平成27年2月定例会 第18回岩手県議会定例会会議録

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〇13番(吉田敬子君) 無所属の吉田敬子です。
このたびの登壇の機会を与えていただきました先輩、同僚議員の皆様に心から感謝申し上げます。
それでは、通告に従い順次質問してまいります。
多くのかけがえのない命が奪われた東日本大震災津波から間もなく4年が経過しようとしております。しかしながら、本県においてはいまだ多くの方々が応急仮設住宅などでの困難な生活を送っております。こうした東日本大震災津波の災害は、発災直後から、県内、全国、世界各地から多くの方々、若者がみずからの意思で被災地に入り、被災地の復興に向けたさまざまな支援活動を行っておりますが、大震災から4年がたとうとしている今、それまで生活していた場所などへ戻ってしまっている若者もおります。
先日、岩手の県産品が豊富に取りそろうらら・いわてを訪問しました。らら・いわてでは、震災後に雑貨等の復興支援ブースを設けておりますが、それら復興支援商品は一番多かったときの半分近く取り扱いがなくなったとのことです。震災後の若者等の復興支援活動で継続できていない現状があることがここでもうかがえます。
県では、平成26年度から若者女性協働推進室を設置し、若者と女性のさまざまな活躍促進事業に取り組まれており、大変評価しております。しかし、生活の基盤である安定した雇用と必ずしもつながっていないのが現状であり、若者と女性の活躍促進をいかに安定した雇用へつなげられるかが今後の課題だと思います。
最初に、若者、女性の活躍支援について伺います。
本県被災地の復興がなされ、また、県内の中心市街地が以前のように活気を取り戻すには、若者、女性が地元に定着し、または新たに流入し活躍していく、若者、女性がみずから進んで住み、結婚し、子育てをする好循環をつくる必要があります。
県はこれまで若者、女性の活躍支援に取り組んできましたが、これまでの成果と課題についてお伺いします。また、今後、どのように復興と希望郷いわての担い手となる若者、女性人材を育てるのか、県外から本県に移り住んだ方々を含む若者、女性の自立的で継続的な活動をどう支援していくのか、基本的なお考えをお伺いします。
次に、女性の活躍支援についてですが、女性の活躍という言葉が全国でもうたわれるようになり、機運の醸成が整いつつあると感じます。
女性の活躍支援には2点あり、一つ目としては、現在職を持つ女性が働きやすい環境となること。二つ目として、これまで就労を希望してもできなかった女性たちがみずからの社会活動に自信を持ってもらえるようになり、それが最終的に本格的な職を持つようになるなどの支援が必要であるということです。
先日、大槌刺し子プロジェクトのリーダーに話を伺いました。このプロジェクトには、大槌町の17歳から87歳までの30人ほどの女性たちが参加しており、刺し子という技術を使いTシャツや布巾などをつくっており、現在は県内だけでなく首都圏等でも販売展開しています。彼女たちは震災で職を失った女性たちなどでしたが、今ではそれが生きがいとなり、少しではありますが、自分で所得を得られることで自信を持ってきています。この大槌刺し子プロジェクトのリーダーは県外から復興支援に駆けつけた20代の女性ですが、そういう活動が継続して被災地で活動してもらえるよう、商工労働観光部門と連携するなどの支援をしつつ、そこで活動する女性たちを支援するために、県内それぞれの市町村の実情に合わせた市町村と連携しての取り組みも必要と考えます。
女性の活躍支援について、女性の力を最大限発揮できる活力ある社会や暮らしやすい社会の形成のため、県は、産官連携組織であるいわて女性の活躍促進連携会議とさまざまな取り組みを推進し、女性の活躍支援に大きな役割を果たしていますが、同会議において、女性の活躍支援について具体的にどういう議論がなされて、それを受け、どう取り組んでいくのかお示し願います。あわせて、今後、市町村とも連携し取り組みを強化していくべきと考えますが、御所見を伺います。
県では、現在、本県における文化芸術振興の総合的、長期的な目標や施策の方向を定めた岩手県文化芸術振興指針の変更案が今議会で審議されておりますが、その中で、若者等が多く参加、鑑賞する文化芸術分野、ポップカルチャー等の振興、文化芸術関係者のアートマネジメント能力の向上を新たな施策の方向性として打ち出したところです。
昨年11月15日、16日に、盛岡市をメーン会場として開催されたいわて若者文化祭は、私も見に行きましたが、まさにこの方策に合致する先導的な取り組みといえ、参加した若者たちからも、このような場を設けてもらい大変有意義だったとの声が多いです。
そこで伺いますが、来年度、文化芸術振興指針の改訂を受けて行われる若者文化に対する支援の具体的な取り組み内容をお示し願います。
次に、人口減少問題への対応について伺います。
本県では、平成9年以降、人口減少が続いています。日本創成会議は、人口減少問題は、出生率や少子化の問題、東京一極集中による人口流出が大きな要因と捉えています。今回の提言は、出産を中心的に担う20歳から39歳の女性人口に着目して将来人口の見通しを明らかにし、そこから、若者、女性がみずからの希望に基づくライフステージを送ることができる社会をつくることが、人口減少の流れをストップさせる基本方策としたことに大きな意味があると考えています。若者、特に女性の進学、就職に伴う首都圏等への人口流出が近年顕著になっており、女性が地元岩手に定着し生活していくには、進学、就職、結婚、妊娠、出産、子育てを含めたトータルな人生設計、ライフプランニングについてアドバイスをしていくことが重要です。女性は男性と違い、仕事を持ったとき、結婚したとき、妊娠したとき、子供を持ったときで交友関係ががらりと変わることが多く、相談する友人が減るまたは変わるなど、孤立してしまうケースも少なくないように思います。
