平成23年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成23年3月7日(月)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    佐 藤   博
  議事管理担当課長 菊 池 達 也
  主任主査    岩 渕 伸 也
  主任主査     藤 原 由喜江
  主査    葛 西   貢
  主査    菅 原 俊 樹
  主査    大 森 健 一
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  保健福祉部長   千 葉 茂 樹
  保健福祉部副部長
  兼保健福祉
  企画室長     根 子 忠 美
  医務担当技監   六本木 義 光
  保健福祉企画室
  企画課長    石 田 啓 一
  保健福祉企画室
  管理課長     細 川 倫 史
  新型インフルエン
  ザ対策課長    千 田 利 之
  医療推進課
  総括課長兼
  医師支援推進監  野 原   勝
  健康国保課
  総括課長    立 花 良 孝
  地域福祉課
  総括課長     小田原 照 雄
  長寿社会課
  総括課長    岡 村 鋭 次
  障がい保健福祉課
  総括課長    朽 木 正 彦
  児童家庭課
  総括課長    奥 寺 高 秋
  医師支援推進監  佐 野   淳

  医療局長    田 村 均 次
  医療局次長    遠 藤 達 雄
  経営管理課
  総括課長    大 槻 英 毅
  職員課総括課長  佐 川 義 明
  医事企画課
  総括課長    及 川   秀
  業務支援課
  総括課長    村 田   健
  薬事指導監    松 川 幸 市
  臨床検査指導監  東 野 英 憲
  看護指導監    村 山 和 子
  栄養指導監    上 野 照 子
  医師支援推進監  千 葉 雅 弘

  医師支援推進室長 川 上 裕 二

  予算調製課
  総括課長    八 矢   拓
〇五日市王委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第2号から議案第22号まで、議案第27号、議案第29号、議案第30号、議案第32号から議案第35号まで、議案第38号から議案第40号まで、議案第42号及び議案第54号の以上33件を一括議題といたします。
 本日は、保健福祉部及び医療局関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、保健福祉部長に保健福祉部関係の説明を求めます。
〇千葉保健福祉部長 平成23年度保健福祉部関係の当初予算及び予算関連議案について御説明申し上げます。
 最初に、平成23年度予算編成に当たりましての当部の基本的な考え方でありますが、いわて県民計画に掲げております岩手の未来をつくる七つの政策の一つでございます医療・子育て・福祉政策につきましては、共に生きるいわての実現に向け、三つの項目、一つ、地域の保健医療体制の確立、一つ、家庭や子育てに夢をもち安心して子どもを生み育てられる環境の整備、一つ、福祉コミュニティの確立を施策のポイントとして、重点的に取り組んでいるところでございます。
 ポイントの一つ目、地域の保健医療体制の確立についてでありますが、まず、地域の医療の基本となる医師等の養成、確保を図るため、奨学金等による医師の計画的な養成、臨床研修医の確保、定着の促進及び病院勤務医の負担軽減など、医師の勤務環境向上や処遇改善などの取り組みを支援するほか、看護職員養成施設の在学生に対する修学資金の貸付枠の拡大や、県立一関高等看護学院の移転整備などに取り組んでまいります。
 また、質の高い医療が受けられる体制の整備を図るため、ドクターヘリの導入促進やがん診療連携拠点病院の整備を推進するほか、精神科救急情報センターでの相談対応等の24時間化によります精神科救急医療体制の充実や、地域における医療と介護の連携体制づくりへの支援などに取り組んでまいります。
 また、子宮頸がんワクチン等の予防接種を促進するとともに、接種費用を全額公費負担とするため、市町村の事業実施に要する経費に対する助成や肝炎治療の医療費を助成するほか、肝炎患者等が適切な治療を受けられるよう、地域肝炎治療コーディネーターの養成など、感染症対策の推進に取り組んでまいります。
 また、こころの健康づくりを推進するため、相談支援体制の整備、人材養成、普及啓発などの自殺対策に総合的に取り組んでまいります。
 ポイントの二つ目でございますが、家庭や子育てに夢をもち安心して子どもを生み育てられる環境の整備につきましては、妊娠、出産から新生児に至る総合的な周産期医療体制の整備など、安全・安心な出産環境の充実を図りますとともに、放課後児童クラブ等の活動の支援や保育所整備の促進及び子育て中の親や子育て支援団体との交流等を目的とした(仮称)子どもフェスティバルの開催など、子育てにやさしい環境づくりを進めてまいります。
 また、児童虐待の未然防止や早期発見などに取り組むとともに、児童虐待防止対策の強化を図るため、職員研修や対応力向上のための体制強化に取り組んでまいります。
 ポイントの三つ目でございますが、福祉コミュニティの確立につきましては、地域福祉活動コーディネーターの育成などの住民参加によります生活支援の仕組みづくりや、福祉、介護分野の人材確保の取り組みなどを推進してまいります。
 また、老人福祉施設の整備や介護サービス施設等の整備及びスプリンクラー等の設備整備の支援、さらに介護人材の育成、認知症疾患医療センターにおける専門的な医療機能の充実や、御本人や御家族への相談支援など、高齢者が住みなれた地域で生活できる環境の構築に取り組みますとともに、障がい者の地域定着や工賃水準の向上に向けた取り組みを支援するほか、障がい者に対する不利益な取り扱いを解消するため相談窓口を設置し、個別事案の解消に向けた支援を行いますとともに、障がいについての理解の促進に係る普及啓発など、障がい者が地域で自立した生活ができる環境の構築に取り組んでまいります。
 また、安全・安心のセーフティネットづくりのため、低所得世帯等に対する生活福祉資金貸し付けの円滑な実施の支援や、住居を喪失した離職者等への住宅手当支給による就職活動の支援などに取り組んでまいります。
 以上が平成23年度予算編成に当たりましての当部の基本的な考え方でございます。
 恐れ入りますが、続きまして、当部関係の議案について御説明をさせていただきます。
 まず、議案第2号平成23年度岩手県一般会計予算でございますが、恐れ入りますが、お手元の議案その2の6ページをお開き願います。当部関係の一般会計歳出予算は、3款民生費852億5、500万円余のうち、2項県民生活費を除く846億500万円余と、次のページの4款衛生費226億5、700万円余のうち、2款環境衛生費を除く150億3、500万円余と、恐れ入りますが、9ページに参りまして、12款公債費1、185億4、200万円余の一部44万円余と、13款諸支出金1項公営企業貸付金から3項公営企業負担金までのうち、1項公営企業貸付金と3項公営企業負担金の一部を除きます294億4、000万円余であり、合わせますと1、290億8、200万円余の予算額となっております。これを、前年度でございます平成22年度当初予算と比較いたしますと135億9、900万円余の増、率にいたしまして11.8%の増となっているところでございます。
 なお、後ほど予算科目ごとに御説明いたしますが、その増額分の主なものは、新規事業の子宮頸がん等ワクチン接種促進臨時特例事業費補助11億9、900万円余を初め、継続事業では、介護サービス施設等整備臨時特例事業費34億4、900万円余、周産期医療対策費11億300万円余、がん診療連携拠点病院整備推進支援事業費補助8億9、200万円余、介護業務従事者処遇改善等臨時特例事業費8億500万円余などの臨時特例基金事業のほか、老人福祉施設整備費12億6、000万円などの増でございます。
 また、この増額の主な理由といたしましては、先般議決をいただきました平成22年度2月補正予算等におきまして、今年度の国の補正予算等により措置されました各臨時特例交付金の追加交付等を受けまして、基金の造成または積み増しを行いました各臨時特例基金の事業実施に要する経費を計上したことによるものでございます。
 以上、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、お手元の予算に関する説明書の105ページをお開き願います。
 なお、金額の読み上げは省略し、主な事業を中心に御説明させていただきますので、御了承をお願いいたします。
 まず、3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費のうち、説明欄の上から7番目、社会福祉活動推進費は、社会福祉活動の育成、助長を図るため、民間社会福祉団体に対する助成を行うほか、岩手県地域福祉支援計画に基づき、住民参加と住民主体による生活支援の仕組みづくりなどの取り組みを支援しようとするものであります。次の生活福祉資金貸付事業推進費補助は、低所得世帯等に対する生活福祉資金の貸し付けと必要な相談援助を行うため、岩手県社会福祉協議会が行う生活福祉資金貸付事業の円滑な運営を支援しようとするものであります。また、下から3番目の福祉・介護人材確保対策事業費は、福祉、介護分野の人材の確保を進めるため、専門員による職場開拓や就業支援を行うほか、介護技術に関する研修等の取り組みを支援しようとするものであります。次の介護雇用プログラム推進事業費は、介護人材の育成、確保のため、介護施設等において働きながら介護福祉士の資格取得を目指す離職者や、介護福祉士養成施設で修学する介護施設職員の代替職員を雇用する介護雇用プログラムを実施しようとするものであります。106ページに参りまして、上から6番目、住宅手当緊急特別措置事業費は、住宅を喪失しました離職者等へ住宅手当を支給することにより、就職活動を支援しようとするものであります。
 2目障がい者福祉費に参りまして、中ほどのチャレンジド就労パワーアップ事業費は、障がい者就労支援事業費におけます工賃水準向上の取り組みなどの支援を行おうとするものであります。次に、その二つ下の障がい者不利益取扱解消支援等事業費は、障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例の制定を受けまして、障がい者に対する不利益な取り扱いに関する相談窓口を設置し、個別事案の解消に向けた支援を行いますとともに、障がいについての理解の促進に係る普及啓発などの取り組みを推進しようとするものであります。次に、下から4番目、障がい者支援施設等耐震化等整備事業費補助は、安全・安心な障がい者支援施設等の整備を促進するため、社会福祉法人等が行います入所施設の耐震改修等に要する経費を助成しようとするものであります。
 107ページに参りまして、3目老人福祉費のうち、上から3番目、老人福祉施設整備費は、社会福祉法人等が行います老人入所施設及び老人利用施設の整備等に要する経費に対して助成しようとするものであります。次に、上から10番目、認知症対策等総合支援事業費は、認知症への適切な対応を図るために、認知症疾患医療センターにおける専門的な医療機能を充実しますとともに、御本人や御家族への相談支援、かかりつけ医等を対象とした研修の実施など、総合的な認知症支援体制の構築を推進しようとするものであります。108ページに参りまして、上から2番目、介護業務従事者処遇改善等臨時特例事業費は、介護業務従事者の処遇の向上を図るため、賃金改善等を行います介護サービス事業者に対して介護業務従事者処遇改善交付金を交付するなど、事業者の取り組みを促進しようとするものであります。次に、介護サービス施設等整備臨時特例事業費は、地域の介護ニーズに対応して施設の整備促進を図るため、社会福祉法人等が行います地域密着型サービス事業所等の施設整備、スプリンクラー等の設備整備及び施設の耐震改修等の防災対策などに要する経費の助成を行おうとするものであります。
 110ページに参りまして、7目社会福祉施設費のやさわの園整備事業費は、障がい者支援施設の生活環境の充実を図るため、老朽化が著しいやさわの園の改築整備を行おうとするものであります。
 少しページを進んでいただきまして、114ページをお開き願います。3項児童福祉費1目児童福祉総務費のうち、上から10番目、保育対策等促進事業費は、保育所における一時保育、休日保育や病児、病後児保育などの保育対策や、地域の子育て支援拠点の設置等を支援しようとするものであります。次に、地域子育て活動推進事業費は、市町村が行う放課後児童クラブ等の児童健全育成のための取り組みを支援しようとするものであります。次に、下から5番目、児童養育支援ネットワーク事業費は、児童福祉施設を退所した児童の自立支援等を行うほか、児童虐待の未然防止や早期発見などに取り組むとともに、児童虐待防止対策の強化を図るため、職員研修や対応力向上のための体制強化に取り組もうとするものであります。次に、一番下の子育て支援対策臨時特例事業費は、市町村が行います保育所等の整備や地域の実情に応じた子育て支援活動に要する経費の助成等を行いますとともに、子育て中の親や子育て支援団体との交流等を目的としました、(仮称)子どもフェスティバルを開催しようとするものであります。115ページに参りまして、児童福祉施設耐震化等整備費補助は、安全・安心な児童福祉施設等の整備を促進するため、社会福祉法人等が行います入所施設の耐震改修等に要する経費を助成しようとするものであります。
 117ページに参りまして、4項生活保護費2目扶助費は、生活保護世帯に対する生活扶助などの給付に要する経費であります。
 恐れ入りますが120ページに参りまして、4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費の母子保健対策費は、特定不妊治療費助成や小児慢性特定疾患児等に対する医療給付、市町村が行う妊婦健康診査に要する経費の助成などを行うほか、高度医療を提供する総合周産期母子医療センター等の運営に要する経費の助成や、周産期医療情報ネットワークの拡充等により、周産期医療体制の充実に取り組もうとするものであります。次に、下から6番目、健康いわて21プラン推進事業費は、健康いわて21プランの推進により、生涯を通じた健康づくりを支援するため、地域保健と職域保健の連携、健康づくりの普及啓発及び最終評価のための県民生活習慣実態調査を行おうとするものであります。
 121ページに参りまして、3目予防費の上から3番目、特定疾患対策費は、パーキンソン病などの特定疾患、56疾患の患者に医療費の給付等を行おうとするものであります。次に、下から6番目、難病相談・支援センター運営費は、難病患者の療養生活の質の向上を図るため、難病相談支援センターを委託設置し、生活相談や就労支援などを行おうとするものであります。122ページに参りまして、肝炎総合対策推進事業費は、肝炎治療を効果的に推進するため、肝炎患者に対する医療費の助成を行いますほか、肝炎患者等が適切な治療を受けられるよう、地域肝炎治療コーディネーターの養成などを行おうとするものであります。次に、その二つ下の、子宮頸がん等ワクチン接種促進臨時特例事業費補助は、子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンの予防接種を促進するとともに、接種費用を全額公費負担とするため、市町村の事業実施に要する経費に対して助成しようとするものであります。
 4目精神保健費の上から6番目、精神科救急医療体制整備事業費は、精神障がい者の緊急時におけます適切な医療及び保護の機会を確保するため、精神科救急医療施設を指定しますとともに、精神科救急情報センターでの相談対応等を24時間化することにより、精神科救急医療体制の充実を図ろうとするものであります。次に、一番下の自殺対策緊急強化事業費は、相談支援体制の整備、人材養成、普及啓発など、緊急的な自殺対策に取り組もうとするものであります。
 5目高齢者保健費のうち、123ページに参りまして、がん・脳卒中対策事業費は、がん患者及び脳卒中患者の発症と経過に関する情報の疫学的分析等を行いますとともに、がん検診の受診率向上を図るため、がんに関する正しい知識や受診勧奨のための普及啓発を行おうとするものでございます。
 飛びまして、131ページをお開き願います。4項医薬費2目医務費、132ページに参りまして、上から4番目でございます医師確保対策費は、自治医科大学運営費負担金や、医学部進学者に対する修学資金の貸し付け、臨床研修医の確保、定着の促進、女性医師の就業支援、病院勤務医の勤務環境向上や処遇改善などの支援に取り組みますほか、中核病院の常勤医不在時に開業医が診療応援を行う取り組みの支援など、総合的な医師確保対策を行おうとするものであります。次に、救急医療対策費は、病院群輪番制病院や高度救命救急センターの運営費の助成などを行うほか、ドクターヘリの導入の促進や小児救急医療体制の整備、救急医療を行う病院の耐震化整備の支援などに取り組もうとするものであります。133ページに参りまして、がん対策推進費は、がん診療の均てん化を図るため、がん診療連携拠点病院が行います基盤整備や、釜石保健医療圏における中核的ながん診療拠点医療機関でございます県立釜石病院の放射線治療施設設備整備に要する経費に対して助成しようとするものであります。次に、下から3番目、地域医療・介護連携モデル推進事業費補助は、高齢者等が安心して生活できる地域医療、保健福祉体制の整備を促進するため、一関市が行います医療連携等の仕組みづくり、医療、介護従事者の資質向上等を図るための新たな取り組みに要する経費に対して助成しようとするものであります。3目保健師等指導管理費の看護職員確保対策費は、看護職員の確保、定着を図るため、看護職員養成施設の在学生への修学資金につきまして貸付枠の拡大等を図りますとともに、看護職員養成施設の運営費に対する助成、看護職員の早期離職を防止するための新人看護職員研修体制の整備など、総合的に取り組もうとするものでございます。134ページに参りまして、看護師等養成所施設整備費は、教育環境の充実を図るため、老朽化が著しい県立一関高等看護学院の移転整備を行おうとするものであります。
 次に、恐れ入りますが、ページを飛んでいただきまして、229ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金のうち、44万1、000円が当部の所管でございますが、これは、災害援護資金の借入金に係る償還元金であります。
 230ページに参りまして、13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金のうち、県立病院等事業会計運営資金貸付金は、県立病院等事業会計に対し、運営資金の貸し付けを行おうとするものであります。
 231ページに参りまして、2項公営企業出資金1目公営企業出資金の県立病院等事業会計出資金は、県立病院等事業に対して出資を行おうとするものであります。
 232ページに参りまして、3項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち、県立病院等事業会計負担金は、県立病院等事業会計に対して負担を行おうとするものであります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、議案その2のほうにお戻りいただきまして、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、保健福祉部所管の事業は、1番のやさわの園整備と2番の看護師等養成所施設整備の2件であります。いずれも施設整備に係る工事等が翌年度にわたることから、それぞれ期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 以上で一般会計についての説明を終わります。
 続きまして、議案第3号平成23年度岩手県母子寡婦福祉資金特別会計予算について御説明申し上げます。恐れ入りますが、便宜、予算に関する説明書により御説明をさせていただきます。
 恐れいますが、283ページをお開き願います。歳入と、284ページに参りますが歳出の予算総額は、それぞれ3億3、100万円余であります。
 285ページから290ページにかけましては歳入でありまして、一般会計からの繰入金、繰越金、諸収入及び県債であります。
 次に、291ページから293ページにかけてでございますが、歳出は、母子家庭及び寡婦の経済的自立、生活意欲の助長、児童福祉の増進などを図るために必要な資金の貸し付けに要する経費であります。
 以上で、母子寡婦福祉資金特別会計についての説明を終わります。
 続きまして、予算に関連する議案について御説明をいたします。
 恐れ入りますが、議案その3の63ページをお開き願います。議案第33号看護師養成所授業料等条例の一部を改正する条例について御説明いたします。
 この条例案は、保健師助産師看護師法の一部が改正され、看護師国家試験の受験資格を有する者として、文部科学大臣の指定した大学を卒業した者が明記されたため、同法を引用しております転入学者に係る授業料の納付方法の規定について、所要の整備をしようとするものでございます。
 次に、66ページをお開き願います。議案第35号看護職員修学資金貸付条例の一部を改正する条例であります。
 この条例案は、看護職員修学資金の貸し付け及び償還免除等の対象となる施設の範囲を拡大する等、所要の改正をしようとするものであります。
 具体的には、まず、第2条第1項第4号におきまして、対象施設に貸し付け及び償還免除等の対象となる施設について、これまで病床数が200床未満の病院としていたものを500床未満とするほか、看護職員養成施設などを加えるものであります。これは、県内全体において看護職員が不足している状況にありますことから、貸し付け及び償還免除等の対象となる施設を拡大することで、看護職員の確保、定着を促進しようとするものであります。
 次に、67ページから68ページにかけての第10条第1項第1号におきましては、新たに対象施設に加える病床数200床以上500床未満の病院について、引き続き看護職員の業務に従事した期間の月数に9分の5を乗じて得た期間を、償還猶予及び免除の要件とする期間とするものであります。これは、特に病床数200床未満の病院等において、看護職員不足がより大きい状況にありますことから、償還免除となるための業務に従事する期間について差を設け、病床数200床未満の病院等は5年としているところを、新たに対象施設に加える病床数200床以上500床未満の病院は9年としようとするものであります。その他の改正内容につきましては、保健師助産師看護師法の一部改正等に伴う所要の整備を行おうとするものでございます。
 なお、先ほど子宮頸がん等ワクチン接種促進臨時特例事業費補助について御説明申し上げたところでございますが、3月4日22時に厚生労働省から、小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチンを含むワクチン同時接種後の死亡例が、3月2日から3月4日までに4例報告があったことから、当該ワクチンの接種を一時的に見合わせるよう連絡があったところでございます。これを受けまして、本県といたしまして、直ちに全市町村、岩手県医師会等関係機関に対し、電話、ファクス等で情報提供し、国の結論が出るまでの間、当該ワクチンの接種を一時的に見合わせるよう要請いたしました。また、現時点で、県内におきましては、ワクチン接種によります健康被害の情報は入っていないところであります。
 なお、国におきましては、早急に専門家による会議を開催し、詳細な検討を実施すると聞いているところでありまして、県としては、引き続き、国からの情報収集を行いますとともに、必要な情報を県民の皆様及び関係機関に提供していきたいと考えております。
 以上で保健福祉部関係の議案の説明を終わります。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
〇五日市王委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の質疑時間が長時間─おおむね30分に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇喜多正敏委員 私は予算に関する説明書の108ページ、老人福祉費の介護サービス施設等整備臨時特例事業費についてお伺いします。
 この中で消火設備等対策事業が予算計上されておりますけれども、この事業の内容について、少し具体的にお伺いしたいと思います。
 対象施設数と、今年度、この事業によりまして補助、助成がなされる対象は何施設と考えておられるか。また、補助内容、補助は定額となっておりますが、補助対象の中身と補助額、想定される結果としての補助率はどの程度になるか、お伺いしたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 介護サービス施設等整備臨時特例事業費の対象施設数についてまずお答えいたします。
 この事業につきましては、三つの事業から構成されております。まず、介護サービス施設等整備特別対策事業費補助についてでございますが、これらは平成23年度に、小規模特別養護老人ホームあるいは小規模多機能施設、認知症グループホーム等、合計68カ所への補助を見込んでいるところでございます。
 二つ目の老人福祉施設等消火設備整備特別対策事業費補助についてでございますが、こちらは特別養護老人ホームあるいは認知症グループホーム等、合計99カ所を補助対象として見込んでおります。
 三つ目は、こちらは23年度の新規事業になりますが、認知症高齢者グループホーム等防災改修等特別対策事業費補助についてでございますが、こちらにつきましては認知症グループホームあるいは特別養護老人ホーム等、10カ所の補助を見込んでいるものでございます。
 それから、ちょっと前後するかもしれませんが、これらの事業内容についてでございますが、まず、介護サービス施設等の関係の特別事業費ですが、これは、市町村が整備を進めております小規模特別養護老人ホームや認知症グループホーム、小規模多機能型居宅介護事業所等への地域密着型サービス拠点の整備に助成するものでございます。これらは、例えば特別養護老人ホームでございますと、定員1人当たり400万円の補助を見込んでおります。それぞれ補助の内訳は詳細はございますけれども定額でございます。
 続きまして、老人福祉施設等の消火設備等の補助の関係ですが、こちらにつきましては平成23年度末までに設置が義務化されましたスプリンクラーの設置につきまして、特別養護老人ホームや認知症グループホーム等に補助を行うものでございます。特別養護老人ホーム等1、000平米以上の平屋建ての施設につきましては、1平米当たり1万7、000円、それから275平米から1、000平米までのグループホーム等につきましては、平米単価9、000円の補助ということになってございます。
 それから、平成23年度新規の認知症グループホーム等の防災改修関係の補助でございますが、認知症グループホームの防災改修等の支援につきましては、老朽化した施設の改修等々でございますが、1、300万円の範囲内で知事が定めるということにされております。また、認知症グループホームにつきましては、650万円の範囲内ということでございますが、これらは補助対象の施設の見込みを現在市町村を通じて調査しておりますので、それらの所要見込み、施設数等の概要が把握された時点で、補助要綱等で単価を設定していく必要があるものと考えております。
 それから、既存の特別養護老人ホーム等のユニット化改修への補助もございます。個室からユニット化にする改修につきましては、定員1床当たり100万円、それから多床室からユニット化にする場合は200万円というような補助単価となっております。
 主な補助等の内容については、以上のような内容になっております。
〇喜多正敏委員 この事業によって、例えばスプリンクラーは平成23年度末ということでもあるわけでありますけれども、必要と思われる施設において、今回の事業でどの程度カバーをされていくものか。例えば、まだまだ整備が必要なものかということについて、その課題とこれからの対策についてのお考えと、それから、こうした施設に対しては在宅ということが非常に言われているわけでありますけれども、私は、往時、非常に家族数の多い時代にあっての考え方としては成り立つと。しかしながら、実際問題としては少子高齢化で、老老とか独居老人ということで実際家族が少なくなって、介護はしたいんだけれども、介護をすることよって仕事をやめなければならないとか健康を害するとか、いろいろな問題も発生をしているということで、従来の在宅はもちろん大事でありまして、ふるさとで暮らしたい、家族とともに暮らしたいということはもちろんそのとおりでありますけれども、物理的に、現実的に難しくなってきているのも一方であるのではないかと思っております。
 滝沢村においても、ニュータウンがシルバータウンになって、今後どうなるだろうかという思いもあるわけでありますけれども、そうしたことも加味をしながら、介護、医療について考えていかなければならないという思いもあるんですけれども、部長の所見をお伺いしたいと思います。
〇千葉保健福祉部長 私どもといたしましても、今、委員からお話があったとおりでございまして、やはり在宅サービスの推進、これは引き続き図っていく必要があると思っております。しかしながら、いわゆるひとり暮らしの高齢者、あるいは高齢者2人のみの世帯というのがふえてきている実情にありまして、なかなかそういう世帯におきましては在宅でということは難しくなってきているかと思います。また、認知症高齢者等もふえてまいっていますので、そういう意味で、一定の施設サービスというものは引き続き整備していかなければならないと考えております。特にも、地域密着型でございますけれども、これはまさに一つの施設で訪問あるいは通所あるいは一時的な宿泊みたいな、すべてでワンセットというような施設でございますので、このような施設等の整備も進めていく必要があると思っております。
 また、先般の本会議で御答弁いたしましたように、特別養護老人ホームにつきましても、今後、将来的にどの程度必要かという調査についても県立大学とやっておりますが、それらの調査結果を踏まえながら、特養等の整備もこれはやっていく必要があると思っております。
 現在の課題といたしまして、特に介護サービス施設等整備臨時特例基金、これを現在原資としてこの事業は進めておりますので、御案内のとおり、この事業実施期間は平成23年度までとなっておりまして、この先が見えないということになっております。
 いずれ、この介護基盤の整備あるいは今回非常に重点化されてきました防災改修の支援と、これにつきましては基金の設置期限後も継続的に取り組んでいく必要があると考えておりますので、平成24年度以降について、ぜひ恒久的な措置として、継続的な措置として支援が継続されるよう、国に対して要望していきたいと考えているところでございます。
〇喜多正敏委員 ぜひ、そのようなことで国に対しても必要な提言をしつつも、大学の先生とか、間接的な専門家と言われるような方々のみならず、現場で実際に介護をしている、家族を抱えている、そうした人たちの生の声を聞いて計画づくりに反映をしていっていただきたい。
 それから先ほどお伺いしたのは、対象件数はわかりましたけれども、この事業によって防災とかが解消されるのか。スプリンクラーのほうはこれで全部解消されるということなのでしょうか、そのあたりをお伺いしたいんですが。
〇岡村長寿社会課総括課長 スプリンクラー関係でございますが、消火設備の設置につきましては、対象となります義務設置になる施設99カ所すべてを予算計上しているものでございます。
 それから、小規模の特別養護老人ホームでございますとか認知症グループホーム、小規模多機能事業所等、これらにつきましても、市町村から平成23年度の事業計画があるものすべてについて、予算計上をして対応できるものと考えているものでございます。
〇佐々木大和委員 保健福祉部においては、まさに保健、医療、福祉─県民生活の本当に大きな部分を占める分野を担当して、また、県民の健康管理とか人材育成、施設までやっておられて、本当に広範な活動をしていることに、その御尽力に敬意を表したいと思います。
 私のほうからは、その中で子育て支援のところをお伺いさせてもらいます。
 最近のデフレスパイラルが続く中で、若い子育て世代の方々が経済的な理由が一番多いようでありますけれども、子育てに対する負担が大きくなっているということから、その応援を求めている声がよく聞かれるようになってまいりました。そして、そういう中で、次代を担う子供たちを社会全体で応援していくというようなことから、今、政府で始まった子ども手当制度が創設されておりますが、この子ども手当制度の支給状況はどうなっているか、お伺いしたいと思います。
