平成9年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録 |
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〇1番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
議案第69号県営住宅等条例に反対の討論を行います。 今回提案されている県営住宅等条例は、公営住宅法の改正、事実上の改悪を受けて行われるものであります。本来住宅の保証は、国民福祉の増進の土台であり、今日の住宅の貧困を解消することは個人のかい性の問題ではなく、国、自治体の責務であります。ところが、公営住宅法の改正と今回の県営住宅等条例は、これまでの住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で住宅を保証する国、地方自治体の責任を放棄して、住宅の供給を一層民間任せにしようとするものであります。 具体的には第1に、入居者の収入基準をこれまでの収入分位33%から25%に引き下げることによって、現在も住宅に困っている9、500世帯に及ぶ最低居住水準以下の世帯や、若い共働き世帯などがますます県営住宅に入りにくくなることであります。収入分位25%とは、夫婦、子供1人の3人家族で、年収450万円となりますが、これは岩手県の勤労者の平均収入を下回るものであります。これでは働き盛りの若い世帯、共働き世帯は、最初から入居者の対象から外されてしまいます。現在、県営住宅に入居している4、173戸のうち、収入超過者となるのは1、010戸、24・4%で、実に4世帯に1世帯が入居対象者から外れ、近傍家賃に近づく家賃の値上げが押しつけられることになるのであります。収入が上昇することで住み慣れた住宅を追い出されるなどという冷たい仕打ちは、世界にも例がないものであります。 第2に、応能応益家賃制度を導入し、家賃にも市場原理を持ち込み、かなりの世帯が家賃の値上げとなることであります。また、毎年の家賃の値上げも予想されます。このことは、一昨年この制度を取り入れた東京都営住宅が大幅な家賃値上げとなったことが実証しています。それは同時に、民間家賃を押し上げる結果となるものであります。 第3に、今回の条例案では、新たな制度として民間住宅の借り上げ、買い上げも公営住宅とする制度が導入されていますが、これも新規建設を縮小することになりかねません。今、必要なことは、県民の要望にこたえて、良質で安価な県営住宅を計画的に建設し、県民の福祉の増進に努めることであります。 日本共産党は、住宅は基本的人権であり福祉であるとの立場から、低所得者に対し、低廉で居住水準の高い住宅を計画的に建設し、供給することを強く求めるものであります。イギリスの公営住宅の比率は約25%、日本は4・7%です。岩手県はさらに低い4・1%に過ぎません。 今回の県営住宅等条例は、公営住宅の供給から後退、縮小するものとし、反対を表明し、反対討論といたします。 〇議長(堀口治五右衛門君) 以上で通告による討論は終わりました。 これをもって討論を終結いたします。 これより、議案第69号県営住宅等条例を採決いたします。 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 〇議長(堀口治五右衛門君) 起立多数であります。よって、議案第69号県営住宅等条例は委員長の報告のとおり決定いたしました。 次に、議案第26号、議案第28号から議案第31号まで、議案第50号、議案第73号、議案第85号及び請願陳情を一括して採決いたします。 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 〇議長(堀口治五右衛門君) 起立全員であります。よって、議案第26号、議案第28号から議案第31号まで、議案第50号、議案第73号、議案第85号及び請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。 日程第11 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件 〇議長(堀口治五右衛門君) 次に、日程第11、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。 〔参照〕 総務委員会 地域振興施策について
福祉文教委員会
保健商工委員会
農林水産委員会
土木委員会 集中監視制御システムについて 〇議長(堀口治五右衛門君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、先ほど各委員長から報告のとおり申し出がありましたが、委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 〇議長(堀口治五右衛門君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。 日程第12 議案第6号平成9年度岩手県一般会計予算から日程第83 議案第86号当せん金付証票の発売に関し議決を求めることについてまで 〇議長(堀口治五右衛門君) 次に、日程第12、議案第6号から日程第83、議案第86号までを一括議題といたします。 各案件に関し委員長の報告を求めます。藤原予算特別委員長。 〔予算特別委員長藤原良信君登壇〕(拍手) |
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