平成29年9月定例会 決算特別委員会会議録

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決算特別委員会会議記録
(第 5 号)
平成29年10月17日(火)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 村 上 宏 治
議事管理担当課長 中 村 佳 和
主任主査 安 齊 和 男
主任主査 柳 原   悟
主査 上 野 公一郎
主査 小 原 亜季子
主査 菊 池   智
主査 戸 塚 教 仁
1説明員
環境生活部長 津軽石 昭 彦
副部長兼
環境生活企画室長 高 橋 達 也
環境担当技監兼
廃棄物特別
対策室長 田 村 輝 彦
若者女性協働
推進室長 石 田 知 子
参事兼県民くらし
の安全課総括課長 田 中 耕 平
環境生活企画室
企画課長 黒 田   農
環境生活企画室
管理課長 山 本 卓 美
温暖化・エネルギ
ー対策課長 高 橋 久 代
環境保全課
総括課長 小野寺 宏 和
資源循環推進課
総括課長 佐々木 健 司
自然保護課
総括課長 小野寺   誠
食の安全安心課長 高 橋 孝 嗣
県民生活安全課長 後 藤 啓 之
消費生活課長 菊 池 光 洋
再生・整備課長 佐々木 秀 幸
廃棄物施設
整備課長 田 村 良 彦
青少年・男女共同
参画課長 高 田   聡
NPO・協働課長 熊 谷 克 行

労働委員会
事務局長 桐 田 教 男
審査調整課
総括課長 小笠原 隆 行

商工労働観光部長 菊 池   哲
副部長兼
商工企画室長 藤 澤 敦 子
参事兼産業経済
交流課総括課長 押 切 拓 也
雇用対策・労働
室長 八重樫 浩 文
ものづくり自動車
産業振興室長 戸 舘 弘 幸
商工企画室
企画課長 阿 部   博
商工企画室
管理課長 岩 渕 伸 也
経営支援課
総括課長 高 橋   毅
地域産業課長 高 橋 孝 政
観光課総括課長 平 井 省 三
雇用対策課長 高 橋 利 明
特命参事兼
ものづくり産業
振興課長 藤 田 芳 男
自動車産業
振興課長 瀬 川 浩 昭

会計管理者 新 屋 浩 二
会計指導監 清 水 雅 典

監査委員 吉 田 政 司
監査委員事務局長 熊 谷 正 和
監査第一課
総括課長 千 葉 達 也
監査第二課
総括課長 村 上 博 和
   
財政課総括課長 小 原   勝
〇佐々木朋和委員長 これより本日の会議を開きます。
これより議事に入ります。
認定第1号から認定第14号まで、並びに議案第35号及び議案第36号の以上16件を一括議題といたします。
本日は、環境生活部、労働委員会及び商工労働観光部関係について延べ21人の質問者を予定しておりますが、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
最初に、環境生活部長に環境生活部関係の説明を求めます。
〇津軽石環境生活部長 それでは、平成28年度の環境生活部の決算について御説明申し上げます。
初めに、当部所管の事務事業に係る取り組みと成果及び今後の取り組み方針について御説明いたします。
当部では、東日本大震災津波からの復旧、復興への取り組みを最優先課題とし、あわせて、いわて県民計画の七つの政策分野のうち、環境王国いわての実現、安心して、心豊かに暮らせるいわての実現を目指し、取り組んでまいりました。
まず、東日本大震災津波からの復旧、復興についてでありますが、防災拠点や被災家屋への再生可能エネルギーの積極的な導入を進めてまいりました。
また、放射性物質の影響対策として、環境放射能のモニタリングやNPO等による復興支援活動を促進するため、NPO等の運営基盤強化に向けた取り組みを進めてまいりました。
さらに、若者や女性が将来に向けて明るい希望を描くことができるよう、いわて若者会議やいわて女性の活躍促進連携会議の開催など、若者や女性が活躍する地域づくりにも取り組んできたところであります。
次に、環境王国いわての実現についてでありますが、地球温暖化対策の推進として、温室効果ガス排出量の削減に向け、家庭や地域、そして事業者へのさまざまな意識啓発を行うとともに、再生可能エネルギー導入促進のための補助及びセミナー開催などを行ってまいりました。
また、循環型地域社会の形成に向けて、廃棄物の発生抑制のための3Rの推進、産業廃棄物の不適正処理の未然防止及び青森県境の産業廃棄物不法投棄事案の原状回復などに取り組んできたところであります。
さらに、多様で豊かな環境の保全に向けて、希少野生動植物の生息環境の保全や、鹿等の野生動物による被害防止対策の推進、自然公園施設の整備を進めたほか、環境学習交流センターによる講座の開催などにより、県民の環境学習を推進してまいりました。
次に、安心して、心豊かに暮らせるいわての実現についてでありますが、安全・安心なまちづくりの推進に向けて、県民の防犯意識の高揚のための普及啓発や高齢者及び子供の交通事故防止、消費生活相談体制の充実などの取り組みを実施したほか、食の安全・安心の確保に向けて、事業者への監視、指導、岩手版HACCPの導入などに取り組んできたところであります。
また、青少年の健全育成に向けて、次代を担う青少年の健全育成やニート等の若者の自立を支援したほか、男女共同参画の推進に向けて、男女共同参画センターを拠点とした県民活動の推進などに取り組んでまいりました。
今後におきましても、災害にも対応できる自立・分散型エネルギー供給体制の構築に向けた再生可能エネルギーの導入促進や、若者や女性が活躍する地域づくりに向けた若者、女性の活躍促進などに重点的に取り組むとともに、新たな産業廃棄物最終処分場の整備、多様な主体の連携を担うNPO等への支援などについても推進してまいります。
続きまして、平成28年度環境生活部関係の決算について御説明申し上げます。
なお、本年4月の組織再編に伴い、政策地域部に国際関係業務を、文化スポーツ部に文化関係業務等をそれぞれ移管しておりまして、ただいまより御説明申し上げますのは、現在当部が所管している内容でございますので、御了承をお願いいたします。
お手元の平成28年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。環境生活部関係の決算は、3款民生費2項県民生活費の一部と4款衛生費2項環境衛生費の一部、16ページに参りまして、13款諸支出金3項公営企業負担金の一部であり、予算現額の総額は122億9、132万円余、これに対する支出済額の総額は111億2、803万円余であります。
12ページにお戻りいただきまして、平成29年度への繰越額は、環境衛生費の5億7、177万円余であります。
それでは、決算の内容につきまして、便宜、平成28年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただき、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承をお願いいたします。
お手元の歳入歳出決算事項別明細書の198ページをお開き願います。3款民生費2項県民生活費1目県民生活総務費でありますが、201ページをお開きいただきまして、備考欄上から5行目の消費者行政活性化推進事業費は、県及び市町村の消費生活相談窓口の機能強化等に要した経費であります。三つ飛びまして、犯罪のない安全・安心まちづくり推進事業費は、県民の防犯意識の高揚や地域における防犯活動の促進、犯罪被害者等への支援に要した経費であります。三つ飛びまして、NPO等による復興支援事業費は、復興支援活動を行うNPO等への助成や運営基盤強化を図るための取り組みに要した経費であります。三つ飛びまして、NPO活動交流センター管理運営費は、NPO活動交流センターの管理、運営とNPOやボランティア活動の普及啓発等の取り組みに要した経費であります。次の、いわて県民情報交流センター管理運営費でございますが、これは、県民の交流や活動の拠点であるアイーナの管理、運営や施設の修繕等に要した経費であります。2目交通安全対策費でございますが、1行目、交通安全指導費は、正しい交通ルールを守る県民運動の推進や市町村交通指導員の設置に対する補助などに要した経費であります。202ページをお開きいただきまして、3目青少年女性対策費でありますが、203ページに参りまして、上から5行目、いわて青少年育成プラン推進事業費でございますが、これは、青少年活動交流センターが行ったいわて希望塾など、青少年の活動支援や交流促進などの事業の実施に要した経費であります。一つ飛びまして、いわて男女共同参画プラン推進事業費は、男女共同参画センターが行った意識啓発や、男女共同参画を推進するサポーターの養成などに要した経費であります。一つ飛びまして、いわて若者活躍支援事業費は、若者の主体的な活動を促進するため、交流の輪を広げるネットワークの構築や、活動する意欲のある若者の支援に要した経費であります。次の、いわて女性活躍支援事業費は、女性の活躍を支援し、周囲の理解と協力を推進するための各種セミナーの開催や普及啓発等に要した経費であります。
次に、少し飛びまして、216ページをお開き願います。4款衛生費2項環境衛生費、218ページに参りまして、1目環境衛生総務費でございますが、219ページに参りまして、4行目、環境学習交流センター管理運営費は、環境学習交流センターが行った県民の環境に対する理解を深めるための情報提供や、地域で行われる環境学習などへの支援に要した経費であります。二つ飛びまして、循環型地域社会形成推進事業費でございますが、事業者による廃棄物の発生抑制やリサイクル等のための技術研究開発、製品製造に対する補助等に要した経費であります。下から5行目の地球温暖化対策事業費は、いわて温暖化防止フェアの開催など、地球温暖化防止に向けた普及啓発に要した経費であります。続きまして、再生可能エネルギー導入促進事業費は、被災家屋等への太陽光発電設備の設置に対する支援や、発電施設の立地を促進するための環境整備の取り組みに要した経費であります。次の、再生可能エネルギー利用発電設備導入促進資金貸付金は、省エネルギー設備や再生可能エネルギー設備を導入する事業者への設置費用や運転資金の貸し付けに要した経費であります。続きまして、防災拠点等再生可能エネルギー導入事業費は、再生可能エネルギー設備導入等推進基金を活用し、防災拠点となる公共施設等への太陽光発電などの再生可能エネルギー設備の導入等に要した経費であります。次の、水素活用による再生可能エネルギー推進事業費は、再生可能エネルギー由来の水素エネルギーに関する勉強会の開催等に要した経費であります。
なお、繰越額がございます。繰越明許費1、547万円余は、公共施設再生可能エネルギー等導入事業費補助におきまして、補助事業者の事業実施が遅延したことにより繰り越したものでございます。
また、不用額4億2、217万円余のうち、主なものは、防災拠点等再生可能エネルギー導入事業費に係る補助事業者の事業計画の見直しが生じたこと等によるものでございます。
2目食品衛生指導費でございますが、上から2行目、乳肉衛生指導取締費は、食肉の衛生確保を図るために必要な屠畜検査及び残留有害物質検査や屠畜場の衛生指導等に要した経費であります。220ページをお開き願います。3目環境衛生指導費でありますが、221ページに参りまして、9行目、水道施設耐震化等推進事業費は、市町村が実施する水道施設の耐震化や老朽化対策、広域化等の取り組みの支援に要した経費であります。一つ飛びまして、廃棄物適正処理監視等推進費は、産廃Gメンの配置など廃棄物適正処理の監視、指導等に要した経費であります。下から2行目、県境不法投棄現場環境再生事業費でございますが、これは、青森県境に不法投棄された廃棄物につきまして、代執行による汚染土壌の浄化及び原因者等の責任追及などに要した経費であります。223ページをお開きいただきます。3行目、産業廃棄物処理施設整備事業促進費でございますが、いわてクリーンセンターの後継となる産業廃棄物最終処分場の整備基本計画策定のための地形測量等に要した経費であります。
なお、繰越額がございます。221ページにお戻りいただきまして、繰越明許費3億857万円余は、水道施設耐震化等推進事業費補助及び産業廃棄物処理施設周辺環境整備交付金におきまして、計画調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものでございます。
次に、222ページをお開きいただきます。4目環境保全費でございますが、223ページに参りまして、2行目、休廃止鉱山鉱害防止事業費は、旧松尾鉱山の坑廃水処理に要した経費であります。四つ飛びまして、大気汚染防止対策費及び水質保全対策費は、県内の大気及び水質の保全を図るため、事業場への立入検査及び各種の調査、測定に要した経費であります。
なお、繰越額がございます。繰越明許費550万円余は、休廃止鉱山鉱害防止事業費におきまして、計画調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものでございます。
5目自然保護費でありますが、3行目、自然公園等保護管理費は、自然公園保護管理員の設置などに要した経費であります。続きまして、国定公園等施設整備事業費及び自然公園施設整備事業費は、国定公園等の自然公園における登山道、標識などの整備に要した経費でございます。
なお、繰越額がございます。繰越明許費2億4、222万円余は、国定公園等施設整備事業及び自然公園施設整備事業におきまして、計画調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものでございます。
224ページをお開きいただきます。6目鳥獣保護費でございますが、225ページに参りまして、3行目、指定管理鳥獣捕獲等地域戦略事業費でございますが、これは、本県の鹿の生息数を適正な水準にするための捕獲及び新規狩猟者の確保、定着を促進する取り組みに要した経費でございます。一つ飛びまして、希少野生動植物保護対策事業費でございますが、県内の希少野生動植物の生息状況調査等に要した経費でございます。次の、野生動物との共生推進事業費でございますが、ツキノワグマ等の生息数調査及び被害防止のための啓発活動に要した経費であります。次に、7目環境保健研究センター費でございますが、施設の管理運営及び試験研究に要した経費であります。
次に、少し飛びまして、364ページをお開き願います。13款諸支出金3項公営企業負担金1目公営企業負担金でありますが、365ページに参りまして、電気事業会計負担金及び工業用水道事業会計負担金のうち、環境生活部所管分142万円余は、地方公営企業職員に係る児童手当の一部等につきまして、それぞれの会計に対し負担したものでございます。
以上で環境生活部関係の御説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇佐々木朋和委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐藤ケイ子委員 私からは、大きく1点にわたって質問させていただきます。消費生活センターの関係でございます。
これは、県の県民生活センターと、それから、市町の消費生活センターで活動を行っているわけですけれども、困難事例がすごくあると思っております。範囲も広くて、食の安全とか、多重債務とか、アダルトサイトを見たことによる請求とか、欠陥商品の問題とか、本当に多種多様な相談業務があろうかと思っております。
この相談件数は県内合わせると、ホームページで見ますと9、700件ほどの相談があるようでして、県と市でその相談を受けているということのようです。
まず、この困難事例はどのようなものがあって、どう対応しておられるのか、その実績をお伺いいたします。
〇菊池消費生活課長 消費生活相談の困難事例と対応についてでございますけれども、平成28年度に県、市町村に寄せられました消費生活相談は9、732件でございますが、この内容につきましては、インターネットのアダルトサイト閲覧に係る架空請求などのいわゆる運輸・通信サービスと呼ばれるものに分類されるもの、あと、多重債務、借金返済などの金融・保険サービスに関する相談が多く、この二つの分野で相談件数全体の37.5%を占めているような状況でございます。
具体的には、携帯電話に有料動画の料金が未納だというメールが届いたが全く身に覚えがないとか、あるいは、夫婦で複数の借金があるが、月々の支払いが厳しいので何とかしたいというような相談が寄せられております。
相談の対応につきましては、生活相談員が相談者から詳細に事情を聞き取り、相談者がとるべき行動に関する助言、クーリングオフの説明など、解決に向けた助言を行いますけれども、相談員だけの対応では解決が難しいと考えられる相談、すなわち困難事例と言うべきものと思いますが、例えば、権利義務関係が非常に複雑で法的な解釈あるいは整理を要するような契約に関する事案とか、あるいは自己破産手続を行うことが適当と思われるような債務整理の事案といったものについては、県民生活センター事業として実施しております無料の弁護士相談会なども活用しながら、トラブルの解決に努めているといったところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 それで、さまざまな相談を受けられる相談員の体制についてお伺いしたいんですけれども、相談員の資格が今度はまたちょっと変わるようなんですね。相談を受けるのに、国家資格の消費生活専門相談員とか、消費生活アドバイザーとか、消費生活コンサルタントとか、三つの種類があるようでして、それで、5年で資格を更新しなければならないわけですけれども、その資格者の確保が非常に難しいのではないかと私は思っております。
特にも、市の消費生活センターにおいては、有資格者ばかりではなく、無資格の方々もたくさんいらっしゃる。まず、普通に言う臨時、非常勤職員扱いの方々が非常に多いということです。それから、有資格者を確保するのも、資格を持っている人はそんなに多くないので、市町村ごとに取り合いになっているというようなことで、この確保が大変なようでございます。
さらには、ほとんどが臨時、非常勤職員の扱いですので、ワーキングプアと言われるような、報酬額が、全国平均では年間150万円程度の報酬なのですけれども、多重債務とか貧困の相談を受け付けている人たちがワーキングプアという、またこれもちょっといかがなものかという思いをするような状況になっております。
この県内の資格保有者の割合とか人材確保の状況はどうなっているのか、お伺いいたします。
〇菊池消費生活課長 生活相談員の資格等を含めた状況についてということでございますが、いわゆる資格保有者の割合でございますが、県民生活センターと各市町村の消費生活センターに配置されております消費生活相談員は49名いらっしゃいます。そのうち資格保有者は28名、割合にして57.1%という資格の保有状況になっております。
今、非常勤というお話がございましたけれども、県民生活センターでは、相談員の業務は特定の資格とか経験を要することから、非常勤専門職員という形で任用しております。各市町村の消費生活センター等の相談員についても、同様に非常勤という形での任用になっていると把握してございます。
この資格ですけれども、先ほど委員お話しになりました、民間がやっておりました消費生活専門相談員、消費生活コンサルタント、消費生活アドバイザー、この三つの名称でこれまで資格保有者ということで来ましたけれども、昨年の消費者安全法の改正に伴いまして、国民生活センターが行う試験をもって国家資格とすると。ただ、それ以前に、この今お話ししました三つの資格をお持ちの方で1年以上実務経験がある方は、国家資格保持者とみなすということになっております。
消費生活相談員で資格がない人というお話がございましたけれども、今言った方々は資格がある方となります。それで、消費生活センターには相談員を設置することが消費者安全法で規定されております。この生活相談員は何かというと、いわゆる資格を持った方と相当の経験とか実力がある方というようなことで、知事あるいは市町村消費生活センターの設置をしている市町村の首長が認めれば、消費生活相談員という位置づけになります。
確かに、沿岸のほうをいろいろ回ってみたりすると、資格がない相談員がいるのですけれども、この道でもう30年近くやっているというようなことで、資格はないのですが、本当に力のある相談員もいらっしゃいます。ただ、数字として整理しますと、先ほど申しました有資格者は57.1%という形になっております。
あと、人材確保の状況でございますけれども、今時点では、県のセンター、あと市町村の消費生活センターは、とりあえず必要な生活相談員の人数については確保されている状況でございます。確かに、何らかの事情でやめられると、なかなか次の方を確保するのが大変だというお話がございました。
確かに、昨年から始まった国家試験も、岩手県の合格者は9名ということです。これまで合格している方々も、どこかの消費生活センターにいたりとか、あるいは民間にいたりということで、募集しても、有資格者の応募はなかなか出てこないというような状況でございますけれども、今のところは、まず、定員は満たしている状況でございます。
〇佐々木朋和委員長 この際、進行に御協力願うため、答弁は簡潔にお願いいたします。
〇佐藤ケイ子委員 これは県も市町村も、職員配置についてもほとんど兼務状態で配置されておりまして、相談員の確保の問題と、それから、県、市町村の職員の配置の問題があろうかと思います。これからも職員配置の充実について配慮をいただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
〇工藤勝子委員 鹿対策についてお伺いしたいと思います。
まず最初に、野生動物として熊、鹿、イノシシ等の個体数の把握状況についてお伺いいたします。
〇小笠原自然保護課総括課長 まず、県内のニホンジカの推定個体数でございますが、環境省によりますと、平成24年度末時点で約4万頭と推定されております。
また、ツキノワグマにつきましては、県において平成24年度末で3、400頭と推定しております。
そして、イノシシにつきましては、本県における捕獲数が数十頭と少ないことから、現時点では個体数の推定は難しい状況となっております。
〇工藤勝子委員 県の猟友会の会員の推移を猟友会からとらせていただきました。県では新規狩猟免許を取った人が284人というデータが出ております。猟友会には、第一種、第二種銃猟免許、それから、わな猟免許という関係で23人しかふえていない状況で、多くの方々が、狩猟免許を取得しても、県の猟友会の会員にはならないという状況が明確になっているのではないかと思っております。
では、この284人のうち、わな猟免許とか第一種、第二種を取った方はどれくらいになっているんでしょうか。
〇小笠原自然保護課総括課長 申しわけございません。ただいま、284人の内訳は手元にございませんところでして、後ほど答弁させていただきます。
〇工藤勝子委員 それでは、後からお願いしたいと思います。
猟友会でも、結構わなの免許を取っている人たちが多いわけでありまして、それで、鹿をとっている人たちが遠野市にもたくさんいらっしゃいます。そういう形の中で、きちんとした講習を受けて、そういう免許を取ってやられているんだろうと思っていますけれども、そういう状況についてあわせてお願いします。
それから、なかなか猟友会の人たちが鹿をとらない理由の一つに、やはり原発事故以来、放射性物質の数値が高いため、肉が食べられないということがあります。それで、販売もできないということですので、今の状況で肉の放射性物質もかなり下がってきているとは思うんですけれども、今どのように捉えているかお伺いいたします。
〇小笠原自然保護課総括課長 現在、熊、鹿、ヤマドリの肉につきましては、放射性物質が基準値を超えている個体があるということで、本県の全域を対象に出荷制限が指示されているところでございます。これら3種の野生鳥獣肉については、それぞれ検査を実施しているところでございまして、平成28年度は、県内で捕獲された一部の個体から、当該3種の鳥獣肉で、基準値はキログラム当たり100ベクレルとなっておりますけれども、それを超える放射性物質が検出されております。
今年度は、これまで熊肉と鹿肉について検査を実施しておりますが、陸前高田市で捕獲された熊肉から、基準値を超える放射性物質が検出されているところでございます。
〇工藤勝子委員 4番目に質問しようと思ったのはちょっと飛ばさせていただきたいと思っています。
それでは、平成28年度、鹿は、資料によりますと1万999頭捕獲いたしております。1万頭の予定に対しましてこれぐらいの量を多くとっているわけでありますけれども、では、熊の人身被害も17件発生しているわけですが、この捕獲状況についてお伺いいたします。
〇小笠原自然保護課総括課長 熊につきましては、平成28年度は391頭捕獲している状況でございます。
〇工藤勝子委員 熊は391頭ということで、多いのか少ないのかよくわかりませんけれども、そういう形の中で、目標値が熊のほうはないわけでありまして、熊は、やはりどのぐらいいるかということは調査できないわけですね。かなり難しいだろうと思っております。
そういうことについて、例えば、鹿の処理の関係、捕獲はするんですけれども、処理でかなり猟友会の皆さんが苦慮している現状があります。特にも、山に埋めてくる、そうでなければ里に運んで解体して焼却場に出すという形をとっているわけですけれども、この鹿の処理の現状、そして、ある程度山に放置されている現状があるわけでありまして、それをどのように捉えているのかお伺いいたします。
〇小笠原自然保護課総括課長 捕獲した鹿の処理の状況についてでございますが、県の猟友会から聞き取りをしたところ、4割程度が焼却、6割程度が埋却されている状況と伺ってございます。
なお、猟友会では、毎年春先に山野の一斉清掃活動を自主的に行っておりまして、埋却されずに放置された捕獲個体は、ほとんどないと聞いているところでございます。
〇工藤勝子委員 いろいろな形で調査とも違う部分もきちんと出ているのかという思いもあるわけであります。そういう中において、もう一つ聞きたいのは、早池峰山における鹿の生息状況はどのように捉えていますか。
〇小笠原自然保護課総括課長 県では、平成28年度から早池峰山周辺地域シカ監視員を2名配置しておりまして、早池峰山周辺の鹿の食害調査ですとか、センサーカメラの設置による動向調査に取り組んでいるところでございます。
これまでのシカ監視員の現地調査等によりますと、早池峰山の中腹付近まで鹿の足跡が確認されているところでございます。
また、東北森林管理局の調査によりますと、早池峰山での鹿の生息頭数が増加していると考えられるとの結果も示されているところでございます。
〇工藤勝子委員 これが一番問題ではないかと思っているところでありまして、結局は、早池峰山には非常に希少な植物が多くあるわけでありまして、これらが、この鹿によって食害されてしまうと回復はかなり難しいのだろうと思っているところであります。この対策を今どのように考えていらっしゃいますか、お聞きいたします。
〇小笠原自然保護課総括課長 県では、早池峰山を含む全県での捕獲に取り組んでおりまして、市町村における有害鳥獣捕獲ですとか県猟友会が実施する早池峰山周辺の鹿の一斉捕獲といったものと連携して、今後、早池峰山での捕獲を推進してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 荒川高原等、あの辺でとめていただければいいかと思っておりますので、ぜひ、これは徹底してやってほしいというところでございます。
それに対しまして、今度、国でジビエの利用拡大というモデル的な事業をやろうとしているところであります。これが平成30年度までという中で、全国で12カ所程度を指定しながら、この料理への活用をやろうとしているわけですけれども、例えば岩手県で、お話がありましたように鹿が4万頭はいると。私はもっといると思っているんですけれども、それでも1万頭は捕獲しているという形の中で、ぜひ、それをただ焼却してしまうとか埋却してしまうのではなくて、これを活用する方向を岩手県としても考えるべきではないかと。
ただ、いろいろな部分で放射性物質の関係があって難しいというお話を聞いております。でも、当初よりは、6年前よりはかなり減少している、放射性物質が肉に入っている分が減ってきているということがあります。そして、将来的な方向も定めていくと、このジビエの利用拡大というのは、今後かなり期待される部分であると。
全国的には、オリンピックの食材にも活用したいというお話があるわけですが、そういう中において、将来に向けて岩手県として、まず、この12のモデル地区に手を上げてみようという考えはあるかないのかお聞きいたします。
〇小笠原自然保護課総括課長 国では、処理加工施設の設置など、ジビエ利用拡大に向けた取り組みを支援しているところでございます。
本県においては、今のところ、その具体的な相談はないところでございますけれども、今後そういった御相談があった場合には、農政部局等と連携して必要な助言等を行ってまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 猟友会からは要望に来たというお話を私は伺っているんですけれども、そういうお話は伺っていないわけですか。確認いたします。
〇小笠原自然保護課総括課長 直接当部への要望はないと認識しているところでございます。
それからもう一点、先ほどの答弁漏れのところを御説明させていただきます。
平成28年度の狩猟免許取得者284名のうち、網猟が17名、わな猟が164名、第一種銃猟が98名、第二種銃猟が5名という状況になっております。
〇工藤勝子委員 ちょっと話が違うような気がしていまして、猟友会のメンバーの方々が県のほうに来て、今後の鹿肉の利用について県に要請したというような話を伺っているところであります。そして、県も一頭一頭、ある程度個体数に応じて放射性物質の確認をして、そして、将来に向けて、例えば利用できるように、お肉を食べられるようにするとか、それからペットフードにするとか、そういう話があるわけであります。
そういう話を伺っていないということですが、例えばそういう施設を遠野市でやらないかという話があるわけです。遠野市には、鹿の牧場と言われるぐらいかなりの鹿がいますので、何とか、これをただとって捨てるというのは、環境の関係もありまして将来非常に問題になってくるのではないかと思っております。ぜひ、こういう肉を個体的にきちんと検査をして、いいものは使っていくという方向をとる。そして、県内1カ所に処理加工施設を設置して県内から集めてくる。
それで、この国の方針を見ると、きちんとした法令、例えば、とったらすぐ保冷車に入れるというような予算もとっているようであります。それで、解体する施設も一緒に附属してやるという形の中で計画が立てられている資料をいただいております。多分県には来ているのか来ていないのかよくわかりませんけれども、こういう資料を拝見していないでしょうか、お伺いいたします。
〇小笠原自然保護課総括課長 直接当部へはいただいておらないものでございまして、そういう状況になっております。
〇工藤勝子委員 ぜひ、こういう情報を私はとってほしいと思っています。これには内閣府、さらには経済産業省、農林水産省、環境省、いろいろな各省庁がかかわっているわけであります。そして、将来的な目標を立てて、そして予算を確保しながらやるという情報を私はいただいております。そういう部分において、岩手県でもこのくらい、熊もいるし、鹿もいるし、イノシシも出てきているという形の中で、こういうことをしっかりと、国がやろうとすることに岩手県としても手を上げて、予算を確保して、どこかに指定してやるべきではないかと思っております。