〇奥寺児童家庭課総括課長 子ども手当のお尋ねでございますけれども、子ども手当は、昨年の4月から、次代の社会を担う子供の健やかな育ちを支援することを目的として創設されたものでございますが、本県の今年度における子ども手当の支給状況につきましては、総支給額が201億183万5、000円、月平均の支給児童数は約15万4、000人となっております。
〇佐々木大和委員 15万人に支給されている子ども手当、いろいろ制度が変わってきてなかなか大変だと思いますが、安定的にぜひこれは考えなければならない課題だと思います。
 続けます。こういう中で、子育て支援のあり方なんですけれども、保健福祉部にかかわる分野で特に保育所の増設、保育所への入所がなかなか大変になってきているという声もよく聞かれるようになってまいりました。そこで、保育所の新設とかあるいは入所の定員をふやすというようなことが必要に迫られていると思うんですけれども、来年度の保育所の整備状況と定員増の状況についてお伺いいたします。
〇奥寺児童家庭課総括課長 来年度における保育所整備に関するお尋ねでございます。
 来年度の保育所整備に伴う定員増の状況でございますが、近年の保育ニーズの増大等に対応しまして、県としても保育所の整備を集中的、重点的に実施することが必要と考えておりまして、平成23年度におきましては、国の交付金により造成した子育て支援対策臨時特例基金を活用しまして、10市町で13保育所の整備を行い、保育所の定員を380人拡大する予定としております。
〇佐々木大和委員 380人の増ということでありますし、ぜひこの辺はしっかり応援してもらいたいと思います。
 今、幼保一元化を進めて認定こども園がいよいよスタートすると。岩泉のほうでも4月からスタートする予定になっておりますけれども、そういう中で、幼稚園もありますけれども、やはり保育所の必要性というのは欠かされないものがあると思いますので、ぜひ若い世代の支援の大事な施策として進めていただきたいと思います。
 それに加えて、小学校入学後の放課後の主な生活の場となる放課後児童クラブでありますけれども、先ほどの説明にもありましたが、保育所の入所児童の増加に伴って、放課後児童クラブの必要性も必然的にこれはふえていっているのではないかと、そういうように考えますけれども、来年度の放課後児童クラブの整備予定はどうなっているのか、お伺いします。
〇奥寺児童家庭課総括課長 放課後児童クラブの整備予定についてでございますが、就労などにより、日中、保護者が不在となる児童の健全な育成を図るためクラブの設置を促進してございまして、平成23年度におきましては、4市町村で6クラブの整備を行い、利用児童数として約60人増加する予定となってございます。
〇佐々木大和委員 それぞれ増加していくわけでございますので、そういう意味で一層の努力を求めたいと思いますが、実は全国の消費実態調査というのが5年に1回行われていまして、その報告書が手元に届いてございますけれども、そういう中で、2人以上の世帯でライフステージが想定されていまして、第2ステージというのが、夫婦と子供2人の世帯が一つのモデルになっているわけですけれども、ここの段階でいけば、一番消費支出の多いところが保健医療になってきているわけであります。そういうところで、子育て、出産に関して、生活消費支出が多い世代がここにあると。ここがなかなか大変なんだということが言われているわけでございますので、そういう意味で、ぜひこれをまたしっかりとした施策を持って進めてもらいたいと思います。
 それぞれのライフステージの中で、第4ステージというのがあります。これは60歳以上の夫婦のみということになるわけですけれども、こういうところにいったときに、消費性向が107%という実態が示されております。この消費性向というのは、可処分所得と消費支出との比較なわけでございますけれども、可処分所得よりも消費支出のほうが多いというので107%になるわけですけれども、第1ステージ、若い2人だけの家庭だと67%、第2ステージで75%、第3ステージも75%ぐらいになっているんですが、60歳以上の今回の調査の結果で、岩手県の部分が推定されたのが107%ということになって、大変お年寄りの生活が苦しくなっているという実態が示されたのではないかと思っておりますが、そういう中で、年金生活者の生活状況というのはどういう把握をされているのか、お伺いいたしたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 年金生活者の生活状況についてのお尋ねでございますが、年金につきましては、高齢期における所得の確保を支援する必要不可欠な制度であると言われております。県内でも、高齢化が進みまして、4分の1以上の方が老齢年金等の受給を受けているものと思われます。しかしながら、県のほうでは、年金生活者の生活状況についての調査、その詳細の把握等といったことは現在のところいたしておりません。
〇佐々木大和委員 なかなか各分野にまたがるものだから大変だと思うんですけれども、どこかでそういう調整をしながら、実態を把握しながら、このような支援をどこでやるのかなかなか難しいんですが、やってもらいたいと思います。
 さっきの認定こども園も、結局、幼稚園は教育委員会、そして保育所は保健福祉部、新しくできる認定こども園は総務部と、なかなかわかりにくいですね。それで、実態を把握しにくいというのが出てくるんだろうと思います。老人福祉もそうですけれども、非常にそういう分野で、社会的なニーズが県の部局を横断するような内容に変わってきているのではないかと、その辺は部長の方でぜひ検討をしていただきたいと思います。
 あわせてちょっと聞きたいんですが、保健福祉部の予算が年々増嵩傾向にあるというのは今の実態で見えてきているわけですが、大体社会的に少子高齢化になってそういうことにいくんだなというのは想定をしておりますけれども、そういう中で、予算が増加した具体的要因は何なのか、そして、このような形でいった場合に、国の制度と連動しているものがかなり多いわけですけれども、そこに加えて、県の自主財源にどんな影響を今与えてきているのか、どんな影響を及ぼしてくるのか、そのことについてお伺いしたいと思います。
〇千葉保健福祉部長 当部の予算の増嵩傾向ですが、先ほど、冒頭御説明申し上げましたとおり、平成22年度当初予算と比較しますと135億9、900万円余、率にして11.8%伸びているところでございます。この主なものといたしましては、これも先ほど御説明いたしましたが、各種基金を県の方で設置いたしまして、国の交付金を活用して、取り崩して事業実施するということが今年度大宗を占めておりますが、それ以外のいわゆる制度的に、継続的にございます社会保障制度的なものについて申しますと、一般財源ベースで見ますと、前年対比で約30億円ふえております。率にいたしまして3.6%です。
 具体的にどういうものがふえているかと申しますと、それぞれ国の社会保障制度の中で、県の財政負担の率等が定められているものでございますけれども、介護給付費等負担金が約9億3、500万円、あと後期高齢者療養給付費負担金が約7億9、600万円、障がい者介護給付費等負担金が約2億9、300万円など、そういうものが増嵩しているところでございます。これらの事業につきましては、国の社会福祉制度の中で県の財政負担につきましては、御案内のとおり、地方財政計画の中でマクロには算入されておりまして、それらのもとに財源措置されておりますけれども、県の状況におきましては、いわゆる一般財源として県税などの自主財源、それに加えまして、地方財政措置がされているということで交付税等が充当されまして所要額を確保しているという状況にございます。
〇佐々木大和委員 財政状況が厳しくなっていく傾向なわけですけれども、そういう中にあっても、行政的な役割を考えれば、当部のやらなければならない必然性はかなり高いということで進んできているんだろうと思うんですが、例えば県土整備部それから農林水産部等の予算を見ていますと、10年前に比べて半分以下のところまで来ているという状況もありますし、非常にそういう意味では、財源問題がこれから生まれてくるんだろうなということを考えてさっきの質問をさせてもらいましたけれども、いずれ、県のほうでも、これから多分10年前の予算のときとの各部間のバランスが崩れてきているような状態があると、要するに硬直化してきているのではないかと、そういう心配をしますので、必要な財源の確保について、ぜひいろんな意味で他部との連携の中で、ここで言うのではないかもしれませんが、部長もぜひ認識の上で今後の予算対応をしていただきたい、そういうことを要望しておきたいと思います。終わります。
〇千葉保健福祉部長 今の御指摘は非常に重要な課題だと私どもも考えております。また来年度からいわて県民計画の次期アクションプラン、また4年間策定し、その計画に基づいてさまざまな施策を進めていくわけでございますが、特に政策実施の裏づけとなります中期的な財政の見通しもその中で検討されるものと考えておりますので、関係部局と十分議論しながら、検討を進めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 大きく3点について伺います。
 第1点目は、医療政策を担う責任体制を明確化した組織形成についてでございます。
 さきの代表質問で、この点について御提案を含めて質問をいたしましたところ、この種の質問は今まで三、四回やっておったわけですが、なかなか前に進んだ答弁ではありませんでしたけれども、今回、これは将来的な医療局と保健福祉部との関係も視野に入れながら医師確保に向けた組織のあり方について検討をすると、これは明らかに明言をされた答弁が出てきたわけでございます。
 その答弁を踏まえて、まず1点目は、現在置かれている医師支援推進室の拡充、それと発展をどのようにお考えでしょうか、お知らせを願います。
 それから、医療局と保健福祉部の一元的な管理体制の─まだそこまでは行っていないと思いますけれども、どのような移行のスケジュールというか、考え方になっているのか。
 平成28年度以降においては養成医師の配置が本格化するということで、ある意味、期限を定めた方針が定められたと理解をしていますが、その点も含めて御答弁をいただきたいと思います。
〇根子副部長兼保健福祉企画室長 医師支援推進室の拡充というお話でございましたけれども、保健福祉部と医療局の共管組織であります医師支援推進室でございますけれども、前身の医師確保対策室を平成18年9月に設置しまして、21年4月から現在の医師支援推進室となっております。
 その業務内容といたしましては三つ大きなものがございまして、一つが、外部からの医師の招聘、それから臨床研修医の受け入れの支援、それから勤務医の定着支援と、三つ大きな業務があるわけですけれども、一方、先ほど委員からもお話があったように、医師確保対策の一環として奨学金制度を充実してきております。現在、奨学金制度により養成している医師につきましては、これまで貸付枠の拡充の結果により、順次増加するという見込みになっております。
 県としましては、こうした養成医師の配置に関しまして、医師のキャリア形成、それから地域医療の確保のバランスに配慮しながら、計画的な配置、派遣等に対応したマネジメントを行う組織が必要だと考えておりまして、そうした組織のあり方について議論を深める中で、現在の医師支援推進室の拡充について検討してまいりたいと考えております。
 それから、移行についてのスケジュールというようなお話でございますけれども、医療局と保健福祉部の一元的管理体制の移行スケジュールということになりますけれども、先ほど答弁しましたとおり、今後、奨学金制度により養成した医師については、平成24年度ごろから順次、配置が拡大するという予定でございまして、医療機関への配置が本格化するのが、委員からもお話がありましたように平成28年度となっておりまして、ここから毎年50名を超える医師の配置を検討しなければいけないという状況になります。県としては、その時期が一つの目安かなと考えておりますので、そうした時期までに、養成医師の配置調整を行うシステムを構築するということが必要だと考えておりますので、そうした検討の中において、医師支援推進室のあり方を含めた一元的な管理体制の組織のあり方についても、検討を進めていく必要があると考えているところでございます。
〇飯澤匡委員 大体意味するところは理解をいたしました。それで、マネジメントする組織が必要であるということで、検討し始めているという御答弁でありました。
 もう一つ、角度を変えて付言させていただきますと、医師の計画的な配置また派遣の調整というのは、行政だけではなく、医師会との連携というのもこれは必要不可欠だと思っております。イギリスやドイツなどでも医師不足、また、救急体制が崩壊をしたということで、まず最初に動いたのは、行政よりも医師会であるというテレビの報道番組を見まして、医師会が需給調整までしておると。ただ、日本の場合、そこまでできるかどうかというのはかなり疑問符がつくわけですが、これは行政だけのマネジメントではなくて、やはり医師会との連絡調整というのも不可欠だと思うわけでございまして、その点についてどのような現在のところの考え方であるか、お示しをいただきたいと思います。
〇根子副部長兼保健福祉企画室長 医師の配置や派遣に係ります医師会との連携でございますけれども、奨学金による医師の配置が本格化するといった場合でも、専攻する診療科に偏在が生じるといったような可能性もあるかと思います。そうすると、県内の各圏域の基幹病院で標榜している診療科に、すべて医師を配置することが困難な場合が生じることが考えられます。このため、養成した医師の配置に当たりましては、各地域の医療資源の状況など、地域の実情を踏まえたニーズをもとに調整を進めていくとともに、配置が困難な診療科等については、やっぱり地域の病院とか診療所と連携しながら医療提供体制を確保していくということが当然必要になってくるのではないかと思っておりますので、そうした取り組みの中では、地元医師会はやっぱり重要な関係にあると思いますので、医師会を初めとした関係機関と連携をしていく必要があると思いますので、そういった医師の配置、派遣の調整については、医師会との連携も十分考慮してまいりたいと思っております。
〇飯澤匡委員 まさにそこがマネジメントできるかどうか一つのかぎになるわけですよね。これは一定線踏み込んで、その需給体制を、診療を標榜、今の制度上でいけば全国どこでもできるわけですから、それを踏み越えてでもできるかどうかというと、これは大きな壁があるかと思います。そこを我が県の地域医療を守るという観点から、できるかどうかというのはこれは大きな決断と実行が必要なわけでございまして、その点、こういうマネジメントをする組織の立ち上げ、この立ち上げからやはりさまざまな関係機関との調整を図りながら、まず第一歩としてやっていただきたいと思っております。
 次の質問に移ります。地域包括支援センターの充実についてお伺いします。
 このたび、来年度予算は骨格予算ですが、地域包括支援センターを包含した医療と介護の連携の仕組みづくり、介護従事者等の資質向上など、一関市では市独自に取り組むこととして、県では補助事業を盛り込んでいただいております。一関市からの具体的な中身として、県にどのような助力を要請されているのか。それから、県と一関市が、今、県のほうから保健福祉部長が来ていただいているわけですが、どのような連携のもとにこれからこの補助事業を使って進めようとしているのか、その点について、今の一関市が考えていること、県が考えていること、それらを明らかにしてほしいと思います。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 一関市に対する補助事業についてでございますが、一関市の取り組みは、地域の医療資源を有効活用した医療連携体制の構築と、これに地域包括支援センター等の介護サービス提供体制が連結をし、医療と介護の連携を推進することを目的とするもので、特にも医療依存度の高い要介護高齢者の増加に対応した地域医療、介護連携の推進を目指すこととしております。来年度以降、5カ年の全体構想のもと、来年度はこのような連携の具体化を図るための医療、介護関係者等で構成される協議組織の設置、また、介護関係職員の医療的ケアに関する研修会の開催、医療、介護関係者や住民を対象とした実態調査等を計画しており、現在、市においてその準備を進めているところと承知しております。
 この取り組みに対し、県としては、まず、県内における一つの先進的連携モデルと位置づけ財政支援を行うこととし、当初予算において補助事業費を計上したところでありますが、一関市では、医師修学資金貸付制度の創設や地域医療を守り育てる市民フォーラムの開催等、市として本格的な医療施策の取り組みに着手したところでもあります。
 今後の事業展開に当たりましては、医療行政にかかわる県の専門的な支援協力も求められるものと考えております。
 このことから、県といたしましても、保健所とともに積極的に同市との連携を図り、医療機関相互の連携の仕組みづくりなどを支援していきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 もう一回、問題部分に焦点を当てて聞きますが、県としても一つの先進的な連携モデルとして構築をしたいというような言葉が、この間の答弁で出ました。その二次展開、三次展開を図る意味において、県が最も関心を持って進めたい、助力をしたいという部分について、もう一度明らかにしていただきたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 県の先進的連携モデルとしての期待でございますが、一関市では、市町村合併を経て、両磐保健医療圏の相当程度を占める広大な面積を有し、市内には急性期医療を担う県立磐井病院を初めとする公立、民間立病院が各地に設置されている状況にあるところでございます。
 同市では、このような特性を踏まえ、地域の高齢者等が、急性期、回復期、維持期において適切に医療を受けられ、また、必要な介護サービスを受けながら、自宅や地域で安心して生活できる地域医療、保健福祉体制の整備を関係者と進めていくこととしているものであり、この取り組みを通じて、同一市内において、身近な地域ごとに、さまざまな連携モデルが構築されていくことが見込まれるなど、先進的取り組みとしての期待が大きいものと考えております。
 このような取り組み成果は、今後、他の保健医療圏において、特にも面積が広く、管内市町村の合併が進展した圏域等における医療、介護の連携の仕組みづくりに広く役立つものと考えられ、県としては、今後、他の圏域への波及も念頭に置きながら、一関市の取り組みを支援していきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 積極的な姿勢で評価いたしたいと思います。これから、県のノウハウの蓄積を生かした人的資源、切れ目のない配置も含めて、多角的、なおかつ、やはりモデルとなるようなこの取り組みについて、県内外に発信できるように、ぜひとも積極的な取り組みを期待したいと思います。
 最後になりますが、地域医療の確保についてお伺いします。
 まず、1点目は、県民みんなで支える岩手の地域医療推進会議が立ち上がったわけですが、県民に対して、医療のかかり方、いろいろな広報活動をしているわけです。その効果について、どのように検証なされているか、成果と課題をあわせてお示しいただきたい。
 まとめてお伺いします。
 ただいまの2問目の質問に関連するわけですが、現在、二次医療圏ごとに医療を完結するという概念で進んでおるわけです。一方、先ほど御紹介がありましたように、一関市のように、中山間地帯、そして旧一関市のような市街地を抱える地帯、その都市の、まちの形成が非常に多様になっているという状況において、特に私の住んでいる東磐井地区においては、地域病院群、今度、藤沢町民病院が一関市民病院になるということで、独自の地域医療の確保に向けた、いわゆるこれはドクター、院長先生同士が、そういう進化をした取り組みをしたいというようなプロポーザルがございました。その目的は、特養の連携を含めた医療と福祉が連携して、言うなれば、みとりまでというような崇高な理念であり、これは、大変評価すべきものと考えます。県は、そのような考え方についてどのような所見をお持ちなのか。
 2問目の質問に関連しますが、また、私は、院長方のモチベーションを高めるためにも、県として何らかの目に見える形の支援が必要と考えますが、いかがでしょうか、御所見をお伺いします。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 まず、1点目の県民みんなで支える岩手の地域医療推進会議の成果と課題についてでございます。
 この運動では、県民も医療の担い手であるという意識を持って地域医療を支えていくという新たな視点で、構成団体が一体となって、全県的なレベルでの広報事業、また、地域レベルでの意識啓発活動などを行ってきたところでございます。
 こうした取り組みと相まって、地域医療を守り、支えるための住民による自主的な活動、一関市千厩地域の朝顔のたねでありますとか、山田町の取り組みなど、県内各地に広がってきているところでございます。
 また、昨年11月に実施いたしました医療と健康に関する県民意識調査では、平成20年度に実施いたしました同調査と比較いたしまして、大病院志向の改善や医療機関の役割分担の認知度の高まりが見られたほか、県立病院における救急患者が減少にあることなどから、県民の意識や行動に変化の兆しが出てきたのではないかと考えております。
 しかしながら、同調査によりますと、普及活動についての認知については約半数にとどまっておるほか、地域の医療は地域住民みんなで支えるという考え方の認識などについては、大きな変化は見られず、県民の医療に対する意識の高まりはまだ途上であり、継続した取り組みも必要と考えております。
 こうしたことから、平成23年度は、これまでの取り組みを継続するとともに、住民や市町村独自の活動を支援するなど、地域の実情に即した取り組みをさらに展開していきたいと考えております。
〇千葉保健福祉部長 地域医療を進化させた取り組みについてでありますけれども、委員御指摘のとおり、県の保健医療計画に基づき、医療につきましては二次保健医療圏で完結、提供体制の確立を目指しているところでございますが、医療のみならず、介護、福祉と連携して、みとりまで行う体制が望ましい姿であるということは、私たちも考えているところでございます。
 こうした体制を構築していくためにはでございますが、両磐保健医療圏など圏域が広大な地域におきましては、その圏域内での、一定の地域内での医療相互間、あるいは医療と介護、福祉の連携が深められていくことも重要であると考えているところでございます。
 先ほど医療推進課総括課長から申し上げたとおりでございますけれども、来年度から、一関市においては、新たな医療と介護の連携体制づくりに市独自で取り組むこととしておりまして、県としても、さまざまな支援をしているところでございます。
 東磐井地区におけます医療関係者の新たな提案につきましては、私もその提案を行うということについては承知しておりますが、ちょっとまだ、実はその詳細については、残念ながら把握しておりません。いずれ、この新たな提案につきましても、市のそのような今後の取り組みの中で、当然、議論の対象になっていくものと考えておりますので、県としても、その議論に参画していきたい、そのような中から、県として具体的に何ができるかについても考えていきたいと考えているところでございます。
〇飯澤匡委員 最後にしますが、県民みんなで支える岩手の地域医療推進会議、ある程度、啓発の一つのきっかけにはなっているわけですが、医療関係者から聞きますと、特に、田舎の御老人が、簡単に大病院に行かないようにという話を聞きますと、まじめな方が多いですから、我慢をして、なかなか病院に行かなくて悪化をするというケースも、ドクターが診療すると、問診の中で出てくるという話も出てきます。ああいう負のスパイラルを前面に押し出していきますと、どうも誤解を招く部分がありますから、これは、よほど気をつけた啓発活動をしなければならないということを、1点押さえていただきたいと思います。
 それから、いろいろな取り組みがこれから多角的に進んでいくと思います。特に、地域医療をどうにかして守っていきたいという思い、行動が既に出ておりますので、県としても、二次医療圏の完結という一つの概念にとらわれず、いろいろな取り組みについて、機動的に、また柔軟に対応できる形を模索していただきたいと思います。
 医師の招聘、そして地域医療の確保について、大分前向きな姿勢が感じられますので、これから、いろいろな場面でタイムリーな施策を展開できるようにお願いして、質問を閉じたいと思います。よろしくお願いします。
〇高橋元委員 私は、がん対策を含めて、大きく分けて3点お尋ねしたいと思います。
 まず最初に、岩手県がん対策推進計画の進捗状況等についてお尋ねしたいと思います。
 この計画の中に平成22年度を目標年次とする項目が幾つかあるわけでありますが、その項目の数値目標の達成見込みというものはどういう状況か。それから、それらを受けて、目標未達の項目、あるいはそれらについてどのように問題、課題を分析しているのか。平成23年度以降はどのような対応を検討されているのか。まず、その点をお尋ねしたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 がん対策推進計画の平成22年度数値目標の状況についてでありますが、計画では29の指標を設定しており、このうち、平成22年度を目標年次とする項目は12項目となっており、その多くはがん予防に関する項目となっております。
 このがん予防に関する九つの項目のうち、20から40歳代の1日当たりの平均脂肪エネルギー比率の減少や、喫煙の及ぼす健康影響についての普及啓発については目標を達成したものの、成人喫煙率の減少や公的施設及び企業、事業所における受動喫煙防止対策の推進など七つの項目については、目標値に届いていない状況となっております。
 これらの目標未達成の項目の課題と平成23年度以降の対応についてでありますが、例えば、成人喫煙率の減少については、総数20%未満の目標に対して、平成21年度現在21.8%にとどまっているほか、企業、事業所分煙化については、100%の目標に対して、平成21年度現在54.2%にとどまっているなど、県民や事業者等への普及啓発が進んでいないなどの課題があると認識しております。
 このため、平成23年度以降も市町村と連携をしながら、女性をターゲットとした禁煙支援やたばこと健康に関する普及啓発などにより、民間事業者や県民への働きかけを強めていくこととしております。
 また、がん医療の分野に関しましては、すべての二次医療圏にがん診療連携拠点病院を整備することを目標としており、平成18年度の2圏域から、平成22年度現在、8圏域まで整備が進んでおります。しかしながら、目標の9圏域には至っていないところであります。
 現在、地域がん診療連携拠点病院がない釜石圏域において、県立釜石病院を当該拠点病院に指定するため、放射線治療施設を平成23年度中に整備することとしており、平成24年度の目標達成に向けて取り組んでいるところでございます。
〇高橋元委員 がん予防の分野についての取り組み、なかなかこれも難しいところでありますが、いろいろ御苦労されて取り組まれているというお話も聞いております。他県の先進事例等もぜひ参考にしながら、目標数値に向けて今後も強力に取り組んでいただきたい、このように思うところでございます。
 二つ目に、平成24年度の目標数値というものも掲げているわけであります。残すところ平成23年、24年、あと2年ということであります。このところの平成24年度目標とした項目の見通しについて、まず、お尋ねしたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 平成24年度を目標年次とする項目は15項目となっており、がん検診及びがん医療に関する指標が中心となっております。
 これらの指標の進捗状況と見通しについては、分野別に主なもので御説明いたしますと、まず、がんの早期発見の分野におけるがん検診受診率では、主要な五つのがんの検診率50%の目標に対して、一番高い胃がんについても、平成19年度現在33.5%にとどまっている状況であることから、目標の達成に向けて、市町村や関係団体と連携しながら、民間事業者や県民への働きかけをさらに進めていく必要があると考えているところでございます。
 このほか、がん医療などの分野では、すべてのがん診療連携拠点病院等における地域連携クリティカルパスの整備やキャンサーボードの整備を初め、10項目の数値目標を掲げております。このうち、平成22年度現在、すべての圏域に緩和ケアチームの設置など2項目が目標達成しており、また、未達成の8項目についても、今後の県立釜石病院のがん医療機能の強化に伴い、平成24年度に目標をおおむね達成できる見込みと考えております。
 県といたしましては、引き続き、目標の達成に向けて、県立釜石病院の施設整備やがん診療に従事する医師への緩和ケア研修の実施など、平成24年度の目標達成に向けて、がん対策の推進に取り組んでまいります。
〇高橋元委員 がんの早期発見に向けまして、検診の受診率向上というのは一番大事なんですが、その受診率が余り思わしくないと。特にも平成18年でしたか、メタボ健診の導入で、これとがん検診と混同されるというか、そういうことがあって低下したのではないかという話もあるわけでありますが、このがん検診の受診率向上に向けた取り組みということで、先ほども若干説明があったんですけれども、がんを発症するメカメカニズムというのでしょうか、その辺のところも普及をしたいという説明だったような気がするんですが、その辺をもう少し詳しくお尋ねしたいと思います。
〇立花健康国保課総括課長 がん検診受診率の向上に関する取り組みについてでございますけれども、まず、検診受診率が向上しないというのは、県民の方々が、どうしても受診するという行動に結びついていかないということがございます。それをよく見ますと、がんに関する正しい知識や検診によるがんの早期発見の重要性、そういったところをまだ十分認識していない方々が多いというような状況にあると認識しておりまして、そういった啓発活動が重要ではないかと考えております。
 このため、私どもは、がん検診の受診勧奨のテレビCMを放映したりとか、あるいは乳がんの啓発であるピンクリボンフェスタを民間団体と共同で開催する、あるいは賛同企業や関係団体と連携して、がん検診受診勧奨リーフレットの配布などを行っていきたいと考えております。
 また、国で、大腸がん検診の受診を促す、働く世代への大腸がん検診推進事業という新たな取り組みが始まるわけですけれども、これがより効果的に実施されますように、県薬剤師会などと連携いたしながら、薬局等で受診勧奨を行う取り組みを新たに実施していきたいと考えております。
 それから、もう一つは、がん検診の実施主体である市町村の取り組みに温度差があるということが、大きな課題となっております。このため、低い市町村の受診率の底上げを図ることが重要と考えておりまして、受診率の低い市町村等を対象にいたしまして、医師会や検診関係者等と協力しながら、課題の整理とか対策のあり方などについて、来年度も引き続き検討していきたいと考えております。
〇高橋元委員 テレビのCM、これも大事なんですが、何か一過性というものもありますし、それから、テレビの視聴が、果たして県民の何%が視聴するのかというところもあります。そういう意味では、資料配布というのは、私は非常に有効だと思います。これはどういう形で、あるいはどんな内容で構成するかということだと思いますけれども、いずれ、先日も新聞の報道によると、この受診率向上に向けた障害というのは、住民の関心不足が72%ということであります。
 このがんというのは、すべての人ががんになる可能性があるわけでありまして、俗に、がんについては、がんで死ぬのではなくて無知で死ぬということが言われているわけです。そういう意味では、がんがどうして発症するのか、あるいは何が原因でがんになりやすいのか、やっぱりその辺を、住民の関心のあるところをきちっとした形で整理して、できればプリントがいいのでしょうけれども、そういう形で県民に周知していく必要があるのではないかと思います。ぜひ、周知に当たっては、その辺を検討していただきながら、取り組みをお願いしたいと思います。
 それから、未成年者の喫煙防止で、先ほどは1.6%ぐらいと。平成16年は10.5%で、先ほどは1.6%ぐらいというお話でした。かなり進んだな、そんな思いをしております。
 欧米では、学校の教育の中で、喫煙による健康被害というのでしょうか、そういったものをきちっと話をしている。それと、がん全体に対しての教育も、学校の中で、授業の中でこれをやっているということで、がんの死亡率が欧米ではすごく減っているわけですね。そういう意味では、教育委員会との連携も必要なのですが、例えば副読本の制作とか、あるいはどういう分野でこれに取り組んでいただけるのか、教育委員会とはどのような協議をして取り組んでいるのか、その辺、ありましたらお尋ねしたいと思います。
