平成29年2月定例会 第8回岩手県議会定例会会議録

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〇10番(川村伸浩君) 自由民主クラブの川村伸浩でございます。
質問3日目となりまして、かなり質問も重複しておりますが、私は、私の目線で質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、震災復興に対する知事の所見についてお伺いいたします。
東日本大震災津波から丸6年が経過しようとしております。今なお、被災された1万3、000人以上の方々が応急仮設住宅での生活をされております。この6年間、本県では、全国、世界の多くの方々から多大な支援を受けて、復旧、復興の取り組みが最優先になされてきました。被災された方々の物的、精神的な回復は、個人差があるにせよ、簡単に回復するものではありません。より豊かで暮らしやすい生活基盤を整えるとともに、心のケアや災害公営住宅の見守り活動など、被災者にとって必要な支援を今後も継続していくことが重要であります。
国では、発災直後の平成23年7月に策定した東日本大震災からの復興の基本方針において、復興期間を平成32年度までの10年間と定め、復興需要が高まる平成27年度までの5年間を集中復興期間、平成28年度からの5年間を復興・創生期間と位置づけ、復興の取り組みを推し進めてきました。
県としても、第3期復興実施計画の平成29年度から平成30年度の2カ年は、さらなる展開への連結期間として、復興事業の総仕上げとなる期間となります。第3期復興実施計画の初年度となる平成29年度を迎えるに当たり、知事の7年目の復興にかける思いをお伺いいたします。
また、インフラの復興とともに大切なのが、新たな地域コミュニティーづくりであります。新たなコミュニティー構築に当たっての県の支援策についてお伺いいたします。
次に、人口減少対策についてお伺いいたします。
国のまち・ひと・しごと創生総合戦略とあわせ、県においては、岩手県人口ビジョンを踏まえ、岩手県ふるさと振興総合戦略を平成27年度から平成31年度までの5年間の取り組みとして行っております。平成29年度は、その折り返しの3年目を迎えます。岩手県の人口は、ピークであった1960年代の145万人が、昨年12月には12.5%減少の127万人を割り込んでしまい、今後の推移が気になるところであります。
県は、総合戦略の中で施策推進目標、岩手で働く、岩手で育てる、岩手で暮らすを掲げ取り組んでいるところでありますが、平成31年度へ向けた岩手県ふるさと振興総合戦略の施策推進目標に対する直近の状況についてお伺いいたします。
平成27年度の取り組み状況を見ると、総合評価としておおむね達成以上の評価A及びBが79.0%の124指標、ややおくれ以下が21.0%の33指標となっております。特に岩手で育てるは、おおむね達成以上の割合が90.9%と、残り1指標で達成される状況であり、順調に取り組みが進んでいるように見受けられます。
県は、岩手県人口ビジョンの人口の展望で、2040年に100万人程度の人口を確保すると掲げておりますが、これを実現する上で、現時点の課題をどう捉え、来年度どう対応していくのかお伺いいたします。
移住、定住促進の相談窓口として、いわて暮らしサポートセンターが東京の有楽町に設置されております。センターには移住コンシェルジュとキャリアカウンセラーが配置され、移住、定住、そして就業についての相談に当たっていると聞いております。移住、定住促進、Iターン、Uターンは人口減少社会にとって有用な手だてとなりますが、全国の中から岩手を選んでいただくということは至極大変なことであります。
そのため、県内各市町村は移住、定住対策として独自にさまざまな取り組みをしており、また、それには各自治体の地域の魅力発信力が大きく影響してきます。人口減少対策のため県が行う移住・定住促進対策について、特に首都圏における岩手県の魅力の発信の取り組みについてお伺いいたします。
次に、農業振興についてお伺いいたします。
国は、平成11年7月に、食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的発展及び農村の振興などを内容とする食料・農業・農村基本計画を策定しました。経営面積100ヘクタールを超える大規模な土地利用型の経営や、地域エネルギーと先端技術を活用した施設園芸に取り組む経営など出現してきたものの、依然、農業就業者の高齢化や農地の荒廃などの農業、農村をめぐる環境は極めて厳しく、多くの人々が将来に不安を抱いていました。
このような状況の中、平成27年3月には、新たな食料・農業・農村基本計画を策定しました。この中では、強い農業と美しく活力ある農村の創出を目指して方向性を示すとともに、食料自給率の目標は、カロリーベースで39%から45%、生産額ベースで65%から73%に設定しました。また、食料の潜在生産力を評価する食料自給力指標を初めて公表しております。さらに、講ずべき施策として、農林水産物、食品の輸出拡大、農地中間管理機構のフル稼働、米政策改革、農協等の改革を位置づけたところであります。
加えて、昨年の11月には、農林水産業・地域の活力創造本部において農業競争力強化プログラムが決定され、生産者の所得向上を図るため、生産資材価格の引き下げなど13項目に取り組み、さらなる農業の競争力強化を実現するとされました。
