平成21年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成21年10月20日(火)
1開会  午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長     浅 田 和 夫
  議事管理担当課長 菊 池 達 也
  主任主査     石木田 浩 美
  主任主査     岩 渕 伸 也
  主任主査     鈴 木 文 彦
  主任主査     藤 原 由喜江
  主査       菅 原 俊 樹
  主査       大 森 健 一   
1説明員
  教育長      法 貴   敬
  教育次長兼
  教育企画室長   遠 藤 達 雄
  教育次長兼
  学校教育室長   佐々木 修 一
  教育企画室
  企画課長     佐 藤   博
  予算財務課長   高 橋 宏 弥
  学校施設課長   宮 野 孝 志
  学校企画課長   宮   卓 司
  首席指導主事兼
  義務教育課長   小 岩 和 彦
  首席指導主事兼
  高校教育課長   佐 藤 成 人
  高校改革課長   上 田 幹 也
  首席指導主事兼
  特別支援教育
  担当課長     鈴 木 長 幸
  主任指導主事兼
  生徒指導担当課長 佐 藤 淳 子
  首席指導主事兼
  産業教育担当課長 佐々木   淳
  生涯学習文化課
  総括課長兼
  県立埋蔵文化財
  センター所長   大 月 光 康
  文化財・世界遺産
  課長兼
  県立埋蔵文化財
  センター副所長  中 村 英 俊
  スポーツ健康課
  総括課長     川 口 仁 志
  教職員課総括課長 及 川 伸 一
  首席経営指導主事
  兼小中学校人事
  課長       菊 池   宏
  首席経営指導主事
  兼県立学校人事
  課長       高 橋 和 雄

  警察本部長    保 住 正 保
  警務部長     島 村   英
  生活安全部長   大志田 文 一
  刑事部長     小 方 政 司
  交通部長     遠 藤 貞 造
  警備部長     佐 藤 英 憲
  警務部参事官兼
  首席監察官    佐 藤 善 男
  警務部参事官兼
  警務課長     吉 田   修
  生活安全部
  参事官兼
  生活安全企画課長 小野寺 憲 一
  刑事部参事官兼
  刑事企画課長   川 村 裕 司
  交通部参事官兼
  交通企画課長   吉 田 尚 邦
  警備部参事官兼
  公安課長     青 柳   晃
  総務課長     川 村 邦 光
  会計課長     内 山 新 次
  会計課
  指導監査室長   八重樫 博 美

  会計管理者    古 内 保 之

  監査委員     菊 池 武 利
  監査委員     谷 地 信 子
  監査委員事務局長 千 田   永
  監査第一課
  総括課長     奈須川 博 司
  監査第二課
  総括課長     小 原 一 信

  予算調製課
  総括課長     八 矢   拓
〇小田島峰雄委員長 これより本日の会議を開きます。
 大宮惇幸委員が所用のため欠席とのことでございますので、御了承願います。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成20年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第15号平成20年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算まで、決算15件を一括議題といたします。
 本日は、教育委員会、警察本部関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、教育長に教育委員会関係の説明を求めます。
〇法貴教育長 それでは、教育委員会関係の平成20年度の決算について御説明申し上げます。
 初めに、教育委員会所管の事務事業に係る総括的な評価、成果及び今後の取り組み方針につきまして御説明申し上げます。
 いわて希望創造プランに掲げるふるさとづくりを担う人材の育成などに向けて、学校教育の改革、充実、競技スポーツの強化、歴史遺産の継承と伝統文化の振興の三つを主要な柱に据え、これらの施策の着実な実施に努めてきたところであります。
 まず、学校教育の改革、充実についてでありますが、児童生徒を知・徳・体を兼ね備えた、社会に適応する総合的な人間形成という教育目的の実現に向けて、家庭、地域と協働する目標達成型の学校経営の改革、児童生徒の学力向上、豊かな心をはぐくむ教育の推進、児童の体力向上、特別支援教育の充実を中心に取り組んできました。
 このうち、目標達成型の学校経営への改革については、すべての学校において取り組まれておりますが、取り組み内容に濃淡があることから、先進的な取り組みを他校に広げていくなど、質的向上を図っていくこととしております。
 また、学力向上については、学習定着度状況調査などの結果の的確な分析をもとに、学力向上と授業力向上のための取り組みを強化しているところであり、キャリア教育についても、発達段階に応じ、職場体験やインターンシップなどにより、岩手の特色ある産業、文化を支える人材育成に取り組んでいきます。
 なお、本年度からは教育振興運動の全県共通課題として家庭学習の充実、読書活動の推進を掲げ、家庭、地域との連携を深めているところであり、学校の授業と家庭学習のサイクルが的確に回っていくよう推進しているところであります。
 豊かな心をはぐくむ教育の推進については、児童生徒の問題行動や学校不適応の早期発見、早期対応に取り組んでいるところであります。不登校児童生徒の出現率はおおむね前年並みで全国の中でも低く、教員やスクールカウンセラーなどの指導により良好な変化が見られるところであり、引き続き指導力を向上させ、学校、家庭、地域と総がかりの対応を行ってまいるとともに、情報モラル教育を推進しながら、携帯電話などを通じた問題行動の防止に努めてまいります。
 児童の体力向上については、体力、運動能力及び肥満傾向児の指標のいずれも前年度よりは改善されておりますが、依然として目標値に及ばない状況にあることから、学校、家庭が協力して、望ましい生活習慣の確立や運動機会の確保の取り組みを継続していくほか、体育の授業力向上のための事業を拡充してまいります。
 特別支援教育については、設定した各種目標はおおむね順調に推移しているところでありますが、共に学び、共に育つ教育を実現していくため、市町村と協力して、児童生徒一人一人のニーズにこたえられる人的、物的な支援体制を整備していくとともに、県民理解が進むよう引き続き取り組んでまいります。
 次に、競技スポーツの強化については、全国高校野球大会での活躍が見られる一方で、国体など全国レベルの競技大会での成績が伸び悩んでいるところであります。このため、競技力の強化を図るため、より一層の選手強化事業を平成20年度から取り組み始めたところであり、これを拡充して中長期的な視点に立った選手育成に取り組んでいくほか、スポーツ医・科学サポート機能を有する拠点施設─ドームの整備を推進してまいります。
 次に、歴史遺産の継承と伝統文化の振興につきましては、平泉の文化遺産の世界遺産登録については、平成23年の登録を目指し、推薦書の作成に万全を尽くしてまいります。
 平成21年1月には北海道、北東北を中心とした縄文遺跡群が世界遺産暫定リストに追加記載され、また、9月には早池峰神楽がユネスコの無形文化遺産に登録されたことを契機に、本県の歴史遺産、伝統文化が県民の誇りになるとともに、広く内外に発信されるよう取り組んでまいります。
 以上、総括的な評価と取り組み方針について申し上げました。
 引き続きまして、決算額等の説明に入らせていただきます。
 お手元の平成20年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。教育委員会所管に係る一般会計予算現額は、10款教育費のうち1項教育総務費から7項保健体育費まで1、465億3、270万円余で、これに対する支出済額は1、445億5、344万円余であります。翌年度への繰越額は12億6、451万円余で、これは、国の補正予算による交付金を活用して2月補正予算で措置したものを翌年度に繰り越して使用しようとするものであります。
 16ページに参りまして、11款災害復旧費のうち3項教育施設災害復旧費の予算現額は7、964万円余であります。これに対する支出済額は4、680万円余、翌年度への繰越額は3、178万円余であります。
 10款教育費と11款災害復旧費の予算現額合計は1、466億1、235万円余でありまして、これに対する支出済額は1、446億25万円余、執行率は98.6%であります。この結果、県の一般会計決算額に占める教育委員会関係の決算額の割合は21.5%となるものであります。
 以下、個々の内容につきましては、便宜、平成20年度歳入歳出決算事項別明細書により、その主なものについて御説明申し上げます。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきますので、御了承願います。
 決算事項別明細書の318ページをお開き願います。10款教育費の1項教育総務費でありますが、1目教育委員会費の支出済額は1、526万円余で、これは、委員会の運営に要した経費であります。2目事務局費の支出済額20億1、201万円余の主なものは、事務局職員の人件費等管理運営費のほか、語学指導支援などのための外国青年招致事業費であります。3目教職員人事費の支出済額は103億2、930万円余で、教職員健康診査などの人事管理費、321ページに参りまして、児童手当、退職手当の支給等に要した経費であります。4目教育指導費の支出済額は7億9、629万円余で、その主なものは、学校不適応対策のためスクールカウンセラーなどの配置を行った児童生徒健全育成推進費、県立学校などを結ぶいわて教育情報ネットワークの運営費、特別支援学校に看護師や支援員を配置した特別支援教育推進事業費、小・中学校で目的達成型の学校経営を進めるためのいわてコミュニティ・スクール推進事業費、高等学校が複数で進学対策に取り組む進学支援ネットワーク事業費、322ページに参りまして、民間委託により外国語指導助手を配置する外国語教育推進事業費、学力向上対策のほかモデル事業などに取り組んだ指導運営費などであります。5目教育センター費の支出済額は5億606万円余で、6目幼稚園費の支出済額は6、443万円余で、総合教育センター及びこまくさ幼稚園それぞれの管理運営に要した経費であります。次に、324ページをお開き願います。7目恩給及び退職年金費は2億5、930万円余で、恩給及び扶助料等の支給に要した経費であります。
 2項小学校費1目教職員費506億7、117万円余の主なものは、小学校の教職員人件費のほか、小学1年生の多人数学級等に非常勤講師を配置したすこやかサポート推進事業費であります。
 3項中学校費1目教職員費286億1、113万円余の主なものは、中学校の教職員人件費であります。
 4項高等学校費でありますが、1目高等学校総務費の支出済額277億5、487万円余の主なものは、県立高校の教職員人件費、高校再編等の高等学校教育改革推進費であります。次に、326ページをお開き願います。2目全日制高等学校管理費16億9、054万円余及び3目定時制高等学校管理費5、079万円余は、それぞれ各高校の管理運営に要した経費であり、事故繰り越し272万円余は、請負者の物品の納入が遅延したことによるものであります。次に、328ページをお開き願います。4目教育振興費の支出済額11億3、486万円余の主なものは、産業教育設備及び情報処理教育設備など高等学校に係る設備整備費、農業実習や共同実習船運航のための教育実験実習費、財団法人岩手育英奨学会に対する高校奨学事業費補助であります。5目学校建設費の支出済額58億6、167万円余の主なものは、高校再編に伴う一戸高校、釜石高校ほか3校の校舎整備及び一関一高附属中学校の校舎整備を行った校舎建設事業費、一関一高ほか2校の校地整備事業費、水沢商業高校ほか2校の大規模改造及び8校の耐震診断などを行った校舎大規模改造事業費であり、繰越明許費3億6、116万円余は、盛岡農業高校ほか3校の屋内運動場耐震補強及び盛岡工業高校などの建物維持改修に係る経費であり、事故繰り越し3万円余は、請負者の備品の納入が遅延したことによるものであります。次に、330ページをお開き願います。6目通信教育費636万円余は、通信教育の管理運営に要した経費であります。
 次に、5項特別支援学校費1目特別支援学校費でありますが、支出済額105億3、953万円余の主なものは、特別支援学校教職員の人件費を含む管理運営費、盛岡青松支援学校高等部及び県立中部病院内花巻清風支援学校分教室の整備を行った施設整備費であり、繰越明許費1億1、374万円余は、バス及び地上デジタルテレビの整備並びに盛岡みたけ支援学校高等部改修などに係る経費であり、事故繰り越し22万円余は、請負者の物品の納入が遅延したことによるものであります。
 次に、332ページをお開き願います。6項社会教育費でありますが、1目社会教育総務費の支出済額11億6、481万円余の主なものは、放課後子ども教室などを推進する生涯学習推進費、青少年の家の管理運営費及び社会教育に係る職員人件費などの指導運営費であり、繰越明許費9、302万円余は、青少年の家及び生涯学習推進センターの補修工事に係る経費であります。2目視聴覚教育費の支出済額は4万円余であります。3目文化財保護費の支出済額5億613万円余の主なものは、指定文化財の保存、修理に対する補助等を行う文化財保護推進費、柳之御所遺跡に係る整備調査事業費及び土地公有化事業費、世界遺産登録推進事業費、335ページに参りまして、平泉町に対する世界遺産ガイダンス施設整備費補助であります。4目芸術文化振興費の支出済額2億3、606万円余の主なものは、芸術文化の普及、振興のための芸術文化振興事業費、県民会館の管理運営に要した経費、繰越明許費4億5、053万円余は、県民会館施設整備費に係る経費であります。5目図書館費1億7、479万円余は、県立図書館の管理運営に要した経費であります。次に、336ページをお開き願います。6目博物館費3億1、714万円余は、県立博物館の管理運営に要した経費などであり、繰越明許費4、338万円余は、施設の補修に係る経費であります。7目美術館費5億1、586万円余は、県立美術館の管理運営に要した経費であり、繰越明許費626万円余は、設備の修繕に係る経費であります。
 7項保健体育費でありますが、1目保健体育総務費の支出済額6億981万円余は、県立学校児童生徒の健康診断など保健管理費、学校管理下での災害に対する共済の掛金及び給付金等であります。次に、338ページをお開き願います。2目体育振興費の支出済額3億2、462万円余の主なものは、スポーツ教室開催などの生涯スポーツ推進費、県民体育大会の開催及び国体への選手団派遣事業費、県体協、中体連、高体連への選手強化補助及びスーパーキッズの発掘、育成を行った競技力向上対策事業費であります。3目体育施設費の支出済額4億47万円余の主なものは、県営体育施設の管理運営費及びスキージャンプ場改修など施設設備整備費であり、繰越明許費1億9、340万円余は、県営野球場グラウンド改修工事などに係る経費であります。
 次に、346ページをお開き願います。11款災害復旧費の3項教育施設災害復旧費でありますが、これらは、いずれも岩手・宮城内陸地震あるいは岩手県沿岸北部地震により被災した施設の災害復旧に要した経費であります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇小田島峰雄委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇及川幸子委員 まず、今、大変新型インフルエンザが蔓延しておりまして、みんな周りでは気を痛めておりますけれども、平成20年度の学級閉鎖の状況と対策はどうだったのかお伺いします。
〇川口スポーツ健康課総括課長 インフルエンザによります学級閉鎖等の状況と対策でございますけれども、平成20年度の学級閉鎖等の状況は、延べ件数でございますが、1年間で学級閉鎖が53校、学年閉鎖が112校、学校閉鎖が10校でございました。
 平成20年度のインフルエンザ対策につきましては、県保健福祉部等の関係機関と連携しながら、各市町村教育委員会、各県立学校等に対しまして、手洗い、うがいの励行、人込み等への不必要な外出の自粛等の予防対策について通知いたしましてその徹底を図ったところでございます。
〇及川幸子委員 そういう予防対策をとられたということですが、平成21年度になりましてその数は最たるものだと思っておりますが、平成21年度の今の状況はどうでしょうか。
〇川口スポーツ健康課総括課長 今年度の学級閉鎖等の状況、昨日までの数字でございますが、延べ件数で学級閉鎖が142校、学年閉鎖が116校、学校閉鎖が34校となっております。
〇及川幸子委員 私の地域においても本当に毎日学級とか学年閉鎖ということの通知が来るんですけれども、子供たちにどういうことで徹底して教えているのか、それが学校から帰ってきまして余り話さないんですよ。インフルエンザだからこうやったほうがいいようだとか子供の口からは言えないんですが、やっぱり学級閉鎖になりますと、外には出さないでほしいとか、そういう連絡は来ますけれども、そのほかの連絡というのはなかなか来ないわけです。それで、私どもも親もやっぱり気をつけなければならないのは、クラスでだれがインフルエンザの発症、だれが原因ということは絶対聞かないようにしておりまして、だれかわからないけれども2人か3人いるという本人のそういうことで、まあ気をつけようということでやっていますが、なかなか学級の先生から、38人ですか、そういう子供たちに徹底して教えて、家庭まで徹底させるのはなかなか難しい現況じゃないかと思うんですが、いかがですか、今の現況。
〇川口スポーツ健康課総括課長 今年度の新型インフルエンザ、季節性インフルエンザというのは判定できない状況にあるわけですが、大変蔓延している状況でございまして、今年度につきましては、従来の季節性インフルエンザ対策に加えまして、新型インフルエンザ対策として、感染の拡大防止に努める一方、また、重症化に至らないようにという観点から、学校では日常健康観察の徹底、サーベランス体制を強化いたしまして、インフルエンザの早期発見、早期受診に努めるように指導しているところでございます。
 また、各学校では、出席停止とか学級閉鎖などを適切に対応するようにということにしてございます。また、毎日の検温、それから緊急時の連絡先の確認、また、休業した場合には外出の自粛等、家庭との連携を図ることということで、その辺については徹底指導をしているところでございます。
