平成21年6月定例会 第12回岩手県議会定例会 会議録

前へ 次へ

〇23番(嵯峨壱朗君) 自由民主クラブの嵯峨壱朗でございます。
 昨年9月、一般質問で知事の政治姿勢についてお尋ねいたしました。岩手県知事としての達増拓也と政治家としての達増拓也と、知事自身は矛盾がないと述べておりましたが、そのときのやりとりを見直してみても、私には達増知事の政治姿勢、言動に接するたびに、やはり絶対矛盾的自己同一的存在だと思われてなりません。そのことを指摘しながら、通告に従い、順次質問させていただきます。
 今月23日、知事マニフェスト検証大会が開催されました。第三者検証によれば、100点満点中61点と厳しい採点がなされ、新地域主義戦略、岩手ソフトパワー戦略の2大項目についても、抽象的で説得力に欠ける、評価結果が公表されておらず達成度も確認できないとの指摘もあったようであります。知事は、こうした採点、評価をどのように受けとめているのでしょうか。
 また、知事自身、希望王国マニフェストの評価、検証をどの時点で行う予定なのかお尋ねいたします。
 知事は、知事の役割、仕事について平素からよく言われておりますが、平成21年度の年度初めの訓示の中でも、私は、常々知事の仕事は知ることに尽きる、岩手が今どうなっているかを知ること、どこでだれが困っているかを知ること、そして、どうすれば解決できるかを知ることと述べておりますが、その真意をお聞かせ願いたいと思います。
 また、知ることの大切さは当然なわけでありますが、私は、むしろ結果として、課題を解決する段階に移行して初めて知ることの意味も生じてくるのではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。知事の仕事は知るだけでいいのでしょうか。
 次に、新しい長期計画についてですが、初めに、今回の長期計画は、県行政に関する基本的な計画の議決に関する条例の対象となると理解していいのかお尋ねいたします。
 県総合計画と今回の長期計画の策定手続の違いは何か、長期ビジョン、アクションプランの2層構造になっているが、そのようにした理由は何なのか説明願いたいと思います。また、そのような手法をとった理由、それによってどのような相違点が生じたのかお尋ねしたいと思います。
 知事は、6月11日の記者会見で、グローバル化、少子・高齢化の潮流の中、ゆたかさ、つながり、人を重要な視点として、いっしょに育む希望郷いわてをその基本目標に掲げて計画を策定したと述べております。記者会見等でも触れておりますが、マニフェストのキャッチフレーズにもある希望王国いわてを希望郷いわてとしたその理由を説明願いたいと思います。
 次に、入札制度の改善について質問いたします。
 初めに、県営建設工事の入札制度についてでありますが、本県の入札制度は国土交通省以上に厳正に行われ、トータルで見て、全国の都道府県の中でも最も透明性が高い県の一つと言われております。その結果として、透明性の確保が図られる一方で、企業と事業の存続を危ぶまれるような低入札が増加している状況にあります。
 まず、基本的に知事は、岩手県の県営建設工事の入札のあり方についてどのような認識、どのような感想を持っているのでしょうか。改善すべき点があると考えているのでしょうか、お尋ねいたします。また、あるとすればどのような点にあると考えているのかお聞かせ願いたいと思います。
 近年、異常なほどの低入札が横行し、工事の品質低下が懸念されるほか、下請へのしわ寄せなどマイナスの影響が指摘されております。そうした低入札の実態を県としてはどのように認識し、その原因をどう把握しているのか、また、こうした低入札の増加が県内建設業界及び県内経済にどのような影響を及ぼすと考えているのかお尋ねいたします。
 次に、新型インフルエンザ対策についてお尋ねいたします。
 6月19日に厚生労働省が医療の確保等に関する指針の改定版を示したところでありますが、これを受けて県としてどのような対応をとるのか、岩手の独自の対応策があればあわせてお示しいただきたいと思います。
 また、今回の新型インフルエンザは弱毒性ということで、現在の国、県の行動計画、ガイドラインは強毒性を前提としたもので、弱毒性インフルエンザに対応した計画、ガイドラインの整備が急がれるわけですが、今回の新型インフルエンザ対策は、秋以降予想されている第2波の流行への対策にどう生かされるのかお尋ねいたしたいと思います。
 次に、県北・沿岸振興のかなめの一つであります水産業振興についてお尋ねいたします。
 農林水産業は、国民に安全・安心な食料を供給するという極めて重要な役割を果たしております。とりわけ県北・沿岸地域にとっては重要な基幹産業として地域経済を支えております。
 本県は、北は洋野町から南は陸前高田市まで約700キロにも及ぶ海岸線を有しており、アワビ、ワカメは日本一、サケ、ウニ等は全国第2位など、全国に名だたる水産県であり、この壮麗な景観を有する三陸の海を活用した、例えば養殖業や栽培漁業に代表されるつくり育てる漁業を推進するなど、水産業の振興が重要と考えますが、知事の認識はいかがでしょうか。
 近年の水産業を取り巻く環境は、漁業の生産量が昭和61年の38万9、000トンをピークに、平成18年は20万3、000トンとピークの半分近くまで落ち込んでおり、漁業就業者についても、平成5年の1万5、141人から平成15年の1万470人と、10年間で5、000人も減少しております。
   〔議長退席、副議長着席〕
 また、就業者の年齢は年々高齢化し、男性における60歳以上の割合は、平成5年の29.7%から10年後の平成15年は44.8%まで達しております。現在では恐らく50%をはるかに超えていると思われます。男性就労者の約半数が60歳以上となっているなど、大変厳しい状況にあります。こうした状況を打破するためには、積極的な水産業施策を実行する必要があると思いますが、今後、取り組むべき水産振興施策の方向性についてどのように考えているのかお尋ねいたします。
 次に、橋梁の長寿命化計画についてお尋ねいたします。
 県が管理する橋長15メートル以上の橋梁のうち、建設後50年以上を経過した橋梁は2008年度60橋以上あるわけですが、10年後には235橋、20年後には522橋と、全体の45%と急増する見通しとなっております。これまでのように大規模な修繕を実施する事後保全的な維持管理は財政上困難を来すことが想定されるところであり、このような状況に対応するため、県では、橋梁の長寿命化を図るべく計画を策定したと伺っておりますが、その内容、予算の確保についてお尋ねいたします。
 登壇しての最後となりますが、次に、高校再編についてお尋ねいたします。
 先ほど五日市王議員の質問でも答弁されておりましたが、若干趣旨が違うので、質問させていただきます。
 平成12年から進められてきた高校再編の取り組みは人口減少が最大の要因なわけでありまして、その流れは今後も同様に進んでいく見込みであります。しかし、地域によっては、地域に密着した実業科、例えば種市高校の海洋開発科、久慈工業高校の建設環境科などを設置している例もあります。地域産業に根差した学科を維持するためにも、こうした学科は40人学級といった一律の定員ではなく、定員を少なくするといった柔軟な対応は不可能なのでしょうか。先ほどの教育長の答弁でありますと不可能ではないような答弁でもあったような気がしておりますので、御答弁願いたいと思います。
