平成21年6月定例会 第12回岩手県議会定例会 会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第1号、第2号、第4号、第19号について質問いたします。
 議案第1号は、2009年度岩手県一般会計補正予算(第3号)であります。国による予算ベース14兆円のばらまきの追加経済対策に呼応して、453億円余のかつてない大型補正予算となっています。
 第1に、財源と事業費についてでありますが、国庫支出金328億円余の内訳とその内容、性格、県債54億円のうち、補正予算債53億4、000万円の内容はどういうものでしょうか。実際の事業費はどうなるでしょうか。実際の県負担分はどう試算されるでしょうか。
 第2に、経済危機臨時交付金の具体化についでありますが、106億円措置されたうち62億7、000万円余が今回計上されています。県施設の補修費、地デジ対応のテレビの設置など、県庁にかかわる事業費はどうなっているでしょうか。低所得者の暮らしを守る対策こそ優先されるべきと考えますが、どう事業化されているでしょうか。
 第3に、環境対応車導入促進事業費が4億3、172万円計上されています。国の対策で、既に自動車取得税や重量税の減税措置、さらには乗用車については5万円から25万円の補助金まで実施されています。さらに岩手県が5万円から10万円の上乗せの補助金を出す理由があるのでしょうか。200万円余の自動車を購入できる人への補助金ではなく、今、生活に困っている低所得者や職を失った失業者に対する具体的対策こそ講じるべきではないでしょうか。
 また、環境対応車といっても、リッター10キロ程度の自動車も対象になるのでは環境対策に逆行するのではないでしょうか。対象となる車種はどうなっているでしょうか。県は今、減クルマチャレンジウイークに取り組んでいますが、自動車購入を推進することは環境対策にも逆行するのではないでしょうか。
 第4に、新型インフルエンザ対策の事業が計上されています。最も重要なことは保健所の機能と体制を強化することでありますが、感染症患者搬送車はなぜ10保健所10台ではなく9台なのでしょうか。
 この間の保健所の統廃合で保健所と人員はどう減少、削減されたでしょうか。広域振興局再編で北上保健所が統廃合されようとしていますが、存続、拡充こそ必要ではないでしょうか。
 発熱外来の体制の強化、一般医療機関での診療体制と医療機材、財政支援等の対策はどうなっているでしょうか。
 感染症の病床数が現在9病院で36床となっています。感染拡大に備え、抜本的に拡充すべきではないでしょうか。
 環境保健研究センターに新たな検査機器が導入されますが、人員体制も拡充すべきではないでしょうか。
 議案第2号にかかわりますが、県立病院の新型インフルエンザ対策は、発熱外来や一般病院での現在の体制と対応はどうなるでしょうか。補正予算による今後の対応、診療施設、医療機器材の配備など、どう進められるのでしょうか。
 第5に、介護保険事業にかかわって、介護業務従事者処遇改善等臨時特別基金52億円余、介護サービス施設等整備臨時特例基金53億円余という二つの基金が積み立てられていますが、その目的と具体的な事業の内容、具体的に改善される見込みはどうなるでしょうか。これらは2度にわたって介護報酬を引き下げてきた介護保険の行き詰まりを事実上認めるものではないでしょうか。介護保険事業の枠内での改善ができないことを示すものではないでしょうか。
 第6に、自殺対策緊急強化基金積立金1億6、539万円余が計上されています。岩手県の自殺率は全国3位という深刻な事態でありますが、自殺者の年代、要因、今後の対策はどうなっているでしょうか。
 第7に、新規就農総合対策事業費として2、590万円余が計上されています。当初予算の4倍以上の補正でありますが、新規就農者獲得の目標はどうなっているでしょうか。
 観光ツアーまがいの事業費に1、800万円の事業費が計画されていますが、その中身と、それによる具体的な効果をどう見込んでいるでしょうか。新規就農者に対する研修と資金補助こそ必要ではないでしょうか。
 第8に、森林整備加速化・林業再生基金として31億円余が計上されています。間伐整備とともに木質バイオマス発電、ボイラー等の開発促進はどうなっているでしょうか。環境対策からいっても、林業県としてももっと力を入れるべきではないでしょうか。
 第9に、県土整備部にかかわる直轄事業負担金は41億円余となっています。その詳しい内訳を示していただきたい。