また、年々不妊治療を受けるカップルがふえ、岩手県でも増加傾向にあります。不妊治療については、時間的、身体的、精神的負担が大きいものであり、仕事をやめざるを得ない方も出ており、不妊治療を受けている方の勤務する企業の短時間勤務の扱いを認めることへの理解促進、支援など、現在県が行っている特定不妊治療への助成に加え、県としてもさらなる支援強化を図っていくべきと考えます。
また、2013年11月には、未婚女性であっても卵子の凍結保存が日本でも認められるようになりました。さらに千葉県浦安市では、来年度から、少子化対策の一環として、大学と連携し、卵子凍結をしたい未婚女性への助成を開始、また、アップルやフェイスブックなどの会社が、福利厚生の一環として未婚女性社員に対する卵子凍結の助成を開始するなど、世の中の流れが大きく変化しています。
しかし、私は、本来は適齢期に結婚し、出産できる環境を整えることが第一であって、医療の技術発展に伴いさらなる晩婚、未婚化が進まないためにも、妊娠、出産などに対する正しい情報を提供し、学生など若いうちから、キャリアプランと結婚、そして出産を含めたライフプランを考える機会を設けるべきと考えます。
知事にお伺いします。日本創成会議人口減少問題検討分科会では、地方を元気にしていくための基本方針の一つとして、若者が結婚し、子供を産み育てやすい環境づくりのため全ての政策を集中することを掲げています。こういった取り組みを進める中で、20歳代から30歳代前半に結婚、出産、子育てしやすい環境づくりなどが特に重要であり、もっと県は取り組んでいくべきと考えます。この点について知事のお考えをお伺いいたします。
来年度から新たに取り組む結婚支援について大変期待しており、こうした人口減少問題への対策において、さきに述べたように、まずは女性への支援の一つとしてライフプランニング支援を重点的に取り組んでいく必要があると考えます。ライフプランニング支援は、さまざまな悩みの解決、身体的、精神的負担の軽減にもつながり、早期に実施されることが望まれます。また、基礎知識として理解することは、将来の進路選択においても役に立つものと考えます。高校、大学、専門学校の各段階における十分な知識を持ち、進路選択に当たることが重要です。
女性が地元岩手に定着し生活していくには、結婚、妊娠、出産、子育てをする過程をキャリアプランに加えて、学生など若いうちに考える機会があるのとないのでは、将来の人生設計に大きく違いがあると考えており、ぜひ必要です。県立大学でも、キャリア教育に加えたライフプランニング支援について、今後、もっと取り組んでほしいと思います。
現在、教育委員会では、県内の高校と県内5大学との高大連携の取り組みを行っております。これは、学力向上の取り組みが主であると聞いています。ぜひ、この高大連携の場などを活用し、県内の大学へ、学生へのライフプランニング支援について働きかけをお願いしてほしいと思います。
そこで伺いますが、県立高校において、生徒指導、進路指導の際、特に女性へのライフプランニング支援についてどのように取り組んでおられるのか、相談等にどう応じているのか伺います。また、高大連携における進路選択にかかわる取り組みについて伺います。
若者、特に女性の進学、就職に伴う首都圏等への人口流出への対応として、県外進学者の県内への就職支援の取り組みについて伺います。
平成26年3月に本県高校生1万1、892人が卒業しています。そのうち5、037人、女性の46%、男性の39%が大学等に進学していますが、その多くは首都圏、仙台等の大学、短大、専門学校等に進学しています。先日、県外進学者に県内への就職について話を聞いたところ、地元企業の求人状況は、金融機関、マスコミ、公務員等の情報しか入手できない。就職説明会等も行っているそうだが、情報が少ないため地元岩手の就職情報を入手する苦労があるとのことでした。先日の久保議員への政策地域部長の答弁でも、大学卒業時の女子学生の県内就職先が少ないのが課題とのことでもありました。
県は、岩手へのUターン、Iターンなど県内就職支援に取り組んでいますが、県外進学者等の県内就職支援について、課題及び来年度の取り組みについてお伺いします。
葛巻町では、大自然に囲まれたフィールドを活用し、葛巻町らしさ、葛巻町だからできる、葛巻町でしかできない体験を高校生活で体験できるよう、全国から県立葛巻高校への入学生の募集、受け入れを支援するくずまき山村留学制度を平成27年度から立ち上げます。このような取り組みは全国的にも先進的な取り組みであり、人口減少対策として、まずは全国の高校生に地域のすばらしさを情報発信し、山村のすばらしさを知っていただく、さらには将来の定住につなげていく優良な取り組みの具体策の一つではないでしょうか。これについての県教育委員会の基本的考えと対応について伺います。
次に、広域連携について、広域振興局の市町村の支援について伺います。
規模の小さい市町村においては、予算、スタッフの面から単独では取り組めない事業、事務もあり、県の専門的、技術的支援が必要な課題も年々ふえてきていると感じます。このように課題を抱える市町村への広域振興局の支援は重要であり、地域の広域連携を推進し、住民のための地域経営を推進するため県からの厚い支援が必要であると考えますが、基本的な考えを伺います。
次に、産業振興について伺います。
去る2月19日に北東北アパレル企業マッチングが、21日に県北広域振興局主催の第2回北いわて学生デザインファッションショーin二戸が開催されました。学生、生徒から募集したファッションデザイン入賞作品を北岩手の縫製事業者が制作し、プロのモデルや地元小学生の子供のモデルによるファッションショーであり、県北地域に集積する縫製工場と学生のコラボレーションによる開催です。ファッションは特に若者に関心が高く、縫製工場に携わる方も年齢問わず女性が多く、この事業は、若者と女性の活躍支援、また交流人口拡大の一つの事例であると、私は現地に行ってみて深く感じました。こうした広域振興局の取り組みは若者、女性に焦点を当てており、今回のアパレル関係のほか農林水産分野などでも部局横断的な取り組みが必要だと思っております。県北広域振興局のファッションショー及びアパレル企業マッチングについて、ことしの成果と来年度以降の取り組みについて伺います。
県内のアパレル産業を含む繊維製造業の状況について、最新の平成25年工業統計調査によると、県内事業者は186事業所あり、雇用人数は5、248人に及びます。
