地域福祉支援計画に基づき、住民参加と住民主体による生活支援の仕組みづくりなどの取り組みを支援しようとするものであります。次の生活福祉資金貸付事業推進費補助は、低所得者世帯等に対する生活福祉資金の貸し付けと必要な相談援助を行うため、岩手県社会福祉協議会が行う生活福祉資金貸付事業の円滑な運営を支援しようとするものであります。また、下から3番目でございます福祉・介護人材確保対策事業費は、福祉、介護分野の人材の確保を図るため、専門員による職場開拓や就業支援を行うほか、介護技術に関する研修等の取り組みを支援しようとするものであります。次の介護雇用プログラム推進事業費は、離職者等が介護施設で働きながら介護福祉士やホームヘルパーの資格を取得する介護雇用プログラムを実施しようとするものでございます。108ページに参りまして、上から2番目でございます人権啓発推進費は、人権意識の普及、高揚を図るため、人権啓発フェスティバルを開催するとともに、関連する大会開催の支援などに取り組もうとするものでございます。また、上から6番目でございます住宅手当緊急特別措置事業費は、住宅を喪失いたしました離職者等への住宅手当を支給することにより就職活動を支援しようとするものであります。
 2目障がい者福祉費に参りまして、中ほどにございますチャレンジド就労パワーアップ事業費は、障がい者就労支援事業所におきます工賃水準向上の取り組みなどの支援を行おうとするものであります。次に、下から3番目でございます障がい者支援施設等耐震化等整備費補助は、安全・安心な障がい者支援施設等の整備を促進するため、社会福祉法人等が行います入所施設の耐震改修等に要する経費の一部を補助しようとするものであります。次に、一番下の重度心身障がい者(児)医療助成費は、市町村が行います重度心身障がい者(児)医療費助成事業に要する経費の一部を補助しようとするものであります。
 109ページに参りまして、3目老人福祉費のうち、下から9番目、認知症対策等総合支援事業費は、認知症への適切な対応を図るため、認知症疾患医療センターにおける専門的な医療機能を拡充するとともに、御本人や御家族への相談支援、かかりつけ医等を対象とした研修の実施など、総合的な認知症支援体制の構築を推進しようとするものであります。110ページに参りまして、上から7番目、介護業務従事者処遇改善等臨時特例事業費は、賃金改善等の介護業務従事者の処遇改善等を行う介護サービス事業者に対して処遇改善交付金を交付するなど、事業者の取り組みを促進しようとするものであります。次の介護サービス施設等整備臨時特例事業費は、地域の介護ニーズに対応して施設の整備促進を図るため、介護サービス提供施設等の整備に要する経費の助成を行おうとするものであります。
 111ページに参りまして、5目国民健康保険指導費の上から2番目、国民健康保険事業安定化推進費は、市町村の国保財政の安定を図るため、国保税の軽減相当額の一部を負担するほか、岩手県調整交付金による保険者間の財政調整や高額な医療費の一部を負担しようとするものであります。112ページに参りまして、7目社会福祉施設費の一番下、やさわの園整備事業費は、障がい者支援施設の生活環境の充実を図るため、老朽化が著しいやさわの園の改築整備を行おうとするものであります。
 恐れ入りますが、少しページを進んでいただきまして、116ページをお開き願います。3項児童福祉費1目児童福祉総務費のうち、上から10番目でございます保育対策等促進事業費は、保育所における一時保育、休日保育や病児、病後児保育などの保育対策や地域の子育て支援拠点の設置等を支援しようするものであります。次の地域子育て活動推進事業費は、市町村が行います放課後児童クラブ等の児童健全育成のための取り組みを支援しようとするものであります。次に、下から5番目でございます児童養育支援ネットワーク事業費は、児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応、再発防止などに取り組みますほか、児童福祉施設を退所した児童の自立支援等を行おうとするものであります。次に、その二つ下にございます子育て応援大作戦推進事業費は、社会全体で子育て支援の取り組みを推進するため、携帯電話からアクセスできるホームページの作成など子育て家庭等への総合的な情報発信や子育て応援の店協賛店舗の拡大などの取り組みを推進しようとするものであります。次に、一番下の子育て支援対策臨時特例事業費は、市町村が行います保育所等の整備や地域の実情に応じた子育て支援活動に要する経費の助成等を行おうとするものであります。117ページに参りまして、上から二つ目でございます児童養護施設等環境改善事業費補助は、児童養護施設等の入所児等の生活環境の向上を図るため、社会福祉法人等が行います施設改修や設備更新等を支援しようとするものであります。2目児童措置費に参りまして、上から2番目でございます子ども手当・児童手当市町村支給費負担金は、市町村が支給する子ども手当及び児童手当に要する費用の一部を負担しようとするものであります。3目母子福祉費の上から2番目でございますひとり親家庭医療助成費は、ひとり親家庭の健康保持と福祉の増進を図るため、これまで母子家庭のみを対象としておりました医療費の助成を父子家庭まで拡大しようとするものであります。118ページに参りまして、4目児童福祉施設費の上から3番目にございます療育センター整備調査費は、県立療育センターの改築整備に向けた具体的な業務体制や整備規模などを検討するための調査を実施しようとするものであります。
 120ページに参りまして、4項生活保護費2目扶助費は、生活保護世帯に対する生活扶助などの給付に要する経費であります。
 123ページに参りまして、4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費のうち、上から2番目の母子保健対策費は、特定不妊治療費助成や小児慢性特定疾患児等に対する医療給付、市町村が行う妊婦健康診査に要する経費の補助などを行うほか、助産師を活用した妊婦の健康支援体制の整備など、周産期医療体制の整備、充実に取り組もうとするものでございます。
 なお、周産期母子医療センターの運営に対する国庫補助制度が拡充されましたことから、各周産期医療圏の拠点病院であります地域周産期母子医療センターの運営に要する経費の助成も新たに行おうとするものでございます。
 124ページに参りまして、3目予防費の上から3番目、特定疾患対策費は、パーキンソン病などの特定疾患、56疾患患者に医療費の給付等を行おうとするものであります。次に、下から4番目にございます新型インフルエンザ健康危機管理体制強化事業費は、新型インフルエンザの感染拡大防止及び円滑な医療提供体制の確保のため、県民への普及啓発を実施しますとともに、医療機関の設備整備等に要する経費の助成を行おうとするものでございます。次に、下から2番目にございます肝炎総合対策推進事業費は、肝炎治療を効果的に推進するため、インターフェロン治療等を受ける肝炎患者に対する医療費助成等を行おうとするものでございます。125ページに参りまして、4目精神保健費の上から7番目、精神障がい者地域移行支援特別対策事業費は、精神障がい者の退院促進や地域定着を支援し、その地域移行を推進しようとするものであります。次に、下から2番目、自殺対策緊急強化事業費は、相談支援体制の整備、人材養成、普通啓発など緊急的な自殺対策に取り組もうとするものでございます。5目高齢者保健費のうち、126ページに参りまして、がん・脳卒中対策事業費は、がん及び脳卒中の疫学的分析を行うとともに、がん検診の受診率向上を図るため、がんの知識や受診勧奨のための普及啓発を行おうとするものでございます。
 飛びまして、133ページをお開き願います。4項医薬費2目医務費、134ページに参りまして、上から4番目、医師確保対策費は、自治医科大学運営費負担金や医学部進学者に対する奨学金制度の拡充、臨床研修医の確保、定着の促進、女性医師の就業支援、病院勤務医の負担軽減など医師の勤務環境向上や処遇改善などに取り組みますほか、新たに中核病院の常勤医不在時におきまして開業医等が診療応援を行う取り組みを支援し、総合的な医師確保対策を行おうとするものであります。次の救急医療対策費は、病院郡輪番制病院や高度救命救急センターの運営費の補助などを行うほか、新たにドクターヘリの導入を促進するとともに、県立病院へのヘリポートの整備を推進し、また、救急医療を行う病院の耐震化整備の支援などに取り組もうとするものであります。135ページに参りまして、がん対策推進費は、がん診療の均てん化を図るため、がん診療連携拠点病院が行います基盤整備や釜石保健医療圏における中核的ながん診療拠点医療機関でございます県立釜石病院の放射線治療施設整備に要する経費に対して助成しようとするものであります。3目保健師等指導管理費の上から2番目、看護職員確保対策費は、看護職員の確保、定着を図るため、看護職員の養成施設の運営費に対する助成や修学資金の貸し付けを行うとともに、看護職員の働きやすい職場環境づくりや専門性の高い看護職員の育成支援などに総合的に取り組もうとするものであります。136ページに参りまして、看護師等養成所施設整備費は、教育環境の充実を図るため、老朽化が著しい県立一関高等看護学院の移転整備を行おうとするものであります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、233ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金のうち900万6、000円が当部の所管でございますが、これは、災害援護資金の借入金に係る償還元金でございます。
 234ページに参りまして、13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金の県立病院等事業会計運営資金貸付金は、県立病院等事業会計に対し運営資金の貸し付けを行おうとするものであります。
 235ページに参りまして、2項公営企業出資金1目公営企業出資金のうち、県立病院等事業会計出資金は、県立病院等事業会計に対して出資を行おうとするものでございます。
 236ページに参りまして、3項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち、県立病院等事業会計負担金は、県立病院等事業会計に対して負担を行おうとするものでございます。
 以上で一般会計についての説明を終わります。
 次に、恐れ入りますが、議案第2号平成22年度岩手県母子寡婦福祉資金特別会計予算について御説明申し上げます。
 便宜、予算に関する説明書により説明させていただきます。恐れ入りますが、290ページをお開き願います。歳入と291ページの歳出の予算総額は、それぞれ3億1、400万円余であります。
 292ページから297ページにかけましての歳入は、一般会計からの繰入金、繰越金、諸収入及び県債であります。
 次に、298ページから300ページにかけましての歳出は、母子家庭及び寡婦の経済的自立、生活意欲の助長、児童福祉の増進などを図るため必要な資金の貸し付けに要する経費であります。
 以上で、母子寡婦福祉資金特別会計についての説明を終わります。
 引き続きまして、予算に関連する議案について御説明いたします。
 恐れ入りますが、議案その2の99ページをお開き願います。議案第28号医師修学資金貸付条例の一部を改正する条例について御説明いたします。
 この条例案は、今般、岩手医科大学におきまして、来年度以降に新たに入学する医学生に対しまして、学納金総額に異同はございませんが、初年度の学納金を100万円引き下げまして入学時の負担を軽減し、その分を2年次以降の各年度に20万円ずつ振り分けて家計負担の平準化を図ることにより、6年間を通した全体の学納金の支弁を容易にしようとする学納金改定が行われますことから、これに合わせまして修学資金の貸付金額の限度額を改定しようとするものでございます。
 以上で、保健福祉部関係の議案の説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇中平均委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間─おおむね30分に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑ありませんか。
〇及川幸子委員 まずもって保健福祉部長、それから担当課の皆様方、このひとり親家庭の補助─母子家庭のほかに父子家庭にも手厚い医療費補助をされたということで、一般質問でも取り上げましたけれども、あれから、仕事を持ちながら2人の子供を育てられた多くのお父さん方から大変ありがたかったというお言葉をいただきました。ありがとうございます。
 こういう県民のいろいろな思いを受けて真剣に取り組んでくださることを今後とも望むものでございます。
 質問は3点ございます。
 まず1点は、住宅手当緊急特別措置事業についてですが、今の説明にもありましたけれども、内容については、離職者が住宅を失った際、安心して就職活動ができるための施策のようでありますが、対象になる方々をどの程度見込んでいらっしゃるのか、まずお伺いいたします。
〇奥寺地域福祉課総括課長 住宅手当緊急特別措置事業についてでございますが、この事業は、第2のセーフティネット対策の一環として昨年10月に創設された制度でございまして、住宅を喪失した離職者などに対して、一定の要件のもと、最長6カ月間住居を確保するための家賃相当額を支給し、安心して就職活動を行うことにより、早期の就職を支援しようとするものでございます。
 この手当の支給状況についてでございますが、昨年10月の事業開始以来、本年2月までに市部を中心としまして59件、411万円余の支給を決定しており、平成22年度におきましては約200件の件数を見込んでいるところでございます。
〇及川幸子委員 2月まで59件で平成22年度はその約4倍ということですが、こういう職がなかなか決まらない状況下ではこの措置を利用する方々がふえると思いますので、その点を考慮に入れながらやっていただきたいと思います。
 また、これは就職が見つかるという前提であると思いますが、商工労働観光部と連携しての再就職に取り組む支援状況はどうなのでしょうか。連携をお伺いいたします。
〇奥寺地域福祉課総括課長 この手当に関する相談の対応の連携の関係でございますけれども、まず、昨年末に雇用部門と福祉部門と連携した、いわゆるワンストップサービスの相談をいたしております。それに引き続きまして、平成22年度におきましても、各地域ごとに生活福祉・就労支援協議会を設置しまして、ワンストップサービスデイの開催も含めまして、福祉部門と雇用部門との連携を図りながら、事業のより適切な実施に努めていくこととしてございます。
〇及川幸子委員 今後においても福祉部門と雇用部門との連携をさらにとられて、一人でも多く立ち直りの就職ができるようにお願いしたいと思います。
 次に移ります。
 自殺対策緊急強化事業についてでございますが、近年の自殺者の状況はどうなのでしょうか。全国で3万人を超えるという痛ましい自殺者数が発表されております。県内の状況というのはどういう割合でしょうか。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 自殺者数の状況につきましては、委員御指摘のとおり、全国では平成10年以降、3万人程度でずっと推移してございます。
 本県におきましては、平成15年に527人、当時の自殺率としては10万人当たりで37.8ポイント、ここをピークといたしましてその後は減少傾向にございましたが、平成20年に増加に転じたところでございまして、この傾向が平成21年度も続いている状況にございます。
〇及川幸子委員 この数字が増加ということで大変痛ましいと思うんですが、これは社会構造の部分にも原因があると思います。その原因はどういうふうにとらえられているでしょうか。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 県警等で発表した自殺の原因等を見ますと、健康問題、それからやはり経済的な問題、この二つが毎年多くなっている状況にございます。
〇及川幸子委員 健康と経済ですが、こういう世の中になりますと、やっぱり多重債務問題などを抱えたことが自殺に占める要因の1番になるのではないかと思うんですが、その場合、商工労働観光部との連携もとりながらこの多重債務問題というのも考えていかなければならないと思うのですが、いかがでしょうか。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 多重債務問題を原因といたしまして自殺に追い込まれる方が少なからずおることは承知しておりまして、いずれ商工労働観光部との連携は重要と考えておりますし、また、この自殺対策緊急強化事業の一環として、NPO法人のいわて生活者サポートセンターが、いわゆる多重債務などでいろいろ相談に来たときに、早期に心の病、いわゆるうつになりかけるかどうかを発見するためのツールを開発してございますので、それらを活用して早期発見に努めることも一つの方法と考えております。
〇及川幸子委員 以前にもお聞きしてただいまも答弁でありましたが、うつ病の早期発見ということですが、この早期発見がなかなか難しいということですが、県内でうつ病を患っている方はどの程度をお考えでしょうか。
 やっぱりこの早期発見がなかなか難しいと思うという答弁を前にいただきました。このうつ病ということについてお伺いしたいと思います。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 多くの方が自殺する前にはうつ病という病気にかかっているというようなことでございまして、この正確な数は掌握していないところでございますが、いずれ早期発見が重要だということでございますので、一義的には市町村健診の際に各市町村がうつスクリーニングなどを行って早期発見に努めているところでございますが、これに加えまして、例えば職域の部分では、県の予防医学協会が健診時にメンタルヘルスチェックをあわせて行うような取り組みをしておりますし、また、これに加えまして、例えば産後うつ病などの早期発見のためには、すべての市町村において産後のうつスクリーニング体制を整備するといったような取り組みを今後進める予定となっております。
〇及川幸子委員 市町村の健診というのも重要だと思いますが、やっぱり家族のケアですね、家族の方々が一番接していてわかると思うんです。日常生活でちょっと変わった行動をするとか、いつも口を開いていたのが無口になるとか、さまざまあると思います。そういう点では、保健所とか市町村の健診というのを、本人はもとより、徹底して家族の方々についても気を配っていただきたいと思っております。
 先ほどの自殺ですけれども、親の自殺により身寄りのなくなった子供たちに対する支援策はどうなのでしょうか。また、精神的ケアも含めてお伺いしたいと思います。
〇菅原障がい福祉課総括課長 親御さんが不幸にして自殺をした場合、残された子供につきましては、一般的には祖父母ですとか、それから親御さんの御兄弟ですとか、親族がその後を見るといった例が多いわけですが、不幸にして身寄りがない児童につきましては、現時点では、県内にございます各児童養護施設での支援、もしくは里親を使った支援などで残された子供の養育に当たるといったことが考えられるかと思います。
 また、親御さんを亡くされて心に傷を負った子供さんにつきましては、必要に応じまして、県内3カ所にございます児童相談所において児童心理司などの専門職員が心のケアに対応しているところでございます。
〇及川幸子委員 いろいろな事情で自殺をされる親御さんに残された家族というのは、やっぱり心の部分がかなり痛むと思いますので、今後ともその施策に取り組んでいただきたいと思います。
 最後になります。
 ちょっとお聞きしたんですけれども、先日12日の報道によりますと、保険に入れない方が、結果、全国で43人が亡くなったということ。この新聞には無保険と書いてありますが、担当課に聞きましたら無保険という言い方はないということなので、保険があっても、医療機関にかかって窓口で払えなくて命を落としたという報道もなされておりますが、県内の状況はどうなのでしょうか。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 国保に加入されている方で、特別な事情がなく1年以上保険料を滞納し、医療機関に受診する際に一たん全額を負担していただくこととなる資格証明書を交付されている世帯につきましては、平成22年2月1日現在で1、267世帯となってございます。
 これらの世帯に対しましては、市町村において、世帯主が当該世帯に属する被保険者が医療を受ける必要が生じ、かつ医療機関に対する医療費の一時支払いが困難である旨の申し出を行った場合、特別の事情に準ずるとして短期被保険者証を交付し、医療の確保を図っているところでございます。
 県としては、今後とも資格証明書の取り扱いが適正に行われますよう、引き続き市町村に対して助言をしていきたいと考えてございます。
 なお、平成22年3月に私どもが市町村を対象に資格証明書の方々の状況を聞き取りさせていただきましたところ、この資格証を交付されている方々が、このことによりまして受診を控えられて重症化ないし死亡したといった事例はないという報告は受けているところでございます。
〇及川幸子委員 ほっとしました。岩手県のその取り組みに対して本当によかったと思っておりますが、今後においても、新聞報道では、39歳の若い方が資格がないということで亡くなったと。親が保険を払えない部分で子供たちに影響があって病院に通えないということは絶対岩手県ではないと思いますが、今後においてもいろいろ取り組んでいただきたいと思います。
〇樋下正信委員 私は、保健衛生課の部分で、がん検診の受診向上率対策というところでお聞きしたいと思います。
 最初に、県内で死亡率の高い病気は何なのかひとつ教えていただきたいと思いますし、年齢別にはどのような状況になっているのか、まず最初に教えていただきたいと思います。
〇佐々木保健衛生課総括課長 県内でがんで亡くなる方は多いわけでございますけれども、部位でいいますと、やはり胃がんとか大腸がんが多くなってございます。(樋下正信委員「死亡率の高い病気」と呼ぶ)
 がん及び脳卒中、心疾患、そして自殺というのが高うございます。
〇樋下正信委員 がんは高いほうだと思うんですけれども、年齢別はどうなっているんでしょうか。
 要するに、今、若い人、30代でもがんを発症する人が多いと聞いていますけれども、その辺ちょっと教えていただきたいんですけれども。
〇佐々木保健衛生課総括課長 今手元に資料がございませんので、それにつきましては後で御説明させていただきたいと思います。
〇樋下正信委員 この事業内容なんですけれども、がん検診の受診率向上を図るため、ピンクリボンフェスティバルはどういうことをやるのかひとつ教えてほしいですし、もう一つ、若い人もがんになる確率がかなり高くなってきているということをいろいろなところでお話を聞くわけでございますが、検診の受診率を向上させるためには、私、この250万円の予算では果たしてどうなのかと。少ないのではないかと私は思っております。
 今、この検査方法もかなり進んでいまして、血液検査でもがんの組織があるかないかわかるところまで来ているという状況の中で、献血というのがございます。献血をすれば、私も何回かやっているんですけれども、検査成績のお知らせというのが来るんですが、生化学検査で7項目、血球計数検査で8項目の検査をしているようですが、こういうところに一つ、血液でがんがわかるような検査が1項目でも入れば、例えば献血に行ってがんがわかるということになれば献血の促進にもなると思いますし、また、がんの早期発見にもつながっていくのではないかと思いますが、その辺のことについて何かいい案があれば教えていただきたいと思いますけれども。
〇佐々木保健衛生課総括課長 がん検診の受診率向上についてのお尋ねであります。
 まず、ピンクリボンフェスティバルについてのお尋ねがございましたけれども、これは10月が乳がん撲滅月間ということで、この期間に合わせまして関係機関や患者団体と共同で開催しているイベントでございます。
 それから、若い人に対しての普及啓発が必要ではないかという点につきましては委員御指摘のとおりでございまして、これにつきましては、さまざまな普及啓発の機会を通じて若い人にも行っておりますし、また、来年度につきましては、例えば大学生の方とか、そういう方に対する取り組みについてもいろいろ考えていきたいと思っております。
 それから、額として予算が250万円程度では少ないのではないかというお話もございましたけれども、例えばがん検診受診率向上につきましては、県のみならず、民間企業とタイアップした取り組みも大切かと思います。
 昨年10月に県と民間企業でがん検診受診率向上対策プロジェクト協定を結びまして、企業の店舗で受診勧奨のリーフレットの配架とか来客への声かけを行っていただいております。こうした民間企業との連携した取り組みを通じまして、県の予算や県事業にとどまらず、民間と一体となった取り組みで強化していきたいということであります。
 それから、最後、献血を活用してのがん検診というお話もございました。
 いわゆる腫瘍マーカーの存在について、血液での検査によってがんに罹患しているかどうかということかと思います。これにつきましては、腫瘍マーカーについては健康人であっても血液中に存在するということで、腫瘍マーカー単独でがんの存在を診断できるものは、現時点では前立腺がん等、少数であると聞いてございます。
 そういった中で、例えば国の研究会でも、手元にありますのは胃がん検診の見直しについての国の有識者の検討会ですが、その中間報告の中で、集団検診としてがん検診を行う際の有効な検査手法は何かといった中で、今やっております、例えば胃ですと胃のエックス線検査とかいろいろあるわけですが、その中で血液の検査にも触れておりまして、現時点では、そのエビデンスからいって、この血液検査でもってがんを判断するのは適当でないという報告が出ております。
 そういった、今後、技術的にいろいろ検討していく部分があるということがありますし、それから、献血におきまして検査項目をふやすということは当然のことながら献血のコストアップにもつながりますので、これは献血事業を担当しております日本赤十字社とも十分な協議が必要かと考えております。
 先ほど年代別の死亡率についてちょっと御説明ができなかったのですが、今、手元に資料が参りましたので、御説明したいと思います。
 例えば男性で見ますと、10代─15歳から19歳の方は、悪性新生物での死亡は死因の中で第2位となっております。20歳から24歳では第3位であります。それから、40歳から44歳が悪性新生物は第2位、45歳以上では悪性新生物が第1位であります。女性につきましては、10歳から14歳の方が悪性新生物での死因が第1位です。これが35歳以上になりますと悪性新生物での死亡が第1位ということです。
 年齢が上がるほどがんによる死亡が多いという状況であります。
〇飯澤匡委員 まとめてお伺いしますので、漏れないようにお願いします。
 先般、資料をいただきました、昨年の動議に基づくさまざまな地域医療の懇談会であるとか、それから県立病院の形態のあり方であるとか、配付をいただきました資料に基づいて検証を含めながら質問させていただきたいと思います。
 まず1番、地域医療に関する懇談会について3点伺います。
 各地域で提言が最終的になされたわけですが、この提言をどのように生かすのでしょうか。
 2点目は、市町村とのさまざまな人的資源の有効活用を含む連携を担う、そういう県側のさまざまな連携の担い手となるのは振興局だと思うんですが、来年度からは広域振興局体制になるということでございますので、その振興局の体制についてはどうなるのでしょうか、お示しいただきたい。
 それから3点目、今回の増額補正における地域医療に関する懇談会は、私はこれをさらに発展させる必要があると考えます。さらに深化させて、例えば住民との分科会などの設置などを視野に入れた住民との問題共有を図る機会をふやす、これは県の保健福祉企画室が中心となってすべきと私は考えますが、平成22年度の展開方針はどのようになるのでしょうか、お示しいただきたいと思います。
〇石田保健福祉企画室企画課長 まず、提言の具体化についてでございます。
 県といたしましては、各地域の提言の具体化に向けましてまずは地域住民の皆様に理解していただくことが重要と考えており、各地域で開催いたしましたシンポジウムなどを通じまして、その周知を図ったところでございます。
 この提言のうち、各主体が速やかに実施することができる内容につきましてはみずから積極的に取り組んでいくこととしており、例えば、県では平成22年度当初予算におきまして、ヘリポートの整備や中核病院の診療応援を支援するための予算を盛り込んだほか、市町村におきましても、宮古市におけるヘリポートの整備、山田町や一関市千厩地域におきます、地域が一体となった病院を支える取り組みなどが行われているところでございます。
 また、提言の実現に向けまして、関係機関が相互に連携した取り組みが必要なものにつきましては保健所がコーディネーター役となって推進していくほか、さらに議論を深めることが必要なものにつきましては、各圏域の医療連携推進会議など、それぞれのテーマにふさわしい協議会等の場でその具体化に向けた検討を進めながら、地域が一体となり、地域医療を支える取り組みを推進していきたいと考えているところでございます。
 次に、市町村との連携を担う振興局の体制でございますが、平成22年度から4広域振興局体制となるわけでございますが、地域におきます保健医療提供体制の確保につきましては、これまでどおり二次保健医療圏を基本として進められるものと考えております。
 したがいまして、再編後におきましても、九つの保健福祉環境部、保健福祉環境センターが中心となりまして、地域医療の確保に向けた取り組み等を推進できるよう、引き続き関係職員を配置し、対応することとしております。
 平成22年度におきましては、懇談会の提言はもとより、健康づくりや疾病予防などにおきまして、これまでに増して保健と医療が一体となった取り組みが強化されるよう、市町村との意見交換や情報共有を図り、県と市町村とが連携して取り組んでいくことが必要であると考えているところでございます。
 なお、本庁におきましても、健康づくり等におきます職域や市町村国保等の取り組みの連携強化を図るための推進体制を整備することといたしまして、医療国保課の国保分野を保健衛生課に移管しまして、同課を健康国保課として再編し、健康づくりや疾病予防の充実強化を図ることとしております。
 続きまして、地域医療に関する懇談会の展開方針についてでございますが、地域医療に関する懇談会を初めといたしまして、地域医療に関する類似した協議組織が数多くあるとの御指摘がございました。現在、その見直しを進めているところでございます。
 地域医療に関する懇談会には、地域住民の代表者にも参画いただきました。地域医療に関する現状や課題等の情報を共有しながら意見交換を行い、提言をまとめたことに意義があるものと考えておりまして、今後ともこのような場を恒常的に設ける方向で検討しているところでございます。
 具体的には、例えば、各圏域に保健所運営協議会がございます。地域住民の代表者も参画する、地域で支える医療を推進するための部会のようなものを設置いたしまして、地域医療に関する懇談会の提言の具体化等に向けた意見交換や検証を行う場を設けることなどについて、今、検討しているところでございます。
 また、提言の具体化におきましては全県的に推進する内容も数多く含まれておりまして、保健所と連携を図りながら、本庁において全県的な進行管理を行っていくこととしております。
〇飯澤匡委員 この懇談会は、最初、大変心配しておったわけですが、3回、4回もやったところもありました。最後はシンポジウムで締めくくって、私の地元では会場に入り切れないほどの人数の方々がいらした。これはひとえに地域医療に関して─要は医師の偏在です─大変心配が多いし、参加者が多いということについては、何らかの形でできることがあれば住民の手でも支えていくものがないのかというような建設的なことで参加したというような根拠にもつながったと思うんです。
 先ほど答弁がありまして、今後さまざまな形でこれから深化をさせていくような方向が示されましたので、これはぜひともやっていただきたいと思うし、それから協議会の持ち方ですけれども、やはり特定の団体の長であったり、どうしても子育て世代の方の意見が、というか、そういう世代の方もなかなか会議には出づらいんだろうけれども、そういう協議会で声を吸い上げる場というのを─もう少し柔軟な協議会の持ち方というのも、これは試行錯誤でいいと思うんです。これはやはり保健福祉企画室がその仕掛けの部分を担っていますので、そういうところは各振興局、そして自治体と連携を取り持って、ただ現場に投げるのではなくて、もっとある資源を有効に使うということが今、課された一番大事なことですから、それをぜひ、もっと仕掛けどころを焦点を絞っていろいろやっていただきたいと思います。
 それから2点目ですが、これはちょっとこの部で聞いていいかわからないんですけれども、答えられるのであれば答えていただきたいと思います。
 県立病院事業等の経営形態のあり方についてですが、第1回の懇談会が随分遅く開催されました。このおくれた理由というのは何でしょうか。
 それから、この報告書というのはどのように取りまとめられるんでしょうか、そのスケジュールを示していただきたいと思います。
〇石田保健福祉企画室企画課長 第1回目の懇談会が開催されるまで時間を要した理由でございますが、昨年4月から、さきに独立行政法人化を決定いたしました長野県立病院などの先進地の状況や、医療局が平成18年度に行った独立行政法人化を含めた経営形態の見直しにつきまして、その検討結果等を整理してきたところでございます。この中で、例えば地方独立行政法人化する場合におきましては、多額の累積欠損金の清算や借入金の返済、退職給与引当金の措置などの財政面での課題を初めといたしまして、さまざまな課題があると理解してきたところでございます。
 このようなことから有識者等による専門的議論を行うための懇談会を設置することといたしまして、9月補正におきまして所要額を措置させていただいたところでございます。
 第1回目の懇談会につきまして、当初、昨年内に開催したいと考えていたところでございましたが、座長と想定しておりました医療政策や本県の医療事情に精通した有識者につきまして、本県あるいは東北地域に適任者がいなかったことから、人選に時間を要しました。また、重要な課題を議論することを踏まえ、個々の委員に対しまして事前に説明する等、若干時間を要しましたことから1月28日の開催になったものでございます。
 次に、報告書の取りまとめについてでございますが、本懇談会につきましては1月28日に第1回目を開催いたしまして、3月29日に2回目を開催する予定としております。それ以降の進め方につきましては第2回懇談会において御検討いただくこととしております。
 県としては、当初五、六回の開催を想定したところでございますが、第1回目の懇談会では今後幅広く議論していくこととし、会議以外にも、病院現場の視察をする機会を設けることなどについても意見が出されましたことから、開催回数につきましては十分に議論を深めるための回数を確保していきたいと考えているところでございます。
 なお、本懇談会が動議を踏まえて設置した趣旨から、遅くとも平成23年2月議会までには懇談会としての意見、提言を報告書として取りまとめていただきたいと考えているところでございます。
〇飯澤匡委員 では、さきの質問、また答弁を踏まえて、次の質問ですが、これからの地域の保健医療体制の確立についてお伺いします。
 昨年の2月定例会で無床化については大変な議論となりました。無床化しなければ命を守る医療は守れないと、これは知事が言った言葉です。しかし、現状は、医師の地域偏在の解消については、まだその解決の道筋は全く見えない。地域に医師が定着するには、確かに今までは県医療は県に任せておけばいいというような市町村の立場もありました。これはさまざまな取り組みによって解消しつつあると思います。
 必要ですけれども、私が一番大変苦労しているなと思うのは、やっぱり県立病院の院長が人事掌握なり、すべての管理をほとんどやらざるを得ないというような状況がある。これは県立病院だけではなくて、医師の確保等、全体的なことを担う保健福祉行政の中で、何らかの県としてのシステムづくりというのも、今までは医局に頼んでおけばよかったというような時代ではもう既にありませんし、この間のシンポジウムでも千厩病院の伊藤先生は「もう医療崩壊していますから、皆さんこれからここが底ですから」というような言い方、まあ、これは自虐的なといいますか逆説的な言い方で共感を呼ぼうと思ったんでしょうけれども、そういうことになってしまったのでは、これはなかなか、特に地域偏在の郡部においては大変な状況であるわけで、そういうような派遣のシステム構築というのは私はこれからまさに保健福祉部がいろいろ主体的に考えていかなければならないと思うんですが、どういうふうなお考えでしょうか、示していただきたい。
 そしてそれに関連するんですが、やはり医療局自体が県立病院を運営していくと。これは公営企業法に適応した形でやっているんでしょうけれども、医師を確保して県立病院との連携を図っていく意味において、これは保健福祉部が医療局の中に組織的にも包含するやり方もあって、そういうような時代に入ってきたのではないかと個人的にはそういうふうに思うんですけれども、その点について御見解があればお示しいただきたいと思います。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 まず、最初のお尋ねの医師の地域偏在解消のための派遣のシステムの構築についてでございます。
 地域偏在の解消に関しましては、これまで、市町村立や小規模な県立病院を含む公立病院等に自治医科大学卒業医師の計画的な配置、派遣等を行ってきたほか、医療局におきましても、県立病院間や中央病院等から市町村立病院などへの診療応援を実施してきたところでございます。
 しかしながら、委員も御指摘のとおり、この地域偏在は大変厳しい状況でございます。この問題の根本的な解決を図るためには、やはり医師の絶対数の確保がまずは重要であることから、平成20年度からの岩手医科大学医学部の定員増に合わせましていわゆる地域枠を設定し、奨学金制度の拡充を図るなど、地域医療に従事する医師の養成に取り組んできたところでございます。
 このような奨学金制度による養成医師につきましては、平成24年度ころから順次、臨床研修を修了した医師の配置が拡大する予定であり、平成28年度以降はさらに配置が本格化することが見込まれることから、今後は、市町村立や小規模の県立病院等においても段階的に医師の充足状況の改善が図られてくるのではないかと認識しているところでございます。
 県といたしましては、こうした養成医師の配置に関しまして、現在、岩手県地域医療対策協議会において、大学関係者や市町村等の御意見を伺いながら、医師のキャリア形成や地域医療確保のバランスに配慮した医師の計画的な配置や、派遣等の調整を行うためのシステムづくりを進めているところであり、配置が本格化する時期を見据えて、今後さらなる具体化に向けて検討を行ってまいりたいと考えております。
