平成20年9月定例会 第7回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。議案に対する質疑を行います。
 議案第2号2008年度岩手県一般会計補正予算(第2号)は、53億9、750万円余の補正を行おうとするものであります。
 第1に、新しい長期計画策定費が649万円余計上されています。いわて希望創造プラン、いわゆる総合計画後期実施計画がことし1月に策定されたばかりです。このプラン自身の見通しが立たないばかりか、来年度の財政・財源の見通しも立たない中で、10年間の長期計画を、時間と労力をかけて策定する意味があるのでしょうか。大ざっぱな計画を策定すると知事の答弁がありましたが、財源の見通しも根拠もない大ざっぱな長期計画に、どういう意味があるのでしょうか。
 知事が策定しようとする長期計画の理念は、どういうものでしょうか。
 第2に、障害者就労訓練設備等整備費補助が1、475万円余計上されています。障害者自立支援法に基づく新事業体制に円滑に移行を図るものでありますが、その内容とこれまでの実績はどうなっているでしょうか。
 障害者自立支援対策臨時特例事業費が5、849万円余計上されています。その事業内容と自立支援法による事業者の負担増の実態、軽減策の状況を示していただきたい。
 第3に、肝炎総合対策推進事業費に肝疾患相談センター設置運営費として339万円余計上されています。このセンターの役割、体制、県内の肝炎感染者の実態と肝炎対策はどうなっているでしょうか。
 第4に、がん・脳卒中対策事業費に、がん検診受診率向上対策費として191万円余計上されています。これは、平成24年度までに受診率50%を目指そうとするものであります。現在の受診率はどうなっているでしょうか。
 県内市町村では大きな格差があります。岩手町や川井村など、がん検診の受診率が高いところの取り組みの特徴、教訓をどう把握しているでしょうか。普及啓発だけでなく、効果的な具体的対策を講じることが必要ではないでしょうか。
 第5に、医療人材育成支援事業費補助として1、461万円余が計上されています。岩手医科大学の地域枠を5名ふやそうとするものでありますが、45名の奨学生の確保実績はどうなったでしょうか。また、これまでの奨学生の義務年限履行状況と、その後の定着状況はどうなっているでしょうか。
 第6に、小規模農地等災害復旧事業費補助が1、023万円余計上されています。これは、岩手・宮城内陸地震により被災した農地等について、国の災害復旧の対象とならない13万円から40万円未満の小規模な復旧工事に県独自に補助しようとするものであります。今回の事業の対象件数の見込みはどうなっているでしょうか。奥州市、一関市が実施しようとしている13万円未満の事業費補助の見通しは、どう把握されているでしょうか。農地・農業施設の被害件数、被害額、復旧事業の状況はどうなっているでしょうか。
 第7に、直轄ダム建設事業費負担金が7億8、933万円余計上されています。これは、岩手・宮城内陸地震に伴う胆沢ダムの災害対策緊急事業の負担金であります。胆沢ダムの被害状況と災害対策緊急事業の総額は、どうなっているでしょうか。
 石淵ダムの被災によって貯水量、農業用水が大幅に減少しましたが、被災状況と復旧の状況、貯水量はどこまで回復しているでしょうか。胆沢ダムの総事業費はどうなっているでしょうか。農業用水、飲料水の計画と現在の必要量に大きな乖離が出ているのではないでしょうか。
 議案第27号は、訴えの提起に関し議決を求めるものであります。これは、県営住宅家賃の滞納者に対して明け渡し等請求訴訟を行おうとするものであります。今回は4件の提起ですが、滞納者の実態を見ると、月10万円以下の低収入、失業状態にあった者、生活保護申請中の方等、実際に支払いが困難と思われる方々であります。多重債務の可能性もあります。こうした滞納者には生活保護の申請や多重債務の解決など、福祉の分野とも連携して解決に当たるべきであります。
 ある入居者の場合、昨年5月に失業し無収入となり、ことし2月に就職。ことし7月以降に家賃7カ月分、15万5、000円納入されています。この方は、私自身も確認しましたが、分割納入の意思のある方であります。こうした方まで、なぜ訴えを起こさなければならないのでしょうか。
 知事に質問しますが、一番の問題は、県民の生活の再建と確立をどう援助するかであります。盛岡市の多重債務解決の例も参考に、県としても、各部局が連携した対応と体制をとるべきではないでしょうか。
 また、補正予算では、退去した滞納者からの取り立てを民間に委託する事業として、52万5、000円が計上されています。県民のプライバシーにかかわる滞納問題を民間に委託して取り立てさせ、成功報酬を支払うやり方は行うべきではないと考えますが、どういう会社に委託し、どれだけの取り立てと成功報酬を検討しているのでしょうか。
