平成21年9月定例会 第13回岩手県議会定例会 会議録

前へ 次へ

〇45番(千葉伝君) 自由民主クラブの千葉伝です。
 議案第24号県立病院等事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案について、これまでの議案審査で明らかになった問題と懸念について継続して審査を求める立場から、委員長報告に対し反対討論いたします。
 もとより私どもは、地域医療確保の観点から、有床診療センターを含む県立医療機関の民間移管そのものに反対するものではなく、官民問わず当該地域住民の医療ニーズに適切に対応することを否定するものではありません。しかしながら、本議案の趣旨である花泉診療センターの廃止に際しては、いまだその手続、議論、地域住民の理解が十分とは言えず、引き続き審議を尽くすべきと考えるところから、私どもの意思を明確にするため討論を行うものであります。
 本議案の継続審査を求める理由は、第1に、本条例を改正する条例案の根拠となった花泉地域診療センターの診療機能を民間医療法人に移管する手続に際し、医療局は当該医療法人に求めるべき資料を求めず、提出された資料を十分に精査しなかったことであります。第2に、当該医療法人の経営基盤、適切な運営がされているのかの確認を十分行っていなかったことであります。第3に、併設される介護施設の運営のため設立される予定の社会福祉法人の設立準備状況が確認されていないことであります。第4に、今後の有床診療所と介護施設の姿を示し、事業が今後最低10年間継続して運営される担保についての説明及び県医療局の今後の関与について住民への説明がいまだ不十分であることであります。第5に、有床診療所、介護施設の運営計画について、医師、看護師、介護職員等の人的確保、配置などの懸念が解消されていないことであります。
 地域医療の確保の観点から、今の県立病院等の運営においては、医師確保等の問題からこの4月から花泉を含む四つの地域診療センターが無床化されたことにより、地域医療施設のベッド確保の要請は十分理解するものであります。しかしながら、民間医療法人への移管手続と条例提案に拙速感が否めず、十分な精査が行われたとは言いがたい状態と判断せざるを得ないのであります。
 改めて、市民、医療、福祉関係者・団体等に対し、指摘されたさまざまな問題点の積極的な情報提供と住民への説明会を開催する必要があり、また、医療局が示す今後同様な地域診療センターの民間移管の例としたいのであればこそ、しっかりとした運営体に移管すべきものと考えるものであります。
 以上の理由から、本議案第24号県立病院等事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案は継続して審査されるべきものであると考えるものであり、委員長報告に反対するものであります。
 議員各位の御理解を賜りますようお願い申し上げ、討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(佐々木一榮君) 次に、岩渕誠君。
   〔5番岩渕誠君登壇〕

前へ 次へ