平成20年9月定例会 第7回岩手県議会定例会会議録

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〇30番(工藤大輔君) 民主・県民会議の工藤大輔でございます。
 今定例会に登壇の機会を与えてくれた先輩・同僚議員に感謝を申し上げます。
 6月の岩手・宮城内陸地震に引き続き、7月にはマグニチュード6.8の大地震が岩手県北部を中心に襲いました。最大震度を計測した被災地に住む者の一人として、素早い対応をいただいた達増知事を初め、県当局の皆様、現地に駆けつけ災害復旧に御助言や御尽力をいただいた議員各位、並びに自衛隊の方々、そして、全国から温かい支援を届けてくださった多くの方々に感謝を申し上げます。
 それでは、通告に従い質問に入ります。
 初めに、広域振興局の再編等についてお伺いします。
 県は、6月に広域振興局体制の整備の基本的考え方(素案)を示し、現在、その移行に向けた検討を進めていると理解しております。
 もともと平成17年12月に県南広域振興局の設置に関し、総務委員会において、他の広域振興局についても可能な限り早期に設置するよう附帯意見を付しておりますが、広域振興局体制への移行により、さらに本県が発展し、県民の豊かな生活につながるよう、着実かつ十分な検討を行ってまいらなければなりません。
 県北・沿岸圏域は、7月の有効求人倍率が久慈、二戸とも0.35と県内最低値のまま推移するなど、雇用情勢は依然として厳しく、企業誘致、地域振興、観光振興など、県で支えるべき分野は多いものと考えます。広域振興局は、こうした地域の特殊性を踏まえた組織や権限を有するべきであり、さらなる県北・沿岸振興を行うためには、広域振興局みずからが、事業の立案から実践までを行える権限など、強力な権限を付与する必要があると考えますが、広域振興局体制のもとでの県北・沿岸振興のあり方について、知事の考えをお伺いします。
 また、県から市町村へ積極的な権限移譲を進めながら、住民に近いところで行うべきサービスを市町村が担うこととしておりますが、市町村、振興局、本庁の業務における役割分担の明確化を一層進めなければなりません。
 今後、住民に最も身近な基礎的自治体である市町村の業務がふえていくことになりますが、いずれの市町村においても行財政改革を実行しているため、職員定数は減少する計画となっております。現在、権限移譲数に応じて県から職員を20名ほど派遣しておりますが、一定期間を経過すれば引き揚げとなります。市町村の業務がふえる一方で職員数が減少するということには矛盾があり、受け手となる市町村にマンパワーが不足するということは、新たな政策課題に積極的な取り組みができなくなるという事態も想定できます。
 そこで、広域振興局の再編に当たっては、市町村がこれまで担ってきた業務であっても、地域性や市町村の規模に応じて、県、振興局が新たに業務を担う、あるいはより市町村と県とで緊密な地域経営を行うため、県職員を市町村の必要とする目的に応じて常時数名ずつ派遣するような人事上の制度を設けるなど、新たな対応が必要と考えます。県として、どのような効果的な取り組みを行うのかお伺いします。
 次に、コミュニティ対策と定住自立圏構想についてお伺いします。
 予測を超える少子化や人口流出の波は、地域経済の低迷と相まって自立を阻害し、コミュニティの崩壊を助長しています。
 国土交通省が平成18年に行った調査では、県内17の過疎地域市町村1、618集落において、65歳以上の人口が50%を超える集落が74集落、過疎地域の全集落に占める割合は、全国の12.64%、東北平均の5.78%よりも低い4.57%という結果でした。その中でも、消滅する可能性のある集落は82に上るという調査結果が出ています。
 このような状況を踏まえ、総務省では、地方から大都市への人口流出を防ぐために、定住自立圏の構築を打ち出し、人口5万人以上の中心市と周辺の小規模市町村が自主的に協定を結んだ圏域を設定し、中心市の医療や商業など、機能を活用しながら都市機能を集積させようとする新たなプランを進めようとしています。これは、中核を担う市町村に対して、国は財政支援を行い、都道府県は都市計画や教職員人事の権限を移譲しながら、広域行政を一層進めようとするものであります。
 総務省では、ことしの秋までにモデル地域を公募することとしておりますが、本県の状況は、中核市となった盛岡市、合併により10万人都市を形成した花巻、北上、奥州、一関の各市がある一方、県北・沿岸地域の広域圏の中心となる市はおおむね3万から5万人規模であり、仮に5万人規模であっても、現在の地域経済を考えた場合、中心市がすべての役割を担うことは困難であります。
 市町村合併が進み、新たな広域連携の枠組みについて考えることは必要であると思いますが、合併特例による3万人以上の中心市を核とする単位の施策など、さらに地域を見渡した地方切り捨てにならない制度設計や対策が必要と思います。県の考えをお伺いします。
 さらには、生まれ育った環境で生涯を送れるか、地域を離れずに暮らせるかが、地方活性化の最大のかぎとも言えます。地場産業の活力は、新たな雇用を生み出し、コミュニティの再生にもつながり、住民は、みずから自発的に地域にとどまることが可能となります。その上で、集約とネットワーク化を進めなければ、地方分権の趣旨に沿って自立した自治体を目指す市町村の合意を得ることはできませんし、過疎が新たな過疎を生む結果になります。
 安心して住み続けられる定住促進に向け、県としてどのように取り組むのかお伺いします。
 次に、医療についてお伺いします。
 公立病院をめぐる経営状況は、診療報酬の改定ごとに収支が悪化し、医師不足や医師の偏在により、適切な診療体制の維持が困難な状況にあります。
 県立27病院等の平成19年度決算を見ると、黒字計上した病院は10病院、赤字計上となったのは17病院等で、総収益921億円に対し総費用931億8、000万円、差し引き損益10億円の純損失であります。この結果、累積欠損金は138億4、000万円ほどになっており、県財政の縮小が続く中で影響は小さくありません。
 一方、市町村立病院の平成19年度決算を見ると、8病院中、黒字計上した病院は5病院、赤字計上となったのは3病院で、市町村の一般会計からの繰入金17億3、000万円を加えた総収益112億9、000万円に対し、総費用122億6、000万円、差し引き損益9億7、000万円の純損失となっており、この結果、累積欠損金は83億3、000万円になりました。
 本来、公立病院の役割は、救急等の不採算部門や高度・先進医療、過疎地における地域医療等、民間医療機関が担えない医療を提供することにあります。しかしながら、地方公共団体の財政健全化に関する法律が施行されて、財政を意識した運営が一層求められるようになりました。
 県立病院においては、経営計画を策定し、病床数の適正化や医療機能の分担を進めるために、既に五つの病院を診療所化するなど、経営の効率化を図る取り組みを行ってきましたが、それでも、立ち去り型サボタージュという言葉に象徴されるように、リスクの大きい病院をやめ、より負担の少ない病院へ移ることや開業医になる医師がふえており、県民のニーズが高い貴重な医療資源をこれ以上失わせることなく、経営の効率化をせざるを得ない状況にあります。
 こうした状況は、国の医療費削減方針が招いたものであり、後期高齢者医療制度を初め、国民不安が増大しております。これが地方における医療改革と言えるのか。これでは経済的な対症療法にすぎず、公立病院改革プランを進めても、医師不足や勤務医への過重な労働、診療科の偏在や小さい病院での診療機能の低下など、地域医療が抱える本質的な解決策とは到底言えないものになっています。