 第10に、公営住宅建設事業費が1億4、612万円余の補正となっています。県営住宅の修理が中心でありますが、県営住宅のおふろの整備されていない戸数はどうなっているでしょうか。優先して整備、設置すべきと考えますが、どれだけの費用が必要でしょうか。経済危機臨時交付金の対象となると思いますが、いかがでしょうか。
 議案第4号は、工業用水道事業会計の補正予算(第1号)であります。
 雇用の維持確保を目的に、工業用水道の料金減免のために1億44万円余が計上されています。具体的にどれだけの雇用が維持確保されるのでしょうか。これまで大量に派遣や期間工の雇いどめを行っている企業も対象になるのでしょうか。
 議案第19号は、簗川ダム建設事業にかかわる橋梁工事の請負契約案件であります。
 簗川ダム建設事業については、西松建設事件の公判で天の声による談合もあったと指摘されています。簗川ダム建設事業にかかわるこれまでの5億円以上の工事の落札率はどうなっているでしょうか。90%以上の工事はどれだけあったでしょうか。
 今回の入札は総合評価方式による入札となっていますが、これまでの落札率はどうなっているでしょうか。具体的な効果があらわれているのでしょうか。
 以上でありますが、答弁によっては再質問させていただきます。
〇知事(達増拓也君) 斉藤信議員の質問にお答え申し上げます。
 まず、地域活性化・経済対策臨時交付金についてでありますが、この臨時交付金は、地方公共団体が実施する地球温暖化対策、少子・高齢化社会への対応、安全・安心の実現や地域活性化等に資する事業に活用できるもので、本県交付限度額106億円余に対し、6月補正予算案においては62億円余を活用するところとしたところであります。
 この交付金を活用し、県民の利便性向上のための社会福祉施設や教育関係施設等の機能強化、新型インフルエンザ対策や公共交通機関のバリアフリー化、将来的な本県の底力の向上が期待される試験研究機器の整備など、さまざまな行政分野で県民生活の安心・安全の向上と地域経済の活性化に資する事業の予算化を図ったところであります。
 なお、県民が直接利用主体とならないものの、釜石地区合同庁舎の耐震化改修など必要な県施設の補修等や地上デジタル放送への完全移行に向けた対応などについて5億円余を活用することとしているところであります。
 次に、環境対応車導入促進事業費についてでありますが、県が上乗せ補助する理由については、国では、本年4月から燃費性能等のすぐれた自動車の重量税や取得税の減免を実施しており、また、4月10日にさかのぼって、一定の環境性能を満たす新車の購入に対して補助を実施しているところでありますが、岩手県内の本年5月の新車登録台数は3、095台と昨年同月を約10%下回っている状況です。このため、減税や国の補助によっても環境対応車の購入に踏み切れないでいる県民の方々に対し、県もあわせて補助を行い支援することによって環境対応車への買いかえ等を促進し、二酸化炭素排出削減と地域経済の活性化につなげようとするものであります。
 次に、低所得者や失業者等への対応についてでありますが、地域経済が深刻な状況である中、生活が困窮する方、仕事を失った方への支援は非常に重要なものと認識しております。このため、昨年度来、雇用促進住宅への優先入居などの住宅対策、各種資金の貸し付けなどの生活費対策、授業料減免などの教育費対策など幅広く対策を講じているところでありますが、これに加えて、6月補正予算案では、離職中のきめ細やかな生活支援を行う事業について予算措置したところであります。
 これらの事業に取り組むとともに、地域経済の回復が失業者等への支援につながりますことから、二酸化炭素の排出量の削減を行うと同時に、すそ野の広い自動車産業について、有効需要を創出し、県内経済の活性化につなげようとする本事業は有効なものと考えております。
 次に、補助対象となる車種についてでありますが、国の基準と同一であり、軽自動車、軽自動車を除いた乗用車、バスやトラックなどの重量車に区分し、最初の登録から13年を経過した車の廃車を伴うか否かにより燃費性能や排気ガス性能を定め、その基準を満たす車を補助の対象としております。燃費基準が重量ごとに定められておりますことから、重量の重い車種にはリッター10キロ程度のものもありますが、基準に適合する燃費性能の高い車への買いかえを促進するものであり、二酸化炭素排出の削減に貢献するものであります。
 次に、本事業が自動車購入を促進し、環境対策に逆行するとの指摘についてでありますが、本事業は、急激に落ち込んだ自動車の県内需要を創出し、地域経済の活性化につなげるとともに、自動車からの二酸化炭素排出削減を目的としており、県民の方々に自動車の購入に当たって燃費性能のよい環境対応車を選択していただこうとするもので、環境対策として行うものであります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部局長に答弁させますので、御了承をお願いします。