一方、本県においては、いわて県民計画のもと、農林水産業として食と緑の創造県いわての実現を掲げ、政策推進の基本方向を定めて、農林水産業の未来を開く経営体の育成など五つの方向性を示しながら、第3期アクションプランを進めています。いよいよいわて県民計画の仕上げの期間であります。農業は本県の基幹産業でもあり、県民の合意のもとに施策を推進する必要があると考えます。国の新たな食料・農業・農村基本計画や農業競争力強化プログラムなどを踏まえて、本県の農業の方向性をどう考え、農家が自信を持って取り組める農業をどう進めていくのかお伺いいたします。
次に、担い手への農地集積を進めるため、平成26年度にスタートした農地中間管理事業の実績、課題についてお伺いいたします。
岩手においては、農地中間管理機構の貸借実績が平成26年度、平成27年度とも年度目標を達成し、平成27年度は新たに担い手に集積された面積が全国1位になるなど、全国的にも取り組み実績が上位に位置しております。
しかしながら、平成28年度は全国的に集積目標に対する機構の貸借実績が低調であり、本県においても目標3、600ヘクタールの目標達成は厳しい状況と聞いております。担い手への農地集積を進めるため、条件不利地、特にも中山間地域の対策が大切だと考えておりますが、農地中間管理事業の実績が下がった要因をどう捉え、今後どのように対応していくのかお伺いいたします。
平成30年産以降、米政策の見直しにより、これまで国が配分してきた生産数量目標が廃止され、生産者はそれぞれの経営判断に基づいて生産数量を決めることになります。昭和45年の生産調整の開始から、これまでおおよそ半世紀にわたり、国、県、市町村の行政ルートにより生産者個々まで配分された数値を受けて米の作付面積を決めてきたところであり、生産者の多くは、平成30年産以降、何をよりどころに米の作付計画を立てればいいか不安を抱いております。今後の水田農業の推進に当たっては、県、市町村や関係団体等で構成する県段階、地域段階の農業再生協議会の取り組みが重要となるわけでありますが、特にも、県協議会と地域協議会の密接な連携が重要と考えております。
そこで、米政策の見直しに対応した県協議会の役割と、地域協議会との連携についてお伺いいたします。
次に、6次産業化についてお伺いいたします。
花巻市に佐藤ぶどう園というブドウ農家がおられます。花巻市の大粒種ブドウ生産を根づかせたメンバーの一人であり、ブドウ一枝一房にこだわり、熱心に研究、栽培されてきました。しかし、大粒種ブドウは収穫直前の雨で実が割れてしまうことも多く、春からの努力が報われないこともあります。安定収入を得るために、生食だけではなく加工品の生産に取り組まなければなりません。そこで、佐藤さんは、ブドウジュースとレーズンづくりに取り組みました。特にもレーズンは大粒種だけに乾燥後も迫力のある大きさで、糖度が18度以上もある驚くほど甘いレーズンができ上がりました。その結果、東北を代表する食品を発掘するコンテスト、世界にも通用する究極のお土産10選にも選ばれました。この商品は、昨年開催された伊勢志摩サミットの出席者にお土産として提供されるなど、岩手を代表する逸品にまで成長しております。佐藤ぶどう園は、農産物の付加価値を高めた6次産業化の取り組みの成功例であります。佐藤さんの表には見えない失敗や努力があり、現在があります。これからの農業の鍵は規模の拡大か少量多品目の多角経営であり、可能性を秘めた農業者が県内には多く潜在しているはずであります。
そこで、これからの6次産業化に取り組もうとする農業者や現在取り組んでいる農業者にも課題があると思いますが、県はどう支援していくのか、県の6次産業化を推進する今後の支援策についてお伺いいたします。
ブドウの加工によるワイン生産は、究極の6次産業と考えます。県では、平成29年度から新たにいわてワインヒルズ推進事業をスタートさせ、産地力強化や県産ワインの魅力発信に取り組まれることは大いに期待したいところであります。国内の酒類の販売量は減少が続いておりますが、ワインなど果実酒については、輸入、国内製造とも増加が続いております。平成17年から平成26年までの10年間で、日本人1人当たりのワイン消費量は1.5倍に増加しております。国では、国産ブドウのみを使用したワインを日本ワインとして、ブドウの品種、収穫地の表示を可能とする新たなルールを定め、今後、適用することとしております。
県内でも、ここ2年で4カ所のワイナリーがふえ、花巻市では花巻クラフトワイン・シードル特区の認定を受けるなど、ワインへの関心が高まっているところであります。もちろん、良質なワイン生産には醸造用ブドウが欠かせません。産地では、生産者の高齢化により後継者不足などの不安材料がたくさんあります。ブドウ栽培は中山間地における農業振興の一助となるものと期待しておりますが、現在の醸造用ブドウの生産状況とその振興策についてお伺いいたします。
次に、いわて花巻空港の利用促進についてお伺いいたします。
国土交通省では、地方空港の活性化策として、平成29年度、格安航空会社などの誘致に積極的な空港を訪日誘客支援空港に認定することとしております。
〔副議長退席、議長着席〕