〇及川幸子委員 徹底していると伺いましたが、今の時期、運動会とか文化祭が大変あると思うんです。学校行事に対する影響は多いんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 新型インフルエンザによる学級閉鎖と行事への影響ということでございますけれども、その状況につきましては数的な把握はしておりませんけれども、インフルエンザによって学級閉鎖、学校閉鎖等を余儀なくされて文化祭などの行事を延期せざるを得ないという状況はかなりの学校で見られていると認識しております。
 また、行事だけではなくて、授業についてもそういう影響が出ているということもございますので、各学校では、その影響のあった部分につきましては年間の授業等を見ながら回復措置をとっていただいているものと認識しております。
〇及川幸子委員 そういうふうにいろいろな注意をしながら生徒に指導しているということですが、大変先生方もお忙しいとは思うんですが、家庭に通知などを通じてこういうことに気をつけたほうがいいという連絡を徹底しないと、何々小学校では何々クラスが学級閉鎖していますので、帰ったらこういうことをとか、そういうふうな連絡を徹底していただければいいと思うんですが、いかがでしょうか。
〇川口スポーツ健康課総括課長 委員御指摘のとおりでございます。その前に大事なことは、各学校におきまして児童生徒への日常の健康観察が徹底されて、インフルエンザの早期発見、早期治療につながるように教職員が共通理解のもとに対応することがまず第一でございます。それから、各家庭に対しましては、保健だよりや学校通信等を通しまして周知徹底を図っていくことは大変重要なことだと認識しております。
〇及川幸子委員 これ以上に蔓延しないように取り組んでいただきたいと思っております。
 次に移ります。
 成績向上に向けた取り組みですが、早寝、早起き、朝御飯の取り組みで、朝御飯をとっている児童ととらない児童の状況はどうでしょうか。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 子供たちの朝御飯を食べている状況ということでございますが、平成21年度、今年度の全国調査の結果を見ますと、小学生は98.0%が朝食をとっています。それから中学生では97.6%が朝食を食べて学校に行っているということで、非常にいい状況ではないかととらえております。
〇及川幸子委員 それは岩手県内ということですか。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 はい、岩手県の小・中学生の状況でございます。
〇及川幸子委員 次に、意欲のある授業の取り組みと家庭学習の取り組みの状況ですが、この意欲のある授業というので、先生方がどのように工夫をなさって意欲の出る授業に取り組んでいられるか、それから家庭学習の状況はどうなのかをお伺いいたします。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 まず、子供たちが意欲的に授業に取り組むという件についてでございますけれども、各学校では、例えば単元の導入、最初の段階でいろいろな知的好奇心といいますか、関心を呼ぶような提示をしたり、あるいは具体的な、特に小学校であれば具体物を多く使いながら興味、関心を持ちながら実感できるということも含めて、子供たちにとってわかる授業というものを工夫していただいていると思っております。
 それから、家庭学習の部分でございますけれども、これも今年度の全国調査の結果によりますと、小学生につきましては、おおむね時間的な部分、いい状況かととらえております。ただ、若干中学生の家庭学習時間が少ないという現状がございます。
 これらのことから、今年度は特にPTAの方々、あるいは教育振興運動という形で連携しながら、学習時間も含め、家庭学習の環境ということも含めながら、学校では特に授業と家庭学習が連動していくサイクルを確立していくような取り組みを今進めているところでございます。
〇及川幸子委員 家庭学習と授業が連動しながら本当に身になった授業、そして家庭学習ができればいいんですけれども、ノルマをこなすだけで、何ページやれば丸をもらえるとか、そういうことだけでやっておりますと中身が全然伴わなくて、やっていても全然気が入らない。何時間机に向かっていても全然成果が上がらないという児童が見られると思います。そういう面では、先生方の大きな工夫、具体的なものを取り扱って授業をするというのは大変いいことだと思っております。
 そこで、最後、法貴教育長にお尋ねするのですが、私、会派の控室の隣の席が新居田委員でありますが、新居田委員がとてもいい本を読んでいらっしゃいました。その本というのは、議会図書から借りた「秋田の子供はなぜ塾に行かずに成績がいいのか」というすばらしい本を読んでいらっしゃいましたので、読み終わったら早速私もお借りしてきました。
 その内容は、小学校、中学校ともにすべての学科でトップクラス。教育委員会の皆さんも秋田には行かれたと思うんですが、ちょっと述べさせてください。その中身三つ、学校の授業に集中する、家で授業の予習、復習をしっかり行う、早寝、早起きをして毎日朝食を食べる、この三つが述べられておりました。全くそのとおりだと思ったんですが、当たり前の学習環境、生活環境と好成績には深い因果関係があるということ、この当たり前のことというのがなかなか家庭では難しいんですね、教育長。
 やっぱりその辺のところから、もちろん秋田にも訪れたことがあると思うんですが、その辺のところ、当たり前のそういう環境を保ちながら、なおかつ成績向上につなげるためのこの三つというのは岩手県の教育現場ではどの程度守られて、どの程度よくいっているのか、まず教育長にお伺いしたいと思います。
〇法貴教育長 委員御指摘のように、秋田から学ぶべきものはたくさんあると思います。いずれ先ほど質問の中にありましたように、単なる頑張りノート、何ページこなせばいいみたいなものが結構あったわけですけれども、そういう家庭学習のやり方そのものを少し見直そうということで、今年度から、その家庭学習の出し方をまず考えましょう。それから、それをチェックしましょうというか、そのチェックをきちんとみんな先生がやりましょう。単なるよくできましたマークだけぽんとつけばいいというのではなくて、チェックしましょうという取り組みが各地で行われるようになってきております。
 秋田の場合は繰り返し教えるという習慣があって、一度教えたものを何カ月かたってからまた振り返させるみたいなこともありますので、うちの県でも、しつこいようですけれども復習を何回もさせて何回も定着させるという行為を少し愚直にも続けていくことがやはり必要ではないのかと考えています。
 いずれ学力向上のためには、何回も思い出させて定着させるという行為を家庭学習と学校でサイクルを回していくことが大事なことではないかと考えております。
〇及川幸子委員 お話の中で、家庭学習の出し方をチェックしましょうということで、ちょっと安心しました。やはり3日、4日の連休が続いたときには、子供たちはのっそりと宿題をもらいます。家に帰ってきたときからがっくりした顔をしているんですよ。ところが一方、別な孫は全然宿題がなくて、とにかく遊んでこいと。すごく明るい顔で帰ってくるんです。そのギャップを見た場合、ああ、先生もやっぱり二、三日うんと思い切り遊んでこいということで、私の家族はキャンプに行きましたけれども、キャンプに行く前にその3日間の宿題をさせるのに大変な労力なんですね、家族いっぱいが。そういうことで、教育長、どうぞ宿題の出し方をいま一度検討させてみて、集中をさせるという部分でやっぱり頑張っていただきたいと思います。
 最後になりますが、体力増進ということですが、体力をつけて、やっぱりスポーツも秋田は一番なそうですが、スポーツと勉強、学習の関係というのはどのように考えていらっしゃるでしょうか。
〇法貴教育長 冒頭申し上げたように、知・徳・体をバランスよく育てるということは、やはり体力がなければ知力も追いついていかないということもありますので、いずれにしても基礎、基本の知力をきちんと定着させて、体力の向上にも、肥満児がなかなか解消されないということもありますけれども、私も余り言えないんですけれども、肥満傾向を、食育とかさまざまな各関係機関とも連携してそういう取り組みも続けていきたいと思います。
〇及川幸子委員 岩手県の教育に大いに期待しながら質問を終わります。ありがとうございます。
〇工藤勝子委員 県下のほとんどの市町村に高等学校を受けられる、そういう施設がつくられてきた時代から、非常にそういう時代の中では、地元に定着して地元で活躍される人材育成を図られてきた、そういう時代もあったろうと思っております。
 しかし、少子化が進みまして、まさに高等学校を再編しなければならない、または統廃合、廃止しなければならない、そういう今日的状況でありまして、多分市町村も県教委においても苦渋の選択をしなければならない、そういう今日だろうと思っております。
 その中で、やはり人口の多い都市部のほうに高校も病院も再編される。そういう地方というか、中山間地にとっては教育も受けられない。受けられないわけではないでしょうけれども、一定の負担がかかる、そういう時代に入ってきております。
 そこで、今年度いっぱいで廃止になる東和高校、胆沢高校並びに分校としての遠野高校情報ビジネス校、それから宮古高校川井校、久慈高校山形校があるわけですけれども、今までもいろいろ廃止になった学校があります。そこで、現在活用されている校舎の状況についてお尋ねしたいと思います。
 それから、今年度で再編によって空き校舎となる活用策における現状と課題についてもお尋ねいたします。
〇宮野学校施設課長 まず、現在活用されていない校舎の状況でございますけれども、現在の県立高等学校新整備計画に伴う廃校数は13本分校ございました。このうち、現時点で全くの未利用状況となっている校舎は旧久慈水産高校の1校でございまして、また、統合後の学校による一時的な利用を含む一部利活用にとどまっている校舎が5校となってございます。内訳は、旧千厩高校、旧岩谷堂高校、釜石商業高校、大船渡農業高校、広田水産高校でございます。
 また、今、委員からお話がありましたとおり、本年度をもって廃校となる学校が5校ございます。その利活用につきましては、県の他部局に照会した結果、残念ながらその予定がなかったことから、本年7月には地元の自治体に文書で照会させていただいたところでございます。
 市町村への照会の結果につきましては、5校のうち3校、東和高校、宮古川井校、それから久慈山形校につきましては地元の市町村から利用希望はなしとの回答を受けているところでございまして、残る2校、胆沢高校、遠野情報ビジネス校につきましては、現在、検討中とされているところでございます。
 なお、空き校舎の活用に係る一般的な課題でございますけれども、学校施設が非常に大規模施設であることから、なかなか小回りのきいた利活用がしにくいといった点、あるいは土地及び建物の譲渡に係る地元市町村の負担などの課題があるものと認識しておりますが、いずれ県としては、地元市町村ともよく相談しながら、施設の利活用が図られるよう取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
〇工藤勝子委員 活用されないところも東和を含めて川井校、山形校あるということですけれども、例えば校舎もあれば体育館もあれば広い校庭もあるというところで、では今後この管理をどのようにしていくのかをお聞きしたいと思いますし、地元の市町村とも協議を進められていると思うんですけれども、例えば藤沢高校みたいに、あそこに中学校が入りましたですね。藤沢中学校に今度は藤沢小学校が入ってくるというような活用策がとられていたと思っておりましたけれども、例えばそういうことが市町村との協議の中で活用として出てこないのかということ。
 それから、たしか藤沢高校の校舎の敷地は藤沢町のものだったと思っていました。そして、建物は県の建物。例えば今後、廃校になる、廃止となる高校でこのような形のところは何校ありますでしょうか。
〇宮野学校施設課長 まず、廃校施設の管理の関係でございますけれども、基本的には、それぞれ現場の学校を統合先の学校がそれぞれ管理をすることになってございますので、現場の学校とすれば、当然やや遠い距離にある廃校施設を管理するということでございますのでなかなか管理上は大変なんですが、基本的にはそういう形にしてございます。
 それから、地元市町村での利用ということで、今、委員御案内のとおり、大原商業とか、あるいは藤沢高校、こういったものについて、それぞれ地元の小・中学校という形で活用が図られているものもございます。あるいは岩泉町の小川校のようにシイタケの関係のセンターといいますか、そういったものの活用を図られているものもございますが、現時点で未活用になっているものについて、具体なそういう協議が進行しているものはございません。
 それから、県立高校の整備に当たって、確かに地元市町村から寄附を受けたものもあります。その数は今ちょっとデータはございませんが、いずれこういったものが廃校になった際には、やはりその辺、従前に寄附を受けたといったあたりも考慮しながら地元の市町村と協議をしていくという考え方でございます。
〇工藤勝子委員 例えば統廃合された高校で管理をするということになりますと統廃合された教職員の方々が当たられると思うんですけれども、廃止になった高校に行って管理するぐらいの先生の余裕というものがあるんでしょうか。例えばシルバー人材センターを使って年何回か草を刈っていただいたり校舎の周りを管理していただいたりというようなことをしていかないと、私は先生方に、それくらいの、廃止になった高校のだれもいないところに行って管理するぐらいの余裕というものを県教委は持っていらっしゃるんでしょうか。ちょっとその辺のところで疑問に思いますので。
 それから、貴重な財産を市町村から寄附されて高校を建てられたこともあるんですけれども、そういうところは無償で市町村に返すというようなこと、市町村での活用に無償で提供するということは県教委は考えていらっしゃらないでしょうか。教育長にお聞きいたします。
〇法貴教育長 財産の管理の関係は、委員御指摘のようなこともありますので、今後適正な管理ができますように考慮していきたいと思います。
 それから、土地が県のもので上屋が人のものみたいなときに無償貸し付けみたいな取り決めをやっている場合もありますし、ケース・バイ・ケースで、どういうものに使われるかによってそういう取り決めを少しきめ細やかに対応していくということが基本になるかと思います。
〇工藤勝子委員 ぜひ、広い校舎、そして建物があるわけですけれども、窓ガラスが割られたりとか、いろいろな人たちがそこに入って何かできないようにとか、幽霊屋敷みたいにならないように、ある程度活用策が見つかるまで県として責任を持って管理していただければと、そのように思っているところであります。
 そういうふうに再編されてきますと、今度は教職員の宿舎と申しましょうか公舎と申しましょうか、そういうところがあいてくるわけですね。そういう中において、いろいろ交通ネット、そういうものが整備され、新幹線で通える範囲も広くなりましたし、道路網もよくなりまして、通勤している先生方が非常に多くなって、地元に定着してそういう公舎などを使って泊まっている先生も少なくなったと思っていました。あいている公舎もたくさんあると、そのように思っております。
 今後、そういう住宅のまさに入っていないところもあるはずでございますが、そういう今後の管理、例えば建物を壊してしまって更地にする、お金がかかるわけですけれども、その辺の考え方。
 それから、4広域振興局になることになって、職員が減少してさらにそちらのほうの公舎もあいてくるという形の中で、何とか教職員宿舎、そういう公舎を一体的に地域振興部と話し合って進むことができないのか。
 それから、遠野で使われていない公舎を活用して、遠くから遠野高校に入っているサッカー部の子供たちの寮として使われております。地元からも非常に歓迎されて、幽霊屋敷みたいになってきた公舎が立派に改築されて生徒の元気な声が聞こえてくるということで非常に喜ばれております。これは県から市が譲り受けたものでありますけれども、そういう使い道もあると思いますけれども、今後こういう教職員の宿舎の現状をどのようにとらえているのかお聞きいたします。
〇宮野学校施設課長 今後の教職員住宅のあり方についてでございますが、まず、公舎の整備状況でございますけれども、平成21年5月1日現在、教職員住宅は394棟1、147戸ございまして、入居者数は714人で、入居率は62.2%となっております。道路を初めとする交通ネットワークの改善、あるいは施設の老朽化などによりまして、教職員住宅の入居率は年々低下傾向にあるのが実態でございます。
 このため、教職員住宅は学校教育を円滑に行うために必要な施設ではありますが、今後におきましては、教職員の通勤状況でありますとか入居の状況、さらには施設の老朽化の状況などを十分見きわめながら、真に必要と認められるものについてその存続を図っていくといった対応をしてまいりたいと考えております。
 それから、振興局再編に伴って知事部局との連携というお話もございました。これは私どもも一つの課題としてあるだろうと思ってございますので、今後、どういう方途を講じることができるのか検討してまいりたいと思っております。
 それから、先ほどの学校と同様に、こういった職員公舎の利活用について、市町村と、何か活用がないのか、公舎、職員住宅含めてさまざまに協議をしてまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝子委員 まさに先生方の生活環境を整えてやるということも先生方の精神的安定に結びつくものがあるのではないかと思っています。教育現場の中で子供たちと精いっぱい授業をし、子供たちと一緒に活動しながら、家に帰ったときにどうしても居心地の悪いところに住んでいるということは先生方にとってもまさに不幸なことではないか、そのように思っております。そういう関係の中で、そういう公舎に住まないで、近くのアパートなりマンションなりに入っている若い先生方もたくさんあると聞いております。そういう中で、やはり先生方の環境を今後しっかりと考えて、改築できるところは改築してやるとか、ある程度のところにまとめてそういう公舎をつくってやるとか、そういう部分でも教育の部分と先生方の生活の部分とをしっかりと考えていただきたいと、そのようにお願いするところであります。
 それから、青少年の家の管理運営費についてお尋ねいたします。
 平成20年度の利用状況はどうなっているでしょうか。たしかこれに2億幾らのお金が管理費としてかかっているはずでございます。
 県外からの利用状況はどうなっているでしょうか。