〇立花健康国保課総括課長 未成年者の喫煙教室の関係でございますけれども、県といたしましては、各保健所を中心にいたしまして、喫煙ストップ大作戦事業という事業を継続的に実施しております。
 この中で、薬剤師会の方々の御協力をいただいたりとか、それから、学校のほうの御協力をいただくという形で、学校の児童生徒を対象とした、たばこの害に関する教室の開催を継続的に実施しております。
 こういった教室がかなりの学校で行われるようになることによって、現在のような未成年者の喫煙率というものは、非常に下がってきているのではないかと認識しております。
〇高橋元委員 ぜひ縦割り行政の弊害ということのないように、保健福祉部の取り組みが教育現場でも十分生かされるような、その連携を今後においても求めたいと思います。
 次に、がん登録についてでありますが、がん登録については、資料をお尋ねしましたら、3年ぐらい前のものということであるようです。その中で、例えば75%という罹患率の掌握とか、これは、医療機関によって取り組みの強弱があるのか、どうして100%にならないのか、まず、その辺をちょっとお尋ねしたいと思います。
〇立花健康国保課総括課長 まず、がん届け出受理の関係でございますけれども、この事業は、岩手県医師会と連携いたしまして、岩手県医師会に委託して実施してございます。
 岩手県医師会と連携しながら、会報誌に毎月、どの病院でどの程度登録しているかという情報を掲載いたしまして、そして、県内の医療機関に協力の呼びかけを行うなどの取り組みを行ってきております。
 そういった取り組みによりまして、その受理数でいいますと、平成17年は5、500枚ほどの届け出になっておりますけれども、平成22年に初めて1万件を超えました。5年間で約2倍に増加しているという状況にありまして、徐々にがん登録が普及してきているとは認識しております。
 ただ、保健医療圏別に見ますと、どうしても濃淡がございます。胆江、気仙、久慈、この三つの圏域ですと半分弱といいますか、そういう低い登録率ということになっておりまして、今後そういったところを底上げしていくことが非常に大事かなと考えておりまして、医師会と連携しながら、今度は、その地域の医療機関を訪問して協力を要請するなど、一層の登録率の向上に努めていきたいと考えております。
〇高橋元委員 ありがとうございました。やはり、このがんについての登録数とか、その実情がしっかりとわからないと、がん対策の取り組みの方向性が定まらないわけですよね。そういう意味で、がん登録の精度を上げていくということは非常に大事なことだと思いますので、ぜひ、今後においても、この登録数を100%に近づけるような御努力をお願い申し上げたいと思います。
 岩手県でも、このがん登録の罹患者で見ますと、平成18年が6、769人、平成19年が7、992人と、1年間で1、223人ふえているんですね。登録数が、精度が高まったからそうなのかという思いが一つあるし、いずれ、がんに罹患した人が1年間でふえたのかという、その分析の仕方は、またこれで違うわけですけれどもね。
 それから、亡くなっている方が、平成18年は4、009人、19年が4、041人ということで、毎年毎年4、000人を超える方ががんで亡くなっているという実態が出てきていますので、ぜひ、がんに対する取り組みはもっともっと強化していかなければいけない。県内の交通事故で亡くなる方はすごく減っているのですけれども、がんのほうだけはどんどんふえているという実情は、大変憂慮されると私は思っています。
 それでは、最後に、子宮頸がん等のワクチンの接種についてであります。
 これについては、今年度、新たに予算組みということで出てきておりました。この内容を見ますと、子宮頸がんのほかに小児用の肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンと含められておりますけれども、これは、県内の市町村で、どの程度子宮頸がんのワクチン接種について取り組みを検討しているのか、あるいはそれに伴う児童数が全体でどのくらいになるのか、そういう実数をつかんでおられましたらお尋ねしたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 平成23年度の県内ワクチン接種への取り組みについてでございますが、平成23年度におけるワクチン接種を検討している市町村は、子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンのいずれについても、すべての市町村において接種が実施されることとなっております。
 ワクチン接種対象者数についてでございますが、接種対象は、子宮頸がん予防ワクチンが13歳から16歳の女子、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンが0歳から4歳とされており、予算積算上、平成23年度の接種対象者数は、子宮頸がん予防ワクチンが約2万3、000人、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンが約4万6、000人と推計し、予算計上したところでございます。
 なお、本年度、平成22年度を含めた全体の対象者数といたしましては、子宮頸がん予防ワクチンが約2万5、000人、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンが約5万人と推計しているところでございます。
〇高橋元委員 先ほど部長からも、厚生労働省の通達が4日の深夜に届いて、5日ですか、もう既に関係医療機関とか市町村にも連絡をされたということです。
 この小児用の肺炎球菌ワクチンとかヒブワクチンで、過去にいろいろ事件とか事故とかはなかったのかというのが、私は非常に気になってこの記事を見ておったのですが、直近ではないようですけれども、その辺はいかがでしょうか。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 我が国ではこれまで、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンでございますけれども、それぞれ約100万人から150万人程度の児童に接種されたと推定されておりますが、前回の国の有識者会議における検討においては、これまで、大きな副反応等の問題はないと報告されていたところでございます。
 しかしながら、今回、この両ワクチンを同時接種という形で、同じ日に両方とも打ったお子さんが4例亡くなるという事例があったということをかんがみて、きちんと因果関係等を把握する必要があるということで、国のほうから、まずは、きちんと分析を行うまでは当面見合わせるべきということで通知が来たと。それに対して、県としても、必要な関係機関への情報周知などをさせていただいたところでございます。
〇高橋元委員 いずれ、大切な命でございますので、事件や事故が起こらないように、この予防接種についても、その都度、ぜひ呼びかけていただいて、県民の健康を守っていただきたいと思います。
 終わります。
〇平沼健委員 先ほど部長の説明でも出てきましたけれども、看護師不足についてお尋ねいたします。
 まず、県立病院、そしてまた、県内の県立病院を含めた民間病院とか医院とか、それから福祉施設がございますけれども、それらトータルしての現在の看護師の充足率と言っていいでしょうか、その現状と、それから、看護師の県内の需要というものを将来どのようにとらえているのか、まず、お尋ねいたします。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 県内医療機関の看護職員の充足状況についてでございますが、平成21年度に各保健所が、県内全96病院に対して実施いたしました医療法に基づく立入検査におきましては、看護職員数が医療法上の基準を下回っている病院はなかったところでございます。
 また、老人保健施設の看護職員につきましても、県内62施設すべてにおいて、国の定める人員等の基準を下回っている施設はないところでございます。
 しかしながら、各医療機関等が勤務環境の改善等を見込んだ場合の看護職員の需要数に基づいて、本年1月に策定いたしました第七次岩手県看護職員需給見通しにおいては、平成23年の需要数、これは常勤換算でございますけれども、1万6、592人に対して、供給数は1万5、824人と推計され、768人の供給不足が見込まれ、さらに、最終年であります平成27年においても、引き続き737人の供給不足が見込まれることから、今後も看護職員の県内需給については、厳しい状況が続くものと見込んでいるところでございます。
〇平沼健委員 今の話を聞いていますと、そんなに大きな問題じゃないということなんですか。だけれども、県内各地で、やっぱり看護師さんが大変不足しているというようなお話を頻繁に聞くわけでして、それが今、お話になった七百数十名が実際は不足しているということでしょう。現在でもですね。
 それで、入学と卒業の数字を見てみますと、例えば、県立大学の看護学部看護学科がございますし、あるいは看護短期大学がございますね。そしてまた、高看、高看と言っていますけれども、私の宮古にもありますし、それから、一関と二戸でしょうか、三つございますが、そういうところの入学生と、それから卒業生というものを就職ということで見てみますと、私も通告しましたけれども、県内の出身者が入学のときには82%ほどを占めるんですね。ところが、卒業生の県内就職というのが32%で、残り68%が県外に出ていくわけですね。これは、県立大学の看護学科、それから短大のほうでございますけれども。それから、さっき言った一関、宮古、二戸の看護学院、ここは、入学生の84%が県内の出身者ですね。卒業が、県内が6割弱ということで、4割強が県外に出ていくわけですね。
 今のお話を伺っていて、平成23年から27年まで、やっぱり700人以上の不足が出るということなんですが、こういう就職を、あくまでも県内だというのは、これはなかなかできないわけでしてね。
 ただ、やっぱり全部、高等学校の看護学科を含めても、半分以上が今、県外に出ていっているわけですね。地元に働き口がないというか、自分の好みのところがないということもこれはあるんでしょう。ただ、実際には、今のように不足しているということでございますので、できるだけ県内に就職してもらいたいなというのは、これはみんなの願いだと思っておるんですが、その辺、どうなんでしょうね。県として、こういう県立もございますし、相当数が県外に出ていくということに対して歯どめができないんですけれども、何かしら対策というか、何か考えていることがあれば、お聞かせいただければありがたいんですけれども。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 県内看護職員の県内就業率については、委員から御指摘のあったとおりでございます。短大、大学等を含んだ養成施設の卒業生の県内就業率については、近年、全般的に低下傾向にございまして、本年度、平成22年3月の卒業生では42.6%と、10年前の平成12年、52.9%と比較して10.3ポイント低下しておりまして、委員御指摘いただいたとおり、県内からの入学者が多いにもかかわらず、卒業生の県外流出が顕著になっていると理解してございます。
 平成19年、20年に県内養成施設の卒業生を対象に県が調査を実施いたしましたところ、県外に就職した新卒看護師は、いわゆる都会志向が強いことに加え、教育研修制度や職場環境、給与など、条件がより整った職場を選択している傾向にある一方、こうした条件については、県内の医療機関においても一定の水準になっているものの、その情報について看護学生に十分提供されていないこと、また、首都圏の医療機関においては、学生を引きつける新人採用活動が積極的に行われているとする指摘があるなど、こうした要因が県内定着率に影響を与えているものと考えております。
 県においては、県内就業率を向上させるための取り組みとして、これまで、いわて看護職員確保定着アクションプランに基づき、看護学生を対象とした県内医療施設の看護現場体験セミナーや合同就職面接会の開催等を実施してきたところでございますが、平成23年度当初予算におきまして、新人看護職員の研修体制の整備や県外に就職した看護職員のUターン促進のための予算を盛り込んだところであり、今後、プランの見直しを進め、県内の看護職員の確保定着対策を積極的に進めてまいりたいと考えております。
〇平沼健委員 ありがとうございます。確かに、これは就職ですので、看護師さんに限らず、規制はできないというのは事実でございます。ただ、先ほどもお話ししましたけれども、特に、県立の高看というのが先ほど来の3カ所ございますが、そこの数字をずっと見ていきますと、入学者は地元、特に県内、地元の人が多いんですけれども、就職になるとなかなか地元に残らない。それは、今お話がありましたけれども、給料の問題とか、就業のいろいろな環境の問題とかもあるんでしょう。
 そこで、やはり、せっかく二戸、宮古、一関にあるわけで、そこの学校を終わって、そこの地域に残らないというか、働きたくても働けないということもあるのかもしれませんけれども、やっぱり地元に幾らでも定着をしていただく。看護師が不足だということも、これは現実ですので、お医者さんじゃないですけれども、この地域枠というのでしょうか、やっぱり毎年何人かでもその地域から優先的にというようなことが正しいのかどうか。
 これは私見ですので、そういうようなことが果たしていいのかなという考えも私にはあるんですけれども、せっかくの地元にあるところを卒業しても、1人か2人しか残らないというか、したがって、いつまでたってもその地域が看護師不足だということがずっとあるわけでして、そのために何か、今お話ししました地域枠というようなことが考えられ得るものなのかどうなのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 県内の看護職員養成施設における地域枠の設定についてでございます。
 県では、委員から御指摘ございましたけれども、現在、沿岸、県北、県南の3カ所に高等看護学院を設置しており、各看護学院では、地元からの学生確保及び地元医療機関等への人材の輩出に一定の役割を果たしているものと認識しております。
 地域で活躍する優秀な学生を確保するためには、今後、入試制度の工夫も必要と考えておりますが、委員から御指摘がございました地域枠の導入については、その効果や入試制度の公平性の観点を踏まえて、今後、研究していく必要があるものと考えております。
 なお、看護職員の地元定着も含めた県内への就業促進に効果を上げている看護職員修学資金貸付制度については、新規貸付対象者数を約70人から100人程度とする拡充を当初予算に盛り込むとともに、一定期間勤務することで返済を免除する対象病院の要件を緩和するよう、条例の一部改正案を本日御審議いただくこととしており、県内への就職を希望する学生の活用を積極的に働きかけていくこととしております。
〇斉藤信委員 関連。今の看護師不足の問題で、第七次の需給見通しで、平成23年が768人、平成27年になっても737人不足すると。私は、本当にこれは極めて深刻な事態で、今、看護崩壊というのが指摘されています。全国的には、看護師が確保できずに病棟を閉鎖した、病床を削減した、既にこういう事態が引き起こされているんですね。私は、そういう点でのこの危機意識を、一つは、県としてしっかり持つべきではないか、これが第1点ね。
 第2点は、岩手県の場合には、看護師の養成数は必要以上に養成しているんですよね。しかし、今、平沼委員の質問にあったように、県内定着率が5割割るというような残念な事態。私は、その点では、都会志向というのもあるけれども、やっぱり岩手県の看護師の労働条件、ここにまだまだ見劣りする問題があるのではないか。そこを改善しないと、看護師確保競争に、せっかく養成しても負けるということになるのではないか。看護師の労働条件をどういうふうに把握されているか。
 3点目は、看護師の資格を持っても途中でリタイアする、潜在的な看護師さんというのがかなりいると思いますけれども、この実態をどう把握しているか。いわば、定年まで勤められないんですよ。余りにも過酷で、子育てができない。私は、せっかく夢を持って看護師さんになった、県内で就職した人たちが、途中でバーンアウトしてしまうという、この解決策を打ち出さないと、この看護師不足の解消にならないのではないか。
 この3点をお聞きします。
〇千葉保健福祉部長 1点目の、岩手県はこのような状況をどうとらえているかという点について、私からお答えさせていただきたいと思います。
 本県の今の看護職員の需給状況は、引き続き非常に厳しい状況にあると私自身考えております。
 今回も、実は予算の中で貸付枠の拡大をお願いしておりますが、2年前、平成21年度当初予算でも、今回の70人にする拡充で予算を認めていただいたところでございます。
 この需給見通しにつきましては、私ども、全国の状況を見ておりますが、正直言いまして、私どもの県は、かなり厳しい視点で見ているのではないかと思っております。これにつきましては、需給見通しを策定する際に、いろいろな外部の学識経験者の方、あるいは実務経験者の方からも御意見をちょうだいしているところでございます。
 やはり医療関係者からもそういう声は多々聞いておりますし、これから、福祉サービスの充実にかんがみても、看護師の採用は非常に重要だと思っております。したがいまして、ありとあらゆる手段を考えながら対応をしていく必要があると思っておりまして、現在ありますアクションプランも見直し、できる限りの対応をしていきたいと考えているところでございます。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 まず、2点目の看護職員の労働条件等についてでございます。
 一昨年来から、第七次岩手県看護職員需給見通しを策定するに当たり、看護関係者の方々、さまざまな関係団体の方々による県内の検討会議を開催させていただいて、この需給見通しを策定いたしました。
 その会議の中でも、やはり岩手県の看護環境は非常に厳しい、現場のほうは非常に厳しくなっている。これは、医療の高度化、専門化に伴いまして、看護業務が非常に高度化、専門化している。また、7対1の導入を契機にいたしまして、非常に勤務環境がタイトになってきている。こういったような声があるというのは、私ども承知をしているところでございます。
 そうしたことも踏まえて、県内医療機関から、今後の看護職員の勤務環境向上、こういったことも視野に入れながら、今後、必要な需要数というものを調査させていただいて、この調査結果にさせていただいたものと考えてございます。
 今回、700人余足りなく、この状況が続くというのを私どもは非常に深刻に考えてございまして、これに関しましては、看護職員の勤務環境の支援も必要なことでございますので、このため、看護職員確保定着アクションプランで勤務環境改善のためのさまざまなノウハウを持つ他の医療機関の方を招いての講習会の開催などを行っているところであり、こういった取り組みも引き続き行ってまいりたいと考えてございます。
 また、最後、リタイアした方、離職者のお話がございました。看護職員に関しましては、勤務して当初、30代ぐらいまでの間に一つの離職のピークがある、また、その後、40代、50代ぐらいのところでの離職のピークがあるという状況でございます。
 これに関しましては、一つは、入って最初のきめ細かな研修体制といったものも重要ではないかと考えておりまして、来年度当初予算に、新人看護職員の研修に関する事業に関しまして、新規に盛り込ませていただいたところでございます。
 また、リタイアした方、潜在看護職員、国のほうでは約55万人とも言われてございますけれども、相当程度、免許を持って、今、勤務をされていない方もおられますので、こういった方々への復職の支援も事業として始めてございますが、こういった視点での取り組みも、引き続き進めてまいりたいと考えております。
〇高橋博之委員 私からは、介護1点に絞ってお尋ねいたします。
 2011年度末までに特別養護老人ホームを当初計画より約600床多い1、231床を整備できる見通しとなったとして、2011年度当初予算案に基金などを活用し約32億円が計上されたところでございます。
 そこでお尋ねいたしますが、先日、新聞報道で、一関市と平泉町、藤沢町で構成する一関地区の広域行政組合は、この2011年度で225床の追加整備を進めるに伴って、基準月額が現行の3、909円から4、700円程度となる見通しという報道がございましたが、この施設整備に伴って2012年度に改定される介護保険料の増額について、県としてどのように見込んでおられるのかということが1点。
 それから、この特養整備は、介護保険料にそのままダイレクトにはね返っていきますので、それぞれの地域によって大分取り組みに温度差があるように思われますが、その解消をどのように図っていこうとしておられるのか、お尋ねいたします。
〇岡村長寿社会課総括課長 特別養護老人ホーム等介護保険施設の整備に伴う介護保険料への影響についてというお尋ねでございますが、介護保険の関係につきましては、現在、来年度以降の第5期の制度の見直しに向けまして、介護報酬の設定でありますとか、それから、新しいサービスの導入等々ございまして、介護報酬全体で、どれぐらい給付費がかかるかというのを積算しながら、保険料を設定していくということになろうかと思います。
 現在の状況から申し上げますと、施設整備が進んで、より重度な方が施設を利用するというような状況になりますと、介護報酬全体について押し上げるといいますか、それらにつきましては介護保険料にも影響が及ぶと。増額傾向ということで、全国的には5、000円程度までという見通しも出ておりますけれども、県内の場合は、全国に比べて介護給付費が少し少ないという状況にございますので、保険料自体も5、000円まで行くかどうかというような試算は、県としては、現在のところ持ってございません。
 ただし、現在、介護財政の安定化基金の積み立てが、国、県、市町村で持っているものは県の基金にございますけれども、国では、それらの取り崩しをしながら、介護保険料の増額をできるだけ軽減するというような取り組みも、現在進められているようでございます。
 それから、個々の地域ごとの施設の整備状況の差といいますか地域の差があるわけでございますけれども、これらにつきましては、必ずしも待機者の調査だけで施設整備を進めている市町村ということではないわけですが、特養だけではなく、その他のグループホームであるとか、小規模多機能型の事業所であるとか、あるいはショートステイの利用なども含めて、総合的な視点で施設利用希望者等の対応を地域ごとに検討しているのではないかと県では見ております。
 ただし、地域の状況をできるだけ丁寧に把握しながら、重度の方の施設利用についても十分見込んだ計画になるように、市町村と協議しながら、第5期の計画等については策定を進めていきたい、支援していきたいと考えております。
〇五日市王委員長 高橋博之委員の質疑の途中ではありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
 高橋博之委員、御了承願います。
   午前11時56分 休 憩
   午後1時3分 再開
〇工藤勝子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。本日は、この後7人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇高橋博之委員 では、続きをお願いします。
 早期入所待機者が、今回の施設整備の見込みで、一時的に解消が図られるということで一安心だということなんですが、これはあくまで一時的に解消されるということでありまして、これから毎年200人程度、早期入所待機者がふえていくと。要介護者もこれからどんどんふえていく一方であると。それから、介護保険料についても先ほど増加傾向だということですが、上がっていくしかない。財源の確保という意味でも、国も岩手県も御案内のとおりの状況でございまして、確認なんですけれども、要するに、整備数が需要の増加に追いつかないという状況がこれから続いていくとお考えなのか、その見通しを確認させていただきたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 今後の施設整備の見通しについてでございますけれども、先ほど申し上げましたように、要介護度の高い方、医療ニーズの高い方、特にひとり暮らしや認知症の方がふえるという状況でございますと、在宅のサービス利用だけでは対応できないという方が当然一定数ございまして、施設整備というのは、そういう要介護者が高齢化に伴ってふえていく状況を考えますと、施設の整備も当然ふやさなければならないという状況だと思います。
 現状の見込みですと、団塊の世代の方が後期高齢者に移行する平成37年度前後が一つのピークで、それ以降は、高原状態になってなだらかに減るという状況が予測されるわけですけれども、それまでの間は、一定数の施設整備は確保できるようにしなければならないということになるわけですが、ただ、ピークにあわせて施設の定員を一方的にずっと増加させ続けるというのは、対応としては非常に無理な面があるのではないかと。そのピークの時期を乗り切るような、例えばショートステイの増床でありますとか、さまざまな在宅サービスの利用も含めながら、地域で対応できるような環境をつくるということは当然必要であろうかと思います。
 現在、県立大学のほうと、今年度、来年度で将来のサービスの需給見通しでありますとか、サービスの利用の状況に応じた施設整備のあり方というのは、研究をお願いしているところでございます。
 そういったことも踏まえまして、今後の施設整備の見込みは立てなければならないということですが、一定数は、当然確保しておく必要があると考えているところでございます。
〇高橋博之委員 ピーク時を何とか乗り越えられるように、今から県立大学と研究しながら進めているというお話なんですけれども、ピーク時にあわせて施設整備を進めていくことも難しいというお話でありました。それは財源確保と介護保険料の上昇ということを考えれば、当然のことだと思います。当然進めていかなければなりませんが、しかし、求める数に応じるペースで施設整備を進めていけることができるかと言えば、これは普通に現実的に考えて、やはりなかなか難しいと思います。
 一方で、午前中の喜多委員の質疑の中にもありましたけれども、では、在宅介護の現状はどうなんだと。家族のあり方が大きく変容して、今、核家族ということで、特定の人に介護の負担が重くのしかかっていると。特にも女性であります。それから平均寿命も随分長くなっています。世界一の長寿大国になりましたが、先が見えないという中で、本当に介護疲れでうつになっている人も年々増加していると。それから独居老人、老老世帯もどんどん増加しているということでありまして、家族の介護力も著しく低下してしまったと。やはり今からしっかり考えていかなければならないのは、施設整備にも限界があるということも認識しつつ、では、一方の在宅介護はどうなんだと言ったときに、そのとおりの状況であるというときに、先ほど環境面のソフト面を充実させていかなければならないようなお話もしていましたが、本県としてこれから、僕は最大の課題だと思っていますが、人生の締めくくりである介護の問題を、もちろん施設も整備していかなければならないが、限界があると。一方で、在宅介護も、家族のありようがこれだけ変容してしまったという中で、どうやって著しく低下した家族の介護力を補って、人生の締めくくりを安心して過ごせるようにしていけるのかと、その大きな方向性について部長、どのようにお考えでしょう。
〇千葉保健福祉部長 非常に大きなお話でありますが、私ども、きょう冒頭で御説明した際に、当部としては三つのポイントということで、一つに福祉コミュニティの確立という話を挙げさせていただきました。これは、平たく言いますと、身近な地域社会の中で、年齢、性別あるいは障がいの有無にかかわらず、お互いの個性や尊厳を認め合い、必要な福祉サービスを利用しながら住民相互の支え合いなどにより、安心して生活できる福祉コミュニティづくりを推進しましょうということで、計画にも載せていただいているわけです。
 これにつきましては、具体的には、社会福祉法に基づく県の地域福祉支援計画というものを定めておりまして、今申し上げた地域コミュニティの確立を基本といたしまして、今御議論ございます介護保険法とか障害者自立支援法などにおけます施設、あるいは居宅、あるいは生活などの面でのフォーマルな福祉サービスを一方では進める必要があると。また、一方では、そういう見守りとか雪かきとかさまざまなインフォーマルな生活支援を、地域住民あるいは市町村社協、あるいは市町村が一体となって協力しながら取り組む仕組みが必要だということで、これからの福祉の進め方としてはこの両輪で進めていく必要があると考えております。
 先ほど在宅介護の話が出ましたけれども、在宅サービスが進まない理由の中に、他人を入れたくないという話も一つ原因としてあるのではないかとありましたが、これが例えばヘルパーさんではなくてまさに地域の、御近所の方であれば、まず自宅に上げていただくこともそんなに抵抗がないだろうとか、あるいは公的サービスでは対応できないような生活サービスもあるのではないかと。買い物の支援とかいろんな面があると思いますけれども、そういう面を考えますと、生活支援の面で、民間、地域力を生かした仕組みづくりが重要だと考えております。
 現在、そういうコーディネートできる方を地域で育成したいということで、市町村社協とかあるいは地域包括支援センターの職員に、地域福祉活動コーディネーターになっていただきたいということで今研修を行っておりまして、平成21年度からこれまで70人の方になっていただいております。26年度までに210人までコーディネーターの方をふやしていくと。また、その中で、先駆的な取り組みについては全県的にPR、普及をしていきたいと。
 例えば西和賀町の社協で行われています宅配業者やスーパーと協働しての買い物支援の取り組みとか、あるいは洋野町の社協で行われております地域住民の支え合いまちづくりとか、そういうさまざまな取り組みも出てきておりますので、まず、できるものは各地域でこういう仕組みの普及を図っていきたいと考えているところでございます。
 いずれ、そういうインフォーマルサービスには、ちょっと平たく言いますと新しい公共という話もございますが、具体的に申しますと、民間の方々にできる限り地域で協力をいただいて、そういうインフォーマルサービスも必要な方に提供していただきながら、あとはフォーマルサービスと両輪で進めていきたいと、こういう考え方をしているところでございます。
〇高橋博之委員 御丁寧に御答弁いただきましてありがとうございました。
 先ほど部長の答弁の中で、キーワードは地域ということなんだと思いますが、これから団塊の世代の皆さんが一斉に退職して地域に戻っていきます。そのうち6割が、退職後何らかの社会参加をしたい、社会貢献活動をしたいと内閣府の調査に対して答えていますが、昔と違って、高齢者の皆さんの活躍の場というか必要とされる場、居場所と出番が、現代社会で随分なくなってしまっていると。生活を見ていると、地域のつながりも希薄になって、話し相手もいなくて、朝から晩までテレビにかじりついて、そういう生活を毎日続けていたら、それは弱くなるのも早くなると思うんですね。そうして介護を必要とする人をふやして社会のコストを上げています。したがって、介護を必要とする前に、いかに社会として手を打つのかと。これは介護予防ということになりますが、この介護予防について、今、県としてこの話の流れの中で、社会全体で介護を必要とする人を減らしていくということをどういうふうに施策の中に位置づけているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 介護予防の取り組みについてでございますが、市町村のほうで、体が弱った方の状況に応じていろんな指導の場を設けているわけですけれども、そういうことに限らず、もっと一般の高齢者の方あるいは更年期に差しかかる前から、生活習慣病の予防に当たるような健康づくりと合わせまして、委員から御指摘ありましたような、元気な高齢者がさらに生き生きと活躍できる、生活を続けてもらうということが介護予防につながるのではないかということで、県といたしましても、高齢者の社会参加の体制づくりというものを、現在は老人クラブの活動でありますとか、それから元気な高齢者の方たちの文化活動やスポーツ活動への参加促進等を行っているわけですけれども、さらに社会貢献の取り組みにつきましても活発に取り組めるような、そういう環境構築を進めていく必要があるものと考えております。
〇高橋博之委員 文化活動とかスポーツ活動に参加をするということもとても大事だと思うんですが、やはりだれにも必要とされないということほど、寂しいことはないんだと思うんですね。では、これから高齢者の皆さんの御活躍の場を、必要とされる場をどこにつくっていくかというのを考えたときに、まさに地域の在宅介護で御苦労されている御家族の御負担を一時的にでも軽減をするようなところに、そういった地域の元気なお年寄りの力を活用できないのかと思うわけです。
