平成28年2月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

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〇知事(達増拓也君) 本日、ここに第4回県議会定例会が開会されるに当たり、今後の県政運営について、私の所信の一端を申し上げます。
冒頭、今月6日に台湾南部で発生した地震により、とうとい命を落とされた方々の御冥福をお祈りいたします。また、被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。
東日本大震災津波の発災から間もなく5年となります。改めて、この災害で犠牲になられた方々に対し、謹んで哀悼の意を表します。また、いまだ応急仮設住宅等で不自由な生活を送られている方々を初め、被害に遭われた皆様に衷心よりお見舞いを申し上げます。
平成27年度は、復興道路や災害公営住宅の整備を中心に、災害廃棄物処理を除く予算としては過去最大の予算を編成して本格復興に邁進してきました。また、地方消滅、ひいては日本消滅の危機が指摘される中、昨年10月に県民総参加でふるさと振興総合戦略を策定しました。復興とふるさと振興の取り組みは、今を生きる県民の切実な要望に応え、今、目の前にある課題を解決する取り組みにほかなりません。人間一人一人を大切にする人間本位の取り組みを進め、引き続き、希望郷いわての実現に向けて、復興とふるさと振興に全力で取り組んでまいります。
本年は、2度目の国体となる希望郷いわて国体と全国障害者スポーツ大会―希望郷いわて大会が開催され、県内全市町村で競技が行われます。完全国体の幕あけとなる冬季大会が先月ついに始まり、スケート・ショートトラックでの村竹啓恒さんの優勝を筆頭に数多くの上位入賞を果たし、総合順位も2巡目以降の国体では最高の8位となるなど、さい先のよいスタートを切りました。そして、この週末からはスキー競技も始まります。昨年、群馬県で開催された冬季大会スキー・コンバインドで2位を獲得した永井健弘さんやクロスカントリー3位入賞の若松翔さんなど、今大会でも上位を狙える有望な選手が数多く出場し、本県選手団の勢いをさらに増してくれるでしょう。
昨年の和歌山国体以降の本県選手の顕著な活躍は、これまでの選手強化の取り組みが結実したものであり、岩手におけるスポーツ力の高まりを感じます。こうした岩手の力を秋の本大会につなげ、目標とする天皇杯順位8位以内を目指します。
また、開催県として、天皇、皇后両陛下を初めとする皇室の方々、全国の選手団や観客の皆様を温かくお迎えし、両大会を成功させるため、関係機関、団体と連携し、心のこもった岩手らしい開閉会式の開催、参加者の配宿や安全で確実な輸送、交通の確保、空港や主要駅への総合案内所の設置、ホームページなどによる全国への情報発信など、大会の成功に万全を尽くしてまいります。
さらに、5、000人を超える運営ボランティアの参加や、花いっぱい運動を初めとする県民運動の一層の展開など、企業や団体など県民の皆さん、まさにオール岩手の大会参画が図られており、130万県民を挙げ、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会を盛り上げてまいります。
この1月から、絵画、音楽、地域の伝統行事など、両大会の開催に合わせて多彩な文化プログラムが県内全域で展開され、訪れた全国の皆さんに向けて本県の豊かな文化芸術が幅広く発信されています。こうした取り組みに加え、国体・大会プラスとして、スポーツの枠を超え、文化芸術イベントや民間団体主催のイベントと連動した新機軸も展開し、さらなる盛り上げを図ります。
県議会の皆様を初め、市町村、関係機関、団体、県民の皆さんと岩手の総力を結集し、復興のシンボルとしての両大会を成功させ、岩手の歴史に新たなページをしるしていきましょう。
岩手が直面する最も重要な課題は、東日本大震災津波からの復興です。
現在、県は、復興計画に基づき、第1期の基盤復興の成果を土台とし、第2期の本格復興に邁進しています。その中で、復興道路は新規事業化された全ての区間で工事着手されたほか、災害公営住宅の約8割が着工し、被災事業所については一部再開を含め約8割が再開するなど、安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生それぞれ着実に進んでいます。
資材の高騰、沿岸地域の深刻な人手不足など、新たな課題に対しても、補正予算による迅速な対応や事業者の宿舎確保などにより解決を図ってきました。復興の現場ニーズを的確に捉え、今後も復興の歩みを進めてまいります。
平成28年度は、第2期の本格復興期間の最終年度として次の期間につなげる重要な年であり、実施計画に掲げた事業を確実になし遂げるという意志を込め、本年を本格復興完遂年と位置づけました。被災された方々の暮らしの再建に向け、平成28年度末までに災害公営住宅の約9割の完成を目指します。水産業を支える漁港に関しては、平成28年度末の復旧完了を目指します。
こうした社会資本の復旧、整備に加え、心と体の健康の問題や将来の生活への不安など、被災者の皆さん一人一人が抱える課題に寄り添った支援や、地域に根差したコミュニティの再生など、今後、より一層重要性を増す課題にも取り組んでまいります。
応急仮設住宅等に入居している方々が一日でも早く恒久住宅に移行し、安定した生活に戻れるよう、被災された皆様の生活の安定や住宅再建に向けた資金面での支援を継続するほか、内陸に避難されている方への相談体制についても充実させます。
国や全国の自治体、復興の最前線でまちづくりに取り組む市町村と一体となってこれら本格復興完遂の取り組みを進め、復興をさらなる展開へ導く第3期復興実施計画を策定します。
復興と並ぶ喫緊の課題がふるさと振興です。岩手県ふるさと振興総合戦略を実行に移す年として、岩手で働く、岩手で育てる、岩手で暮らすの三つの柱に基づく取り組みを進め、人口の社会減ゼロ、出生率の向上に向けて、全力を挙げて取り組んでまいります。
まずは、社会減ゼロに向けた取り組みです。
国は、総合戦略において、東京圏への転入超過10万人を解消するとしており、岩手においても、この目標に呼応する形で人口の社会減ゼロを目指します。
国が掲げる東京一極集中の是正と合わせ、岩手において、若者や女性がやりがいを感じ、生活を支える所得が得られる仕事を創出します。産学官や金融機関、教育機関など関係機関で設立したいわてで働こう推進協議会を中心に、県内就職の促進や創業の支援に加え、長時間労働の抑制や年次休暇の取得促進など、働き方の改善の取り組みを官民を挙げて推進します。
こうした取り組みとあわせて、若者の地元定着を促す手段の一つとして、地元産業界等と連携し、奨学金を活用した取り組みの具体化等についても検討を進めます。
また、出生率の向上に社会全体で取り組みます。
昨年制定したいわての子どもを健やかに育む条例では、社会全体で県民の就労、結婚、妊娠、出産、子育てを支え、県民が安心して子供を産み育てることができる社会の実現を目指しています。着実に登録者数がふえている“いきいき岩手”結婚サポートセンター―i-サポの運営を通じた結婚支援や保育サービスの充実など、子育て世代のライフステージに応じた施策を展開し、子供たちの笑顔があふれる岩手を目指します。
若者と女性の活躍を大きな力に、復興とふるさと振興を推進し、希望郷いわての実現を目指します。