〇福島副部長兼保健福祉企画室長 医療局と保健福祉部のあり方、大きく申しますとそういった形、具体的には、医師の確保を一元化していくために、医療局を例えば保健福祉部に包含するといったようなことが考えられないかというお尋ねでございました。
 ただいま野原総括課長からも御答弁申し上げましたが、今後、奨学金制度による養成医師についても、その配置が本格化する平成28年度以降におきまして、市町村や大学等からの要望にも対応して、計画的な配置や派遣等の調整を行うための、医療局と保健福祉部の保健医療部門によります一元的な管理体制が必要だと考えております。
 また、現在検討を行っている地域病院担い手医師、これは総合医などの地域病院担い手医師の養成を進めていくことなどにおいても、連携した取り組みが必要であると考えております。
 今後におきましては、これらの課題に対応する組織が必要となると考えられますが、検討を進めていく上におきましては、将来的な医療局と保健福祉部の保健医療部門の関係をも視野に入れて考えていく必要があると考えております。
 先ほども御答弁申し上げましたが、現在、県立病院等の経営形態のあり方に関する懇談会の場におきまして、その点も含めたさまざまな角度からの御議論をいただきたいと考えているところでございます。
〇飯澤匡委員 野原総括課長の答弁にはその前進の姿が見えてくるので、ぜひともその点については─今までなかなか見えてこなかった部分もあるし、そして縦割り行政の中で、お互いに大変良好な関係でやっているとは言いつつも、なかなか県民には見えてこない部分でしたので、これはしっかり地域医療の、そして地域偏在をなくすために、どういう機関があってどういうことをやっているというのを、そこら辺はきっちりと形ができるような姿でやっていただきたいと思います。
 それで、私の質問の答弁に対しては大変感謝をするわけで、最後に、通告していなかったんですが、地域保健福祉政策のあるべき姿という、こういう副読本で知事の発言を読ませていただくと、前半はいいんですよ、これは地方自治に、医療、福祉について取り戻さなければならないと。これはこういう覚悟でいいと思うんですが、そこで皆さん方とちょっと相入れない部分というのは、そして住民本位の地域医療を再構築させなければならずと、ここまではいいんだけれども、そのとき主人公はやはり住民自身でなければならないと思いますと。
 これは提供側、供給側にとってみて、ある程度住民の意識改革は必要でしょうけれども、今後、県のあるべき姿というのはどうであろうというのは、これから先を読んでもなかなか見えてこない。これは県庁の中でどのような知事との話し合いがあって、これからの地域医療を福祉政策、これは地域保健福祉政策のあるべき姿として出ている。どうも、そこら辺はうまく整合性が保っていないと思うんですが、その点はどう考えますか。
〇福島副部長兼保健福祉企画室長 今後の医療の提供体制サイドの問題についてだと思いますが、地域医療に関する懇談会を通じて、相当程度、住民の方々に、意識の面でお考えいただく素地が少しずつできてきたと思っておりますが、問題は医療の提供サイドで、それをどうするかというのが見えてこないと、こういうお話でございます。これに関しては、たびたび知事へも、協議、相談、報告などもする中で、一つは、議会の要請に対するお答えの仕方として、この経営形態の検討会を、これも進めるという、その報告なども踏まえて、具体的には提供の問題をしっかりと検討していくべきということでは、当然のことながら、知事の御意向を踏まえて、私ども取り進めていると考えているものでございます。
〇飯澤匡委員 ちょっと締めくくり方がね、それは大事なんだろうけれども、提供側との責任であるとか今後の方向性というのは、きちっとメッセージとして伝わるような形にしていかないと、これはある意味、県民は誤解する可能性もあると思いますよ。全部県民に、住民に投げられて、意識を変えていくことがまず第一義的に大事なんだと、そういうことじゃないんですよやっぱり。皆さん方の力と、それから住民が担っているさまざまな力を引き出し合いながら、何とか補い合っていかなければならないというのが今の場面でしょう。私はそう思いますね。意見を申し上げて終わります。
〇関根敏伸委員 私からは、介護関連事業2点につきましてお伺いをさせていただきます。
 最初に、予算書107ページの介護雇用プログラム推進事業につきまして具体的にお尋ねをさせていただきたいと思います。
 緊急雇用創出事業の位置づけの中で、介護福祉士コースとホームヘルパー2級コースですか、合計60名の雇用を創出していこうという事業の概要だとは理解をしておりますが、事業の詳細につきまして、まず教えていただきたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 まず、介護雇用プログラムの事業内容についてでございますけれども、このプログラムにつきましては、昨年秋に、政府が緊急雇用対策の一方策として打ち出したものでございます。これは、県及び市町村が県の緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用いたしまして、働きながら資格を取る介護雇用プログラムを実施して、介護現場における緊急雇用の拡大と、人材の確保、育成を図ることを目的にしているものでございます。
 県が実施いたします介護雇用プログラム推進事業の事業内容につきましては、介護サービスや障がい福祉サービス施設等を設置、運営する事業者に対しまして、離職者、失業者等を有期雇用し、介護資格を取得させる業務を事業者に委託するものでございます。
 具体的な内容についてでございますが、事業者が離職者、失業者等を有期雇用者として雇い入れ、介護施設等で介護業務に従事させるとともに、介護業務をしながら雇用期間内に介護福祉士またはホームヘルパー2級課程の介護資格取得のための養成講座等を受講させるものでございます。
 雇用期間は、介護福祉士コースにつきましては、平成22年4月1日から1年間の契約を結びまして、翌23年度につきましても更新しての計2カ年、ホームヘルパー2級コースにつきましては、平成22年4月1日からの1年間を予定しているものでございます。
 県におきましては、このような事業者に対しまして、委託料として、雇用された者の人件費や講座受講費等を負担するものでございます。離職者は給与を受けながら、経済的な負担なく、資格も取得することができます。また、施設におきましては、プログラム終了後の有資格者を正規雇用することも可能となりますし、経済的負担を伴わずに、人材の確保、育成ができるといった事業内容でございます。
〇関根敏伸委員 そこでちょっと詳しく聞かせていただきたいんですが、この事業のスケジュール的な状況からいきますと、受託予定施設の応募がもう既に開始されていらっしゃると思っておりますけれども、この施設の応募状況がどうなっているのか。また、地域ごとにさまざま雇用情勢も厳しいと思うんですが、地域ごとの状況等がわかればお示しをいただきたいと思います。
 あわせて、これに対して二つのコース、求人、面接という過程にあるかと思っておりますが、この状況等についても聞かせていただきたいと思います。
 この募集の資格の中には離職者がございますが、また、ことしの春、高校を卒業する就職の未内定者等々も含まれているとは思うんですが、こういった方々も手を挙げられていらっしゃるのかどうか。
 それともう一点、募集施設ごとに待遇の差異が生じると応募状況に示されているんですが、これはどういう状況になっているのか、この辺も聞かせていただきたいと思っております。
〇岡村長寿社会課総括課長 事業受託予定施設の応募状況等についてでございますが、介護福祉士コースにつきましては、本年1月中旬から2月上旬にかけまして、30人分の雇用につきまして事業の応募を行ったところでございます。これに対しまして、25法人、28事業所から、35人分につきまして応募がございました。応募どおりに事業受託予定者として内定を行ったところでございます。
 地域別に申し上げますと、県央地区が10法人、11事業所、15人分、県南地区が13法人、15事業所、17人分、県北・沿岸地区が2法人、2事業所、3人分となっております。その後、2月上旬から中旬にかけまして、受託予定者の各事業者におきまして、県内のハローワークや県の福祉人材センターを通じて35人分の求人を実施し、延べ80人の求職者がございました。各事業者の面接、選考を経まして、養成機関である専門学校の選考試験の結果、最終的には23法人、26事業所、30人で実施する見込みとなっております。
 次に、ホームヘルパー2級コースについてでございますが、こちらは本年1月中旬から2月中旬にかけまして、60人分の雇用について事業者の募集を行ったところでございます。これに対しまして、24法人、44事業所から68人分の応募がございまして、応募どおりに事業受託予定者として内定を行っております。
 地域別に申し上げますと、県央地区が10法人、12事業所、20人分、県南地区が9法人、23事業所、34人分、県北・沿岸地区が7法人、9事業所、14人分となってございます。
 その後、2月下旬から今月中旬の20日ころにかけまして、県内のハローワーク等を通じまして受託予定の各事業所が求人を行い、3月下旬までには採用予定者を内定する見込みとなってございます。
 高校卒業者等がこういう応募者に含まれているかという御質問がございましたけれども、介護福祉士の養成コースにつきましては、新卒の高卒者は含まれてございません。
 なお、ホームヘルパー2級コースにつきましては、新卒の高卒者でも、就職、進学等が決まっていない方につきましては応募できることとなっておりますが、現在、応募中でございますので詳細は不明でございます。
 また、施設、事業所ごとの待遇の状況の御質問でございますが、事業受託予定者の計画によりますと、勤務時間につきましてはすべて常勤の採用条件となっております。
 また、給与につきましては、各事業者ごとに設定することとなりますが、手当を含め、おおむね月額13万円から18万円程度の範囲となってございます。
〇関根敏伸委員 ヘルパー2級コースはこれからということなんですね。介護福祉士コースは30人に対して80名という応募で、こういう状況の中で、大変この事業に対して期待されていらっしゃる方が多いと思って拝見をしておりました。
 この待遇でございますが、13万円から18万円の間ということですが、県の委託の条件を見ますと人件費ということ、あとは受講料、諸経費ということで、受託費というのが1人当たり上限が決まっているようなんですが、この範囲の中で施設者がある程度裁量を持って決められるということなのかどうか、それを後から聞かせていただきたいと思います。
 それから、この介護福祉士コースは、要するに養成校と言われる専門学校に入って介護福祉士の資格を取るということになろうかと思っておりますが、この専門学校が盛岡と北上地区、いただいた資料によりますとここだけに限られているという今の状況の中で、県北・沿岸の方々のこういったこの事業に対して期待される方々、大変地域偏在という意味でありましてきついのかなと、こういった学校に入りながらこのコースを取得するのは難しいのかなと考えるんですが、こういった方々に対しての支援のあり方等々、何か考えていらっしゃる部分があるのかどうか、お聞かせいただきたいと思いますし、あと、仮にこの資格取得がならなかった場合、何らかの取り扱いが想定されていらっしゃるのかどうか、これも聞かせていただきたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 介護福祉士コースの養成校が地域に偏っているということで、支援のあり方ということでございますけれども、養成機関は今お話がございましたとおり盛岡市と北上市にございます。どうしても県内では養成校の立地が限られております。そういう条件でございますが、県では沿岸部、県北等の遠隔地からでもプログラムに参加実施が可能となるように、通勤手当であるとか養成機関所在地に住居を構えて、あるいは寮に入って入学できるというような住居手当等の支給についても配慮をするように考えたところでございます。プログラムの実施施設等に対する委託料の設定におきまして、こういった点について十分配慮したところでございます。
 また、事業の実施に先立ちまして、昨年11月には、県内の事業を行っている社会福祉法人等に委託調査を行いましたほか、特別養護老人ホームや認知症グループホームなどの関係団体を通じまして協力を依頼し、再三にわたりまして事業実施に向けた要請等を行ったところでございます。この結果、短期間ではございましたけれども、遠隔地である、例えば一関市から盛岡市の専門学校に通う、あるいは沿岸部の久慈市から盛岡市内に住居を構えてプログラムに参加するという事業者が応募しておりまして、ほぼそういう事業の見込みとなっております。
 また、先ほど人件費等でそういう配慮されたかという中身でございますが、県のほうではおおむね月20万円程度の中で、賃金であるとか諸手当を設定してございます。その中で、施設ごとに従業員の賃金バランスであるとか、そういうことも考慮しながら、応募の際には先ほど申し上げました十数万円から高いところで18万円程度までの間で、年齢、経験等を踏まえて応募条件を設定したと伺っているところでございます。
 資格取得ができなかった場合の取り扱いについてでございますが、介護福祉士につきましては専門学校で2年間修学し、所定の単位を修得すれば今回の入学者につきましては、卒業と同時に資格が取得できることとなっております。また、ホームヘルパー2級につきましては、県の指定を受けた事業者が開催する実習等を含む130時間以上の講習を受講すれば資格が取得できます。これはヘルパーについては通信教育でも、可能でございます。
 仮に、退学や離職等で養成講座の受講を中途で取りやめた場合でございますが、その時点で事業者との委託契約を打ち切ることになります。また、雇用期間内に資格取得ができなかった場合につきましても、委託契約が終了することになります。この場合、仮に契約を中途で打ち切った場合であっても、事業者あるいは離職者等に経費の負担等の返還を求めるとか、そういう取り扱いは考えていないところでございます。
〇関根敏伸委員 県北・沿岸の方であっても、通勤であったり、住宅手当等の面で配慮できるような状況になっているということですね。現にそういった応募があるということでございますね。わかりました。
 最後に、このプログラム終了後、事業受託者募集に際しては、正規職員としての雇用契約の締結に努めることといったような条件が付されての募集になっているようなんですが、県として、終了された期間の後の正規雇用に対して、事業者に対しての働きかけあるいは具体的な見込み等々をどのように把握されていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 プログラム終了後の正規雇用等への移行についてでございますけれども、介護関係資格を取得した後、雇用義務は発生しないという取り扱いになってございます。こういう状況の中で、正規雇用にいかにつなげていくかということが重要な課題であると認識してございます。そのため、プログラム期間中におきましては、事業所内での指導状況につきまして適宜把握を行い、あるいは資格取得や介護技術の修得が円滑に進められているか、そういったことにつきましても事業者側に助言をしていきたいと考えております。
 プログラムを実施する事業者に対しましては、事業終了後の正規雇用の検討について、積極的に要請を行っていきたいと考えているところでございます。
 なお、プログラム終了後に当該事業所に正規雇用とならなかった場合につきましては、ハローワークの協力を得ながら、取得した資格を生かして、他の事業所への求職活動等が円滑に実施できるよう、岩手労働局等とも連携を密接にとりながら、雇用の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 ぜひ、正規雇用に向けましても御努力をお願いしたいと思います。
 2点目でございますが、同様に、今、県で実施しております介護従事者の処遇改善の臨時特例事業がございますけれども、この状況についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 大きく国とか県の労働政策の中で、こういった介護福祉分野でありますとか農業分野へのこういった労働移動を一生懸命進めていらっしゃるという位置づけの中で、この介護従事者の処遇改善というのは大切な位置づけだろうと思っております。
 前回、一般質問等でお聞きをさせていただいた状況があったんですが、この事業の進捗状況を改めてお聞かせをいただきたいと思います。
 県内に、大体対象事業所が2、400カ所ぐらい、そこで働いていらっしゃる直接の介護従事者が9、600人程度いらっしゃると当初聞いておったところでございますが、今現在、処遇改善事業の進捗でどの程度の事業者が手を挙げられ、どの程度の介護従事者の介護待遇に結びつけられる見込みなのか、この状況をお聞かせいただきたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 この事業の進捗状況についてでございますが、介護業務従事者処遇改善交付金事業につきましては、去る6月定例会でいち早く関係予算を議決いただいたところでございます。
 7月下旬から、県内4カ所で事業者説明会を開催いたしましたほか、関係団体との意見交換、NPO団体の協力も得まして、各種研修会や相談事業の実施を通じまして、積極的に事業の周知を図ってきているところでございます。
 また、交付金の認定に際し、申請事務につきましては、それぞれ事業者が身近な広域振興局等で実施できるように、きめ細かな取り組みを体制上も講じてまいったところでございます。
 その結果、平成21年12月末現在でございますが、県内の対象事業所、先ほど二千数百カ所とお話がございましたけれども、介護職員が事業上配置されている対象事業所1、162カ所のうち1、012カ所が申請を行っているところでございます。申請率は87%となっておりまして、全国平均の80%を上回りまして全国第4位と、積極的な取り組みが県内でなされていると承知してございます。現在、平成22年度分の交付金に係る申請を受け付けているところでございます。
 今後とも、この交付金が有効に活用されますよう申請の働きかけを強化し、申請率の向上に努めてまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 1、162カ所中1、012カ所で、交付金の申請がなされているということですね。87%ということで、今お聞きすると全国でも上位にあると。これは恐らく予算化されている予算額でありますと、対象事業所の全事業所が対象になっても大丈夫なくらい予算化されていらっしゃるのかどうか。それと、あわせて、この進捗状況に対してどのように評価をされているのかお聞きをいたしますし、また、あわせて、処遇改善の実現の状況の実態把握にどのように努められていらっしゃるのか。1万5、000円程度の処遇改善に結びつくという、そういった前提での予算化となっていると思いますが、この実態把握にどのように県が努めていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 処遇改善の実態把握についてでございますが、この交付金事業におきましては、受給する見込みの交付金以上の金額を、給与の改定、手当の新設、一時金の支給などの賃金改善に活用しなければならないこととなっております。申請している事業者は、その改善計画を策定し、対象となる職員に周知した上で県のほうに申請している、そういう形になってございます。そこで、交付金を受給している事業者につきましては、処遇改善が確実に実行されると考えております。
 申請した事業者につきましては、まだ賃金改善の状況というのは県で直接把握していないところでございますが、国の制度設計では、介護職員1人当たり、月額平均1万5、000円相当の賃金改善が図られるような予算になってございます。
 県におきましては、先ほど87%の申請状況だと申し上げましたが、100%の事業者が仮に応募した場合でも、おおむね対応できるような基金造成を行っている状況でございます。
 また、この交付金の支給による処遇改善の状況、実態につきましては、本年の5月までに事業者から実績報告が提出されますので、そこでどの程度実際の賃金改善がなされたか、そういう状況が把握できると考えてございます。
〇関根敏伸委員 最後になります。今の状況で、残りの13%の事業者の予算化も十分だということでございますので、ぜひ100%を目指していただきたいと思いますし、5月に実態調査があるということでございます。きっちりとした形で処遇改善に結びつけている実態がどうなのか、現状を把握していただきたいと思います。
 最後になりますけれども、介護従事者の処遇改善の恒常的な取り組みという位置づけの中で、私ども議会の地域医療等対策特別委員会で、先般、群馬県を視察させていただいたんですが、群馬県では、全国の自治体の中で初めて県独自の介護福祉士の認定制度というのをつくられたというお話を聞いてきたところでございます。認定制度の創出によって、それが直接認定された従事者の処遇改善に結びつくかどうかはこれからという状況であると聞いておりますけれども、いわゆる職員のキャリアアップに応じた処遇改善を県がきっちりと後押しをしていくという制度として大変すばらしい取り組みだと考えておりますが、県としては、こういった他県の状況も御認識されていらっしゃると思いますけれども、県独自の認定制度を含めました処遇改善の後押しに関してどのような方向性で臨もうとしていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 介護従事者の処遇向上に向けた県独自の取り組みについてでございますが、群馬県で行っておりますぐんま認定介護福祉士制度につきましては、介護現場におけるリーダーとして必要な知識、技能を有する介護福祉士を養成し、介護従事者の意欲向上や職場定着を促進する目的で創設したと伺ってございます。資格取得をした場合には、処遇改善にもつながるものと理解しております。
 介護業務従事者処遇改善交付金におきましては、本年10月から、賃金の改善に加えまして、新たに資格や職制に応じた処遇を行うキャリアパスが申請要件に追加されるとなってございます。現在、国においてその取り扱いやキャリアパスの要件化の内容を検討しておりまして、県のほうにも、今後、その内容の取り扱いが示される予定とされております。県では、そういった動向を注視しながら、従事者の処遇改善につながるように支援を検討してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 私の方からも介護雇用プログラム推進事業費についてお尋ねをいたします。
 高齢化とともに、介護や福祉サービスのニーズが非常に高くなってきていると思っております。そういう中において、特にも介護職の希望者が全国的には減少していると言われております。重労働の割に給与も低いところもあって、せっかく資格を持っているにもかかわらず、逆にやめる人たちも多いという現状だろうと思っております。そういう面において、この介護に対する雇用情勢が大変厳しいものだと思っております。
 そこで、県において、介護福祉士、ホームヘルパー等、人材確保に向けて今日まで取り組んできたことについてお伺いいたします。
 また、県内の福祉養成学校の定員割れもあると聞いております。ますます少子化が進む中で、今後に向けて、この福祉職それから介護福祉士、ホームヘルパーなど、介護従事者の人材の不足数はどれくらいと現時点で予想を立てられているのか、その点をお伺いいたします。
〇岡村長寿社会課総括課長 介護福祉士、ホームヘルパー等の介護人材の確保についてのお尋ねでございますが、介護福祉士につきましては、これまで県のほうで修学資金の貸し付けでございますとか、それから、資格を有効に活用できるように、県の社会福祉協議会が設置してございます福祉人材センター等を活用しながら、事業者と有資格者のマッチング等に丁寧な対応をしてきているところでございます。
 特に、介護福祉士につきましては、県内に養成機関、四つの専門学校がございまして、現在350人を超える方が就学しております。2年課程でございます。そのほか、県立大学につきましても、一定数の養成が行われているという状況でございます。ホームヘルパーにつきましては、県内の高校や大学、社会福祉協議会、職業訓練協会等が、県内の事業者の指定を受けまして研修を実施し養成しているところでございますが、現在、県内では40事業者が指定を受け、2級ホームヘルパーにつきましては、年間おおむね1、700人から2、000人程度養成されているという状況でございます。
 今後、高齢者数の増加に伴いまして、要介護高齢者の増加も想定されております。いわていきいきプランにおきましても、介護サービス量の増化を見込んでおりますサービス拠点等の整備とあわせ、福祉、介護人材の確保が極めて重要な課題と認識しているところでございます。
 また、こういった介護人材の不足の状況はどうかということでございますが、介護保険施設、事業所の職員の配置状況につきましては、これまで広域振興局等のほうで指定申請時の審査でありますとか、事業者指導におきまして調べました結果、実際にサービスを提供している事業所について人員が不足して業務が行われているということはないと認識しております。ただし、利用者に対しまして、サービスを向上させたいということで、基準を超えた職員配置を検討しても財政的な事情から実現できないでいるという、そういう事業者の声も伺っているところでございます。
 今後、県や市町村の補助事業によりまして、介護保険施設等の整備がございます。そういった場合の雇用の創出が臨時を含む常勤雇用で、おおむね平成21年度中には300人程度、平成22年度には250人程度、これは介護保険施設の常勤換算数ということでございますけれども、そういった新たな雇用創出が見込まれているということでございます。
〇工藤勝子委員 そうすると、今のところ、県とすれば介護職に関する人材の不足というのは、余り予想されていないということなんだろうかなと思って今話を聞きましたけれども、全国的に少子化も進んできておりますし、非常に危機感を持って取り組んでいければいいのかなと思っております。
 その中で、次の世代を担う福祉の仕事への理解とかイメージアップについて県はどう取り組んでいらっしゃるのか、そういう学生への働きかけ。さらにはもう少し年齢を下げて、福祉に対する理解に中学生からどう取り組んでいったらいいのかというところ。福祉人材センターと県とはどう連携をとっていくのかという点についてお伺いいたします。
〇岡村長寿社会課総括課長 福祉人材の確保、養成についての課題というお尋ねでございますが、私どもの課では、施設等での施設開放といったような高齢者の介護に触れていただく機会を含めながら、そういう仕事の大切さを、直接、子供さんたちにも感じてもらう機会をふやすと、そういったことにつきまして、福祉教育の中で関係学校でも取り組まれてきていると承知しております。
 また、人材確保につきましては大変重要でございますけれども、なかなか職場の状況や労働環境の待遇の問題等がございまして、資格を取っても就職に結びつかないで潜在化しているマンパワーがまだまだ県内にも多数あるんだと思います。そういった点につきましては、県では、11月11日の介護の日に各事業所が中心になりまして、施設での業務の状況につきまして地域に理解を求めるような、そういう働きかけ等も行われているところでございます。
 福祉人材センターの具体的な取り組みにつきましては、当課所管でございませんので御了承をお願いいたします。
〇福島副部長兼保健福祉企画室長 福祉人材センターは県の社会福祉協議会に設置されて、それぞれの福祉職場への人材のマッチングなどに大きな役割を果たしてまいりましたし、現在も果たしているところでございます。県としては、こうした社会情勢の中で、さらに介護人材の提供と申しますか、職場とのマッチングなどにこれまで以上に力を発揮していただくように、人材センターについても、必要な支援をしてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 次に、及川幸子委員も質問されましたけれども、自殺対策緊急強化事業の取り組みについて、別な観点から質問をさせていただきたいと思っております。
 毎年こういう事業、自殺対策をやっているわけですけれども、527人という自殺者が出ております。その中で、特にも年齢的に言うと40代から50代が多いと。男性が多いということが特徴的ではないかと思っております。健康と経済という御答弁もございました。
 そこで、前年度の予算も同じ、また、今年度も同じ予算になっているわけですけれども、効果的な相談体制を考える上で今年度も予算も同じ、事業も同じにするのでしょうか。もう少し効果的な取り組みをするということがないのか、お伺いいたします。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 委員お尋ねの自殺対策緊急強化事業の取り組みについてでございますけれども、自殺対策緊急強化事業につきましては、従来の自殺対策の事業に加えまして、委員御指摘のとおり、働き盛りの男性の自殺が多いというような緊急的な課題に対応するために、主に大まかに四つ、具体的には、関係行政機関や民間団体が行う電話相談等の相談支援事業、それから二つ目として、自殺を考えている人などに対しまして適切な対応、支援を行う人材を養成する人材養成事業、それから、一人一人が自殺予防のために行動─いわゆる気づき、つながり、見守り、そういったものができるようにするための普及啓発事業、そして、地域における自殺対策を緊急に強化するための強化モデル事業、この大まかな四つの事業を進めていくことが事業の内容となっております。
 この事業の推進に当たりましては、効果的な事業にするということでございますので、県におきましては、49の関係機関、団体からなり、知事が会長となっております県の自殺対策推進協議会がございます。この内部組織として、自殺原因を検討いたします学究委員会、それから効果的な事業、どんなことをやれば効果的なのかということの検討を行います事業委員会、この二つの内部組織を設けておりますので、ここでの専門家の先生方からの御意見を踏まえながら具体的な事業の検討を進めますし、また、実際の事業実施に当たりましては、先ほど申し上げました当該協議会の構成員、これは官も民もございますので、官民一体となった取り組みを通じまして、自殺対策が効果的に進むような取り組みを進めていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 いろいろと事業の取り組みがお話しされましたけれども、やはり一番身近である市町村にもう少し事業を下ろして支援をお願いするべきじゃないかと思っております。その中でも、それぞれの区長さん方、それから民生委員さん、そういうところまで対象の人を下ろしていかないと、なかなか自殺、うつになっているとか、閉じこもっているとか、また健康的に悩んでいるとかという把握ができないんじゃないかなと、私はそのように思っております。そういう面において、学識経験者たちの非常にレベルの高い話も、研究会もいいかもしれませんけれども、もうちょっと県民のほうに落としていくような形の事業を、今後もっと考えていただければ私はいいのではないかなと思っております。そういう面において、ぜひ各市町村関係者ともっと連携を密にして、そして各市町村からまたさらに小さな地域のほうに下ろしていただいて、ぜひ自殺の人数をできるだけ年々下げていくような方策をとっていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
 では、次に岩手型母子健康手帳作成事業について、これは新しい事業ですのでお伺いをいたします。
 妊婦及び育児に関する健康記録である母子健康手帳というものがございます。私のときももらいました。手帳をもらって、初めて子供を持つんだなという実感がわいてくるような気がいたします。
 そこで、岩手型、まさに岩手県の事情に合った手帳を作成するとありますが、内容についてお伺いをいたします。
〇佐々木児童家庭課総括課長 岩手型母子健康手帳についてでございますが、母子健康手帳は、内容は、国でこれは必ず盛り込みなさいよと定められている様式がございます。そのほかに、任意記載事項ということで、創意工夫をして盛り込んでいいですよという部分がございます。その任意記載項目を活用いたしまして、本県独自に取り組んでいる母子保健事業の内容を盛り込もうとするものでございます。
 具体的に盛り込む内容として想定しておりますのは、一つは、妊産婦メンタルヘルスケア推進事業で整備した産後うつに関する支援の流れでございます。
 これにつきましてちょっと御説明いたしますが、出産を知って、1週間以内に医療機関で産婦の心身の状態をチェックしていただいて、所見が見られる方については医療機関でも指導しますが、市町村に情報の提供が行きまして、市町村の保健師が家庭訪問等により、専門機関への受診とか生活指導を行うものでございます。
 現在、医療機関から市町村に情報提供されるのは、全体の10%から15%という割合になっています。ただ、全体としては検査率が70%ぐらいでございますので、これを何とか100%近くにしたいと考えているものでございます。
 そのほかに、周産期医療情報ネットワークシステムいーはとーぶへの登録、それから県医師会で実施しております胆道閉鎖症スクリーニング検査に係る判断カードの挿入でございます。
 済みません、一つしか持ってきておりませんでしたので、ちょっと小さいのですが御紹介させいただきますと、これは赤ちゃんのうんちの色を1段階から7段階まで示しておりまして、これで検査するものでございます。上の1、2、3と白くなっている部分がありますが、こういう赤ちゃんのうんちの色をしている場合には、精密検査を受けていただくというものでございます。胆汁の出ぐあいを検査するものでございまして、これが受診率82%となっておりますので、これを100%近くにしたいと思っております。
 そのほか、県内各地の相談機関の情報などを予定しております。
 今回の作成に当たりましては、小児科医、産婦人科医、助産師、市町村保健師等で構成する検討委員会を県医師会に委託して設置し、関係者の十分な議論をもとに盛り込む内容の充実に向けて取り組んでいきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 調査事項の中には、財団法人岩手県医師会に委託予定とありますけれども、これはもう決定されていることなんでしょうか。
〇佐々木児童家庭課総括課長 この委託先は、予算が決定してから進めたいと思っておりますが、事前にいろいろと相談をしてまいりましたのでそのように書いてありますが、実際の委託先はこれから決定することになります。
〇工藤勝子委員 創意工夫できる任意の記載事項があるというようなことがありました。例えば、母親からこういうことを母子健康手帳に入れてほしいというニーズを聞く機会等はあるんでしょうか。私、今の話を聞きまして、確かに大事なことなんだろうと思いますけれども、子供を産んで育てていくことに、その手帳を見ることによって何か希望が持てるというか、わくわくするというか、私はそういう手帳づくりなのかなと思って聞いたんです。ですけれども、非常に医学的な部分が多いということもありまして、ぜひそういう創意工夫する部分があるならば、もっと岩手らしい、子供を持って楽しみながら子育てができるような、そういうゆとりを持つというんですか、夢を持てるようなページがあっても私はいいんじゃないかなと思うんですけれども、御所見があればお伺いをいたします。
〇佐々木児童家庭課総括課長 先ほど申し上げましたとおり、市町村の保健師もこの検討会には加わっていただく予定にしておりますので、市町村を通じて、ぜひそういう意見をいただいて盛り込んでいきたいと考えております。
 また、参考までに申し上げますが、子育て応援大作戦ということで、先ほど携帯電話の情報発信を説明いたしましたが、それにつきましても、こっちから一方的に発信するのではなくて、皆さんが情報提供したいものを情報収集して、県のシステムをうまく利用していただいて発信していただくように工夫していきたいと思っております。
〇工藤勝子委員 最後になりました。通告いたしておりませんけれども、13日の未明、札幌市内のグループホームで火災が発生し、7人が犠牲となりました。県内においても、多くのグループホームがあるんだろうと思っております。まさに、住みなれた地域で暮らすということに非常に生きがいを持って、今、グループホームがそれぞれの介護の部分で御努力をしながら要介護者を支援していると思っております。この事故の教訓を県はどう受けとめて、今後、各グループホームへどういうことに取り組んでいかれようとしているのか、調査をしようとしているのか、もし今の時点でおわかりになりましたらお聞かせいただきたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 先般、札幌市のほうでグループホームの火災による死亡事故が起きております。大変遺憾な事故であったと考えております。
 県内のグループホームの設置の状況でございますが、3月1日現在で118施設ほどございます。昨年の4月から消防法の施行令が改正になりまして、275平方メートル以上のグループホームにつきましては、スプリンクラー等の設置が義務化されております。ただ、これにつきましては経過措置がございまして、平成24年3月末までに設置する、あるいは自動警報装置等の設置もあわせて義務化されておりますが、これも猶予期間が設けられております。
 このスプリンクラーの設置につきましては、国の地域介護福祉空間整備等交付金を活用して、全額、国庫の負担の中で、市町村からグループホームに補助して設置することができるように財源措置が講じられております。
 平成21年度におきましては、これまで29カ所がこの補助金を活用しましてスプリンクラーを設置しております。平成22年度事業としては、すべての数ではございませんが、現在、国のほうに市町村から協議を行っているのは18カ所分でございます。これらにつきましては、平成23年度中にはすべての対象となる事業者がスプリンクラーの設置できるように、県としても、関係事業者、団体、市町村を通じて働きかけを行っていきたいと考えております。
 また、こういった火災の取り扱いにつきまして、去る3月13日には、消防庁あるいは厚生労働省から、それぞれの都道府県の所管部局に事務連絡あるいは注意喚起、指導徹底の通知が行われております。
 保健福祉部からも13日付で、これは国から直接市町村に連絡が行っておりますが、あわせてグループホームにも指導を徹底するように、市町村に連絡をいたしております。
 また、14日付で厚生労働省から、防火安全体制等の点検についての通知が発出されてございます。私どものほうで、本日以降、各グループホーム事業者に対しまして、市町村を通じてこういった点検事務がなされるよう、現在、グループホームの指導監督は市町村が行ってございますので、こういった取り扱いが徹底されるように十分指導を行って、不十分な取り扱いの施設がないように、防火体制の充実あるいは日常の点検活動が行われ、夜間においても、安全な避難など火災被害を予防する体制の構築を指導してまいりたいと考えております。
〇中平均委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時56分 休 憩
午後1時2分 再開