 例えば介護の資格がなくてもできる介護保険外のサービスというのはたくさんあると思いますが、食事をつくって運ぶとか、あるいは病院への付き添いですとか、見守りとかいろいろあると思うんですが、そういう介護の資格がなくてもできる介護保険外のサービスがあるということを知っていただいて、そのやり方とかコツを、あるいは受け皿を教えるような、そういう仕組みもつくっていくべきではないのかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
〇千葉保健福祉部長 今、お話にありましたように、緊急時の見守りとか声かけ、あるいは要介護者の家事あるいは外出時のサポートとか、まさにそういうことでは御協力いただける面が多々あると思います。
 それで、実はそういうような取り組みを高めるために、国のほうで、先般、介護基盤緊急整備臨時特例基金のほうに地域支え合い体制づくり事業というのを基金事業でできるようになりまして、今、これを市町村のほうにもいろいろと呼びかけておりますが、そういうものを活用しながら、地域で元気な高齢者の方が、そういうサービスを協力いただけるような仕組みづくりを進めていくような形を、ぜひことし進めたいと思っております。ただ、基金事業で1年間になっていますので、初動的経費を見れば終わりになりますので、これは国に対して、継続的にこういうものは制度としてつくってほしいという要望も必要かと思っております。
 いずれ、そのような仕組みづくりを、今年度ぜひ進めていきたいと考えております。
〇高橋博之委員 国に対して求めていくことも大事だと思いますが、岩手ならではの、岩手の特性をまさに生かせる仕組みが、今、都会にまねしろと言ったって、都会ではこれはなかなかできないと思います。全くボランティアということではなくても、例えば有償ボランティアで、幾らか小遣い銭稼ぎになれば、お孫さんに好きなものも買ってあげられますし、あとは何よりも、年をとった後も世の中に必要とされると、人の役に立つということは、みずからの存在意義を見出して生きがいの創造にもなると思いますし、今、高齢者の自殺もふえていますが、最後はやっぱりだれにも必要とされなくなってしまった方が逝っていますので、生活に張りも生まれるという意味で、ぜひ地域の在宅で介護をして、疲れ切っている御家族の皆さんの負担を一時的にでも軽減してあげられれば、その方々も頑張って介護を続けられますし、高齢者の皆さんの最後のささやかな願いである、自分の住みなれた家で最後まで生活したいという思いも実現できるし、今度は自分が介護を必要になったときは、そのきずなでつながった地域に支えてもらえると、こういう仕組みはすぐにできませんので、ぜひ今からつくっておかないと大変なことになるなと思うんですが、この間代表質問で飯澤議員の質問に対して、平成24年度以降の県高齢者福祉計画ですか、今、県立大学とそれから県長寿社会振興財団と高齢者の社会参加活動のあり方に関して共同研究を行っているというお話でしたが、ぜひ今言ったような観点から、高齢者の皆さんの居場所、出番づくりというのを考えていただきたいなと思うんですが、もう一度その点について御答弁いただきたいと思います。
〇千葉保健福祉部長 先ほど申し上げました事業は、特にこういう仕組みをつくれとかということではございませんで、あくまでもその地域に合ったような仕組みをつくるためのいわゆる財政支援的措置でございます。
 先ほど申しましたが、この考え方自体は今から10年前になりますが、今の社会福祉法が社会福祉事業法と言われましたが、それが10年前に法改正で名前が変わり、特に地域福祉の推進という内容がかなり法律の中で充実したところです。その考え方にありましたのは、横文字で言いますとソーシャルインクルージョンというわけですが、社会的包摂とかという言葉でも言われておりますが、いずれ、社会でそういうつながりのない人をなくしていくと。すべていろんな方が社会でつながっていくということを前提として社会政策を進めていくという理念、この理念を、法改正の中でも10年前に受け入れ、それに基づいて今県のほうでも計画をつくっているところでございます。したがいまして、地域福祉支援計画はそういう前提で進めていきたいと考えておりますので、まだまだ取り組みは散発的でありまして、これから地域でいろんな仕組みをつくっていただきたいということで我々も啓発しているところですが、その中の一つとして、そういう高齢者の方々に御協力いただく介護関係の民間地域力を活用した仕組みづくり、これもぜひ進めていきたいと考えております。
〇高橋博之委員 10年前に社会のつながりを深めていこうという話が出ていたという話なんですが、ことしに入っても、朝日新聞で孤族ですか、特集を始めていますけれども、岩手、花巻の中にも孤族がとてもふえていまして、もう全然社会の仕組み、制度が追いついていないという中で、このままいったら本当に現代版のうば捨て山ではありませんが、最後、寂しい思いをしている方がたくさんふえていますが、さらにふえることになるということですので、市町村の取り組みを後押しするようなことをぜひ考えていただきたいと思います。
 最後に、介護に絡んでお尋ねをいたしますが、地域包括支援センター、花巻市でも職員の皆さんが日々朝から晩まで駆けずり回って頑張っていますが、何しろマンパワーが限られておりますので、どうしても目が行き届かないところが出てきます。そこを補ってきたのが民生・児童委員の皆さんでありまして、地域で介護を必要としている方と必要な介護サービスがなかなかつながっていかないところがあちこちで見られて、そこをつくり上げて行政につなげてきたのがこの民生・児童委員なんですが、御案内のとおり、民生委員も今高齢化。昔、家族がやっていた役割まで今期待されて、負担もどんどん重くなっていって、必要な個人情報も役所から得られないという中で、なり手が今いません。この民生委員さんは、僕はすごくこれから大事だと思うんですが、この民生委員さんの負担を軽減する意味でも、さっき地域福祉活動コーディネーターですか、今育てているという話をしていましたが、ぜひこの民生委員さんをサポートするような役割も、同時にこうしたコーディネーターの皆さんに担っていただきたいと思いますし、それこそ元気な高齢者の皆さんに僕はうってつけの役割ではないのかなと思っておりましたので、コーディネーターさんの育成にそういう観点も盛り込みながら、民生委員さんを支えて地域のつながりを、しっかりきずなを守っていただきたいと思うんですが、その点についての御所感をお聞かせいただきます。
〇小田原地域福祉課総括課長 現在、民生委員のなり手については99.7%、定員の確保をしたところでございます。ただし、地域で民生委員が活動していくためには、おおむね3分の1が新人になりましたので、そういった方々が地域で本当に無縁社会と言われるような地域を丁寧に見ながら活動していくためには、地域福祉活動コーディネーターという、いろいろな地域の社会資源と結びつけていって支えていく、生活支援をしていくという形で、民生委員さんの負担感をできるだけ軽減してそして支えていくという、地域の総合力を高めていくような活動を、地域福祉活動コーディネーターには担っていただきたいということで、平成21年度から育成しているところでございます。その育成した地域福祉活動コーディネーターについては、フォローアップもしていきながら、地域の実情に応じた展開をしていただきたいと考えて、今後は、県社協に福祉コミュニティサポート支援センターというような形で全県的な支援体制をつくりながら、そういう活動をしていく職員の方々を支援していきたいと考えているところでございます。
〇高橋博之委員 今、民生委員97%とかという数字が出てきましたけれども、その数字だけ見ると十分じゃないかと考えてしまいがちなんですが、その九十何%の内実はぼろぼろでありまして、うちの母親も民生委員をやっているんですが、3年の任期でもうへとへと、くたくたになるんですね。それで次の人にバトンタッチしたいんだけれども、見つからずに、しようがなく続けざるを得ないというような方も、結構、私は聞いております。なので、民生委員さんの負担を軽減するということがとても大事であって、その地域福祉活動コーディネーターさんも大事だと思いますが、何も専門的な知識を持っている方が地域福祉活動コーディネーターということで、少数精鋭ももちろん必要なんですけれども、その地域にいる、さっきの元気な高齢者の中で何か社会参加したいという方が必ず今いますから、そういう方々も間接的に一部分だけでも支えられるような、そういったような視点も僕は必要じゃないのかなと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
〇小田原地域福祉課総括課長 お話しいただきました元気な高齢者の方々についても、地域で担い手として活躍していただくために地域福祉活動コーディネーターが、民生委員さん等に協力をしていただいて緊急時の見守りや声がけ、あるいは要介護者の家事、外出などのサポートなどを行っていただくような、こういった形を、その地域地域の実情に応じた形でつくっていただこうと考えております。
〇高橋但馬委員 私は予算に関する説明書の114ページの児童福祉総務費について伺います。
 私は9月定例会において、一般質問でi・ファミリー・サービスについて質問をしました。県のトップページから直接アクセス可能な子育て応援情報を総合的に提供するホームページ、いわて子育てiらんどを現在プレオープンしている状況ですけれども、そのときの答弁で、i・ファミリー・サービスのさらなる周知徹底と利用促進を図っていきたいという答弁をいただいたんですが、県民への周知に対する現状と、並びにサービスの利用状況をお知らせください。
〇奥寺児童家庭課総括課長 お尋ねのありましたi・ファミリー・サービス事業、いわて子育て応援の店の取り組みの関係でございます。それの県民への周知についてでございますけれども、これまでこの協賛店にも協力をいただきながら、シンボルマーク入りのステッカーとかPRポスターを掲示してのPRに努めるとともに、今お話のありました県のホームページやミニテレビ番組を通じ、周知を図ってきたところでございます。特にも、今年度は、新たに作成しておりますホームページ、いわて子育てiらんどの中で、協賛店の詳細情報を掲載することとしているほか、地域や提供サービス別に検索できるようにする予定でございまして、3月下旬の完成を目指しまして、現在、最終的な作成段階に入っているところでございます。さらに、子育てマンガ情報誌やテレビのミニ番組のほか、今月末に子育て世帯に向けて発行する予定でございます子育て応援BOOKにもi・ファミリー・サービス事業の制度を掲載するなど、さまざまな広報媒体を通じて、制度の普及拡大に積極的に取り組んでいるところでございます。
 今後におきましても、各種の媒体を活用しまして、本事業の一層の周知を図っていきたいと考えてございます。
 このi・ファミリー・サービスの利用状況についてでございます。現在、この子育て応援の店、各協賛店に対するアンケート調査を今実施しておりまして、今月中にその結果を取りまとめる予定でございますが、現在集計中ということでございますけれども、おおよその状況としましては、毎月、サービス利用者があるとの回答が約半数となっている状況でございます。県としまして、先ほど申し上げました新規作成のホームページ等を活用しまして、子育て世帯に対する一層の情報提供を図るほか、協賛店や利用対象者双方の意見の反映に努めるなど、利用の促進を図っていくこととしてございます。
〇高橋但馬委員 実際、i・ファミリー・サービスのほう、今、いわて子育てiらんど、この子育て応援ポータルサイトの中に組み込まれてやっているわけですけれども、いずれ、このいわて子育てiらんどのホームページをどれだけ子育て中の親の方々が見るかというのが注視されるべきところであると思います。
 私も、出産、子育て中の母親の方々のいろいろな意見を伺ってきたんですけれども、先日聞いた意見で、出産、子育てのために仕事を辞職されて子育てに従事して、子供も3歳とかそれぐらいになって、さあ仕事を探そうかと思ったお母さんが、実際ハローワークに行きたいと思っているんですけれども、子供を連れてハローワークに行くと、子供がその場で騒いでしまって、要するにゆっくり仕事を探せないという意見があったんです。
 これは国のものなんですけれども、マザーズサロン盛岡と言いまして、厚生労働省において、平成22年8月から盛岡市と奥州市と宮古市に3カ所、現在設置されているわけですけれども、マザーズサロンにはキッズルームとかもありまして、そこで子供を遊ばせながら自分の仕事を、時間をかけてゆっくり探せるという場所なんですけれども、これがあることをそのお母さんは知らなかったわけです。実際、そのマザーズサロン、これはもちろん国のものとはわかっているんですけれども、いわて子育てiらんどからそちらのほうにリンクできるのかどうかを教えてください。
〇奥寺児童家庭課総括課長 県で今作成してございます子育て支援の県のホームページ、いわて子育てiらんどからのいろんな関係機関へのリンクの話でございますけれども、このいわて子育てiらんどのトップページに関係機関のリンクのコーナーを設置して、現在暫定オープン中であるということもありまして、国の機関へのリンクのみを現状掲載しているところでございます。今、お話にありましたマザーズサロン、ハローワークのほうのホームページにあると思いますけれども、そこにはリンクしている状況にあるということでございます。
 なお、今月中に完成版のオープンを予定してございますが、その際には、県内各市町村についても個別にリンクを設定し、利用者の一層の利便性の向上を図ることとしてございます。
〇高橋但馬委員 先日、子育てiらんどのほうにアクセスをしまして、実際このマザーズサロンに行けるかどうかというのを試してみたんですけれども、30分ぐらいやったんですけれども行き着くことが私はできなかったです。
 確かに、調べてみますと、このマザーズサロンというのはURLコード、これ自体のホームページがなくて、場所がここにありますということだけで、これが果たして子育てをしながら働きたいお母さんの支援のものなのかどうかというのは、マザーズサロンだけではわからないと思うんです。ただ、これは国のあれなので別なんですけれども、実際、子育てをしながら仕事を探したいと思っているお母さん方にとってみて、国の事業であるとか県の事業であるとかというのは関係ないことなんですよ。それはあくまで国とか県だけの話でありまして、そういう人が仕事を見つけるために、マザーズサロンという場所があるんですよというのを知ることが大切だと思うんです。実際、URLを張りつけることはできないにしても、例えばこれをPDFにしてわかりやすいところにこのリンクをつけるとか、県としてもそういう努力を行っていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
〇奥寺児童家庭課総括課長 今、委員からもお話のありました例えばハローワークの中でやっているマザーズサロンでございますけれども、私どもも子育て中の女性の就労支援には、非常に効果的な事業を展開しているところだと承知しておりまして、非常に大切な事業でございますので、具体的に、例えば県のホームページから速やかにアクセスできるような、そういった仕組みについてしっかりとまた確認をしながら改善を進めてまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員 前向きな御答弁ありがとうございます。
 次に、県内の地域子育て支援センターの利用状況についてお知らせください。
〇奥寺児童家庭課総括課長 県内の地域子育て支援センターの利用状況についてというお尋ねでございますけれども、地域子育て支援センターでございますけれども、地域子育て支援拠点は、乳幼児及びその保護者が相互の交流を行う場所を開設し、子育てについての相談とか情報の提供、助言、その他の援助を行う事業を実施してございます。
 平成21年度の状況でございますが、県内30市町村に81カ所の設置がございます。その利用実績でございますけれども、延べ29万6、445人となってございます。また、県として盛岡駅西口のアイーナに設置してございます子育てサポートセンターの平成21年度の利用実績でございますけれども、2万9、723人となってございます。
〇高橋但馬委員 今もお話がありました西口にありますアイーナの子育てサポートセンターなんですけれども、ここに関しては子供を育てるに当たっての情報提供やアドバイスも充実していて、とても満足しているという意見も非常に多く私も聞いておりました。ただ、現在、岩手というか盛岡もそうなんですけれども、雪が降らない季節であれば、例えば自転車に乗ってですとか、散歩をしながらとか、そういう形で行けるんですけれども、これくらい雪が降ってしまうと、どうしても車社会なものですから、お母さん方は車に乗せてサポートセンターに行く機会が非常にふえると思うんです。ただ、公共機関のバスを利用したらいいんじゃないかというお話もあるんですけれども、実際、子供が例えばですけれども2人いて、1人をベービーカーに乗せて、1人をだっこしながらバスの乗りおりをどうするかと言ったら、とても大変な行動になってしまうんですね。そしてよく聞くのが、広い駐車場が完備されている郊外に支援センターをつくってもらえれば、そこの駐車場にとめて気にせずそこでいろいろ情報を得たり、お母さん方との交流ができるというお話も聞いているんです。ただ、これから新たに設置するというのは予算上も非常に厳しいというのはわかるんですけれども、例えばアイーナであれば、目の前に駐車場がもう完備されています。ただ、そこというのは1時間単位で料金がかかるもので、いろいろな中で情報を得るために、その時間を気にしながらいるというのは非常にお母さん方も嫌なものだと思うんですけれども、例えば車で来た場合、駐車費用などの負担も、できれば新しいのをつくるよりはお金がかからないと思うんですけれども、そういうのは県としてどうお考えでしょうか。
〇奥寺児童家庭課総括課長 アイーナにございます県の子育てサポートセンターにおける、例えば冬期における駐車場の利用等に関するお尋ねだと承知しております。
 この子育てサポートセンターが設置されておりますいわて県民情報交流センター、通称アイーナでございますけれども、広く県民の方々に利用していただき、どなたでも利用しやすいように、バスや鉄道など交通利便性の極めて高い盛岡駅の西口に立地したところでございます。したがいまして、子育てサポートセンターを含むアイーナを利用される場合は、県の全体的な考え方として、交通渋滞対策、地球温暖化防止、省エネ対策の観点からも、できるだけバス等の公共交通機関を利用していただきたいとしているところでございまして、自動車で来館された方々につきましては、施設向かい側の盛岡市営駐車場等、近辺の有料駐車場を利用していただくこととしているものでございます。
 子育てサポートセンターを利用する子育て世代の母親の方々には、自動車を利用して来館される方も多いのではないかと思われますけれども、仮に駐車場料金の減免等を行うこととしますと、公共交通機関により来館される方々が交通費を負担されていることとのバランスを欠くことともなり、駐車場料金の減免は困難であると考えておりますので、御理解をいただきたいと考えております。
〇高橋但馬委員 県としては出せないというお話を今いただいたんですけれども、県のお考えはわかったんですけれども、先ほど私も申し上げましたとおり、公共交通機関で来る場合でも、非常に負担がかかるというものだと思うんですね。子育て中の母親だけを言っているわけではないんですけれども、やっぱり子育て支援をするという場所ですし、その支援を受けるために母親─父親もそうですけれども、そこの場所に出向くわけですから、そこに対して、県として、楽に行けるためにもうちょっと前向きに考えていただきたいと思いますし、盛岡市のつどいの広場KOKKOというのがあるんですけれども、ウイークデイの火曜日から金曜日なんですが、そこで300円の駐車券を買うと、何時間利用しても6時までは上限がなしということなんですよ。こういうサービスでも、お母さん方からお話を聞くといいと。そこで300円払っても、要するに上限なくいられるということは、非常にありがたいというお声も聞いていますので、その辺も踏まえつつ、県として盛岡市よりも先に行くような、そういう思いで取り組んでいただきたいと思います。
〇工藤勝子副委員長 要望でよろしいですか。
〇高橋但馬委員 要望でいいです。
〇工藤勝子副委員長 はい、わかりました。
〇熊谷泉委員 既に質問された委員の方と重複する点もありますが、何点か質問させていただきます。
 まず、医師確保対策推進事業についてでありますが、近年における実績と今抱えている課題はどういうものなのか、お尋ねをいたします。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 県では、医師確保対策アクションプランに基づきまして、各種奨学金制度による医師養成、県内の臨床研修体制の充実による初期臨床研修医の受け入れ拡大、また、女性医師の就業支援等に取り組むとともに、即戦力となる医師の招聘など、医師確保に全力で取り組んできたところでございます。この結果、いわて県民計画アクションプランに掲げます平成22年度の医師確保目標の40人は達成できる見込みとなっております。しかしながら、医師の地域偏在や産科、小児科など、特定診療科の医師不足、苛酷な勤務環境等に起因する病院勤務医の離職など、依然として地域医療は深刻な状況が続いているものと認識しているところでございます。このため、平成23年度も引き続きまして、各種施策による医師養成の取り組みや病院勤務医への勤務環境改善、さらには国への制度改革に係る政策提言など、あらゆる方策を講じまして、医師確保対策に取り組んでまいりたいと考えております。
〇熊谷泉委員 おおむね予定されたとおり40人確保されているということでございますが、一つの観点は、県外から来られる医師の確保も大事だと思いますが、県内で勤務されている方が県内に開業されるのは医師の数としては変わらないわけですが、県内に勤務されている方が県外に流出される場合はどのようになっているのでしょうか。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 医師、薬剤師調査等で2、500名余の医師がございますけれども、すべての医師に関しまして、県内外の移動の動向というのは県のほうでは把握をしているところではございませんが、医師招聘活動の一環といたしまして、医師支援推進室によりまして、平成22年度に関しましては14名の医師について招聘の実績を上げたところでございます。
〇熊谷泉委員 実際に出入りはよく把握されていないということでございますが、それはそれで了解しました。
 この医師確保事業の中で、中国からの臨床修練医の招聘ということで、2名の方を年間500万円の予算で招聘しているということでございますが、これはある医科大学との交流かと思いますが、これはどういうきっかけでできた事業なのか。これは多分、岩手医科大学にいらっしゃっていると思いますが、研修医を確保する一環なのか、あるいは中国に対する研修医のレベルアップといいますか、どっちのほうの意味合いが強いのか、お伺いしたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 まず、中国からの臨床修練医の招聘についての経緯でございます。
 県では、平成17年5月に、中国医科大学と医療分野の交流に関する協定を締結いたしまして、中国人医師を本県に招聘して、国の臨床修練制度のもとで、岩手医科大学で臨床修練医として受け入れる事業を支援したところでございます。
 これまで、委員からも御指摘ございましたとおり、2人の産婦人科医師が来日をいたしまして、受け入れ先である岩手医科大学で手術、検査等の助手や当直医のサポート等を務めるなど精力的に研修に取り組み、岩手医科大学におきましても、受け入れ医師の指導等を通じまして、大学の産婦人科講座の活性化や、日本と中国との医療分野の国際交流の推進が図られるなど、本県の医療全体によい影響をもたらしたと、高い評価を受けているものと承知をしているところでございます。
 また、研修を終了して中国に帰国した後も、日本での経験を生かしまして、中国医科大学の中心的存在として活躍するなど、中国医科大学側からもこの事業の成果が評価され、あわせて感謝の意が示されているところでございます。
〇熊谷泉委員 ただいまの内容につきましてわかりました。
 これは国の事業ということで、経費については国から交付金が2人分は出されているという理解でよろしいですか。県費だけでやっているわけですか。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 臨床修練医制度に関しましては、医師法第17条で、医師でなければ医業はできないという、特例として国の法令での制度でございますけれども、この事業に関しましては、県単独事業となっているものでございます。
〇熊谷泉委員 それでは、次の質問に移りたいと思います。
 ドクターヘリ導入推進事業費に関してでありますが、2012年度にドクターヘリの運航に向けて、県内の病院に、県立病院だと思いますが、ヘリポートを整備するということで、これは大体今年度中ぐらいに整備が終了するものなのか。
 まとめてお尋ねしますが、2018年には矢巾町に岩手医科大学附属病院が移転するわけですが、それまでは約5年か6年、現在の岩手医大に搬送するというケースになると思いますが、医大周辺のヘリポートの構想がどうなっているか。
 もう一つは、県立中央病院にもヘリポートを整備する予定なのか、それをまとめてお伺いします。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 まず、1点目の県立病院へのヘリポート整備についてでございますが、平成24年度のドクターヘリ運航開始を見据えまして、県内における広域救急搬送機能の高度化を目的といたしまして、現時点でヘリポートが確保されていない中核的な四つの県立病院に、ヘリポートの確保、整備を図ることとしております。このうち、救命救急センターが設置されております県立大船渡病院及び県立久慈病院については、病院敷地内にヘリポートを整備することとしており、平成23年度中の完成を予定しております。
 また、そのほか県立胆沢病院及び県立釜石病院については、敷地内に用地を確保することが困難であることから、近隣のグラウンド等をヘリの離発着場所として確保することとしております。
 次に、岩手医大附属病院へのヘリポート整備ということでございます。こちらのドクターヘリの運航につきましては、現在の岩手医科大学附属病院が市街地にあるため、格納庫や給油施設を備えたヘリポートの整備が困難であることから、矢巾町の岩手医大附属病院移転敷地内に、発進基地となるヘリポートや関連施設を整備することとしており、平成23年度中の完成を予定しているところでございます。
 また、矢巾町の基地へリポートから発進をいたしまして、救急現場等で搭乗医師が患者への救急処置を行った後、基地病院であります内丸の現在の岩手医科大学附属病院に搬送する場合には、同病院の近隣にヘリの離発着場所を確保する必要がございますが、この点につきましては現在の防災ヘリでも活用してございますが、盛岡東警察署の屋上へリポートを活用することで、現在検討しているところでございます。
 また、県立中央病院のヘリポート整備につきましてでございますが、岩手医科大学のヘリポート整備に関しましては、市街地にあること、また、航空法上の規制等もあって、なかなか整備が難しいという結論をいただいたところでございますが、あわせて、やはり中央病院の近隣に関しましても、近隣が住宅地であること、また、航空法上の規制、また、病院の建築構造の関係等あわせまして、なかなか敷地内に現時点では確保が難しいということでございます。したがいまして、盛岡東署を中心とした盛岡市内への搬送、そこを中心として、岩手医科大学として県立中央病院と連携をしてこのドクターヘリ運航を行いたいということで検討しているところでございます。
〇熊谷泉委員 ドクターヘリのヘリポートについては了解をいたしました。
 それでは、介護についてお伺いをいたしたいと思います。
 介護雇用プログラム推進事業費ということで、これは保健福祉部で、緊急雇用対策の一環で73人の新規雇用を目指すと書かれておりますが、実際に働きながら介護福祉士の資格取得を目指している方々の実態は73名全員確保されているものか、その辺をお伺いいたしたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 介護雇用プログラムの実施の状況についてでございますけれども、平成22年度から開始した事業でございます。これは、二つコースがございまして、一つは、介護福祉士の資格取得を目指す離職者を雇用する事業のほうにつきましては、30人分の雇用につきまして募集を行いました。事業所の方で面接、介護福祉士の養成機関、専門学校への入学試験等を経まして、現在、27事業所において30人雇用されたうち、2名の方が年度途中で退職されまして、現在、28名の方が雇用を継続しながら資格取得に励んでいるところでございます。
 また、ホームヘルパー2級のコースにつきましても、22年度につきましては、60人分の雇用について募集を行いました。その結果、37事業所において54人が雇用されたところでございますけれども、こちらにつきましても、5人の方が体調不良とか自己都合等により退職され、現在49人の方が継続雇用の上、就労しているところでございます。合わせて77名の方が、現在、雇用を継続しながら資格取得、新しい職への定着を試みているという状況でございます。
〇熊谷泉委員 途中でリタイアされる方があるようですが、おおむねこれは今のこのシステムで資格が十分取れるような仕組みだと理解してよろしいですか。
〇岡村長寿社会課総括課長 介護福祉士の資格取得につきましては、2年間養成課程のある専門学校等で就学した後、資格取得できるということでございますので、平成22年4月1日付で入学、雇用された方につきましては23年度も継続しまして、2年間雇用して学校に通った後、資格取得できるものでございます。
 ホームヘルパー2級のほうにつきましては、3カ月から6カ月程度の間には資格取得がおおむねできますので、現在就労中の方につきましては、年度内に全員、資格取得ができると考えております。
〇熊谷泉委員 先ほどから質問にのっておりますが、在宅の待機者の解消のために、平成23年度内に約1、200床ほどの特養ホームの増床ということがありますが、これに対応する介護士のほうの確保はどのようになっているか、お伺いをいたします。
〇岡村長寿社会課総括課長 施設整備に伴います介護職員の確保の見通しについてでございますけれども、介護職員の確保につきましては、介護福祉士やホームヘルパー等の業務をやる資格を有している職員の配置に各事業者では努めているところでございます。こちらについては、各事業者のほうで計画的に実施すると考えておりますが、介護福祉士につきましては、県内に養成機関として四つの専門学校がございまして、例年200人以上の卒業生を輩出しているところでございます。さらに、県立大学におきましても、介護福祉士の有資格者を輩出しているところでございます。また、ホームヘルパー等介護員の養成研修等につきましては、県内で高校や大学、社会福祉協議会や職業訓練協会等が、県の指定を受けて研修事業を実施している状況でございます。
 こちらは平成21年度中につきましては、2、600人弱の方が資格を取得しているところでございますし、22年度の状況について申し上げますと、研修実施事業者が増加しているということもございまして、22年度はまだ実績は出ておりませんが、これまで以上に養成が進むと考えております。
 平成23年度、来年度は、施設整備を進める上での状況も同様と考えておりますので、これらの県内の養成の状況からすれば、介護職員の確保は十分可能ではないかと考えているところでございます。
〇熊谷泉委員 最後に、先ほど喜多委員の質問にもありましたが、この介護サービス施設整備事業の臨時特例債で、ことしが期限ということで駆け込み需要もあったと思いますが、先ほどは特養のほうに99カ所、あるいはグループホームについては、今のところ市町村で要望されたものは全部今年度の事業で完了するということでございますが、これは義務づけられた県内の施設が今年度で全部スプリンクラーの設置が完了すると、100%設置されるととらえてよろしいでしょうか。
〇岡村長寿社会課総括課長 県内の介護施設におきましてスプリンクラーの設置の状況はどうかということですが、特別養護老人ホームや老人保健施設等、消防法施行令で設置が義務づけられている施設につきましては、本年1月1日現在で356施設中、201施設につきましては設置済みとなっております。155施設が未設置となっているわけですが、そのうち69施設につきましては、今年度中に整備が進む予定になっております。残る86施設につきましては、平成23年度中の設置ということで予算計上をしているものでございます。
〇熊谷泉委員 今の説明で平成23年度中に150施設のうちで─もう一度確認しますが、これで全部終わりということでよろしいですか、再度お伺いします。