〔副議長退席、議長着席〕
広域振興圏別では、県央広域圏39事業所、県南広域圏100事業所あるなど、全県的に点在しています。県北広域圏における製造業の中での特徴的な産業ではありますが、登山やアウトドア愛好者が好む国産メーカーのインナー等を製造している白鳩の工場は盛岡市にあるなど、県央、県南広域圏においても特徴的なアパレル繊維製造業関係が少なくない状況です。また、岩手では、デザインに携わる若者等がことしで2回目となるいわてデザインデーを開催し、全国からの来訪者もあり、大変盛り上がりを見せています。大手国内外の有名ブランド服を岩手の職人が手がけている事例が多々あります。アパレル産業は、縫製やデザインなども含めれば裾野の広い産業であり、若者に関心が高く、また、幅広い年齢層の女性の雇用の場でもあります。今後、そうした人材を育てながら産業として付加価値を高め、本県の主要な産業として育てるため、販路拡大、認知度向上、人材育成について取り組んでいく必要があると考えています。
先日の二戸市で開催された北東北アパレルマッチングに参加した首都圏からの発注企業の参加は、このような催しを公的に開催する地域が全国にもほとんどないため、増加傾向にあると聞いています。
そこで、本県におけるアパレル関連産業の振興について、平成26年度の取り組み実績と、今後の取り組みをどのように進めるかお伺いします。
次に、農林水産業の振興について伺います。
岩手県は北海道に次ぐ森林県であり、県土の約77%を占める森林は、治山治水、温暖化ガスの吸収などの多面的機能を有しており、広大な森林は私たちにとって大切な宝です。
現在、大切な岩手の森林資源を維持、保全していくためさまざまな取り組みが行われていますが、その活動を支える財源となっているのは、いわての森林づくり県民税であり、いわての森林づくり県民税の果たす役割、必要性について県民の皆様に広く理解、認識していただく必要があります。
平成18年度に導入され、年間約7億円、昨年度までには約56億円の税収があり、来年度は導入から10年を迎えますが、いわての森林づくり県民税は県民への認知度が低いのが課題であるため、多くの県民の目に触れるよう森林税の使い方の工夫が必要だと考えます。例えば県庁にシンボルとなる木を植樹し、その管理を森林税で行う。また、林業先進国のドイツでは、街路樹の一部をくり抜き、自由に図書の貸し出しができるパブリック本棚を設置するなどのユニークな取り組みも見られます。これは、子供たちからお年寄りまで、森林を通じて世代間交流も生まれるという二次的効果もあったと聞いています。また、県民参加の部分では、今以上に幅広い人材育成に使えるようにしたらどうかと考えます。
そこで伺いますが、これまでのいわての森林づくり県民税を活用した取り組みについて知事はどのように評価し、県民に対してどのように説明していくのか、また、今後の林業振興の主要な取り組みの方向についてもあわせて伺います。
復興の先にある希望郷いわての実現に向けて、岩手の基幹産業である農林水産業における若者等の担い手育成、支援については特に積極的に取り組んでいくことが重要と考えます。6次産業化においては、生産から販売までさまざまなアイデアを活用したり、先日は農業女性の集いが花巻市で、また、沿岸部でのいわての浜料理選手権の開催、林業女子会や酪農女子の活動など、県内の各地に岩手らしいユニークな農林水産業の取り組み事例も見られるようになりました。
そこで、本県の農林水産業における新規就業者の推移と、その中で特に女性の就業を続けている方はどれぐらいなのか伺います。また、こうした若者、女性の担い手の就業の継続を図る上での課題と支援策についてお考えをお伺いします。
スポーツを通じた地域振興について伺います。
いよいよ希望郷いわて国体、希望郷いわて大会を来年に控え、オール岩手で開催の準備がなされています。スポーツは子供から年配の方まで誰もが親しむことができることから、大会後もこの盛り上がりが継続され、岩手の未来づくりがみんなの手でなされることが重要と考えています。
先日、スポーツ振興等調査特別委員会で長野県へ行きました。長野県らしいスポーツとして、スキー、スケート、カーリング、ボブスレーの四つに特に競技選手強化を図り、また、地域のプロスポーツと連携協定を結び小中学校等への指導を行うなど、長野県は1998年に冬季オリンピックが開催されたことも重なり、スポーツを通じた地域振興に特に力を入れているように感じました。長野駅におり立ったときの第一印象は外国人観光客が多いということです。駅ですれ違う人の半分近くはスキー、スノーボートを抱えた外国人でした。選手強化を図り施設整備を行うと、合宿誘致や観光客の誘致へもつながることになるのだと実感しました。既に盛岡広域8市町では、スポーツと観光旅行を融合させたスポーツツーリズム推進に向け、来年度に盛岡広域圏スポーツツーリズム推進協議会(仮称)を設立すると伺っています。そして、まさに本日、開催都市が決定予定の2019年ラグビーワードカップや2020年東京オリンピック開催に向けて、人材育成、大会開催後の施設の有効活用、大学等のスポーツチーム合宿誘致を初め、国体開催に終わらないスポーツと岩手の地域資源を生かした地域振興の推進を図るべきと考えます。
まずは国体開催後について、県民意識を高め、東京オリンピックにつなげていく取り組みも検討すべきでないでしょうか。先催県では、国体記念日にチャレンジスポーツデーを設けて、さまざまな競技種目を含むマラソン大会等のイベントを毎年開催している例もあります。国体を契機とした次につなげる取り組み、東京オリンピックを盛り上げていくために、一般県民が広く参加できる取り組みについて知事の御所見を伺います。
次に、国体開催を契機にしたスポーツを通じた地域振興、スポーツツーリズムの推進も重要と考えます。2020年東京オリンピックの開催に向けて、国体開催後の施設の有効活用や、大学や社会人のスポーツチームの合宿誘致を初め、東京オリンピック開催の波及効果が本県にも及ぶようさまざまな取り組みが必要と思いますが、今後の東京オリンピック合宿誘致の取り組みについて伺います。