 それから、ここを利用された人たちの評価と申しましょうか、先生方を含めた、子供たちが野外活動なりいろいろな形の中で使われていると思っているんですけれども、そういう評価はどうなっているでしょうか、お聞きいたします。
〇大月生涯学習文化課総括課長 平成20年度の青少年の家の利用状況でございますが、県南青少年の家が5万780人、陸中海岸青少年の家が3万505人、県北青少年の家が3万2、337人、合計で11万3、622人となっております。利用者数は、ここ5年間程度を見ますと増加傾向になっております。
 県外からの利用者の状況でございますが、県南青少年の家の平成20年度は1、064人で、全体利用者数の2%程度、陸中海岸青少年の家は652人で、こちらも全体利用者数の2%程度、県北青少年の家は7、596人となっておりまして、全体利用者数の20%強となっておるところでございます。
 利用者による感想と要望でございますが、それぞれの施設におきまして、9割程度、職員の対応が非常によかったと。あと、食事なんかも非常においしかったという意見がありますけれども、残りの1割程度は、浴室など施設が狭いとか食事の量が少し少なかったという評価をいただいているところでございますが、いただいた苦情等について、改善できるものについては適宜改善を行っているところでございます。
〇工藤勝子委員 主に子供たちが活用されているんだろうと思っておりますけれども、その中において、この青少年の家の関係で耐震はしっかりなされていらっしゃるのか、それから、青少年の健全育成に果たしてきた役割というのは非常に大きいのではないかと思っております。ここ5年間ふえているという状況の中で、今後もっとこれを活用していただくための県としての考え方とか活用に関するPRの仕方についてお聞きいたします。
〇大月生涯学習文化課総括課長 まず、耐震対策でございますけれども、県南青少年の家については平成10年度、陸中海岸青少年の家については平成12年度に耐震補強工事を実施しているところでございます。県北青少年の家については、開所当時、昭和58年から耐震基準を満たしておりまして、問題はございません。
 青少年の健全育成を担ってきた役割とその認識でございますけれども、それぞれの施設において特色ある施設が置かれておりまして、学校、子供会、家族などさまざまな集団形態のニーズに応じた多様な体験活動を提供しているところでございます。また、施設ごとにプログラム開発を続けておるところでございます。
 また、小・中学校の不適応児童生徒やその親等を対象とした事業についても各施設において実施されておりまして、それぞれリピーターがいらっしゃるなど好評を博しておるところでございますので、こちらについても続けているところでございます。
 今般の学習指導要領におきましても、子供たちの社会性や豊かな人間性をはぐくむため体験活動の充実が規定されておりまして、特に小学校におきましては集団宿泊活動や自然体験活動を重点的に推進するとされておりまして、今後とも、委託先、また指定管理者になっておりますスポーツ振興事業団と連携を図りながら施設の最大限の活用を図ってまいりたいと考えているところでございます。
〇工藤勝子委員 最後にしますけれども、例えば岩手・宮城内陸の地震のとき、北部地震のとき、この青少年の家には被害が全然なかったわけでしょうか。これを聞いて終わりたいと思います。
〇大月生涯学習文化課総括課長 確かな記憶はございませんが、その地震発生当時、青少年が泊まっていたところもあったと聞いておりますけれども、特段大きな被害はなかったと認識しております。
〇三浦陽子委員 大変いつもありがとうございます。
 きょう四つほど質問させていただきたいと思います。
 一つ目は、県立博物館の運営状況についてお伺いしたいと思います。
 先日、岩手のシカとクマという企画展が開催されて、私も25年ぶりぐらいに博物館を訪ねてみましたところ、本当にすばらしい建物だったということを改めて認識したんですけれども、また周囲は大変自然が豊かであるような感じで、ただ、残念ながら来館者が大変少なかったんですね。土曜日に行ったんですけれども、非常に少なかったのが残念だったと思います。
 昭和55年に開館して29年たって、来年30周年を迎えるということだと思うんですが、来館者、最初の人数よりもかなり激減していると伺いました。開館当初に比較して減少している理由はいろいろあるかと思いますけれども、何かこれだというものがあるのでしょうか。それをどのように分析しているか伺います。
〇中村文化財・世界遺産課長 博物館の運営状況ということで、まず利用の状況ということでございますけれども、博物館開館当初の20万とか十何万という数字が、現在ここ数年は4万人前後という形になってございます。これらの数字につきまして、どこも当初よりは落ちてはいるんですけれども、うちの場合は若干落ち率が高いというような状況がございます。
 これにつきましてはさまざまな理由が考えられるわけでございますけれども、やはり県民の多様化するさまざまなニーズに対応がいま一つできていないといった面、あるいは学校教育への対応、これらの要望がきちっと把握できていたかとか、そのニーズをとらえながらどのような対策を立てればいいかといったあたりが少しやはり足りなかったのではないかということを今現在、課題として認識しているところでございます。
〇三浦陽子委員 平成20年3月25日に岩手県立博物館使命書というのが制定されているようです。これは、5億年にわたる大地、多様な生物相、縄文・平泉などの歴史的変遷、地域性豊かで多彩な民俗事象を背景とし、広大な岩手の地域的特性を生かしながら新たな価値の発見に努め、県民の要請にこたえて、県民とともに歩む県立博物館を目指してつくられたものだと伺いましたが、その成果はいかがだったんでしょうか。
〇中村文化財・世界遺産課長 委員御指摘のとおり使命書をつくり、そして、それに基づきまして、現在、中期経営計画を立てながら徐々に進めてまいっているところでございます。ここ3年ほど見ましても、横ばいという中では1、000人ぐらいずつ人数がふえてきているような状況がございまして、そういった博物館としても使命を意識しながら取り組みを進めていると。
 やはり今後、博物館の努力ばかりではだめな面、先ほど29年というお話がございましたが、来年30周年を迎えるといった中で、やはり施設の改修、そういった面も我々としてもバックアップしながら取り組みを今後も進めてまいりたいと考えてございます。
〇三浦陽子委員 私もちょっと時間がなくてじっくりと見て歩けなかったのが大変残念だったんですけれども、いろいろとパンフレットを見たり年報も見せていただいたりして、大変取り組みはすばらしいものがあるのではないかと思っておりましたし、あと、職員の方にもちょっとお話を伺いましたが、経費が少しずつ削減されてきているということで、かなり努力をされていろいろな企画展をされているようですけれども、やはり魅力ある企画展とか常設のものがないと人は集まってこないのではないかと感じました。
 それで、もし30周年で魅力ある企画展をと考えたとき、今、平泉世界文化遺産の登録を推進するために県挙げて頑張っているわけですけれども、平泉に行ってみないとわからないのではなくて、県立博物館に行くと平泉の世界文化遺産のことがわかるような、そういう展示ができたらもっとここにも集まるし、また県民の認識も深まってくるのではないかと感じたのですけれども、そういう資料の展示につきましては、その辺のことは可能なのか。
 それからまた、活性化するためにはもっとみんなで取り組むべきだと思いますけれども、学芸員の方々の人数的な問題とか、いろいろあると思うんですが、その辺につきまして伺いたいと思います。
〇中村文化財・世界遺産課長 今、御指摘ございました平泉の文化遺産等の展示活用でございますけれども、基本的に博物館の場合は歴史に沿って通史という形で展示をしているところでございまして、平泉の関連におきましては、総合展示の中で奥州平泉とその文化ということで中尊寺や毛越寺等の紹介をしているところでございます。また、あわせて文化史の展示もございまして、そこでは柳之御所遺跡を取り上げまして、かわらけや木製品など出土遺物を展示し、平泉文化への理解促進に努めているところでございます。
 そういった中で、平泉の文化遺産というテーマとして取り上げた展示というのは、御指摘のようにちょっと今ないわけでございますけれども、これまで特別企画として取り上げて展示してまいったほか、盛岡や八戸、仙台などで移動展を開催してきているところでございます。今後、登録を見据えながら、新たに企画展を開催する、あるいはその展示を見直すといったことも博物館としては考えてまいりたいということでございます。
 なお、学芸員等についてでございますけれども、現在17名の学芸員で構成してございますが、おおむね分野ごとに人数が配置されてございますので、これで十分対応できるのではないかと考えてございます。
〇三浦陽子委員 確かに人数的には足りているのかもしれないんですけれども、例えば今回、岩手のシカとクマという展示にかかわっている職員の方は、全然違う分野の方が一生懸命勉強して携わったと伺いました。歴史から文化から生物学的な問題から、本当に幅広いものを一手に引き受けている博物館だと思いますので、その辺はやはり職員の方々の話も伺って、もう少ししっかりとした職員の配置ができたらいいのではないかと感じましたし、子供たちの利用をもっと促進するための取り組みはやっぱり学校単位でやったほうがいいのではないかと思いました。
 そしてまた、先ほど通史で平泉があるとおっしゃいましたけれども、確かに私もそれは見ましたが、同じ置くのなら、やはりもうちょっと、せっかく今こんなに皆さんが平泉のほうに向いているのですから、もうちょっと目立つような形で、さらっと通り過ぎて、何かあったなみたいなものでは、魅力的な展示とは言えないのではないかななどと思って帰ってまいりましたので、その辺につきまして、教育長、何か御所感があればお願いいたします。
〇法貴教育長 先ほど課長が申し述べたように、30周年を迎えるということで、今さまざまな、どういう取り組みをやればいいのかということを検討中でございます。今、委員御案内のようなことも含めて、中で検討してまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 今、ちょうど階段のところを直していたようでしたので、少しは歩きやすくなるのかもしれませんけれども、やはり高齢者の方々も行きやすいような、そういうふうな工夫も必要なのではないかと思いましたので、あわせてそれも要望したいと思います。
 次に、伝統芸能の取り組み状況についてお伺いしたいと思います。
 大変いい取り組みが進んでいると私も感じているところです。ただ、私の地元では三本柳伝統さんさの保存会というのがありまして、そこに子供たちが、本当に小っちゃい子が、お母さんと一緒に習いに来て、そして盛岡さんさのパレードに出演している姿を見ると、こうやってみんな子供たちも頑張っているんだなと思って大変頼もしい限りなんですけれども、ただ、取り組んでいる学校数は多いとは思うんですが、そこにかかわっている子供たちが果たしてどのぐらいいるものなのかというところが、ちょっと心配だったんですね。
 そうやって習いに行ったり、あとは、クラブ活動か何かわかりませんけれども、そういうふうな本当にわずかな子供たちだけが取り組んでいる学校もあれば、学校全体で取り組んでいるところもあると思うんです。
 乙部の地域では、中学校の子供たちが、それぞれの地元の伝統文化、芸能を一斉に披露したり、地域の方々と一緒になってやっているんですね。そういう本当に地域と密着した活動をしている学校もあれば、本当に形だけの学校もあると思うんですけれども、その辺の取り組み状況といいますか、学校教育の中での位置づけ、そして、今、地域とどのような形で取り組んでいるか、その現状と課題について伺いたいと思います。
〇中村文化財・世界遺産課長 伝統芸能の学校教育の中での位置づけといったことでございますけれども、現在、学校教育の中では、総合的な学習の時間や特別活動を中心とした教科、領域で学習が行われておりまして、各学校では、地域の特色を生かしながら取り組みを進めているところでございます。
 地域との連携といったような面につきましては、地域の人材を積極的に活用することによって、地域と一体化した活動を展開している学校がある一方で、地域との連携がうまく図れていないといった学校もあるのが現状でございまして、これらの学校への働きかけや支援が課題となっているということでございます。
 県教育委員会といたしましては、子供たちが伝統芸能を学ぶことは非常に有意義であると考えておりまして、学校と地域が連携し、伝統芸能を継承していくことの重要性につきまして、今後とも、さまざまな機会をとらえまして学校現場に周知してまいりたいと考えております。
 また、あわせまして、昨年度設立いたしました民俗芸能団体ネットワークがございますが、これを通じ、各芸能団体に対しましても、学校教育と連携を図るというようなことについて働きかけてまいりたいと考えているところでございます。
〇三浦陽子委員 校長先生のお考えというのも結構大きいのかなと思いますが、例えば、昔であれば、学校の先生に太鼓を習わせに行く時間をつくって、そして、その先生が子供たちにも教えたりなんかして非常に一体感があった時期があったんですけれども、今は先生方、やっぱりお忙しいのか、そういうことにかかわる時間がなかなかないと聞いております。
 保存会の方々が教えに行く場合もあるんですけれども、やはりふだんの中で、先生も一緒に何か子供たちとやるという、そういう取り組みをすると、子供たちも大変喜ぶのではないかなと思いますけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
〇中村文化財・世界遺産課長 委員御指摘のとおり、学校におきましては、校長あるいは先生たちがいなくなったら、もう伝統芸能の継承がうまくいかなくなったというようなこともお聞きしております。これにつきましては、学校ばかりではなくて、地域、両方に、やはり双方向で情報をつなぎながら共有化してまいりたいと。
 そういった意味で、我々、学校教育に対しましては、さまざまな機会をとらえてお話しすることができるわけですけれども、一方、地域の芸能団体の方々にも、先ほど申し上げましたネットワーク等を通じながら、積極的な学校への働きかけ、こういうものも働きかけてまいりたいと考えてございます。
〇三浦陽子委員 では、ぜひともその取り組みを推進していただけるようにお願いいたします。
 次に、学校不適応児童生徒の実態についてお伺いしたいと思います。
 その原因や背景はいろいろと複雑なものがあると思いますし、現在、子供たちを取り巻く環境は、家庭の問題も社会の問題も大変複雑になっていると思いますけれども、その不適応の子供たちの現状と、そしてまた、今までの取り組みについて、先ほど大変いい評価を行っていたようですけれども、その成果と、また裏腹に課題がまだあるのではないかと思いますが、その辺について伺いたいと思います。
〇佐藤主任指導主事兼生徒指導担当課長 学校不適応の児童生徒のまず現状についてでございますが、概括的なところを申し上げますけれども、不登校児童生徒の状況でございますが、小・中学校においては人数は減少傾向、高等学校においてはやや増加、また、いじめの認知件数でございますが、これにつきましては、小・中・高減少傾向、また暴力行為の発生件数でございますが、これにつきましては、小学校、中学校でやや増加傾向、そして高校では、昨年度に比べますとやや減少傾向という現状でございます。
 それぞれの学校不適応状況の子供たちへの対応として、成果を上げたこととして幾つかございますけれども、まずは、学校の教職員全体が、学校不適応の児童生徒への早期発見、早期対応が大切であるという意識共有がなされまして、不適応傾向のある児童生徒の予兆を見逃さず、早期に対応できたために早期の解決が図られたということが一つ目。また、スクールカウンセラーあるいは福祉機関と連携する中で、専門的な視点からの援助を行うことによって解消ができたということ。そして、三つ目といたしましては、学校だけではなく、地域や家庭と連携しながら、この問題につきまして共通の認識を持ちながら学校不適応の問題に取り組んだこと等が、成果として挙げられると認識しております。
 しかしながら、課題、あるいは委員御指摘のとおり複雑な背景がございますので、その複雑化、多様化している中で、特にも今の児童生徒は、人間関係をうまく構築することができないことが大きいのかなと考えております。
 また、最近の子供たちの様子を見ますと、耐性の欠如、それから、さまざまなストレスを適切に解消する方法がやや身についていない状況も見られまして、そのことが今後の課題であり、そのことになお一層取り組むことによって、学校不適応の解消を図ってまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 本当に、この不適応という言葉が使われたのは割と最近かと思うんですが、昔は不登校とずっと言われて、その不登校の子供さんに対する先生方の指導も本当に大変だったと思いますが、今、学校には来るけれども教室に入れない子供さんも結構いると伺っておりますので、保健室の先生の対応もかなり大変なのではないかと思いますが、その辺についてはいかがでしょうか。
〇佐藤主任指導主事兼生徒指導担当課長 御指摘のとおり、不登校児童生徒の一つの対応策として、いわゆる別室登校といいますか、どうしても教室に入れない場合には、教室でない場所をその子供たちのために確保することによって、まずは、そこで学校に通うということをさせている学校もあります。また、一方では、別室からなかなか教室に戻ることができないという子供たちもいることも事実でございます。
 現在、各学校では、保健室の養護教諭だけではなく、担任外の教員であるとか、あるいは支援員といった方々が、そうした子供たちに対して、学習の支援であるとか、あるいはなかなか人間関係がうまく築けない場合には、そういったソーシャルスキル的な支援をしながら、何とか教室に少しの時間でもいいので戻れるような働きかけをしているところであります。
〇三浦陽子委員 そうやって戻ってこれる子供さんは幸せなほうなのかもしれないですけれども、昔は、学校の先生が、その子供が不登校とかクラスに入れない、その子供さんの机をもうさっさと片づけていたという状況も私はちょっと子供たちの中で見たことがあるんです。今はそんなことをする先生はいらっしゃらないのかもしれないんですが、受け入れると言ったら変ですが、教室の子供たちが、そういう子供たちに対してどう接触するのか、受け入れ体制ですよね、それをどのように教育していらっしゃるのかお伺いします。
