平成21年12月定例会 第14回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇11番(小野寺有一君) 自由民主クラブの小野寺有一でございます。
 4度目の一般質問の機会を与えていただきました先輩、同僚議員の皆様方に、心からの感謝を申し上げます。
 質問の中に、さきの質問者の方々と一部重複する箇所があると存じますが、なるべく観点を変えて質問させていただきますので、あらかじめ御了承くださいますようお願いいたします。
 それでは、通告に従い、順次質問させていただきます。
 まず、今般の政権交代に際し、民主党籍を持つ知事が、新政権に対して今後どのような姿勢で臨まれていくのか伺います。
 平成21年度予算が一部執行停止されたことにより、本県県民だけでなく全国民生活に多大な影響を及ぼしております。さらに、政府は、従来の予算編成、税制改正作業を大幅に見直し、予算編成の組みかえを明言し、実行しようとしています。
 本県の景気は、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にあり、先行き不安を解消する見通しは立っておりません。とりわけ年末にかけて大きな正念場を迎える本県経済にとっては、中小企業支援や雇用対策を切れ目なく実行していくことが極めて重要です。
 しかしながら、行政刷新会議ワーキンググループが実施した事業仕分けでは、これまで国が行っていた事業を廃止、見直しするだけでなく、その中の幾つかは地方に移管する方針を示し、地方交付税についても抜本的見直しとの方針が示されました。同会議の結論どおり平成22年度予算が編成されれば、来年度の本県予算編成にも大きな影響を与えることとなります。
 本県初め地方自治体は、新政権の予算編成を受け、速やかに平成22年度予算編成作業に着手し、住民生活、地域経済に影響を与えないよう適切な執行をしなければなりません。
 しかし、現状では、政府の平成22年度予算編成に対する基本的な考えが明確ではなく、自由民主クラブと県内全市町村との懇談会でも、来年度予算編成に向けて不安や戸惑いが広がっていることが明らかになりました。
 本県初め県内市町村が速やかに予算編成作業に着手できるよう、今後の予算執行及び予算編成において、例えば本県の医療サービスの低下が懸念される地域医療再生臨時特例交付金など、平成21年度予算のうち本県経済に影響を及ぼす事業について執行停止をやめることを国に対し強く求めるべきであると考えますが、知事の御見解を伺います。
 また、本県県土の大半を占め、豊かな自然や歴史、文化を有し、食料、水、エネルギーを供給し、森林による温暖化防止など大きな役割を果たしている過疎地域では、人口減少と少子・高齢化が急激に進み、集落が消滅の危機に瀕するなど深刻な状況に陥っています。
 これまで4次にわたる過疎対策特別措置法が議員立法で制定され、総合的な過疎対策事業が行われてきました。
   〔議長退席、副議長着席〕
 過疎地域の果たす多面的、公益的機能を保全するため、引き続き過疎地域に対する総合的な支援を継続する必要があります。本県の過疎対策を強力に推進するためにも、来年3月で失効する過疎地域自立促進特別措置法の後、過疎地域の果たす役割を評価し新たな過疎対策の理念を明確にする新過疎法を制定し、過疎地域のさまざまな特性を勘案し、人口密度や森林率などを加えた新たな指定要件、指定単位を設定すること、過疎対策事業債の対象事業について、地域の実情に合わせた要件緩和、弾力的運用を図ることを求めていくべきと考えますが、御見解をお示しください。
 このような地方の声を国政に伝える上で、主権者の代表たる地方自治体の首長、とりわけ基礎自治体の市町村長が、中央政府に対し要望や提言を行うことは、極めて重要な手段であります。
 政府・与党は、その窓口として、民主党県連を通じ民主党本部幹事長室に一元化する方針を決定しました。これに対して県内市町村から、国に地方の声が届くのかと不安や危惧の声が多く上がっています。原口総務大臣も記者会見で、地方自治体の長は選挙で選ばれた地域住民の代表であり、中央政府とアクセスするのに何か制限があってはならないとの趣旨の発言をされています。
 我が国は、議院内閣制をとっているとはいえ、本来、立法と行政の役割は切り離して考えるべきであり、特に多様化、専門化している行政への要望等を、立法府を構成する政党が一元化して受け取ることで、事実上、行政への窓口を閉ざすことは、憲法で保障する国民の請願権を侵害することにもつながりかねません。
 各政党が国民からの要望聴取の方法について、それぞれの考え方に基づきシステムをつくっていくことに何ら異論はありませんが、立法府を構成する政党が、行政府である政府に対し国民が物言う権利を制限することは許されません。
 知事におかれましては、新政権に対し、行政府として直接地方の声に耳を傾け、しっかりと受けとめる公正かつ適切な仕組みを保障するよう強く求めるべきであると考えますが、御見解をお示しください。
 次に、警察本部を含む県組織の綱紀粛正について伺います。
 9月定例会において、県警の全部署で長年にわたり不正経理が行われたことが発覚し、さらに、私的流用により警察職員が逮捕されるに及び、平成20年度一般会計決算が2年連続の不認定となりました。
 また、こうした事態に対し県民から厳しい批判を受けているさなか、警察本部幹部警察官が、酒酔い運転で交通事故を起こし、逮捕され、罰金刑に処されるという事案が発生しました。
 本議会初日の斉藤議員による緊急質問に対し、公安委員長は、不正経理問題について、県警からの報告を受け、その都度、徹底した調査と原因究明に努めること、早急な再発防止対策の検討を実施すること、関係者に対して厳正に対処すること、県民の皆様に対する説明責任を果たすことなど、具体的に指示をしてきたと答弁されています。