特に、岩手の未来を担う若者が、復興の現場やスポーツ、文化などさまざまなフィールドで躍動する姿は県民に勇気と力を与えてくれます。こうした各方面で活躍する若者同士のネットワークをつくる仕組みを拡充し、新たなつながりを生かしながら若者の力をさらに引き出してまいります。そして、ことしのいわて若者文化祭を希望郷いわて国体、希望郷いわて大会のプレイベントとして開催し、意欲ある若者に日ごろ培った文化芸術の発表、交流の場を提供するとともに、両大会との相乗効果でさらなる盛り上げを図ります。
また、女性が輝き、女性が持つ力を最大限発揮できる環境づくりも大切です。農業では、新しい視点で生産や加工などに取り組む農業女子や、岩手の製造業を女性の力で牽引するモノづくりなでしこiwateなど、岩手では既に多くの分野で女性の活躍が見られます。いわて女性の活躍促進連携会議を通じて、経済団体、産業団体との連携を強化し、官民が一体となって女性が活躍しやすい環境を整えてまいります。
本県の豊かな地域資源を生かした科学技術の発展には大きなチャンスが広がっています。ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章さんが知の地平線を拡大する作業と例えられたように、科学技術は、私たちの生活を豊かにし、経済を発展させることに加え、意識改革を通じて人と社会のあり方全体を大きく変える力を持つものです。産学官金が連携して、地域資源を活用したイノベーションの創出や次代の科学技術を担う人材の育成に取り組みます。また、海洋エネルギー関連産業の創出を目指し、釜石市沖の実証フィールドの利活用の推進や洋野町沖合の洋上ウインドファームの実現に向けた取り組みを進めてまいります。
昨年11月、岩手県立大学の鈴木厚人学長が基礎物理学ブレークスルー賞を受賞されたことは、本県が目指すILC―国際リニアコライダー誘致の実現に向け大きな力になるものです。国の有識者会議は、日本への誘致に向け具体の議論を進めており、今後、実現に向けて重要な時期を迎えます。県としても、引き続き国等への働きかけを行うほか、12月に本県で開催される国際会議も追い風とし、外国人研究者の受け入れ環境の整備、県内企業の加速器関連産業への参入支援、県民への普及啓発に取り組んでまいります。今後も、さまざまな関係団体と連携を強化し、広く国民、世界の方々の理解も得ながら、ILC実現に向けてあらゆる取り組みを進めてまいります。
本年は、平泉世界遺産登録から5年目となる節目の年でもあります。世界遺産サミットを本県で開催し、平泉の遺産が体現する自立と共生の理念を広く発信、共有し、拡張登録に結びつける機会としてまいります。
また、昨年7月に新たに世界遺産として登録された橋野鉄鉱山は、幕末日本における岩手の先進性をあらわす貴重な遺産です。世界遺産登録を目指す一戸町の御所野遺跡もあわせ、本県が有するさまざまな文化遺産の価値や意義を全国の皆さんと共有し、次代に引き継いでまいります。
今般、県では、今年度からの4年間、ゴールに向かって復興を進めるとともに、ふるさと振興を軌道に乗せ、県民一人一人が希望を持てる希望郷いわての実現に向け、復興計画と軌を一にし、ふるさと振興総合戦略を包含する第3期アクションプランを策定しました。プランでは、東日本大震災津波の発生や、近年の岩手を取り巻く環境変化を踏まえ、人口や県民所得、雇用環境などの七つの政策推進目標を具体化しており、目標実現に向け、県民、企業、NPOや市町村など、あらゆる主体が総力を結集する地域経営の考え方に基づき、取り組みを進めてまいります。
第3期アクションプランの計画期間の4年間は、いわて県民計画の最終期間であると同時に、次の長期計画につながる大切な4年間です。県民の幸福を追求する自治体岩手として、いわて県民計画の先を見据え、岩手ならではの豊かさを育む観点も取り入れた第3期アクションプランを着実に推進してまいります。
こうした取り組みに加え、希望郷いわての実現をより確かなものとするため、物質的な豊かさに加え、岩手ならではの生き方や豊かさを重視し、個人の幸福と集団全体の幸福との関係性にも着目して、幸福度や幸福量という考え方を導入し、施策の展開に生かしていくことを考えています。今後、県民の皆様や有識者の御意見も伺いながら、試行的に幸福に関する指標の導入と評価等への活用を行い、次期長期計画での本格導入に向けて検討を進めてまいります。
平成28年度の当初予算は、被災地の安全、暮らし、なりわいを支える復興事業を着実に進め、ふるさと岩手の本格復興をやり遂げ、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会を成功に導き、ふるさと振興を推進する本格復興完遂予算として編成しました。来年度から一部拡大する復興事業の地方負担については、本格復興を確実にやり遂げるため、新たに県債を発行し対応します。
一方で、社会保障関係費の増や公債費の高水準での推移など、今後も続く厳しい財政状況に鑑み、引き続き、歳入歳出両面での見直しを行いながら持続的な財政運営に努めてまいります。
本格復興の完遂に向けた体制整備も引き続き重要な課題です。平成28年度も、技術職員を中心に専門的知識を有する人材の確保が必要であり、任期付職員の採用や他県からの応援職員、民間企業からの派遣職員の受け入れなどにより、今年度とほぼ同規模のマンパワーを確保します。また、メンタルヘルス対策など、応援職員を支える取り組みも進め、本格復興の完遂を支える体制の整備に努めてまいります。
平成28年度における具体的な施策についてでありますが、復興とふるさと振興の取り組みを、いわて県民計画に掲げる七つの政策に基づいた施策と一体的に推進してまいります。
以下、具体的な施策の内容について申し上げます。
初めに、復興計画の3原則の第1、安全の確保であります。
災害に強く、安全・安心なまちづくりは、被災地の暮らしとなりわいを支える大切な基盤です。防潮堤など津波防災施設の早期復旧、整備を推進します。また、水門、陸こうに動閉鎖システムを導入するなど、引き続き、人命を第一としたまちづくりを進めてまいります。
こうしたハードの整備に加え、ソフト面の取り組みも重要です。震災津波関連資料を収集し、大震災津波の教訓を国内外や後世に伝える仕組みを構築します。高田松原津波復興祈念公園の整備とあわせ、震災伝承や防災教育、防災文化継承の拠点となる震災津波伝承施設の整備に向けた調査、設計を進めます。
また、防災集団移転促進事業により市町村が買い取った土地の利活用を促進するため、被災者の方々との土地交換に係る不動産取得税の減免措置を講ずるなど、被災市町村のまちづくりを積極的に支援してまいります。
県民の安心の確保のため、引き続き、放射線影響対策に取り組みます。空間線量率の測定や食品の検査結果を速やかに公開するほか、農林業系副産物などの処理を進めるため、市町村を支援してまいります。
なお、今後も、市町村と連携しながら、東京電力に対し必要な損害賠償請求を行うほか、支払い合意に至らない費用について和解仲介の申し立てを行うため、今議会に関連議案を提案しております。
被災地域の方々が安心して暮らすことができるよう、警察官の緊急増員を継続します。また、宮古警察署など被災した警察施設を復旧させるほか、復興事業の進捗に合わせた交通安全施設の整備を進めます。
国により整備が進められてきた復興道路は、昨年11月に三陸沿岸道路吉浜道路が開通したほか、来月には宮古盛岡横断道路の一部が供用開始となります。引き続き、国の整備とあわせ、県においても復興支援道路、復興関連道路の着実な整備に取り組みます。