〇岡村長寿社会課総括課長 来年度中には、法律上の義務設置となっております施設につきましては、すべて設置がなされると考えております。
〇吉田敬子委員 私のほうからは自殺防止対策についてまずは質問させていただきます。
 来年度以降強化するということでしたが、具体的にはどのような事業内容か。これまでの取り組みの成果も加えてお示し願います。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 平成23年度の自殺対策の取り組みでございますけれども、まず自殺対策を全庁的な取り組みとするために、自殺総合対策本部というものを立ち上げたいと思っております。また、障がい保健福祉課に、自殺対策を専門に担当する特命課長を含む職員3人の専従体制をしきたいと、こうした形で、まずは県内部での自殺対策の推進体制の強化を図りたいと思ってございます。
 また、現在策定中でございますけれども、新たな自殺対策アクションプランに基づきまして、県自殺対策推進協議会を中核とした官民一体となった取り組み、これをさらに一層進めたいと思っております。
 具体的な取り組みでございますけれども、平成23年度予算で申し上げますと、対面や電話などの相談支援事業、傾聴ボランティアなどの人材養成事業、それから自死遺族への支援事業、また、自殺に対する正しい知識の普及啓発といった、これまで取り組んできたものをさらに充実をさせていきたいと考えておりますし、新たに自殺に関する多様な分野の相談窓口の連携を図るための全県的なネットワークの構築、それから、自殺のハイリスク者である自殺未遂者の再度の自殺企図を防ぐための見守り体制の構築、また、かかりつけ医と精神科医の連携によるうつ病等に対する支援などについて、さらに重点的に取り組むこととしております。
〇吉田敬子委員 先ほど平成22年の県内自殺者数と自殺率が発表されましたが、発表されたばかりではあるんですが、県としては、特徴また課題をどのように分析しているかお示しください。お願いいたします。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 つい先ほど平成22年の自殺者数について警察庁統計が発表されたところでございますけれども、岩手県の場合467人で、前年に比較して45名の減少になってございます。この467人という数字は、警察庁統計で全国3万人を超えていた平成10年、本県でも500人を超えた時期でございますけれども、これから見ますと最小になってございます。
 また、人口動態統計、これは厚生労働省の統計でございますけれども、これは6月ごろに公表される予定でございますが、これも平成10年から最も少ない数になるのではないかと予想しているところでございます。しかしながら、400人台を切ることはまだないですので、依然高いと。まず、300人台というものを目指していくことが、県としては必要ではないかと思っております。
 主な特徴でございますけれども、性別で申し上げますと、男性は358人から304人と54人の減少になってございます。女性は154人から163人と9人の増加になってございます。年齢別に申し上げますと、50歳代、60歳代の中年世代が減少する一方で、70歳代以上、それから40歳代の中年の方が増加しているところでございます。
 また、自殺の原因、動機別でございますけれども、経済、生活問題につきましては6.4%の減少、家庭問題につきましては19.4%の減少の一方で、健康問題が9.8%増加をしているということになってございます。
 この平成22年の傾向につきましては、主として経済環境に強い影響を受ける男性を中心とした中年世代の減少によるものと考えておりまして、これにつきましては、県、市町村あるいは消費者信用生協などの団体が行いました多重債務相談の強化、あるいはハローワークにおけるワンストップ・サービス・デイの取り組み、雇用とこころの健康相談が連携した相談対応を行った取り組み等が、主に働き盛りの自殺の減少につながったのではないかと考えてございます。
〇吉田敬子委員 先ほど総括課長からもお話がありましたとおり、やっぱり年代や、また、地域でもさまざま自殺の原因や背景が異なるのだと私は思っております。
 12月の一般質問でもお話しさせていただきましたが、地域や年代別の本当に具体的な対策というものが必要だと私は感じておりまして、その件に関しまして、ここ数年は、先ほど総括課長からもお話がありましたとおりに、働き盛りの方、そして、若年層の自殺者数もふえているということで、先ほど70歳代の高齢の方も依然、ここはずっと増加傾向にあります。
 私は、地域別ももちろんなんですけれども、この年代別の具体策も、来年度以降、自殺防止対策を強化していくのであれば必要だと感じておりますが、具体的には、年代別と地域別で何か考えていらっしゃるのでしょうか、お願いいたします。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 委員御指摘のとおり、より効果的な対策を打っていくためには、地域別の傾向がどうなのか、あるいは年代別がどうなのか、そういったことをしっかり分析していくことが必要だと思っております。
 私どもも、次年度以降、県警本部とよく連携をさせていただいて、より詳しい自殺の傾向を、専門家からも分析などをしていただきながら、効果的な対策に努めていきたいと思っております。
 地域的には、やっぱりこれまで同様、沿岸部ですとか、あるいは昨年度見られたように一関地区であるとか、そうした地域的な特徴はありますけれども、年代別に見ていきますと、それがかなり動いていく傾向があるので、そうしたこともよく分析をしながら、効果的な対策に落としていきたいと思っておりました。
〇吉田敬子委員 総括課長の話だと、県のほうではきちんと年代別、また地域別の課題等を把握されているということでよろしいですね。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 今回、全国の警察署統計が出されましたが、その中で、例えば健康問題の中でも、身体的な病気を理由にされている方、それから心、うつが原因だとされている方といった形で分けられた統計が、全国的な統計として出てきております。これは、都道府県別には出てきておりませんので、こうしたところを、まだ私どももきちんと把握しているわけではございません。このあたり、もう少し詳しいところを、県警本部と連携しながら、分析をきちんとしていきたいと思ってございます。
〇吉田敬子委員 そういった地域と年代別での分析というものが一番大切で、把握されるのが一番大事だと思うので、ぜひ進めていただきたいと思います。
 また、県のほうで、県内各地で自殺予防対策の取り組みをしている民間団体等の皆さんもいらっしゃるので、そういった方々の生の声を聞くことが一番大事かと思うので、その方々と一緒に事業を進めていくことももちろん大切だと思いますので、その方向で、ぜひこれからも進めていっていただきたいと思います。
 先ほど、自死遺族の方々の支援等を今後も引き続き重点的にされるということで、私も、自殺防止対策は、実際に自殺に至る方だけではなくて、未遂者の方プラス自殺をされた方々の周りの自死遺族の方々を守っていくことも大変重要だと思っております。
 その自殺対策の基本法というものが、心の健康の保持の支援を掲げているのであるならば、遺族の方々を追い込んでしまって、また、その方々が自殺に至るようなことがないように、防いでいかなければいけないと思っておりますので、その自死遺族の方が接する機会が多い、例えば行政の担当者の方々へも、警察等も含めて行政の方々、例えば役所だと戸籍係の方々というのは、その自死遺族の方と接する機会が多くあると思うんですね。ですので、そういった方々への職員の対応等も含めて、私は、これから県のほうでもきちんと取り組んでいっていただきたいと思っております。
 そしてまた、中でも既遂者の方は、自殺者の数の10倍いると言われております。未遂者は、先ほど総括課長の中で、数であらわすと男性のほうが7割になるのですが、逆に、未遂者の方で多いのが女性で、7割になっております。未遂者の方が、また次にその行為に至らないようにすることも大変大事だと思っておりますが、その未遂者の方に対する支援体制を具体的にどのようにされるのかをお示しください。お願いいたします。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 委員御指摘のとおり、自死遺族の方、それから、未遂の方につきましては、後追いをしたり、それから、再度の自殺企図をしたりということで、非常にリスクの高い方だと私も認識しております。
 特に、未遂者につきましては、今まで対策が非常におくれていた、これは全国的にも、本県もそうですけれども、なかなか未遂後の状況を把握する手だてを講じることができないできてしまっていたと思っております。
 これを今年度から岩手医大のほうにお願いして、医大の救命救急センターに運び込まれる未遂者の方々が最も多いわけでございますので、救命救急センターに対応した形で未遂者支援を行うコーディネーターの方─専門家の方ですけれども、そうした方を配置して、心理教育をしたり、あるいは地域に帰すときの手だてを講じたりといった取り組みを、今年度行ってきたところであります。
 300人ぐらいの方を医大のほうではその事業の中で手当てをしてきたと伺っておりますけれども、地域にきちんと帰すときに、地域で見守っていく体制をつくっていくことが、これから必要になってくるのではないかと思っております。ですので、来年度からは、医大の事業に学びながら、救急病院から未遂者が治療を終えて地域に帰っていくときに、きちんとその情報が保健所等に引き継がれて、専門家による見守り支援をしていくといったような仕組みづくりを、医師会等と御相談をしながらつくっていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 私も、他県で先進的に自殺防止対策に取り組んでいる県の方の取り組みをいろいろ調査したのですけれども、特に未遂者の方に対する支援は、一たん自宅や地域に戻ってからでは遅いので、そこで、例えば病院もそうなんですが、警察の方も、自殺未遂の方に触れられる機会がありますよね。そういったところで、パンフレット等を、相談窓口がありますとかというものを病院の先生からお渡ししたりとか、警察のほうから直接その未遂者の方に、言葉だと説明しづらいのですが、そういうものを渡したりする支援体制をとられているという他県の話も伺いましたので、そういった他県の先進的に取り組んでいるものも含めて、岩手県で、これからぜひ進めていっていただきたいと思います。
 それに続きまして、12月の定例会の私の一般質問の際にもお話ししましたが、やっぱり自殺防止対策は、水際支援だけではどうしようもなくて、さまざまな機関と連携をとっていくことが大切だと思っております。
 例えば、これまで、特に去年の自殺者数が、全国の自殺原因の特徴として、就職の失敗、これは大学生の就職の失敗での自殺がふえている、また、子育ての悩みでふえているということも深刻化しており、最近の雇用情勢や子育て環境の悪化を反映した結果だと私は思っております。
 そういった中で、やっぱり他部局、商工関係や教育委員会等との連携が必要だと私は思っておりますが、来年度以降、具体的にそういった他部局を通じて連携をとっていく体制になっていますでしょうか。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 冒頭お話し申し上げましたとおり、確かに全庁的なそれぞれの施策を、きちんと自殺対策の視点を入れて県ぐるみでやっていくということが、非常に大事だと思っております。
 4月以降、自殺総合対策本部を立ち上げることとしておりますけれども、具体的には、その下に、それぞれ事業、施策を所管している担当課の総括課長級で幹事会を設けたいと思っております。
 これを目指しまして、もう既に準備会のようなものを一度、今年度中に開かせていただきました。現在、アクションプランに、それぞれの事業で自殺に関連する事業、効果的に自殺対策に関係していく事業などを、全庁的にそれぞれの課から計画を今、照会しているところです。それをもってアクションプランをきちんとつくりまして、4月以降の全庁的な取り組みを進めていきたいと思ってございます。
〇吉田敬子委員 これから具体的に進められるかとは思うんですが、多分、担当が商工労働観光部になると思うのですが、パーソナルサポートサービスという生活困窮者に向けた個別支援事業というものをされることに、岩手県で来年度以降なっていると思います。これは盛岡市と奥州市で、これから二つのセンター、奥州市は今までどおり、いわて求職者総合支援センターで、盛岡市でも来年度以降行うのですけれども、これは、就労支援にとどまらずに、生活上の困難を全体的に把握して、包括的、継続的に自立支援をすることになっておりますので、先ほどのハローワークでのワンストップ化というお話もありましたが、こういったほかのさまざまなセンター等との連携も必要になってくるかと思いますので、ぜひ、引き続きお願いしたいと思います。
 もう一つ、これは通告の中の質問には入れていなかったんですが、自殺防止対策の中で精神医療というものが大変重要になるかと思うんですが、県の精神科救急情報センターのこれまでの事業実績と、今後の事業展開についてお願いいたします。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 県の精神科救急医療体制についてでございますが、県ではこれまで、休日、夜間において精神疾患の急発、急変等により医療が必要な方について、適切な医療が提供できるように、精神科救急医療体制というものを敷いております。これは、県内4ブロックに分けまして、それぞれに常時対応施設というものを置きまして、4病院で夜間、休日の救急に当たるという体制を敷いてございます。
 これまでの実績でございますけれども、4圏域4ブロックで、平成21年の相談件数は2、986件となってございます。これは来院者数でございますので、電話等による相談については、これよりもさらに多いということになります。
 本県のこの精神科救急医療対応施設への来院件数は全国トップクラスでありまして、かなり直接、夜間、休日にこれらの4病院に患者さんが来院しているという実態にあります。しかしながら、この中の約8割の方は、その日のうちに帰る方々で、入院が必要なほど救急状態にある方は2割ということであります。
 こうした現状が、この4病院のお医者さんのかなりの負担になっているのも事実でございまして、県としては、来年度から、現在10時までの対応をしている精神科救急情報センターでございますけれども、これの24時間化を図りまして、直接来院する前に、情報センターでさまざま状態像をお聞きして、安心感を与えて、余り直接、救急病院に行かないような仕組みをつくろうということで、今年度取り組むようにしてございます。
〇吉田敬子委員 これまで、平日は午後5時から10時までと、土日、祝日が午前9時から午後10時までというものを24時間体制にされるということで、今後は、本当に、先ほど総括課長のお話にもありましたとおりに、健康問題で自殺等に至る方が多いので、私は、もっとこういうところを強化していく必要があるとは思うんですが、その24時間体制になることでスタッフを3人ふやされるということで、逆に、私は3人で24時間体制ができるものなのかなという疑問をちょっと感じまして。
 私は、以前に県の男女共同参画センターで職員をしておりまして、その中にも相談員という者がおりました。その相談は、さまざまな悩みを抱える方、特に女性が多かったんですけれども、DV等の相談も受けている中で、相談員の方が抱える負担というものも大変多かったんです。
 こういう支援をする人の支援体制というものも私は大事だと思っているんですが、今回、24時間体制になることで、これまで7名の方で対応されていたものを、プラスアルファ3人増員ということでよろしいんでしょうか。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 来年度の体制につきましては、10名体制でやるということと考えております。
〇吉田敬子委員 私がお話ししたかったのは、今まで7人でやっていたものを、3人増加しただけで、今までは24時間体制ではなく、これから24時間体制にする中で、職員3名の方を増員するだけで、これからもっともっと多分相談件数がふえていく中で、その相談員の方の負担が大きくならないかというところをちょっと懸念していましたので、質問させていただきました。
 今後は、職員の体制等も、負担にならないような体制づくりをこれからもぜひ進めていっていただきたいと思います。
〇小西和子委員 私は、120ページの周産期医療にかかわってお伺いいたします。
 では、簡潔にいきたいと思います。
 平成20年、平成21年の周産期死亡率、乳児死亡率、新生児死亡率と全国順位をお示しください。
〇奥寺児童家庭課総括課長 周産期死亡率等の実態と全国順位についてでございますけれども、まず、周産期死亡率につきましては、平成20年は5.4で全国順位は44位、平成21年は5.4と前年と同じでございますが、全国順位は47位となってございます。
 乳児死亡率につきましては、平成20年は3.5で全国順位は46位、平成21年についても前年と同じ3.5でございますが、全国順位もこれは同じく46位でございます。
 そして、新生児死亡率でございますが、平成20年は1.5で全国順位は36位、平成21年は1.9で全国順位は45位となってございます。
 なお、各項目につきまして人数で見ますと、周産期死亡数は、平成20年が55人、平成21年は56人となっており、乳児死亡数は、平成20年が36人、平成21年が35人となっております。
 また、新生児死亡数は、平成20年が15人、平成21年が19人という状況になっているところでございます。
〇小西和子委員 ずっと全国順位が低かったわけではなくて、昭和60年から平成10年ごろは死亡率が低くて、全国順位も1位から7位がほとんどでありました。その時期との違いは何でしょうか。現在の実態の原因と背景をお示しください。
〇奥寺児童家庭課総括課長 過去の全国順位が低かった時期との違い等についてということでございます。
 先ほど申し上げました乳児死亡数等の実人数を委員から御指摘のあった平成10年と平成21年とで比較してみますと、乳児死亡数は、平成10年が40人であるのに対し、平成21年は35人となっているほか、新生児死亡数は、平成10年の21人に対し、平成21年が19人、周産期死亡数は、平成10年の79人に対し、平成21年が56人と、いずれも、その実人数は減少しているところでございます。
 しかしながら、これを乳児死亡率等の出生時1、000人に対する割合により比較した場合には、乳児、新生児等の母数が少ないために、その数値の算出結果は大きく影響を受けまして、例えば、近年の乳児死亡率について見ますと、平成19年は、乳児死亡数が23人であったことから、死亡率が2.2と全国順位が9位であったのに対し、2年後の平成21年は、死亡数が35人と平成19年より12人増加した結果、乳児死亡率は3.5となり、全国順位は46位となったところでございます。
 このように、乳児、それから新生児等の母数が少ないことから、その年の乳児死亡等の人数により全国順位は大きく変動しているところでございまして、委員御指摘の平成10年以降におきましても、乳児死亡率は、平成12年は全国1位、平成13年は全国4位でございましたが、翌年の平成14年は全国順位が44位となるなどの結果となっているところでございます。
 ただし、周産期の死亡率に関しましては、平成10年以降、全国順位がおおむね30位台、40位台という状況が続いていること、また、これら乳児死亡等に関する平成10年以降の動向を見ますと、全国の総数では減少傾向にあることから、県としましても、総合周産期母子医療センターが設置されております岩手医大とも連携しながら、その原因等の分析に取り組んでいく必要があるものと考えているところでございます。
〇小西和子委員 少子化というのは、岩手県だけではなくて他県でも同じなわけです。ですから、母数がという回答は、ちょっと私も納得はいきませんけれども、次に進ませていただきます。
 まとめてお伺いします。
 妊婦健診は、財政措置を含めまして回数も14回に拡大され充実してきております。ですけれども、平成20年、21年の実施率というはどうなのでしょうか。もしも地域ごとの特徴がありましたならば、お示しください。特にも病院の統廃合地域とか空白地域について、特徴的なことがございましたらお伺いいたします。
 それから、先ほど詳しくそれぞれの死亡率等を示していただいたのですけれども、地域ごとにもしも特徴的なことがありましたならば、これもあわせてお願いいたします。
 そして、妊婦健診受診率と乳児死亡率等との関連をどのようにとらえていらっしゃるのかということをお伺いいたします。
〇奥寺児童家庭課総括課長 妊婦健診の受診率の地域ごとの状況についてということでございます。
 妊婦健診の公費負担が全市町村で14回に拡大されたのは平成21年からとなりますので、平成21年の状況について申し上げてみますと、妊婦健診の受診者を32週未満の早産予防という観点から、特に受診することが望ましいとされている8回以上受診した妊婦の割合で、県内9保健医療圏ごとに比較しますと、最も受診率が高いのは釜石圏域で89.9%、次いで盛岡圏域の86.9%、岩手中部圏域の74.5%の順となってございます。反対に受診率が低いのは、順に、胆江圏域の47.8%、気仙圏域の58.0%、両磐圏域の65.9%となってございます。
 なお、同様に、乳児死亡率の状況を県内9保健医療圏ごとに見ますと、最も乳児死亡率が低いのは胆江圏域と二戸圏域の0.0、次いで宮古圏域の1.7、両磐圏域の2.1の順となってございます。反対に乳児死亡率の高い順に圏域で見ますと、岩手中部圏域の6.1、釜石圏域の5.3、盛岡圏域の4.4となっているところでございます。
 そして、この妊婦健診の受診率と乳児死亡率との関連性ということでございますけれども、この二つの数値の関連性を考えると、例えば妊婦健診の受診率の低い市町村については、乳児死亡率が高くなるのではないかとも考えられることから、この点から市町村ごとの状況を見ますと、まず、妊婦健診について、先ほどと同様に、8回以上受診した妊婦の割合を市町村ごとに比較しますと、最も受診率が低いのは西和賀町で25.0%、次いで洋野町の29.5%、以下、田野畑村の37.5%、奥州市の47.2%、藤沢町の51.4%の順となってございます。
 一方、乳児死亡率を高い順に見ますと、最も乳児死亡率が平成21年で高いのは、西和賀町で31.3、2番目に大槌町で11.2、以下、北上市の8.1、盛岡市の5.9、遠野市の5.2の順となってございます。
 ここで、妊婦健診受診率が最も低い市町村と乳児死亡率が最も高い市町村が同一の西和賀町となっておりましたが、同町の乳児死亡率が高くなったのは、この平成21年に乳児が1人死亡したことによるものでございまして、同町では平成21年以前の5年間、乳児死亡数はゼロ人であることから、この場合の乳児死亡率は0.0となるものでございます。
 また、2番目以降の市町村で共通する市町村はなく、妊婦健診の受診率が低いほうから4番目の奥州市と5番目の藤沢町では乳児死亡率が0.0となっているなど、乳児死亡率という母数が少ないこともありまして、この両者に余り明確な関連性は見られない結果となっているところでございます。
 なお、県内の医療機関における、いわゆる飛び込み出産の状況につきまして、県医師会が現在、調査を行っておりまして、まだ集計途中ではございますけれども、その結果によれば、妊婦健診の公費負担が14回に拡大された平成21年度の飛び込み出産件数は、平成20年度より減少し、前年度のおおむね75%から50%程度となる見込みとなっているところでございまして、公費負担の拡大の効果が一定程度出てきているのではないかと、現在考えているところでございます。
〇小西和子委員 ありがとうございました。意外にも全く関係がないということ、それから、統廃合地域とか空白地域についてもお伺いしたのですが、特には問題はないというようなことでよろしいわけですね。はい。ちょっと違うような気がしますけれども。
 それでは、2月定例会の一般質問の際にお伺いしました総合周産期母子医療センターにつきましては、実績を示していただきましたし、周産期医療情報ネットワークシステムにつきましては、取り組みについて答弁いただいたところでございますけれども、今年度策定した県の周産期医療体制整備計画に基づくセンター機能の充実支援とネットワークシステムの拡充などを推進するために、今回、当初予算案に関係事業費を盛り込んでいるわけですが、その事業内容と取り組みについてお示しください。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 センターの機能の充実支援やネットワークシステムの拡充に関連する平成23年度当初予算案の主な事業内容についてでございます。
 まず、周産期母子医療センター運営事業につきましては、センターの充実強化を図るため、母体・胎児集中治療管理室、これはMFICUと申しますけれども、こちらやNICUなどの運営に要する経費を支援するものであり、2億2、200万円余を計上したところでございます。
 なお、今回新たに認定いたしました3地域センターを含む9病院に対する支援でございます。
 また、周産期救急搬送コーディネーター事業につきましては、周産期救急患者の迅速かつ適切な受け入れ先の確保を図るとともに、医療機関の機能分担と連携を強化するため、岩手医大に救急搬送コーディネーターを配置するものであり、1、000万円を計上しているものでございます。
 さらに、周産期医療情報連携システム整備事業につきましては、基幹病院に周産期電子カルテを整備いたしまして、基幹病院に超音波伝送装置や周産期電子カルテなどを整備いたしまして、迅速かつ効果的な患者情報の共有等を行うものであり、医療連携を効率的に行うため10億5、000万円余を計上しているところでございます。
 なお、先ほど委員から周産期死亡率と医療体制の関連についてございました。周産期死亡や乳児死亡の主な原因といたしましては、先天奇形や周産期に発生した障がいなどが主なものとして挙げられてございます。これは、出産年齢の高齢化や母体の生活習慣、環境など、さまざまな要因が影響しているものと考えられるところであり、医療体制との関係につきましては、評価が難しいところがあるのではないかと考えております。
 なお、妊産婦死亡に関しましては、平成19年以降ゼロ人となっており、出産時の搬送や医療提供体制による大きな影響は考えにくいものではないかと考えております。
〇小西和子委員 それでは、乳児死亡率等の改善のための取り組みについて具体的に示していただきたいのですが、やはり関係ないと言われましても、病院の統廃合地域とか空白地域の対策についても、一言触れていただきたいと思います。
 それから、先日報道されておりましたけれども、日本の医療体制は、世界保健機構から世界一と評価されていることですけれども、日本で1歳から4歳の幼児死亡率だけが、先進国でアメリカに次いで高いということ、そういう報道を見ましたが、医師不足は、日本の1歳から4歳までの幼児死亡率の悪化にも影を落としている可能性が高いということを医療関係者が話しているわけです。
 岩手県の乳幼児の大切な命を守るために、ぜひ、医療体制の整備をさらに進めていただきたいと思いますけれども、そのことについての御所見もお伺いし、終わりたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 委員から御指摘ありましたとおり、乳児死亡率や、また幼児の死亡率につきましては、重大な問題と考えてございます。
 この中でも乳児死亡率は、新生児死亡率、周産期死亡率と、幼児の死亡には要因がさまざまございますので、分けて課題を整理し、検討すべきものと考えてございます。
 しかし、周産期や乳児の医療体制につきましては、現在の周産期、産科や小児科が非常に少ない中で頑張っている医療資源の中で、有効に、効果的に提供していくために、県内全体で総合周産期母子医療センターを中核といたしまして、今回、地域センターを整備いたしまして、そこへの側面支援、また、搬送コーディネーターを設置して、全県での搬送連携体制の確立、また、いーはとーぶなどのITを活用した情報共有による円滑な搬送システム、また、行政との連携、こういった取り組みを総合的に進めながら、安全・安心な周産期医療体制の確立に向けて取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 簡潔に質問していきたいと思います。
 まず最初に、今回予算措置されております在宅医療普及促進事業費について、その具体的内容と、そして、その中で示されております患者情報共有システム、これらの内容について、どのようなものなのかお示しください。
〇石田保健福祉企画室企画課長 在宅医療普及促進事業費についてでございますが、この事業は、医療、介護、福祉の連携体制の構築に向け、在宅医療支援体制の推進を図ることを目的といたしまして、釜石保健医療圏において、医療、介護、福祉の関係者が在宅医療に関する現状や課題を把握し、それらを改善しながら、在宅医療を充実していこうという事業を一つのモデルとして行おうとするものでございます。
 この患者情報共有システムでございますが、IT技術を活用いたしまして、圏域内の急性期医療を担う県立釜石病院を中心に、他の病院、診療所、介護施設等をネットワーク化する事業を2カ年で構築いたしまして、診療、検査のオンライン予約や、放射線検査結果などの患者情報の共有を行おうとするものでございます。
 このシステムの導入によりまして、医療機関相互の紹介、逆紹介がオンライン化され、病診連携、病病連携が一層促進されますことや、診療情報や地域連携クリティカルパスを地域で共有することなどによりまして、医療、介護、福祉の連携が一層深まるものと期待されているところでございます。
 また、医師の負担軽減や医療費の軽減にもつながるものと期待されているところでございます。
〇木村幸弘委員 釜石をモデルにしていろいろ関係者でそれぞれ在宅医療の患者の状態等を含めて課題を把握していこうということで、大変期待しておりますけれども、同時に、今の情報共有システムというか、その内容等についていいますと、医療面的な、やはりどうしても保健福祉部の所管から言うと、その対応だけが、まず情報共有の中身というかそういう形になっているようにお聞きしました。
 しかし、一方では、やはり在宅医療の患者さんの置かれた、いわゆる生活面を含めたさまざまな総合的な関係からの実態というものをしっかりと把握しておく必要があるのではないかと。それが、介護や福祉を含めて、総合的な手だてとして、単に医療に対する形だけを進めるということではなくて、本当に全般を含めてその患者さんを支えるという形の情報の共有化というものが必要ではないかと思いますけれども、その点についての考え方があればお示しいただきたい。
 あわせて、こうした在宅医療の県内における実態というものが全体としてどうなっているのだろうかということになるわけでありますけれども、在宅医療が、これまでどのような推移で本県においてはその動向がなってきているのか、どういう実態になっているのか、それらの状況について、本県の実態を把握されていれば、それについてもお聞かせ願いたいと思います。
〇石田保健福祉企画室企画課長 先ほどの情報共有につきましては、医療機関、介護施設等が中心となっているというお話をいたしましたけれども、当然、これには市町村も入っているところでございます。医療、介護以外の他のサービスにつきましては、この市町村等が深くかかわることによって、よりよいサービスが提供されるものと考えておるところでございます。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 県内の在宅医療の動向及び実態についてでございますが、例えば、全国で最も実施されております在宅療養は、糖尿病等の患者を対象といたしました在宅自己注射でありますが、本県内では、現在、県が把握しているところでは、おおむね100医療機関が在宅自己注射管理を実施しており、このうち県立病院、診療所の24機関では、速報値ではありますが、平成23年1月に計2、412人の患者さんに対して算定が行われているところでございます。
 近年の疾病構造の変化、医療技術の向上や健康保険制度における在宅療養指導管理料の拡充等に伴いまして、このような在宅療養は、本県内でも増加している傾向にあるものと考えております。
〇木村幸弘委員 糖尿の自己注射については、需要というか動向は大変ふえているのだろうというのは実感としてわかるんですけれども、私が改めて聞きたいのは、在宅医療のうちでも、通院ができないというか、寝たきりの状態の中で在宅医療をされている方々の状況がどうなっているのかということであります。