 また、県警幹部警察官の酒酔い運転事件については、11月25日に行われた定例の公安委員会において、警察職員としてあるべき心得を徹底させるとともに、飲酒に起因するあらゆる問題点を検証し、再発防止策を徹底するように指示したと答弁されています。
 昨年度の平成19年度一般会計決算審査における不正経理問題発覚の際にも、県及び県警本部は、原因究明、再発防止対策、説明責任を果たすと言っていました。しかしながら、結局、このたびの県警の不正経理問題も、職員からの自発的な申告ではなく、会計検査院の指摘を受け、業者の帳簿と県警の支出関係記録に基づき、約3万4、000件余りのすべての契約内容を突合する帳簿方式の調査によって、やっと全容が明らかになりました。
 もしも昨年の公安委員長の指示や県警本部内の諸対策が功を奏し、職員の意識改革がなされていたならば、会計検査院の指摘によらずとも、職員の自発的な申告で真実を明らかにできたはずであります。
 昨年に続き本年の決算審査等においても、たびたび第三者機関による調査と検証の必要性が指摘されています。公安委員会として、これまで第三者委員会の設置についてどのように検討されてきたのでしょうか、お尋ねいたします。
 また、不正経理問題に関しては、第三者機関としての公安委員会の機能に限界を感じるわけでありますが、この際、県警の綱紀粛正を図る意味からも、外部の専門家による第三者委員会の設置を改めて検討すべきと考えますが、公安委員会委員長の御見解を伺います。
 なお、県警において、職員からの聞き取り調査では不正経理の全容を明らかにすることができなかったことを踏まえ、県当局においても、業者の帳簿と県の支出関係記録の契約内容をすべて突合する帳簿方式による再調査を行うべきと考えますが、いかがでしょうか、見解を伺います。
 これまでの再発防止策が十分でなく綱紀の緩みを生じさせることになったことにかんがみ、不正経理に係る懲戒基準を設け、今後、同様の事案が発生した場合、さらに厳正に対処すべきと考えますが、いかがでしょうか、御見解をお示しください。
 次に、県財政、とりわけ県の行政刷新について伺います。
 新政権は、行政刷新会議ワーキンググループによる事業仕分けを行い、事業の必要性や効果を厳しくチェックしました。仕分けの個別の結果について不適切だと思われるものもありますが、仕分け作業自体は、どの政権でも行うべきであり、今後、国だけでなく、本県でもその実施を検討すべきではないかと考えます。
 仕分け作業のメリット、デメリットをどのようにとらえていらっしゃるのか、御見解をお示しください。
 次に、雇用対策について伺います。
 本県の雇用情勢は、ことし10月の有効求人倍率が0.35倍と依然厳しい情勢を示し、年末に向けてさらなる悪化も懸念されています。
 政府は、去る10月23日に緊急雇用対策を取りまとめましたが、既存の施策、予算の活用により取りまとめるとされており、本県として、財政措置も考慮したもう一段の緊急雇用対策を講じる必要があります。
 ついては、県当局においては、年末のさらなる雇用悪化を防ぐため、政府に対し、雇用調整助成金の運用に当たって、実態に即した緩和を行い、助成金支給の拡充を図ることを求めるとともに、11月30日に大都市圏で試行されたようなハローワークのワンストップサービスへの支援、新卒者への就職支援体制のさらなる強化が必要であると考えますが、御見解をお示しください。
 次に、地域産業の振興についてお尋ねいたします。
 初めに、海洋資源を活用した地域産業振興策としてのバイオ・ジオパークの創設について伺います。
 現在、ユネスコの支援で、地質学的に有用な地層などを保存し、地球を理解できる公園としてジオパークを設けることが世界的に広がっています。ジオパークとは、地球にかかわる地層、岩石、地形、火山、断層などを含む公園で、これらの遺産を保護、研究に活用し、自然と人間とのかかわりを理解する場所として整備し、科学教育や防災教育、観光資源として地域振興に生かそうとするものであり、世界では既に50カ所ほどが候補に挙がっています。
 日本でも、本年が国際惑星地球年であったことを契機に、有珠、雲仙、糸魚川が、世界ジオパークに認定されました。
 本県では、鍾乳洞、早池峰山、釜石鉱山などジオパークの候補になり得る地層等が多く、産学官の海洋生物関係の研究施設の集積も充実していることから、ジオにバイオを加えたバイオ・ジオパークの適地と考えられるものであります。
 先般、三陸沿岸海洋産業振興指針案が示され、海洋産業振興が県政の重要課題として位置づけられました。時を同じくして釜石市で行われた三陸沿岸海洋産業セミナーでは、基調講演をされた独立行政法人海洋研究開発機構の藤岡換太郎先生も、本県がバイオ・ジオパークとして高い可能性を秘めており、地域振興や観光資源としても有望であると言及されておりました。
 ことしの国際惑星地球年に続き、来年は国際生物多様性年であります。これを契機に、本県をバイオ・ジオパークにする取り組みを進めていくべきと考えますが、御所見をお示しください。
 次に、地域振興と温室効果ガス削減の両面で効果の期待できる木質バイオマス事業による林業振興について伺います。
 本県は、北海道に次ぐ我が国有数の森林県であります。しかしながら、近年、林業従事者の減少から、間伐未実施地域の拡大が大きな問題となっています。間伐未実施地域の拡大は、土砂災害や大規模森林火災など深刻な災害を誘発しかねないことから、県、市町村、森林組合が一体となって健全な治山事業を展開していかなければなりません。
 本県に立地する企業の中には大規模な木質バイオマス活用事業に着手した事業所もありますが、これまで、木材価格の低迷や運搬費等のコスト面がネックとなり、なかなか林地残材の活用が進んできませんでした。しかしながら、林道整備、高性能林業機械の導入、さらに林地残材の引き受け先が地場で確保されることで生産コストが安価となり、事業採算が確保できる体制が構築できる可能性が高まってきました。
