平成16年2月定例会 第6回岩手県議会定例会 会議録

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〇26番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 県民の命と暮らしを守るという地方政治の原点に立って、県民要求実現を求め質問いたします。
 増田知事は昨年10月、深刻な財政危機に陥り、岩手県行財政構造改革プログラムを打ち出しました。その内容は、自立した地域社会の形成を掲げたものの、実際には福祉を切り捨てる、60億円の補助金廃止など県民と市町村に犠牲を強いる重大なものでありました。
 増田知事に質問します。
 第1に、来年度末には1兆4、046億円を超える県債残高に見られる借金財政、これは県民1人当たり99万円を超えるものですが、県財政の破綻状況について知事演述では一言も反省の言葉がありませんでした。実際、増田県政の10年間には県の借金は予算ベースで8、100億円もふやされたのであります。この責任をどう認識しているのでしょうか。
 第2に、こうした県財政の破綻のツケを福祉切り捨てなど県民に犠牲を転嫁しようとしていることであります。特に、乳幼児医療費助成など県単独医療費助成事業は、県民の切実な要求と粘り強い運動に基づいて実現、充実させられてきたものであります。ところが、増田知事は、県単独医療費助成事業について大幅な負担増を打ち出しました。一部対象を広げたものの、通院は1件1、500円、入院は月5、000円の一部負担の導入であります。県の削減は通年ベースでどうなるでしょうか。県民の負担増はどう見込まれるでしょうか。保健福祉分野の県単独の補助事業は、その削減策を含め予算編成でどのように見直されたのでしょうか。
 第3に、県の補助金廃止によって、市町村ではこれまでの市町村単独の上乗せ事業を廃止するところも生まれています。県の事業だけでなく市町村の事業まで後退する。住民負担が増大するという事態が引き起こされていますが、実態をどう把握されているでしょうか。こうした福祉、暮らしを切り捨てる補助金の廃止・縮小は見直すべきではないでしょうか。
 第4に、県財政破綻の要因がいわゆる霞が関スタンダードの安易な受け入れなど、中央志向、中央に依存した体質から脱却できず、身の丈を越えた規模で社会資本整備を続けてきたこととみずから述べているにもかかわらず、むだと浪費、不要不急の大型開発には全くメスが入っていないことであります。
 具体的にお聞きします。知事は2月19日の定例記者会見で簗川ダムの利水問題について述べましたが、全く必要のない利水について重大な新たな問題を提起しました。県と盛岡市の協議で、盛岡市の水需要は平成37年でも4万4、000トンも余裕があるとされました。これは人口で10万人分にもなる膨大なものであります。矢巾町の5、000トンも十分対応できるものであります。水道水としての利水はこれで全く必要がないこととなったと思いますがどうでしょうか。
 もし、それでも利水参加するとしたら、むだな水の確保のためにさらにむだなダム事業費の増大となりかねません。重大なことは、知事はどうして簗川ダムに関係のない広域6市町村の水需要の試算をしたのでしょうか。また、その結果は広域6市町村では1万4、000トンの不足になるという重要なものであります。盛岡市を除けば5万8、000トンの不足となるものであります。私は、滝沢村、雫石町の町長や水道担当者に話を聞きましたが、全く余計なお世話だ、水が不足するどころか十分に余裕があり将来的にも心配ないというものでありました。どうして必要もない、実態に合わない試算をしたのでしょうか。これは県の干渉であり恫喝に等しいものではないでしょうか。簗川ダムについては、きっぱりと必要のない利水は取りやめて、事業費を大幅に軽減するとともに、ダム建設そのものを見直し、費用のかからない河川改修を検討すべきと思いますがいかがでしょうか。
 津付ダムについても治水だけのダムとなりましたが、県は大方の予想を覆してダム建設を推進しようとしています。驚くべきことに治水だけのダム建設に見直したものの、事業費の総額はダムと河川改修をあわせると334億円と、現在の267億円から実に67億円も増大するというものであります。河川改修の代替案も検討したというものの、前回の222億円から354億円に132億円も増大するというものであります。こんなずさんな試算があるでしょうか。事業が認可されたときの試算はこれでは全くずさんだったということになりますがいかがでしょうか。
 あわせて知事にお聞きします。北本内ダムは、当初ダム建設事業費が420億円でしたが、見直したら606億円になるというのでダム建設は平成12年に中止し、河川改修に転換しました。実際に河川改修を行ったら、治水安全度は100分の1から50分の1となったものの、事業費はわずか2億円であります。この転換をどう受けとめているでしょうか。こうした北本内ダムの教訓を生かして、簗川ダムも津付ダムも河川改修に転換すべきではないでしょうか。こうした数十億円、数百億円規模のむだな大型開発は抜本的に見直して、県民の命と暮らしを守る医療費助成や福祉こそ守るべきではないでしょうか。
 次に、県立病院の大幅な縮小と診療所化を目指す県立病院改革実施計画について質問いたします。
 県立病院は、県下にあまねく医療の均てんを、これを創業の精神としてこれまで53年間にわたって県民の命と健康、地域医療を守る重要なかけがえのない役割を果たしてきました。しかし、今回の改革プランと実施計画は、医療改悪のもとでの赤字を理由に、事実上、創業の精神を踏みにじる地域医療の切り捨てに道を開くものとなりかねません。
 第1の問題は、紫波、花泉、大迫、伊保内、住田の5病院を診療所化しようとしていることであります。県民、地域のかつてない反対運動の中で、無床化から19床以内の有床診療所に見直しをしましたが、地域医療の切り捨てになりかねません。具体的にお聞きします。
 一つ、19床の診療所の場合、看護師の配置はどうなるでしょうか。現在の2人夜勤から1人夜勤となった場合には、これまでどおりの夜間の救急患者への対応ができないのではないでしょうか。
 二つ、有床診療所の場合、入院患者の診療報酬が病院の場合の半分以下となります。それで本当に経営上でも効果があるのでしょうか。結局は無床になってしまうのではないでしょうか。紫波、伊保内病院は、現在、病床利用率が約80%に上昇しています。病院として機能した方が経営上効果があるのではないでしょうか。花泉病院は平成14年度でも損益はわずか3、400万円の赤字であります。その前年、その前々年は黒字であります。診療所化よりも大きな役割を果たすのではないでしょうか。
 三つ、一番の問題は、現在入院している、利用している患者を追い出すことになるという問題であります。現在では5病院で約100人の患者の追い出しになりかねません。年間ベースでは1、200人以上の患者の追い出しになるのであります。高齢者の場合、結局遠い病院には入院できなくなるケースもふえるのではないでしょうか。
 五つ、5病院の平成14年度の赤字は3億5、800万円であります。今年度はもっと改善されているのではないでしょうか。この程度の赤字は広域中核病院で十分に取り戻せるのではないでしょうか。地域病院を守ることは県立だからこそできるし、やらなければならないことであります。先に診療所化ありきの計画は見直すべきと思いますがいかがでしょうか。
 第2の問題は、中小の病院でも成果を上げている病院があり、改善・改革の効果を上げている病院もあります。病院個々の改革こそまず先に進めるべきではないでしょうか。また、広域基幹病院では1週間、10日たてば退院が迫られています。療養型や安心して入院できる病院への転換を含め、広域基幹病院と地域病院との連携をもっと強めるべきではないでしょうか。
 第3の問題は、財政危機と言うなら、過大な病院建設や医療器械、医療材料の入札購入の改善を行い、後発医薬品の本格的な活用など、むだと浪費の構造にこそメスを入れるべきではないでしょうか。こうしたところにこそ、民間的効率性と手法を導入すべきではないかと思いますがいかがでしょうか。
 県立病院の問題で知事に伺います。
 多くの県民はダム建設のむだや競馬場の赤字などと違って、県民の命と医療を守る病院には、たとえ赤字でも税金を使ってもらって当然とする強い声があります。むだと浪費の公共事業や競馬場の赤字は許せないが、地域の病院は守ってほしいという地域住民の声をどう受けとめているでしょうか。
 次に、医療、介護、福祉の問題について質問いたします。
 第1に、国保税の問題であります。
 滞納者からの保険証の取り上げは県民の命と健康にかかわる重大問題であります。2月1日現在で資格証明書の発行が1、818世帯、盛岡市は実に1、137世帯となっています。子供、お年寄り、家族を含めた人数はどうなっているでしょうか。この実態は、払えるにもかかわらず滞納している悪質な滞納者なのか、県として確認をされているのでしょうか。改善すべきと思いますがいかがでしょうか。
 第2は、高齢者の高額医療費の償還払いの問題であります。
 全国では約15億円が返還されていませんが、実際に償還払いとなっていない医療費は県内どうなっているでしょうか。新潟県では国保連と市町村で連携して、2月から全市町村で限度額を超す医療費の窓口払いを不要に改善しています。岩手県でも可能だと思いますが、県として検討し改善を図るべきではないでしょうか。
 第3に、介護保険の問題であります。
 特養ホームの待機者は引き続き増加しています。県の調査では昨年9月末現在で在宅の待機者が1、893人となっています。盛岡市の場合、昨年12月末現在で在宅で待機しているお年寄りが227人、介護保険施設に入所中が304人、病院等に入院中が274人で、合計805人が待機者となっています。私も特養ホームを訪問してまいりましたが、どこでも100人から200人以上が待機していました。緊急に入所したい人も5年から10年待たなければならない状況であります。待っている間に亡くなっていた方もいました。知事は、昨年の知事選挙の際、待機者の重度層の50%を減らしますと公約していますが、実態はさらに悪化しているのではないでしょうか。重度層の半分と言わず、解消するために緊急増設が必要と思いますがいかがでしょうか。来年度はどう改善されるでしょうか。入所指針が作成されましたが、実態は介護度4、5の高齢者しか入所できなくなり、それでも待機者の解消にはほど遠い状況であります。本当に入所が必要な高齢者が入所できるように、入所指針も改善が必要ではないでしょうか。
 第4に、児童虐待問題への対応であります。
 最近、児童虐待が疑われる痛ましい事件が本県でも発生しました。児童虐待の相談件数はこの5年間で5倍近くに急増しています。昨年度は相談件数が176件でしたが、今年度はどうなっているでしょうか。福祉総合相談センターに伺い詳しく状況についてお聞きしました。児童虐待の専門チームで対応するとか、市町村の見守り体制などの努力はありますが、児童虐待問題は子供の命と将来にかかわる重大で緊急の問題であります。国もこの間、児童福祉司を増員していますが、岩手県では国の最低基準である交付税措置のある19人に対し、13人の児童福祉司しか配置していません。私は、緊急重大課題として、少なくとも交付税措置のある人員まで児童福祉司を配置して、児童虐待専門チームの強化と、虐待をする親への支援やフォローアップを図るべきと考えますがいかがでしょうか。児童養護施設も52%が被虐待児の状況であります。施設への指導員や心理判定員など体制の強化が必要と思いますがいかがでしょうか。また、深刻な児童や退所の近い児童の場合、小規模なグループホームでの対応が求められています。大洋学園の成果を含めさらに広げる対策はどうなっているでしょうか。
