平成21年6月定例会 第12回岩手県議会定例会 会議録

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〇36番(柳村岩見君) 議席番号36番、自由民主クラブの柳村岩見でございます。
 先輩、同僚議員の皆様の御配慮によりまして、12回目の一般質問の機会をいただきましたことに感謝を申し上げます。
 通告に従い順次質問してまいりますが、詳細に通告いたしておりますので、明快な御答弁をお願いしておきます。
 初めに、地域医療のあり方についてお伺いいたします。
 平成21年4月より5地域診療センターの無床化、平成22年4月1日からの沼宮内病院の無床化を含む岩手県立病院等の新しい経営計画案は、紫波病院、花泉病院の地域診療センター化から2年8カ月後、大迫病院、伊保内病院の地域診療センター化から1年8カ月後、住田病院では、地域診療センター化からわずか8カ月後の平成20年11月17日に発表されました。
 今年1月から2月にかけて6地域で地域診療センター等懇談会を開催。2月10日に県議会議員への最終案の説明が行われ、県立病院改革における議会意思の尊重を求める要請がされた3日後、県は、岩手県立病院等の新しい経営計画を決定いたしました。
 補正予算のマイクロバス等購入費の削除修正案を可決、異例の再議を経て、マイクロバス等の購入費を含まない補正予算可決、平成21年度当初予算の可決により4月1日より5地域診療センターの病床休止が決定されました。再議を含めて異例づくめのこの決定は、岩手県政史上に特筆しておかなければなりません。
 県立5地域診療センターの入院ベッドが休止されてから、休止地域を対象に開催された地域診療センター等懇談会に、知事は、この問題では初めて出席されました。それぞれの地域で多くの厳しい意見を聞かれたことと存じます。
 まず、知事は、どのような地域の声を聞き、どのような感想をお持ちになったのか、お伺いいたします。
 主催者の医療局では、それぞれ地域の懇談会での意見をどのように整理し、今後の懇談会でどのような集約をしていくお考えか、お伺いいたします。
 県立の21病院と5地域診療センターに勤務する医師の退職者に歯どめがかからない状況ですが、このような状況についての認識についてお伺いいたします。
 一方、県保健福祉部が所管する二次医療圏単位の地域医療に関する懇談会は、第1回目の懇談会が終了したところと存じます。会議の集約をどのように整理しておられるのかお伺いいたします。
 私も、盛岡医療圏の地域診療に関する懇談会に出席いたしましたが、懇談会の開催をおおむね3回ということですが、発言の種類と数から、とても3回の開催で一定の方向性やそれぞれの立場での取り組みを整理し切れないと感じた次第であります。保健福祉部ではどのようにとらえておられるか、お伺いいたします。
 このほかに、県医療局は、平成20年度の県立病院等事業会計決算概要を発表いたしました。それによれば3年連続の赤字で、純損失は29億4、200万円となり、単年度としては過去最大、累積欠損金は167億8、000万円まで膨らんだとのことであります。このことに関する受けとめ方と改善策をお聞きしておかなければなりません。
 5地域診療センターの入院ベッド休止は、地域医療問題を考える実質的スタートとなりました。しっかりした議論をし、それぞれの主体が、それぞれの立場で取り組み目標を設定して取り組みを進め、その連携を成果につなげていかなければなりません。このいわゆる無床化を契機とした地域医療問題にどう取り組んでいくのか、知事の御決意をお伺いしておきます。
 次に、介護保険制度の第4期介護保険事業支援計画についてお伺いいたします。
 介護保険制度は、平成12年4月の介護保険法施行以来、法等の一部を改正する等の経過をたどりながら、3年間を1期とする事業計画期間を、1期、2期、3期を経て、今年度より第4期事業計画期間に入っております。
 介護保険制度スタートからの状況全部をお聞きするわけにはいきませんが、特にも第3期事業計画では、平成18年からは改正法の全面施行に入り、新予防給付、地域包括支援センターの創設、地域密着型サービスの創設が示され、それぞれに取り組んでこられたと存じます。
 地域の特性に応じた多様で柔軟なサービス提供が可能となることが目的であった地域密着型サービスはどのように展開されたのか、お伺いいたします。
 また、地域包括ケア体制の整備では、市町村の施策優先やマンパワーとの関係で遍在も予想されるところであります。第3期支援計画の達成度、今後の課題について、どのように認識しておられるかをお伺いいたします。
 また、第3期支援計画のそれぞれの未達成部分、課題は、今年度スタートした第4期事業計画にどのように位置づけられているかについてもお伺いしておきます。
 既に県の6月補正予算において、国の介護事業業務従事者処遇改善等臨時特例基金交付金及び介護基盤緊急整備等臨時特例交付金を活用して新規に基金を造成し、介護業務従事者処遇改善交付金、施設開設準備経費特例対策事業補助、介護サービス施設等整備特例対策事業費補助事業の予算が措置されております。かねてより実施が決まっていた介護報酬3%アップ改定とあわせて、国の地域活性化・経済危機対策もあって、第4期事業計画の今年、初年度より充実した事業・予算でスタートすることができたと考えております。
 まず、6月補正予算で新規に措置している事業について、その内容と事業展開についてお伺いいたします。
 また、事業の予算化は、東北では岩手県だけが6月補正予算対応していると聞きますが、それはどの事業で、その基本的な考え方についてお伺いいたします。
 次に、県の食料自給率向上計画の策定についてお伺いいたします。
 食料は、人間の生命の維持に欠くことのできないものであるだけでなく、健康で充実した生活の基盤として重要なものであります。食料の安定供給を確保することは、社会の安定及び国民の安心と健康の維持を図る上で不可欠であります。しかしながら、世界の食料自給が中長期的に逼迫する可能性もあると見込まれる中で、我が国の食料自給率は低下し、現在、我が国の食料の約6割を海外に依存している状況にあります。