〇佐藤主任指導主事兼生徒指導担当課長 別室の子供たちの受け入れ体制ということでございますが、事例的なことで御紹介を申し上げますが、例えば、給食の時間に、教室の何人かの同級生が、自分の給食を持って、その子と、いわゆる別室の子供たちと何人かずつ給食を食べながら、学級に入りやすい環境を整えたり、あるいは行事とか、あるいは掃除の時間、放課後であれば教室にちょっと入れるといった子供につきましては、給食あるいは同じ班の数人の子供たちと一緒になってやる活動を重視することによって、別室の子供たちが入りやすい環境を教室にいる子供たちとともにつくるという取り組みをしているころでございます。
〇三浦陽子委員 本当に、子供たちが仲間意識を持って受け入れるという、いろいろな手だてを講じないとなかなかその不適応の子供さんたちの気持ちがいえないという部分もあるかと思います。やっぱり先生の指導ってすごく大きく影響するんだと思いますので、その辺の取り組みをもう少ししっかりやっていただければ、もっと明るい学校生活が送れるのではないかと願っておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、私は一般質問にも取り上げさせていただきましたが、学校に戻れれば一番いいけれども、学校に本当に戻れず、そしてまた、いろいろな複雑な状況に負けてしまった、いわゆる児童自立支援施設に行かなければならなくなった子供さんたちへの学校教育導入について、もう一度お伺いしたいと思います。
 教育長からは、適正な配置を考えていますと御答弁いただきましたけれども、具体的に適正な配置というのはどういうものなのかなとちょっと思うところがありまして、お伺いしたいと思います。
 昨年、学校教育実施促進検討会が杜陵学園に設置されたと伺っておりますが、そこには、もちろん教育委員会の皆様もお入りになっていると思うんですが、教育委員会から見たこれからの取り組みについて、そういう子供たちに対する学校教育導入の理念といいますか、それと、あと取り組み方について、どのように考えていらっしゃるかお伺いしたいと思います。
〇宮学校企画課長 児童自立支援施設における学校教育の導入についての御質問でございますけれども、学校教育の導入によりまして、すべての児童生徒に基礎、基本の定着を図るということは、学校教育法ですとか、あるいは児童福祉の観点から、まさしく理念に沿うものでございまして、関係者の理解と協力の中で教育環境を整えまして、できるだけ速やかに学校教育が導入されるのが望ましいと考えてございます。
 県立杜陵学園における学校教育の導入に関しては、現在、委員からお話がございましたように、今年度に入りまして、関係者により、まず開設準備委員会の中で、関係機関がそれぞれ連携して、現在、鋭意協議を進めているところでございます。この中で、教員の配置につきましても大きな課題といたしまして取り上げて、それぞれ関係者で協議しているところでございまして、教員の配置につきましては、基本的には、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に基づいて適正に配置するべきものと考えてございますが、準備委員会の中でも、準備委員ですとか─準備委員というのは、まさしく県の教育委員会あるいは市の教育委員会ですとか、県の児童福祉施設の関係者も含めてでございますが、例えば現地のほうに共同で赴いて、さまざま現地の様子を見させていただいたり、あるいはお話を伺いながら、こういった形で現場の意見も十分聞きながら、適正な形で配置されるように対応してまいりたいと現在考えているところでございます。
〇三浦陽子委員 本当に全国的にも随分進んできた学校教育導入の部分があるんですけれども、北海道はことしから導入されたと私も聞きましたが、やはりまだ導入を考えていないところもあるようですが、いずれ、本当に一人一人の子供たちが輝いて生きていけるためには、教育は欠かせないものだと思いますので、ぜひとも県立杜陵学園におけます、そこの施設からはほかの学校には通えないわけですので、今までは、何とか県立高校に入れる子供さんもやっと出るようになったと伺っておりますが、かなり気持ちの上でデリケートなお子さんたちが多く入っていると思いますし、また、障がいを持っている子供さんも入ってくるのではないかと思います。
 発達障がいのある子供さんが結構いらっしゃる場合もあると聞いておりますので、先生方にとっては、普通の教育はなかなかしにくいものなのだろうなといろいろなお話を伺って感じましたので、ただ人数的に配置するのではなく、そういう子供さんたちにきちっと対応できるような先生を配置していただきたいと私は思うのですが、その辺につきましてはいかがでしょうか。
〇菊池首席経営指導主事兼小中学校人事課長 今、委員御指摘のとおり、学園にはさまざまな条件を持った子供が来るということが予想されます。その子供たちの状況をよく精査しながら、教員の配置については、あるいは学級の設置については、考えてまいります。
〇三浦陽子委員 私も、視察させていただいたところは、本当に公募で意欲のある先生方がいらっしゃったと伺っておりますので、そしてまた、そこは教育の原点だと副校長先生及び本校の校長先生もおっしゃっていました。やはりそこで学校の先生として、そしてまた人と人とのかかわりの中で、また、先ほどの不適応の子供たちにもきちんと対応できるような先生方が、もしかしたらそちらの学校に移ったときに、それも大変いい経験になるのではないかとも思います。そういう意味でも、学校の先生の配置につきましては、その辺のことも考えていただければ大変ありがたいと思います。
 最後に、結局、今現在、盛岡市に設置されている杜陵学園ですので、盛岡市の教育委員会との連携というものも大変大切になるんだろうと思いますが、その辺につきましていかがでしょうか。
〇宮学校企画課長 現在、準備委員会の中にも盛岡市の教育委員会の皆さんもお入りいただきまして、杜陵学園が設置している地元の教育委員会というようなことで、そういった中で、さまざま課題等を出し合いながら協議を進めているところでございます。
〇三浦陽子委員 県立ということがメーンだとは思いますけれども、やはり盛岡市の教育委員会との連携というものも大変大事だと思いますので、その辺、ぜひうまくいくように御配慮いただきたいと思います。
 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
〇関根敏伸委員 私からは、学力向上という部分につきまして、小・中学校の段階と公立高校の段階に分けまして、お聞かせいただきたいと思います。
 まず最初に、小・中学校の学力向上対策についてでありますが、年度ごとの最近の学力向上対策に向けました予算の推移がどのようになっているのか、まず聞かせていただきたいと思います。
 また、この中で、いわゆる県が学習定着度状況調査というものも進めていらっしゃるかと思っておりますが、この調査の状況と、この調査を分析するためのシステム開発を平成20年度に行われていらっしゃるようであります。これが具体的にどういった内容で行われ、どのような利活用が図られているのか、まずこの点についてお聞かせいただきたいと思います。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 ここ数年の学力向上対策の予算の推移ということでございます。平成19、20、21年の3カ年で御報告申し上げたいと思います。
 まず、総額といたしまして、平成19年2、005万6、000円、20年度でございますが2、016万7、000円、21年度は1、604万6、000円となっております。
 内訳につきましては、定着度調査の実施の部分でございますが、問題作成委員の旅費、あるいは調査業務委託というあたりを合わせまして、平成19年度は1、839万円、20年度が1、764万6、000円、21年度が1、494万2、000円。
 それから、今お話がありました集計分析システム関連予算ということで、平成20年度が、これはサーバーを購入いたしましたので232万1、000円、21年度が、システムの運用の通信費ということになりますが72万円。
 それから、事業の改善指導に係るということでブラッシュアップ事業というものをやっておりますが、それにかかわる経費になりますけれども、平成19年度が166万6、000円、20年度が20万円、21年度38万4、000円となっております。
 それで、特に平成21年度の総額ががくっと400万円ほど減になっておりますけれども、これにつきましては、単年度で業務が完了したもの、サーバーを設置いたしましたので、その分が減額になったということでございます。
 次に、学習定着度状況調査あるいはシステムの利活用等についてでございます。
 本県では、子供たち一人一人の学習定着状況をしっかりと把握し、その結果をもとにして指導の充実を図りたいということで、学習定着度状況調査ということを実施してきております。
 また、それに加えまして、平成20年度からその調査をしっかり詳細に分析をして、そして個々の児童生徒の課題、個々の課題を明らかにして指導に生かしたいということで、この集計分析システムを開発し、現在活用しているところでございます。
 具体的に、例えばでございますが、このシステムでは、設問別の正答率とか、あるいは誤答分析など、これまで以上に詳細なデータを各学校に提供することができる。また、そのデータを学校がもらうのも早く提供できるということで活用いただいています。県内のすべての小・中学校でこれを活用しながら、各学校の子供たちの状況、あるいは授業の改善等に努めていただいているところでございます。
〇関根敏伸委員 そういった中で、県のいろいろなお話をお伺いしておりますが、学力向上対策という視点の中で、県が大きく取り組んでいらっしゃるのは、まず、今触れられましたいわゆる授業力の向上、あるいは学校と生徒と保護者、地域、いわゆる目標を共有する、こういった形の中で家庭での授業時間をふやすとかといった視点でこの対策を進められていらっしゃるのかなと私なりに理解しているわけであります。
 そんな中で、今、県が進めていらっしゃいます授業力向上のブラッシュアッププラン、これが具体的にどのような進め方をされていらっしゃるのかお聞かせいただきたいと思いますし、また、今、この目標の共有等の中で、まなびフェストというものを実施されて、いろいろな取り組みをされていらっしゃると思っております。当然、学力だけではない、多角的な部分で取り組みをされていらっしゃると聞いておりますが、これがどのような形で進められていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 御質問いただきました授業力ブラッシュアッププランでございますけれども、これは、先ほどお話ししましたさまざまな調査等をもとにしたり、あるいは各地域の実際の学校の子供たちの実態等を踏まえながら、小・中学校の先生方の授業力の向上を図るということを目的として、各教育事務所単位で実施させていただいております。
 内容といたしましては、指導主事と現場の先生方がプロジェクトチームをつくりまして、その中で、それぞれの教科のよりよい授業はどういう授業であればいいのかということをモデル授業として提案をし、そして研究協議を行い、互いによりよい授業について学び合う、そういう場を設定している事業でございます。
 本年度は、岩手県全体で、本事業にかかわる授業改善研修会が、8月から12月にかけて計51回予定されております。その中で、モデル授業の提案、あるいはよりよい授業の県内への普及を図っていくということで、学力向上に役立ててまいりたいと思っております。
 それから、まなびフェストの導入の部分、学力とのかかわりの部分でございますが、御承知のとおり、まなびフェストというものは、各学校が自分の学校の子供たち、あるいは学校全体の中で、こういう子供たちに育てたい、こういう教育をしていきたいという目標を具体的に絞り込んでいく、そして、家庭や地域の方々と、あるいは子供たちとも共有をしながら、教育活動をやっていくというものでございます。その中に、学力といいますか、もちろん体力、それから心の部分、いろいろなものが組み込まれておりますけれども、学力向上にかかわるものも組み込まれております。
 このまなびフェストにつきましては、各学校でいろいろな形で、保護者も交えたりしながら設定していただいておりますけれども、大事なことは、保護者や地域が、学校と一緒に目標を共有しながら、一体となって子供たちを育てるという教育の姿を大事にしていきたいと思っております。そういう取り組みが、家庭学習などにも普及していって、学力向上全体に結びついていってほしいものだと思っております。
〇関根敏伸委員 ぜひ、この取り組みがうまくいくように、私は、方向性としては非常にいい取り組みだと思っておりますし、これが本当にこういった目標共有をされて、いろいろな部分でこれが改善を図られるというサイクルでぜひ流れていってほしいと思いますし、ひいては、授業力の改善がどんどん進んでいっていただいて、より授業がわかりやすい生徒がふえていただきたいと思うんです。
 そんな中で、いただいておりますいわて希望創造プランの取り組みと成果の部分の学力向上の部分になるわけでありますが、学習定着度状況調査の分布に関しては、これは、問題の見直しが図られたため達成度が判定できないというところで、具体的な状況の達成はわからないわけでありますが、いわゆる今言ったような学力向上に向けたさまざまな取り組み事業に関しては、システム分析を行った学校の割合が100%であるとか、いわゆる報告書を活用した指導、改善に取り組んだ学校が100%である、こういった形で各具体の事業はおおむね順調に進んでAランクにあるわけであります。しかし、肝心な学習の向上、学力向上という部分の入り口であります授業力の強化の指標として示されております授業がわかる生徒の割合が、小・中とも残念ながらDランクということでございます。基準値の平成18年度の数値も下がっている、こういったようなアンバランスな結果が出ているわけでありますけれども、この辺に関しましては、今の取り組みは着々と進んでいるという評価の一方、こういった現実的な部分が示されている。こういった部分に関しましてどのような認識と評価を行っているのか、まず聞かせていただきたいと思います。
 それとあわせて、先ほどの予算の部分なんですが、平成19、20年はほぼ2、000万円程度でありますが、21年度が1、600万円。これは、平成20年度がシステム開発とかサーバーというハードな部分でかかっているということを差し引いても、いわゆる本来の授業力向上という部分であれば、さまざまなデータを得たものをどう活用するかという部分が一番重要な要素であろうかと思うんですが、この部分に関しての予算の取り組みというのが若干少ないのではないかという感じも認識として受けているんです。こういった部分を合わせて、評価をちょっと聞かせていただきたいと思います。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 希望創造プランの実際の事業の部分の指標が比べることができないということにつきましては、国もそうでございましたが、子供たちの学力をどういう形で見るかという中で、活用ということが新たに入ってきたこともございました。それから、県のほうでも、それも含めながら、やはり少し、本県の一つの課題として、問い方を変えると、なかなか定着が図られていないということもありまして、問題を少し変えてきた経緯がございましたので、そういう意味で単純比較ができないということでそのような結果になっております。
 それから、授業等は進んでいるんだけれども、実際の子供たちの状況、学力の状況という部分につきましては、システム分析等で平成20年度からスタートいたしましたが、一番大事なことは、やっぱり各学校、子供たちの状況が違いますので、その子供たちの状況をしっかりと各学校の先生方が把握しながら、自分の学校あるいは自分の学級の子供たちにとっては何が必要なのか、どういう授業をしていかなければならないかということ、それをしっかり考えて授業の中で実施していく。それが、子供たちにとってわかる授業とか、そういうものにつながっていくものだろうと思っております。それを、先ほどお話ししましたブラッシュアッププラン等で実現していこうと思っているわけでございますけれども、今後も、それにつきましては、さらに充実させてまいりたいと思っております。
 それから、予算の部分でございますが、実際に先生方に対するという部分ですけれども、先ほどお話ししましたように、先生方に実際に研修会に来ていただく旅費とか、いろいろそういうものがあるわけですが、そういう研修も大事でございますが、逆に、私たちが学校にお邪魔して、具体的な授業を通して先生方とやりとりをしながら授業力の向上につなげていくということもあわせてやっております。そういう意味で、予算というのは、どちらかというとハード面の予算になっている感があるのかなと思っております。
〇関根敏伸委員 このまなびフェストの部分ですけれども、これは、先ほど教育長も、最初の平成20年度の評価という形の中で、ほぼ全体の学校が取り組んでいるが、学校ごとに濃淡がある、質的な向上を図っていかなければならないと総括的な評価で触れられていらっしゃいました。
 このまなびフェストという部分に関しましては、各学校あるいは教師の方々、保護者、地域、しっかりとした事業というか、このフェストに対しての取り組みの認識はできていらっしゃるのかどうか、こういった部分についてもちょっと聞かせていただきたいと思います。
 そして、あわせて、こういった中で、今、教育事務所の再編という事業も進められようとしているわけでございます。来年の4月から、現在の10事務所が六つの事務所に再編ということになるのかなと思っております。これは議会の関与がないという部分なわけでありますから、着々と進んでいくことになろうかと思うんですが、この必要性という部分の中で、組織基盤の強化による今日的教育行政目標を達成するんだ、そして小・中学校への指導、助言の効果的な実施と広域的指導を重点化するんだ、こういったいわゆるねらい、必要性という部分の中でこれを進める、集約化をするということになるんだろうと思いますが、こういった学力向上という部分の中で、教育事務所の再編が学力向上をどう担保していくのか、より一層こういった部分に関しまして集約化を進めることによる向上に対しての推進がどう図られるのか、こういった認識についてちょっと聞かせていただきたいと思います。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 まなびフェストについてでございます。
 この取り組みを始めましてもう既に3年目となっておりますが、まなびフェストのように具体的な目標を絞り込んで、そして保護者の方々、あるいは家庭、地域と共有して取り組んでいきましょうという認識、そういう意識につきましては、県内各小・中学校の先生方には、かなり御理解をいただき、進めていただいていると認識しております。