 これについては、引き続き質問していく中でさらにお話ししたいのですが、実は、4日に環境生活部で質問してきたことと関連してくるのでありますけれども、保健福祉部の立場から、いわゆる医療廃棄物を処理する関係において、特に通院可能者については、自分で在宅で注射をしても、そのものは、次にまた病院に行くときにお返しをし、あるいは処理ができるということが可能でありますけれども、一方では、寝たきり等の在宅医療の患者さんについては、医療機関が引き取りに来ていただく部分の鋭利なものの取り扱い、それから、非鋭利なものについての、環境生活部で議論した、これは市町村を中心にして処理をするのだという考え方と、今、環境省から示された手引によって進められているわけであります。
 そうした中で、結果的に、市町村の対応と医療機関の対応で、しかも県内のそれぞれの自治体の対応が異なっている場合に、この寝たきりの在宅医療患者に対するそうした生活面から見た廃棄物の処理という観点が、やはりどうしても問題として出てきたものですから、その点について、保健福祉部としても、実態をまずきちんと、そういう寝たきり患者さんがどういう実態になっているのかということをつかみながら、当該の市町村あるいは医療機関、そして環境生活部、こことの連携の中で、そうした生活にかかわる廃棄物処理のあり方についても情報を共有しながら、そして、主管である環境生活部の対策をしっかりと行わせていくとか、そういった連携の対応というものが必要になってくると思いますけれども、その点についての保健福祉部の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 委員から御指摘ありましたとおり、在宅医療の実態等につきましては、在宅の患者さんは、福祉や介護、さまざまなサービスを受けてございますので、今後、県としても、そういった実態についてはきちんと把握していくべきだと考えておりまして、こういった検討を進めていきたいと考えてございます。
 なお、医療廃棄物の課題でございます。
 在宅医療にかかわる医療廃棄物の処理の実態については、本県においては、従前から、患者の自宅から排出される自己注射用注射針等については、廃棄物に係る法令上、一般廃棄物となるものでありまして、在宅の医療でサービスを受けている患者さんに関しましても、医療機関、薬局などが訪問した際に回収するなど、医療関係団体、医療機関等の御協力をいただいて対応しているものと理解してございます。
 なお、その他の在宅医療廃棄物につきましては、一般廃棄物として、市町村において収集、処理がなされるものと認識しておりまして、その実態については、先週の環境生活部の審査において、同部から答弁されたとおりの状況と理解してございます。
 ただ、こういった問題についても私ども認識してございまして、例えば、医療関係団体との意見交換の場などでも、この課題については取り上げられてきたところでございます。
 また、保健所などにおきましても、市町村、医療関係団体等が参画する保健所運営協議会等の協議組織の場などにおきましても、関係者が、この課題について協議を現場のレベルでしているものと理解しているところでございます。
 当部といたしましては、所管しております環境生活部におきまして、事業実施責任者であります市町村が一般廃棄物として収集、処理するよう助言しているところでもございますので、こういった取り組みのおくれている市町村の動向を注視していくとともに、当部といたしましても、環境生活部と連携を図りながら対応していきたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 最初に、部長に、県立病院等事業の経営形態等のあり方に関する報告書が出されました。県議会にも報告がありました。
 私は、県立病院等事業の評価というのは、かなり積極的に評価されたのではないか。経営形態については、メリット、デメリットを提起して、最終的には県が判断するもの、こういう提起で、いずれ経営形態にかかわらず、具体的な経営の改善課題というものが提起をされたと。
 私は、今の体制で改革、改善に取り組むべきだと考えますが、部長は、この報告書をどういうふうに受けとめているか、そして、保健福祉部、県として、この報告書をどういうスケジュールで県自身の対応方針を決めるのかお聞きします。
〇千葉保健福祉部長 今、委員からお話がございましたように、この報告書におきましては、非常に多面的な論点でいろいろな御意見をちょうだいしているところでございます。特に、大きな、議会から導入を踏まえて議論いただきましたが、この経営形態のあり方につきましては、次の新しい県民計画のアクションプランの中で、当然、また改革編とかそういう形でさまざまな課題を4年間のスケジュールの中で検討していくことになると思いますので、その中の検討課題として位置づけて検討していくこととなるものと考えております。
 また、特に官民の役割分担、あるいは県、市町村の役割分担等についても議論いただきまして、これにつきましては、平成25年に策定いたします県の保健医療計画について、来年度から策定作業をしますので、その中でも議論を進めていきたいと。大きいところではアクションプラン、専門的なところでは、県の保健医療計画の中で議論を引き続きしていくと。これは、私ども行政が主体となって議論していくということになろうかと思っております。
〇斉藤信委員 わかりました。
 次に、国保税の改善の課題について質問します。
 私たちが盛岡市民アンケートを行って、1、030人の方から回答をいただきました。その中には、国保税が大変高くて困っているというのとあわせて、国保に加入していない、加入できない、失業のために国保に加入していない青年が周りにたくさんいます、こういう切実な声が寄せられました。無保険という実態が県内でもたくさんあるのではないか。
 全国では100万人という推計もございますが、私は、県内の実態を調査し、把握すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 また、未加入者が国保に加入する場合に、未加入期間が滞納分ということで、支払いが前提にされるとますます入れなくなると。こうした問題も改善すべきと思いますが、いかがでしょうか。
〇立花健康国保課総括課長 医療保険に加入していない無保険の方々の実態についてでございますけれども、国民健康保険法に基づきまして、こうした実態につきましては、市町村が被保険者の資格管理を行っておりますことから、市町村において把握することが適当と考えております。
 したがいまして、県といたしましては、市町村に対しまして、いわゆる無届け者の把握に努めるとともに、退職や失業等により他の医療保険の資格を失った方々が無保険状態にならないよう、住民に、さまざまな機会をとらえて国保への加入手続について積極的にPRを行うよう、会議等の場で要請しているところでございます。
 また、県におきましても、新聞広告等により県民の方々に、忘れずに、早目に手続を行うよう周知を図っているところでございます。
 それから、滞納分の関係でありますけれども、国保の被保険者の資格時期は、他の社会保険と同様に、いわゆる事実発生主義をとっております。したがいまして、市町村に届け出をした日ではなくて、国保の資格が発生した日、すなわち、他の医療保険の資格を喪失した日から資格を取得したことになります。
 それで、国保税につきましても、地方税法の規定により、資格が発生した日までさかのぼって課税されることとなります。ただし、遡及は最大3年までということになっております。
 県といたしましては、まず、失業等により被保険者の資格を失った方々が、こうした理由によって滞納が発生しないように、早期に市町村に届け出を行うよう、市町村に対して、住民への周知を積極的に行うように助言しているところでございますし、また、納税が困難な方に対しては、その実情を十分に把握しながら、担税能力に応じて、分割納付を認めたり、あるいは徴収猶予、減免を行うように通知するとともに、会議を通じて要請しているところでございます。
〇工藤勝子副委員長 斉藤信委員の質疑の途中でありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、10分間ほど休憩いたします。
 斉藤信委員、御了承願います。
   午後2時57分 休 憩
   午後3時14分 再 開
〇五日市王委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇斉藤信委員 深刻な無保険の実態について市町村が把握すべきものと、ちょっと機械的な答弁がありましたね。
 実は3月3日に、私、総括質疑でも紹介しましたけれども、全日本民医連が、1年間で、受診がおくれて71人が亡くなったと。岩手県でも67歳の男性1人がこの中に入っていると。主な理由は無保険、そして資格証など、窓口で全額負担しなければ病院にかかれなかったという、こういう事例が多いんですよ。私、無保険の実態というのは、市町村と協力をしてぜひ把握をしていただきたい。
 それと、資格証明書の発行世帯が873世帯、短期保険証とめ置きが2、473世帯。短期保険証のとめ置きは事実上、これは無保険ですよ。私は許されない事態だと思いますよ。この中には、中学生、高校生も含まれているんじゃないでしょうか。直ちにこれは改善すべきものだと思いますが、いかがですか。
〇立花健康国保課総括課長 短期保険者証の状況でございますけれども、現在2、473世帯に交付しているわけでございますが、そのうち未交付者が4、000人ございます。それから、資格者証につきましては、世帯数で言いますと874世帯、交付対象者が1、112人という状況でございます。
 短期証の未交付につきましては、市町村に対しまして、機械的に行うのではなく、できるだけ訪問等を行って届け出るように通知をしているところでありますし、また、会議の場でも、そういった取り扱いをするように助言をしているところでございます。
 それから、資格証明書でございますけれども、これは国民健康保険法に基づきまして、滞納者についてはこの証明書を交付いたしまして、現物給付をするという形になっているわけですけれども、この取り扱いについても、市町村において慎重に取り扱うように助言をしているところでございます。
〇斉藤信委員 いずれ、資格証というのは窓口全額負担ですから、滞納している人が全額負担しなければ病院にかかれないというのは、事実上、ほとんどかかれないという意味ですよ。とめ置きというのは無保険ですから、これは本当に改善していただきたい。
 それと、高過ぎる国保税を滞納しますと、納期も過ぎるとすぐ延滞金がかかります。1カ月過ぎると14.6%の利息がかかるんですよ。まさにこれはサラ金国保です。やむを得ない事由があれば減免できると、こういう規定がありますし、不納欠損処理というのもあると思いますが、本当に払えない方々についてはきちんと減免する、不納欠損処理をしていくということが必要だと思いますが、いかがですか。
〇立花健康国保課総括課長 延滞金の関係でございますけれども、やはり地方税法の規定によりまして、延滞金の納入が困難な、やむを得ない理由がある方々に対しましては、市町村長の判断によりまして減免できるということとされているところでございます。県といたしましては、市町村に対しまして、延滞金も含めまして、国保税の支払いが困難な被保険者に対しましてはきめ細かに相談に応じて、分割納付とか徴収猶予とか減免を適切に行うよう、助言をしているところでございます。
 ちなみに、延滞金の減免状況でございますけれども、平成21年4月以降、4市町36件、225万8、000円余が減免になっているところでございます。こういった生活困難者の状況についてはきめ細かに対応するよう、引き続き助言してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 医療費の一部負担、減免の制度、これは厚生労働省から通知もあって、今、各市町村が医療費の一部負担減免の規則、要綱を作成していると思いますが、この減免の基準と要綱、規則の作成状況はどうなっているでしょうか。
 それと、私は高過ぎる国保税は、払える国保に引き下げるということが一番の解決方向だと思います。2010年度で、12道府県が合わせて84億1、800万円、一般会計から法定外の繰り入れをしています。秋田県は2億8、930万円、群馬県は4億6、806万円。岩手県もこの程度のことをやるべきじゃないでしょうか。
〇立花健康国保課総括課長 医療費の一部負担金の減免制度に係る市町村の対応状況でございますが、現在、基準制定済みの市町村は11市町村ございます。それから、平成23年度中に制定を予定している市町村は12市町村でございます。
 委員御指摘のように、国から基準が示されて、また、減免した額の2分の1を交付金で補てんするという通知がございますので、県としましてはこの通知を受けまして、市町村が基準制定に積極的に取り組むよう要請してまいったところであり、今後も、予定のない市町村については、規準を制定するように要請してまいりたいと考えております。
 それから、国保税の引き下げでございます。これにつきましては、本会議でもさまざま答弁させていただいているところでありますけれども、県といたしましては、市町村による低所得者の国保税の軽減に要する経費の補助、これは4分の3を補助しているわけですが、こういう補助とか、あるいは市町村間の医療給付金の格差などによる不均衡を調整するための調整交付金など、県の財政負担を着実に行いまして市町村を支援してまいりたいと考えております。
 委員から先ほど12道府県というお話がございましたが、これは私ども調査をいたしましたところ、乳幼児の関係の現物給付をする場合、国の調整交付金のペナルティーがあるわけですけれども、これの減額分の補てんに対する補助ということでございますので、保険料の引き下げに関する補てんではないと承知しているところでございます。
〇斉藤信委員 さっき一部負担の減免の12市町村というのは、平成23年度中ではなくて22年度中でしょう。後で。
 次に、介護保険の改善の問題について、平成23年度に1、007床整備されるということは私は評価したいと思うんです。問題は、2010年度、2011年度、特養ホームの開設分はどうなるのか。いわば5、900人の待機者というのは去年の3月末ですから、第4期中に本当にこれはどこまで解消できる見通しかを示していただきたい。
〇岡村長寿社会課総括課長 特別養護老人ホームの開設についてでございますけれども、現時点におきまして、平成21年度から23年度までの第4期計画期間中に、計画対応分といたしまして658床、地域密着型特別養護老人ホームの上乗せ整備分として397床、広域型の特別養護老人ホーム前倒し整備分として189床、計1、244床の整備を見込んでいるところでございます。このうち13床につきましては、平成21年度中に開設されております。残る1、231床のうち、平成22年度に142床、平成23年度に1、089床の開設が見込まれているところでございます。
 平成23年度当初予算におきましては、介護サービス施設等整備臨時特例事業費におきまして、地域密着型特別養護老人ホーム19カ所、540床、広域型特別養護老人ホーム、これは30床以上でございますが、老人福祉施設等整備費におきまして313床の整備に対応する予算額を計上しているほか、中核市であります盛岡市が支援する施設整備等もございますので、現時点では、23年度に県全体で、委員御指摘がございました1、007床の整備が見込まれているものでございます。
〇斉藤信委員 そうすると、これは第4期中に入所可能だと、こう受けとめてよろしいですね、今の整備される数はね。開設分で私は聞いたので。
 それでは、介護職員の離職と待遇改善についてお聞きしますが、本会議の答弁で、10%の介護従事者が離職をしているという答弁がありました。これは実数ではどうなるんでしょうか。離職の主な理由、そして処遇改善はどこまで進んでいるのでしょうか。
〇岡村長寿社会課総括課長 介護職員の離職につきましては、財団法人介護労働安定センターが実施いたしました実態調査の結果によりまして、平成20年10月から21年9月までの1年間で、離職率が10%という状況でございます。
 当該調査は抽出調査でございますので、離職者の実数は把握できていないという状況でございますけれども、厚生労働省で調査しております平成21年10月現在の県内の介護職員数が常勤換算で約1万1、300人となっておりますので、単純に試算すれば1、100人程度となると見込んでございます。
 離職の主な理由についてでございますが、同調査におきましては、仕事の負担についての悩み、不安、不満等を調査しております。県内で回答の多かった項目は、仕事内容の割に賃金が低い、有給休暇がとりにくい、人手が足りないなどとなっておりまして、このようなことが離職につながっているのではないかと推測されるところでございます。
 待遇改善につきましてですが、県内の9割近い事業所が介護職員処遇改善交付金事業を活用しておりまして、平成21年度では、介護職員1人当たり月額約1万3、000円の交付金の交付に加えまして、事業者の上乗せ分も含め、1人当たり月額約1万6、000円程度の賃金改善が行われていると報告を受けております。
〇斉藤信委員 次に、子供の医療費助成についてお聞きをします。
 県内の市町村で、小学校卒業まで、中学校卒業まで、高校卒業まで、かなりの規模で医療費助成に取り組む市町村が広がっています。来年度も新たに広げようとしている自治体もありますが、その実態を示していただきたい。
 私は、県としても、ここまで広がったら、小学校卒業までは医療費助成を拡充すべきじゃないか。そのための費用は4億円というんですけれども、決してこれは大きい額ではないと思いますが、いかがですか。
〇立花健康国保課総括課長 答弁の前に、先ほど一部負担金の減免の市町村の状況についての確認がございましたが、平成23年度中の実施に向けて規準を制定する予定の市町村でございますけれども、1つふえまして今現在12市町村ということでございますので、確認のため答弁させていただきます。
 それから、ただいまお尋ねの市町村の子供医療費助成の取り組み状況についてでございますけれども、現在、独自に対象を拡大している市町村は、小学校1年生までが1町、それから小学校卒業までが6市町、それから中学校卒業までが8町村、高校卒業までが1町と、合計16市町村ということになってございます。
 また、平成23年度中に新たに拡大を予定している市町村でございますが、これは2月1日現在の調査でございますけれども、就学前から小学校卒業までに拡大するのが3市町ございます。それから、就学前までから中学校卒業まで拡大するのが1町、それから小学校卒業まで既に拡大しておりまして、それをさらに中学校卒業まで拡大するのが1町、合計5市町ということになってございますので、合計すれば、さらに拡大するのを除きますと20市町村という状況になっているところでございます。
 それから、拡充の関係でございますけれども、この基準を小学校卒業まで拡充するとか、いろいろ拡充する場合でございますが、やはり多額の県費負担が見込まれるところでございます。したがいまして、近年の社会保障関係経費とかあるいは県立病院等の事業会計負担金等の増嵩によりまして、現在の県予算における状況を見ますと大変厳しい状況になるものと認識しているところでございまして、直ちに実施することは困難であると考えているところでございます。
〇斉藤信委員 保育の新システム、いわゆる子ども・子育て新システム、私、これは保育を市場化して保育所探しを家庭の自己責任にして保育の質を低下させるものだと思いますが、今示されている子ども・子育て新システムの主な内容はどういうものか、そして県はそれをどのように受けとめて対応しているか。
 保育所待機児童、無認可に預けている方も含めて待機児童をどのように把握しているか。休職中の方も子供を預けられれば働けるという人たちは、待機児童に入っていないんですね。こういう方も含めた全体像をどう把握しているでしょうか。そして、その解消にどう取り組んでいるでしょうか。
 最後ですが、県立療育センター、この今後のあり方について今検討がされているようでありますが、この県立療育センターの今後のあり方、新しい整備計画、今、検討されている内容を示していただきたい。
〇奥寺児童家庭課総括課長 まず、子ども・子育て新システムの主な内容とそれに対する県の対応についてということでございます。
 現在、国では、子ども・子育て新システムの検討会議を設置しまして、幼保一体化を含む新たな次世代育成支援のための包括的、一元的なシステムの構築について検討を行ってございます。
 主なものとして、次のような新システムを実現するものとされております。例えば、基礎自治体である市町村の重視、それから幼稚園、保育所の一体化、それから多様な保育サービスの内容などでございます。
 新システムが実現した場合、市町村におきましては、子ども手当や一時預かり等の地域子育て支援サービスについて、現金給付と現物給付の組み合わせの決定ですとか、給付メニューの設定など、自由度を持って市町村の裁量で地域の実情に応じた給付を提供することが可能となるとされております。と同時に、市町村は住民に新システムのサービス、給付を提供、確保する責務を有することとなり、これまで以上に市町村は主体的な取り組みが求められることとなります。
 一方、県は、社会的養護など、県が主体となって行う事業を実施するほか、広域自治体として市町村の業務に関する広域調整とか市町村における制度の円滑な運営のための必要な支援を行うこととされているところでございます。このため、県としましては、この新システムが実施されることになった場合に備えまして、国の動向等の情報収集、提供に努めているところでございまして、昨年12月に開催された第2回県市町村連絡推進会議におきまして、出席した各副市町村長に対しまして新システムの内容等を説明し、市町村にその対応について十分検討を進めるよう促しているところでございます。今後も、各市町村の実施体制の整備に向けた支援を行っていきたいと考えてございます。
 続きまして、保育所の入所待機児童の把握とその解消の見込みについてお尋ねがございました。
 保育所の待機児童数につきましては、保育所の入所相談や申請窓口となる市町村が把握しているところであり、県では、市町村を通じて調査を行い、その把握に努めてございます。その際、県では、国が定めた保育所待機児童に関する定義に基づきまして待機児童数の報告を受けてございますが、当該報告に基づき、平成22年4月1日時点における保育所待機児童53名の保護者の状況を見ますと、求職中の世帯は13世帯となっているところでございます。しかし、待機児童の定義に該当しない児童の保護者の状況につきましては当該調査の対象とならないことから、県全体の状況は県では把握をしていないところでございます。このため、県として認可外保育施設等を利用している児童の保護者に対しまして、保育サービスに関する利用者調査をことし1月に実施したところでございまして、詳細につきましては、現在、集計そして分析中でございますが、この調査結果によれば、認可保育所の利用が可能であれば認可保育所の利用を希望する者の割合が、回答者約1、700人のうち約600人で、34%程度となってございます。利用希望者が最も多いのは、認可外保育施設利用者の約250人となっております。
 また、認可保育所の利用を希望する対象者全体に利用しない理由を聞きましたところ、利用したい認可保育所にあきがない、続いて、認可保育所の保育料が高いの順となっております。このうち、利用希望者が最も多い認可外保育施設利用者について見ますと、利用したい認可保育所にあきがないが全体と同様に最も多くなっているものの、2番目は、認可保育所の保育時間が希望と合わないとなっているところでございます。
 県としまして、今後、この調査結果がまとまり次第、関係市町村に情報提供をすることとしておりまして、各市町村が本調査結果も含めた潜在的なニーズ等も勘案しながら、計画的な保育サービスの提供に努めるよう、支援していきたいと考えてございます。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 療育センターの整備に向けた検討状況、また、今後の整備計画についてでありますが、療育センターにつきましては、近年、利用者やその家族、また、医療関係者等から、常時、医療的ケアが必要な超重症児等への対応など、機能の充実や施設の老朽化等への対応について要望があるところでありまして、施設の改築整備の必要性が高まっております。このことから、県としては、利用者やその家族等のニーズに対応し、県内の障がい児療育及び障がい者支援の拠点としてふさわしい機能を持つ新たな療育センターの整備を進めるため、平成21年3月に、岩手県立療育センター整備基本構想を策定し、基本方向を取りまとめたところでございます。
 この基本構想を踏まえまして、施設整備に向けたさらなる取り組みを進めるため、平成22年6月、学識経験者や医療関係者を委員とする岩手県立療育センター整備検討委員会を設置し、超重症児等に対応するための病床の再編や診療科─耳鼻咽喉科や眼科等の新設など、強化が必要な施設機能を中心に御検討いただき、さまざまな御意見をちょうだいしたところでございます。
 今後、整備検討委員会の検討内容を踏まえまして、整備スケジュールや職員体制、施設規模や整備場所等を具体化するための整備基本計画の策定を行いたいと考えており、現在、その策定に向けた検討作業を進めているところでございます。
〇五日市王委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇小野寺好委員 高度救命救急センターについて伺います。
 今、医大が移転工事─2期工事をやっていますけれども、3期工事で医大の附属病院が移ると、このように報道されました。これに伴って、県が附属病院にお願いしています高度救命救急センターはどうなるんでしたでしょうか、ちょっと確認したいと思います。
〇石田保健福祉企画室企画課長 岩手医科大学が設置しております岩手県高度救命救急センターでございますが、岩手医科大学の附属病院が矢巾地区に移転することに伴いまして、当該センターも新病院内に整備される予定となっているところでございます。
〇小野寺好委員 かつてはこっちに200床ほどベッドを残すと、そのように聞いていたんですけれども、この前の報道では、外来が中心になってしまうと。そうすると、今お話しのとおり、中枢機能が全部向こうに行ってしまうのかなと。そうすると、救命救急センターも、当初二つやるのかなとちょっと思ったんですけれども、それはなくて1カ所だけになるわけですね。そうしますと、総務部の関係かと思うんですけれども、搬送の時間のプラス・マイナス─今、盛岡の中心部に来るのに結構渋滞箇所を通ってこなければならなかったのが、今度矢巾、東西南北に道路がいいわけですけれども、今までと比べてプラス・マイナスはどうなんでしょうか。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 岩手医科大学の移転計画につきましては、現在、大学の方で検討が進められている最中と伺ってございます。内丸にどのような機能を残すのか、また、矢巾にどのような機能を持っていくのかについは今検討中と伺ってございますので、それら検討の推移を見ながら、我々も患者搬送等について検討を進めることになると考えてございます。
〇小野寺好委員 ちょっと過去のことなんですけれども、循環器医療センター、こちらが建設されるときに、医大は移らないんだなと勝手にそう思ったんですけれども、循環器医療センターの総工費は幾らだったか、そのうち県費は幾ら投入したか、わかっていれば。
 これの関係で、矢巾の場合に、高度救命救急センターをお願いするとすれば県としても何がしかの負担を求められているというか、こっちから用意するのかもしれませんけれども、その辺の費用の面についてお伺いしたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 循環器センターの建設費等に係る金額等につきましては、今ちょっと手元にございませんのでお時間をいただければと思います。後ほど御答弁を差し上げます。
〇石田保健福祉企画室企画課長 当方のほうで資料がございますので申し上げます。
 循環器医療センターにつきましては、合計で、施設費と設備費で100億円ほどでございます。(小野寺好委員「100億円のうち幾ら補助ですか」と呼ぶ)失礼いたしました。10億2、000万円ほどでございます。
〇千葉保健福祉部長 まだ整備計画もこれからお示しいただくことになると思いますが、いろんな高度医療を担っていただいております。今、委員からお話がございますように、救命救急センターあるいは総合周産期母子医療センターとか整備いただいておりますので、その中で私どもといたしましても、政策医療として支援すべき分については検討する必要があるものと考えております。
 ちょっとまだ具体的な内容については申し上げられなく、申しわけございません。
〇小野寺好委員 循環器医療センターの100億円のうち10億円以上、県費を投入したわけですけれども、本体が移ってしまったら、ぽつんと循環器医療センターだけ残るというのはちょっと考えられないんですが、あれはどうなるんでしたでしょうか。
〇石田保健福祉企画室企画課長 ただいま部長から答弁したとおり、具体的な計画はまだ示されておりませんけれども、現在の循環器医療センターを活用いたしまして、あの部分につきましては入院機能を整備すると伺っているところでございますが、具体的な内容につきましては、今後の検討の中で明らかにされてくるものと考えております。
〇小野寺好委員 医大の3期工事、たしか330億円くらいとかちょっと聞いたんですけれども、ある程度、県をあてにしている部分があるかと思うんですが、そういった打ち合わせとかはないんですか。
〇千葉保健福祉部長 基本的にはこれからのお話になると思っております。
〇小野寺好委員 では、ドクターヘリの関係で、導入促進事業費2億1、500万円くらい、その中身について。
 一般質問の機会とかはもうないので、今回しか聞かれないのでお聞きしたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 ドクターヘリの導入促進費2億1、500万円余の内容についてでございますけれども、平成23年度、矢巾町の岩手医大移転地に建設予定してございます発進基地となりますヘリポート、そして格納庫、それに付随する医師また看護師の常駐する設備などの建設費を見込んでございます。そのほか、スタッフの研修費用、また、さまざまな検討課題を検討するための運営費などの費用を見込んでいるものでございます。
〇小野寺好委員 ちょっと確認ですけれども、そうすると、格納庫とかは土地は医大のもので、土地をお借りして県の所有する格納庫を建てるということなんでしょうか。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 ドクターヘリコプターに関しましては岩手医科大学が実施主体となりまして、そちらに県として補助をするという仕組みでございます。したがいまして、医大が設置をするヘリポートに対しまして県として補助をしようというものでございます。
〇小野寺好委員 国の制度は、都道府県が主体である場合に国が2分の1とか4分の3とか、そういった補助ではなかったんでしたでしょうか。医大に対しての補助というのはあるんでしょうか。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 委員から御案内いただきました運営費の補助に関しましては、ランニングコスト、運航が始まりまして運航に係る経費の補助につきまして国から2分の1、そして県から2分の1、いわゆる運航経費、そちらに対する補助という形での経費でございます。したがいまして、今回、平成23年度当初予算に計上いたしました費用に関しましては、いわゆる初期投資といいますか、初期の設備整備に関しまして県として補助をしようとするものでございます。
〇小野寺好委員 ドクターとかナースとか、そういった選抜チームみたいなのはどうなっているのか。何人くらいのスタッフなのか、わかっていれば。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 ドクターヘリコプターの平成24年度運航に向けまして、運航主体となります岩手医科大学附属病院では、ドクター1名、ナース1名が交代制で発進基地に待機し、搭乗する予定と伺ってございます。
 なお、現在、そちらの研修でございますけれども、今年度は厚生労働省主催の研修会にドクターを3名派遣、また、学会主催の講習会にドクター2名、ナース1名を派遣したところであり、開始までに対象となるドクター、ナース、これはそれぞれ10名と伺ってございますけれども、受講する予定と伺ってございます。
〇小野寺好委員 あと、県内の消防本部との連携とか、こちらのほうはどうなっているのか。