 平成19年度の食料自給率は、カロリーベースは前年度から1ポイント増加して40%、生産額ベースでは前年度から2ポイント低下し66%となっております。
 都道府県別食料自給率では、カロリーべースで、本県は平成19年度104%で前年より1ポイント低下しており、青森県、宮城県、福島県が1ポイントアップ、山形県は同数値で、秋田県が2ポイントアップしております。
 秋田県では、食料自給率の向上を図るため、担い手への経営支援、簡易な基盤整備、生産、販売体制の強化、各種技術実証の実施など、水田のフル活用に向けた取り組みを総合的に展開する、あきた型食料自給力向上対策事業を平成21年度から25年度までの事業年度で展開しております。事業としては、自給力アップ戦略推進対策事業、自給力向上基盤強化事業、水田フル活用型経営サポート事業、あきた米粉利用促進事業、畜産活用型自給力向上対策事業、マーケット対応型自給力向上対策事業で、予算額2億5、674万1、000円であります。農林水産部農林政策課の説明では、簡単なこととは考えていないとしながらも、平成18年の自給率175%を平成32年には210%にする目標を掲げているということであります。
 東北6県の食料自給率目標数値の設定、向上計画の有無を調べてみますと、青森県では平成25年度を目標年度に127%の目標を設定しており、秋田県がさきに述べたとおりの目標数値で、山形県が平成27年を目標年に140%の目標を設定しております。宮城県と福島県、岩手県が目標値を持っておりませんが、宮城県では平成21年4月、食料自給率向上対策の基本方針を策定し、その向上を図っております。自給率向上計画策定の有無は、事業はあっても、東北6県とも未策定の状況であります。
 食料自給率の向上は、地球温暖化対策などとともに人類の永遠のテーマであり、自給率の計算は奥深いものがありますが、目標数値、目標年度の設定や向上計画の策定は、そのことからメッセージが発信し続けられることとなり、大変重要なことであります。その結果として、食料自給率の向上が期待されるところであります。
 そこでお伺いいたしますが、県の食料自給率目標数値、食料自給率向上計画の策定に対するお考えを御認識とともにお伺いいたします。
 次に、入札、契約制度についてお伺いいたします。
 県は、県営工事の低入札価格制度の一部見直しと総合評価落札方式における技術提案評価項目の一部見直しを行い、平成20年度2月1日公告の工事から適用しました。この見直しでは、業界に対する説明において不十分との評価がある中、業界も受注者という立場から、まずは実施してみてからとの認識に至ったと聞いております。
 平成20年度の県営建設工事入札の平均落札率は82.3%となって前年を1.6ポイント下回り、このうち随意契約を除く一般競争入札は1、699件で、平均落札率は81.4%、前年度を2.3ポイント下回った結果となったようであります。
 低入札価格調査制度の一部見直しでは、年度中2カ月分しか反映できなかったわけですが、平成20年度の落札率の上下幅と低入札調査対象件数の前年度比較はどうか、落札率低下についてどのように認識されておられますか、お伺いいたします。
 低入札価格調査制度の一部見直しは、その効果が期待されるものとして県が示したものであり、実施移行後5カ月になろうとしておりますが、この間の推移をどのようにとらえておられるか。今後、見直しによる効果が見られない場合の対策、さらなる見直しも必要と考えるところでありますが、お伺いしておきます。
 一方、指名競争入札から全面的に条件つき一般競争入札に移行した平成19年7月以降、県発注工事において、参加者1者または参加者ゼロの入札は、平成20年度までに少なくとも合計133件に達しているようであります。県では、1者入札は原則無効として再入札で対応しており、その事務量、対応日数は膨大なものと考えられます。
 お隣の宮城県では、条件つき一般競争入札を導入した平成16年度から1者入札を中止、不調としておりましたが、事業が進まず効率が悪いため、平成18年度より有効としております。入札において複数業者が応札してこそ競争が成り立つという認識は正しいと考えますが、一般競争入札では、もともと入札に参加するかしないかの企業選択は、公告後のスタート時点で考えられる制度であります。そのように考えないと、日本で岩手県が最後まで採用した価格申告制度の入札制度と同じになってしまいます。
 今後、業者へのアンケートや1者入札の傾向などを分析して対策に反映させるとのことですが、どのような検討をなさっておられるのかお伺いしておきます。
 また、総合評価落札方式の一部見直しでは、総合評価落札方式における技術提案評価項目で離職者の雇用等を評価するとされましたが、どんな状況に至っておりますか、お伺いいたします。
 建設産業において生産性の向上、品質の確保を図るため、建設現場において中核的役割を担う基幹技能士が新たに建設業法施行規則に位置づけられました。建設業法第27条の23第3項の経営事項審査の項目及び基準を定める件において、技術力の審査項目に登録基幹技能者講習修了者が追加され、3点の加点となりました。この制度は、平成20年4月1日から施行され、1年経過しましたが、この制度の普及がいま一つと言われております。
 建設産業において、生産性の向上を図るとともに、品質、コスト、安全面での質の高い施工を確保するためには、施工現場で直接生産活動に従事する技能労働者、とりわけその中核をなす職長等の果たす役割が重要とされ、下請業者の適正な評価及び技術労働者の処遇の改善が期待されるところであります。
 そこでお伺いいたしますが、建設技術振興の観点から、この制度を普及させるとともに、県としてさらなる活用方策を考えるべきと思うのでありますが、基本的な考えと今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、県のスポーツ振興ビジョンと県営運動公園についてお伺いいたします。