〇総務部長(菅野洋樹君) 国庫支出金328億円余についてでございますが、地域活性化に積極的に取り組むための地域活性化・経済危機対策臨時交付金が62億円余、緊急雇用創出事業臨時特例交付金53億円余や介護基盤緊急整備等臨時交付金53億円余など、雇用対策や福祉関係などの基金の造成や拡充のための八つの交付金で240億円余、その他の事業実施分として、公共事業に係る補助事業分の国庫支出金として16億円余、その他の国の補正に伴う事業に係る防災情報通信整備事業交付金など8億円余となっているところでございます。
 次に、補正予算債についてでありますが、その内容は、国の補正予算に伴い追加で実施する国の補助事業に対応させて実施する道路、河川、林道、治山などの公共事業や国の直轄事業負担金など公共事業関係経費となっております。また、この53億円余の補正予算債に対応した実際の事業費についてでありますが、この補正予算債には直轄事業が含まれており、この事業の最終的な実施事業費を勘案いたしますと、204億円程度になるのではないかと見込まれます。
 次に、これらの事業実施に当たっての県負担分についてでありますが、今回の補正予算債については、後年度、地方交付税にその元利償還金の全額を基準財政需要額に算入されることから、制度的には実質的な本県の負担額はほぼ生じないものと認識しているところでございます。
 次に、簗川ダム建設事業関連工事の落札率についてでありますが、これまでに発注した簗川ダム建設事業関連工事のうち、落札額5億円以上のものは13件、落札率は平均で92.5%となっております。そのうち、落札率90%以上のものは11件となっております。
 次に、総合評価落札方式の落札率と効果についてでありますが、総合評価落札方式による県営建設工事の競争入札は、県土整備部及び農林水産部が所管する工事の一部において試行しているところでありますが、平成20年度の試行件数は263件、落札率は81.8%となっております。その入札結果を見ますと、技術評価点の高い企業が価格の低い企業を逆転して落札した割合は23.2%となっているほか、技術提案は適切に履行され、また、工事成績も高い水準となっておりますが、現在試行中でもあり、総合評価落札方式の趣旨が十分生かせるよう、本格導入に向けて、これらの試行結果を検証の上、必要な改善を図って、よりよい制度につくり上げてまいりたいと考えております。
〇保健福祉部長(千葉茂樹君) まず、感染症患者搬送車の整備数についてでございますけれども、県内での感染症の発生に備え、感染症指定医療機関への円滑な搬送体制を確保するため、各二次保健医療圏に配備しようとするものであり、9台となるものであります。今回整備する患者搬送車は、新型インフルエンザなど感染症患者への対応だけではなく、あわせて精神科救急患者の搬送などにも活用することを考えているところでございます。また、現有の感染症患者搬送車1台を花巻空港検疫所における感染症患者への対応に活用することも含め、岩手中部保健医療圏に2台配置することも想定しているところでございます。
 次に、保健所と人員の数についてでありますが、本年4月1日現在、保健所は10カ所、人員は保健所を含めました保健福祉、環境生活部ベースのものとなりますが、当部関係の人員は251人、環境生活部関係を含めた人員は計345名となっており、平成9年に保健所を再編整備した当時と比較いたしますと、支所、出張所を廃止いたしましたが、保健所数では変わらず、人員は、業務集約等によりまして当部関係は42人の減、環境生活部関係は20人の減、計62名減少しているところであります。なお、県内では、平成20年度に盛岡市が中核市に移行したことに伴いまして新たに盛岡市保健所を設置しておりますが、当部関係の42人減のうちの10人、環境生活部関係の20人減のうちの9人はこれに伴うものでございます。
 次に、花巻及び北上保健所の統合についてでございますが、岩手中部保健医療圏における新型インフルエンザ対策は、今後、花巻地区への設置を基本といたしました統合後の保健所に集約し、一元的な体制で対応していきたいと考えているところでございます。なお、統合後におきましても、住民の利便性を確保するため、北上地区合同庁舎に各種相談、援助の窓口等を存置することにつきまして、現在、地元市町と協議を進めているところでございます。