 以上で登壇しての私の質問を終わらせていただきます。
   〔23番嵯峨壱朗君質問席に移動〕
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 嵯峨壱朗議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、私のマニフェストについてでありますが、今般の第三者検証は、多くの資料をもとに膨大な作業を行い、一定の基準に基づいて論理整合性のある検証が行われたものと受けとめておりまして、評価結果については今後の県政運営の参考にもなると考えております。
 また、マニフェストの自己評価ということでありますけれども、マニフェストは選挙における公約でありまして、その評価作業は、私の知事選挙への対応の仕方と密接不可分でありますことから、現時点では答弁を差し控えさせていただきます。
 他方、私のマニフェストをもとにして、県として策定したいわて希望創造プランの評価については、目指す姿がどこまで達成されたかなどについて検証するとともに、第三者機関である政策評価委員会や県民の皆様から御意見をいただくことも含めてしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
 次に、知ることの真意でありますが、日本語の知るという言葉には、語源上、物事を把握するという意味のほかに、いわゆるガバナンスといった治めるという意味の領土の領という漢字を当てた「領る」というものもございまして、私が日ごろ申し上げている知ることというのは、そうした背景を踏まえて用いているものでございます。
 具体的には、積極的に県内各地に出向き、県民の皆さんとの対話などを通じ、本県の現状と課題をしっかり把握して、その上で、その課題を克服するために、県民にとって何がよりよい選択か、そして何をなすべきかを考え、県職員はもとより、県民の総力を結集して問題解決に当たるとともに、対外的には、トップセールスや国の政策形成を促すため、国への提言、要望を行うなど、県民の代表として行動していくことが、知事である私の役割であると考えております。
 次に、新しい長期計画の策定手続についてでありますが、まず、新しい長期計画が議決条例の対象になるかどうかについてでありますが、新しい長期計画のうち、長期ビジョンは、県行政に関する基本的な計画の議決に関する条例第3条第1項に規定する議決事項に該当するものとして、議会の承認を得たいと考えております。一方、アクションプランについては、長期ビジョンに記載されている各政策分野ごとの政策推進の基本方向を具体化する取り組みを内容とするいわゆる実施計画に該当するものであり、現行のいわて希望創造プランと同様、議決事項には該当しないものと考えております。
 次に、現総合計画との策定手続との違いについては、新しい長期計画は、希望あふれる岩手の姿を実現していくため、地域社会の構成主体が岩手の未来の姿を共有し、その実現に向け総力を結集しながら、一緒に行動していくことが必要でありますことから、岩手県民計画として策定したいと考えております。このため、現総合計画策定時においても実施した県民アンケート調査や、県内各地での懇談会を通じて県民の皆さんから御意見をいただくことに加え、計画策定段階に応じた2度にわたる地域説明会やパブリックコメントの実施、インターネットを活用した計画策定専用ホームページや私のブログの開設、計画概要等のコンビニエンスストアへの配架、いわての未来を切り拓く構想グランプリ─仮称でございますが─による県民からのアイデア募集などによって、県民の計画づくりへのさまざまな参加機会を確保して、岩手県民計画として練り上げていく考えであります。
 次に、計画の構成については、現行の総合計画は、基本構想、基本計画、実施計画の三つで構成されているところでありますが、新しい長期計画は、多くの県民が共有できるよう、簡素でわかりやすいものにすべきという岩手県総合計画審議会などでの議論も踏まえまして、私たちが実現していきたい10年後の岩手の未来を示す長期ビジョンと、その実現のための具体的な取り組みを示したアクションプランという、わかりやすい構成にしたいと考えているところです。
 次に、新しい長期計画の基本目標に、希望郷いわてを掲げた理由についてでありますが、希望王国いわては、選挙の際、私が岩手の現状を危機としてとらえ、それを希望に変えていきたいという思いから、任期である平成22年度までに、岩手が目指す姿をキャッチフレーズ的に表現したものであります。独立国並みの気概を岩手全体として持っていくこと、また、県民一人一人が、独立国の主権者として自覚を持っていくことなどを県民の皆さんに呼びかけたいと考え、マニフェストに掲げました。
 一方、今般お示しした新しい長期計画素案の基本目標に掲げた希望郷いわてという言葉は、実現していきたい岩手の未来の姿を総合計画審議会等において議論を重ねる中で、県民一人一人の、そして地域社会の希望が実現し、それが岩手全体にあふれていく姿であること、岩手に暮らす人のみならず、岩手にゆかりのある人も含め、私たち岩手人にとっての大切な故郷や郷土といった意味合いや、宮澤賢治が唱えた理想郷にも通じること、さらには、経済や環境など、地球規模の危機を岩手から希望に変えていこうというメッセージを発信できるものであることなど、今後10年間で、目指す岩手のありたい姿としてふさわしいと考えたものであります。
 次に、県営建設工事の入札制度の認識についてでありますが、現在の入札制度は、条件付一般競争入札の拡大、電子入札の全面運用等により、公正性、透明性、競争性の確保を図りつつ、入札参加機会を拡充するとともに、県内企業の育成、入札参加者の負担軽減、価格と品質にすぐれた調達を目指すといった観点に立って導入したものであり、これまでのところ、関係者の協力をいただいて、おおむね順調に実施されているものと認識しております。
 一方、一部の工事において入札参加者が少ない事例も出てきており、そうした工事における競争性の確保をどう進めるかといった課題や、品質確保に向けた取り組みとしての総合評価落札方式の一層の活用、さらには、ダンピング防止対策などの課題があるものと考えております。そうした課題に的確に対応しながら、今後とも、安定的で入札参加者や県民から信頼される入札制度の運用に努めてまいります。
 次に、水産振興の重要性の認識についてでありますが、水産業は、国民に安全で良質な水産食料を安定的に提供する重要な役割を担っていますが、特にも、水産業に適した自然環境に恵まれた本県においては、地域の経済を支える重要な柱の一つであると認識しております。一方で、本県水産業を取り巻く厳しい環境は、漁業資源の悪化、漁業者の高齢化、就業者の減少など、そういった状況にございます。