復興道路と港湾の復旧、整備を見据えたフェリーの就航や企業立地の動きが見られ、被災地の経済活動が着実に再生しています。こうした動きを確かなものとするため、釜石港におけるガントリークレーンの整備を初めとした港湾施設の機能強化や利活用促進の取り組みを進めます。
被災地における住民の足を確保するため、JR山田線の早期運行再開や、JR大船渡線BRTの利便性の向上などに向けた取り組みについて、沿線市町と連携しながら進めてまいります。
次に、暮らしの再建に向けた取り組みであります。
被災者の方々が一日でも早く安定した暮らしを取り戻すことができるよう、災害公営住宅の整備を着実に進めます。また、住宅の自力再建に向けた資金面での支援を継続するほか、内陸部に避難されている方を含めた生活再建のための相談体制など、被災された方お一人お一人に寄り添った支援施策を充実させます。
被災地の人手不足の解消に向け、安定的な雇用の創出、女性の再就職に向けた訓練など、企業の人材確保を支援します。
被災地域における保健、医療、福祉提供体制の整備に引き続き取り組みます。応急仮設住宅での暮らしが長引く一方、災害公営住宅への入居も進み、被災された方の状況に応じた健康づくりの支援や心のケアを継続します。また、県立の大槌、山田、高田病院の再建を着実に進め、大槌、山田の平成28年度中の開院を目指します。
被災地の将来を担う子供たちを継続的に支援してまいります。震災により傷ついた子供たちの心のケアを実施するいわてこどものケアセンターを引き続き運営するほか、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を充実します。また、いわての復興教育を定着させ、郷土に愛着や誇りを持ち、岩手の復興、発展を支える人材を育成してまいります。
被災地では、NPOなどが復興を進める大きな力となっています。被災地における中長期的な課題に対応できるよう、経営能力や運営基盤の強化を支援し、自立したNPOの育成を進めます。
次に、なりわいの再生に向けた取り組みであります。
活力ある農林水産業が被災地の本格復興には欠かせません。三陸沿岸の主力産業である水産業の再生のため、地域再生営漁計画などに基づき、中核的な経営体の育成や水産物の販路開拓などの取り組みを進めます。また、新たな担い手の確保、育成に向けた市町村協議会の設置など、就業しやすい環境づくりを進めます。さらに、漁獲から流通、加工までの一貫した高度衛生品質管理の体制を構築し、消費者から選ばれる産地形成を進めます。
沿岸の基幹産業である水産加工業における労働生産性や付加価値の向上が重要です。カイゼンの取り組みを引き続き進めるほか、専門家と連携し、売れる商品づくりや販路開拓の支援を進めます。
農林業の再生について、被災農地と周辺農地の一体的な整備を進め、復旧農地の有効活用に向けた営農体制の構築を支援します。また、潮害や風害を防ぐ海岸防災林の再生整備を進めます。
原木シイタケ出荷制限の早期解除や原木の安定供給に向け、検査やほだ場の環境整備、原木購入経費への支援等を行い、シイタケの産地再生を進めます。
また、県産農林水産物の販路の回復、拡大に向けて、さまざまな広報媒体を活用して、安全・安心でおいしい県産食材の魅力を発信します。
被災地域における中小企業や商店街の再生に向け、引き続き、グループ補助金などを活用し、被災商店街の本設店舗への移行を支援してまいります。また、新たな商店街の整備に向けた事業計画の策定や、復旧後を見据えた知識やノウハウの取得を支援し、被災商店街におけるにぎわいの回復を目指します。さらに、創業や経営安定化などに向けた支援を行い、被災地域における新たなチャレンジを促進します。
被災地における観光の振興を図るため、世界遺産橋野鉄鉱山や三陸ジオパークなどの観光資源を生かした誘客や、震災学習を中心とした教育旅行や企業研修旅行の誘致を進めます。また、復興後を見据えた三陸地域の総合的な振興を担う新たな推進体制の整備を進めてまいります。
次に、いわて県民計画に基づく取り組みについて、ふるさと振興の取り組みとあわせ、申し上げます。
まず、第1は、産業創造県いわての実現であります。
地域経済を牽引するものづくり産業の振興を図るため、重要分野である自動車、半導体関連産業の集積促進に加え、これらに続く成長分野の企業を育成します。また、企業の誘致や県内企業の生産性、付加価値向上を図るほか、すぐれたものづくり産業人材の育成と県内への定着を促進します。
県内企業数の大半を占める中小企業は、県民の暮らしや地域を支える大切な存在です。今議会に提案している岩手県中小企業振興基本計画に基づき、企業の経営革新に対する支援や事業活動を担う人材の育成等の支援の充実、強化など、中小企業の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進します。
また、県産品に対する信頼を一層高め、販売の拡大を図るため、商品の魅力向上や新たな購買層の開拓につなげる取り組みを進め、岩手ブランドの確立を図ります。
本県経済の活性化のため、国内外との交流を広げます。希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の開催や北海道新幹線開業の機会を捉え、観光キャンペーンを実施するとともに、世界遺産を初めとする本県の魅力を発信し、オール岩手での誘客の拡大を図ります。
また、外国人観光客の受け入れの拡大を目指し、海外向けのプロモーションの実施や受け入れ態勢の整備を進めるほか、東アジア地域に加えて、昨年のミラノ国際博覧会で構築した欧州におけるネットワークも活用しながら岩手を丸ごと売り込んでまいります。
県北圏域において地域を牽引している食産業やアパレル産業における販路拡大や認知度向上の取り組みを強化するなど、地域の特性を生かした産業振興を後押しします。
第2は、食と緑の創造県いわての実現であります。
EPAやTPPなど、経済のグローバル化の流れが加速する動きもあり、本県農林水産業の競争力強化や生産者の経営力向上に向けた取り組みが一層重要となっています。そのため、まず農業に関し、地域農業マスタープランを踏まえ、認定農業者やリーディング経営体を育成します。また、若者、女性などの新規就農者の確保、育成に取り組みます。さらに、農地中間管理事業と圃場整備事業の連携による農地の集積、集約を加速し、経営の規模拡大や効率化を促進します。
生産性、市場性の高い産地づくりに向けて、昨年発表した県のオリジナル水稲新品種銀河のしずくやそれに続く岩手118号を核とした県産米のブランド化を進め、いわての美味しいお米生産・販売戦略に基づいた低コスト化や県産米の消費拡大に取り組みます。
また、園芸では、産地の生産力を高めるため、ICTなどの新たな技術の導入や共同利用施設の整備を支援します。
さらに畜産では、飼養規模の拡大や生産性の向上、若者や女性の技術力向上とネットワークの構築に取り組んでまいります。
林業に関し、合板等の原料や木質バイオマス燃料としての木材需要の増加を受け、伐採、利用から造林へとつなげていく森林資源の循環利用を進めることが必要です。
まず、地域の林業経営を担う若年就業者の確保、育成を進めるため、就業希望者が知識、技術を体系的に習得できるいわて林業アカデミーの開講準備を進めます。また、将来にわたり森林資源を安定的に確保するため、関係団体による協議会を設置し、低コストでの再造林技術の普及、定着の取り組みを支援してまいります。さらに、意欲ある木材加工事業者の技術力向上や木材製品の販路拡大を支援してまいります。
水産業に関し、被災した施設の復旧、復興の取り組みに加え、地域漁業の再生に向け、漁業者と流通加工業者等との連携や、漁家女性グループ活動の活性化に取り組みます。