 次に、発熱外来の体制の強化についてでございますけれども、発熱外来につきましては、これまで16カ所設置してきたところでございますが、流行の第2波等に備えまして、引き続きその設置拡大に取り組んでまいります。
 一方、患者数が増加した場合、発熱外来のみで対応することが困難な状況となることも想定されますことから、今後、県医師会など関係機関の協力を得ながら、一般の医療機関での診療体制の確立も進めてまいりたいと考えております。
 新型インフルエンザの診療に当たる医療機関に対しましては、人工呼吸器や個人防護具の整備等への支援を行ってきたところでございまして、今回の6月補正予算案におきましても、一般医療機関用の個人防護具の備蓄に要する経費を計上いたしているところでございます。なお、国に対しましては、全国知事会や全国衛生部長会を通じまして、発熱外来の法的位置づけの明確化や所要の財政支援につきまして要望しているところでございます。
 次に、感染症病床の拡充についてでございますが、感染症病床は、御案内のとおり、国の基準によりまして医療圏ごとの病床数が定められているものでございます。今、議員御指摘のような新型インフルエンザに対応する病床につきましては、インフルエンザの発生の初期段階におきましては、感染症法に基づく入院措置を行う際は、感染症指定医療機関のほか結核病床を有する医療機関などで対応を行うこととしております。また、蔓延期につきましては、重症患者の救命を最優先とする医療提供体制に移行することとなりますことから、これら入院治療を行う医療機関の確保に今後とも努めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、環境保健研究センターの人員体制についてでございますが、新たな検査機器につきましては、同センターの検査機器を現在の1台から2台に増設するため、6月補正予算案に所要の経費を計上しているところでございます。これによりまして、1日当たりの検査可能人数は、現在の45人から90人となるものでございます。検査には、通常、同センターの保健科学部の研究員5人が当たっておりますが、繁忙期にはセンター内で応援体制を組むこととしているところでございます。
 次に、介護保険事業関連の基金についてでございますが、まず、介護業務従事者処遇改善臨時特例基金では、介護業務従事者の処遇改善と施設開設準備経費に対する補助の2事業を実施するものでございます。介護業務従事者の処遇改善については、介護に直接従事する職員の処遇の向上を図るため、事業者に対し賃金改善に要する経費を交付するものであり、対象となる介護に直接従事する職員は県内で約9、600人を見込み、1人当たり月額1万5、000円程度の引き上げの効果を見込んでいるところでございます。施設開設準備経費の補助につきましては、介護サービス施設開設前の介護業務従事者に対する訓練経費など、開設準備等に要する経費の助成を行うものでございます。
 次に、介護サービス施設等整備臨時特例基金では、介護サービス施設等の整備に対する補助と、スプリンクラー整備に対する補助の2事業を実施するものでございます。介護サービス施設等の整備に対する補助については、地域の介護ニーズに対応した施設整備の促進を図るため、介護サービスを提供する小規模な施設等の整備につきまして、助成単価の大幅な引き上げ等の拡充を行うものでありまして、また、スプリンクラー整備に対する助成につきましては、消防法施行令の改正に伴い設置が義務づけられた老人福祉施設等のスプリンクラー設置に対する助成を行おうとするものでございます。これらの事業の実施によりまして、第4期計画における介護サービス施設の整備がより着実なものとなるものと考えているところでございます。
 これらの基金造成及びこれらに伴う事業の予算計上は、いずれも、さきに成立いたしました国の経済危機対策に関する補正予算に対応するものでございます。国からは、介護拠点等の緊急整備を通じた老後の安心確保、厳しい雇用情勢を踏まえた介護分野での雇用の確保や処遇改善を図るための措置として講じたものと説明を受けているものでございます。
 次に、自殺対策についてでございますが、県が調査いたしました平成20年の概要によりますと、年代別で一番多いのが50歳代、次が40歳代、70歳代の順で多くなっているところでございます。また、警察統計の原因・動機別の自殺要因を見ますと、健康問題、経済、生活問題の順で多くなっておりますが、男性の働き盛り世代に自殺者が多いことから、経済、雇用情勢の悪化なども要因の一つと考えているところでございます。
