令和4年9月定例会 第22回岩手県議会定例会会議録

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〇37番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第42号令和4年度岩手県一般会計補正予算(第5号)について質問します。
 これは、いわて旅応援プロジェクト推進費を国の全国旅行支援の追加交付に基づいて15億3、162万円余増額補正するものであります。
 第1に、10月11日から始まった全国旅行支援の実績と取り組みについてお聞きします。
 一つ、21億円の事業費の内訳は、事務費、団体旅行枠分、全国の旅行事業者、県内宿泊施設への配分比率と配分額はどうだったのか。
 二つ、県内宿泊施設では、全国旅行支援が始まった当日、翌日で予約停止が相次ぎましたが、配分ごとの執行状況はどうなっているでしょうか。
 三つ、全国旅行支援の実施で、全国からの旅行客はどれだけ増加しているでしょうか。
 四つ、県内宿泊施設等からはどういう声、要望が出ているでしょうか。全国の旅行事業者からの予約では県内宿泊施設に手数料がかかりますが、実態を把握しているでしょうか。
 五つ、コロナ禍で、これまでに倒産、廃業、休業した宿泊事業者はどうなっているでしょうか。今後の支援策を含めて示してください。
 第2に、今回の15億円余の追加配分、補正分についてお聞きします。
 一つ、事務費、全国旅行事業者、県内宿泊施設それぞれに、どういう割合でどれだけの配分額となるでしょうか。県内宿泊施設には、せめて5割以上の配分とすべきと考えますがいかがでしょうか。
 二つ、追加補正分は、いつまでに配分され、予約はいつから再開されるのでしょうか。
 三つ、全国旅行支援は12月20日宿泊分までとなっています。今回の追加分では1カ月ももたないのではないでしょうか。12月まで継続実施できるように、国からのさらなる大規模な追加交付が必要と考えますが、どう取り組まれているでしょうか。
 以上でありますが、答弁によっては再質問いたします。
〇商工労働観光部長(岩渕伸也君) まず、事業費の配分についてでありますが、いわて旅応援プロジェクト第3弾、いわゆる全国旅行支援につきまして、本県では約21億円を財源に移管したところであり、クーポン印刷経費や事務局経費などの事務費約3億円、また、国から団体旅行枠として配分するように指示のあった約3億5、000万円、さらに、クーポン代金等の約6億3、000万円を除く約8億円を宿泊割引原資として、全国の旅行代理店、いわゆるOTAと県内宿泊施設に配分したところでございます。この8億円につきましては、OTA等に対して約5億6、000万円、約70%、県内宿泊施設に約2億4、000万円、約30%の配分としたものでございます。
 次に、現在の執行状況についてでありますが、まず、OTA等につきましては、今般の全国旅行支援の実施に当たって設置された全国旅行支援統一窓口からは、既に配分額の全てが予約に充てられており、さらに、今後の配分の増額を期待した予約も多くあるという状況を確認しております。
 県内宿泊施設につきましては、配分額を使い切った場合にはいわて応援クーポン事務局に報告するようお願いしておりますが、10月28日現在、63施設からの報告にとどまっております。
 なお、宿泊施設によっては、キャンセル等によるやりくり等を行っていると考えており、実際には、さらに多くの宿泊施設で配分額の全てが予約に充てられている状況と受けとめております。
 次に、旅行客の増加についてでありますが、全国旅行支援が開始されて間もないことから、宿泊数などの客観的なデータを示すことはできませんが、全国旅行支援以外の民間主体も含めたキャンペーンやイベントの開催などの取り組みも相まって、例えば、10月以降、新幹線の利用に対してほぼ満席の状態が続いているような状況も確認しており、岩手県を訪れる方々がふえていると受けとめております。
 次に、県内宿泊施設等からの要望についてでありますが、全国旅行支援の実施に際しては、県内宿泊施設から割引原資の追加配分や宿泊施設への配分率をふやすことを求める声を多くいただいているところでございます。旅行代理店の宿泊施設に対する手数料は10%台が多いと承知しており、また、多くの宿泊施設が、OTAと宿泊施設独自の予約受け付けを併用している状況と認識しております。
 次に、倒産や廃業等の状況についてでありますが、厚生労働省の統計によれば、県内の旅館業の営業許可施設数は、最新のデータとなる令和2年度は1、106件であるのに対し、平成28年度は1、141件となっており、ここ5年間で35件減少しております。
 また、民間調査会社の調査結果によると、令和2年度以降の宿泊業の倒産は1件であり、岩手県旅館ホテル生活衛生同業組合によると、令和2年度以降、21事業者が廃業、11事業者が休業したとのことでございます。
 今後の支援策につきましては、先般議決いただいた貸し切りバス、貸し切りタクシーの利用に対する補助のほか、冬季観光キャンペーンの実施、海外からいわて花巻空港への定期便やチャーター便の再開に向けた働きかけなどを行い、岩手県への誘客を図ってまいります。
 次に、今般の15億円の追加配分の内訳等についてでございますが、クーポン印刷経費や事務局経費などの事務費が約2億5、000万円、クーポン代金等が約5億7、000万円、さらに、大手を除くOTAのこれまでの超過販売額の補填に充てる約2億5、000万円を除く約4億6、000万円が、宿泊割引原資となるところでございます。この4億6、000万円につきましては、大手のOTAに対して約1億1、000万円、約25%、県内宿泊施設に約3億5、000万円、約75%の配分としようと考えております。
 次に、予約の再開時期等についてでございますが、本議案を議決いただければ、直ちに、各宿泊施設等において、追加配分に応じた宿泊割引を再開できることとなります。
 なお、多くの宿泊施設において追加配分があった場合には、全国旅行支援を適用するといった前提で11月以降の予約を受けている状況と認識しており、そうした状況を勘案して、予約の確定等に向けた準備が円滑に進められるよう、あらかじめ、追加配分予定額として先週半ばに連絡を行っております。
 次に、さらなる追加交付についてでありますが、国に対しては、全国旅行支援の対象期間中、事業を中断することなく継続実施できるよう補助金の追加交付について要望してきたところであり、こうした中で、今般、本県を含め執行率の高い数県に対する予算増額が行われたものと承知しております。
 しかしながら、第3弾開始後の予約状況を見ると、予算が不足する可能性が懸念されるところであり、また、多くの県で、販売終了の事業者が発生しているなど同様の状況になっております。
