平成18年9月臨時会 第20回岩手県議会臨時会会議録

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〇38番(小原宣良君) 政和・社民クラブの小原宣良でございます。
 何事においても手順が大切であります。ましてや手続を重んずる本県議会においてはなおさらのことであります。本日開会の県議会臨時会は、県競馬組合の経営改善をめぐる諸問題について、出資法人等改革調査特別委員会から中間報告を求めるとともに、県当局に対して競馬問題についての緊急質問を行う場とするとのことであります。冒頭申し述べましたように、手順という点で申し上げるなら、これら県競馬組合が抱える諸問題の解決策は、まずもって県競馬組合と同議会が真剣な検討と議論のもとにその方向を見出すべきであります。
 お聞きしますと、9月1日に開催された県競馬組合議会に提出された改訂実行計画の見直し案は成案ではなかったようであります。これが成案として示されたものであるなら、岩手県議会に限らず、構成団体である盛岡市議会や奥州市議会にあっても県競馬組合議会ともどもに大いに議論し、その議論を通して、市民、県民の皆様にともに考えていただくための資料や情報を提供していくべきであります。しかしながら、改訂実行計画見直し案が成案でもない今の段階で臨時県議会を開いて議論をする根拠を、私は見出しかねるのであります。間もなく9月定例県議会が始まります。それまでには、見直し案を成案として示すことになるでしょうが、その成案をもって、県議会は大いに責任ある議論をすべきであります。
 今述べましたように、見直し案を成案とするためには、競馬組合構成団体がよくよく吟味し、場合によっては、身を削る覚悟をも腹に据えての検討が求められる局面にあるものと思います。県競馬組合議会においても同様でありましょう。確かに、私どもは、しかるべき時期と場において、県競馬組合の経営状況とその対策について、知事との率直な意見交換の場が必要であるとしてきました。例えば、県政調査会あるいは全員協議会などの場を想定したものでありました。しかし、県競馬組合において、まさにぎりぎりの協議調整のさなか、ましてや、成案を踏まえての県競馬組合議会の一定の議論もないまま、きょう、この時期、県議会臨時会本会議の場において、知事との公式のやりとりにどれほどの大義と実効性があるのか、手順を含めて私は甚だ疑問とするところであります。
 再度申し上げます。地方公共団体たる県競馬組合の改訂実行計画の見直しに当たっては、まずは県競馬組合が成案を早急に策定し、その上で、同組合議会に提案し審議すべきが筋道であります。決して、本県議会は県競馬組合議会ではありません。もちろん、競馬問題は、構成団体の主要な一員である本県にとっても喫緊の最重要課題であることから、県競馬組合議会の審議の過程で、本県議会に限らず、構成団体それぞれの議会から意見を求める機会があってもよいでありましょう。また、知事は、県行政の最高責任者として、本県議会とも、もっと率直な意見交換のできる場を設けるなど、伊藤議長との意思疎通のもとに、十分、意を配すべきであろうと思います。
 知事はこのほど、経営陣を刷新するとの考えを示したようでありますが、まさに今、県競馬組合の甘えの構造と思考を廃止し、主体的で責任ある経営に当たっていただくことを切に望むものであります。
 さて、私は、改めてさきの2月定例県議会での討論に触れたいと思います。私は、本年2月定例県議会最終本会議において、藤原良信議員ほか12名の議員から提出されました平成18年度岩手県一般会計予算に対する修正案に反対の討論を行いました。この修正案は、一般会計予算7、398億円から27億円を分離し、県競馬組合への貸し付けを行ってはならないとする予算修正動議でありました。私は、その討論の中で、県競馬組合は、地方自治法上の地方公共団体であること。したがって、県競馬組合の運営は、まずもって地方公共団体である県競馬組合と同議会が主体的に取り組むべきであること。もし、県競馬組合に今後の展望なしとするなら、県競馬組合みずからが重大な決意と責任を持って整理・解散のスキームを示すべきであり、決して本県議会が地方公共団体である県競馬組合に先駆けて同組合の破綻や解散を先導してはならないと述べました。この指摘は、今でも正しいと確信をしております。
 次に、本県議会招集を求める根拠となっております出資法人等改革調査特別委員会から中間報告を求めようとする点についてであります。本県議会において四つの特別委員会設置のスタイルになったのは、昭和52年以降のようであります。それ以前は、昭和22年の水害対策委員会、昭和42年のビート転換畑作振興特別委員会など、特定の課題に対する調査を目的に一つの特別委員会を設置した例が見られます。最近の4特別委員会においては、専ら調査・研究をテーマと位置づけたことを踏まえ、調査の終結に当たっては、これに発議ないしは附帯意見を付することは、特別委員会の性格上なじまないとしてきたものと理解をしております。たとえ委員長判断としてこれらを行うにしても、他の地方公共団体にかかわる場合にあっては、当該団体の自治権に抵触しないよう留意することが求められるものであります。伝統ある本県議会において、越権行為による不利益との指摘がなされることのないよう願うものであります。
 以上、指摘しましたように、出資法人等改革調査特別委員会が、この場において中間報告することについては少なからず疑義があることから、これに反対をいたします。よって、この後、競馬問題についての緊急質問が行われる場合にあっても、改訂実行計画見直し案が成案となっていない現状においては、県競馬組合の自主性に触れるおそれのあることから、我が会派はこれを行わないことを申し添えます。
 もとより、我が会派は、県競馬組合議会に議員を送り出している立場から、危機的状況にある県競馬組合の経営改善に向けて、国が現在検討に入っている地方競馬に係る助成事業や組織整備のあり方にも着目するなど、全力を挙げて取り組んでいく決意を申し述べまして、私の討論を終わります。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〇議長(伊藤勢至君) 次に、斉藤信君。
   〔26番斉藤信君登壇〕

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