 次に、雇用対策について、とりわけ深刻な青年の雇用対策、就職難打開の問題についてお聞きいたします。
   〔副議長退席、議長着席〕
 県内の若年者の失業率は約10%、無業者を含めると15%に達します。これは7人に1人という深刻な状況であります。一方で不安定雇用のフリーターが5万1、000人に及ぶという調査もあります。このフリーターは無権利な状態で朝8時から出勤して夜10時、11時までの長時間労働が広がっています。県内青年の置かれた状況は青年の生活にとっても岩手の将来にとっても深刻で重大であります。青年の働く場を保障することは県政の緊急重要課題であります。そこで、対策をお聞きします。
 第1に、サービス残業、長時間労働の是正で雇用を拡大することが重要であります。サービス残業をなくせば全国で160万人の雇用に結びつくと財界の研究機関が指摘しています。岩手でもおよそ1万6、000人程度が見込まれると思いますが、サービス残業の実態についてどう把握され、解消のために取り組んでいるでしょうか。政府が目標としている年間1、800時間を達成するなら、県内でどれだけの雇用拡大が見込まれるでしょうか。
 第2に、民間の雇用状況が厳しいときこそ、公的部門で県民の要求にこたえて雇用を拡大すべきであります。既に鳥取県や長野県ではこうした立場から、30人学級、少人数学級の実現や、学校図書館に専任の司書を配置し、児童養護施設への新たな人員配置、介護施設の整備、森林の整備などに取り組んでいます。私は、本当に改革派と言われるだけのことはあると感じております。岩手県でもこうした取り組みを進めるべきではないでしょうか。
 第3に、実際に青年の採用を減少させているのは規模の大きい誘致企業であります。増田知事を先頭に県内の誘致企業、大企業に対し、採用を拡大するよう強力に要請すべきと考えますがいかがでしょうか。また、少なくない採用と雇用の場を守っている中小企業に対し、高校生や青年を採用した場合の助成を拡充すべきと思いますが、これまでの実績と今後の取り組みについて示していただきたい。
 第4に、昨年12月に開設されたいわてヤングジョブサポートセンター、盛岡学生就職相談室の利用と就職の実績はどうなっているでしょうか。もっともっと活用されるよう宣伝と取り組みの強化を図るべきと思いますがいかがでしょうか。あわせて、県としての青年、学生の雇用確保、就職難打開の対策を示していただきたいと思います。
 次に、教育の諸問題について質問いたします。
 最初に、教育委員長にお聞きします。
 1月30日、国連・子どもの権利委員会は、日本政府に対して二度目の政府報告に対する最終所見勧告を明らかにしました。その内容は、学校制度の過度の競争的な性質及びいじめを含む学校での暴力に関する勧告は十分にフォローされていない。日本での国内立法が子どもの権利条約の原則と規定を全面的に反映していないと指摘するなど、重要で厳しい内容のものであります。教育委員長は、国連・子どもの権利委員会のこの所見と勧告をどう受けとめ、岩手県の教育に生かすべきと考えているでしょうか。
 第2は、全国で30道府県以上に広がっている30人学級、少人数学級実現の課題であります。私はこの間、山形県や青森県の取り組みを調査してきました。どこでも一人一人の子供たちを大切にした行き届いた教育ができる、何よりも子供たちとの距離がなくなって子供たちの生活が安定してきているというのが特徴でした。
 そこで、お聞きします。知事に聞きます。
 昨年の3月県議会で、岩手県に30人学級の実現を求める請願が全会一致で採択されました。また、この間、県内各地で30人学級の実現を求める会がつくられ、これまで約12万人の署名が集められています。知事はこの請願採択と寄せられた署名の重みをどう受けとめ対応されるつもりでしょうか。
 二つ目に、来年度は宮城県も小学校1、2年生の35人学級に取り組み、170人の常勤講師を配置しようとしています。岩手大学にも要請があるそうであります。東北ではついに岩手県だけが取り残されることになりました。知事は北東北3県連携などと言っていますが、なぜこのような、各県が実施している、県民が切実に求めている30人学級に取り組まないのでしょうか。
 三つ目に、岩手県で小学校1、2年生から30人学級に取り組むなら、増加する学級数と学校数はどうなるでしょうか。常勤講師を配置するとしたら何人の配置とその必要枠はどうなるでしょうか。
 第3に、地域から県立高校をなくしてしまう統廃合計画について質問します。
 一つ、県教委の計画では1学年2学級、定員80人に満たない学校は原則として廃止する。四つの分校は直ちに廃止するとしています。現在80人に満たない高校、来年度の受験志願者で80人に満たない高校、また、5年間の計画期間で80人に満たなくなると予想される高校はどうなるでしょうか。私の試算では30校近くが廃止の対象となり、今ある77の高校、分校の約4割が地域からなくなることになりかねません。定員80人未満の高校は原則廃止する方針は撤回すべきですが、強行するのでしょうか。
 二つ目、県内各地の説明会、意見を聞く会やパブリックコメントで出されている意見はどうなっているでしょうか。また、県教委としてどのように県民の意見に対応するのでしょうか。
 三つ目、計画では適正規模を4ないし8学級としていますが、実態に合いません。生徒急増期につくられた7学級、8学級の大規模校こそ是正すべきではないでしょうか。分校や小規模校でも立派な成果や特色ある教育がなされています。こうした成果、実績をどう見ているでしょうか。なくしてもいいのでしょうか。
 四つ目、総合学科高校など新しいタイプの高校をさらに設置するとしていますが、これから設置される高校の成果を検証して進めるべきではないでしょうか。
 五つ目、今求められている高校の改革は、地域で支えられる、小規模校でも進学の希望にも就職の希望にもこたえられる高校ではないでしょうか。既に軽米高校や葛巻高校、岩泉高校などこうした努力がなされている高校もあります。こうした改革と努力を生かし、地域の高校を守ることこそ必要ではないでしょうか。
 第4に、老朽校舎、危険校舎の改築・改修の課題について質問します。
 昨年の三陸南地震で多くの校舎が被害を受けました。生徒が学ぶ校舎や体育館の改築、改修は生徒の安全にとっても、地震対策としての避難場所としても、不況の中で地元業者に仕事をふやすという点でも、一石三鳥の県政の緊急重要課題と考えます。来年度予算では盛岡二高の耐震改築や大船渡高校など3校の改築設計、6校の耐震改修と改修設計が盛り込まれています。これは評価したいと思います。しかし、5カ年計画など今後の整備計画はどうなっているでしょうか。小・中学校を含め耐震診断と改築・改修の取組状況はどうなっているか示していただきたい。
 次に、選挙管理委員長にお聞きします。
 日本歯科医師連盟、いわゆる日歯連が政治資金規正法違反で東京地検特捜部の強制捜査を受けました。日歯連は政党政治資金団体を除けば最大の政治資金を集める政治団体で、今その政治資金の不正な流れが問題とされています。これに関連して県歯科医師会、県歯科医師連盟、自民党歯科医師支部のあり方も問われています。
 具体的にお聞きします。一つは、県選挙管理委員会に提出された政治資金報告書を見ると、日歯連から県歯科医師連盟に交付されたとされる541万円余が交付金収入として記載されていませんが、これは記載ミスでしょうか。
 二つ目に、県歯科医師会、県歯科医師連盟、自民党県歯科医師支部の3団体は、代表、会計責任者、事務所の所在がどれも同じとなっています。これは3団体の癒着、一体化が疑われますがどうでしょうか。
 三つ目、自民党歯科医師支部は過去3年間の報告では党費、会費がゼロと報告されています。これでは実態がないのではないでしょうか。こうした状況についての見解を求めるものであります。
 公安委員長にお聞きいたします。
 今年度公安委員会に寄せられた県民からの苦情や改善の要望についてどう対応されたでしょうか。公安委員会として独自の調査や審査の機能と役割は発揮されているでしょうか。
 県警本部長に質問します。
 第1に、今、北海道警察本部で大問題となっている報償費の問題であります。これは26日の衆議院予算委員会で小泉首相自身が、北海道だけの問題ではなく全国の警察の問題だと答弁しています。
 そこで、お聞きします。一つ、岩手県警の報償費について、これまで不正な支出があったかどうかについて、県警自身が調査したことがあったでしょうか。
 二つ、県警本部の報償費について、県の監査を受けたことがあるでしょうか。県警の過去6年間の報償費、その中の捜査費を調べてみました。これは北海道警でも問題となっている捜査協力者への謝礼だと思いますが、平成10年度は当初予算の102%、平成11年度は100%、平成12年度は98%、平成14年度は94%となっていました。ほぼ満額執行していることになっていますが、不自然ではないでしょうか。
 第2に、昨年12月県議会決算審査で取り上げた殺人事件疑惑の捜査について質問いたします。
 この事件は平成6年12月15日、水沢市の銀行員がボーナスを自宅に届けた後、突然失踪し、翌年の3月16日に胆沢町の山中で白骨死体で発見された事件であります。これまで全く報道もされてきませんでした。
 そこで、伺います。一つ、家族は自殺をする理由は全くないと言っていますが、これはどのように捜査されたのでしょうか。また、自殺として処理されたのでしょうか。
 二つ、昨年12月に家族の依頼を受けて、弁護士が再捜査を行うよう申し入れましたが、再捜査はされているのでしょうか。
 三つ、また、弁護士は家族の依頼のもと弁護士会を通じて質問状を出し捜査資料の提供を求めましたが、なぜ捜査資料は示されないのでしょうか。
 四つ、この事件の背景には関係金融機関の不正融資疑惑問題がありました。県警はこの金融機関にかかわる不正融資疑惑問題の捜査を行っていたと思いますが、なぜ捜査は途中でやめられたのでしょうか。
 五つ、こうした金融機関に対する県警幹部の天下りはやめるべきと思いますがいかがでしょうか。
 最後に、昨年3月20日のアメリカ、イギリスによるイラクに対する先制攻撃、侵略戦争開始から1年がたとうとしています。この問題は世界の平和と21世紀の世界のあり方にかかわる重大問題であります。この間、明らかになったことは、この戦争には大儀がなかった、理由がなかったということであります。大量破壊兵器の存在についてアメリカの調査団自身が、そもそも大量破壊兵器はなかったと報告しています。
 イラクに対する戦争は、不当な侵略戦争だと言うべきですが、知事はどう認識されているでしょうか。この大儀のない戦争に小泉内閣はいち早く支持を表明するとともに自衛隊まで派兵しました。イラク戦争を支持したことも今では誤りだったと思いますが、知事はどう考えていますか。イラクの現状は戦争終結宣言以来、一層深刻な戦闘状態、泥沼化の様相を示しています。サマワの近辺もそうであります。こうした中での自衛隊の派兵は明確な憲法違反であり、自衛隊法にも違反すると考えますがいかがでしょうか。重大なことは、自衛隊の派兵が東北、岩手の部隊にも及びかねないことであります。3カ月交代であります。
 今年度、県内の自衛隊入隊者は高校生を中心に220名に及んでいますが、この5年間ではどれだけの青年が入隊しているでしょうか。知事は県内出身の青年が大儀のないイラク戦争に派兵される危険についてどう考えているでしょうか。自衛隊の派兵に反対し、海外派兵する自衛隊の勧誘は県として自粛すべきと考えますがいかがでしょうか。
 以上、私の質問を終わりますが、答弁によって再質問をさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   