 平成28年、岩手県で開催される2巡目国民体育大会の開・閉会式を行う主会場、陸上競技の実施会場が混迷の中で決定いたしました。これは、県が本来持っているべきスポーツ振興に対する基本的な考え方、その中の、どんどん老朽化していく昭和45年岩手国体開催に向け建設された県営運動公園施設の将来的な位置づけが示されてこなかったことが、最大の理由ではないかと考えるところであります。
 国体開催にかかわらず、県のスポーツ振興について、知事の基本的な考え方をまずお伺いいたします。
 今の県営運動公園陸上競技場の位置づけは、2巡目国体主会場決定議論の中で示されたと認識しております。建設以来四十数年余りを経過している県営運動公園陸上競技場は、償却年数は45年ですが、運動施設として15年を加えた60年が耐用年数で、現在20年を切っております。
 一方、たび重なる公認競技場規定の改訂等の経過によって、今では特別許可された1種公認施設であって、実際には3種と同等となっており、現状のまま手を加えなければ来年4月には3種に降格することとなります。
 新県営運動公園整備については、県総合計画に位置づけられ、そのことにより数町村から立候補があり、熱い誘致合戦が行われた経過があります。誘致合戦の自重が申し合わされ、県の行財政改革プログラムによって大型公共施設整備が凍結されましたが、その後、現在に至る間、増田県政中盤から後半に入る時期に整備構想の検討があったといいます。その検討はどのようなもので、どんな課題があったのでしょうか。そのてんまつについてお伺いいたします。
 陸上競技場が何種公認であろうと、競技する選手が補助トラックでウオーミングアップや練習をする際、ここは300メートルトラックでカーブはきついが、本番は400メートルトラックでカーブは緩やかだ、このような現状は、1秒の何分の1を争う競技では、余りにもお粗末な話であります。
 以上述べました点を考慮して、県営運動公園陸上競技場を初めとする施設の整備構想が県にあるのかないのか、このことについてお伺いいたします。
 また、耐用年数切れが近づいてきたときの対応としては、当然、検討されるべきと考えておられるのか、その御認識についてお伺いいたします。
 次に、6月補正予算についてお伺いいたします。
 今回の県の6月補正は、総額453億円で、補正予算としては極めて大規模なものであると承知しております。これは、過去最大の15兆4、000億円に及ぶ国の経済危機対策に対応したものであります。
 経済危機対策に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議の資料によると、国の対策は、一つには、景気の底割れを回避するための緊急的な対策、二つ目は、未来への投資という意味での成長戦略、三つ目は、政策の総動員による安心と活力の実現、四つ目は、税制改正という4本柱となっております。
 経済危機克服のため、短期的な危機、いわゆる底割れのリスクと構造的な危機、世界経済の大調整への対応として国が打ち出したものであります。
 また、地域活性化・経済危機対策臨時交付金と地域活性化・公共投資臨時交付金の二つの交付金か新設され、地方団体への配慮もこれまで以上に盛り込まれているものであります。
 そこでお伺いいたしますが、県の6月補正予算はどのような基本的な考えのもとに編成したものかお示し願います。
 地域活性化・経済危機対策臨時交付金において、交付限度額の見込み額は、岩手県分、県内各市町村分はどうなっておられるのか、お伺いいたします。
 地域活性化・公共投資臨時交付金は、県、市町村とも未交付であり、県は一部、交付を見込んで県債を充当して6月補正で予算化しております。今後、交付額の決定により、充当した県債との関係、9月補正予算対応等の流れについてお伺いしておきます。
 また、多年度で施策を実施するため、新たな基本条例が五つ提案されておりますが、経済危機対応による都道府県の基金は15基金あるものと聞いております。残るものについて、今後、創設予定の基金は幾つあり、どのようなものがあるのかお伺いいたします。
 基金の数に触れたとき、ふと頭をよぎることがありました。岩手競馬再生基金というようなことが考えられなかったのかということであります。多年にわたる赤字累積、そのための多額の利息を伴う借入金分を構成団体が330億円肩がわりをする。その条件の一つは、単年度収支均衡を確保することとしての岩手競馬は3年目に入っております。公営ギャンブルで生じた赤字に伴う部分への構成団体からの融資は税金でありましたから、単年度ごとの収支均衡は当然であり、そうでなければ県民に理解いただけないものと思います。
 一方で、売り上げの25%部分で運営する条件の中で、25%の総額が年々減少してきております。賞典費等を初めとする削減により対応している現状ですが、いわゆる勝馬投票券販売促進費なる部分も同様であります。事業経営の上からも、事業再建の上からでも、勝馬投票券販売促進費の確保は重大なことであります。
 岩手競馬存続論に立つものではありませんが、一部事務組合の運営であっても、岩手競馬はサービス業であります。存続させていくとするならば、県議会から、執行部やメーンバンクだった金融機関から、基金創設やファンド創設の考えが提案されていい、また、それが経営学の見識であると思います。いつそのタブーを乗り越えて議論がスタートするのか、岩手の経済界の提案があるのか期待しておきたいと思います。今回は、考えを申し述べるだけにとどめておきます。
 本質問の最後になりますが、今回の6月補正予算は、国の意図に沿って地域での経済対策が十分なされた予算であると認識するところですが、国の対策に係る県当局の御認識についてお伺いをいたします。
 以上で私の一般質問を終わりますが、答弁次第では再質問をさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 柳村岩見議員の御質問にお答え申し上げます。
