平成22年9月定例会 第18回岩手県議会定例会 会議録 |
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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
認定第1号、第3号、第4号、第15号に反対の討論を行います。 認定第4号は、2009年度岩手県一般会計歳入歳出決算であります。 今回の決算審議は、達増県政の4年間を総点検するものでありました。達増県政の4年間は、県民の深刻な実態と切実な要求に背を向けた県政だったと言わなければなりません。 反対する第1の理由は、最も切実な課題となっている雇用対策、中小企業対策が極めて不十分なことであります。 ソニーによる870人の工場閉鎖や、富士通による1、130人に及ぶ再配置という名の解雇、関東自動車や東芝の雇いどめなど、誘致企業による雇用破壊は7、800人余に及びました。ソニーや富士通、関東自動車、東芝などの誘致企業が、この間、労働者と下請中小企業の犠牲の上に巨額の内部留保をため込みながら、リーマンショックによる経済危機を理由に、工場閉鎖や大量の解雇、雇いどめを強行したことは許されないことであります。 県は、ソニーや富士通による事業主都合の退職者に対する再就職の責任を果たさせる取り組みを行っていますが、8月末現在でソニーは6割弱、富士通は3割弱にとどまっていることは重大であります。労働者の雇用と下請中小企業、地域経済を守る大企業の社会的責任を果たさせるようさらに取り組むべきであります。 また、失業の長期化に対応したワンストップサービスや超氷河期と言われる新規学卒者の就職対策の取り組みを抜本的に強化するよう求めるものであります。 事業所数で99.8%、常用雇用で89%を占める中小企業対策では、74%の中小企業が赤字となっています。中小企業対策の決算が、融資を除くとわずか38億円余に大幅に削減されてきたことは問題であります。中小企業振興条例の制定を含め、県内経済と雇用を守り、地域づくりの主役として、中小企業対策の抜本的な強化を求めるものであります。 また、請願の採択にも示された、経済効果の大きい住宅リフォーム助成の実現を強く求めるものであります。 第2の理由は、地域住民の声に背を向けて、県立病院、診療所の無床化を強行したことであります。 また、高過ぎる国保税の問題では、滞納者から保険証を取り上げる資格証明書の発行が9月現在でも992世帯、短期保険証のとめ置きも1、520人となっており、昨年4月には、病院にかかれず死亡する事態まで引き起こしています。金の切れ目が命の切れ目となりかねない冷たい県政が進められていることは許されないことであります。 介護保険事業では、昨年3月に花巻市で介護を苦にした介護殺人事件も起きました。特養ホームの待機者が5、974人に及び、早期入所が必要な待機者が1、235人となっていますが、昨年度の特養ホームの整備はわずか13床にとどまり、今年度も86床にとどまることは、保険あって介護なしの実態を示すものであります。1人当たりの介護給付費が17万6、700円で、全国最低となっていることも重大であります。 第3の理由は、農林水産業の衰退に歯どめがかからないばかりか、予算、決算額が、この間、大幅に減少していることであります。 米暴落問題で、知事が、この議会中に、政府に対して過剰米の買い取りなどの緊急対策を求めたことは評価いたします。しかし、岩手県の基幹産業である農林水産業は、産出額ではピーク時と比べて大幅に減少しています。ところが、農林水産予算はこの10年間で半分以下に減少しました。決算額でも、10年前の平成11年度決算額1、633億円余に対して昨年度は718億円余になっており、44%に激減しています。また、その半分以上を公共事業が占めていることも問題であります。 森のトレー問題で15億円余の補助金返還という事態に至ったことは重大であります。昨年度決算には2億8、400万円余の国への償還金が含まれています。森のトレー問題は、国、県が組合と一体となって、技術的には確立していない間伐材を利用したトレーの大量生産に、資金的な保証もなく、販売計画もあいまいなまま拙速に進めて失敗した事業であります。この間の検証も処分も不十分であり、裁判での全面敗訴を踏まえて徹底的に検証すべきであります。決して、県民に15億円の負担をすべて押しつけるべきではありません。 第4に、深刻な財政危機のもとで、530億円の簗川ダムや164億円の津付ダム事業、利用客が激減している中での321億円に及ぶ花巻空港整備事業など、無駄と浪費、不要不急の大型開発を進めてきたことであります。ダム事業の検証で、見直し、中止を強く求めるものであります。 1、400万円の知事車購入、選定基準に反した577万円の副知事車購入も、到底県民の理解を得られるものではありません。 第5に、テスト漬けと競争主義、管理主義を軸にした教育の推進も見直すべきであります。目標達成型の学校経営は教育に市場原理を導入するものであり、一人一人の子供に寄り添い、その人格の完成を目指す教育の目標からかけ離れたものであります。国連子どもの権利委員会の日本政府に対する第3回勧告をしっかりと受けとめ、過度の競争的教育から、一人一人に行き届いた教育への転換を強く図るべきであります。35人学級のさらなる拡充を求めるものであります。 認定第1号は、2009年度岩手県立病院等事業会計決算であります。 反対する第1の理由は、五つの地域診療センターの無床化を強行し、花泉地域診療センターを半年もしないうちに民間移管を強行したことであります。 