〇議長(藤原良信君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 斉藤信議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、県財政の関係でございますが、特に私の責任についてのお話がございました。県債残高が大変ふえているわけでございますが、この県債残高の増嵩につきましては、平成4年度以降の国の経済対策に呼応した社会資本整備を行うための補正予算債、それから財源不足に対応するための臨時財政対策債などのいわゆる財源対策債、それから東北新幹線や県立大学、美術館などの県単事業の財源としての県債、こうしたものの発行が多額になったものということでございまして、この考え方につきましては、この議会でも再三申し上げていますが、自主財源の乏しい本県としても立ちおくれております社会資本整備を進める好機ととらえて、地域や県民の皆さんの要望も背景に取り組んできたというものでございまして、現実に社会資本整備の前倒し実施によりまして、その社会資本という観点からは県民生活の向上や産業基盤の整備促進等が図られたものと考えております。一方で、県財政の観点から見ますと、多額の県債残高を抱えて年々の償還額が非常に累増していると、また、結果として景気の目立った回復が見られずに、県税収入や地方交付税が逆に落ち込んでいるといったような状況がございまして、これは本県財政の悪化を招く一因になったと、このように認識をしております。また、景気対策という国の方針に追随した財政運営、それから国依存の歳入構造、県財政が国から自立していなかったということも一因だと思っておりまして、こうした財政運営を行ったことについての反省は十分しなければいけないと思っております。
 今後、行財政構造改革に全力を挙げて取り組むと、そして次世代に過大な借金を残さずに良質の社会資本を残していくと、そしてより質の高い行政サービスを提供し得る持続可能な行政体にしていくと、これが県政の最高責任者である私の使命でありまして、この使命を果たすことが私の責任であると考えております。
 それから、県単独医療費助成事業の見直しでございます。
 まず、この影響額がどの程度かということでございます。県予算の通年ベースで4億9、000万円程度と見込んでおります。これは市町村分もほぼ同額のものがございますので、あわせますと9億8、000万円程度と見込まれるところであります。
 それから、保健福祉分野の県単補助金の見直しについてでございますが、16年度の廃止・縮減の見込みは、見直しの当初の段階、試算段階では、廃止の20件と継続縮小事業とあわせまして、金額でいいますと約6億1、000万円ほどの縮減を見込んだわけでありますが、その後さまざまな御意見等もちょうだいをいたしまして、予算調整の結果、廃止を継続に振りかえたりいたしましたので、約5億9、000万円の縮減ということでございます。
 それから補助金の見直し、市町村への影響ということでございますが、この市町村当初予算については現在調査中でございます。個々の市町村の具体的な対応を把握することは現段階では困難でございます。いずれにしても、一般的には市町村、非常に厳しい財政運営を迫られていると、地方交付税等が大幅に削減されておりますので非常に厳しい財政運営を迫られております。その中で、それぞれ行財政構造改革などに取り組んでいるものと承知をしておりますが、こうした市町村の取り組み、そしてまた市町村個々の自立に向けて市町村総合補助金に新たに特別枠を設けるなど、これからも市町村に対してさまざまやらなければいけないことがあると考えております。
 この補助金を見直しした考え方は、歳出削減のために一律に廃止・削減をしようというものではなくて、行財政構造、国そして県、市町村の役割分担を見直したり、それから交付先の自立を高める観点から見直しをしたわけでございますけれども、その中でさまざまな意見交換、さまざまな御意見をいただくなり意見交換もたびたび重ねまして、そして新規振りかえ事業として実施すべきは実施するといったようなことで、一律の単なる廃止というものを大分軌道修正したものもございます。また、関連施策についても充実を図るべきはその充実強化を図ったところでございまして、今後も市町村の方とは重ねて意見交換等を十分に行っていきたいと考えております。
 次に、ダム事業で幾つかお話しいただいておりますが、まず簗川ダムの関係でございます。県と盛岡市との意見交換では、盛岡市は今お話がございましたとおり、通常時における将来水需給について現有水源で対応が可能であるとしているわけでございますが、そのほかに水源汚染や洪水時などのリスク対応、それから他の利水者への影響といったファクターもございますので、こうしたものも考慮した上で、利水参加についての判断をこれからされるものと考えております。
 今回の水需要の試算でございますが、簗川ダムを水源として考えられる盛岡市を中心とした広域6市町村を対象といたしまして、それぞれお持ちになっている水源の実態などを踏まえて、一定の条件を想定した上で試算をしたものでございます。県では、盛岡市を初めとしたそれぞれの利水者の意向を尊重して、必要に応じてダム計画を見直していきたいと思っております。
 それから、津付ダムの関係でございますけれども、津付ダムにつきましては、前回の試算はそれぞれの治水対策の手法を比較することを目的として概算で積算をしておりましたが、今回の見直しに当たりましては、詳細な測量成果に基づいて、いわゆる実施設計並みの精度に高めた積算を行ったということがございまして、そのことによりまして事業費等に変動が生じたものでございます。
 それから、大型開発の見直しについてお話がございましたが、こういったダムの場合につきましては、河川改修案でいくものとそれからダムと河川改修であわせて行う場合と、それから放水路トンネル案など現地の状況に応じてさまざま具体的な手法が考えられますので、そうしたさまざまな手法について比較検討を行って、その上で判断をしております。簗川と津付につきましても、こうした比較検討を行った上で、ダムプラス河川改修案が最も有利ということで選択をしたものでございます。
 北本内については、同様な比較検討の上、河川改修案が最も有利ということでダムを取りやめたということでございまして、いずれにしても、こうした大型開発の関係については、これは当然大規模な公共事業として行われる場合が多いわけでございます。したがいまして、大規模事業評価専門委員会に諮りまして、県民の皆さん方の声も反映させながら事業を進めていきたいと考えているところでございます。
 それから、県立病院の関係でございますが、県立病院につきましては、大幅な患者数の減少や制度的には診療報酬のマイナス改定といったようなことで、収支が急速に悪化をしております。現状の規模・体制で今後の経営を維持することが困難であるということが見込まれまして、個々の病院単体で判断するのではなくて、二次保健医療圏を単位としてこの病院群を一体的、効率的に運営する仕組みということで、それにさらに自助努力の経営改善、そうしたものをさらにつけ加えて、そして改革基本プランを策定したところでございます。
 この県立病院事業ですけれども、御承知のとおり地方公営企業でございまして、独立採算制の原則ということになっておりますが、こうした救急・高度医療などのいわゆる不採算部門も当然県立病院事業として行うわけでありますので、一般会計からの相当の繰り出しを行っております。これは基準があるわけですが、そうした一般会計からの繰り出しをした上で、安定した経営基盤を確立するという考え方で進めておりますので、こうした収支が急速に大幅に悪化するということは避けるべきと考えております。安定した経営基盤を確立して継続的に地域医療が確保されると、このような考え方が必要でございますので、そうした考え方にのっとって今回の改革プランをまとめておりますし、この改革プランを地域の皆様方に十分に御理解いただけるように努力していきたいと思っております。
 それから、次の介護保険についてでございますけれども、この関係で特別養護老人ホームを増設すべきではないかと、それから入所指針の改善ということでお話がございました。
 この特別養護老人ホームは、市町村などの介護保険事業計画に基づいて計画的に整備を進めてきておりまして、現在整備中のもの、それから平成16年度に整備するもの、あわせて県全体で約400床ほど増床させることとしております。また、この関係につきましては、在宅での介護環境の一層の整備と、このことが重要でありまた必要不可欠でありますので、その在宅での一層の環境整備のために要介護高齢者等の住宅改修費補助の拡充、それから新たにご近所介護ステーションの設置支援、モデル介護支援ハウスの整備費補助ということで在宅での生活を支えていきたいと。これは住みなれた自宅で生活を続けたいという高齢者の希望も多いわけでございますので、そうした点での在宅の生活を支えていきたいと。
 施設の方の入所指針についてですけれども、これはちょうど1年ほど前に決めたものでございますが、入所決定過程の透明性、公平性の確保と必要性の高い方の円滑な入所を目的として、施設関係者の皆様方に集まって協議をしていただきました。それをもとに策定されたものでございまして、各施設でこの指針に沿って適切に運営されているものと理解をしております。
 それから、教育問題で30人学級の関係についてお尋ねがございましたが、30人学級の早期実現を求める請願の採択、それから各団体の方からの要望ということも踏まえながら、よりきめ細かな少人数教育の充実に向けて検討を続けてきておりまして、この少人数学級については、先行して実施をしている各県の実施状況を見ますと、それぞれの県の教育課題や施策の効果などを踏まえながら、さまざまな創意や工夫を凝らしながら取り組んでおります。そしてまた、私どもの方の少人数指導も同じようにさまざまな創意や工夫を入れているわけでございまして、この少人数指導それから少人数学級、いずれによっても一定の効果を上げているものととらえているわけでございます。
 本県では、御承知のとおり、これまでの少人数指導によりましてそうした効果を上げているわけでございますが、この取り組みに次年度はさらに厚みを加えまして充実をさせていくと。それから、少人数学級についてもその効果について検討を行って、これからの本県のよりきめ細かな少人数教育の推進に努めたいと、このような考え方がございまして、御承知のとおり、各教育事務所単位に研究指定校を指定した上で実施をしていきたいと。いずれにしても、それぞれ一定の効果があるものだと思いますので、今後この研究指定校で行われました実践的な研究による効果というものを十分に検証した上で、その後の取り組みを検討していきたいと考えております。
 それから、イラク戦争の関係そして自衛隊の派兵問題についてでございますけれども、イラク戦争の見解についてはこの前の伊沢議員の御質問でお答えしたようなことでございまして、私も軍事力などの力で国際秩序を維持しようとする考え方について大変な危惧を持っているところでございまして、あくまでも国連を中心とする国際協調のもとで平和を確保することが重要と、このような見解でございます。
 現実にこうした自衛隊の派遣について、これは議員の方から明確な憲法違反ではないかといったようなお話もございましたが、これについてはことしの1月に、衆議院本会議でも小泉総理とそれから野党の方とでやりとりがいろいろございましたけれども、こういった自衛隊派遣の憲法上の問題についてこそ、国政の場で議論されるべきと考えているところでございます。
 それから、本県の自衛隊への入隊者数といったような、いわゆる自衛隊の募集事務についてでございますが、平成10年度から14年度までの、昨年度までの5年間の本県からの入隊者は952名でございます。この自衛官のイラクへの派遣につきましては、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法、いわゆるこの特措法上の問題でございまして、県が今行っております法定受託事務としての自衛官募集事務とは切り離して考えるべきものと思います。
 それから、現地に派遣されております自衛官の安全確保でございますが、これは当然のことながら政府において十二分に配慮すべきものと考えております。
 その他のお尋ねは、関係部局長より答弁させますので、御了承をお願いいたします。
   〔医療局長千葉弘君登壇〕