 以上でありますが、答弁によっては再質問いたします。
〇知事(達増拓也君) まず、新しい長期計画についてでありますが、社会経済情勢の変化が激しく先を見通しにくい時代だからこそ、私は、長期的な視点に立った岩手のあるべき姿について、県民の皆様と共有しながら、その実現に向けて努力していくことが重要と考えております。こうした考えから、新しい長期計画については、県民一人一人が、この岩手の地でどういう生活を送っていきたいか、それぞれの希望を実現するために地域社会がどうあるべきか、こうした観点から、県民の皆さんが望む岩手の未来を描いていくとともに、その内容については、できるだけ簡素でわかりやすいものにしていきたいと思っております。
 また、長期の財政見通しを具体的に示すことは難しい現状でありますが、描いた未来の岩手の実現に当たっては、施策の選択と集中を徹底させることはもとより、県の取り組みだけではなく、県民、企業、NPOなど、地域の総力を結集する地域経営の視点を重視しながら、みんなで取り組んでいくような計画にしてまいりたいと思っております。
 県営住宅家賃等滞納者の生活の再建と確立についてでありますが、県営住宅の入居者の中には、景気低迷による収入減や失業、多重債務により、やむを得ず滞納してしまう方々もおられます。
 このため、家賃の納入指導とあわせて、収入が著しく減少した世帯等に対する家賃減免の実施や生活保護等の窓口に相談するよう促しております。特に多重債務については、県営住宅入居者に全戸配布しているリーフレットや、家賃納入指導時に、県民生活センターや広域振興局等の消費生活相談室における相談窓口への相談を促しております。
 今後とも、入居者の個別の状況に応じた納入指導や生活相談に対応するなど、適切に取り組んでまいりたいと思います。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので御了承をお願いいたします。
〇保健福祉部長(岩渕良昭君) まず、障害者就労訓練設備等整備費補助についてでありますが、この事業は、主として授産施設等が障害者自立支援法に基づく就労移行支援事業所等に移行しようとする場合に、送迎車両や農機具、食品加工機械などの設備等の購入費を補助するものであり、今年度、当初予算で12施設、3、000万円措置しておりましたが、補助対象施設が16施設に増加したこと等に伴い、1、475万2、000円を増額補正しようとするものであります。また、これまでの実績は、平成18年度20施設、4、672万7、000円、平成19年度13施設、3、148万8、000円と、累計で33施設、7、821万5、000円の補助額となっております。
 次に、障害者自立支援対策臨時特例事業費の事業内容等についてでありますが、障害者自立支援法の施行に伴う激変緩和等に対応するため、平成18年度に国の交付金を財源とし、障害者自立支援対策臨時特例基金を造成して、これまで事業者の施設改修に対する補助や従前収入の90%保障などの事業を実施しており、今回の補正は、諸物価高騰に伴う事業所のコスト増加分に対する補助など、事業メニューが追加されたことに伴うものであります。
 また、事業者の負担増の実態等についてでありますが、約90の事業者を対象に、従前収入からの増減状況を調査したところ、昨年6月時点では収入が減少した事業者が約6割でありましたが、本年6月では約4割となるなど、支援事業による負担軽減効果があらわれていると考えております。
 次に、肝疾患相談センター設置運営費についてでありますが、同センターは、家族等から医師及び看護師が専門的な相談等に応じるため、肝疾患診療連携拠点病院である岩手医科大学附属病院内に設置しようとするものであります。県内のC型肝炎ウイルスの感染者は、国は全国で約200万人から240万人と推定しており、本県の人口に対する比率で算定した結果、およそ2万2、000人から2万6、000人と推定しております。
 本県の肝炎対策でありますが、県内の全保健所で肝炎ウイルス無料検査を実施しており、ことし9月からは主な県立病院でも同様に無料で検査が受けられるよう体制を整備し、また、本年4月からウイルス除去を目的としたインターフェロンの医療費助成を実施しております。さらに、患者の方が適切な診療を受けられるよう肝疾患診療体制を整備することとし、本年4月1日に肝疾患診療連携拠点病院を指定するとともに、今般、15の肝疾患専門医療機関と42の肝炎かかりつけ医を指定して、本県における肝疾患診療ネットワークの構築を図ったところであります。