 五つの地域で行った地域診療センター等懇談会についてでありますが、この懇談会においては、私から、地域診療センターの病床を休止せざるを得なかった背景や、地域の方々の不安や心配に対するおわびの気持ち、これらを直接お話しすることができました。また、地域の方々からは、病床休止に伴って感じている不安や、また、心配の内容について具体的に伺うことができました。また、各市町村長、各市町村議会議員の方々にも御出席をいただいて、地域の問題として一緒に考えていきたいというような発言もいただいたところであります。
 今後は、地域診療センター等懇談会などを通じて、医療局と地元との間で十分に話し合っていってほしいと考えております。
 次に、地域医療に関する私の決意ということでございますけれども、県民が安心して医療を受けられる姿を実現するためには、住民、医療関係者、そして行政の3者が、まずは地域医療に関する課題を共有することが必要であり、そのためには、住民の方々に、県立病院を含む地域医療の現状について丁寧に説明し、そして理解していただくことが重要と考えております。このため、現在開催している地域医療に関する懇談会においては、出席者に地域医療の現状や課題について理解を深めていただくとともに、それぞれの立場でなすべき取り組みや協働して行う取り組みについて、御意見、御提言をいただくこととしております。さらに、県民みんなで支える岩手の地域医療推進プロジェクト事業の一環として、各圏域でシンポジウムを開催し、懇談会でまとめられた提言などを広く地域住民の方々に発信し、その共有を図っていきたいと考えております。
 こうした取り組みを通じて、それぞれ主体の具体的な行動や協働の取り組みをさらに広げ、県全体で地域医療の再生を図ってまいりたいと考えております。
 次に、食料自給率目標数値、食料自給率向上計画の策定についてでありますが、国が掲げる食料自給率の目標はカロリーベースの計算によるもので、これは我が国の食料安全保障を確保していくために、非常に重要なものと認識しております。
 このカロリーベースの食料自給率は、米や小麦など、カロリーの高い作物の生産が多いほど数値が高くなるため、本県のように園芸作物を重点的に振興しても、園芸作物はカロリーが低いため自給率には反映されにくく、また、この自給率は販売価格や産出額が考慮されないため、経済性を図ることができないといったことから、これまで県は、認定農業者数や産出額等を目標に掲げ、担い手の育成や生産性の高い産地づくりなどに重点的に取り組んできたところであります。こうした中、世界の食料需給は今後も逼迫基調で推移することが予測されるなど、食料事情が急激に変化しており、国においても、こうした食料危機の懸念に対応するため、国内でどれだけの食料を生産して国民に供給できるかを示す食料自給力という考え方を指標化し、新たな数値目標を設定することを検討していると聞いております。
 県としては、こうした動向等を踏まえ、本県の食料自給力の強化に向け、どのような目標や施策が適切か、新しい長期計画のアクションプランの策定作業等を通じて検討してまいりたいと考えております。
 次に、県のスポーツ振興に対する基本的な考え方についてでありますが、今般お示ししております新しい長期計画の素案においては、私たちが実現していきたい岩手の未来をつくっていくための基本目標として、「いっしょに育む希望郷いわて」というものを掲げております。この計画の推進によって、県民一人一人が学びやスポーツなどを通じてみずからを高めることができる、豊かさをはぐくみ、また、スポーツ活動を通じた人と人とのつながりをはぐくむとともに、岩手の未来を開いていくための人づくりとして、スポーツの振興は重要であると考えております。そのため、これまでも推進してきた岩手県スポーツ振興計画に基づいて、各般の施策を着実に推進するとともに、子供たちに夢と希望を与えることができるよう、平成28年の第71回国民体育大会の開催に向けて、なお一層の競技力向上を図る一方で、生涯にわたり幅広く運動やスポーツとかかわりを持ちながら、明るく健康で活力ある人生を歩むことができるよう、生涯スポーツや健康スポーツの振興を図ってまいります。
 次に、6月補正予算編成に係る基本的考え方についてでありますが、極めて厳しい本県の景気状況、深刻な雇用情勢、また、新型インフルエンザへの対応など喫緊の課題に早急に対応するため、国の補正予算に呼応して6月補正予算案を編成したところであります。
 この6月補正予算案においては、この経済危機を克服するための緊急的な対策として、新たな需要を創出して地域経済を下支えする事業や、厳しい雇用情勢に迅速かつ的確にこたえるための事業などに早急に取り組むこととしております。また、地方が主役となる内需拡大を促進するとともに、強い岩手をつくるための構造転換や体質強化に向けた取り組みなどにも積極的に取り組むこととしております。また、今回の補正予算の財源としては、県の一般財源の負担を抑制するため、地域活性化・経済危機対策臨時交付金や国の各種交付金制度を最大限活用し、編成したものであります。
 次に、国の経済対策に係る県当局の認識についてでありますが、今回の国の補正予算においては、地方公共団体が国の施策と歩調を合わせ、地域活性化のための施策を積極的に展開できるよう、地域活性化・経済危機対策臨時交付金と地域活性化・公共投資臨時交付金が創設されるとともに、雇用対策や地域医療の確保や社会福祉施策等の耐震化などに活用できる15の交付金等が創設、拡充されるなど、一定の地方財政への配慮がなされたと考えております。
 県としては、これら各種交付金制度等を最大限活用し、県内の極めて厳しい景気状況、雇用情勢に迅速かつ的確に対応すべく、6月補正予算案を提案させていただいております。
 なお、これらの経済危機を克服すべく実行される対策が一時的な効果あるいは一過性の対策で終わることなく、今後とも、岩手であれば、岩手が真に強くなるための内需拡大型への構造転換、体質強化へ向けた継続的な取り組みが必要と考えておりまして、こうした財源の確保がなされるよう、全国知事会の場などでも、他の知事の皆さんと連携しながら、引き続き国に強く要請していく考えであります。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁させますので御了承をお願いします。