 公立病院改革プランの策定に当たっては、利用者の思いを十分に酌んだものにすべきと思いますが、県の現状認識と取り組み方針についてお伺いします。
 また、公立病院間の医療連携や公立病院と民間医療機関との役割分担、県立病院における新たな診療所化の必要性、地域診療センターの病床カットなどが行われるのかどうかお伺いします。
 あわせて、これまでの岩手県公立病院等改革検討委員会での再編・ネットワーク化等についての検討では、二次医療圏単位で議論されているようです。しかし、医師の大量退職に伴う診療科の減や大規模病院や既存病院数の少ない久慈広域等にあっては、既に二次医療圏では医療の完結性を高めることは困難な状況にあります。隣接する二次医療圏とセットでの議論の必要性や圏域を越えた連携も必要と考えますが、いかがでしょうか。
 次に、本県と青森県の県境海域における問題についてお伺いします。
 去る9月17日、本県のタラはえ縄漁業者が青森県を相手取り訴訟を起こす事案が発生しました。
 事の原因は、青森県東部海区漁業調整委員会が、青森県下北郡尻屋崎灯台中心から真東である正東の線以南における青森県東部海区管内の海域において、平成19年4月1日からの1年間、タラなどの底はえ縄漁業の操業を禁止する委員会指示を本県漁業者の意向を聞き入れることなく一方的に出し、青森県が、本県海域であると認識している通称なべ領域で、本県漁業者の操業に対し漁業取り締まりをしたことにあります。
 平成19年10月24日及び31日には、漁業者は、青森県の漁業取締船から臨検を受け、その2カ月後には青森県知事名で本県漁業者に対し、漁業法に基づく催告及び知事命令が出されています。
 しかし、本県漁業者は、昭和26年に岩手、青森両県関係者で合意した78度30分の線以南の海域は本県海域であると認識しており、そこに位置する通称なべ海域は本県の漁場であることから、青森県東部海区漁業調整委員会指示は及ばないと行政不服審査法に基づく異議申立てを行いました。しかし、青森県はそのことを無視し本県漁業者の異議申立てを棄却したため、今般、行政事件訴訟法に基づき、青森県知事に対し、知事命令の取り消しを求める抗告訴訟を提訴しました。
 これが今日までの時系列的な流れでありますが、両県の海域に関する重要な課題について、このような事態を回避できなかったことを残念に思います。これまで、青森県漁業者とも協調をとりながら、両県水産業の振興や漁業資源の確保に努めてきた歴史がある中で、県や漁業団体はどのような働きかけをしてきたのでしょうか。青森県がこのまま強硬手段を続けるのであれば、本県としても何らかの手段をとらざるを得ません。
 そこでお伺いしますが、今回の訴訟は、タラはえ縄漁だけでなく、本県が所有する海域にかかわる重要案件ととらえることができます。訴訟を起こした本県漁業者に対しどのような支援をしていくのでしょうか。
 また、さきに述べたように、昭和26年に岩手、青森両県関係者で合意した78度30分の線以南の海域は本県海域であると認識をしておりますが、海の法律である漁業法や漁業調整規則の中に明記しているわけでもありません。青森県側への対抗手段として、岩手海区漁業調整委員会においても、78度30分のラインを明記した委員会指示を出そうという議論が出てきましたが、早急に対処すべきであります。
 さらに、適切な漁業資源の確保を行うためにも、底はえ縄漁業や他の漁業における届け出制や許可制度の創設・見直しなど、本県水産業を第一に考えた環境整備にも努めていく必要があると思いますが、あわせてお伺いします。
 次に、県北のさけ、ます増殖事業についてお伺いします。
 水産業を取り巻く情勢は、7月15日に原油価格高騰のあおりを受け、全国一斉に漁船漁業者が休業するなど、過去にないほど日本の水産業を脅かす厳しい環境下にあります。
 静穏域のない県北地域の漁業では、遠浅の地形を生かしたウニ、アワビのつくり育てる漁業やイカ釣り漁を初め、漁協の事業総利益のうち、漁業自営事業の割合が県下で53%を占める定置網漁、とりわけ秋サケに大きな期待が寄せられています。そのため、放流事業を安定化させ、漁協が抱える欠損金を処理しながら、競争力の高い水産業へと転換しなければなりません。
 そうした中で、県北さけ・ますふ化場は、昭和56年に事業をスタートさせて以来、27年間で年平均約900万尾、延べ2億4、000万尾余りの稚魚を生産し、県内でも低位にあった県北地域のさけ、ます増殖事業に大きな貢献をしてきたところであります。
 しかし、県全体のさけ、ます増殖事業費の減少に伴い、今年度当初は前年度対比約2割の予算削減がなされたところ、県の委託による稚魚生産尾数は約3割減少してしまいました。
 現在、民間協定による事業推進やふ化場の集約化など、平成23年度以降の事業運営について地元漁協を含め協議をしていますが、結論を見出すに当たっては、漁協の経営状況などに十分配慮してまいらなければ、担い手を確保しながらの強い経営体をつくることができません。
 この事業の必要性や、どのようなことに留意しながら協議を進めていく考えかお伺いします。
 次に、岩手競馬についてお伺いします。
 競馬事業を続けるか否か、激しい議論を経て事業継続の最後のチャンスをつかんだ岩手競馬は、売り上げの低下が続く中で、コスト削減を一層進めながらの厳しい経営が続いています。
 地方競馬主催者の連携の促進を通じて、厳しい環境下に置かれている地方競馬を活性化するための競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律の成立は、当初から予測されていたとおり、いまだ地方競馬を救う手段とはなっていません。
 私は、これまで、売り上げを伸ばすか経費を落とすかの手法だけでなく、払い戻しに関する規制の緩和を競馬法の中に盛り込むべきと言ってきましたが、現在においても、事業を継続するためには最善の方策の一つと考えており、農林水産省に認められるよう働きかけるべきと思います。
 さて、競馬組合では、外部委員から成る選定委員会を設置し、業務の一部を民間委託すべく企画提案を公募し、優秀企画提案交渉権を与えた日本ユニシスと協議を進め、来年4月の競馬開催に向け鋭意協議していると思っていました。しかし、9月30日の競馬組合議会においては、知事は、具体的な見通しがないままでの民間委託の拡大と時間的な制約に触れ、合意の難しさについて言及し、組合議会側は、トップみずからの交渉を行い民間委託に努めるべきとする要請文を出したことが報道されました。
 私は、改めて9月2日の岩手競馬に関する調査特別委員会での議事録を何度も読み返しましたが、議論は、双方の基本的認識がまるで異なり、相入れないほどの隔たりがあることに驚きを感じました。
 そもそも民間委託を行うに当たって企画提案の募集をしたのではないでしょうか。それにもかかわらず、なぜ具体の企画提案書が出されていないのか疑問があります。
 今日までの経過を踏まえ、私は、民間委託についてこれまで積み上げてきたものがあるとすれば、来年春からの委託は可能でありますが、現時点で具体案が示されないままでの民間委託契約は難しいものと考えます。仮に具体案が出てきたとしても、コスト削減や運営面での協力事項など、関係者間での交渉に時間を要し、具体案の再検討という事態になる可能性もあるからであります。