 次に、がん検診受診率向上対策費についてでありますが、市町村が実施しているがん検診の平成18年度の受診率は、胃がん22.0%、肺がん36.0%、大腸がん25.0%、子宮がん25.7%、乳がん25.9%となっております。受診率の高い市町村では、医療機関と一体となった検診推進組織の設置や、保健推進員の戸別訪問による受診勧奨が行われるなど、他の市町村でも参考とすべき取り組みと評価しております。県は、これまで、市町村、患者団体と連携した啓発イベントの共同開催やポスター掲示、パンフレットの配布等による普及啓発のほか、検診従事者の資質向上のための研修を行ってきたところでありますが、今後は、これまでの取り組みに加え、県、市町村と検診機関による受診率向上のための検討会を設置し、具体的な方策について検討してまいります。
 次に、平成20年度に設定した三つの奨学金制度における奨学生の確保実績についてでありますが、岩手医科大学のいわゆる地域枠に対応して新たに設定した岩手県医師修学資金貸付事業では、地域枠と同数の10名、医療局が実施する医療局医師奨学資金貸付事業では募集枠と同数の20名、県と市町村が共同で実施する市町村医師養成事業では募集枠15名に対して8名であり、新たに設定した合計45名の募集枠に対して、貸付決定者の合計は38名となっております。
 次に、これまでの奨学生の義務履行状況とその後の定着状況についてでありますが、三つの奨学金貸付事業のうち、これまで貸付終了者がある医療局医師奨学資金貸付事業について制度改正した平成9年度以降の状況を見ますと、貸付終了者62名のうち義務履行を終了または義務履行中の者は36名、臨床研修や大学院進学等による義務履行猶予中の者は20名、義務履行せずに貸付金を返還した者は6名となっております。
〇農林水産部長(高前田寿幸君) 小規模農地等と災害復旧事業費補助についてでございますが、まず、対象件数につきましては、関係市町からの被害報告等をもとに185カ所と見込んでおります。
 次に、奥州市及び一関市が実施しようとしている補助事業につきましては、被災農家への説明を終え、現在、稲刈り作業と並行しながら現地状況を確認し、事業要望の取りまとめを行っていると伺っております。
 なお、平成20年岩手・宮城内陸地震に係る農地及び農業用施設の被害は、県全体で797カ所、21億1、100万円となっておりまして、国庫補助の対象となる箇所につきましては、先週までに国による現地査定が終了してございます。関係市町では、稲刈り後の復旧工事の着手に向けまして発注準備を進めているところでございまして、県としては、来春からの農業生産に支障を来さないよう、関係市町を支援してまいります。
〇県土整備部長(佐藤文夫君) まず、胆沢ダムの被害状況でありますが、ダム堤体の盛り立て部の表面の亀裂の発生や、仮排水路トンネルの坑口の斜面が崩落したことによる閉塞のほか、付替国道397号の五つの橋の橋台が損傷するなど被害を受けたところであります。これらの復旧に要する災害対策緊急事業推進費の総額は、50億円となっております。
 次に、石淵ダムの被災状況ですが、堤体天端にひび割れ、波打ちが生じたほか、ダム周辺部の斜面の崩落、また、ダム天端左岸の擁壁などに被害が発生したところであります。
 復旧の状況ですが、堤体天端は10月中に概成し、擁壁などの復旧工事は年度内に完了する予定であり、周辺の斜面などにつきましては、来年度以降実施すると聞いております。
 貯水量の回復状況ですが、地震発生直後に水位を低下させダムの安全性を確認し、その後はかんがい期が終了する9月上旬まで、ダムからかんがい用水などに補給を行ったところであります。
 ことしの石淵ダムの上流域の平均雨量は平年と比較しまして8月中旬まで少なく、6月は39%、7月は71%と渇水の傾向にありまして、農業用水の取水制限を行うとともに、降雨の状況を勘案しながら下流の農業用水が確保できるよう、ダムから補給を行ったところでございます。現在、かんがい期が終了したことから、胆沢ダムの関連ののり面工事のために水位を低下させており、工事が終了する10月中旬以降は、水位を回復させていく予定と聞いております。
 次に、胆沢ダムについてですが、総事業費については2、440億円でございます。
 農業用水の計画ですが、農林水産省が平成18年に水利権更新を行っておりまして、かんがい用水の需要は計画当時と変更がないと聞いているところであります。
 飲料水の計画、水道用水の計画だと思いますけれども、奥州金ケ崎行政事務組合―もとの胆江広域水道企業団でありますが、平成19年度に改めて水需要の見直しを行った結果、当初計画に比べると需要水量を下方修正していると聞いております。
 なお、胆沢ダムに求める水源の量は、湧水などの不安定な既存水源をダムからの水源に振りかえる計画ということで、変更がないと聞いているところであります。