〇医療局長(千葉弘君) 県立病院改革における診療所化についてでございますが、県立病院の経営が大変厳しい状況になっております中で、今後とも持続的に県民医療を確保していくためには、二次保健医療圏を単位として病床規模の適正化を図りながら、県立病院群を一体的、効率的に運営する仕組みを構築することが不可欠であり、その一環として、五つの病院について診療所化を計画したものでございます。
 有床診療所の看護師の配置についてでございますけれども、配置については個別具体的に今後検討していくこととなりますが、医療法の趣旨あるいは健康保険法に定める施設基準、それぞれの患者の状況、類似施設の状況などを踏まえまして、今後検討してまいりたいと考えております。
 しかし、今後の収支見通しを算定する上で一定の条件を付する必要がございましたので、その条件では1施設当たり12名の看護師を想定したものでございます。
 次に、有床診療所化の経営効果についてでございますけれども、診療報酬点数表におきまして、診療所の入院基本料等は病院より低く抑えられておりますが、実際のかかった経費、いわゆる出来高で算定される投薬や検査などを考慮いたしますと、全体で現状の診療単価の70%程度となる見込みでございます。一方、外来におきましては、初診料、再診料あるいは指導料などで、診療所の方が有利に設定されているところでございます。
 なお、現行病院と有床診療所の収支比較では、規模の縮小などによりまして入院患者数の減に伴う収益の減収はございますが、給与費などの費用が大きく減少し、1施設当たり数千万円、3、000万円ないし6、000万円と見込んでおりますが、改善効果が見込まれると考えてございます。
 また、二次保健医療圏の病院群で連携して入院需要へ対応するとしておりますので、他の県立病院の入院患者――地域によるわけでございますが――の増加も見込まれまして、全体として病床の利用率が上がり、相当の改善効果が期待できると考えてございます。
 次に、入院患者への対応についてでございますけれども、病床数の適正化は二次保健医療圏ごとに、一般の空き病床の範囲内で病床を縮減しようとするものでございまして、地域によりましては入院患者さんに御不便をおかけすることはあると存じておりますけれども、圏域の県立病院群、あるいは民間も含めた他の医療機関との連携により適切に対応してまいりたいと考えてございます。
 対象病院の15年度の経営状況でございますけれども、1月末の経営収支で見ますと、大幅な赤字となった前年同期と比較いたしまして若干改善はされておりますが、これらにつきましては給与のマイナス改定の影響あるいは院外処方の推進、医薬品、診療材料の廉価購入などによるものと考えてございます。
 次に、個々の病院の改革と県立病院の連携を強化することについてでございますが、県立病院の状況が全体として空き病床や深刻な医師不足などの問題に直面しております。したがいまして、二次保健医療圏を単位といたしまして病床規模の適正化を図るといったようなこと、あるいは職員の応援体制を充実しまして機能分担と連携を一層強化し、県立病院群を一体的、効率的に運営する仕組みを構築してまいりたいと考えております。
 あわせて、病床数の適正化などによる職員数の縮減及び諸手当の見直しによる給与費の抑制あるいは調理等の業務の外部委託の拡大、また、診療材料等の整理統一、在庫管理の適正化など、個々の病院あるいは病院全体でできる限りの改善を進めてまいりたいと存じております。
 次に、病院建設及び医療器械、診療材料の購入等についてでございますけれども、老朽化、狭隘化した県立病院の建てかえに際しましては、法の定める施設基準、例えば6床室は現在認められません。4床室にする必要がある、あるいは医療器械の配置を考えた場合、どうしても面積が大きくならざるを得ないところでございますが、いわゆる建設コストにつきましては標準単価、あるいは直近の物価動向などを加味しながら算定しているものでありますが、今後とも縮減には努力してまいりたいと考えております。
 また、医療器械の購入に当たりましては、医療局本庁内に医療用設備調査委員会を設置いたしまして、器械の必要性、あるいは採算性などを厳しく検討し、競争入札を原則として購入いたしております。また、診療材料等の購入に際しましても、使用品目の整理統一などによる一層の廉価購入、あるいは後発医薬品の使用拡大に鋭意努めているところでございますし、また、SPDいわゆる診療材料管理システムの導入など、今後とも一層節減に努めてまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長長山洋君登壇〕