 本県における木質バイオマスを利用した火力発電、ガス化プラントなどの大型プロジェクトの展開は、近年の林業を取り巻く情勢下、国内においても新たな林業施策へつながるモデル的取り組みであり、事業の進捗状況、今後の見通しをお示しいただくとともに、これまでにも増して積極的な県の取り組みが期待されるものであります。ぜひ前向きな取り組みへの決意をお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、大型クラゲ被害対策について伺います。
 大型クラゲが大量に本県沿岸部にも襲来し、去る12月1日、釜石市にて我々自由民主クラブも会派としてその状況を調査し、定置漁業の操業において大きな被害を引き起こしていることを実感してまいりました。
 今回の大型クラゲ被害は、特にも定置漁業での被害が大きく、80カ統の定置が被害を受け、うち操業を中止した定置が66カ統、網が破れる被害のあった定置が19カ統で、被害総額は約15億2、000万円に上ると聞いております。漁業者は可能な限りの対策を行い、それを支える国や県も助成制度など現在行い得るあらゆる対策を総動員しているにもかかわらず、なお被害が食いとめられないのがその深刻さのゆえんであります。
 大型クラゲの発生源と見られるのは中国沿岸水域であり、その近海で早期に駆除すること以外に抜本的な対策が見当たらないのが現状です。本県においては、各種助成制度等対策のさらなる充実を図ることはもちろんでありますが、日中韓の3カ国が協力し、発生原因を究明し、発生水域近海で早期に駆除を実施する外交努力を国に対し強く求めるべきと考えますが、当局の御見解をお示しください。
 次に、沿岸地域の経済発展の基盤となる港湾利用の促進について伺います。
 港湾利用の促進については、荷役施設等の整備に加え、全国65港のコンテナ取扱港同士の地域間競争を踏まえ、本県港湾の優位性を主張するポートセールスが必要となります。そのため、港湾管理者である県が地域と一体となって、ポートセールスの促進と港湾利用に係る各種優遇措置を講じるなど、適切なサポート体制を敷いていくことが不可欠であります。
 折しも前原国土交通大臣は10月21日の記者会見において、我が国港湾の推進に当たっては、選択と集中による国際競争力を持った港づくりを国の意思で進めていくと表明しており、また、同じく23日には海洋国家日本の復権に取り組むことを明らかにされました。このことは我が国における港湾の重要性を改めて表明したもので、その上で整備に関しては選択と集中の徹底を図るとしたものであります。言いかえれば、地方においても港湾の重要性が改めて表明されたもので、物流の優位性、国際競争力の強化のためのバックアップ港湾としての機能も踏まえ、地域の港湾が地域の産業活動を支援しながらバランスよく運用できる体制が必要となることを述べています。そのため、地方の港湾にとっては、今後、その利活用方策が最も喫緊に行われなければならない課題であり、港湾管理者である県としては、港湾振興の組織強化など隣県に負けないポートセールスが必要となります。
 そこで伺いますが、今後のポートセールスに係る組織体制の充実をどのように図っていくのか、また、岸壁使用料、ヤード使用料、公共上屋使用料の減免など、具体的かつ弾力的、機動的な優遇措置を講じることが必要と思われますが、いかがでしょうか、所見をお示しください。
 次に、社会基盤の整備について、特に県道大槌川井線土坂峠のトンネル化について伺います。
 先般、大槌町の医療の中核を担い、釜石二次医療圏の亜急性医療を担う県立大槌病院の病床の半数近くが休床となることが発表されました。医師不足等によって医療資源の集約が進む中、病院間の患者搬送の一層の拡大が確実視されております。現在、大槌町は盛岡市までの到達時間が県内の市町村の中でも最長と言える地域で、その道のりも急勾配、急カーブが多いため搬送される患者の負担が大きく、近いうちに必ず発生する宮城県沖、三陸沖津波など災害時の地域の孤立化が不安視され、企業誘致など地域産業振興の妨げになっています。
 県道大槌川井線土坂峠のトンネル化は、県がその実施を住民に対して一度は約束した事業であり、それが長年にわたる地域の悲願となった最も大きな理由でもあります。町民に対する充実した医療の提供、町の産業振興、観光振興、経済活性化、防災対策、文化交流施策等のかなめであることから、その早期着工は必須かつ喫緊の課題であります。今後の県の取り組みについて、前向きな見解をお示しください。
 次に、経済対策について伺います。
 鳩山内閣は11月30日、連立3党の党首級による基本政策閣僚委員会を開き、今年度2次補正予算について、当初想定していた2兆7、000億円を上回る規模とすることで合意したとの報道がありました。
 本県の景気は、生産など一部に持ち直しの動きが見られるものの、雇用情勢などは依然厳しい状況が続いています。私は、現在、鳩山内閣が検討中の経済対策としての今年度2次補正予算について、その内容が示される前に、前政権下での経済対策を検証し、地域にとって真に効果のある経済対策のあり方について考察しておくべきであると考えます。
 前政権の麻生内閣は、サブプライムローンの破綻に端を発した世界同時不況に対して、経済危機対策として各般にわたる緊急対策を講じてきました。平成20年度第1次補正予算、第2次補正予算、そして平成21年度予算、これら三つを切れ目なく、いわば3段ロケットとして進め、経済対策の規模は約75兆円、国内総生産に比べて約2%、諸外国の中でも最大規模の対策を講じました。さらに、平成21年度補正予算で事業費57兆円の経済危機対策も講じ、一定の景気の底割れを防ぐ効果もあったと認識しています。
 そこで、以下、具体に経済対策の総括的検証と具体事業執行における課題についてそれぞれ伺います。
