平成21年12月定例会 第14回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇30番(工藤大輔君) 民主党の工藤大輔でございます。
 会派を代表して、国として直接地方の声を聞く仕組みを保障するよう求める意見書に反対する立場から討論いたします。
 この意見書では、政権交代後の国への要望、陳情のあり方についての危惧が表明されているところでありますが、まずもって巷間報道されている要望、陳情システムは、地方主権を進めたいとする民主党の分権型陳情へ向けた改革の手法の一つであります。
 我々がこの改革で目指す理念の第1は、政治の責任で物事を決めていくという脱官僚型、いわゆる政治主導の確立であります。第2は、すべてを中央が決めるのではなく、地方において解決ができるようにすることを前提とする地方主権の推進であります。第3は、国民の生活が第一の視点に立ち、地域課題を共有し、一体となって政策実現を推し進める、すなわち国民本位の政治を実現することであります。
 こうした理念のもとで今回打ち出した要望、陳情ルールは時代にふさわしい地域主権型への改革を目指すものであり、四つの目的があります。
 一つには、政官癒着の排除と利益誘導型政治からの脱却であります。族議員が閣僚や各省庁に直接働きかけて政策実現や予算確保につながる不透明な利益誘導型政治は我が国の政治をゆがめてきたということを多くの賢明な国民が知るところであり、これを抜本的に変えることで政治を国民の手に取り戻したいという国民の良識にこたえるものであります。
 議会制民主主義の歴史において古い歴史を誇るイギリスにおいても、地元議員が陳情を受け付けるものの、官僚とは接触禁止であり、直接所管大臣に取り次ぐなど、政治主導、脱官僚による政治体制が維持されております。
 二つ目は、霞が関もうでの一掃であります。予算編成前の地方自治体の中央官庁通いはまさに中央集権の象徴そのものであり、予算と権限を盾にした中央による地方コントロールの仕組みそのものを変える第一歩となります。これまで地方の実情を知らず、机上で予算や物事を決めてきたとの批判があったことも踏まえ、地域事情をよく知る者へ地元でしっかりと状況説明することはより的確に地方の声が国政に反映されることとなり、自治体側にとっても経費削減等につながるものでもあります。
 このほか、国の行政刷新と地方行革に寄与すること、透明性、公平性の確保という観点においても従来のスタイルより利点が多いものと考えます。
 なお、この意見書では国民の請願権を侵害することになるとの懸念が表明されておりますが、首長が政務三役に会うことを制限する趣旨ではなく、むしろ正確に地方の民意を反映できるものであり、御懸念には全く及ばないものと思っております。
 岩手県でも過去には、増田知事が就任した折、政治的スタンスの違いから当時の建設大臣に面会できなかったことを記憶されている方も多いと思います。この意見書では、こうした過去において行ったみずからの行動を基準にして懸念に及んでいるのかもしれませんが、我々の目指す改革はそうした次元をはるかに超えたものであります。
 この改革は政党政治に基づく真の議会制民主主義を追求し、党と政府の一元化によって政治主導と地方主権の実現を図りながら、国のあり方を国民の生活が第一とするのに行うことであることを改めて申し上げます。
 国は議院内閣制のもと、大臣を中心とする政務三役が各省庁の責任者として、リーダーシップを発揮しながら行政運営に努めております。これこそ国民が求める新しい政治、行政手法であり、国民の審判を経て国民の多くの民意を受けた政策を実行するのは政治のあるべき姿であります。これまでのように霞が関の官僚組織の御都合に左右され、なれ合いのもとで民意が消滅する政治とは一線を画し、国民との約束を実行し、説明責任と結果責任から逃げない政党政治家という当たり前のことを当たり前に行うための第一歩がこの改革の意義なのであります。
 これまで以上に地域の声に耳を傾け、真摯に取り組んでいきながら、未来に責任を持った政治活動を行っていくことを表明する機会をいただきましたことに感謝を申し上げ、この意見書に対する反対討論といたします。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〇議長(佐々木一榮君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、発議案第1号高速道路原則無料化の撤回を求める意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、発議案第1号高速道路原則無料化の撤回を求める意見書は、原案のとおり可決されました。
 次に、発議案第2号国として直接地方の声を聞く仕組みを保障することを求める意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、発議案第2号国として直接地方の声を聞く仕組みを保障することを求める意見書は、原案のとおり可決されました。
   日程第20 発議案第3号核兵器の廃絶と恒久平和を求める意見書から日程第31 発議案第14号身近な地域で安心して出産できる助産システム等の実現を求める意見書まで
〇議長(佐々木一榮君) 次に、日程第20、発議案第3号から日程第31、発議案第14号までを一括議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各会派の賛同を得た委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項及び第3項の規定並びに先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木一榮君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより、発議案第8号及び発議案第13号を一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、発議案第8号及び発議案第13号は、原案のとおり可決されました。
 次に、発議案第3号から発議案第7号まで、発議案第9号から発議案第12号まで及び発議案第14号を一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立全員であります。よって、発議案第3号から発議案第7号まで、発議案第9号から発議案第12号まで及び発議案第14号は、原案のとおり可決されました。
   日程第32 議員派遣の件
〇議長(佐々木一榮君) 次に、日程第32、議員派遣の件を議題といたします。
〔参照〕
 議事日程第5号中 日程第32 議員派遣の件の議員派遣一覧
派遣の目的派遣場所期間派遣議員
北海道・東北六県議会議員研究交流大会宮城県
仙台市
平成22年
1月12日
渡 辺 幸 貫 議員
佐々木   博 議員
小田島 峰 雄 議員
中 平   均 議員
菅 原 一 敏 議員
喜 多 正 敏 議員
柳 村 岩 見 議員
嵯 峨 壱 朗 議員
熊 谷   泉 議員
吉 田 洋 治 議員
飯 澤   匡 議員
工 藤 勝 博 議員
及 川 あつし 議員

〇議長(佐々木一榮君) お諮りいたします。本件は、お手元に配付いたしました1件についてでありますが、会議規則第116条第1項の規定により議員を派遣いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木一榮君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
   閉 会
〇議長(佐々木一榮君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 これをもって本日の会議を閉じ、第14回県議会定例会を閉会いたします。(拍手)
   午後2時55分 閉 会

前へ 次へ