支援内容としては、国際線の着陸料の軽減、税関などの受け入れ施設整備を補助するとのことであります。これは、都市部に集中している訪日客が地方に向かう流れをつくる狙いがあり、3年後には、主要空港を除く地方空港から入国する外国人を現在の3倍の300万人にふやすことを目指しております。支援対象の空港は、地元自治体が誘客目標や海外でのセールス計画などを定めていることが要件であるとのことでありますが、いわて花巻空港が訪日誘客支援空港に認定される可能性はあるのかお伺いいたします。
また、認定される空港以外の地方空港でも、乗り継ぎで地方空港に向かう訪日客をふやすことを目的として、国内線着陸料の軽減幅を拡大すると報道されております。花巻空港でもこうした国内ハブ空港を経由した乗り継ぎでのインバウンド誘客にも取り組んでいく必要があると思いますが、県はどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。
台湾の航空会社の解散に伴い運航が危ぶまれていた恒例のプログラムチャーター便が、ことしの春も4月中旬から6便で運航されることとなりました。この桜チャーター便では約900人が台湾から訪れる予定と伺っております。しかし、期待されていた定期チャーター便の運航が見送られ、実現すれば、本県の国際化が大きく前進し、地域の活性化にもつながると思われていただけにまことに残念でなりません。改めて、今後の定期便化、定期チャーター便の運航についての見通しについてお伺いいたします。
台湾の中華航空では、1月から2月にかけて8往復、主にスキー客をターゲットにしてチャーター便を青森空港と台湾桃園国際空港間で運航しております。これは1、000人以上の利用客が見込まれており、このツアーには安比高原スキー場や小岩井農場を周遊するコースがあると伺っております。岩手県の主要な観光地やスキー場がコースに入っているのは非常によいことであり、少しでも来県客の増加を期待したいものであります。
そこで、花巻空港を利用したスキーチャーターや今後の台湾定期便化に向けて、青森県との連携は考えているのかお伺いいたします。
次に、観光振興についてお伺いします。
近年、健康志向やエコ意識の高まりにより、自転車は若者を中心に人気が高まっております。ロードバイクやクロスバイクといったスポーツ自転車に乗り、颯爽とサイクリングをするサイクリストもふえてきているように見受けられます。
サイクリング用として県内に整備された独立専用自転車歩行者道には、北上花巻温泉自転車道、盛岡矢巾自転車道、遠野東和自転車道の3コースがあります。これらのサイクリングコースを利用するほかに、一般道を使って県内の名勝や観光地を周遊するサイクリングのモデルコースを創出し、観光プログラムの一つとすることも重要ではないかと考えます。自転車を使って、広大で自然豊かな岩手の季節の空気を味わいながら、民泊などによる宿泊先での出会いや地域の魅力を感じてもらえるような観光ルートをPRしていくことは観光振興の一つの手段になります。また、岩手県を訪れる外国人観光客は台湾からが多く、自転車大国とも言われる台湾ではサイクリング観光は人気があるので、積極的に取り入れることも台湾からの誘客に有効ではないかと考えます。さらには、先ほど申し上げました県内のワイン生産を観光振興に結びつけることも新たな視点ではないでしょうか。県内に9カ所あるワイナリーと連携し、ワイナリーをめぐるツアーの創出など、岩手ならではのワインツーリズムも進めていくべきと考えます。
このような自転車の活用やワインツーリズムなどの新たな取り組みで岩手の魅力を発信することも今後の観光振興策として有効と考えますが、県の考えをお伺いいたします。
次に、スポーツ振興についてお伺いいたします。
昨年の希望郷いわて国体、いわて大会は、最高の成績を残し、終了することができました。特にも、関係市町村の協力があったからこその成功であります。体育施設についても、関係市町村の協力をいただきながら、新設、改修等で対応したことは評価に値するものと考えます。
このような国体を初めとする大規模な大会を開催できる施設で、県が設置し、県や岩手県スポーツ振興事業団が管理運営している規模の大きな施設の野球場、体育館、武道館、スケート場、漕艇場は全て盛岡市内に設置されております。人口重心、交通の利便性重視はわかりますが、広い県土において、特定の地域に集中し過ぎではないかと感じます。
一方で、希望郷いわて国体の開会式を開催した北上総合運動公園陸上競技場は、北上市が年間1億3、500万円もの管理費で維持しながら今回のような大規模な大会を支えております。既存の施設の中には老朽化、狭隘化が進む施設もあり、建てかえの必要性などの問題が発生していると思われ、新たな施設整備計画の検討が急がれます。今後の県営スポーツ施設の整備については、盛岡市などの特定地域へ偏重せず、全県へのバランスのとれた配置を検討していくべきと考えますが、県の考え方についてお伺いいたします。
希望郷いわて国体、いわて大会は、成績と運営やもてなしなど、岩手県にとって大きな成果がありました。これを今後の岩手県のスポーツ振興と発展につなげていかなければなりません。
本年6月下旬から7月にかけて、第5回東アジアU-22ハンドボール選手権が日本では初めて花巻市で開催されることが決定しております。これは、国体の開催会場として使用された花巻市総合体育館の設備面や市のバックアップなどの運営面を評価した協会側が花巻市に依頼し、実現したものと伺っております。この花巻市の例のように、各地域でも、岩手国体、岩手大会で得た多くの財産をうまく引き継いでいくことが岩手県の将来のスポーツの発展にとって非常に重要であります。