本県の農林水産物の高付加価値化と販路拡大に向けて、地域の多彩な農林水産物を活用した6次産業化の推進と輸出の促進は大切です。地域ならではの魅力ある商品の開発やブランド化など、生産者や商工、観光業者などが一体となった活動を支援し、地域ぐるみで6次産業化を推進します。また、アジア地域やアメリカなどをターゲットに、米や牛肉、水産物などを重点品目に掲げ、海外への販路拡大に戦略的に取り組みます。
こうした本県のすぐれた農林水産物を育む活力ある農山漁村の創造に向け、今年度策定するいわて農業農村活性化推進ビジョンを踏まえ、集落が行う活性化の取り組みを支援してまいります。
第3は、共に生きるいわての実現であります。
県民誰もが、地域において安心して保健、医療、福祉のサービスを受けられる体制の確立に向け、取り組みます。
今年度内に策定する地域医療構想を踏まえ、今後の高齢化の進展を見据えた医療提供体制を構築していくため、病床機能の分化と連携の推進や在宅医療の体制整備などの取り組みを進めます。
医師の確保や定着に向けて、奨学金による医師養成や勤務環境の向上等に取り組みます。また、地域偏在等の解消に向け、養成医師の計画的な配置調整を行うとともに、偏在解消につながる新たな制度の構築に向け、国などへ働きかけを行います。
看護職員の県内定着を図るため、修学資金の貸し付けを行うほか、新卒者の県内就業率向上や離職防止の取り組みを進めます。
救急医療体制の充実、強化を図るため、ドクターヘリの安全、円滑な運航の推進や、ヘリポートの整備、北東北3県による広域連携運航に取り組みます。
高齢者が住みなれた地域で安心して生活し続けることができるよう、地域包括ケアシステムの構築を支援するほか、介護人材の確保、育成に取り組みます。
障がい児療育の拠点としてのさらなる役割を果たすよう、重症心身障がい児に対応した病床の再編や診療科の増設など、機能を強化した新しい岩手県立療育センターの整備を推進します。
地域における子ども・子育て支援体制の充実を図るため、保育士等の人材確保を進めながら、保育所定員の拡大や放課後児童クラブの運営など、子ども・子育て支援新制度による市町村の取り組みを支援します。また、年々増加する児童虐待相談に対応するため、児童相談所の体制を強化します。
子供の貧困対策として、今年度内にいわての子どもの貧困対策推進計画を策定し、ひとり親家庭の自立を支えるなど、総合的な取り組みを推進します。
本県の喫緊の健康課題に県民一丸となって取り組みます。全国で最悪となっている脳卒中死亡率の改善と健康寿命の延伸を目指し、第二次健康いわて21プランに基づく取り組みを進め、脳卒中予防対策を推進します。
また、自殺対策にも引き続き注力してまいります。自殺死亡率の低下を目指し、相談支援体制を強化するなど、岩手県自殺対策アクションプランに基づいた取り組みを県民と一体となって推進します。
安心して子供を産み育てられる環境づくりに取り組みます。不妊に悩む方への支援の一環として、特定不妊治療費助成の増額や男性不妊治療費助成の拡充など、妊娠、出産を望む方々を経済的に支えます。さらに、本年8月からは、子育て家庭を支援するため、未就学児及び妊産婦に係る医療費助成の現物給付を実施します。
第4は、安心して、心豊かに暮らせるいわての実現であります。
まず、災害への備えを進めます。全国的に火山活動が活発化していることから、栗駒山における火山ハザードマップや岩手山における具体的な避難計画の作成に向け、県と関係市町村等で組織する火山防災協議会で検討を進めるなど、火山防災対策を強化してまいります。こうした対策や防災体制整備などの公助の取り組みに加え、県民の防災意識の高揚を図るとともに、自主防災組織の活性化や若者、女性の消防団への加入促進に向けた市町村の取り組みを支援するなど、自助、共助による地域防災力の強化に取り組んでまいります。
また、交通事故を抑止するため、来年度策定する第10次岩手県交通安全計画に基づき、事故実態に基づいた効果的な指導取り締まり等を実施し、特に、交通事故死者の約6割を占める高齢者の犠牲を減らすための普及啓発活動を推進してまいります。
さらに、消費者被害対策に関し、相談体制の強化、学校における消費者教育など、消費者行政の充実、強化に引き続き取り組みます。
男女がともに個性と能力を発揮し、活力ある地域社会の形成に向け、男女共同参画やDVの根絶に関する意識啓発などに引き続き取り組んでまいります。また、就労、起業、子育て支援など、女性の職業生活に関する相談窓口を設置し、女性の活躍を幅広く支えてまいります。
青少年の健全な育成を支えるためには、さまざまな関係機関がネットワークを形成し、それぞれの専門性を生かしながら、発達段階に応じた支援が必要です。また、ニートなど、社会的に困難を抱える子供、若者の支援に取り組んでまいります。
第5は、人材・文化芸術の宝庫いわての実現であります。
本県の将来を担う人材の育成のため、新たな教育委員会制度のもと、教育委員会との連携を一層深め、本県教育の振興に取り組んでまいります。
学びの質を保証するため、小・中・高それぞれの学力調査の結果分析に基づき、児童生徒の学力向上の取り組みを支援します。また、私立学校における特色ある教育活動を支援します。
岩手と世界をつなぐグローバル人材を育成するため、イーハトーブ・イングリッシュ・キャンプや海外派遣などを通じ、国際的な視点を持ち、復興とその後の地域の発展を担う人材を育てます。
さらに、教育環境の充実を図るため、県立盛岡となん支援学校や県立久慈高等学校などの学校施設の整備を進めるほか、特別支援学校へのICT端末の導入を推進します。
いじめは絶対に許されません。今年度設置したいじめ問題対策連絡協議会における関係機関、団体との連携をさらに強化し、いじめの再発防止や早期発見、早期対応に取り組みます。また、児童生徒の発する心のサインを見逃さない教育相談体制の充実にも取り組んでまいります。
一人一人が豊かな文化芸術とともに生きる地域社会を目指し、海外とのきずなも生かしながら、すぐれた文化芸術に触れ、参加する機会を確保することに加え、豊かな文化遺産や伝統文化の保存、伝承を進めます。
また、昨年のラグビーワールドカップイングランド大会における日本代表の活躍は、国民に勇気と力を与え、改めてスポーツの魅力を実感させました。2019年の釜石市開催に向け、市と連携した開催の準備や機運醸成に取り組んでまいります。
第6は、環境王国いわての実現であります。
本県の豊かな自然や良好な環境は、県民の生命と暮らしを支える基盤です。低炭素社会や循環型地域社会の形成に向け、地球温暖化に関する意識啓発や再生可能エネルギーの普及に取り組みます。一戸町の高森高原風力発電所の建設を進めるほか、県内市町村と連携しながら、昨年策定した風力発電導入構想の具体化に向け、立地希望事業者への支援に取り組んでまいります。また、新たな産業廃棄物最終処分場の整備基本計画の策定や環境影響評価などの取り組みを進め、産業廃棄物の適正処理と自県(圏)内処理の推進に向け、引き続き取り組んでまいります。
野生動物との共生も課題となっています。特に、本県農業に甚大な被害をもたらしている鹿については、市町村や狩猟者団体と連携し、捕獲の強化に重点を置いた取り組みを進めます。
第7は、いわてを支える基盤の実現であります。
近年、全国各地で局地的な集中豪雨による洪水、土砂災害が頻発しています。自然災害から県民の生命と財産を守るため、治水施設や土砂災害対策施設等のハード整備とあわせ、水位周知河川の指定や土砂災害のおそれのある区域の調査等のソフト対策を一体的に推進します。
