平成21年9月定例会 第13回岩手県議会定例会 会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 認定第1号、第15号について反対の討論を行います。
 認定第1号は、2008年度岩手県立病院等事業会計決算であります。県立病院の医師や看護師等職員の皆さんが、県民の命と健康、地域医療を守るために献身的に取り組まれていることに心から敬意を表するものであります。しかしながら、県医療局は昨年度、地域住民の切実な願いに背を向けて、六つの病院と地域診療センターの無床化の計画を唐突に決め、ことしの4月から五つの診療センターの無床化を強行しました。
 反対する第1の理由は、本来、医師と住民が協働で築き上げるべき地域医療について、県医療局が地域住民の声に耳を傾けず、一方的に無床化計画を策定し、強行したことであります。無床化計画とその強行実施は、何よりも地域住民に痛みを押しつけるものでありました。最近でも花泉町の高齢者が119番通報で救急車を呼びましたが、受入先が決まらず、1時間放置され、隣の藤沢町民病院に搬送される事態も起きています。我慢して死亡する事態も引き起こされています。
 また、無床化の強行は、長い努力によって築かれた地域の医療と介護の連携を断ち切るものでありました。さらに、無床化の強行は公約違反そのものでもありました。住田町では、昨年3月に有床診療所とされましたが、医師3人体制で有床診療所を守り抜くという約束は、1年もたたずに裏切られる事態となったのであります。こうした進め方は県政に対する県民の信頼を大きく掘り崩すものでありました。
 反対する第2の理由は、医師不足とともに看護師不足が過酷な勤務環境を強いていることであります。特に十分な看護師の増員なしに進められた7対1の看護体制は、これまで以上に休みがとれず、時間外勤務がふえるなど過酷な状況となっていることであります。また、遠野、千厩、二戸の各病院では2人夜勤も解消されていません。月9日夜勤という事態まで引き起こされていることは重大であります。中央病院の看護師の年次休暇の取得状況はわずか6.5日、釜石病院は5.8日にとどまっていることも重要であります。日本看護協会は、時間外勤務、夜勤・交代制勤務実態調査を行いましたが、その結果は、交代制で勤務する23人に1人が過労死危険レベルを超える状況となっていると警告しています。思い切って看護師の増員を図るべきであります。
 反対する第3の理由は、高齢化社会を迎え、高齢者の健康と生活を支える地域医療の取り組みが極めて不十分なことであります。県立病院が果たすべき役割は、高度先進医療、救急医療だけではなく、高齢化社会を迎えた高齢者の命とともに健康と生活を支える地域医療にもその役割を果たすべきであります。そのためには、総合医の養成と配置は急務であります。
 反対する第4の理由は、医師不足や29億円の赤字が国の悪政、医療費抑制政策によってもたらされたものだということであります。この間の4回にわたる診療報酬の引き下げによる影響額は単年度換算で約57億円の減収であり、平成14年度以来の累積額は276億円に及ぶものであります。また、消費税の負担額は昨年度5億円余であり、累積負担額は127億円余に及んでいます。これは県立病院の累積赤字169億円を大きく超えるものであります。国の医療費削減政策の根本的な転換を強く求めるべきであります。
 認定第15号は、2008年度岩手県港湾整備事業特別会計決算であります。
 港湾整備事業は、大船渡港湾整備事業にも見られるように、726万トンの貨物取扱量を目標にしたものの、平成8年、1996年の571万トンをピークに一貫して下がり続け、昨年度は271万トン、ピーク時の半分以下まで減少しているのであります。ところが、301億円余の港湾整備事業はそのまま続けられ、昨年度までに既に257億円余の事業費が注ぎ込まれているのであります。包括外部監査でも指摘されたように、見通しが破綻しても事業は続けられる大型開発の典型であります。
 特別会計決算を見ても、港湾使用料・手数料収入がわずか2億5、310万円、11億2、197万円を一般会計から繰り入れ、さらに8億円余の県債を投入し、18億円余の公債費、いわゆる借金払いを行っているのが実態であります。政権が交代し、無駄をなくすというなら、港湾整備事業は根本的に見直すべきであります。
 以上申し上げ、私の討論といたします。御清聴ありがとうございました。
〇議長(佐々木一榮君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより認定第4号平成20年度岩手県一般会計歳入歳出決算を採決いたします。
 本決算の委員長報告は認定をしないとするものでありますので、原案について採決いたします。
 認定第4号平成20年度岩手県一般会計歳入歳出決算は、原案のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔起立する者なし〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立者がありません。よって、認定第4号平成20年度岩手県一般会計歳入歳出決算は認定しないことに決定いたしました。
