平成10年9月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 認定第1号及び第3号に反対の討論を行います。
 認定第1号は、1997年度岩手県立病院等事業会計決算であります。私は、県立病院が県民の生命と健康を守る医療活動において、重要なかけがえのない役割を果たしていることを正しく評価するものであります。しかしながら、自民党政治の悪政、医療制度改悪のもとで改善すべき問題も少なからず残されています。
 第1に、昨年9月以来の医療費の値上げによって患者負担が2倍以上となり、深刻な受診抑制、患者減少が引き起こされていることであります。昨年9月以降、社会保険本人で医療費は入院、外来とも2倍となり、老人保健では1・6倍、さらに薬代の二重取りで2倍ないし3倍となっているのであります。その結果、昨年10月以降の後期分で見ると、外来患者が前年度比3万3、458人、入院患者で1万4、301人、合計4万7、759人も減少となったのであります。さらに、ことし10月からの診療報酬の改定では、6カ月以上の老人の長期入院患者の看護料、診療報酬を引き下げ、病院から追い出しを図るという重大な内容となっていますが、決算委員会での答弁のように、県立病院から老人患者を追い出すことのないよう、強く求めるものであります。
 第2に、この間定員増がなされているものの、2人夜勤の解消、労働条件の改善に結びついていないばかりか、一層深刻となっていることであります。97年度は、正規職員で91人増、臨時職員で11人減、98年度で、正規職員65人増、臨時で20人減となっていますが、看護婦さんの2人夜勤は49病棟から54病棟へ5病棟も増加しているのであります。私は、決算特別委員会において、県立病院の中でもセンター病院として最も高度な医療を行っている重症患者の多い中央病院の実態について具体的に取り上げましたが、中央病院においてさえ6病棟もが2人夜勤となっていることは、極めて重大であります。重症患者がいれば1人の看護婦はつきっきりとなり、あと1人の看護婦が60人以上の患者を見ることになります。そのためにナースステーションは不在となり、ナースコールが鳴りっ放しで、すぐに駆けつけられない状態となっています。これは、看護婦の労働条件の悪化はもとより、患者の生命と安全にかかわる重大な問題であります。中央病院を初めとする2人夜勤の解消を早期に、計画的に実施するよう、強く求めるものであります。
 あわせて、多過ぎる看護婦さんの研修、委員会の抜本的な見直し、改善を求めるものであります。
 第3に、県政、医療局による患者負担の増大であります。入院給食費の患者負担は、県立病院で12億2、400万円、紹介外初診料で1億4、707万円余となっています。これは、医療費値上げ分だけで大変なのに、さらに患者負担を増加させるもので、県民のための公的医療機関である県立病院で行うべきものではありません。
 第4に、97年度の決算は7、000万円余の赤字となりましたが、消費税5%の増税による負担増が23億円、診療報酬補てん分を引いても実質負担増が11億円となっていることであります。赤字の最大の要因は、消費税の増税にあるというべきであります。自民党政治による悪政が県立病院の経営悪化の原因というべきであります。この点でも、消費税の減税が強く求められています。
 第5に、メディカルサポートへの出資を引き揚げたことは遅きに失したとはいえ、当然のことであります。医療局幹部職員の天下りもやるべきではありません。今後に癒着の態勢を決して温存させてはならないことを強調しておきます。
 最後に、県立磐井病院、南光病院の移転併設問題について、関係住民の理解と合意を前提に進めるよう強く求めます。そのための冷静で科学的な議論が行われるよう求めるものであります。その上で南光病院の併設については絶対条件とせず、磐井病院の先行建設も検討すべきであります。
 認定第3号は、1997年度岩手県工業用水道事業会計決算であります。4、855万円余の黒字となったことは評価すべきでありますが、出資金として1億3、214万円余の一般会計からの繰り入れが行われていることは、真の黒字、自立した状態とは言えないものであります。最大の問題は、第二北上中部工業用水道に見られる過大な投資による未売水の実態であります。北本内ダムの休止による利水対策として、入畑ダムの工業用水の上水への転用を積極的に検討すべきであります。
 最後に、食糧費調査が行われましたが、企業局の調査総額の約10%が不正となり、36・8%、1、631万円余が不明とされたことはまともな調査とは言えないものであり、とても県民の理解を得られるものではありません。
 以上を申し上げて、反対の討論といたします。御清聴ありがとうございました。
〇議長(那須川健一君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより認定第1号及び認定第3号を一括して採決いたします。
 各決算は、委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(那須川健一君) 起立多数であります。よって、認定第1号及び認定第3号は、委員長の報告のとおり認定することに決定いたしました。
 次に、認定第2号平成9年度岩手県電気事業会計決算を採決いたします。
 本決算は、委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(那須川健一君) 起立全員であります。よって、認定第2号平成9年度岩手県電気事業会計決算は委員長の報告のとおり認定することに決定いたしました。
   
日程第44 発議案第1号過疎地域の振興のための新立法措置についてから日程第55 発議案第12号道路特定財源制度の堅持と平成11年度道路関係予算の確保についてまで
〇議長(那須川健一君) 次に、日程第44、発議案第1号から日程第55、発議案第12号までを一括議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各派共同提案及び委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(那須川健一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより発議案第7号消費税率を3%に戻し、食料品は非課税にすることについてを採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(那須川健一君) 起立多数であります。よって、発議案第7号消費税率を3%に戻し、食料品は非課税にすることについては、原案のとおり可決されました。
 次に、発議案第12号道路特定財源の堅持と平成11年度道路関係予算の確保についてを採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(那須川健一君) 起立多数であります。よって、発議案第12号道路特定財源の堅持と平成11年度道路関係予算の確保については、原案のとおり可決されました。
 次に、発議案第1号から発議案第6号まで及び発議案第8号から発議案第11号までを一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(那須川健一君) 起立全員であります。よって、発議案第1号から発議案第6号まで及び発議案第8号から発議案第11号までは、原案のとおり可決されました。
   
日程第56 発議案第13号自衛隊岩手山演習場における日米共同訓練の中止を求めることについて
〇議長(那須川健一君) 次に、日程第56、発議案第13号自衛隊岩手山演習場における日米共同訓練の中止を求めることについてを議題といたします。
 提案理由の説明を求めます。伊沢昌弘君。
   〔12番伊沢昌弘君登壇〕

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