平成22年2月定例会 第15回岩手県議会定例会 会議録

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〇30番(工藤大輔君) 民主党の工藤大輔でございます。
 昨日、公正取引委員会から、県発注工事をめぐる談合問題について、談合はなかったとする業者側の主張を退ける内容の審決が出されました。
 当初、3月上旬にもと言われておりましたが、それを大きくずれ込み、年度を越えるのではないかと言われていた状況にあった中、昨日の情報は、やはりという思いとショッキングな思いが交差するものでありました。
 この問題は、2004年10月に公正取引委員会が独占禁止法の疑いで親睦団体トラスト・メンバーズに加盟する県内A級建設業者を立入検査し、翌2005年6月に、遅くとも2001年4月から2004年10月までの118件、発注金額168億円において談合の事実があったとし、独占禁止法に基づく排除勧告を行いました。
 しかし、勧告を受けた全業者は、その調査方法や内容等について不満があるとして応諾はせず、2009年1月に結審をし、10月に審決案が出されてからも、直接意見陳述を行い、談合の存在を改めて否定するなど、全面的に戦う姿勢を示しながら今日を迎えています。
 今後、いかなる結論に至ろうとも、県内経済や雇用に及ぼす影響が極めて大きいことが想定されますが、法令上、このような事態になったことは極めて遺憾であり、内容を精査した上で、速やかかつ適正な対応が求められます。
 この審決を受け、まず初めに、知事はどのような所感をお持ちでしょうか、お伺いします。
 また、公正取引委員会からの発表はあす25日との報道もありますが、審決が出されたとの情報を受け、どのような対応を指示し、現時点において内容をどこまで把握しているのでしょうか、お伺いします。
 次に、今後の対応についてお伺いします。
 国土交通省東北地方整備局や農林水産省東北農政局なども、審決の内容を踏まえ処分等を確定させるようでありますが、25日の正式公表以降、県では、どのような機関で、いつごろを目途に内容を精査し処分内容を決めていくのでしょうか。スケジュールとあわせてお伺いします。
 今回の審決を受け、業者側には、国からの課徴金と県からの損害賠償金の支払いが求められます。課徴金と損害賠償金の対象となる業者数、工事件数、その金額は、それぞれどのようになると把握しているのでしょうか、お伺いします。
 報道によりますと、勧告を受けた80社の取引先は、県内外で、1次仕入れ先が2、623社、間接的な2次仕入れ先は1万1、450社、合計1万4、000社を超えるようであります。このたびの排除勧告による影響がどこまで広がるのか心配されるところでありますが、今後の影響をどのように認識しているのでしょうか、お伺いします。
 あわせて、影響を最小限に抑えるためには官民挙げての支援が求められてまいりますが、県はどのような対応を行う考えかお伺いします。
 現在の公正取引委員会は、検察官と裁判官を兼務するような形で運営されております。業者の中には、このような審判制度は不公平であり、改善すべきとの声も少なくありません。公正取引委員会の制度について、知事はどのような認識をお持ちでしょうか、お伺いします。
 以上で登壇しての質問とさせていただきますが、また、あわせて、内容によっては再質問をさせていただきます。
 御清聴まことにありがとうございました。
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 工藤大輔議員の御質問にお答え申し上げます。
 マスコミにより報道されているとおり、80社の談合を認めるものであると関係者から審決について聞いているところでありますが、違法行為を認める審決が出たとすれば、極めて遺憾なことであります。
 審決に対しては、公正取引委員会の公表資料により、その内容等を十分に確認した上で適時適切に対応してまいります。
 公正取引委員会の制度についてでありますけれども、御指摘の点について、現在、見直す方向で法律案が提出されていると聞いており、よりよい制度となることを期待しております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長より答弁させますので、御了承願います。
   〔総務部長菅野洋樹君登壇〕
〇総務部長(菅野洋樹君) まず、審決に関する事項でございますが、審決に関する情報を得た後、直ちに事実確認に努めたところでございます。