 ただ、その質的という部分でございますけれども、まなびフェストの作成の仕方といいますか、例えば、スタートのころは、校長先生がぼんと御自分でおつくりになって、先生方にお示しするということもございました。ただ、私どもといたしましては、やはりすべての先生方にその作成に参画していただきたい。可能であれば保護者の方々、これは幾つかの地区であるんですけれども、家庭のことは我々PTAが考えてやりましょうよということで参加していただいている学校も、地域もございます。
 そういうふうに、学校あるいは一部のトップリーダーだけではなくて、すべての先生方、そして地域、保護者の方々にも何らかの形で参画していただいて、それを共有して取り組んでいきましょうという姿にしていきたいなと。その部分で若干、濃淡といいますか、取り組みの違いがまだあることは事実でございます。
 今後、さらにそちらの方向に向くように、各学校といろいろ検討してまいりたいと思っております。
〇及川教職員課総括課長 教育事務所の統合につきまして来年度から実施ということで、ただいま検討を進めておるところでございますが、児童生徒の学力向上に向けた教科指導体制の一層の充実というものをまず目標に掲げておるわけですが、現在、各教育事務所には2名ないし3名の事務所指導主事がおりますし、あと、県内各市町村に54人の派遣、駐在の指導主事がおります。
 まず、事務所統合によって、事務所の指導主事の体制が4人ないし5人にふえるということで、学校訪問による指導のほかに、いろいろな各地域の課題に対応した指導方針、指導のための計画というものをきちっと、体制強化の中でそういった計画が立てられるような体制を組んでいくことができるようになるであろうという効果が期待されます。それから、現在、市町村に派遣、駐在している指導主事についても、町村合併や何かで、市町村によって派遣数も非常にアンバランスになっておりますので、これらについては、統合後3年ぐらいをめどに、県内全体でそういった指導体制をさらに強化できるように、地域の課題を見ながら体制を整えていきたい。そういうことによって、学力向上のための指導体制を充実していきたいと考えております。
〇関根敏伸委員 ちょっと教育事務所の再編によってどう学力向上が担保されるのか、なかなかイメージとしてわかりづらいんですね。先ほど触れた授業力のブラッシュアップについても、これは今、現実的には、各教育事務所ごとに分析評価を行って動いているわけですよね。これが統合ということになりますと、より広域的なブロックができて、そこでそのブロックごとの傾向が出てきて、ブロックごとの対策が新しくなった教育事務所でつくられ、そこでプロジェクトチームか何かわかりませんが、いろいろ授業力をアップするための具体事業が進んでいくということですね。
 これに関して、これがどう、本当に先生方が集約化されるのか、そういった中になっていくと思うんですけれども、この辺の部分に関して、これが本当にどう機能していくのか、より機能が高まっていくのか、こういった部分について、ちょっと今の御説明だとわかりづらいと思うんですね。
 最終的にはいろいろな研修会によって行われた成果を還元、普及していく、これが一番大切だと思います。研修会にいらっしゃらなかった先生方も、同じような授業力向上ができるような仕組みができる、あるいは市町村の教育委員会、各学校と、その辺に関してのしっかりした認識のすり合わせをして目標達成に向かっていく、こういった部分がしっかり担保されなければならないと思うんですが、こういった部分に関してどうなっていくのか、もう一度ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
〇及川教職員課総括課長 集約することによって指導体制を強化して、それが具体的にどういった成果につながっていくのかということにつきましては、指導の体制を強化することによって、やはり地域の課題というものを落ち着いて見つめ直す体制ができ上がっていくんだろうと思います。
 その中で、先ほど、ブラッシュアッププラン、こういった事業の取り組みについても、教育事務所の先生方も忙しいわけですが、その中でさらに充実した取り組みができるようになっていく、そういった教育、学力向上指導体制のためのそういった事業を組織的にバックアップするために、教育事務所の再編というものが必要だと考えておるところでございます。
〇関根敏伸委員 まだなかなか十分イメージが、わかりづらい御答弁かなと思うんですが、時間も限られていますから、それはまた後から聞かせていただきたいと思っております。
 この再編の部分につきましては、さまざまな指標のもとで事務所の場所が決められておるようでございます。これに関しては、私は余り言及するつもりはないんですが、今言いましたが、この広域化によって、どう市町村の学校との連携や教育委員会との連携が図られて教育環境がよくなっていくのか、この1点だと思うんですが、この部分についてもう少しわかりやすい御説明をいただきたいと思っておりますし、これは議会にだけではなくて、当然、市町村の教育委員会であり、学校であり、こういった地域に関しては、ぜひこれをお願いしたいと思っております。
 次に進むんですが、今度は、公立高校での授業力アップという部分であります。
 今こういった形で小・中で授業力向上の事業が進められていたことは聞かせていただきましたが、今度は、公立高校の中で学力向上対策、個々年度ごとにどのような予算措置をもって事業が進められてきたのか、その予算の額もあわせてお示しいただきたいと思っておりますし、また、この事業の結果の検証について、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
 平成17年からは、3カ年で進路目標達成事業というものがたしか行われておったはずです。指定高校を指定したと。その事業を行いながら、平成18年度からは、いわゆる県央部、内陸部中心に、医師とか弁護士とか、研究者、技術者、いわゆる岩手県に必要な人材を育成するための県政課題の人材育成事業が始まって、県北・沿岸ではそれに対応する事業が行われてきたと。そして、平成20年度からは、これらの事業を統合して、参加可能な生徒の対象拡大を図るということで新たな事業展開が図られていると承知しておりますが、あわせて、これらの事業の検証結果についても概略的な部分をお知らせいただきたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育課長 まず、年度ごとの学力向上対策予算の推移についてでありますけれども、手元には平成18年度以降の資料しかございませんので、それでお許しいただきたいと思います。
 平成18年度、平成19年度については、今、委員からお話があったとおり、県政課題貢献人材育成事業、それから県北・沿岸地域人材育成事業、そして進学目標達成推進事業、この三つで動いていました。申しわけございませんが、合計で、平成18年度は4、650万円、平成19年度、同じく合計で3、010万円、そして平成20年度、また今お話あったとおり、それら3事業を統合いたしまして、いわて進学支援ネットワーク事業を立ち上げたわけですけれども2、646万円、そして今年度2、203万円という予算で事業を展開させていただいてまいりました。
 これまでの事業結果についての検証についてでございますが、各年度ごとに実施校から提出される実施報告書、それから各合同事業実施後のアンケート等を見まして、これらの事業によって、生徒の進路意識の高揚、それから学力向上、教員の指導力の向上に非常にいい効果を及ぼしているという報告がございました。特に、各学校から参加してまいります合同企画事業では、生徒が切磋琢磨できるいい機会となっているというほかに、指定校同士の教員の情報交換、あるいは研修会なども成果につながっていると考えております。
〇関根敏伸委員 今、予算の推移は聞かせていただきました。4、650万円から3、000万円で、平成20年度が2、600万円で21年度が2、200万円。これ、予算だけ見ますと、かなり対象校を広げた、参加生徒の人数が広がったという割には予算が削られている、非常に残念な経過かなと見ているわけであります。
 そんな中、今、総括的な評価をいただいたわけでありますが、やはり学力向上をどうとらえるかというのは非常に難しい問題だとは思うんですが、県立高校等の高校の場合は、進学という─進学だけではないですけれども、当然、これが出口として、具体的にどこの大学がどうだこうだということが現実的に出てくるわけなんですよね。
 そういった意味合いの中で、この今申し上げました公立高校の学力向上対策事業に対しての評価というものがちょっとあいまいではないかという気がして聞いていたんですけれども、この辺の部分に関してはどうとらえていらっしゃるのか。また、この予算の推移がこう変化してきた状況に対して、教育委員会担当部署としてはじくじたる思いがあるのかもしれませんが、こういった部分に関して、もう一度お聞かせいただきたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育課長 ただいまの御質問、特に成果についてのこちらのほうの考え方がちょっとあいまいだという御指摘ではございますが、やはり基本的には、生徒諸君が進路を達成するためには何が大事かということを考えた場合、確かに我々がこういう事業を展開することは大事ですが、その事業によって、生徒がやはり自分の将来を考える、いわゆる進路意識がどこまで向上しているのか、さらにそれを達成するために自分が何をしなければいけないのか、そこの動機づけが図られたという点で、私たちは、これは事業として成功ではないのかなと評価しております。
 それから、予算の件でございますが、確かに年々減額されてきておりますけれども、やはりこれは、事業として一貫してやっていかなければいけないものと、それから、こちらの指導する側のほうになりますが、学校のほうですけれども、ノウハウとして身についたもの、そこはもう学校独自でできるのではないかといったもの、そこら辺を精査していくと、どうしてもこういうふうに減は起こり得るものかなと、事業の内容で起こり得るものかなと思っております。
〇関根敏伸委員 御答弁のとおり、この学力向上をどうとらえるか、私も非常に悩ましい問題だと思います。画一的に数値で割り切れるものでもないと、私もそのとおりだと思います。ただ、現実的にまたそういった面もあるというのが、特に高校あたりの学力向上という部分になるのかと思うんですが、そんな中、今、申し上げました希望創造プランの状況につきましても、各学校が設定した進路目標を達成した学校の割合は、平成20年度実績が66%、目標差がマイナス14%でB評価と、残念ながらこういった現実も示されているわけであります。
 そんな中で、一定の事業費、予算をつくりながら、各学校で力を蓄えてきたのだという評価もあろうかと思いますので、それはそれでよろしいかと思います。
 ただ、私がまず1点お伺いしたいのは、高校の学力向上といった部分での指標の持ち方なんですね。これは進路目標ということで学校が独自に立てるのでしょうが、高校の部分での学力向上に対しての指針がなかなか少ないのかなと私は思って見ていたんですよ。小・中学校に関しては、結構細かな部分での指標も持っているんですが、高校に関してはこれぐらいかなと。あと、高校での英語の学力部分に若干触れられておりますけれども、こういった部分は、これから最終的に高校を出るという学力向上、出口を考えたときに、この指針の持ち方に対してもう少し工夫が必要なのではないかと思っておりますし、目標設定の合わせ方も含めて、この辺に関しての認識を聞かせていただきたいと思います。
 それから、小・中学校では、いわゆる地域の視点を合わせて目標を共有するということで学力向上を図るんだ、授業力をアップしていくんだ、こういったことを進めてくるわけですが、高校に関しては、この学力向上という部分、この二つの視点はどうなってくるのでしょうか。これに関してちょっと聞かせていただきたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育課長 まず、指針の立て方についてでございますが、これは、もう委員も御承知のとおり、県立高校、実際は、中身が普通高校から専門高校、さまざまございますので、最終的に高校教育に携わる者として考える指針となれば、やはりどれだけ高校教育を身につけて、それぞれの進路を達成したのか、それが指針になると思います。したがって、大学に何人とか、就職に何人とか、なかなかこれは年度ごとによってまた数字が変わるものですので、ですから、私たちとして示したのは、やはりその学校において、生徒それぞれ自分の考える進路を100%達成できたと言えば抽象的なんですが、これ以上具体的にすると、ちょっとまたこれは語弊が出てくるのではないかと思いまして、これで進めているところでございます。
 それから、地域との目標共有ということについてでございますけれども、これもまた、まさしく委員御指摘のとおり、非常に大事な考え方だと思っております。学力向上対策と、いわゆる進路実現を達成するためには、やはり地域との目標の共有は確実に必要なものだと思います。つまり、その学校が置かれた地域が、その学校に対してどういう要望あるいはあるべき姿を考えているのか。当然、それは学校としてはこたえなければならないものだと思っております。
 したがいまして、いわゆる保護者、それから学校評議員、あと地域の方々の御意見等を当然機会あるごとに学校側はお伺いして、それを、校長等が策定しますけれども、学校経営計画の中に、いわゆる学校のあるべき姿とか、あるいは目標として定めて、それを目標の共有として取り進めていくべきものだと思っておりますし、各現場では、校長等そのようにやっているものと考えております。
〇関根敏伸委員 最後にいたします。確かに、この目標設定につきましては、私も非常にそういった面があろうかと思っております。ただ、多角的にこのあり方に関しても検討してみてはどうですかという視点で聞いたわけであります。
 最後になりますが、こういった部分に関しまして教育長にお伺いしたいと思います。難しいと思うんですが、岩手県の学力向上対策という部分を総体的にとらえたときに、小・中学校の学力向上、そして高校での学力向上、岩手県は、教育長としてどういう評価を下されるのかということをちょっと聞かせていただきたいと思います。
 現実的に、全国調査などによりますと、小学校では高い学力を持っているんですが、中学校では下がっているというのは、歴然とした結果で出てくるわけですね。それを、今度は高校になって進路目標を達成するときに、中学校での下がった学力をぐっと持ち上げて外に出してやらなければならない、こういう現実を各学校の先生方は抱えていらっしゃるということも認識しております。そういった部分の中で、教育長の小・中と高一体的な学力向上という部分に関しての岩手県の状況をどう認識されているのか、聞かせていただきたいと思います。
 最後にもう一点ですが、いわゆるこの学力向上に関して、情報公開ということが結構言われます。これは非常に、この部分に関しても、学力向上、すべてオープンにしろという声がある一方、過当な競争に陥ってはならないという部分があることも認識しております。ただ、秋田県などでは、こういった部分に関しての思い切った前知事の発言なんかもあったということもあるわけでありますし、保護者の声も、いわゆるこういった公開に関しては、もっとオープンにという声があるのも現実だろうと思っておりますが、この部分に関しまして、最後に教育長の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
〇法貴教育長 学力向上をどう認識しているかということですけれども、小・中学校では、やっぱり基礎、基本をきちんと身につけさせるということが前提ですので、そういう意味では、中学校の数学あるいは英語について、学力がなかなか身についていないなと認識はしています。
 そういう意味も込めて、先ほど及川幸子委員にもお答えしましたけれども、ここ数年というか、着任してから、学力分析、どこに弱点があるかということをようやく分析し始めて、それを、家庭学習と授業力をくるくる回していこうと。
 実は、中学校3年生4月にできなかった問題を高校入学試験で解いていることもありますので、そういう意味からいくと、やっぱり復習をきちっとさせて定着させていくということが、小・中ではまず第一だろうと思います。
 それから、高校の場合は、さっき課長が言いましたように、やっぱり進路目標達成のために、さまざまな高校でそれぞれの目標を達成しています。ひいて見れば、進学校になると国公立大学に何人入れましょうみたいなものもあるんですけれども、やはりその高校、高校で特色がありますので、そういうものを経営計画にしっかりと掲げて、その進路目標を達成させてあげるということが、一つのメルクマールになるのではないかと思っています。
 あと、学力テストの公開の問題についてですけれども、やはり学力テストの根幹というのは、確かに順位が上がればいいんですが、負け惜しみじゃありませんが、順位だけに拘泥して変な競争ばかりをやるという一面もないわけじゃありませんので、岩手県の場合には、一人一人の児童生徒にどういうふうにして身につけさせているかということをきちんと分析して、身につけるべきものをきちんと身につけさせるということで、余り一つの教科だけで順位を発表するみたいなことについては避けたいなと考えております。
〇小田島峰雄委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午後0時0分 休 憩
午後1時3分 再開
〇高橋雪文副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、執行部より発言を求められておりますので、これを許します。
〇大月生涯学習文化課総括課長 午前中の審査におきまして、工藤勝子委員からの昨年6月の地震による青少年の家の被害の有無について御質問があった際に、記憶の不確かなところはありますが、人的被害、物的被害はなかったと認識している旨お答えいたしましたが、地震により、県南青少年の家において後づけで設置しておりましたエレベーターが少し傾き、本体施設との間に10センチ程度間隔が生じたことから、エレベーター等補強復旧工事を行いましたので、おわびととともに訂正、追加申し上げます。
〇高橋雪文副委員長 質疑を続行いたします。
〇及川あつし委員 大項目3点、お尋ねしたいと思いますので、順次よろしくお願いしたいと思います。
 公立学校の耐震化、新型インフルエンザ対策、あとは大学進学に伴う奨学金についてそれぞれ伺いたいと思います。
 まず、公立学校の耐震化についてでありますけれども、私も地元の学校が非常に古くなっているということで、この何カ月か地元の学校の耐震化が進むようにということでいろいろと動きをしてきた中で感じたことが何点かありましたので、その意味でお尋ねしたいと思います。