 しかしながら、岩手競馬にとって、民間委託は事業継続の有効な手段の一つであることから、このまま交渉を進めるにしても、新たな交渉相手を模索するにしても、民間委託に向けた検討を完全にやめるのではなく、来年度下期から委託を行いながら再来年4月から年度を通じて委託拡大に向けるなど、次なる展開を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、7月24日に発生した岩手県沿岸北部を震源とする地震についてお伺いします。
 この地震は、洋野町で震度6強、野田村で震度6弱を記録したほか、県内16市町村で震度5強を記録した強い揺れが広範囲に及ぶ大きな地震でありました。結果として、物的被害が比較的軽微にとどまったほか、大規模地震に伴いがちな津波や深刻な建物倒壊による人的被害もなかったことに、まずは安心したところであります。
 そこでお伺いしますが、6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震の際の対応には、議会やマスコミ等でさまざまな課題が指摘されたところですが、それらがどのように検証され、今回の地震対応の教訓として生かされたのかお伺いします。
 また、県では、地域の防災力を高めるために、自主防災組織の育成やワークショップでの災害図上訓練、津波防災マップの作成、避難路の整備、防災教育などに努めてきました。たび重なる地震や豪雨などの災害もあり、住民意識は高くなっております。これを契機とし、より専門的な知識を有し実行力や調整能力を身につけた人材を計画的に育成し、役所内や地域における災害力の向上につなげるとともに、地域防災計画の効果的な運用につなげるべきであります。県の今後の対応についてお伺いします。
 最後に、教育についてお伺いします。
 新学習指導要領がことし3月に告示され、小学校においては平成23年度から、中学校においては平成24年度からの全面実施に向け、来年4月から移行措置期間に入ります。
 今回の改訂は、学力低下への批判の高まりから、総合的な学習の時間を削減し、確かな学力に必要な時間の確保のため、小・中学校での標準授業時間の増加と高校での超過実施を可能とし、内容においても、理数科や道徳、伝統・文化に関する教育等が充実されることになります。
 新学習指導要領の円滑な実施に向け、非常勤講師の配置や教材購入の補助等を内容とする概算要求は行っているようですが、確定はしていません。教師への負担を軽減し、地域で学校を支えながら、地域ぐるみで子供たちを育成しようとする流れが進んでいる中、国は、学校現場にまだまだ余力があると見ているのでしょうか。
 私は、適切な教員配置が必要と考えますが、県独自の対応や国に対する要請など、どのように対応するのか、教育長にお伺いします。
 また、このような状態で移行措置期間の授業時数をどのように設定するのか、小学校での外国語活動では、中学英語につながる指導が適切にできるのか、中学で必修となる武道やダンスの練習場所の確保など指導内容はどうなっているか、現場には不安の声が聞かれます。4月スタートに向けた準備状況についてお示し願います。
 新学習指導要領では、情報教育の充実がより明記されています。本県は、パソコンの整備率は高いものの、普通教室のLAN整備率は51.9%と全国で37位となっています。教員のICT活用指導力調査によると、割にできる、ややできると答えた教員は全国平均を大きく上回っていますが、実際の授業にどれだけ活用され、その効果が検証されているのでしょうか。
 デジタル時代の子供たちにとって、映像でとらえる授業は教育効果を高めると思います。音声中心の英語よりも、画像と音声を併用したほうが場面状況がわかります。体育の授業でデジタルカメラの動画機能を活用すれば、自分の動きをチェックすることが可能となります。
 これまでの授業をさらによいものとし、生徒の理解や興味を引き出すためには、教室におけるICT環境の整備として、まずはプロジェクターと実物投影機の整備率を高めるなど、ソフト面においても教育効果の高い指導方法を共有していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、電子黒板や電子教科書を初め、教師の負担をやわらげる補助教材など、多種多様なアイテムを教材メーカーでは開発しており、驚くほどの進化を遂げています。モデル校での教育効果も出ており、生徒の興味を引き出し、わかりやすい授業を行う観点からも、教師の指導や研修意欲を高めるツールとしてもICTの活用は有効なものと考えますが、新学習指導要領に沿ったICT環境の活用について、どのように取り組むかお示し願います。
 以上で質問を終えますが、答弁によっては再質問をしたいと思います。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 工藤大輔議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、広域振興局体制のもとでの県北・沿岸振興のあり方についてでありますが、広域振興局体制への移行は、県民所得の向上、雇用環境の改善、人口転出への歯どめなどのいわて希望創造プランの重点目標に対応するため、産業振興を中心として、広域的、専門的な観点から機動的、効率的に施策展開できる体制の構築を目指すものであります。
 このようなことから、広域振興局の体制を構築するに当たっては、組織力を最大限に発揮できるよう、各地方振興局に分散している人的資源を集約し、重点化すべき分野に再配分するとともに、各地域の産業構造など地域特性に対応したものとしなければならないと考えています。
 したがって、県北・沿岸圏域におきましては、例えば重点化すべき食産業の分野において、地域資源を活用した生産から加工、流通、観光・外食産業までの連携を推進する組織の整備など地域特性に応じた体制の充実・強化、さらには県央・県南圏域と比較して産業集積を一層推進すべき地域であるということを考慮し、産業振興機能についても効果的な体制を工夫してまいりたいと思います。また、現在の複数地方振興局の企画部門を統合するなど、力を結集して地域の諸課題に対応できる体制を強化するとともに、権限強化の面においては、予算を初め、県の重要な政策決定過程に広域振興局長が参画するなど、県北・沿岸圏域の地域の意向をより予算や政策に反映できるよう、今後、具体的に検討してまいりたいと思います。
 次に、地域の切り捨てにならない対策等についてでありますが、国の定住自立圏構想は、中心市の機能強化と圏域内外の結びつきの強化を図ろうとするものでありますが、中心市には一定の都市機能が求められることから、必要な人口規模として人口5万人、高次な都市機能については人口30万人が一つの目安とされています。
 先般、本年度から構想の実現に取り組む先行的実施団体の募集が行われており、現在、選定作業が行われ、あわせて特別交付税措置などの具体的な支援策について検討が行われていると伺っています。私といたしましては、人口5万人に達しない場合であっても、都市機能の集積の度合い等により中心市とするなど、地域の状況によっては柔軟な対応もあってよいのではないかと考えております。
 いずれにせよ、少子化、高齢化や人口減少、人口流出などの課題に対応して、基礎自治体である市町村が中心となって、分権型社会にふさわしい、自立かつ安定した社会空間を形成していくためには、定住自立圏構想による支援の対象になるか否かにかかわらず、市町村みずからが自主的に合併も含めた自立の枠組みや連携の方策を考え、実行していくことが重要であり、県としても必要な情報提供や助言などの支援を行ってまいりたいと思います。