 こうした状況の中で、沿岸地域の活性化を図るため、県としては、これまでも資源管理型漁業やつくり育てる漁業の推進、また、担い手の育成や水産物の加工、流通振興などに取り組んできたところでありますが、今後においては、こうした取り組みに加え、水産業の6次産業化や藻場、干潟の保全など、新たな取り組みにも注力しながら、市町村や関係団体、地域住民等と連携し、水産業の振興に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので御了承をお願いします。
   〔総務部長菅野洋樹君登壇〕
〇総務部長(菅野洋樹君) 低入札の実態についてでございますが、平成20年度の普通会計における落札率は81.4%と、前年度と比較して2.3ポイント下落しており、また、低入札の発生率は30.2%と、現行の入札制度を導入した平成19年7月以降の同年度と比較いたしまして、10.5ポイントの増加が見られるところでございます。これは、近年の公共工事の減少などによる競争激化がその背景にあるものと考えております。
 過度な安値受注は、工事の品質低下や下請、資材業者へのしわ寄せ、さらには、労働条件の悪化や安全対策の不徹底などの問題点が指摘されておりまして、このような受注は建設業の健全な発展を阻害することにもつながるものと考えており、ひいては、県内経済への悪影響も懸念され、その発生を防止することは重要な課題であると認識いたしております。
   〔保健福祉部長千葉茂樹君登壇〕
〇保健福祉部長(千葉茂樹君) まず新型インフルエンザ対策に関して、国の運用方針の改定に伴う県の対応についてでありますが、本県としては、基本的には改定後の国の指針に沿った対応をとることとしており、例えば、感染者については、国の方針どおり自宅療養を原則とし、感染拡大のおそれがある場合や重症化の兆候が見られる場合などには、必要に応じて入院治療を行うこととしたところであります。しかしながら、外来部門については、本県では、近々に患者数が急増する状況にあるとは考えがたいことや、現在の受診の流れ、具体的には、まず保健所等の発熱相談センターへ相談し、感染の可能性が高い方は発熱外来を受診という形の流れが一定程度定着していることなどを踏まえまして、受診者と医療機関双方の混乱を回避するため、県医師会とも協議の上で、すべての医療機関で対応するとの国の方針は直ちには採用せず、当面、現行の体制を継続することとしたところであります。
 次に、今回の対応が流行の第2波への対策にどのように生かされるのかとのお尋ねについてでありますが、今回の対応では、新型インフルエンザ対策の大きな柱である相談体制の整備と発熱外来の設置を早い段階で実現できたことから、県民の安全・安心を確保する上で一定の効果があったものと考えております。
 また、岩手県新型インフルエンザ対策協議会や市町村との連絡会議、医師会等の関係団体との個別協議などを重ねてきた結果、県内の各界各層におきまして、みずから主体的に新型インフルエンザに対処するという機運が高まったと感じております。このことが、これまで課題とされてまいりました発熱外来の設置や、市町村行動計画の新規策定につながっているものと考えております。
 一方、感染者が急増した場合に備えて、今後、発熱外来機能を有する医療機関を大幅にふやしていく必要があるわけでございますが、発熱外来の法的位置づけが不明確であり、費用負担のあり方等が明らかになっていないことや、医療従事者が感染した場合の補償問題等が、その課題として指摘されているところでございます。
 さらに、現行の県の対応方針やガイドラインが国と同様に強毒性のウイルスを想定した内容となっているため、国の基本的対処方針等に従って対応せざるを得ない場面もあったことから、現在の県の対応方針にかえて、11月を目途に策定する県の行動計画におきましては、強毒性以外の場合の対策も盛り込む必要があるものと認識しております。
 今回の対応につきましては、時機を見て改めて総括を行い、国に対策を求めるべき事項については要望を行うとともに、今、申し上げました成果と課題を踏まえまして、今後の対策に生かしてまいりたいと考えております。
   〔農林水産部長瀬川純君登壇〕
〇農林水産部長(瀬川純君) 今後取り組むべき水産振興施策の方向性についてでありますが、いわて希望創造プランに基づき、施策の一層の重点化を図りながら水産業の振興に努める考えであります。
 具体的には、養殖漁業を担う中核的な経営体を育成するため、漁協が取り組む地域営漁計画の実行に対して積極的に支援し、漁場の適正な利用について指導するとともに、サケの回帰率向上やアワビの増殖体制の整備、さらには、安全・安心な水産物を供給するための衛生管理の徹底などを推進することとしております。また、産地と消費地を結ぶ効率的な物流システムの構築や生産者による水産物の直接販売など、新たな取り組みを支援することとしており、市町村や企業、地域住民と一体となって取り組んでまいりたいと考えているところであります。
   〔県土整備部長佐藤文夫君登壇〕
〇県土整備部長(佐藤文夫君) 橋梁の長寿命化計画についてでありますが、この計画は、県が管理する道路橋の維持補修につきまして、損傷が深刻化する前に修繕を実施する予防保全型管理に転換を図ることとし、15メートル以上の橋梁1、156橋それぞれの点検結果に基づきまして、その健全度に応じた修繕内容や時期、予算投資目標などを定めたものでございます。橋梁の健全度を回復させながら長寿命化を図っていくことから、全体としては、従来の事後保全型管理の費用と比較しますと、経済的に維持管理できるメリットがございます。
 具体的な内容でございますが、現状の損傷が著しい橋梁、また、今後数年間で修繕が必要な橋梁合わせて約330橋につきまして、今後8年間で修繕する計画としております。これらに必要な費用は、現在の予算を今後4年間で段階的に増額しながら確保する計画で、後半の4年間では、現在の予算の約1.65倍と多額となりますが、国の補助制度などを活用しながら、予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
   〔教育長法貴敬君登壇〕
〇教育長(法貴敬君) 高等学校の再編についてでありますが、将来の地域産業を担う有為な人材を育成するためには、専門学科の充実は重要であると認識しております。
 高等学校のあり方については、現在、外部有識者による検討委員会において検討をいただいており、先般、中間取りまとめをお示しいただいたところであります。
 学級編成については、さまざまな議論を経て、メリット、デメリットがそれぞれあるものの、現行の40人定員が現実的であるという中間取りまとめがされているというふうに認識しております。
 高等学校の学級編成の標準は、現行法令上においても40人と定められており、本県においても40人学級を標準として運用しておりますが、40人より少ない学級定員とする場合には、現行法令上における教職員配置や給与費などの制度的、財政的な課題があり、それを解決していくことについては、現時点では難しいというふうに考えております。
 今後、県立高校のあり方については、第2次県立高等学校長期構想検討委員会においてその方向性を検討いただいている最中であり、その検討委員会の報告を踏まえるとともに、国における新しい公立学校教職員定数改善計画の策定動向を注視しながら、県教育委員会として、1学級定員を含めた今後の方向性について検討を進めてまいりたいと考えております。