次に、県内野球大会の主要な開催場所として県営野球場がありますが、老朽化が著しい状況です。新たに整備するには相当な財政負担が生じることが懸念されます。盛岡市では市営野球場を新たに建設する計画があります。
そこで伺いますが、盛岡市内に県と市と野球場を2カ所整備するよりも、将来を見据え、県と盛岡市が一体となり、新たなドーム型野球場など、岩手県のさまざまなスポーツの拠点となる施設整備に取り組むべきではないでしょうか。盛岡市の野球場整備に係る御所見と支援について伺います。
次に、プロスポーツの支援についてお伺いします。
岩手県のプロスポーツには、サッカーのグルージャ盛岡、バスケットのいわてビッグブルズ、ラグビーの釜石シーウェイブスがあります。他県においては、プロスポーツの支援を行うことにより、プロスポーツを通じた県民への生涯スポーツの意識啓発、娯楽の提供、ひいては若者や女性の定着、雇用の場の拡大などにつながるよう支援している場合もあります。
本県におけるプロスポーツの支援の今後の取り組みについて伺います。
最後に、盛岡を中心とした中心市街地活性化に向けたLRTの取り組みについてお伺いします。
盛岡市では新型路面電車LRTの導入を目指している市民団体があり、活動しています。盛岡市の中心市街地は、歴史が積み重ねられた城下町に個性的な商店、飲食店、文化施設がそろう独特の空間です。しかし、昨今では郊外の大型商業施設への買い物客流出や空き家なども課題となっています。ヨーロッパなどで新型路面電車LRTを使うことで地域の活性化が図られており、また、宇都宮市では平成31年度開業に向けて整備に動き出すなど、既に日本各地にも事例があります。
昨年10月に盛岡市の企業グループから盛岡市に対し、盛岡市中心市街地活性化提言書が出されました。その中で、魅力あるまちづくり、ランドマークがあるまちづくりなどに加え、LRT導入による交通網整備を柱とする環境に優しく便利なまちづくりが提言されたところです。また、私も参加しましたが、先月に開催された討論会でも、若者の個性的な店づくりやLRT導入について熱く討論が交わされました。
このように、県都盛岡では、中心市街地活性化に向けたLRT導入について民間が中心となった活動が活性化してきております。岩手県のILC誘致に向けても、県都盛岡の魅力アップや利便性を上げるにはどうしたらよいか、交通という手段を通じ、盛岡のまちづくりについてもっと議論すべきと考えます。中心市街地活性化に向けたLRTの整備について県の御所見を伺います。
以上で私の一般質問を終わります。答弁によっては再質問させていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 吉田敬子議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、若者、女性支援の基本的な考え方についてでありますが、岩手の復興を成功させ、希望郷いわてを実現するためにも、若者や女性の活躍を一層支援していくことが必要であります。
県では、第2期復興実施計画において重視する視点として参画を掲げ、若者、女性を初めとした地域住民の幅広い参画により復興の取り組みを推進することとし、いわて若者文化祭、いわて若者会議やいわて若者交流ポータルサイト等により若者の交流の輪を広げる場を提供するなど若者活躍支援を進めるとともに、経済団体、産業団体等といわて女性の活躍促進連携会議を設立し、産官連携した女性活躍支援に取り組んできたところであります。今後とも、若者のネットワークの拡大や女性の活躍支援に向けての意識啓発を図るなど、若者、女性の自立的で継続的な活動を支援してまいります。
次に、結婚、子育て等の環境づくりについてでありますが、少子化に立ち向かうためには、子供を産みたいと願っている人、子育て中の家庭、さらには結婚を希望している人一人一人に寄り添いながら社会全体で支え、子供を産みやすい、育てやすい社会を築いていくことが重要であります。
このため、来年度は、人口問題に関する報告(案)を踏まえ、結婚支援センターの設置、男性不妊治療への助成、子ども・子育て支援新制度による保育の量の拡充及び質の向上や、子供医療費助成の対象拡大、現物給付化などに新たに取り組むとともに、今後策定する地方版人口ビジョンや総合戦略においても、20歳代から30歳代前半に結婚、出産、子育てしやすい環境づくりの強化について検討してまいります。
次に、いわての森林づくり県民税の活用などについてでありますが、これまで、いわての森林づくり県民税を活用し、公益上重要で管理が行き届かない森林について、針葉樹と広葉樹が入りまじった公益的機能の高い森林へ誘導するための間伐を行うとともに、児童生徒の森林学習や、地域の団体、NPOなどが行う森林を守り育てる活動を支援しているところです。このような取り組みにより、緊急に整備が必要な森林の整備が着実に進んでいますほか、森林環境保全に対する県民理解の醸成が図られてきていると認識しております。これら県民税を活用した取り組みにつきましては、いわての森林づくりフォーラムの開催や、テレビ、ラジオ、新聞等の媒体によるPRなどを行い広く周知を図ってきたところでありまして、今後は、地域説明会の開催などを通じて、さらに県民の皆さんに御理解いただけるよう取り組むこととしております。
また、今後の林業振興の方向については、森林から生産される木材を製材品や合板、製紙用チップ、木質バイオマス燃料などに余すことなく活用する、いわゆるカスケード利用を促進するとともに、担い手等の人材の確保、育成や、伐採跡地への再造林対策を促進するなど、本県の豊富な森林資源の循環利用を進めながら林業の振興を図ってまいります。
次に、東京オリンピックに向けた取り組みについてでありますが、来年開催する希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の成功に向け、現在、ボランティア活動や花いっぱい運動の推進など県民運動が展開されています。この運動の盛り上がりを2020東京オリンピック・パラリンピックの成功の機運醸成につなげることによって、東日本大震災津波の際に多くの国々から寄せられた復興支援に対する感謝を伝え、さらに、我が国に訪れる多くの方々に被災地に足を運んでいただき、復興の姿を見ていただくことが重要と考えています。