遠野市でやらないかという話があったときに、結局、遠野市では、県がきちんとこういう事業を、保健所との連絡も密にしながら、手を上げてやるということであれば遠野市でもやれるという話があるわけでありまして、ぜひそういうことの情報を早くキャッチして、モデルとなる全国の12カ所、モデルに対してはすごい助成があるわけですよ。そういうことを考えていくべきではないかと思っているわけですけれども、部長、いかがでしょうか。
〇津軽石環境生活部長 確かに、ジビエというのは今後、オリンピックもありますので、非常に魅力的な部分があろうかと思っております。
国で、いわゆる農林水産省所管でそういう事業をされているということは伺っておりまして、県内でそういった動きがあれば、これは農林水産部とも連携しながら、私どもは、むしろ食品衛生とかといった部分でのかかわりが出てまいりますので、もしそういう御相談があれば、積極的に対応してまいりたいと考えているところでございます。
〇工藤勝子委員 もう一度部長に確認いたします。やるというような方向性を示すことができますか。平成30年度ですよ。平成29年度も予算をとっているのですけれども、来年度のことでありますので予算になるかもしれませんが、でも、岩手県の現状、農業被害のことを考えて、やはりそういうことをきちんと活用するような方向性を示していただけますか。
〇津軽石環境生活部長 所管する農林水産部ともその辺はよくお話し合いをさせていただいた上で、検討させていただきたいと思っております。
〇千葉伝委員 今、工藤勝子委員からジビエの関係で質疑がありました。実は私は、ちょうど平成元年あたりですか、30年ぐらい前になりますけれども、当時、三陸町というところが鹿を何とか利用できないかということから、鹿牧場、いわゆる捕獲して、それを料理のほうに回してという話があって、当時、農林水産部のほうの獣医師、それから環境、保健所の関係で、両方と三陸町に入って、鹿を利用するために、野生ですから、鹿にどんな病気があるかも含めて、そういう検査をした経緯があります。それで、これを少し広げていけば、県内でジビエ料理をやっていけるということに結びつけようと思ったことが昔ありまして、ちょっと今思い出したわけであります。
言いたいのは、私はこの間、ILCの関係でヨーロッパに行ったときに、ホテルというか、そこの料理に鹿の肉がぱっと出てくる、こういうぐらい外国では普通に食べられているということです。したがって、先ほど部長がおっしゃったオリンピックも含めて、海外からも、県内、国内のいろいろな人たちが来る。
岩手県以外の県では、このジビエ料理にかなり利用されているということであります。岩手県は、先ほど言ったとおり、放射能の関係から今のところは肉が食べられないということでストップしているような状態だとは思っています。でも、いつかは放射能の部分がなくなるということも当然考えた上で、それに向けた対策を進めると。対策というのは、どうやって活用していくかということだと思っています。
それで、言いたいのは、もう少し県が、そういった鹿をただただ捕獲して、埋めるとかということではなくて、いかに活用していくかということもぜひ進めていただきたい。そのためにということで、今から施設の整備費や国との協議も含めてどうやっていけばいいかということを考えていただきたい。先ほど工藤勝子委員が言っていたのは、国のほうは、その12カ所のうちに、岩手県でやるという分については考えているという情報も実は猟友会を通じて聞いております。そういうときに、ぜひ岩手県が手を上げていただきたいという思いでおりますので、改めて部長に、もう少しやる気を示していただきたい。よろしく。
〇津軽石環境生活部長 やる気ということでございますけれども、私どもとすれば、鹿は大きな問題になっておりますので、確かにお話の中では、捕獲した鹿を埋めるとかといったことについて、いろいろな問題もあるのではないかという御懸念があるのも事実でございます。そういった有効利用を図ることも確かに必要ではございますので、今後、所管部局とも丁寧にお話し合いをさせていただければと思っております。
〇阿部盛重委員 私から、いわて男女共同参画プラン推進事業費のLGBTへの対応についてお伺いいたします。
LGBTの方々について、全国的に大分理解されつつあると思いますけれども、本県の現状をどのように捉えておりますでしょうか。
〇高田青少年・男女共同参画課長 LGBTの現状でございますが、平成28年3月に改定しましたいわて男女共同参画プランでは、LGBT、いわゆる同性愛者、両性愛者及び心と体の性別に違和感を感じる方への対応について、性的指向や性同一性障がいを理由として困難な状況に置かれている人々に対する人権尊重の観点からの配慮が必要としており、平成28年4月から、岩手県男女共同参画センターにLGBTに関する相談窓口を設置しております。
同センターに寄せられたLGBT関連の相談の状況を見ますと、平成28年からの相談件数、累計でございますが、平成29年9月末現在84件となっており、内訳については、平成28年度42件、平成29年9月末現在で既に42件ということで、今年度に入って増加傾向にございます。
相談内容としましては、自分の性別がわからない、周りの反応が怖くて公表できないといったような性自認に関する相談や、自分の性的指向について悩んでいる、職場での性的マイノリティーに対する心ない発言に傷ついたといったような性的指向に関する相談が同程度の件数となっております。
また、平成25年に県内の高校教員の研究部会と任意団体が共同で行った高校生を対象とした調査では、10.1%がLGBTを含めた性的マイノリティーであるとの回答結果もあり、性的マイノリティーの方々が一定程度いるという現状認識のもと、LGBTに対しての偏見をなくすなど理解促進が必要であると考えております。
〇阿部盛重委員 相談対応の体制整備、それから、偏見をなくす普及啓発、そして、先ほどお話がありましたけれども、教育現場の教職員によるきめ細かな対応など、いろいろな状況があるかと思うんですが、その環境整備がまだ不備なところもあるかとは思います。その分析と問題点をどう捉えていらっしゃるのか、そして、これから県の具体的な対応策はどのようにお考えかお伺いいたします。
〇高田青少年・男女共同参画課長 相談体制、環境整備等につきましては、男女共同参画センターにおいてLGBTの相談窓口を設置してございますが、具体的には、毎週金曜日16時から20時まで、LGBTについての知識を有する相談員1名が、面接と電話で対応しております。LGBTに関する悩みをお聞きするほかに、本人の希望する場合は、性同一性障がいに関して専門的な医療機関などを紹介しております。また、ことし9月からは、インターネットでの相談受け付けを開始したところでございます。これが相談体制ということでございます。
また、偏見をなくすための普及啓発等も行ってございまして、例えば男女共同参画サポーターの養成講座がございますが、この中でLGBTに関しての講座を設けておりますし、あと、いわて男女共同参画センターだよりにおいて、昨年8月にはLGBTに関しての特集を掲載して普及啓発を図っております。
さらには、いわて男女共同参画フェスティバルにおいて、県内の大学のLGBTの学生団体と連携しながらパネル展示を行ったり、あと、高校、企業からの要請により、LGBTに関する出前講座なども行っているところでございます。
今後の県の具体的な対策でございますが、引き続き相談体制を整えていくことと、あと、出前講座などの実施により広く県民に対してLGBTの理解に関しての普及啓発に努めていきたいと。さらには、関係機関とも連携しながら、情報共有を図って、差別、偏見のない地域社会になるように取り組んでいきたいと考えてございます。
〇阿部盛重委員 教育委員会と教職員への助言等は、環境生活部としての連携はしっかりとされておりますでしょうか。
〇高田青少年・男女共同参画課長 学校現場でも、養護教員などがLGBTに関するセミナーとか研修などを受講しているということでお聞きしております。さらに、先ほど出前講座ということでお話ししましたが、ことしも数件の高校からLGBTの出前講座をやってほしいという要請がございまして、出前講座をしておりますので、こういったことでの連携を強化していきたいと考えてございます。
〇阿部盛重委員 いずれ、日本の企業でもLGBTに対しての対応をしている企業が42.1%、そして、検討後、対応していくというのが34.3%という数字も出ております。また、東京オリンピック・パラリンピックでも多様性と調和をコンセプトにも掲げておりますので、ぜひ、安心して暮らせる環境整備を続けてよろしくお願いいたします。
最後に、水素活用による再生可能エネルギー推進費の水素エネルギー整備についてお伺いいたします。
水素発電の本格導入と水素供給システムの確立として、将来の二次エネルギーの中心的な役割を担う水素を利活用する水素社会というものに推移されていくことでございますが、そのあたりの取り組み状況はどのようになっておりますでしょうか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 水素について、国では、水素・燃料電池戦略ロードマップを策定するとともに、燃料電池自動車や水素ステーションに係る規制の見直しなどを進めまして、水素をエネルギーとして利用する水素社会の実現に向けて、技術面、コスト面などの課題解決も含めまして取り組みが進められているところでございます。
水素は、再生可能エネルギーの最大限の導入や地球温暖化対策、また、災害時のエネルギー源としても期待できることから、県におきましても、その取り組みを進めていく必要があると考えているところでございまして、これまで、セミナーの開催やイベントにおける燃料電池自動車の展示を通じて、県民や事業者の水素に対する理解増進を図ってきたところでございます。
また、今年度におきましては、本県の地域特性を踏まえた水素の利活用策につきまして、外部有識者、事業者で構成いたします委員会を設置しまして、調査研究を行っているところでございます。
〇阿部盛重委員 大分進行されているかと思うんですけれども、今後の問題ですが、環境省の補助金等もありますが、水素ステーションの設置などの方向性はどのようにお考えでしょうか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 全国における商用水素ステーションの整備状況でございますけれども、本年10月末現在で、4大都市圏を中心に91カ所でございます。そのうち東北地方におきましては、宮城県に1カ所と承知しております。
水素ステーションについては、今後の燃料電池自動車の普及に伴いまして、民間主体で全国的に整備されていくものと考えておりますが、本県における設置につきましては、今年度実施しております水素利活用策の調査研究の中での議論でございますとか、県内の燃料電池自動車の普及状況、また、民間事業者の動向等を見ながら、必要に応じて対応を検討してまいりたいと考えております。
〇阿部盛重委員 わかりました。いずれ、経済産業省も東京五輪に向けての水素利用の本格導入にも力を入れてきておりますので、ぜひ他県に負けないようによろしくお願いいたします。
〇高橋孝眞委員 太陽光発電のパネルについて、1点であります。
私の近所でも最近、太陽光パネルの設置が多くなっております。防風林であるかどうかわかりませんけれども、伐採してそこに設置する、こんな状況でよいのかと思うこともあります。県内市町村を見ましても、山の中に、幾ら日当たりがよく日照時間が長いからといって、大雨の際など土砂災害に見舞われる心配がないのか、大丈夫なのかと思うところであります。それは所有者の自由な考え方でしょうし、法律にのっとって設置しているわけですからやむを得ないことなのでしょう。
しかし、パネルには鉛やカドミウム、セレン等が使用されていると聞いております。災害なり、住宅による火災や故障等によって使用することができないパネルは廃棄物となるわけでありますけれども、どのような処理というか処分がされているか、指導がされているかについてお伺いいたします。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 使用済み太陽光パネルの処理についてでございますけれども、この使用済みパネルにつきましては、配線に銀や銅などの資源価値があるものが含まれるほか、委員御指摘のように、鉛などの有害物質が含まれることが確認されております。このため、平成28年3月に環境省から太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドラインが示されまして、廃棄物処理法に基づいた処理が行われているところでございます。
その処理につきましては、一般的には産業廃棄物処理施設などにおきまして解体、選別などを行い、金属くず、ガラスくず、廃プラスチック類などに分別されまして、再資源化できるものはリサイクル、再資源化できないものは埋め立てなどの処分が行われていると認識しており、適正処理がされていると考えております。
太陽光パネルの廃棄量につきましては、現在は県内の量は少ないものの将来的にはやはりふえていくことが見込まれますので、自動車のようなリサイクルシステムを早期に構築する必要があると考えております。そのため、全国の廃棄物行政担当者で組織される協議会を通じまして、環境省、経済産業省に対しまして、使用済みパネルのリサイクルシステムの確立などについて要望しているところでございます。
〇高橋孝眞委員 海外製の太陽光パネルは有害物質の情報を開示していないと言われておりますけれども、その際、県としての指導はどのように行われているかについてお伺いします。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 一部の太陽光パネルについてはカドミウムなど有害物質が含まれていることは承知しておりますが、個別の海外製太陽光パネルに有害物質が含まれているかの詳細につきましては、企業からの情報がなく、承知していないところでございます。
使用済みパネルに含まれます有害物質の情報が提供されるシステムの構築につきましては、先ほど申し上げたような全国の廃棄物行政担当者で組織される協議会を通じまして、環境省、経済産業省に対して要望しているところであります。
県としましては、現在、まだそういったシステムの情報提供がされていない状況にありますが、産業廃棄物処理業者への立入検査や産業廃棄物排出事業者の説明会を今、県内各地で実施しているところでございますので、そういったところにおきまして使用済み太陽光パネルの適正処理についても周知しているところでございます。
〇高橋孝眞委員 ということは、有害物質が含まれているか含まれていないかわからないけれども、その調査をしないで処理しているということになるのでしょうか、お願いします。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 基本的には廃棄時点におきまして調査していくということですけれども、有害物質が廃棄物処理法以上に溶出されるという現状はまだ把握されておりませんので、適正に処理が進んでいると認識しております。
〇高橋孝眞委員 県が調査を全然しないで認識しているというのは、私はおかしいと思うんです。そういう意味合いでは、きっちりと調査を求めて処理をする、そういう指導を私はやっていく必要があると思いますので、検討というか、実施してほしいと思います。
今、量の関係も示されましたけれども、政府の調査によりますと、2016年から2030年までに寿命で廃棄される太陽光パネルが住宅用で2万5、329トン、非住宅用で4、150トン発生する見込みとの推定であります。20年から30年の使用が限界とされておりますが、震災後、多数設置されたメガソーラーは、2031年以降に大量に発生するものと思います。2015年には廃棄物として約2、400トンが処理されているわけでありますけれども、2040年には全国で約80万トンと推定されております。これらの対策はどのように現在考えておられるのかお伺いいたします。
また、土砂災害警戒区域内に太陽光パネルが設置されているかどうかを調査するべきではないかと思っております。災害が発生しますと最終的には災害廃棄物として処分するわけでありますので、担当が違うのかどうかその辺はよくわかりませんけれども、検討されているのかどうかお伺いいたします。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 私からは、急増する廃棄物の対策について申し上げます。
委員御指摘のとおり、今後、使用年数を20年から30年と見込むと、県内でも、推定でございますが、2040年度ごろには1万2、000トン程度の太陽光パネルが廃棄されると見込んでおります。このため、先ほども申し上げましたとおり、リサイクルシステムをきちっと国で確立しまして、そういったものにのっとってリサイクルしていくのが一番適正な処理が行われるということでございます。環境省の検討会におきましては、平成30年から平成31年あたりに関係事業者を通じまして、そういった適正処理やリサイクルシステムを構築するというロードマップを定めておりますので、委員御指摘のような太陽光パネルの廃棄が急増する前に国がリサイクルシステムを構築するように要望してまいりたいと考えております。
〇高橋副部長兼環境生活企画室長 太陽光発電が設置されている場所の危険度の把握でございますが、太陽光発電につきましては、県が直接、設置状況を一つ一つ確認するシステムになっていないのが現状でございます。
設置に当たっては、事業者が安全性等をある程度踏まえた上でやっているのではないかと思っておりますが、それについては、県としては、国に対しまして、環境に配慮した適正な設置がなされるよう、国としてのある程度の対応を求めているところでございます。そういった中で対応していきたいと思います。
〇高橋孝眞委員 大雨が来て被害が生じる、そういうときは最終的には県で処理をしていくわけです。パネル等については災害廃棄物として処理していくわけです。そういう意味合いでは、どういう場所にどの程度設置されているかをきっちりと把握して災害に対応しないと、先ほど言いましたとおり、カドミウム、鉛、セレンが入っているわけです。それが流出してくるわけです。山の上にそういうものがあって、災害で流されてしまった。それは流出するわけです。そういうことを含めて管理していかないと県としておかしいのではないかと思うわけです。そういう意味合いでこれから検討していただければよろしいのかなと思います。
もう一つリサイクルの話がありまして、リサイクルについてもそのとおりだろうと思います。世の中がどんどん変わっていくのでそういうリサイクルを当然考えていくのだろうと思いますが、ただ、ガラスも大量にあるわけです。大量のガラスについて今の時点ではどうできるかというと、リサイクルしている分もあるけれども、今後発生する分を全部処理できるかというとほとんど不可能な話なわけです。そうしますと、これは最終処分場そのものについて量的なものを考えなければいけないときだと思うんです。今回、最終処分場を県として計画しているわけでありますが、太陽光パネルの分、ガラスの分、そういうものについてどう考えているのかお伺いします。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 現在、ガラスくずも含めた最終処分ですが、県が関与しております奥州市のいわてクリーンセンターでは、大体年4万トンほど埋め立てしております。現在のところは使用済み太陽光発電パネルの量は少ないんですけれども、今後急増する中で、適切に分別され、全体の埋立量を少なくして適正に処理していくというふうに考えております。
〇高橋孝眞委員 十分考えて対応していく必要があると思います。先ほど言いました部分については年間80万トンという意味合いですので、岩手県でどの程度あるのかわかりませんけれども、そういう部分もきっちりと把握して、処分場の設置、量、そういうことを再度十分検討した上で進めていく必要があるのではないかと思いますので、要望しておきます。
〇柳村一委員 自然保護費の自然公園等保護管理費について伺います。
平成28年度の施設等の管理の状況についてお伺いします。
〇小笠原自然保護課総括課長 県では、自然公園内の県有施設を適正に管理するため、自然公園保護管理員を全県に59名配置しておりまして、日常的に巡回点検を実施し、必要に応じて施設の補修などを行っているところでございます。
今後とも、県内の自然公園を安全かつ快適に利用していただけるよう、環境省や市町村とも連携しながら適切な管理を図ってまいりたいと考えております。
〇柳村一委員 その管理員の補修に関しては、標識等も入っているわけでしょうか。
〇小笠原自然保護課総括課長 管理員の皆さんにお願いしているのは本当に軽微なものでして、大きなものは私どものほうで事業者にお願いして整備しているところでございます。
〇柳村一委員 その事業者にお願いしている整備についてですけれども、どのような計画で登山道などを整備なさっているのかお伺いします。
〇小笠原自然保護課総括課長 限られた予算の中で、優先順位なども決めながら段階的に整備を行っている状況でございます。
〇柳村一委員 例えば、登山者が歩きづらい、わかりづらいものを県でもちゃんと認識して、そこを整備していかないと整備する意味がないんですけれども、そういう情報などはしっかりと捉えていらっしゃるのでしょうかお伺いします。
〇小笠原自然保護課総括課長 登山者の御意見等につきましては、先ほど申し上げました自然公園保護管理員や、さらにグリーンボランティアに委嘱して周辺の見回りなどもしていただいております。定期的に報告をいただいておりますので、そういった方々の御意見をいただきながら施設の整備を進めているところでございます。
〇柳村一委員 ことしも岩手山の5合目で遭難者が出たということで、ふだんから登っている人間にとっては、あそこら辺でどうすれば遭難するのかという思いでもありましたし、山に登っているとき、例えば不動平で霧が出たとき、明らかに登ってきているのに下山はこちらですかと聞いてくる人がいる。ふだん登っている管理員や地元の登山者などはわかっているからいいのですけれども、初めて山に来て登る方々はやはり状況によっては迷ったりすると思うので、そこら辺の情報を収集しないと遭難者が出てくると思うんです。ですので、そこら辺をもう少し強化するべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇小笠原自然保護課総括課長 委員御指摘のとおり、初心者の方にはやはりわかりにくい部分もあると思います。そういったところをうまく御意見を集められるように、今後工夫していきたいと思います。
〇柳村一委員 岩手の自然というのは観光の一つの目玉ですので、そこら辺をしっかり整備して、関東や日本アルプスとか、あちらの登山道というのは初心者でも行けるようにすっかりきれいに整備されていて、逆に未整備なのが岩手の魅力なので、来た方皆さんがいい山ですねと言われるので、そこら辺しっかりと対応して、不備のないようにお願いしたいと思います。
次に、自然公園施設整備事業費についてお伺いしたいと思います。
平成28年度の自然公園と観光の連携についてどのようなことをなされたのかお伺いします。
〇小笠原自然保護課総括課長 平成28年度におきましては、国が進める国立公園満喫プロジェクトに国内32カ所の国立公園の中から十和田八幡平国立公園が選定されておりまして、昨年12月には、国、関係地方公共団体による協議会を設置いたしまして、十和田八幡平国立公園ステップアッププログラム2020を策定したところでございます。今後、国、県、市町村で役割を分担しながら、利用拠点や受け入れ態勢の整備を進めていくこととしております。
また、十和田八幡平以外の自然公園におきましても、商工労働観光部や市町村などと協力しまして、岩手の自然を観光資源として活用していけるように今後努めていきたいと考えております。
〇柳村一委員 国内8カ所の中に十和田八幡平国立公園が選ばれたというのはとてもうれしいことですけれども、その中で、ほかの国立公園は結構目玉があって集客もできるでしょうし、インバウンドでも2015年の490万人から2020年には1、000万人に倍増させるという計画ですけれども、現在の十和田八幡平国立公園に外国人の方はどれぐらいいらしているのか。その協議会で話し合われたそうですけれども、それをどのぐらいの規模まで伸ばしていこうとお考えなのかお伺いします。
〇小笠原自然保護課総括課長 外国人利用者数でございますが、2015年におきましては7、000人でございまして、それを2020年に2万1、000人にしようということを目標にしております。
〇柳村一委員 ということは、8カ所の国立公園の中では多分一番インバウンドの恩恵が少ない国立公園になると思いますけれども、十和田八幡平国立公園の目玉は何なのかをアピールしていけば、ほかの国立公園に負けないようなものは持っていると思うんです。実際問題、バックカントリーとかそういう部分で個人的に来ている方々もいらっしゃいますし、安比高原などには中国人や台湾人のスキー客とかが来ているので、そこをもっと強化することによって、2万1、000人じゃなくてせめて2桁の目標を掲げるぐらいの意気込みでやっていただきたいと思います。その中で、国立公園というのは自然を保護するという部分もあって、なかなか観光等の強化は難しいと思うんですけれども、関係の八幡平市との連携はどのようになっているのかお伺いします。
〇小笠原自然保護課総括課長 今回の満喫プロジェクトにおきましても、八幡平市の旧レストハウスの解体、整備につきましても、国の交付金などをいただいて解体して頂上付近を整備するという計画をしておりまして、八幡平市とも連携しながら十和田八幡平を整備して誘客を図っていきたいと考えております。
〇柳村一委員 バックカントリーにしても登山にしてもガイドがいれば観光客も心配なく観光できるという部分で、ガイドや国立公園を紹介する拠点がなければいけないと思うんですけれども、八幡平市に置くのか盛岡市に置くのかそこら辺はわからないですけれども、PRの拠点の整備の考えはあるのでしょうか。
〇小笠原自然保護課総括課長 拠点の整備ということでございますけれども、松尾八幡平ビジターセンターに映像システムも今後整備する予定にしておりまして、そういったところを中心に人が流れるような仕組みができればと考えております。八幡平市の観光協会でも登山や散策のいろいろなプログラムを設けておりますので、そういったものを外にうまく発信していければと考えております。
〇柳村一委員 八幡平のビジターセンターは結構目立たないところにあるので、PRするにはちょっと不適当かなと思うんですけれども、インターネットなども活用しながら一生懸命頑張っていただきたいと思います。
三陸復興国立公園についてもお伺いしたいんですけれども、東日本大震災津波からの復興を目的としたということで国では前例のない国立公園となっていますが、被災したわけでありまして、その後の整備状況は今どうなっているのかお伺いします。
〇小笠原自然保護課総括課長 東日本大震災津波による県有施設の被害は16カ所となっておりまして、そのうち、現在、3カ所のみが復旧済みとなっております。今後、国の自然環境整備交付金を活用して順次整備を進めていきたいと考えております。
〇柳村一委員 復興と復旧の整備の中でも、やっぱり観光の面でお客さんを呼ばなければいけないと思います。議員連盟でサッパ船のアドベンチャーに行ったりしましたけれども、ロケーション的にはすごくいいところですので、一日も早い復旧、復興をしてもらってお客さんを呼べるような環境にしてもらいたいと思います。この国立公園の中にはビジターセンターが3カ所ございますけれども、そこら辺の来場者数というのは震災後ふえているのでしょうか減っているのでしょうか。
〇小笠原自然保護課総括課長 ビジターセンターの来場者数ですけれども、平成28年度は47万4、000人という数字はございますが、推移が手元にございませんので、そこは御了承願えればと思います。
〇柳村一委員 復興国立公園にしても、やっぱりビジターセンターが先ほどの八幡平と一緒で核になると思いますので、そこら辺でしっかりと三陸復興国立公園をPRするとともに、関係市町村と連携して観光の面で一生懸命やってもらいたいと思います。
港湾の議員連盟で行ったときバス観光客とお会いしました。八戸に新幹線がとまるので、新幹線で八戸まで行ってバスで南下して、最後は仙台空港から帰る、そういうツアーが組まれているようで、それはなかなかいいなと。復興道路ができればそういうルートもできるでしょうし、さまざまなルートがあると思いますので、自然のロケーションがいいところを今後ともしっかりとアピールして観光客集客に向けていただきたいと思いますけれども、そのお考えをお聞きして終わります。
〇津軽石環境生活部長 今、御意見があったとおり、岩手県は三陸復興国立公園、十和田八幡平国立公園と国立公園が二つありますし、国定公園も栗駒、早池峰とございます。そのほかに世界遺産もあるということで、そういった意味では、自然、歴史を含めて集客を見込める部分がたくさんあると思っておりまして、我々も、自然公園サイドではございますけれども、今後、自然公園の活用ということ、保護も大切ですけれども、活用という観点をより重視しながら、いろいろなイベントもございますので、積極的に対応してまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 私からは、早池峰の環境についてお伺いしたいと思います。
早池峰の河原の坊側だったと思いますが、登山道で崩落がありましたけれども、その復旧状況はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。
〇小笠原自然保護課総括課長 私も5月に現地を見てきたところでございますけれども、随所に浮き石や土砂の流失が確認されております。そういうことで、さらなる崩落の危険があることから、今シーズンも河原の坊コースは通行禁止としているところでございます。
現在、学識経験者や山岳関係者を構成員といたします早池峰河原の坊登山道調査委員会を設置しておりまして、今年度中に土質調査等を行いまして、平成30年度以降の対応について検討することとしているところでございます。
〇城内よしひこ委員 昨年も同じ話を聞いているんですが、昨年と同じような答えでした。自然に崩落するのを待っているというような捉え方もできると思うんですが、早池峰の宮古側のアイオン沢は50年近くかかって災害復旧した崩落ですが、それに類似しないような形で早急に復旧してほしいと思っています。何せ、先ほど柳村一委員からもありましたとおり三陸復興国立公園の潮風トレイルのコースにもなっていますし、そういったことから三陸地域の誘客の目玉でもあると考えておりますが、その辺どう考えているかお伺いしたいと思います。
〇小笠原自然保護課総括課長 現地の様子は、想像以上にひどい状況といいますか、かなり土砂が動いている状況にございます。そういうこともありまして、復旧にはやはり時間を要すると見込まれております。今年度の委員会で学識経験者の意見をお聞きして、今後の方向、対応について検討してまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 ぜひ積極的に復旧を図ってほしいと思います。
次に移りますけれども、早池峰山に登山客がどれぐらい入っているのか。ここも、何でこういうところでと思うんですけれども、ドクターヘリなどが飛んだりして救急搬送しておりますが、そういった状況をどのように捉えているのかお伺いしたいと思います。
〇小笠原自然保護課総括課長 早池峰山の登山者数でございますが、自然公園保護管理員による調査では、平成26年が1万7、832人、平成27年が1万5、767人、平成28年が1万4、464人となっております。