〇23番(嵯峨壱朗君) 御答弁ありがとうございました。いつも野党席にいるので、知事をこんな近くに見たことがないので大変緊張しますけれども、よろしくお願いしたいと思います。野党席という表現は不適切だったかもしれませんけれども。
 知事の選挙のマニフェストについてまたお尋ねしたいと思います。
 知事は、次期の知事選挙においてもマニフェストをつくられるのかどうか、お尋ねしたいと思います。また、つくられるとするならば、今回の新しい長期計画を踏まえたものと考えてよろしいのでしょうか、お尋ねします。
 また、その際、検証を伴ったマニフェストサイクルということについて知事の考え方、先ほども若干述べられましたけれども、一般的な考え方でもいいですけれども、お考えを示していただければと思います。
 それと、先ほど五日市王議員の答弁にもございましたけれども、知事のマニフェストの検証と希望創造プランの検証というのは別物だと私は理解しております。ですから、希望創造プランは当然県がやるものでしょう。マニフェストについては、その検証については、知事自身がやるものではないのかなと思っております。その点についてもお尋ねしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 次期知事選挙におけるマニフェストということでございますけれども、まず、新しい長期計画のほうでございますが、おおむね10年の長期ビジョンと、それから、そのときの知事によるマニフェストサイクルと連動したこの4年間のアクションプランという構成というふうにしているところでございます。
 なお、私が次期知事選挙においてマニフェストをつくるのかという御質問については、そもそも、私が立候補するのかどうかという問題が前提になりますので、今の段階では答弁を控えさせていただきたいと思います。
 また、マニフェストの検証ということについては、マニフェストに基づく知事としての政策、あるいは県としての計画とイコールなんでありますが、これはきちんと検証、評価を行いながら、県政を進めていかなければならないと思っております。
 一方で、マニフェストの評価そのものは、あるいはマニフェストそのものの評価というのは、選挙の日程というか、そういうマニフェストサイクルの中で、次の選挙における有権者の選択に資するためということが目的になりましょうから、まさに私の次期知事選挙における対応と連動した形になりますので、その対応ぶりについては、今の段階では答弁を控えさせていただきたいと思います。
〇23番(嵯峨壱朗君) そのとおりですね。検証をしてしっかりと、次期も立候補していただくかどうかですけれども、頑張っていただきたいと思います。
 それで、先ほど知事は、知事の私が知ることという、知事がいつも言っていることに対しての指摘について、領という言葉が入っているようです。あれは治めるという意味なのかちょっとわかりませんけれども、私も知事がなぜ知ることというふうにこだわるのかということ、なぜこだわったかわかりませんが、知事のこの原点的なことを、実は私なりにちょっと調べてみたんです、大漢和でしたけれども。
 荀子という性悪説に基づいた、そういった中国の戦国時代の思想家がおりますけれども、その荀子の中に、人に君する者は、礼を隆し─興隆の隆ですね─賢を尊びて王となる。主の道は人を知り、臣の道は事を知るにあり。つまり、人の上に立つ者は礼を盛んにして、賢者を尊び、重用して王となることができると。
 その次。君主の道は人を知ることにあり。臣下の道は事を知り─わきまえることにあるという意味なようであります。
 そうしたことで見ると、知事が常日ごろ知るということ、この辺に原点があるのかなと勝手に推察したわけでありますけれども、この場合の知事は、例えば、君主の道は人を知ること、臣下の道は事を知り─知事は君主でしょうか、臣下でしょうか、自分で思っているのは。ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 知事という言葉のもともと使われ始めたのは、南宋の時代、中国で地方長官の意味で知事と使われた。その根拠が、まさに宋学は荀子も含めた儒教の伝統にのっとっていますから、今、議員が御紹介された臣が事を知るという意味で、地方長官を知事と中国で呼ぶようになり、それを明治政府が採用して知事と言うようになったのだと思います。
 そういう意味で、知事は、昔は日本で言えば天皇様の臣下だったわけでありますけれども、今は選挙で選ばれた主権者の負託を受けて仕事をする存在であるというふうに考えます。
〇23番(嵯峨壱朗君) ありがとうございます。県民に対しての臣下であるというとらえ方だと思っていますけれども、儒教の時代と違いますので、そういう意味ではそのとおりかなと思っております。
 それで、実は、先ほど政治姿勢のところでも指摘にとどめたわけですけれども、これは事実があったかどうかだけの確認ですけれども、ある議員が知事に面会を求めて行ったと。そうした場合に、だれが受けたのかわかりませんけれども、あなたは知事を支持する立場ですかと、どっちでしょうかということを聞かれたと。何と答えていいか。面会しなければだめなので、支持しますと答えたという話ですけれども、そういったことは恐らくないと思いますし、知事の当然そういった考え方はないと思っておりますけれども、こういったことがあったと聞いておりますけれども、知事が答えていいのか総務部長なのかわかりませんけれども、確認して、事実があったかどうか。
〇知事(達増拓也君) 思い当たるところはございません。
〇23番(嵯峨壱朗君) そのとおりだと思います。つまり、そういうことがあったというふうなことが言われるようではまずいと私は思っておりますので、ぜひそういった、私を支持するかしないかという観点のみならず、そういった重要性で面会を求めて、政治的立場を超えてなのかわかりませんけれども、いずれ公平にやっていただきたいと思っております。
 それでは、次に新しい長期計画とアクションプランについてお尋ねしたいと思います。
 希望創造プランの策定から1年を経過して、今、見直しをしなければならないという時期なのかと思いますけれども、そういった時期に、どうして今後10年後の計画というものを策定─まだ策定したばかりですから、実は平成22年まではそれが生きているはずです。なぜ、今そんなに計画だけをつくっていくのかなというふうな気がしておりますが、そのことについてもお尋ねしたいと思います。
 また、アクションプランの主な内容と希望王国マニフェスト、これは1年間、希望創造プランが入っておりますので、その相違というものはあるのかどうか、説明願いたいと思います。
 また、希望創造プランの二つの基本戦略、新地域主義戦略、そして岩手ソフトパワー戦略があったわけですけれども、前者は、地域主義戦略については取り入れられているような気がします。わかりやくなったような気がしないでもないんですが、後者のソフトパワー戦略は、言葉自体が見当たらなくなったような気がしております。新しい長期計画のどこにこのソフトパワー戦略というものが生かされているのか、お示し願いたいと思います。