 今後の対策につきましては、県自殺対策推進協議会によります官民一体となった自殺対策アクションプランの推進、自殺多発地域におけるモデル事業の実施など、地域、人など対象を絞った取り組み、県精神保健福祉センター内に専門的な相談支援や情報提供を行う自殺予防情報センターの設置、また、今、御説明申し上げております自殺対策緊急強化基金を活用した相談支援事業、人材育成事業、普及啓発事業の実施などにより進めていくこととしております。
〇医療局長(田村均次君) 県立病院の発熱外来や一般病院の現在の体制と対応についてでありますが、感染症病床を整備しております病院など10施設におきましては発熱外来を設置し、診療を担当する医師及び看護師を割り振るとともに発熱相談センターと連携しながら対応することとしております。また、その他の病院におきましては、一般の外来患者とまじって受診することのないよう、発熱患者対応マニュアルの徹底及び診療室の確保あるいは院内掲示などで対応しております。
 次に、診療施設、医療機器材の配備についてでございますけれども、今般の補正予算におきまして、新型インフルエンザ対策のため、遠野病院の感染症病床専用浄化槽などの施設設備の改修及び人工呼吸器を2病院に3台、空気清浄装置を6病院に7台などのほか、マスク等個人防護具を7病院に整備しようとするものでございます。
〇農林水産部長(瀬川純君) 新規就農総合対策事業についてでございますが、新規就農者の確保目標は、自営就農者が200人、農業法人等への就業者50人、あわせて250人としているところでございます。
 御指摘のありました移住・就農実体験等のツアーにつきましては、本県への就農希望者を対象にしておりますが、こうした方々は実際に現地を見て考えたいとの御希望を持っておられる方が多いことから、旅費等を御自分で負担していただいた上で来県していただき、既に本県に移住、就農している方々との交流や農作業を実体験していただくことをねらいとして、県内6地域で合計12回実施することを予定しているものでございます。このツアーの実施によりまして、本県への移住、就農者の拡大を図ろうとするものであります。
 新規就農者に対する研修と資金補助につきましては、これまで、農業大学校や先進農家での研修、施設整備等に対する無利子資金の貸し付けなど、就農希望者のニーズに応じて支援しているところでございますが、今回、さらに、新規就農者の増加に対応するため、新規就農に必要な研修や機械、資材等の導入への助成に要する経費についても補正予算案に盛り込ませていただいているところでございます。
 次に、森林整備加速化・林業再生基金事業についてでございますが、間伐対策につきましては、この基金事業でも主要なメニューとして盛り込んでいるところでございまして、道路がないなど条件が不利なため、長期間にわたって手入れが行われていない森林の間伐を対象に一定額の助成金を補助することとしており、今後、こういった森林の所有者に積極的に働きかけ、間伐を促進してまいりたいと考えております。
 また、木質バイオマスボイラー等の開発促進についてでございますが、県では、既存の国の事業を活用して、樹皮等の未利用木質資源を燃料とするいわて型小型蒸気ボイラーの開発に取り組んでおり、現在、商品化に向けた実証試験を行っているところであります。今回の基金事業では、直接、木質バイオマス発電、ボイラー等の開発を対象とはしておりませんが、木質バイオマス利用施設整備に対する支援を対象としておりますことから、これを積極的に活用するなどして、木質バイオマスの利用に一層力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。
〇県土整備部長(佐藤文夫君) 直轄事業負担金の内訳についてでありますが、今回の補正予算に係る直轄事業計画の内容につきましては、国から関係課に説明、協議があったところでございます。それによりますと、今回の県負担金は、工事費にかかわる負担のみでございます。道路関係につきましては、東北横断自動車道の東和-遠野間、国道4号、国道45号等の改築など28カ所でございまして、事業費は90億1、000万円、県負担金額21億3、700万円となっております。河川関係につきましては、北上川上流域での河川改修など11カ所でございまして、事業費70億4、700万円、県負担金額14億5、986万円。ダム管理関係につきましては、危機管理対策事業として湯田ダムの緊急時におけるボートの進入路の整備など事業費1億6、900万円、県負担金額7、200万円。砂防関係につきましては、栗駒山系直轄特定緊急砂防事業など2事業でございまして、事業費が1億500万円、県負担金額2、310万円。港湾関係につきましては、久慈港、宮古港の港湾改修など2事業で、事業費が14億300万円、県負担金額4億9、976万円でございます。それぞれの補正箇所の内容等もあわせて示されております。この総額は、事業費ベースで177億円余、県負担金額が41億9、172万円となっているところでございます。