広域的な交流・連携や物流の基盤となる道路ネットワークの構築、スマートインターチェンジの整備に取り組み、地域経済や観光の振興を支えます。また、いわて花巻空港の国内路線の維持、拡充や台湾との国際定期便の就航を目指し、受け入れ態勢の強化を図りながら、チャーター便の誘致、拡大に取り組みます。さらに、路線バスや鉄道など、地域住民の足となる公共交通の利用促進や利便性の向上を図ります。
社会資本の安全性や信頼性を確保するためには、適切な維持管理が必要です。復旧、復興事業により整備を進めている施設も含め、県内の社会資本がその機能を発揮し続けるよう、計画的な維持管理を進めます。
今から46年前、本県で初めてとなる国体が開催されました。誠実・明朗・躍進というスローガンのもと、県民がたゆまぬ努力を積み重ね、素朴ながらも温かいおもてなしに満ちた大会は、訪れた県外の方から岩手らしい誠実国体と評されました。期間中、過去の国体に例を見ない74万人もの観覧者を集め、その熱気と県民の力強い後押しを受けた本県選手団の活躍は目覚ましく、見事、男女総合優勝を果たし、念願の天皇杯を獲得し、大会は多くの思い出と感動を残し、大成功のうちに終了しました。
この岩手国体により、岩手の若者にスポーツの持つたくましい精神が育まれただけではなく、開催に向けて国道4号や45号を初めとする道路の整備が進み、鉄道の輸送力は増強され、情報通信網は高速化が進みました。しかし、何より大きな成果は、この50年に1度の大事業をみずからの力でなし遂げたという強い自信と誇りが県民の心に生まれたことです。岩手国体で発揮された県民の誠実さと、これを契機に培われた自信は、国体の遺産として、その後、岩手がさらなる躍進を遂げる原動力となりました。
東北新幹線や三陸鉄道の開業、高速自動車道の開通、花巻空港のジェット化など、高度経済成長という時代を背景にさまざまな社会資本が整備され、地域経済発展の基盤となりました。また、県民の命を守る高次救急センターの設置や県立大学の開設、県民会館や県立美術館の整備など、教育、文化の振興に向けた土台も整えられてきました。
そして今、2度目の国体を迎えています。平成23年3月11日の東日本大震災津波は、これまでにない大きな被害と、県民の心に深い傷跡を残しました。しかし、国内外からの多くのつながりの力を得ながら、岩手が持つ地域の底力を最大限に発揮し、この苦難に立ち向かい、乗り越えるべく、懸命に復興へと邁進しています。
地方消滅が指摘される中にあって、ここ最近の全国的な大会における本県の若者の活躍は、勇気と力を与えてくれます。昭和45年の大会がそうであったように、今回の国体においても、高まる岩手のスポーツ力を追い風に躍動する選手たちの姿は、私たちに大きな希望を与え、復興をなし遂げる力、ふるさと振興を軌道に乗せる力となるでしょう。この希望郷いわて国体、希望郷いわて大会を必ずや成功させましょう。
希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の成功は、地元の底力とさまざまなつながりの力を一層高め、希望郷いわての実現をより確かなものにし、そして、現行いわて県民計画に続く次の10年の礎を築くことになるでしょう。ここにおられる全ての議員の皆様並びに県民の皆様の深い御理解とさらなる御協力を心からお願い申し上げ、私の所信表明といたします。
ありがとうございました。(拍手)
日程第4 教育委員会委員長の演述
〇議長(田村誠君) 次に、日程第4、教育委員会委員長の演述であります。八重樫教育委員会委員長。
〔教育委員会委員長八重樫勝君登壇〕
〇教育委員会委員長(八重樫勝君) 第4回県議会定例会が開会されるに当たり、平成28年度の教育行政推進の基本的な考え方と施策の大要について申し上げます。
東日本大震災津波の発災から間もなく5年という大きな節目のときを迎えようとしています。改めて、犠牲となられた方々に対し哀悼の意を表しますとともに、被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。
先月、復興のシンボルとして位置づけられた希望郷いわて国体の冬季大会が始まりました。岩手県選手団の活躍などを通じ、来県される全国の皆さんに、岩手が、岩手の子供たちが復興に向かって力強く歩んでいる姿を、そして、これまでいただいた数多くの支援に対する感謝の気持ちをしっかりと伝えていきたいと思います。
被災地では、いまださまざまな困難を抱えている子供たちもおりますが、来年度は被災した小中学校の移転新築がピークを迎えるなど、復興の歩みは着実に進んでおります。県教育委員会といたしましては、平成28年を本格復興完遂年と位置づけた県の取り組みと軌を一にし、学びの場の復興に向けて全力で取り組んでまいります。
また、本県教育の振興に当たっては、いわて県民計画第3期アクションプランに基づき、知、徳、体を備え調和のとれた人間形成に向け、中長期展望に立ち、時代のニーズに的確に対応しながら、学校教育、社会教育、生涯学習、文化芸術、スポーツの振興を図ってまいります。
特に平成28年度は、児童生徒一人一人に向き合い、寄り添う教育を充実し、切れ目のない学びの保障の実現に向け、学習面、生活面などへのきめ細かなサポートを多方面から行うため、学力向上対策やいじめの防止、早期発見、早期対応に向けた取り組みの徹底、県民の皆さんと意見交換を繰り返し策定する新たな県立高等学校再編計画を踏まえた教育環境の整備に重点的に取り組むとともに、希望郷いわて国体における目標達成に向け、関係機関と一体となった取り組みを推進いたします。
また、本年4月には、新たな教育委員会制度による教育長が任命されることとなっております。法改正の趣旨に鑑み、既に設置している総合教育会議の場などを活用し、知事ともこれまで以上に連携を深めながら、本県の一層の教育振興に努めてまいります。
以下、教育施策の重点事項について申し述べます。
まず、東日本大震災津波からの教育の復興の取り組みについて申し上げます。
第1に、きめ細かな学校教育の実践と教育環境の整備、充実の取り組みについてであります。
いわての復興教育の推進につきましては、特色ある復興教育の実践事例の普及や復興教育副読本を効果的に活用した教育活動に取り組んでまいります。
また、家庭、地域との連携による発達段階に応じた防災教育を推進するほか、高校生に対して避難所の運営体験等の防災学習を実施するなど、実践的な防災教育を推進いたします。
幼児児童生徒の心のサポートにつきましては、スクールソーシャルワーカーを増員し、子供たちの置かれている家庭環境や社会環境の変化など多様化する支援ニーズにきめ細かに対応するほか、一人一人の状況を経年で把握するこころのファイルを活用するなど、中長期にわたる支援に取り組んでまいります。
児童生徒にとって安全で安心な教育環境を確保するため、高田高校の教育環境整備を進めるほか、市町村立学校施設の早期復旧整備への支援に取り組んでまいります。
また、いわての学び希望基金を活用し、震災により親御さんを亡くした児童生徒に対する奨学金の給付や、沿岸地域の高校の産業教育設備の整備を行うなど、被災児童生徒への支援に取り組んでまいります。
さらに、心のサポートや学習支援などに対応するため、加配教職員を配置するほか、放課後や週末における学習支援などを行う居場所づくりを推進いたします。
第2に、文化芸術環境の整備や伝統文化等の保存と継承の取り組みについてであります。
被災地における文化芸術活動の再興につきましては、文化芸術施設の復旧、再開の支援やすぐれた文化芸術の鑑賞機会の提供を行うとともに、被災児童生徒の文化活動の大会参加を支援いたします。