 また、アクションプランの1回目の終了時期と、いわゆる4年後というか、今で言うと平成22年の初めの時期ですね、2回目の開始時期との間に空白期間があります。つまり、新しいアクションプランをつくるまでの間。これについては、例えば2年後、知事選挙で当選した場合、知事はどのアクションプランをもって県政を運営していくのか、お尋ねしたいと思います。
 また、新しい長期計画、これから策定されるアクションプランと、平成22年度の予算編成との関連についてもお尋ねしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 私からは、私のマニフェストの2大戦略と長期計画の関係について答弁させていただきたいと思いますが、今般公表されました新しい長期計画の素案は、総合計画審議会からいただいた中間答申を最大限尊重して策定したものでございますけれども、この中間答申には、岩手の未来を開く重要な視点として、岩手の誇る豊かな地域色を再確認し、世界に通用する持続可能な豊かさをはぐくんでいくということ、また、信頼に基づき個人や地域の自立と共生を実現できるつながりをはぐくんでいくこと、また、地球規模で考え、地域に根差して活動できるいわゆるグローカルな人をはぐくんでいくこと、こうしたことが掲げられておりまして、こうした考え方は、私がマニフェストに掲げた新地域主義戦略や岩手ソフトパワー戦略の考え方にも通じるものというふうに受けとめております。
〇総合政策部長(高前田寿幸君) まず、新しい長期計画の期間についてでございますが、世界的な経済危機を背景として、本県でも厳しさを増しております雇用情勢や地域医療の確保など、県民の暮らしや仕事の現場を脅かしている喫緊の課題について、迅速かつ的確に対応する必要があるというふうに考えております。また、一方で、本県を取り巻く社会経済情勢が厳しさを増す中にあっても、本県の将来を見据え、未来を担う子供たちや地域を支える人材などを育てる人づくり、豊かな自然環境の保全や持続的な経済規模の構築などは長期的な視点で取り組むことが求められております。このように、緊急性を要する課題への対応と同時に、長期的な視点に立った取り組みも進めることが必要であると考え、今般、新しい長期計画を策定することとしたものでございます。
 次に、アクションプランの主な内容と希望王国マニフェストの関係についてでございますが、アクションプランは、長期ビジョンの目指す岩手の未来の姿を実現するために示しました七つの政策分野の展開方向や4広域振興圏の基本方向、さらには、先駆的、独創的な取り組みや仕組みなどを示す未来を切り開く構想などを具体的に進めるための施策を盛り込んだ、平成22年度までのいわゆる実施計画として策定するものでございます。
 この中で希望王国マニフェストに掲げられております施策も盛り込むとともに、長期ビジョンの考え方や内容を踏まえながら策定をしていきたいと考えておりますが、その内容につきましては、現在実施しておりますパブリックコメントや総合計画審議会の意見、さらには県議会の御意見等も踏まえながら、今後、具体的に検討を進め、9月をめどに案としてお示しすることとしております。
 次に、アクションプランの空白期間が生じるのではないかというお尋ねでございますが、アクションプランは、新しい長期計画に掲げます各政策分野の展開方向を具現化するための実施計画として、マニフェストサイクルと連動しながら策定することとしているところでございます。
 したがいまして、9月に公表を予定しておりますアクションプラン案につきましては、知事の任期に合わせ、平成22年度までの2年間を計画期間とすることとしており、次のアクションプランにつきましては、平成23年に予定されております選挙で当選された知事のもとで、選挙で掲げたマニフェスト等に基づく政策を具現化する、平成23年度を初年度といたします4年間の計画として策定していくこととしているところでございます。
 なお、アクションプランは、知事が当選後できる限り速やかに策定されるべきものであると存じているところでございますが、アクションプランの策定前であっても、6月補正予算等を編成する中で、当選された知事御自身のマニフェスト等に基づく政策が具現化できるものと考えているところでございます。
〇総務部長(菅野洋樹君) 新しい長期計画等と平成22年度の予算編成についてでございますが、平成22年度当初予算は、新しい長期計画における長期ビジョン及びその実施計画としてのアクションプラン策定後の最初の予算編成となることが見込まれます。したがいまして、アクションプランと連動し、計画に掲げる政策目標の実現に向けた第一歩となる予算とする必要がございます。言いかえますと、その計画等を支える予算にする必要があろうと存じておりますので、このような視点を踏まえまして具体的な予算編成を行ってまいりたいと考えております。
〇23番(嵯峨壱朗君) ブランクのところですけれども、話としてはわかります。でも、4月にとれて6月の補正にその新しい知事の意向を補正予算で具現化していくというのはできるのかなと。それはちょっと無理じゃないですかね。ちょこちょこっとはあれでしょうけれども、恐らく骨格予算に肉づけしていくという意味のほうが大きくなると思うので、やはりマニフェストサイクルと連動してアクションプランをつくっていくこと自体に、やむを得ない面もあるかもしれませんけれども、かなり無理がある。ですから、実質的には、例えば6月、新しい知事がとれる年度の6月ぐらいまでを含めたアクションプランというのをつくっていっていないと、もちろん前提としてはそういうことがあるのかもしれませんけれども、ちょっと無理があるなと私は思っています。
 実際に、説明でもらった資料にもちゃんとブランクがあいていますよね、あの期間の中で。知事が当選してから策定するまでの数カ月の間のブランクがあいた資料になっています。恐らく無理があると思うんですが、どうでしょうかと思っています。その辺お尋ねしたいと思います。
 それと、いわて希望創造プランと今回のを比べてみて、まだ素案ですから全容は出ておりませんけれども、前は地域主義戦略、岩手ソフトパワー戦略という基本的な戦略を大きく打ち出して、県議会でも議論があったところでしたけれども、これはもうアクションプラン、要は実施計画の域を超えて、基本計画、基本構想、ここで言うビジョンに属するのではないかという議論をした経緯があります。もちろん県当局はこれはあくまで実施計画だというふうに指摘されたわけですけれども、今回の長期ビジョンの素案で見ていくと、どうも希望創造プランのほうがこういった理念的な部分が強いような気がしているんです。その辺の私の感触はどうでしょうか。間違っているかどうかお尋ねしたいと思います。
〇総合政策部長(高前田寿幸君) 2点お尋ねがございました。
 まず、第1点目、マニフェストサイクルの関係、6月補正予算の関係の対応では無理ではないかという御指摘でございますが、これまでの事例もございまして、このアクションプランがない場合におきましても、例えば知事選後の骨格予算に、さらに6月補正、9月補正予算で肉づけをして御自身の掲げられた政策を具体化しているといったような対応はございます。したがいまして、私どもといたしましては、今回こういったマニフェストサイクルと連動した対応というものを今考えているところでございます。