現在、組織委員会や被災3県等で構成する東京オリンピック・パラリンピック被災地支援連絡協議会におきまして、大会開催までのカウントダウンイベント、被災地と世界各国との交流事業、東北地方の祭コンテスト等の文化プログラムなど、県民の方々が広く参加できる取り組みの実施方法等の検討を進めているところであります。今後、協議会における検討を踏まえて、各市町村との密接な連携、調整のもと、県内における取り組みの具体化を図ってまいりたいと思います。
その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔環境生活部長風早正毅君登壇〕
〇環境生活部長(風早正毅君) 女性の活躍支援についてでありますが、経済団体や産業団体等で構成するいわて女性の活躍促進連携会議では、各団体の女性活躍支援の取り組みや現状についての情報共有、意見交換を行ったところであります。こうした連携会議での議論や、県内の事業所を対象に行ったいわて女性の活躍促進に関するアンケートの結果では、女性の管理職や役員がいない事業所が多い実態とともに、女性に対する意識啓発や男性、事業主に対する意識啓発が必要ということが課題として挙げられたことから、来年度は、女性がキャリアアップするための事業や、男性、事業主など周囲の理解と協力を促すための事業を実施し、女性活躍に向けてさらなる取り組みを進めてまいります。
市町村との連携は重要であると考えておりまして、これまでも会議や研修等を通じ情報提供や人材育成などに連携して取り組んできたところであります。また、現在、国会に提案されている女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案においては、県はもとより、市町村の役割も盛り込まれていることから、今後も地域における女性の活躍を推進してまいります。
次に、若者文化に対する支援についてでありますが、岩手県では、復旧、復興を初め、多くの分野で若者が大きな力を発揮しており、文化芸術面においても若者の活躍が多く見られています。県としては、若者が文化芸術を発表する機会や他の団体と交流する機会が必要であるとの認識のもと、現在、改訂を進めている岩手県文化芸術振興指針において、若者文化や新しい文化芸術分野への支援を見直しの視点の一つとしております。
昨年11月に開催したいわて若者文化祭は、伝統芸能と若者の多くが親しんでいる文化芸術との競演が行われるなど、文化芸術の持つ創造性と若者の活力を融合させる取り組みとなったものと考えております。来年度もこうした取り組みを引き続き行うとともに、指針改訂の趣旨も踏まえ、文化芸術コーディネーターによる若者の文化芸術活動へのアドバイスや支援、いわてマンガプロジェクトによる若手漫画家の発掘、支援を行うなど、今後とも若者による文化活動がさらに活発となるよう積極的に支援してまいります。
〔商工労働観光部長橋本良隆君登壇〕
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) まず、県外進学者等の県内就職支援についてでありますが、県ではこれまで、東京事務所などにUターンセンターを設置し、県内就職の相談対応や首都圏大学等への訪問による県内就職の情報提供を行っているほか、U・Iターンシステムを通じて希望者に県内企業の求人情報などを配信しているところです。また、東京でのU・Iターンフェアや県内での就職面接会を関係機関と連携して開催し、県内企業とのマッチングの機会を設けております。さらに、本年度、U・Iターンポータルサイトの設置やパンフレットの作成により県内就職の情報発信を強化しているところです。
平成26年12月、県が、本県へU・Iターンをした135名を対象にアンケート調査を実施したところ、U・Iターンに関する情報が十分に届いておらず、さまざまな方法でさらに情報提供をする必要があると認識しております。このため、平成27年度当初予算案に県内中小企業が大手就職情報サイトを活用する経費に対する補助やジョブカフェいわてにU・Iターン就職情報の発信機能や相談窓口を設ける経費を盛り込み、県外進学者等に対する県内就職への支援を強化していくこととしております。
次に、アパレル産業の振興についてでありますが、本県のアパレル産業は、製造品出荷額については震災直後の落ち込みから回復傾向にあるものの、事業所数や従業員数は年々減少傾向にあることから、引き続き、販路拡大や人材の確保、育成に向けた取り組みが必要であると認識しております。こうした認識のもと、これまで、いわて産業振興センターが中心となり、国のものづくり補助金や設備貸与事業を活用した設備投資への支援、いわて希望ファンドによる販路拡大や商品開発支援、さらには、新分野への進出のための工程改善に対する指導など、企業の課題に応じきめ細かく対応してきたところです。
今後におきましては、いわて産業振興センター等の支援機関による重層的な経営支援に加え、県北地域においては、大学との連携による企業の技能人材の育成などに新たに取り組むなど、地域の特性を生かした産業振興を進めてまいります。
〔政策地域部長齋藤淳夫君登壇〕
〇政策地域部長(齋藤淳夫君) まず、広域連携についてであります。
広域振興局においては、市町村からの要請に基づいて、商工観光分野等における交流人事や国政選挙の執行に係る被災市町村への応援職員の派遣などを行ってきました。このほか、税務行政における市町村担当職員を対象とした滞納整理、家屋評価事務等の研修会の開催や、こうした事務の共同実施による直接支援など、専門的、技術的な支援も行ってきております。また、このような人的な支援のほか、市町村の事業に対しましては地域経営推進費による支援も行っております。さらには、県南広域振興局における政策課題研究会を設置しての人口減少、観光などの圏域の共通課題についての検討や、盛岡広域振興局における市町村の広域連携の推進に向けた取り組み支援など、市町村との連携、協働による取り組みも行われております。今後におきましても、市町村の実情や要請に応じながらこうした取り組みを進めてまいります。