また、全国からの職員派遣の支援を引き続きいただきながら、三陸沿岸道路などの埋蔵文化財調査を進めるとともに、被災地の文化財や美術品等の修復や適切な保存管理を支援いたします。
第3に、社会教育、生涯学習環境の整備の取り組みについてでありますが、被災市町村の社会教育施設の復旧、再開を支援するとともに、地域住民が行う学習支援の実施により、子供の学習環境の充実や地域コミュニティの復興を図ってまいります。
また、教育振興運動における復興教育の実施や、地域住民を対象とした学びの機会の充実により、復興に向けた人材の育成に取り組んでまいります。
第4に、スポーツ・レクリエーション環境の整備の取り組みについてでありますが、地域との合意形成を図りながら、全壊した高田松原野外活動センターの代替施設の整備を進めてまいります。また、自校のグラウンド等で運動部の活動が十分に行えない学校に対し、練習場所への移動や大会参加に係る経費を支援いたします。
次に、いわて県民計画第3期アクションプランの着実な推進の取り組みについて申し上げます。
第1に、学校教育の充実についてでありますが、グローバル化の進展や高度情報化の進行など、変化の激しい社会を子供たちがしっかりと生き抜いていくことができるよう、児童生徒一人一人に生きる力を確実に身につけさせ、社会的自立の基礎を培うとともに、児童生徒の適性、進路等に応じて、その能力を最大限に伸ばし、社会の形成者として必要な資質を養うため、一人一人の個性や特性等にきめ細かく対応し、小・中・高の各段階を通じてその能力の伸長に努めてまいります。
また、現在、県民の御意見をお聞きしながら検討を重ね策定を目指している新たな県立高等学校再編計画を踏まえ、生徒一人一人の希望する進路の実現や自己実現ができる適切な教育環境の整備に努めるとともに、小規模校におけるICTを活用した遠隔授業のモデル事業にも取り組んでまいります。
次に、児童生徒の学力向上についてでありますが、学習状況調査の結果分析に基づいた各教科の授業改善を進めるほか、国語、数学、英語を中心とした取り組みが学校組織全体に広がるよう取り組んでまいります。また、明確な学習課題の提示などによるわかる授業の徹底や、授業内容の理解、定着を図るため、家庭学習の充実に取り組んでまいります。
さらに、選挙権年齢の引き下げに対応する主権者教育の実施、本県の歴史、文化を学ぶ教育などの各校の特色ある教育活動の充実を図るほか、イングリッシュ・キャンプの開催、高校生の海外派遣、スーパーグローバルハイスクールの推進などにより、グローバル化社会に適応できる知識や能力を持つ次代を担う人材の育成に取り組んでまいります。
これまで小学校1年から4年、中学校1年において実施してきた35人以下学級を中学校2年に拡充し、思春期を迎え不安定な年代における生徒指導上の諸課題や基礎学力の定着にきめ細かに対応いたします。
次に、キャリア教育の充実についてでありますが、いわてキャリア教育指針に基づき、学校教育全体において小・中・高の各発達段階に応じた計画的、組織的な取り組みを行うことにより、社会人、職業人として自立し、主体的に人生設計を立て、進路選択ができる能力の育成を図ってまいります。
また、生徒一人一人の多様な進路希望の達成と将来の本県を支える人材の育成のため、産業界と協働した取り組みを推進いたします。
次に、豊かな心を育む教育の推進についてでありますが、学習指導要領に新たに特別の教科として位置づけられた道徳の趣旨の徹底と授業改善に取り組んでまいります。また、各学校における組織的な対応の強化や、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置により、いじめや学校不適応の未然防止、早期発見、早期対応のための教育相談体制の充実を図ってまいります。
さらに、本年度設置した岩手県いじめ問題対策連絡協議会などを通じた関係機関との連携強化を図り、いじめの重大事態等に迅速かつ機動的に対応いたします。
次に、健やかな体を育む教育の推進についてでありますが、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の開催を契機として、児童生徒が運動、スポーツに親しむことができるよう、希望郷いわて元気・体力アップ60運動を推進いたします。
また、児童生徒の望ましい生活環境や肥満の改善に向け、学校、家庭、関係機関と連携した健康教育を推進するほか、地域スポーツ指導者の学校への派遣などにも取り組んでまいります。
次に、特別支援教育の充実についてでありますが、特別支援教育コーディネーターの活用や個別の教育支援計画に基づく指導、タブレット端末を活用した実践的、効果的な授業の展開など、特別支援教育の質の向上を図ってまいります。また、交流籍を活用した小中学校の児童生徒との交流及び共同学習を進め、インクルーシブ教育を推進いたします。
さらに、特別支援学校技能認定制度の研究開発に取り組むほか、企業との連携協議会の活用や就労サポーター制度の利用促進などにより、特別支援学校における就職支援を強化してまいります。
家庭、地域との協働による学校経営の推進についてでありますが、各学校の学校経営計画における目標や取り組みに関する学校評価の実施、公表を推進するとともに、その結果を活用した学校運営の改善に向けた取り組みを支援いたします。また、各小中学校が掲げるまなびフェストにおいて教育振興運動との目標の共通化を図るなど、教育振興運動と連携した取り組みを推進いたします。
さらに、学校支援地域本部の充実により、地域人材の参画による学校の教育活動の実践を支援いたします。
次に、学校施設の整備についてでありますが、久慈高校や盛岡農業高校の改築を進めるほか、千厩高校のグラウンド等の整備を行うなど、学校施設の充実や耐震化を推進いたします。
また、特別支援学校における教育環境の充実のため、盛岡となん支援学校の移転新築や花巻清風支援学校分教室の北上市への整備など、教室不足解消等に向けた取り組みを進めてまいります。
さらに、盛岡となん支援学校移転後の空き校舎の活用や釜石地域における特別支援教育環境の整備に関し、関係機関との調整に取り組んでまいります。
第2に、社会教育の充実と生涯を通じた学びの環境づくりについて申し上げます。
教育振興運動の充実につきましては、全県共通課題として設定している情報メディアとの上手なつきあい方の先進的な取り組み事例を各実践区に紹介することなどを通じ、地域の教育課題解決に向けた自主的な運動の活性化に取り組んでまいります。また、保護者に対する学習情報の提供や相談体制の充実による家庭教育支援、ブックリストの活用による児童生徒の読書活動の推進に取り組むほか、地域の教育力を活用した放課後や週末における安全・安心な居場所づくりに取り組んでまいります。
さらに、高校生等に対する教育の機会を確保するため、就学支援金や奨学給付金の支給による保護者の経済的負担の軽減に取り組んでまいります。
第3に、文化芸術の振興について申し上げます。
世界遺産登録の推進につきましては、昨年7月に本県2件目の世界遺産に登録された橋野鉄鉱山の整備・活用計画の策定を支援するなど、世界遺産委員会の決議に適切に対応するほか、柳之御所遺跡の史跡公園の整備を進めるなど、平泉の文化遺産の拡張登録に向けた取り組みを推進いたします。また、北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群の世界遺産登録に向け、関係自治体と連携した取り組みを進めてまいります。
さらに、文化振興基金を活用した芸術家派遣への支援を行うなど、文化芸術活動の継承、振興を図ってまいります。