 次に、公立病院改革プランの策定と医療連携等についてでありますが、地域医療の確保については、いわて希望創造プランの重点目標の一つと位置づけ、さまざまな取り組みを進めているところでありますが、ことし実施した県の施策に関する県民意識調査においても必要な医療を適切に受けられることが重要度でトップとなっているなど、地域医療の確保に対する県民の思いを強く受けとめているところであります。
 本県の地域医療については、もとより県立病院を初めとした公立病院が一般病床で県全体の50%以上を占め、救急医療、高度医療、周産期医療等の主要な機能を担っていることから、改めて公立病院の重要性を認識いたします。一方、公立病院経営を取り巻く環境は、医師不足や診療報酬のマイナス改定などにより厳しさを増していますことから、経営を安定化し、地域医療を将来にわたり継続的に確保していくために、病院事業を行う県、市町においては、必要な改革の推進に向け、公立病院改革プランの策定に取り組んでいます。
 各病院の公立病院改革プランの策定に当たっては、二次保健医療圏ごとに民間病院や他の公立病院との機能重複を避け、効率的なネットワークを形成できるよう、公立病院の機能の調整や規模の適正化など、県全体として一定の方向性を提示する必要があるため、現在、私がトップを務める医療制度改革推進本部におきまして、外部の有識者の御意見を伺いながら、本県の実情を踏まえた公立病院改革に関する指針の策定を進めております。
 医療機関の役割分担や連携については、既に医療計画に定める4疾病6事業について、県民が疾病の状況に応じ適切な医療を受けることができるよう、二次保健医療圏ごとに民間病院を含めた各医療機関の機能を明らかにしており、これらを踏まえた議論を行っているところであります。
 御指摘のように、がん医療等の高度医療や周産期医療など、医療資源の状況により二次保健医療圏では対応できないものもありますことから、医療計画に基づき圏域を越えて対応する仕組みづくりを進めるとともに、医療機関の利用状況などの現状を踏まえ、県境を越えた連携についても検討を進めてまいりたいと思います。
 次に、本県と青森県との県境海域における問題についてでありますが、本県の漁業者が青森県から底はえ縄漁業の操業中止を求められた、いわゆるなべ海域につきましては、議員御指摘のとおり、昭和26年に、両県及び海区漁業調整委員が立ち会いのもと、両県関係漁業者が合意した両県海域の境界線の南側に位置する本県の海域であると認識しております。この問題が表面化した平成18年度以降、青森県に対し、漁業団体等と連携を図りながら、なべ海域は本県の海域である旨を主張し、鋭意協議を重ねてきたところであります。しかしながら、こうした協議を行っているさなか、本県の主張にもかかわらず、一方的に取り締まりが行われ、今般、本県漁業者が訴訟を提起せざるを得なかったことは極めて残念に存じているところでございます。
 県といたしましては、今後、裁判所から本県としての意見を求められた場合には、関係資料を提示し、当該海域が本県の海域であるという県の考えを明らかにし、本県漁業者の主張の正当性が認められるよう支援してまいりたいと考えております。
 また、本県と青森県との海境問題の解決に当たっては、両県の話し合いによる調整が基本と考えておりますことから、今後とも関係団体と連携して、引き続き青森県に対し粘り強く協議を求めてまいりたいと考えております。
 次に、岩手競馬についてでありますが、現在、協議を進めている民間委託拡大については、昨年の岩手県競馬組合事業運営監視委員会からの、関係者が一丸となってコスト削減に取り組み、まずは経営の安定化を実現することが重要であるが、さらに厳しさを増す岩手競馬を取り巻く経営環境を踏まえ、中長期的な視点に立った抜本的な改革についても検討を進めることが必要との意見や、競馬組合議会からの大幅な民間委託について検討すべきとの勧告を受けて検討を開始したところであります。
 民間委託拡大は、ファンサービスと収益性の向上、経営基盤の強化や事業の安定性の向上を期待して具体的な検討を進めていますが、現時点においては、残念ながら日本ユニシスから具体的な実行プランが示されておらず、早急に提示いただくよう重ねて要請しているところであります。
 今後、日本ユニシスから具体的なプランが示され、現行の運営方法よりもよいと判断できれば民間委託拡大に踏み切ることとなり、仮にそのような判断ができない場合には、少なくとも平成21年度は現行運営方式により収支均衡を図りながら運営していくこととなります。現時点においては、10月中の最終判断のためにはスケジュール的に厳しいものがありますが、もうしばらく日本ユニシスとの協議を行っていくこととしております。
 今回、仮に日本ユニシスへの民間委託拡大を行わないという結論になったとしても、厳しさを増す岩手競馬の経営環境を踏まえれば、どのような事業運営が望ましいのか、常に中長期的な視点に立った抜本的な改革の検討は必要と考えているところであり、抜本的な改革の有力な選択肢の一つになり得る民間委託拡大については、仮に平成21年度の実施は行わないこととなった場合においても引き続きその可能性を探っていくことが必要と考えております。その場合には、これまでの検討や経験を生かしつつ、実施方法やスケジュール、実施時期などについて、十分かつスピード感を持って検討していかなければならないと考えています。
 なお、年度途中からの民間委託拡大については、各業務の委託契約等が年度単位で行われることや、民間委託拡大による新たな運営方式は、年度を単位として、年度途中の売り上げ変動を委託料で調整する仕組みを基本としたものでありますことから、実際には、いずれかの年度の当初から複数年度を対象期間として行うこととなるのが基本であろうと考えているところであります。
 このようなことから、今後とも民間委託拡大を検討していくとともに、地方競馬全国協会が進める地方競馬主催者間の有機的な連携や共同の取り組みの動向なども踏まえながら、その他の手法も含めて岩手競馬の抜本的な改革のあり方について精力的に検討し、持続可能な岩手競馬を確立してまいりたいと思います。
 その他のお尋ねにつきましては関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔地域振興部長藤尾善一君登壇〕
〇地域振興部長(藤尾善一君) まず、広域振興局体制での業務の効果的な取り組みについてでありますが、広域振興局体制におきましては、現場の多様な構成主体の総力を結集する地域経営の考え方を基本といたしておりまして、その重要なパートナーである市町村と十分に連携・協働できる体制を構築する必要があると考えております。
 このため、これまでも専門的な技術や知識が必要とされる権限などの移譲に当たって、市町村への職員派遣や相互交流等の人的支援を行ってきたところでありますが、広域振興局体制にありましても引き続き実施していく考えであります。
 さらに、広域振興局体制への移行により本局に業務を集約して確保した職員を市町村の支援強化のために重点的に配置したり、県と市町村の職員が職務を通じてお互いの機能を向上していけるような連携の仕組みなどについても検討してまいります。
 また、議員御提案の市町村への目的等に応じた常時数名ずつの派遣などの新たな方策につきましては、業務の効果的な推進の視点に立って、県と市町村の適切な役割分担を整理しつつ、県の定員の状況なども踏まえ、今後、研究してまいりたいと存じます。