〇議長(佐々木一榮君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長をいたします。
   〔医療局長田村均次君登壇〕
〇医療局長(田村均次君) 地域診療センター等懇談会での意見についてでありますが、これまでの懇談会においては、地域の医療、福祉を担う医師や福祉関係者、各種住民団体の代表の方々、行政関係者など、参加者それぞれのお立場から、介護保険施設の入所者への対応、夜間、休日の救急対応、交通アクセスの改善、地域診療センターの活用による病床確保など、病床休止に伴って生じた課題等について御意見や御提案をいただくとともに、県立病院のあり方、医師確保など、地域医療全体のあり方にかかわる御意見もいただいたところであります。この懇談会は、病床休止後1年間をめどに開催することとしており、今後とも、病床休止後の地域診療センターの円滑な運営と施設の有効活用について、地元市町村と協議しながら取り組んでいきたいと考えております。
 次に、医師の退職者についての認識でありますが、本年度退職した常勤医師は、5月末までに医局人事を除き6人となっており、県立病院と地域診療センターを合わせた常勤医指数は、6月1日現在で454人となっております。新しい経営計画を着実に進めるためには、医師の退職を防ぎ定着を図ることが何よりも重要であり、医師にとって魅力ある勤務環境への改善が喫緊の課題と考えております。そのため、本年度から医師支援推進室を設置し、医師定着支援のための組織体制の強化を図り、医師に対するきめ細やかな支援や勤務環境の改善等を行っていくこととしているところでございます。
 現在、各県立病院を訪問し、勤務環境の改善に関する諸課題について勤務医の意見を伺っているところであり、今後、いただいた意見をもとに、処遇や服務、職場環境などさまざまな視点から検討を進め、医師の定着に向けた具体的な改善策を講じていく考えであります。
 次に、医療局決算についてでありますが、平成20年度決算におきましては、医師の中途退職等により診療体制が脆弱化し、外来患者数が減少したことや、退職者の増加などによる給与費の増加、委託業務の増加などにより、過去最大の29億4、200万円の単年度赤字となったものであります。こうした極めて厳しい経営状況の中で、新しい経営計画を着実に推進し、安定した経営基盤を確立していくためには、何よりも医師の確保、定着に最大限の努力をしてまいる考えであります。
 さらには、7対1看護の取得やDPC─診断群分類包括評価の導入など、患者に良質な医療を提供しながら収益を確保するとともに、特殊勤務手当の見直し、業務改善等による給与費の適正化、後発医薬品の使用拡大、材料費の縮減などにより費用の抑制を行うこととしており、こうした改善策について、職員が一丸となって取り組んでいかなければならないと考えております。
   〔保健福祉部長千葉茂樹君登壇〕
〇保健福祉部長(千葉茂樹君) まず、地域医療に関する懇談会の意見等の集約と今後の進め方についてでありますが、1回目の懇談会は、各圏域における地域医療に関し、現状と課題の共有を目的として開催したものであり、地域住民代表、関係団体、市町村などから、現状に対する危機意識などに立った住民の自主的な取り組みや市町村の主体的な取り組みの必要性などを初め、それぞれの立場からさまざまな御意見をいただいたところであります。
 2回目以降の懇談会では、1回目でいただいた意見などを踏まえ、地域医療を支えるために各主体が取り組むべきことなどについて整理し、それをもとにさらに議論を深めて提言をいただきたいと考えており、その開催に当たりましては、各圏域の状況などを踏まえ、必要に応じて開催回数をふやすなど、柔軟に対応してまいりたいと考えております。特に、盛岡圏域におきましては懇談会の構成員が多いことから、懇談会の場のみならず、書面でも意見をいただくことなどにより論点を整理しながら進めることとしており、今後とも、各委員の意見を十分いただけるよう配意しながら進めてまいりたいと考えております。
 次に、介護保険事業支援計画の第3期計画の評価と第4期計画の取り組みについてでありますが、第3期計画から導入されました地域密着型サービスにつきましては、定員29人以下の小規模な特別養護老人ホームや認知症グループホームなどは、平成20年度目標定員数1、416人に対し、実績で1、349人、95.3%となっており、順調に整備が進んだものと考えておりますが、通い、訪問、泊まりのサービスを組み合わせて一つの事業所で提供いたします小規模多機能型居宅介護は新しいサービス形態でもあり、事業者の参入も慎重であったことなどから、平成20年度サービス目標量1万1、325人に対し、実績は5、825人と下回っているところにあります。
 また、地域包括ケア体制の中核となる地域包括支援センターは、平成18年度の制度のスタートと同時に、全25保険者に49カ所が設置されたものの、担当地域の高齢者数に応じて配置することとされております保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員の充足率につきましては、平成20年7月1日現在で県全体で69.2%にとどまっており、その充足率の達成が今後の課題と考えております。
 これらの状況を踏まえまして、第4期計画におきましては、小規模多機能型居宅介護について、本議会提案の補正予算に計上しております介護サービス施設等整備臨時特例事業により支援内容を充実し、整備促進を図り、第3期における未達成分の解消に努めることとしております。
 また、地域包括支援センターについては、職員の法定充足率100%の達成を目標としていることから、市町村に職員の充足を要請しますとともに、職員への専門研修を充実し、さらに医療と介護の連携の仕組みづくりや、権利擁護などに対する専門的支援を強化してまいりたいと考えております。