 まず、経済対策の総括的検証でありますが、知事は、前政権の経済危機対策の本県における効果をどのように検証しているのでしょうか。また、一連の対策でどの程度の予算配分があり、経済効果がどの程度あったのかもあわせてお示しください。
 具体事業の執行における課題についてでありますが、前政権では、地域活性化等に資するきめ細かなインフラ整備などを進めるためとして、地域活性化交付金6、000億円、地域活力基盤創造交付金9、400億円、地域活性化交付金1兆円、地域活性化・公共投資交付金1兆4、000億円を各地方自治体に配分しました。しかし、日刊建設通信新聞社などの調査では、道府県に配付された交付金が純粋な事業の増加につながっていないことが指摘されています。新規事業に交付金のすべてを使った自治体がある一方で、既に平成20年度予算で支出を決めていた事業の財源に交付金を充当したり、平成21年度に使用する分を当初予算の純増につなげなかったりした自治体もありました。県の単独事業を減らして交付金の事業を執行することにしたとする県もあり、県の財政健全化に交付金を活用している例も見られました。本県ではどうだったのでしょうか。
 また、地元契約率等はどうだったのでしょうか。一連の交付金は地域活性化等に資するという前提で交付されたものであり、極力地元優先発注すべきで、下請、資材等の調達も地域経済に資するものであるべきです。確かに入札制度でも県内企業の優先配慮がなされていますし、工事受注業者に対しては、岩手県建設工事請負契約付記として、また、知事名で県営建設工事を落札された皆様へとして文書が出され、下請発注、建設資材の発注については岩手県内に主たる事業所を有する者の中から選定する、調達する建設資材は岩手県産とするよう努めなければならないとされています。しかし、現場からは、予算趣旨が十分に伝わらず、効果を損ねている事業もあると伺っています。
 事業割合の大きい県土整備部所管事業について伺いますが、一連の交付金の中で昨年度配分された地域活性化交付金6、000億円分で行った事業の県内企業への発注率及び下請の地元の比率はどの程度だったのでしょうか。また、建設資材の調達はどの程度行われたのかあわせて伺います。
 建設資材の調達については、施工計画書提出時、竣工時に提出することとなっておりますが、調書を提出していない工事もあるのではないかと伺いました。調書の提出率はどうなっているのでしょうか。また、その調書は県産建設資材の調達にどのように生かされているのかお示しください。
 最後に、去る8月20日、宮古地方振興局で行われた知事と山田町との要望、意見交換において、県立山田病院の医師が不在になったことについて、町側がいつまでこういう我慢をしなければならないのかと尋ねた質問に対して、知事が政権交代すれば大丈夫と答えたことについて伺います。
 歴史上の革命で顕著にあらわれたのは、さまざまな社会問題に相対する際に、何々しさえすれば大丈夫という思考でありました。フランス革命では、市民が権力を握り、王政下の身分制度を打破しさえすればという論理によって、そしてロシア革命では、プロレタリアートが権力を握りさえすればという論理によって革命が促されました。何々しさえすれば大丈夫という論理では、ほかの政治上の対応が有効であるかもしれないという可能性が考慮されず、何らかの一つか二つの対応への執着が示され、そこから導き出される行動は排他的にして非寛容なものとなってしまいます。
 政治は多様な人々を相手にする営みである以上、その結果は万民が納得する完全なものではあり得ません。しかしながら、政治において要請されるのは、政治上完全はなし得ないという現実を自覚しつつ、社会の問題の克服に向けて地道に努力を続けるという姿勢ではないでしょうか。知事の発言に求められるのは、何々しさえすれば大丈夫という安直な言葉ではなく、慎み深さと思慮深さを兼ね備えた寛容さであると思いますが、知事の考えをお聞かせください。
 以上で私の一般質問を終わらせていただきます。答弁によっては自席より再質問をさせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 小野寺有一議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、新政権に対する政治姿勢についてでありますが、知事としては、自治体の首長としての役割を全うすることが務めであると存じておりまして、現政府に対してもそのために必要な対応をとっていきたいと考えております。
 また、現政府は万民に開かれた政府だと考えており、個人的には、一国民として自由に政治参加をさせていただきたいと考えております。
 次に、国の平成21年度予算の一部執行停止についてでありますが、国においては、本年度の第1次補正予算に係る全事業について、地域経済や国民生活に与える影響も勘案しつつ政策的な必要性の観点から見直しを行い、これにより捻出した財源を第2次補正予算等に活用し、平成22年度予算とあわせ、切れ目ない経済対策を行う方針と伺っております。
 これまでも、国の第1次補正予算の見直しに対して、県民生活の混乱や県財政への影響が生じないようさまざまな機会をとらえて国に働きかけてきたところでありますが、国の2次補正予算及び来年度当初予算は、国民の生活を支援し、景気回復に役立つ経済対策等をその内容とするものとされており、執行停止により捻出された財源がより県民生活の向上につながる新たな事業等に活用されるよう、その動向を注視しつつ適切に対処してまいりたいと思います。
 次に、政府に対する要望、提言の仕組みについてでありますが、今般、政府・与党から示されたルールによれば、民主党の各都道府県連が窓口となり、市町村を含めた地方の実情をしっかりと把握し、それを幹事長室での精査を踏まえて各省につないでいくとされておりますが、必要に応じて個々の首長が政務三役に直接会い、要望も行えるものと伺っております。県としても、このルールに基づいて、11月24日に地域医療の確保、産業振興など29項目の提言を取りまとめ、民主党岩手県連に提出しております。