次に、県北広域振興局のファッションショー等についてであります。
県北地域の主要産業である縫製業のイメージアップと取引拡大、次代の縫製業を担う人材育成を図るため、平成25年度から北いわて学生デザインファッションショーを、平成22年度から北東北3県域アパレル企業ビジネスマッチングフォーラムを開催しております。さきに開催したファッションショーでは、若手美容師や専門学校生がスタッフとして参加し、すぐれた技術力を有する県北の縫製事業者の製品紹介やシニアを含む3世代によるファッションショーなどが行われ、県内外から800人を超える来場者を集め、県北地域のアパレル産業の認知度向上が図られたものと認識しております。また、マッチングフォーラムでは、県内の縫製事業者など20社、首都圏から23社の企業が参加し、商談等が実施され、取引機会の拡大が図られたものであります。
来年度におきましては、アパレル業界とのネットワークを広め、縫製技術の高さをより一層PRしていくほか、引き続きファッションショー等を開催し、県北地域のアパレル事業者の取り組みを支援してまいります。
次に、東京オリンピック合宿誘致の取り組みについてであります。
本県においては、国体に向け整備した施設があること、東京との時間距離が短いなどの利点を生かし、積極的に誘致を図りたいと考えております。
このため、昨年5月に知事を本部長とする岩手県2020東京オリンピック・パラリンピック推進本部を設置し、東京オリンピック等を通じた交流の推進を図るため、事前合宿の誘致を図ることとしております。昨年6月には県内圏域ごとに市町村との意見交換を実施し、8月には市町村ごとの合宿誘致希望種目などを取りまとめ、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に報告するとともに、実施に向けての協力要請を行ったところであります。
県内市町村におきましても、盛岡広域8市町で合宿誘致に向けたスポーツ施設の紹介パンフレットを作成し、誘致に活用しているほか、北上市においては、陸上競技場を活用した合宿誘致に向け、国内競技団体への要請活動を進めております。
本県といたしましても、こうした市町村の取り組みを支援するため、県、市町村、市町村観光団体等で構成するスポーツ・ツーリズム推進連絡会議を通じ、必要な情報やノウハウの提供に努めております。また、今後、大会組織委員会が各国選手団に対し事前キャンプ候補地を紹介するリストを作成することとしており、同リストへの登録や、誘致に向けた国内競技団体への協力要請など、市町村の取り組みを支援してまいります。
次に、中心市街地の活性化に向けたLRTの取り組みについてであります。
モータリゼーションが進行している社会において、LRTなどの新交通システムが整備されることは、いわゆる交通弱者の外出機会の創出、また、まちの魅力が向上し、観光客等による交流人口の拡大などを通じまして、中心市街地の活性化に寄与する面があると考えております。
LRTの整備に当たりましては、市街地交通の現況のほか、整備に係る初期費用や運営開始後の経営見通しなどを踏まえながら各市町村の交通政策の中で検討されていくべきものと考えておりまして、県といたしましては、今後における市町村の動向を注視してまいることとしております。
〔農林水産部長小原敏文君登壇〕
〇農林水産部長(小原敏文君) 農林水産業における若者等の担い手育成支援についてでありますが、新規就業者数の推移を平成21年度以降で見ますと、農業は、毎年200人を上回る方々が就業し、そのうち女性は約40人、林業は、年度によるばらつきが大きく、平成22年度は140人でありましたが、平成25年度は61人となっており、うち女性は3人程度、漁業は、50人前後で推移してきておりましたが、震災後は30人程度まで減り、うち女性は5人程度となっております。また、このうち、女性の就業継続者は、農業、林業では約8割、漁業は大震災により約6割となっており、傾向としましては、男性より若干低くなっております。
就業を継続していくためには、若者、女性に限らず、生産技術の習得や安定的な所得の確保が課題でありますことから、生産技術や経営能力の向上に向けた、ベテラン生産者等による継続的な技術指導や技術習得に向けた研修の実施、また、経営規模の拡大に必要な機械、施設の整備のための補助事業等の活用を支援しております。
加えて、女性が活躍するためには働きやすい環境づくりが重要でありますことから、就労条件の改善に向けた、雇用主を対象とした雇用管理セミナーの開催や、家族の役割分担を明確化する家族経営協定の締結を促進しますとともに、女性がアイデアや能力をより発揮できるよう、女子交流セミナーの開催やネットワーク化の支援、また、平成27年度からは、肉用牛や酪農に携わる女性の取り組みを新たに支援するなど、意欲を持って就業した若者、女性が定着できるよう取り組んでまいります。
〔教育長高橋嘉行君登壇〕
〇教育長(高橋嘉行君) ライフプランニング支援についてでありますが、ライフプランニングにつきましては、学校の教育活動全体を通して、生徒一人一人が自己のあり方、生き方を考え主体的に進路を選択し、社会人、職業人として自立するための能力を育むことが大切であり、小学校から高校まで児童生徒全員が履修する家庭科の授業などにおいて、男女が協力して主体的に生活を創造する能力と実践的な態度を育んできております。特に、女性へのライフプランニング支援につきましては、厚生労働省が発行するパンフレットなどを活用し、仕事選びを初め、妊娠から産休、育児休業、復職後の流れなどについて意識啓発を行っているところであり、また、生徒個々の相談についても、担任を中心とした面談等で具体的に対応してきているところでございます。
また、進路選択に係る取り組みについてでありますが、県教育委員会では、いわて高等教育コンソーシアムと共同で開催するウィンターセッションや定期的な意見交換を実施して高大連携に取り組むとともに、学校での生徒の個別指導などを通じて、生徒たちが大学進学後にミスマッチというような感じを抱くことのないようなライフプランニングの支援を行っているところでございます。
