平成20年9月定例会 第7回岩手県議会定例会会議録

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〇29番(新居田弘文君) 民主・県民会議の新居田弘文です。会派を代表しまして、発議案第6号原油価格高騰に関する総合的な経済対策の早急な実施を求める意見書の提案理由の説明をいたします。
 現在の日本の経済は極めて深刻な事態に直面しており、国民生活と社会経済は疲弊の度を深めています。その大きな理由の一つが原油価格の高騰にあることは、疑いのないところであります。
 この原油の高騰は、あらゆる面で国民生活と社会経済に影響を及ぼしていますが、我が県のような地方において、その影響は都市部に比べ大きいものがあります。国民生活の観点で見れば、通勤などを初めとして地方では車依存の割合が大きく、勢い、原油価格の高騰は生活コストの上昇に即座にはね返ってきます。
 日本エネルギー経済研究所石油情報センターによれば、県内のレギュラーガソリン1リットル当たりの店頭販売価格は、平成11年5月には92円だったものが、ことし8月には183円に達しており、ほぼ2倍となっております。一方で、平成18年のデータを見ると、全国の町村部の自動車関係支出と東京都区部での自動車関係支出を比べると、町村部が東京都区部の2.7倍を支出するなど、地方ほど車依存度が高く、原油高騰による影響が大きいことは明らかであります。
 なお、一例を紹介いたしますが、盛岡市での物価上昇に占める原油等の影響でございますが、ことし8月における対前年上昇率は3.3%となっていますが、このうち、その上昇率に占める原油高騰に係る割合は2.1%と、上昇率全体の67%に及んでいます。このように、県民・国民生活への原油高騰に伴う影響が着実に拡大しております。
 また、社会経済の面で見ても、我が県の基幹産業である農林漁業は、機械化の進行によって、化石燃料の高騰は生産コストの増大に直接つながっています。当然、マーケットから遠い我が県の流通コストもはね上がっていますが、農林漁業者や運送業者は、原油高騰に伴うコスト上昇分を価格に十分に転嫁できないところも多く、産業の存立基盤さえ危ぶまれる事態となっております。
 こうした状況を打開するためには、まず、暮らしを第一として、広く国民の生活コストを抑え、社会経済活動に対する適切な支援が急務であり、そのために中長期的な視点に立って施策を行うことが肝要であり、地方に十分な自主財源を保障した上で暫定税率の廃止を行うほか、高速道路の無料化によって輸送コストの大幅削減を図り、国内経済の活性化と国民生活の安定化に資するべきと考えます。一方で、化石燃料に依存した我が国の経済活動や暮らしのスタイルを変えていくためにも、新エネルギーの技術開発や普及促進を喚起していくことが求められています。また、このところ、原油価格高騰の大きな要因がヘッジファンドなどによる投機マネーであることから、国際協調による投機規制などで、原油市場の安定化を図ることも有効な手段であります。
 私ども民主・県民会議は、以上、述べてきた観点から、7項目に上る諸施策を早急に行うよう求める意見書を提出するものでありますが、いずれにせよ、原油高騰の影響は弱いところへと押し寄せているのが現状であり、痛みのドミノ倒しとも言える国民生活の危機、生活経済活動の危機は、確実に岩手のような地方と、その地方に住む人々に津波のような勢いで押し寄せています。
 生活に疲弊し、将来の不安を抱くすべての国民に一筋の光明を見出すため、議員各位におかれましては、何とぞこの意見書に御賛同いただきますようお願いを申し上げ、提案理由の説明といたします。よろしくお願いします。(拍手)
〇議長(渡辺幸貫君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております発議案第6号原油価格高騰に関する総合的な経済対策の早急な実施を求める意見書は、会議規則第34条第3項の規定により、委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(渡辺幸貫君) 御異議なしと認めます。よって、発議案第6号原油価格高騰に関する総合的な経済対策の早急な実施を求める意見書は、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
 これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
 これより、発議案第6号原油価格高騰に関する総合的な経済対策の早急な実施を求める意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立少数であります。よって、発議案第6号原油価格高騰に関する総合的な経済対策の早急な実施を求める意見書は、否決されました。
   日程第39 発議案第7号国営農業水利事業の継続及び執行体制の確保を求める意見書から日程第52 発議案第20号食料供給力の向上を求める意見書まで
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第39、発議案第7号から日程第52、発議案第20号までを一括議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各会派の賛同を得た発議案でありますので、会議規則第34条第2項及び第3項の規定並びに先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(渡辺幸貫君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
これより、発議案第11号社会保障関係費の自然増を毎年2、200億円抑制する方針の撤回を求める意見書を採決いたします。
本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、発議案第11号社会保障関係費の自然増を毎年2、200億円抑制する方針の撤回を求める意見書は、原案のとおり可決されました。
 次に、発議案第16号米価下落等に対応する水田農業の所得確保対策に関する意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、発議案第16号米価下落等に対応する水田農業の所得確保対策に関する意見書は、原案のとおり可決されました。
 次に、発議案第7号から発議案第10号まで、発議案第12号から発議案第15号まで、及び発議案第17号から発議案第20号までを一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立全員であります。よって、発議案第7号から発議案第10号まで、発議案第12号から発議案第15号まで、及び発議案第17号から発議案第20号までは、原案のとおり可決されました。
〇議長(渡辺幸貫君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時33分 散会

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