 審決の内容につきましては、80社の談合を認める内容であるとの情報を得たところでございますが、公正取引委員会に確認いたしましたところ、いわゆる審決が出た旨は同委員会から確認ができましたが、同委員会からは、3月25日午後3時以降に公表する旨、及びそれまでの間については、審決の内容を含めお答えできない旨の回答を得たところでございます。したがいまして、公正取引委員会における事実認定の内容及びその事実認定に伴う評価等については、現状でまだ把握できていないところでございます。
 次に、指名停止措置についてでありますが、この措置につきましては、公正取引委員会の審決内容、ただいま申し上げましたとおり、いわゆる事実認定、その評価等を詳細に検討の上、県としての対応を判断しなければならないと考えてございまして、現時点におきまして、具体的な時期をお示しすることは困難な状況にございます。
 いずれにいたしましても、適時適切な時期に必要な判断を行ってまいりたいと考えております。
 また、この手続についてでございますが、当該事務については、当総務部において所管してございますので、総務部においてしかるべき検討をした後、知事、副知事の判断を得た後、決定することになろうと考えております。
 次に、賠償金の関係でございますが、賠償金につきましては、いわゆる個別の工事契約約款におきまして、契約に基づいて事業者から徴収することとされてございます。
 個別の工事について談合があったかなかったかの認定につきましては、公正取引委員会の課徴金納付命令により明らかになるところでございまして、現時点におきましては、具体的にどの工事がその対象となるか明らかでございませんので、その額を算定することは困難な状況にございます。
 次に、審決を受けた企業についてでございますが、当該企業の平成20年度における県工事の発注実績は、普通会計ベースで全体の約29%を占めてございます。また、その従業員数は3、300人を超える程度と承知してございまして、本県建設産業界に占めるウエートは、非常に大きなものがあると考えてございます。
 ただ、今後、県としてどのような対応を行うことになるのか検討する必要がございますので、現況において、その影響について予測することは困難な状況にあることを御理解いただきたいと思います。
 ただ、いずれにいたしましても、非常に大きな事案でございますので、具体的関連企業、協力会社が多くございます。そういった中で、雇用、経済対策については、万全を期してまいりたいと考えてございます。
〇30番(工藤大輔君) それでは、再度お伺いさせてもらいます。
 建設業協会からは約26万人分の署名嘆願書を初め、他団体からも寛大な措置を求める要望が出されておりますが、これまでどのような団体から要望があったのでしょうか。また、これに対する県の対応についてお伺いしたいと思います。
 新年度予算には、本事業に対し、影響を最小限に抑えるための事業は計上されておりません。事実上、4月以降からの処分となれば、あわせてその対策も行わなければなりませんが、補正予算対応なども考えられるのでしょうか、お伺いします。
 地域経済において、今後さまざまな影響が出てくると思いますが、どのような状況であっても、その被害等は最小限に抑えなければなりません。また、建設業協会においては、再発防止に努め、今後、適切な運営がなされるよう強く要望し、質問を終えたいと思います。
〇副知事(宮舘壽喜君) 本事案に係る審決案が出された以降、岩手県建設業協会、岩手県商工会議所連合会等商工関係団体、岩手県農協中央会等農業関係団体、そして建設業の協力会社等の団体、及び岩手県建設労働組合連合会等の労働団体から要望がありました。
 公正取引委員会の公表する審決の内容等を十分に確認するとともに、このような要望も参考にしながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
〇総務部長(菅野洋樹君) いわゆる補正予算等の対応についての御質問をちょうだいいたしました。
 先ほど申し上げましたとおり、審決の内容をよくよく確認させていただいて、県として適時適切な判断をさせていただきたいと考えてございますが、いずれ、経済、雇用対策については万全の対策をとりたいと考えてございまして、その中で、しかるべき適切な対策を検討してまいりたいと考えております。
〇議長(佐々木一榮君) 次に、千葉伝君。
   〔45番千葉伝君登壇〕

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