第4に、豊かなスポーツライフの振興について申し上げます。
希望郷いわて国体における天皇杯順位8位以内の目標達成に向け、入賞の可能性の高い競技、種別に重点を置いた選手強化や高い指導力を有する指導者の招聘、強豪チームとの練習試合を拡大するとともに、スポーツドクターやアスレティックトレーナー等との連携のもと、スポーツ医・科学に基づいた国体選手のサポートを行い、本県選手団の競技力の向上に取り組んでまいります。また、いわて教育の日の集いにおいても国体開催の一層の機運醸成を図るほか、国体に合わせ、スポーツ博覧会、芸術作品等の展示展を開催することなどにより、本県の文化、スポーツを全国に向けて発信いたします。
さらに、トップアスリートの輩出を目指すいわてスーパーキッズの取り組みを進め、中長期的な視点に立ったジュニア育成環境の整備を進めるとともに、国体の盛り上がりを継続させ、世界の舞台で活躍する選手の育成にも取り組んでまいります。
生涯スポーツの振興につきましては、県民が主体的に参画するスポーツ環境を整備するため、総合型地域スポーツクラブの育成や地域スポーツ指導者の養成、活用に取り組むほか、震災からの復興状況や市町村との連携、協働、役割分担を踏まえつつ、老朽化している県営体育施設の総合的なあり方の検討を進めてまいります。
以上、基本的な考え方と施策の大要について申し上げました。
この1年間、子供たちは、学習、文化、スポーツなどの各分野において数々の活躍を見せ、県民に大きな感動や勇気、元気を与えてくれました。
スポーツ面では、天皇杯順位16位と大躍進を果たし、希望郷いわて国体へ大きな弾みをつけた紀の国わかやま国体において、陸上競技少年男子Aやり投げで高田高校3年の長沼元さんが、ボクシング男子ミドル級で江南義塾高校3年の梅村錬さんが、また、カヌー少年女子カヤックペア200メートルで不来方高校3年の五十嵐結衣さん、後藤可奈子さんペアが優勝を果たしました。また、先月から始まった希望郷いわて国体冬季大会においても、本県選手の数々の活躍が大会を大きく盛り上げています。
文化面でも、全日本合唱コンクール全国大会において不来方高校音楽部が2年ぶり5度目の金賞―文部科学大臣賞を、全国高等学校文芸コンクールにおいて盛岡第三高校文芸部が最優秀賞―文部科学大臣賞を受賞するなど、子供たちの数多くの活躍が見られました。
一方、本県において2年続けていじめを一因とした中学生の痛ましい自殺事案が発生し、本県の教育に対する信頼が大きく揺らぎました。県教育委員会として、この事案を重く受けとめ、亡くなった生徒の尊厳を忘れることなく、再発防止に向け粘り強く取り組んでいくとともに、県民総がかりで、子供たちの命を守り、いじめを許さない社会をつくってまいります。
新しい年の始まりに当たり、小学校6年生に2016年の抱負、決意をあらわす漢字を1字選び、その理由も書いてもらいました。一番多かった進を選んだ子供たちは、その理由を、中学校に入って新しい学習や部活動を頑張りたい、やるべきことを進んで行う、一歩一歩前に進んでいきたいと書いていました。また、ある子供は挑という漢字を選び、何事も諦めず挑戦していきたいと決意を述べていました。また、ある子供は歌という漢字を選び、東日本大震災などで被災した方々や家を流された人たち、大事な人を亡くした人たちを歌で元気づけていきたいと抱負を書いてくれました。何と頼もしい子供たちだろう、何と健やかに成長している子供たちだろうと、私は強く心を打たれました。そして、改めて、このような子供たちの願いや期待に応える教育界にしなければならない、子供たちや県民の信頼に応える教育界にしなければならないと強く決意いたしました。
復興を支え、次代を担う子供たちを健やかに育てることは、岩手の明るい希望を育む県民の願いであり、教育の充実は未来への投資でもあります。ここに改めて教育の持つ力と可能性に思いをいたし、今後、より一層、学校、保護者、地域、行政が一体となって岩手の教育の復興と発展に全力を尽くしてまいりますので、議員の皆様並びに県民の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。
ありがとうございました。(拍手)
日程第5 議案第1号平成27年度岩手県一般会計補正予算(第4号)から日程第88 報告第2号道路の管理に関する事故に係る損害賠償事件に関する専決処分の報告についてまで
〇議長(田村誠君) 次に、日程第5、議案第1号から日程第88、報告第2号までを一括議題といたします。
提出者の説明を求めます。風早総務部長。
〔総務部長風早正毅君登壇〕
〇総務部長(風早正毅君) 本日提案いたしました各案件について御説明申し上げます。
議案第1号は、平成27年度岩手県一般会計補正予算(第4号)であります。
これは、人事委員会勧告を踏まえた給与改定のほか、今年度の給与等の過不足調整などに伴い、給与費に関して補正を行うものであり、総額3億3、500万円余の減額補正をするものであります。
議案第2号から議案第6号までは、特別会計2件、企業会計3件の各補正予算でありますが、これらは、議案第1号と同様に、給与費に関して所要額をそれぞれ補正するものであります。
議案第7号は、平成28年度岩手県一般会計予算であります。
この平成28年度当初予算は、被災地の安全、暮らし、なりわいを支える復興事業を着実に進め、本格復興を完遂させるとともに、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会を成功に導き、また、ふるさと振興を総合的に推進する予算として編成したものであります。
また、国の補正予算を踏まえて、平成27年度2月補正予算と一体的にTPPへの対応を見据えた本県農林水産業の体質を強化するための事業や地方創生に資する施策を展開するなど、希望あふれる岩手を実現するための取り組みを推進しようとするものであります。
以下、予算の概要について御説明を申し上げます。
第1条は歳入歳出予算の総額をそれぞれ1兆661億600万円余とするものであります。これを前年度当初予算と比較しますと、4.1%の減となっております。
次に、歳入の主なものについて御説明を申し上げます。
第1款県税につきましては1、286億6、500万円を計上しておりますが、地方消費税等の増収が見込まれることなどにより、前年度と比較して24億7、800万円の増となっております。
第5款地方交付税につきましては3、075億1、100万円余を計上しておりますが、復旧、復興事業の進捗に伴う震災復興特別交付税の減が見込まれることなどにより、前年度と比較して80億1、700万円余の減となっております。
第9款国庫支出金につきましては2、314億4、900万円余を計上しておりますが、復旧、復興事業の進捗に伴う漁港災害復旧事業など震災関連の公共事業が減少することなどにより、前年度と比較して75億2、800万円余の減となっております。
第12款繰入金につきましては859億9、500万円余を計上しており、前年度と比較して345億4、700万円余の減となっております。
第14款諸収入につきましては1、582億8、700万円余を計上しており、前年度と比較して9億1、400円余の増となっております。
第15款県債につきましては712億5、000万円余を計上しておりますが、臨時財政対策債の減などにより、前年度と比較して24億7、100万円の減となっております。
次に、歳出の主なものについて御説明を申し上げます。