 次に、定住促進に向けた取り組みについてでありますが、住民が生まれ育った場所で生活を続けられるためには、何よりも雇用や所得を確保することが必要であります。そのためには、県外から安定的に外貨を獲得する、いわゆる域外市場産業を強化すると同時に、そこで得られた所得を県内で循環させ、商業やサービス業の振興を図ることにより、安定的で持続的な地域経済基盤を構築することが重要であり、そのため、いわて希望創造プランに基づき、四つの広域振興圏ごとに広域的な視点による産業振興に向けた施策を展開しているところであります。
 特にも、ものづくり産業、食産業、観光産業など、地域の特色を生かしまして、本県経済を牽引する産業の振興などにより県内経済全体の底上げを図ることとしておりまして、ものづくりネットワークの県北圏域への展開や、平泉への観光客を県内各地域へ回遊させるコースの設定など、県内全域へと経済効果を波及させていくこととしているものであります。
 こうした取り組みのほか、女性の就業環境の整備や子育て環境の整備など若い世代が安心して暮らすことのできるセーフティネットの充実を図るとともに、地域生活のよりどころとなるコミュニティの機能強化への支援なども進め、安心して住み続けられるような環境の整備に取り組んでまいります。
 また、定住への意思を将来とも持ち続けていただくためには、郷土への愛着を深めることが肝要であり、そのために、先般制定していただいた文化芸術振興基本条例に基づき、県内各地に伝わる地域住民の誇りである伝統文化の一層の振興にも取り組んでまいります。
   〔医療局長田村均次君登壇〕
〇医療局長(田村均次君) 県立病院における新たな診療所化等の必要性の有無等についてでありますが、現在、医療計画に基づき構築される医療連携体制や公立病院改革ガイドラインとの整合性を図りながら、新しい経営計画の策定を進めているところであります。
 県立病院の状況を現計画策定時の平成15年度と比較しますと、常勤医師の総数は24人、4.1%増加しているものの、研修医を除いた数では逆に75人、14%減少し、特にも中堅医師の確保は厳しい状況が続いており、医師の業務量の増加もあり勤務環境は過酷になっております。患者数は、1日平均入院患者が523人、10.6%、1日平均外来患者が3、995人、27.1%それぞれ減少しており、病床利用率は79.1%で、2.7ポイント低下しております。経営収支は、平成18年度が9億7、100万円、19年度が10億8、100万円と2年連続の欠損となり、累積欠損金が過去最大の138億3、800万円となっております。
 今後も良質な医療を持続的に提供していくためには、こうした医師不足の状況や厳しい経営状況を踏まえ、新しい経営計画を策定する必要があると考えております。さらには、公立病院改革ガイドラインで、一般会計からの繰り入れ後の黒字化や3年連続して病床利用率が70%未満の場合の病床数の見直しが求められているところであります。
 医療局としては、引き続き県営医療として運営していくという考え方のもとに、病院の病床規模、診療所化、地域診療センターの無床化などについて、各施設の診療体制、患者の動向、経営状況などを総合的に勘案しながら検討しているところであります。
   〔農林水産部長高前田寿幸君登壇〕
〇農林水産部長(高前田寿幸君) まず、本県と青森県との県境海域に係る届け出制や許可制度の創設、見直しについてでございますが、岩手県沿岸漁船漁業組合長及び岩手県漁業協同組合連合会長から、9月8日及び11日付で、県知事及び岩手海区漁業調整委員会会長あてに、昭和26年に両県関係漁業者が合意した両県海域の境界線の南側を本県海域と明示した上で、届け出制など何らかの対策を求める旨の要望をいただいているところでございます。この要望に対しましては、9月30日に開催されました岩手海区漁業調整委員会におきまして協議の結果、安全操業確保の観点から、本県海域を明示した届け出制などの対策をとるべきとの意見が大勢を占めまして、今月下旬に予定される次回の委員会におきまして具体的に審議することとなったと伺っております。
 本県といたしましては、まずは両県の話し合いによる問題の解決に向けて、青森県に対して協議を求めるとともに、海区漁業調整委員会での審議結果を踏まえ、適切に対応し、漁業者が安心して操業できる環境整備に努めてまいります。
 次に、県北のさけ、ます増殖事業についてでございますが、県北さけ・ますふ化場は、県北地区のサケ資源の底上げを目的に昭和55年に県が整備したものでございますが、近年、県北地区におきましても全県の4分の1を占める稚魚放流数となり、所期の目的を達成したと考えられることや、施設が償却年数を迎えることなどから、県北ふ化場のあり方を検討することとしているところでございます。
 一方で、稚魚の供給を受けている5漁協は、ふ化場の水源確保が難しいことや漁協の経営基盤が脆弱なことなどから、漁協ごとにふ化場の整備を進めることが難しい事情もございまして、県北ふ化場を活用した新たな共同でのふ化放流体制を構築することが必要と考えておりまして、本年7月、関係団体等で構成する作業部会を設置して、平成23年度を目途に、民間主導による運営に移行すべく具体的な検討を開始したところでございます。
 県といたしましては、この検討を進めるに当たり、県北地区全体でのふ化場間の適切な役割分担による効率的な生産や受益者負担に基づく自立的なさけ増殖事業の推進、さらには漁協の経営状況等にも十分留意しながら、今後ともサケ稚魚を継続して安定的に供給できる生産体制が構築できるよう、関係者との協議を進めてまいります。
   〔総務部長川窪俊広君登壇〕
〇総務部長(川窪俊広君) 6月14日に発生いたしました岩手・宮城内陸地震への対応につきましては、関係機関との連携により、孤立した方々をヘリコプターによって発災当日に大半を救出できたことなど、全体としてはおおむね比較的迅速に対応が図られたものと感じておりますが、一方で検討を要する課題も明らかになったところでございまして、これらにつきまして個別に検証を進め、7月24日に発生した岩手県沿岸北部を震源とする地震の際には、可能なものから順次改善を図ったところであります。
 具体的には、職員の参集につきましては、発災直後には電話がつながらないという経験を踏まえまして、多くの職員が参集の指示や連絡を待たずに速やかに自主参集したところであります。また、緊急消防援助隊及び自衛隊への派遣要請につきましても、深夜という発災時間及び当日の天候や前の月の地震との関係を考慮いたしまして、発災後20分程度で速やかに要請を行ったところであります。また、広域援助部隊の受け入れや総合調整所の設置につきましては、情報共有と迅速な連携を図る観点から、総合防災室の直近の場所であります4階特別会議室に設置することとしたところであります。また、DMATと災害対策本部との連携につきましても、DMATの連絡調整員を災害対策本部の総合調整所へ配置いたしまして、関係機関との連絡調整に当たったところであります。
 今後も、孤立地域が発生した場合の各市町村の対策について調査を行うなど、さらに検証を進め、宮城県沖地震やさまざまな将来の災害対策に生かしてまいりたいと存じます。
 次に、今後の防災の対応に関してでありますが、県では、県及び市町村の防災担当職員を対象といたしまして、実践的な感覚を取り入れた状況付与型のロールプレイング方式の図上演習を行い災害対応力の向上を図りますとともに、消防大学校などの関係機関へ職員を派遣し、トップマネジメント力の向上やより専門的な知識の習得に努めているところでございます。
 また、地域における防災力を高めるため、自主防災組織のリーダー育成研修会を開催いたしますとともに、地域の防災リーダーとして自主防災組織等の活動を支援、指導を行う消防団員の養成に努めているところでございます。加えまして、消防機関、警察及び自衛隊などの専門機関と情報共有を図るなど連携を密にしながら、岩手県地域防災計画の実効性の向上につなげるよう努めているところであります。