〇保健福祉部長(長山洋君) 国保税についてでありますが、資格証明書の交付人数について、資格証明書は世帯主に交付することとされているため、県として世帯数を把握しておりますけれども、人数まで把握したものはございません。ただし、老人保健法の適用を受けることができる高齢者については、そもそも資格証明書の交付対象外とされているものでございます。
 資格証明書交付の取り扱いでございます。
 平成14年度末の国保税滞納世帯は3万6、572世帯ありました。本年2月1日現在の資格証明書交付世帯は1、818世帯となっております。前年同期に比べまして637世帯ほど減少しています。これは、各市町村において機械的に交付するのではなく、事前に十分な納付相談、納付指導を行うとともに、個々の事例に応じて特別の事情があるかどうか確認するなど、法令の趣旨に沿った適切な運営が行われているものと理解しております。
 高齢者の高額医療費の償還払いについてであります。
 償還払いされていない医療費の状況について、平成14年10月診療分1カ月を例にとりますと、平成15年10月1日時点で、なお償還払いされていない医療費は約1、250万円ほどと見ておりまして、支給率は83.3%となっているものでございます。
 受領委任払いの取り扱いについてですが、高額医療費の支給については、老人保健法上、償還払いすることとされておりまして、こうした仕組みは、医療に係る社会全体の負担を個々の受給者に認識していただくというためにも必要だと考えております。
 なお、高額医療費の支給を向上させるためには、対象者への通知、申請事務の簡素化が効果的であり、県としてはこうした取り扱いについて、特に償還率の低い市町村に徹底して指導あるいは助言をしてまいりたいと考えております。
 児童虐待問題についてでございます。
 児童福祉司の増員についてでございますが、児童虐待相談件数は、平成15年度の児童虐待の相談は16年1月末で155件とほぼ横ばいとなっております。
 児童福祉司の増員につきましては、今後、相談件数の推移や虐待対応専門チーム等の活動状況を見ながら適切に対応していきたいと思いますが、先般開催されました虐待防止連絡会議等で報告されたところでは、虐待を受けた児童やその親に対する相談支援は、児童福祉司による助言、指導のほかに、医師会あるいは市町村、保健センターそして学校のスクールカウンセラーや子供と親の相談員等、そして地域におられます児童委員等多くの方々がかかわりを持つことになっておりまして、住民に身近なところで行うことがより効果的であるということからも、さらにその連携の充実、強化に努めてまいりたいと考えております。
 児童養護施設の体制強化についてでありますが、児童養護施設では、既に個別対応職員6施設、それから心理療法担当職員4施設で配置されております。国においては、来年度から新たに施設退所後の児童の指導等を行う家庭支援専門相談員の配置や小規模なグループでのケア体制の整備を促進するということになっておりまして、県でもこうした事業の導入に努めてまいりたいと考えております。
   〔総合雇用対策局長上村俊一君〕

〇総合雇用対策局長(上村俊一君) サービス残業について3点ほど質問がございました。
 1点目の賃金不払い残業、いわゆるサービス残業の実態把握でございますが、岩手労働局によりますと、平成14年10月から平成15年3月までの間に賃金不払い残業、いわゆるサービス残業を是正指導した件でありますけれども、100万円以上の残業代を支払った企業数は2企業、対象者は159人となっております。
 2点目の賃金不払い残業、いわゆるサービス残業の解消のための取り組みについてでありますけれども、厚生労働省では、平成13年4月に、労働時間の適正な把握のために使用者が構ずべき措置に関する基準を、また、平成15年5月に、賃金不払い残業の解消を図るために構ずべき措置等に関する指針を作成し、その解消に努めているところであります。
 県といたしましても、岩手労働局と連携しまして、これらの指針等について、広告塔・ポスターによる広報やホームページへの掲載などにより労使への周知啓発を図っております。
 3点目の政府の目標である年間総実労働時間1、800時間を達成した場合の雇用拡大の見込みについてでありますけれども、平成15年の毎月勤労統計調査によりますと、県内の常用労働者5人以上の事業所の1人当たり月間平均総実労働時間は162時間となっており、これをもとに試算しますと約3万2、000人となります。
 次に、公的部門での雇用拡大についてでありますけれども、雇用の創出につきましては、公的な分野での雇用創出を含め、多様な分野での事業展開を図っていくことが必要であると考えております。このため、誇れるいわて40の政策において、サービス関連産業による1万5、000人の雇用創出を目標に掲げ、産業振興、介護、福祉、教育など県の産業支援等の取り組み、また、国の制度等の活用により雇用創出を図っているところであり、本年度は、県の産業支援等により1、800人の雇用創出目標を掲げ、平成15年12月末現在で1、484人、達成率82.4%の雇用を創出したところであります。
 このうち教育の分野については、現在、教育委員会において、少人数指導などに取り組んでいるところであり、今年度は既に160人の雇用を創出――100%でありますけれども――したところであります。また、介護・福祉分野においても、社会福祉施設の整備などにより、今年度の雇用創出目標350人を上回る367人、達成率105%の雇用を創出したところであります。
 今後もこうした取り組みを強化することにより、公的分野においても雇用の創出に努めてまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長小原富彦君登壇〕

〇商工労働観光部長(小原富彦君) 青年の雇用対策に関して、採用の拡大要請についてのお尋ねであります。
 県では、新規高卒者の就職環境が特に厳しい状況にあることから、昨年7月に知事と岩手労働局長の連名の文書により、県内企業約1万社に対し、積極的な採用を要請したところであり、また、各地方振興局においては、公共職業安定所、県立高校や市町村等と連携して、昨年6月以降、直接地域の約600事業所に出向き、新規学卒者の採用枠の拡大要請を継続的に行っているところであります。
 次に、未就職の若者を採用した場合の助成策についてでありますが、本年度、県内の新規高卒未就職者を雇用した事業主に対して、県と市町村が賃金等の一部を補助する新規高卒者ふるさと就職支援事業を11市町村と共同して実施し、その実績として、10人の新規雇用がなされる見込みであります。この事業につきまして、平成16年度に向けては、過年度に卒業した早期離職者も事業対象とするなど内容を見直すとともに、より広くこの事業が活用されるよう、実施主体である市町村に対して、積極的な取り組みを要請しておりまして、今後とも事業の周知、普及を図り、若年者の就業の拡大に努めてまいりたいと考えております。
 次に、いわてヤングジョブサポートセンターと盛岡学生職業相談室の利用状況についてでありますが、サポートセンターでは開所から今年2月末までで延べ利用者数は551人となっておりまして、実利用者196人のうち、21人が就職決定に至っております。また、盛岡学生職業相談室においては、速報値でございますが、同じく昨年12月の移転から2月末までで新規求職者数は387人で、そのうち55人が就職決定したと聞いております。これら機関の周知についてでありますが、センターと相談室が連携してリーフレットや新聞広告などを活用した広報活動に取り組み、積極的に周知に努めております。
 次に、青年、学生の雇用対策についてでありますが、既卒の若年未就職者を対象として、就業体験による職業意識の啓発や職種への理解を深めるため、若年未就職者就業体験事業やサポートセンターでのキャリア・カウンセリングを通じて、若年者の早期就職を図ることとしております。また、大学、短大の新規卒業者等については、就職面接会、就職ガイダンスあるいは職業講習の実施により支援しておりまして、高校生についても、教育委員会において就職支援相談員やエリアマネージャーの配置などにより就職支援を行っております。地方振興局、岩手労働局、そして学校等の関係機関との連携を一層図りながら、こうした事業を推進し若年者の就業や職場への定着を促進してまいりたいと考えております。
   〔教育委員会委員長船越昭治君登壇〕

〇教育委員会委員長(船越昭治君) 国連・子どもの権利委員会の勧告に対します教育委員会の見解ということでございますけれども、国連・子どもの権利委員会の勧告についてでございますが、これは、国に対して出されたものでありますし、また、権利に関する条約の原則、規定と、国内立法手続等との関連など、多くの省庁にまたがる事項を含んでおります。そういうことで、今後、国の動向を十分に踏まえながら、県教育委員会としても、勧告の趣旨をできる限り尊重してまいりたいと考えております。
   〔教育長佐藤勝君登壇〕