ことし4月から民間移管となった花泉診療所は、3月末に提出した事業計画に反し、常勤医師が3カ月半にわたって不在という異常な事態でありました。現在も1名の常勤医にとどまっていることも重大であります。無床化された地域では、土日、祝日、夜間は医師不在となり、救急患者のたらい回しや受診の抑制など、深刻な事態が生じています。地域医療の問題は、上からの強行ではなく、あくまでも医療関係者と地域住民との協働の力で解決すべきであります。また、県立沼宮内病院の無床化計画の強行は見直すべきであります。 第2に、医師不足とあわせて看護師不足も深刻であります。月9日夜勤や毎日の残業で有給休暇もとれない事態となっています。医師とともに看護師の大幅増員を図るべきであります。 第3に、昨年度、21億6、000万円余の赤字となりましたが、最大の要因は、この間の診療報酬の引き下げと医師不足による患者数の減少によるものであります。消費税の負担額も4億7、000万円に及んでおり、国の悪政による影響は極めて重大であります。 認定第3号は、2009年度岩手県工業用水道事業会計決算であります。 昨年度、初めて累積欠損金を解消したことは評価いたします。しかし、雇用破壊の先頭に立ち、巨額の内部留保を持っている誘致大企業などに1億円の料金の減免を行ったことは、県民の理解を得られるものではありません。 認定第15号は、岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算であります。 過大な貨物取扱量の目標に対して実績が後退している中、事業だけが進められていることは問題であります。 以上申し上げ、私の討論といたします。御清聴ありがとうございました。 〇議長(佐々木一榮君) 以上で通告による討論は終わりました。 これをもって討論を終結いたします。 これより、認定第4号平成21年度岩手県一般会計歳入歳出決算を採決いたします。 本決算は、委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、認定第4号平成21年度岩手県一般会計歳入歳出決算は、委員長の報告のとおり認定することに決定いたしました。 次に、認定第1号、認定第3号及び認定第15号を一括して採決いたします。 各決算は、委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、認定第1号、認定第3号及び認定第15号は、委員長の報告のとおり認定することに決定いたしました。 次に、認定第2号及び認定第5号から認定第14号までを一括して採決いたします。 各決算は、委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 〇議長(佐々木一榮君) 起立全員であります。よって、認定第2号及び認定第5号から認定第14号までは、委員長の報告のとおり認定することに決定いたしました。 日程第16 発議案第10号真の地域主権実現のための現行の補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律を含めた国庫補助制度の速やかな見直しを求める意見書 〇議長(佐々木一榮君) 次に、日程第16、発議案第10号真の地域主権実現のための現行の補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律を含めた国庫補助制度の速やかな見直しを求める意見書を議題といたします。 お諮りいたします。ただいま議題となっております案件は、各会派の賛同を得た委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項及び第3項の規定並びに先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 〇議長(佐々木一榮君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 これより、発議案第10号真の地域主権実現のための現行の補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律を含めた国庫補助制度の速やかな見直しを求める意見書を採決いたします。 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、発議案第10号真の地域主権実現のための現行の補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律を含めた国庫補助制度の速やかな見直しを求める意見書は、原案のとおり可決されました。 日程第17 議案派遣の件 〇議長(佐々木一榮君) 次に、日程第17、議員派遣の件を議題といたします。 〔参照〕 議事日程第6号中 日程第17 議員派遣の件の議員派遣一覧
〇議長(佐々木一榮君) お諮りいたします。本件は、お手元に配付いたしました5件についてでありますが、会議規則第116条第1項の規定により、議員を派遣いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 〇議長(佐々木一榮君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 閉 会 〇議長(佐々木一榮君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。 これをもって本日の会議を閉じ、第18回県議会定例会を閉会いたします。(拍手) 午後3時42分 閉 会 |
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