平成13年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇23番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第1号2001年度岩手県一般会計予算に反対の討論を行います。
 反対する第1の理由は、自民党政治に追随してむだと浪費、不要不急の大型開発、公共事業優先の県政を進め、県民への借金押しつけは1人当たり90万円、借金残高が1兆2、733億円となる財政危機を一層深刻なものとしていることであります。自民党政治のもとで国と地方の借金は666兆円にも達しています。宮沢喜一財務大臣が、我が国の財政は今、非常にやや破局に近い状況だと述べたように、国と地方の借金財政は破局に近いものであります。その最大の理由が年間50兆円に及ぶ大型開発、公共事業であることは明らかであります。これは世界にも例のない異常なものであります。
 増田県政の7年間の予算編成を見ると、一部の手直しはあるものの、全体として自民党政治に忠実に従って大型開発、公共事業を優先してきた県政でありました。その結果、7年間で5、704億円も借金をふやし、主要3基金は626億円も取り崩してきました。増田知事1人で借金残高の45%もふやしたということになります。経済対策、不況対策のための公共事業と言いながら、不況は一層深刻になるばかりであり、経済政策の失政は明らかであります。私は、本会議でも、事実と実績に基づいて不要不急の大型開発の見直しを求めてきました。貨物取扱量が年々減少している港湾整備事業、需要予測と大きく乖離しつつある花巻空港滑走路延長事業、農家の利用と負担のめどが立たない馬淵川沿岸水利事業、施設先にありきのすこやか子どもランド建設など、深刻な財政危機のもとでは根本から本来見直すべき事業が少なくないのであります。
 反対する第2の理由は、深刻な不況と雇用危機打開の対策が全く不十分であることであります。今日の不況、日本経済の危機の最大の原因は、日本経済の6割を占める個人消費が落ち込んでいることであります。この3年間に勤労者の可処分所得は月2万4、000円、年間では28万8、000円も減少しました。医療、年金、介護保険、雇用保険の改悪などで新たに3兆円の負担増が強いられようとしています。大企業のリストラと誘致企業の撤退などで失業者は320万人となっています。今必要なことは、県民の暮らしを応援する政治を進めることであります。ところが、来年度予算では県立大学の授業料、県立高校の授業料値上げなど、使用料、手数料で3億円の新たな負担を強いるものとなっています。雇用拡大では何よりも大企業のリストラを規制することが重要です。誘致企業の一方的撤退を許さない事前協議制を確立することも必要であります。同時に、雇用拡大の一番効果のある対策は、サービス残業をやめさせ労働時間の短縮を図ることであります。県職員のサービス残業は1人6時間、年間18万7、000円、総額では8億3、000万円となります。これは116人の人員増に相当するものであります。全国的にサービス残業をやめさせるだけで90万人の雇用拡大に結びつきます。また、残業をやめるだけで県内でも3万2、000人の雇用増に結びつき、政府の目標である年間1、800時間を達成するなら3万4、000人の雇用拡大で、県内の失業者を上回る雇用を拡大することができるのであります。雇用拡大策では、労働者の8割を占める中小企業対策の抜本的強化が必要です。県予算の中小企業対策費は前年度より増額されたとはいえ、総額750億円、一般会計歳出の8.3%で、金融対策を除けば89億円余で歳出のわずか1%にすぎません。岩手県経済を支える中小企業対策の抜本的な強化と拡充を求めるものであります。
 反対する第3の理由は、福祉、介護の充実に背を向けていることであります。介護保険が実施されて1年がたちました。増田知事は、大きな混乱もなく制度としてはおおむね順調に実施されていると述べましたが、とんでもありません。ホームヘルプサービスでは、県の調査でも14%から16%のお年寄りが介護サービスの利用を減らし、全体でも利用限度額のわずか31.7%しか利用されていないのであります。これは全国平均を10%も下回っています。少なくないお年寄りが長生きしてもちっともおもしろくない、早く死にたいが迎えに来ないと嘆き、利用料が高くて必要なサービスが受けられないと訴えています。こうした事態に県内14市町村では独自の利用料軽減策を実施しています。山田町、岩泉町では保険料の減免も行っています。今必要なことは、介護保険によって今までの介護サービスさえ受けられない、必要なサービスが受けられないという高齢者を1人でもつくってはならないということであります。そのための保険料、利用料の軽減策を国に求め、県としても市町村と協力して応援する対策を実施することであります。また、痴呆高齢者の介護認定の改善と対策に万全を期すことであります。私は、今議会で深刻な児童虐待問題への対策を取り上げましたが、子育て環境日本一を掲げるなら、直ちに児童福祉司を増員するなど、スローガンにふさわしい対策をとるよう強く求めるものであります。就学前までの乳幼児医療費助成も、東北では秋田県、青森県、福島県、山形県の各県で既に実施しているか、来年度から実施される予定であります。この点でも増田県政のおくれは明らかであります。
 反対する第4の理由は、農林水産業の対策が公共土木事業優先でゆがみが正されていないことであります。公共土木事業の占める比率は5割から6割以上となっています。
 最後に、国は上からの市町村合併を強引に進め、県にその役割を発揮させようとしています。市町村合併はあくまでもそれぞれの自治体と地域住民自身の討論と選択によって進めるべき問題であります。上から合併を押しつける合併重点支援地域の指定など絶対にやるべきではありません。
 議案第11号、第12号は、港湾整備事業と県民ゴルフ場特別会計予算ですが、むだと浪費を見直すべきであり、反対いたします。
 議案第13号は、県立病院等事業会計であります。県立病院が県民の生命と健康を守る上で重要な役割を果たしていることを評価するものでありますが、労働基準監督署からも是正勧告がされている宿直勤務による救急医療体制の改善や、2人夜勤体制の改善、解消を求め、反対するものであります。
 議案第16号から21号は、建設事業に要する経費の一部を市町村に負担させるものであり、反対であります。
 議案第34号から38号、42号、46号、50号、51号は、使用料、手数料等の値上げを行うものであり、反対であります。
 以上、申し上げまして反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。
〇議長(山内隆文君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより議案第1号、議案第11号から議案第13号まで、議案第16号から議案第21号まで、議案第33号から議案第36号まで、議案第38号、議案第42号、議案第46号、議案第50号及び議案第51号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(山内隆文君) 起立多数であります。よって、議案第1号、議案第11号から議案第13号まで、議案第16号から議案第21号まで、議案第33号から議案第36号まで、議案第38号、議案第42号、議案第46号、議案第50号及び議案第51号は委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第2号から議案第10号まで、議案第14号、議案第15号、議案第31号、議案第32号、議案第37号、議案第40号及び議案第48号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(山内隆文君) 起立全員であります。よって、議案第2号から議案第10号まで、議案第14号、議案第15号、議案第31号、議案第32号、議案第37号、議案第40号及び議案第48号は委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
日程第58 議案第92号副知事の選任に関し同意を求めることについてから日程第60 議案第94号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについてまで
〇議長(山内隆文君) 次に、日程第58、議案第92号から、日程第60、議案第94号までを一括議題といたします。
 提出者の説明を求めます。増田知事。
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 本日提案いたしました人事案件について御説明いたします。
 議案第92号は、副知事千葉浩一君が3月26日退職いたしましたので、新たに副知事として高橋洋介君を選任するため、議会の同意を求めるものであります。
 議案第93号は、出納長高橋洋介君が3月26日退職いたしましたので、新たに出納長として橋田純一君を選任するため、議会の同意を求めるものであります。
 議案第94号は、公安委員会の委員であります橋田純一氏が3月26日辞任いたしましたので、その後任として、新たに佐藤ソノ子氏を任命するため、議会の同意を求めるものであります。
 よろしく御審議の上、原案に御同意くださるようお願いいたします。
〇議長(山内隆文君) お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、人事議案でありますので、会議規則第34条第2項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(山内隆文君) 御異議なしと認めます。よって、これより議案第92号副知事の選任に関し同意を求めることについてを採決いたします。
 ただいま議題となっております議案第92号副知事の選任に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(山内隆文君) 起立全員であります。よって、議案第92号副知事の選任に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
 次に、議案第93号出納長の選任に関し同意を求めることについてを採決いたします。
 ただいま議題となっております議案第93号出納長の選任に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(山内隆文君) 起立全員であります。よって、議案第93号出納長の選任に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
 次に、議案第94号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについてを採決いたします。
 ただいま議題となっております議案第94号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(山内隆文君) 起立全員であります。よって、議案第94号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
   