 次に、国の経済危機対策に応じた介護関連事業の展開についてでありますが、国の経済危機対策のための補正予算の成立を受けまして、県として、介護業務従事者の処遇改善と介護基盤の緊急整備に取り組むこととしております。
 まず、介護業務従事者処遇改善等臨時特例事業でありますが、国からの交付金約52億円を原資として県が基金を造成し、平成23年度までの第4期計画期間内において、介護に直接従事する職員の給与改善を行う事業者に対する助成や、介護施設の開設準備経費に対する助成を行うものであります。
 また、介護サービス施設等整備臨時特例事業につきましては、同様に、国からの交付金約53億円を原資として県が基金を造成し、同じく第4期計画期間内の施設整備について、例えば小規模な特別養護老人ホームについては、1床当たりの助成単価を大幅に引き上げるなどの拡充を行いますとともに、消防法施行令の改正に伴い、設置が義務づけられました老人福祉施設のスプリンクラー設置に対す助成を行おうとするものであります。
 県といたしましては、これらの事業につきまして、事業者への周知や事業の円滑実施に配慮し、その効果を早期に波及させるために今回速やかに対応したものでありますが、東北6県の中では、本県のみが6月補正予算に計上しているところであります。
 今後、これらの事業実施により、介護に直接従事する職員の処遇の向上が確実に進むとともに、第4期計画における介護サービス施設の整備がより着実なものとなるものと考えておりますことから、両事業の活用につきまして、市町村や事業者等に積極的に働きかけてまいりたいと考えておます。
   〔総務部長菅野洋樹君登壇〕
〇総務部長(菅野洋樹君) 県営建設工事の落札率等の状況についてでございますが、平成20年度の普通会計における落札率の最高値と最低値の差は53ポイントで、平成19年度と比較して3.8ポイントふえてございます。また、低入札の発生は513件、発生率で30.2%と、現行の入札制度を導入しました平成19年7月以降の同年度と比較して、10.5ポイントの増加が見られるところでございます。
 落札率の低下は、近年の公共事業の減少による競争激化等が背景にあると存じますが、過度な安値受注、いわゆるダンピング受注でございますが、これは工事の品質低下や下請、資材業者へのしわ寄せ、さらには、労働条件の悪化や安全対策の不徹底などの問題点が指摘されておりまして、過度な安値受注を防止することは重要な課題であると認識いたしてございます。
 次に、低入札対策の一部見直し後の状況についてでございますが、調査基準価格等を見直した本年2月以降の落札率は82.7%と、1月までと比較しまして1.5ポイント上昇するとともに、最高値と最低値の差、これも35.8ポイントと、1月までと比較しまして17.2ポイント低下しており、対策の効果が徐々にあらわれているのではないかとも考えられますが、4月、5月は発注件数が少ないことから、その推移を注意深く見守っていく必要があろうと存じてございます。
 さらに、本年6月からは、国のモデル改正に合わせ調査基準価格を引き上げたところであり、今後、状況をよく分析いたしまして、必要と認められた場合は、速やかにさらなる対応を検討してまいりたいと考えております。
 次に、1者入札等への対応についてでございますが、全国的な現象としまして、橋梁維持補修工事、下水道の電気設備、機械設備工事、水門、ゲートの機械設備工事といった専門分野の一部において入札参加者が少ない状況、中には1者での入札という事例も出てきており、本県においても例外ではございませんで、御指摘のとおり、相当数発生しているところでございます。このような工事について、競争性をどのように確保していくかという課題がございます。このため、入札に参加しなかった者へのアンケート調査を行ってきたところであり、現在、その結果の分析を行うとともに、国や御紹介のありました他県の対応状況の調査を進めてございます。これらの調査結果を踏まえつつ、工事担当課とも連携しながら、入札参加条件の改善などについて検討を行っているところでございます。
 次に、地域活性化・経済危機対策臨時交付金の県及び県内市町村への交付見込み額についてでございますが、県分としては約106億円余、県内市町村分として約130億円余で、県分と県内市町村分の合計で約236億円余が交付見込み額として示されているところでございます。
 次に、地域活性化・公共投資臨時交付金に係る今後の対応についてでありますが、現時点において、本県への交付限度額及び制度要綱等が示されていないため、6月補正予算案においては本交付金の歳入予算の計上は行わず、今回、追加で実施する公共事業等の財源として県債を充当する予算案といたしております。
 今後、本交付金の本県限度額等が明らかになった段階において、県債からこの交付金への財源振替を行いたいと考えておりまして、公共事業の追加に伴う地方負担の軽減を図るという、本交付金の趣旨を十分生かしてまいりたいと考えております。
 次に、今後の国の経済対策に関連した今後の基金創設についてでございますが、今回の6月補正予算案においては、国の補正予算において、創設や拡充がなされました交付金制度のうち、その制度内容や本県の交付予定額が判明したもの、これら五つの基金の創設と三つの基金への積み増しを行ったところでございます。
 なお、地域の医療課題を解決するための取り組みを支援する地域医療再生臨時特例交付金、経済情勢の悪化による修学困難な生徒に対する支援として高等学校授業料減免事業等支援臨時特例交付金など、七つの交付金が国の補正予算において予算化されているところでございます。これら交付金への対応につきましては、その制度の内容や本県の交付額等が明らかになり次第、速やかに適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
   〔県土整備部長佐藤文夫君登壇〕