 このため、全国知事会を通じて、全国的な需要喚起策の実施に当たっては、観光関連事業者や旅行者が見通しを持って事業計画や旅行計画を立てることができるよう、十分な予算を確保するとともに、さらなる補助金の追加交付について国に要望しているところでございます。
〇37番(斉藤信君) これまでの状況では、倒産は1件、旅館ホテル生活衛生同業組合の調査では21事業者が廃業、11事業者が休業ということで、大変厳しい状況になっていると受けとめました。
 そこで、いわて旅応援プロジェクト第3弾の21億円については、結局、さまざまな分配があるのですけれども、県内宿泊施設は2.4億円だったということですね。団体旅行枠というのが、政府から2割ということで指示があったようですけれども、21億円、事務費を除いて18億円ですが、私は、その3割だったらもうちょっと行っていたのかと思うと、かなり少ない配分になっていたと思います。
 今回は、事務費は2.5億円なのですが、実際に配分された額は4億6、000万円で、そのうち、県内宿泊施設が3億5、000万円、旅行業者が1億1、000万円、こういうことでしょうか。そうすると、よくわからなかったのは、事務費と旅行業者、そして県内宿泊施設以外のところ、これはどういう性格の配分になっているのかを示してください。
 それと、私は質問で聞きましたが、全国旅行業者からの予約を聞きますと、大手の場合、手数料が15%ぐらいなのです。そうすると、1万円の予約だと1、500円が手数料だということでありました。ですから直接予約が一番メリットがあるのです。
 そういう意味では、今回は、比率的には県内宿泊施設に割合を引き上げたということになると思いますけれども、全体の15億円から見ると、3億5、000万円というのは1割ちょっと。この配分の額がそもそも少なくなる仕掛けになっているのではないか。そこをもう少し詳しく、なぜそういう形になるのかを示してください。
 それと、きょうの地方紙などを見ますと、新たに予約を受け付けますという広告も出ておりましたから、今回の配分を前提にして既に取り組んでいるという感じはします。聞きますと、やはり大手は、10月の予約については、既に予約が入っていたところを優先してこの割引を適用したということでした。新規だけというわけにはいかないというのは全くそのとおりで、今回も、既に11月の予約が優先されることに大方はなるのではないのかと思います。
 そうしますと、やはり1カ月ももたないということになります。そこで12月20日までの全国旅行支援でありますから、少なくともそこまでは継続実施できるような支援策を何としても実現していただきたい。その点で答弁もありましたが、改めて、東北6県も、額は確かに岩手県の2倍、3倍というところはありましたけれども、もう使い切っているという感じになっているのではないか。東北6県のそうした状況なども含めてお答えいただきたい。
〇商工労働観光部長(岩渕伸也君) 割引原資の配分方法についてでございますが、いわて旅応援プロジェクト第3弾のスタート時におきましては、21億円でスタートしたわけですけれども、このときには、令和2年度に国で実施したGo To トラベル事業のときの予約の入り方が、大手のOTAが圧倒的に多かったという状況がございましたので、やはり大手のOTAを通さないと予約自体が入ってこないのではないかということも考慮いたしまして、大手のOTAのほうに7割、県内宿泊施設に3割というやり方でやらせていただいたのですけれども、その後、実際にスタートした後、大手のOTAがあっという間に売り切れてしまって、これはどんどん追加配分してもなかなか難しいだろうということで、それであれば、県内宿泊施設に直接問い合わせて、配分が残っていれば割引できる形のほうがよろしいのではないかということで、そういう要望もございましたので、今回、県内宿泊施設のほうにより多くの配分としたところでございます。
 今回の配分が少ないのではないかというお尋ねですが、一つは、先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、15億円のうち、事務費が約2億5、000万円で、クーポン代金、このクーポン券は実際には宿泊施設に行きますが、割引原資にはなりませんので、これが5億7、000万円です。
 それで、OTAというのは全国の旅行代理店ですが、大手のOTAで県内を使っている38社と、それ以外の1、000弱の旅行代理店があるのですが、前回は大手のOTAには、全国の統一窓口を通じて各事業者ごとに配分されるのですが、1、000弱のその他の旅行代理店は、全国統一窓口で一括して受け付けをしていて、そこの分が、既に超過で予約をとっているという状況がありまして、そこに補填する分が約2億5、000万円必要になったということでございます。
 そうしますと、今回、割引原資に充てられる額が約4億6、000万円になるということで、それを県内宿泊施設75%、大手のOTA25%という配分にして、その結果、県内宿泊施設に3億5、000万円で、大手のOTAに対して1億1、000万円の配分としたところでございます。
 今後についてでございますが、一般質問や総括質疑等でも答弁いたしておりますけれども、Go To トラベルを国で実施する予算として2、700億円くらい確保していると認識しておりますので、それを全国旅行支援に充てるのか、あるいはその後に国として実施するのかというところをしっかりと見きわめながら、国に対してもしっかり要望しつつ、きちんと12月20日まで継続できるような予算確保に向けて、全国知事会等を通じて働きかけを行っていきたいということです。
 それから、東北6県の状況につきましては、各県とももうなくなっている状況と認識しております。それで、岩手県がスタートで少なかったという話をされるのですけれども、年度当初、国のほうで、全国旅行支援は5月の連休明けぐらいから始めたいというような話もある中で、感染状況が長引いてずっと延び延びになって、県民割として実施してきて、この執行率は、岩手県が東北地方の中でも高いという状況でございました。
 岩手県は、予算総額としてはかなりの額を持っていたのですが、残額が少なくなっていたということで、開始時には21億円と東北6県の中で一番少なくなっていたという状況でございました。この15億円の追加があったことで、大体当初の発射台に乗ったのかなというような状況でございますので、きちんと国に対する働きかけ等を行ってまいりたいと思います。
〇議長(五日市王君) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、ただいま議題となっております議案第42号は、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
   