今後、釜石市で開催されるラグビーワールドカップ2019、そして2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会につなげていくにはどうすべきでしょうか。JOCは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を復興五輪とし、東日本大震災津波の被災地が復興した姿を世界に発信するとしております。東日本大震災津波の際の世界からの支援に対する御礼とする場、そして、岩手に訪れていただく貴重な機会と考えます。県は、希望郷いわて国体、いわて大会で得た運営やもてなしのノウハウなどのさまざまな財産を今後どのように継承していくべきと考えているのか所見をお伺いいたします。
また、岩手県出身選手のますますの輝かしい活躍を期待するものでありますが、今後、次世代の選手の育成や各競技団体の活動運営のために、県としてはどう支援していくのかお伺いいたします。
次に、災害支援活動についてお伺いいたします。
昨年8月末、沿岸部を中心に台風第10号による大災害が発生しました。その際、県内10消防本部延べ221隊801名、県外の緊急消防援助隊延べ825隊3、238名の応援部隊が岩泉町などの被災地へ駆けつけ、災害現場で活躍されたと伺っております。こうした県内外からの災害支援活動において、東日本大震災津波への対応で得た経験を生かせたかお伺いいたします。
消防車両には、現場での連絡をとり合うため消防救急無線が装備されております。台風第10号の応援の際、花巻市消防本部では、IPトランシーバーという通信手段を利用することにより、各車両間や消防本部との通話においてその効果を発揮したとお聞きしました。大規模災害時の被災地において、通信体制に万全を期すためには各消防部隊間での共通の通信手段を持つことが重要と考えます。活動中の隊員間の連絡を密にすることで活動がしやすくなり、迅速な対応ができるはずであります。県内の各消防本部では消防救急無線のほかIPトランシーバーや衛星系通信機器などのさまざまな通信機器を利用しているようですが、大規模災害の応援時において課題はないのかお伺いいたします。
最後に、主要地方道花巻北上線の整備についてお伺いいたします。
主要地方道花巻北上線は、花巻市を起点とし、北上市に至る主要な幹線道路であります。現在、道路改良工事を進めている島工区については、花巻金属工業団地や北上工業団地へのアクセス道路として国道4号を補完する道路であり、平成22年に事業着手、平成31年の完成を目指しているところであります。この道路は地域の通学路でもありますが、現道は線形不良、歩道未整備の狭隘な区間となっている。交通量も多いので、危険を避けるため、地域の生徒たちは水田と水田の間の農道を自転車で遠回りしながら通学しているといった状況であります。そのため、安全で円滑な交通の改善が一刻も早く実現されることが沿線地域住民、利用者の願いであります。主要地方道花巻北上線の改良工事の進捗状況と完成見込みについてお伺いいたします。
以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 川村伸浩議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、7年目の復興にかける思いについてでありますが、現在策定を進めています第3期復興実施計画におきましては、平成29年度及び平成30年度の2年間を更なる展開への連結期間といたしまして、三陸のよりよい復興の実現につなげる三陸復興・創造期間とも言えるよう、復興事業の総仕上げを視野に復興の先を見据えた地域振興にも取り組みながら復興を推進する期間としております。
具体的には、安全の確保について、防災文化を醸成、継承しながら、災害に強い安全な多重防災型まちづくりの実現に向けた取り組みを進めます。暮らしの再建について、恒久的な住宅への移行とコミュニティーの再構築を支援し、お互いに支え合い、安心して心豊かに暮らせる生活環境の実現に向けた取り組みを進めます。なりわいの再生について、地域資源を活用した産業振興や交流人口の拡大によって地域のなりわいの再生と地域経済の回復に向けた取り組みを進めます。さらに、三陸創造プロジェクトを進め、長期的な視点に立ち、多くの人を引きつけ、多様な人材が育まれる新しい三陸地域の創造を目指してまいります。
復興を進めるに当たっては、東日本大震災津波からの復興に向けた基本方針に原則として掲げました、一人一人の幸福追求権を保障すること、犠牲になられた方々のふるさとへの思いを継承することを基本に、被災者イコール復興者一人一人の復興を最後まで見守り、寄り添った支援を行いながら、交流を力に、多様な主体の連携と県民みんなの参画により、一日も早い復興を目指して全力で取り組んでまいります。