次に、山村留学についてでありますが、議員御案内のとおり、葛巻町で進める山村留学制度は、地域の活性化に寄与する有効な取り組みであり、また、葛巻高等学校にとりましても、特色ある学校づくりを推進していくに当たり、貴重な機会と捉えております。
県教育委員会といたしましても、葛巻町のこうした取り組みは積極的かつ主体的な取り組みであると受けとめておりまして、平成27年度入試から、山村留学を希望する生徒に対して、入学条件としている一家転住の要件を弾力化し、支援することとしたところでございます。
次に、盛岡市の野球場整備についてでありますが、岩手県営野球場は、観客席2万5、000人を有する県内唯一の野球場であり、高校野球を初めとする各野球大会や県大会、東北大会、そしてプロ野球一軍興行の会場としても活用されており、希望郷いわて国体におきましては、高校野球の競技会場としても使用することとなっております。しかしながら、当該野球場は築44年が経過し、時期、時期において必要な補修、改修工事を行っているところでありますが、議員御案内のとおり、全体的には老朽化が進んできております。一方、盛岡市の新たな市営野球場は、県営野球場を含めた盛岡市内の球場施設全体の配置等を念頭に、高校野球の県大会やプロ野球の二軍戦などが開催できる収容人員1万人規模の球場として計画され、盛岡南公園に移転新築する意向というように伺っております。
本県のスポーツ振興に当たりましては、新設、既設を問わず施設を有効活用し、県と市町村が互いに連携を図って推進していくことが肝要であると考えておりますが、今後の体育施設のあり方や自治体間の連携等につきましては、大震災からの復旧、復興の進展や議員御提言の趣旨などをも踏まえながら、多面的に検討してまいりたいと考えております。
次に、プロスポーツの支援についてでありますが、本県のプロスポーツチームの活躍は、県民に明るい話題を提供し、県民のスポーツライフの充実に大きく貢献するとともに、スポーツに取り組む岩手の子供たちにとっても、大きな憧れや目標を与えてくれていると考えております。また、いずれのチームも県内各地でのスポーツ教室や小・中・高生への職業講話を実施するなどボランティア活動にも積極的に取り組まれており、スポーツの振興のみならず、青少年の健全育成にも貢献していただいております。
県教育委員会といたしましては、関係部局とも連携しながら本県プロスポーツチームの情報発信や活動支援に引き続き取り組むとともに、各関係競技団体とも十分に連携しながら本県のスポーツ振興を図ってまいりたいと考えております。
〇13番(吉田敬子君) 御答弁ありがとうございました。大きく2点ほど再質問させていただきたいと思います。
まずは、若者、女性の活躍支援の部分について、先ほど私の問題提起として、県のほうで積極的に取り組まれていることによって、若者、女性の機運の醸成というのは大変図られているとは思うんですけれども、雇用というところになると、安定した雇用に結びついているかというと、なかなか結びついていないのが私は現状だと感じております。
先ほど環境生活部長からの御答弁がありましたが、確かに雇用となると商工労働観光部が管轄となると思うんですけれども、ことし初めて若者女性協働推進室を設置されたことで、さまざまなイベントをやられて、いろいろな若者、女性と接したことで雇用に対するいろいろなお話も伺っていると思いますので、所感でよろしいので環境生活部長からその雇用に対する部分の御所見を伺いたいことと、それを受けて、商工労働観光部のほうが管轄になりますけれども、せっかく若者、女性の機運、いろいろな活躍が見られる中で、雇用に結びつかないと、岩手に定住してもらえるというか、例えば復興支援で来ている若者、女性も結局は首都圏等に戻ってしまっているというのは、何が原因かというと、やっぱり雇用なんですよね。なので、その実態について、商工労働観光部では環境生活部との連携を今後どのようにしていかれるのかまずはお伺いいたします。
2点目に、女性のライフプランニングの支援についてでありますが、知事から御答弁をいただきまして、来年度は結婚支援センターの設置や男性不妊治療に対する助成も始めるということで、大変期待はしております。確かに、結婚支援センターについては、これまで出会いの少なかった男女の出会いがふえて、婚姻数の増加を図る上では大変期待はしているんですけれども、若者が結婚して子供を育てやすい環境づくりのための根本的な課題解決ではないと私は思っております。やっぱり結婚支援センターに行かなければいけなくなる前の若いうちからの啓発というのが私は特に必要だと思っておりまして、先ほども卵子凍結に関して国でも始まったということがあるのですけれども、私は、未婚女性の卵子凍結についての助成を広めてほしいということでは決してなく、未婚女性の卵子凍結を行う病院というのは、全国でもまだ数える程度だと認識していて、その状況把握のために、私自身、仙台の病院へ問い合わせてみました。そうしたら、初診を受けるには3カ月待ちというのを聞いて、既に卵子凍結に対する未婚女性の需要というものもすごく高まっているんだなということを感じました。
先ほど、浦安市の現状の話もしましたけれども、そういう未婚女性が卵子凍結という手段を選ぶ前に、何とか若いうちに結婚、出産ができる環境をつくっていくためには、若いうちにそういった正しい情報を伝えていかないといけないと思っておりますし、学生のうち、高校生までに、例えば県外に出る前に、学校を離れて社会人になってしまう前に、やっぱりさまざまな―これは個人の選択の自由ではあるんですけれども、こういうものがあるけれども、早いうちに必要だよということを、私は、若いうち、特に高校生、大学生のあたりで必要だと思うんですが、それを管轄するのは保健福祉部になると思うんですけれども、結婚支援センターの職員が、例えば大学、専門学校等に出向くなど、そういった具体的なライフプランの支援というものは本当に重要になってくると私は思いますので、その件に関する御所見もぜひ改めて伺いたいと思います。