 あと、岩手・宮城内陸地震のときに、燃料がなくて飛べなかったという、そんなこともあったんですが、そういった燃料を用意しているような場所とか、そういったことがもし決まっていればお聞きしたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 消防本部との連携についてでございますが、ドクターヘリの円滑な運航に関しましては、医療機関と消防との緊密な連携、こちらが大変必要でございます。そのため、今年度3月9日に、県内消防本部を対象といたしましたドクターヘリ導入に向けた検討状況の説明会を開催する予定であり、また、平成23年度におきましても、岩手医科大学、そして運航を委託する会社と協力の上、各地域で消防対象の説明会を開催し、できるだけ多くの消防団員の方々とドクターヘリ運航の連携体制について具体的な確認を行っていきたいと考えております。
 また、燃料確保の点についてでございますけれども、ドクターヘリの燃料の確保については、本県、非常に県土が広うございますので、基地病院以外にも燃料を補給できるポイントを確保していくことは重要でございます。今、運航してございます防災ヘリの給油ポイントを活用することを含めて、各地の県立病院のヘリポートに給油施設を整備することなど、さまざま運航に向けて検討を進めていきたいと考えてございます。
 なお、これら運航に向けた個々の課題につきましては、平成23年度に開催をいたします運航調整委員会の中で、具体的な検討を進めていきたいと考えてございます。
〇千葉保健福祉部長 若干、先ほどの御質問に関連して補足いたしますと、このドクターヘリの本県への導入及び導入後の全体の運営等につきましては、基本的には県の役割が一番大きいものと考えております。ただ、実際にドクターヘリの運航につきましては、運航経費を国から2分の1をちょうだいし、県が2分の1を足しまして、実質10分の10の形で医大に対して補助するということで、ドクターヘリの設置主体は岩手医大ということになるものでございます。
 その辺のスキームが非常に交錯しておりますので、一部ちょっと誤解を招く説明であったかと思いますので、補足させていただきます。
〇五日市王委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇五日市王委員長 質疑がないようでありますので、これで保健福祉部関係の質疑を終わります。
 保健福祉部の皆さんは退席されて結構でございます。御苦労さまでした。
 次に、医療局長から医療局関係の説明を求めます。
〇田村医療局長 平成23年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 まず、予算の内容の説明の前に、事業運営に当たっての基本的な考え方につきまして御説明を申し上げます。
 御案内のとおり、平成22年4月の診療報酬改定において10年ぶりのプラス改定となりましたが、医療提供体制の中核であります医師につきましては、絶対数の不足はもとより、地域偏在、診療科偏在が進むなど、医療を取り巻く環境は依然として厳しい状況にございます。本県県立病院事業におきましても例外ではなく、医師の定着支援として、医療クラークの増員などの取り組みにより、常勤医師数の減少傾向に一定の歯どめがかかりつつあるものの、医師の偏在などにより、診療体制は当面厳しい状況が続くと見込まれ、患者も依然として減少傾向にございます。
 一方、7対1看護体制への移行や基幹病院での診断群分類別包括支払方式─DPCの導入などの取り組みに診療報酬のプラス改定効果も加わり、入院、外来収益が当初計画した額を上回るなど、経費節減の取り組みと合わせ、安定した経営基盤の確立に向けて収支の改善が図られてきているところでございます。
 こうした状況のもと、平成23年度の事業運営に当たりましては、これまでの取り組みや課題を踏まえ、引き続き計画の着実な推進を図ることにより、県立病院が県民に信頼され、今後とも良質な医療サービスを持続的に提供できるよう、全職員が一丸となってさまざまな取り組みを進めていくこととしております。
 具体的には、医師の確保、定着に向けた取り組みを最重点として、医師招聘活動の強化を図るとともに、奨学資金の貸付制度の運用、地域病院担い手医師の育成、医師の定着支援に関するプロジェクトチームによる勤務環境の改善のための検討、医師の業務負担の軽減を図るための医療クラークの増員、女性医師に配慮した職場環境の整備などに引き続き取り組んでまいります。
 また、医師の勤務環境改善への影響も大きい認定看護師や超音波検査士など、各職種の専門有資格者の養成など、計画的な人材育成を進めてまいります。
 さらに、市町村等との連携、協働に重点的に取り組みながら、県立病院の現状や課題等に関する情報の共有にも努めてまいります。
 それでは、議案の説明に入らせていただきます。
 議案その2の56ページをお開き願います。議案第14号平成23年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 まず、第2条の業務の予定量でございますが、収益的収入及び支出につきましては、病床数を5、406床と定め、年間延べ患者数を、入院では146万人、外来では211万1、000人と見込むものでございます。
 次に、資本的収入及び支出でございますが、病院建築工事は、釜石病院の増築等工事につきまして所要の事業費を計上するものでございます。また、医療器械につきましては、釜石病院に整備いたします線形加速器システム─リニアック等の購入が主なものでございます。
 第3条の収益的収入及び支出と、次のページに参りまして、第4条の資本的収入及び支出の具体的内容につきましては、後ほど予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 第5条の債務負担行為でございますが、これは、工期が平成24年度にわたります江刺病院に係る耐震化工事の債務負担行為の期間と限度額をあらかじめ定めようとするものでございます。
 58ページに参りまして、第6条の企業債でございますが、病院建築工事や医療器械の整備の財源となる企業債の限度額を61億4、400万円とするとともに、その償還方法等を定めようとするものでございます。
 第7条は、一時借入金の限度額を143億円と定めようとするものでございます。
 第8条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めようとするものでございます。
 第9条は、薬品、診療材料等のたな卸資産購入限度額を定めようとするものでございます。
 第10条は重要な資産の取得は、購入予定価格が1件7、000万円以上の医療器械を掲げているものでございます。
 それでは、次に、予算に関する説明書の412ページをお開き願います。平成23年度岩手県立病院等事業会計予算実施計画につきまして御説明申し上げます。
 初めに、収益的収入及び支出についてでございます。
 まず、収入でございますが、第1款病院事業収益は964億2、200万円余で、平成22年度の最終予算と比較しますと、およそ1%の増加を見込んでいるものでございます。
 第1項医業収益は835億6、000万円余で、1目入院収益は553億7、500万円余、2目外来収益は221億100万円余でございます。3目その他医業収益は60億8、300万円余で、その主なものといたしましては、救急医療等の一般行政経費に係る一般会計繰入金、健康診断等の公衆衛生活動の収益等でございます。
 第2項医業外収益は128億6、200万円余で、その主なものといたしましては、2目補助金8億2、800万円余は、救命救急センター運営事業費等に係る補助金でございます。3目負担金交付金113億9、400万円余は、結核病床や精神病床及び高度医療等の不採算経費に係る一般会計繰入金でございます。5目その他医業外収益6億1、600万円余は、不動産貸付料等でございます。
 次に、413ページに参りまして、支出についてでございます。第1款病院事業費用は963億500万円余で、平成22年度の最終予算と比較しますと、およそ0.2%の減少を見込んでいるものでございます。
 第1項医業費用は899億8、100万円余で、その主なものといたしましては、1目給与費503億3、800万円余、2目材料費225億5、000万円余、3目経費125億5、800万円余、5目減価償却費40億700万円余等でございます。
 第2項医業外費用は62億2、400万円余で、その主なものといたしましては、1目支払利息及び企業債取扱諸費34億3、700万円余、次のページに参りまして、2目繰延勘定償却26億1、500万円余等でございます。
 この結果、収入と支出を差し引きまして1億1、600万円余の純利益が見込まれるものでございます。
 415ページに参りまして、次に、資本的収入及び支出につきまして御説明申し上げます。
 まず、収入でございますが、その総額は129億3、200万円余で、その主なものといたしましては、第1款資本的収入の第1項企業債61億4、400万円で、これは、さきに業務の予定量で御説明申し上げました釜石病院の増改築工事や医療器械の整備等に充てるためのものでございます。
 第3項負担金47億6、200万円余は、企業債償還金等に係る一般会計からの繰入金でございます。
 第4項補助金20億2、500万円余は、地域医療再生基金及び医療施設耐震化促進事業補助金を活用した釜石病院のがん放射線治療施設整備及び耐震化工事等に対する補助金でございます。
 次に、416ページに参りまして、支出についてでございますが、その総額は233億1、500万円余で、その主なものといたしましては、第1款資本的支出の第1項建設改良費58億400万円余で、その主なものといたしましては、2目建物費19億2、200万円余、3目医療器械費32億6、600万円余等でございます。
 第2項企業債償還金は118億1、800万円余でございます。
 第3項他会計からの長期借入金償還金30億円は、平成19年度に一般会計から借り入れた借入金を償還するものでございます。
 第5項開発費は9億1、100万円余でございますが、その主なものといたしましては、情報処理システム等の開発費でございます。
 次のページに参りまして、第6項退職給与金15億円でございますが、退職給与金に係る費用負担の平準化を図るため、翌年度以降に繰り延べ費用として計上しようとするものでございます。
 なお、418ページ以降の資金計画、給与費明細書、債務負担行為に関する調書、予定貸借対照表及び予定損益計算書につきましては、説明を省略させていただきます。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
〇五日市王委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇平沼健委員 まず、県立病院の診療科についてお尋ねをいたします。
 医業の専門化によって県立病院の診療科の種類が年々ふえていくというか、そういう傾向にあると思うんですけれども、現在、県内に25の県立病院がございますが、診療科の休診実態をまずお示しいただきたいと思います。
〇千葉医師支援推進監 まず、県立病院の診療科休診実態につきましてでございますが、県立病院の診療科は、本年1月1日現在、25の病院、診療センターで延べ282診療科を標榜してございます。うち、70の診療科で非常勤医師による対応となっているほか、一部基幹病院を含む6病院の耳鼻咽喉科や眼科等の9診療科では、医師不足により、やむを得ず休診しているという実態にございます。
〇平沼建委員 そこで、休診、それから休診ではないんですけれども、週に1回とか2回訪問して診察していただく非常勤診察といいますか、そういうのがあると思うんですけれども、この辺の常勤体制へのいろんな改善を今までなさっていると思うんですけれども、今後の見通しというんでしょうか、その辺をお聞かせいただきたいと思いますし、今のお話ですと、基幹病院でも休診のところがあるということで、私のところの宮古病院もそこに入るのではないかなと思っておるんですけれども、基幹病院というのはそもそもが完結するというか、そこで大体すべて診療できるというか対応できるということだと思うんですが、そこでもこういう休診があるという、そのようなことなんですけれども、これもあわせて今後の見通しというものをお聞かせいただきたいと思います。
〇千葉医師支援推進監 今後の見通しということで休診診療科の対策につきましてですが、まず、現在、休診及び非常勤対応となっている診療科につきましては、いずれも専攻する医師が非常に少なく、勤務医師の主な派遣もとでございます関係大学の医局自体、医師の絶対数が不足している状況でございます。現時点ではすべての診療科に常勤医を配置することは大変困難な状況でございますので、まずは地域の基幹病院に重点的な配置を行いながら、近隣の病院に対する診療応援等を強化する、このような形で地域医療を支えているところでございます。
 今後におきましても、医師の派遣もとでございます関係大学との連携を一層密にするとともに、即戦力医師の招聘や臨床研修医の拡大、あるいは地域医療を担う総合医の新たな育成などの各般の医師確保対策の充実実施、さらには、平成20年度からの岩手医科大学医学部の定員増にあわせて大幅に拡充した奨学金制度による養成医師の配置が平成28年度以降本格化することが見込まれておりますことから、県立病院等におきましても、段階的に医師の充足状況の改善が図られてくるものと期待しているところであり、まずは地域の基幹病院の診療体制の充実や休診診療科の解消など、県立病院の診療科の充実に順次取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇平沼建委員 本当に今までいろんな形で医師招聘ということでやっていただいておるんですけれども、岩手医大にしましても、従来が定員80名だったところが今125名でしょうか、5割アップということで、本当にこれはありがたいというか、将来、安心できるという気持ちもあるんですけれども、ただ、これからも医療局でいろんな形を考えて対応しようとしている、そういうような考えは十分理解をしながらお話しするんですけれども、データというか数字をいただいたのを見ていると、基幹病院で休診のところが、宮古病院で特に整形外科が休診になっているんですよね。宮古にどうのこうのということじゃないんですけれども、基幹病院のこれも核だと思うんですけれども、その辺をぜひひとつ近いうちに充足できるようにお願いしたいと思っておりますし、また、今のお話で、医師の入学の定員がふえたということで、いずれは充足されるというようなお話だったと思うんですが、ただ、私、心配するのは、岩手に限らず、医大の定員がふえているのは事実なんですけれども、今のような形で今後進んでいきますと、幾らお医者さんの卒業生が多くなっても、地域偏在というのはとまらないと思うんです。皆さん方、都会に行きたいというか、そういうことで今もそうでしょうけれども、現在だって毎年医師の数はふえているわけですから、これがこういう実態だということは、偏在というものに何かしら方策を立てないと、これは県内に限らず全国的なことだと思うんですけれども、その辺の遍在対策というものを、国も一緒だと思うんですけれども、その辺を含めて今どのような状況にあるのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇川上医師支援推進室長 ただいまお尋ねいただきました医師の地域偏在に関してでございますけれども、委員お話しのとおり、現在、県立病院におきまして医師不足とともに、それと同様なんでございますが、医師の地域偏在ということが大きな課題となってございます。現在は、県立病院間とか市町村診療所への県立病院からの診療応援の強化とか、地域病院の担い手医師、総合医の育成、こういった形で地域偏在への対応を少しずつ形づくってございます。県といたしまして、また、地域として、医師確保対策アクションプランの着実な推進や地域医療をみんなで守り・育てる県民運動の一層の展開など、各般の医師確保対策にしっかり地域として対応していくことは無論のことでありますが、地域医療というのは、基本的には医師の養成など、国政レベルの諸制度に係る問題が大変大きなウエートを占めておりますことから、昨年度から知事を先頭に、厚生労働大臣を初めとする政務三役に対しまして、医師の地域偏在などを解消するため、国民的合意に基づいた基本理念のもと、地方の意見も十分反映した総合的でかつ体系的な地域医療基本法を新たに策定するとともに、各都道府県そして圏域、医療圏ごとに必要な病院勤務医師数を算出する全国的なガイドラインを策定して、そして臨床研修制度と一体化した運用などによりまして、医師不足地域における医師の病院勤務の義務づけを図ることなどについて政策提言を行っているところでございます。
 こうした提言や全国知事会あるいは全国自治体病院協議会などからの要望もございまして、こういった提言、要望を国のほうで踏まえ、国において医師の地域偏在の解消など、即効性のある大きな全国的な枠組みでの政策の実現を期待しているところでございます。
〇平沼建委員 いろいろな形で国のほうにそういうようなお話をしているということでございます。端的に言いますと、これは、特に公的な病院に、ある年数勤務しないと開業できませんよとか、何かそういう具体的なものを提言しなければ、なかなかこれは解決しないのではないかと私は思うんですけれども、それも含めて。
 それから、従来から医業の専門化が進めば進むほど、逆に総合医の必要性といいますか、それが問われていると思うんですよ。そこで、総合医を育てるための課題といいましょうか、これは県内、あるいは全国的に今どういう状況にあるのか、あわせてお聞かせください。
〇千葉医師支援推進監 総合医の育成と課題についてでございます。
 本県の医師不足が依然として厳しい状況が続いている中にありまして、地域の中小規模の病院では、内科や救急からみとりなど、患者の全身の状態を踏まえ、総合的に診療する能力を有する医師、いわゆる総合医が求められているところでございます。
 こうしたことから、本県では一昨年12月に地域病院担い手医師育成検討会を設置いたしまして、育成の仕組みや育成プログラムの方向性等を検討し、いわてイーハトーヴ総合診療医育成プログラムとして取りまとめたところでございます。
 具体的には、県立中央病院におきまして病院型総合医の育成を、国保藤沢町民病院におきましては地域包括型総合医の育成を行うことといたしまして、県の公式ホームページ等におきまして、昨年10月から募集を開始してきているところでございます。
 こうした取り組みは全国的にも先駆的なものでございまして、本県のほかには、千葉県、神奈川県(後刻「香川県」と訂正)におきまして、同様の総合医、家庭医育成プログラムを有していると聞いてございます。
〇田村医療局長 公的な病院への医師の勤務の義務づけというようなお話がございましたが、先ほどもお話ししましたとおり、そういったところに義務づけすべきではないかというような考え方も、ドクターの方々からも、そうでもしないとどうにもならんのではないかという意見が、かなり出てきております。
 ただ、一方で、かなり慎重な御意見の方々もいらっしゃいまして、この問題に関しては、やはり国政レベルでしっかりと仕組みをつくっていただかないといけない分野でございますので、我々とすれば、ぜひそういうような仕組みをつくって、特に、同じ岩手県の中でも、そういった沿岸の地域とかに優先的に行けるような仕組みがあれば、病院経営をする側からすれば非常にありがたいと思っております。
〇平沼健委員 よろしくお願いいたします。
 最後に、参考までにお聞かせください。
 医師の奨学金制度というものがございますね。三つぐらいの事業があるんでしょうか、県もあるし、各市町村もあると思うんですが、この奨学金の利用者の人数とか、卒業してからの義務履行というのがございますね。その辺の実態といいましょうか、それからまた、義務の履行後の県内の定着度といいましょうか、その辺もお聞かせいただければと思うんですが。
〇千葉医師支援推進監 今の奨学金の利用者数等につきましてですが、その前に、先ほど答弁いたしました総合医の派遣の取り組み状況の中で、私は、千葉県のほかに神奈川県と申し上げましたが、香川県でございましたので、訂正して答弁させていただきます。
 奨学金の利用者数と義務履行実態についてでございます。
 まず、奨学生の利用者数は、平成9年度以降開始した医療局医師奨学資金貸付事業制度など三つの奨学金制度で、前身の制度も含めまして、現在、170名に奨学金を貸与しているところでございます。
 なお、大学卒業により貸し付けが終了した方々は102名でございまして、そのうち52名が、県立病院で義務履行中でございます。9名は、既に義務履行を終了しているという状況でございます。
〇飯澤匡委員 ただいま総合医の養成などについてもお話がありました。そして、国の医師の養成の制度設計にもかかわったお話がありました。かつて知事が山田町で、政権交代になれば医師の確保は一発解決できるという発言がありましたが、これは解決なったのでしょうか、お伺いします。
 それから、花泉地域診療センターの民間移管について。当初の計画どおりの医師の配置がされているでしょうか。それから、もう既に民間医療機関でありますから、将来は撤退の可能性もございます。その際の県の関与はどうなるんでしょうか、改めてお聞きします。
〇川上医師支援推進室長 まず、医師確保についてのお尋ねでございますけれども、全国的な医師不足の中、各県立病院等との連携のもと、大学医局への医師派遣要請や奨学金制度による養成医師の拡大、即戦力医師の招聘など、各般の医師確保対策を積極的に展開しているところでございまして、こうした取り組みの結果、本年1月1日現在の県立病院の常勤医師467人と、前年度末の医師数と比べ12人の増となっており、これまでの減少傾向に一定の歯どめがかかりつつあるものと考えているところでございますが、県立病院の勤務医師不足は、依然として大変厳しい状況にあるものと認識しているところでございます。
 今後におきましても、こうした取り組みを充実実施するほか、地域医療を担う総合医の育成を新たに図るなど、さまざま工夫しながら、医師確保に全力で取り組んでいくこととしているところでございます。
〇大槻経営管理課総括課長 花泉診療所の医師の配置の関係でございます。
 花泉診療所の事業計画の中では常勤医師2名、非常勤医師3名となってございましたが、現在は、常勤医師1名、非常勤医師5名の体制となっているところでございます。
 現在、法人において、さらなる常勤医師の確保に向けて取り組んでいると聞いているところでございます。
 それから、将来の撤退の可能性もあって、県の関与はどうなるのかというお尋ねでございます。これにつきましては、まず、有床診療所の民間事業者を公募した際に、最低10年間の事業継続を条件としているものでございまして、条件を確実に履行していただかなければならないものだと考えているところでございます。
 先ほども申し上げましたが、医師については1名でございますが、現在の常勤医師が7月に着任後は、入院患者も徐々に増加するということなど、地域の入院施設として定着してきてございます。
 今後も安定的に運営をしていくためには、さらなる常勤医師の確保が必要であると私どもでも認識してございまして、医療局においても、引き続き、常勤医師の確保について要請してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 奨学金制度の浸透が図られて、量的には、これから非常に好材料があると思うわけですが、問題は中身だと思うんです。先ほど来議論があったところでございます。地域の偏在、そしてまた診療科の偏在。
 そこでお伺いしますけれども、総合医の養成については、先ほど申されたいわゆるプロジェクトについては、余り応募者がいないというような報道がございました。これは何か課題がそこにあるのではないかと私は思うわけですが、その点について現在どのような御所見をお持ちかお伺いします。
〇千葉医師支援推進監 総合医育成上の課題ということでございますが、我が国の医療システムにおける専門医の位置づけが、総合医に対して明確になっていないと。総合医が専門分野として認知されていないという状況の中にありまして、総合医を志望する医師の将来に対する不安というものをいかに解消するかということが、一つ課題であると認識しているところでございます。
 こうしたことから、本県の育成プログラムにおきましては、専門医志向にも対応すべく、内科系の志望者には、認定内科医と日本プライマリーケア連合学会認定医を、外科系におきましては、外科専門医と日本プライマリーケア連合学会認定医の取得を推奨すると同時に、臓器別専門医等の取得についても、本人の希望に対応するプログラムとして募集を開始しているところということでございます。
〇飯澤匡委員 その点は今後、やはり大きな課題となると思いますので、医療局のほうでも力を入れてやっていただきたいと思います。
 冒頭、知事の発言を引用したのは、この4年間の成果として、医師の数がふえたのでうまくいったというような認識の発言が多く出ているわけですが、このような発言が、県民に対して誤解を招かないかと私は懸念をするわけです。
 医療局自体は、量的には12人ふえたということですが、今後の課題としてどのようなとらえ方、課題解決─本質的な課題の解決ですよ─に向けてどのような所見があるか、局長にお伺いしたいと思います。
〇田村医療局長 量的にふえているとはいっても、かつていた常勤医の数と比べてもまだまだ足りないわけでございますので、引き続き、量的な確保については進めていかなければならないと思っております。
 それから、何といっても一番頭を痛めているのは、地域の偏在という部分に非常に頭を痛めております。この問題については、我々ももちろんでございますけれども、派遣側の大学とも、十分な意見交換をしていかなければならないのではないかということで、大学医局そのものも、沿岸地域にドクターを出すのに大変苦労しております。
 そういったことも踏まえると、お金の問題もあるんですけれども、沿岸に行っても気持ちよく働いてもらえるような仕組みづくりという部分で、医局との連携なども積極的に進めながら、対応していかなければならないのではないかと考えております。
〇飯澤匡委員 やはり、これは地域医療の確保、それから医師の招聘については重要課題です。正しい情報を県民に伝えて、その課題解決のための処方せんも、県民に理解を得ながら進んでいくと。私は、一方的な情報を、医療局の方々はそうではないと思いますけれども、やはり正しい情報を伝えるべきだということを申し添えておきます。
 3点目の質問ですが、地域医療の確保についてお伺いします。
 非公式ではございますが、藤沢町民病院の院長先生から、地域病院の連携をこれからさらに強めていく必要があると。要は、総合医の養成にもつながっていくわけです。先ほど答弁の中にもありましたように、介護、福祉、そして最後、みとりまで診られる総合医を養成していく、それが、やはり中山間地にとって、かなり有効な住民の期待にこたえる医療のあり方だとおっしゃっております。
 そのような形で、県立病院、そしてまた町民病院、このたびは市民病院になりますけれども、その連携策が、独自に図られようとする試みがなされようとしている、これは大変結構なことだと思うわけですが、この点を医療局はどのように考察して、こういうトライアルをするという心構えといいますか、そういう気持ちにどのようにこたえようとするのか、御所見を伺います。
〇大槻経営管理課総括課長 地域病院間の連携の発展に向けた取り組みについてでございますが、私どもの経営計画におきましても、各圏域の急性期病院を中心とした地域連携パスの拡大とか、それから、紹介、逆紹介の推進、県立病院の相互だけではなく、市町村や民間の病院、診療所との連携を強化するという格好で経営計画を策定してございますが、例えば東磐井地区の地域病院であります千厩病院が、地域の総合的な医療機関としての機能、主に高齢者を対象とした地域医療の機能を担って、それから、大東病院につきましては、地域におけるリハビリ機能とか、糖尿病の専門的な治療機関としての機能を担うなど、それぞれの地域病院で特色ある医療を提供しながら、地域の基幹病院である磐井病院との間で、例えば大腿骨とか脳卒中の地域連携パスを運用するとか、あるいは医療機関相互の情報連絡、それから、診療応援などの連携を進めているところでございます。
 御指摘のとおり、介護や福祉との連携をさらに深めていくことが、私どもとしても重要と認識してございまして、今後も、圏域ごとに開催されてございます地域医療を守る懇談会や、来年度から取り組まれる一関市の新たな医療と介護の連携体制づくりといったものにも積極的に参加いたしまして、各地域病院の特色を生かした連携を推進してまいりたいと考えてございます。
〇飯澤匡委員 前段の部分は、やはり医療局答弁なんですよ。私は、後段の部分が先にあって、そして前段の部分が出てくる、こういうような形でなければ、やっぱりこれから福祉と医療の連携というのは進まないと思っているわけです。
 医療局の皆さんにも、関心を持って、モデルとして一関市のほうで築いていきたいというような心構えもありますので、ぜひとも積極的な参加というものをお願いして質問を閉じます。ありがとうございました。
〇岩崎友一委員 私からは、入札制度について何点かお尋ねしたいと思うんですけれども、まずは、建設工事においては、知事部局もそうですし、医療局においても、条件つきの一般競争入札を採用しているということですが、建設関連業務においては、知事部局と企業局は一般競争入札を採用している、医療局、警察本部、教育委員会は指名競争入札となっているわけですが、建設関連業務において、一般競争入札ではなく、指名競争入札を採用している理由をまずはお聞きします。
〇大槻経営管理課総括課長 建設工事については一般競争入札となってございますけれども、建設関連業務におきまして指名競争入札を採用している理由についてでございますが、医療局におきましては、従前から、県の入札制度の基準に準じてきてございました。建設関連業務の指名競争入札を、その関係で導入してきていたという経緯がございます。
〇岩崎友一委員 では、今、県全体的には、知事部局もそうですし、一般競争入札となっているわけですが、これは、医療局としても、そちらのほうに移行するという意思は、現在、検証中という話ですが、そういった方向で考えているんでしょうか。
〇大槻経営管理課総括課長 御指摘のとおり、ここ数年、知事部局等が、入札制度の競争性とか公平性、それから透明性の向上を図る観点から、条件つき一般競争入札に移行してまいってございます。順調にそれが運用されてきているというところも見てございますので、医療局におきましても、この制度への移行が可能と判断いたしまして、知事部局の制度に準じた形で、最低制限価格制度による条件つき一般競争入札制度に、平成23年4月からの実施に向けて、今、作業を進めているところでございます。
〇岩崎友一委員 わかりました。
 それでは、次に、契約事務において、今、本庁と二次医療圏の病院と2通りに分かれているのですけれども、その基準というものはあるのかないのか、ちょっとお尋ねします。
〇大槻経営管理課総括課長 県立病院における調達契約は多岐にわたってございますけれども、建設工事につきましては、設計価格が250万円以上の工事につきましては本庁で、それから、それ以下の工事につきましては病院において、契約事務を行っているところでございます。
〇岩崎友一委員 ありがとうございます。その契約において、基本的には、私は一般質問でも、土木建築製品に関しては地産地消を進めるべきということで、やはり地元のものをより多く使うべきだと思うんですけれども、医療局においては、入札あるいは物品の調達において、県内の業者なりを使うという取り組みというのはどのようになっているんでしょうか。
〇大槻経営管理課総括課長 建設工事における県産資材の活用、それから県内業者の、これは、建設工事の場合、下請というものも関係してくるかと思いますけれども、これの状況についてお答えしたいと存じます。
 医療局におきましても、平成15年8月から請負契約書の付記条件として制定してございますし、それから、知事からの要請書、県内業者への下請等の発注要請についてというものを落札業者に対して交付を行ってございまして、建設資材の県産品の活用、それから、県内業者さんへの下請発注について要請をしているところでございます。
 最近の大規模工事における例といたしましては、中央病院の改修工事がございましたけれども、建設資材納入におきましては、納入者ベースで66%ほど、下請契約では、件数ベースで90.6%ほどの実績となっているところでございます。
〇岩崎友一委員 それ以外の分について、業務委託とか、あとは物品購入とかも多々あると思うんですけれども、そちらのほうはどうなっていますでしょうか。
〇村田業務支援課総括課長 物品等の調達におきましては、県内に取扱業者がない特殊な品目以外は、県の競争入札参加資格者名簿に登載されている業者から調達しております。一部品目を除き、岩手県に本社または営業所等を置く業者と契約しているものであります。
 なお、一例といたしましては、岩手県内に本社または営業所等を置く業者から調達している割合は、購入額ベースにおける今年度12月末現在では、薬品につきましては95%が県内の業者、注射器や診療用手袋、手術材料等の診療材料につきましては99.6%を県内から調達しているものでございます。
〇岩崎友一委員 わかりました。それは、例えば本庁以外の二次医療圏の病院で発注する分に関しても、同様という認識でよろしいでしょうか。