〇久保孝喜副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。本日は、この後11人の質問者が予定されておりますので、質疑、答弁は簡潔明瞭に、進行に御協力をお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇亀卦川富夫委員 私は、地域医療圏の確立についてということでお伺いいたします。
 先ほど飯澤委員からもお話がありましたが、地域医療に関する懇談会につきましてまずお伺いしてまいりますが、最初、私も奥州保健医療圏に出席いたしました。当初それぞれが問題を、個人的にいろいろ思っていることがさまざま意見としては出るんですが、さて、これがどうなっていくんだろうと思っておりましたが、皆さんの努力でこれが課題を共有するところになり、提言につながったものだということで、提言のまとまりをちょうだいいたしました。私もこれは大変評価したいと思います。
 そこで問題は、これをどうこれから実行し、進めていくかに尽きるんだろうと思います。そこで、先ほども、保健所の運営協議会等がこれを進めるというようにお伺いしておりますが、この進め方、特に保健所が私は非常に大きな役割を持つんだろうと思います。懇談会の座長も保健所の所長がお務めになったということで、今後、コーディネーター役としての保健所の立場というのは大変大きいと思います。
 そういったことを含めて、今後への提言、本当にいろいろございます。これがそのとおり進めば大変いいことだと思いますので、この進め方についてお伺いいたします。
〇石田保健福祉企画室企画課長 まず、提言の具体化の進め方でございますが、提言のうち、各主体が速やかに実施できるものについてはみずから進んで実施していただきたいと考えているところでございます。
 市町村や関係団体につきましては組織力等がございますので行動力等があるかと思いますが、地域住民の方々に役割を果たしていただくためには、基本的には住民団体の結成と申しましょうか、集まってやっていただければと思っておるところでございますが、例えば市町村が住民に出前講座を勧誘するとか、自発的な活動を誘発するようなことを市町村、保健所等でやっていくことが大切と考えているところでございます。
 基本的には、例えば医療機関の適正受診につきましては住民みずからその行動をしていただきたいと考えているところでございますが、繰り返しになりますが、行政─市町村や県が周知活動を行い、また、病院の現場でもこういう場合はこういうふうにしなさいと適正な受診行動を誘発するような教育というか御指導をしていただければと考えているところでございまして、それが連携した対応になるのではないかと考えておるところでございます。
 連携につきましては、提言でもいろいろ掲げられているところでございますが、保健所は、地域保健法におきまして、保健医療に係る施策と社会福祉に係る施策の有機的な連携を推進する役割を担っていると考えられます。したがいまして、連携して取り組むべき内容につきましては、地域のコーディネーター役として一層取り組んでいく必要があると考えているところでございます。
 先ほど飯澤委員のお尋ねにお答えしたところでございますが、保健所運営協議会で今後の運営の方針を今、検討しているところでございますが、地域住民の代表者も入れていきたいと考えております。さらに、先ほど地域医療懇談会のようなものを部会として設けるとお答えしましたが、地域課題それぞれあろうかと思います。それを検討する場としてさらに違う部会を設けるなど、あるいは構成団体がそこの場をかりて意見交換を行うとか、仕組みづくりというか、そういう場に持っていきたいと考えておりまして、今、検討しているところでございます。
 いずれ地域医療を推進していくためには、やはり各主体の連携が必要だと考えておりますし、なお一層保健所の役割を強化していく必要があると考えているところでございます。
〇亀卦川富夫委員 私は、今の答弁は非常に大切な視点だろうと思うんです。医師不足ということで、ようやく地域医療というのが逆に目覚めてきたといいますか、皆さんが気づき始めた。言ってみればピンチをチャンスというような大きな一つの節目だろうと思うんです。それが本年度の懇談会に私は尽きるんだろうと思います。
 そこで、これを実施していくということは、今のようなとらえ方でぜひ進めていただきたいわけですが、特に、この資料をいただきますと、地域住民の役割で、ざっとまとめた主なものでも13項目、それから県、市町村の分では24項目、医療、介護、がん関係団体の役割は16項目、ざっとまとめただけでもこれだけあるわけで、こういったものの中に、それぞれ今度は保健医療圏ごとの特色といいますか特徴的なものも多くあると思うんです。こういったことを本当に住民の方々に全部理解させるというのは至難のわざだと思いますので、これを市町村との関係あるいは医療機関との関係、さらには医師会と市町村との関係とか、いろいろセクションとかものによって細かく出てくると思うんです。それをそのままにしておきますと単なるお話で終わってしまうので、それを本当に実行していくためには強力なコーディネーター役が必要だろうと思います。
 そこで私は保健所ということを申し上げたんですが、今のお話等もありまして、保健所運営協議会がいわば中心的な役割を果たしつつ、そこに部会的なものと言ったらいいんでしょうか、そういうものを設けていくようでありますが、そういうふうに受けとめてよろしいのかどうか。そして私は、いずれそれが大変大切だと思いますので、そこをもう一度お聞きして終わりたいと思います。
〇千葉保健福祉部長 今、企画課長から御答弁させていただきましたが、いずれことしの地域医療懇談会の成果、提言をできるだけ来年度の実現に向けていくための推進エンジンでやはり一つ重要なのは保健所だと思っております。
 ただ、非常に全県的な課題もございますので、当然、本庁のほうでもその辺は協働で対応しながら進めていきたいということでございまして、ぜひこの取り組みをできるだけスピードが出るように取り組んでいきたいと思っているところでございます。
〇高橋昌造委員 私からは2点についてお伺いいたしたいと思います。
 予算に関する説明書の108ページ、障がい者福祉に関連して、障害者自立支援法によるサービスの利用実態についてお伺いいたします。
 介護給付、そして訓練等給付の障がい福祉サービス、それから地域生活支援事業、まず、この計画目標値に対して利用実態がどうなっているのか。それから、サービスの利用実態が計画に対してもし乖離しているのであれば、その理由は何か。その乖離しているものの解消策を当局として考えてあるのであればお聞かせ願いたいということでございます。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 まず、介護給付費、訓練等給付費の利用実態について申し上げますと、平成20年度、県におきまして、市町村に対して金銭的な部分では32億円ほどの支援をしておりまして、延べ利用者数は合計1万1、287人となってございます。
 この主なサービスの利用実態でございますが、居宅介護とか訪問介護といういわゆる訪問系のサービス利用者につきましては延べ865人、それから施設系の利用につきましては7、838人、それから施設利用者の中で食費、光熱水費などの実費負担に対して補足給付を利用されている方が2、200人ほどとなってございます。
 それから、地域生活支援事業につきましては、同じく県の市町村に対する支援金額は1億6、000万円ほどとなっておりまして、主な事業の利用実態でございますが、移動支援事業、いわゆるヘルパーが移動を手伝うための事業につきましては実利用者が324人となってございますし、それから、紙おむつあるいはストーマあるいは点字器とか、そういういわゆる日常生活用具と言われているものの給付事業、これは毎月給付する日常生活用具もございますので件数が多くなってございますが2万1、052件、それから、日中一時支援事業を利用されている方が1、127人となってございます。
 平成20年度における主なサービスの目標に対する達成状況について申し上げますと、いわゆる介護を必要とする方々にサービスを提供する生活介護という部分がございまして、これは目標値が2万8、289人分のサービス目標に対して1万6、105人分、56.9%の目標達成率でございます。
 また、福祉的就労の場でございます就労継続支援のB型でございますが、これは目標が4万1、248人分に対して3万2、090人分と77.8%の達成率でございます。
 あとは介護を必要とする方が地域で暮らすための場としてケアホームというものがございます。共同生活介護と申しますが、これは592人分の目標に対しまして660人分の整備ということで、達成率は111.5%となってございます。
 達成率が目標に達していない事業もございますが、この主な理由につきましては、例えば生活介護56.9%でございます。これは、知的障がい者施設とか身体障がい者施設の中で、いわゆる旧法と言われているもともとの法律に基づく施設のままとどまっている施設がございまして、現行法に基づく施設に移行した施設がまだ4割程度にとどまっているということで、それが主な理由ではないかと考えているところでございます。
 なお、いわゆる旧法施設につきましては、平成23年度末までに新法─現行法に移行する必要がございますことから、県といたしましては、障害者自立支援対策臨時特例基金のようなものを活用して、障がい者自立支援基盤整備事業あるいは障がい者就労訓練施設等整備費補助事業などといったメニューを活用しながら、それらのまだ移行していない施設の移行促進を図ってまいりたいと考えてございます。
〇高橋昌造委員 いわゆる障がい福祉計画は市町村なり県において策定されておるわけですが、今の御答弁の中にもありましたが、もうちょっと突っ込んでお聞きしたいと思います。いずれこの地域生活への移行とか福祉的就労から一般就労が求められておるわけでございますが、この計画に対しての達成状況ですね。これはやはり今、非常に就労、雇用が大変な状況下にあるわけなので、その計画に対しての達成状況。そして達成状況が余り芳しくないのであれば、県として今後、こういうところに力点を置いて施策を講じていきたいというようなお考えがあればお示し願いたいと思います。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 先ほど主なものについてお話し申し上げましたが、それ以外の事業で申しますと、例えば共同生活援助、いわゆるグループホームの整備につきましては8割程度、それから一般就労につなげるための就労移行支援という事業がございますが、これの部分につきましては9割程度ということで、まだ目標に達していない部分がございます。これらの障がい福祉計画に基づく目標に達していない部分につきましては、先ほど申しました基金事業のほかに、地域、地域に、そこの地域の基盤整備あるいは社会資源の開発を検討します地域の自立支援協議会というような組織もございますので、これらの支援強化を図りながら、地域できちんと計画に基づいた社会資源が整備されるよう県としても取り組んでいきたいと考えております。
〇高橋昌造委員 この福祉施策と雇用施策は先ほど及川幸子委員からもお話があったんですが、いずれこれは連携して、相まって一体的に取り組んでいかなければならないわけですが、その中で、障害者就業・生活支援センターによる就業面での支援、それから生活面での支援について、それぞれの支援の実態がどうなっているのか。それから、この支援センターの設置効果なり、また設置上、課題があるとすればどういう課題があるのかお示し願いたいと思います。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 委員からお尋ねのありました障害者就業・生活支援センターでございます。このセンターにつきましては、県内では平成21年度末までで気仙障がい保健福祉圏域、それから釜石保健福祉圏域を除く各障がい保健福祉圏域に各1カ所、合計7カ所設置されてございます。
 この障害者就業・生活支援センターにつきましては、平成20年度においては、就業面といたしまして、就職活動ですとか職場での人間関係等に関する相談を1万4、244件ほど受け付けております。また、職場実習につきましては203件のあっせんをして障がい者の方々の一般就労に向けた取り組みを支援してきております。
 また、障がい者の方は一般就労しましても生活面での支援が欠かせないということで、生活面での支援として、例えば金銭管理ですとか公的サービスの利用等に関する相談につきましては平成20年度は6、566件の支援を行ってきているところでございます。
 こうした生活面、就業面での取り組みの結果といたしまして、平成20年度は174人の方がこの障害者就業・生活支援センターの支援を受けて一般就労したということになってございます。
 なお、この障害者就業・生活支援センターにつきましては、平成22年度は気仙圏域、それから平成23年度は釜石圏域に設置するということで、これですべての障がい保健福祉圏域に設置を終了する予定になってございます。
 このセンターの役割といたしましては、先ほどの御答弁の繰り返しになりますけれども、いずれ障がい者の方々が一般就労する上で、就業面での支援としてはやはり職場の人間関係あるいは就職活動の支援が必要ですし、あとは一たん就職した場合は、日常生活で金銭面だけでなくて洗濯とか炊事の支援とか、そういったことも必要となりますので、このセンターの機能強化が非常に重要となっております。
 そういうことで、平成22年度におきましては、このセンターの特に生活部分に力を入れるということで、生活支援担当職員を増員して支援に当たりたいと考えておりまして、こうしたことで取り組みの強化を図りたいと考えております。
〇高橋昌造委員 私はここのところを非常にお聞きしたいんですが、重症心身障がい児の訪問介護等の医療事業、いわゆる医療サービス事業とか通所、短期入所事業等のサービスの基盤整備等について、ライフステージに応じた在宅支援員の強化について当局がどのように考えておるか。重症心身障がい児の在宅支援、そこのところをひとつお聞きいたしたいと思います。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 重症心身障がい児のライフステージに応じた在宅支援の強化というお尋ねでございます。
 まず、県内における重症心身障がい児の実態でございます。県は、平成21年7月に実態調査を行いました結果、県内に557人の重症心身障がい児の方がおられると。内訳は、在宅が236人、それから施設が321人となってございます。
 重症心身障がい児等につきましては、委員御指摘のとおり医療系のサービスと福祉系のサービスが必要ということで、現行としては、医療部分では訪問看護、訪問リハビリ等のサービスが提供されておりますし、それから、福祉系でございますと重度訪問介護ですとか短期入所等の福祉サービスが実施されているところでございます。
 一方、重症心身障がい児を養育している保護者などからは、これらのサービスはまだ利用に制限があるといった御指摘とか、このサービスに加えて、障がい児等がライフステージに応じて地域で安心して生活できるためには、例えば重症心身障がい児の通園事業ですとか、あとは独立して暮らすためのケアホームですとか、それから日中のサービスとしての生活介護事業をもっともっと拡大、拡充してくれというような意見をいただいているところでございます。
 県といたしましては、重症心身障がい児等に対するこれらのサービスの拡大、拡充を図る必要を認識しておりますことから、市町村に対しましては、第2期障がい福祉計画に基づき、これらのケアホーム等の整備、あるいは重度訪問介護等をやっている市町村が基準を超えて支給している場合にはそこに対する財政支援を行うなど、着実な基盤整備に向けて、今後とも基金などを活用して支援していきたいと考えております。
 また、医療を必要とする重症心身障がい児に対する在宅サービスの拠点といたしまして、県立療育センターをどういうふうにしていくか、いわゆるその役割についても今後検討を進めていきたいと考えておりますし、障がい児とその御家族が必要な療育が受けられるように、各地域の先ほど申しました地域自立支援協議会の中に地域療育ネットワークのような組織をつくって、地域のネットワークで支援体制を確立する方向も考えていきたいというふうに検討してまいりたいと思います。
〇高橋昌造委員 次に、第2点目として、予算に関する説明書の117ページの母子福祉に関連して、母子家庭の自立支援への取り組みについてお伺いいたしたい。
 まず最初に、県内の母子世帯数、それから児童扶養手当の受給者数の推移、できれば過去3年間ぐらいの実績をまずお示し願いたいと思います。
〇佐々木児童家庭課総括課長 県内の母子世帯数についてでございますが、母子世帯の実態調査につきましては当課で5年ごとに実施しております。前回調査の平成15年度の時点では、母子世帯数は1万1、093世帯でございます。直近の平成20年度の調査では1万2、285世帯となっておりまして、この5年間で1、192世帯が増加している状況でございます。
 次に、児童扶養手当の受給者についてでございますが、平成18年度は1万485世帯、平成19年度は1万657世帯、平成20年度は1万771世帯となっておりまして、年々増加している状況でございます。
〇高橋昌造委員 今、総括課長のお答えの中に年々ふえておるということでございまして、そこで、この母子家庭等就業・自立支援センターは、母子家庭のお母さんたちに対する就業相談の実施、または就業支援の講習会の実施、そして就業情報の提供と、一貫した就業支援サービスの利用状態ですね、この計画目標値に対してどういう状態であるのか。
 私は余りこのサービスが利活用されておらないのではないかと危惧しておるんですが、その辺のところも含めて、そして、もし課題があるとすれば今後どのように対応してまいるのか、その辺のところをひとつお願いするとともに、特にもこの窓口、よく言われる母子家庭に対するワンストップサービス、そういうお考えもあるのかお示し願いたいと思います。
〇佐々木児童家庭課総括課長 まず、母子家庭等就業・自立支援センターの運営状況についてでございますが、岩手県母子寡婦福祉連合会に委託して実施しております。就業相談員1名を配置しておりますが、その利用実態については、就業情報の提供は随時行っておりますが、平成20年度の就業相談件数は824件でございまして、これは前年度と比較しますと253件と大幅に増加しているところでございます。
 そのほかに就業支援講習会、パソコン講習会、家庭養育ヘルパー養成講習会などを実施しておりますが、これらの講習会は、母子協会の会員の意見を聞いて、その年その年にテーマを設けて講習会を実施しているものでございます。
 また、この母子家庭等就業・自立支援センターと振興局の母子自立支援員が連携いたしまして窓口での相談を各振興局でも受けておりまして、それぞれお互いに連携しながら取り組んでいるところでございます。
〇高橋昌造委員 今、佐々木総括課長のお答えの中にもあったんですが、母子自立支援員の配置状況は私、非常に大事だと思うんですが、母子家庭のお母さんたちの自立に向けた総合的な支援を行っていかなければならないということで、その配置状況は県内どのような状況になっているものか。
 それから、相談内容としては、母子家庭のお母さんたちの就業なり、または生活費等の経済上の問題とかいろいろあると思うんですが、具体的にどういう相談が多いのか、また、それにどのように対応なされているのかお伺いいたしたいと思います。
〇佐々木児童家庭課総括課長 母子自立支援員の配置状況についてでございますが、現在、広域振興局等に県全体で24名配置しております。平成22年度からは新たに1名増員いたしまして、全振興局複数員の配置となるように整備していきたいと考えているものでございます。
 具体的な相談内容につきましては、住宅相談、医療、健康相談、就労相談、養育費相談などの生活一般相談が増加しておりまして、平成20年度は前年に比較して94件増加して2、048件となっております。中でも、昨今の傾向として、住宅と医療、健康相談が非常に多くなってきております。
 その他経済的な問題として母子福祉資金などの相談を受けておりますが、その内容は経済状況を反映して複雑多様化しているところでございまして、母子自立支援員の研修会、これは先日も打ち合わせしたばかりですが、毎年研修会等を行って、相談支援対応の充実を図っているところでございます。
〇高橋昌造委員 最後に、この福祉施策と雇用施策を連携して、特にも児童扶養手当の受給者を対象に就業に結びつけるために自立支援プログラムを策定することが求められているわけですが、母子自立支援プログラム策定員の配置状況はどのようになっているのか。そして、就労支援メニュー選定チームの設置状況がどのようになっているか。
 そして、もしおわかりなのであれば、こういう策定員とかチームがあること自体、皆さんに周知されているのか。周知されているのであれば、どういう形でなされているのか。そして、できれば利用実態をお示し願いたいと思います。
〇佐々木児童家庭課総括課長 母子自立支援プログラム策定員の配置状況でございますけれども、本県では母子自立支援プログラムの策定は、振興局の担当課長及び母子自立支援員等が担当して策定をしておりまして、平成20年度は33件の策定となっております。
 それから、お尋ねのありました就労支援メニュー選定チームの設置状況についてでございますが、これは国のハローワークのほうに設置しているもので、県のほうで設置しているものではございません。これは職業安定所のところに生活保護受給者就労支援事業担当者あるいは安定所担当ナビゲーター、それから福祉事務所担当コーディネーターあるいはケースワーカーや母子自立支援員を必要に応じて加えて、この方にはどういう就労がいいのか、その選定から就労支援のための方策等を皆さんで検討して進めているものでございます。私が国からお聞きしたところ、盛岡地区に1チーム設置している状況だと聞いております。
 利用実態につきまして平成20年度の状況をお伺いしますと、母子世帯が52世帯、生活保護世帯が42世帯、実際に就職をしたのが母子世帯の場合は29世帯、生活保護世帯は13世帯という実績になっております。
 ただ、本県におきましては、各振興局にこの選定チームがないところでもハローワークと連携して、それぞれ就業支援員が実効性のあるものになるように連携会議を開いて進めているところでございます。
 それから周知につきましては、今後、子育て応援情報発信ということで機能強化を図る予定にしており、その中でも取り組んでいきたいと思いますが、また、こういうプログラムの策定につきましては、先ほど委員からお話がありましたとおり児童扶養手当の受給者の中から選定するものですから、毎年8月に児童扶養手当の場合、現況報告を全世帯からいただいておりますので、その際にこういう支援がありますよという紹介も周知をしているところでございます。
〇熊谷泉委員 私のほうからは、124ページ、3目の予防費の新型インフルエンザ対策についてお伺いいたします。
 昨年、大変な勢いで流行しましたインフルエンザですが、日本は結局水際でとめることができなくて本県にも急速に感染が広がったわけでありますが、それらの反省を踏まえてことしの対策も立てられていると思います。まず一つは、新型ワクチンの確保が難しく、弱者から順次接種されて、結果的にはワクチンの実績としてどのくらいの方が接種されたのか。そして、もしその中で明らかに副作用というものが明確になったものがあればお知らせ願いたいと思います。
〇佐々木保健衛生課総括課長 新型インフルエンザワクチンの接種状況ですが、医療機関からの報告によりますと、1月末で実人員で18万5、665人の方が接種を受けております。この中には2回接種が必要な方もおられますので、延べ回数で申し上げますと21万1、671回という実績であります。
 副作用報告につきましては、県のほうに重要な副作用があるという報告は今のところいただいておりません。
〇熊谷泉委員 大変な接種回数だったと思うんですが、そのワクチンで予防した面もあるでしょうが、実際、今度は新型インフルエンザにかかった方もあるわけでして、その患者の数と、それで亡くなった方の数がわかればお知らせ願いたいと思います。
〇佐々木保健衛生課総括課長 県内での新型インフルエンザの患者数と死亡数についてですが、患者数につきましては、昨年7月の感染症法施行細則の一部改正によりまして、それまでの患者発生に関する全数把握がそれ以後は行われなくなりましたことから、現在は岩手県環境保健研究センターが行っております感染症発生動向調査により流行状況の把握をしております。これは県内64カ所の定点医療機関を受診したインフルエンザ様疾患の患者さんの数を1週間単位で把握しているものでありまして、2009年の第31週、7月27日からの週から2010年の第9週、3月1日から7日までの週─先々週まで、この定点医療機関を訪れた累積患者数が2万4、766人となっております。
 なお、全国の患者数につきましては、国立感染症研究所が感染症発生動向調査の結果をもとに累積の受診患者数を推計しておりまして、本年3月7日、第9週までの累積患者数は約2、063万人と推計しているところでございますけれども、都道府県ごとには算定しておらないために、本県の具体的な推計患者数というものは現時点では把握困難でございます。
 それから死亡者数についてでありますけれども、県内では1名の方というふうに報告が来ております。
〇熊谷泉委員 亡くなった方が1名ということで、この2万4、776人のインフルエンザ患者数で、これはすべて新型というわけではないんですね。
〇佐々木保健衛生課総括課長 インフルエンザ様疾患の患者ということでの報告ですので、すべて新型とは断定できませんけれども、この定点調査とは別にウイルスサーベイランスということで病原体のサーベイランス調査を行っておりまして、それによりますと、昨年、インフルエンザが流行して以降、本県では新型のみが検出されておりますので、ほとんどが新型だと推測されます。
〇熊谷泉委員 それらを踏まえて、昨年はワクチンが緊急につくられるということで、大変対応がおくれたというよりも混乱を招いたわけですが、流行は大体終わったと思うわけです。夏になればインフルエンザは少ないわけですが、来期の流行に向けて、一昨年あたりまでだとA型、B型とか従来のインフルエンザワクチンが接種されているわけですが、この実態からいくと、来期はもう新型インフルエンザのワクチンだけという方向なのでしょうか。その辺はどうなんでしょうか。
〇佐々木保健衛生課総括課長 インフルエンザの流行状況につきましては、本県ではウイルスサーベイランスの結果によるとほとんどが新型と見込まれると答弁申し上げましたけれども、全国的には香港型ですとかB型が若干検出されているところもございます。
 国のほうでは、来シーズンは新型のワクチンと季節型のワクチンを一本化して1回に接種できるようにする方向で検討していると聞いております。そうなりました場合、接種を受ける方については1回で済むということでございますので、インフルエンザ対策の重要な選択肢の一つとなりますことから、県としても接種を呼びかけてまいりたいと考えております。
〇熊谷泉委員 数のほうは十分最初から対応できるという予定なのか。ただ、一斉にワクチン接種ができないので、ある程度弱者から順次分けてやるとか、その辺と、あとはまとめて伺いますが、今回は病原性が低い豚由来ということだったんですが、非常に急に患者さんがふえて、盛岡の夜間診療所なんかは明け方まで大変に対応に追われたということでお医者さんたちもダウン寸前のところまでいったんですが、その辺の対応を、ことしの流行の反省を踏まえてどういうふうに対策を考えられているのかお伺いしたいと思います。
〇佐々木保健衛生課総括課長 まずはワクチン接種につきまして、来期のスケジュールといいますか進め方ということでございますけれども、このワクチン今回、流行当初において不足したというのは、国内でのワクチンの供給体制で製造メーカーが限られているといったところからのことと承知しております。現在、国のほうでワクチンの製造等も含めまして今後の供給体制について検討中と聞いておりますので、国の方針に従ってワクチンの接種を進めていくことになろうかと思います。
 それから、今般の流行を踏まえて、来期、仮に流行した場合の特に医療体制というお尋ねかと思います。
 これにつきましては、現在、原則としてすべての医療機関で対応ということにしております。そういった中で外来患者がふえてきたときには、それぞれの医療圏ごとの状況に応じまして、例えば夜間に対応していただく医療機関を持ち回りでふやすなり、それから休日の体制を強化するなり進めてきていただいたところであります。
 現時点で今後の新型インフルエンザにつきましては病原性がどう変異するかはわからないわけですけれども、病原性に変化がない場合は、基本的には今年度と同じような対応をしていただくことになろうかと考えております。
〇熊谷泉委員 先に聞けばよかったんですが、この新型インフルエンザのワクチンは1回の接種でどのくらいの免疫の期間があるのか。
 もう一つは、逆に今回、感染して治癒した方はもう来年はワクチンを打たなくても発病しないのか、その辺を伺いたいと思います。
〇佐々木保健衛生課総括課長 ワクチンの免疫効果期間ということでありますが、季節性インフルエンザワクチンの場合につきましては、これまでの研究から、予防効果が期待できるのは接種した2週間後からおおむね5カ月程度と考えられておりまして、国内産の新型インフルエンザワクチンについても同程度と考えられます。
 それから、一度罹患した方の免疫ということでございますけれども、これにつきましては病原性の変化等にもかかわってまいりますので、一概に1度かかったからもうかからないとは断言できないと思われています。
〇熊谷泉委員 このことに関してはこれで終わりますが、それでは、結局ことし新型のインフルエンザワクチンの接種を受けた方もまた来期は受けなければならないということですね。6カ月ぐらいしかもたないということで、結局は感染した方以外であれば大体同じ数の接種者がふえるということでよろしいですよね。
 続けて言います。
 こういうことで新年度でのインフルエンザに対する医療機関の整備について予算がとられていますが、昨年も追加でいろいろなされてきたと思いますが、大体新年度の予算で、今までの流行に対しては大体ある程度の万全の備え、入院に対して施設の面では大体完備されたととらえていいんでしょうか。
〇佐々木保健衛生課総括課長 新型インフルエンザの医療提供体制に係る医療機関の設備整備ということでございます。
 平成21年度の補正予算におきましても1億円ほど予算計上させていただきまして、必要な医療機関や希望する医療機関に対して国庫補助制度を活用した補助というものを行ってございます。
 ただ、それですべて完了かということになりますと、今後第2波が来るのかどうかわかりませんけれども、やはり地域における外来診療体制の拡充あるいは入院に対応できる医療機関の整備というのは必要でございますので、今回、平成22年度当初予算におきましても医療機関の設備整備費補助金を計上させていただいたところであります。
〇熊谷泉委員 これに対して最後、従来、恐れられたのは高病原性鳥インフルエンザだったわけですが、今回、一連の豚由来の流行と傾向ということで、ある程度それについての一つの予備というんですか、一つの経験があったわけですが、新型に対しての今回の対策が、ある程度シミュレーションとしてはとられたような気がしますが、それについての所感を伺いたいと思います。
〇佐々木保健衛生課総括課長 委員御指摘のとおり、従来は新型インフルエンザにつきましては鳥由来の高病原性インフルエンザについて懸念されておりました。今回、豚由来の新型インフルエンザで、病原性もそれほど高くないということで、この流行の中で、例えば感染予防のためにうがい、手洗いが重要だとか、そういったことが県民の皆様にある程度従前よりは周知されたといった意味では非常に県民に対する啓発効果というのはあったかと思います。
 一方で、今後、病原性の高い新型インフルエンザの流行が懸念されているところでございまして、それに向けましては、医療提供体制の整備について、今回の体制をベースにして、さらにどういった拡充策なり修正点があるのかといったところを検討した上で備えていきたいと考えております。
〇熊谷泉委員 それでは、ドクターヘリについて2点ほどお伺いいたします。
 今回、県立病院にヘリポート整備ということでいろいろ準備が進められているわけですが、基本的にこれは県立病院、盛岡の中央病院につくるということの構想なのでしょうか。あるいは中核病院にそれぞれヘリポートをつくるのか、ちょっとその辺が今この中ではわからないんですが、もう一つは、今、矢巾町に岩手医科大学が移転されていまして、将来、岩手医大の病院もそちらに移るという構想なんですが、長い目で見て、私は岩手医大の病院が矢巾町に移ったときは、そちらの高次救急センターのほうにヘリポートも備えたほうがある意味一番効率的かなと。その長期的な展望についてお知らせ願いたいと思います。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 まず、1点目の中核病院におけるヘリポートの整備についてでございます。
 今後、ドクターヘリを配備、整備していく中におきまして、このヘリの搬送について三つの視点があろうかと考えてございます。
 一つが、基本的な搬送形態でございます救急現場から救急救命センターへの搬送。二つ目が、二次救急病院から救命救急センターへ、いわゆるより高度な医療を必要とする傷病者を搬送するケース。三つ目が、救命救急センターでの処置を必要としないケースにおきまして救急現場の近くの二次医療機関に搬送する、こういったケースが考えられるのではないかと考えております。
 これらを勘案した場合、常設のヘリポートが必要となる中核病院としては救命救急センター、盛岡と久慈と大船渡でございます。ほか、周産期医療、急性心筋梗塞、脳卒中等の急性期の疾病に対応できる二次救急医療機関や災害拠点病院などが考えられるところでございます。
 来年度に関しましては、これらの病院を中心に調査をさせていただきまして、ヘリポートの設置の病院数について検討を進めていきたいと考えてございます。
 二つ目のお尋ねの岩手医大の移転に関連いたしましたドクターヘリの将来の構想ということでございました。
 さきの本会議の一般質問において、ドクターヘリを常駐いたします発進基地の候補地につきましては、当部部長より、本年度実施いたしましたコンサルタントへの委託調査結果に基づきまして、矢巾町の岩手医科大学矢巾キャンパス内と盛岡市内の岩手医大グラウンド内の二つが挙がっている旨、御答弁申し上げたところでございます。本年度設置いたしました有識者会議におきましては、岩手医大矢巾キャンパス内を適当とする意見が有力であったと受けとめているところでございます。
 発進基地の整備先につきましては、当該会議の意見を踏まえるとともに、同大学の総合移転整備計画も念頭に置きながら、今後、岩手医大とも十分に協議、調整を図ってまいりたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 今のドクターヘリに関連して一つお伺いします。
 今、常設といいますか、設置をしておく場所の議論がされておりますけれども、迎え入れる側、県北・沿岸でありますとか、そういうところはこれから研究ということになるんだと思うんですが、ヘリポート設置につきましては、各自治体のほうで何らかの協力をしろとか一緒にやっていこうとか、そういうことになるんでしょうか。
 例えば、宮古病院あるいは山田病院、釜石病院に迎えに来てもらった場合、一番近いところは病院の屋上だと思うんですが、病院の屋上は構造的にどうなのか。それから、重篤な患者が入っているところに物すごい騒音のヘリがおりてきてどうなのかということになった場合、病院に近い、例えば当該市町村が持っている場所を提供しろとか、そういった用意も必要なのであればそういう部分もあらかじめ考えておく必要があると思うんです。そういったことについてはどんなことでしょうか。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 ドクターヘリがそれぞれ現場に行く場合、さまざまないわゆるランデブーヘリポートの整備といったものもあわせて検討する必要があるのは委員御指摘のとおりでございます。
 その中にありまして病院に設置するといった場合は、ある程度回数がある、またその病院にも傷病者を運び込める、そういったニーズも踏まえる必要があると思ってございます。そのほか、さまざまな病院がございますけれども、それに関しましては、想定される出動形態でありますとか、どのくらい患者さんが実際に搬送が想定されるのか、そういった点も踏まえまして、病院内がいいのか、もしくは近隣のある程度広いドクターヘリがおりられる土地、そういったものを活用できないのかという検討を来年度かけまして進めてまいりたいと考えてございます。
 また、各地でヘリがおりますヘリポートにつきましても、現時点でも県の防災ヘリがいろいろな場面でおりているところでございます。例えば学校の校庭でありますとか河川敷といった場所でございます。こういったような現在活用されておりますヘリコプターがおりる場所も当然いわゆるランデブーヘリポートとして活用されると想定しているところでございますので、こういった点もあわせて来年度、検討を進めてまいりたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 ひめかみと同じようなヘリだとしますと、有視界飛行、つまり計器飛行ができないということであれば夜間は飛べないと。昼間の間だけ、こういうことでよろしいんですか、確認です。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 ドクターヘリに関しましては、現時点の夜間搬送の対応についてはまだ全国的にもなされていない、今後の検討課題となっているところでございます。
〇工藤勝博委員 私のほうは、周産期の医療対策について1点お伺いいたします。
 この事業内容を見ますと、妊娠から出産、新生児に至るまでの高度な専門的な医療を提供するということであります。総合的な周産期医療体制ということで、事業の内容を具体的に教えていただきたいと思います。
〇佐々木児童家庭課総括課長 まず、周産期医療対策費の内容についてでございますが、これは、総合周産期母子医療センターと地域周産期母子医療センターの運営費に対する補助でございます。これまで総合周産期母子医療センターに対しては、医師等の人件費、機器整備費などを補助対象とする母体・胎児集中治療管理室の運営費補助を行ってきましたが、来年度から新たに新生児集中治療管理室などにも同様の内容で運営費補助を行うものでございます。
 また、地域周産期母子医療センターにつきましてはこれまで補助対象外とされておりましたが、新生児集中治療管理室を有する地域周産期母子医療センターについては運営費の補助対象とするなどの拡大を図ったところでございます。
 これにより、総合周産期母子医療センター及び地域周産期母子医療センターにおけるハイリスク妊婦や新生児に対する高度医療化を図り、地域周産期医療の充実を図りたい、このように考えているものでございます。
〇工藤勝博委員 今の事業内容をお聞きしますと、施設とか従来あった医院なりへの支援を強化すると理解しましたけれども、それ以外に、特にも産み育てるという環境の中で、お母さん方の立場から真剣に考えていかなければならない時期に入ってきていると思います。そういう中で、安心して産み育てる環境、ネットワークづくりにつきましてはどのようなお考えを持っているのかお聞きいたします。