 政府・与党においては、県や市町村はもとより、団体や個人を含めた地方の声を政策に適切に反映していくものと期待しているところであり、今後も地方の声、現場の声が政策に反映されるよう、県としても適時適切な提言等を行ってまいりたいと思います。
 次に、経済対策の総括的検証についてでありますが、本県においては、厳しい経済情勢に対応し、県内経済の活性化と雇用の維持、創出を図るため、国の経済対策等に呼応しながら、昨年の12月以降、6度にわたる予算措置を行うなど、切れ目のない経済、雇用対策を講じているところであります。
 この経済、雇用対策におけるふるさと雇用再生特別交付金を初めとする国からの交付額は、平成20年度に259億円余、平成21年度に458億円余、合わせて717億円余、一般財源等を含めた県予算額で969億円余となっており、これによる県内への経済波及効果は1、437億円程度になるものと見込まれております。これまでの対策によって新たに約4、000人の雇用の場を創出するとともに、乗用車新車登録台数が8月以降3カ月連続で前年水準を上回って推移するなどの効果が見られております。
 一方、本県経済は、新規住宅着工戸数が9カ月連続で前年水準を下回り、10月の有効求人倍率も0.35倍と依然として低い水準となっているなど厳しい状況が続いていることから、今後とも経済・雇用対策本部を中心に、雇用機会のさらなる創出など総合的な経済、雇用対策に組織を挙げて全力で取り組んでまいります。
 次に、知事の発言についてでありますが、知事の発言に求められるのは、慎み深さと思慮深さを兼ね備えた寛容さであるというのは、私もそのとおりだと思います。今後においても、県民の皆さんと一緒に、いわて県民計画に掲げる希望郷いわてを実現していくため、県民の皆さんとの対話を重ねながら、県民のための県政運営に全力を傾けてまいりたいと思います。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔地域振興部長加藤主税君登壇〕
〇地域振興部長(加藤主税君) まず、過疎地域の指定要件及び過疎対策事業債の対象の緩和等についてでございますが、これまでの過疎地域の指定要件は人口減少率や財政力指数などを組み合わせたものとなっておりますが、我が国が本格的な人口減少社会に移行している中で、過疎地域の特性や果たす役割を踏まえ、新しい過疎対策法では、人口密度などを新たな指標として加えるべきといった議論があることは承知しております。
 新たな過疎対策法につきましては、現在、立法化に向けた議論が交わされているところでありますが、過疎地域の指定要件につきましては、現行の過疎地域を引き続き指定することを基本としつつ、過疎地域の特性や果たしている役割を的確に反映したものとすることが必要であると認識しております。また、過疎対策事業債につきましては、地域の実情に応じたソフト事業の展開が可能となるよう、対象事業の拡充が必要と考えているところでございます。こうした考え方を基本といたしまして、過疎市町村の声が新たな制度に十分反映されますよう、市町村等と連携しながら必要な働きかけを行ってまいりたいと考えております。
 次に、バイオ・ジオパークの創設についてでありますが、ジオパークは、地域の地層、地形などがよくわかる地質遺産に加え、生態学的もしくは文化的な価値のある場所を含む地域とされ、ユネスコが支援しているところであります。
 本年、世界ジオパークに国内3地域が認定されておりますが、これらの地域は地質遺産などの価値ばかりでなく、市町村、商工、観光等の関係団体、研究機関などで構成する推進組織を設置いたしまして、地質遺産を含む地域の自然、文化遺産を利用した活動が行われておりまして、こうしたものが評価されたと聞いております。
 本県の地質学的な価値につきましては、北上高地は日本列島の中でも最も古い時代の地層を残しており、また、太平洋プレートにより生ずる地震と津波防災の歴史、経験を有していることから、これらの地域に遜色ないものと認識しております。さらに、本県の沿岸地域におきましては、生態学的、文化的な観点から見ても、水産資源に恵まれ、生物多様性に富む海洋環境や、古来より培われた漁労文化が引き継がれていることなどの特徴を有しておりまして、こうした資産を活用することにより、本県ならではの観光、教育資源として新たな魅力の創出につながることが期待できるものでございます。
 こうしたことから、今後、専門家の意見などを踏まえるとともに、地域の関係者との間で機運醸成を図りながら、本県におけるジオパークないしはバイオ・ジオパークの取り組みの可能性につきまして検討してまいりたいと考えております。
   〔総務部長菅野洋樹君登壇〕
〇総務部長(菅野洋樹君) 県の不適正経理に関する再調査についてでありますが、昨年度実施いたしました全庁調査につきましては、第三者委員会である需用費等調査検証委員会の助言、検証をいただきながら必要な調査を行ったものと考えております。
 今後は、こうした不適切な事務処理の再発防止策にしっかりと取り組むことで県民の皆様の信頼回復に全力を挙げてまいりたいと考えております。
 次に、処分の基準についてでございますが、不適正経理に係る懲戒処分の基準を定め、それを明らかにすることは再発防止などの面で一定の効果が見込まれるものと考えます。一方で、職員に対する処分は、類似の不適正経理事案であっても、個別の事案ごとに、当該非違行為の内容のみならず、その原因、動機、性質、態様、結果、影響等のほか、当該職員の非違行為前後の態度、処分歴、処分が社会等に与える影響等の諸般の事情を考慮して行う必要があることから、こうした事案ごとの個別の事情を踏まえつつ、本県における過去の処分事例、国や他県等の処分事例等を参考としながら個々に判断をさせていただいたところでございます。
