平成23年8月臨時会 第24回岩手県議会臨時会 会議録

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〇48番(小野寺好君) 公明党小野寺好であります。
 議案第1号平成23年度岩手県一般会計補正予算(第5号)についてのみお伺いいたします。
 1番目は、生活再建のうち、民間賃貸住宅の借り上げについて伺います。
 間もなく発災から丸5カ月というこの時期に、民間借り上げ2、000戸から4、000戸、これはどういうことなのか。まさか、応急仮設住宅が不足したわけじゃないと思うんですけれども、仮設住宅の場所が悪いとか間取りがよくないとかという、そういう不人気が原因だったのかどうか、その辺を伺いたいと思います。
 具体的には、どこの市町村でこういった民間借り上げが拡大したのか、重立ったところをお聞きしたいと思います。
 この民間借り上げが拡大した結果、もしも仮設住宅が余ったとすれば、それは今後どのようにされるのか伺います。
 2番目、水産業共同利用施設支援でありますけれども、これは予定した金額と、この支援事業に対する応募状況、その件数とか内容はどうであったのか伺います。仮に、応募が多数で選に漏れた場合、今後、追加募集ということがあるのかどうか。
 それから、漁港の巻き上げ機、そういった記載がありますけれども、小型漁船の巻き上げ機、これは各漁港にあるわけですけれども、それぞれの漁港で被災していますが、今回のこの予算はすべてこの巻き上げ機、全部対応できるのかどうか、あるいはそのうちの数カ所にすぎないのかどうか伺います。
 3番目、被災したいわゆる銭湯への補助であります。公衆浴場業生活衛生同業組合、これを通しての補助となっていますけれども、これは沿岸だけなのか、内陸でもそういうことがあったのかどうか、その場所を聞きたいと思います。
 生活衛生同業組合ですけれども、ほかにもいわゆる床屋さんとかパーマ屋さん、理容とか美容業、そういった他の生活衛生同業組合もありますけれども、そちらとの均衡は失することにならないのかどうか伺います。
 最後に4番目ですけれども、放射性セシウムによる被害、これは県内農産、畜産の被害、大体概算でどのくらいになっているのか、まずお聞きしたいと思います。その上で、特に深刻になっています肥育牛経営農家、こちら原子力災害特措法に基づく出荷制限、本当に大変な状況になっています。出荷時期に最高の品質になるようにピークを合わせているわけなんですけれども、出荷できないということになると、その後品質が落ちる、お金も入ってこない。そうなると子牛も飼えない、えさ代も苦難すると、そういったことになって非常に不安が募っているかと思います。余裕のある農家はいいかと思うんですけれども、そうじゃない方にとってどのような支援ができるのか。今回、無利子、無担保の融資を用意していますよとありますけれども、しょせん、借りたものは返さなくてはならないので、その辺の支援策をお聞きしたいと思います。
 具体的に訴訟とかになれていない農家の方たちが、どうやって東京電力に損害の賠償を求めていくのか、そういった筋道などについてもお聞きしたいと思います。
 あと、当面の資金として、例えば出荷予定牛1頭当たり5万円とか、そういったのも聞きますけれども、どなたがこういったものを立てかえることになっているのか、その辺についてもお聞きしたいと思います。
〇理事(廣田淳君) まず、民間賃貸住宅借り上げ拡大によります増額補正の理由についてでございますが、3月19日付で国から通知がございまして、民間賃貸住宅の借り上げを進めてきたところでございます。当初、200件ほどと予定してございましたが、申し込みが予想以上に多いことから、6月補正予算で2、000件にふやし対応したところであります。
 8月8日現在で県で受け付けたのは3、751件となっておりますので、現在4、000件ということで、本議会で増額補正をお願いしてございます。
 この増加の理由の主なものとしましては、一つは、被災された方々の体調等の関係で長く避難所生活が困難であること、あるいは子供さんの学校の関係で、途中で転校を避けるために4月中に住居を確定したいなどの理由によりまして、早く避難所から移り住居を決めたいという希望があったこと、二つ目は、雇用の関係で、内陸部への移動を希望する被災者が多かったこと、三つ目は、内陸部の市町村でも余震で被害を受けた住居が多かったことなどが考えられております。
 民間借り上げがふえた市町村でございますけれども、8月4日現在で、多い順に、1番が大船渡市582件、2番、宮古市579件、盛岡市508件、一関市477件、釜石市431件となってございます。
 また、仮設住宅の空き室の見込みの数でございますけれども、7月29日現在で1、384戸、この多いところでは、釜石市が714戸、宮古市が410戸となってございます。
 市町村のほうからは、空き室の有効活用を求める声、要望が多いことから、8月4日付で厚生労働大臣あてに知事名で、空き室の有効活用を図る要望を出してございます。例えば、市町村支援のために現地の派遣職員が入っている宿泊施設とか、あるいは被災者の自宅の応急修理が完成するまでの一時の宿泊施設とか、あるいは集会所の活用などに使用できるよう、現在要望をしているところであります。
〇農林水産部長(東大野潤一君) 水産業共同利用施設復旧支援事業についてでありますが、当事業は、各漁協等の要望を踏まえまして、個別の事情を精査の上、72億円余の補正予算を計上したところであり、その具体的内容は、フォークリフトなどの機器整備に349件、産地魚市場建屋の施設修繕に165件、貯氷施設などのリースなど5件となっております。
 今後、当事業に対して追加要望があった場合には国の3次補正で措置されるよう、引き続き要望してまいります。
 次に、小型漁港の巻き上げ機についてでありますが、当事業において、小型漁港の巻き上げ機について12漁協から76基の要望があり、このすべてを今回の補正予算に計上してございます。
