平成15年12月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇4番(木戸口英司君) 民主・県民会議の木戸口英司でございます。
 会派及び賛成議員を代表し、発議案第10号イラク特別措置法に基づくイラクへの自衛隊派遣に反対する意見書につきまして、提案理由の説明を行います。
 日本時間で11月29日夜、イラク北部のティクリット付近で日本大使館の車が襲撃され、日本人外交官2名が殺害される事件が発生いたしました。犠牲となりました奥克彦大使、井ノ上正盛一等書記官は、これまで厳しい現地の第一線で復興支援に全力を尽くしてこられました。痛恨のきわみであり衷心より御冥福をお祈りするとともに、御家族、御関係者に心からお悔やみを申し上げる次第であります。
 小泉内閣は、7月の国会において、イラクに自衛隊を派遣するための法律、いわゆるイラク特別措置法を制定し、調査団を数度イラクに送るなど、年内にも自衛隊を派遣する方向で検討がなされてきました。しかし、5月の戦争終結宣言以後も米英軍の攻撃はとどまることはなく、テロも頻発し多くの死傷者が出ています。昨今は、テロ攻撃はさらに激しさを増し、対象がホテル、民間航空機などに拡大、無差別化の様相を呈しております。政府が派遣候補地としているイラク南部でもテロが発生し、現地は実質戦時中、非戦闘地域は存在し得ない状態にあります。そもそもイラク特別措置法には、支援活動は武力による威嚇または武力行使に当たるものであってはならない。戦闘行為が行われておらず、活動期間を通じ戦闘行為が行われることがない地域で実施するとあります。
 治安が悪化し、日本人外交官殺害事件が発生した直後のこの時期にあって、政府は昨日、自衛隊イラク派遣の基本計画を閣議決定いたしました。先週の世論調査を見ると、イラクへの自衛隊派遣について、時期は慎重に検討すべきが56.3%、派遣すべきではないが33.7%に上り、早期に派遣すべきは7.5%にとどまっております。復興支援に関する小泉首相の国民への説明も十分でないが89.2%を占めており、この数字からも国民はこのたびの派遣に多大な疑義を持っていることは明らかです。
 我が国は、イラク国民がこれ以上の災禍に見舞われることを回避するとの人道的見地、イラクの復興が及ぼす中東全体の平和と安定への影響などをかんがみ、イラク復興支援に積極的に取り組んでいくべきと考えます。今、急がれるのは、米英等の占領行政にかわり、国連主体の復興支援が確立されること、イラク国民に速やかに主権移譲がなされることであり、そのための外交努力の強化が重要であります。しかしながら、本法による自衛隊の派遣は、憲法で禁ずる海外での武力行使との一体化の可能性も生じ得ることであり、戦闘地域と非戦闘地域、戦闘員と非戦闘員の峻別が困難な上、武器使用基準も明確でなく、自衛隊でなければ果たせないニーズも特定できていません。イラク攻撃の正当性、占領行政との関係、自衛隊の海外派遣のあり方、対中東政策上の視点など、重要な問題の検討は放置されたままであります。
 よって、イラク特別措置法に基づいて自衛隊が派遣されることがないよう強く求めるものであります。皆様方の御賛同を賜りますようお願いを申し上げ、提案理由の説明といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)

〇議長(藤原良信君) これより、質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております発議案第10号イラク特別措置法に基づくイラクへの自衛隊派遣に反対する意見書は、会議規則第34条第2項の規定により、委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(藤原良信君) 御異議なしと認めます。よって、発議案第10号イラク特別措置法に基づくイラクへの自衛隊派遣に反対する意見書は、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
 これより、討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
 これより、発議案第10号イラク特別措置法に基づくイラクへの自衛隊派遣に反対する意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(藤原良信君) 起立多数であります、よって、発議案第10号イラク特別措置法に基づくイラクへの自衛隊派遣に反対する意見書は、原案のとおり可決されました。
   
   日程第40 議員派遣の件

〇議長(藤原良信君) 次に、日程第40、議員派遣の件を議題といたします。
   
〔参照〕
 議事日程第5号中 日程第40 議員派遣の件の議員派遣一覧
派遣の目的派遣場所期 間派遣議員
北海道・東北六県議会議員研究交流大会秋田県
秋田市
平成16年
1月13日
新居田弘文 議員
千葉康一郎 議員
大宮 惇幸 議員
平野ユキ子 議員
関根 敏伸 議員
佐々木俊夫 議員
柳村 岩見 議員
工藤 勝子 議員
高橋 雪文 議員
吉田 洋治 議員
田村  誠 議員
伊沢 昌弘 議員
阿部 富雄 議員

   

〇議長(藤原良信君) お諮りいたします。本件は、お手元に配付いたしました1件についてでありますが、会議規則第114条の2第1項の規定により議員を派遣いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(藤原良信君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
   
   閉 会

〇議長(藤原良信君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 これをもって本日の会議を閉じ、第5回県議会定例会を閉会いたします。(拍手)
   午後2時2分
閉会


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