 しかしながら、先般申し上げましたとおり、不適正経理問題等の防止をより確かなものにするためには、懲戒処分基準の制定を含め、そのあり方を検討することも一つの方策ではないかと考えておりますので、御提言の趣旨も踏まえながらよく研究をさせていただきたいと考えております。
 次に、県財政についてでございます。
 行政刷新会議による事業仕分けは、国の来年度予算編成に当たり、政府が従来の枠組みにとらわれず、行財政資源を最適に配分していくためのさまざまな検討手法の一環として行われたものと存じております。この事業仕分けには、予算編成の過程において、多くの国民の前で開かれた議論がなされたことによる透明性の向上のほか、国民の参加意識の醸成やメディア等を通じた国の事業の積極的な情報提供がなされたことなどのメリットが認められる一方で、予算編成作業は短い期間で集中的に作業が必要とされる中、事業仕分けという新たなプロセスを加えることによる事務負担の増大、また、仕分け結果の活用方法が必ずしも明らかでないことに加えまして、議論が一面的、性急であることなどの指摘もあるところでございます。
 本県におきましては、この事業仕分けについて平成14年に実験的に実施し、その手法につきましては本県のその後の行財政改革における事業見直しなどに活用させていただいたところでございますが、今回、国で行われた事業仕分けの手法におけるメリット、デメリットを十分に見きわめながら、本県において活用できるものがあるかどうかよく研究をさせていただきたいと思っております。
 次に、地域活性化交付金等の活用実態についてでありますが、国におきましては、昨年以降、地域活性化・生活対策臨時交付金など複数の交付金制度を創設し、本県を初め地方へ交付したところでございます。これら交付金につきましては、それぞれの制度目的や交付対象となる経費、事業などが要綱等において定められておりまして、県におきましては、これら制度の趣旨にのっとり、この財源を無駄なく、必要な事業に最大限に活用する方針といたしまして、新たな需要を創出し、地域経済の下支えや雇用の維持、創出を図る事業を最優先に予算措置させていただいたほか、地元企業への発注等を通じて、さらなる県内経済の底上げを図るよう努めてきたところでございます。
   〔商工労働観光部長廣田淳君登壇〕
〇商工労働観光部長(廣田淳君) 雇用対策についてでありますが、雇用調整助成金については、去る12月2日から、直近の決算が経常赤字の中小企業を対象に、売上高または生産量を前々年同期に比べて10%以上減少した場合も含めるとする要件緩和がなされたところであります。その他の要件緩和につきましては、さらに情報収集に努めてまいります。
 ハローワークでのワンストップサービスへの支援については、本県では、11月24日から求職者総合支援センターの相談員を北上及び一関のハローワークに定期的に派遣して生活、就労相談と職業紹介のワンストップサービスの取り組みを始めたところであり、今後、さらに要請等がある場合には、関係機関と連携し、対応してまいります。
 新卒者への就職支援につきましては、10月26日から12月25日までを新規高卒者求人確保キャンペーン期間として、岩手労働局や地元市町村長、関係機関とともに、各企業に対し、強力に要請活動を行っております。また、高等学校や各振興局の就業支援員が連携して就職未内定者の支援に当たっているほか、就職面接会の開催回数をふやすなど、一人でも多くの高校生が県内へ就職できるよう取り組んでまいる考えであります。
   〔農林水産部長瀬川純君登壇〕
〇農林水産部長(瀬川純君) まず、木質バイオマス事業による林業振興についてでありますが、釜石地域において、石炭と木質バイオマスとの混焼発電施設による取り組みが計画されており、本年度、経済産業省が所管する補助事業に採択され、来年度中には稼働する予定と聞いております。
 県は、この取り組みに対して、森林整備加速化・林業再生基金事業を活用した木材破砕機整備や間伐材の流通コストの支援、高性能林業機械の導入支援などを積極的に行うこととしております。
 このような木質バイオマス利用の大型プロジェクトは、間伐などの森林整備の促進につながるとともに、地域の林業や山林の活性化へ貢献できるものとして期待しているところであり、関係者に対する技術的支援等を継続して行ってまいります。
 次に、大型クラゲによる被害対策についてでありますが、大型クラゲの漁業被害は、盛漁期を迎えている秋サケ定置漁業や沖合底びき網漁業などの操業において、漁具の破損、漁獲物の品質低下、操業時の過重労働など支障を来しており、県といたしましても深刻な事態にあると認識しております。
 これまで県は、大型クラゲの出現情報の迅速な提供や改良網導入等への技術指導を行うとともに、国に対しては、制度資金による支援措置の拡充、大型クラゲの駆除に対する助成措置の対象基準の緩和、発生要因の究明と発生初期の駆除対策の強化等について要望しているところであります。
 お尋ねの日中韓3国が連携した取り組みについても、関係団体と連携しながら、さまざまな機会をとらえて要望してまいります。
   〔県土整備部長佐藤文夫君登壇〕
〇県土整備部長(佐藤文夫君) まず、港湾利用の促進の1点目の今後のポートセールスの組織体制についてでありますが、現在、当部におきまして、沿岸市町や商工労働観光部と連携を図りながら、企業訪問や岩手県港湾セミナーの開催等に取り組んでおりますとともに、沿岸の地方振興局でもそれぞれ企業訪問を行っております。
 組織体制の充実は難しい現状にございますが、さらなるポートセールスの充実を図るため、これまでの取り組みに加えまして、商工労働観光部との定期的な連絡調整会議の開催、来年度から移行する広域局内の関係部との一層の連携強化を図るなど、取り組みの充実を図り、積極的にポートセールスを展開してまいります。