 次に、訴えの提起についてですが、今回、訴えの提起をしようとする4名の方は、再三の督促にもかかわらず支払いに応じず、また、面会を拒絶したり、広域振興局などの呼び出しにも応じないなど納入に誠意を示さなかった方々であり、信頼関係が損なわれ、通常の指導では改善が図られない方々でございます。
 議員御指摘の方は、これまで納入指導の際、平成18年度に分納誓約をしたにもかかわらず分納していただけなかったこと、支払い指導に従わず、平成20年6月に催告書を送付したときにも全く誠意のある対応が見られなかったこと、一部の家賃支払いの実績はありますけれども、滞納額が多額に上っていることから、今回、訴えの提起をしようとするものであります。
 県としては、今後とも、誠意が見られない滞納者に対しましては、家賃をきちんと納入している方との不公平感が増大すること、県財政にとっても影響があることから、厳正に対処していく考えであります。
 次に、退去した滞納者にかかわる取り立ての民間債権回収会社への委託についてでありますが、委託先は、債権管理回収業について法務大臣の許可を受けた株式会社で、個人情報保護や行き過ぎた回収の防止の観点から、暴力団等の関与がなく、常勤の取締役に弁護士が含まれていることなどの要件を満たす会社を、公募により決めることとしております。平成20年度の回収見込み額は、退去滞納者の滞納総額から退去時に分割払いを約束した額、あるいは時効が成立している額などを除く約6、250万円、これは7月4日現在の総額ですが、その約2%に相当する125万円を見込んでおります。
 成功報酬は他県の事例から、民間会社が回収に成功した額の40%としております。
〇38番(斉藤信君) 最初に、知事に長期計画について、私は、一つは、財政の見通しも根拠もない、こういう長期計画を検討したら、まさに絵にかいたもちにしかならないんじゃないかと。
 きょうのニュースでも株価が1万円を割る、100年に1回の世界恐慌だと言われているわけですよね。今はそれはまだ2合目で、2年、3年、大変深刻な事態になるのではないかという、今、こういう状況に直面しています。
 二つ目に、せっかくいわて希望創造プランをつくったばっかりですよ。しかし、それ自身が、今、本当に実行可能なのだろうかという状況に客観的には置かれているわけです。10年後の計画を立てるより、今立てた計画で、本当に県民の暮らしや、命や、経営を守るという対策に、私は、県の職員の知恵と力を集中しなきゃだめだと思いますよ。例えば雇用だって、改善されるどころか悪化しているわけです。農家、漁民、中小企業、来年は経営しているかどうかわからないというぐらい深刻な事態に、今置かれているのですよ。だから、今、県民は10年後の計画なんかは求めてないと私は思いますよ。今、深刻な―まあ、これは主には達増県政の責任じゃないけれども、しかし、そういう世界的にも、国内的にも、地域的にも最も深刻な状況に置かれているときに、この現状打開に、優秀な県の職員が知恵と力を結集してやっぱり当たるべきなのではないか。
 私は、そういう点では、この長期計画をこれからやろうというのは、余りにもタイミングが悪過ぎて、力が分散して、せっかくいわて希望創造プランを立てて、それに取り組む力をそぐことになるのではないか、このことを知事にお聞きしたい。
 それと、県営住宅の問題で、私がリアルにお話ししたように、私は直接この方にも聞いたんですよ。大変穏やかな方でしたよ。去年失業して、そしてことしの2月に就職したんですよ。それから7カ月分の家賃15万5、000円を払っているわけです。いいですか、去年失業して払えない事態になって、就職したら15万5、000円払っているんですよ。そして、3月までに分割で払いたいという意思を表明していましたよ。何で、こういう方を訴えなきゃだめなのか。誠意があるとか、ないとか言うけど、これは県職員の感情ですよ。本当に困った県民というのは、本当に孤立してやっぱり大変な事態になるんですね。しかし、私たちが訪問すると、きちんと話もするし、相談も乗るのです。やっぱりお上の立場でやったらだめなのですよ。
 そういう点でいけば、今、盛岡市の消費生活センターというのは全国的にも注目されている。なぜかというと、いろんな部署で、滞納を抱えている方々に連絡をして、その原因を解決してやっているんですよ。主に多重債務、そして生活保護受給もやって、生活を再建させて滞納を解決するという効果を上げているんです。私は、こういうところに学んで、岩手県も部局横断の体制をとるべきではないかと。このことを私は知事に聞いたのですよ。県民の生活を確立するということをやっぱり軸にして、この滞納問題を解決するべきじゃないか。