事故の件数でございますが、警察本部の山岳遭難発生件数によりますと、平成26年が2件、平成27年が3件、平成28年がゼロ、そして平成29年9月末で3件という状況になっております。
〇城内よしひこ委員 この山は比較的登りやすい山ということで、3時間ぐらいで登れますし、下りもそういう形の山であるがゆえに軽装で登る方がたくさんいらっしゃいますので、監視員、レンジャーの方々に─ボランティアの方々も含めて、装備も含めて注意を喚起してほしいと思います。その辺の考えはどうでしょうか。
〇小笠原自然保護課総括課長 登山者への注意喚起でございますけれども、自然公園保護管理員やグリーンボランティアが定期的に巡回しておりますので、そういった機会を捉えて適切な指導などをしていければと考えております。
〇城内よしひこ委員 人がたくさん登る中で、早池峰山には希少な植物があります。ハヤチネウスユキソウという有名な植物があるわけですが、そういった植物の盗掘も含めて大分数が減ってきているようでありますが、希少な植物の状況はどのようになっているでしょうか。
〇小笠原自然保護課総括課長 ハヤチネウスユキソウについては、県では、平成21年度から早池峰山に7地点の調査ポイントを設定いたしまして、毎年度、生育状況調査を実施しているところでございますが、全体的に減少傾向となっているところでございます。
なお、早池峰山におきましては、ハヤチネウスユキソウ等の希少種保護のため、自然公園保護管理員を配置しまして、盗採防止のための巡回、登山者が登山道から出ないような指導を行っているところでございます。今後もそういった取り組みで監視を進めていきたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 そうはいっても希少な植物が減っていく状況にあるということで、やっぱりこれはしっかりと対応を考えてもらわないといけないと思います。
先ほど工藤勝子委員からも鹿という話が出ました。私も一般質問等でさせてもらいましたけれども、先ほど早池峰山の中腹部分まで鹿がたくさん行っているという話がありました。定点カメラでの調査も県では行っているようでありますが、その状況はどのように捉えているのかお伺いしたいと思います。
〇小笠原自然保護課総括課長 定点カメラあるいはシカ監視員の現地調査によりまして、鹿による採食活動などが確認されているところでございます。ただし、現時点では、鹿による高山植物の食害については確認されていないところでございます。今後、鹿による希少な高山植物の食害が懸念されますので、森林管理局や猟友会などと連携しながら効果的に捕獲を進めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 最後にしますけれども、そういった状況が傾向として続いているということでありますので、もう少し定点カメラを鹿対策も含めてふやしてはどうかと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
〇小笠原自然保護課総括課長 早池峰山周辺につきましては、県だけではなく森林管理局でもカメラやGPSを鹿につけて移動の範囲を調査したりしております。そういったところをお互い連携しながら、効果的に鹿対策が進められるように今後努めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 いずれ、絶滅してしまってからでは何ともなりません。そういったことを見据えた形で、関係部局と連携しながらしっかりと対応していただきたいと思います。
〇佐々木宣和委員 生活衛生関係営業に関して伺いたいと思います。
ことしは生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律、いわゆる生衛基本法が制定されて60年でございまして、この間、社会経済情勢は目まぐるしく変化し、また、県民のライフスタイルの変化、ニーズが多様化するなど、環境が大きく変わっているところでございます。そしてまた、本県においては東日本大震災津波からは6年7カ月、台風第10号災害からは1年2カ月、被災された事業者は厳しい環境下にあります。
生活衛生関係営業は特にも地域に密着した産業であり、この産業が元気になることはコミュニティーの再生に非常に重要であると考えております。被災地における生活衛生関係営業の本店舗建設が進んでおりますが、建設に向けた経営指導のみならず、移転後の経営安定までの支援も必要でありますことから、経営指導員、相談員が非常に重要であると思いますけれども、相談、指導体制について、平成28年度の状況、平成29年度の体制を伺います。
〇田中参事兼県民くらしの安全課総括課長 生活衛生業の経営指導員の人員体制についてでございますけれども、経営指導員につきましては、平成28年度、平成29年度ともに岩手県生活衛生営業指導センターに常勤2名、非常勤1名、計3名を配置しているところでございます。
また、県では、生活衛生業者に対する助言、指導を行うベテランの生活衛生同業組合の組合員を経営特別相談員として平成28年度は72名、平成29年度は10月に76名を委嘱し、営業者に対して助言、指導を行っているところでございます。
〇佐々木宣和委員 経営特別相談員は平成29年8月時点で72名から81名と、新たに9名の方が嘱託されたところと思います。これから再建に向けてきめ細やかな対応が必要と思いますので、引き続きこの相談、指導体制が保たれるようにお願いしたいと思います。
続きまして、標準営業約款、いわゆるSマークについて伺いたいと思います。
このSマークの目的、どういったものかというところと登録状況、そしてまた、岩手県として周知の取り組みをどうされているのか伺いたいと思います。
〇田中参事兼県民くらしの安全課総括課長 まず、標準営業約款制度についてでございますけれども、この制度は、生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律に基づきまして、全国生活衛生営業指導センターが、消費者の利益擁護の視点から、理容業、美容業、クリーニング業などの生活衛生関係営業が提供するサービスや技術、設備の内容、損害賠償等の基準を定めたものであります。この基準以上のサービスを行う者を岩手県生活衛生営業指導センターにおいて登録する制度となっております。このSマークは、店舗にマークを掲げることによりまして、約款に定められた基準以上のサービスをしている登録店舗であることを示すシンボルマークとなっております。
その登録状況についてでございますが、平成29年8月1日現在、理容業につきましては312店舗、美容業は395店舗、クリーニング業は38店舗、一般飲食店営業は9店舗となっております。
制度を周知するための取り組みについてでございますが、岩手県生活衛生営業指導センターではホームページ上で標準約款制度について紹介しているほか、制度内容を印刷したポケットティッシュ等を配布する等の街頭宣伝を行っているところでございますし、また、Sマークについては、県民が安心して利用できる店舗を選択するための重要な情報であることから、県におきましてもホームページにおいて県民くらしの安全だよりに掲載して県民に対しSマークの周知を図っているところであり、今後も機会を捉えて情報発信に努めてまいりたいと考えております。
〇佐々木宣和委員 周知のところをすごく県にやっていただきたいと思っておりまして、Sマーク─セーフティー、サニテーション、スタンダード─は県民がお店を選ぶときの基準の一つとなり得るものだと思いますので、引き続き周知に取り組んでいただきたいと思っております。
最後に、平成28年度の生活衛生業の状況、また、県の取り組みを総括して所感を伺って終わります。
〇田中参事兼県民くらしの安全課総括課長 平成28年度の生活衛生関係営業の状況と県の取り組みの総括という御質問でございますが、平成28年度末の施設数はまだ公表されていないことから平成27年度末時点で申し上げますと、旅館、公衆浴場、理美容所、クリーニング所等の生活衛生営業関係の施設は、県内全体で2万5、073施設ございます。過去10年の傾向といたしましては、美容所はほぼ横ばいですけれども、その他は減少傾向にあります。
生活衛生関係営業は、地域の生活に密着したサービスを提供する営業であり、公衆衛生の向上や地域の活性化にも重要な役割を担っているものと認識しております。また、平成28年度の希望郷いわて国体、希望郷いわて大会では、衛生的な環境で心のこもったおもてなしにより、食中毒等の発生もなく、大会の成功に貢献いただいたところであります。
県といたしましては、営業者の高齢化や零細な営業者が多いという課題もありますことから、今後も必要な監視、指導を行うほか、生活衛生業者との意見交換等を通じまして、生活衛生業者の健全な経営が図られるよう支援するとともに、また新たな需要を開拓するセイエイ百貨店等の取り組みもございますので、これに対しても支援してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 昨年の台風第10号災害にかかわる災害廃棄物の処理状況についてお聞きします。
災害廃棄物の量と処理状況はどうなっているか、今後の見通しを含めて示してください。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 平成28年台風第10号において発生しました災害廃棄物の量、処理状況、今後の見通しについてであります。
台風第10号におきましては、局地激甚災害の指定を受けた宮古市、久慈市、岩泉町が本年度も災害廃棄物の処理を行っておりまして、災害廃棄物量の見込みは、10月1日現在で、それぞれ約1万2、000トン、約6、000トン、約7万5、000トンと伺っております。
また、処理状況及び今後の見通しにつきましては、久慈市におきましては、この9月に災害廃棄物の処理が終了し、当該廃棄物の仮置き場敷地の返還等の手続を残すのみと聞いております。宮古市におきましては、本年度末の平成30年3月の終了を目標としておりまして、可燃ごみなどの処理を終了し、木くずやその他の廃棄物の処理を進めているところと聞いております。三つ目に、岩泉町におきましては、現在、本格的に災害廃棄物の破砕、選別が行われておりまして、可燃ごみなどの処理が進められ、平成31年3月の処理終了を目指していると聞いております。
〇斉藤信委員 それでは、3市町の自治体の負担額はどうなるでしょうか。一般財源になるのか、またはその他の財源手当てがあるのか示してください。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 最終的な自治体の負担額でございますが、宮古市、久慈市及び岩泉町の災害廃棄物処理におきまして、補助対象となる処理については、3市町とも局地激甚災害の指定を受けていますことから、国庫等の措置を除く災害査定額の4.3%が自治体負担となる見込みでございます。これにつきましては、被災市町村の負担が軽減されるよう国にも要望してまいりましたが、実現しておりません。よって、県としましては、効率的な災害廃棄物処理により経費の削減を図り、できる限り市町村の負担を軽減できるように必要な助言をしてまいりたいと思います。したがいまして、一般財源での手当てになると考えております。
〇斉藤信委員 私は負担額を聞いたんだから、負担額、これは推計でもいいので示してください。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 3市町の自治体負担額の推定額でございます。
まず、久慈市の査定決定額が約4億4、000万円余でございますので、これの4.3%ということで、自治体負担の推定額は1、900万円余。宮古市につきましては、同様に3億1、000万円余の査定額に対しまして、自治体負担額が1、300万円余。岩泉町におきましては、査定額が36億6、700万円余に対しまして、自治体負担の推定は1億5、700万円余と考えております。
〇斉藤信委員 岩泉町は災害廃棄物の量も多いし、そして、負担額も今聞いたら1億5、700万円、私は大変な負担だと思うんです。県の支援策が必要だと思いますけれども、いかがですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 岩泉町の負担額の推定額は今申し上げたとおりでございますが、県としましては、効率的な災害廃棄物の処理によりましてその処理費の軽減を図っていくことで岩泉町の負担軽減をしていきたいと思っています。これに伴う必要な助言をしてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 余り見えない支援策だけれどもね。岩泉町の場合には東日本大震災津波の10倍近い被害額となっているので、きょうは災害廃棄物のことだけ聞きましたけれども、その他もそうなんです。だからこれは大変なことになるので、基本は、やっぱり国がきちんとした手当てをとることです。そのことを軸にしながら、県としても具体的な支援策を考えていただきたい。
2点目ですが、盛岡ごみ処理広域化計画についてお聞きします。
まず、広域化計画、その進捗状況はどうなっているでしょうか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 盛岡広域のごみ、し尿処理広域化につきましては、8市町の首長で構成します県央ブロックごみ・し尿処理広域化推進協議会を設置して検討を進めておりまして、平成26年度に基本構想を策定しております。その後、当該推進協議会が設置しましたごみ処理施設整備候補地検討委員会が本年3月に報告書を提出し、5月の推進協議会を経て4カ所の整備候補地を選定したところでございます。
また、本年7月からは、4カ所の整備候補地の地域住民等に対して住民説明会を行っているところと承知しております。
〇斉藤信委員 4カ所で説明会をやられていますけれども、ほとんどのところで住民が反対しています。きょうの新聞にも出ていました。きょうの新聞には盛岡市の前潟地区でも地元の署名を含めて反対と。盛岡市長は、住民の理解と合意を得て進めると言っているんです。だったら、これは進まないんじゃないですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 ただいまの住民説明とごみ処理広域化の推進でございますが、これにつきましては、盛岡市において丁寧に地域に説明していくものと考えております。
〇斉藤信委員 私、今も言ったでしょう。盛岡市長は、住民の合意を踏まえて対応する、何度も言っています。説明会でも言っています。しかし、ほとんどがみんな反対なんですよ。特に今、クリーンセンターのあるところは覚え書きを締結していて、新たに焼却場をつくるときには分散型にすべきだと合意しているんです。だから、覚え書きと違うじゃないかと。協議も受けられないと。これは町内会みんな確認してそうなっているんですよ。
確認しますけれども、盛岡市長が住民の理解と合意を得て進めると言っているのはあなたは知っているでしょう。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 ただいまの盛岡市長の方針につきましては、いろいろ報道等で聞いております。
〇斉藤信委員 これだけほとんどの地域から反対の声が出てくるというのは、やっぱりこの広域化計画に無理があったと思います。そもそも住民の合意を無視して、覚え書きを無視して進めること自体、私は出発点で間違ったと思うけれども、8市町村のごみを盛岡一極集中するという発想と計画が私は間違っていたと思います。
県央ブロックのごみ量というのは、県内全体でどのぐらいを占めますか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 済みません、詳しいデータを持ち合わせておりませんので、後でお答えいたします。
〇佐々木朋和委員長 斉藤信委員の質疑の途中でありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。斉藤委員、御了承願います。
午前11時56分 休 憩
午後1時3分再開
〇ハクセル美穂子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 平成27年度に県内で排出された可燃ごみにつきまして、県内全体量に占める県央ブロック、盛岡広域の量は約4割になっております。
〇ハクセル美穂子副委員長 質疑を続行します。
〇斉藤信委員 県内の4割のごみを盛岡市に一極集中すること自身が私は大問題だと思いますよ。それで、ごみ処理広域化の問題は大きく言って二つあると私は思います。一つは、いわば施設がつくられる地域が一番被害を受けるということです。盛岡市にクリーンセンターがつくられて、15年間で1、000トンの有害廃棄物が排出されました。これは盛岡市が認めています。これからさらに、今250トンぐらいのものを日量500トンという規模にしたら、この2倍以上の有害廃棄物がその地域に排出される。これはもう地域にとっては大変な問題だから、みんな反対しているんです。
もう一つの問題は、8市町村で一極に集中したら、ほかの市町村のごみ問題に対する意識が低下するということです。このごみ処理広域化計画を撤回する会が各市町村長と懇談しました。八幡平市の市長はこう言っています。県が広域化計画に固執しているから問題なんだと。盛岡市につくると市民がごみ問題に無関心になる、それが実態だ。県の計画は破綻している。固執するなと自分は言っている。こう言っていますよ。
葛巻町の町長は、地元で処理するのが本来だ。国が広域化しないと認めないというところからこの問題は出発している。ここは自前でかなり生ごみなども処理して、減量が進んでいるところであります。
こういう形で、8市町村も本当は足並みがそろっていないんですよ。私は、こういう二つの大きな問題を打開するには、岩手県全体のごみの4割を盛岡市に一極集中するという広域化計画は見直すべきだと思いますが、部長に聞きましょう。
〇津軽石環境生活部長 ごみ処理広域化につきましては、これは一般論でございますけれども、今後、人口も減少化してまいりますし、市町村財政もそれに伴って厳しくなってくる。そういった中で、県とすると、今後、永続的なごみ処理体制を県内につくっていく必要があり、集約化することについては、やむを得ない部分があるかと思っております。
そういったことから申し上げると、県内5ブロック、いろいろな形で段階的に行われている部分もありますけれども、そういった集約化については、ある程度妥当なものではないかと思っている次第でございます。
〇斉藤信委員 残念ながら既成事実を肯定する立場でありました。
八幡平市長も8市町村長もみんな誤解しているんですが、県が広域化計画に固執しているから押しつけられているんだと。県は押しつけているんですか。広域化計画というのは、県が押しつけてやっているものですか。県の役割はどこにありますか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 盛岡広域ごみ処理計画あるいは県ごみ処理広域化計画につきましては、県が押しつけているものではございません。県ごみ処理広域化計画の性格につきましては、一般廃棄物の広域処理を推進するための基本となる指針としているところでありまして、県として、広域化を進めることが望ましいとの考えから、市町村に対して技術的助言を行っているものでございます。
あと、役割につきましては、部長も答弁しましたが、市町村がごみ処理施設を長期的に安定して運営していくための基本的な考えを県が示すということと認識しております。
〇斉藤信委員 確認しました。押しつけるものではない、押しつけられるものでもないと。ところが、どういう形であなた方が押しつけているかというと、広域化計画と整合性のない焼却場の整備については国の交付金の対象にならない、こう言っているんですよ。しかし、これは間違いですよ。環境省もそういう広域化は条件にしていないと言っています。
そして、総務省は昨年3月に、一般廃棄物処理施設の整備・維持管理に関する行政評価・監視(結果に基づく勧告)というものを出していて、ここでは、循環型社会形成推進交付金交付要綱、これは、人口5万人以上または面積400平方キロメートル以上の計画対象地域を構成する市町村が対象だと。現行の交付金の交付対象要件は、ほとんどの市町村が単独で地域計画を作成できる状況となっており、市町村を広域化へ誘導する効果が乏しい。総務省もこう言っています。広域化が条件じゃないのではないですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 市町村等がごみ処理施設の整備を進める際に循環型社会形成推進交付金を活用しますけれども、これにつきましては、まず、廃棄物処理法によりまして、環境大臣が定める廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針におきまして、市町村は、地方公共団体が策定する広域化に係る計画との整合を図ることとされております。
交付金を活用するに当たりましては、市町村は、その地域計画を策定することとされていますけれども、この地域計画については、先ほど申した環境大臣が定める基本的な方針に沿って作成することとされているという流れから、その上で、委員おっしゃったような人口5万人以上などの交付要件を満たした場合、交付金の対象とするというものでございます。
したがって、広域化計画と整合性のない地域計画につきましては、交付金の対象とならないものと解されます。
〇斉藤信委員 環境省がこれまでも、広域化が交付金交付の必須条件ではないと明言しているんですよ。そして総務省も、私が今紹介したように、現行の交付金の対象要件は、市町村を広域化へ誘導する効果が乏しいとなっているんですよ。
あなたは具体的、法的根拠を示せますか。広域化計画に基づかなかったら、この交付金は出ないんですか。はっきり答えてくださいよ。ここは皆さん誤解していますからね。それが押しつけの最大の理由になっているんですよ。そこをはっきり示してください。法的根拠を示して。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 法的根拠ということでございますが、先ほど答弁しましたとおり、廃棄物処理法に基づき環境大臣が定める基本方針にのっとって、ここに書かれていますとおり、市町村は、県の広域化計画に係るものとの整合を図ることとされています。法の根拠のもとで、基本方針にのっとった計画とすることと、あとは、交付金の地域計画につきましても、この基本方針にのっとっていかなければならないということで、県の広域化計画に即して1カ所整備していかなければならないと解しています。
〇斉藤信委員 私は課長の解釈を聞いているのではないんです。いいですか、総務省の昨年3月の勧告がなぜ出たかというと、全国で広域化が進んでいないからなんですよ。そして、もう一方で、社会情勢が変化したから長寿命化計画をやりなさいと。長寿命化計画がつくられていないじゃないか、こうやって勧告されているんですよ。長寿命化計画を出したら交付金の対象になるのではないですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 長寿命化につきましても、先ほど答弁したとおりの基本方針にのっとり、あるいは交付金を受けるには、交付要綱に該当しなければなりませんので、県としましては、県の広域化計画に即して長寿命化計画も図っていく必要があるものと解しております。
〇斉藤信委員 そうであれば、盛岡市の県央ブロックは、最初は3カ所で計画されていたんですよ。それがいつの間にか1カ所になってしまった。3カ所の計画でも、これは交付金の対象になりますね。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 既に、県央ブロックにつきましては1カ所に集約するということで基本構想をまとめておりますので、1カ所で進むものと考えております。
〇斉藤信委員 私は冒頭言ったように、今4カ所の計画があって、ほとんどのところで反対の声が上がっていますよ。簡単に進みませんよ。そして、二つの大問題を指摘しました。こんな大規模な施設をつくったら、その一つの地域に有害廃棄物の影響、被害が集中する。一方で、8市町村という広大な地域でごみ問題に対する意識がなくなってしまう。
ごみ問題の根本は減量、リサイクルですよ。大体盛岡市の県央ブロックは、ごみ問題の減量、リサイクルの計画もなしに大規模施設の整備を考えているのではないですか。準備が逆じゃないですか。本来、どれだけごみを減量できるのか、その結果を踏まえて焼却施設の規模とか内容等は決めるべきではないですか。
1カ所に決めているからといって、あなた方に押しつけられて1カ所になったんですよ。あなた方が押しつけないと言ったら、この計画は変わりますよ。八幡平市の市長もそう言っている、みんな言っていますよ。8市町村の首長は、これはもう県が、交付金が出ないからといって1カ所で仕方がないと。しかし、それではごみ問題は解決しないと。こういう深刻な矛盾を今抱えて、地元からも反対が上がっていると。
部長、この経過をわかっていますか。環境省も広域化が条件ではないと言っている。総務省の勧告を読みましたか。広域化が進まないから長寿命化をきちんとやりなさいと。人口5万人以上が対象になるんだから広域化はもう問題になりませんよ。部長、私の質問に答えてください。
〇津軽石環境生活部長 広域化の経緯については所掌する事務の範囲内で存じ上げておりますし、それから、総務省の勧告につきましても、一応拝見させていただいてはおります。その中では、いわゆる広域化を進めるに当たっての考え方を環境省が示すべきだというような趣旨と私は受け取っております。
〇斉藤信委員 それで、現実問題として、県北では今、広域化を見直して長寿命化で対応していますね。そして、県南ブロックもそうじゃないですか。これも見直して、一関市の焼却場問題は、住民の反対を受けて、これまた押しつけるという大問題だけれども、あれは広域化計画と違いますね。それで、将来、計画が残ったとしても、では、3カ所から次の方向を考えましょう、これでも交付金は出るはずですよ。それでも出ないと言いますか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 循環型社会形成推進交付金につきましては、広域化計画と整合性のない地域計画は交付対象とならないものと解しております。
県北ブロックの地域計画及び県南ブロックの基本構想におきましては、現有施設の延命化を実施した上で集約化を検討することとされており、県の広域化計画との整合性は図られていると考えております。
〇斉藤信委員 私の質問に正確に答えていない。例えば盛岡広域は、あなた方が1カ所だと押しつけたから1カ所の計画になったんですよ。しかし、市町村長は納得していませんよ。では、とりあえずは3カ所にしましょうと。行く行くは1カ所にするかもしれないが、3カ所にしましょう、そういう計画でも、県南と同じように、これは循環型社会形成推進交付金の対象になるでしょうと私は聞いているんですよ。それもできないと言いますか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 何度も申し上げていますとおり、盛岡広域においては、既に一つに集約するということが決められておりますので、これは一つにするということで進んでいくと考えております。
〇斉藤信委員 あなたのそういう固執した1カ所でなければ交付金が出ないという言い方が、問題を深刻にさせているんですよ。県北でも県南ブロックでも、1カ所の計画にもかかわらず、当座は一関市の整備をしましょう、長寿命化しましょうとやっているじゃないですか。
盛岡広域も、当座は3カ所でやりましょうと言ったら、これも当然交付金の対象になることは明らかじゃないですか。どこが違うんですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 例えば、初めに3カ所に整備するといいましても、最終的にこの広域化計画との整合性ということで1施設に集約するという計画のもとでなされるものと考えております。
〇ハクセル美穂子副委員長 斉藤委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力願います。
〇斉藤信委員 了解しました。
最後にします。まともな答弁がないから時間がかかったと。私は本当に残念です。
私は、広域化計画の二つの大問題を言いました。これ、最後に聞きますよ。二つの大問題、これをどう解決しますか。
もう一つは、県央、県南ブロックで広域化計画とは違う長寿命化をやっている。盛岡広域だって長寿命化計画の方向性はあるはずですよ。そして、何よりも、ごみ問題の解決といったら、ごみの減量、リサイクル。なぜこの順番が逆になって、大型焼却施設ありきで、その後にごみの減量計画を立てるなどということになっているんですか。あなた方が押しつけているから、この順番が狂っているのではないですか。
やっぱり地元でしっかり議論させるべきですよ。そして、あくまでも住民の理解と合意を得てこれを進める、住民自治の立場でこれに対応すると。このことを最後に聞いて、終わります。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 委員指摘の問題につきましては、盛岡広域の構成市町村できちんと考えていくものと考えております。
また、盛岡広域におきましても、平成41年度の1施設への集約の前に、必要に応じて長寿命化を行っていく計画と聞いておりますので、そういったことで進んでいくものと考えております。
〇小西和子委員 では、私からは1点のみお伺いいたします。DV防止対策についてお伺いいたします。
個人の尊厳と法のもとの平等が日本国憲法にうたわれ、男女平等の実現に向け男女共同参画社会基本法の推進など、さまざまな取り組みが行われております。しかしながら、配偶者からの暴力が大きな社会問題となっており、人権の擁護と男女平等の実現にとって大きな妨げとなっております。
そこでお伺いいたします。平成29年度の現状と─これには、できれば前年度比もお願いしたいと思います─岩手県におけるDVの現状をどのように分析しているのかお伺いいたします。
〇高田青少年・男女共同参画課長 DVの現状等でございますが、県内12カ所に設置している配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談状況を見ますと、平成29年度の相談件数は、9月末現在で878件と前年同期の1、011件と比べ133件の減となっております。
警察への相談件数につきましては、本年9月末現在で315件であり、前年同期の347件と比べ32件の減となっているところでございます。
また、DVにより一時保護された女性の人数につきましては、本年9月末現在で13名と前年同期に比べ1名減となっているところでございます。
ただ、年度ごとに増減はあるものの、相談件数、一時保護人数とも、数年の傾向としましては増加傾向にあると考えております。
相談内容につきましては、加害者との別居や離婚に向けた手続や離婚後の生活に対する不安などの相談が多くなっているところでございます。
〇小西和子委員 まず、今の時点であれば前年度よりは減っていますというようなお答えでございました。
昨日は児童虐待対応についても質問したわけですけれども、近年、面前DVというものが増加しておりまして、そのことによって児童虐待対応件数が急増しているということになっております。