 次に、認定第1号平成20年度岩手県立病院等事業会計決算を採決いたします。
 本決算は、委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、認定第1号平成20年度岩手県立病院等事業会計決算は、委員長の報告のとおり認定することに決定いたしました。
 次に、認定第15号平成20年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算を採決いたします。
 本決算は、委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、認定第15号平成20年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算は、委員長の報告のとおり認定することに決定いたしました。
 次に、認定第2号、認定第3号及び認定第5号から認定第14号までを一括して採決いたします。
 各決算は、委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立全員であります。よって、認定第2号、認定第3号及び認定第5号から認定第14号までは、委員長の報告のとおり認定することに決定いたしました。
   日程第17 発議案第7号警察に対する信頼の回復を求める決議
〇議長(佐々木一榮君) 次に、日程第17、発議案第7号警察に対する信頼の回復を求める決議を議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております案件は、各会派の賛同を得た委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項及び第3項の規定並びに先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決したいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木一榮君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより、発議案第7号警察に対する信頼の回復を求める決議を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立全員であります。よって、発議案第7号警察に対する信頼の回復を求める決議は、原案のとおり可決されました。
   日程第18 議員派遣の件
〇議長(佐々木一榮君) 次に、日程第18、議員派遣の件を議題といたします。
〔参照〕
 議事日程第6号中 日程第18 議員派遣の件の議員派遣一覧
派遣の目的派遣場所期間派遣議員
第9回都道府県議会
議員研究交流大会
東京都平成21年
11月13日
から
平成21年
11月14日
まで
小田島 峰雄 議員
中平 均 議員
菅原 一敏 議員
高橋 昌造 議員
嵯峨 壱朗 議員
高橋 雪文 議員
小野寺 有一 議員
飯澤   匡 議員
木村 幸弘 議員
阿部 富雄 議員
平成21年度県議会と県民との意見交換会盛岡市平成21年
11月17日
五日市 王 議員
郷右近 浩 議員
嵯峨 壱朗 議員
高橋 雪文 議員
田村 誠 議員
亀卦川 富夫 議員
平成21年度県議会と県民との意見交換会奥州市平成21年
11月17日
佐々木 博 議員
千葉 康一郎 議員
小田島 峰雄 議員
三浦 陽子 議員
熊谷 泉 議員
小野寺 有一 議員
木村 幸弘 議員
小野寺 好 議員
平成21年度県議会と県民との意見交換会釜石市平成21年
11月19日
伊藤 勢至 議員
関根 敏伸 議員
平沼 健 議員
工藤 勝子 議員
高橋 雪文 議員
高橋 博之 議員
平成21年度県議会と県民との意見交換会久慈市平成21年
11月19日
工藤 大輔 議員
小田島 峰雄 議員
菅原 一敏 議員
高橋 元 議員
樋下 正信 議員
久保 孝喜 議員
斉藤 信 議員

〇議長(佐々木一榮君) お諮りいたします。本件は、お手元に配付いたしました5件についてでありますが、会議規則第116条第1項の規定により議員を派遣したいと思います。これに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木一榮君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
   閉 会
〇議長(佐々木一榮君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 これをもって本日の会議を閉じ、第13回県議会定例会を閉会いたします。(拍手)
   午後7時9分 閉 会

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