〇県土整備部長(佐藤文夫君) 総合評価落札方式における技術提案評価に関する状況についてでありますが、本年の2月1日以降、入札を公告する工事から雇用対策の評価項目として離職者雇用の実績を追加するとともに、災害復旧工事の評価基準を新たに導入したところでございます。6月中旬までに総合評価落札方式で入札を行った51件につきまして、離職者雇用の実績があると申請した入札参加者は約2割の30社となっておりまして、落札した件数は33%の17件、12社となっております。また、同様に、災害復旧工事17件につきまして、災害応急工事の実績があると申請した入札参加者は約25%の13社となっております。落札した件数は約35%の6件、5社となっております。
 2月に見直した以後の発注件数が少ないことから、今後の入札結果を分析しまして、また、業界団体の意見も聞きながら、引き続き検討してまいりたいと存じます。
 次に、技能労働者の処遇改善と適正な評価についてでありますが、昨年4月から施行されました登録基幹技能者制度につきまして、その推進協議会が施工現場の現場代理人などを対象に行ったアンケート調査によりますと、配置された基幹技能者は、通常の職長に比べまして調整能力などがすぐれているとの回答が多く寄せられました。一方では、基幹技能者の活用を進めるためには、有資格者数の不足が課題ということも指摘されております。
 県としましては、建設現場での生産性向上や若手技能者の育成などを図るため、現場におきまして、施工の調整や技能指導にすぐれた能力を発揮する基幹技能者を積極的に活用することが必要というふうに考えてございます。
 県内の有資格者数は、全国的な課題と同様に、3月末現在で167人にとどまっていることから、今後、国や業界団体と連携しまして制度の普及と活用促進に努めるとともに、発注者としまして、業界団体の意見を伺いながら、総合評価落札方式等において評価するなどの対応を検討してまいりたいと存じます。
   〔教育長法貴敬君登壇〕
〇教育長(法貴敬君) 新運動公園整備に係る検討経緯についてでありますが、新県営運動公園の整備については、平成11年度に策定した岩手県総合計画において総合的スポーツ施設整備事業として計画され、平成12年度からスポーツ施設のあり方に関する懇談会を設置して、各方面の有識者から意見をいただき、検討を重ね、平成14年3月に、県営のスポーツ施設として整備することが望ましい施設は、第1種陸上競技場、総合体育館、ドーム、スポーツ医・科学センターの4施設を整備すること、立地条件としては、交通の利便性が高く、駐車場スペースの確保等の十分な面積の確保が可能なこと、また、現在の県営運動公園は、重複する施設を除却して再整備するなどの提言をいただいているところであります。その後、国と地方を通ずる財政危機に見舞われたことにより、平成15年10月に策定した岩手県行財政構造改革プログラムにおいて、総合的スポーツ施設の整備については凍結され、その後、現在の岩手県集中改革プログラムに引き継がれており、それらの解除をすることは難しい状況にあります。
 しかしながら、スポーツに対するニーズの多様化、複合化、2巡目国体開催を契機とした健康増進、健康スポーツの普及促進の高まりなど、本県スポーツを取り巻く環境が変化しておることから、今後の総合的な本県のスポーツ振興のあり方について、岩手県スポーツ振興審議会等において議論を深めてまいりたいと考えております。
〇36番(柳村岩見君) 再質問をさせていただきます。
 達増知事は、6月23日の定例記者会見で、県営運動公園陸上競技場を第2種整備にとどめる意義を強調された上で、県の総合計画では、本来、交通の利便性のよい場所に新しい運動公園をつくる計画で、盛岡市みたけ運動公園は解体除去される予定だったと説明、財政難で新しい県営運動公園の移転新築が凍結され、東北大会開催可能な第2種競技場となって今後10年ぐらい盛岡市みたけで県営運動公園として機能していくということは、盛岡市にとって悪い話ではないと述べられております。
 第6回岩手県国体準備委員会常任委員会を翌日に控えての記者質問であり、知事もまた意識しての回答と思いますが、本質問でも申し上げたとおり、本来の基本的な考え方について、日ごろ、または必要なタイミングでしっかり示されていれば、議論が混迷することはありません。
 知事は、第6回岩手県国体準備委員会常任委員会の翌日開催を意識したかもしれませんが、やはり話すときには話さなければならない。記者会見では、前の総合計画における運動公園の位置づけ、あるいはまた相澤教育長時代に、増田県政時代に検討された経緯、このことも認識をされて、報告書を読まれておられるそうでありますが、このように記者会見で言及され、記者の質問に対して回答されることは、この本会議場においても、質問に対しきちんとした、みたけの運動公園は、新しいところにつくられ、解体、撤去されるのであった。今もそう考えている。あの施設にどうお金をかけても立派な施設とはなり得ないと思う。新しいところにつくるのが本当だ。知事は、交通の利便性に触れております。
 ですから、私が思いますには、記者会見でこのように記者の質問に対して回答しなければならない時期というのは、議論の中で存在してくるのであります。ですから、盛岡市みたけ県営運動公園の陸上競技場の位置づけなどについて、日ごろから基本的な考え方、あるいはまた、今後10年ほどという知事の表現によれば、耐用年数がいよいよあと数年になったといったときに、基本的な計画をやっぱりつくっていくんだ、それはつくらざるを得ないのだと、この辺についてしっかりとした御答弁をお願いしたいと思います。
 特にも、それを教育長に求めるのは酷な話だと思います。政策でありますから、教育長は約束できることではありません。もちろん知事も、何年知事をやられるか、それは別でありますけれども、岩手県の代表であり、行政は継続性があります。必ずそのことは、前知事の話、あるいは、もちろん再選をされてそれに取り組む上ではなおさらのことであります。行政は継続されますから、そのように行くのが当然であります。知事、明快な御答弁をお願いしたいと思います。