面前DVというのは、暴力だけじゃなくて、精神的なDVも子供たちにとってはすごく影響があると言われておりまして、DVを目撃した子供に起こることということで、成長障がいとか心身症や接触障がい、チックや夜尿症、睡眠障がいや愛着障がい、脳の変容、自傷行為とか対人関係がうまくつくれないとか、不登校や引きこもり、それから暴力の連鎖、それを見て育った子供は同じように暴力を振るうようになるというような、本当に大変な問題だと思っております。
そこでお伺いしますけれども、近年、面前DVの増加による児童虐待対応件数が急増しております。直接は保健福祉部のほうでお伺いしましたが、とにかく、DVを防ぐためにどのような対策を講じているのかということでお伺いしたいと思います。
〇高田青少年・男女共同参画課長 まず、DVへの対応につきましては、11月の女性に対する暴力をなくす運動の期間に開催する一般県民を対象としたいわてDV防止基礎セミナーや県警音楽隊によるDV防止啓発ミニコンサートなどを通じて、DVについての理解促進を図っております。
また、面前DVの防止については、これから子供を育てる年代への意識啓発が重要とのことから、高校生や大学生を対象とした出前講座など、若年層への啓発を行い、配偶者暴力防止に向けた教育、啓発を行っているところでございます。
DV被害者に対する支援につきましては、緊急時の安全確保ができる一時保護所での保護や夜間、休日に避難してきた被害者への宿泊場所の提供など、さまざまな制度で支援を行っているところでございます。
また、医療機関や医師、児童委員、民生委員など関係機関で構成するDV防止対策連絡協議会を開催しまして、DV被害者の保護に関する対策の情報共有を図っているところでございます。
〇小西和子委員 対策についてもお伺いいたしました。
このDVの背景には、男性が主、女性が従といった性別に対する偏った考え方とか男女間の社会的な力の差があります。若いうちにその考えの偏りや力の差に気づき、性別によらず互いに人格と人権を尊重するように、あらゆる機会においてなされることが重要であると私はずっと訴えてまいりました。
DVは、被害者の心身に深い傷を残すとともに、加害者の心にも深い傷を残します。先ほどもお話がありましたが、若い人たちが、将来にわたり被害者にも加害者にもならないための予防啓発が重要と考えております。
次に、平成28年度の被災地の女性が置かれている環境と課題、平成29年度の現状と取り組みについて伺います。あわせて、女性のための心のケアサポート岩手に寄せられた相談件数、内容、取り組みについてもお伺いいたします。
〇高田青少年・男女共同参画課長 被災地の女性が置かれている環境と課題、現状と取り組みについてでございますが、平成28年度の岩手県東日本大震災津波復興委員会の女性参画専門委員会によると、被災地の女性の声として、震災前は地域づくりに関して女性の参画は十分でなかったが、震災後は、女性みずから自信を持って地域にかかわることができるようになったなど意識の変化が見られるものの、各委員からは、復興のまちづくりにおいて、女性の意見が生かされるような仕組みが一層必要であるなど、女性の参画の推進に関する課題が挙げられているところでございます。
今後、復興を進めるに当たって女性の参画が必要と認識しており、今年度において、沿岸地域まちづくりにおける女性の参画の推進に関する研修会を実施するなど、国、市町村等と連携し取り組んでいきたいと考えております。
なお、御質問がありました女性の心のケアサポート事業の状況でございますが、内閣府が主催する女性の心のケアホットライン・いわての平成28年度相談件数は64件となっており、相談内容としましては、心理的問題、落ち込みとか、あと生き方、家族関係の悩み、これは離散とかそういったところだと思いますが、依然として、被災地の女性がさまざまな悩みや不安を抱え、また、深刻化しているものと認識しております。
引き続き、県では、内閣府と共催し、相談窓口の周知等の広報に取り組んでいきたいと考えております。
〇小西和子委員 もう前向きに自信を持って行動できるようになったとか、参画推進の声も上げていくべきだという声もあります。ところが、これは寄り添いホットラインという別の相談事業があるんですけれども、その中でこんな相談がありました。働きながら専門学校に通う20代女性の事例では、病気で働かない父親に、金を渡さないと暴力を振るわれ、病弱な母親も父親の暴力に苦しんでいる。どうしてこんな家に生まれたのかとつらくなり、自傷行為、入院を繰り返してしまう。生活費や将来への不安を抱えながら再びリストカットをしてしまう。そういう声も、実際に、なかなか表には出ないんだけれども、被災地で苦しんでいる女性、それも若い女性たちの声が上がってきております。
ですから、安心して話せる場とか、正しい情報を伝えることとか、ともに考える存在として、先ほどの女性のための心のケアサポート、ホットラインですか、そういうところが機能するといいのではないかと思っておりますし、まず、常に、いつでも相談していいんだよとか、つながっていることがとても重要だと思います。
そこで、部長にお伺いいたします。女性に対するあらゆる暴力の根絶を目指すために、そして、岩手県を男女共同参画が実現する県にするために、どのようにしていったらよいとお考えなのでしょうか、決意をお伺いいたします。
〇津軽石環境生活部長 男女共同参画が進むための決意というお話でございます。
DVにつきましては、これはやっぱり明らかな人権侵害でございますので、相手が誰であろうが、そういったことは決して許されないことでありまして、県としても、そういった相談体制をしっかり敷いて、その中で、もし犯罪的な部分とか、そういった部分があるのであれば、これは積極的に警察等とも連携して対応していかなければならないと思っております。
また、男女共同参画の部分につきましては、統計等を見ると、全体的な傾向とすると、以前に比べればかなり理解が進んできてはおりますけれども、やっぱり固定的な役割分担意識でありますとか、そういった部分では、どうしてもなかなか理解が進まない方があるわけで、そういった方に対して、今後、我々とすれば、セミナーでありますとか、あるいはいろいろな機会を通じて、男女がともに生き生きと暮らせるような社会にならなければいけないということを、積極的に訴えてまいりたいと考えているところでございます。
〇小西和子委員 毎回お話をするんですけれども、岩手県は、男性も女性もですが、7割の方が男性優位の県であると県民の意識調査で答えが毎回出されています。ですから、この割合を少しでも低くするように、男女平等の県であるなという意識を持てるような取り組みを強化していただきたいと思います。終わります。
〇臼澤勉委員 それでは、まず、私からも鳥獣被害対策をお伺いしますが、午前中、工藤勝子委員並びに城内委員等から御質問がございましたので簡潔に、かぶらないところでお伺いいたします。
まず、熊あるいは鹿対策について、先ほども熊については391頭の捕獲というお話もございましたが、この鳥獣被害の関連で、私は科学的なデータに基づいて個体管理が適正に行われるべきと思うのですけれども、現在、どのように適切な個体数管理が行われていると認識されているのかお伺いしたいと思います。
特に、鹿については毎年1万頭を捕獲するという目標も立てられておりますけれども、その状況等についてお伺いいたします。
〇小笠原自然保護課総括課長 科学的な個体数管理についてでございますけれども、熊につきましては3、400頭と推定した後に、平成25年度から、個体数密度の変動調査をするために、地域を限定して小規模なヘアトラップ調査を実施しているところです。その結果を見ますと、直近の平成27年度までのデータでございますが、特に大きな変動はないという結果になっております。
また、鹿につきましても、本県の場合は、鹿の顎ですとか腎臓といったものを狩猟した方から提供していただいて、環境保健研究センターでそういったデータ分析をして、適切な推計ができるような方法を研究しているところでございます。
〇臼澤勉委員 現場を歩いていますと、特に農業あるいは民家等に接近されてさまざまな被害が出ているということで、私は山の中の生態系がどのようになっているのかなと。要は、山の状態、熊とか鹿とかのバランスが保たれているのかなというところについて県はどのように認識されておりますでしょうか、お伺いします。
〇小笠原自然保護課総括課長 鹿については全県に広がっていると。いっときは五葉山周辺のみの生息ということでありましたけれども、そういったことで、若干植物の生態系ですとかといった部分には影響が出ているのではないかと懸念しているところです。
また、熊につきましては、3、400頭と推計した後の変動は大きくはないということもございます。しかしながら、人的被害といった部分がありますので、引き続き、専門家の意見を聞きながら、こちらについては適正な個体数の管理に努めてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 私も、いろいろな審議会とか毎年の配分頭数の会議も傍聴させていただきましたけれども、現場においては、やはり実効ある対策が強く求められております。被害が起きてから対応しがちな傾向が行政のほうにあるということで、実際に住まれている方々あるいは農家の方々は、切迫したそういう危機感を持って暮らしております。
例えば熊の頭数についても、例えば紫波町で4頭とか、そういう町ごとの枠があっても、結局旧町村単位でいくと1カ所あるかないかみたいなところで、なかなか本当にそこら辺の対策が適切に行われているのかというようなことで不安を抱いていますので、さまざまな意見を聞きながら、ぜひ実効ある対策をとっていただきたいと思います。
そして、猟友会との連携について、やはり被害防止とか担い手育成がさらに重要な課題になってくると思います。そこら辺の安全対策、昨年、残念ながら事故も起きたりしておりますので、安全対策の指導、それから、ハード面では、県内の射撃場が非常に老朽化してきております。そこら辺の対応についても、公的な役割がまさに出てきていますし、県外からも、あるいは県内各地からも射撃場を使う方々がおりますので、そこら辺の対策の御所見をお伺いします。
〇小笠原自然保護課総括課長 県では、捕獲の担い手の技術力向上のために、狩猟免許取得から3年以内の方を対象に、県内各地でスキルアップ研修会などを開催しているところでございます。
また、捕獲に係る安全対策につきましては、猟友会、警察等と連携しまして、各広域振興局等で、狩猟期前の狩猟事故防止研修会ですとか狩猟期の巡回指導などを行っているところでございます。
次に、射撃場の整備についてでございますが、現在、射撃場は県内各地に14カ所設置されております。今のところ、これらの施設整備につきましては、市町村ですとか県に猟友会などから具体的な要望は出されていないところでございますが、そのような御相談がある場合には、担い手育成上の役割ですとか広域的な利用状況などを勘案しながら、お話を伺っていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 14カ所あるとおっしゃいましたけれども、利用実態がないようなところもあるかと思いますので、ぜひ、そこら辺の要望について対応していただければと思います。
次に、三陸復興国立公園の施設管理状況についてお伺いいたします。
平成25年に三陸再生の願いを込めて三陸復興国立公園が指定されておりますが、今どのような利用状況になっているのか、まずお伺いいたします。
〇小笠原自然保護課総括課長 三陸復興国立公園における利用客の状況でございますけれども、環境省の調査によりますと、平成28年は110万人回の利用となっております。平成28年は、台風第10号などの影響によりまして前年を下回っておりますけれども、震災後、回復傾向にございます。
〇臼澤勉委員 この復興国立公園の中でも、まさに潮風トレイルとかジオパークの誘客、そして、今後、復興祈念公園とかが整備されてまいりますが、まだ、残念ながら平成28年台風第10号の被害を受けたまま放置されているといいますか、手がつけられないような箇所もあるやにも聞いております。東日本大震災津波あるいは台風第10号被害状況のその後の施設管理の状況は、どのようになっているのかお伺いいたします。
〇小笠原自然保護課総括課長 東日本大震災津波による県有施設の被害は16カ所、それから、平成28年台風第10号による県施設の被害は1カ所となっておりまして、被災した施設については、現在、自然公園保護管理員により日常的に点検し、安全確保しているところでございます。
それで、これらの施設につきましては、今後、委員からお話がありましたけれども、ラグビーワールドカップですとか、さまざまなイベント、施設の整備もございますことから、優先順位を定めまして、環境省直轄事業の導入など、市町村とも協議しながら効果的な施設整備について検討してまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 県南の宮城県と岩手県の境にある、例えば陸前高田市の黒崎仙峡の展望台なども、そういったところも県内外から、例えば初日の出を見に来るお客様も非常に多うございます。1年たってもなかなか復旧の見通しがないという声を強く聞いており、いろいろな制約があるやにも聞いておりますが、知恵を出して、そして、予算がなければ、私は他部局からとってくるぐらいの気持ちで、必要な事業であると思いますので、ぜひ調査研究していただければと思います。
最後に、犬猫保護対策についてお伺いします。
以前、名須川議員の一般質問でも取り上げられたことがあると思うんですが、本県の犬猫動物の譲渡率は、全国平均の27.9%を上回る30%の譲渡率、あるいは殺処分については全国平均を下回る処分率と伺っておりますが、現在の取り組み状況等についてお伺いいたします。
〇高橋食の安全安心課長 犬猫の殺処分減少に向けた取り組みと成果についてでございますけれども、保健所等におきまして、飼い犬に対する終生飼養、さらには適切な繁殖制限措置の指導などを実施しております。また、犬猫が迷子にならないように、犬の鑑札であるとか名札、さらにはマイクロチップ等の装着を呼びかけたり、保護中の動物については、ホームページで掲載するなどして飼い主への返還率の向上を図ってきたところでございます。
さらに、飼い主がいない犬猫の新しい飼い主を探す譲渡の推進ということで、県内の動物愛護団体と連携いたしまして、譲渡希望者の登録やホームページでの情報提供を行うなど、犬猫の譲渡事業を実施してまいりました。
これらの取り組みによりまして、平成28年度におきましては、犬の保護数が317頭であり、そのうち258頭、81.4%が返還、譲渡され、45頭の14.2%が殺処分となっております。また、猫の保護数が828頭でありまして、そのうち389頭、47%が返還、譲渡され、426頭、51.4%が殺処分となっております。
動物愛護管理推進計画の基準年でございます平成24年度と比較いたしますと、殺処分数は犬で84%、猫で79.8%それぞれ減少しております。
〇臼澤勉委員 動物愛護センターに私も行ってきましたら、紫波町の迷い犬あるいは八幡平市の犬が捕獲されて、次の飼い主があらわれることを願っておりましたが、私はこの件について、高齢化に伴って、また孤独死とか、例えば独居老人が飼っている犬とか猫が今後ふえるのではないかと。そういうことで収容件数といいますか引き取り件数もふえるのではないかということを危惧するわけですけれども、そこら辺はどのような見通しといいますか、御感想をお伺いします。
〇高橋食の安全安心課長 高齢者の犬猫の飼育に係る課題と対策についてでございますが、一般的に高齢者が犬や猫を飼養するということは、生活の潤いという観点から有意義であると考えているところでございます。
一方、委員御指摘のとおり、飼養不可能になった場合には、新たな飼い主への譲渡が必要となりますことから、このような犬や猫につきましては、安易に殺処分になることがないよう、愛護団体等と連携いたしまして譲渡の推進に努めてまいります。
〇臼澤勉委員 宮崎県とか、あるいは香川県でも去年、おととしあたり、要は殺処分ゼロを目指した取り組みということで、例えば愛護センターを整備する動きとかが全国各地に、福井県とか大分県のほうでもあるやに聞いております。
私は、ぜひ県として計画を作成して、そういう対策を検討すべきと思いますが、そこら辺の御所見をお伺いいたします。
〇高橋食の安全安心課長 動物愛護にかかわる拠点施設の整備についてでございますけれども、全国的な動物愛護の機運の高まりの中、平成29年2月定例会においては、本県でも動物愛護センターに関する御質問があったことは、先ほど御指摘のあったところでございます。
今年度は、学識経験者や動物愛護団体の代表などで構成されます岩手県動物愛護推進協議会におきまして、本県の現状に合った動物愛護体制のあり方について、施設の可否も含めて検討いただいているところでございます。
県といたしましても、その結果を踏まえまして検討してまいる所存でございます。
〇臼澤勉委員 ぜひ、そこら辺の計画に基づきまして、対策を充実させていっていただければと思います。終わります。
〇ハクセル美穂子副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇ハクセル美穂子副委員長 質疑がないようでありますので、環境生活部関係の質疑をこれで終わります。
環境生活部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、労働委員会事務局長に労働委員会関係の説明を求めます。
〇桐田労働委員会事務局長 平成28年度労働委員会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、238ページをお開き願います。第5款労働費のうち、3項労働委員会費が当委員会が所管するものでございます。予算現額の計1億1、256万7、000円に対し、支出済額は1億1、157万2、000円余となっております。
支出済額の内訳でありますが、1目委員会費、支出済額3、048万円余は、労使紛争の解決を図るため設置されている労働委員会の運営に要した経費であり、委員15名に対する報酬及び旅費等の事務費でございます。次に、240ページをお開き願います。2目事務局費8、109万1、000円余は、事務局の管理運営に要した経費であり、事務局職員の人件費及び旅費、需用費等の事務費でございます。
以上で労働委員会関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇ハクセル美穂子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇ハクセル美穂子副委員長 質疑がないようでありますので、労働委員会関係の質疑をこれで終わります。
労働委員会事務局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、商工労働観光部関係の審査を行います。
なお、鎌田労働課長は忌引のため欠席となりますので、御了承願います。
商工労働観光部長に商工労働観光部関係の説明を求めます。
〇菊池商工労働観光部長 平成28年度の商工労働観光部関係の決算について御説明申し上げます。
初めに、当部の所管事業の実施状況及び今後の取り組みの方向等について概括的に、簡潔に御説明申し上げます。
平成28年度は、復興計画に掲げる暮らしの再建となりわいの再生に向けて取り組んだところでございます。
さらに、いわて県民計画に掲げる産業創造県いわての実現に向けて、八つの政策項目について、復興計画と一体的に取り組んでまいりました。
まず1点目は、ものづくり産業の振興であります。
特に、本県ものづくり産業の中核である自動車、半導体関連産業については、地場企業の技術力、競争力を高めるとともに、サプライチェーンの拡大や企業誘致による産業集積の一層の推進、産業人材の育成と定着、ものづくり革新への対応など、産業基盤の強化に取り組んでまいりました。これらの取り組みにより、地場企業等の取引成約件数や企業の新規立地、増設件数などが増加したところであります。
今後におきましても、一層の集積促進と競争力の強化、県内各地域のものづくり企業の成長や新産業の創出等を支援するとともに、すぐれたものづくり人材の育成と地元定着の促進に取り組んでまいります。
2点目は、食産業の振興であります。
食産業については、企業や生産者、金融機関等との協働体制であるフード・コミュニケーション・プロジェクト岩手ブランチによる農商工連携や企業間連携を支援するとともに、新商品や新サービスの開発、工程改善への取り組みを支援してまいりました。これらの取り組みにより、支援企業の販路開拓や生産性の向上につながったところであります。
今後さらに、新たな事業活動の展開や連携を促進するとともに、水産加工業の復興に向けたきめ細かな支援に取り組んでまいります。
3点目は、観光産業の振興であります。
本県への観光客の誘客拡大については、沿岸への二次交通の充実や地域資源の発掘、磨き上げへの支援、教育旅行や企業の防災研修の誘致を図るプラットフォームの構築などに取り組んでまいりました。
また、東北観光推進機構などと連携し、海外の旅行博等への出展、海外メディア、旅行エージェントの招請などの取り組みに加え、多言語コールセンターの運営や観光関係事業者のWi-Fi環境整備等に対して支援を行うなど外国人受け入れ態勢の充実に努めたところであります。これらの取り組みにより、観光客入り込み数は引き続き回復基調にあるほか、外国人の延べ宿泊客数は過去最高を記録いたしました。
今後も、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会によるおもてなし意識の向上などの国体レガシーを生かし、ラグビーワールドカップ2019に向けたキャンペーンの展開や教育旅行等の誘致、国の東北観光復興対策交付金を活用した外国人観光客の誘客促進に取り組んでまいります。
4点目は、地場産業の振興であります。
県産品については、その魅力を生かし、新たなライフスタイルを提案する展示販売会の開催や、県外アンテナショップ等の活用による情報発信を行うなど、新規需要の開拓や新商品の開発支援等に取り組み、地場産業の販路拡大につなげてきたところであります。
今後も、県産品の魅力を県内外に広く発信するとともに、新商品開発や販路拡大、担い手確保の支援などに取り組んでまいります。
5点目の、新たな産業の育成でありますが、地域資源であるコバルト合金などを活用した新素材加工産業の創出に取り組み、新製品の開発につながりました。
今後も、新産業の創出に向けて、産学官金の連携を図りながら、企業等の取り組みを支援してまいります。
6点目は、商業・サービス業の振興並びに中小企業の経営力の向上であります。
被災した中小企業者への支援については、県単融資制度やグループ補助金の活用促進、専門家の派遣などに取り組んでまいりました。また、岩手県産業復興相談センターによる二重債務問題へのワンストップ型対応を通じ、債権買い取り等の金融支援にも取り組んでまいりました。これらの取り組みにより、被災企業の事業再開が約8割となっているほか、商業施設の再生に加え、創業や新規事業への取り組みも進んできているところであります。
今後におきましても、被災した中小企業の本設移行を含め、復旧、復興を支援するとともに、経営革新や経営力向上への取り組み、円滑な資金繰りの支援などを進めるほか、地域の商業機能の回復や商店街の再構築に向けた各種支援などに取り組んでまいります。
7点目は、海外市場への展開であります。
加工食品や日本酒、工芸品等の県産品の販路拡大や県内企業の海外ビジネス展開への支援については、東アジアを初め、海外各地域で商談会や物産フェアなどを展開し、販路の開拓に取り組んでまいりました。これらの取り組みにより、例えば、東アジア地域への県産品輸出額は、東日本大震災津波直後の大幅な減少から着実に回復してきたほか、海外展開企業の支援件数や県産品の取引成約件数も増加してきているところであります。
今後も、県産品輸出の一層の促進を初め、海外ビジネスの展開を積極的に支援してまいります。
8点目は、雇用・労働環境の整備であります。
これまで、産業振興施策の推進や雇用対策基金の活用による対応のほか、震災等による離職者や若年者への継続的な就職支援、復旧、復興や成長分野に対応した職業訓練や人材育成などによる就業支援に取り組んできたところであります。
一方、平成28年度の有効求人倍率は年平均1.39倍と引き続き高い水準となっており、人材確保が課題となってきております。
このため、いわてで働こう推進協議会を核とし、オール岩手の体制で人材確保の取り組みの展開をしておるところでございまして、今後も雇用の創出と就業の支援を積極的に進めてまいります。
以上、平成28年度の取り組み状況と今後の対応方向等について御説明申し上げました。
続きまして、決算の概要について御説明申し上げます。平成28年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。
なお、文化、スポーツ関係業務につきましては文化スポーツ部へ移管しておりますので、現在、当部が所管している内容の説明となりますことを御了承願います。
それでは、一般会計歳出における商工労働観光部の決算ですが、5款労働費のうち、1項労政費の一部と2項職業訓練費、14ページに参りまして、7款商工費1項商工業費、2項観光費、また、16ページに参りまして、11款災害復旧費のうち、1項庁舎等施設災害復旧費の一部と4項商工労働観光施設災害復旧費、13款諸支出金のうち、3項公営企業負担金の一部でありますが、これらの予算現額は1、561億5、832万円余、これに対する支出済額は1、413億4、384万円余、翌年度繰越額は105億7、146万円余、不用額は42億4、301万円余となっております。
以下、個々の内容につきましては、お手元の平成28年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただき、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
それでは、平成28年度歳入歳出決算事項別明細書の234ページをお開き願います。5款労働費1項労政費1目労政総務費でありますが、備考欄一番上の管理運営費は、本庁の雇用対策や労働部門の職員人件費及び平成27年度で終了した緊急雇用創出事業臨時特例基金充当事業の精算等に伴う余剰金の国への返還金等であります。2目労働教育費でありますが、備考欄の各種労働講座開設費は、企業の経営者や労働者などを対象としたワーク・ライフ・バランスに関するセミナーの開催などに要した経費であります。3目労働福祉費でありますが、備考欄一番上の労働者等生活安定支援資金貸付金は、育児、介護休業を取得した方に対する休業期間の生活資金貸し付けなどに要した経費であります。次に、236ページに参りまして、4目雇用促進費でありますが、支出済額72億7、341万円余のうち、文化スポーツ部への移管分を除いた72億4、997万円余の主なものについての御説明となります。備考欄中ほどのいわてしごと人材創生事業費は、県内企業の人材確保を図るため、ふるさと回帰支援センター─これは東京にありますが─内のいわて暮らしサポートセンターへのキャリアカウンセラーの配置、インターンシップの実施支援やU・Iターンに関する情報発信等に要した経費であります。その下のいわて働き方改革等推進事業費は、長時間労働の是正などの働き方改革を推進するとともに、正規雇用の拡大等を図るため、優良な取り組み事例の紹介、働き方改革のアドバイザーの養成及び派遣等に要した経費であります。その二つ下の緊急雇用創出事業費補助は、離職者に対し、次の雇用までの就業機会等を創出し、生活の安定を図ることを目的とした事業を行う市町村に対する補助に要した経費であります。その下の事業復興型雇用創出事業費補助は、被災地の安定的な雇用を創出することを目的として、被災者の雇い入れに係る費用に対し助成金を支給した経費であります。
なお、繰越明許費10億1、492万円余は、ただいま説明いたしました事業復興型雇用創出事業費補助が、申請関係書類の補正等、申請者との調整に日数を要したことを初め、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
次に、2項職業訓練費1目職業訓練総務費でありますが、備考欄上から三つ目の認定職業訓練費は、職業訓練法人による認定職業訓練の実施に対する補助などに要した経費であります。次に、238ページに参りまして、2目職業訓練校費でありますが、備考欄一番上の管理運営費は、県立産業技術短期大学校を初めとする県立職業能力開発施設の職員人件費であります。その下の公共職業能力開発費は、県立職業能力開発施設において実施する職業訓練などに要した経費であります。
次に、ページを飛んでいただきまして、286ページをお開き願います。7款商工費1項商工業費1目商工業総務費でありますが、備考欄一番上の管理運営費は、本庁及び県外事務所等の商工部門の職員人件費等、管理運営に要した経費であります。備考欄中ほどの地域産業重点強化加速支援事業費は、技術革新、生産性向上を図るため、高度技術人材を育成するとともに、必要な設備投資に対する補助などに要した経費であります。その二つ下の運輸事業振興費補助は、公益社団法人岩手県トラック協会が実施する輸送サービスの改善等の事業に対する補助に要した経費であります。次に、288ページに参りまして、2目中小企業振興費でありますが、備考欄上から二つ目の商工観光振興資金貸付金は、設備投資や事業の拡大を行う中小企業者に対する設備及び運転資金の貸し付けに要した経費であります。備考欄上から八つ目の中小企業東日本大震災復興資金貸付金は、県内の被災中小企業者に対する設備及び運転資金の貸し付けに要した経費であります。備考欄下から二つ目の中小企業被災資産復旧事業費補助は、市町村が行う被災中小企業の復旧に対する補助事業への補助に要した経費であります。次に、291ページに参りまして、備考欄上から四つ目の地域なりわい再生緊急対策交付金は、平成28年台風第10号により被害を受けた3市町のなりわいを早期に再生させるため、復旧や観光、物産PRイベントに要した経費等に対する交付金であります。
なお、288ページ、289ページにお戻りいただきまして、繰越明許費22億5、862万円余は、ただいま説明いたしました中小企業被災資産復旧事業費補助が東日本大震災津波に係る他の復旧工事等の施工時期との調整に不測の日数を要したこと、地域なりわい再生緊急対策交付金が台風第10号に係るほかの復旧工事との施工時期等の調整に不測の日数を要したこと、国の地方創生拠点整備交付金を活用したものづくり革新推進事業費補助、及び、支出済額がなかったため備考欄への記載はありませんが、産業競争力強化支援拠点整備費補助が国の交付金の交付決定が2月になったことや関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
次に、292ページに参ります。3目企業立地対策費でありますが、備考欄上から二つ目の企業立地促進資金貸付金は、立地企業が行う設備投資に対する貸し付けに要した経費であり、その下の企業立地促進奨励事業費補助は、市町村による誘致企業への助成事業に対する補助に要した経費であります。4目中小企業経営指導費でありますが、備考欄上から二つ目の中小企業ベンチャー支援事業費補助は、公益財団法人いわて産業振興センターが実施した窓口相談や専門家派遣事業等への補助に要した経費であります。5目貿易振興費でありますが、備考欄の貿易振興団体助成費は、海外販路拡大の支援基盤整備のための独立行政法人日本貿易振興機構、いわゆるジェトロの盛岡貿易情報センターへの負担金でございます。6目工業技術センター費でありますが、備考欄一番上の地方独立行政法人岩手県工業技術センター運営費交付金は、同センターに対する運営費交付金であります。