 最後に、がん検診の問題で、実は平成18年度のデータしかないんだけど、これは平成18年度は下がっているんです。下がった原因は何なのか。そして、市町村では大きなアンバランスがあります。私は、そういう点でいくと、本当に県民の命と健康を守る、これは大変大事な検診だと思いますが、下がった原因は何なのか。そして、進んだところから本当に学んで具体的な対策をとるべきで、改めてそのことを聞いて終わります。
〇知事(達増拓也君) 新しい長期計画についてですけれども、私は、今までの総合計画、長期計画、千田知事のときのものから、中村知事、工藤知事、そして増田知事と一通り過去のものも参考にしつつも、そうしたものは基本的に行政計画だったと思うんです。行政の計画ですね。ただ、今度のものは県民計画というようなものにしたいと思っているんです。それで、一人一人の県民に対して、あなたが10年後何をしたいか、どういうふうになっていたいかということを問いかけたいと思っていまして、そういう中で、例えば今、車いす生活を強いられているけれども、10年後、大井選手みたいにパラリンピックに出て活躍したいとか、そういう人がいれば、10年後、障がいを持った人たちに対してお世話をして、そうした人たちがきちっと暮らしたり、働いたりできるようにしてあげたいという希望を持っている人もおります。そうして、またそういう人がいるんだったら、自分も経営を勉強して、そういう人たちが働ける場をつくりたいとか、あとは、平泉が世界遺産になっているだろうから、そこで英語やあるいは中国語の旅行ガイドをしたい。一方には、自分は英語を教えられる、中国語を教えられる、どんどん岩手の人たちに外国語を教えたい。そういう一人一人の自由な希望をあわせて、そして巨大な地域力にしていくという作業を、この長期計画の策定を通じてやりたいと思っていまして、それは私自身が10年後に向けてやりたいということでもあるんですけれども、知事自身の、そういう10年後に向けてこれをしたいということ、そして、県民一人一人の10年後にこれをしたいというのをあわせて岩手の地域力を掘り起こしていく。そういう意味では、財政の問題とか、それにあわせた事業計画といったものとはちょっと次元の違うような長期計画をやりたいと思っておりまして、いろんな世界経済や日本経済、そういった喫緊の課題に対しては、4年間のマニフェストサイクルに合わせた今のいわて希望創造プラン、これを新しい長期計画のもとではアクションプランという位置づけにしていくんですが、今の実施計画をアクションプランという位置づけに変え、4年サイクルで臨機応変、迅速に喫緊の課題には対処していきたいと思っております。
 そして、家賃滞納者の問題については、例えば、多重債務問題について、私がこれがいいなと思っているのは、アメリカの場合ですと、キリスト教の教会に基づいた団体が多重債務問題の主役を務めていて、日常の生活指導から多重債務者に対してケアをして、問題を解決していくようにしている。行政でそこまでやるのはなかなか難しいんですけれども、気持ちとしては、そういう気持ちで当たっていかなきゃならないと思っております。ただ、行政はどうしても法令条規に従いながら、また、県民の税金を使いながら仕事をしていかなきゃならないので、限界もあります。
 そういう中で、とにかく行政の中での連携はきちんとやっていかなきゃと思いますし、また、アメリカにあるような大規模なNPO、市民団体的なものは日本にはないんですけれども、政党でありますとか、あるいは政治家個人でありますとか、そういった皆さんが果たしている役割というのは非常に大きいと私は思っておりますので、そういった民間有志の力も合わせて解決ということで、県としては心を砕いていきたいと思います。
〇県土整備部長(佐藤文夫君) 納入指導の際の県職員の対応等についてでありますが、納入指導に際しましては、県職員―我々当部の職員は、県営住宅の入居者の方々と真摯に対応していると思っております。いずれ、今回の4名の訴えの提起をしようとする予定者の方には、訴えを起こす前に事情を説明しながら、その際に誠意のある対応が見られれば、訴えの提起を起こさなくても済むという判断ができれば、そういう訴えを起こさないという対応の選択もあり得るということでございますので、今回の議案第27号の4名の訴えの提起は、あくまでも予定者だということでございます。
〇保健福祉部長(岩渕良昭君) がん検診受診率が平成18年度に前年度より下がっているという要因についてでありますが、乳がんを見ますと、平成18年度が25.9%、平成17年度が36.8%、平成16年度が23.8%。それから、子宮がんを見ますと、平成18年度が25.7%、平成17年度が28.6%、平成16年度が21.1%ということでありますが、これは、2年に1回、検診を受けるということになっておりますので、平成17年度が伸びた分、平成18年度に若干反動があったのかなと考えますし、それから、胃がんについては0.7ポイント落ちていますし、肺がんについても1.6ポイント、大腸がんについても0.6ポイント落ちております。これは、やはり市町村の取り組みということについて、まだ課題があるなということでございますので、これからも市町村と一緒になって普及啓発に努めてまいりたいと思っております。
