平成21年2月定例会 第10回岩手県議会定例会 会議録

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〇48番(小野寺好君) 公明党の小野寺好であります。
 去る3月16日の予算特別委員会において、平成21年度岩手県一般会計予算及び平成21年度岩手県立病院等事業会計予算の編成替え等を求める動議を提出した委員の一人として、これに対する回答としての議案第79号平成21年度岩手県一般会計補正予算(第1号)及び議案第80号平成21年度岩手県立病院等事業会計補正予算(第1号)に対し、編成替えを求めた動議の願意が反映されていないため、反対の立場で討論いたします。
 また、議案第77号平成20年度岩手県一般会計補正予算(第7号)及び議案第78号平成20年度岩手県立病院等事業会計補正予算(第3号)については、否決とした委員長報告に賛成いたします。
 県民のための医療の充実は重要な県政課題であり、特にも産科、小児科、救急医療には期待が大きいため、当局は多額の県費を投入するとともに、医師確保、医師養成のために長年尽力してきたことに敬意を払うものであります。しかしながら、医師不足、偏在に関してはさらに深刻の度を増し、昨年4月から一部の県立病院を有床診療所に切りかえたばかりですが、さらに半年余りでの突然の無床化発表は、病院にお世話になっている当事者だけでなく地域住民や地元行政の反発を招いております。入院するには、自宅からさらに遠くの病院ということになり、また、夜間・休日の突然の疾病、将来の県立病院の閉鎖という懸念を抱かせるなど、大きな不安、不便さが生じるからであります。
 当面している5カ所の医療機関の無床化に関し、これまで、本会議、予算特別委員会、常任委員会等でさまざまに議論が交わされたところでありますが、当局の全く譲歩する姿勢のないことから推測すると、県は、これを機会に県立病院の集約化に大きくハンドルを切ったのだと断じざるを得ません。身近に県立病院があれば住民はフルセットを要望しますが、圏域の基幹病院に医療器機やドクターをそろえ、集約化することによって、要望にこたえることのできる中核な病院に通うように誘導することに方針転換したものと受けとめざるを得ません。
 医師の過重な勤務は解消しなければなりませんが、患者の犠牲も回避しなければなりません。開業医の方から県病を支援したいとの声があるにもかかわらず、知事は、開業医の皆さんに負担をかけたくないと答弁いたしましたが、当面、協力いただけるのであれば医師会にお願いし、また、二次保健医療圏への国からの緊急、臨時的医師派遣を要請しながら、幅広い医師招聘活動、市町村長や住民等との協議を重ねるなど、初めに有床化ありきではなく、広く知恵を求めるべきであります。
 本県の県立病院の淵源は、医療機関に恵まれない地域の農村、漁村住民がみずから医療を確保するため協働で医療機関を持とうとしたことに発し、さらにその後、農業団体等の手の及ばなかった地域にも医療団が組織され、これらが昭和25年に県立病院として発足したと聞いております。県立としては全国に例のない病院数で、不採算であってもやらざるを得ない救急医療や地域の初期医療もよくやってきたと評価いたします。それだけに、急な医療の集約化は住民の理解が得られないままに行うべきではありません。
 さきの無床化実施の延期を求める動議は、賛成26、反対20で可決しましたが、4月からの無床化実施は延期を検討してほしいとの要求を無視し、無床化を強行実施する方針を変えることなく、懇談会開催経費、空き病床利用促進事業費補助、活用策公募経費を内容とする二つの補正予算を出してきましたが、動議提出者の一人として、知事の想定外の対応に驚き、議案第79号及び第80号に反対するものであります。
 なお、新年度の補正予算に反対するものの、無床化実施の延期を求める余り新年度予算を認めないとなると、県立病院全体の運営に支障を来すことになるのでやむなく賛成したものでありますが、強行突破の姿勢には抗議の意思を表明いたします。
 また、それぞれの診療所で、何人乗るかわからないながら平日に3回程度運転するために1台約500万円ほどのバスを購入し、運転士を雇うなどの予算措置にも疑問を抱くものであります。
 以上の理由により、議案第79号平成21年度岩手県一般会計補正予算(第1号)及び議案第80号平成21年度岩手県立病院等事業会計補正予算(第1号)に反対し、また、議案第77号平成20年度岩手県一般会計補正予算(第7号)及び議案第78号平成20年度岩手県立病院等事業会計補正予算(第3号)については、否決とした委員長報告に賛成し、討論といたします。(拍手)
〇議長(渡辺幸貫君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより議案第77号及び議案第78号を一括して採決いたします。
 各案件の委員長の報告は否決でありますので、原案について採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立少数であります。よって、議案第77号及び議案第78号は否決されました。
 次に、請願陳情中、受理番号第61号2巡目岩手国体の開閉会式・陸上競技を岩手県営運動公園で開催することについて請願を採決いたします。
 本件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、受理番号第61号2巡目岩手国体の開閉会式・陸上競技を岩手県営運動公園で開催することについて請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第79号及び議案第80号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、議案第79号及び議案第80号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第41号市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例を採決いたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、議案第41号市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第23号から議案第25号まで、議案第28号から議案第30号まで、議案第36号、議案第38号、議案第42号から議案第45号まで、発議案第1号及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立全員であります。よって、議案第23号から議案第25号まで、議案第28号から議案第30号まで、議案第36号、議案第38号、議案第42号から議案第45号まで、発議案第1号及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   日程第54 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第54、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
〔参照〕
1 継続審査
 総務委員会  
  請願陳情受理番号第60号 2巡目岩手国体の開閉会式・陸上競技を岩手県営運動公園で開催することについて請願
2 継続調査
 環境福祉委員会 
  岩手県立中部病院について
 商工文教委員会 
  みちのく岩手観光立県基本条例に係る県の対応について
 農林水産委員会 
  体験型教育旅行の取組状況について
  水産業・漁村の多面的機能と環境生態系保全活動について
 県土整備委員会 
  河川行政をめぐる最近の情勢について
〇議長(渡辺幸貫君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件については、各委員長からお手元に配付いたしてあるとおりそれぞれ申し出がありますが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(渡辺幸貫君) 御異議なしと認めます。よって、本件は、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
   日程第55 県議会基本条例に関する調査の件
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第55、県議会基本条例に関する調査の件を議題といたします。
 本調査事件に関し、委員長の報告を求めます。佐々木議会のあり方調査特別委員長。
   〔議会のあり方調査特別委員長佐々木一榮君登壇〕

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