次に、2項観光費1目観光総務費でありますが、備考欄一番上の管理運営費は、観光部門の職員人件費等、管理運営に要した経費であります。次に、295ページに参りまして、備考欄上から八つ目のいわてインバウンド新時代戦略事業費は、外国人観光客の増加を図るため、戦略的、効果的なプロモーションの実施、受け入れ環境の整備を実施した観光事業者等への補助などに要した経費であります。
なお、292ページ、293ページにお戻りいただきまして、繰越明許費1億2、474万円でございますが、ただいま説明いたしましたいわてインバウンド新時代戦略事業費が国の交付金の交付決定が3月になったことや、関係機関等との調整に不測の日数を要したことなどにより繰り越したものであります。
次に、294ページに参りまして、2目観光施設費でありますが、備考欄の観光施設機能強化事業費は、県が整備した観光施設の設備の修繕に要した経費であります。
なお、繰越明許費488万円余は、ただいま説明いたしました観光施設機能強化事業費が入札不調等により調整に不測の日数を要したことなどにより繰り越したものであります。
次に、ページをまた飛んでいただきまして、350ページをお開き願います。11款災害復旧費1項庁舎等施設災害復旧費2目庁舎等災害復旧費でありますが、備考欄一番上の公共職業能力開発施設災害復旧事業費は、平成28年台風第10号による浸水の被害を受けた県立宮古高等技術専門校の施設の復旧等に要した経費であります。
なお、繰越明許費5、466万円余は、ただいま説明いたしました公共職業能力開発施設災害復旧事業費が職業訓練の実施及び多数の工事間の工程調整に時間を要したことなどにより繰り越したものでございます。
次に、356ページをお開き願います。4項商工労働観光施設災害復旧費1目商工観光施設災害復旧費でありますが、備考欄の中小企業等復旧・復興支援事業費は、被災した中小企業等が一体となって復旧、復興を行った場合の施設設備の復旧、整備の補助に要した経費であります。
なお、繰越明許費44億13万円余は、中小企業等復旧・復興支援事業費補助で、市町村の復興計画等との調整により用地の確保に不測の日数を要したことなどによるものでございます。
また、事故繰越27億1、375万円余につきましても、中小企業等復旧・復興支援事業費補助で市町村の復興計画等との調整により用地の確保に不測の日数を要したことなどによるものでございます。
次に、ページを飛んでいただきまして、364ページをお開き願います。13款諸支出金3項公営企業負担金1目公営企業負担金でありますが、当部所管は、備考欄三つ目の工業用水道事業会計負担金のうち3、312万円余で、企業立地施策の推進等を図るため、第二北上中部工業用水道における金ケ崎ろ過施設第2期の維持に係る経費について、その一部を負担したものであります。
以上で一般会計の御説明を終わります。
次に、特別会計の御説明をさせていただきます。
中小企業振興資金特別会計の決算についてです。406ページをお開き願います。
この特別会計の予算現額は、408ページと410ページに記載しておりますが、歳入歳出それぞれ45億3、420万円余であります。
まず、歳入につきましては、409ページにお戻りいただきまして、収入済額が総額45億2、973万円余であり、その主なものは、貸付先企業等からの元利償還金等の諸収入及び貸付金の原資として借り入れた地方債であります。
次に、歳出につきましては、410ページから411ページに記載しております。支出済額が総額42億3、336万円余であります。
1款小規模企業者等設備導入資金貸付費1項貸付費は、高度化資金貸付金の貸し付けなどに要した経費であります。
2項貸付事務費は、ただいまの貸付金の貸し付け及び回収に要した事務経費であります。
以上で商工労働観光部関係の決算についての御説明を終わらせていただきます。どうぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇ハクセル美穂子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇名須川晋委員 通告しておりましたのは3点でございましたが、まず最初に、通告していませんけれども、お聞かせいただきたいものから質問させていただきます。
昨夜、クローズアップ現代+というNHKの番組がございまして、いつも録画しているので、けさ見てまいりました。中国に限らずヨーロッパもEVシフトがなされているということで、2020年ぐらいからどんどん電気自動車への流れが加速していくということで、報道でもいろいろとございました。これについて岩手県は今後どういう予測をされているのか、そういう分析があれば、御感想とともに、詳細でなくても結構でございますが、教えていただければと思います。
〇瀬川自動車産業振興課長 国内市場につきましては縮小傾向ということで、何とかトヨタも年300万台を維持するということでやっておりましたが、ヨーロッパでは、環境基準により2040年からディーゼルエンジンも含めてガソリン燃料の車は販売できなくなることから、大幅にEVに切りかわるものと考えております。
国内におきましても先進的な企業では開発が進んでおりまして、トヨタ自動車も─我が県には非常に影響のあるメーカーですが─EVにかなり強力にシフトしてきているということで、将来的には、岩手でもハイブリッドからプラグインハイブリッドやEVなどのコンパクトカーを中心とする生産が見込まれると考えております。
〇名須川晋委員 岩手県自動車関連産業振興アクションプランは平成29年3月改定で、また2年間延ばした形で半年前に提示されておりますけれども、恐らくこれにのっとって進められると思います。例えばEV化していくと部品の点数も1台当たり7、000点のものが4割ほど減っていく。そうすると、取り扱いをしようとしている岩手県の会社にとっても大きな影響が出てくるのではないかと思います。
また、トヨタは、この前マツダともそういう開発では提携しておりましたけれども、どっちかというとハイブリッド、水素ということで、EVはおくれた形になっている。あるいは中国は一足飛びにEVにシフトしていますから、これから自社で開発するとなると、岩手県はトヨタに大変お世話になっていると思いますけれども、今後の見通しも非常に不透明なものになるのではないかと考えられます。そういう開発が、さまざまな岩手県内の企業にも影響してくる課題だと思われますが、早急にさまざまな時代の流れをアクションプラン等々にも盛り込みながら進めていかなければいけないと思います。
あるいは人材育成でございますけれども、これまでは機械関係の技術者が必要でありましたが、これからは電子技術にたけた技術者が必要ということで、岩手の教育の工業高校のあり方も変わってくるのではないかと思いますが、その辺の対応につきましてお聞かせいただきたいと思います。
〇瀬川自動車産業振興課長 まず、EV化の話でございますが、国内のボディーメーカーでEVの開発に最先端で取り組んだのがトヨタ自動車だと認識しております。その中で、トヨタはEVを戦略の中心とはせず、ハイブリッドでいったということと認識しております。
それから、県内企業に対する影響でございますが、岩手県内の地場企業を中心とした自動車産業への参入企業につきましては主にボディー系部品や電子系部品の企業が多く、内燃系、つまりエンジンへの参入企業は割と少ないので、影響はそれほど大きくはないと考えております。
正直、世界トップメーカーのトヨタが、マツダ、それからスバルという名前も最近は新聞にも出ていますが、それにデンソーといった世界トップ企業が加わって本気でEVの開発を進めることに関しては、相当廉価で性能のいいEVが開発されるのだろうと考えております。
また、今後の自動車アクションプランに関する戦略でございますが、これに関しては、今後はEVに関しても自動運転や環境対策など、まさに岩手県が得意とする半導体、それから電子部品、電気の部分も含めて参入の機会がふえると思っておりますし、今般、デンソー岩手が半導体工場からセンサー、それから後工程の電子部品までを一貫生産する工場にしたということも追い風になって、岩手としてはチャンスが広がるものと考えております。
それから、求められる人材でございますが、今後、ハードだけではなくソフトも含めた人材が求められると思っております。そういう点では、岩手大学を初めとする工学系の大学、県立大学のソフトウェア情報学部の組み込みソフトウエア、こういったハード、ソフトを含めた人材育成に岩手県としてはこれから力を入れて取り組んでいくところでございますし、車関係の各企業からも、そういった点では岩手の人材は高い評価を受けているところと認識しております。
〇名須川晋委員 急な質問でございましたが、大変立派な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
イギリスのダイソンもEVを2020年ぐらいに発売したいという報道もございましたし、内燃でなくEVはこれからどこの国でもつくられるような時代になってくると思いますので、未来永劫、岩手にそういう自動車産業が残るような形での取り組みをぜひとも早急に進めていただければとお願い申し上げます。
それでは、通告しておりました3点でございますけれども、簡潔に参ります。
雇用創出について、緊急雇用創出事業臨時特例基金事業及び事業復興型雇用創出事業による新規雇用者についてどう考えるかということで、特にも事業復興型はかなり少ない人数となっておりまして、使いにくい制度になりつつあるというか、対象がかなり狭められている状況がございますけれども、これについてどのように考えるか。
それと、先ほど説明にもございました。緊急雇用創出事業の繰り越しです。関係者との調整云々という御説明がございましたけれども、具体的に教えていただけますでしょうか。
〇高橋雇用対策課長 事業における新規雇用者数についてでございますけれども、事業復興型雇用創出事業を含めた緊急雇用創出事業臨時特例基金事業につきましては、平成20年度からこれまで延べ約5万4、800人の雇用を創出してきたところでございます。このうち、平成28年度は沿岸12市町村において二つの事業を実施してきたところでございまして、一つ目は、震災等対応雇用支援事業を実施いたしまして、短期の雇用、就業機会を創出したほか、もう一つは、事業復興型雇用創出事業を実施いたしまして、産業政策と一体となって、長期、安定的な雇用の創出を図ったところであります。
これらの事業による新規雇用者数は、震災等対応雇用支援事業で287人、事業復興型雇用創出事業で105人となっているところでございます。新規雇用者数につきましては、震災等対応雇用支援事業においては市町村等の事業計画から250人の雇用創出を見込んだところでございまして、計画どおりに雇用できたところでございます。また、事業復興型雇用創出事業におきましては800人の雇用創出を見込んだところでございますが、平成27年度から対象が沿岸被災の12市町村に限定されまして、これらの地域においては、事業用地が未整備のため事業再開に至っていないこと、新規雇用が難しいことなどのさまざまな事情から申請が少なかったものと考えております。
先ほどお話のありました繰り越しのところでございますけれども、こちらにつきましては、事務的には実績報告書を審査して支給額を確定した上で事業所から請求書を送付いただき支払いを行っているところでございますけれども、この実績報告の際に、必要な書類が整って、助成対象労働者一人一人につきまして勤務実績や賃金の支払い状況等を審査する必要があるため、支払い額確定までに一定の時間を要しているところでございまして、繰り越しをさせていただいていたところでございます。
〇名須川晋委員 今、気になる御答弁でしたが、新たな資料が必要になったので支払いできないということでしょうか。助成金の支払い事務におきまして、それぞれの企業の決算に合わせてお金がおりてこなくて大変お金の回し方に苦労しているということで、かつていろいろとそういうお話がありましたけれども、支障を及ぼすようなことなのかどうか、それについてお聞かせください。
〇高橋雇用対策課長 この実績報告の際に必要な書類というのは、事前に手引書等で見本といいますか、そういったものをお見せしながら、できる限り助成金センターで一人一人の助成対象者の事業所の方に懇切丁寧に書類の書き方等、見本をもとに説明しながら書類を作成していただくということで、新たな書類をつくっていただくということではなく、出していただいた書類を精査して、間違っているところについて丁寧に修正していただいているのが実態でございます。
〇名須川晋委員 それについては何社で、金額的にはどれぐらいのものか教えていただけますか。
〇高橋雇用対策課長 平成28年度の明許繰越をした際の総支給人数と支出額でございますけれども、支給人数1万734人に対しまして、支出額といたしましては33億6、518万円余となっております。
〇名須川晋委員 ここでとまるとは思わなかったんですが、つまり1万700人分の資料を新たに出してほしいということですか。違いますか。
〇高橋雇用対策課長 いえ、そういうことではございませんで、修正が必要な方についてはということでございます。
〇名須川晋委員 お支払いできていない金額が具体的にどれぐらいあるのか。
〇高橋雇用対策課長 平成28年度の助成金の助成対象者数は2、880事業所1万4、139人に上っておりまして、対象者一人一人に対して一定の時間を要しているところでございます。これにつきましては、事業所から実績報告の受け付け順に書類を審査いたしまして、平成28年度分について6月までに実績報告の書類審査を完了しているところでございます。
平成28年度予算の執行状況につきましては、2月補正後に予算額18億円余のうち8億円余を支出いたしまして、10億円余を平成29年度に繰り越して3億3、990万円余の不用額を出しているところでございます。
〇名須川晋委員 後できちんとまとめて教えていただければと思います。趣旨といたしましては、零細企業がこの制度を活用しているとなると、そのお金が多額になれば会社が回らないという懸念がございます。私もそういう相談をかつて受けたことがありました。そういう事例がまた発生していなければいいんですけれども、費用が多額になればそういう懸念は大きいと思われますので、いずれ後でまとめて教えていただければと思います。
岩手県事業復興型雇用確保助成金というのが今度、平成29年、新たにこれから募集をかけられるようでございますけれども、これは、事業復興型雇用創出事業より─平成28年度は105人ということでしたが─活用しやすい制度になっているのか。大体どれぐらいこの対象者を見込んでいるのか教えてください。
〇ハクセル美穂子副委員長 執行部に申し上げます。審査終了までに資料の取り寄せを行い、再度答弁をしてください。
〇高橋雇用対策課長 岩手県事業復興型雇用確保助成金の概要と数値目標についてでございますけれども、この助成金は、被災地域の中小企業が被災求職者等を雇用する場合に、産業政策と一体となって雇用面から支援を行うものでございます。従前の雇用創出助成金に比べまして、雇い入れ費助成につきましては、最初の助成対象労働者の雇い入れから1年以内に雇い入れられた労働者を助成対象とする期間要件を2年以内に緩和したほか、事業所が求職者の雇い入れのため住宅支援の導入等を行った場合の経費についても助成対象とされたところでございます。
次に、数値目標についてでございますけれども、受給できる助成金の総額が減少したことや、事業用地が未整備のため事業再開に至っていないこと、新規雇用が難しいことなどによりまして利用する事業所が限定される状況にありますけれども、グループ補助金の活用見込みの状況などから、今年度の計画としては、新規雇い入れ費に係る助成対象者として272人を計上したところでございます。
国に対しまして、より多くの事業所が活用できるよう、事業の継続と要件緩和等について要望しているところでございまして、また、仮設商店街の本設移転なども進んでいることから、助成金を必要とする全ての事業者の積極的な活用が図られ、被災地の産業や雇用の復興に資するよう一層の周知に努めてまいります。
〇名須川晋委員 時間がないので進めます。
事業承継についてということであわせて伺います。
商工会議所が事業承継の大きな役割を果たしていますけれども、県内の取り組み状況についてということで、過去5年程度の実績もあわせてお知らせいただければと思います。
また、承継したいという事業者のニーズが果たして掘り起こせているのか。こういう制度自体もよくわからない、事業承継をしたいという気持ちにもならない、なかなかそういう意識にならないのではないかと思われます。起業希望者とのマッチングもなかなかうまくいっていない状況と思いますが、いかがでございましょうか。
〇高橋経営支援課総括課長 事業承継について3点ほど御質問をいただきました。
まず、県内の取り組み状況についてですけれども、商工支援団体と連携して事業承継に関するさまざまな事業を行っております。意識啓発もありますし、後継者などを対象とした経営者教育等のセミナー、事業承継計画の策定支援などを行っています。それから事業承継に関する相談、マッチング等を円滑に実施するため、事業承継に関する一元的な相談窓口として岩手県事業引継ぎ支援センターを盛岡商工会議所に平成27年に開設しております。さらに今年度、県内の各支援機関等の連携体制を構築して事業承継支援を進めるということで、盛岡商工会議所が事務局となりまして、国の委託事業を活用して事業承継ネットワーク構築事業に取り組んでおります。この事業では、承継ニーズを掘り起こすための事業承継診断を商工支援団体や金融機関を中心に実施するとともに、支援機関向けの研修会なども開催することとしておりまして、事業承継支援の取り組みを推進していくこととしております。
実績についてですけれども、過去5年ほどということでしたが、一元的な相談窓口しては平成27年からとなっておりまして、岩手県事業引継ぎ支援センターの実績としましては、相談件数が平成27年度が34件、平成28年度95件、今年度は9月までで44件となっています。具体的なマッチングの成約件数はこれまで5件で、今年度上期で2件、平成28年度2件、平成27年度1件という状況になっております。
それから、新規創業したい方等の掘り起こし、マッチング等についてですけれども、経営者の中には事業を譲りたいという方もいますし、逆に、創業希望者の中には事業承継をして新しく事業を行いたいという方もいらっしゃいます。実際、先ほど申し上げた相談件数も、譲りたいという方、事業を引き受けたいという方の相談が大体同数程度ありまして、そういう形でマッチングが図られております。
もう一つ、先ほど申し上げた新規創業の方向けのセミナーなどにおいてもこういう事業引継ぎ支援センターで行っている活動などの紹介をしておりまして、各商工団体等を通じて、こういう取り組みをしているということでの新規創業者向けのPRなども行っております。
〇名須川晋委員 いろいろお話ししたいところですが、時間がないので、最後に、いわて子育てにやさしい企業等についてということで、基本的には保健福祉部でございますけれども、あえて商工労働観光部で伺いたいと思います。
現状の認証数についてどのように考えるかということで、資料では、主要施策の成果に関する説明書の77ページになります。平成28年度40件ということで、最新では10月6日までで50件になっているようでございます。これについてどのように商工サイドでは考えるかということと、県内の事業所数の何%に当たるのかという話です。
そして、このそもそもの数値目標設定が非常に低い。お話にならないぐらい低いわけで、Aとなっておりますけれども、そもそも商工サイドの意見がこれに盛り込まれているのでしょうか。
そして、認証数の増加に向けては、かつて常任委員会でもお話ししたことがあるんですが、経済的なインセンティブが必要だと思っております。今、お金を借りるときに0.何%だか本当に微々たる若干のインセンティブはあるんですけれども、やはりこれがあることで、じゃ、うちも頑張ろう、うちも取得しようという気持ちになると思うんですが、これについて検討された経過はございましたでしょうか、お知らせください。
〇八重樫雇用対策・労働室長 いわて子育てにやさしい企業の件で、大きく4点ほどお尋ねがございました。順次御答弁申し上げます。
御案内のとおり、この認証につきましては、仕事と子育ての両立支援など、男女がともに働きやすい職場づくりを推進するため、常時雇用する労働者の数が300人以下の中小企業等を対象にしているものでございます。認証数につきましては、先ほど委員から昨年度末で40件ということでございました。きのう時点で延べ50件、実質ですと、更新の部分もございますので34社となっておりまして、半年余りで10件ふえたと認識しております。
次に、認証数の県内事業者における割合についてのお尋ねでございます。
まず、県内の中小企業の数は、中小企業白書の2016年版によりますと3万8、665社でございます。そのうち、次世代育成支援推進法に基づく一般事業主行動計画を策定している企業数がことし6月末で626社ございます。今まで認証を受けている企業は実質34社と申し述べましたけれども、その割合ということであれば5.4%となりますが、中小企業全てということであれば1%を大きく下回る割合になるということでございます。
この数値目標の設定についてでございます。
いわて県民計画の第3期アクションプランで、先ほど御紹介ありましたけれども、子育て家庭への支援という項目におきまして延べ認証数を指標としたところでございます。アクションプランの策定時点におきまして、関連施策の展開状況あるいは企業の取り組み状況などを勘案いたしまして妥当と判断したものと認識しております。
最後に、認証数の増加に向けての検討の経緯でございます。
委員から経済的インセンティブというお話がありました。紹介のありました県単融資制度に係る保証料率の引き下げ等を行っているところでございますけれども、県が発注する特定施策に係る物品納入及び印刷物の製作業務の優先的取り扱いを今年度から追加しております。また、子育てにやさしい職場環境づくり助成金も、この7月からですけれども、従来の1.5倍の増額を図ったところでございます。
〇柳村岩見委員 企業立地促進奨励事業費補助金についてお尋ねします。
この補助金は、市町村が立地企業に補助した場合に県が市町村に補助するという事業でございます。全県的には製造業が対象業種、最近では盛岡広域でソフトウエア産業ということになると思います。自治体の中には、この業種に加えて、道路貨物運送業、倉庫業を入れてください、こういう自治体があります。県では、そういうニーズについて、いろいろな工夫をされて補助をした場合の効果を検討されている経緯も報告書を見ればかいま見ることができますけれども、そういうことが足せないかということ、どういう検討をされましたか。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 お尋ねのありました企業立地促進奨励事業費補助金の対象業種の関係でございますけれども、この補助金は、御案内のとおり1億円以上の固定資産投資を一つの要件にしております。それから製造業については10人以上、製造業以外のソフトウエア業等につきましては5人以上の新規雇用を要件としておりまして、固定資産投資額の10分の1以内の補助金を交付するのが原則的な仕組みとなっております。これに加えて地域性や企業進出の動向等を勘案いたしまして、要件の緩和や対象業種の拡充等を行っているところであります。
業種等につきましては、雇用等による地域経済への波及効果や県内企業との取引の可能性などを考慮いたしまして原則的に製造業等としているところでありまして、一部、県北、沿岸地域におきましては、立地促進の観点から対象業種を拡充している現状にございます。
御指摘のとおり、道路貨物運送業や倉庫業などの物流関連の業種につきまして拡充の要望がある市町村も把握しておりますけれども、これらは、本県が北東北の結節点に当たることや、震災以降、いわゆる復興道路等の物流網の整備等によりましてその環境改善が進んだことから、近年、関連企業の立地も進んできていると認識しているところでありまして、この拡充につきましては、県北地域において今年度から対象業種の拡充を実施しているところでありますので、その実績や効果等を検証しながら、引き続き、市町村、企業等のニーズを踏まえて研究してまいりたいと考えているところでございます。
〇柳村岩見委員 最初のほうの答弁は要りませんでしたよ、当然だから。製造業は雇用が考えられる、投資額が大きいであろう、期待を込めてそういうところに補助したいと思ったのは当然。この事業のスタートからいけばそれは当然のこと。ところが、今は必ずしもそれだけで誘致企業に対する支援が成り立つ、そういう状態ではないですよね。当然ながら製造業に張りついてくるのは必ず倉庫業と運送業じゃないですか。しかし、行政側から見ると、製造業が来たら運送業も倉庫業もくっついて来るから黙って見ていればいいと。そういう時代でもありませんよ、今は。倉庫業とか運送業というのを細やかに拾い上げていく、そういう時代ではありませんか。岩手県ってそのくらいどんと構えていられる県ですか。
この決算の額を見ますと、1億501万円ですよ。お金の使いどころ、生かしどころ、あるいはまた伸びしろ、こういうところへお金をつぎ込んでいく。あるいは企業立地の環境、こういったものをどう捉えておりますか。そんな大ざっぱな気分でこの仕事をやっている時代ではなく、細やかな配慮で、そういうところがあったら拾い上げたらいいじゃないですか。ないお金を大事に使いながら。いかがですか。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 いずれ限られた財源の中で最大限の効果を発揮させたいという考えでありまして、雇用等による地域経済への波及効果や県内企業との取引の可能性などを考慮して今の仕組みになっているわけでありますけれども、御指摘の物流関係の企業につきましても同様の効果が得られる可能性も大いにあると思いますので、そういった効果も含めて研究してまいりたいと考えております。
〇柳村岩見委員 最後に、部長に決意をお尋ねしたいと思います。立地企業に対する貸付金の制度もございます。ですが、市町村がおやりになることに対する補助としては1億501万円です。企業立地、企業立地と騒ぐ割にはこの程度なんです。岩手県の将来のことを考えれば、人口減少の対応も含めて、もっと注意深く誘致企業を拾い上げていく、10人だって30人のところだって。500人の製造業ががばっと来てくれれば、それはいいですよ。どんな決意を持っていますか。
〇菊池商工労働観光部長 本県の企業誘致の活動は御案内のとおりでございますが、市町村とこれまで協働で連携して、大きさとかを言うつもりはないんですが、さまざまな企業を精力的に誘致してきた経過がございます。
その中で、今、市町村と県がそれぞれの財政状況も踏まえながら、税源の涵養の観点なども広く研究しながら、こういう制度をまず始め、そして太らせてきている過程にございます。いわば、県のこの事業はベーシックな補助、さらに市町村がそれに加えてプラスアルファ、付加的にさらに魅力ある補助にしていこうという仕組みで取り組んでいるものでございますので、今後においても、そういった市町村の税源の涵養や人口減少社会への対応等も見据えた幅広い観点から検討、研究をしていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。
〇ハクセル美穂子副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後2時58分 休 憩
午後3時18分再開
〇佐々木朋和委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
この後、審査を予定している部局について9人の質問者が予定されておりますので、引き続き、議事の進行に御協力願います。
この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇高橋雇用対策課長 先ほどの事業復興型雇用創出助成金の支払い事務についてでございますけれども、平成28年度に支出処理を行いました事業所につきましては2、880事業所、1万4、139人、41億円を支出したところでございます。
そのうち、平成28年現年度支払いということで、3月31日までに3、405人、約8億円余を支払いしております。
なお、平成27年度から1万734人に対しまして明許繰越ということで33億円を支出したところでございます。これらにつきましては、請求書の提出を受けまして、7月までにほぼ支払いを完了しているところでございます。
〇工藤勝博委員 雇用対策について、まずお伺いいたします。
近年、商工業、建設業、農林水産業を初めとして幅広い分野で人手不足が深刻化しております。県議会の4特別委員会の産業振興・雇用対策調査特別委員会でいろいろな県内企業、そしてまた、それぞれの育成機関等のお話を伺いながら2年間調査をしてまいりました。その中で特に気づいた点をきょうは重点的にお伺いしたいと思います。
第1点は、若年層の就職、就業、それに伴う求人の状況をまずもってお伺いしたいと思います。
〇高橋雇用対策課長 新卒就職者、求職者の状況についてでございますけれども、岩手労働局の平成29年3月卒業の就職状況の発表の数値によりますと、県内大学における就職内定者数は、就職希望者1、870人に対しまして1、789人、県内高等学校における就職者数は、就職希望者3、180人に対し3、177人となっております。
また、今年8月末現在の平成30年3月新規高卒者対象求人受理状況でございますが、求人数は5、224人と前年同期の4、743人を481人上回っているところでございます。
なお、大学における状況は、現在のところ岩手労働局よりは発表されていないところでございます。
〇工藤勝博委員 新卒の就職状況は県内就職も若干ずつでも伸びているということは大変いいことだろうと思いますけれども、調査の中で工業高校の状況がありました。県南の工業高校の場合は地元企業の求職が多いと思うのですけれども、県北にある工業高校の中では、やっぱり地元で就職したくても受けられる企業が少ないこともあって、ほとんど県内の別の地域、あるいは県外のほうが多いという実態でもあります。
その進路指導する担当者の話でも、例えば二戸から北上に行くにも、二戸から東京に行くのにも時間的にそう変わりない。ですから、条件のいい首都圏、関東圏に行くという実態があるようなんですね。
そういうことも含めて、企業が求めている人材をこれからどうカリキュラムの中でつくっていくか。今までは技能に注目した人材育成ということが多かったと思うんです。それ以上に、今、企業によっては、開発力とかマネジメントのような新たな分野で人材を求めているということが言われてもおります。そのような中で、これからの人材育成をどう考えているかをあわせてお願いしたいと思います。
〇藤田特命参事兼ものづくり産業振興課長 まず1点目でございます、企業の求める人材ということでございます。
これにつきましては、ものづくり分野で、経済団体でありますとか業界団体から意見等を聞いております。例えば経済団体では、中小企業を支える担い手の確保でありますとか技術の承継という課題があって、その人材をということもありますし、また、業界団体からは、小・中・高までの各教育段階において、ものづくりが好きになるとか、ものづくりが得意になるとか、そういったキャリア教育を実践するような御意見も頂戴しているところでございます。