〇村田業務支援課総括課長 この点につきましては、ほとんどの病院で、同様に、県内から調達する方向で事務を行っております。
〇岩崎友一委員 わかりました。では、4月から一般競争入札も最低制限価格制度つきで頑張るという答弁でしたので、ひとつよろしくお願いいたします。
〇木村幸弘委員 私からは1点です。県立病院の跡地に対する対応についてお伺いしたいと思います。
 先般の補正予算案において、平成22年度の分として、旧磐井病院の建物解体に伴う、いわゆる特別損失6億1、800万円余が計上され、また、企業債の繰り上げ償還等によって跡地の整理が行われることになったわけですが、この磐井病院等については、跡利用の計画がどのようになっているのか、その点について、まずお伺いしたいと思います。
〇大槻経営管理課総括課長 旧磐井病院の跡地につきましては、国の地域活性化・経済危機対策臨時交付金というようなものがございまして、これを活用いたした格好で、建物の解体撤去、それから整地を行って、災害時の住民の避難場所として活用を図るということで、昨年度の2月定例会の補正予算で計上したところでございます。解体工事は、昨年、平成22年12月から着手いたしまして、本年度末に完了することとなってございます。
 この跡地につきましては、平成12年2月に、磐井病院の移転新築に際しまして、地元の一関市が将来的に取得する旨の覚書を締結してございまして、現在、一関市において、その活用策を検討しているということを聞いてございます。
〇木村幸弘委員 一関市とのそういった覚書があったということでございますけれども、そうすると、将来的には、いずれ一関市のほうに売却処理をされるということでいいのでしょうか。
〇大槻経営管理課総括課長 覚書の中で、売却の相手方ということで一関市が優先という格好になってございますので、売却に当たっては、一関市のほうとの交渉となろうかと思います。
〇木村幸弘委員 わかりました。それでは、病院の跡地の関係についてですけれども、今、医療局が抱えているいわゆる跡地については、残すところ旧南光、それから花巻厚生、そして北上という3カ所について、病院跡地が現在そのままの状況となっているわけですが、これらについては、どのような対応方針をお考えになっているのかお伺いします。
〇大槻経営管理課総括課長 まず、県有地といいますか、病院跡地の処分に当たりましては、原則として、県の他部局での活用、それから、その次に地元市町村での活用、それがない場合に、民間企業等への売却という順で検討することとしてございます。
 現在、御指摘のございました3病院跡地につきましては、いずれも県での活用の見込みがないということで、旧南光病院につきましては、これも平成12年の話でございますが、地元一関市と覚書を締結してございますが、これは、利活用について双方で協議をするという覚書になってございます。
 それから、旧花巻厚生病院につきましては、地元の花巻市との活用協議におきまして協議をしてきたわけですが、平成18年に花巻市からは、現在、市のほうで跡地の活用計画はないという旨の回答をいただいてございます。今後は、民間等への売却も視野に入れながら検討する必要があるのではないかと考えているところでございます。
 それから、旧北上病院につきましては、地元の北上市において、現在、活用策を検討していただいているといったような現状でございます。
〇木村幸弘委員 そういうそれぞれの状況だということでありますけれども、いずれ、県として後の使い道を考えていないということで、それぞれの当該自治体に対して、跡利用の関係を打診、要請をしたり、検討しているということですが、そうした中で、具体的に、例えば、そうした跡地利用を考える際に、それぞれの自治体等からはどういった要望や、あるいは意見などが寄せられて、そして、その要望、意見等に対して、医療局としてどのような協議を進めているのか、お伺いしたいと思います。
〇大槻経営管理課総括課長 花巻市と北上市の両市からは、平成21年4月に、市街地の景観上の問題とか、あとは防犯上の懸念があるということで、建物の早期解体についての要望をいただいてございます。旧花巻厚生、それから旧北上病院跡地につきましては、この花巻市、それから北上市の両市の中心市街地に位置しているということもございまして、今後、民間等への売却を行う場合であっても、例えば、まちづくりの観点から、地元市と連携して活用策を検討していく必要があるのではないかと考えているところでございます。
〇木村幸弘委員 そういう課題が実はあるんですね。それで、花巻、北上の両病院については、建物自体も大きいし、立地場所からいっても、地域にとって非常に重要な位置づけというか、そういう場所になっている。しかも、それぞれの今後のいろいろなまちづくり等について考えたときに、あの場所というのは非常に、ある意味の重荷になっているし、あるいはどう活用したらいいのかということで、県は県の立場、医療局の立場で政策的に病院の統合を進められたわけですけれども、しかし、それを預けられるほうの立場からすると、今の厳しい経済情勢等も踏まえた中で言えば、そう簡単に受け入れられるというか、受け付けられる話にはなっていないわけですよね。
 当面いろいろと、地域の方々や、あるいは当該自治体としても、さまざまな意見交換は行われているように聞いておりますけれども、何につけても、やはり建物が、まず後利用を検討する際に、実質的には、建物自体がもう使い物にならないというか、そういった実態にあるわけですよね。そうした中で、ぜひ更地として整備をしていくという方向が示されていかないと、民間活用を含めても、なかなか前に進まない状況になっているのではないかと感じるわけであります。
 そうした課題を、今後、医療局として、厳しい運営を行っているわけですから、なかなか大変だと思いますけれども、しかし、今後、この残った施設の残存価格、あるいは起債残高、償還期限などを見ても、もう10年以上を超える中身を持っておって、いつまでもそれを医療局で抱えながら、あるいは民間の売却の可能性を探り続けて塩漬けの状態にしておくのかということにもなるわけです。そういったところについて、何らかの方策というものを進めていく必要があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇大槻経営管理課総括課長 御指摘のとおり、それぞれの病院の残存価格、それから起債残高、それから解体費用も含めまして、かなりの金額に上るということがございまして、今の経営状況から判断いたしますと、経営に与える影響が非常に大きいということで、早急に建物を解体するということはなかなか難しいこともまた事実でございますけれども、経営状況を勘案して、両市ともいろいろと相談をさせていただきまして、例えば、その建物の解体とか、売却という部分も、工事の中でやっていける部分も出てくるかもしれないということもございますので、そういった部分の検討、それから、跡地利用のそもそもの見通しといった部分について、まちづくりの観点から、地元の市と協議した上で検討してまいりたいと思います。
 あとは、短期的なイベントへの活用とかといったものにつきましては、今年度、花巻厚生病院跡地のほうでフェスタみたいなものを開催していただいてございます。こういった活用につきましては、私どものほうで積極的に協力をしていきたいと考えてございます。
〇木村幸弘委員 ぜひ、いろいろとそれぞれの状況を十分に踏まえていただきながら、なおしっかりと当該自治体や、さまざまな関係との協議を進めて、何とかいい方向へ処理が進むような形というものを望みたいと思いますし、いろいろと、この間も活用例等の資料をいただきましたけれども、実際には、やはり建物があるために、限られたスペースでの地域の利活用状況になっています。
 花巻の例もお答えいただきましたが、私は行ってみたんですが、11月のイベントだったんですけれども、建物で完全に日陰の中でのイベントになってしまいました。非常に寒くて、イベントを実行する側、あるいは来るお客さんも、この建物を何とかしてもらわないと、イベントをやるにも、立地条件からいってもなかなか大変だという声もいただいたところでございます。
 いろいろなそれぞれの課題があろうかと思いますので、ぜひ、しっかりとその辺を聞いた上で、今後、具体的な取り組みというものを進めていただきたいということをお願いします。
〇斉藤信委員 まず第1に、医療局長に、県立病院等事業の経営形態等のあり方に関する報告書について、医療局長はどう受けとめ、提起された具体的な改善の課題にどう取り組もうとしているのか示していただきたい。
 また、私は、経営形態の変更というのは、現実的ではないのではないかと。今の体制での改善、改革に取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 県立病院間のネットワーク、市町村立病院との連携を強化すべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇田村医療局長 県立病院等事業の経営形態のあり方に関する報告書についてということでございますが、医療局では、現在、経営計画に基づきまして、7対1看護体制への移行や基幹病院での診断群分類別包括支払い方式─DPCの導入などの、収益確保や経費節減等の収支改善の取り組み、県立病院相互の役割分担と市町村や民間の医療機関との連携、医師の定着支援などの取り組みを進めているところでございます。
 今回の報告書の中では、現在の県立病院等事業の運営につきまして、迅速かつ柔軟な判断が可能となるように、病院長の権限を強化すべき、あるいは病床規模の適正化等により、上位の診療報酬施設基準の取得を目指すなどの取り組みを進めるべきといったような意見をいただいているところでございます。これらの御意見を踏まえまして、今後、一層の改善に向けて検討を進めていきたいと考えております。
 それから、経営形態の変更についてでございますけれども、報告書では、経営形態に関する意見といたしまして、多大な時間と労力を必要とする経営形態の変更は行わず、現在の地方公営企業法の全部適用を維持しながら経営改善を進めるべきという意見と、少しでも経営の自由度が高い地方独立行政法人に移行すべきとする意見の両論が記載されたところでございます。
 県におきましては、地域医療における県立病院の役割や経営形態のあり方など長期的な議論が必要なものについて、いわて県民計画の次期アクションプランに位置づけながら、継続して検討していくこととしておりますので、今後、さらに議論を深めていただきたいと考えております。
 医療局としても、地方独立行政法人に移行する場合には、多額の財産の承継、それから、約4、700人の職員の身分の移管などの一定の整理が必要でございます。解決すべきさまざまな課題があると認識しておりまして、これらの課題につきましても、こうした議論の中でお示ししていきたいと考えております。
 それから、県立病院間のネットワーク等につきましては、大槻総括課長からお答えいたします。
〇大槻経営管理課総括課長 県立病院間のネットワーク、それから市町村立病院との連携の強化ということについてでございますけれども、二次保健医療圏を基本として、県立病院相互の役割分担、市町村や民間の医療機関との一層の連携を進めつつ、適切な施設規模を設定して、特色ある病院づくりを行っていくということを念頭に置いて業務を進めているわけでございます。
 具体的には、地域における医師不足や診療機能の不足に対応するため、基幹病院を中心に、県立の地域病院や市町村立等の医療機関に対して診療応援を行ってございまして、昨年12月末現在の数字で申し上げますと5、053件ほどとなってございます。
 また、急性期から維持期までの一連の診療計画である、いわゆる地域連携パスの作成を推進してございまして、これもまた、昨年12月末現在の実績でございますが、大腿骨頸部骨折については4病院、120件、脳卒中につきましては6病院、309件となっているところでございます。
 そのほか、基幹病院における紹介、逆紹介による病診、病病連携の推進ということで、これも昨年12月末の数字でございますが、紹介率については43.6%、逆紹介率につきましては31.9%となっているところでございます。
 そのほかに、例えば地域医療福祉連携室が各病院にございますが、ここが診療予約の受け付けとか、それから、福祉、介護関係機関との連携による退院支援、調整を行っているところでございまして、地域の医療機関、それから介護、福祉との連携には努めているところでございます。
 市町村との連携といったものにつきましては、例えば、保健福祉部が行う圏域連携会議、医療局が行ってございます市町村の連絡協議会、それから、各県立病院が行っている地域懇談会などを通じまして、さらに連携強化に取り組んでまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 来年度は1億1、600万円の黒字になると。昨年度は約20億円の赤字、ことしは約10億円弱の赤字。それが来年度は一気に1億6、000万円の黒字と。
 私は驚いているんですけれども、一つは、今までの経営改善の努力が足らなかったのではないかと。もう一つは、来年度黒字になる、これは悪いことじゃないですよ、主な理由、何で黒字転換、10億、20億円という赤字が黒字に転換されるのか。この2点、明快に答えてください。簡潔に。
〇大槻経営管理課総括課長 黒字転換の理由というお尋ねでございます。
 まず、入院収益につきまして、患者数につきまして、入院のほうは若干下げどまりの傾向も見えますので、これに、例えば診療単価の増といったものを勘案いたしまして、この分で、平成22年度、今年度の最終予算に比べまして14億8、000万円ほどの増を見込んでいるところでございます。
 それから、外来については下がる傾向ではございますが、こういった傾向は、今年度に入りまして、7対1看護とかDPCの実施ということに伴いまして、今年度も、当初計画いたしておりました収益につきましては、12月の時点で大体当初計画どおりに推移しているというところもございまして、こういったような形で予算を措置したところでございます。
〇斉藤信委員 診療報酬の改定は今年度からされているので、私は、本当にそこを見越してやったら、もっと改善されたのではないかと。これは、指摘だけにとどめておきます。
 二つ目の問題は医師確保対策ですが、県立大船渡病院の麻酔科医師3人が、来年度から不在になるという話を聞きました。救命救急の三次救急を担う病院としては、これは極めて重大だと思いますが、その対策はどうなっているでしょうか。
 また、千厩病院は、新聞でも報道されているように、2001年には16人いたのが、現在6人で、来年また1人減ると。医師不足といっても、ここまで激減するというのは、千厩病院は、私も行ったことがあるけれども、総務大臣表彰まで受けた本当に頑張っていた病院だったんですよね。宮古病院も4年前と比べると15人減っていますよ。医師偏在とはいいながら、余りにもアンバランス過ぎるのではないか。そういうところの現状と対策について示していただきたい。
〇千葉医師支援推進監 まず、大船渡病院の麻酔科の配置でございますが、これにつきましては、医大から見直しの申し入れがあるところでございますが、現在、調整中というところでございます。
 その他の県立病院における他の診療科の配置につきましても、関係大学と調整しているところでございます。
〇斉藤信委員 極めて簡潔ですな。
 今度の4月というのは、まさに微妙な時期ではあると思いますけれども、本当にこれは、特に沿岸、県北、そして、私は、千厩は本当に特別に重視してやっていただきたいと思います。
 それで、来年度の医師確保、採用、研修医の確保状況はどうなっているでしょうか。
 そして、奨学生の今後の配置の見通し、5年たてば、もう一定の見通しが立つのではないか。報告書の中でも、明るい兆しがあるのではないかという指摘がありますよね。そういうところをちょっと示していただきたい。
〇千葉医師支援推進監 来年度の確保の状況でございます。
 後期研修医を含めた来年度の医師の体制につきましては、先ほど申し上げましたとおり、関係大学と調整を行っているところでございまして、個々具体な体制は申し上げられる段階にないということを御了承いただきたいと思います。
 なお、初期研修医につきましては、来年度の新規採用予定は、今のところ51名を予定してございまして、2年次研修医と合わせますと110名になる見込みでございます。
 続きまして、奨学生の確保の現状と配置の見通しでございます。
 来年度の医療局医師奨学資金貸付事業につきましては、新たに岩手医科大学に入学する学生を対象とした岩手医科大学生新入枠と、他の大学に入学する学生及び在学生、大学院生を対象とした一般枠をそれぞれ設置してございまして、それぞれ10名、15名の計25名を現在、募集しているところでございます。
 卒業、配置の見通しでございますが、現在の医学生の貸付数は73名となってございまして、これらの学生の卒業の見通しでございますが、本年度は8名、来年度は9名、24年度は10名、25年度は20名、26年度は14名、27年度は12名とそれぞれなってございます。
 なお、今年度卒業する8名のうち、7名は県立病院で臨床研修を、残り1名が県外の病院で、それぞれ臨床研修を行う予定となってございます。
 その後の具体的な配置につきましては、病院の意向や大学医局との調整などを踏まえて検討することとしてございます。
〇斉藤信委員 次に、地域診療センター沼宮内の今後の体制についてお聞きします。
 大迫、九戸地域診療センター空き病床の活用について、地元では、19床を確保して、小規模な特養などに活用する検討と協議が行われていると聞いていますが、どういう協議、検討の状況になっているでしょうか。
 県立沼宮内病院は4月から無床化されますが、検診体制の後退になってはならないと私は思いますけれども、そこの準備状況はどうでしょうか。
 また、先日、新聞報道で、岩手町は日進堂と協議して、平成24年度までにベッドを使った有床診療所体制、老健との併設ですか、そういう方向が地元では報告されたようですが、これは、医療局にも報告、説明があったのでしょうか。
〇大槻経営管理課総括課長 大迫、九戸地域診療センターの空きスペースの活用についてでございますけれども、大迫につきましては、花巻市が地域懇談会をずっと開催してございまして、その活用について検討を行ってきたところでございます。地元の有志の皆さんが、社会福祉法人を設立して特別養護老人ホームを運営するという方向が昨年の8月に出されてございまして、現在、その地元の有志の皆さんが準備会を立ち上げて、29床の特別養護老人ホームの開設に向けて準備を進めているところと承知してございます。
 九戸につきましては、これは、九戸村が29床の特別養護老人ホームを開設して、村内の社会福祉法人に運営をしていただくという方向が示されてございまして、現在、村が開設に向けての準備を進めているところでございます。
 医療局といたしましては、引き続き、病床は休止した上で、空きスペースを有効に活用していただきたいと考えているところでございまして、施設の具体的な活用方法、それから、賃貸料等につきまして、実務的に協議を行っているところでございます。
 今後も、施設の活用に向けて、できる限り支援をしてまいりたいと考えてございます。
 それから、沼宮内病院の関係でございます。4月以降のお話ということでございますけれども、地域診療センターに移行するに当たりまして、岩手町からは、検診の推進体制の維持のため、欠くことのできない臨床検査技師とか診療放射線技師についても確保して、いわゆる岩手町方式の検診に係る連携体制を維持してほしいという要望をいただいているところでございまして、必要な医療技術者を配置するなどの所要の準備を進めているところでございます。
〇斉藤信委員 私は、大迫、九戸については、地元では、やっぱり19床のベッドを将来的には戻したいと。そういうことを踏まえて、小規模特養を整備する動きがあって、医療局とそういう協議をしているのではないかと聞いたんですよ。
 あと、沼宮内については、地元の説明会で医療局自身が、検診体制を後退させないとはっきり言っているんですから、これは、しっかり責任を持って、その約束は果たしてもらわなくてはならない。いかがですか。
〇大槻経営管理課総括課長 大迫と九戸につきましては、私どものほうといたしましては、局として、引き続き、病床につきましては、廃止ということではなく休止という扱いで進めてまいりたいと考えてございますし、それから、検診体制につきましても、特に大腸がんの一次検診などは、100%の方々が沼宮内病院で受けているということで、これには、検査技師の配置というものが必要ではないかということで、これらの技術職員について、配置するということでの準備を進めているところでございます。
〇斉藤信委員 最小限の約束は守るように、ひとつしっかりやっていただきたい。
 次に、花泉診療所の運営の問題についてお聞きします。
 昨年3月25日に提出された事業計画から見て、運営状況は具体的にどうなっているでしょうか。医師や看護師の確保、収支計画から見て、私は、これはかなり深刻な事態ではないかと思っていますが、いかがですか。
〇大槻経営管理課総括課長 花泉診療所の運営状況についてでございますけれども、患者数につきましては、事業計画で、1日平均の入院患者数を13人と見込んでございました。それから、1日平均の外来患者数を50人としていたところでございます。直近の2月の状況でございますけれども、入院患者数につきましては、1日平均の入院患者数が12.7人、1日平均の外来患者数が30.1人となってございまして、外来患者については、若干少ないかと考えてございます。
 また、医師の体制につきましては、事業計画では、常勤医師2名、非常勤医師3名としてございましたが、現在は、常勤医師1名、非常勤医師5名という診療になっておるものでございます。
 それから、看護師その他の体制につきましては、事業計画では、臨時職員を含め看護師を10名、それから、臨時職員等補助者も含みますが、看護関係の職員を10名、事務職員等6名としてございましたが、1月末時点で、看護師等の看護職員につきましては11名、医療技術者を2名、事務職員を7名という体制になってございます。
 法人において、常勤医師の確保については取り組んでいると聞いてございますので、医療局においても、引き続き、常勤医師の確保を要請してまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 この医療法人は、関連する老健から無理無理入院患者を入れるというので、今、大問題になっていますよ。そして、入院患者を診るために外来が診られないと。非常勤医師が毎週、毎日来ていないんですよ。だから、外来の患者数がどんどん減っているのです。こういうところもしっかり見てやっていかないと、このままだと、これは10年もちませんよ。
 それと、理事会がこの1年間一回も開かれていない。運営的にもこれだけ苦労しているのだから、本来なら理事会を開いて、議論して、打開の方向を示していくというのが必要なのではないですか。この医療法人は、理事会が一回も開かれていないんですよ。これも少し定款に抵触するのではないでしょうか。そういうところまで見ていますか。
〇大槻経営管理課総括課長 理事会についてのお話でございます。
 医療法上、理事会に関する規定はございませんで、社員総会については、少なくとも毎年1回開催しなければならないということにされているところでございます。
 その中で、法人の重要事項につきましては社員総会の議決を経るということで、医療局におきましては、花泉診療所の開設に伴う定款変更、それから、診療所管理者の変更に伴う理事の選任、こういった部分につきましては、提出された書類の中で、社員総会の開催を確認しているところでございます。
 それから、理事会の開催につきましては、来年度の予算、それから事業計画、こういったものを伺う際に、その中で理事会、それから社員総会などの法人の意思決定の過程についても確認してまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 初めて民間移管が、私から言わせれば強行されたというケースですから、そして、事業計画どおりに行っていないと。これは、1年たったらきちんとこの結果を報告して、来年度の事業計画をまた出すというふうに契約上なっていますから、ここを厳しくチェック、監視して、事業計画が守られるような指導を強めていただきたい。
 最後ですけれども、県立病院の看護師不足への対応についてお聞きいたします。
 看護師の確保状況はどうなっているでしょうか。そして、看護職員の休暇取得状況はどうなっているでしょうか。
 7対1看護体制のところで、特に有給休暇、年次休暇がとれないという声が切実に出されていますけれども、それへの対応はどうなっているでしょうか。
〇佐川職員課総括課長 看護師の確保状況でございます。
 現時点におきまして、約120名の退職者に対して、約190名の新規採用職員を確保してございます。したがって、来年度に向けて70人ほどの増員になる見込みでございます。
 それから、7対1看護体制についての強化というお話でございますけれども、中央病院、胆沢病院、中部病院と7対1看護体制を導入している病院が3病院ございますが、7対1の強化を含めて、増員数としては、52名ほど増員する予定にしてございます。
 それから、看護師の労働条件でございます。労働条件に基づく勤務の状況について、休暇の取得状況を見ますと、平成22年の年次休暇の平均取得日数が8.6日、生理休暇につきましては2.3日となってございまして、昨年度と比べますと、いずれも0.2日ほどの増ということになってございます。
 それから、看護師の超過勤務の時間数でございます。昨年4月からことしの1月までの実績でございますが、月平均が13.3時間となってございます。昨年同期の実績と比較いたしますと、1月当たりが0.5時間ほどの増ということになってございます。
〇斉藤信委員 ことし120人の退職者と。私は、この内訳を示していただきたいと思うんですよ。途中でもう耐え切れずにやめた人、定年でやめた人、新規採用されたけれども、余りにも労働がきつくてやめた人とあると思うんだけれども、そこの内訳を示していただきたい。
 実は、これは医療局長にも届いているものなんですけれども、看護師さんの切実な声、イエローカードというので、本当に切実な声も、これ全部、医療局長に届いているという話ですけれども、私も聞きました。
 これは中央病院の例ですけれども、7対1がとれないから年次休暇をあげられないと。20時間を超えるように超勤は書くな。これは師長さんの言葉ですよ。現在、子育て中の人の育児時間を申請しているのに、毎日、21時過ぎまで超過勤務をしている。本当に切実な声が寄せられています。人員が少なくて年次休暇もとれない。7対1になってから、前にも増して年次がとれなくなった。ことしは3日しかとっていない。
 さっき言われた8.6日というは全体の平均ですよ。だから、病棟によってかなりの差があって、本当に1年に2日、3日しかとれないという声がここにたくさん出ている。
 まず、私、この看護師さんが置かれている現状と切実な生の声を医療局長自身がどう受けとめているか。そして本当に、今、看護師確保競争ですよ。この看護師を十分に確保をするためには、看護師さんのこういう状況を抜本的に改善して、県立病院なら働きがいがあると、こういうことにならないと本当に大変だと思いますよ。医療局長、いかがですか。
〇田村医療局長 先ほど御紹介のありましたものは私も読ませていただいておりますけれども、先ほども申し上げましたけれども、7対1の関係等で、かえって職場的には厳しくなっているというようなお話は組合のみならず、総看護師長等からも寄せられておりますので、先ほど申し上げましたけれども、我々としても看護師の募集等に当たっても目いっぱい採っているといいますか、そういうような対応をして、増員をかけながら職場の勤務環境の改善に取り組んでいるということで、今後ともなかなか看護師の確保は当分厳しい部分があると思いますけれども、そういったことを継続しながら対応をしていくということで、それから一方では、職場のほうでも、もう少し改善できるものはないのかということで職場レベルでもいろいろと検討していただきながら、少しでもいい職場環境の整備というようなことで取り組んでいるところでございます。
〇佐川職員課総括課長 先ほどの退職理由ということでございますけれども、平成21年度の退職の内訳でございますけれども、全体としては151名、定年が31名、それから勧奨退職が53名、それから普通退職が67名という状況でございます。いわゆる勧奨、普通退職につきましては、ここ数年、大体こういう形で推移しておるわけでございますけれども、退職の理由が一身上の都合ということで退職届が出てくるものですから、その内容がどのような形のものかということは、ちょっとつかんでおらない状況でございます。
〇斉藤信委員 これで最後にしますけれども、ちょっと確認ですけれども、先ほど70人、これは純増と確認していいのか。そしてそのうち、7対1のところには50人ふやすと、こう受けとめて間違いはないか。
 それと、超勤のことがありましたけれども、私が言ったように、例えば研修とか会議なんていうのは、時間外になっても書かせないんですよ。そしてたくさん残業をやると、何でこんなにたくさんやっているのって書かせないと。こういう状況がありますから、私はこういうところも抜本的に改善をして、本当に今看護師さんの声を聞くと、ぎりぎりのところで、燃え尽きる直前のところで頑張っているという状況ですよ。だから、もう、医師不足とあわせて看護師不足の解消に全力を挙げて取り組んでいただきたい。これを最後に聞いて終わります。
〇佐川職員課総括課長 先ほどの看護師の増員の関係でございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、約70名でございますけれども、増員をするということで御理解をいただきたいと思います。
 それから、いわゆる研修等の話でございますけれども、現場では種々いろいろ研修がございます。中でも業務に直接関係するものにつきましては、これは所属長が職務命令ということで参加をさせるわけでございますので、これは当然超過勤務の対象になりますので、これは支給の対象になるということでございます。
〇五日市王委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 当該委員でありますので、端的に2点のみお伺いをいたします。
 基幹病院と言われる県立病院にありまして、外来新患の場合、他の病院あるいは医院、そういったところからの紹介状がなければ受け付けないというルールというのはあるんでしょうか、まずこれが1点。
 それから、3月は人事の時期でございますけれども、定年退職をされる方がいた場合に、その補充をしていただかないと、そのまま休診科目になったりしては大変だと、こういうことから、そういう補充というのは当然お考えになっていらっしゃると思いますが、その辺について伺っておきます。
〇及川医事企画課総括課長 紹介についての御質問でございましたけれども、基幹病院におきましては、急性期の患者さんの治療を担当するというような機能分担を進める中で、医師不足の中でございますけれども、そういった中で待ち時間の解消、いろんなものがありますけれども、予約制とか地域の医療機関からの紹介を受けて治療をするように推進しております。ただし、急性期のというか、急患の、重傷者の患者さんの治療につきましては、当然、受け付けて治療するようにしております。
〇田村医療局長 定年退職者の補充というお話でございますが、例えば院長先生のようなケースで考えますと、その先生が抜けて当然担当の医師としての、内科とか外科とか担当していますので、その部分につきましてはそれぞれの関係医局に話をしながら、何とか調整をお願いしているということでございますけれども、なかなか現実的には難しい部分がありますけれども、我々とすれば、そういった院長、副院長さんも含めて医者としての戦力としてお願いしてございますので、そういった部分では、それらにつきましても補充を関係の医局にお願いをしながら対応させていただいております。
〇伊藤勢至委員 患者さんは、自分が急患だと思っているんですよね、大体の人がね。だから、それが急患は受け付けるけれども、紹介状がなければ受け付けないということについてはほとんどの人が知らないし、そういう扱いになっているとも思っていないんです。したがって、そういったことを知らしめる手段というのか何かを講じませんと、簡単に医療拒否をされたということに結びつきやすいものですから、あえて言っておきたいと思いますが、そういう手配もよろしくお願いして終わります。
〇五日市王委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇五日市王委員長 質疑がないようでありますので、これで医療局関係の質疑を終わります。
 医療局の皆さんは御苦労さまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時23分 散 会

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