 次に、県営住宅への浴槽、ふろがまの設置についてでありますが、県営住宅の浴槽、ふろがまは、平成7年度から整備している住戸には当初から県が設置しております。それ以前の住戸は、入居者がみずから購入するか、またはガス事業者から有償でリースを受けて設置しております。その戸数は、県営住宅総戸数5、192戸のうち3、538戸となっております。この3、538戸の住戸すべてに新たに浴槽、ふろがまを設置する場合の費用でございますが、入居者が設置したふろがま等を撤去処分する費用を含めまして約9億3、000万円余の費用が必要となります。浴槽、ふろがまの設置は、今回の経済危機対策臨時交付金の対象となります。しかしながら、県が設置していない住戸3、538戸でございますが、その方々には、入居時に入居希望者にその旨をきちんと説明した上で募集を行っておりまして、また、入居者からこれまで具体のお話がなかったため、県では、入居者の安全や建物の長寿命化にかかわる部分の維持補修、主に外壁等の改修ですが、それを優先して今回実施することとしたものでございます。
〇企業局長(千葉勇人君) 工業用水道料金減免についてでありますが、県の工業用水道を使用している企業は、半導体関連や自動車関連の企業を初め県内有数の雇用規模を持ち、県内企業との取引も多いことから、生産の縮小や減産は地域経済に極めて大きな影響を与えております。これら企業におきましては、昨年の11月以降、工業用水の実際の使用量が大幅に落ち込んでいるにもかかわらず、企業はその分の料金を支払っているということから、生産に伴わないコストとなって負担がふえているところでございます。そこで、雇用環境がこれ以上悪化することに歯どめをかけるため、国の経済危機対策交付金を活用しまして、企業にとってコスト縮減に直結する工業用水の料金を減免することにより企業の体力強化が図られ、雇用の維持や創出につながるものと考えております。この減免は、県の工業用水道を使用している18者のうち、製造業者17者を対象とするものであります。
〇38番(斉藤信君) それでは、再質問は知事にお聞きします。
 環境対応車導入補助金について、約9、000台を試算しているようでありますけれども、知事も認めているように燃費が悪い車も補助金の対象になっているのですよ、リッター10キロ程度。例えば車両重量が2、016キロ未満の場合だと、燃費基準が25%改善しても11.1キロです。それ以上になりますと、9.8キロとか8.0キロ。こういう燃費の悪い車も補助金の対象になると、私は全く矛盾だと思うんですよ。ハイブリッドカーは確かに燃費はいいですよ。しかし、プリウスはもう20万台受注がありまして、2月の中旬以降でないと納車にならない。今からやったら、恐らく年度内に岩手県には来ないんじゃないかと。この場合は対象になるのでしょうか。ハイブリッド車というのは、自動車販売台数のよくて約1割ですよ。私は、全体としてこれは環境対策にならないと。そして、減クルマチャレンジウイークまでやって、車の利用を控えましょうといっているときに、自動車を買いましょうという補助金をなぜわざわざ出さなくちゃならぬのか。私は、これは全く自己矛盾した対策ではないのかと。交通権学会の副会長さんは、高級車を買う人に有利で、中古の軽自動車には恩恵がないと。クルマ社会を問い直す会の代表は、地球温暖化が問題になっているときに、車の利用を削減することが課題ではないかと指摘しています。そして、今この自動車産業というのは、派遣切り、期間工切りをしているんですよ。こういう派遣切り、期間工切りをしている自動車産業を応援する補助金が本当に必要なのか、知事にお聞きしたい。
 新型インフルエンザ対策で重要なのは、私は、やっぱり保健所の体制強化だと思いますよ。県内は現段階ではまだ4人程度の感染者の確認になっていますけれども、それでも電話相談、あと濃厚接触者の健康管理は大変な取り組みになるわけですね。これが数十人、100人という規模になったら、今の体制では本当に対応できないと私は思う。そういうときに、知事、北上保健所を統廃合してしまうというのは機能縮小になってしまうと私は思いますよ。これは、こういう危機管理対策ということを考えたら、見直すべきじゃないでしょうか。