〇佐々木児童家庭課総括課長 周産期医療のネットワークづくりにつきましては、平成20年度にインターネットを介して妊婦健診や診療情報を医療機関とか市町村が共有する周産期医療情報ネットワークを構築いたしました。これにより医療と保健分野が連携し、在宅妊産婦等への指導を充実していきたいと考えているものでございます。
 また、例えば遠野市で実施されておりますが、助産院で遠隔妊婦検診を行っております。産科医師不足地域のモデルとなると高く評価をいただいておりますが、同じように産科医師不足の地域におきましては、こういう助産師による遠隔妊婦健診ができるような体制を普及啓発して、妊婦の通院負担軽減とか、あるいは保健指導の充実を図っていきたいと思っております。
 遠野市では現在、遠野市で出産をする方の約40%が助産院を利用しているという実態がありますので、必要な地域には普及していきたい、そのように考えております。
〇工藤勝博委員 今の助産院なり、あるいはまた助産師の活動も支援しますということですけれども、実際、活動をなさっている方々、去年、特別委員会で、花巻地区でのグループでしたけれども、お産を手助けするグループの皆さんが県庁に来て相談しても、自分たちの活動の思いがなかなか伝わらないという意見もいただきました。そういう中で産科医師が産科医院が減っていく中で、助産師の力もこれからぜひとも大事にしながら、地域で安心して産み育てられる仕組みをつくるべきだろうと思います。
 そういう中で、岩手県内には相当な数の助産師がいると思いますけれども、そういうネットワークというのはお考えになってはいないんでしょうか、お聞きします。
〇佐々木児童家庭課総括課長 周産期医療における助産師の役割は重要と思っておりまして、平成20年度から助産師会と毎年協議を重ねておりまして、皆さんが取り組みたいと思っていることや実際やっていることを整理していただいて、医療機関や市町村に情報提供をしているところでございます。
 また、来年度、県立大学の看護学部と助産師外来を行っている県立病院に御協力いただきまして、遠隔妊婦健診やローリスク出産の助産ができる、あるいは相談ができる、その可能性のある助産師の養成をしていきたいと思っております。
 助産師会とのネットワークにつきましては、既に助産師会と定期的に意見交換をしておりますので、引き続きお互い情報交換をして必要な支援をしていきたい、そのように考えております。
〇福島副部長兼保健福祉企画室長 助産師の皆さんのお力をいただくという取り組みは、まだ本格的には平成17年度の検討、平成18年度からのスタートということでまだ日も浅いわけでございますけれども、いずれその重要性は当部としても強く認識いたしておりますので、この支援については検討してまいりたいと思っておりますが、問題は、特に地域で助産活動をするに当たって、その助産師さん方は地域の産科のお医者さんの協力をいただかなければならないという法制度上の規制もございます。そんなこともございましてなかなか思うように進まないといった側面もございますので、その辺の制度的な問題については国のほうともまた少し弾力化なども相談いたしながら、県としても十分に検討してまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 その助産師のことにつきましてはぜひとも積極的な形で進めていただきたいと思います。
 もう一点、妊婦健診は14回無料ということでありますけれども、実際、出産してからの健診も大事だろうと言われております。1カ月健診とか2カ月、3カ月とあると思うんですけれども、なかなか産後の健診をしない方もふえてきているということであります。それで、産後に使える無料の診察制度がぜひとも必要ではないかと思っておりますし、妊娠中は出産だけであれば、ただ産めばもうそれで終わりということでは後のフォローがないということで、子育てを考えた場合は出産が初めてのスタートだということを言われております。今、これだけ親の子に対する虐待が多いというのも、生まれたときから子供にしっかり接するといいますか、生まれたらすぐ保育器に入れるということになりますと愛情関係もどうしても薄れるということで、そういうことも含めて助産師のしっかりとした、母乳を飲ませてやると、生まれて母親になったというスイッチをきちっと入れた状態で子育てをさせなければならないということが言われております。
 そういうことも含めて、出産環境も大事ですけれども、その後の十分な支援というのも、先ほどお話ししました助産師の力が必要だろうと思いますけれども、前段の出産後の健診に対しての支援というのはいかがお考えでしょうか。
〇佐々木児童家庭課総括課長 妊産婦の健診につきましては、国から基金を受けまして、今年度から全市町村で14回、すべて公費負担を行っておりますが、出産後の健診につきましてはまだ制度化をされておりませんので、今後、関係者と意見交換をいたしまして、必要があれば国に要望していきたいと思っております。
 また、一つだけ御紹介をさせていただきますと、盛岡市で助産師会が月2回ですか、土曜日だけ相談事業をやっておりまして、出産後の方、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんも相談に来て大変好評をいただいているということで、そういった相談支援事業というのが非常に重要かなと思っておりまして、今後、それについてもぜひ私どもも検討していきたいと思っております。
 ぜひ、助産師に頑張っていただくように支援してまいりたいと思っております。
〇工藤勝博委員 実は私の娘が、ついこの間里帰り出産をいたしました。きのうまで、じじをやって子育てをしましたけれども、産み育てやすい環境、岩手に帰ってくれば安心だよという地域づくり、県づくり、環境づくりがぜひとも必要だと思います。その意味で、参考として、宮城県でも、相談をしたり開業している助産師の方がいるんです。例えば私の娘の場合は仙台に今帰りましたけれども、仙台に行ったらこういう助産院がありますよというネットワーク、県内だけではなく県外の人にも一種のネットワークができれば、全国どこに行っても岩手に帰ってきて産んでよかったなという思いが通じると思うので、ぜひともメンタルな部分、精神的に安心して岩手に帰れるという地域づくりをしてもらいたいと思います。
〇喜多正敏委員 私からは、及川幸子委員、工藤勝子委員からもお話がありました125ページの自殺対策についてお伺いします。
 本県の自殺者は、厚生労働省調査によれば、最近5年間で481人から454人と減少傾向にありますが、岩手県警察自殺統計では509人から513人ということで、全国的には高い水準になっているわけであります。そうした中で、自殺対策緊急強化事業の具体的な内容についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず、対面型、電話相談支援事業の充実ということでありますが、何をどのように充実をするのか。
 それから、電話相談支援事業の充実ということで、私も先般、盛岡いのちの電話の総会の懇談会に出席をしたわけで、なかなか予算もないところを一生懸命頑張っているボランティアの方々でありますけれども、その充実とは、何をどのように充実をするのか。
 それから、次に人材養成事業が計画をされているということでありますが、対象者はどのような人で、何人をどう養成をしていくのか。また、養成された後の活用はどうなるのか。
 それから、強化モデル事業ということで地域の強化をするということですが、これはどこかの地域をモデルとして強化事業をして、それを全県下に敷衍をしていくのか。あるいは、そうではなくて、地域一般にこういうことをやったほうがいいというようなことをつくって広げていくのか、具体的にはどのようなことなのか、お伺いしたいと思います。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 自殺対策緊急強化事業のうち、対面型、電話相談支援事業の内容についてでございます。
 これは、相談体制の充実強化を目的として、民間事業者とか市町村に対して、事業に要する経費を補助するという中身でございますが、平成21年度は、委員御指摘のいのちの電話あるいは岩手自殺防止センター、市町村ですと滝沢村ですとか洋野町、こういったところに対して、例えば電話相談室のハード面での整備に要する経費や専用電話の設置ですとか、それから電話相談に従事する方への研修会の開催、これらを支援してきているところでございます。
 今後におきましても、こういう民間事業者あるいは市町村が、これまで以上に電話相談あるいは対面型相談をやっていただくことが自殺防止の強化につながると認識をしておりますので、平成22年度は、その実施事業者の拡大などにも努めてまいりたいと考えております。
 それから、人材養成事業についてでございますが、これは自殺を考えている人、自殺の危険性の高い人、あるいは自死遺族等に対して適切な対応、支援を行うということで、市町村や民間事業者が行う研修会等を通じて人材養成をするということでございまして、平成21年度におきましては、各市町村で行われました傾聴ボランティアの養成講座や介護従事者などの研修の場において、この養成について助成をしてきたところでございます。
 なお、傾聴ボランティアにつきましては、久慈地域で初めてこういうものが注目されましたが、それが各市町村での取り組みにも広がりまして、平成20年度までに554人の方が傾聴ボランティアとして養成されたところでございます。
 なお、平成21年度に県が助成した人材養成事業の実績数については、今後、数字について取りまとめることとしております。
 また、養成いたしました方々につきましては、各地域で行われる例えばうつ予防教室でのお手伝いですとか、まさにふさぎ込んでいる方々への傾聴活動ですとか、そのような場面で活躍をいただくことを想定しております。
 それから、強化モデル事業ということでございますが、強化モデル事業は、地域地域における自殺対策を緊急に強化するということを目的として行っているものでございまして、具体的には、特定の地域を絞るというよりは、その地域で不足しているもの、あるいは強めなければらないものに着目して事業を行うということでございまして、例えば自死遺族に対する相談支援活動、それから県北地域など自殺多発地域におけるきめ細かなうつ予防教室の開催、こういったものを行う場合に助成をするといったような内容となってございます。
〇喜多正敏委員 次に、自殺未遂者対策推進事業についてお伺いします。
 まず、未遂者は何人、県下ではいるのか。それから、事業の具体的な内容についてはどうなっているか、お伺いしたいと思います。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 自殺未遂者の状況でございます。これは公式な統計数字はございませんで、県のほうで精神保健福祉センターが平成20年9月に実態調査をやりまして、その報告がございます。それによりますと、平成19年度の数字でございますが、自殺未遂者総数は597人となってございます。
 なお、性別で申しますと女性が7割以上となっておりますし、年齢では、20代が最も多くなっているといったような実態にございます。
 それから、自殺未遂者対策推進事業の内容でございます。これは自殺未遂者の自殺企図の原因となっております例えば経済的な問題、あるいは健康的な問題、これらの解決に向けた支援を行うということでございまして、緊急雇用創出事業臨時特例交付金を活用しまして、支援コーディネーターを救急医療施設に配置し、必要な支援を行うといったようなことを内容としてございます。
〇喜多正敏委員 もう少し中身を、例えばどういう人を雇用して、どうするのか。趣旨とか理念的な話ではなく、具体的にどうするのかお伺いしたいと思います。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 コーディネーターにつきましては、具体的に自殺未遂者が救急搬送され、身体的、精神的な急性期治療が行われるような救急医療施設、県内ですと、例えば岩手医科大学附属病院などが想定されるわけですが、そういうところにコーディネーターを配置いたしまして、まず、自殺された直後の方々には、心理的ケアのサポートなどを行う臨床心理士のような資格を持った方を配置して対応する。それから、そこで一段落した方につきましては、これまでの自殺に至った諸原因、例えば経済問題ですとか健康問題、それらについてお医者さんと連携しながら解決に向けた支援を行うということで、これはソーシャルワーカーとしての精神保健福祉士などを想定してございます。
 それから、退院していざ地域に帰るとなりますと、今度は地域において地域ケア、いわゆる地域での支援が必要になってくるということから、この部分につきましては、例えば保健師のような資格を持ったコーディネーターを配置して、病院から地域に円滑に移行できるような支援を行いたいと考えてございます。
〇喜多正敏委員 一つ一つ聞かなければならないので大変時間がかかるのでありますが、コーディネーターという方は30人ぐらい予定しているのか、1人か2人なものか。事業というのは目的もあるけれども、規模も大事なわけであります。ちゃんとその辺を一通り説明をしてもらいたいと思うわけです。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 失礼しました。コーディネーターにつきましては、当面、先ほど申し上げました救急医療施設に3名配置して、それぞれ役割分担をしながら、自殺未遂者に対する支援を行っていきたいと考えております。
 精神保健福祉センターが行った調査で597人の方が自殺未遂をされているということでございますので、この3名の方で、597人のうちの200名なり300名程度の救急搬送される方について、当面対応していきたいと考えてございます。
〇喜多正敏委員 そうしますと、救急病院に搬送されますよね。県下にその救急病院がかなりあるわけでありますけれども、そこを巡回して歩くというか、そこに行ってやると。一つの救急病院に常駐してそこだけやるということではなくて、この事業の効果は全県下に及ぼされるということで考えてよろしいのかお伺いします。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 当面、1カ所の救急施設に配置して、そこに運ばれた未遂者の方に対応ということで想定しておりまして、そこでの活動状況を検証しながら、今後、ほかの救急病院への配置についても検討していきたいと考えております。
〇喜多正敏委員 素朴な疑問でありますけれども、自殺者は未遂の方が約五百何人いると。1カ所で発生すれば1カ所でいいわけでありますけれども、全県下で発生するわけですよね。そうすると、配置された方は専らコーディネーターなりそういう役割をするわけですけれども、勤務時間がもし仮に1日だとすれば余るのかなと。そうすると、200人というお話がありましたけれども、もう少し実際に相談に乗ったりするには、常駐するのではなくて、要望があれば出かけていくというような体制をとる必要があるのではないかと思うわけでありますけれども、その勤務時間との兼ね合いでその辺はどうなっているでしょうか。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 実際、配置を想定しております医療機関に救急搬送された自殺未遂者の方が来た場合に、退院するまでの間に、どの程度の支援をどれくらいの時間でというのが現時点では想定の段階ということでございまして、仮に、3人のコーディネーターで運ばれてきた方々の対応ができた上にまだ余力があるというような実態が出てきますれば、委員御指摘のように、ほかの救急医療施設への応援というのも今後は検討が可能かと思います。ただ、まだ実際に動いていないこともございますので、とりあえず稼働した実態を踏まえながらということで考えております。
〇喜多正敏委員 かなりの多額の予算を計上しているわけですから、しかも、ある意味で相談はやってみないとわからないということもあるわけでありますけれども、未遂は発生している事実もあるわけですから、やっぱり制度設計をちゃんと考えて組まれて、4月から用意ドンで始まるわけです、これから採用とかいろいろあるわけですけれども。そういうようなことで、少し想定した上でこの事業を実施していく必要があるのではないか。やってみなければわからないということはわかるわけでありますけれども、ある程度想定ができると思うんですよね。少し計画的にやってはどうかと思います
 それから、経済とかいろんな問題で自殺未遂になるということでありますけれども、そうしたときに、実際に社会に出ていくあるいは心のケアをするという場合に、医療的な、心理的な、専門的な知識を持った方ももちろん大事でありますけれども、自殺の原因になるものを解決しないことには悩みが解決しないということでありますので、そうした際には、医学や心理的な知識のほかに、具体的な、世俗的な悩みを解決できるようないろいろな手だてとかノウハウとか、そういうことについての準備ができていないと支援ができないのではないか。そうしたあたりの、言うなればデータベースとか相談マニュアルとかの整備が必要ではないか。また、そういうことについての知識を伝承するとか与えるということ。あるいは非常に悩み苦しんでいる方は、そういったようなことに触れることによって、あそこに相談に行けばいいのかなということもあるわけで、整理されたデータベースなり資料なりで相談先がわかればそこに行くということにもなるわけで、そうした情報についても公開するとか、県民が触れられるような手だても一方では必要ではないかということだと思うんですが、その辺はどうなっているでしょうか。
〇福島副部長兼保健福祉企画室長 少し説明不足の点がございまして補足をさせていただきます。
 当面、想定しております医療機関が高度救急を担っている岩手医科大学と、ここは実は精神神経科がございまして、精神科救急という機能も担っておりますことから、初動の段階ではここの医療機関にコーディネーターを置いて、いわばモデル的にやってみたいと思っているものでございますが、委員御指摘のとおり、これは盛岡1カ所で体制を整備すれば済むという問題でございませんで、しかも搬送したりする時間がかかりますことから、できれば県内何カ所かでそういったコーディネーターを配置することが望ましい、おっしゃるとおりでございます。これについては当初の動かし方を見ながら検証して、そして、その対応について考えていきたいと思っております。
 それから、そうした事業の展開を図りながら、県民の皆様に対する情報提供、これも大事でございますので、この点も含めて対応を検討をさせていただきたいと思っております。
〇喜多正敏委員 専ら悩みを解決するためには、悩みに突っ込んでいくということが必要だと思うんですよね。そうでないと、悩みはいつまでたっても解決ができなくて悶々とするわけであります。
 そこで、先ほどお話のありました商工労働観光部との連携ということも及川幸子委員はお話をされましたが、一方、多重債務ということになれば消費生活相談員というのがあって、消費生活相談員を、身分ともにあるいは知識ともに拡充をしていくべきだという弁護士の団体からの要望があるわけでありますが、そういう中で、消費生活センターに、自殺対策について今回こういう手当てがなされますという、こちらからの連携と、また、相談を受けた消費生活センターも、どうもこの人は危ないという連絡と。
 私は、中小企業の経営の倒産のところに立ち会ったことが何度かあるんですけれども、経営者というのは、そういうときになれば尋常じゃないわけです。こっちのほうを見ているけれども、目はくるくる動いて、精神的に安定を欠いていて、どうなるかわからないという状況にあるわけであります。そうしたときに、そういう連携も必要ではないかということで、その連携がどうなっているか。
 今回この事業をやることによって、そちらのほうとの体制づくりも必要ではないかと思うのでありますが、専ら病院の中にいる専門家と専属の方は案外接点がないのではないかと思うのでありますけれども、そういう仕掛けづくりはどうなっているのでしょうか、お伺いします。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 委員御指摘のとおり、多重債務問題あるいは職域の話ですと離職者とか、最近はそういった動きの中で自殺に結びつく例もございまして、県におきましては、県の消費生活センターが消費生活相談をやることで今県内を歩いておりますが、地域によって保健所の保健師も一緒にその場に同席して話を聞き、必要に応じて精神的なケアの部分でアドバイスをするとか、そういったような取り組みや情報交換をしながら行っておりますし、あとは職域部分でございますと、国が主体になっておりますけれども、ハローワークでワンストップサービス等の事業展開が本格化しておりますので、そこにも各地域の保健所保健師がお邪魔をし同席して、いろいろな心の部分の相談をする体制を少しずつ構築しているところでございます。
〇喜多正敏委員 それから、その中には、今回未遂者対策についていろいろな取り組みをして、それを施策に反映をしていくというようなことをお考えのようでありますけれども、具体的に3人が今回配置されるということでありますが、そうした意見を取り込む、吸い上げるような仕組みについてはどう考えておられますか。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 いずれ、事業を実施した場合は定期的に事業者と県の間で意見交換をしながら、今どういう状況でどういう相談が来ているのかとか、そういったようなことについては定期的な意見交換の中で県として吸い上げ、必要に応じて事業の軌道修正とかも考えていきたいと思っております。
〇喜多正敏委員 すべてのことは現場にあるので、そうした声をよく聞いて、しかも自殺未遂者は女性が7割だと。ところが、実際に自殺をしている人は男性のほうが多いということで、二つ足すと1、000人ぐらいが自殺予備軍と自殺した人ということで、大変大きな数になると思うのでありますので、ぜひコーディネーターの数をふやすとか、あるいはコーディネーターが得た知識や経験をあまねく広げるように仕組みを充実していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それから、通告をしていなかったので大変恐縮なのでありますけれども、先ほどのドクターへリのことで検討を進めているわけでありますが、素朴な質問でありますけれども、ドクターヘリの現在のところの利用見込みというか、搬送する患者さんの数、稼働時間は大体どの辺を想定されているのか、現在のところで結構ですが、お示しをいただきたいと思います。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 実際の稼働状況につきましては、その運航システムや想定される症例数等を来年度にかけまして詰めてまいりたいと考えてございますが、今年度実施をさせていただきました有識者会議で、一応私ども事務局のあらあらの資料でございますけれども、現時点で県内三つの救命救急センターがございます。その中で、救急車で30分以上かかる地域から搬送されている患者さん、それもドクターヘリの運航が想定されております日中といいますか、8時半からおおむね5時程度、その間に搬送されている患者さんを足しますと250例程度でございます。
 また、先行している他県の例を見てまいりますと、おおむね200例から400例程度、ほぼ1日1回程度、出動されているといった運航状況でございます。
〇喜多正敏委員 これで終わりますけれども、先ほど安心して産み育てるという質疑が交わされてまいりました。工藤勝子委員から岩手型母子健康手帳のお話がありました。
 どうも男というのは、子供が産まれるということになれば、母親任せで何をしていいかわからない。立ち会う人もいるわけでありますけれども。ところが、母親というのは意外に孤独で心配で、親父は仕事だということで大変なわけでありますので、ぜひ岩手型母子健康手帳とともに、岩手型父子健康手帳もつくってはどうかと。親父として何を心がけるべきか、ケアすべきか、やはりこの辺も大事ではないか。女性はおっぱいを与えるとスイッチが入る。男はいつスイッチが入るかわからないのでありまして、その辺うまくいけるような形で、男女共同参画も含めてお取り組みを。手帳はまでいかないか、チラシぐらいになるかわかりませんけれども、御検討をいただきたいと思います。
〇小野寺有一委員 私からは介護のことについてお尋ねをしたいと思いますが、前の質疑で関根委員それから工藤勝子委員からも同様の質疑があったようでありますので、その部分については割愛をして進めさせていただきたいと思います。
 まず、平成21年度─今年度は介護にとっては大変な年でありまして、まず介護報酬が改定されて、要介護認定が修正されてさらに再修正されて、そして去年の秋からは介護職員の処遇改善交付金が創設されたといった形で、大変目まぐるしく制度が変わったり追加されたりした年であったわけでありますけれども、それに本当に真摯に対応された担当部課の皆様方におかれては、お仕事を評価させていただきたいと思いますし、大変敬意も表するところであります。
 まず最初に、今も申し上げましたが、要介護認定が修正をされて、そして10月に再修正されたという問題について伺わせていただきたいと思います。
 再修正、これは要介護認定が修正されたことによって、従来、介護の認定よりも大分軽く見られるのではないかということの指摘があって、それで再修正されたと承知しておりますけれども、その再修正されるまでの間、今年度で言えば、昨年の4月から9月までの間に要介護認定を申請して、それで非該当と判定されていた方がいらっしゃったと思うんですが、それが再修正に伴って個別に再申請をすることになったわけでありますけれども、その再申請を、こう再修正されましたからもう一回申請してみてくださいという勧奨が各自治体でどのくらい行われたのかということと、行われなかったところがあるとすれば、そのばらつきの要因を教えていただきたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 要介護認定に係る再申請の勧奨についてのお尋ねでございますけれども、昨年の10月及び12月の2回にわたりまして、非該当と判定された方に対して再申請の勧奨を行うように、国から市町村に対し直接依頼がございました。また、県からも市町村に対して、別途、同様の要請を行ったところでございます。その結果、対象の該当者がいた18保険者中15保険者は、個別に再申請の勧奨を実施しております。対象者に個別に通知等を行ったということです。それから、3保険者─奥州市、矢巾町、二戸地区広域行政事務組合につきましては、広報誌あるいはホームページ等を通じて広く勧奨を行ったということでございます。県におきましても、同様にホームページ等での周知は行っているところでございます。
〇小野寺有一委員 昨年10月の再修正後に、県全体として再申請した方の介護度が実際に上がったのかどうか。それから、非該当と判定された方の割合が低下したのかどうか。もしもわかれば、全国平均との対比の中でお示しをいただければと思うんですが、いかがでしょうか。
〇岡村長寿社会課総括課長 昨年の10月以降に再申請した方の再判定した介護度についての状況でございます。
 4月から9月に新規申請し非該当となった判定を受けた方のうち、10月以降に再申請された県内の状況でございますが、11月20日時点、これは国で調査を行った状況においてでございますが、再申請した方は22名でございます。そのうち、要支援、要介護に新たに認定された方が16名、再度非該当と判定された方が5名、申請中に死亡された方が1名という状況になっているところでございます。この結果から申し上げますと、見直し前の認定方法と比較した場合、結果的に認定を受けた方が多数存しますので重度に判定されるとともに、非該当の割合は低下している状況にございます。
 大変恐縮ですが、国とのデータの対比のほうは、ちょっと今十分に行えていない状況でございます。
〇小野寺有一委員 それでは、再申請のそういった効果が出たということでありますので、その結果をどのように受けとめているかという通告をしておりましたけれども、こちらのほうについては効果があったということで結構でございます。
 それでは、第2に介護職員の給与等の処遇改善についてお話を伺わせていただきます。
 先ほど関根委員のほうから、介護職員の処遇改善交付金等を利用した処遇改善についてのお尋ねがありましたけれども、そもそも昨年度の介護報酬のプラス改定というのが3%だったと思いますけれども、その理由が、介護職員の給与等の処遇改善をするというのがそもそもの目的で、介護報酬のプラス改定になっていたと承知しいるわけでありますけれども、それが結局、うまく介護職員の方々の処遇の改善に結びつかないために、その後、いろいろなつけ足しの制度が用意されたんだろうと思いますが、この介護報酬のプラス改定によって、職員の方々の給与がどのぐらい改善したものか。要は、去年の介護職員の処遇改善交付金以前の問題でありますけれども、それをどのようにとらえていらっしゃるのかということと、満足とは言えないまでも幾らかは増加したと思うんですけれども、その増加額が、例えば特別養護老人ホームとか老人保健施設とか介護施設別に差があったのかどうか、その辺をどのようにとらえられていらっしゃるのか、伺わせていただきたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 介護職員の給与改善の状況についてでございますが、県内の状況につきましては、昨年5月に県で独自に抽出調査を行っているところでございます。この時、給与等の引き上げを予定している施設が6割強ございましたけれども、その後の状況については処遇改善交付金等の新たな改善措置もございまして、今後、状況を把握したいと考えております。ただ、国におきましては、10月に全国の抽出調査を行っております。その結果では、平成21年4月から9月の間に、何らかの給与の引き上げを行った施設、事業所の割合は68.9%となっております。10月以降に実施する予定の事業所を含めますと、81.6%の施設等が給与改善を行う見込みという結果となってございます。
 また、給与の増加額につきましては、平成20年の平均給与月額が22万1、000円であったのに対しまして、平成21年調査では22万9、930円と、1人当たり平均で8、930円増加しているところでございます。
 また、施設別の改善状況についてでございますけれども、この調査によりましては、施設別の1人当たりの平均給与増加額は、特別養護老人ホームにつきましては1万2、160円、老人保健施設が1万1、550円、介護療養型医療施設が6、310円、訪問介護事業所が5、560円、認知症グループホームが8、850円等となっている状況でございます。
 県内の個別の施設の状況等につきましては、本年の5月以降に県内の処遇改善等を行った施設の実績が出てまいりますので、その際にあわせて実施状況について把握、分析を行えればと考えているところでございます。
〇小野寺有一委員 ちょっとショックだったのは、5月に調査をかけたけれども、その答えが得られていないということについてはちょっと残念だなと思いますが、たしか介護報酬のプラス改定によって、2万円ぐらいの処遇改善になるんじゃないかというような国の方針であったと思うんですが、それが全体をならしたところで、本県の場合、8、930円ぐらいのプラスになったということでありますけれども、これはなぜこの金額にとどまっているのか。逆に言えば、介護報酬をプラスされた分というのは、どこに回ったとお考えなんでしょうか。
〇岡村長寿社会課総括課長 先ほど申し上げました改善の数字につきましては全国の抽出市町村の結果でございまして、県内の数値はまだ把握できていないという状況がございます。
 それから、国が想定した状況よりも改善状況が低いのではないかというお尋ねでございますが、介護報酬につきましては、施設の運営経費全体に充当されるものでございますので、これまで介護報酬が2回続けて引き下げ改定があったと。なかなか事業所の運営が厳しいという声もあったことから、国のほうでは、待遇改善のための賃金のアップということを想定して改定をされたようでございますが、それがすべて給与のほうに回った、賃金改善に回ったという結果にはなっていないという状況が一因ではないかと思われます。
〇小野寺有一委員 それを補完することとして、介護職員の処遇改善交付金というのが多分出てきたんだろうと思いますが、先ほど関根委員のお尋ねの中で、今後の介護職員の方々の処遇改善に向けて県がどのように取り組んでいかれるのかということについては、お答えでは、介護職員処遇改善交付金などを利用してということがありましたが、介護保険の趣旨というのは、基本的に、給付に対して負担する側が、どれだけの負担で、どれだけの給付を受けたいのかということで、原則的には、市町村に対して保険者が行っているという趣旨のものだと思うわけでありまして、特に介護職員処遇改善交付金については、2009年10月から2年半の事業というか交付金だと聞いてありますので、もしもこの交付金が制度上なくなったらば、また介護職員の方々の給与がもとに戻るというのではどうしようもないわけで、やはり今から介護保険そのものの本来の趣旨に立った抜本的な介護職員の方々の処遇改善に向けた取り組みが求められると思うわけですけれども、その辺については県としてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お尋ねしたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 委員御指摘のとおり、恒久的な措置が現在は講じられていないという状況にございます。このため、県といたしましては、平成22年度の政府予算要望等におきましても、介護従事者の待遇改善につきましてはさらなる介護報酬の改定、あるいは現在の処遇改善の交付金の恒久措置化、あるいは対象従事者の拡大等について要望してきているところでございます。
 また、お話の中にございましたように、保険制度でございますので、給付の額がアップすれば、それだけ保険料であるとか利用料の負担にはね返るということがございますので、そういった部分につきましても国等の財源措置、地方とか利用者の負担が増嵩しないような財源措置についても、あわせて要望しているところでございます。
〇小野寺有一委員 そういう介護保険制度に立ったものでありますので、私自身は、なるべく保険料にはね返らないというのも大切な視点だとも思いますし、実際に我々も介護保険料を負担しているわけですから、それは大切な視点だと思いますが、ただ、やはり給付と負担というのは常にある問題で、それが直接的に見えるという形を目指したものが介護保険だと思いますので、そういった面でも、啓発を含めた抜本的な取り組みというか、恒久的な取り組みをぜひお願いしたいと思います。
 第3に、これも関根委員それから工藤勝子委員がお尋ねになっていらっしゃいますが、介護雇用プログラムの推進事業についてお尋ねをしたいと思います。
 プログラムの実施人数とか対象者であるとか、あるいは養成機関とか、そういったことについてお尋ねする予定でありましたけれども、もう既にお答えがございましたので、特に介護福祉士コースのほうでありますけれども、私自身は釜石でありますので、先ほどの養成機関が偏在していることによって、実際には県北・沿岸とかの遠隔地では非常に使いにくい制度になっているのではないかと指摘がありました。これは実際に自治体の職員の方からも、そういった指摘を受けました。
 それで、先ほどのお答えの中では、通勤費とかあるいは住宅費等について、委託費の部分で配慮されていらっしゃるということでありましたけれども、実際それは本当に十分なんでしょうか。配慮の部分の詳細をお聞かせいただきたいと思います。
 というのは、先ほど30人の募集に対して80人ぐらいの方の応募があって、現在35人ぐらいまで絞り込まれてというのかどうかわかりませんけれども、その中で内訳が県央部から15人、県南から17人、そして県北・沿岸から3人というお答えをたしかいただいたと思うんですけれども、これが本当にきちっとした対応がされているのであれば、県北・沿岸から3人しか申請がないということ自体がちょっと考えられないと思いますのでお尋ねをしたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 午前中の関根委員の答弁の中でも申し上げましたけれども、県のほうでは、委託料の積算の中で人件費等につきまして、これは例えば通勤手当とか学校に通学の分、それから盛岡市に住居を構えなければ通学できないという雇用条件の方につきましては、おおむね月20万円ちょっとの範囲で手当てができるということで考えておりました。
 各施設からの応募の状況を見ますと、先ほど申し上げましたように、おおむね十数万円から15万円くらいというような給与、人件費で設定しているところが大変多かったという、若い方も多かったこともあろうかと思います。そういう部分で、例えば申し上げましたように、一関市から新幹線で日々通学するというようなこと、あるいは久慈市のほうから盛岡市内に住居を借り上げて通学するというような施設での対応がとられているということでございます。
 私どもも昨年11月以降、各事業者等へも沿岸部などの遠隔の地であっても通学させられる手だて、そういったことが講じられるということはなるべく丁寧に説明してきたところでございますけれども、周知期間が少なかったこともあろうかと思いますが、先ほど申し上げましたように、参加事業所は、県北・沿岸では2法人、2事業所にとどまったということがございます。もちろん、その2カ所ですので募集の枠は3人だったんですが、応募する事業所が多ければ、それだけ多くの方が雇用の機会が得られたのではないかということも、いろいろ工夫すべき点はあったかなということは県としても考えているところはございます。ただ、入学できる学校の枠の地域が限定されているということがございますので─ちなみに、東北で介護福祉士コースのプログラムを適用しているのは、岩手県だけでございます。実施が多分難しいので、他県では取り組まなかったのではないかということが考えられます。
 それから、ヘルパーコースにつきましては、県だけではなくて市町村でも実施できますので、例えば一戸町等でも、この介護雇用プログラムを実施しましてヘルパーの養成等を行っておりますので、沿岸部であっても、それぞれの地域の雇用あるいは人材確保の状況に応じまして、県の基金を活用してプログラムを実施するというのは、今後も可能ではないかと考えております。
〇小野寺有一委員 素朴な質問ですが、先ほどもそれからただいまも、20万円程度の委託費の中で配慮されているはずだというお答えでしたが、これは例えば釜石の事業所の方と盛岡の事業所の方と、この委託料というのは変動するわけですか。
〇岡村長寿社会課総括課長 この設定額は県内同額でございます。ただし、状況を見ますと、給与水準が現実的には低目だということがございまして、人件費以外にも、施設への事務費等は月数万円出る形の事業となって組まれております、施設のほうで、もともと遠隔地に通勤、通学するような設定のないところが多分これまでの介護事業所ですと多いので、なかなかそういう対応をとりかねてしまったのではないかと、そこら辺もう少し丁寧に説明して、事業への参加を働きかければよかったのではないかと反省しているところもございます。