 まず、公立学校の耐震化についてでありますが、非常にこれまで、表現は難しいんですけれども、きちっとした中長期的な観点で対応がなされていなくて、ここ何年かで一気にそのうみが出てきて、県の教育委員会、また市町村の教育委員会も一気にそのうみに対して対応を迫られているのが現状ではないかと認識しております。
 そこでまずお伺いしたいのは、平成20年度決算でありますので、この学校の耐震化について平成20年度の事業としてどのような対応をとられたのか、その概要についてお伺いしたいと思います。
〇宮野学校施設課長 公立学校の耐震化に係る平成20年度の実施状況でございますが、県立学校分、高校、特別支援学校、それから一関一高附属中学校を含みますが、県立学校分につきましては耐震補強工事、それから改築工事によりまして、合わせて校舎11棟、それから体育館3棟の計14棟の耐震化を図ったところでございます。
 また、市町村の小・中学校につきましては、16市町村の38校で76棟の耐震化事業が実施されたところでございます。
〇及川あつし委員 今、宮野課長からお話があった県立では14棟、市町村では76棟ということですが、従来にないスピードで進んだということは、耐震強化の認識が政府も、また地方自治体も高まった結果ではないかと思っていますけれども、まだまだこれから対応が必要になるのではないかと思っております。
 現状を見ますと、耐震診断すらまだ十分にやっていない市町村がまま見られますし、その耐震診断を踏まえた耐震補強工事、また全面改築についての計画も立っていない、こんな状況もあると思っております。それもこれもお金があれば、これも問題意識があると思いますので進めるものだと思いますけれども、なかなか耐震診断をやると数値が出てしまって対応を迫られる、財政が伴わないから先延ばしにする。これをここ何年かでやってきていますけれども、去年の2度にわたる大地震を契機に、住民の皆さんは学校施設について、やっぱり自分たちの災害拠点現場だということもあって、どうなっているんだということで物すごく認識が高まっていると思うんです。しかし、行政のほうでは長年ある意味放置してきてしまったがゆえに、ここ何年かでばたばたと対応はしていますけれども、まだ対応が追いついていないと私は率直に感じたところでありますが、県教委としてこの公立学校の耐震化対策について、現状と課題についてどのような御認識でいるのかお示しいただきたいと思います。
〇宮野学校施設課長 先ほど申し上げた平成20年度の事業を実施した後の耐震化率の状況を申し上げますが、文部科学省の耐震改修促進状況調査、本年4月1日現在でございますけれども、これによりますと、本県の小・中学校の耐震化率が66.4%、対前年度プラス3.6%でございます。それから高等学校が68.7%、対前年度プラス2.0%、それから特別支援学校が96.6%、前年同となってございまして、公立幼稚園も含めました本県全体の耐震化率は68.0%、対前年度プラス3.2%でございまして、全国平均の耐震化率が67.5%でございますので、これと比較してプラス0.5%と、ほぼ全国平均と同程度の水準にあるものと考えてございます。
 なお、耐震化の促進に向けての課題として幾つかいろいろ視点がございますが、特に市町村におきましては、耐震化率100%を達成しているところが6町村ある一方で、耐震化率が50%に達していないところも6市町村あるといったところで、市町村によって耐震化の状況、進度に相当ばらつきが生じていることが挙げられると思っております。
〇及川あつし委員 今、課題として市町村のばらつきというお話がございました。事前に資料をいただいております。全国的な数値からいうと本県全体としてはそうおくれはとっていないけれども、まだまだやらなければいけないということと、あとは市町村によってばらつきがあるということであります。
 前段申し上げたように、耐震化率が高まる前提とすれば、耐震診断を必ずやらなければいけないと思うんです。しかし、いただいた資料を見ますと、耐震診断について非常におくれている、おくれているというかいろいろな事情であえて着手していないんだろうと私は類推しますけれども、そういう市町村があるようでございます。ここについて、耐震診断を行っていない市町村、その割合が5割を下回っている市町村があれば御披瀝いただきたいのと、あとはこの市町村に対してどういう助言を今後していくのかということを1点お伺いしたいと思いますし、あと、県立高校につきましてもまだ100%ではありませんし、0.7未満の施設もいろいろあるようでありますが、この県立高校の耐震化に関する今後の対応の計画、この2点をお伺いしたいと思います。
〇宮野学校施設課長 先ほど耐震化率の状況を申し上げましたが、いわゆる耐震診断でございますが、この実施率につきましては、4月1日現在で本県全体では92.2%となってございます。個別市町村では、最も耐震診断実施率の低いのが葛巻町の33.3%でございまして、それから田野畑村が45.5%、それから軽米町が65.0%、そういった状況にございます。
 委員御指摘のとおり、耐震化工事をするにはその前に耐震診断を実施しなければならないということでございまして、昨年6月に地震防災対策特別措置法の一部改正がございまして、公立の小・中学校等の校舎につきましては、耐震診断の実施と耐震診断結果の公表が法律的に義務づけられたところでございます。このため、県といたしましても、診断の未実施あるいは診断結果の未公表は法令違反になるということを市町村に対しまして通知を流しましたり、あるいは会議を開催してその周知を徹底するなど、その実施について強く助言をしてきているところでございます。
 耐震化の状況の公表につきましては、今年度に入りまして全市町村において実施されているところでございます。
 それから、耐震診断につきましては、先ほど申し上げたとおり小・中学校全体でも92.2%ということでございますが、市町村からお聞きしますと、いわゆる統廃合予定で廃校となるため診断をしていないものもあるということでございますが、中には統合予定時期がはっきりしないままに経過しているところもございますので、その辺の状況を県としても市町村からお伺いして、今後、必要な助言をしてまいりたいと考えてございます。
 県立高校につきましても耐震診断の実施率につきまして100%でないということでございますが、県立高校につきましては、これらはすべて今年度末をもって廃校にするといった学校、これらについて診断を実施していないものでございまして、実質的には耐震診断は終了しているということでございます。
 なお、付言させていただきますと、耐震診断の中には、いわゆる優先度調査というものと1次診断、2次診断と3種類ございます。そういう意味では、県の中にも小規模な施設、これは校舎とか体育館以外でございますけれども、小規模な施設で優先度調査、いわゆる耐震診断するためにも経費がかかりますので、どの建物を優先的に耐震診断をするかを決定するための優先度調査がございますが、この段階にとどまっている比較的小規模な施設というものも58棟ほどございますので、これらはこれらで耐震化の事業を進めつつ、さらに耐震診断の2次診断を計画的に進めてまいりたいと考えてございます。
〇及川あつし委員 よくわかりました。
 市町村のばらつきについては助言をしっかりとお願いしたいと思いますし、今の宮野課長からの説明はすべてパーセンテージでありましたけれども、大きい市町村になると学校数と棟数が多いですから、若干パーセンテージが高くてもまだ耐震診断も行っていない残っている学校数がかなり、例えば花巻市なんかは64.7%になっていますけれども、耐震診断をやっていない学校はまだまだあるようですし、盛岡でもそうでありますので、パーセンテージだけにとらわれずに、棟数ベースできちっと御助言をいただきたいと思います。
 この点のもう一点、最後、確認ですが、今、県立学校についての耐震診断の件はお伺いしましたが、それに基づいて、耐震工事、財政状況にもよるんでしょうけれども、おおむね何年度までに県立学校の耐震化が図られる予定なのか、その点についてお伺いしたいと思います。
〇宮野学校施設課長 県立学校の今後の耐震化の方針でございますけれども、県立学校につきましては、耐震改修促進法に基づく岩手県耐震改修促進計画におきまして、計画対象の1、000平米以上の建物につきましては平成27年度末までに耐震化率を100%とすることとしておりまして、県内の高校につきましては、いわゆる耐震性能が低いとされる構造耐震指標、いわゆるIs値0.7未満の建物が本年4月1日現在で59棟ございますけれども、今回の平成20年度2月補正以来の一連の経済対策によりまして、59棟のうち21棟、ここまでは予算措置をさせていただいたところでございます。したがいまして、今後とも当該計画の目標達成に向けまして耐震化を推進してまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 1、000平米以上のものについては平成27年度末までにということでありますので、財政的な面でいうと、文部科学省の平成21年度の概算要求を見ましたけれども、前年度の当初が1、005億円ぐらいだったものが今の概算要求ベースで1、801億円ぐらい出ていますので、プラス750億円という概算要求になっているので、政府で最終的にこれも切り込まれる可能性があるかもしれませんが、いずれ政府も耐震化についてはそれなりの認識のもとに財政措置をとる方向であると思いますので、しっかりと平成27年度までの耐震化の促進方、お願いしたいと思います。
 次に、及川幸子委員からも若干質疑がありましたが、新型インフルエンザ対策について伺いたいと思います。
 今年度に入ってばたばたということで、その都度通知が厚生労働省や文部科学省から出てきて、教育委員会の皆さんも御対応には大変苦慮されているのではないかと推察いたしますが、まず1点目、お伺いしたいのは、こういう感染症について、今回新型インフルエンザが発生していろいろ対応をとっていますが、それとは別に通常こういう感染症の対策を教職員レベルでどなたにどういう形で研修というか通知というか指導をされているのか、平成20年度ベースでどういうことをやってきたのか、そこをちょっとお知らせいただきたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 感染症対策ということでございますけれども、これにつきましては、基本的には、学校健康を主に担当しております養護教諭を中心に研修会等で研修を積んでいるのが現状でございます。
〇及川あつし委員 養護教諭が通例であればやっていたと思うんですが、今年度に関していうとそれプラス学校の閉鎖措置等の問題もあると思うので、校長先生とか副校長先生とか、たびたび招集がかかっていろいろなことをお聞きになってきたようでありますけれども、難しかったとは思いますけれども、認識にばらつきがあって、対応にばらつきがあって、その結果、罹患者がふえる学校と一定程度抑制できた学校と、今もう既に、きのうは58校ですか、閉鎖措置がとられていますので、今となっては全面的な蔓延だと思いますけれども、これまでの対応について言うと、もう少し各学校の教職員の先生の認識レベルを一本にするような方向がとれなかったのかというのを私の中で課題として感じておりましたので、この点は指摘だけにさせていただきたいと思います。
 そこでお伺いしたいのは、きのうの段階で58校出ているわけでありますが、たびたび休校措置とか学年閉鎖、クラス閉鎖が行われている関係で、相当授業の進みぐあいに問題が出てきていると承知しております。この授業の進度についていろいろな影響が出ていますけれども、どのように認識されておりますでしょうか。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育課長 休校措置等々について、確かに休校あるいは学級閉鎖にしろ、ほぼ1週間程度の自宅待機になりますので、委員御指摘のとおり、授業の進みぐあいについては少なからず影響が出ているものと認識しております。
〇及川あつし委員 1週間程度という話でありますけれども、現実見ていただければ、今、ほとんどみんな二、三日なんですよね。タミフルを飲んで体温が下がって2日後にはいいよという一つの基準もありますから、大体その授業の進度も考えて、2日でもうほとんど閉鎖措置を解いておりますので、中途半端な治りぐあいでまた学校に出てきて罹患者がふえているというのも現状なんです。
 ですから、その点については及川幸子委員の質疑の答弁で、検温態勢ということについてさらっとお話がありましたけれども、小学生ぐらいまではいいと思うんですけれども、中学生になると相当この検温態勢というのがいいかげんになっているのが実態でありますので、ぜひその点は徹底的な指導をお願いしたいと思いますし、授業の進みぐあいの問題というのは、特に中学校3年生が相当深刻な影響が出つつあると思っておりまして、進度に今いろいろな影響が出ているという御認識は示されましたけれども、特に受験を控える中学校3年生の進度について、その認識と、何か対応策があるのか、私もちょっとわかりませんけれども、どういう検討をされているのかお知らせいただきたいと思います。
〇小岩首席指導主事兼義務教育課長 インフルエンザ関係での中3の子供たちに対する対応ということでございますが、先ほど及川幸子委員にも御答弁申し上げましたけれども、中3とは限りませんけれども、各小・中学校では年間を通しながら、その授業の欠けた分、やれなかった分をどこで回復するかということで、子供たちの状況も見ながらやっていると認識しております。特に中学校3年生は受験も控えておりますので、その部分につきましては特にも御配慮いただいていると思っております。
〇及川あつし委員 いずれ本当に深刻な状況になってきていますので、一度各学校の進度がいろいろなばらつきがあることによって最終的に入試というゴールラインのところで何か問題がないかどうかということでしっかり精査してもらいたいと思うんですが、その認識を1点伺いたいと思いますし、あと、最終的に、常任委員会でも質疑が若干あったようでありますけれども、県立高校の入試についてであります。ワクチンの接種時期が非常に受験生にとっても微妙な時期でありまして、ぎりぎりワクチンが間に合うか間に合わないかというところだと、先日、保健福祉部からちょうだいした資料で拝見いたしたところであります。
 一方で、大学受験に関しては、過日の朝日新聞の報道では、国立8大学が感染した受験生には追試を行うという救済策がまとまっているという報道もありましたが、県立高校の入試の際において、この新型インフルエンザに罹患した受験生について何か救済策を考えるべきだと私は思うわけですが、この点についてはいかがでしょうか。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育課長 高校入試に関してですが、今、委員御指摘のとおり、インフルエンザの接種の時期等々、あるいはインフルエンザ自体がどのような形になって進んでいくのか非常にわからない、予測できない状況になっております。
 高校入試については、確かにそういったところを考えなければいけないということは私たちも認識しております。ただ、本県だけではなく、近県隣接協定を結んでおります青森県、秋田県、宮城県等のほうにも本県の生徒が受験に行く、あるいは逆に向こうからも来ることもございますので、そういった他県の状況等、どのような方策をとるのか、これからお互いに煮詰め合って、うまく接続、連携できるような形をまず話し合って、そしていい対応、いずれにしても受験生が不利にならないような対策をとらなければいけないと思っておりますが、今置かれた状況ですとまだその前段階で、いずれ何らかの対策はとらなければいけないと思っております。
〇及川あつし委員 子供たちの最近の会話を聞いていると、受験生は今かかってしまったほうが受験のときに大丈夫かななんて、こんな話までしているんですよね。ですから、隣県との調整もあろうかと思いますけれども、できるだけ早い時期に受験生に対してこういう突発的なインフルエンザによって公平な機会が失われることはないというメッセージでも出していただくことが大事なのではないかと思っておりますので、その点再度認識をお尋ねして、もう一点、奨学金についてもありましたけれども、30分ぐらいたってまいりましたので、委員長にそろそろ注意される時間でありますので、こちらは割愛させていただきたいと思います。
 教育長なり担当の課長なり、再度御答弁をいただきたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育課長 今、御説明申し上げたとおりでございます。基本的に受験する中学生の感染拡大防止、それから受験機会の保障、なかなかうまく整合をとることは難しい問題ですが、ここを何とかクリアできるように、できるだけ早く方針等を公表できるように策定を急ぎたいと思います。
〇斉藤信委員 2回に分けて簡潔に質問します。
 昨年来、県立高校の再編問題について第2次県立高校長期構想検討委員会が検討されまして、9月に最終報告が出ました。ここにかかわってお聞きしたい。
 一つは、自民党政治が終わりを告げて新しい政権が教育費の大幅な増額、教員増などの方向を示している中で、これまでの延長線で今後10年間の県立高校のあり方を考えたのでは時代錯誤の計画となるのではないか。
 二つ目、この報告では40人学級が望ましいとしていますが、世界と時代の流れにも教員の希望にも反するものではないか。
 三つ目、学校規模としては4ないし6学級が望ましいとしていますが、生徒減少に対応することだけを考えたものではないか。学問的、教育的な根拠があるのか。平均的、画一的な学校規模ではなく、地域にふさわしい学校規模があるのではないか。
 とりあえず。
〇上田高校改革課長 まず、お尋ねのございました県立高校のあり方を考える期間ということでございます。
 第2次県立高等学校長期構想検討委員会におきましては、岩手の将来の発展に資する人づくりという観点から、おおむね十数年先を展望いたしまして、高校教育としての学びの環境がどうあるべきか検討をお願いしたものでございます。
 検討委員会におきましては、高校教育の目的にまで立ち返りまして普遍的な高校教育のあり方について検討していただいたものでございまして、仮に政権交代などの要因がございましたとしてもその基本的な考え方は大きく変わるものではない、このように受けとめております。
 一方で、検討委員会における検討の中では、政権交代を見据えた内容にすべきとの御意見もちょうだいいたしました。また、お取りまとめいただきました報告におきましても、今後の国の教育施策あるいは高校教育に関する制度の動向を見きわめながら効果的な方策について検討することが望ましいとお示しいただいております。このようなことから、今後の検討に当たりましては、さまざまな状況の変化を注視しながら的確に対応してまいりたいと考えております。
 次に、40人学級についてでございます。