次に、人口ビジョンに掲げる人口の展望の実現についてでありますが、2040年に100万人程度の人口確保を目指す人口の展望については、2020年までに社会増減がゼロとなるとともに、2040年までに合計特殊出生率が人口置換水準である2.07まで向上することによって実現されるものであります。このうち社会増減については平成28年はマイナス3、708人となっており、これは、直近の東京圏の転入超過数が11万人超と、国が掲げる東京圏から地方へ約10万人の人材を還流の目標からほど遠い結果となっていることと対応しています。また、合計特殊出生率については、平成27年は前年より上昇したものの1.49と、依然として目標値と乖離していることが課題と考えております。
県といたしましては、来年度、岩手で働くでは、いわて働き方改革推進運動の展開等を通じた長時間労働の是正や正規雇用の拡大など雇用の質の向上や、新たに創設しました奨学金返還支援制度を活用した大学生等の県内への還流、定着や、首都圏の大学生等を対象としたインターンシップなど、若者、女性の県内就業の促進に取り組むこととしています。
また、岩手で育てるとして、i-サポの拠点増設による出会いから結婚までの支援の強化や、地域で妊産婦を支える体制の構築など、出生率向上に向けた取り組みを進めることとしています。
さらに、国に対しては、地方を重視した経済財政政策を実施するなど、地方創生なくして日本の未来なしとの覚悟で東京一極集中の是正に取り組むよう、北海道東北地方知事会とも連携し、強く訴えてまいります。
次に、移住・定住促進対策についてでありますが、本県への移住、定住の促進を図るためには、本県が持つ多彩な魅力を県内外に積極的に発信し、岩手に関心を持っていただくことが重要であります。
県では、これまでも首都圏窓口であるいわて暮らしサポートセンターの設置や、市町村等の移住情報を取りまとめた専用ホームページのリニューアルを初め、PR動画の作成やフェイスブック等のSNSの媒体を活用して情報発信の取り組みを強化してまいりました。また、首都圏で開催する移住イベントにおいては、本県の魅力や移住のポイントなどを移住者の方々から来場者に直接アピールしていただくとともに、移住者をコーディネーターとした岩手ならではの移住体験ツアーを実施しています。
さらに、先般、首都圏在住の本県とゆかりのある若者などが県のいわて若者アイディア実現補助を活用して岩手を盛り上げるイベントとして東京で開催しました岩手わかすフェスにはSNSなどを通じて岩手に関心のある500人を超える方々が来場し、食や伝統工芸など岩手の魅力を満喫していただきました。このイベントには県や市町村も参加し、移住情報や沿岸地域の復興、観光の取り組みなどについて発信いたしまして、今後も、市町村、関係機関のみならず、このような若者によるネットワークとも連携をしながら、岩手ファンの拡大に向けてさらに効果的な情報発信に取り組んでまいります。
次に、岩手県の農業の方向性についてでありますが、本県の農業は地域経済を支える基幹産業の一つであり、持続的な発展を図るとともに、食料供給基地としての役割をしっかりと果たしていくことが重要であります。また、中山間地域などの条件不利地が多い本県の特性にも十分配慮し、小規模農家、兼業農家も参画した産地づくりを進めることによって活力ある農業、農村が実現するものと考えております。
このため、県では、いわて県民計画第3期アクションプランに基づいて、地域農業の核となる経営体の育成や、生産性、市場性の高い産地づくり、高付加価値化などを柱として、農業者の収益アップと農業、農村の活性化に向けた取り組みを進めています。
今後におきましても、国の事業なども有効に活用しながら、農地集積による生産の効率化、周年出荷に対応した大規模園芸団地や集落営農による園芸作物の産地化、農産物のブランド化や国内外への販路拡大などを推進しまして、農業者が意欲と展望を持てる農業の実現に取り組んでまいります。
次に、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の継承についてでありますが、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会では、多くのボランティアの方々に参加をいただきながらおおむね円滑な運営が行われ、県民総参加のおもてなしや文化プログラム、国体・大会プラスを初めとするスポーツの枠を超えたオール岩手の取り組みが全国の方々から高い評価をいただきました。そうした運営面における実績や、県を挙げての応援、歓迎、おもてなしの力などのソフトパワーの高まり、岩手国体、大会により県民が得た自信と誇り、そして希望を財産として、今後のスポーツ、文化、地域振興、産業、観光などの幅広い分野で生かし、復興とふるさと振興をより強力に推進していく考えであります。
まずは、2019年に釜石市で開催されるラグビーワールドカップの成功に向け、こうした実績とノウハウを最大限活用してまいります。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会におきましては、復興五輪として復興の姿を広く世界に発信する機会とするため、県としても積極的にかかわっていくとともに、多くの県民が両大会に参画できるよう、関係団体と連携しながら機運を盛り上げてまいります。
その他のお尋ねにつきましては関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔復旧局長木村卓也君登壇〕