〇小野寺有一委員 反省しているところもあるということですが、県内一律の金額であるということは、地域的な配慮がなされているとは言えないのではないかと思います。私自身は、この介護雇用プログラム推進事業というのはとてもいい事業だと思いますし、もしもこれを続けられるものであれば、再来年度以降についてもぜひ続けていっていただきたい事業だと思うのでありますけれども、例えば勤務時間の中に、移動時間については勤務時間に含めるものとするということになっているということは、単純に私は往復するだけで5時間かかりますが、その5時間の勤務時間分の給与というものは事業者が持たなければならなくなるわけでありまして、それを委託料一律でやった場合には、遠隔地の事業者がこれを利用しづらくなるのは当たり前のことであります。ですから、ぜひこの事業そのものが非常にいい事業だということを前提にして、それをぜひ続けていっていただきたいということでありますので、その辺の改善というか、事業そのものの練度を上げていただくということの意味において御見解をいただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 いろいろ御指摘があった点につきましては、今後の事業の実施に当たって、十分参考にして取り組みを進めたいと考えております。ただ、介護福祉士の養成コースにつきましては2年コースでございますので、次年度は新しく入学者を募ってさらに2年間やるということはできませんので、介護福祉士コースにつきましては、今年度限りの募集ということになります。
 繰り返しになりますが、一般の学生の入学時期の募集と重なっておりまして、入学の枠がなかなかとれないという制約と、それから遠隔地からの通学を考えると難しいということで、通常は長期の夏休み、冬休みというような期間で、勤務時間とかいろいろ調整をしながら実施すると。介護福祉士につきましては、そういう意味でいいますと、専ら普通の学校に通うという形で業務は実習的に行うと。ふだん、毎日通いながら仕事をするというのは、遠隔地でなくても、現実的には余りそういう想定はない中での実施ということでございますので、なかなか私どもも初めてでございまして研究不足のところも多々ありましたので、今後、同様の事業を実施する際には十分研究を重ねまして、県内の各地域で取り組めるように工夫させていただきたいと思います。
〇千葉保健福祉部長 介護福祉士コースにつきましては、事業が商工労働観光部の基金事業を活用しておりますので、その基金事業を使うときは、今、岡村総括課長から申し上げたとおり、あと2年ということでございますので、現行制度では今回限りという話になりますが、いずれ、かなりのニーズが地域にあるというのは承知しておりますので、この基金の継続かあるいは他の事業の創設か、このような事業についてはぜひ継続的に行えるよう、国に対して要望はしてまいりたいと考えております。
〇久保孝喜副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩をいたします。
   午後2時54分 休 憩
午後3時10分 再開
〇中平均委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇小西和子委員 私からは2点についてお伺いいたします。
 まず、125ページの自殺対策についてお伺いいたします。何人かの委員から質問がありましたので、私はそれ以外のことについてお伺いいたします。
 全国の自殺者が11年連続で年間3万人を超えております。本県は、直近の統計で見ますと、厚生労働省の資料では454人のとうとい命が失われました。人口10万人当たりの自殺死亡率が33.7と全国ワーストスリーで、自殺対策は本県の喫緊の課題であるととらえております。
 そこでお伺いいたしますが、本県の自殺率の高さというのはここ数年ずっと続いているわけですけれども、その原因、それから背景をどのようにとらえているのかお伺いいたします。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 当県の自殺の原因あるいは背景についてでございますが、全国的に平成10年から急に自殺者数が上がったということで、その時期がちょうどバブルがはじけた時期と同時期になっておりまして、そのときに岩手県も同様に伸びている、あるいは自殺の原因につきましては、及川委員への御答弁の際申し上げたように、健康問題、それから経済問題が多い、これも大体全国の動向と同じ動きをしております。
 ただ、全国の動きと違う部分と申しますのは、実は自殺の統計については昭和30年からのデータが残っておりまして、これまでの経年変化をずっと見ますと、ワーストテンという位置づけの中では岩手県はワーストテンを外れたのが3回しかないとか、それから昭和40年以降は常にワーストファイブに入っているといったようなところから、岩手の場合は、全国と同じ傾向を示しながら、しかもより高く推移しているといったような特徴があると認識しております。
 その原因、背景についてでございますが、これも工藤勝子委員への御答弁の際に申し上げました自殺対策推進協議会の内部組織として自殺の原因を探る学究委員会というのを設置しておりまして、その中で専門家の先生方も、岩手が世の中が景気がいい時代でもやっぱり全国よりは高いとか、そういったようなことが続いているのはなぜかといったようなことで議論が進められておりまして、現時点では、仮説として、例えば医療資源、特に医師数や病院数やベッド数、そういうものの少なさ、偏在、あるいはいわゆる過疎という状態の部分が何らかの影響を与えているのではないか。それから、昭和30年代は農業中心の経済構造が、昭和40年代以降、就業構造が変わってきたと、そういうものが岩手には影響しているのではないかといった仮説をいただいているところでございまして、現在、それを裏づける、あるいは反論するデータ等につきまして事務局のほうで集めておりまして、今後、何回かの学究委員会の中でもう少し詳しい分析をする予定になってございます。
〇小西和子委員 これまで自殺予防対策について県として取り組んでこられたと見ております。久慈地域では大変効果を上げた取り組みがあったと報道されておりますけれども、その取り組みの内容について、特に効果があったものについて要点を絞ってお願いいたします。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 お尋ねの久慈地域につきましては県内でも自殺率の高い地域としてずっと推移しておりまして、過去5年で見ましても、平成16年には10万人当たりの死亡率が57.9といった実態にございました。そこに平成11年度から、保健所、市町村あるいは県立久慈病院、岩手医科大学等が連携して、久慈地域で集中的にモデル事業を実施してきております。
 内容としましては、地域ネットワーク連絡会を頻繁に開いて、その地域の社会資源の連携を強化するといったような活動をしておりますし、うつスクリーニングの実施に早くから取り組んで、早目早目にうつを発見してきたといったこと、それから、傾聴ボランティアというボランティアさんを養成して、その方々にひとり暮らしの高齢者ですとか心の晴れない方々のお話を聞いてもらうといったような活動も積極的にやってきた。それから、県立久慈病院の中に精神科外来との連携ということで、リエゾンナースと言われる方々を配置した。こういったことをモデル的に、あるいは地域で集中的に取り組んできたことで、平成20年の自殺率が42.2ということでございますので、平成16年に比べて15ポイント以上も下がってきていることはそういう取り組みの成果ではないかと考えているところでございます。
〇小西和子委員 すばらしい取り組みをされたと思いますので、ほかの地域でもぜひそのような取り組みを期待したいと思います。
 それから、自死遺族についてですけれども、自殺をとめられなかったということで自分を責めながら生きているという方々でありますけれども、その支援体制についてどのような取り組みをされているのかお伺いいたします。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 自死遺族につきましては委員御指摘のような悩みを抱えていらっしゃいまして、再度の自殺をするということでは自殺未遂者の方と同じように自殺企図が高い方々ではないかと認識しておりまして、この方々、やはり自分の悩みをだれかに聞いてもらいたいけれどもなかなか聞いてもらえないといった共通の課題を抱えております。
 県におきましては、精神保健福祉センターあるいは各地の保健所などが中心となりまして、まず、自死遺族の方々のどんな悩みでもいいから相談に応じようといった取り組みを進めております。それから、特にも自死遺族の方々の、同じ当事者同士の仲間を募って集まって、お互いの経験、悩みを話し合おう、そういう場をつくろうということで、それについても立ち上げ等に精神保健福祉センター等が積極的に支援しているところでございます。
 その結果といたしまして、県内では自死遺族の会もしくは自死遺族をサポートする機関につきましてはりんどうの会が一番有名でございますが、それ以外にも、久慈、二戸等々に8団体が現在設置されて活動しているということでございます。
 なお、参加人数につきましては、余り公開性というか、どちらかというと匿名性が強い方々がお集まりになりますし、人数も日によって変わるということで、人数的な把握は精神保健福祉センター等ではとれていないといった状況にございます。
〇小西和子委員 自殺者の75%は精神障害、うち半数がうつ病ということが私の手元の資料にはありますけれども、うつにかかっているかもしれないと思ってもなかなか受診できないと。4分の3は未受診であったというような資料もございます。原因はさまざまあるんですけれども引き金はうつだと言われておりますので、うつ対策というのが自殺防止の大きなかぎだと言われております。
 よく、うつは心の風邪と言って、だれがかかってもおかしくないものだとは言われていますけれども、まだまだ精神疾患に対しての偏見がございます。その正しい理解の浸透、うつは治せるんだとか自殺は防げるんだということをやはり広報していくことが自殺防止の大きなかぎになるのではないかと考えます。そのあたりについての取り組みをお答えいただきたいと思います。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 うつの防止が自殺の数を減らすのに大きな効果があるというのは御指摘のとおりでございますので、県といたしましては、及川委員の質問の際にお答えしたように、まず、健診とかでうつの方々を見つけるといった取り組みを積極的に行っているところでございますが、それ以外に、例えば広報活動という面では、うつは治るんだ、適切な医療機関につなげることが重要なんだということにつきましては、これまでもマスコミを使った広報ですとか、いろいろな研修会の場でも周知を図ってきたところでございまして、今後もそのような取り組みを進めていきたいと考えておりますし、それから、精神科の医院になかなか足が向かない方でも、かかりつけ医として例えば内科医の先生ですとか、あるいは薬局の薬剤師さんですとか、そういうところとの接点がある方は非常に多いと考えておりますので、そういう方々をいわゆるゲートキーパーとして、うつの発見に関するノウハウの講習をして、そういうところでも、うつの患者さんを早目に見つけていただくような取り組みが重要と考えておりまして、それらにも集中的に取り組んでいるところでございます。
   〔「同じ質問しないで」と呼ぶ者あり〕
〇小西和子委員 はい、済みません。
 国のほうで行っています自殺予防プロジェクトの目標が全国の平均値300人台を目指すということでございますので、ぜひ力を入れてやっていただきたいと思います。
 次に、108ページの人権啓発推進についてお伺いいたします。
 これまで県は、人権啓発にどのように取り組んでこられたのかということ、その成果と課題、それから来年度に人権啓発フェスティバルというふうな記載がございますけれども、内容についてお伺いいたします。
〇奥寺地域福祉課総括課長 人権啓発の推進についてでございます。
 人権問題は、女性や子供、それから高齢者、障がい者など対象が広範囲にわたっておりまして、かつそれぞれ固有の問題を抱えているところでございます。
 具体的には、児童、高齢者への虐待や女性へのDVなどの深刻な事態が生じておりまして、このような個々の問題解決の取り組みとともに、広く一般県民に人権意識の普及啓発を広めていくことがやはり必要だと考えているところでございます。
 このような状況を踏まえまして、県では人権啓発について、盛岡地方法務局、岩手県人権擁護委員連合会、岩手県人権啓発ネットワーク協議会などと連携しまして、例えばエイズに関するポスターコンクールの実施、男女共同参画に関する講演会、さらには、県内小学生の絵を使用した人権啓発のラッピングバスの運行による広報啓発活動などの事業を実施しているところでございます。
 今後とも人権啓発活動の推進に向けまして広報機会の確保に努めるとともに、ボランティア団体やNPO法人、さらには岩手県人権啓発ネットワーク協議会などとの連携をさらに図りながら、国、市町村とも一体となって取り組んでいきたいと考えてございます。
 次に、人権啓発フェスティバルの開催についてでございますが、このフェスティバルは、幅広い各種の人権啓発活動を一体的、総合的に実施することにより、広く人権尊重思想の普及高揚を図ることを目的として、国の全体計画のもと、毎年、全国の都道府県のうち2カ所において開催されているところでございます。
 平成22年度のフェスティバルについては、国からの要請を受けまして本県も積極的に対応することとしまして、本年9月25日、26日の両日、アイーナの全館を使用し、さらに盛岡駅西口周辺エリアも活用しまして開催することとしてございます。
 このフェスティバルの開催に当たっては、県民が人権問題に有しているかた苦しいイメージを払拭するような雰囲気の中で、幼児から高齢者まで、幅広い世代の方々に参加していただける催しとしたいと考えてございます。
 具体的な内容としましては、広く関係団体が一堂に会し、さまざまな企画展や人権擁護に関する講演会や分科会、そして次代を担う高校生による人権啓発劇などを実施しまして、県民に基本的人権の尊重とその擁護についての理解をより一層深められるような内容にしていきたいと考えてございます。
 今回のフェスティバルをよい契機としまして、地域への人権意識の定着を図るため、例えば各広域での取り組みなども検討していくとともに、人権啓発活動ネットワーク協議会や、県が中心となって構築している児童、高齢者、女性などの相談支援ネットワークの参画団体の拡大に向けて官民一体となった取り組みをさらに強化していきたいと考えてございます。
〇小西和子委員 あらゆる人権問題解決に向けまして、総合的、計画的に進めていただきたいと思います。特にも、関係の所管課が10もあるということを資料をいただいて初めて知りました。ぜひ実効ある取り組みを要望いたしまして私の質問を終わります。
〇高橋元委員 私からは、がん対策と高齢者福祉の2項目について何点かお尋ねしたいと思います。
 まず、がん対策についてでありますが、がん対策に関する予算総額は幾らで、どのような事業が組まれているのかということ。
 それから、がん患者の会の活動支援についてどのようになっているかについてお尋ねしたいと思います。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 まず、がん対策関連予算についてでございますが、平成22年度当初予算における保健福祉部所管のがん対策関連事業費の予算総額は4億6、400万円余であり、前年度当初予算額の約3.6倍の増となっているところでございます。
 主な事業として、県がん対策推進計画の主要分野でございますたばこ対策、がん検診対策、がん医療の均てん化の視点で申し上げますと、まずたばこ対策といたしましては、健康いわて21プラン推進事業、地域における喫煙ストップ大作戦事業を実施し、地域における禁煙希望者に対する支援と未成年者の喫煙防止対策を推進することとしているところでございます。
 さらに、がん検診対策といたしましては、がん検診受診率向上対策事業を実施し、がん検診受診率の低い市町村を重点市町村に指定し、市町村と県が共同して受診率向上のための課題や対策の取りまとめなどを行っていくこととしているところでございます。
 さらに、がん医療の均てん化といたしましては、がん診療連携拠点病院整備推進支援事業を実施いたしまして、本県で唯一地域がん診療連携拠点病院がない釜石保健医療圏域におきまして、県立釜石病院を当該拠点病院に指定するため、放射線治療施設を整備することとしているところでございます。
 なお、このがん医療の均てん化につきましては、さきに議決をいただきました本年度の2月補正予算におきましても、がん診療連携拠点病院放射線治療施設整備事業費補助を計上いたしまして、県がん診療連携拠点病院として本県のがん医療の中心的役割を担っております岩手医科大学附属病院が行う高度な放射線治療設備の整備に助成することとしているものでございます。
〇岡村長寿社会課総括課長 がん患者の会の活動支援についてでございますが、現在、県内では12の患者・家族会が活動しているところでございます。
 県では、県がん対策推進計画におきまして、患者やその家族が研修や、相互に相談、助言を行う活動等への支援に取り組むこととしております。これまで、患者、家族が集い、相談や語らいができる場であるサロンの設置について、患者・家族会との意見交換や学習会を重ね、拠点病院等の関係機関と調整を行ってきたところでございます。その結果、昨年4月に岩手医科大学附属病院に、また7月には県立中部病院にそれぞれサロンが開設され、患者・家族会の参画を得ながら、がんに関する相談や情報提供、交流会等の活動が行われているところでございます。
 さらに、5月からは岩手ホスピスの会によるタオル帽子倶楽部、これも盛岡市の総合福祉センターで定期的に会合を開いているわけですが、こういった場を交流の場といたしまして、サロン活動として実施されているところでございます。
 これらのほか、フォーラム開催や情報誌の発行など対外的な活動を行う、そういった際の資金不足につきましての相談がこれまで県に寄せられているところでございます。県長寿社会振興財団の助成金の活用などについて助言してきたところ、これまで3団体に対し10件、668万8、000円の助成が行われているところでございます。
 さらに今月6日には、県内の3サロン、11団体が参加して、初めて県内で患者・家族会の学習会・情報交換会が開催されたところでございます。この中で、精神科医によります、がん患者の心・コミュニケーションについての講演や各サロン、患者・家族会の活動発表を行いまして、患者の心理状態や傾聴への理解を深めるとともに、団体相互の交流も一層深められたというふうに拝見しております。
 平成22年度におきましても、患者・家族会の意見も伺いながら、サロンの運営や患者・家族会の活動に必要な学習や情報交換の機会が確保されますように、積極的に取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇高橋元委員 予算の関係では、平成21年度に比べて3.6倍ということであります。釜石病院の放射線関係に3億2、000万円ぐらいかかりますので、それを差し引くと、まあそれでも努力されておよそ1、370万円ほどアップしているなと思っておりまして、その面では評価したいと思っております。
 がん患者の会の活動支援もようやく動き出したなという感じがしまして、これについても、例えば今、医大のサロン、それから中部病院ということでサロンが二つできましたけれども、残りの県立病院、あと七つぐらい拠点病院になるところがあるんですか、そういうところにもやはりサロンができるようなさまざまなアプローチというんですか、そういったものをぜひお願いしたい。
 先ほど、あと、財団を利用した家族会のさまざまな活動支援というのも紹介ありました。私のところの北上ではびわの会というのが活動しておりますけれども、先月、がんにかからないシンポジウムみたいな感じでセミナーがあったんですが、その先生との打ち合わせに患者会の代表者が頻繁に東京に行ったりしておられました。それも全部自費でやってきたということなので、私は、このシンポジウムに参加してみて、非常に今までにないいい内容だったと思っておりまして、ぜひこういうものに県内全域で取り組んでいただければありがたいと思っております。その件については後ほどまた御提案させていただきますので、ぜひよろしくお願いしたい。
 二つ目でありますが、がん対策推進計画の進捗状況につきまして、直近の進捗状況についてお知らせいただきたいと思います。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 がん対策推進計画の進捗状況でございますが、計画全体の目標でございますがんの75歳未満年齢調整死亡率の減少につきましては、計画策定時の基準数値であります平成17年度の90.9人から、平成24年度までに10%、9.1人以上の減少を目標としているところでございますが、平成20年度では81.3人と、まずは目標に向けて順調に推移しているところでございます。
 個別指標の状況については、分野別に主なものを御説明いたしますと、がん予防の分野におきましては、公的施設及び企業、事務所におきます受動喫煙防止対策の推進では、企業と事業所分煙化100%の目標に対しまして、平成20年度現在49.1%となっております。
 また、がんの早期発見の分野におけるがん検診受診率を見ますと、主要な五つのがん、胃がん、肺がん、乳がん、子宮がん、大腸がんの検診率50%の目標に対しまして、一番高い胃がんにつきましても、平成19年度現在33.5%にとどまっているところでございます。
 さらに、がん医療につきましては、すべての二次医療圏にがん診療連携拠点病院を整備することを目標としておりますが、平成18年度の2圏域から、現在は8圏域まで整備が進んでいるところでございます。
 このような進捗状況でございます。
〇高橋元委員 進捗状況のいろいろな指標を前にお伺いしたんですが、その実績値を調査したのはかなり古いという数値が残っているんですね。例えば喫煙率に関しては平成16年。現在、平成21年度において県民生活習慣実態調査を実施中で、それがまとまるのが平成22年度に入ってからということなんですね。さまざまながん対策に対する取り組みというのは、何となくゆっくりしているなという感じがするんです。例えば2年に1遍ぐらいずつとか、もう少しサイクルを切って、そして実態を正しく把握して次の新しい対策をどんどんとっていく。おくれているところはどんどんそれを推進するためにいろいろな取り組みをする。やっぱりそういう取り組みが必要だと私は思ったんですけれども、その辺、この3年サイクルという調査ではなくて、もう少し小まめにできないものか、その辺をお尋ねしたいと思います。
〇佐々木保健衛生課総括課長 委員から、がん対策推進計画の指標のうち、たばこの関係と、それからがん検診受診率についてのお尋ねがございました。
 たばこにつきましては、委員御指摘のとおり県民生活習慣実態調査ということで、これはがん対策、たばこ対策に限らないで、県民の生活、健康面ですとかアルコールの関係ですとか、そういった生活習慣の実態を調査するために5年に1度、統計法及び県の統計調査条例に基づいて県として実施している調査でございます。
 それから、がん検診受診率につきましては国民生活基礎調査により把握しているものでありまして、この調査は、統計法及び国民生活基礎調査規則に基づいて国が実施主体として毎年抽出調査により実施しているものではありますけれども、がん検診受診率については3年に1度の大規模調査年のみ調査項目に入っているという関係で、毎年把握が現時点ではできていない状況であります。
 今後、これらの指標についてもう少し間隔を狭めてとることについては、この国民生活基礎調査については国との協議等が必要でございますので、そういった中で考えていきたいと思っております。
〇高橋元委員 それと、がんの関係の目標数値とか、あるいは取り組み内容についても、私もいろいろな資料をネットで調べてみたりしているんですけれども、国立がんセンター、がん対策情報センター、がん情報サービスというのがネットに探せば出てくるんです。ここには予防と検診、それから日本人のためのがん予防法。この日本人のためのがん予防法というのは、現状において推奨できる科学的根拠に基づくがん予防法ということで、国の機関が出しておるものですから、公に出ている内容なんです。
 これによると、さまざまな、これ以上いったら相当ながんリスクを負うよというものが書かれているんです。そこでいうと、例えば飲酒一つとりましても、県のこの健康いわて21プランでいきますと、多量に飲酒する人の割合を減らそうということで、多量に飲酒する人の定義は何だといいますと、飲酒日1日当たりの飲酒量が5合以上、飲酒日1日当たりの飲酒量が4合以上5合未満で飲酒の頻度が週5日以上、飲酒日1日当たりの飲酒量が3合以上4合未満で飲酒の頻度が毎日ということで、かなり高目の数字なんです。例えば先ほど言ったがんの予防法でとらえていきますと、飲酒は、飲むなら節度のある飲酒をしなさいというのが一つあるんです。飲む場合は、1日当たりアルコール量に換算して約23グラム程度まで。これはどのくらいかというと、具体的には日本酒なら1合、ビール大瓶1本、しょうちゅうや泡盛なら1合の3分の2、ウイスキーやブランデーならダブル1杯、ワインならボトル3分の1程度という一つの目安があるんです。だから、そういうところもいろいろ見直しを図っていかなければ、やはり進め方、取り組みとしても指導としても少し間違っていくのではないかという危惧もしているんです。
 その辺は今後そういう見直しもされると思いますが、今後この辺の数字の見直しはいつごろ計画としてやられる予定ですか。
〇佐々木保健衛生課総括課長 ただいま委員から御指摘ありましたとおり、健康いわて21プランにおいてはいろいろな指標を設けておりますけれども、このプランは2001年に策定したものでありまして、これの目標年度が2012年となっております。県といたしましては、今、この健康いわて21プランの最終評価に向けていろいろな作業を始めているところでございまして、この最終評価を踏まえて、次期計画の際には、こういった指標についても直近の治験や新しいデータに基づいて設定していくことになろうかと思います。
〇高橋元委員 ぜひその計画策定に当たっては、さまざまな資料を取り寄せて検討いただきたい。
 たばこも、これは体力的な差もあると思いますけれども、私この間直近で読んだ本には、1日20本で20年以上のむと相当ながんのリスクを負うという記述もあるわけです。ぜひいろいろな文献を参考にしながら、ただ禁煙をしましょう、やめましょうとか、そういうことではなく、もちろん禁煙できればいいんです。でも、努力しても禁煙できない人もあるわけです。だから、その場合は少し本数を減らしていくとか、そういう努力をするためには一つの目標とする数値というのも大事ではないかと私は思います。
 そういう意味で、ぜひ計画策定の段階におきましては、さまざまな数値を拾い集めて総合的に分析してすばらしい計画をつくっていただきたいと思います。
 次に、がん対策推進協議会の運営についてであります。
 現在の委員会の構成でありますけれども、がん対策推進を、私の目では医療側に重点を置いた構成に見受けられると。予防とか検診を実行する方々、例えば市町村長─行政側の代表、あるいは雇用主といえば企業、雇用者というと労働者ですが、こういう実際に検診を受ける側、あるいは、その企業も独自にやっているところもあるし、いずれ企業に集まってくるわけですから、そこで有効な活動をしていけば検診率も上がるのではないかと私は思うんですけれども、そういうところの代表がこの協議会に入ってきていない。今後、見直しをして拡充できないものかと思っていますが、その辺の所見をお伺いしたいと思います。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 県がん対策推進協議会の構成員についてでございますが、当協議会はこれまで、岩手県がん対策推進計画の策定のほか、その進捗状況や必要な取り組みについて御議論いただいたところでございまして、委員御指摘のとおり、委員17名のうち、医師の委員が8名、これはさまざまな視点で入ってございますが、確かにそのような委員が多いというのはそのとおりかと思うところでございます。
 本年度、この計画でございますが、主要な分野でございますたばこ対策、がん検診対策、がん医療の均てん化について、県や市町村、医療機関や企業、県民等がそれぞれの担うべき役割を踏まえまして、より具体的な行動が展開できるようバージョンアップを図ることとして、このための議論と取りまとめを行っていただいたところでございます。
 県としては、今後のがん対策の推進に当たりましては、さらに幅広い主体の参画を得ながら、このバージョンアップされた計画を着実に推進していくことが必要と考えておりまして、例えば、たばこ対策については受動喫煙防止対策の推進に当たっての民間事業者などの協力が、また、がん検診対策に当たりましては、受診率の向上に向けて、実施主体であります市町村のこれまで以上の取り組みが推進されるような支援が必要と認識しているところでございます。
 このため、委員からの御指摘につきましては貴重な御提言として受けとめさせていただきまして、協議会の構成員や運営方法等について今後検討を進めてまいりたいと考えております。
〇高橋元委員 県も市町村もそうなんですけれども、予算を握っている方が委員会に入るのと入らないのでは馬力が違うわけです。やっぱり馬力をアップするためには、ぜひ市町会あるいは町村会の会長あたり、あるいは副会長でもいいのかもしれませんが、そういう代表者もぜひ加えていただきたいと、こういうふうにお願いしたいと思っております。
 それから、がん対策予算についてですが、先ほど、さまざまな事業を展開される、取り組むということでお話がありました。この予算書を見ても、がんと書いた項目が少ないんです。二つ、三つしかないんです。でも、こうやってお尋ねするとこれだけの事業があって、4億幾らですか、これぐらいの予算を組んでやっているということなので、我々も、それから県民にもわかりやすいように予算もすべきではないかと私は思っておりまして、例えば今、予算書に結核対策とあるんです。結核で今、亡くなる方というのはほとんど私はないと思うし、結核はすぐわかりますし、それに対しては病院でもすぐ処置できる。それに比べてがん対策は、毎年四、五千人ぐらい亡くなっております。これだけがんで亡くなっている県民の方が多い、あるいはがんの闘病生活で厳しい、さらには、がん患者の家族の方々も患者を支えるために大変な御努力をされているんです。それらを含めて、このがん対策というのは、私はイの一番に来てもいいんじゃないか、そんな思いをしておりまして、できれば目あたりをつくって、がん対策推進費というふうな目をつくって、そこにがん対策をする予算をまとめて提案していただくのが一番見やすい、わかりやすい予算編成ではないかと思いますが、その辺についての御所見をお願いします。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 平成22年度当初予算案におきますがん対策関連事業の歳出区分につきましては、4款衛生費におきまして、各事業の目的、内容等に照らしまして、がんの予防関連事業、検診対策、緩和ケア関連事業については1項公衆衛生費5目高齢者保健費に、また、がん医療の体制整備に関する事業は4項医薬費2目医務費に、さらに、がん医療に従事する看護師の育成に関する事業は同項3目保健師等指導管理費にそれぞれ計上しているところでございますが、これらの款、項等の歳出予算の区分については、地方自治法施行令に基づき設定されているものでございます。
 がん対策関連事業がただいま申し上げましたとおり複数の項、目にわたって計上されておりますのは、がんの予防や健康づくり、検診対策等の公衆衛生関係から、がん医療体制の整備充実、強化等の医療関係まで幅広い事業により構成されていることによるものと認識しているところでございます。
 委員御指摘の新たな歳出区分の創設につきましては、予算編成を所管する総務部とも十分に議論をさせていただきたいと考えておりますが、当部といたしましては、まずはがん対策に関連する事業や予算の全体像について、議会はもとより、県民の皆様に対してよりわかりやすく提示できるよう工夫をしてまいりたいと考えております。
〇高橋元委員 ぜひ次回から何らかの工夫をしながら、多くの県民の方々がこのがん対策につきましての県としての取り組みを注目して見守っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、がん対策条例の制定についてでありますが、現在、6県2市でがん条例が制定されておりまして、この2月にも1県で制定の予定にあると聞いております。
 本県においてがん条例について、私も3年前の6月定例会で1度、制定すべきではないかというお話をさせていただきましたし、それから、11月4日のがん対策の委員会の中でも、患者の委員のほうからもがん条例の制定についての要望等も出ておりましたし、1月20日、ことし開催されました地域医療等対策特別委員会の中でも、患者の皆さんからぜひ条例をつくってほしいという声もありました。このことの制定や必要性について、どのような認識を持っているかお伺いしたいと思います。
〇千葉保健福祉部長 がん対策条例の制定等についてでございますけれども、まずもって、他県におきましては、がん患者団体の要望等を契機にしまして議員立法で制定されていると伺っているところでございます。また、先般開催されました本県県議会の地域医療等対策特別委員会においても条例制定に関する意見が交わされたことも承知しているところでございます。
 県といたしましては、がん対策につきましては、まず官民一体となって、今、御審議いただいていますが、岩手県がん対策推進計画の着実な推進に努めていくことが重要であると考えております。これに当たりましては、当然、がん患者団体等さまざまな方々の御意見もお伺いしながら、予算措置等も含め、施策に反映させていきたいと考えているところでございます。
 他県の条例の制定につきましては、いわゆるがん対策施策の継続あるいは充実を制度的に担保したいというがん患者あるいは家族の方の思いや願いがその条例制定につながったものではないかと理解しているところでございます。
 今後、本県議会においてもいろいろな御議論が交わされるのではないかと承知しておりますが、その際には、私どもにおいてもその議論の中でいろいろな対応をさせていただきたいと考えているところでございます。
〇高橋元委員 時間がかなり過ぎたということでありますので、簡潔に。
 条例については、ここにおられる議員各位の皆さん方の御協力をいただきながら、何としてもつくっていきたいものだと思っております。今後ひとつよろしくその作業をお願いしたいと思います。
 高齢者福祉についてお尋ねします。
 いわていきいきプラン2009−2011についてでありますが、プランは県高齢者福祉計画と県介護保険事業支援計画を一体化したものであり、介護保険法の規定を受け、計画期間は3年となっております。これは短過ぎるのではないかと。私は高齢者福祉については中長期的な計画を掲げていく必要があるのではないかと思ったところでございます。この辺についての御所見。
 二つ目には、高齢者の生活実態が欠けてはしないかと。年金生活者、就業者が混在しており、年金生活者も、国民年金と厚生年金、共済年金では生活の内容が異なる。いきいきプランがより実態に即するためにも小まめな実態調査をするべきではないか。
 もう一点は、平成18年度における国民老齢年金の平均年金額は5万1、539円、それから厚生老齢年金の平均年金額は14万4、322円ということであります。国民年金で暮らすひとり暮らしの世帯や2人世帯はどのくらいあるか。医療や介護の相談や生活相談の実情を把握しているのか、簡潔にひとつよろしくお願いします。
〇岡村長寿社会課総括課長 まず、いきいきプランの関係ですが、中長期的な計画の必要性があるという御指摘でございます。
 委員から御指摘があったとおり、いきいきプランにつきましては、法律の規定に基づきまして、県高齢者福祉計画と介護保険の事業支援計画を一体化して、3年を1期で定めているものでございます。しかしながら、今後さらに高齢化が進む中、介護サービス利用者の増加、及びそれに伴う需要予測や施策の方向性などにつきましては、3年よりも長い期間を視野に入れて検討する必要もあるものと考えております。
 次期の計画となります平成24年度からの第5期介護保険事業支援計画の策定に当たりましては、法定期間3年のスパンで定める内容とともに、中期的な方向性も盛り込むことについて検討に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、高齢者の生活実態の把握についてでございますけれども、高齢者福祉や介護保険施策を円滑に実施するに当たりましては、経済状況や身体の状況、地域の状況など高齢者の生活実態を総合的に把握し、計画に反映する必要があるものと考えてございます。
 このため県では、いきいきプランの策定に当たりましては、要介護、要支援認定を受けている被保険者の5%、2、945人ほどでございますが、これらの方々につきまして、要介護区分、保険料の段階、介護給付限度額割合、また、利用単位数の推移等につきまして調査を行い、そのうち、居宅の対象者の半数につきまして介護サービスの利用の状況や意向などについてアンケート調査を実施し、実態の把握に努めてきているところでございます。
 また、県の介護保険事業支援計画に掲げております介護サービスの目標量につきましては、各市町村等の介護保険事業計画で設定しているサービス目標量を合計したものでございますので、市町村がその目標量の設定に当たりまして、要介護者の生活実態等の把握についてきめ細かに行われているものと認識しているところでございます。
 平成24年度からの第5期介護保険事業支援計画の策定に向けましては、先般開催されました全国介護保険担当課長会議におきまして、高齢者の身体状況や住宅の状況など詳細な生活実態調査を市町村において行う予定であることが示されております。これが秋口には国から示されて、県内の市町村でも調査を実施するというふうになると考えているところでございますが、県といたしましても、この調査に加えまして、市町村がこれまで行ってきております把握状況等につきましても調査するなど、委員御指摘のとおり、高齢者の生活実態がより的確に計画に反映されるように、市町村とも連携を密にしながら実態の把握にさらに努めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、高齢者の生活困窮の状況についてでございますけれども、まず、本県の国民老齢年金の受給者につきましては、国が公表しております平成19年度の概況によりますと30万6、000人余となっております。また、平成17年の国勢調査によりますと、ひとり暮らし高齢者世帯は約3万6、000世帯、高齢者夫婦のみの世帯は4万6、000世帯と公表されております。
 お尋ねの国民老齢年金で暮らすひとり暮らし世帯、2人世帯の数につきましては国の公表データもないところでございまして、県といたしましても独自の把握は行っていないところでございます。