今後、産業界が求めるこのような人材を私ども、高校も含めましていろいろと手を講じている状況でございまして、例えばものづくり分野でございますが、工業高校の生徒を対象とした工場見学会とか技能講習─これはキャリア教育の推進でございますが─に積極的に取り組んでおります。
また、平成28年度からは、この工場見学会でございますけれども、工業系以外の高校につきましても門戸を広げております。そういうことをしながら、県内のものづくり企業の理解推進に努めている状況でございます。
また、企業のニーズもございまして、企業技術者の資質向上を図るために、各地域のものづくりネットワークという産学官の連携したネットワークがございますが、このネットワークを中心に、ものづくりいわて塾とかという形で、レベルの高い技術者を育成する取り組みにも長年努めている状況でございます。
そういう取り組みを進めながら、また、企業の意見を聞きながら、いわゆる企業ニーズにマッチした人材を育成、定着するような形で進めてまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝博委員 その取り組みは理解したところですが、学校によっては、企業は求人を出す時期がちょっと遅過ぎると。ことしの調査でも、7月に三者面談で、生徒、父兄をあわせて、もうどの会社にするか決めてしまうのだと。やっぱり大手はどんどん早く募集が入るけれども、県内企業は遅いのだと。もうちょっと早目にというのが現場の担当者の大きな要望でもあるんですね。
というのは、やっぱり県内の企業は、恐らくぎりぎりまで自分の会社の状況を判断しながら募集をかけるということがあると。それですと、どうしても一歩も二歩もおくれるのだと。せっかくの人材が県外に行ってしまうという状況がある。その辺の高校との連携もこれから密にしていかないと、なかなか県内定着に結びつかないのだろうと思いますけれども、その辺の取り組みはどのようになされているのでしょうか。
〇高橋雇用対策課長 求人の時期が遅いというお話でございましたけれども、こちらにつきましては、国、岩手労働局、県、あとは各地域の市町村が三者で要請活動を行っておりまして、この取り組みによって、年々高校生を中心に、企業も求人票の提出を早めていただいている状況でございます。こういった取り組みを通じて、県内企業の求人時期が遅いということが改善されるように進めていきたいと考えておりますし、こういったことをぜひ各構成団体にも周知しながら進めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 雇用対策に関して、もう一点お伺いします。特に若年者の皆さんが、県内の企業を知らな過ぎる、知らないということが調査でも明らかになっています。全く知らないという人が全体の3分の1、1社か2社しか知らないというのも3割近くの人数ですので、ほぼ7割近くの生徒が、県内の企業を知っていても1社か2社しかないということです。これは企業の努力も必要だろうと思いますけれども、何かいい工夫がないと、岩手で働こうといっても、なかなか結びつかないだろうと思います。
インターンシップなどもあるとは思うんですけれども、広く県内の企業を紹介する手だても必要ではないかと思います。4特別委員会の調査でも、県内で先進的な取り組みをしている、世界的にもシェアのある会社を呼んでいろいろお話を聞く機会もありました。私自身も、会社の名前といいますかその状況を知らなかったところもありますけれども、そういう高校生、大学生が多いのではないかと思います。調査の結果でもその数字が出ておりますので、それらを認知させる工夫をこれからもうちょっと考えていかなければならないだろうと思いますけれども、その辺の取り組みについてはどのように考えていますか。
〇高橋雇用対策課長 県内企業の認知度向上の取り組みについてでございますけれども、まず、県では、若年者の県内就業を促進するために、大学生に対しましては、岩手労働局やふるさといわて定住財団と連携した県内や首都圏における就職面接会の開催など、学生、保護者などが県内の産業や企業を知るための各種取り組みを実施しているところでございます。
また、高校生に対しましては、県内各地域に配置しております就業支援員が、各高校に出向きまして、県内就職に向けた企業とのマッチングを積極的に行っているほか、各地域の企業が市町村や広域振興局等の関係団体と連携し、例えば、きたかみ・かねがさきテクノメッセやしごとメッセin宮古見学会などの企業見学会を開催する際に、高校生や保護者等を招くなどの取り組みを推進しているところでございます。
さらに、昨年度からは、いわてで働こう推進協議会を核といたしまして、就職情報サイトであるシゴトバクラシバいわてにおきまして県内企業の紹介を行うなど、生徒、学生、教員、保護者などに対しまして情報発信を行ってきたところでございます。
今年度におきましては、これらの取り組みに加えて、新たに若者や女性を初め、広く県民に岩手で働くことの魅力を感じてもらうとともに、県内企業をよく知ってもらう場といたしまして、いわてとワタシゴト展を開催いたしまして、その特集記事を岩手日報のタブロイド版として約21万部発行し、県内外に広く周知したところでございます。
今後も、これら施策を協議会初め関係機関と連携していくことによりまして、県内企業の認知度向上に向けて取り組んでまいりたいと思います。
〇工藤勝博委員 その取り組みに期待したいところでありますが、建設業の協会の皆さんが、漫画風にそういう冊子もつくっていますね。そういう高校生なり、あるいはまた若年者の興味を引くような、小・中・高の生徒でも十分理解できるような漫画形式の冊子をつくっています。それらも含めて、県内には本当にすばらしい企業がたくさんあると思うので、それらもいろいろな形で積極的に県がPRしていかないと、それぞれの企業に委ねたって、これはなかなか難しいかと思いますので、ぜひ、その取り組みの強化をお願いしたいと思います。
2点目に、海外市場の展開についてということで、国内の需要がしぼんでいる中で、これから成長させるためには、海外に目を向けることも大変重要なことだろうと思いますけれども、その取り組みについて、状況をお伺いしたいと思います。
〇押切参事兼産業経済交流課総括課長 海外展開支援企業の状況、そして課題等についてもあわせて説明させていただきます。
県では、海外展開に意欲的な企業を支援するために、主に中国を初めとする東アジアで開催される商談会へ出展するとともに、海外からバイヤーを招聘し、県内企業とのマッチングを図っているところでございます。
また、県内の金融機関におきましても、取引先企業の成長のために、ベトナムなど東南アジアへの海外展開を支援する動きも見られますことから、必要に応じまして、情報共有を図りながら進めているところでございます。
企業の状況といたしましては、既に参入している企業に加えまして、一部の若い経営者の皆様方が海外への展開について関心を持っているということもございまして、意欲ある企業の新規参入が期待されるところでございます。
これまでの取り組みを通じまして、海外展開企業の裾野の拡大とともに、現地のニーズに合わせた商品開発の必要性、値段ですとか、味ですとか、賞味期限の話もございます。それに、現地まで輸送するための物流コスト等の話、そして、現地における岩手の認知度が低いことなどの課題が見えてきたところでございます。
県といたしましては、これらの課題の解決を図りながら、商談が実際の取引に一つでも多くつながり、県産品の輸出拡大が図られるよう、引き続き、ジェトロなど関係機関と連携した取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇工藤勝博委員 この事業は、販路の拡大ということで理解してよろしいんでしょうか。それとも、県内の企業が海外進出して、現地での生産活動も含めて企業を発展させるということの両方があると思うんですけれども、どちらを重点的に事業展開なさるんでしょうか。
〇押切参事兼産業経済交流課総括課長 私ども産業経済交流課の事業といたしましては、まずは販路の拡大、そして輸出の拡大という部分で活動しているところでございますが、大連経済事務所におきましては、中国に進出したい企業についての御相談等も承って活動しているところでございます。
〇工藤勝博委員 大分前に県内企業が中国、あるいはものづくりでそういうコストの安いところに進出したということがあります。今となっては、逆に引き返してくる企業も出てきているんですね。それらも含めて、リスクのない、そしてまた、成長が見込める仕掛けをしないと大変なことになるんだろうと考えます。
そういう中で、今定例会でも中国雲南省の事務所等の話も出ました。雲南事務所は、拠点づくりとしての事務所づくりなのか、この販路拡大、交流人口の拡大も含めてどういう位置づけになるのかお伺いしたいと思います。
〇押切参事兼産業経済交流課総括課長 雲南事務所の位置づけというお話でございますが、雲南事務所につきましては、経済交流のみならず、文化交流でありますとか、青少年交流でありますとか、学術交流、そして農業交流等も今始まってございますので、幅広い交流を行うと。その中から、ウイン・ウインの関係でお互いに利益を出していく取り組みにしたいと考えているところでございます。
〇工藤勝博委員 この海外展開の中で、八幡平のリンドウが盛んにやっています。海外にも生産拠点が、ニュージーランド、チリ、そしてまた、去年からですか、アフリカのウガンダにもあるんですけれども、それらの支援というのは今後どのような取り組みをなされるか、お願いします。
〇押切参事兼産業経済交流課総括課長 たまたま雲南省というのは、花卉の世界的なオークションがあり、リンドウの関係でも研究が進んでおりまして、何か日本にない花もあるという話もあるようでございます。そういう部分も農業交流等を通じて、岩手県のためになるような成果も出せればと考えているところでございます。
〇工藤勝博委員 ぜひそういう取り組みもやっていただきたい。雲南省の昆明で国際園芸博覧会も大分前にありました。県内の花の生産者も行って多分見たと思いますけれども、そういう交流が深まれば新たな展開が開けると思うので、取り組みを強化していただきたいと思います。
次に、三つ目ですけれども、インバウンド新時代戦略事業についてということで伺います。
この事業の成果をまずお聞きしたいと思います。
〇平井観光課総括課長 インバウンド新時代戦略事業の、まず成果についてでございますが、この事業につきましては、国の東北観光復興対策交付金を活用いたしまして、外国人観光客の誘致拡大を図るために実施する事業でございます。
事業の柱といたしましては、プロモーションと受け入れ環境整備の二つを柱としているものでございます。
平成28年度は、プロモーションにつきましては、東北の他県とも広域的な連携をいたしまして、海外メディア、旅行会社の招請、テレビドラマロケ誘致などを実施するとともに、県産品の販路拡大の取り組みとも連動いたしまして、海外旅行博への出展や海外旅行会社へのセールス等も実施したところでございます。
また、受け入れ環境整備につきましては、宿泊、観光施設の無料公衆無線LAN環境や多言語表示、それから、外国人観光客のニーズの高い洋式トイレの整備についても補助などを実施したところでございます。
このような取り組みによりまして、平成28年の本県への外国人宿泊者数は、震災前の平成22年と比較いたしまして45.2%増となります13万2、030人泊と過去最高を記録しているところでございます。
また、通訳サービスを提供いたしますコールセンターがございまして、こちらに登録していただいております施設の数ですが、平成27年度末におきましては157の施設でしたが、平成29年、ことし10月現在は284施設に増加するなど、外国人観光客を受け入れようとしている施設も拡大してきているところでございます。
〇工藤勝博委員 国のインバウンド対策ということで、東北が、これは当然、東日本大震災津波の状況もあって、他の地区と比べて大分おくれている。それをいかに挽回するかだろうと思いますけれども、この交付金は、東北観光、東北一体となった取り組みということでいろいろなメニューがあるわけですが、それを岩手なり、特にも北東北、青森、秋田、岩手を含めて特化した取り組みというのはどのようなものがあるか聞きたいと思います。
〇平井観光課総括課長 特に北東北3県の連携状況でございますが、国の指導もございまして、東北全体もしくはそのエリアの底上げをしていくような連携した取り組みが奨励されておりまして、東北6県または北東北3県で連携した取り組みをしております。
北東北3県におきましては、3県の特色であります食をテーマとして、これを海外に売り込む事業を共同で実施しておりますし、また、十和田八幡平国立公園が環境省の国立公園満喫プロジェクトに採択されております。これは環境省サイドでいろいろな施設整備等のプログラムを実施しておりますが、これと連動いたしまして、観光サイドとしましては、外国人観光客の方々を公園にいかに誘客していくかも、3県連携で取り組んでいるものでございます。
〇工藤勝博委員 この事業で八幡平の旧レストハウスの解体といいますか、廃墟を撤去できたということで、大変ありがとうございます。
あわせて、十和田八幡平が国立公園になって昨年60周年ということで、また新たなスタートを切ったわけですけれども、ナショナルパークとしての位置づけですが、全国8カ所のナショナルパークということで、さらにその魅力度を高めることがこれから求められると思うんですが、それらについては、これからどのような推進の方策をお持ちなのかお聞きしたいと思います。
〇平井観光課総括課長 十和田八幡平国立公園のナショナルパークの推進でございますけれども、先ほども御答弁申し上げましたが、国立公園満喫プロジェクトの推進とあわせて、北東北3県で連携しながらインバウンド誘客に取り組むこととしております。
具体的には平成28年度におきましては、国立公園満喫プロジェクトとは別に、この国立公園で誘客する際の強みとか弱み、それから、外国人視点でのニーズを把握するための調査を3県共同で実施するとともに、ウエブなどを使いました情報発信、それから、海外の旅行会社の招請も3県共同で取り組んでいるものでございます。
また、今年度におきましては、外国人が滞在しやすい環境整備を図るために、参加型、体験型プログラムを整備していくにはどんな方法があるかとか、二次交通アクセスの問題、それから滞在型観光を促進するためにはどういう手法があるかの調査、検討、もう一つ、大事なことでございますが、人材育成も必要でございますので、外国人観光客受入セミナーの開催にも取り組んでいるところでございます。
〇工藤勝博委員 わかりました。今、二次交通という話もありました。この二次交通の場合、花巻空港に入るチャーター便もありますけれども、これから多く期待されるのは、花巻空港より仙台空港のLCCだろうと私は考えるんですね。それらも含めて、この二次交通の分、シャトルバスで無料送迎もいいのですけれども、来たお客さんにすれば、やっぱり自分の足で現地に行ってみたいというのが、これからどんどんふえてくると思うんです。
先ほど推定13万2、000人泊という話もありました。その中で、足の確保、鉄道にするかバスにするか、あるいは、もう一つはやっぱり車、レンタカーという手段があると思うんですけれども、これからの取り組みとしてはレンタカーの利用がふえてくると思うんですね。それらの対応を考えていかないと、多くの世代を受け入れるためにも必要だろうと思います。
もう団体の旅行から個人の旅行に変わっているので、特にもそういう点で、二次交通、足の確保を考えていかなければならないと思うんですけれども、その辺の取り組みについてお伺いします。
〇平井観光課総括課長 まず、外国人対応のレンタカーでございますけれども、これは全国的なデータとなりますが、一般社団法人全国レンタカー協会という団体の調査によりますと、平成28年、日本国内での外国人のレンタカーの利用実績は、その前の年に対し、43.6%増と非常に高い増加を示しています。
また、本県におきましても、主要レンタカー会社から聞き取ったところ、今年度におきましては、前年と変わらないというところもございましたが、やはり1.5倍になっているところもございまして、本県におきましても、外国人旅行者のレンタカー利用は増加傾向にあると捉えております。
先ほど委員からもお話がございましたが、やはり個人旅行化に伴いまして、まず、レンタカーへのニーズが非常に高まってくるだろうということもございますし、また、東北圏内を広域に回っていただいて、いろいろなところで観光消費をしていただくためにも、レンタカーの利用は非常に重要と考えております。
このようなことから、東北各県、やはり広域、東北全体を移動していくということを見据えまして、先ほど申し上げた東北観光復興対策交付金を活用して、東北6県で連携し、ドライブ観光に関する外国人の動向とかニーズの調査を昨年行っております。また、海外への情報発信、それから、レンタカーを含めた旅行商品をつくっていただくために、海外旅行会社の招請にも取り組んでいるところでございます。
〇佐々木朋和委員長 工藤委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力願います。
〇工藤勝博委員 あと1点です。今度の台湾からのインバウンドは、冬期間のチャーター便もかなりあります。その冬季における誘客対策ということでお聞きしたいんですが、一つ残念なことは、冬の目玉商品として小岩井農場の雪まつりがあるわけですけれども、ここ数年、雪不足ということで年々縮小して、これからどうなるんだろうと心配されています。それらも含めて、この冬季の誘客のことをお聞きしたいと思います。
〇平井観光課総括課長 まず、少雪に伴う、いわて雪まつりの対応についてですが、こちらのほうは広域的な分散開催ということで、今、地元のほうで調整していると聞いてます。
また、冬期間の観光につきましては、こちらも国が委託しました有識者からも、東北のインバウンドを拡大していくためには、他地域と違うもの、特に冬というものを売っていかなければならないというような御提言もいただいているところでございまして、例えば雪と冬の食などを組み合わせて長期間滞在していただくもののプロモーションも展開してきているものでございます。
また、スキーにつきましては、今まではオーストラリア、台湾などからのスキーツアーもチャーター便等を利用しておりますが、やはり2022年に北京で冬季オリンピックの開催が予定される中国、こちらは国の政策でスキー人口をふやしていくという施策がございますので、こちらの誘客にも取り組んでいきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 私からは、商工会、商工会議所の活動支援についてお伺いしたいと思います。
さまざまな県や国の制度があるわけですけれども、そういう支援制度、助成金とかセミナーとかといったものを実際に活用して活動しているのは商工会、商工会議所なわけですが、その将来運営に不安があるということが地域では言われております。
商工業小規模事業経営支援事業費補助金というものが県からずっと出ているわけですけれども、その補助金を活用して巡回指導も行われているということです。経営指導員などの活動は補助金によって支えられているわけですが、巡回指導の達成度が、この資料を見ますとCという評価で、余りよろしくないような評価になっております。その要因をどのように捉えておりますでしょうか。
〇高橋経営支援課総括課長 商工会、商工会議所等の巡回指導の達成状況ですけれども、この県内の巡回指導実企業数は、平成28年度で1万730件で、前年度からはほぼ横ばいという状況になっています。
この件数は巡回指導に出向いた企業の実数でありまして、同じ企業に何度か指導した場合でも1件とカウントしております。実際に巡回指導に出向いた延べ件数は、平成28年度で3万7、313件ということで、前年度と比べて約1、200件の増加となっています。
巡回指導については、事業環境が変化していること、それから、昨年は台風第10号の関係の緊急対応等で同じ企業に継続的に入ることがあったことで、結果としてはこういうような評価になったものと捉えております。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。そうすると、目標指標の出し方が少し違うのかなということですね。実際は、活動はされていると評価するべきだということですね。
それで、この小規模事業経営支援事業費補助金ですけれども、各商工会、商工会議所に出されているわけでして、それが商工会合併後10年を経過すると減額されることに基本的にはなっておりますが、沿岸地域、それから、北上市なども特別の配慮をいただき、特例でいただいておりますが、今後、次々に合併10年を超えるわけですね。盛岡市も花巻市も平成30年3月で合併10年、奥州市は平成31年3月ということで、沿岸は別の枠で加算されているわけです。そういったことで、この合併10年という区切りで指導員の加算がなくなるということになると、本当に商工会、商工会議所では、活動が非常に狭まるというかできなくなることを大変危惧しております。
それで、その積算の仕方を変更するべきではないかということが商工会議所からも要望されていると思いますけれども、どのように検討されてきたのかお伺いいたします。
〇高橋経営支援課総括課長 商工会、商工会議所の活動の中心的な収入が県からの補助金ということになっているのですけれども、小規模事業者支援法の改正が平成26年にありまして、いわゆる伴走型支援ですとか、小規模事業者の経営力強化あるいは災害からの復旧、復興に向けていろいろ取り組むということ、あわせて地域づくりや観光振興などにおいても、さまざまな役割をどんどん担っていただいていると認識しております。そういうことで、この運営体制を維持していくことは非常に重要なことだと考えております。
それで、今年度、商工指導団体とは、現在の運営状況ですとか将来的な指導方針等について意見交換を行っておりまして、どういった業務がふえてきているのかといったようなところの意見交換をしております。また、他県での取り組み事例等の研究も行っておりまして、商工業小規模事業経営支援事業費補助金を初めとする県の支援方法について検討しているところです。
今後とも、中小企業者の支援ニーズを踏まえて、各団体の事業量の具体的な見通しなども見きわめながら、市町村や関係機関等とも意見交換を行いまして、これからの補助金による支援のあり方について、さらに検討を進めていきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 さらに検討ということで、ずっと検討していると思うのですけれども、次の年度はどうなるんだろうと毎年毎年心配しているような状況であります。
この制度は、昔は国の基準で行われていた、それが県の制度になって、その算定根拠がそのまま使われておりますけれども、他県では、経営指導員の配置基準の事業所数とか補助員の設置の基準とか、変えている県がかなりあるようです。そうしたことで、こういった巡回指導をどのように行っているかとか、商工会、商工会議所の組織率のこととか、さまざまな要素を加味して算定基準をつくっていただきたいと思っております。どうでしょうか。
〇高橋経営支援課総括課長 ただいま委員からお話があったとおり、他県でもそういう算定方法を見直しているところでもありますし、また、本県でも、震災の対応等で算定基準の見直しといいますか加算等している部分もあります。あと、合併によって、地域的に同一市町村にはなったものの、逆に範囲が広くなったといったようなお話もあるところもありますので、そういった事情等も含めて、いずれ検討していくということで今進めております。
〇福井せいじ委員 私は、いわて働き方改革推進事業費について、1点だけ聞きたいと思います。
この事業費は、平成28年度は2、500万円ほど支出されておりますが、お聞きしましたところ、いわて働き方改革推進運動の実施等、あるいは働き方改革アワード、そしてまた、働き方改革推進パンフレットの作成など、さまざまな事業が行われております。
そこで、このパンフレットとか、各事業所の取り組み実態を見せていただきましたら、働き方改革というと、時短であるとか休暇のとり方などといったところが注目されていますが、各企業が追求しているのは生産性の向上であるということも上げられております。特に、この生産性向上については、それがまた時短につながるとか、あるいは休暇の取得のしやすさにつながっていくと私も考えております。
そこでお聞きしますが、こういった生産性の向上、改善あるいは、休暇取得制度とか就業環境の改善等の具体的な改善の施策等についてあるのかどうか、その政策の実態を御紹介いただきたいと思います。
〇八重樫雇用対策・労働室長 働き方改革と生産性向上の関係についてのお尋ねでございます。
まず、働き方改革は、今、委員おっしゃいましたとおり、長時間労働の是正あるいは職場環境の改善等によって従業員のワーク・ライフ・バランスを確保して、従業員が生き生きと効率的に働くことによって、ひいては企業の生産性の向上にも寄与するものだということで、両立するものであると認識しております。
このため、この働き方改革の関係事業を昨年度から本格的に展開して、県内の働き方改革に取り組む企業を県として、それから、いわてで働こう推進協議会としても、積極的にバックアップしてきているところでございます。
それで、生産性の向上に結びつくような取り組みということでございますけれども、国におきましては、そういう各種の生産性向上にかかわる助成制度がございまして、まず一つは、従業員の仕事と家庭の両立支援や女性の活躍推進を目的としました両立支援等助成金がございます。これについては、例えば介護休業の取得、職場復帰あるいは働きながら介護を行うための勤務制度の利用を円滑に行った事業主に助成金を支給する介護離職防止支援コース、あるいは女性活躍推進法に基づいた行動計画を策定して、目標を達成した事業主に助成金を支給する女性活躍加速化コースなどがありますし、非正規雇用の正社員化の推進あるいは職業訓練等の人材育成による生産性の向上といったものを図った事業主を助成するキャリアアップ助成金というものがございます。
実は、これらの助成金は、生産性の向上も意識したものということに最近はなっておりまして、具体的には、企業等が申請を行う直近の会計年度の生産性が、3年前に比べて6%以上伸びていれば、約十数%の割り増しで事業主に助成金が支払われるというインセンティブがございます。
このようなことから、本県といたしましても、企業の生産性の向上に向けまして、こういった国の助成金制度の普及啓発もやっておりますし、県の事業としても、企業の設備高度化あるいはカイゼンの導入、新商品開発などの支援措置を行っているところでございます。
〇佐々木朋和委員長 この際、進行に御協力願うため、答弁は簡潔に願います。
〇福井せいじ委員 要は、この生産性向上についてはそういった具体的な施策もある。さらには、職場環境の改善、それから、さっき言った介護休暇あるいは育児休暇取得制度がある。私は、この働き方改革というものは、先ほどから言っているとおり、さまざまな分野にわたっていると思いますし、これから働く人材が少なくなっていく中で、いかに産業を維持していくか、発展させていくか、あるいは改革していくかという非常に大切な取り組みだと思うんですね。
今、室長がお話しされた中身は、ただ単に商工関係だけにとどまらず、さまざまな分野の中で出てきた課題が働き方改革につながっていると私は思っております。
そういった意味では、岩手県の中で働き方改革を進めるのであれば、さまざまな国、省庁の横の横断的な施策を一つに取りまとめて県内企業の方々に提案する働き方改革パッケージプランのようなものをつくって一度に提案していくことが、私は、一気に働き方を変える大きな施策になるのではないかと思いますけれども、こういったことはお考えにならないでしょうか。
〇八重樫雇用対策・労働室長 国、県の施策をパッケージ化して、そういった助成制度の周知を図るべきということでございますが、実は、前の議会で部長も答弁しておりますが、ことし5月に国とか県の商工に関する施策補助、助成制度をテーマごとに取りまとめました岩手県地域産業支援施策活用ガイドブックというものを作成いたしました。印刷費の関係がありますので、基本的にはホームページに掲載してPRしておりますが、関係機関には印刷して配っております。
ただ、こちらはテーマごとにまとめているといっても、例えば生産性向上とかというテーマではなくて、経営支援とか企業支援とかといったテーマでございますので、今の委員の意見も踏まえて、考えていきたいと思います。
あと、働き方改革のサイドで言いますと、今もホームページという話をしましたが、電子版の情報紙のいわて労働NEWSというものを昨年度からつくっておりまして、こちらも厚生労働省や経済産業省のメニュー、あるいは県の助成制度などもまとめて、こちらは電子メールで関係団体、市町村といわてで働こう推進協議会の団体、すなわち各商工団体、産業団体、労働団体が入っておりますが、そういったところにお知らせしております。
今年度は、新しいパンフレットといたしまして、働き方改革スタートブックというものを企業向けに作成する予定をしているのですけれども、その中に、今御意見をいただきました国の各省庁あるいは県のそういった生産性向上にかかわるような支援制度なども盛り込みまして、作成していきたいということで、いずれ委員の意見を参考にしながら、今後の政策を考えていきたいと思います。
〇福井せいじ委員 新しいそういった働き方改革の推進の冊子もつくられるということですから、ぜひとも岩手県版として、そういったパッケージのプロジェクトをつくっていただきたいと思います。せっかく中小企業振興条例も制定して、中小企業の支援という意味では、岩手オリジナルのそういったパッケージプランをどんどんつくっていっていただきたいと思います。要望で、終わります。
〇菅野ひろのり委員 私からは、伝統工芸品についてお伺いいたします。
いわて県民計画実施状況報告書の20ページによりますと、伝統産業に係る製造品出荷額の達成度A、経済産業省を見ても5年間で増加しているということでありましたが、岩谷堂箪笥の出荷額は過去3年で減少と。ことしの7月、製造元の藤里木工所が破産いたしました。従業員13人が解雇と非常に残念な結果だと思っています。
このポイントは、岩谷堂箪笥の出荷先は岩手県の出資法人である岩手県産株式会社が100%となっているいうことなんです。この破産の原因の一つに、岩手県産からの計画的な発注が減少したことが挙げられています。その金額が2億円ぐらいだったと記憶しています。
そこで伺いたいんですが、岩手県産株式会社側から見れば在庫の圧縮は必要なんだと思います。一方で、伝統工芸品、その産業を振興していくんだという考えであれば、やっぱりこれは、今後も計画的にしっかりと一定数の発注が必要だと考えますが、岩手県産株式会社の在庫の状況と経営に与える影響、そして、今後の対策を輸出も含めて伺いたいと思います。
〇高橋地域産業課長 岩手県産株式会社における岩谷堂箪笥の在庫状況と経営への影響についての御質問でございますけれども、岩谷堂箪笥の出荷につきましては、岩手県産株式会社が、委員御指摘のとおり、総販売元として岩谷堂箪笥生産協同組合へ発注しているところでございまして、平成28年に組合への発注額が減少した一方で、岩手県産株式会社における在庫は増加したものとこちらでも承知しているところでございます。
岩手県産株式会社の経営状況につきましては、平成28年度決算におきまして、平成17年度以来11年ぶりの赤字決算となっているところでございますが、その要因といたしましては、物流コストの増加のほか、前年度にアンテナショップ各店で実施しましたふるさと割というものがございますけれども、それらの反動ですとか、それから、台風第10号被害による仕入れ先からの商品供給停止など、さまざまございますが、岩谷堂箪笥の販売不調も考えられているところでございます。