〇復興局長(木村卓也君) コミュニティー構築に当たっての支援策についてでありますが、同じ地域で暮らす方々がお互いに支え合い、新たな居住環境で安心して生活するためには、コミュニティーの形成は非常に重要であると考えております。
各地域においては、新たなコミュニティー形成に向けさまざまな取り組みが行われているところでございますが、市町村によってはコミュニティーづくりのためのノウハウや人材不足、支援団体との連携などの課題を抱えているところもございます。
このことから、県におきましては、これまで、社会福祉協議会と連携して生活支援相談員による交流会の開催支援等を行ってきたところでありますが、平成29年度は、さらに市町村と支援団体とを調整するコーディネーターの配置や、被災者の心の復興を支援する民間団体等の取り組みに対しての補助を当初予算案に盛り込んだところでございます。
今後におきましても、被災者の方がつながりや生きがいを持って生活できるよう、県、市町村、支援団体が連携し、コミュニティー形成への取り組みに対し、引き続き支援してまいります。
〔政策地域部長大平尚君登壇〕
〇政策地域部長(大平尚君) ふるさと振興総合戦略の施策推進目標についてでありますが、ふるさと振興総合戦略においては、岩手で働く、岩手で育てる、岩手で暮らすの三つの柱を掲げており、それぞれ施策推進目標を設定しているところです。
岩手で働くでは、施策推進目標について、国の総合戦略に掲げる東京圏の転出入者の均衡に関する目標年次が平成32年にゼロであり、県としても同年に社会減ゼロを目指すとしており、基準年の平成26年における社会減2、975人に対して、平成27年における実績は4、063人と拡大傾向でありましたが、先ほど知事が答弁申し上げたように、平成28年には3、708人と、社会減の拡大が3年ぶりに縮小に転じたところであります。
岩手で育てるでは、施策推進目標を出生率の向上を目指すとしており、基準年の平成26年における合計特殊出生率1.44に対し、直近の平成27年における実績は1.49と、0.05ポイント上昇したところであります。
岩手で暮らすでは、施策推進目標を、岩手に住みたい、働きたい、帰りたいという人々の願いに応えられる豊かなふるさと岩手をつくり上げるとした上で、国民所得に対する県民所得水準の乖離の縮小を掲げており、目標値93.4に対し、直近の統計である平成26年は94.7と上昇したところであります。
平成29年度においても、総合戦略に基づき、引き続きふるさと振興を強力に推進してまいります。また、社会増減については、地方の取り組みとあわせ国家戦略として国が十分な予算を確保し、主体的に政策を展開していくことが不可欠であることから、国に対して、地方の実情を十分に踏まえた地方重視の経済財政政策を実施するよう強く訴えてまいります。
〔農林水産部長紺野由夫君登壇〕
〇農林水産部長(紺野由夫君) まず、担い手への農地集積対応についてでありますが、本事業による平成28年度の貸付実績は、1月現在、2、954ヘクタールで、目標の82%となっておりますが、その要因としては、国からの機構集積協力金の減額などにより新規の出し手が減ったことや、中山間地域などの条件不利地において、受け手となる担い手の確保が難しいことなどが挙げられます。
このため、県では、国に対し、機構集積協力金の配分基準の見直しを求めるとともに、中山間地域などの条件不利地においては、農地の排水機能を高める簡易な圃場整備や、中山間応援隊による地域の取り組みへの支援などに取り組んでいるところです。
また、これらの取り組みに加えて、本年1月に農地中間管理機構が担い手組織などとの連携協定を締結したところであり、今後とも、出し手の掘り起こしや担い手の意向把握をきめ細かに行うなど、関係団体と一丸となって担い手への農地集積に積極的に取り組んでまいります。
次に、米政策見直し後の岩手県農業再生協議会の役割についてでありますが、現在、県協議会において、米政策の見直しに的確に対応する仕組みの検討を進めており、地域協議会などの意見を踏まえ、昨年12月に中間取りまとめを行ったところです。
その内容は、まず、県協議会が、今後5カ年の主食用米と転作作物の組み合わせによる水田農業の推進方策をことし5月を目途に策定し、それを受けて、地域協議会では、それぞれの立地条件などを生かした推進方策を8月までに策定することとしております。
また、地域協議会は、県協議会が国の情報等から算定する市町村別の生産量の目安をもとに、生産者や集荷団体とともに毎年の具体的な生産計画を作成し、それに沿った作付を進めることとしております。
こうした取り組みを県協議会と地域協議会が密接に連携して着実に実施することにより、生産者の皆さんの深い理解と協力のもとで、需要に応じた主食用米の生産を進めてまいります。
次に、6次産業化推進の支援策についてでありますが、県内では、生産者が地域の関係者と連携し、地域の特色ある農林水産物を生かした商品が数多く開発されており、各種の食品コンクールで受賞するほか、食材にこだわりを持つレストランで広く採用されるなど、県内外で高い評価を受けております。
一方、生産者が6次産業化に取り組み、しっかりと収益アップにつなげていくためには、商品の開発や加工技術、販売方法等に関する知識やノウハウが不可欠であり、また、県内外の百貨店、レストランなど多様な販路を開拓、拡大することなどが重要であります。