第2款総務費につきましては348億4、700万円余を計上しておりますが、その主なものは、震災津波関連資料収集・活用等推進事業費4億9、100万円余、さんりくチャレンジ推進事業費1億1、6000万円余、第71回国民体育大会・第16回全国障害者スポーツ大会開催準備費73億7、800万円余等であります。
第3款民生費につきましては998億5、000万円余を計上しておりますが、その主なものは、地域子ども・子育て支援事業交付金12億2、000万円余、被災者住宅再建支援事業費補助12億1、400万円余、療育センター整備事業費24億4、600万円余等であります。
第4款衛生費につきましては279億9、800万円余を計上しておりますが、その主なものは、再生可能エネルギー利用発電設備導入促進資金貸付金14億1、000万円、水道施設耐震化等推進事業費16億7、100万円余、県立病院再建支援事業費補助14億9、300万円余等であります。
第6款農林水産業費につきましては714億1、200万円余を計上しておりますが、その主なものは、経営体育成基盤整備事業費42億5、600万円余、いわての森林づくり推進事業費14億2、900万円余、さけ、ます増殖費11億3、600万円余等であります。
第7款商工費につきましては1、375億3、100万円余を計上しておりますが、その主なものは、中小企業成長応援資金貸付金9億1、500万円余、中小企業東日本大震災復興資金貸付金895億8、400万円余、地域産業活性化企業設備貸与資金貸付金58億1、800万円余等であります。
第8款土木費につきましては1、803億8、100万円余を計上しておりますが、その主なものは、地域連携道路整備事業費442億1、900万円余、三陸高潮対策事業費106億7、500万円、災害公営住宅整備事業費147億8、100万円余等であります。
第10款教育費につきましては1、511億1、200万円余を計上しておりますが、その主なものは、第71回国民体育大会選手強化事業費4億1、300万円余、公立大学法人岩手県立大学運営費交付金38億1、800万円余、私立学校運営費補助40億1、500万円余等であります。
第11款災害復旧費につきましては1、242億9、900万円余を計上しておりますが、その主なものは、漁港災害復旧事業費295億4、000万円余、中小企業等復旧・復興支援事業費77億5、300万円余、河川等災害復旧事業費633億9、300万円余、港湾災害復旧事業費82億5、700万円余等であります。
第12款公債費につきましては1、227億2、800万円余を計上しております。
第13款諸支出金につきましては766億3、600万円余を計上しておりますが、その主なものは、公営企業負担金191億700万円余、地方消費税清算金209億2、500万円余、地方消費税交付金239億600万円余等であります。
第2条債務負担行為は、財政管理事務ほか46件について、債務を負担しようとするものであります。
第3条地方債は、地区合同庁舎施設等整備ほか48件について、限度額、起債の方法、利率及び償還の方法を定めようとするものであります。
第4条一時借入金及び第5条歳出予算の流用は、それぞれ所要の措置を講じようとするものであります。
議案第8号から議案第17号までは、平成28年度岩手県母子父子寡婦福祉資金特別会計予算ほか9件の特別会計予算でありますが、これらは、それぞれの事業計画に基づき、その所要額を計上したものであります。
議案第18号から議案第20号までは、平成28年度岩手県立病院等事業会計予算ほか2件の公営企業会計予算でありますが、これらは、それぞれの事業計画に基づき、収益的収支及び資本的収支の所要額を計上したものであります。
議案第21号から議案第25号までの5件は、建設事業等に要する経費の一部を受益市町村に負担させることに関し、それぞれ議決を求めようとするものであります。
議案第26号から議案第71号までの46件は条例議案でありますが、これは、岩手県行政不服審査会条例など4件を新たに制定するとともに、岩手県農業改良資金等特別会計条例を廃止するほか、情報公開条例及び個人情報保護条例の一部を改正する条例など、41条例の一部をそれぞれ改正しようとするものであります。
議案第72号から議案第74号までの3件は、権利の放棄に関し議決を求めようとするものであります。
議案第75号は、原子力発電所事故による損害賠償請求に係るあっせんの申立てに関し議決を求めようとするものであります。
議案第76号は、包括外部監査契約の締結に関し議決を求めようとするものであります。
議案第77号は、県道路線の認定、変更及び廃止に関し議決を求めようとするものであります。
議案第78号及び議案第79号は、基本計画等の策定に関し議決を求めようとするものであります。
議案第80号から議案第82号までの3件は、基本計画等の変更に関し議決を求めようとするものであります。
報告第1号は、職員による自動車事故に係る損害賠償事件に関する専決処分につきまして、報告第2号は、道路の管理に関する事故に係る損害賠償事件に関する専決処分につきまして、それぞれ御報告するものであります。
以上でありますので、よろしく御審議の上、原案に御賛成くださいますようお願い申し上げます。
日程第89 議案第83号副知事の選任に関し同意を求めることについて
〇議長(田村誠君) 次に、日程第89、議案第83号副知事の選任に関し同意を求めることについてを議題といたします。
提出者の説明を求めます。達増知事。
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) ただいま議題とされました人事案件について御説明いたします。
議案第83号は、千葉茂樹副知事の任期が2月20日をもって満了いたしますので、同氏を再任するため、議会の同意を求めようとするものであります。
千葉氏は、平成24年2月に副知事に選任以来、東日本大震災津波からの復旧、復興、いわて県民計画に基づく施策の推進など、県政全般にわたり、県職員としての長年の経験と十分な知見を生かしながら力を十二分に発揮していただいているところであります。
今、本県は、東日本大震災津波からの復興の完遂やふるさと振興の推進、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の成功など、山積する県政の諸課題に的確に対応していくべき重要な時期にあることから、副知事には、ただいま申し上げましたとおり、経験と実績を有し、さらなる手腕の発揮が期待できる千葉氏が適任と判断したところであります。
よろしく御審議の上、原案に御同意くださるようお願いいたします。
〇議長(田村誠君) お諮りいたします。ただいま議題となっております議案は人事案件でありますので、会議規則第34条第3項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(田村誠君) 御異議なしと認めます。よって、これより、議案第83号副知事の選任に関し同意を求めることについてを採決いたします。
ただいま議題となっております議案第83号副知事の選任に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立全員であります。よって、議案第83号副知事の選任に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
〇議長(田村誠君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後2時37分 散 会

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