県では、岩手県産株式会社の経営の安定と伝統工芸産業の振興は一体のものとして捉えておりまして、岩手県産株式会社と連携して、国内外で物産展などを開催いたしまして、岩谷堂箪笥も含めて岩手県産品の販路拡大に向けた取り組みを進めているところでございます。
また、有力な市場であります首都圏で開催される伝統的工芸品の全国規模の展示会への出展、伝統工芸青山スクエアというものがございますけれども、こちらでの展示販売会の開催など販路開拓や販売機会の創出に取り組んでいますほか、昨年度から、異業種交流連携グループの形成ですとか事業者間連携を促進いたしまして、現代のライフスタイルに合った新商品の開発を支援しているところでございます。
なお、岩谷堂箪笥生産協同組合におきましても、新規需要の見込まれる地域で販売会を開催するなど、新たな展開も検討しているところでございまして、県といたしましても、引き続き伝統工芸産業の振興に取り組んでいきたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 今、出資法人についてはいろいろと話題に上がっているところでありますけれども、本件に関しても、会長が知事で、菊池部長が役員ということを伺っておりました。そこで部長にお伺いしたいんですけれども、岩手県産株式会社から、販売数量が落ち込んできたという中で、生産体制も縮小してほしいというような意見があったということなんです。すなわちそれは、製造元からしたら、数人程度の工房でつくっていることに対して、生産体制を見直せというのは、これはもう、厳しい言い方をすると、やめてくださいというようなことと現場としては受けとめてしまうだろうと思っています。
部長はこの実態をどのように把握しているか、お聞かせいただきたいと思います。
〇菊池商工労働観光部長 岩谷堂箪笥の状況、実態については、市況の状況とか、各事業所、組合の経営実態について、岩手県産株式会社からも報告を受けておりますし、当部としても、いろいろ状況把握に努めているところでございます。委員御指摘の岩手県産のどういうレベルの担当の人間かわかりませんが、そういった働きかけといいますか要請をしたという事実は、実は私は承知しておりません。
一方で、先ほどの答弁にもありましたが、伝統工芸品、特に岩谷堂箪笥のようなちょっと大がかりで単価も高いものにつきましては、常に市場動向によるリスクと背中合わせというところもあろうかと思います。それを回避するために、伝統的工芸品とかといったブランド化をして、安定的な供給、要は、わかりやすいのは、東京の仲買といいますか、そちらのほうにうまくつなげて安定的な販路の確保を図っていく必要があることと捉えておりまして、これからもそういった、いわゆるブランドとしての岩谷堂箪笥の力を高めていかなければならないと。
もう一方では、先ほども答弁しましたが、やはり需要が変わってきていることを敏感につかんでいかなければならないところがありまして、それは、まさに岩手県産株式会社が、市場をマネジメントしている側として、先ほどのお話のようなことはないと思うんですけれども、生産者といろいろ相談をして、市場にマッチングしたデザイン開発とか、全く新しい使い方とかといったものを提案していかないと、国内の市場はもちろんそうですが、海外においても似たような商品がどんどん出てきています。中国でにせものがいっぱい出ているのは御存じのとおりです。
そういった中で、本物のよさであり、新しい価値をつくっていかなければならない。これは産みの苦しみもあると思いますが、そういった努力を、岩手県産がいろいろなアンテナでつかまえた情報も大事ですし、製造業者が持っているノウハウ、知恵も大事です。そういったものをうまく組み合わせて、伝統的工芸産業の振興をこれからも続けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
〇菅野ひろのり委員 非常に詳しい御答弁をいただきました。また、そのまま岩手県産株式会社にもお伝えいただきたいと思います。
ほかにも質問があったのですが、今の答弁で完結したようでございますので、これからもよろしくお願いします。
〇神崎浩之委員 観光振興について二つの方向からお伺いいたします。
今まで、国は観光に予算をほとんどつけてきませんでした。それが、東北の観光振興ということで、特に平成28年度は、東北、岩手の観光に多くの予算がついたはずであります。
そこで、国の観光庁、それから復興庁からの観光予算の活用状況、特に東北観光復興対策交付金についてお伺いしたいと思います。
国の全体予算額、あと交付金の流れについてですが、先ほど工藤委員の質疑の中のインバウンドでもあったんですが、企業のというかお店の施設整備でも洋式トイレ等のお話がありましたけれども、国から県に来て市町村に行く流れはあるんですが、そこから団体とか個々の個店にどういうルートで交付金、助成金が行っているのか。それから、東北の組織もありますけれども、その辺のお金の流れについてもあわせてお伺いしたいと思います。
〇平井観光課総括課長 国からの東北観光に対する支援の予算についてでございますが、まず、国におきましては、平成28年度に東北観光復興対策交付金が創設されております。平成28年度におきましては、国全体で当初予算額32億6、500万円、これに加えまして、第2次補正予算で8億円、計40億6、500万円の予算となっております。また、平成29年度におきましては、当初予算額が32億6、500万円措置されているものでございます。
こちらの活用でございますけれども、平成28年度の本県の活用でございますが、県の事業で3億3、668万円余、加えまして市町村事業で1億298万円余、合わせまして、岩手県全体で4億3、966万円余となっております。
また、平成29年度の活用額ですけれども、こちらは、平成28年度から繰り越したものがございます。それと、平成29年度分で国から1回目の交付決定を受け、さらに第2回目の交付内示を受けておりまして、こちらを合わせますと、県の事業で4億5、512万円余、市町村事業で2億5、360万円余、県全体で7億873万円余となっているものでございます。
それから、御質問がありました交付金の流れですが、こちらは、国から交付金という形で県、市町村に対して直接交付されるものでございます。そして、その交付金の使い方といいますか、交付金をどのように使うかについては、県、市町村がそれぞれ事業計画を提出いたしまして、国の承認を受けて行うものでございますが、本県の事業におきましては、民間施設、店舗、ホテル、旅館、観光施設におきまして、やはり個人旅行者も含めた外国人観光客への対応、受け入れ態勢、環境整備が必要という認識のもと、県におきまして、民間事業者に対しましてこのような整備に対しまして2分の1の補助をするというスキームの事業計画を策定いたしまして、これを国から承認を受けまして補助しているものでございます。
〇神崎浩之委員 大きなお金が国から岩手にも来ているということであります。そこで、先ほどもちょっと紹介があったんですけれども、インバウンドということではあったんですが、この7億円なりのお金を県はどういうふうに活用するのか、その内容について。
それから、他県の取り組みと比べて岩手の特徴なるものがあれば教えていただきたいと思います。
〇平井観光課総括課長 7億円の平成29年度の活用について申し上げさせていただきますと、まず県の事業におきましては、東北各県と広域連携した形の共同事業も実施しておりまして、海外旅行博への出展、それから、東北全体の旅行ルートへの旅行会社の招請、広域観光ルートのPRなど、こういうプロモーション事業も実施しております。
また、先ほども御紹介いたしましたが、民間の観光施設などへの翻訳サービスの提供、それから宿泊施設等における公衆無線LANの導入、ことしは、このメニューに、新たにホテル、旅館の和室を和洋室化する整備に対する支援なども行っているところでございます。
本県の特徴でございますが、先ほど申し上げました東北各県と連携したプロモーション、招請事業なり海外への情報発信に協働で力を入れているところでございますが、これから外国人観光客の個人旅行化が進んでいくことも予想されますので、各店舗、ホテル、旅館施設の外国人旅行者の受け入れ環境整備の補助スキームが岩手県単独での特徴でございます。
〇神崎浩之委員 実績を見ますと残念ながら減っているということでありまして、それはスキーの影響や台風の関係ということが書かれております。まいた種がすぐ出るわけではないと思いますけれども、平成29年度についてもこの予算が引き続きついておりますので、期待したいと思っております。
次に、バリアフリー観光の取り組みということでお尋ねしますけれども、まず、インバウンドへの取り組みにつきましては先ほど答弁がありました。インバウンドへの取り組みの中で、国際室との連携、関係についてお聞きしたいと思います。
商工労働観光部、それから空港の関係で県土整備部とかあるわけですけれども、国際室との役割分担というか連携はどういうふうになっているのかお聞きしたいと思います。
〇平井観光課総括課長 国際室との連携、役割分担でございますが、国際室は今年度、立ち上がりましたが、これにつきましては、ことし3月にいわて国際戦略ビジョンを策定しています。このビジョンは、海外との互恵的、多面的な交流を進めながら海外市場に売り込みをかけて外貨を獲得することが主な目的でございます。この国際ビジョンを主管する組織といたしまして国際室が立ち上がったものでございます。
したがいまして、国際室におきましては、売り込みだけではなく相互交流、文化交流、こういうものも含めて総合的な国際交流、国際経済の振興を所管するものでございまして、その中で、商工労働観光部におきましては、主に県産品の海外への販売、それから外国人観光客の誘致を主に取り組むものでございます。
ただ、私どものこの取り組みも全庁的な連携がなくては効果的に進みません。例えば国際チャーター便、国際定期便の空港への誘致とか、このほか新たに海外クルーズ船の誘致とか、そういうものとの連携も必要になっておりますので、その連携のてっぺんに国際室が立ってそれぞれ部局連携をしているという形でございます。
〇神崎浩之委員 ぜひ部局連携の中で一緒になって取り組んでいただきたいと思います。
次に、日本人観光客、それから高齢者、それから障がい者に対する観光の取り組みについてお聞きいたします。
それらの対応についてどうなっているのか。それから、障がい者のバリアフリー観光を当局ではどういうふうに位置づけていらっしゃるのか。また、四つの広域振興局があるわけですけれども、各圏域の出先機関のほうではこのバリアフリー観光の位置づけはどういうふうになっているのかお伺いしたいと思います。
〇平井観光課総括課長 高齢者、障がい者などについての取り組みでございますけれども、まず、位置づけでございますが、やはり本県の観光振興上、高齢者、障がい者の方を含めたユニバーサルデザイン化、それからバリアフリー観光は非常に重要なものと位置づけているところでございまして、先ほどのインバウンドの予算等を使いましてトイレの整備などについても支援を行っているところでございます。
各地区の取り組みですが、特にも本県の観光拠点である平泉地区を有する県南地域におきまして広く活発な活動をしているところでございます。平成26年に平泉ユニバーサルデザイン観光推進会議を立ち上げるとともに、観光介助ボランティア養成研修やモニターツアーの実施など、バリアフリー観光の推進に向けた取り組みを進めていただいたところでございます。
さらに今年度におきましては、これは県の事業でございますけれども、宿泊施設や観光施設におけるユニバーサルデザイン化の取り組み状況を含めまして、受け入れ環境の現状や課題についての把握─これは観光目的でございます、こういう調査を実施することとしております。この調査を踏まえまして、さらに今後の取り組みについても検討していきたいと考えております。
〇神崎浩之委員 最後にまとめてお聞きいたしますが、担当課の方と部長にも所感を求めたいと思うんですが、県南地域のユニバーサルデザインについては福祉でやっていますが、ぜひ観光部局でも責任を持ってやっていただきたい。大きな観光のくくりの中での障がい者の観光ということでありますから、ぜひ観光部局で責任を持ってやっていただきたい。
それから、国体、障害者スポーツ大会がありまして、国体、障害者スポーツ大会を迎えるに当たって、観光地、それから交通機関、駅、バス、タクシー等もバリアフリー化が進められていました。その辺についてどういうふうに把握しているか。
それから、国体、障害者スポーツ大会を終えて、多くの方が岩手県に来られたと思いますけれども、国体、障害者スポーツ大会について、高齢者、障がい者が岩手の観光にどういう形で寄与された、訪れていただいたのかをお聞きいたしまして質問を終わりたいと思います。
〇平井観光課総括課長 バリアフリー観光につきまして、観光部局の積極的な取り組みについてでございますが、先ほども御答弁申し上げましたが、今年度、観光という視点から観光施設や宿泊施設におけるユニバーサルデザイン化の取り組み状況、それから受け入れ環境の現状、課題の把握調査を観光サイドで実施することにしておりまして、これを踏まえまして、より積極的な取り組みを展開していきたいと考えています。
また、全国障害者スポーツ大会におけるバリアフリーへの取り組みでございますが、私どもで把握しておりますのは、特にも宿泊施設での取り組み状況でございます。こちらは昨年までありました国体・障がい者スポーツ大会局が中心となった取り組みではございますが、選手、関係者の宿泊予定施設に対してヒアリング、また調整を図りまして、障がい者の方々にどういうニーズがあって、どういうものが必要かをピックアップしまして、例えば仮設スロープや点字案内板の設置、それから、備品的なものではありますが、浴室用シャワーチェアや浴室用マットなどの宿泊支援用具の整備に取り組んできているものでございます。大会期間中におきましては、選手、関係者の方延べ2万8、000人の方に御利用いただいていたところでございます。
障がい者、高齢者の方が国体期間中にどのくらい訪れていただいたかについては詳細なデータはございませんが、開催した昨年10月、一般観光客の入り込みにつきましては、平成28年には台風第10号がございまして前月の9月には前年の8割ぐらいの落ち込みでございました。国体、障害者スポーツ大会もあわせた開催時期におきましては、前の年を0.9%ではございますが8割から100%まで伸ばすという形でたくさんの方々に訪れていただいていたところでございますが、高齢者、障がい者の方の訪問についてのデータはないところでございます。
〇菊池商工労働観光部長 委員御指摘のとおり、バリアフリー観光はインバウンドも国内観光においても非常に有力な分野でございまして、県としてもできる限りの対応を早急に進めるということで取り組んでいるところでございます。
いわゆる国体レガシーと申しますが、先ほどハード面については担当セクションの総括課長からも紹介があったように、さまざまなハード面の遺産がございますし、また、実際にバリアフリー観光を受け入れるためのマンパワーの面でも─委員もいろいろ現場で御活躍されてきたことは承知しておりますが─県民がさまざまな形でボランティアにかかわるなどして、マンパワー部分、いわゆるソフト部分でも非常に大事な資産をつくってきたと思っております。
そういった下地ができつつありますので、今後におきましても、どこが所管というよりは、まさに部局横断的に強力に進めていく必要があると認識しております。どうぞよろしくお願いいたします。
〇佐々木宣和委員 東日本大震災津波関連で大きく2点伺いたいと思います。
まず1点目が、宮古地域の雇用の動きについて、平成28年度は震災前に比べて雇用保険の適用状況はどうなっているか。特に産業別の事業所数、被保険者数について伺います。
〇高橋雇用対策課長 宮古地域の雇用保険の適用状況についてでございますが、まず、ハローワーク宮古管内における主な産業別の雇用保険適用事業所数と被保険者数の本年8月末時点の状況は、震災前の平成23年2月末時点と比較しますと、建設業では313事業所2、911人と50事業所801人増加、製造業では、205事業所4、239人と36事業所1、048人減少、卸売業、小売業では、265事業所1、929人と36事業所減少し3人増加、医療、福祉では、137事業所3、759人と1事業所減少し383人増加などとなっており、宮古地域の全産業の合計では、震災前より5事業所増加し、1、003人の増加となっているところでございます。
次に、沿岸地域全体では、大船渡、釜石、宮古、久慈の各ハローワーク管内の合計で、建設業では、1、230事業所1万1、462人と113事業所2、883人増加、建設業(後刻「製造業」と訂正)では、681事業所1万6、855人と126事業所3、231人減少、卸売業、小売業では、928事業所7、471人と105事業所減少し287人増加、医療、福祉では、489事業所1万2、109人と36事業所2、023人増加などとなっており、沿岸地域の全産業の合計では、震災前より68事業所増加し3、789人の増加となっております。
沿岸地域全域の中で、先ほど建設業をお話しした後に製造業ということで、ちょっと間違いましたけれども、製造業では681事業所1万6、855人と126事業所3、231人減少となっております。
〇佐々木宣和委員 現地復興推進会議でこの数字をお伝えいただいたところで、全体としてはプラスになっているけれども、プラスになっているのは建設業が主で、宿泊業、飲食、サービス業もプラスになっていると思いますけれども、その宿泊業に関しても、建設業の方々が泊まる施設がふえているということが容易に想像されます。結局、よく議会でも話題になりますけれども、復興工事が終わった後に、このプラスになっている部分がゼロになってマイナスしか残らなくなると本当に危機感を持っているところでございますけれども、そういった認識でよろしいでしょうか。
〇高橋雇用対策課長 宿泊業でございますが、サービス業については申し上げておりませんでしたが、委員のお話も踏まえまして確認は必要と思いますけれども、復興事業がある程度落ち着いてきますと、もちろん宿泊業につきましても数が減ってくるというのは趨勢の中にあると思います。いずれにしましても、先ほどの製造業もございますが、公共事業につきましては、岩手労働局でもピークアウトして一番高い水準は過ぎているということで、長期間の工事あるいは民間事業の需要もあるということで、沿岸部においては、建設業については求人は横ばい、または緩やかな減少ということも踏まえて、宿泊についてもそのような動向も見通しの中に考慮していく必要があると考えております。
〇佐々木宣和委員 というところで、これから三陸沿岸の産業をいかにしてつくっていくのか危機感を持ってやっていく必要があるところでございますけれども、東日本大震災津波のリーディング事業、シンボルになる事業は、やっぱり復興道路、三陸沿岸道路だと思っております。岩手県沿岸を縦に結ぶ無料の高速道路、これが全線開通すれば八戸から仙台まで7時間半が4時間になるということで、この道路を今後いかに活用していくかが三陸沿岸振興のキーポイントであり、特にも物流分野への好影響が期待されるところでございます。
そこで、物流関係、特にもトラック関係になると思いますけれども、事項別明細書にあります運輸事業振興費補助の中身について伺います。
〇高橋地域産業課長 運輸事業振興費補助についてでございますけれども、この制度につきましては、昭和51年度の税制改正におきまして軽油引取税の税率が引き上げられたことによる影響を考慮いたしまして、バス事業及び運送事業業界に対しまして、輸送力の確保や輸送コストの上昇抑制など公共性を維持するための制度として設けられたものでございまして、暫定措置が随時延長され、平成23年度に法制化されたものでございます。
具体的には、運輸事業の振興の助成に関する法律に基づきまして、岩手県トラック協会に対しまして補助対象事業に要する経費の補助を行っているものでありまして、その補助対象となる事業といたしましては、旅客または貨物の輸送の安全の確保、それからサービスの改善及び向上、公害及び地球温暖化の防止、その他の環境の保全、震災、その他の災害に際し必要な物資を運送するための体制の整備、経営の安定化などに関する事業でございまして、平成28年度の補助金交付額につきましては3億800万円余となっているところでございます。
〇佐々木宣和委員 運輸事業振興費補助というものは、結局、安全の確保なり安定化のために要する事業に対する補助金ということで、イメージ的には、制度をきっちり守っていくために使っていくお金だと思っております。軽井沢でのバスの事故等々もあって、バス事業者、トラック事業者はこのルールをきっちり守らなければいけないということがあると思いますけれども、この事業費の中には、例えば特定の路線にこれから注力していくみたいな補助というのは含まれていないと思うんですけれども、ほかの決算の中でそういった路線を応援するような予算というのは計上されているのか伺いたいと思います。
〇高橋地域産業課長 委員御質問の運送に関する補助でございますけれども、こちらのほうは今申し上げた運輸事業振興費補助のみ設けております。ただ、委員おっしゃるとおり具体的な路線に対する補助という形はやっておりませんけれども、さまざまな安全対策とか適正化という部分の中で、協会を通じて各支所においていろいろな事業を展開している状況でございます。
〇佐々木宣和委員 ところで、安全対策等々やられていると思うんですけれども、話は先ほどの三陸沿岸道路に戻りまして、三陸沿岸で定期便を運行する運送事業者の状況が震災前と後でどうなっているのかと、輸送コストが震災前と後でどう変化しているのか伺いたいと思います。
〇高橋地域産業課長 三陸沿岸で定期便を運行する運送事業者の状況についてでありますけれども、まず、定期便のコストにつきましては、詳細は把握していないところでございますけれども、トラック運送事業者の運転手の減少等によりまして運賃引き上げ等さまざまな要因がございまして、物流コストが上昇傾向にあることを認識しております。
また、三陸沿岸での定期便につきましては、震災以前は漁港ごとに一定の需要があって定期便を運行していたところでございますけれども、震災後は、物流コストの上昇、トラック運転手の人手不足、それから水産物の漁獲量減少等の影響によりまして、一部で複数の漁港をまとめた単位で定期便を運行するなどの動きがあるということはこちらのほうでも認識しております。
〇佐々木宣和委員 共同輸送というものも始まっているやに聞いておりますけれども、結局、三陸沿岸道路が開通することによってイメージ的には三陸の産品が安く速く新鮮にマーケットまで届くようにならないと、地元の事業者なり生活をしている方々に対して道路があるメリットが出てこないと思って、三陸沿岸道路ができることによって、フェリーやガントリークレーンなどいろいろないいニュースがある中で、特にも三陸沿岸の事業者に対してメリットを生むような考え方、取り組みを期待したいところですけれども、所感を伺って終わります。
〇高橋地域産業課長 委員おっしゃいましたとおり、三陸沿岸道路ということで、物流の流れが大分沿岸にもできてきているという状況がございます。先ほど答弁したように複数の漁港をまとめた動きがございまして、ことし2月にそういった水産物の共同輸送という取り組みも動いていると聞いておりますし、三陸沿岸道路、沿岸地域の物流につきましても、トラック協会を通じましてそういった動きについても応援してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 私からは、まず雇用対策についてお聞きいたします。特に若者の離職率の改善策について伺っていきたいと思います。
高校、大学を卒業してから3年以内の離職率についてはかつては5割前後あって、だんだん率も低下はしてきました。しかし、そうはいっても、岩手においては高卒では41.4%、大卒では38.4%ということで高どまりになって、全国平均から見ても非常に高い状況になっています。この間、若者の雇用動向調査などが実施されましたけれども、離職率が高い要因をどのように県は分析しているのか、この点についてお聞きいたします。
〇高橋雇用対策課長 若者の早期離職の要因についてでございますけれども、岩手労働局の直近の調査によりますと、新規高卒者と新規大卒者ともに3年以内離職率は40%前後であり、依然として高どまりの状況にあるものの、徐々に低下傾向であると承知しております。こうした若年者の就職と離職等を含め、若年者の県内就職に関する動向を把握するため、いわてで働こう推進協議会におきまして、在学生や働いたことのある人を対象にアンケート調査を行いまして、6月に取りまとめたところでございます。
その調査結果によりますと、初めて働いた企業をやめた理由につきましては、仕事上のストレスが最も多く、次に人間関係がよくなかったが多かったほか、1年未満でやめた者は、仕事が自分に合わないと答えた割合も高かったところでございます。一方で、働いたことのある人が初めて企業を選んだ際には、仕事の内容、職種を重視した者が多いけれども、仕事の内容、職種を重視した者に限定してみても、1年未満でやめた者は、仕事が自分に合わないと答えた割合も高かったところでございます。こうした状況から、例えば、若年者に対して企業における仕事の内容などの情報が事前に十分に伝わっていないことも一つの要因ではないかと考えられるところでございます。
今後、いわてで働こう推進協議会において、各構成団体が緊密に連携しながら、若者の離職対策について検討してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 この調査について内容を読んでみたんですけれども、非常にいい調査結果だったと私も思っております。今、紹介がありましたように、1年未満でやめた者が仕事が自分に合わないと答えた割合が3カ月未満で39.6%と非常に高い数値になっておりますし、また、労働条件─休日、休暇の条件がよくないとか自分の仕事に合わないとか、これはまさに企業と働く若者のミスマッチがあるのかなと思います。
企業を選んだときの大きな理由の一つに学校関係者の指導があったと─これは26.6%となっています。こういった調査結果を見るとき、私は、学校や企業、ジョブカフェを含めた行政が今回の調査結果について課題を共有し合って取り組んでいくことが非常に大事だと思うんです。これは隅々まで徹底してこの中身で議論していくことが大事だと思うんですが、この点についての今後の具体的な取り組み方法についてお聞きしたいと思います。
〇高橋雇用対策課長 離職率の先ほどのお話でございますけれども、こちらにつきましては協議会の場で御報告申し上げましたが、この結果を踏まえて、今後どうしていったらいいかというお話を担当者会議の場で話し合いをさせていただきました。これには27の構成団体の皆様方に情報共有をしていただいて、それぞれがどんなことをしていったらいいかということで、まず、現状でどんなことをしているか、今後何をしたらいいかについて情報交換をさせていただきました。やはり、今お話のあったとおり、企業や、特に教育関係者、こういった方々が非常に危機感を持って、対応したいというお話がありました。今回の調査については非常にわかりやすい調査でありましたので、特にも学校関係者について、企業の方あるいは銀行の方々からもさまざまな御要望が出ておりますので、今、案として出ているものを今後、具体化させていきたいと考えております。こちらについては、皆さんと情報共有までは図り、それについての課題をそれぞれがお持ちになったので、今後それを共有していきたいと考えております。その中で検討しながら、来年度に向けて事業を進めていきたい、事業化を図っていきたいと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 情報共有については、県レベルの組織だけではなく本当に末端のところまで徹底して、そして課題を共有して取り組むことが大事だと思います。
何といっても大事なことは、自分の職業観といいますか、将来どういう仕事につきたいかという教育といいますか、自分に合った職業について、そしてその職場で自分の能力や個性が発揮できるような状況をつくるためにさまざまなところが支援していくことが大事だと思います。
私も先ほどの調査を見て、ミスマッチがあるという中で、高校段階ではなく小学校、中学校の段階から職場体験やキャリア教育、そういったこともしっかりやっていく必要があると思います。地元企業の魅力を高校生や大学生に伝えるという話は先ほどの議論でもありました。これも大事なことでありますけれども、そういうキャリア教育をもっと若いときからやる必要があると思いますし、労働環境、働きやすい職場にしていくための支援も大変必要になってくると思います。これからどうするかということはこれからだと思うんですけれども、県としては、こういう調査結果を受けて、離職を防止するために現時点でどういう対応が検討されているのか。以前に私もある程度の目標を持って取り組むことも大事ではないかと訴えてきた経過がありますけれども、その点も含めて答弁いただきたいと思います。
〇藤田特命参事兼ものづくり産業振興課長 今お話ございました件は、小中学校も含めたキャリア教育の重要性についてのお話だったと考えております。
小中学生を対象といたしました出前授業、ものづくり体験授業などは常に行っているところでございます。また、教育委員会との連携は非常に重要だと思いまして、ものづくり関係の産業人材、またキャリア教育を小中学生のころからということで、県教育委員会の担当部署と、工場見学をしようという場合につきましては企画立案段階で意見交換を行いながら事業を進めております。終わってからも、例えば、広域振興局でやっておりますが、工場見学は実際どうだったとか、児童生徒の反響はどうだったかというアンケートを先生方から集めまして、それをもとにしながらまた来年度の取り組みに生かしているという形でございます。やはりキャリア教育の重要性というのはそのとおりでございまして、あとは実際のところ、現場の先生方とうまく調整しながら、実効ある形で進めていくことも非常に重要だと思いまして、この視点からキャリア教育、実践教育、職業教育を教育委員会と連携しながら進めてまいりたいと考えております。
〇高橋地域産業課長 地場産業の分野でございますけれども、小、中、高校生を含めての取り組みといたしまして、県といたしましても、教育委員会とも連携しまして、伝統工芸産業、こういった地場産業、地域に密着した産業の魅力を伝えるパンフレットを昨年度、製作したところでございまして、小、中、高校生の職業に関する興味の喚起、それから将来の就職先の候補として捉えてもらうように県内の児童生徒に配布したところでございます。
〇高橋雇用対策課長 高校生についてですけれども、県内の高校3年生卒業時に、県内の産業や岩手と東京の暮らしの比較などを掲載しました、知ってる?いわてのいいところというカレンダーを全員に配布したりしながら、首都圏に行く方も含めて県内のそういった取り組みについて情報を提供しているところでございます。
先ほどの話に戻りますけれども、いわてで働こう推進協議会の担当者会議の中でも、特に校長会の先生方、進路指導部会あるいはPTA連合会、そういった方々からもこういった取り組みは協調して進めていかなければならないというお話がありましたので、そういったことについて、今まさに保護者あるいは生徒、学校の先生方、そういった方に特に県内企業を知る取り組みを強化してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 今回の岩手労働局の調査結果は大変いい中身だと思いますので、繰り返しますけれども、情報を共有してしっかりと取り組んでいただきたい。今後の取り組みに期待したいと思っています。