 それから、2点目でございますが、今回のこの二つの戦略、岩手ソフトパワー戦略、それから新地域主義戦略とこの新計画の関係でございますけれども、先ほど知事からも御答弁申し上げましたように、この点につきましては総合計画審議会の中でもさまざまな御議論をいただいております。本県、そして世界をめぐるさまざまなトレンドが大きく変わっている中で、これからの10年、岩手がどうあるべきかといったようなことをその総合計画審議会の中で真摯に御議論をいただいたところでございまして、そういった中で、特に三つの部会で16回にわたる審議を重ねていただきまして、そういった議論の中で今回中間答申をいただいているところでございまして、そういった中間答申の中に、先ほど知事から御答弁申し上げましたような考え方が盛り込まれているということでございまして、そういったものを尊重して、これから私どもとしては具体的な計画の策定作業をさらに進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
〇23番(嵯峨壱朗君) 素案でありますので、これから議論を詰めていきたいと思っております。
 次に、入札制度の改善策についてお尋ねしたいと思います。
 先ほども低入札のお話が出ておりましたけれども、部長の説明ですと平成20年度30%が低入札で、そしてその率もどんどん伸びているという話でございました。私が調べたところによると、実態的に言うと、低いほうから見ていくと、土木工事で見ると、平成18年度、低いのが67.4%、平成19年度65.0%、平成20年度62.2%という状態です。そして、その他というところで橋梁の補修とか塗装補修、これに至っては平成20年度47.0%とか50.8%という実態があるわけです。こういった実態を見ると、平均で見ると八十数%と言うのかもしれませんが、本当にこれでできるのかと。予定価格の意味があるのかという気がしてしまいます。
 先ほどは認識しているという話でありましたけれども、実はこれ、きっちり対処すべきではないかと思っていました。2月に調査・失格基準が厳格化されたわけでありますけれども、約5カ月間経過しております。その効果は実際どうなっていたのか。そして、当初予想したとおりの結果等が出ているのか。また、想定どおりの結果でなかったとすれば、今後どのように対処していくのかお尋ねしたいと思います。
 また、建設関連業務があるわけですけれども、今度7月に、あしたからですか、新しい制度を導入するということですけれども、今まで、最低制限価格制度ではないために著しい低入札が行われているという実態がございます。私も調べてみましたけれども、この建設関連業務、測量とか地質調査等でありますけれども、湖沼関係コンサルタント、平成19年度は10.9%というのがあります。さらに平成18年度は10.1%というのもありました。あと、土木コンサル、低いほうからですけれども10.2%、20.7%、毎年恐ろしいほど低い低入札が行われてきているわけです。これは、それでも仕事ができるのかという疑問があります。
 ですから、低入札の実態の中で、一番懸念されるのは、品質の低下。先ほど具体的にはなかったんですけれども、完成検査では品質の低下という実態が実際に確認できるのかどうかお尋ねしたいと思います。
 また、この関連業務については、昨年度から一部業種で試行的に条件付一般競争入札を実施しているわけでありますけれども、この変動式の失格基準価格を導入した結果、その効果があったのかどうか、あわせてお尋ねしたいと思います。
 また、今年、あしたからですけれども、新たな対応策を考えているようですけれども、その内容についてもお示し願いたいと思います。
〇総務部長(菅野洋樹君) 本年2月に見直したところでございます。これ以降の落札率82.7%と1月までと比較して1.5ポイント上昇していると。また、最低の落札率も上昇傾向が見られまして、徐々に効果があらわれているのではないかとも考えられますが、やはり4、5月の発注件数が少ないこともございます。したがいまして、これをもって直ちに効果があったのだと、この見直しですべてよかったのだと即断するのはまだ早いだろうと思ってございます。今後その推移をよく見る必要があるだろうと思ってございます。
 さらに、本年6月からは、国のモデル改正に合わせまして調査基準価格を引き上げたところでございます。このことへの影響も含めまして今後の状況をよく分析してまいりたいと存じておりまして、必要と認められた場合には、速やかにさらなる対応を検討してまいりたいと考えております。
〇県土整備部長(佐藤文夫君) 建設関連業務委託の成果品の確認ということでございますが、これにつきましては、成果品が失格となっているケースはございません。その反面、担当者のほうで受託者との綿密な打ち合わせ等々によって行政コストがかさんでいるという面は否めない事実であろうというふうに思っております。
 次に、昨年度から試行しております条件付一般競争入札の変動式の失格基準価格の導入の効果についてでございますが、対象となった案件58件がございます。その業務の平均落札率は86.1%となっておりまして、全体の建設関連業務の平均の落札率は76.4%となっておりますので、約10ポイント程度上回っており、一定の効果があったと評価しております。
 次に、あすから取り組む内容についてでございますが、低入札の実態、先ほど議員のほうから御紹介がありましたように、最低落札率が非常に低くなってございます。その5業務の平均で、平成20年度では25%程度という極端な低入札の現状にございます。
 したがいまして、このような低入札の実態を踏まえまして、また入札執行の事務量も勘案しまして、すべての建設関連業務の入札につきまして最低制限価格制度を試行的に導入することとしているものでございます。
〇副議長(小野寺研一君) 聞き取りにくいところがあるんだそうです。力強く質問をしていただきたい。
〇23番(嵯峨壱朗君) では、元気よく。
 今の説明でもありましたけれども、実際、予定価格に対して10%という落札でまともな仕事ができたんでしょうかね。先ほど事務量がふえたとかというマイナスがあったということですが、まるで手品のような話ですけれども、実際どのように実態を把握しているんでしょうか。できたのでしょうか。
〇県土整備部長(佐藤文夫君) 成果品の検収というのは、受注業者の方から作業が終わった段階で、成果品の検収ということで検査がございます。その検査の過程で、私どもが当初予定しておりました成果品の内容のとおりになっているかを検証しまして、確認をしているということでございます。
 その確認の結果でございますが、失格となっているものは当然ないわけでございまして、その確認の過程で不測の事態がもしあるのであれば、中間の打ち合わせとかそういうもので、受注した建設企業あるいはコンサルタントの方々と打ち合わせをしながら進めておりますので、結果として低入札の業務の中で失格となるような成果品の納入というのはないということでございます。
〇23番(嵯峨壱朗君) 今の説明ですと、10%でも十分できると。だとすれば、最初から予定価格10%にすればいいんじゃないですかね、その価格にと思ってしまうわけですよ。