〇教育長(佐藤勝君) 30人学級についてでありますが、小学校1年生、2年生で30人学級を実施した場合の増加学級数は180程度、学校数は120校程度であります。増加教員数は216名となりまして、本採用教員全体の平均給与をもとにいたしますと約18億円、常勤講師の平均給与で対応するとして試算いたしますと約11億円の財源が必要となります。
 次に、統廃合計画、県立高等学校新整備計画についてでありますが、定員80人未満の高校について、これから高校に進学してくる子供たちのために、よりよい学習環境を構築するという視点から、生徒数が80人の定員を満たしていない学校、また、後期計画の期間内に80人の定員に満たなくなる学校については、中学生の卒業者数の見通しや志願の動向などを基本にし、また、広域的な視点に立ち、よりよい学習環境へ再編成していく方向で検討することが適当と考えているものであり、今後、広く県民の皆さんの意見を聞きながら、全体の計画を策定していくものであります。
 意見を聞く会、それからパブリックコメントでの意見と対応についてでありますが、県内各地での意見を聞く会やパブリックコメントでは、地域事情を考慮し分校をぜひ存続してほしい、小規模校は地域の活性化に大きな役割を担っている、生徒の多様な選択を保障すべきである、広域的視点に立って考えることが必要であるなど、多くの意見や要望が寄せられたところであります。今後も、できるだけ多くの機会を設け、話し合いを重ね、県民の意見を聞きながら進めてまいる考えであります。
 次に、大規模校の是正と小規模校の成果についてでありますが、県立高校の学級数の増減につきましては、毎年度、広域生活圏を基本に中学校卒業者数の見通しや中学生の志願動向等に応じた規模となるように、調整を図ってきているところであります。また、各県立高校においては、国際交流、伝統文化の継承など、特色ある学校づくりに取り組み、大きな成果を上げております。こうした成果、実績につきましては、今後も本県高校教育の充実に生かしてまいりたいと考えております。
 新しいタイプの高校についてでありますが、これまでの総合学科高校などの成果と実績をしっかりと踏まえながら、進路に対する子供たちや保護者の希望に応じ、多様な選択が可能となるよう、その設置についても検討してまいりたいと考えております。
 それから、小規模な地域の高校についてでありますが、小規模な地域の高校においては、さまざまな工夫を凝らし、地域との連携を図りながら、教育活動の充実に努めてきております。一方、これらの学校にあっても、その状況によっては、小規模化が一層進むなど、生徒にとって活力に満ちたよりよい学習環境が維持できなくなることが懸念されるところであります。したがいまして、何よりも子供たちにとって、よりよい学習環境を構築するという視点から、高校に進学する生徒に対し、その進路希望にこたえ、多様な選択肢が提供されるよう、広域的視点に立ち通学区域単位で再編整備をしていくことが適当と考えているものであります。
 次に、県立学校の老朽校舎等の改築・改修についてでありますが、県立学校施設の耐震化を早急に行う必要があるということから、改築・改修など耐震化を重点とした県立学校施設の改築改修等5カ年計画――これは16年度を初年度とする――を今般策定いたしました。この計画は、高等学校校舎の耐震改築7校7棟、耐震改修が19校24棟です。それから、産業教育施設の耐震改修が4校7棟、特殊学校校舎等の耐震改修が6校8棟など延べ47校57棟を対象にしたところであります。現下の厳しい財政環境を踏まえまして、これからの実施に当たりましては、毎年度の予算編成の段階で具体化を図りながら、可能な限りこの計画に沿って、この計画の達成に向けて最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
 次に、耐震診断と改築・改修状況についてでありますが、県立学校について県立学校の耐震診断については、これは平成7年度から計画的に実施しているところでありますが、平成15年度末現在、対象施設184棟のうち119棟について実施いたしております。実施率は64.7%となります。その結果、改修を要するものは71棟であり、今現在でまだ未改修のもの、これは47棟ございますが、これにつきましても計画的な改修に努めてまいりたいと考えております。
 一方、公立の市町村立の小・中学校についてでありますが、公立小・中学校の耐震診断実施率、この診断実施率につきましては、平成15年5月の調査では8.5%であります。今年度中に各市町村において実施を予定している、まだ現在進めているものもありますが220棟です。これを含めて率を出しますと、その実施率は29%となる見込みであります。また、耐震改修した棟数は、今年度改修している12棟を含めると延べ40棟になると承知いたしております。
   〔選挙管理委員会委員長岩崎康彌君登壇〕

〇選挙管理委員会委員長(岩崎康彌君) 日本歯科医師連盟の政治資金規正法違反容疑の強制捜査についてでありますが、岩手県歯科医師連盟に係る平成14年分収支報告書によれば、その他の収入として平成14年11月12日と同月20日に日本歯科医師連盟から合計541万円余の交付金を受けた旨記載されております。日本歯科医師連盟と岩手県歯科医師連盟とは、政治団体の本部、支部の関係にはないことから、この収入を、政治団体の本部または支部から供与された交付金に係る収入として記載せず、その他の収入として記載したことは、誤りと言うことはできないと考えております。
 また、複数の政治団体の代表者や会計責任者を同一人が兼ねること、あるいは主たる事務所の所在地を同じくすることは、政治資金規正法上は、問題はないものであります。岩手県歯科医師会に対しては、県選挙管理委員会は指導監督する立場にございませんが、これらの3団体の代表者、会計責任者、主たる事務所の所在地が同一であることによりまして、癒着、一本化が疑われるかどうかにつきましては、選挙管理委員会といたしましては意見を述べる立場にありませんと考えております。
 なお、政治団体が政治活動を行う場合に、その経費を党費または会費をもって充てるのか、あるいは寄附をもって充てるのかは、元来その政治団体が自由に決すべきものでありまして、党費または会費収入がないからといって、政治資金規正法に基づく政治団体としての要件を欠くものではないと考えております。
   〔公安委員会委員長熊谷昭三君登壇〕

〇公安委員会委員長(熊谷昭三君) まず、警察職員の職務執行に対する公安委員会あての苦情についてでありますが、昨年は10件の苦情を受理しております。苦情の内容は、職務質問や交通取り締まりの際の警察官の言動に対するものなどであります。受理した苦情につきましては、警察本部長に対し事実関係の調査を指示し、その措置について報告を求めているところであります。その結果につきましては、申し出者に対し公安委員からすべて文書で回答しております。
 公安委員会といたしましては、事実関係等について的確に把握をいたしまして、指摘された事実が認められた苦情につきましては、関係所属に対して指導を行わせたところであり、県民に信頼される警察の確立のため努めているところでございます。
   〔警察本部長山内正和君登壇〕

〇警察本部長(山内正和君) 初めに、当県警察の報償費についてでありますが、県警察におきましては、適正経理に資する体制を確立し、関係所属に対して計画的に監査をこれまで実施してきたところであります。また、報償費については県監査委員による監査を毎年受けており、これまで指摘事項等はございません。過去6年間の捜査報償費の執行状況につきましては、予算の段階で、前年度の実績、犯罪の発生状況、当該年度に予想される事案の有無等を勘案して積算しているところであり、毎年度適正に執行しているところであります。
 次に、議員から御質問のあった事案についてですが、まず、どのように捜査したのかについてお答えいたします。
 県警察におきましては、当時、事案の認知以降、他殺・自殺の両面から捜査を尽くしており、家族及び関係者などから事情を聴取するとともに、遺体が発見された現場及び解剖所見等の結果も踏まえ総合的に判断し、事件性のない遺体であると認めるに至ったものであります。
 次に、弁護士からの再捜査の申し入れについてですが、当時の捜査担当者からも確認しましたが、先ほど答弁いたしましたとおり、捜査は尽くされており、終結しているものと考えております。
 また、弁護士会を通じて捜査資料を求められた件についてですが、この事案の記録は、平成8年4月17日付で盛岡地方検察庁に検視記録として送付しており、その旨などを平成16年2月3日付で弁護士会に回答いたしております。
 なお、個別の捜査資料の内容につきましては、関係者のプライバシーに関する記載もあり開示いたしておりません。
 次に、関係金融機関の不正融資問題の捜査についてお答えいたします。
 御質問の金融機関にかかわる不正融資問題が具体的に何を指すのか、必ずしも明確ではございませんが、いずれにせよ個別、具体的な捜査の内容につきましては答弁を控えさせていただきたいと思います。警察といたしましては、法と証拠に基づき犯罪として立件すべき案件がある場合には立件すべく、これまでも、今後とも適切に対応してまいる所存でございます。
 最後に、退職警察官の金融機関への再就職についてですが、現在、県内の3行の金融機関に現職時代の知識や経験を期待され再就職していると承知しておりますが、これはあくまで雇用主である銀行と退職警察官本人との雇用契約に基づいているものでございます。