次に、有効求人倍率の件についてお聞きしたいと思います。
先ほど部長から岩手の有効求人倍率が1.39倍になったということで、今後、人材確保が大変大事な課題という説明が冒頭ありました。この有効求人倍率をめぐって、非常に上昇したということで、雇用が大きく改善されたという議論もあります。岩手県は具体的にどうなっているのかについてお聞きしたいと思います。
岩手県における職業別の有効求人倍率がどうなっているのか。また、正規職の有効求人倍率がどうなっているか。またあわせて、もし数字があれば、新規求人数に占める正規雇用の割合はどうなっているのか、この点についてお伺いいたします。
〇高橋雇用対策課長 本県の職業別正規雇用の有効求人倍率についてでございますけれども、岩手労働局発表の一般職業紹介状況、平成29年8月によりますと、職業別の有効求人倍率は、建築技術者や看護師などの専門的、技術的職業で2.08倍、介護サービスや飲食物調理等のサービスの職業で2.28倍となっております。一方、一般事務などの事務的職業では0.32倍と、求人に対して求職者が多い職業もあるところでございます。
また、正規雇用の有効求人倍率につきましては、平成27年度が0.65倍、平成28年度が0.72倍、本年8月末時点では0.85倍と年々上昇してきているところでございます。
県全体の有効求人倍率が上昇し、全体として雇用情勢は改善しているものの、職業による求人と求職のミスマッチの解消や、正社員への転換による待遇改善をさらに進めていく必要があると考えておりまして、引き続き、関係機関や団体と一層の連携を図りながら、その改善に向けた取り組みを推進してまいりたいと思います。
新規求人に占める正社員の割合でございますけれども、平成28年度は36.9%でございましたが、平成29年8月末で見ますと38.6%となっております。
〇高田一郎委員 職業別の有効求人倍率は、先ほど答弁があったように、2倍を超えるところは専門的、技術的職業と販売関係、サービス業、そして建設関係で、有効求人数の6割以上を占めているんですね。
よく見てみますと、さっきお話あったように、専門的職業では医療関係です。看護師あるいは保育士、そういった関係となっておりますし、サービス業について、一番多いのは介護関係です。つまり、医療、介護、福祉といったところが非常に有効求人倍率を押し上げている。ここは、この間も議論がありましたように、賃金が低いとか職場環境がきついとか、こういった状況だと思うんです。そして建設関係は復興需要から来ていると思うんです。
だから、有効求人倍率が上昇したからといって、それだけで雇用が改善されたということにはならないと思うんです。有効求人倍率に占める正規職員についても0.85程度でありますし、新規求人数に占める正規の割合も4割を切っている状況です。ですから、一概に有効求人倍率が上昇しているから雇用が改善されたというのではなく、中身を見て人材の確保などに取り組んでいく対応が必要ではないかと思うんですけれども、この点についてどのような見解を持つのかお伺いしたいと思います。
〇高橋雇用対策課長 今、委員から話がございました例えば雇用環境が大きく変化する業界につきましては事業活動を担う人材の確保等についてきめ細やかな取り組みを進めていく必要がございまして、そういったところにつきましては、中小企業者あるいは関係団体との意見交換などを行っているところでございます。県が設置しておりますいわてで働こう推進本部会議で策定いたしました平成29年度のいわてで働こう推進方針に基づきまして、雇用、労働環境の整備や多様な人材の就業促進等の取り組みによりまして人手不足あるいは雇用のミスマッチの解消を図るとともに、いわてで働こう推進協議会を核といたしまして、関係団体、関係機関と連携して人手不足や県内就業の促進に今後も引き続き取り組んでまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 次に、被災事業者の再建問題についてお聞きいたします。
平成28年台風第10号による被災事業者の再建状況がどうなっているのか。
地域なりわい再生緊急交付金の決定状況、最新の数字についてお願いいたします。
〇高橋経営支援課総括課長 平成28年の台風第10号による被災事業者の再建状況ですが、甚大な被害を受けた宮古市、久慈市及び岩泉町の復旧状況を市町村から聞いておりますけれども、それぞれ9割以上が事業再開しているところです。
それから、地域なりわい再生緊急交付金は、今お話しした3市町に所在する被災中小企業者等の事業再開を支援するものですけれども、昨年から継続して実施しておりまして、本年9月末現在における交付金としましては、被災事業者の施設設備の復旧、整備を対象とした助成が356件、観光施設の復旧や誘客、販売等の助成が46件、合わせて402件となっておりまして、交付額としては7億9、282万円となっております。
〇高田一郎委員 平成28年台風第10号の被災事業者の再建は9割を超えているということです。これは、やはり台風第10号発災直後に、今お話があった地域なりわい再生緊急対策交付金や中小企業の安定資金、商工会や商工会議所にも人的な支援を行うとか、また、2月補正でも、自由度の高い特定被災地域復興支援緊急交付金とか、そういった対策を機敏に対応したことが大きな力になっているのではないかと思います。やっぱり機敏に対応するということが大変大事だと思います。
90%程度が再建になったというんですけれども、残りの10%というのはどういう状況なのでしょうか。
あわせて、この間、グループ補助金で再建して、さらに今回の台風第10号で被害を受けた事業者の再建状況についてもお聞きいたします。
〇高橋経営支援課総括課長 ほぼ9割以上の方が再建していますが、残りの方も、お店を直しながら再開しているけれども、一部、備品等の修理を進めながらという、その一部というところがございます。それから、洪水の関係で敷地の部分がなかなか固まらなくて、一部まだ工事に時間がかかっているという方もありまして、そういった方がまだ未復旧の部分があるという状況です。
それから、二重被災の状況ですけれども、グループ補助金で復旧して台風でまた被災した事業者は75者(後刻「151者」と訂正)でありますけれども、先ほど言ったとおり全体としてはほぼ復旧していまして、こちらの事業所につきましても事業再開している状況です。
〇千田美津子委員 私も、3点ですが、簡潔にお伺いいたします。
1点目は、先ほど菅野ひろのり委員が質問された伝統産業の振興ということで、岩谷堂箪笥に絞って質問させていただきます。
7月に藤里木工所が破産して13人が解雇されましたけれども、その中に6人の伝統工芸士が在籍されていましたので、その方々がその後どうなったか、その点について一つはお聞きしたいと思います。
それから、もう一点ですが、特に岩谷堂箪笥は、生活様式が変わってきている、あるいは安い輸入家具に押されて大変苦戦を強いられているということは聞いておりました。そこで、先ほど御答弁あったように、これからは市場にマッチングした、それからブランド化していく、そういうことが必要だとは私も思うんですが、東日本大震災津波のとき、岩谷堂箪笥に入れておいた着物が安全だった、無傷でそのまま出てきたということが報道されて、私もすごいなと思いました。ですから、これこそが本当に本物のよさではないかと思うんです。それを上手にPRすることが岩谷堂箪笥のよさをますます引き上げていくことになるので、その辺をぜひ、業者だけでなく、県としてももう一度、被災県であるからこそそこを絶やさない取り組みをぜひお願いしたいと思っておりますので、その2点、お聞きいたします。
〇高橋地域産業課長 御質問が2点ほどございまして、まず、1点目の藤里木工所の伝統工芸士6名のその後についてという御質問でございますけれども、こちらにつきましては、岩谷堂箪笥生産協同組合に確認したところ、解雇された伝統工芸士6名のうち2名につきましては、組合の構成員である2事業者のところでそれぞれ再就職、再就職予定ということで聞いております。それから、残りの4人のうち3人は分野の違う会社に就職しておりますし、1名は、高齢によりまして現役を引退されて無職と聞いております。
それから、2点目の岩谷堂箪笥のよさをこれからも引き続きPRしていく取り組みにつきましては、委員の御指摘のとおりでございまして、県といたしましても、伝統工芸に特化した取り組みとして、こういった伝統工芸品が全国にございまして、岩手の場合は4品目ということで、その中に岩谷堂箪笥も入っているわけでございますが、特にこういった伝統工芸品の全国伝統的工芸品展─WAZA展が毎年東京で開催されております。ことし2月に東武百貨店池袋店に本県から南部鉄器、岩谷堂箪笥、秀衡塗、浄法寺塗の4品目を出展しておりまして、細かいお話になりますが、このとき全体では岩手の分として800万円ほど売り上げた中で岩谷堂箪笥がそのうち500万円売っているということで、やはりこういった伝統工芸のファンといいますか、たんすのよさをわかっていらっしゃるファンの方もいらっしゃいますので、そういった方々をターゲットにしながら、岩谷堂箪笥を初めとした伝統工芸のよさを今後も引き続きPRしていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 私は買ったことがないんですけれども持ってきてくれた方がいまして、和室にも洋室にも合うんです。ですから、ファンはたくさんいらっしゃると思うので、ぜひそういう伝統工芸士を守りながら、そして岩手のブランドにして、経済産業省で指定された四つの品目、そのほかにも県内には工芸品があるわけですけれども、そういういいものを残していくという立場でぜひこれからもよろしくお願いしたいと思います。
2点目に移ります。
女性離職者等への就業支援についてお聞きいたします。
主要施策では、離職者等を対象とした職業訓練における女性の受講者数をB評価としておりますし、訓練を受けた後の女性の就職率が83.3%とありますけれども、この状況について県は本来どのようにあるべきと考えているのか現状認識をお聞きしたいのと、それから、特に大変なのは母子家庭の方々だと思います。そういう方々への就業支援はどうなっているでしょうか、その点お伺いいたします。
〇八重樫雇用対策・労働室長 まず、県の現状認識でございます。
離職者等を対象としました職業訓練の受講者数は、目標値1、100人に対しまして、平成28年度は1、010人の実績でB評価でございます。その際、参考データとして記載しました女性の就職率は、平成25年度に74.3%であったところ、平成27年度には83.3%と増加しておりまして、これにつきましては、国で委託訓練の就職率の目標値を75%と設定しておりまして、県もそれを踏襲しているわけでございますが、それを上回っている状況でございます。このことから、職業訓練により知識や技能を習得して希望に沿った就職を実現しようとする女性離職者の就業につきましては一定の成果があったものと認識しております。
県としましては、職業訓練により知識や技能を習得したいと考える女性離職者の訓練ニーズに適切に対応するとともに、職業訓練を通じて高い知識や技能を身につけて就業していただくことが重要と考えておりますので、今後とも関係機関と連携を密にしながら、訓練ニーズを的確に捉えた訓練コースの設定等によりまして女性の就業を支援していきたいと考えております。
次に、特に母子家庭のお母さん等への就業支援についてでございますが、県におきましては、平成27年3月に策定しました岩手県ひとり親家庭等自立促進計画に基づきまして、就業支援対策や相談機能の充実など総合的な支援施策を実施しているところでございます。職業訓練におきましても母子家庭のお母さん等を対象としました職業訓練を実施しておりまして、この訓練では、就労経験が比較的少ないことを踏まえて、通常の訓練開始前に準備講習として5日間ほど地域における雇用情勢や職業に必要なビジネスマナーなどについて学ぶ講習を実施し、円滑に就労できるようなカリキュラムにしております。
また、育児や介護等により職を離れていた期間が長い女性等を対象とした、就業に必要な知識や技術能力の習得を短期間で行う女性就業援助事業も産業技術短期大学校等で実施しているところでございます。
今後もこれらの事業を継続して実施していくとともに、育児や介護等により訓練時間に制約のある女性に配慮した短時間の訓練コースや託児サービスつきの訓練コースの拡充などに取り組んでまいります。
〇千田美津子委員 一定の成果があったという答弁でございました。成果がなければ困るわけですが、私は、国が就職率の目標を75%と設定しているから成果があったではなく、県内の女性の方々を支援するという立場で、どうすればもっとこの率を上げられるか、そういうことが必要ではないかと。就職できなかった方々のフォローがなされたり、特に、先ほど言いました母子家庭等については、もっと綿密なというか、いろいろな支援があるのはわかりますが、もっと他の部と連携した取り組みをして、本当にこれで助かったと思えるような就業支援策にしていただきたいと思うんですが、その点もう一度お聞きします。
〇八重樫雇用対策・労働室長 そういった職業訓練だけではなく、先ほども申し上げましたが、岩手県ひとり親家庭等自立促進計画がございます。こちらについては、相談機能の充実、子育て支援、生活環境の整備、育児、介護休暇取得促進等についても相談に乗って、総合的な支援を実施しているところでございます。こちらは、ひとり親家庭等就業自立支援センターに就業支援員を配置して相談対応をしているほか、職業訓練にかかわらず、求人情報の提供等、あとは育児・介護休業生活安定資金の貸し付けによる支援などについても総合的に相談させていただいておるところでございます。
こういったことも含めまして、就業支援あるいは生活にかかわる上での就労に関する支援等についても、教育訓練の講座受講経費の助成といったことも行いながら、今後とも、そういう支援対策の充実を図っていくように検討してまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 それでは、引き続きよろしくお願いいたします。
3点目に入ります。先ほども議論がありましたが、自動車関連産業に関係して、トヨタ自動車東日本岩手工場における雇用の現状についてお聞きしたいと思います。正規社員、期間社員、派遣社員、そして新規雇用はどのようになっているでしょうか。それから、正規社員への登用等もこの間、議員団としても毎回のように求めてまいりましたが、それらがどのようになっているかについてお聞きいたします。
〇瀬川自動車産業振興課長 トヨタ自動車東日本岩手工場の雇用状況ですが、平成29年9月1日時点で、正社員2、092人、期間社員383人、派遣社員326人、合計2、801人となっています。平成29年4月採用の正社員は40人ということでございます。
全従業員数に占める正社員の割合は74.7%と過去最高水準となっております。
また、期間社員の正社員登用でございますが、平成27年度は99人、平成28年度は101人、平成29年度は、ことし8月1日付で28人採用となっております。
〇千田美津子委員 本当に県内に大きな影響を及ぼす大企業でありますから、ぜひ、今御答弁あったように、2月にたしか2、040人だったと思うんですけれども、9月で正規社員が2、092人になっていると。比率でも74.7%になったわけですね。6.7%も正規社員がふえている。期間社員についても、比率で1.5%も減って正社員に登用されている。それから、新規採用も過去最高の40人、そのうち高卒採用が37人ということで、県内の高校生が雇用されている、採用されているという点で本当に評価をしたいと思います。
それで、自動車産業は本当に裾野が広いわけですので、関連産業はどのようになっているか。トヨタ自動車だけでなくて、その波及効果を私たちは期待するわけですが、その現状についてもお聞きしたいと思います。
〇瀬川自動車産業振興課長 関連産業といいますか、自動車関連の周辺の企業でございますね。
まず、県内に生産拠点を持っておりますトヨタ系の主要自動車部品メーカーは7社ございます。ことし9月1日時点の社員総数は約2、500人、うち正規社員は2、030人であります。全従業員に占める正社員の割合は約81%という高い水準でございます。
〇千田美津子委員 今の御答弁で、正規社員が81%と。自動車関連産業でもそのぐらい高い率になっているという点では、本当に担当部を初め、皆さんのこの間の取り組みがこのように広がっているのだと思います。
自動車関連にとどまらず、県内の他産業も含めて正規雇用がふえていく状況をつくり出していただきたいと思いますので、最後に、部長にその決意を伺って、終わります。
〇菊池商工労働観光部長 まさに第4次産業革命とか工業社会を取り巻く環境がいろいろ変わってきておりますが、岩手県では、お話もいただきましたが、さまざまな分野の企業を組み合わせて誘致してきておりまして、自動車、半導体が際立って見えておりますが、まさに裾野の広い産業群を今つくってきております。そういったことで、いろいろな風が吹いても簡単には負けないような仕組みをつくっていこうということで、みんなで頑張っているところでございまして、これは市町村の皆さんも同じ理解で取り組んでいただいています。
例えば、小さな企業が入ってきますけれども、それは二次展開、三次展開でどんどん大きくなっていくような発展可能性を持った企業をみんなで力を合わせて呼んできているところでございまして、これからも頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
〇佐々木朋和委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇高橋経営支援課総括課長 先ほどの高田委員への答弁で、数字に誤りがありましたので訂正させていただきます。
グループ補助金交付決定事業者で平成28年台風第10号による浸水と重ねて被災した事業者、3市町で75と申し上げましたけれども、151の誤りでしたので、訂正いたします。
〇佐々木朋和委員長 再開後おおむね2時間が経過いたしますが、質疑を表明している委員があと1人となっていますことから、質疑を続行したいと思いますので、御了承願います。
〇臼澤勉委員 それでは、私から大きく2点お伺いいたします。総括質疑で工藤大輔委員も取り上げておりましたが、地域未来投資促進法に基づく基本計画についてお伺いいたします。
同計画は、地域の雇用や経済を牽引する中核となる企業の成長を狙って、投資促進を図ることを狙いとされておりますが、平成28年度までの課題認識と本計画の狙い、何を目指しているのか、まずお伺いいたします。
〇阿部商工企画室企画課長 地域未来投資促進法につきまして、委員から大きく二つの御質問を頂戴しましたので、順次お答えいたします。
まず、平成28年度までの課題認識についてでありますが、本県では、平成19年度に施行されました企業立地促進法のもと、全県を6地域に分けまして基本計画を策定し、それぞれ取り組みを進めてまいりました。
平成28年度で計画期間が終了いたしました盛岡、県北、県南の3地域で見ますと、立地件数、雇用創出人数ともに、目標に対しておおむね順調に推移したところであります。
今後、これらの立地企業や事業拡大してきました地域企業などが地域を力強くリードしていく地域経済牽引事業者へと成長していくことが必要と捉えておりまして、引き続き市町村と連携しながら、新しい地域未来投資促進法のもとで対応していく考えでございます。
また、この地域未来投資促進法に基づきます県の基本計画の狙いについてでありますが、改正前の企業立地促進法の目的が、企業立地の促進等による地域における産業集積であったことに対しまして、地域未来投資促進法は、対象となる産業分野を拡大し、地域の特性を生かした成長性の高い分野に挑戦する取り組みを幅広く支援することにより、地域経済の好循環を生み出すことを狙いとしているものでございます。
このような法の趣旨を踏まえまして、県の計画策定に当たりましては、従前の製造業中心から農林水産、地域商社や第4次産業革命関連など、国が掲げる成長分野を幅広に対象業種に含めるとともに、事業者につきましても、立地企業のみならず、既存企業でさらなる成長が期待される企業も含めることにしておりまして、成長分野において、未来投資に取り組む企業等を幅広く支援することを目指しております。
〇臼澤勉委員 この計画の目標値というか経済波及効果とか付加価値創出額はどのようになっていますでしょうか。
〇阿部商工企画室企画課長 基本計画における目標についてでございますけれども、地域未来投資促進法に基づき、県が策定する基本計画には、国の基本方針において経済効果の目標を定めることとされております。
この目標を定めるに当たりましては、促進区域内の付加価値額で設定すること、全産業付加価値額を使用する場合は、国の統計の一つであります経済センサスの付加価値額を活用することなど、国のひな型や東北経済産業局からの指導があったものでございます。
具体的には、平成24年経済センサスにおける岩手県の1事業所当たり付加価値額約3、500万円を基本といたしまして、事業者の新たな投資により3、500万円以上の付加価値が創出されるとした上で、ふるさと総合戦略のKPI、いわゆる重要業績評価指標に掲げる5年間の新規立地、増設件数100件に加えまして、市町村等から聞き取りをいたしました既存企業のうち成長が見込まれる事業者を加えた計140件を地域経済牽引事業として、これらの事業が区域内に1.3倍の波及効果をもたらすことで、今後5年間で69億円の付加価値を創出することを県の目標として掲げているところであります。
〇臼澤勉委員 140件のそういうリーディング事業を創出していくのだということのようでございますが、具体的にどういった事業、どういった企業を今想定されているのかお伺いいたします。
〇阿部商工企画室企画課長 計画策定に当たりまして、県では、市町村や金融機関など経済界とも連携いたしまして、地域経済牽引事業に該当する可能性の高い事業を検討している企業等の情報収集を行った上で、成長ものづくり分野を中心としつつ、事業案件が想定される農林水産、地域商社や第4次産業革命、環境エネルギー、ヘルスケア等の新たな成長分野も対象とする基本計画を策定したところでございます。
今後、市町村や商工団体、産業支援機関等と連携を図りながら、基本計画や地域経済牽引事業に対する支援措置等について、県内企業等への周知を進め、事業者による地域牽引計画の策定を支援することとしておりまして、このプロセスの中で、詳細な事業計画や投資規模等を把握していくことになります。
なお、国におきましては、今後の地域経済を牽引することが期待される魅力ある企業を、ビッグデータの活用等により地域未来牽引企業として毎年約2、000社を選定しまして公表する予定となっておりますことから、事業案件の情報収集や掘り起こしに当たっては、この国の選定企業リストも参考にしながら進めてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 今いろいろその想定を聞いたんですが、聞いていて、何となく総花的な感じを印象として持つのですが、それぞれの六つの成長分野、これから伸びていくこの六つの中でも、今言った農林分野とか、第4次産業革命とか、観光もございましたが、特にも岩手はこれで行くぞというか、一つ、二つに絞るとしたらどういった部分が考えられますか、お伺いいたします。
〇阿部商工企画室企画課長 この地域未来投資促進法で進めます岩手県の重点分野でございますが、国で例示しております6分野につきまして、各市町村あるいは金融機関からの情報等を収集したところ、各分野におきましても濃淡はございますが、それぞれ岩手県の特性を生かした発展ある投資の効果が期待できるだろうと考えておりますことから、この6分野として設定したものでございます。
また、この一県一計画としております理由といたしましては、例えば農林水産業とIT技術の掛け算、あるいはロボットと水産加工の掛け算といったようなもので、業種と地域を超えた取り組みの萌芽が今、実際岩手の中でも見られておりますことから、そういった取り組みを進めてまいりたい。そのためには、工業技術センターですとか農業研究センター、さまざまな分野の産業支援機関のほか、岩手大学や県立大学などの教育機関、金融機関などの支援をそれぞれ盛り込んだ計画を今後進めてまいりたいと思っております。
〇臼澤勉委員 具体的にどのエリアでそういう動きが出ているのか、もし具体的な有望箇所があったら、ちょっと教えていただきたいと思います。
〇阿部商工企画室企画課長 例えば、先ほど御紹介いたしましたロボットと水産加工の掛け算ということでございますが、ただいまいわて産業振興センターで、魚の骨取りロボットの開発を地元の事業者の方と連携しながら取り組んでおります。これは、今、シーズ、技術の種としますと、ロボットを活用した技術と内陸の企業のところでやっておりますが、それらが幅広く沿岸地域の漁業者の方々のお役に立つであろうといったようなものも、今取り組みとしては見られておりますほか、工業技術センターで、実際に野菜の種をまくロボットの開発なども進めております。小さな、小さな動きではありますけれども、そういった動きが現在見られておりますので、こういったものを幅広く、太いものにしていければと思っております。
〇臼澤勉委員 具体的にお話を聞いてイメージが湧いてきました。
平成34年、今後5年間で具体的にどんな取り組み体制で進めていくお考えかお伺いします。
〇阿部商工企画室企画課長 この目標の達成に向けましては、まず、各事業者の方々が地域経済牽引事業計画を作成し、県が承認いたしまして、事業者の方々がさまざまな支援策を活用しながら新たな投資を実現し、それにより、地域の雇用や事業者間の取引などがふえ、新たな付加価値を創出し、もって地域の発展につながるというプロセスを踏んでいくものであります。
県の基本計画は、先月末に国の同意を得たばかりのものでございますので、まずは、この計画の周知あるいは対象となる事業者の掘り起こし、事業者の計画の策定支援などにつきまして、市町村、産業支援機関、地域金融機関などの関係機関との連携体制をさらに強化し、具体的に一つ一つの案件に対して実現に向けて努力をしてまいりたいと思っております。
〇臼澤勉委員 次に移ります。観光振興対策について最後にお伺いいたしますが、これまで県土整備部とも連携しながら海外からの誘客促進に取り組んできたと思います。空港課においては、エージェントや旅行会社、空港会社を回ったり、観光課も一緒になって取り組んでいると思いますが、取り組み状況と平成28年度の成果をお伺いいたします。
〇平井観光課総括課長 他部局と連携した海外からの誘客促進対策の取り組み状況と成果についてでございますが、空港分野での御質問でございますので、まず、海外からの誘客拡大を図る上で、いわて花巻空港への国際チャーター便、さらにその先の定期便の誘致ということは極めて重要であると認識しております。
さらに、ことし3月にはいわて国際戦略ビジョンを策定しておりまして、これも外国人誘客の基本的な考え方の一つとして、空港への国際チャーター便、定期便の誘致ということも改めて掲げております。
このビジョンを所管いたします国際室が4月に立ち上がりました。この国際室の室長の下に置く国際監につきましては、観光、空港両課の総括課長が兼任しております。こういうことなど、組織的な体制も整えて、一体的な誘客とチャーター便の誘致に取り組んでいるものでございます。
ことしこのような取り組みを進めておりまして、チャーター便の誘致については航空会社、それから、インバウンド拡大については旅行会社への誘致活動を一体的に取り組んできた結果、今年度の国際チャーター便につきましては、いわて花巻空港に初就航する航空会社を含めて過去最高となる152便の運航が内定しております。
また、ことしの1月から6月の上半期の外国人宿泊者数につきましては、過去最高となりました前年をさらに上回りまして、前年比41.7%増の約7万6、000人泊となっているところでございます。
〇臼澤勉委員 いろいろ新たにタイとか香港からのチャーター便の誘客というものも実績として出てきているようですが、一方で、空港課と観光課それぞれで売り込みに行く部分で重複している部分もあるのではないかという指摘もあろうかと思うんですが、現在の組織体制の課題についてどのようにお考えでしょうか、お伺いします。
〇平井観光課総括課長 組織体制の課題についてでございますが、これまでも県土整備部と連携しながら、定期便化を見据えた国際チャーター便の運航による海外からの誘客拡大に取り組んできたところではございますが、飛行機の話で申し上げますと、いわゆる格安航空会社─LCCと呼ばれておりますが、これが航空業界で急速に台頭するなど、航空業界を取り巻く環境も大きく変化してきている状況でございます。
また、今までは台湾でのチャーター便誘致を行いましたが、それに加えまして、香港など新たな市場における運航拡大の可能性も広がってきております。こういうことを踏まえますと、今後は、多角的かつ迅速に国際チャーター便等の誘致、それから、観光客の誘客拡大に一体的に取り組んでいく必要があると認識しております。
このため、先ほど申し上げました国際室長を含めて、関係部局が体制強化を図っております。また、観光課におきましては、観光課の内部組織をことし4月に再編いたしまして、インバウンドを専門に取り扱う国際観光担当を設置し、また、定数も2名増員しているところでございます。
さらに、空港課との連携ということでは、観光課職員2名を空港課兼務といたしまして、空港課との連携体制を強化して取り組んでいるところでございます。
〇臼澤勉委員 全国的には、そういう県土整備部というか、空港と観光を一体化した、さらに合体したような形、あるいは強い連携を図りながらやっているところもあろうかと思います。今言った兼務発令とかというレベルではなくて、人的資源も限られている、予算も限られている中で、先ほどの迅速、効果的、多角的に取り組むということからすると、またちょっとそこら辺の検討も必要かと思うんですが、組織統合の評価や見込みについて御所見をお伺いいたします。
〇平井観光課総括課長 組織統合の件でございますけれども、例えば東北におきましては、秋田県と福島県の両県が、国際チャーター便誘致の業務と空港施設管理業務を切り離して観光部局に置いて統一化するという取り組みなどを行っていて、他県においても、組織の見直しが行われているところは承知してございます。
また、このような状況を踏まえまして、先ほども申し上げた課題も踏まえまして、他県の状況もよく把握しながら、さらなる研究を進めていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 いろいろと制約等もあろうかと思いますけれども、ぜひ、そこら辺も調査研究していただきながら、今、観光課には、インバウンド関連で予算もいろいろついていると思いますが、スタッフも限られております。例えば観光協会との一体化も含めて、さらなる取り組み、体制についての調査研究をしていただきたいと思います。終わります。
〇佐々木朋和委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木朋和委員長 質疑がないようでありますので、商工労働観光部関係の質疑をこれで終わります。
商工労働観光部の皆さんは大変お疲れさまでした。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時42分 散 会

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