 恐らくあり得ない話ですよね。だから、それを当たり前のこととして受け取っていること自体に私、疑問が実はあるんです。100%で、ちょっと頑張って8割ぐらいという話だったらまだ、10%ですよ、100万円かかるというのが10万円でできるということです。だったら全部やってもらったほうがいい、県で見ると。おかしいと思わなかったんでしょうか。どうですか、部長。
〇県土整備部長(佐藤文夫君) このような行き過ぎた受注競争、これは今、御指摘のように、工事の品質低下あるいは成果品の品質低下、あるいは建設関連業務に携わっている従業員の方々の賃金、あるいは測量であれば概要を下請に出すということもあるでしょう。そういう下請関連業者へのしわ寄せ、あるいはいろいろ現地での業務をする場合の安全対策の不徹底等々問題点が当然想定されております。したがって、契約後に、このようなことがないような形でいろいろ指導をしてきたところでございます。
 ただ、このような行き過ぎた受注競争を抑制していくことは非常に重要な課題だというふうに昨年度来考えておりまして、あすからの建設関連業務の最低制限価格の導入というのは、昨年度来の実態を踏まえまして、今回、試行的に踏み切ったものでございます。
〇23番(嵯峨壱朗君) いろいろな実態を深刻に受けとめて新しい対応をするということですけれども、今後の推移を我々も見守っていきたいと思っております。
 次に、新型インフルエンザ対策連絡協議会についてお尋ねいたします。
 県では、岩手県新型インフルエンザ対策連絡協議会を設置して各界の専門家から意見を聴取し、本県の対策を取りまとめることとしているようでありますけれども、専門家の皆さんは、対策の方針決定にどのように関与してどのように連携を図っているのかお伺いいたします。
 専門家の皆さんの一部の意見によると、どうも我々の意見は通っているのか通っていないのか確認できない、県が主導的であり過ぎるのではないかという意見をお伺いします。だから聞いておるわけであります。
 それと、県の予定によりますと、11月までに岩手県の新型インフルエンザ対策行動計画を策定するということになっております。実際にはもっと早い時期にそういった新型インフルエンザの、蔓延するかどうかわかりませんけれども、今まで以上になるのではないかという懸念もあるわけです。11月の策定では私は遅過ぎるのではないかと思っております。ですから、前倒しでやるべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇保健福祉部長(千葉茂樹君) 岩手県新型インフルエンザ対策連絡協議会と県の対策との関連についてでございますけれども、県といたしましては、11月を目途に、県の各部局が行う具体的な取り組みを盛り込みました行動計画を策定いたしますとともにガイドラインを改定することとしております。このガイドラインは、感染拡大防止や医療などの各種対策につきまして、県民、関係機関、団体の役割分担を具体的に示し、県民各層の取り組みを促すための指針となるものでございます。このため、このガイドラインは、医療関係団体やライフライン関係企業、報道機関、行政関係者など関係団体等との共同作業によりつくり上げていくこととしておりまして、今後、同協議会の幹事会や専門部会において検討を進めまして、検討結果を11月に開催する協議会の場で共有していきたいというふうに考えております。
 こうした取り組みを通じまして、協議会を構成する各団体にみずから果たすべき役割等を改めて十分御認識いただきまして、官民一体となって新型インフルエンザ対策を推進していきたいと考えているところでございます。
 ただいま議員から11月では遅いのではないかというようなお話もございましたが、できるだけこの内容につきましては早目に取り組んでまいりたいと思っております。専門部会あるいは幹事会であらかたの中間的なまとめもできると思っておりまして、この11月というのはあくまでも最終的なゴールでございます。今、議員から御懸念のございましたように、その前にもう一度また蔓延するんじゃないかという御指摘も十分私どもも考えておりますので、いずれできるだけ速やかに公表しつつ、体制の構築を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
〇23番(嵯峨壱朗君) 新型インフルエンザに対しては、専門家の意見も、せっかく機会があるので十分聞いて十分な対策をつくっていただきたい。そしてまた、できるだけ早くつくっていただきたいと思います。
 次に、水産振興施策について具体的にお尋ねします。
 近年、サケの漁獲量が低迷しております。このことが地域や漁業経営に与える影響をまずどのように考えているのかお尋ねしたいと思います。
 平成16年3万トン、過去7万トンがピークだったと思っておりますけれども、現在では平成20年度で2万4、000トンという数字になっています。これは、価格が若干悪いころと比べると倍になっています。5、037円から、昨年度は1万137円という数字でありますので、それでもっている部分があるんですけれども、どんどん減ってきています。
 聞くところによると、3万トンをまず確保したい。そして、できれば4万トン、そうすれば漁家の生活も十分、若手の後継者もふえていくというふうな言い方をされております。
 サケは岩手の魚に指定されておりますし、その漁獲量は北海道に次いで、また本州一なわけであります。このサケというのは、漁師にすると直接的に入ってくる収入にもなります。こういった意味でこの漁獲量を増大する必要があると思うんですけれども、その具体的な取り組みをお尋ねしたいと思います。
 また、回帰率がよくないとずっと言われております。北海道が5%なのに岩手県は2%だとか、そういったことが指摘されておりますけれども、議論をよくしておりますが、今、昨年の状況を見てどのような認識をお持ちなのか答えていただければと思います。
 また、アワビについても、天候もありますので一概には言えませんけれども、価格が大分下がってきているわけです。これも直接漁家の収入になるという意味で重要な魚種でありますけれども、この単価が下落したことについては県はどのように認識して、今後の単価の回復の見通しについてお尋ねしたいと思います。また、このような単価ではアワビの放流事業にも影響が出ると思いますが、放流事業についてもどのように対応していくのかお尋ねしたいと思います。
 きのうの洋野町の議会ですか、アワビの稚貝の購入に補助を単独で国の資金を使ってやるということが出ておりましたけれども、そういうふうに、どんどん直接自治体がやらなければならない状況がふえてきている。実は予算の推移を見ると、水産振興関係の予算というのは平成16年以前はもっとあったんですけれども、平成16年度からと比べてみても13億円、その程度しかないと言われればその程度なんですけれども、そして平成20年度6億9、700万円、約半分になっています、水産振興費。サケの関係予算は、2億9、200万円だったのが8、700万円。アワビについても3億1、000万円、この5年で1億5、000万円と大幅に減っております。いろいろな理由があることは承知しておりますが、いずれこういったものももしかしたら漁獲量が減っているのに影響するのではないかなと思っておりますので、お答え願えればと思います。