 また、本県の低所得高齢者の実態についてでございますが、生活保護受給の状況で見てまいりますと、平成21年7月現在におきまして、高齢者の保護世帯数は3、846世帯、受給者数人員は4、988人となっておりまして、そのうちひとり暮らしの高齢者は3、473人となっているところでございます。
 なお、高齢者の生活状況につきまして、身近な市町村がどのように把握しているか、その状況につきましても調査を行っていきたいものと考えております。
 次に、医療や介護、生活相談の実情の把握についてですが、県が長寿社会振興財団に委託設置しております高齢者総合支援センターにおいて……
〇中平均委員長 答弁は簡潔にお願いいたします。
〇岡村長寿社会課総括課長(続) はい。
 電話等の相談を受けているところでございますが、そういった市町村、社会福祉協議会、民生委員等でさまざまな実態把握に応じた対応等をこれまで構築してきているところでございます。
〇木村幸弘委員 私のほうからは4点質問項目を挙げておりましたが、この間の各委員の質疑等で重複している点もございますので、二つに絞って質問させていただきたいと思います。
 最初に、周産期医療対策でございますけれども、まず第1点は、地域周産期母子医療センターの関係で、以前に私、一般質問で伺った時には、中部胆江両磐圏域の地域周産期母子医療センターの認定がまだその時点ではされていなかったと。産科医等の検討を経て認定を進めたいという答弁をいただいておりますが、その後どうなったのかという点が一つ。
 それから2点目は、先ほど、今回の予算措置の中で、周産期医療対策でそれぞれの母子医療センターに新生児集中管理室を整備するという御答弁だったと思いますけれども、具体的にはどういう中身であるのかもう一度御説明をお願いしたいと思います。
〇福島副部長兼保健福祉企画室長 中部の地域周産期母子医療センターの状況についてどうなっているかということでございます。
 現在、当該圏域は、いわば周産期の関係については空白に近い状態でございまして、それについては県も重い課題として受けとめておりまして、圏域内の医療機関、例えば中部病院、それから済生会北上病院、それから磐井病院もあるわけでございますけれども、それぞれの医療機能を調査するとともに、各医療機関の意向なども聞きながら、それから、総合周産期母子医療センターである岩手医大の考え方ともすり合わせながらいろいろと協議、準備を進めてきたところでございます。
 現状は、中部病院の産科がまずある程度の体制で整っている。それから、済生会北上病院の場合はNICUなどの新生児集中治療室などを持っております関係で小児科が相当程度整備されている。磐井病院の場合は結構県外からの患者さんの流入などもあるものですから、それらを総合的に現在、検討しておりまして、一応今の時点では中部病院と、それから済生会北上病院のほうはそれぞれ院長も含めて、産科、小児科の連携での地域周産期医療センターの認定という方向ではいかがかといったところまで、調整が進んでいるところでございます。それに対しての産科の医師の応援などについても、現在、医師養成機関などとも協議を進めておりますので、方向性としては少しずつ固まってきているかなという状況でございます。いましばらくお時間をかしていただきたいと考えております。
 後段については児童家庭課総括課長から答えさせます。
〇佐々木児童家庭課総括課長 地域周産期母子医療センターへの運営費の助成でございますが、本県のNICUの実態をまず最初に御紹介させていただきますが、岩手医科大学に診療報酬上の加算が認められているNICUが21床ございます。そのほかに、診療報酬上の加算が認められていないNICUを有している病院が5カ所ございます。これは、器材器具の整備とか、あるいは看護師の配置基準等が基準を満たしていないということで診療報酬上の請求が認められていないところであります。これらに運営費の助成によって体制の充実が図られるのではないか、そのように考えているところで、新たにNICUを設置していただくという趣旨ではございません。病床数をふやしていただくとか、そういう趣旨ではございません。
〇福島副部長兼保健福祉企画室長 若干先ほどの答弁に補足させていただきます。
 先ほど来の当該圏域、中部、それから県南も含めての検討状況につきましては先ほど申したとおりの準備状況になっておりますが、最終的には岩手県周産期医療協議会という協議会が設置されております。この場の中でさらに詰めて、方向性なり結論を出していきたいと考えておるものでございます。
〇木村幸弘委員 そこでまず、地域周産期母子医療センターの県南地域の空白解消ということで、今、具体的に協議の中身を御説明いただきましたけれども、いずれそれぞれの医療機関の特徴、特性を生かしつつ、今ある限りある資源をどういかに共有していくかということで随分悩みがあるようですけれども、その辺のところを、県南地域も中部医療圏もそうですけれども、そもそも医師数も大変低い率になっていますし、そうした産科医の体制からいえば、やはり偏在の不安を関係住民は大変持っているわけです。
 そういった状況の中で、体制の整備を一刻も早くしっかりとつくり上げていただきたいと特に強くお願いしたいと思います。
 それから、NICUの取り組みの関係でありますが、今ある施設の機能を強化し、運営の充実強化を図るということで、それはそれで結構だと思います。
 例えば、周産期母子医療センターが産科医療のかなめとして、そういったNICUの体制を確保しつつ、周辺地域の民間開業医も含めて、ハイリスクの新生児等に対応していただくという観点からいうと、センターの機能を強化するだけではなくて、そうした周辺の産科医療機関との関係の中で、例えば救急搬送等について、そのNICUを配備、装備している病院に搬送するまでの機能や能力がどうなのかということです。
 大変危機的な状態の中でもし新生児が産まれたときに、救急車の中でそういった緊急処置が施せるような機能を持っている常備消防の体制があるのかどうかとか、あるいはこの間、議論になっているドクターヘリも含めて、今後、装備を検討していく上においては、こうしたNICUに対応した機能というか、そういったものが整備されていく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、その点についてはどうでしょうか。
〇福島副部長兼保健福祉企画室長 ただいまの周産期母子医療センターと、それから救急搬送との関連などについてでございます。
 最終的には、中部、県南を含めた圏域の周産期母子医療センターの問題については、先ほど申しました岩手県周産期医療協議会の中でもそういった御議論はしていただく必要があると思います。搬送についてどうなのかという点について。
 それから、もう少し全県的な大きな話になってまいりますと、地域医療再生計画、25億円・25億円の例の50億円の中の大きな柱として、周産期医療体制の高度化といったテーマになっております。それから高度救急ももう一つの柱になっております。その関連の中で、今後、具体化に向けた検討を行うことになっておりますので、ただいまの御指摘の点も踏まえて検討させていただきたいと思っております。
〇木村幸弘委員 わかりました。ぜひよろしくお願いいたします。
 2点目ですけれども、予算の中で中核病院診療応援事業費ということで計上されておりますが、まとめて聞きたいと思います。
 この具体的な中味、応援のための運用といいますか、どういう状況に診療応援の事業が展開されていくのかということについて具体的な内容を説明いただきたいと思います。
 あわせて、開業医と勤務医の連携ということで同じように勤務医勤務環境向上支援事業というのがあるんですけれども、これらの説明の中では開業医と勤務医の連携推進という言葉が記載されているんですけれども、この応援事業費と、それから今の向上支援事業との関係性というか、その辺を説明いただければと思います。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 まず、最初のお尋ねでございます中核病院診療応援事業についてでございますが、こちらは、厳しい勤務環境に置かれております地域の中核病院における勤務医の負担軽減を目的といたしまして、地域医療再生基金を活用した県単の新規事業として実施するものでございますが、具体には、中核病院の常勤医が診療予定日に急遽学会や研修等に参加、出席することとなり一時的に診療が困難となる場合に、これをカバーするため、市町村が地元の医師会の協力のもとに開業医を派遣し、診療応援する場合にこれを支援しようとするものでありまして、地域医療の担い手であります市町村の主体的、積極的な関与を一層促し、県としてもこれを支援しようとするものでございます。
 一方、勤務医勤務環境向上支援事業の構成事業の一つでございます診療所医師診療協力支援事業は、国において新たに創設されました国庫補助事業を活用し実施するものでございますが、具体に申しますと、救急患者の受け入れ実績が多い地域の中核病院に対しまして、地元の開業医が夜間、休日等の時間外に診療応援を行う場合に、当該中核病院に対して支援をしようとするものでございます。
 両事業とも、中核病院における勤務医の勤務環境を改善し、その負担を軽減するとともに、地域における病診連携の推進を期待するものでございますが、中核病院診療応援事業が緊急、臨時的な診療応援を想定しているのに対しまして、診療所医師協力支援事業は、あらかじめ地域の中核病院と開業医との申し合わせ等に基づく定期的、継続的な診療応援を想定しているところでございます。
〇木村幸弘委員 今、説明を聞いて、大体その違いというか体制の考え方がわかりましたけれども、中核病院診療応援事業のほうでは、今、御説明のあった市町村が医師会とかそういったところと体制をつくり上げながら、それに対して派遣をする場合にはこういった支援を行うということになりますと、具体的に、今、県として、今回こういう形で予算措置を行った分で、そういった地域の医療圏ごとに各市町村とか医師会との協議が具体的に進んでいるケースとして、この事業に適用できる、想定されている部分というのがもしあれば、改めて説明をお願いしたいと思います。
 それから、もう一つの向上支援事業の関係では、病診連携の中での休日、夜間の診療応援ということが趣旨のようですので、そうした場合に、中部病院の例ですけれども、この1年間、開業して4月から12月までの資料をいただいたんですけれども、中部病院への救急搬送、救急隊からの電話照会に対して、受け入れ不能だという件数が104件ございました。うち、主に他患者の処理中のために救急受け入れができないというのが77件と多数でありました。中部病院の場合に、当直医が2名だということを聞いておりますが、そうした実態の中で、今回の向上支援事業をもし考えていくとすれば、中核病院というか県立病院の夜間、休日対応を含めた、医師の体制を含めてどう環境を整えてこういった受け入れ不能件数を減らしていくのかという対策があわせて求められてくるんじゃないかと思いますけれども、そうした点についてはどのように検討されているんでしょうか。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 第1点目の中核病院診療応援事業につきましては、現在、釜石医療圏におきまして、釜石市が地元医師会と連携をいたしましてこのような事業を実施しているものでございます。まずは人口10万対医師数が全国平均を上回っている盛岡医療圏以外の8圏域でこの事業を実施されることを期待しており、今後、市町村等関係機関に働きかけをしていきたいと考えているところでございます。
 向上支援事業のうち診療所医師診療協力支援事業でございますけれども、委員から御紹介ございました中部病院の例等もございます。また、大変中核病院の勤務医は夜間、休日の救急の対応というものが非常に勤務環境に負担になってございますし、委員から御指摘があったとおり、患者さんの視点からも、こういった改善が求められていると我々も認識しているところでございます。そういった点も含めまして、この事業が有効に活用されますように、私どもといたしましても関係機関に働きかけをして、よりよい効果が上がるような事業を実施してまいりたいと考えてございます。
〇木村幸弘委員 ぜひ具体的な対策について進めていただきたいと思いますし、先ほど今回の地域医療に関する懇談会等の資料もいただきましたし、これからまさに市町村との連携を含めて回答があったとおりなんですが、そうした中でも、こうした新たな応援体制の枠組みであるとか取り組みも通じながら、具体的に地域地域の現状課題をきちんと踏まえた中で、どのような支援や応援ができるのかということを、ぜひ地域の医師会などとの協議も含めて対応していただければと思います。
 地域懇談会の中で、診療応援体制を確保して検討していきたいということが資料としてまとめられているわけですけれども、考えてみますと、今回の例の県立病院の診療所化、無床化の問題等の中でも、紫波町や岩手町の中で議論があった際に、地元の医師からは、ぜひいろんな協力をしたいということで申し出があった。しかし、この資料にもあるとおり、年間500回もそういう対応ができますかみたいなことで、あるいは入院の体制をとれば費用負担になるとか、そういった、ある意味拒否という形をとっているわけですね。一方では、今こうして病院の医師と、開業医との連携が必要なんだという議論が始まって、そして各地域の懇談会の中でも、そうした開業医との連携を模索していく必要があるという議論が始まってきているというところについて、医師会でもそれぞれの医療圏ごとに随分温度差があるようですけれども、いろんな意味で、開業医と勤務医との関係を、どう信頼性を構築してその中で体制をつくっていくかということについて、これまで以上にもっと大変な努力が実は書いている以上に必要なのではないかと思っております。そうした点をきちっと踏まえた対応をぜひ進めていただくように求めたいと思いますけれども、最後に所見を伺って終わりたいと思います。
〇福島副部長兼保健福祉企画室長 前の答弁でも申し上げましたが、地域医療に関する懇談会で提言をいただきました。引き続き議論が必要な大きな重い課題については、保健所運営協議会の部会なども活用しながら、引き続き議論していくということにもなってございます。その中で、十分に医師会と、それからそこの中核病院の勤務医との間の意識の共有が図られるとともに、それを外側から住民の皆さんに応援していただけるような環境づくりをしながら進めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 最初に、新型インフルエンザ対策について先ほどもありました。ワクチンの接種状況は18万5、665人。この間の受診が2万4、766人。全国では推計で2、063万人が罹患をしたという答弁だったと思いますが、岩手県の罹患率を推計すればどうなるか。死者は1名でしたが、重症者の数はどうだったのか。
 そして、弱毒性ということで大きなことにはならなかったと思いますが、今後、強毒性の鳥インフルエンザの可能性も強いわけで、この間の新型インフルエンザの対策について、医療体制や保健所の対応など、今後に生かすべき課題と教訓について示していただきたい。
〇佐々木保健衛生課総括課長 まず、新型インフルエンザの本県での推計患者数ですけれども、先ほど熊谷委員の質問に対しまして、国立感染症研究所の調査では、都道府県ごとには算定していないため、本県での推計患者数の把握は困難だと申し上げたところであります。
 医療関係者の中には、これまでの本県の患者の発生動向はおおむね全国と同様の推移を示しておりますので、全国の累積の推計患者数が約2、000万人ということからしますと、本県においても、累積で20万人を超える患者が発生している可能性があるとおっしゃっている方もおられますけれども、これについては、県としては正確な数字は把握できないところであります。
 それから、重症者についてでありますが、人工呼吸器を装着した方、あるいは脳炎、脳症を発症した方、ICUに入室した方については重症者に該当するということで厚生労働省に報告することになっておりまして、本県ではこれまで10名の方がこれに該当しております。
 それから、今後に生かすべき課題ということでございます。例えば医療体制について申し上げますと、外来部門については、発生当初は発熱外来での対応、その後、原則としてすべての医療機関において診療という形で対応してまいりました。秋口からは、感染の拡大状況に応じて、この外来診療体制の拡充というものを行ってまいりまして、今般発生いたしました新型インフルエンザへの医療提供体制につきましては、医師会の協力のもとに、おおむね適切に対応できたものとは考えておりますけれども、今後、新たに強毒性の新型インフルエンザが発生した場合などを想定いたしますと、発熱外来の数をふやす必要があると思われます。ただ、この発熱外来の法的な位置づけが明確でないために、医療機関としても引き受けづらいといった課題も指摘されておりまして、国に対して、これまで全国知事会等を通じて発熱外来の法的位置づけの明確化や、設置、運営に係る財政支援の拡充について要望してきたところですが、引き続きこういう対応をとってまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 次に、高過ぎる国保税の問題について、所得300万円の場合の国保税は、県内の市町村はどうなっているか。高いところだけでいいですから、ベストファイブぐらい紹介してください。
 払いたくても払えない水準になっているのではないか。それが15.5%の高い滞納世帯率になっているのではないかと思いますが、いかがですか。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 まず、国民健康保険税についてでございますが、4人家族で世帯の所得を300万円と想定し、県内13市における国保税の状況を試算したところ、高い順に、一関市42万4、595円、花巻市40万7、800円、宮古市40万2、400円、盛岡市40万800円、釜石市39万6、630円となっているところでございます。
 現在県内は、収入が伸びない経済状況の中にありまして、300万円の所得に対して国保税が40万円というのは、県民からして国保税の負担感が増しているのではないかとは考えております。
〇斉藤信委員 所得300万円で国保税が40万円を超えると。
 実はこれは全国の調査もしてみたのですけれども、政令指定都市で、さいたま市が37万円、札幌市が41万3、000円、大阪市が42万8、000円と、これ高いほうですよ。しかし、そこと比べても、県民所得が低い岩手県でも40万円を超えると。私は、ここに国保税の最大の問題があるんだと思うんです。高過ぎて払えない。そして1年間滞納しますと、保険証を取り上げられてしまうと。保険証を取り上げられた世帯が1、267世帯。一方で、私は本会議で取り上げましたが、短期保険証を発行したんだが、とりに来ないから滞留している、とめ置き、これが1、484世帯。資格証明世帯より多いのですよ。私は本当にこんな冷たい行政でいいのかと思いますが、国会でこういう答弁がありました。
 これは3月4日の参議院予算委員会ですが、長妻厚生労働大臣。資格証明書の発行に当たって、国保税を払えるのに払わないということが本当に証明できた場合以外は、慎重に対処するよう自治体にお願いすると。私は、この精神を徹底するべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
 そして短期保険証のとめ置き、これは直ちに是正すべきということで国からも通知されたと思うけれども、その後の是正状況はどうなっているでしょうか。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 まず、資格証明書の交付についてでございますが、これまでも市町村におきましては滞納者個々の事情をお聞きするなど、きめ細やかな対応を行った上で、保険税を納付することができない特別な事情が認められない方、いわゆる払えるのに払わない方に、資格証明書を交付されているものと認識しております。
 なお、国におきましては、こうした取り扱いの徹底を図る観点から、特別の事情が認められない場合に資格証明書を交付するとともに、悪質な滞納者については滞納処分を含めた収納対策を行うよう、通知しているところでございます。県といたしましても、国の通知を踏まえた形で、市町村に対して通知をしたところでございます。
 今後とも、県といたしましても、適正な取り扱いが行われるよう、市町村に対して助言をしていきたいと考えてございます。
 次に、いわゆるとめ置きといったような状況でございます。短期被保険者証の交付につきましては、連絡しても受け取りに来ない等の理由で1カ月以上未交付、いわゆるとめ置き、交付がされていないとなっている方につきましては、平成22年3月12日現在、18市町村で581世帯、856人となってございます。知事答弁でも申し上げました平成22年2月1日現在に比べまして、981世帯、1、666人の未交付が解消されているところでございます。
 今後も、市町村において、未交付者に対しまして電話連絡や家庭訪問を実施する等により、未交付状態を早期に解消するように助言をしてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 私、国会での長妻厚生労働大臣の一番新しい答弁を紹介したので、この精神でやってください。現場はそうなっていないのですよ。
 そして、とめ置きというのが何で起きるかというと、短期保険証ですよ。取りに来ないから、相談に来ないからなんですよ。渡さなかったら保険証がないのですよ。病院にかかれないのですよ。保険証というのは、まさに命にかかわる保険証なのです。そういうところを機械的にやったら絶対だめだと。短期保険証のとめ置きなんていうのは、そういう行政的な、機械的なあり方が如実にあらわれた問題ですよ。
 かなり改善されているようですが、いまだに581世帯がとめ置かれているということは重大な事態で、改めてこの改善を徹底していただきたい。
 そして、さっきの議論の中に、3月に県が資格証明書を発行した世帯について調査をしたが、保険証がないために亡くなっているような事態はなかったという話がありました。どんな調査をしたか。私はそんな甘いものじゃないと思いますよ。どういう調査をした結果なのかを示していただきたい。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 まずは調査の点でございますけれども、資格証明書及び短期被保険者証を発行して国保を運営してございます市町村を対象にいたしまして、電話によりまして、平成20年度、21年度に資格証明書及び短期被保険者証交付世帯で受診を控えて病状が悪化した者、または死亡した者について照会をしたものでございます。こうした結果、事例の紹介がないという形で確認をさせていただいたというものでございます。
〇斉藤信委員 こういう調査をするときには、病院などの医療機関に調査をしないとだめなんですよ。市町村にやったってわからないですよ。大体、とめ置きをするような市町村でわかるわけがないじゃないですか。医療機関に聞けばわかるんですよ。
 一番新しい岩手県保険医新聞というのが3月5日付で届きましたので、ここにこういう調査がありました。
 受診実態調査アンケート。これは110名程度の開業医の方が回答しているのですが、最近、経済的理由と思われる治療の中断はありますかと。医科で中断あり45%、歯科は中断あり66%です。そして、患者さんから経済的な理由で必要な診療内容を減らすような要望をされたことがありますかが、医科で要望あり59%、歯科が62%、こうなっているんですね。3割負担が大きいから、保険証があってもこういう受診抑制なんです。ましてや、10割負担だったら行けないですよ。それによって死んだ事実が確認されていないだけで、私、深刻な受診抑制が起きていると思います。金の切れ目が命の切れ目になってはならないし、新型インフルエンザのときには、資格証明書の人も医療機関に行ったら短期保険証と同じ扱いをするとやったでしょう。これは新型インフルエンザだけでない、どんな病気だってそういう対応が必要なんじゃないですか。私はそういう形で、3割負担それ自身が世界の中で最も負担が重いんだけれども、保険証を取り上げるということは直ちに是正すべきだと思いますが、いかがですか。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 資格証明書につきましては、特別な事情がないにかかわらず、保険税を滞納している方について、より一層納付相談等の機会を確保し、適切な収納に結びつける必要があるということから、制度の持続性の観点、負担の公平性の観点から設けられている制度だと認識してございます。ただ、県といたしましても、この資格証明書の交付について機械的な交付を行うことなく、特別な事情の有無の把握をきちっと行った上で適切な対応を行うよう、市町村に対しまして引き続き助言をしてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 機械的答弁で。そういう特別の事情、払えなくて払っていない人が圧倒的なんですよ。悪質な場合にだけ限るべきだと、それが厚生労働大臣の最近の答弁ですから、特別な事情というのを本当に徹底してください。
 それで、岩手県は滞納者に対して、払っていなければ資産差し押さえをしていますよ。この資産の差し押さえの処分件数はどうなっていますか。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 平成20年度におきます滞納処分につきましては、延べ差し押さえ件数5、009件、差し押さえ金額14億8、000万円となっているものでございます。
〇斉藤信委員 その中には、理由のあるのも一部あるでしょう。しかし、本当に冷たいやり方だということを指摘して次に移ります。
 介護保険の問題で、私は特別養護老人ホームの待機者解消について、介護保険導入後の特別養護老人ホームの整備についてお聞きしたいのですが、多床室の整備がこの間減っているのではないか。低所得者が入れる多床室の整備。多床室とユニット型の整備がどのようになっているか、示していただきたい。
 第4期計画で早期に入所が必要な待機者の解消に満たない計画の市町村、これは具体的にどうなっているでしょうか。
〇岡村長寿社会課総括課長 まず、介護保険導入後の特別養護老人ホームの整備状況についてでございますが、介護保険制度が導入施行されました平成12年4月から昨年度までに1、778床の増床整備が行われてございます。本年度整備しております118床を加えますと、介護保険導入後、今年度末まで1、896が増床整備されていることになりまして、このうち多床室の整備は173床となってございます。
 また、本年度末における特別養護老人ホーム109カ所、全体で6、500床のうち、多床室を設けている従来型の施設は約7割、77カ所、4、431床となっているところでございます。
 今後の特別養護老人ホームの整備に当たりましては、現在の経済動向や待機者の状況、入所希望者の意向などを踏まえまして、地域においてそのニーズに応じた施設整備を選択、実施することが重要であると考えております。したがいまして、本県におきましては、多床室も設けている従来型施設の整備についても補助対象とし、支援することとしているところでございます。
 次に、待機者解消に向けた計画の状況についてでございますが、本年度設置いたしました介護サービス施設等整備臨時特例基金によりまして、第4期計画に上乗せして約370床分の整備が可能となるよう、基金を積み増ししているところでございますが、現在、市町村から約250床分の整備計画が出されているところでございます。これらの上積み分を含めましても、早期入所が必要と判断される待機者数に整備計画数が満たない市町村等は、介護保険事業者であります一部事務組合等を含めまして13となっております。このうち、小規模特別養護老人ホームの1カ所当たりの最低入所定員数に相当いたします20人以上の待機者が存する市町村等は、花巻市、北上市、一関地区広域行政組合、宮古市、久慈広域連合、二戸地区広域行政事務組合の6市町村等となっております。
 今後、約120床分相当の整備が可能でありますことから、これらの市町村等に対しましては重点的に上乗せ整備の働きかけを行っていくこととし、待機者の解消にさらに努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 ちょっと答弁が不正確なのは、私は多床室が減っているのではないかと指摘したんだけれども、実は平成15年、多床室は4、806床あったんです。それが第4期、平成21年には4、431床に減っている。私はびっくりました。いわば、改築なんかの場合にユニット型に変わっちゃっているわけですね。低所得者ほど、介護度が高いのですよ。そして、需要が高いのに、低所得者が入れる多床室が減っていると。私、これは極めて重大な問題だと思いますよ。これは国の施策でユニット型が誘導されたということがあるんでしょうけれども、ぜひここの現状をよく見て、待機者の解消、とりわけ低所得者の方々が入所できるこういう施設の整備に取り組むようにしていただきたい。これは指摘だけにとどめておきます。
 次に、子供の医療費助成の拡充と子ども手当の問題についてお聞きしますが、市町村独自に医療費助成の拡充の動きが広がっています。小学校卒業まで、中学校卒業まで、それ以上。来年度実施も含めてどういう状況になっていますか。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 市町村別の子供の医療費助成の状況についてでございますが、現在、独自に小学生、中学生まで助成対象を拡充している市町村は、紫波町が小学校1年生まで、遠野市、岩手町、平泉町が小学校卒業まで、住田町、田野畑村、軽米町、野田村、九戸村、一戸町が中学校卒業までの合計10市町村となっております。また、来年度新たに宮古市、八幡平市が小学校卒業まで、雫石町、普代村が中学校卒業まで対象を拡充し、合計14市町村となる予定でございます。
 なお、現在、小学校卒業まで対象を拡充している岩手町が中学校卒業まで、中学校卒業まで拡充している一戸町が高校卒業まで、さらに対象を拡充する予定と伺っております。
〇斉藤信委員 少子化の中で子供を大切にしようと、私はこういう流れが急速に広がっているということは大変大事だと思うんですね。岩手県も就学前までこれを拡充してきましたが、私たちが視察した群馬県なんかも含めて、今、小学校卒業、中学校卒業まで拡充している都県が出ています。私はせめて小学校卒業まで岩手県が拡充に踏み切るべきではないかと。その際、必要な財源は幾らか、全国の実施状況を含めて示していただきたい。
 また、現物給付に対するペナルティーというのがあるんですね。私は政権がかわった中では、現物給付になったらペナルティーというのは、もうやめるべきではないか、そういうことを強く新政権に求めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇野原医療国保課総括課長兼医師支援推進監 子供の医療費助成の拡充についてでございますが、まず全国の状況を申し上げますと、対象を小学校卒業まで拡大している都道府県は、平成21年4月1日現在で7都道府県となってございます。
 対象を小学校卒業まで拡大した場合の県費の負担額についてでございますが、平成20年度乳幼児医療費助成事業の実績等をもとにあらあらに推計しますと、現時点では約4億2、000万円の増と見込まれるところでございます。これまでも、県としても厳しい財政状況の中で平成16年度に乳幼児医療費助成の対象を就学前まで拡大するなど、対象者の拡大を図ってきたところでございます。
 医療費助成制度につきましては、県と市町村が足並みをそろえて取り組むことが重要であることから、引き続きまして市町村の御意見等を伺いながら、制度のあり方や適切な運営などについて検討を続けてまいりたいと考えてございます。
 なお、現物給付に対するペナルティーにつきましては、こちらも本年、国に対して要望申し上げたところでございますので、引き続き要望をしてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 子ども手当法案が衆議院で通過をしました。私どもも拡充という点では賛成なんですけれども、問題もあると。来年度は半分なんですね、1万3、000円。児童手当を1万円もらっている方は3、000円しかふえないと。そして、そういう方々に対して所得税、住民税の年少扶養控除が廃止をされると。大方増税になってしまうと。私、これは極めて問題なんではないかと。こうした実態をどう把握されているでしょうか。
〇佐々木児童家庭課総括課長 子ども手当法案につきましては、現在国で審議中でございますが、その審議の過程で、子ども手当の財源として、所得税の扶養控除が平成23年1月からの所得に対する課税から廃止となるということで、扶養控除は33万円が基本ですので、それと比較すると、かえって増税になるのではないかという議論があることは承知しております。ただ、国のほうから、経過措置とかそれに対する手当をどうするとか、詳細な内容がまだ示されておりませんで、県として本県の子育て世帯の影響を現在試算することは困難だと思っておりまして、引き続き国における議論の推移を見ながら、関係部局と連携し、可能な限り把握に努めていきたいと思っております。
〇斉藤信委員 これは指摘だけにとどめて、1年限りの法案で、次の年度がどうなるかもわからない、財源も見通しがないというなかなか難しい問題で、私たちは総合的な対策こそ必要だと思っております。
 次に、児童虐待防止対策についてお聞きしますが、昨年度、今年度の児童虐待の相談件数、その内容、解決、対処、児童福祉司の配置状況、そして児童養護施設の児童虐待を受けた者の比率、入所状況などを示していただきたい。
〇佐々木児童家庭課総括課長 児童虐待の相談件数等についてでございますが、平成20年度の児童相談所の相談処理件数は273件でございます。本年度21年度は、2月末現在で272件となっておりますので、増加の傾向にございます。
 市町村の平成20年度の相談処理件数は483件となっております。相談種別に見ますと、身体的虐待が最も多く、次いでネグレクト、心理的虐待、性的虐待の順となっております。
 解決、対処方法ということでございますが、虐待通告から48時間以内に家庭訪問等により児童の安全確認を目視で行い、児童の安全を最優先とする初期対応を行っております。その後、児童の生活状況とか家族関係、就学状況などの事実確認あるいは審理判定等を行った上で、判定会議等により、その後の措置を決定しているものでございます。
 平成20年度の措置内容は、面接指導が208件、児童福祉施設入所が43件、里親委託が1件、その他が21件となっております。
 なお、この面接指導については、1回限りで終わるということはほとんどありませんで、ケースによっては3カ月かかるのも面接指導ですし、6カ月以上かかる場合もありますし、1年以上かかる場合もあるんですが、児童福祉司が計画的に面接等を行って指導する件数のことを面接指導と言っております。
 それから、児童福祉司の配置についてでございますが、現在23名を配置しております。相談内容がそれぞれ複雑で深刻な事例が多くなっているということから、平成22年度については児童福祉司1名を増員し、24名体制とすることとしております。これにより、市町村への相談支援にも適切に対応しつつ、困難事例に対してより専門的な対応を図ることとしております。
 それから、最後、児童養護施設の入所状況でございますが、本年3月1日現在で、定員364人に対して328人の入所となっておりまして、入所率は90.1%、昨年度は94.8%でございましたので、若干減少しているという状況でございます。
 また、入所児童のうち児童虐待を理由としている児童は46%、昨年度は45.8%でございますので、ほぼ横ばいとなっている状況でございます。
〇斉藤信委員 これ最後にしますが、受動喫煙防止対策について、厚生労働省の通知を受けて、私は県として抜本的な対策を直ちに講ずるべきだと。少なくとも、県庁は全面禁煙に踏み切るべきだと思いますが、県としてどう取り組むのか。これまで受動喫煙防止対策にどう取り組んできたか、よく見えない。具体的に示していただきたい。
 難病対策で、難病センターの相談員の待遇が極めて悪いと繰り返し指摘をされました。先日、石川県に私たちが特別委員会で調査に行ったときには、県職員が、直接雇用の専門職員が難病対策を対応していました。私、この難病相談員の待遇改善というのは、抜本的に改善されるべきでないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇佐々木保健衛生課総括課長 2点お尋ねがありました。まず、受動喫煙防止対策ですが、これまでの受動喫煙防止に関する県の取り組みですが、県立施設につきましては、県立の施設(建物)における分煙指針に基づきまして、平成18年4月に、すべての施設において分煙対策が完了したところです。また、県立学校につきましても、平成19年4月に、すべての県立学校において敷地内禁煙が達成されております。一方、民間の飲食店、喫茶店につきましては、平成17年度から禁煙、分煙の飲食店・喫茶店登録事業を実施し、施設管理者の協力のもと、本年3月1日現在で、登録店数は219店まで広がっております。ホームページ等により、県民への情報提供を行っているところであります。このほかにも、受動喫煙防止の普及啓発や市町村立学校及び私立学校における敷地内禁煙の働きかけを、保健所を通じて取り組んできたところであります。
 今般の厚生労働省の通知を受けての県の取り組みでありますが、健康増進法第25条の規定にある、今回の通知の対象となります施設の管理者や関係団体に対しましては、既に国の考え方を通知しているところであります。
 特に、県庁など公共施設の全面禁煙についてのお尋ねがございましたけれども、県立施設につきましては、先ほど申し上げました指針の改定について今後関係部局と協議し、具体的な対応を検討していくこととしております。また、市町村に対しましては、改定後の指針について情報提供をするなどにより、その取り組みを促してまいりたいと考えております。
 2点目の難病相談支援センター相談員の待遇改善についてであります。難病相談支援センターは、難病患者やその患者からのさまざまな相談にこたえるため平成15年に設置し、岩手県難病・疾病団体連絡協議会に運営を委託しておりますが、2名の相談員が毎年延べ2、000件を超す相談に対応し、患者や家族の方々の大きな支えになっているところでありまして、その取り組みは全国的にも高い評価を得ていると伺っております。こうした相談員の業務量の増加に対応するため、平成22年度の難病相談・支援センター運営委託費につきましては人件費相当額を増額し、前年度より48万5、000円増の、434万5、000円を当初予算案に計上したところであります。
〇小野寺好委員 臍帯血について伺います。
 平成9年9月議会一般質問で、臍帯血移植について取り上げましたところ、答弁は、骨髄より質のよい造血幹細胞が豊富に含まれている。しかしながら、本県では、分娩後のへその緒や胎盤は焼却または委託処分していると。それで、骨髄移植に比べて提供者の負担が少なく、臍帯血移植は利点が多いので、関係者との連携や意見交換をし臍帯血移植を支援していきたいと、そういったお話でしたけれども、その後、本県ではどうなっているか伺いたいと思います。
 報道では、これは成人にも非常に有効であるといったことも聞いていますので、本県におけるこの臍帯血の採取、保存、そして運搬、移植、そういった実例はどうなっているか、伺いたいと思います。
〇佐々木保健衛生課総括課長 臍帯血移植についてのお尋ねであります。