 今後とも、より実践的な訓練などを通じまして、県、市町村及び地域の防災力の向上を図ってまいりたいと存じます。
   〔教育長法貴敬君登壇〕
〇教育長(法貴敬君) 適切な職員配置等の対応についてでありますが、現在、義務教育における各学校の教員の定数は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律により学級数に応じて決定されることから、新学習指導要領の実施により授業時数が増加しても直ちに教員が増加することにはならない状況にあります。
 今後、国に対して、第8次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画の早期実施及び少人数指導など、個に応じたきめ細かい指導の徹底のための教員の加配の増員を引き続き要求するとともに、現在、文部科学省では、授業時数増への対応として非常勤講師の配置等について概算要求しているところであり、その動向を見きわめながら適切に対応してまいります。
 なお、教科担任制である中学校では、年間の授業時数がふえることとなる教科への対応については、学校規模に応じた授業時間数や免許所有者の適正配置等を一層精査し、当面、人事配置で工夫してまいりたいと考えております。
 次に、4月スタートに向けた準備状況についてでありますが、まず、新学習指導要領に基づく移行措置期間中の授業時数については、示されている内容に基づき、それぞれの学校において授業時数を設定することとなることから、それが適正に行われるよう指導してまいりたいと考えています。
 次に、小学校外国語活動の指導についてでありますが、今年度から小学校の先生を対象として外国語活動の理念や具体的な授業の進め方等について研修を実施するとともに、平成19、20年度の2年間にわたり、県内11校の研究校で取り組んできた外国語活動の指導のあり方についての実践内容の普及を図り、適切な指導ができるように支援してまいります。また、今後、中学校教員に対し、小学校外国語活動に係る研修を実施し、小・中学校の円滑な連携による指導が図れるように支援してまいります。
 また、中学校の武道とダンスの必修化に係る準備状況についてでありますが、現在、中学校体育において武道は143校、74.1%、ダンスは110校、57%が実施しており、体育館及び武道場で行っております。
 武道とダンスの指導については、中央研修会への派遣や県内での伝達講習を行い、教員の指導力の向上を図っておりますが、さらに指導者講習会等の拡充を図ってまいります。
 なお、施設、用具については既存設備の有効活用を基本に準備を進めてまいります。
 次に、ICT機器の活用と整備についてでありますが、ICT機器は児童生徒の学習を支援する教育機器の一つとして有効であると認識しております。平成19年度の全国学力・学習状況調査の結果を見ますと、ほとんどの学校で何らかの教科、領域でICT機器を活用した授業が実施されております。活用の内容としては、社会科や理科での資料提示、総合的な学習の時間での調査活動やまとめの発表などの事例があり、その有効性についても報告されております。
 平成19年度のICT機器の整備状況は、プロジェクターは93%、実物投影機は60%の整備率となっております。
 今後も、教員研修の中でICT機器活用の有効性、必要性についての正しい理解を図ることを進めながら、その整備促進に努めてまいります。
〇30番(工藤大輔君) 各般にわたり御答弁、感謝を申し上げます。
 青森県との海域に関してですが、これまで県の担当者は一生懸命やってくれているという思いを私は感じています。臨検を受けた際、漁業者が八戸に出頭しなければならなかったその際の県の対応など、非常に漁業者も感謝しております。ただ、青森県の担当者、話し合いを申し入れてもなかなか応じてもらえなかったり、本県側が協議を求めようとしても応じてもらえない、そういった事態がこれまで続いていたのではないかと私は感じています。
 こういったことで、今後も長く時間を要するということであれば、本県漁業者を初めとした双方の水産振興において大きな支障を来すと私は考えています。ですから、交渉に当たっては、今回の事案は本県からすれば不当なやり方をされたということでございますから、岩手としても強い姿勢をもって今後対応に当たってもらいたいと思いますし、また、この問題が双方の海域での入会で操業している漁業の者、また、イカを初めとする違う魚種に関係する者、こういったものにも悪影響も出てくるのかなということも考えます。ですから、いずれ双方でしっかりとした対応を協議されるよう、強くこれは要望したいと思います。
 そこで、再質問させてもらいたいと思いますが、広域振興局再編についてでありますけれども、6月に基本的考え方(素案)を公表した後、現在まで市町村との意見交換や地域説明会、またパブリックコメント等を実施しています。そして、来年2月には広域振興局と行政センターの組織体制と設置場所等を示す基本的考え方を公表し、6月には職員数や業務内容などにより具体的な実施案の公表を行った後、9月定例会での関連条例の提案、そして平成22年4月から4広域振興局体制への移行を目指すとスケジュールではなっています。
 私は、10年程度としてきた移行期間を大幅に短縮していることから、これからも、より丁寧な説明や県民の理解の向上が求められると思います。市町村においては、業務内容や意思決定過程がどう変わってくるのか、住民間においては、広域振興局と行政センターがどこに設置されるのか、市町村合併で起こっているような縮小された地域や圏域において、地域経済が疲弊しないかなど不安要素が多々あります。
 そういった不安を解消し、県民の理解を得ながら計画を進めるためには、来年2月までの間、このような間を置くのではなく、新たに取り入れる考えや方向性など、これまでの検討の途中経過や決定事項等、例えば12月定例会のあたりを一つの基準として示すなど、さらなる情報開示に努めるべきと思いますが、いかがでしょうか。
 また、医療についてでございますが、先ほど局長のほうから、地域の診療センターや、また、新たな病院の診療所化等を検討しているというような答弁がございました。確かに総務省が提出を求めている公立病院改革プランは、経営の効率化、再編・ネットワーク化、経営形態の見直しという3点の視点を中心として、基幹病院以外の病院機能は大幅に縮小しようとするような中身であります。ただ、診療所化に当たって、医療体制は現状のままであり、医療の質は落とさないと約束し、これまで五つの地域医療センター化を実施しています。
 プラン作成に当たり、この当時の考えに変更がないのか、また、新たな診療所化の必要性等について、どのような基準でそのことを判断するのかお伺いしたいと思いますし、また、この公立病院改革プランを実行した際、地域においては医療の不便性等が一層拡大しないのかどうか、あわせてお伺いします。
 次に、岩手競馬についてお伺いしたいと思いますが、達増知事は、就任以来、大変厳しい状況を前任者から引き継いで、競馬組合経営の改善に向け、職員の先頭に立って努力をしていると私は承知しています。競馬組合では、これまで過大な計画を示し続け、議会からの指摘どおり、計画未達成が続いたことや情報公開不足の運営体質、契約事案などについての認識の相違など、一連の不満が噴出し、恐らく県政史上最大とも言える激しい議論を経て今日に至っています。
