平成27年2月定例会 第18回岩手県議会定例会会議録

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〇予算特別委員長(工藤勝子君) 去る3月5日に行われました予算特別委員会の正副委員長の互選の結果、委員長には私が、副委員長には工藤勝博君が選任されましたので、私から当委員会における審査の経過と結果につきまして御報告申し上げます。
予算特別委員会は、3月2日の本会議において設置され、同日、平成27年度の予算議案15件及びこれらに関連する議案20件、計35件につきまして審査の付託を受けたのでありますが、これら付託案件の審査に当たりましては、総括質疑に知事の出席を求めて質疑を行うとともに、各部局等ごとに主管部局等の長から議案の説明を聞き、質疑を行った後、3月18日の午後に、世話人会を開催し、意見の取りまとめをいたしました。
その結果を委員会に諮り、当委員会の結論といたした次第であります。
審査の経過につきましては、各位御承知のとおりでありますので省略させていただき、以下、各案件について、その結果を申し上げます。
まず、議案第1号につきましては、次の意見、すなわち、多くの尊い命と財産を奪った東日本大震災津波の発生から4年が経過した。この間、生活環境に支障のある全ての災害廃棄物が撤去され、本格復興に向けて各地で新たなまちづくりが進められる一方、いまだに多くの被災者が応急仮設住宅などでの不自由な暮らしを余儀なくされている。
このような状況を踏まえ、復興が順調なものとそうでないものをしっかり区別しながら、風化させることなく、市町村とともにより一層被災者一人一人に寄り添い、被災者が復興の実感を持てるよう一日も早い復興を進めていくことが求められる。
このため、国に対しては、国費による充実した支援と復興財源の確保、復興の加速化に向けて支障となっている現行制度の弾力的な運用や特例制度の創設等により、既存の枠組みを超える強力な復旧、復興対策を講ずるなどの支援要請に努められたい。
さらに、JR山田線は復旧工事に着手したものの、JR大船渡線の復旧や事業用地、復興を担う人材の確保については、本格復興を進める上での大きな課題となっており、その解消に最大限の努力を傾注されたい。
また、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響が依然として残っていることから、放射線影響対策にしっかり取り組むとともに、今後も必要な損害賠償が受けられるよう努められたい。
一方で、内陸地域の活力が沿岸地域の復興を支えていくことにも十分配慮し、人口減少対策、県民所得水準の向上、雇用環境の改善、地域医療の確保等、今後、県民の経済及び生活に大きく影響を及ぼし復興の妨げとなることが懸念される課題の克服に向け、若者や女性の活躍を力強く後押ししながら県の総力を結集して取り組まれたい。
特に、完全国体の幕開けとなる冬季国体を含む国民体育大会、全国障害者スポーツ大会の成功や国際リニアコライダーの建設の実現は、大震災からの復興と再生の象徴となることから、万全を期されたい。
また、本県の財政状況は、県債の償還が依然として高い水準で推移する中、今後、社会保障関連経費が伸びていくことや、財政調整基金などからの多額の取り崩しが続いていることから、引き続き厳しい局面が続くものと見込まれる。
こうした中、4年連続で1兆円を超える当初予算を編成したところであるが、過去3年決算が不認定となった結果を踏まえ、適正な執行に留意するとともに、効果の発現に向け早期執行を図られたい。
また、今後の財政運営に当たっては、あらゆる手法により歳入を確保するとともに、歳出の徹底した見直しや一層の選択と集中を図るなど、限られた財源の重点的かつ効果的な活用に努め、本格復興の着実な推進に全力で取り組まれたい旨の意見を付し、原案を可とすることに決定いたしました。
次に、議案第2号から議案第20号まで、議案第23号、議案第34号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第52号、議案第56号、議案第58号、議案第59号及び議案第137号につきましては、原案を可とすることに決定いたしました。
以上をもって報告を終わります。(拍手)
〇議長(千葉伝君) これより、ただいまの委員長報告に対する質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
これより、議案第1号から議案第20号まで、議案第23号、議案第34号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第52号、議案第56号、議案第58号及び議案第59号を一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立全員であります。よって、議案第1号から議案第20号まで、議案第23号、議案第34号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第52号、議案第56号、議案第58号及び議案第59号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第137号平成27年度岩手県一般会計補正予算(第1号)を採決いたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立全員であります。よって、議案第137号平成27年度岩手県一般会計補正予算(第1号)は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
日程第93 発議案第2号年金積立金の適正運用の確保についての意見書
〇議長(千葉伝君) 次に、日程第93、発議案第2号年金積立金の適正運用の確保についての意見書を議題といたします。
提出者の説明を求めます。及川環境福祉委員長。
〔環境福祉委員長及川あつし君登壇〕
〇環境福祉委員長(及川あつし君) 発議案第2号につきまして、環境福祉委員会提案でありますので、委員長であります私から提案理由の説明を行います。
発議案第2号年金積立金の適正運用の確保についての意見書でありますが、本発議案は、今定例会において、請願陳情受理番号第142号年金積立金の専ら被保険者の利益のための安全かつ確実な運用に関する請願が環境福祉委員会に付託され、採択と決定したことに伴い、意見書を提案するものであります。