このため、県では、商品開発や販路開拓のためのアドバイザーの派遣や、生産者と加工、小売業者等とのマッチング機会の提供を行うとともに、新たに、商品企画の段階からバイヤー等が参画し、消費者が求める魅力ある商品づくりに取り組むなど、生産者による6次産業化の推進に向けた取り組みを積極的に支援してまいります。
次に、醸造用ブドウの生産状況とその振興策についてでありますが、本県の平成25年の醸造用ブドウの生産量は約199トンと、平成17年に比べて約59トン、42%の増となっており、全国では8%の減となる中、気象条件等により変動があるものの、総じて増加しているところであります。また、平成27年度の県内のワインの製造量は約730キロリットルと、平成17年度に比べて約233キロリットル、47%の増となっており、醸造用ブドウの需要が高まっているところであります。
このため、県では、醸造用ブドウの栽培面積の拡大に向けて、苗木の新植、改植や栽培棚の整備等を支援するとともに、高品質で安定した生産に向けて、ワインに適した新品種の開発、現地での栽培指導などに取り組んでいるところです。
今後は、こうした取り組みに加え、新たに当初予算案に盛り込んだいわてワインヒルズ推進事業により、醸造用ブドウ品種の現地における栽培適性試験や、栽培から醸造までのノウハウを習得するためのワイン生産アカデミーの開講に関係機関、団体と連携して取り組むなど、県内の醸造用ブドウの一層の生産振興を図ってまいります。
〔県土整備部長及川隆君登壇〕
〇県土整備部長(及川隆君) まず、訪日誘客支援空港の認定についてでありますが、この事業は、国土交通省が、インバウンドの誘客、国際線の就航促進の取り組みを行う地方空港を訪日誘客支援空港と認定した上で、着陸料の割引や補助等の支援を行うものであります。
現段階で公表されている情報は、便数、誘客等の目標、海外セールス、PR、受け入れ環境の整備等の取り組み、実施体制等を記載した、地域による2020年までの誘客・就航促進計画を策定することとされていますが、まだ詳細は明らかにされておらず、また、認定は全国15空港程度を想定しているとのことでありまして、現時点での認定の可能性は不明であります。
国際線の就航拡大は、県の目指している方向と合致しておりますことから、可能な限り認定を受けたいと考えておりまして、まずは情報収集に努めてまいります。
次に、国内ハブ空港を経由した乗り継ぎでのインバウンド誘客についてでありますが、本県では、国内線の維持、拡充のため着陸料の減免を行っており、東南アジアを初めとして国際定期便が多数就航し、多くの訪日外国人旅行者が利用している札幌線や福岡線もその対象となっています。
両空港に対し、日本航空では、訪日外国人旅行者向けに国内線の航空券を割安の1区間1万800円で購入できる運賃制度、ジャパン・エクスプローラー・パスを実施しているところです。
県としては、こうした国内ハブ空港を経由した乗り継ぎも大きな可能性があると考えられることから、日本航空のこの制度をPRするとともに、両路線の拡充も要望しているところであり、インバウンドの誘客の拡大にも取り組んでまいります。
次に、定期便化と定期チャーター便の運航についてでありますが、今回の見送りは、大規模な乗務員ストに伴う路線計画の見直しや、台湾の航空会社の解散に伴う路線引き継ぎ調整等の影響など不測の事態が発生したことが大きな要因と理解しており、定期便化の方針が大きく変わったものとは考えていないところでございます。
今後も、引き続き定期便化を第1の目標としつつ、まずは、秋の定期チャーター便の再開を中華航空に対して働きかけていきたいと考えています。
次に、青森県との連携についてでありますが、台湾からのチャーター便を利用する旅行商品は東北を広く周遊するコースが一般化しており、この春の桜チャーター便のように、花巻空港と青森、秋田、山形の各空港を組み合わせて運航されるチャーター便も増加してきています。
こうした中、台湾からのインバウンド拡大のため、東北6県等で構成している東北観光推進機構や、本県と青森県、秋田県が設置している北東北三県観光立県推進協議会が、東北あるいは北東北3県での広域的な観光PRや旅行商品造成の支援等に連携して取り組んでいるところです。
各空港へのチャーター便や定期便誘致活動においては、他県と競合する面もありますが、今後も、東北の魅力を一体的にPRするとともに、スキーなど共通の資源を活用しながら、観光面を中心に、青森県などとの連携を図っていきたいと考えています。
次に、主要地方道花巻北上線の道路整備についてでありますが、島工区については、通学路交通安全プログラムの要対策箇所にも位置づけられていることから、歩行者の安全確保を図るべく、平成22年度から延長約3キロメートルのバイパス整備事業に着手したところです。
現在、用地買収もおおむね完了し、起終点などを除き計画ルート全線において着工しており、用排水施設や盛り土等の工事を進めているところです。
今後は、引き続き予算の確保に努めながら、平成31年度の供用を目指し事業を推進してまいります。
〔商工労働観光部長菊池哲君登壇〕
〇商工労働観光部長(菊池哲君) 観光振興についてでありますが、自転車やワインなどを組み込んだ旅行を売り込むことは、誘客の拡大につながるとともに、より広い周遊と、より長い時間の観光を促すことで、観光消費の拡大につながるものと考えております。