 組合が示す計画では、下方修正と経費削減をしながらの計画達成を何とか繰り返すだけではないのか、いずれその手法にも限界が来るであろうという危機感をだれしもが持っており、民間委託をより有効な経営改善策として、昨年度来取り組まれてきていることも理解しています。
 このことを払拭するためには、過大な計画を立てずに、まずは競馬組合自身がイメージする当初計画を達成すること、それが信頼を取り戻すことにつながるため、売り上げ低下がやまない中で、融資金の返還を含めた計画を策定するということに余りこだわってはいけないのではないかと思います。
 来期、2億円マイナスからスタートする不足分をどこから確保するのか、どこから経費削減を求めるかを考え、交渉する必要があります。
 民間委託を進める場合であっても、直営での競馬開催を行うにしても、来年度の収支均衡の見通しをどのように立てているのでしょうか。
 また、年間を通じて安定した経営策を提示するに当たって、これまでも一時的な資金ショートなどの不安材料があったと思いますが、そういった不安解消に結ぶ考え方、また手法をどのように持っているのか、また考えているのか、お伺いします。
 また、日本ユニシスとの協議に当たって、先方に求めている3項目だけでは、委託するかどうかの判断材料としては乏しいのかなと個人的には考えますが、3項目以外の協議における争点はどのようなものがあるのでしょうか、あわせてお伺いします。
〇知事(達増拓也君) 岩手競馬についてお答えいたします。
 来年度の収支均衡の見通しについては、今年度の岩手競馬発売額は、第1期の発売実績を踏まえて6月に見直した収支計画をこれまでのところ達成しておりまして、また、前年度との比較においても、今年度の途中から売り上げの減少に下げどまりの傾向も見られつつあり、このまま推移すれば、本年度の収支計画の達成は可能と考えているところです。
 来年度の収支見通しについては、今年度の見直し後の収支計画を基準として、これまでの発売動向や全国の地方競馬の発売状況、さらには、現在、既に開始している来年度における他の主催者との広域受託及び広域委託発売の調整状況等を勘案しながら、現実的な収支見通しを立てるべく策定作業中でありますが、御指摘の2億円の還付金収入の減少などから、来年度は、さらに厳しい経営環境となることが見込まれることから、収支計画は厳しく見積もらなければならないと考えているところであります。
 したがいまして、民間委託拡大の成否にかかわらず、このような厳しい状況を競馬関係者や取引先企業と十分に認識を共有しながら、収入の拡大に向けてあらゆる方策を講じるとともに、支出面でも、関係者の理解と協力をいただき、経費の見直しや業務の効率化を徹底することで、収支均衡を実現できる収支計画を策定する考えであります。
 次に、資金ショートの解消策についてでありますが、岩手競馬の事業運営は、発売額が減少した場合でも、新計画のルールに沿って、競馬関係者や取引先との理解と協力のもと、年間を5期に区分し、運営協議会において、期間ごとの収支を検証しながら、必要なコスト調整を実施し、年度全体の収支について均衡を達成していく仕組みとなっています。
 また、競馬組合では、開催期間ごとの発売収入等をベースに、向こう3カ月間の資金計画を策定するとともに、必要に応じて、支払い時期等の調整を図りながら、払い戻し準備金などの運転資金が不足することのないよう資金管理を徹底しているところであり、基本的には、年度途中の資金繰りにおいて多額の資金が不足することはありません。
 仮に、一時的に運転資金が不足する場合には、当初予算において、一時借入金の限度額が定められておりまして、その範囲内において、一時借入金としての資金調達を行い対応することとなるものでありまして、今後とも、一層資金計画の精度を高め、資金管理に万全を期してまいりたいと思います。
 次に、賞典費など3項目以外の争点についてでありますが、岩手競馬は、新計画に基づき、新たな赤字を発生させない仕組みのもとで競馬事業を存続させることが、県民から与えられた命題と考えておりますが、まずは、事業運営の基本となる賞典費など3項目について十分な協議が必要と考えておりますが、本年3月に提出された日本ユニシスの企画提案を踏まえると、この3項目のほかにも、収益保証や委託契約の解除条件、現在の委託先企業との調整、また組織体制の大幅見直しなどが大きな課題と考えております。
 まず、収益保証については、330億円融資のもとでの事業継続であることを踏まえれば、企画提案の0.25%では、売り上げが400億円を超えて初めて構成団体への元金返済が可能となることとなり、県民、市民に納得いただくのは難しいと思われますことから、少なくとも、新計画を策定した当時よりも売り上げが増加した場合には、構成団体への元金返済が可能となるような仕組みに調整することが必要と考えております。
 次に、契約解除条件については、日本ユニシスの企画提案では、当初の契約期間にかかわらず、6カ月前に申し出ることにより委託契約を解消できることとしていますが、中途解除の申し出があった場合、競馬事業の継続が困難となるような事態を回避するためには、新たな委託先などに円滑に移行できるだけの相当な準備期間を設定する必要があり、6カ月という期間でそれが確保できるかどうか懸念しております。
 また、現在の委託先企業等との調整については、委託先企業が所有する施設、設備等を用いて運営されている業務等もありますので、その取り扱いについての日本ユニシスの方針を確認し、現在の委託先企業等と早急に協議・調整していくことが、新たな運営方式への円滑な移行のために重要と考えております。
 さらに、競馬振興公社の廃止や競馬組合職員の大幅削減など、現在の組織体制の大幅な見直しが提案されています。円滑に競馬事業を運営していくためには、競走の実施や、これに関連する業務のための最低限のスタッフの確保は不可欠でありまして、公社や組合が有するノウハウの継承や必要な人員の確保などの観点から、十分な検討が必要と考えております。
 競走体系、賞典費などの3項目はもとより、こうした課題について、日本ユニシスの具体的な考え方や内容を十分に確認した上で、県民や議会の皆様に納得いただける結論をまとめられるかどうかという観点から、しっかり検討してまいりたいと思います。
〇地域振興部長(藤尾善一君) 広域振興局体制のスケジュールの関係についてでありますが、広域振興局体制は、県民等、多様な主体との連携・協働による地域経営の考え方を基本といたしまして、いわて希望創造プランを効果的に推進できる体制を目指しております。
 そのため、県民等の皆様と十分に意見交換を行う期間の確保も考慮しスケジュールを組んでございまして、実施案につきましては、平成22年4月の移行に間に合うよう、来年6月にお示しすることといたしておりますけれども、今後とも、委員御指摘のような丁寧な説明を行いまして、市町村、県民の皆様等との十分な意見交換ができるよう取り組むことが重要であると考えております。
 議員御指摘の趣旨を踏まえまして、中間報告等の必要性も検討してまいりますけれども、実施案につきましては、できるだけ早目にお示しできるよう努め、十分な意見交換をしてまいりたいと存じます。
〇医療局長(田村均次君) 県立病院の見直しの中で、例えば、地域診療センターの無床化等のお話だと思うんですけれども、基本的な考え方等は、先ほど申し上げましたとおり、ドクター等を中心とした診療体制をどういうふうに今後築いていけるのかということが、医師が非常に足りない中でどうするのかというのが、非常に大きな課題として一つございます。