その趣旨を御説明いたしますと、我が国では、公的年金は高齢者世帯の収入の7割を占め、6割の高齢者世帯が年金収入だけで生活しており、また、特に高齢化率の高い都道府県では、県民所得の17%前後、家計の最終消費支出の20%前後を占めているなど、年金は老後の生活保障の柱となっております。
こうした中、政府は、成長戦略である日本再興戦略などにおいて、公的・準公的資金の運用等のあり方についての検討を掲げ、年金積立金管理運用独立行政法人に対し、リスク性資産の割合を高める方向での年金積立金の運用見直しを求めております。
年金積立金は、厚生年金保険法等の規定に基づき、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ確実な運用を堅持すべきものであります。
以上のことから、本意見書案においては、年金積立金は、厚生年金保険法等の規定に基づき、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ確実な運用を堅持すること。これまで安全資産とされてきた国内債券中心の運用方法から、株式等のリスク性資産の割合を高める方向での急激な変更は行わないこと。年金積立金管理運用独立行政法人において、被保険者の意思が確実に反映されるガバナンス体制を構築することについて、措置を講ずるよう国に要望しようとするものであります。
議員各位の御理解と御賛同を賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。
〇議長(千葉伝君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
ただいま議題となっております案件は、委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定により、委員会の付託を省略いたします。
これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
これより、発議案第2号年金積立金の適正運用の確保についての意見書を採決いたします。
本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、発議案第2号年金積立金の適正運用の確保についての意見書は、原案のとおり可決されました。
日程第94 発議案第3号労働時間法制の規制強化と安定した雇用の確立を求める意見書から日程第96 発議案第5号平成27年度岩手県最低賃金改正等に関する意見書まで
〇議長(千葉伝君) 次に、日程第94、発議案第3号から日程第96、発議案第5号までを一括議題といたします。
提出者の説明を求めます。高商工文教委員長。
〔商工文教委員長高橋元君登壇〕
〇商工文教委員長(高橋元君) 発議案第3号、発議案第4号及び発議案第5号につきまして、商工文教委員会提案でありますので、委員長であります私から提案理由の説明を行います。
まず、発議案第3号労働時間法制の規制強化と安定した雇用の確立を求める意見書でありますが、本発議案は、今期定例会において、請願陳情受理番号第139号労働時間法制の規制強化と安定した雇用の確立を求める請願が商工文教委員会に付託され、一部採択と決定したことに伴い、意見書を提案するものであります。
その趣旨を御説明いたしますと、1日8時間、週40時間以内の労働で、健康で文化的な生活ができる社会の実現が求められており、過労死と失業と人手不足が併存する状況を改善する必要があります。
そのため、昨年の過労死等防止対策推進法の制定に続き、いわゆるブラック企業の根絶に向け、生体リズムを無視した働き方、働かせ方や不安定雇用の濫用を規制する法制度の整備が求められております。
以上のことから、本意見書案において、労働時間法制の規制を強化するとともに、安定した雇用環境が確保、拡充されるよう国に要望しようとするものであります。
次に、発議案第4号最低賃金改正等に関する意見書及び発議案第5号平成27年度岩手県最低賃金改正等に関する意見書でありますが、これらの発議案は、今期定例会において、請願陳情受理番号第140号2015年度最低賃金引き上げに関する請願及び受理番号第143号平成27年度岩手地方最低賃金改正等についての請願が商工文教委員会に付託され、受理番号第140号については一部採択、受理番号第143号については採択と決定したことに伴い、意見書を提案するものであります。
その趣旨を御説明いたしますと、本県では、東日本大震災津波からの復旧、復興に懸命に取り組んでいるところでありますが、一定水準の賃金の保障を初めとした雇用環境が確保されなければ人材確保が厳しくなり、被災者の生活再建や地域の復興への影響が懸念されているところであります。
このような中、政府においては、平成20年の成長力底上げ戦略推進円卓会議において、最低賃金の中長期的な引き上げに向けた基本方向について合意し、また、平成22年の雇用戦略対話第4回会合において数値目標を初めて示したところでありますが、あるべき水準への引き上げがなされていない現状にあります。
また、岩手県最低賃金は、県内勤労者の有効なセーフティネットとして十分に機能しているとは言えない状況であります。
最低賃金制度を有効に機能させるためには、地域間の賃金格差の是正、賃金水準の大幅な引き上げや中小企業の生産力向上が極めて重要な課題であります。
以上のことから、これらの意見書案において、最低賃金の引き上げや中小企業に対する支援の充実等を実現するため、国や関係機関に要望しようとするものであります。
議員各位の御理解と御賛同を賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。
〇議長(千葉伝君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
ただいま議題となっております各案件は、委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定により、委員会の付託を省略いたします。
これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
これより、発議案第3号及び発議案第4号を一括して採決いたします。