 2点目の港湾施設使用料の優遇措置についてでありますが、県内の港湾利用の促進策の一つとして重要でありまして、これまでにコンテナ定期船の岸壁使用料の一定期間の減免、コンテナヤード専用の野積み場使用料を新設するなど、コンテナ物流の拡大に向けて支援を行っているところでございます。
 また、本県の重点振興産業の一つであります自動車産業の支援としまして、昨年の経済不況以降の減産に対応して、釜石市の支援策と連携し、完成自動車輸送に係る岸壁やモータープールの使用料を緊急的に、期間限定ではございますが、減免措置をしたところでございます。
 今後とも、本県の産業政策を踏まえながら、港湾利用促進への効果等を勘案し、岸壁使用料などの減免について検討してまいります。
 次に、主要地方道大槌川井線の土坂峠についてでありますが、これまで、沿岸と内陸地域との交流促進や冬期の安全な交通の確保の面からも、整備に向けた調査を進めてきたところではありますが、地形が急峻であるため長大なトンネルが必要となっております。
 県内の主要な路線では、土坂峠のほかにも多くの懸案箇所があることから、経済活動や暮らしを支える県全体の道路ネットワークのあり方につきまして、新たな便益の研究を含め、今年度から検討に着手しております。
 土坂峠の現道拡幅区間の約1.1キロメートルにつきましては、現在、約0.6キロメートルを供用しており、残る約0.5キロメートルの整備についても鋭意進めてまいりますとともに、トンネル部分を含む区間につきましては、これまでの調査結果に今年度からの調査を加え、今後の整備のあり方を総合的に検討してまいります。
 次に、地域活性化交付金の事業執行についてですが、昨年度、当部に予算措置されました地域活性化交付金約21億7、000万円に、県債ないし一般財源約20億3、000万円と合わせ約42億円の規模で事業を執行したところでございます。工事の件数は347件で、県内企業への発注率は、契約金額ベースで94.3%、工事件数ベースで96.3%となっております。
 下請の地元の比率については、1件当たりの工事費が比較的規模の大きい2、500万円以上の建設工事26件を対象に調査した結果、県内企業への下請比率は金額ベースで90.8%となっております。
 建設資材の調達についてでありますが、今回の工事だけを対象に調査しているデータはございませんが、平成20年度に完成した建設工事から50件を抽出して調査した結果では、県産建設資材の使用割合は93%となっており、今回の工事においては、特殊な資材を使用しない小規模な維持修繕工事が多いことから、その使用割合は93%を下回らないのではないかと思われます。
 建設資材調書の提出率は、請負者に提出を義務づけているものでございまして、今回調査した工事26件については、すべて提出されております。
 また、調書の内容につきまして監督職員が請負者から材料承認願を提出してもらう時点で確認しており、県産建設資材を使用しない場合には、その理由を記載していただいているところでございます。
 今後も、より一層、県産資材の活用が図られるよう取り組んでまいります。
   〔藤原博公安委員会委員長登壇〕
〇公安委員会委員長(藤原博君) 不適切な事務処理問題に係る第三者委員会の設置につきましては、県議会を初め、さまざまな意見があることは承知しており、公安委員会においても意見交換したところでありますが、今回の調査は約3万4、000件のすべての契約内容を突き合わせした上で、不適切な事務処理の全容を明らかにしたものであります。
 また、県警察からは、調査を始める段階、中間報告書の取りまとめの段階、議会報告の段階等、報告を受けているところであり、当委員会としてもさまざまな観点で検証し、その都度、具体的な指示をしてきたところであります。
 こうしたことから、今回の調査結果につきましては、改めて外部の第三者委員会を設置する必要はないものと考えております。
 しかしながら、今後、県警の会計経理に対する県民の懸念を払拭し、再発防止策をより効果的に推進する等のためにも、何らかの形で外部の専門家の方から御意見をいただくことが必要であり、県警察に対し、これについての検討を指示したところであります。
 今般、県警察から具体的検討を始めた旨、報告を受けたところであります。
〇11番(小野寺有一君) それでは、三つだけ再質問をさせていただきます。
 まず、県当局の不正経理についての再調査のことについてであります。
 前回の調査で必要な調査は行われたという認識だということでありますけれども、先ほど登壇しての質問の中でもありましたとおり、やはり県警においては、残念ながら、聞き取り調査だけでは出なかったものが、たしか7倍ほど出てきたという実例があるわけでございます。
 そういった意味で、前回行った調査の同じ部分を全部突合しろというのは無理かもしれませんけれども、例えば部局を抽出して、その部局、例えば補助金の返還の多かった県土整備部とか農林水産部とか、そういったところだけを、あるいは期間を平成21年度、ことしの分だけに限って行ってみるとか、そういった抽出した形での帳簿方式の突合調査というものをやはりしてみるべきではないかと思いますので、その点についてお答えをちょうだいできればと思います。
 第2点目でありますが、大型クラゲの被害対策についてでありますけれども、今までいろいろな対策を講じていただいたということについては敬意を表するものでありますし、日中韓の3カ国に対しても、必要な努力を求めるよう国に働きかけていただけるということであります。