〇議長(渡辺幸貫君) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、お諮りいたします。認定第1号から認定第14号まで、以上14件については、46人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(渡辺幸貫君) 御異議なしと認めます。よって、認定第1号から認定第14号まで、以上14件については、46人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することに決定いたしました。
 お諮りいたします。ただいま設置された決算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、議長を除く全議員を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(渡辺幸貫君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしましたとおり、議長を除く全議員を決算特別委員に選任することに決定いたしました。
 決算特別委員会は、委員長互選のため、10月14日午前10時に特別委員会室にこれを招集いたします。改めて招集通知を差し上げませんので、御了承願います。
 次に、ただいま議題となっております議案第1号から議案第30号までは、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第7回県議会定例会 平成20年10月7日)
総務委員会 
1 議案第2号中
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 各款
    歳出 第2款
       第9款
       第11款中第4項中第3目
       第12款
   第2条第2表中
    1追加中4
   第3条
2 議案第16号
3 議案第17号
4 議案第25号
環境福祉委員会 
1 議案第2号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第3款
       第4款
       第11款中第4項(第1目中農林水産部関係及び第3目を除く)
2 議案第18号中
   他の委員会の付託分以外
3 議案第19号
4 議案第29号
5 議案第30号
商工文教委員会 
1 議案第2号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第5款、第7款、第10款、第11款中第3項
2 議案第7号
3 議案第18号中
   別表第4の改正関係
4 議案第23号
5 議案第24号
農林水産委員会 
1 議案第2号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款中第1項
           第2項
           第3項(第2目中県土整備部関係及び第3目中県土整備部関係を除く)
           第4項(第6目を除く)
           第5項(第11目中県土整備部関係を除く)
       第11款中第1項
           第4項中第1目中農林水産部関係
   第2条第2表中
    1追加中1
    2変更中1
2 議案第3号
3 議案第4号
4 議案第5号
5 議案第6号
6 議案第9号
7 議案第10号
8 議案第11号
9 議案第12号
10 議案第26号
県土整備委員会 
1 議案第1号
2 議案第2号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款中第3項中第2目中県土整備部関係及び第3目中県土整備部関係
           第4項中第6目
           第5項中第11目中県土整備部関係
       第8款
   第2条第2表中
    1追加中2、3
    2変更中2~4
3 議案第8号
4 議案第13号
5 議案第14号
6 議案第15号
7 議案第20号
8 議案第21号
9 議案第22号
10 議案第27号
11 議案第28号
〇議長(渡辺幸貫君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後7時42分 散会

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