 検討委員会におきましては、現行の公立学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律でございますが、1学級定員は40人を標準とするとされております。これに基づきまして教員の配置数、あるいは実際に高校で行われている少人数指導などの学習指導の実態、社会に出る前段階としての高校教育に必要な環境、さらに40人よりも定員を少なくした場合の学習指導への影響、あるいは県財政負担の必要性などさまざまな観点から総合的に検討していただき、現行の40人定員が現実的という御報告をいただいたものでございます。
 今後、この報告を踏まえまして、さらに県教育委員会として県立高校における今後の方向性について検討してまいりたいと考えております。
 三つ目でございますが、学校規模でございます。
 この検討委員会ではさまざまな議論が行われたところでございまして、その報告では、専門教員の配置あるいは部活動の状況、さらには社会人となる前段として担うべき高校の役割、あるいは今後の生徒数の減少、また各ブロックの学校数を考えますと、例えば十数年先を展望した場合には、県全体を見据えた一定の方向として学校規模は1学年4ないし6学級が望ましいとお示しいただいたところでございます。
 また一方で、この報告では、各高校の学校規模を検討するに当たっては、望ましい学校規模を念頭に入れつつ、各ブロックにおける将来見込まれる生徒数に加えて、地域の産業構造あるいは振興方向などを踏まえながら地域の実情に応じた規模や配置としていくことが必要であり、その中で小規模校の対応等も検討していくことが必要であるとあわせてお示しいただいたところでございます。
 今後、検討委員会の報告を踏まえましてその方向性を検討してまいりますけれども、このお示しいただいた望ましい学校規模を踏まえつつ、地域の実情あるいは学校の特色、生徒の通学の便などを勘案いたしまして、各ブロックを基本単位といたしまして学校の規模や配置を検討しよう、このように考えております。
〇斉藤信委員 一番心配されるのは、小規模校についてなんですね。この小規模校を残すという方向が全く示されていない。小規模校について、私は積極的な側面の評価というのが示されていないのではないかと。3学級以下は再編、統廃合ということになるのか。法律的には2学級規模で学校として存続できるし、分校も法的に認められているわけです。この法的に認められた学校の存続というのはどうなるのか。
 総合学科の問題点が指摘されていますが、その具体的中身は何でしょうか。総合学科は中学校の希望者よりも多く設置されています。新しいタイプの高校は高校の多様化政策で高校間格差を拡大するものでしかなかったのではないか。
 最後ですが、普通科を進学に特化する方向も示されています。進学にも就職にも対応できる普通科も重要な役割を果たしているのではないか。評価すべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
〇上田高校改革課長 まず、小規模校についてでございます。
 この検討委員会の報告では、小規模校の教育実践という項目がございまして、そこで、限られた教員配置の中で、教員や生徒の努力あるいは地域からの支援によりまして教育活動を展開し、進学や部活動の成果など一定の実績を上げている、また、生徒一人一人の状況を多くの教員が共有することができ、個々に対応したきめ細やかな指導ができるメリットがあるなどの評価が示されております。ただ一方で、教員数が限られるため普通教科における生徒の科目選択の幅が少なく、多様な進路希望への対応や、あるいは学習指導の質の確保が難しいこと、あるいは生徒数が少ないことで切磋琢磨する環境づくりが難しいなどの課題が示されるといったところでございます。
 なお、委員御指摘のとおり、公立高校の規模につきましては、略称でございますが高校標準法がございまして、本校にありましては定員が240人以上、分校にありましては定員が100人以上、これが原則とされているところでございます。
 また、先ほど申し上げましたけれども、検討委員会の報告では、各高校の学校の規模を検討するに当たりましては、地域の産業構造あるいは振興方向などを踏まえながら、地域の実情に応じた規模や配置としていくことが必要であり、その中で小規模校の対応を検討していくことが必要であるとお示しいただいているところでございます。
 県教育委員会で、委員会の報告をちょうだいいたしましたが、県教委版の方向性、本年度末をめどに策定することで作業を今進めておりますけれども、高校標準法に示された標準規模はございますものの、検討委員会報告での御趣旨もございますので、これらを踏まえながら、ブロックごとの学校規模や配置を検討する中できめ細やかに地域の御意見も伺いながら、小規模校の対応についてさまざまな観点から総合的に検討してまいりたいと考えております。
 次に、総合学科高校を中心とした新しいタイプの高校についてでございます。
 検討委員会の報告では、総合学科の問題点とその要因といたしまして、科目選択に当たっての人数制限、あるいは主体的に選択できない生徒が存在する。また、学級数の減など、例えば職員数の人的制約が生じるなどの要因がございまして、総合学科の理念を十分に果たすことができないなどの課題が指摘されているところでございます。
 また、平成20年12月に実施いたしました進学先の希望学科調査によりますと、中学3年生の総合学科高校への希望は全体の約6%でございます。委員御指摘のとおり、この場合の平成20年度の総合学科の設置割合は全体の10.6%でございまして、希望が少ないという状況にございます。
 ただ一方で、在校生あるいはその保護者に対しましてアンケートを行いました。その結果によりますと、総合学科高校の特色については、大半の生徒、保護者の方々、データでは81.6%というデータがございますけれども、満足しているという御回答をいただいております。したがいまして、生徒が特色を生かして意欲を持っていると受けとめているところでございます。
 検討委員会の報告では、このような状況を踏まえまして、総合学科高校につきましては設置後間もない学校が多いということもございましたので、多様な生徒に対応できる学科として、その理念を踏まえつつ教育実践を積み重ね、その特徴を十分に発揮できるよう今後も取り組んでいく必要があるとされているところでございます。
 今後、検討委員会の報告を踏まえながら、県教育委員会としての総合学科高校の方向性について検討する考えでございます。
 また、お尋ねのありました件、もう一件ございますが、新しいタイプの高校は、生徒の多様化あるいは個性化への対応として、生徒の個性を伸ばし、多様な生徒の学習希望に対応するために設置したものでございまして、生徒の選択の幅を広げて、学習意欲の向上あるいは進路実現に貢献しているものと受けとめております。
 また、高等学校教育の多様化につきまして、学校の特色づくりが進みますとともに、生徒一人一人の興味や関心、あるいは進路希望などに応じまして自己実現を支援しようとするものでございまして、これ自体が学校間格差などの問題につながるものではないと考えております。
 最後、普通科についてのお尋ねでございます。
 検討委員会の報告でございます。普通高校の進路状況は進学が約8割となっており、今後も大学等進学率が上昇していくことが考えられますことから、普通高校は主に進学に対応できる学校としていくことが必要であるとお示しいただいたところでございます。
 ただ一方で、就職にも対応できる普通科、これがそれぞれの地域におきまして一定の役割を果たしている、このことは認識いたしております。ただ、そのような普通高校におきましては、一方で将来の目的意識が希薄なままに普通科に進学する生徒が少なくない、あるいは多様な進路を希望する普通高校では進学と就職の両面に対応した指導を行わなければならないなどの課題があるとも受けとめております。
 検討委員会の報告におきましては、高校卒業後に就職する生徒にとっては、専門学科の持つ教育システム、そういったものがより有効であることもお示しいただいておりますことから、今後、普通科の配置について、検討委員会の報告を踏まえながら、各ブロックの状況あるいは個別の高校の実態を勘案しながら総合的に検討してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 これを最後にします。
 教育長に最後お聞きしたい。
 最終報告書の最後のところにこう言っているんですね。高校のあり方は地域コミュニティにとっても大きな影響を与えると。高校の再編成に当たっては、地域の実情や地域からの意見を十分に聞きながら進めることが望まれると。私、ここだけは大変大事な提起をしていると受けとめております。
 先ほど課長からは年度内に教育委員会としてのビジョンを出すと、地域の声も聞くと。前回は二段構えでした。ビジョンを出して、その後具体的な高校名を出してと。今回の場合どうなるのか、具体的な高校名を出す計画というのはどの段階で出されるのか。そして、この地域の意見を十分に聞きながら進めるという、これをどのように受けとめて進めようとしているのか、最後にこれを聞いて終わります。
〇法貴教育長 今回の取りまとめ、報告を受けるに当たっても、検討委員会の方たちが各ブロックに入って意見を聴取してまいりました。これから先、県の教育委員会としての総論の部分、ビジョンをつくるに当たっても、地域におりてそういう意見を聞きながら策定していきたいと思います。
 そういうビジョンが確定した次には、やはり各高校の個別のものを出していかなければいけないということですので、平成22年度中あるいは平成23年度にかけて各高校の具体的な案をお示しし、また、地域の方々の御意見を伺いながらそういう高校の再編計画を策定してまいりたいと考えています。
〇高橋雪文副委員長 ほかにありませんか。
〇郷右近浩委員 当該委員でもあり、また、通告もしていない中での質問でございますが、1点だけお伺いさせていただきたいと思います。
 先ほど関根敏伸委員のほうからも質問がありましたけれども、教育事務所の再編の部分についてでございます。今回、事項別明細書の318ページからの部分の中で教育事務所のさまざまな決算の部分が載っていると思いますけれども、教育事務所に関係する部分はどことどこという形なんでしょうか。あくまで人事的な部分だけなのでしょうか、まずお伺いしたいと思います。
〇高橋予算財務課長 教育事務所に係る人件費及び事務局の運営費は、10款教育費1項教育総務費の2目事務局費の中に入ってございます。
〇郷右近浩委員 今回の教育事務所の再編計画でございますけれども、これ自体が例えば経費削減というか、何を目指しているのか、先ほど関根委員との質疑を聞いていて逆にわからなくなったというのが正直なところでございます。
 これまでやってきた事務所の体制、例えば昭和30年からは11事務所、そして平成3年からは12事務所、そして平成18年から10事務所という形でやってきて、これを縮小させるというか小さくしていくということは、これまで以上にそれぞれの市町村の中に入り込んでいくという、そして事務所としては形として6ブロックというか、そういう形にしていくといった考え方のあらわれなのか、それとも、本当に経費削減であり、もう児童数も少なくなっていった、それに伴い教職員も少なくなっていったのでこれで管理できると、そうした部分での今回の再編という計画なのかお答えいただければと思います。
〇及川教職員課総括課長 教育事務所の統合に関しては、もちろん教育事務所は指導主事だけではございませんで、人事等を行う経営指導主事、それから生涯学習を担当する社会教育主事、スポーツ体育指導を行う保健体育主事といるわけですが、特に指導主事の業務について申し上げれば、ちょっと繰り返しになる部分はございますが、まず、指導主事を集約することによって1人当たりの分掌事務が軽減されると。そういった指導主事の分担が明確になりますので、それぞれの職務に専念できる。そういうことによって高度な専門性を発揮できるようになると。それから学校訪問の要請にもこたえやすくなるというメリットがございます。
 あとは学校等から訪問要請が多い教科というのは国語、算数、数学、英語、そういったまさに主要教科なわけですが、これが必ずしも今の教育事務所には全部の教科に対応できるような体制というのはないわけですが、集約することによって指導主事が各事務所に4人ないし5人集約できますので、いろいろな教科に対応できる体制が整うと。そういった具体的な効果というものも期待されるところでございます。
〇郷右近浩委員 私は、どちらかというと時代的には逆行しているといった印象をぬぐえない気持ちでいっぱいでございます。といいますのは、今回、市町村の派遣駐在の指導主事についてはアンバランスを是正していくという部分は先ほど答弁あった中での部分で、これは必要なことだろうなと。ただ、そうしたことをやりながら、逆に市町村のほうにどんどん入っていって、むしろそれぞれの新しい事務所、もし6なら6、もしくは私はその場合だったら、広域振興局体制にという部分も環境の変化の中で理由に挙げているのであれば4なら4でもいいのかなという中で、そしてどんどん地域の市町村の中に入り込んでいくといったような、そうしたことのほうが私は望ましいものではないかと感じているところでございます。
 どちらかというと、そうした教職員のもちろん指導管理といった部分もあると思いますけれども、それ以上に、やはりその先にある子供を結局見ないと、結局子供のために先生がいて、先生を何とか管理したり指導していくと、そういった流れというのは当然必要な部分の考えだと思うんですけれども、今回の計画の中ではそうした部分が余り見受けられない。本当に人事の中での話というような感覚を持って見てしまっているわけですけれども、そのような部分の考えについて、ぜひとも理解できるように、教育長から今回のこの計画についての御説明というかお話をちょうだいいたしたいと思います。
〇法貴教育長 今回の教育事務所の再編そのものについては、市町村数も減ってきていることは事実ですけれども、本来ならば指導主事なんかも全部見直して、全部引き揚げる、再配置するみたいなところがあるんですけれども、今の状態の質的なものを絶対に落とさないという至上命令のところで、指導主事の数はいじっていないというか、統廃合すればどっちかに寄せるんですけれども、指導主事の数を寄せて、そしてさっき言ったように5教科なら5教科の体制を組む。そして、指導主事の場合は出前のほうがしっかりしていかなければいけないので、人数を減らさない中で市町村のほうに出前に行ってその授業を見てあげるという体制の質は落とさないということで教育事務所の再編をしていきます。
 ただ、やはり広域な事務処理という観点で、庶務事務の集中みたいなものはぜひやらせていただきたいということで、庶務の要員は若干減っていくものだと考えていきます。
 その中で、教育事務所は指導の部分と、あとは人事管理の部分ももう一面であって、経営指導主事というのがいるんですけれども、そういう方たちは小・中学校の人事を担当しておりまして、そういう方たちの人数もまた減らしていなくて、その人たちも学校経営はどうなっているかみたいなものを常に見て回るということの人数は減っていません。
 その中で、実は人事の体制というのは、6ブロックにもう既になっています。そういう人事の体制についても6ブロックに合わせていくということですし、10から急激に4という話もあるんですけれども、東北6県の設置数を見ても5ないし6というのが平均的な数字、他県で見れば全然置いていないところもありますので、そういう中で指導主事がこれまで以上に市町村に入り込んでいく、指導するという一面は強化していきますけれども、ある一面、あとは市町村の教育委員会の体制も少し強化していただきたいという気持ちもありまして、全国統計にいくと市町村が自前で指導主事を持っているという県も数多く出てきていますし、例えば10万人単位の市町村では自前で4人の指導主事を抱えて市町村の学力向上を自前でやっているということもありますので、市町村と県の役割というのもこれから少し見直していかなければいけないと考えております。
〇飯澤匡委員 それでは、2点について伺います。
 希望創造プランの取り組みと成果、政策項目ナンバー18、児童生徒の学力向上についてまず第1点目伺います。
 目指す姿については、小・中学校においては一人一人の児童生徒に基礎、基本が定着し、高等学校においてはその上に立って生徒一人一人の目指す進路を実現できる学力が身についていますというような、これが目指す姿であります。この取り組みと成果には、政策事業と、それから予算額、そしてまた達成度について評価をなされているわけでございます。
 先ほど関根委員から授業力の強化、それから学力の向上についても議論がありましたが、どうもこの指標を見ると、まず、学習定着度状況調査については、ことしについては比較できないとしてブランクになっていると。それから、推進方向を構成する事業実績についても、これは総合政策部が所管する特性上、先ほど申し上げましたように事業に対する評価ということになりますが、活動内容に対して、例えば参加率が100%だったからAになるとか、それからその事業に対して事業モデルの参加数が出たら、目標値に達すれば達成度Aになるとか、この内容については質問しなければ全くはかり知れないわけです。確かに教育の分野というのはこういう事業の中にだけわからないといいますか、理解できないといいますか、いろいろな分野でのさまざまな取り組みがなされているというのも理解できますが、このような指標の中で果たしていいのであろうかというような私は意見を持ちました。
 ましてや推進方策指標の達成度については、達成度は3分の1が達成してあとの3分の2はおくれとなっていますが、その内容についても二、三行ぱらぱらっと書いて終わりですよね。今後の進むべき方向については明確な示唆がなされていません。これは第2点で聞きますけれども、今後のこういう指標のあり方、そしてまた、教育委員会としてこの政策実現のために、政策18ですね、向上のために今後、情報公開という意味も含めて、こういう形でいいのかどうか。何回も聞くのはあれですから、教育長に一発回答でお願いします。
〇法貴教育長 この希望創造プランの指標と構成事業の関係というのは、どの構成事業がその指標にどれくらいの効果を与えているかというのはなかなか示しがたい。それから、教育の場合は、100%やったからといって必ずその効果が上がってくるかみたいなところがなかなか一人一人の生徒については難しいということで、指標のあり方と事業の示し方というのを少し見直さなければいけないかなというのがまず第1点です。
 お示ししていてこの評価の仕方は何なんだろうということを言うのはおかしいんですけれども、希望創造プランができていて、そういう仕組みづくりの中でできているものですからこういうお示し方しかできないんですけれども、次のアクションプランをつくるときはやっぱり指標はどうあるべきだというのをもう少し吟味してやらなければいけないんだろうなと。そして、それを上げていくための事業はどう構成していけばいいのかというのをもう少し吟味しなければいけないのかなと思っています。