最後に、教育長からライフプラン支援についての御答弁をいただきまして、県立高校で進路指導を行う際のミスマッチが生じていると。例えば、大学へ進学したけれども、結局、この大学だとちょっと自分が思っていたものと違ったという学生がやっぱり大学をやめているという事例も少なくはないと伺いました。私は、その部分に関しても、ある程度、人生設計を含めて支援が必要だと思うんですけれども、そのミスマッチがあるとのことなんですけれども、それについての解消するための具体的な取り組みというものを改めて伺いたいと思います。
〇環境生活部長(風早正毅君) 若者、女性の活躍と雇用という点での再質問をいただきました。
まず、女性につきましては、先ほど私も御答弁申し上げたいわて女性の活躍促進連携会議自体が県内では初めてのことではありますけれども、県だけではなくて、民間、地域の経済団体にも入っていただいておりますし、それから、行政機関としては岩手労働局にもお入りいただいて、県としましても、商工労働観光部とも連携して、一つ雇用分野というものを大いに意識して議論をしていただいている。その中での議論が先ほど答弁申し上げたような内容でもありますし、各事業所にもアンケート等を行わせていただいたということであります。
また、今、国会にかかっております女性活躍新法ですけれども、これも、まさに職業生活における活躍の分野での女性活躍の新法でありますので、こういったところを踏まえながら、雇用というものは、当然、議論の一つの柱になっていくものと考えております。
続いて、若者の関係でございます。若者についても、決して雇用ということだけではございませんが、去る2月中旬に第2回目のいわて若者会議を開催しました。昨年は若者文化というものが中心でありましたが、ことしは、例えば南部美人の久慈さんのお話ですとか、西和賀町に関東から地域おこし協力隊で来ておられる方、さらには盛岡市内等でNPOで活躍されている方、こういったさまざまな方々が行事に参加して御講演等をいただいたりした上に、盛岡市内は非常に専門学校が多ございますが、専門学校からも多数の学生が教官の方々と一緒に参加もされました。こういったことも踏まえて、民間企業での雇用のみならず、NPOだとかさまざまな場面での若者の活躍というものを引き続き推進していきたいと考えております。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) 若者、女性の雇用の関係での御質問でございましたけれども、まず、若者、女性の活躍をしっかりと県内で定着した形で推進を図っていくというためには、やはり就労していただく、そういう場をつくっていくことが大事だと考えております。このため、県では、若者等が新たに事業を始める、創業支援のための施策、これで支援をするということで、平成27年度の当初予算のほうにも計上しながら、創業を支援するという形の中での活躍の場、雇用確保、そうした形の中で県内で活躍していただきたいと考えておりますし、特に女性につきましては、先ほども環境生活部長のほうから答弁がございましたけれども、いわて女性の活躍促進連携会議でのさまざまな議論あるいはニーズ等を商工労働観光部といたしましてもしっかりと踏まえましてきちんと対応し、女性の活躍ができるような雇用の場の創出に向けた取り組みについて、さまざま工夫、検討してまいりたいと思っております。
〇保健福祉部長(根子忠美君) 女性のライフプランニングの関係で、特に結婚、出産の関係のお話がございました。結婚、出産については、議員からもお話があったとおり、個人の価値観も含めてさまざまな議論があるということは、私どももそういうふうに理解しております。
その上で、今回の結婚支援センターの設置については、やはり出会いの場がなかなかない方々がたくさんいるという声を踏まえて、こういった中でマッチング支援とかあるいは普及啓発、その他もろもろの事業を展開しようということで考えたものでございますので、こういったことを利用する、活用する方々については、積極的に交流をしていただきたいとは思っております。
それ以前のお話ということでいろいろありましたけれども、私もいろいろ感じるのは、結婚することの意義というか、価値というか、やはり結婚することはいいものだよということを伝えるというのは大事なのかなと私も思っていまして、そういう中で、そういうことを皆さん方、若い人たちが感じていくということは非常に大事かなと思っています。それがこのセンターの事業なのかどうかはちょっとわかりませんけれども、そういうところも力を入れないと、なかなかやっぱり進まないような感じがしております。
それから、出産のお話ですけれども、妊娠と年齢というのはいろいろ関係がございますので、そこについての若い人たちに対する情報提供というのはやっぱり大事なことだと思います。それも、どこでどうするかというのはありますけれども、センターの普及啓発事業は結婚情報の提供ではありますけれども、そういった面も含めてできるのか、あるいはどういった形でそういったことをケアできるかも含めて、いろいろ検討してみたいと思います。
〇教育長(高橋嘉行君) 大学入学後のミスマッチをどのように防いでいくかということですけれども、大学の進学に当たりまして、これは自分の力がどの大学に入れる力かとか、知名度がどうだというようなことを優先するのではなくて、将来的には職業選択でどこを目指すか、大学で何を学ぶかというようなことを丁寧に学校教育の中で、これはキャリア教育という視点ももちろん大事ですけれども、担任と生徒、保護者がじっくりと考えていくというようなことが極めて大事なのかなと思っております。
いずれ、これは女性だけで言うことではなくて、男性の生徒たちにも通じることですけれども、将来的な見通しを十分に話し合いながら、生徒自身が納得して、そしてまた、大学に入って、そこで自分の思いを実現できるような努力をしていくという思いに行くような指導をしていくことが大事だなと思っております。そういうように取り組んでまいりたいと思っています。
〇議長(千葉伝君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。

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