このため、今年度、タイの自転車ツアーを専門とする旅行会社を招請し、自転車ツアー商品の造成を働きかけるとともに、台湾のメディアと旅行会社をツール・ド・三陸に招請し、沿岸地域を含む県内の観光地をめぐるツアーの売り込みを行ったところであります。
また、ワインについては、これまでも観光広報媒体を活用した情報発信などに取り組んできたところでありますが、本年度中に策定するいわて国際戦略ビジョンにおいて、県内の食や特産品などを観光資源として積極的に活用し、岩手をまるごと売り込むこととしておりまして、日本酒やワイン、食などを組み合わせたツアーの造成など、販売の働きかけなどによるプロモーションを展開していくこととしております。
今後におきましても、自転車やワインのような新たな観光資源を組み込んだ旅行商品の造成、販売を積極的に促進し、国内外からの誘客拡大と県内での観光消費の拡大を図っていく考えであります。
〔総務部長風早正毅君登壇〕
〇総務部長(風早正毅君) まず、災害支援活動についてでありますが、大規模災害時における応援部隊の迅速な投入は、東日本大震災津波の経験から得た教訓の一つであり、今回の台風災害においても、県内消防応援に加え、知事が消防庁長官に緊急消防援助隊の派遣を要請したところであり、これらの部隊は発災翌日の8月31日から被災地での活動を行いました。
特に岩泉町では、広範囲に道路が寸断された中、消防、自衛隊、警察など、ヘリコプター30機体制で救助、搬送活動に当たるとともに、消防の応援部隊が地元消防団と連携し、道路啓開、被災家屋からの救助、行方不明者の捜索などを行い、消防機関全体で175名を救助したところであります。このほか応援部隊の現地受け入れや、県や現地の対策本部での自衛隊、警察との活動調整についても、東日本大震災津波の経験を生かし、円滑に行うことができたところであります。
次に、通信連絡体制についてでありますが、災害時における消防部隊間の通信は原則として消防救急無線の共通周波数を使っており、携帯電話や衛星系の通信機器も、これを補完するものとして使用しております。また、携帯電話の通話可能地域で使用できるIPトランシーバーも、花巻市消防本部の部隊内で活用されたとお伺いしております。
台風第10号災害時においては、岩泉町内の無線中継局が被災したため、それぞれの活動地域内では、消防救急無線が使えたものの、岩泉─安家間など遠距離の通信ができず、また、安家地区では携帯電話も不通であったことから、消防部隊の一体的な活動を行う上で課題を残したところであります。
通信施設等が損壊した場合においては、代替通信手段の確保及び迅速な応急復旧を行う必要があることから、今後においては、今回の教訓を生かし、東北総合通信局や通信事業者と密接な連携をとりながら、市町村とともに各種通信機器の配備方法についてマニュアル化を進めるなど、消防部隊間の通信の確保に向けた取り組みを推進してまいります。
〔教育長高橋嘉行君登壇〕
〇教育長(高橋嘉行君) 県営スポーツ施設の整備方針についてでありますが、県営体育施設のほとんどは、昭和45年の岩手国体開催を契機として整備されたものが多く、全体的な老朽化の状況を踏まえ、県においては、これまで、安全対策の実施や定期点検を行いつつ、財政面等も考慮しながら計画的な維持修繕に努めてきたところであります。
また、平成11年度の岩手インターハイや昨年の希望郷いわて国体に向けて、競技会場となる市町村に対し、施設の整備に要する経費の一部を県が補助するなど、県と市町村とが連携して、その整備を進めてきたところであります。
県営体育施設の今後のあり方については、1月に設置した県営体育施設のあり方に関する懇談会において、多くの県民の皆様がスポーツに親しむ環境や、競技力を向上させる施設を整備していく視点や、県と市町村との連携、協働、役割分担のあり方、また、財政状況などをも十分に踏まえながら総合的に検討していくこととしており、具体的な検討に当たっては、全県的な視点をも踏まえながら幅広く検討を進めてまいります。
次に、選手育成と各競技団体の活動支援についてでありますが、希望郷いわて国体へ向けた強化事業を通じ、本県選手団の競技力の向上や、競技団体が蓄積した強化のノウハウなどが国体のレガシーと捉えており、このレガシーを今後の選手強化につなげていくことが重要であると考えております。
このような考えを踏まえ、選手の育成においては、スーパーキッズ発掘・育成事業などを通じ、有望な少年選手の発掘、育成を進めるとともに、就職支援による成年選手の県内定着と、その競技活動の支援、さらには、オリンピックなどの国際大会で活躍するトップアスリートの育成、強化などに取り組むことといたしております。
また、各競技団体の活動運営においては、強化計画の作成から実施、評価、改善と、いわゆるPDCAサイクルによる強化事業の適切な進行管理の支援を行うとともに、強化事業や指導者の養成に係る経費への支援なども引き続き行っていく考えであります。
今後におきましても、各競技団体や岩手県体育協会等との連携を一層深めながら、本県の選手育成や競技団体への活動支援に取り組んでまいります。
〇議長(田村誠君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時33分 散 会

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