 それと、県営住宅のふろがまの整備について、実は東京都が昨年包括外部監査の指摘を受けたのですよ。低所得者対策なのに、都営住宅に入った場合に、二十数万円もかけてふろを購入しなくちゃならない。おかしいじゃないかということで、東京都も、埼玉県も、横浜市も、今、この改善に着手しています。先ほどの答弁だと、臨時交付金の対象になるということでしたが、7割がこの対象になっていない、ふろがまがないという。私は、低所得者対策という点からいったら、これは計画的にこういうことをやるべきじゃないかと。雇用対策でやっても県営住宅に入らないのは、ふろがまがないからですよ。市営住宅もそうなんですよ。私は、そういう意味では、こういう対策こそ検討すべきではないかということを知事にお聞きしたい。
〇知事(達増拓也君) 低所得者に対するさまざまな支援については、いろんな分野でありますので、総合的にきちんと対応してまいりたいと思います。
 それから、新型インフルエンザ対策については、二次保健医療圏ごとに対策をしていくという基本方針がございまして、合理的な対応だと考えております。
 それから、自動車関係についてでありますけれども、まず、雇用の確保については、これは機会あるごとに私からも、また、それぞれ部長、振興局長、いろんなルートを通じて関係の会社には強く訴えているところでございます。
 リッター10キロぐらいの車の購入については、同じぐらいの大きさ、大人数乗れるような車の中でも、特に環境適合車のほうを選択してもらうというインセンティブが働きますので、そこは制度の趣旨がきちんと実現されると期待しております。
 以上でございます。
〇県土整備部長(佐藤文夫君) 県営住宅の浴槽、ふろがま設置の件ですけれども、これにつきましては、県としましては、現在、建てかえとか全面改修、そういうときに県のほうで設置すると考えているところでございます。いずれにしましても、入居されるときに入居希望者にはきちんと説明をした上で募集を行っておりまして、また、入居者からもこれまで具体的なお話もなくきております。また、新たに設置するということを、購入するということではなくてリースということもございますので、その辺も入居される方々にもきちんと説明しておりますので、今後とも県としては全面改修あるいは建てかえのときに設置していくという方針でございます。
〇議長(佐々木一榮君) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、ただいま議題となっております議案第1号から議案第21号までは、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第12回県議会定例会 平成21年7月1日)
総務委員会
1 議案第1号中
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 各款
    歳出 第1款、第2款、第9款、第13款
   第2条
2 議案第6号
3 議案第12号
4 議案第13号
5 議案第14号
6 議案第15号
7 議案第18号
環境福祉委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第3款、第4款
2 議案第2号
3 議案第7号
4 議案第8号
5 議案第9号
6 議案第10号
7 議案第17号
   別表第2及び別表第3の改正関係
8 議案第20号
商工文教委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第5款、第7款、第10款
農林水産委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款中第1項
           第2項
           第3項(第2目中県土整備部関係を除く)
           第4項(県土整備部関係を除く)
           第5項
2 議案第5号
3 議案第11号
4 議案第16号
県土整備委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款中第3項中第2目中県土整備部関係
           第4項中第6目
       第8款
2 議案第3号
3 議案第4号
4 議案第17号
   他の委員会の付託分以外
5 議案第19号
6 議案第21号
〇議長(佐々木一榮君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時46分 散 会

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