日程第61 発議案第1号政務調査費の交付に関する条例から日程第67 発議案第7号抜本的な税源の移譲についてまで
〇議長(山内隆文君) 次に、日程第61、発議案第1号から日程第67、発議案第7号までを一括議題といたします。
 ただいま議題となっております各案件は、各派共同提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(山内隆文君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより、発議案第1号から発議案第7号までを一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(山内隆文君) 起立全員であります。よって、発議案第1号から発議案第7号までは、原案のとおり可決されました。
   
   新任者の紹介
〇議長(山内隆文君) この際、高橋副知事を御紹介いたします。
   〔副知事高橋洋介君登壇〕
〇副知事(高橋洋介君) ただいま県議会の御同意をいただき、副知事に就任いたしました。
 もとより微力ではございますが、県勢のさらなる発展と県民福祉の一層の向上のため誠心誠意努力する覚悟でございますので、これまで以上の御支援、御指導のほどよろしくお願い申し上げます。(拍手)
〇議長(山内隆文君) 次に、橋田出納長を御紹介いたします。
   〔出納長橋田純一君登壇〕
〇出納長(橋田純一君) 県議会の御同意を賜り、出納長を拝命いたしました橋田でございます。
 責務の重さを厳粛に受けとめております。もとより微力ではございますが、職務の遂行に当たり、誠意を持って臨んでまいりたいと存じております。何とぞ御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。(拍手)
〇議長(山内隆文君) 次に、佐藤公安委員会委員を御紹介いたします。
   〔公安委員会委員佐藤ソノ子君登壇〕
〇公安委員会委員(佐藤ソノ子君) 3月27日付で岩手県公安委員会委員を拝命いたしました佐藤ソノ子でございます。
 いただきました責務を誠心誠意全うすべく努力してまいりますので、よろしく御指導お願いいたします。(拍手)
   
〇議長(山内隆文君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 これをもって本日の会議を閉じ、第9回県議会定例会を閉会いたします。(拍手)
   午後2時53分 閉 会

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