〇26番(斉藤信君) 再質問させていただきます。
 最初に、知事、県財政の破綻の責任、私は極めてこれは重大だと思うのです。これは岩手日報が借金県土という長期の連載をしています。2回目に、失われた8年、これだけの借金を残した2期8年間の足跡も歴史に刻まれる失われた8年となるのかと、あなたの実績は失われた8年だと、いろいろな責任、理由は行財政構造改革プログラム、しっかり書かれていますから、私はその点で、増田知事、これ実は平成10年10月の部課長研修の講演記録です。あなたは平成10年10月にどういうことを言っていたかというと、今こそ変革の好機、国依存体質からの脱却、こう言っていたんですよ。今、地方の主体性を奪っているような仕組み、つまり、国に対して今までのようにどの事業についても、あれも欲しいこれも欲しいと、そういうことを言わないと金がどこかに逃げていってしまうというシステムを変えていく必要があります。したがって、今、実施すべきことは、右肩上がりで予算が伸びていくというこれまでのやり方を一度全部白紙に戻して、事務事業の見直しと行財政改革にいち早く取り組むことではないか。そして、今、国の指導に従っているだけでは政策形成能力が向上しないと思うわけでありまして、地方の自治を制約し過ぎたという国の犯した過ちから我々は即刻抜け出さなければならない。1期目の平成10年です。私は、この講演記録を見たときに、ああ、増田さんは本当に改革派になるのかなと思いましたよ。しかし、これまで9年間、残念ながら反省したとおりのことだったですね。あなたは国の霞が関スタンダードの誤りを自覚しながら、しかし、それに追随してしまったという、私はここに今日の県財政の重大な問題があると思うので、そのことについて改めて平成10年の講演記録を振り返ってどうなのかと。
 それともう一つ、行財政構造改革プログラムが今、実行されようとしていますが、市町村とは皆様協議してきたと言っています。しかし、2月19日の岩手県町村会の定期総会で、県行財政改革に関する緊急決議というのが上げられて、3項目の決議です。その第1は、行財政改革等の断行に当たっては県民の共通認識、共通理解のもと、だれにでも理解できる社会的公平を貫いてほしい。二つ目は、生活環境の整備、社会福祉の充実などの政策課題の着実な推進に懸命に取り組んでおり、県予算の削減に連動してこれら停滞させることは絶対にできないことから、政策の見直しに当たっては地域の実情に沿ったきめ細かな対応を行うこと。第3、県民医療の確保充実は生命にかかわる重大な問題であり、地域の実情に沿った県立病院の改革を行うことと、2月19日の段階で皆さんがやろうとしている、知事がやろうとしている行財政構造改革は認められないと、こういう決議が上がっているんですよ。私は、増田知事のやり方というのは小泉さんと同じで、本当に一方的に、県が今までやってきた市町村や県民にとって必要な事業を一方的に切り捨ててしまうということではないのか。県立病院の場合も、地域で大事な役割を果たしている県立病院を一方的に切り捨ててしまうことではないか。第1に私はこのことを知事にお聞きしたい。
 第2に、私が質問したことについてまともに答弁なかった。すれ違い答弁も小泉ばりです。それで、改めて私は聞きますが、実はこの行財政構造改革プログラムによって今どういうふうに市町村が困っているか。例えば、滝沢村はこれによって、今まで積み上げてきた村単独の事業を全部やめます。例えば、乳幼児医療費助成制度について所得制限なかったけれども、全部県に合わせます。障害者3級の医療費助成制度もやめますよ。盛岡市は、乳幼児医療費助成については1件当たり1、500円、そして入院の場合5、000円というのを半分市が持ちますという対応をしていますね。余りにもこれはひどいから。そして、一方で高齢者のバス事業をやめますと。だから、県の行財政構造改革プログラムが、今まで市町村が頑張って、頑張ってきた福祉の事業、暮らしを守る事業の切り捨ての大きな原動力になっているんですよ。本当にこれが地域が自立する、そういうものなのか。県だけが自立して、市町村と県民は自立できなくなってしまうという改革になっているのではないか。これが第2にお聞きしたいことであります。
 第3に、私は簗川ダムの問題について詳しくお聞きしました。改めて聞きます。同じことを聞くのは残念なんですが、いいですか、あなた方の試算で、盛岡市は平成37年段階でも4万4、000トンの水が余る。だったら簗川ダムへの利水参加の理由はなくなったのではないか。このことについて、知事、はっきりと答えていただきたい。10万人分余るんですよ。
 もう一つ、盛岡市と協議してきたというので私は聞きますが、4万4、000トン余るというのは、御所ダムの水を使っての話です。御所ダムの水を使うということは、数百億円の浄水場の建設が必要なんです。本当に盛岡は浄水場を建設する気があるのか。2、700億円の借金を抱えている盛岡市が、私は水が余っている中で、御所ダムの浄水場建設はやらないんじゃないかと思うが、そこまで踏み込んでやったんですか。下手をすれば、御所ダムの水、丸々余ると思いますよ。
 それと、なぜ簗川に利水参加をしていない広域6市町村の試算をしたのか。これは県の越権行為ではないか。水が足りなくて簗川に参加したいというならそうですが、水が余って将来的にも十分だというところですよ。例えば、滝沢村は岩手山の地下水、湧水、どこを掘ってもすばらしい水がでると確信を持っていますよ。今でも十分余っています。雫石町は配水能力の半分も使われていません。最近は配水量が減っています。いいですか。実態は水余りで困っていないんです。実はこの問題は、広域6市町村の合併協議会の後に桑島市長から提起されたんです。皆さん、水は大丈夫ですかと。滝沢村の村長も雫石町の町長も大丈夫ですと、決着済みの問題ですよ。だれも必要だと言っていないのに、何であなた方はこんな広域6市町村の水の推計をやったんですか。推計をやって、実態に合わない答えを出しているんですよ。平成37年になったら、5万8、000トンも不足すると。水が不足するということは県民の生命にかかわる問題です。重大な問題です。そんな重大な問題について、なぜ実態と違うような答えが出てくるのか。
 私もう一ついきたい。実は、県が水の需給計画を出しました。中期ビジョン、つい最近です。北上川上流地域は平成32年でも水不足にならないんです。県自身が水不足にならないと中期ビジョンを出していて、同じ県が何で重大な水不足なんていう推計をするんですか。こんなでたらめな推計が必要なんですか、知事。私は、もう何が何でも簗川に水を確保したい、むだなダムをつくりたいという本性がここに出ているのではないかと思います。
 それで、津付ダムについても聞きますが、治水だけのダムになったんだけれども、事業費はふえる。ここに私はダム事業のごまかしがあると思うんです。だから、私は北本内ダムの問題を取り上げたんです。中止したのは平成12年、最近ですよ。600億円のダムが河川改修に転換したら、2億円の河川改修で済んだということですよ。簗川だって津付だって、本気になって河川改修の案を考えたら、これだけの節約ができるんです。そういうことをダムを推進する人が試算するから、いつでもダム事業費より河川改修が高くつく、驚くべきドグマをやっているんですよ。
 ですから、増田知事に私は聞きたいが、北本内ダムのこの教訓をあなたはどう受けとめているんですか。この教訓を簗川とか津付に生かすべきではないですか。私は、大方の予想を覆してあなたがダム推進の立場を表明したと言いましたが、これは県庁のOB、現職の県幹部職員、あれはもうやめてもいいのではないかという多数の声ですよ。それがこうならないというところに、私は驚きを感じているんです。そのことについてしっかり答えていただきたい。
 県立病院について医療局長にお聞きします。
 私は有床診療所の問題は極めて重大だと思っているんです。有床になったというのは県民の運動の反映です。しかし、有床診療所になったから地域医療が守れるか、そうではありません。私は医療局長に聞きたいが、今、有床診療所でしっかり経営されている県内の医療機関がありますか。
 私はある有床診療所に聞いてみました。ここは看婦師さんは11名、大体県の試算と同じです。しかし、正看護師さんはたった3人ですよ。それでも赤字で、もう有床をやめるという方向を出しています。有床診療所というのは、結局入院できないから外来患者が減るんです。そして今入っている患者も追い出されるんです。だから、同じ外来の診療科があるから、病院と同じように外来患者が来るわけではないんですよ。
 私は15年度の実績を聞きましたが、15年度は昨年と比べて五つの県立病院、いわば診療所化されようとする五つの県立病院は、昨年度と比べて1億7、000万円経営改善しています。去年の赤字は、一番多いときで3億5、800万円でした。1億7、000万円改善されたら2億円でしょ。平成20年の医療局の経営改善計画は7億円の黒字ですよ。2億円程度のこういう赤字は広域基幹病院で十分収支がとれるし、この診療所をつぶしてまで7億円の黒字を上げなければだめなんですか。そのために地域がどれぐらい苦しむのか。有床診療所というのは結局地域医療からの撤退ですよ。外来患者も入院患者も減らされてしまうということですが、しっかり答えていただきたい。
 県警本部長にお聞きしたい。
 報償費は日曜日のNHKテレビで、内部告発があって、これ全国同じシステムでやられていると。国から来る報償費も県の報償費も、全部同じ金庫で裏金になっているという指摘がありました。県の監査は、国の会計検査とか県の監査に対応して、ごまかしが見つからないようにやるんだそうです。そんな内部監査では困るので、それは後から委員会でやりますが、私が取り上げた殺人事件の問題について改めてお聞きしたい。
 実はこの亡くなった支店次長が失踪した平成6年12月15日の翌日、家族が捜索願を出してもいないのに、支店長が水沢警察署の警察官と被害者の自宅に来て、電話録音装置を取りつけに来た。このことは事実ですか。警察にだれからどのような連絡があったのですか。家族の捜索願の前ですよ。家族はびっくりしたんです。まさか失踪したと思っていないからです。
 二つ目に、この金融機関の不正融資疑惑の捜査に当たっていた2人の警察官は、平成7年2月14日、警察トップの判断で捜査が打ち切りとなったことを、ある裁判の証人尋問で認めています。これは金融機関のトップと警察のトップの談合だったということではないでしょうか。重大なことは、捜査に当たった2人の警察官が、その後捜査の対象だった支店長からさまざまな接待を受けています。盛岡から水沢に迎えての酒食の接待、兄弟・姉妹の就職の世話、警察官本人の結婚式のホテルの便宜、お祝いまでもらっている。皆さん、これは不正融資を見逃してもらった見返りではないですか。この事件の背景には、その後のシナリオにはこういうことがあるんです。
 自殺と断定した根拠、日時、いつでしょうか。自殺と断定しながら、なぜ家族に対して調査しなかったんでしょうか。家族は自殺について調査されていないと言っていますよ。自殺はあり得ないと今でも言っていますよ。自殺とは考えていない家族からの代理人・弁護士の質問になぜ答えないんですか。家族からのこういう質問もプライバシーで出せないんですか。捜査資料はあると言っていますよ。