〔参照〕
        委員会付託区分表
  (第22回県議会定例会 令和4年10月31日)
                 総務委員会
1 議案第42号
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 第9款
                 商工建設委員会
1 議案第42号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第7款
   
〇議長(五日市王君) この際、暫時休憩いたします。
  午後1時33分 休 憩
   
出席議員(44名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 上 原 康 樹 君
3  番 小 林 正 信 君
4  番 千 葉   盛 君
5  番 千 葉 秀 幸 君
6  番 岩 城   元 君
7  番 高橋 こうすけ 君
8  番 米 内 紘 正 君
9  番 高 橋 穏 至 君
10  番 山 下 正 勝 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 佐々木 朋 和 君
15  番 菅野 ひろのり 君
16  番 柳 村   一 君
17  番 佐 藤 ケイ子 君
18  番 岩 渕   誠 君
19  番 名須川   晋 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 川 村 伸 浩 君
23  番 千 葉 絢 子 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 吉 田 敬 子 君
27  番 高 橋 但 馬 君
28  番 小 野   共 君
29  番 軽 石 義 則 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 小 西 和 子 君
32  番 高 橋 はじめ 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城内 よしひこ 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 五日市   王 君
41  番 関 根 敏 伸 君
42  番 佐々木 順 一 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
45  番 工 藤 勝 子 君
46  番 千 葉   伝 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(2名)
44  番 岩 崎 友 一 君
47  番 工 藤 勝 博 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後2時47分再開
〇議長(五日市王君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
   
   報告
〇議長(五日市王君) 総務委員長及び商工建設委員長から、それぞれ委員会報告書が提出されておりますが、後刻詳細に報告を求めますので、朗読を省略いたします。
   
   日程第19 議案第42号令和4年度岩手県一般会計補正予算(第5号)(続)
〇議長(五日市王君) 日程第19、議案第42号令和4年度岩手県一般会計補正予算(第5号)の議事を継続いたします。
 本案に関し、委員長の報告を求めます。菅野総務委員長。
   〔総務委員長菅野ひろのり君登壇〕

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