 次に、放射性セシウム被害についてでありますが、まず、畜産被害の県全体の概算額については、本県では5月以降、これまで7市町村の一部地域について牧草の利用自粛を要請しており、主に酪農家で牧草が利用できない状況となっており、この被害額は、牧草面積で約680ヘクタールの一番草をすべて輸入粗飼料で購入したとして算出すると、約1.5億円と見込まれております。一方で、稲わらや牛肉については、今般の出荷制限指示に伴い肥育牛が出荷できない状況となっており、出荷制限がいつ解除され、通常の出荷が可能となるまでどの程度の期間を要するかなどによって被害額は異なってくることから、現時点での算定は困難なところでございます。
 次に、経営難に陥った農家等の対策についてでありますが、飼養コストの増加等に対応するため、JAグループと連携しながら、無利子、原則無担保、無保証人の融資を創設し、利子補給に要する経費を今回の補正予算に盛り込んだところでございますが、国が緊急対策として示している飼料代等のかかり増し経費や出荷遅延牛の買い上げ支援につきましては、現時点ではその事業内容が明らかになってございませんが、情報収集を急ぎ、速やかな対応などを通じまして、肥育農家の経営の安定を図っていく考えであります。
 次に、農畜産物の損害賠償請求についてでありますが、原発事故により損害を受けた農林水産業者に対する国が示した仮払いスキームでは、農業関係団体等により構成される協議会が、農業者から申告された営業損害を一括して東京電力に請求し、仮払いを受け農業者等に支払うこととされてございます。本県におきましては、7月19日に、岩手県農業協同組合中央会が中心となり、県内各JA、農業関係団体の参画により、農畜産物損害賠償に関する県協議会を設立したところでございます。県では、損害賠償請求を円滑に進めるため、この県協議会にアドバイザーとして参画し、その活動を支援していくこととしてございます。
〇環境生活部長(工藤孝男君) 被災した銭湯への補助についてでありますが、銭湯は、物価統制令の規定によりまして入浴料金の統制額の指定を受けているため、営業者の経営努力だけでは修繕費の捻出が困難な状況にあります。このため、公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律において、地方公共団体は公衆浴場の経営の安定を図る等必要な措置を講じることとされており、県は昭和56年から、公衆浴場の施設設備の改善に対し補助をしてきているところであります。
 今般の東日本大震災津波により、建物にも大きな被害が発生したことを考慮いたしまして、発災に起因した設備改善について、釜石市、宮古市の銭湯に対しまして、昨年度実施分も含め補助しようとするものであります。
 また、理容、美容業等の生活衛生営業に対しましても、県の助成制度といたしまして、被災した店舗設備の修繕に対する中小企業被災資産修繕事業費補助、また、県の低利融資制度といたしまして、中小企業災害復旧資金及び中小企業東日本大震災復興資金により支援しているところであります。
〇48番(小野寺好君) 出荷制限の解除についてなんですけれども、具体的に時期を示すのは、見通しを示すのは無理かとは思いますが、せめて、これこれの条件がクリアされれば解除になりますよみたいな、そういった希望的なものは出していただけるかどうか、お聞きして終わりにします。
〇農林水産部長(東大野潤一君) 牛の出荷制限の解除につきましては、国の原子力災害対策本部に対しまして検査計画を提出し、それが承認された上でその検査計画に従った個別の牛、あるいは各農家ごとの検査を経てしかるべき水準にあれば、個々の牛あるいは農家ごとに出荷制限が解除されるといったルールになってございます。今、その検査計画の策定を取り進めてございます。国に対しても協議も進めてございますが、現在のところ、いつの時点で国に対する申請が認められるかというところも見通しが立ってございませんので、この場でいつごろ出荷が再開できるという見通しを申し述べるのは難しい状況にございます。
〇議長(佐々木一榮君) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、お諮りいたします。議案第15号岩手県東日本大震災津波復興計画の策定に関し議決を求めることについては、災害対策特別委員会に付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木一榮君) 御異議なしと認めます。よって、議案第15号岩手県東日本大震災津波復興計画の策定に関し議決を求めることについては、災害対策特別委員会に付託の上、審査することに決定いたしました。
 次に、ただいま議題となっております議案第1号から議案第14号までは、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第24回県議会臨時会 平成23年8月9日)
総務委員会
1 議案第1号
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 各款
    歳出 第2款
       第3款第5項
       第9款
       第11款第4項
   第3条
環境福祉委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第3款第1項
          第3項
       第4款
       第11款第5項
2 議案第3号
3 議案第4号
4 議案第5号
5 議案第6号
6 議案第7号
7 議案第8号
8 議案第9号
9 議案第10号
10 議案第11号
11 議案第12号
12 議案第13号
13 議案第14号
商工文教委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
     歳出 第7款
        第10款
        第11款第6項
2 議案第2号
農林水産委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款
       第11款第1項
   第2条
県土整備委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第11款第2項
〇議長(佐々木一榮君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時17分 散 会

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