 平成9年9月議会後の経緯につきまして御説明いたしますと、同年12月に、国において臍帯血移植検討会を設置し検討を進めてきましたが、この検討会の中間報告を受け、平成11年8月に日本さい帯血バンクネットワークが設立され、現在、宮城さい帯血バンクなど、全国で11の臍帯血バンクが加入しております。臍帯血の保存数は、本年の2月時点で約3万3、000本となっておりまして、日本さい帯血バンクネットワークによりますと、臍帯血移植が必要な患者のほぼ全員に移植可能となっていると伺っております。
 県内では、岩手医科大学が移植施設としてネットワークに参加しており、県では、必要に応じて、当大学附属病院と情報交換を行っているところであります。
 本県における臍帯血移植の実例といたしましては、岩手医科大学において平成21年度は2件、その前年度20年度は1件、移植が行われたと聞いております。
〇小野寺好委員 先ごろ、茨城県の民間臍帯血バンクが破綻したといった報道がありましたけれども、本県では、これによる影響を受けているかどうかお聞きしたいと思います。
〇佐々木保健衛生課総括課長 民間の臍帯血バンクが破綻したことによる本県への影響でございますが、民間の臍帯血バンクは、先ほど申し上げた日本さい帯血バンクネットワークに加入している公的バンクとは全く別個のものであり、個人が自分のための臍帯血を保存することを目的として、私的な契約に基づき実施されているものでありますことから、県としてはその実態について把握しておりません。
〇中平均委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇中平均委員長 質疑がないようでありますので、これで保健福祉部関係の質疑を終わります。
 保健福祉部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後4時52分 休 憩
午後5時9分 再開
〇久保孝喜副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 医療局長から医療局関係の説明を求めます。
〇田村医療局長 平成22年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 予算の内容を御説明申し上げる前に、事業運営に当たっての基本的な考え方について若干申し上げたいと存じます。
 御案内のとおり、国の医療費抑制政策による診療報酬のマイナス改定が続いたことや、医療提供体制の中核であります医師につきましては、絶対数の不足はもとより、地域偏在、診療科偏在が進むなど、医療を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。本県県立病院等事業におきましても例外ではなく、経営計画での想定以上の医師不足のため診療体制が整わないことなどによる患者数の減少に伴い、医業収益も減少するなど厳しい経営状況となっているところでございます。
 こうした状況のもと、平成22年度の事業運営に当たりましては、これまでの取り組みや課題を踏まえ、計画の着実な推進を図ることにより、県立病院が県民に信頼され、今後とも良質な医療サービスを持続的に提供できるよう、全職員が一丸となってさまざまな取り組みを進めていくこととしております。
 具体的には、医師の確保、定着に向けた取り組みを最重点として、引き続き医師招聘活動の強化を図るとともに、奨学金の貸付枠を10人増員し、地域病院担い手医師育成のための検討、医師の定着支援に関するプロジェクトチームによる勤務環境の改善のための検討の継続、医師の業務負担の軽減を図るための医療クラークの増員51名、女性医師に配慮した職場環境の整備などに取り組んでまいります。
 また、医師の勤務環境改善への影響も大きい認定看護師や超音波検査士など各職種の専門有資格者の養成など計画的な人材育成を進めてまいります。
 さらに、市町村等との協働により、県立病院の現状や課題等に関する情報の共有に努めることなどにも重点的に取り組んでまいります。
 それでは、議案の説明に入らせていただきます。
 議案その1の57ページをお開き願います。議案第13号平成22年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 まず、第2条の業務の予定量でございますが、収益的収入及び支出につきましては、病床数を5、456床と定め、年間延べ患者数を、入院では148万7、000人、外来では219万人と見込むものでございます。
 次に、資本的収入及び支出でございますが、病院建築工事は、中央病院の増改築工事につきまして、平成22年度の竣工に向けて所要の事業費を計上するものでございます。また、医療器械につきましては、中央病院に整備いたします全身用エックス線CT診断装置等の購入が主なものでございます。
 第3条の収益的収入及び支出と、次のページに参りまして、第4条の資本的収入及び支出の具体的な内容につきましては、後ほど予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 第5条の債務負担行為でございますが、これは、工期が平成23年度にわたります釜石病院に係る附帯設備改修工事の債務負担行為の期間と限度額をあらかじめ定めようとするものでございます。
 59ページに参りまして、第6条の企業債でございますが、病院建築工事や医療器械の整備の財源となる企業債の限度額を57億7、800万円とするとともに、その償還方法等を定めようとするものでございます。
 第7条は、一時借入金の限度額を143億円と定めようとするものでございます。
 第8条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めようとするものでございます。
 第9条は、薬品、診療材料等のたな卸資産購入限度額を定めようとするものでございます。
 第10条重要な資産の取得は、購入予定価格が1件7、000万円以上の医療器械を掲げているものでございます。
 それでは、次に、予算に関する説明書の422ページをお開き願います。平成22年度岩手県立病院等事業会計予算実施計画につきまして御説明申し上げます。
 初めに、収益的収入及び支出についてでございます。
 まず、収入でございますが、第1款病院事業収益は941億4、700余万円で、平成21年度の最終予算と比較しますと、およそ2.2%の増加を見込んでいるものでございます。
 第1項医業収益は814億7、600余万円で、1目入院収益は531億8、800余万円、2目外来収益は217億8、900余万円でございます。第3目その他医業収益は64億9、700余万円で、その主なものといたしましては、救急医療等の一般行政経費に係る一般会計繰入金、健康診断等の公衆衛生活動収益等でございます。
 第2項医業外収益は126億7、100余万円で、その主なものといたしましては、2目補助金7億2、400余万円は、救命救急センター運営事業費等に係る補助金でございます。3目負担金交付金109億5、500余万円は、結核病床や精神病床及び高度医療等の不採算経費に係る一般会計繰入金でございます。5目その他医業外収益9億5、800余万円は、不動産貸付料等でございます。
 次に、423ページに参りまして、支出についてでございますが、第1款病院事業費用は946億4、200余万円で、平成21年度の最終予算と比較しますとおよそ0.5%の増加を見込んでいるものでございます。
 第1項医業費用は881億700余万円で、その主なものといたしましては、1目給与費485億1、000余万円、2目材料費224億3、000余万円、3目経費126億7、000余万円、5目減価償却費40億900余万円でございます。
 第2項医業外費用は64億3、500余万円で、その主なものといたしましては、1目支払利息及び企業債取扱諸費38億8、100余万円、次のページに参りまして、2目繰延勘定償却24億1、500余万円等でございます。
 この結果、収入と支出を差し引きまして4億9、400余万円の純損失が見込まれるものでございます。
 425ページに参りまして、次に、資本的収入及び支出につきまして御説明申し上げます。
 まず、収入でございますが、その総額は104億400余万円で、その主なものといたしましては、第1款資本的収入の第1項企業債57億7、800万円で、これは、さきに業務の予定量で御説明申し上げました中央病院の増改築工事や医療器械の整備等に充てるためのものでございます。
 第3項負担金39億6、900余万円は、企業債償還金等に係る一般会計からの繰入金でございます。
 第4項補助金6億5、600余万円は、地域医療再生臨時特例基金及び医療施設耐震化臨時特例基金を活用した釜石病院のがん放射線治療施設整備及び耐震化工事に対する補助金等でございます。
 次に、426ページに参りまして、支出についてでございますが、その総額は165億9、800余万円で、その主なものといたしましては、第1款資本的支出の第1項建設改良費61億800余万円で、その主なものといたしましては、2目建物費25億4、900余万円、3目医療器械費28億4、500余万円等でございます。
 第2項企業債償還金は81億7、900余万円でございます。
 第4項開発費は8億7、600余万円でございますが、その主なものといたしましては、情報処理システム等の開発費でございます。
 第5項退職給与金は12億円でございますが、退職給与金に係る費用負担の平準化を図るため、翌年度以降に繰り延べ費用として計上しようとするものでございます。
 なお、428ページ以降の資金計画、給与費明細書、債務負担行為に関する調書、予定貸借対照表及び予定損益計算書につきましては説明を省略させていただきます。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇久保孝喜副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋昌造委員 私は、花泉、大迫、そして住田、九戸、紫波の五つの地域診療センターの管理運営に対するこれまでの取り組みと、それから、地域医療の今後のあり方についてお伺いいたします。
 田村局長にまず最初にお伺いいたしますが、地域医療の再生を図る観点からも、医療局として医療現場の英知を結集するとともに、医療現場との情報の共有化が強く求められるわけですが、このことにつきまして医療局は今までどのような取り組みをなされてきたのか、また、その取り組みの経過の中で、課題があったとすればどういう課題があったのか、そして、課題解決としてどういう方策を考えているかまずお伺いいたします。
〇田村医療局長 現場とのやりとりということでございますけれども、就任早々以来、現場回りをかなりやってきたつもりでございます。回り方としましては、院長先生、事務局長、総看護師長さんにお会いするというパターンがございますし、それから病院の、看護師でいえば看護師長以上、それからお医者さんでいえば診療科長以上ということで、各職域のある程度の中堅以上の方々とお会いするというようなことをやってまいりました。
 そういった機会を通じてさまざまな現場の要望をお聞きしてきたつもりでございますけれども、一方で、そういう1カ所1カ所回って歩くだけではなかなか解決が難しい部分も多々ございまして、それにつきましては、いろいろと御質問もございますけれども、医師の定着支援に向けたプロジェクトをお医者さんに関しては立ち上げたり、それから、看護師さん方に関しても、師長さん方の会議等でいろいろ御意見を伺ったりしながら、そういったものを通じて、人材育成の問題ですとか、さまざまな問題について御意見をいただいて、それを施策に反映するということをやってまいりましたし、引き続きそういう努力をしてまいりたいと考えております。
〇高橋昌造委員 昨年の4月からこの五つの地域診療センターが病床休止、いわゆる無床化がなされたわけでございますが、医療局はその無床化が円滑に行われたと思うのか、もし課題があったとすればどういうことなのか、その辺のところをまずお聞かせ願いたいと思います。
〇大槻管理課総括課長 地域診療センターの無床化後の関係でございますが、各地元市町村のほうと定期的に地域診療センターの運営の状況、例えば利用患者の動向とか、あとはアクセスの状況、それから夜間、休日の問い合わせの状況、こういったものについてはいろいろと情報交換をしてまいりました。
 その中でいろいろと各市町村のほうから御提言もいただいたところでございますので、こういったものを随時改善して、少しずつでございましたけれども対応をしてきたと考えてございます。
〇高橋昌造委員 無床化への移行の段階で、患者または患者家族から受診等に関する声がいろいろあったと思うんですが、それがどのように反映されたのか。また、いろいろな声があったと思うんですが、患者または患者家族の声というのはどういうことが多かったか、もしおわかりになるのであれば教えていただきたいと思います。
〇大槻管理課総括課長 患者さん、それから患者さんの御家族というふうに限定した形ではとらえてございませんけれども、地元の市町村との話し合いの中では、やはり夜間、休日の中での問い合わせといいますか、そのときの御心配というものがございました。それからあとは、地域の中での福祉施設、介護施設の方々からも、基本的には、急な場合の対応についての御不安とか救急の場合の御不安とか、そういったものも出されたところでございます。
 私どものほうとしても、実際に施設とかにお伺いいたしましてそういう状況をお伺いして、あとは地域診療センターだけではなく、そこの中核となります二次保健医療圏の基幹病院のほうでの体制とか、こういったものの受け付けの体制といいますか、こういったものについていろいろと取り計らってきたところでございます。
〇高橋昌造委員 私、今度の無床化でも、患者なり、患者家族の声を大切にしないというのが一番気になったところなので、今後、いろいろな取り組みをなされるときは、やはり患者または患者の家族が当事者なわけですので、その辺のところにきちんと重きを置いて対応していただくようにひとつお願いいたしたいと思います。
 医療局は、今度の無床化についてどのように検証して、そしてどのように評価しているのか、その辺のところをまずお伺いいたします。
〇大槻管理課総括課長 まずは、病床休止をした理念といいますか、そういった部分で、地域の中核病院、我々のほうでいいますと基幹病院となっています病院がございますが、こういったところの先生方が、例えばセンター病院である中央病院のほうから年間500回以上にわたる診療応援といいますか、当直の応援という形がございました。こういった部分がございましたので、こういったことがまず一つは解消されてきてございまして、こういった部分ではお医者さんの勤務状況の軽減にはつながっているのかというふうに考えてございます。
〇高橋昌造委員 いずれこれからもこの検証なり評価は、やはりきちんと医療局としてもやっていただくようお願いをいたしたいなと。
 それから次に、各地域診療センターの収支改善について、いろいろ議論があったわけでございますが、平成21年度の収支改善がどのように図られたのか、また、平成22年度はどのような見込みであるのか、もしおわかりなのであればお示し願いたいと思います。
〇大槻管理課総括課長 今の時点での収支改善効果と申しますか、経営計画の中での改善の見込みの効果ということで年度を追った格好で考えてございまして、平成21年度につきましては、地域診療センターの病床を休止したことによる効果というのを、収益費用の差額で大体8億円ぐらいというふうに見込んでいるところでございます。
〇高橋昌造委員 最後に、各地域診療センターの医師の確保状況がどのようになっているか、もしわかるのであればお示し願いたいと思います。
〇島田医師支援推進監 各地域診療センターの医師確保の見通しについてでございますが、まず、紫波につきましては、本年4月から常勤医1名が着任する予定となってございます。それで2名から3名体制になる見込みでございます。
 住田につきましては、本年1月に常勤医師が着任しまして2名体制となったところでございますが、新年度においては住田地域診療センターを希望する医師1名が転入する予定で、住田は2名から3名体制になる見込みでございます。
 大迫及び九戸につきましては、それぞれ現行の常勤2名体制を維持していくとなってございますし、花泉につきましては、本年度末で常勤医が1名退職する予定でありまして、民間事業者の事業開始日の動向を勘案しながら必要な診療体制を検討することとしてございます。
〇高橋昌造委員 ちょっと私、冒頭がどこなんですか、一番最初。(「紫波」と呼ぶ者あり)紫波ですか。ありがとうございます。
 それでは、紫波の地域診療センターが今の2名から3名体制になるということですね。そういうことで間違いないんですね。最初ちょっと聞こえなかったので、一番肝心なところが。ありがとうございます。
 それでは、もうこれで私の質問を終わらせていただきます。
〇千葉伝委員 私も医療局に質問をさせていただきますが、ただいま高橋昌造委員から質問があった部分と少し重なる部分がありますが、その部分は途中割愛しながら質問させていただきます。
 まず、昨年2月定例会の平成21年度一般会計、保健福祉部も含めた、あるいは平成21年度の岩手県立病院等事業会計予算の審議において、地域医療の確保、県民医療の確保の観点からさまざまな質疑、論議、提言がなされたところであり、その後の分については、本予算特別委員会でも及川あつし委員からこれらに係るその後の状況の資料の提出要求がなされた、こういう中でありますが、いずれその後の分については、保健福祉部あるいは医療局が関係団体、市町村、地域住民等と懇談会を開催し、意見交換、提言を取りまとめるなど、鋭意取り組んでおられることに敬意を表するものであります。
 本日、前半の保健福祉部の審議でも地域医療にかかわる多くの質疑が交わされたところでありますが、医療局における取り組みについて幾つか質問いたします。
 大きく2点についてであります。
 まずは、高橋昌造委員とちょっと重なるんですが、昨年の2月定例会の審議を踏まえて、県立病院あるいは地域診療センターのこれまで取り組んだ概要について局長からお聞きしたいと思います。
〇田村医療局長 県立病院あるいは地域診療センターの関係での医療局の取り組みでございますけれども、地域診療センターのある地元市町村であります五つの市町村とは、地域診療センターの運営状況や空きスペースの活用方策などについて意見交換を行ってきたところでございます。
 そのほか、紫波地域診療センターあるいは大迫地域診療センターにつきましては、空きスペースの活用策などについて、現在、地元市町村が中心となって議論を進めているところであり、その話し合いの状況についてはその都度お話を伺いながら今後の進め方について相談をしているところでございます。
 なお、私も節目節目で関係市町村なり役場の担当の部長といろいろお話をしながら進めているところでございます。
 それから、住田地域診療センターにつきましても、町が主催する住田町の地域医療対策協議会に医療局からも─これは大船渡病院とか住田のセンターもですけれども─参加しまして、具体的に話し合いを進めているところでございます。
 それから、沼宮内病院につきましては、これまで病院の現状等について、町長、副町長と昨年も2回ほど意見交換をしてきてございますし、それから、ことしに入ってからも町長、副町長と今後の進め方などについて相談をしてきてございます。
 いずれ、今後も地元市町村と非常に密接に連携をして、そして十分に話し合いながら必要な支援や協力をしてまいりたいと考えてございます。
〇千葉伝委員 次に、先ほどの質疑でもありました五つの無床診療所化されたセンターの状況と、あるいは県立沼宮内病院、今、局長からもお話が出たわけですけれども、無床診療所化ということでの条例が1年延期されたところであります。これら以外で、医療局では今後の運営という部分で計画にかかってくるわけですけれども、さらに診療所化を進めるお考えがあるのかどうか、この部分をお聞きしたいと思います。
〇大槻管理課総括課長 お尋ねの、さらに診療所化を進める考えがあるかということでございますが、今回の経営計画の中では、深刻な医師不足の中で、二次保健医療圏全体で県立病院相互、あるいは市町村や民間の病院、診療所との連携などの取り組みを一層進めながら、圏域全体でプライマリーケアから高度・専門医療、救急医療まで、地域に必要な医療を確保していくということで策定したところでございます。
 こういった理念を踏まえまして、保健福祉部と連携いたしまして、医師確保に最大限取り組みながら、現在の体制をできる限り維持していくよう努めてまいりたいと考えてございます。
〇千葉伝委員 次に、先ほど高橋昌造委員からは地域診療センターの医師確保の状況を質問されたわけでありますので、そこは割愛して、ほかの県立病院の医師確保の状況あるいは来年度の見込みについてお伺いしたいと思います。
〇島田医師支援推進監 医師確保の現状と来年度の見込みという御質問でございますが、医師支援推進室を中心にしまして、即戦力となる医師の招聘活動を行ってございます。本年度は、これまでに県立病院に常勤医師として7人、非常勤医師2人、計9人の医師を招聘したところでございます。
 その一方で県立病院の医師の退職にも歯どめがかかっておりませんので、本年1月1日現在の常勤医師数は456人となってございまして、昨年3月末の常勤医師数474人と比べた場合、18人の減という状況でございます。
 来年度当初の常勤医師数につきましては、現在、医局人事等確定していない部分もございまして具体的な数字をお答えできる状況ではございません。
 県立病院の医師確保については、来年度においても厳しい状況が見込まれてございます。引き続き即戦力になる医師招聘や関係大学との一層の連携強化、勤務環境の改善など定着支援対策につきまして積極的に取り組んでいくというふうに思ってございます。
〇千葉伝委員 診療所の医師確保はもちろんですけれども、県立病院全体で、今お聞きしたとおり、もう既にマイナス18という状況をお聞きしました。おっしゃるとおり大変厳しい中で経営をしていく、こういうことだと思います。
 医師確保はさまざまな問題を抱えているということで、ぜひそこの部分については鋭意頑張っていただきたいと思うところであります。
 次に、診療所に関係するわけですけれども、昨年度から今定例会にかけて質疑されて注目されている花泉の診療センターの民間移管に当たり、お伺いしたいと思います。
 現在の医師及びスタッフの確保状況と、実際の開業はいつごろに見込まれるのかお伺いしたいと思います。
 この民間移管に当たっては、私も含め、会派議員は民間移管の条例審議において民間移管に反対したものではなく、運営、経営主体が継続してしっかりとした経営ができる法人であるべきという観点から、慎重に進める必要があるということで論議したところであります。そういったことからすれば現状を明らかにしていただきたいと思います。
〇大槻管理課総括課長 花泉地域診療センターの民間移管についてでございますが、3月11日に現地で打ち合わせをしてきたところでございます。改修工事が3月14日─昨日でございますが─に終了いたしまして、本日、完了検査を行っているところでございまして、早期に開業時期のめどをつけなければならないと考えているものでございます。
 医師、スタッフの確保につきましては、現時点では法人から確定した内容の報告は受けていないところでございますが、これらも含め、最終的な事業内容の確定に向けた協議書類を今週末か来週初めには提出していただきたいと考えているところでございます。その上で、一関市と協議するとともに、これと並行いたしまして、保健福祉部と連携して協議内容の精査や許認可の状況確認を行うなどいたしまして事業者決定に向けて作業を進めていく考えでございます。
〇千葉伝委員 逐一進めているという部分はわかります。ただ、これまでの質疑、論議の中で、いつからやれるんだと、ここの部分がなかなか見えないわけであります。今後の診療センター等の運営のあり方の試金石ということになると私は思うわけであります。どうも開業のめどがいつまでもあいまいという答弁であればかえって、私どもはもちろんですが、地域住民にも不安が残るのではないかと考えます。あえて4月とか5月とか、何かめどを言えないのでしょうか。
〇大槻管理課総括課長 先ほど、最終的な事業内容の確定に向けた資料を提出していただいてというところで今後のスケジュール的なことを申し上げました。その一連のスケジュールを考慮いたしまして、4月の第1月曜日か第2月曜日に事業開始ができるよう作業を進めてまいりたいと考えてございます。
〇千葉伝委員 ぜひ地域住民のベッドの確保という観点、あるいは地域医療の確保という点からすれば一日も早い開業が望まれるわけでありますので、鋭意今のお話のとおり進めていただきたいと思います。
 次に、大きな2点目として、県立沼宮内病院の今後の対応についてお伺いいたしたいと思います。
 まずは地域との懇談会、すなわち病院機能の維持、存続を求める実行委員会と地域住民、地域自治体、町議会等と意見交換あるいは説明会を開催していただき、真摯に取り組んでいただいていると私も思っております。現在、民間による運営主体との合意形成に向けて町が主体的に取り組み、ことし10月上旬までにめどをつけること等を条件に本年4月からの無床診療所化を見送っていただいたことについては感謝申し上げるところであります。
 しかしながら、それで喜んでいるわけにはまいらないと。むしろこれからが正念場となると思うところでありますので、あえて質問するものであります。
 まずは入院ベッドの確保を最優先に進めるわけでありますけれども、これまでの話の中でも空きベッドのお話も出ました。この沼宮内病院に空きベッドが出た場合の活用、あるいは介護施設へ転換する場合の改修費用や保険料への支援はどのようにお考えでしょうか。
〇大槻管理課総括課長 沼宮内病院の今後の対応についてでございます。
 入院ベッドを確保し、残った空きベッドを活用する方策として、今、岩手町のほうでも考えてございますが、民間事業者が有床診療所を開設し、併設して介護保険施設を運営する場合が考えられるところでございます。
 この場合の支援につきましては、保健福祉部におきまして、介護保険施設の改修費用について、これは平成23年度までの期限つきではございますが、介護サービス施設等整備臨時特例事業費補助金を創設してございまして、この補助金は、地元市町村が介護施設を整備する民間事業者に補助する場合に、例えば特別養護老人ホームの場合には1床当たり350万円、老人保健施設の場合は1施設当たり4、375万円を市町村に補助するものでございます。
 また、お尋ねのありました保険料の支援ということでございますが、同じく保健福祉部のほうでございますが、県立病院等空き病床利用型介護保険事業特例交付金を創設してございまして、県立病院の空き病床を活用して事業運営を行った場合、これも平成23年度までの第4期の介護保険事業計画期間中でございますが、例えば定員29人以下の特別養護老人ホームの場合には2、900万円を上限として、それから定員29名以下の老人保健施設の場合は3、100万円を上限とした形で地元の介護保険者に交付金を交付するものでございます。
〇千葉伝委員 それで、今後の話になるわけでありますけれども、仮に民間が運営する場合には、その方法はどのようにお考えでしょうか。そして、多分、今、花泉地域診療センターみたいにすべて売却する方法、あるいは貸す方法のどちらかになると思いますが、いかがでしょうか。
〇大槻管理課総括課長 民間運営の場合の方法ということでございます。
 沼宮内病院につきましては、町が主体となって民間事業者を選定し、県から施設を借り受けるなどしてその民間事業者に運営させる、こういう方向で町と協議をしているところでございます。
〇千葉伝委員 そういう中で、町のほうとの話では貸すという方向ということであります。そういった場合の建物の使用料とか、あるいは施設開設準備といったところで、これもまたさまざま花泉地域診療センター同様経費がかかる、こういうことだと思います。
 それから、実際に開設した後の運営に対してどのような支援策ができるのか、どういうお考えなのかお伺いしたいと思います。
〇大槻管理課総括課長 まず、貸付料の支援についてでございますが、建物の資産価値をもとにいたしまして、初年度は施設改修や初期投資もございますので、そういったものを考慮させていただきまして、通常の貸付料の4分の1に相当する額を上限としているところでございます。
 それから、開設後の2年目以降は、事業継続のための支援ということもございまして、通常の貸付料の2分の1に相当する額を上限として貸し付けることとしているものでございます。
 それから、民間事業者があわせて小規模特別養護老人ホームや小規模老人保健施設を開設する場合には、これは保健福祉部のほうにおいて、これも平成23年度までの期限つきではございますが、施設開設準備経費特別対策事業費補助金を創設してございまして、これは国の交付金を活用いたしまして開設準備経費を支援することとしてございます。
 例えば定員29人以下の特別養護老人ホームや老人保健施設を開設する場合には、1床当たり60万円を上限といたしまして支援を行うこととなってございます。
〇千葉伝委員 次に、医師の確保ということで先ほども伺ったわけでありますけれども、県の特段の、これも支援という部分が出てくると思います。その部分はよろしくお願いしたいと思います。
 ところで、岩手町は、がん検診ということでこれまでさまざま御支援いただきながら取り進めてきて、岩手町方式ということで検診活動をやってまいりました。ここの部分について、地域の皆さんから、ぜひそのまま続けていただきたいという要望が出ているはずであります。こういった部分について、維持、推進するための支援、協力という部分について改めてお伺いします。
〇大槻管理課総括課長 岩手町の検診活動への支援というお尋ねでございますが、今現在、岩手町で検診計画を策定中ということでございまして、そのお話をよくお伺いしながら、やり方や協力につきまして十分に検討してまいりたいと考えてございます。
〇千葉伝委員 突然の質問で恐縮ですけれども、この間医療局の人事異動が発表になりました。よくよく見ていったら沼宮内病院長が退職するとあったような気がいたします。そういうことからすれば、次の院長はどうなるのかと心配しているところであります。その部分についてどうお考えでしょうか。
〇島田医師支援推進監 沼宮内病院の院長の退職のお話でございますが、内科医である病院長が退職する予定ということで、その後任につきましては、どなたかに兼務させるなどを含めまして鋭意調整を行っているところでございます。
〇千葉伝委員 間もなく4月1日から当然これはずっと継続して病院運営をしていくことになります。院長が不在みたいな形というのは異常な格好になると思います。ぜひ一日でも早く県立沼宮内病院の院長を決めていただきたいと思うわけで、やっぱり局長から一言よろしくお願いします。
〇田村医療局長 今、医師支援推進監から申し上げたとおり、私どもも何とか残ってほしいという慰留を実はかなり続けてまいりましたけれども、院長先生御本人は、来年度から診療所になるというようなこともあって早い時期から退職の決意を固めておられたということで、まだ定年には大分前なんですけれども、やむなく承認したということでございます。
 その後任につきましては、院長先生のいずれ兼務という形ではありますけれども、やはり院長先生にどうしてもいてほしいと我々も当然思っておりますので、院長先生を何とか確保するということで、周辺の関係病院と今、協議を進めて、何とか、非常勤ではありますけれども院長職を置くということで考えてございます。
 それからもう一点は、内科医が1人、常勤医がいなくなるという側面も持ってございますので、こちらの点につきましては、外部の内科系のお医者さんで、沼宮内病院に勤務してもいいといいますか、検討してみたいというような情報が私どもにもございますし、その方と現在折衝してございます。その中で何とかできれば一番いいわけでございますけれども、そういった部分も含めて、沼宮内病院の必要な診療体制について、今、内部でいろいろと調整を進めているところでございます。
〇千葉伝委員 最後です。
 ぜひ業務に支障のないような取り組みを進めていただきたいと思います。
 もう一つ、これもいきなりです。
 この間、町民のある方から、県立病院の診療を受けに行ったと。午後5時1分だか2分。そうしたらだめだということで断られたという話が直接私の耳に入りました。まさか1分、2分でだめという話を本当にしたのかなと、ちょっと半信半疑だったわけであります。もちろん残業しない方針ということ、あるいは勤務の条件をいろいろとお考えだと、こういうことでやっている部分もあろうかと思いますが、その辺は、あうんの呼吸というのも私はあるんじゃないかと思うところであります。そういった勤務の条件、勤務状況という部分についての県立病院の考え方、全部がそういうふうにしているのかどうか、そこの部分を聞きたいと思います。
〇細川医療局次長 今のお尋ねは午後5時1分というお話ですが、私ども勤務時間も午後5時15分ということになっていますし、何かの事情があったと思います。いずれ私どもとして、弾力的にその辺はやっていくべきと思います。
 それから、扱い方として、時間外、救急ということも扱っていますので、そういった体制も活用できると思いますので、いずれその辺はよく見ながら運用していくように指導していきたいと思います。
〇千葉伝委員 病気というのは逆に待っていられないということも当然あると思います。余り冷たい対応ということではない、今のお話のとおり進めていただきたいと思います。
 以上で終わります。
〇飯澤匡委員 それでは、資料として提供していただいた組み替え動議等に基づく対応についてを中心にしながらお聞きします。
 まず1点目は、先ほど局長からお話があった、医師の定着に関するプロジェクトチームについてお伺いします。
 先ほど冒頭、医療クラークの増員なり各般の要望にこたえた形を来年度予算に反映したということについては評価いたします。
 それで今後、今回この熱が冷めないうちに、やはりプロジェクトチームに対する局内の組織的な対応の仕方、私はそれをしっかりと位置づけて、県立病院に勤務するお医者さんとも、こういうところを都合のいい部分だけ吸い上げるのではなくて、しっかりとしたそういう協調関係なり理解関係なりをしながらやるという局内の組織的体制が大事だと思うんですが、その点についてどのように対応をなされるかお聞きします。
 それから2番目ですが、地域から提案されている事項の取り扱いについてです。
 少ない医療資源、また、さまざまな人的資源をこれから有効活用する上において、当該自治体、県立病院のある自治体との話し合いが大事になると思います。この間の花泉案件についても、私たちの主張は、根本にあるのは、やはり住民の理解が本当に進んでいっているのかというその1点でした。今後、住民の理解を進める、その大前提にあるのは、やはり自治体との話し合いの進め方だと思います。
 今回の動議に基づく対応についてどのような話し合いの進め方をしてきたのか、また、今後どのような進め方をするのか。特に医療局は、患者の病院間の輸送に関しては重大な関心を持って補正予算を出しました。これらについてどのような対応をしてきたのか、それもあわせてお示し願います。
〇根子医師支援推進室長 医師の定着支援に関するプロジェクトチームと局内の組織的対応についてでございます。
 まず、検討に当たり、私ども各病院に出向きまして、現場の医師との意見交換をやってまいりました。その中で、さまざまな意見を出されました。そういったことがありまして、検討組織として三つのプロジェクトチームを立ち上げて、平成23年度までの3年間で集中的に改善策の検討に取り組むこととしております。
 その中で、本年度の主な具体的改善策としては、先ほど局長からも申し上げましたように、医療クラークの増員だとか、あるいは分娩手当の創設、それから地域病院の担い手医師の育成の検討だとか、さまざまな取り組みをまずできるものからやっていこうということで、本年度の具体的な改善策として出したということでございます。
 新年度も引き続きチームごとに検討を行う予定にしておりまして、メンバーは院長先生、それから現場の医師が入っていますので、そういった中で意見を反映させながら、できるものは順次、改善策を実施したいと考えております。
 それから、局内の対応でございますけれども、プロジェクトチームにも医師支援推進室を中心に、その課題に関係する課の職員が入っていまして、その検討状況は共有しております。そういった共有したものを、局内の課長会議とか、あるいは病院長会議の中で検討していくということもありますし、さらに医師の団体、医師連合会の委員と、それから本庁の職員との場で協議会も随時設けていますので、そういった中でこれまで出てきた課題への対応について十分議論しながら、できる限り具体的改善策の実施につながるような迅速な対応を考えてまいりたいと思っております。
〇大槻管理課総括課長 医療局と地元市町村の話し合いについてでございますが、地域診療センターの地元市町村である5市町村とは、先ほども申し上げましたが、地域診療センターの利用患者数の状況とかアクセスの状況、夜間、休日の問い合わせの状況といったもの、それからあと、空きスペースの活用方策について意見交換をしてきたところでございます。
 例えば無料送迎の話の中では地元の市町村のほうから入院先が多様化しているというふうなお話とかございまして、こういった部分を改善するために路線バスを活用することができないかとか、こういうふうな御提案をいただいたところでございます。また、夜間、休日の電話の問い合わせに関しても基幹病院に自動転送してもいいのではないかという御提案などもいただいたところでございます。
 こういったいただいた御提案を検討させていただきまして、まず、地域の方々への周知方法につきましても御提案をいただきましたので、例えば市町村の広報紙を使うことはもとより、ケーブルテレビを使ってはどうかとかチラシの全戸配布のほうがいいのではないかといったこともいただきました。細かい話ですが、こういった部分のアイデアをいただきまして、一緒に協議をしながら、路線バスの無料乗車という部分もできるところから行ってきたところでございます。
〇飯澤匡委員 最初からそうやればよかったんですよ。変なことに飛びついてそうなったから逆におかしなことになったので、これからは、やっぱり自治体との話し合い、これは積極的に出かけていって、とにかくお医者さんがいないという現実的なものについては医療局に全部おんぶにだっこというわけにはいかないし、この病院だけ何とかお願いするという言い方もなかなかこれは…、我々としてもその概況には理解をしながら言っているつもりでございます。
 それから2点目に移りますが、勤務医の定着について。
 知事は、命を守る医療体制の確立と言って、それを守るために無床化なんだと、そういうロジックでした。しかし、医師の県立病院離れに対する根本的解決の道筋はいまだに見えていません。
 私は、現状の対処的医師補充策は、やはり限界が来ているのではないかと思います。特に、保健福祉部の審査でも申し上げましたが、どうも院長にかかる負担は大きい。現状の医師の数の中で対処せざるを得ないという状況があります。
 千厩病院についても、確かに入院患者が減ったから病床が休止ということになりました。しかし、大きな底流にあるは、やっぱり医師がいなくなるからできないということなんですよ、最終的には。