 それから、病床規模等に関連して、患者さんの動向、最近の病床利用率の動向等もありますし、患者さんがなかなかふえていかないという現実としての問題があると思っております。それから、そういうことが経営状況に与える影響というものがありますので、そういうことを総合的に勘案してということになるわけですけれども、例えば、診療所に関して言いますと、救急患者さんの実態ですとかそういったことも、今いろいろと調査しているところでございますので、そういったものをいろいろと分析しながら考えていかなければいけないと思っております。
 先ほど、工藤議員からもございましたけれども、非常に少ないマンパワーの中でどうするのかというのは、医療全体でも圏域を越えた連携が必要だということがございますし、県立病院も、圏域を越えた県立病院全体のネットワークを使って、それぞれの地域の医療を守っていく、そういうような視点でのいろいろな検討が必要なのではないかということで、そういった点も含めて、今いろいろと検討させていただいております。
〇30番(工藤大輔君) 医療局長、診療所化するに当たっての住民との約束事というのは、そちらのほうは忘れようとするかもしれませんが、住民は忘れていません。また、今回のこのプランを進めるということは、間違いなく基幹病院にすべてを集約していくことになると思います。
 医師が少なければ患者も集まりません。これまで派遣されていた医師の派遣回数を減らされれば、当然、患者さんに基幹病院へ来なさいと言っているようなことになります。そういったことも踏まえて、先ほど私は、これを実行した場合に、地域において不安が残るのではないのか、拡大するのではないかとも質問したところであり、県立病院は多くあるわけであり、地域それぞれ期待の大きいものでありますので、これを進めた場合に実際どうなっていくのかどうか、見解を改めてお伺いしたいと思います。
 また、競馬関係なんですけれども、私は、当初から、民間委託の際、企画提案をするというのは公募する中身の項目にあったと思います。ですから、10月を目途にした比較、また検討結果を出すということであれば、もう既に、その組合が従来、来期に向けた計画を持っていなければならない、いつでも発表できる状況でなければならないんだと思います。日本ユニシスの提案を待って競馬組合の案を出すというのとは、また別の問題があると思いますし、直営でやる場合では、岩手競馬はこうするんだという強い経営理念であったり方針をもう持っていなければなりません。
 また、競馬事業は単年度でやっていくというのが基本だと、これはわかっていますけれども、単年だけ見たのであれば、中期的な視点に立った経営などできません。一年一年だと、来年どうなるか、また再来年どうなるか、職員においても大変ですし、また、県職員の方々においては異動が伴います。県職員の異動に際し、例えば副管理者であったり、事務局長であったり、要職につく方が単年度だけで競馬事業を見たのであれば、当たった職員の方は大変です。ですから、計画ということではなくても、ビジョンという形をもって内部でしっかりと、例えば3年先等も見据えながらの経営に努められるよう要請したいと思います。
 また、日本ユニシスのホームページでは、岩手競馬の民間委託拡大について、次のように触れています。内容を要約すれば、日本ユニシスは、日本ユニシス産業機構研究所が中心となり、岩手県の競馬事業を地場産業ととらえ、その再生、検討を進めてきました。
 岩手県競馬組合が実施した民間委託拡大の公募において、最優秀企画提案に選定され、民間委託拡大の交渉先と決定したことを受け、当社は、平成21年度から民間委託拡大の実現に向け、岩手県競馬組合と共同して、具体的なプランと各種調整に着手することとしました。
 今後は、岩手県競馬組合と十分に協議を行い、本年10月を目途に、競馬組合において民間委託拡大が適当と判断されるよう、日本ユニシスが保有するICTなどを十分に活用し、経営と経営管理面の改善支援を行うなどし、岩手競馬の再生に寄与することに最大限の努力を傾注していきますという文面が記されています。
 当初から、民間委託拡大の交渉先と決定したという認識を持っており、また、10月を目途に、競馬組合において民間委託拡大が適当と判断されるよう最大限の努力をするとも言っておるわけであって、競馬組合との建設的な交渉に今後当たられることを期待申し上げ、再質問を終えたいと思います。
〇医療局長(田村均次君) まず、ガイドラインにあります改革プラン、あちらのほうを見ますと、県立とか市町村立病院が非常に入り組んだような地域の事例が載っておりまして、あの状況を見ると、非常にドラスチックな見直しがあるかのごとくなりますけれども、岩手県の場合は、県立病院を中心に、もう既にそれぞれの広域圏で、中核病院はどこだというような仕組みは、私は、ある程度、形としてはでき上がっていると考えております。
 ただ、実際問題として、今の県立病院の個々の経営状況ですとか、お医者さんがなかなか確保できないというような状況、その部分については、やはり今の計画をしっかり検証して、新しいプランの中に見直すべきものは見直さなければいけないのではないかというような視点で、今、検討を続けているということでございますので、よろしくお願いいたします。
〇副議長(佐々木大和君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時57分 休憩
出席議員(47名)
1  番 木 村 幸 弘 君
2  番 久 保 孝 喜 君
3  番 小 西 和 子 君
4  番 工 藤 勝 博 君
5  番 岩 渕   誠 君
6  番 郷右近   浩 君
7  番 高 橋   元 君
8  番 喜 多 正 敏 君
9  番 高 橋 昌 造 君
10  番 菅 原 一 敏 君
11  番 小野寺 有 一 君
12  番 熊 谷   泉 君
14  番 高 橋 博 之 君
15  番 亀卦川 富 夫 君
16  番 中 平   均 君
17  番 五日市   王 君
18  番 関 根 敏 伸 君
19  番 三 浦 陽 子 君
20  番 小田島 峰 雄 君
21  番 高 橋 比奈子 君
22  番 高 橋 雪 文 君
23  番 嵯 峨 壱 朗 君
24  番 及 川 あつし 君
25  番 飯 澤   匡 君
26  番 田 村   誠 君
27  番 大 宮 惇 幸 君
28  番 千 葉 康一郎 君
29  番 新居田 弘 文 君
30  番 工 藤 大 輔 君
31  番 佐々木 順 一 君
32  番 佐々木   博 君
33  番 工 藤 勝 子 君
34  番 平 沼   健 君
35  番 樋 下 正 信 君
36  番 柳 村 岩 見 君
37  番 阿 部 富 雄 君
38  番 斉 藤   信 君
39  番 吉 田 洋 治 君
40  番 及 川 幸 子 君
41  番 佐々木 一 榮 君
42  番 伊 藤 勢 至 君
43  番 渡 辺 幸 貫 君
44  番 小野寺 研 一 君
45  番 千 葉   伝 君
46  番 佐々木 大 和 君
47  番 菊 池   勲 君
48  番 小野寺   好 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後4時14分 再開
〇議長(渡辺幸貫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。新居田弘文君。
   〔29番新居田弘文君登壇〕(拍手)

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