 総務部長、アンケート調査をして、今、ゼロ入札、1者等に対応するため検討していると言いますが、検討というのは期限をつけて検討するんですよね。いつまでですか。時間の予定のない仕事なんてありませんよね。いつまで検討され、それは、結論がいつ出されて、施策上、あるいはまた対外的な問題でありますので、どのように発表され、どう実行されるという予定になっていますか。その予定を持たないでアンケートをとったり検討したりするというのは、今どきはやりませんよ。やっぱり予定は持つべきです。それは、結果として、多少それよりはずれましたということがあったとしても、きちんとした予定を持つべきです。御答弁願います。
〇知事(達増拓也君) 新運動公園整備にかかわる検討については、先ほど教育長から答弁があったとおりでございまして、交通の利便性といった立地条件についても、教育長から答弁があったとおりでございます。
 現在のみたけにある県営運動公園についてでありますが、これは、陸上競技場を第2種公認の陸上競技場として維持していくとともに、スポーツ医科学機能を備えた多目的屋内練習施設を整備して、県民の競技スポーツ、健康スポーツ、生涯スポーツの振興を図る拠点施設として位置づけて、運動公園機能の充実を図ってまいります。
〇総務部長(菅野洋樹君) 1者入札の問題でございますが、この検討は、入札参加条件や工事発注のあり方といった多方面のいろいろな検討が必要だろうと思ってございます。
 先ほど申し上げましたとおり、現在、工事担当課と連携しながら、入札参加条件の改善などについて検討しているところでございます。ですから、できるところからまず速やかに、スピード感を持ってやりまして、それでなおかつうまくいかない場合については、先ほど議員からお話のございました他県の対応状況等も踏まえながら、何をできるかということを一つ一つ詰めてまいりたいと存じております。
〇36番(柳村岩見君) 最初から言っておきます。もうトリックは使いませんから。知事、答弁は結構であります。御提案申し上げておきたいと思います。
 定例記者会見において、やはり知事は……(発言する者あり)もうしゃべれないでしょうから。交通の利便性のよい場所に新しい運動公園をつくる計画で、盛岡市みたけの運動公園は解体除去される予定であったと説明。こういうことは、ここでも言わなければならんのですよ。そして、そういう上に今立っているのか、行財政改革プログラムが進行しておって、そういう願いがあっても今は凍結状態と解釈するのか、それは、表現は別々でありますけれども、しかし、大くくりの認識については、定例記者会見でおっしゃるんですから、本会議場でおっしゃるのは当たり前のことですよ。本会議場で言わないといったらおかしなことになりますよ。定例記者会見でだけ立派にしゃべってということですよ。(「答弁求めなければだめだ」と呼ぶ者あり)周りが答弁求めろという話ですが、これは答えられないんだと思います、さっきの答弁だと。
 定例記者会見においてこのぐらい言及するのですから、その程度の認識は、ここで述べられなければいけないのですよ、この県議会本会議場において。私はそう思います。でなければ、定例記者会見ではしゃあしゃあとおっしゃるけれども、本会議に来るといやに慎重になる。やっぱり慎重だったら、定例記者会見だって慎重にやるべきですよ。
 いいんですよ、認識はそうだ、そうあるべきだと思う。今、行財政改革プログラムは進行中だ。だからそうはならんけれども。きちんとおっしゃっている。今後10年ぐらい盛岡市みたけ県営運動公園として機能していくことは、盛岡市にとって悪い話ではない、こう述べられております。あと10年ぐらいは。その後の話についても、10年とおっしゃる以上は、ここでお話なさってもおかしいことではありません。いかがでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 新しい県営運動公園が整備された場合に、現在の県営運動公園が重複する施設、これは陸上競技場も含むわけですけれども、そうした重複する施設を除却して再整備するという提言を平成14年3月に得ていたというのは、先ほど教育長から答弁があったとおりであります。
 また、この総合的スポーツ施設整備事業が現在凍結されており、そして、現行、岩手県集中改革プログラムにおいても解除することは難しい状況にあるというのは、教育長が答弁したとおりでありまして、私と教育長の間に認識の相違はございません。
   日程第4 議案第22号監査委員の選任に関し同意を求めることについて
〇議長(佐々木一榮君) 次に、日程第4、議案第22号監査委員の選任に関し同意を求めることについてを議題といたします。
 提出者の説明を求めます。宮舘副知事。
   〔副知事宮舘壽喜君登壇〕
〇副知事(宮舘壽喜君) 本日提案いたしました人事案件について御説明いたします。
 議案第22号は、監査委員のうち、議員のうちから選任されていた中平均氏及び工藤勝子氏から辞職の申し出がありましたので、その後任として、千葉康一郎氏及び樋下正信氏を選任するため、議会の同意を求めようとするものであります。
 よろしく御審議の上、原案に御同意くださるようお願いいたします。
〇議長(佐々木一榮君) お諮りいたします。ただいま議題となっております議案は、人事案件でありますので、会議規則第34条第3項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木一榮君) 御異議なしと認めます。よって、これより議案第22号監査委員の選任に関し同意を求めることについてを採決いたします。
 ただいま議題となっております議案第22号監査委員の選任に関し同意を求めることについては、これに同意することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木一榮君) 御異議なしと認めます。よって、議案第22号監査委員の選任に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
〇議長(佐々木一榮君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時22分 散 会

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