 やはり、先ほど被害規模を私、申し上げましたが、これは農林水産部からいただいたものでありますので、そういった被害を各漁業者あるいは組合のほうにヒアリングというか調査をかけたものの結果なんだろうと思いますが、現場では、そういった被害を報告して、それに対してどのような対策がなされて、それがどのようにフィードバックされてくるのかということの、そういったことが見えないということの不安と、それから不満があるようであります。ぜひ、そういった調査をされた方に対して、こういった対策を打って、それでこのような効果があったのだということを、できればなるべく早くお知らせいただくような仕組みというか機会を設けていただければと思いますので、その点について御所見を伺いたいと思います。
 第3点目は、ポートセールスのことであります。港湾利用の促進のことについて、組織体制の充実を図ることは現状では難しいということでありましたが、取り組みについては積極的に進めていかれるというお話でありました。
 そして、今までも使用料等の減免などをしてきていただいたということでありますけれども、この延長については、ぜひ減免の延長をしていっていただきたいということと、それから、ぜひ機動的にできる体制をとっていっていただきたいと思うわけであります。
 先ほど花巻空港の着陸料等の減免のことについてのお尋ねもありましたけれども、花巻空港も大事ですが、港湾も、やはり同じ理由で、こういった使用料の減免というものは、荷主さん、あるいは船主さんに対して一定の効果をもたらすものであると思いますので、ぜひ、すぐには組織体制の充実は難しいとしても、中期的にこういった組織体制の充実が図られることと、それから、使用料等の減免が機動的になされるようにする取り組みについて、もう一度お尋ねいたします。
〇総務部長(菅野洋樹君) 再調査について御質問をちょうだいいたしました。
 議員から御指摘のあったとおり、こういったことをもう二度と起こさないのだと、それから、そういったことについての県民の御懸念をまず払拭しなければならないのだという御趣旨だろうと存じます。それは私どもとして肝に銘じなければならないことだろうと思ってございます。そういった意味で、県民の皆さんの御懸念を払拭するために何ができるかということを、今後とも真剣に考えていかなければなりません。
 今回の事案につきましては、執行者、私どもに残されていた書類はきっちりしていた。したがいまして、私どもだけの綱紀粛正、それから再発防止だけでは、なお不十分であろうという御懸念も多々あろうかと存じます。その辺はそのとおりでございまして、監査委員におきましては、平成21年度から、私どもの帳簿の検査に加えまして、さらに、抽出ではございますが、事業者に直接帳簿の提出を求め、私どもの帳簿と事業者の帳簿の両方のチェックを行っている、いわゆる今回の事案にかんがみました独自の調査をやっていただいているところでございます。そういったことから、私どもだけではなくて、監査という第三者の目から見ていただいたことによっての再発防止も、しっかり取り組んでまいりたいと考えてございます。
 その監査の過程におきまして、さらなる問題点が生じた場合におきましては、私どもとして、その対応について具体的な検討を行いつつ、何が私どもとして今やっていることに欠けているのか、そういったものも見直しを行いながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
〇農林水産部長(瀬川純君) クラゲの関係でございますが、現在、漁具の導入のような国の支援事業が県を通さないで助成されているというような事情はございますが、御指摘いただいた趣旨を踏まえまして、漁業者に対する説明など適切に対応してまいりたいと思います。
〇県土整備部長(佐藤文夫君) 港湾施設の使用料の減免の期間の延長については、先ほど答弁申し上げましたように、港湾利用の促進への効果等を勘案しながら、減免期間の延伸につきましても検討してまいります。
〇副議長(小野寺研一君) 小野寺有一君の一般質問をこれで終了いたします。
〇副議長(小野寺研一君) 暫時休憩いたします。
   午後3時21分 休 憩
出席議員(45名)
1  番 木 村 幸 弘 君
2  番 久 保 孝 喜 君
3  番 小 西 和 子 君
4  番 工 藤 勝 博 君
5  番 岩 渕   誠 君
6  番 郷右近   浩 君
7  番 高 橋   元 君
8  番 喜 多 正 敏 君
9  番 高 橋 昌 造 君
10  番 菅 原 一 敏 君
11  番 小野寺 有 一 君
12  番 熊 谷   泉 君
14  番 高 橋 博 之 君
15  番 亀卦川 富 夫 君
16  番 中 平   均 君
17  番 五日市   王 君
18  番 関 根 敏 伸 君
19  番 三 浦 陽 子 君
20  番 小田島 峰 雄 君
21  番 高 橋 雪 文 君
22  番 嵯 峨 壱 朗 君
23  番 及 川 あつし 君
25  番 飯 澤   匡 君
26  番 田 村   誠 君
27  番 大 宮 惇 幸 君
28  番 千 葉 康一郎 君
29  番 新居田 弘 文 君
30  番 工 藤 大 輔 君
31  番 佐々木 順 一 君
32  番 佐々木   博 君
33  番 工 藤 勝 子 君
34  番 平 沼   健 君
35  番 樋 下 正 信 君
36  番 柳 村 岩 見 君
37  番 阿 部 富 雄 君
38  番 斉 藤   信 君
39  番 吉 田 洋 治 君
40  番 及 川 幸 子 君
41  番 佐々木 一 榮 君
42  番 伊 藤 勢 至 君
43  番 渡 辺 幸 貫 君
44  番 小野寺 研 一 君
46  番 佐々木 大 和 君
47  番 菊 池   勲 君
48  番 小野寺   好 君
欠席議員(1名)
45  番 千 葉   伝 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後3時38分 再開
〇議長(佐々木一榮君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。郷右近浩君。
   〔6番郷右近浩君登壇〕(拍手)

前へ 次へ