 これは医療局だけではなくて、保健福祉部もあわせた全体的な中長期的な計画に基づく医師の招聘、余り確保という言葉は使ってほしくないという県立病院の医師の話がありますが、そういう対策が必要だと思います。特に地域の医師の遍在というのは、ますますこれから見通しははっきり言って明るくない。その中で、やっぱり需給関係に合わせたそういうシステムの構築なりを私は早急に考えるべきだと思いますが、御所見をお伺いします。
〇根子医師支援推進室長 勤務医の定着について、中長期的な計画に基づいた対策というお話でございます。
 先ほどプロジェクトチームのお話をいたしましたけれども、これについては、喫緊の課題である今の勤務環境の改善という検討でございます。
 中長期的な取り組みとしましては、医療局では奨学金貸付制度を行っておりまして、県立病院に勤務する医師の養成を行ってきています。平成22年度においては、岩手医科大学の定員増に伴いまして、岩手医科大学の新入生特別枠ということで、貸付枠を10名、15名から25名にふやしております。また、県全体としては、市町村医師養成事業、それから県医師修学資金貸付事業、いわゆる岩手医大の地域枠でございますけれども、これも合わせますと55名の貸付枠がありますので、これらの制度を利用した医師をどのように配置していくかということが非常に重要になってくるのではないかと思っております。
 このほか、先ほども申し上げましたけれども、医師不足が顕著な地域の病院の医師確保というのが、なかなかやっぱり外部からの招聘も、それから大学側の派遣も難しくなってきているということがございますので、昨年12月に地域病院担い手医師育成検討会を立ち上げまして、地域の病院で必要とされる総合的な診療能力のある医師の育成の仕組みとかプログラムの方向性について今、検討を行っておりますので、こういった方向性を取りまとめた上で平成22年度から募集を行って、平成23年度には育成を開始するということで現在進めております。
 ただ、こうした取り組みは効果があらわれるまで一定の時間を要しますが、将来にわたって医師の安定的な確保が見込まれるということがございます。それから、先ほど委員おっしゃいましたように、これらの取り組みについては、医療局だけではなく保健福祉部と一緒になって十分な連携を図っていって初めて効果があらわれるのではないかと思っておりますので、そういったところと十分連携を図りながら、中長期的な視点からの取り組みも進めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 やめるということは、やはり魅力がないということだと思うんですよ。だからその点をしっかりと、ただただ対処的な補充というのは、いなくなったから補充するという考え方じゃなくて、その中に根本的なやっぱり問題がある、そういうふうに思うんです。再度申し上げますが、お医者さんが特に地域病院についてはいなくなる。そうすると診療科も閉鎖する。その次には、今度は病床の休止だ、廃止だということ。その構図は、このままいくとそうなってしまう。だからこれをとめるには、先ほど室長から計画に沿って頑張っていきたいという決意が出ましたけれども、現実的な対応として、そういうふうに追っかけていくとそういうことになりかねないんです。だから、根っこの部分で、魅力ある県立病院の環境だとかをしっかりとやっていかないと、まだまだ対処的に私には見えます。
 保健福祉部でもその点については質問して、多少前向きな検討もされているようですから、医療局と保健福祉部は一緒になってきっちりとした対応をしていただきたいと思います。
 以上、終わります。
〇小野寺有一委員 私のほうからは、公営企業会計制度が改正されることによって、医療局の会計にどういった影響が出るのかということについてお尋ねしたいと思います。
 地方分権改革の一環ということで公営企業法の改正案が今国会に出るということを伺っておりまして、どういう内容になっているのか私は詳しくは承知しておりませんけれども、基本的には、公営企業の会計基準が企業会計に準じた形になるというふうな方向性であるということを伺いました。その部分を恐らく医療局の方ではきちっと、どういった方向性になるのかというのは把握されておられるだろうと思いますけれども、先ほど局長から、資本的な収入とかといった御説明ありましたけれども、貸借対照表とか給与明細表とかというのも資料として議案の中に含まれているわけですが、その部分を読んでみたんですが、物すごく難しくてよくわからない。
 その中で少し疑問に思ったことをお尋ねしたいと思いますが、まず、医療局では、これまで補助金で整備したり購入したりした固定資産というものについて、補助金相当額については減価償却の対象から外すことができると。これをみなし償却制度と言うんだそうですが、これを適用してきたんでしょうか。
 それから、新しい会計基準については、職員の退職金の引き当てが義務づけられるという方向にあるそうでありますけれども、昨年度でしたか、医療局として退職手当債というものを発行されておりましたが、この職員の退職金の引き当てが義務づけられるようになった場合に、以後、退職手当債が発行できるのか、この点についてお尋ねをしたいと思います。
〇大槻管理課総括課長 まず、みなし償却制度の適用についてでございますけれども、医療局では、地方公営企業法の施行規則第8条第4項、この制度で認められておりますみなし償却制度を適用してきてございます。
 それから、2点目のお尋ねでございますが、退職手当債の発行についてでございますけれども、御指摘のとおり、現在検討されている会計基準の見直しの中では、退職給付引当金の義務化が示されてございます。制度化された場合には、将来の退職手当の支払いのための財源が確保されているものとして退職手当債の取り扱いに影響が出ることも考えられますけれども、現在のところ、この取り扱いについて国から示されていないということもございまして、今後の国における議論の動向を注視してまいりたいと考えてございます。
〇小野寺有一委員 多分、退職手当債が発行できるということになったとしても、恐らくその法律の趣旨からすれば、企業債として発行したものの、償還分を引き当てていかなければならないということになるんだろうと思います。
 それから、今のお話だと、みなし償却制度は適用されているということですが、そのみなし償却制度がもしも適用されないということになった場合には、恐らく毎年度の減価償却費というのが倍増かあるいはそれ以上になる可能性が高いと。それから、先ほども申し上げたとおり、退職金の引き当てが義務化になる。あるいはもう一つ大きな問題としては、公営企業債とかあるいは他会計からの長期借入金については、現在資本計上されているものが負債に計上しなければならなくなるということになった場合には、もしもこれが新会計基準が適用されると、医療局の貸借対照表というのは結構大変な変動を来すのではないか。それで、もしかしたら、新会計基準下では債務超過になってしまうのではないかということさえ危惧されるわけですけれども、これがどういった変動を来すのか教えていただければと思います。
〇大槻管理課総括課長 本県の県立病院等の事業会計の貸借対照表への影響ということでございますけれども、御指摘にもありましたとおり、企業債とか長期借入金、こういったものについては、借入資本金から負債の企業債のほうに移るということがまずあります。それから、みなし償却制度の廃止については、資本に計上されている資本剰余金のうち、償却資産の取得に係る補助金が、負債のほうに新たに長期前受金という項目を設けて移すことになります。それから、退職給付引当金につきましては、一つは、損益計算書の特別損失に計上した上で、負債の引当金に退職給付引当金を計上すると、こういう操作をされることになるかと思います。その場合には、御懸念のとおり、資本が減少して負債が大きく増加するということが予想されるわけでございます。
 その中で、債務超過になるかどうかというお話でございました。これにつきましては、今お話し申し上げました3点につきまして、仮にでございますけれども、平成20年度決算における貸借対照表で試算してみますと、資産合計が2、359億円余り、負債合計が2、264億円余りとなりまして、資産を負債が上回るという状態にはなってございませんけれども、現在、国において各自治体の状況を調査しながら、この見直しについての精査を進めているところでございます。
 経過措置とか積算方法等の詳細が固まっていない状況でございますので、引き続き、その動向を注視してまいりたいと考えているところでございます。
〇小野寺有一委員 今のところは債務超過になっていないということでひとまず安心をいたしましたけれども、ただ、先ほども申し上げましたとおり、減価償却の毎年度の額も多くなってくるわけですし、それから退職金の引当金というのも損益上出てまいりますので、そうしますと損益の部分での影響も大きく、新会計基準が適用された後、毎年度出てくるわけですから、今から財政の健全化というか、そういった民間の基準に合わせた形にしていかなければならないのではないかということを感じますので、その点の取り組みについて早目に進めていただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
 2番目は、これも局長の説明では残念ながら対象とはなっていなかった説明書の430ページの給与明細書の部分であります。
 これも私、勉強不足で今まできちっと読んだことがありませんでしたので頑張って読んでみましたが、まず、この中で、医師の特殊勤務手当が給料総額に対してどのぐらいの比率を占めているのかということと、それから、医療局で特殊勤務手当が支給されている対象職員の比率をお示しいただきたいと思います。
 それから、それが全く同じ給与明細書というのが一般会計についてもついているわけですけれども、その一般会計の職員におけるそれぞれの比率がどうなっているのか、対比してお示しいただきたいと思います。
〇志田参事兼職員課総括課長 平成22年度の当初予算における医師の特殊勤務手当ということでございますけれども、給与総額に対する比率につきましては59.7%でございます。支給対象職員の比率につきましては、99.4%となっております。
 なお、一般会計の職員でございますが、知事部局では保健所等に勤務する医師のみでございまして、医療局と同様の特殊勤務手当につきましては、支給されていないものでございます。
〇小野寺有一委員 先ほど千葉伝委員の質疑の中で、沼宮内病院の院長先生が退職される意向だということで、それで、その後どうなるんだという話がございましたが、そのときに局長から、私から見るとすごい重大な答弁だったと思うのですが、診療所化ということもあって院長先生が退職を決意されたということをおっしゃっていました。
 先ほどの飯澤委員の質疑とも一部関連しますけれども、私がずっと指摘してきたことでありますが、確かに医師の激務によっての退職理由というのは大きな理由の一つではあるかもしれないけれども、それを例えば診療所化のような形で解消されたとしても、医師の退職がとまることはないのではないかということをずっと指摘して、残念ながらそのとおりになってきているわけであります。
 医師の定着支援に係る県立病院医師との意見交換会で提起された意見についてということで先日お示しをいただきましたけれども、それを見る限りでは、過剰勤務についての医師からの指摘というのは実はないんですね。大半が処遇の関係、それから勤務形態、服務関係に分類されていますけれども、例えば学会派遣旅費が足りないとか、図書購入に要する経費が足りないとか、それから、沿岸にインセンティブが必要だとか、歩合級について検討する必要があるとか、ほとんどが処遇の問題になっていると私には見えるわけであります。
 この意見交換会で提起された意見について、医療局としてはどのように受けとめられているのか、お尋ねをしたいと思います。
〇根子医師支援推進室長 現場の医師との意見交換会で出された意見でございますけれども、資料にも出しましたとおり、多岐にわたる数多くの、率直な意見が出ているなと思っております。医師の定着を図っていくためには、解決すべき課題というのが数多くあるんだなという認識をいたしております。
 それで、先ほどお話ししましたとおり、この課題を解決するために、県立病院の医師をメンバーとするプロジェクトチームを立ち上げまして、そのメンバーには、院長先生初め現場の医師も入っています。そんな中で、医師の中でいろいろ原案を練ってもらおうということで、その原案をもとに、今度は院長会それから現場の勤務医の団体である医師連合会、それから本庁の職員も入って検討会を開いて議論をしてきたということで、順次、できるものから具体的な改善策を実施していくということで、現場の意見の反映に努めていきながら進めていきたいと考えております。
〇小野寺有一委員 先ほど給与費明細書のところで、特殊勤務手当の給料総額に対する比率が、医師については59.7%。要は、もらっている金額のうちの半分以上が実に手当であるということでありますし、それから支給対象職員の比率は99.4%、ほぼ100%近い方が特殊勤務手当をもらっているということであります。それ以外の給与ではなくていわゆる給料、それから初任給、それから特殊勤務手当を除く諸手当、そういったものを給与明細書の一般会計のものと医療会計のものを比較してみましたら、完璧に一般会計の制度の準用になっていますね。この完璧に一般会計の制度を準用するということを優先させているために、過度に手当に依存するゆがんだ給与体系になっているのではないか。それが、先ほどの定着支援の医師の意見の中にあらわれているのではないかと思うわけであります。
 例えば、年齢が上がるほど優遇されなくなるという指摘がありましたけれども、これは年齢級で上がっていくのは本給のほうでありまして、手当のほうは年齢級で上げるわけにいかないわけですから、年齢が上がるほど優遇されなくなるという実感というのは、こういう手当に過度に依存している給与体系にあるのではないかと思います。
 私がこれは何度も指摘をしているところですけれども、医療局は公営企業法を全部適用している、本当に独立した給与体系も持てるし、独立したいろんな体系を持てる、そういった法的な位置づけを与えられている組織であります。そういった意味では、公営企業法の全部適用のメリットを生かして、医療局独自の給与体系を構築すべきところに来ているのではないか。基本的にはいろいろ経営形態を検討されていくということをおっしゃられていて、それはそれとして進めていっていただかなければならないと思いますけれども、その経営形態を検討する前に、今の経営形態でまずできることをやるべきできないかと思うわけですけれども、御見解をお示しいただきたいと思います。
〇根子医師支援推進室長 医療局独自の給与体系をつくるべきではないかという御質問だと思います。
 これまでも現場の医師からは、給料表などいわゆる給料本体の見直しをすべきではないかという意見が出されておりまして、これについてもプロジェクトチームや各種検討会でいろいろ議論をしています。ただ、医療局独自の給与体系を検討する場合に、例えば給料表をどうするかという議論をした場合に、給料表自体は国、いわゆる人事院がつくった給料表でございますので、これを少し変えてしまいしょうという話になれば、人事院がつくったもとの考え方がちょっと変わってくるという可能性がありますので、そういった問題があるということが一つ。
 それから、では、独自に給料表をつくったらいいんじゃないかという議論があるかと思いますけれども、これがまた技術的に非常に難しい。例えば等級に何号俸を積んで、その換算額をどうするかとか、全体の賃金カーブをどうしていくかといったようなことがあって、なかなか技術的に高度な問題があるなと思っています。だとすれば、給料表という枠組みじゃなくて、例えば年俸制だとかあるいは能力級だとか、そういった形での給料というものが考えられないかということがあります。ただ、それはいろいろ賛否両論、そういう話というのはあるかと思いますので、そういった中で一定の方向に収れんしていくには相応の時間がかかるのではないか思っていますので、さまざまな観点から引き続き研究してまいりたいと思っています。
〇工藤勝博委員 通告しておりました沼宮内病院に関する質問については、千葉委員のほうから細々と話がありましたので私は割愛させていただきまして、1点だけ確認したいと思います。
 去年12月定例会での条例改正を見送っていただいて、4月からの無床化が10月まで延期になったということで、地元の町長初め関係者の皆さん、本当に一生懸命、民間委託に当たっての医療法人との協議を重ねてまいっております。時間も足りなかったということもありまして延期になったわけですけれども、10月までという不退転の覚悟で、町長もそれに一生懸命取り組むということなわけですけれども、地元がやるから地元に任せておけばいいんだということではなく、医療局としても、不退転の思いで民間委託に取り組んでほしいと思います。その辺を確認したいと思いますので、局長から一言お願いしたいと思います。
〇田村医療局長 先ほど千葉伝委員の中でもお話をしましたけれども、町長といいますか町のほうからは、医療に詳しい方というのは現実問題としていらっしゃらないものですから、そういった面で、いっぱい医療局のバックアップをお願いしたいという話をされております。それも我々としてもごもっともだと思っておりますので、町のほうでは、アドバイザーという名前でスタッフを用意するようでございますので、そういった方々と我々もよく協議をしながら、いろいろとすり合わせをかけてやれればいいんじゃないかなと思っておりますので、その辺はしっかりと対応していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 最初に、花泉地域診療センターの民間移管問題について、私は3月2日の本会議の一般質問、そして3月9日の知事に対する総括質疑でもこれをお聞きしました。もう、きょうは3月半ばですよ。医師の確保の報告はどうあるのか。この間の医師確保についてどういう協議がなされてきたのか。今までの話はうそだったんじゃないか。その事実経過をはっきりさせていただきたい。
〇大槻管理課総括課長 医師確保の報告それから医療局としての確認、協議についてでございますけれども、直近では、3月11日に現地で打ち合わせをしてきたところでございますが、最終的な事業内容の確認に向けた協議書類とともに、医師の体制についても、今週末か来週初めにも報告をしていただきたいものと考えております。
〇斉藤信委員 あなた、そんな一言で済まないでしょうが。8月25日に申請書が出たんでしょう。そのときに、常勤は2人、非常勤は3人、年齢まで出してやったじゃないですか。3月11日になって、今週末か来週末に報告してほしいという話でしょう。約束したわけじゃないでしょう。あなた方、履歴書までもらっているんですよ。今まで提示された医師確保の見通しはうそだったんですか。
〇大槻管理課総括課長 事務的にどういう状況になっているかということにつきましては、やりとりもさせていただいたわけでございますけれども、最終的なものを早くいただきたいということで、申し入れをしているところでございます。
〇斉藤信委員 本当に重大なことなんですよ。あなた、そんな答弁ではだめなんですよ。
 いいですか、8月25日に申請書を出されたときは、内科系75歳、県内の老人保健施設に勤務。外科系35歳、県外の大学に勤務。これは常勤の2人ですよ。非常勤は、内科系48歳、県外の病院に勤務。内科系36歳、県外の大学に勤務。内科系37歳、県外の大学に勤務。こうやって申請書を出されたじゃないですか。そして9月に廃止条例を議論したときには、常勤医師は36歳と42歳にかわった。非常勤は67歳、70歳、64歳。たった1カ月で、申請のときの5人の医師はみんなかわっちゃったんですよ。9月のときの5人も、みんなかわっちゃったんじゃないですか。事業計画の最も核心的な部分ですよ、この医師確保というのは。事業計画を審査した。その審査した大前提は、医師確保の見通しがあるという大前提で審査しているんですよ。なかったらあんな申請書は通らないのですよ。だから私は聞いているのですよ。2回にわたってあなた方に法人がお知らせしたこの5人、合わせて10人の医師の見通しは、うそだったんじゃないですか。このうち1人でも確かなものがありましたか。
〇大槻管理課総括課長 繰り返しになりますが、今現在、最終的な事業内容の確定に向けた協議の中で出していただくということでお願いしているところでございまして、私どもとしては、うそだとは認識してございません。
〇斉藤信委員 局長に聞きたい。私は今、8月25日申請の5人分、9月の廃止条例が議論されたときの5人分、あなた方から聞いた年齢を示した。9月のときに、あなた方は履歴書までもらっていると言った。それが大前提で議論されて、1票差だったんですよ。それが全然根拠がなかったら、あの廃止条例は通るわけがなかったんです。そういう重大な問題ですよ、これは。だからあなた方が聞いたこの10人というのに、1人でも今残っている人はいますか。局長、はっきり答えてくれ。
〇田村医療局長 8月27日の時点で、私どもも氏名と履歴等、詳しく把握しているわけではございませんでしたけれども、いずれその間に、人の移動があったのは私どもとしても事実であろうと思っております。だからこそ、最終案がほしいということで、それを早急に出していただきたいというようなことでお願いをしているものでございます。
〇斉藤信委員 事業計画書では、1月下旬に事業開始になっているんですよ。1月下旬に事業開始ができなかったことについて、どういう報告がありましたか。どういう報告がありましたか、医療局に。3月まで延期するとか。大体、さっきの話だと、4月にずれ込むなんていう話でしょう。そんな無責任な話はないでしょう。1月下旬に事業開始ができなかった、申請書どおりいかなかったら、応募書類の虚偽に当たるじゃないですか。違いますか。
〇大槻管理課総括課長 事業開始日につきましては、当初、1月の下旬と予定されてございました。具体的な期日は、内定の際にも、12月15日までに報告をいただくこととしていたところでございます。その時点で法人からも相談はございましたが、社会福祉法人の認可とか、それから工事着工の見通しがまだ明確でないということもございまして、最終的な事業内容の確定に係る協議の中で開始日をお示しいただきたいと考えているものでございます。
〇斉藤信委員 だから1月下旬にできなかったときに、医療法人からどういう報告があったのですかと私聞いたんですよ。いつまでにやるとか報告があったんですか、なかったんですか。
 大体、廃止条例は9月定例会で決まっているんですよ。改修工事も終わったんですよ。事業報告書が出ないのは、医師確保の見通しがないからでしょう。介護施設は、3月5日開業とあなた方に報告されているでしょう。社会福祉法人の認可でそうなっているんですよ。これだって、そのとおりいかないじゃないですか。だったら、その後どういう報告があるんですか。
〇大槻管理課総括課長 1月下旬の予定ということで出されたものにつきましては、その内定通知のほうに書いてございました12月15日の時点で相談をお受けしてございます。御相談はお受けしてございますけれども、その時点で、まだ社会福祉法人の認可も出ていない、それから、工事着工の見通しも明確でないということもございまして、最終的な確定に係る協議、これを出していただくということでお願いしたところでございます。
〇斉藤信委員 社会福祉法人の認可はおりました。医療法人の定款の一部変更の認可もおりました。おりたんですよ。改修も終わりました。何で事業報告書が出ないんですか。何の障害があるんですか。残っているのは医師の確保だけでしょう。私、この期に及んで、5人の医師確保ができると言っていたこの土台が崩れたとしたら、応募要綱に反するのではないか。
 いいですか、応募に関する留意事項。(1)、執行または無効。次に掲げる場合は、申し込みが執行または無効になります。ア、受付期間を過ぎて応募書類が提出されたとき。イ、提出した書類に虚偽の記載を行ったとき。ウ、審査の公平性に影響を与える行為があったとき。エ、本募集要項に違反すると認められるとき。オ、応募資格を有していないことが判明したとき。カ、応募者による業務履行が困難であると判断される事実が判明したときと、この項目に当たるんじゃないですか。
 提出した書類に虚偽の記載を行った。応募者による業務履行が困難であると判断される。医師の確保の見通しがなかったら、これは一番大事な核心的な中身ですよ。1人、2人足りないんだったら出せるはずだ。1人、2人足りないんじゃないんでしょう。
 大体、私はこの間も紹介したけれども、医事案内、ドクター求む。内科常勤医を募集しているじゃないですか。見通しがないから募集している。これは2回にわたって募集しているんですよ。私は公平性の項目にも反すると思うし、虚偽の記載だったと思いますよ。これが10年継続する、そういう信頼性というのは全く今のところないんじゃないですか。
 4月にずれ込むというけれども、花泉地域診療センターの職員の人事異動はどうなっていますか。
〇島田医師支援推進監 今回の人事配置でございますが、現在勤務している常勤医師は今年度末で退職予定でございまして、法人による事業開始日の動向を勘案しながら、基幹病院等からの応援も含め、必要な診療体制を検討することとしてございます。
〇斉藤信委員 もっと正確に言ってください。医師はわかりました。じゃ、看護師、その他職員の人事異動もやっちゃったんですか。もう、4月1日から花泉地域診療センターの職員はいなくなるんですか。
〇志田参事兼職員課総括課長 花泉地域診療センターにおきましては、看護師それからレントゲン検査等につきましては、現状どおり4月は配置してございます。
〇斉藤信委員 切れないということでしょう、見通しがないから。私、医療局はもう決断する時期だと思いますよ。こんなずるずる延ばして、一番大事な医師確保の問題について、もう8月の段階から見通しがなかった。3月半ばになってもそれが出てこない。これでどうして10年間やれるのですか。
 私は現場の医師から聞いたけれども、後任の医師が決まらないから、今、地域診療センターに来ている患者を紹介できないと言っているんですよ。こんな無責任な話はないんじゃないですか。一番計画の中の核心的な問題で全く見通しがないとしたら、私はこの応募に関する留意事項に当たるのではないかと。
 医療局長、そう思いませんか。あなたね、見通しがあって延ばしているのか、願望で延ばしているのか、この応募書類の留意事項に当たらないのか、厳密に答えてください。
〇田村医療局長 当たらないと考えております。
〇斉藤信委員 困るとそういう一言だものね。いやいや、見通しがあってそう言っているの、あなたは。医療局長。ここまで延ばして、本当にこれ大変ですよ。大体、人事異動で残さざるを得ないんでしょう。しかし、医者はもう3月末で退職ですよ。本当にこういう医療法人でいいのか。
 もう一つ聞きます。医療法人の定款の一部変更。これは、診療所長は理事にするとなっているんですよ。新しい理事の名前が入って定款が変更されたんですか。
〇大槻管理課総括課長 保健福祉部関係の一連の許認可の関係についても最終的な事業者決定に当たりまして、連携をとって確認をして進めていきたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 定款の変更はもう認可されているんですよ。知っているんですか、知らないんですか。わざと知らないんですか。大事なことを聞いているんだよ、私は。最初の8月25日の申請書では、ちゃんと診療所長名が書いているんだよ。N医師というのが。もうやめちゃいましたよ、9月で。医療法人そのものをやめちゃったんです。最初の計画のときにあった診療所長名が、あと一貫してないのですよ、この計画書というのは。
 あなた方に、診療所長名はどう報告されているんですか。診療所長だけは報告されているのですか。
〇大槻管理課総括課長 最終的な協議の中でいただこうと考えてございます。
〇斉藤信委員 それも答えられない。最初の申請書の中にはそれだけは書いていたのです、診療所長は。名前で。それは9月の段階でやめちゃって消えたのです。それから一貫して消えているんですか。そういう医師確保ってないでしょう。診療所長、診療所の責任者さえ決まっていないとしたら、どうして業務遂行できるとあなた方が考えるのですか。
 今、医療法人は必死になって医師確保に狂奔しているじゃないですか。私、ここまでこけにされて、59年続いた県立病院を廃止するということはあり得ない。業務遂行が困難だと判断せざるを得ない状況に来ているのではないか。そうしなかったら、地域医療を守る責任を果たせないんじゃないですか。見通しがあるのですか、ないのですか。
〇大槻管理課総括課長 いずれ、繰り返しになりますが、最終的な事業報告といいますか、事業計画を出していただきまして、その中で私どものほうでも判断をしていきたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 来年度予算を審議しているんですよ。県立病院の花泉地域診療センターが廃止されるかどうか、これで決まるのですよ。これだったら決まらないでしょう。これ、継続審議ですよ。議会を継続して審議しないとだめですよ。あなた方の期限はいつですか。いつ最終判断をするんですか。
〇田村医療局長 いずれ、先ほど来申し上げているように、今週あるいは来週早々に我々としてもいただきたいのだと。それを見て、市とも相談をした上で最終的な判断をし、オープン日も決めて、それを目標に関係部局と連携をして進めたいと考えております。
〇斉藤信委員 それは県議会中と受けとめてよろしいでしょうか。だとすれば、県議会の最終日に、もう一回予算特別委員会をやっていただきたい。そうしないと、この問題が解決しませんよ。そこを局長にも委員長にも確認をしたい。
〇田村医療局長 いずれ、先ほど来申し上げているように、我々とすれば、まず、いただくものをいただかないと判断ができないわけでございますし、それともう一点は、市との協議をやはりきちっとやらなければいけないというようなことで考えております。
 24日の前後の部分につきましては、私どものほうで、いつまでにはできるということを今の時点で申し上げられる状況ではございません。
〇斉藤信委員 全く無責任な答弁ですよ。県立病院を無床化して、去年の9月には廃止まで決めた。しかし、廃止だけ決めて民間の受け皿が成り立たないとしたら、地域医療を守れないじゃないですか。そんな優柔不断じゃなくて、いつまでに、この県議会中にこれは決着させるということでやらなかったら、ただずるずる─今まで12月からずっとずるずる延ばしているんですよ。厳密に言うと、8月からずっと延ばしているんです、この問題は。肝心な問題を回避してここまで来た。私はもう決断すべき時期だと思うけれども、あとしばらく残すというのであれば、この問題を決着するように、委員長のところでぜひこれは諮っていただきたい。そうしないと、予算に賛成できませんよ。諮ってください。
〇久保孝喜副委員長 ただいまの申し出については、後日、世話人会において協議をさせていただきます。
〇斉藤信委員 本当に何の問題も進展しない。
 具体的な問題をちょっと聞きますが、施設の貸与の料金や医療機器の有償譲渡の交渉は終わったんですか。
〇大槻管理課総括課長 医療機器の貸与とかこういった部分のものにつきましては、公募の横に記載しているとおり、施設の貸し付けについて、1年目は通常の貸付料の4分の1、2年目以降は通常の貸付料の2分の1を上限として貸し付けるということは、そのとおりでございます。
 それから、医療機器等につきまして、法人において引き続き使用したいという希望があるものにつきましては、残存価格をベースに、耐用年数や撤去費用を勘案いたしまして譲渡することとしてございまして、必要な医療機器等についてリストアップをお願いしているところでございます。
〇斉藤信委員 私は一般論を聞いているのではないんですよ。この期に及んでそういう交渉はまとまっているかと聞いているんですよ。3月半ばになって、そんな今の現存価格が何ぼなんという話じゃないでしょう。やっていないということですね。決着がついていないということですね。
〇大槻管理課総括課長 必要な医療器械等につきましてはうちのほうからリストをお出ししまして、向こうの方で、そのリストアップを今お願いしているところでございます。譲渡の価格とか、こういったものにつきまして向こうのほうで検討されていると考えてございます。
〇斉藤信委員 もう9月定例会で廃止が決まって、民間移管が1票差で決まったと。それからもう半年ですよ。そんな決められることまで決めていない。もちろん、肝心なところは決まっていませんけれどもね。これは医療局として初めてのケースで、本当に歴史に禍根を残す、こういうことになりかねない。これはぜひ世話人会で議論して、最終日にまた継続審査するようにしていただきたい。
 あと、残された時間でその他の課題をお聞きします。
 県立沼宮内病院の問題については、地元選出の委員から質問がありました。岩手町との具体的な交渉はあるのかということと、私は特に検診体制というのを民間移管に任せるというのは負担が余りにも大き過ぎるので、検診体制については医療局が今まで以上の支援体制をとらないと、民間移管も進まないのではないか。これは花泉の経験から言っても、それはもう最低のことではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 あと、大迫地域診療センター、この間行ってきまして、ここは1日80人ぐらいの外来患者が来ているんですけれども、入院が今まで15日程度で済んだのが、30日かかっているという大変な問題がありました。
 タクシーを流しているんだけれども、地域診療センターに来ないと乗せないんですよ。いわば大迫地域診療センターと遠野の間に外川目という地域があるんだけれども、途中で乗せて途中で帰してくれればいいんだけれども、それもやっていない。私はどうせやるんだったら、そういう柔軟な運行をちゃんとやるべきではないかと思いますが、いかがですか。
〇大槻管理課総括課長 まず検診の体制でございます。検診につきましては、今現在、岩手町で個々の検診についてどこの医療機関にしてもらうのかとか、また、いつの時期に検診を行うのか、こういったことを来年度の検診計画を検討しているところと伺ってございまして、今後の検診体制につきまして、町とよく相談をしてまいりたいと考えてございます。
 それから、大迫のお話がございました。大迫の患者輸送タクシーの関係でございます。患者輸送タクシーは地域診療センターが有床であった場合に、センターに入院する方とかその御家族が付き添いをする場合のアクセスとして考えたものでございますので、センターと入院先の病院を結ぶことが基本ではあると考えてございますが、先般から申し上げてございますが、入院先の多様化とか地元の市町村からの要望もございまして、路線バスの活用ということも可能にしたところでございます。
 バスの利用に際しましては、バスの運行ルート上にある方の利用につきましては、最寄りのバス停からの御利用も可能としているところでございまして、こうした取り組みにつきましては、花巻市とも実施時期について協議しているところでございますので、地元市町村の御意見を伺いながら、改善に取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 それでは、あとまとめてお聞きします。
 診療報酬の改定で、実は薬価の引き下げがあって実質0.03%なんですね。600億円、薬価の引き下げがあったと。本会議の答弁で、4億円ぐらい県立病院の場合には改善になるという答弁がありましたが、本当なんでしょうか。そういう薬価の引き下げも含めてそうなのか。
 それと、来年4月以降の医師確保の体制について、確実に医師が減る病院、例えば千厩病院では何人減るというので休診と、既に住民にも説明されているのがありますけれども、そこをお知らせいただきたい。
 あと、7対1看護体制と、そのための看護師の増員はどうだったのか。私のところには9日夜勤がふえたと、恒常的になったという指摘もありますが、9日夜勤の実態をどういうふうに把握して、その解消策をどう講じようとしているかを示していただきたい。
〇及川医事企画指導監 診療報酬改定による効果でございますが、今回の改定率は診療報酬本体でプラス1.55%、薬価等改定率がマイナス1.36%、全体でプラス0.19%とされております。診療報酬本体のうち、入院がプラス3.03%、外来がプラス0.31%と公表されております。
 現段階では、詳細な改定内容により試算することは困難でありますが、平成21年4月から12月までの入院収益と外来収益、それから薬品等材料収益にそれぞれの改定率を乗じて単純に算定した年間影響額は、4億数千万円と見込んでいるものであります。
 後発品のある先発品の追加引き下げで、全体の改定率が0.03%ではないかということでございますが、これにつきましては国の予算に関することでございまして、あくまでも公表された改定内容で積算したものでございます。
〇島田医師支援推進監 来年度当初の常勤医師の関係でございますが、現在、医局人事等で確定していない部分もございまして、具体的な数字はお答えできる状況ではございません。いずれ、来年度においても厳しい状況になると見込んでございます。
 それから、各病院の診療科の体制につきましても、関係大学の医局との調整を行っている最中でございまして、今のところ詳細をお示しすることができないということで、御理解をお願いしたいと思います。
〇志田参事兼職員課総括課長 7対1看護についてでございますけれども、現在、中央病院それから胆沢病院、中部病院の3病院が7対1看護体制をとっておりまして、来年度の正規看護師数につきまして、3病院で34人程度増員する予定でございます。
 それから、月9日夜勤が生じているということでございますが、今年度第3四半期までの9回夜勤の状況につきましては、延べ217人となっております。そのうち、平成21年12月31日現在で214人につきましては、翌月以降の夜勤回数を減らすなどいたしまして、既に調整済みであります。
 これらの解消方策についてでございますけれども、病気休暇者が発生した場合には、各病院におきまして臨時職員を任用するなど対応しているところでございまして、今後においても、臨時職員の確保等により、月8日以内を基本としていくように努力していくものでございます。よろしくお願いいたします。
〇斉藤信委員 これで終わりますが、これは県医労が職員アンケートをやったら、介護実態アンケートで、とても疲れている62.8%、疲れている34.0%、合計96.8%ですよ。休暇がとれない、少ないというのが54.8%。交代制勤務の中で、これは本当に過酷な状況の中で、定年まで稼げる人なんかほとんどない。私は、こういう中で7対1看護体制というのは、あくまでも必要な増員を前提にやらないと、こういう形になってしまうと思うんですよ。
 来年度、新たに7対1看護体制に移行する予定の病院はあるのですか。
〇志田参事兼職員課総括課長 現在のところ、ただいま申し上げました3病院の検証を行ってから、来年度をどうするかを決めたいと思っております。
〇久保孝喜副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇久保孝喜副委員長 質疑がないようでありますので、これで本日の医療局関係の質疑を終わります。
 なお、先ほど斉藤信委員から申し出のあった件に係る世話人会の協議の結果によっては、改めて医療局に対応を求める場合もありますので、御了承を願います。
 医療局の皆さん、御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時58分 散 会

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