〇知事(増田寛也君) 私の方から何点かお答え申し上げますが、先ほど平成10年の部課長研修のときの講演録について御紹介があったんですが、いずれにしても県財政の状況、国依存の体質を切りかえていかなければいけないという問題意識がございまして、部課長研修などでもそうした課題を申し上げましたし、そうした中で事務事業評価制度などをつくって県民満足度調査をしながら選択と集中をしていく、そういう制度改正に毎年努めてきたところでございます。今回は特に暮れの地方交付税などのカットが大変大きかったものでございますので、先ほどお話がありましたように2月19日ですか、町村会の方から申し入れもございましたけれども、町村の方も今大変な時期だと思いますが、町村とも十分な協議をしていかなければならないと思っていますが、県財政の方でもそうした評価制度などを確立させて、そしてどこに重点的にその財源を、資源を投入していくか、そういう見きわめを一層していきたいという思いでございます。
 それから、滝沢の先ほど例を御紹介されましたが、市町村、それぞれ今財政運営が大変な状況だと思っておりますけれども、国がこれだけ今疲弊している中で、歳出構造が非常に過大になってきていると。これは地方交付税特会の借金が実に膨大に、もう間もなく60兆円になろうというような時期でございますので、そうした地方財政全体を変えていくと同時に、むだを一層切り詰めるといったようなことで、歳出をいろいろ見直しをしていかなければいけないと、こういう切りかえの時期に当たっています。よりさまざまな事業を将来に向かって持続、継続させていくために、それぞれの市町村、大変優先度の見きわめに苦労しておられると思います。私どもも、こうした中で市町村のさまざまな対応をできるだけ応援していきたいと思っておりますけれども、先ほど言いましたように、町村会あるいは市長会との話し合いもこれからまた4月も予定しておりますが、十二分に行った上でこうしたちょうど見直し、切りかえの時期に対応していきたいと思っているところでございます。
 それから、ダムについて幾つかございましたが、簗川ですけれども、盛岡市の方で水が余っている云々というお話ですが、いずれにしても、今、市の内部で協議をしております。盛岡市が見直しをするには、近隣の市町村との関係も出てまいりますので、費用負担の関係でそういったところにも影響が出てきますので、盛岡市の中での協議を私どもも見ながら、また、これから盛岡市との話し合いも進めていきたいと思っています。
 それで、先般の私どもの試算で、広域の市町村、全体として水需給がどうなっているかということで、大体日量で1万5、000トン近く足りなくなると、こういうことを試算として発表したんですが、これも簗川水系の中でかなり遠い将来まで見越して考えていかないと、我々の方でこれからまたダム計画を必要に応じて見直しをしていかなければならないので、そういった確実な見通しを改めてつけておきたいということでございます。また、関係の市町村には改めて意向の確認をしていきたいと思っております。
 それから、最後に津付の関係で、事業費が大分膨らんできて北本内のダムの教訓が生かされていないのではないかと、こういうお話でございましたけれども、念のため申し上げておきますが、北本内の場合には、当初100分の1確率、100分の1対応で考えておりましたけれども、これを50分の1と改定をしたんですが、現況の流下能力が和賀川の河道特性で、ほぼ50分の1に近いという特別の和賀川の河道の特性がございます。したがいまして、事業費が2億円で済むということでございますけれども、これはそれぞれの河川の特性によるものでございますので、一概に全体で言えることではございません。いずれにしても、確率を大幅に変えてございますので、そういったことが生じているということでございます。
 なお、津付については事業費が大分膨れ上がっている。これは先ほどその理由、実施計画に近い形で算定をしているということで申し上げたわけでございますが、本来こういうふうに事業費が大幅に変わるというのは当然望ましくないことでございますので、これからも一層そうした事業費の算定については、きちっとした調査なりそれからもくろみをつけていきたいと考えているところでございます。

〇医療局長(千葉弘君) 診療所についてのお尋ねでございます。
 改めて今回の改革計画の基本的な考え方を申し上げたいと思いますが、地域のとらえ方でございますけれども、(斉藤信議員「聞いたことに答えてちょうだい」と呼ぶ)前段で申し上げさせていただきます。
 県立病院が全体として非常に経営が悪化しているということでございます。これは患者さんが大幅に減少している、それから診療報酬のマイナス改定、あるいは医師の確保難といったようなことがございます。そういった中で、県立病院の改革を考える場合に、その地域を今後は二次保健医療圏を単位として考えていかなければならないと考えてございます。そういう意味で、個別の病院の収支もございますけれども、二次保健医療圏ごとに、広域基幹病院を中心としまして効率的な医療提供体制を構築するということを目指しているものでございます。
 有床診療所となる5病院について、外来患者もいなくなるのではないかというお話でございますけれども、いずれ原則的に現在の診療機能を維持しつつ、可能な限りサービスの低下をしないよう努力してまいりたい。できるだけ御利用いただくよう、努力してまいりたいと考えてございます。
 それから、5病院の1月末の収益が改善しているという話ですが、おっしゃるとおり5病院、収入面では前年の同月比マイナス0.3%でございますが、費用面で4.8%減っていると、1億7、000万円余でございます。したがって、差し引き損益で昨年1月末現在、11億9、300万円の赤字が10億円余の赤ということで、1億7、000万円改善はいたしております。この中身の詳細は省略しますが、給与のマイナス改定で費用の方が減少していると、あるいは院外処方の推進でそういったような減少をしているという要因がございます。
 今申し上げました数字は、一般会計からの繰り入れを便宜わかりやすくするために入れない数字でございまして、収入面で例えば共済組合追加費用という項目を一般会計から繰り入れてございますが、これは雇用主負担でございますが、これが国の制度改正で前年より負担率が低くなって、したがって費用もその分減っているわけですが、これら病院に係る繰入金の額も今後減るようなことがございます。そういった意味で、収益は5病院については頑張っていただいております。そういう意味で改善はいたしておりますけれども、昨年18億円余の赤字を出したということとの比較でございますので、まだまだ努力が必要だと認識いたしているところでございます。

〇警察本部長(山内正和君) 御質問の事案につきまして、具体的な捜査内容等につきましては関係者のプライバシー等にもかかわりますことから、具体的なお答えは差し控えさせていただきますが、警察としては本件事案認知以降、あらゆる事態を念頭に置きまして関係者からの事情聴取等必要な捜査を行った結果、死体につきましては、事件性のない遺体であると最終的に判断し、平成8年4月17日、地検に送付したものでございまして、また、その当時、家族の方にもその旨、御説明をいたしているところでございます。しかしながら、本件につきましては、昨年に至りまして家族の代理人の弁護士の方から再捜査の申し入れ、あるいは弁護士会を通じての再照会等のやりとりが続いておりますので、そういった中で、今後とも私ども警察といたしましては、関係者のプライバシー等あるいは捜査の秘密等の観点を踏まえながら、適切に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
 また、金融機関の不正融資疑惑の関係で御質問がございました。岩手県警察の捜査員が捜査関係者と飲食等をともにしていたという御質問がございましたけれども、本件につきましては、別件の民事訴訟の中での証言の中で出てきた話だと承知しておりますが、この点につきましては当時の捜査担当者にも私ども確認しておりますけれども、そういった接待のような行為というものはないという旨、確認しているところでございます。
 いずれにしましても、本件金融機関の融資に係る事案につきましては、当時犯罪として立件された事件はなく、私どもとして適正な対応をしてまいったと考えておるところでございます。

〇26番(斉藤信君) 医療局長、答弁漏れです。私は県内の有床診療所でうまくいっているところはありますかと聞いたんですから、わかっているならわかっている、わかっていないならわかっていない。
 あと、県警本部長、私が言ったのは、警察官本人の裁判での証言ですよ。本人が認めているんですよ。そういう事実を踏まえて、警察のそういう問題点をみずから自浄能力を発揮してやらないと、北海道警になりますよ。このことだけ指摘しておきます。

〇議長(藤原良信君) 千葉医療局長、申し上げますけれども、質問について結論を申し上げてください。

〇医療局長(千葉弘君) 県内の有床診療所、五つほど今手元に資料がございますけれども、詳細につきましては一般会計との関係で繰り入れ等、把握できない部分がございます。いずれ、損益で見ますと五つございます。固有名詞は避けさせていただきますが、一つが赤字、あとは黒字と把握いたしております。

〇警察本部長(山内正和君) 先ほど金融機関の融資にかかわるということで、私どもの捜査員が捜査対象者から飲食等の接待を受けた、あるいは結婚式場の紹介等のお話があったということでございました。私も今手元にその証言等について持っておりますけれども、少なくとも私ども、捜査員がみずからこういった飲食等の事実を認めたといった事実については承知しておりません。
   

〇議長(藤原良信君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時11分 散 会


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