各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、発議案第3号及び発議案第4号は、原案のとおり可決されました。
次に、発議案第5号平成27年度岩手県最低賃金改正等に関する意見書を採決いたします。
本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、発議案第5号平成27年度岩手県最低賃金改正等に関する意見書は、原案のとおり可決されました。
日程第97 発議案第6号農協改革をはじめとした農業改革に関する意見書
〇議長(千葉伝君) 次に、日程第97、発議案第6号農協改革をはじめとした農業改革に関する意見書を議題といたします。
提出者の説明を求めます。工藤農林水産委員長。
〔農林水産委員長工藤勝博君登壇〕
〇農林水産委員長(工藤勝博君) 発議案第6号につきまして、農林水産委員会提案でありますので、委員長であります私から提案理由の説明を行います。
発議案第6号農協改革をはじめとした農業改革に関する意見書でありますが、本発議案は、今期定例会において、請願陳情受理番号第141号農協改革をはじめとした農業改革に関する請願が農林水産委員会に付託され、採択と決定したことに伴い、意見書を提案するものであります。
その趣旨を御説明いたしますと、政府は、規制改革会議から提出された規制改革に関する第2次答申を踏まえ、規制改革実施計画を閣議決定したところであり、検討を行った上で今通常国会に関連法案の提出を目指すとしています。
この規制改革による農協及び農業委員会の見直しは、地域農業や農協のあり方にとどまらず、国民の食料や地域の将来、そして協同組合そのもののあり方にかかわる重大な問題であります。
この規制改革は、安倍内閣総理大臣が成長戦略の一環として、これまで競争原理がなじまないとされてきた医療、健康分野と並び、農業を企業の自由競争の場に開放する政策として進められているものであり、その障害となる農地法や農協及び農業委員会を岩盤規制と称して、事実上の解体を目指すものとなっています。
この規制改革が進められることによって、家族農業経営が追い出され、地域農業と地域の暮らし、そして協同組合が破壊されることとなり、国際協同組合同盟も、協同組合原則を侵害するものとして厳しく批判しています。
以上のことから、本意見書案において、安全・安心な食料を生産する家族農業経営を育て、食料自給率を向上させる政策や、地域農業、家族農業経営及び地域の暮らしを支える農協を発展させる政策の充実など、地域及び地域経済を活性化させる対策を早急に講じるよう国に要望しようとするものであります。
議員各位の御理解と御賛同を賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。
〇議長(千葉伝君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
ただいま議題となっております案件は、委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定により、委員会の付託を省略いたします。
これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
これより、発議案第6号農協改革をはじめとした農業改革に関する意見書を採決いたします。
本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、発議案第6号農協改革をはじめとした農業改革に関する意見書は、原案のとおり可決されました。
日程第98 発議案第7号被災者の住宅再建の推進及び支援の充実を求める意見書から日程第110 発議案第19号東日本大震災の集中復興期間の延長と特例的な財政支援の継続を求める意見書まで
〇議長(千葉伝君) 次に、日程第98、発議案第7号から日程第110、発議案第19号までを一括議題といたします。
お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各交渉団体会派の賛同を得た委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項及び第3項の規定並びに先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(千葉伝君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
これより、発議案第7号から発議案第19号までを一括して採決いたします。
各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立全員であります。よって、発議案第7号から発議案第19号までは、原案のとおり可決されました。
日程第111 議員派遣の件
〇議長(千葉伝君) 次に、日程第111、議員派遣の件を議題といたします。
〔参照〕
議事日程第8号中 日程第111 議員派遣の件の議員派遣一覧
派遣の目的 派遣場所 期 間 派遣議員
平成27年度「県民と県議会との意見交換会」 遠野市 平成27年4月22日 佐々木 大 和 議員
柳 村 岩 見 議員
大 宮 惇 幸 議員
佐々木   努 議員
佐々木 順 一 議員
後 藤   完 議員
高 橋   元 議員
吉 田 敬 子 議員
平成27年度「県民と県議会との意見交換会」 大船渡市 平成27年
4月24日
樋 下 正 信 議員
岩 崎 友 一 議員
飯 澤   匡 議員
工 藤 大 輔 議員
岩 渕   誠 議員
田 村   誠 議員
久 保 孝 喜 議員
清 水 恭 一 議員

〇議長(千葉伝君) お諮りいたします。本件は、お手元に配付いたしました2件についてでありますが、会議規則第116条第1項の規定により、議員を派遣いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(千葉伝君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
閉 会
〇議長(千葉伝君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
これをもって本日の会議を閉じ、第18回県議会定例会を閉会いたします。(拍手)
午後3時30分 閉 会

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