〇農林水産部長(瀬川純君) まず、サケの漁獲量の低迷についてでありますが、平成19年度のサケの生産額は、本県漁業生産全体の21%、魚市場の取り扱い金額が33%を占めるなど、漁業生産から流通、加工に至るまで、地域の水産業における最も重要な魚種となっているところでございます。
 また、漁業経営におきましては、平成19年度の漁協における事業利益のうち、サケ漁を主体とした定置網自営事業の割合が約5割を占めるなど、サケに大きく依存した経営状況となっております。
 このため、沿岸地域経済の活性化や漁業経営にとっては、低迷するサケの漁獲量を増大させることが最も重要な課題と認識しております。
 次に、サケの漁獲量の増大対策についてでありますが、議員御指摘のとおり、近年、サケの回帰率は2%台と低い水準にあるものでございます。回帰率の変動にはさまざまな要因が関与いたしますが、ふ化放流から沿岸での生育期間までが回帰率を大きく左右すると言われております。県としましては、健康な稚魚を適期に適サイズで放流する指導など飼育技術の向上に努めてきたところでありますが、こうした取り組みに加え、本年度からは新たにさけ回帰率向上緊急対策事業を実施し、本県独自の総合的な取り組みを関係団体や市町村と一体となって進めているところでございます。
 具体的には、産学官の連携により、稚魚を海水に早く適応させ、成長や歩どまりを高める飼育技術の開発について取り組んでいるほか、ふ化場技術者の人材育成を目的とした技術研修の開催、さらには基盤整備の面でも、本年度創設した県単補助制度による老朽化したふ化場の機器整備について関係機関と協議中であります。このような取り組みによりサケの回帰率向上に努め、漁獲量の増大を図ってまいります。
 次に、アワビについてでございますが、アワビの単価下落に対する県の認識と回復の見通しについては、近年の本県産アワビは約六、七割が中国向けに品質のよい乾鮑として輸出され、安定した需要が確保されてきたところであります。この中国の乾鮑市場は、新規参入業者の増加に伴う供給過剰の状況の中、昨年来の世界的な経済不況の影響を受け、平成20年の輸出額は前年比の約5割に落ち込んだところでございます。また、国内においては、円高により韓国産の安価な生鮮アワビの輸入が増加するなど、アワビを取り巻く環境は総じて厳しい状況が続いておりますことから、単価の早急な回復は難しいものと認識しております。
 次に、アワビの単価の低迷に対する県の対策についてでありますが、アワビの価格につきましては、これまで乾鮑を主体とした中国向けの外需に大きく依存し、高値を維持してきたところでございますが、今後は内需にも目を向け、安定的な需要の確保に努める必要があると考えております。
 特にも、三陸産天然アワビとして、韓国産など他産地や養殖ものとの差別化、産直などを含めた多様な販売体制の構築などにより、消費が拡大され、価格の回復にもつながるよう、県としても漁業者及び関係団体等の取り組みを支援してまいります。
 次に、今後のアワビ放流事業への影響についてでありますが、アワビは、各漁協が行う種苗放流により年間漁獲量の約4分の1が安定的に確保されておりますことから、今後とも継続して種苗放流事業を行っていく必要があると認識しております。そのためには、より一層効率的な事業運営に努めることが必要であり、回収率が高い優良漁場への積極的な種苗放流や潜水漁法の導入や夏期を含めた漁獲時期の延長など、放流貝の回収率を高める取り組みの強化について関係団体と協議してまいりたいと考えております。
〇23番(嵯峨壱朗君) 一部触れておりましたけれども、アワビの夏期採捕というんですか、夏にとるという、今、試験的に今年度までですか、来年度も含めてでしたか、行われているという実態でありますけれども、青森県等では夏も採捕しているわけです。恐らくこれは量的に見ると、冬とるものに影響するかというとそうでもないと。夏にとったから冬少ないんだということもないような話も聞いております。そういったことについて、冬ではなくて夏にとることによって漁家から見ると収入増にもつながるという例があるかと思うんですけれども、その辺についての考え方をお聞かせ願いたいと思います。
〇農林水産部長(瀬川純君) 議員お話しのとおり、今、試験採捕という形で行われていると思いますが、こうした点につきましても、御指摘の点も含めましてよく検討させていただきたいと思っております。
〇23番(嵯峨壱朗君) もう少し用意してはいたんですけれども、質問しても答える時間がなくなりますのでここで終わりますが、ぜひ長期計画等を含めてしっかりと対応していっていただきたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)
〇副議長(小野寺研一君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時38分 休 憩
出席議員(46名)
1  番 木 村 幸 弘 君
2  番 久 保 孝 喜 君
3  番 小 西 和 子 君
4  番 工 藤 勝 博 君
5  番 岩 渕   誠 君
6  番 郷右近   浩 君
7  番 高 橋   元 君
8  番 喜 多 正 敏 君
9  番 高 橋 昌 造 君
10  番 菅 原 一 敏 君
11  番 小野寺 有 一 君
12  番 熊 谷   泉 君
14  番 高 橋 博 之 君
15  番 亀卦川 富 夫 君
16  番 中 平   均 君
17  番 五日市   王 君
18  番 関 根 敏 伸 君
19  番 三 浦 陽 子 君
20  番 小田島 峰 雄 君
22  番 高 橋 雪 文 君
23  番 嵯 峨 壱 朗 君
24  番 及 川 あつし 君
25  番 飯 澤   匡 君
26  番 田 村   誠 君
27  番 大 宮 惇 幸 君
28  番 千 葉 康一郎 君
29  番 新居田 弘 文 君
30  番 工 藤 大 輔 君
31  番 佐々木 順 一 君
32  番 佐々木   博 君
33  番 工 藤 勝 子 君
34  番 平 沼   健 君
35  番 樋 下 正 信 君
36  番 柳 村 岩 見 君
37  番 阿 部 富 雄 君
38  番 斉 藤   信 君
39  番 吉 田 洋 治 君
40  番 及 川 幸 子 君
41  番 佐々木 一 榮 君
42  番 伊 藤 勢 至 君
43  番 渡 辺 幸 貫 君
44  番 小野寺 研 一 君
45  番 千 葉   伝 君
46  番 佐々木 大 和 君
47  番 菊 池   勲 君
48  番 小野寺   好 君
欠席議員(1名)
21  番 高 橋 比奈子 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後3時55分 再開
〇副議長(小野寺研一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。木村幸弘君。
   〔1番木村幸弘君登壇〕(拍手)

前へ 次へ