 ただ、数値目標ばかりなので、本当に的確にとらえられる数値目標があるのかどうかということから議論していかなければいけないと思いますけれども、どちらかというと、何点が何点になりましたというよりは、ばらつきが少し少なくなりました、底上げがなりましたみたいな指標がつくれるかどうかということで、今、中で吟味しているところです。
 次期総合計画のアクションプランの中でもこの指標を取り入れない方向で検討はしているんですけれども、では、それにかわるものは何かということで今、内部で相当吟味していますので、この指標と構成事業のあり方というのは相当考えて、熟慮して出していかなければなかなか説明が難しいだろうというふうに考えています。
〇飯澤匡委員 そのように御認識をされているのであれば、教育委員会独自のそういういろいろな指標のあらわし方というのも御努力をいただきたいと思います。
 それでは、具体的に第2点目ですが、数学、英語の学力向上についてお伺いします。
 英語に絞ってお伺いしますが、先ほどの取り組みと成果の部分の達成に対する考えを示したものだと思うんですが、こう書いています。生徒の英語力のきめ細かい把握に取り組んできましたが、必ずしも十分ではなかったためと考えられます。これは達成度Dということに対してそういうコメントをしていますが、必ずしも十分ではなかったためというのは、これはいいんですか、悪かったということですか。どういう評価なんでしょうか。それとも、例えば予算が足りなくて教員が足りないだとか、こういう非常にわかりにくい国語だとわからないんですけれども、きちっと説明してもらえますか。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育課長 御質問の件でございますが、これは、それぞれ中学校、英語検定3級レベル、高校の場合は準2級レベルの英語力を身につけている生徒を何とか平成20年度はそれぞれ何%に持っていきたいという目標を掲げたものに対して、そこにあるとおり中学校の場合は30.4、高校の場合は28.0と。この数字をどう考えるかということで、高校の場合は本来30%を目指したものなんですけれども、2%及ばず、しかも平成19年度に比べて確かにさらに0.2ポイント下がっているということで、我々のほうの授業改善等々が十分ではなかったのかなという反省をしたものでございます。
〇飯澤匡委員 いや、そう書いていないですよ。必ずしも十分でなかったと。やったんだけれどもできなかったというような解釈にもつながるし、こういう表現はどうなんでしょうかね。必ずしも十分でなかった、何が原因だったんですか。教員の質でしょうか、カリキュラムでしょうか、人員数なんでしょうか。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育課長 いろいろな状況等考えられると思いますが、生徒も一生懸命頑張っていると。教師も一生懸命頑張っているというお答えをすればちょっと不十分だと思いますが、もう一つはやっぱり経済的な状況も考えなければいけないと。やはり受検料等発生してまいりますので、それを払ってまで受けてもらえるかどうか。それもやはり数値の中に反映してくるわけで、力があっても家計上苦しければ受けてもらえない、そうすると数値が上がらないということもございます。
 そういったところで、なかなか一つの原因に絞り切れなかったところが必ずしも十分でなかったという表現にならざるを得なかったものと考えております。
〇飯澤匡委員 よくわかりませんね、私は。ちょっと理解できないです。やっぱり原因と結果、要因と何かがあって、それをやっぱりきちっと示していくことが必要ではないでしょうか。
 例えば、では、受検の経済的な部分が足りない場合だったら何か補助するとか、そういう明確ないろいろ対策ができるじゃないですか。いろいろな複合的なお話ということでしょうけれども、やはりこういう姿勢というのは、何か教育現場の中に渦巻いている、半ば一生懸命やったけれどもどうにもなりませんでしたというような、確かにそこら辺は認めますけれども、こういうことをこういう文章にあらわすこと自体が、私はちょっと疑問に感じます。
 そこで、じゃ、最後に聞きますけれども、英語力を上げるためには、授業力ブラッシュアッププラン、学校訪問指導、外国語指導助手の派遣など、英語力向上の取り組みを継続すると。その次には新規の事業のことも書いていますけれども、これは毎年何か同じことを書いていますよね。特にALTの派遣などについては、これは十数年来やっていますよね。ところが、私が見ていても、なかなか向上という部分については形にあらわれてこない。ここら辺の反省といいますか、それから、長い間蓄えてきたノウハウの上に築き上げられた系統的な英語の指導というのは、一体全体どういうふうになっているのでしょうか、御説明を願いたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育課長 今、委員御指摘のとおり、今年度、中学校のほうでは、そこにあるとおり、中学生の英語力を客観的にはかるテストを導入していると。これを実はお願いしたいところですが、来年度高校のほうにも入れていただきたい。そうすると、さらに、いわゆるそれぞれ該当する級の生徒がどのくらい努力したのか、その結果をより客観的にデータとして示すことができるものと思います。
 それから、ALTの関係についてでございますけれども、導入以来二十数年の長い歴史の経過があるわけですが、基本的には、やはり生徒たちの英語に対する姿勢がどんどん改善されてきているなと。これも、いわゆる学力という点でいうと、確かにはっきりと申し上げられない点では、また御批判いただくことになるとは思いますけれども、それに対するもう一つの改善策として、今般、民間委託による外国語教育推進事業をお願いして、これはもう完全に、その時間帯は英語しか使えないという環境に生徒たちを置いて、さらに力をつけていこうという事業を展開しているところでございますので、そうやって少しずつでも改善を進めているというところを御理解いただければと思います。
〇飯澤匡委員 ただいま民間委託の話が出ましたので、私が知るところによると、これもかなり質のばらつきがあると。NSというんですか、ネーティブスピーカー。民間会社に委託をして、要は、教育委員会がその質をはかるということではなくて、委託をして、委託した会社の中からそういうNSが派遣されるわけですから、いい人はもうかなり実力がついていてすばらしい人もいるけれども、なかなかの、ちょっと足りないという人も中にはいると。学校教育現場の中について、これは先生も大変じゃないかと思うんですね。
 そこら辺の質の均一化とか、今お話がありましたけれども、英語だけの授業も大変結構ですが、そこら辺はどのようにして均一化を図ってやっていこうとするのか。それは、そのNSを使う先生の指導力だとか理解力にもよるでしょうけれども、どうも授業について大変ばらつきがあるというような報告を得ています。この点については今後どのようにしていきますか。これはALTについても同じようなことを何回も質問しているんですが、何か一向に教育現場の中では生かされていないような気がしますけれども、いかがでしょうか。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育課長 業務委託によるALT、NSの件でございますが、契約においては、来日時の東京での研修、そして、こちらに来て岩手県での研修、これが最初のところですが、それ以外に年間3回以上、主には長期休業中になると思いますけれども、研修をしていくという形でやっております。
 それから、地域には地域のヘッドティーチャー等がおりまして、巡回等、あるいは研修会の場面では、さらに授業の指導等やっておりますので、今まで以上には、NSの資質については、地域とか個人ごとの差というのはどんどん解消されていくのではないかと思います。
 それから、もちろん授業等についてちょっと問題があるなとか、不満があるなという場合は、学校のほうから会社のほうにストレートに要望が参ります。それに対しても、すぐ会社のほうから学校のほうに入って、そのNSのほうへの指導をやっていますし、それでもだめであれば、チェンジということもあるという体制で臨んでおります。
〇飯澤匡委員 学校から会社という、そういう命令系統でいいんでしょうか。そこには教育委員会というのは介在しなくていいんですか。やはり私は系統的な岩手の英語教育をどうするかという部分というのは、しっかりその下地の上に立ったものが必要で、確かにヘッドティーチャーがいて、監視、監督はいいけれども、じゃ、目標に立ったものが、系統的な設置、指導体制がどうあるのかというのについては今までもずっと不足していたと思うんですが、この点についてはどのように今後考えていきますか。最後、教育長に聞いて終わります。
〇法貴教育長 NSの導入については、常任委員会でもさまざまな議論がされておりまして、その検証、どの程度どうなのかという検証を必ずするということのお約束をして導入した経緯があります。
 そういう意味で、確かに学校から会社という直接の指揮命令系統にはあるんですけれども、どのレベルでどういうふうになっているかというのは、毎年毎年検証しながら、教育委員会も中に入ってそういう検証作業をしながら、導入が確かにいいのかどうかということも含めて検討してまいりたいと考えています。
〇高橋雪文副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇高橋昌造委員 私は3点についてお伺いいたしたいと思います。
 まず、第1点目につきましては、教育委員会に関連する事業で、日本の次世代のリーダー養成塾に派遣をしておるということで、その派遣事業の派遣内容、例えば、実施主体がどこで、目的、そして人数ですね。
 なぜそのことをお聞きするかということは、この派遣することによっての成果がどのようになっているのか、そして、今後継続をしていくのか。今まで派遣して、それがどのようにリーダー養成に反映されているのか、その辺のところをひとつお聞きするとともに、あとは、この検証と課題、もしあれば、どういうことなのか、まずお示し願いたいと思います。
〇佐藤教育企画室企画課長 日本の次世代リーダー養成塾の事業でございますけれども、これは、平成15年7月に地方分権研究会が設立されまして、そこで経団連の会長を塾長にしまして、次世代のリーダーを養成するという目的で設立されました。
 そして、本県からは、平成16年度から高校生を毎年10人程度、このリーダー養成塾のほうに派遣してございます。これまで、平成16年からことしの7月までの間に61名派遣してございます。
 こういった目的でございますけれども、いずれ全国の高校生を対象にしまして次世代のリーダーを養成するということで、全国から集まって、そして、なおかつ講師の方々には、いろいろな大学の先生であるとか、それから外国の首相をやられた方々とか、そういった各分野にわたる方々を講師にいたしまして、そして、いろいろと研修を重ねているところでございます。
 これまでの参加した生徒等でございますけれども、やはり視野を広める機会に非常に参考になったと。毎回、参加された生徒からはアンケート調査をしまして、そして、その動向につきましては、結果について把握しているところでございますけれども、やはりこの結果でいきますと、受講後の意識が大幅に変わったというようなアンケート結果がございます。さらには、もっといろいろな知識を身につけたいというような意欲がわいたとか、あるいは、まだまだ自分は努力が足りないとか、そういったようなお話も報告として上がってきてございます。
 また、生徒からのアンケート結果だけではなく、主催者側からも、本県の子供たちの様子をちょっとお伺いしたところ、どちらかというと、ほかの県の生徒から比べると、物おじするような、引っ込み思案的な要素も見受けられるというお話もございまして、参加される際に当たっては、物おじしないで、堂々と全国の子供たちと触れ合って、友達をつくって、そして日本のいろいろな場面で活躍できる知識、経験を身につけていただくように送り出しているところでございます。
〇高橋昌造委員 わかりました。あとは、基本的に、派遣基準とか、例えばどういう高校生を対象にしておるのか、またそれは後からお聞きしますので、簡潔にひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
 次に、第2点目についてお伺いいたしますが、指導力不足の教職員の対策ですが、まず、この指導力不足教職員の認定審査はどのようにして行われておるのか。また、今、平成20年度、実際にそういった指導力不足の教職員が小学校、中学校、高校でどのぐらいおったのか。そういう人に対してどのような対策を講じられたか、その解消策ですね。
 そして、私は、やっぱり採用時の問題もあると思うんですよ。やはりそういうものをきちんと、一つの傾向があると思うので、そういうものを採用時、教職員を採用するときに指針として何か、いわゆるきちっとしたものを樹立して対応なされているのか、場当たり的な対応しかしていないのか、その辺のところをお聞きいたしたいと思います。
〇及川教職員課総括課長 まず、指導力不足教員をどういう方が判定しているかということでございますが、まず、専門的な判定委員会をつくっておりまして、そのメンバーは、大学教授、精神科医療の専門家、小・中と高校の教員経験者、法律の専門家、それから保護者の代表─PTA連合会等の代表の方、こういった方々に入っていただいて、その内容について審査していただいておるところでございます。
 それから、現在の指導力不足ということの対象者がどれぐらいいるかということでございますが、平成21年5月現在では、校内研修ということでプログラムを組んで研修、指導を受けている者が4名、それから、校内のそのプログラムに沿った指導研修ということではございませんが、経過の観察等を行いながら指導を行っている者が15名、計19名について、一応この対象ということで指導をしておるところでございます。
 それから、採用時の問題もございますので、これについては、面接等の重視、それから面接等に専門の心理の先生を入れるとか、そういった面接官のメンバー等を吟味すること等を行いまして、そういった人物等について適切な、適正な、教員に適した人物であるかということについて、可能な限り十分吟味できるように、そういった体制を組んでおるところでございます。
〇高橋昌造委員 それでは、第3点目についてですが、いわゆる退職された教職員の再就職先の実態はどのようになっているか、お示し願いたいと思います。
〇及川教職員課総括課長 退職された教職員の方が、その後どういった進路と申しますか、どういったその後の生活かといったことについては特に把握しておりませんが、現場で先生が足りなくなったときは、臨時の教員でお招きしてお願いしたり、あるいは再雇用の形で現場にとどまっていただいている先生方もいらっしゃいます。
〇高橋昌造委員 それでは、最後に教育長にお伺いいたしますが、平成20年度の教育委員会の委員長の演述の中に、いわゆる教育行政の推進の基本的な考え方の中に、県民総ぐるみの教育振興運動、そして、いわて型コミュニティスクールの構想の推進、それぞれ推進していく中で、やはり教育関係者を初め、学校、地域、家庭、それぞれの立場で共有して、そして連携を強化していかなければならないということがうたわれておるのですが、やはり私は、学校現場を初め、現場にそういった基本的な考え方が浸透しなければ、なかなか前向きにならないと思うんですね。
 そこで、教育長にお伺いしますが、このいわて型コミュニティスクールとか教育振興運動をさらに展開していく上において、教育長はどのような思いで今後臨まれるのか、それをお聞きして終わります。
〇法貴教育長 委員御案内のように、学校現場ではなかなか解決していけない問題も今多々出てきておりまして、やはり家庭と地域、昔は、地域で人を育てるみたいな形の風潮もあったわけですけれども、なかなかそういうことも希薄になってきているという現状もかんがみまして、いずれコミュニティスクール運動というのは、学校から地域へ発信する、教育振興運動は地域から学校へ連携プレーするという、車の両輪と私は言っているんですが、そういう意味で、先ほど小岩課長から申し上げましたが、学校の目標を地域と一緒になってつくるみたいなところまで昇華してあげれば、恐らく学校が地域のものになるという形になるものだと思っています。
 教育振興運動は昭和40年からずっとやっているんですけれども、その中に家庭学習の充実みたいなものをことしから共通課題に入れて一生懸命やっているということですので、このコミュニティスクール運動と教育振興運動を、岩手の学校改革の両輪としてぜひ推進していきたいと考えています。
〇高橋雪文副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋雪文副委員長 質疑がないようでありますので、教育委員会関係の質疑をこれで終わります。
 教育委員会の皆様方、お疲れさまでございました。
 次に、警察本部長に警察本部関係の説明を求めます。
〇保住警察本部長 決算の御審査をいただくに当たり、このたび、平成15年度からの6年間で2億2、000万円に上る不適切な事務処理が判明し、加えて、職員を詐欺容疑で逮捕する事態を招いたことは、県民の皆様の信頼と期待を大きく裏切るものであり、深くおわびを申し上げます。
 今後は、警察業務の推進はもとより、二度とかかることが起きないよう、職員一人一人の公金に対する意識改革を初め、再発防止のための取り組みを徹底し、警察に寄せる信頼の回復に組織を挙げて全力で取り組んでまいりたいと思っております。
 改めて、県民の皆様及び県議会の皆様に対しまして、心よりおわびを申し上げます。大変申しわけございませんでした。
 それでは、決算の説明に入りますが、最初に、警察業務の推進状況について申し上げます。
 県警察では、県民の安全と平穏な生活を守るため、昨年の基本姿勢を県民のための力強い警察とし、安全・安心を実感できる地域社会の実現のため、総合的な治安対策を推進してきたところであります。
 お手元の平成20年度主要施策の成果に関する説明書、岩手県総合計画実施状況報告書の18ページをごらんください。
 まず、左下の棒グラフでありますが、県内の昨年の犯罪情勢を見ますと、刑法犯の認知件数は9、111件で、2年連続して1万件を下回っておりますが、6年連続で減少した平成19年と比較し微増に転じております。刑法犯の検挙率は37.9%で前年比3.3ポイント下落しております。主な取り扱い事案といたしましては、昨年10月には陸前高田市内における殺人死体遺棄事件について、東京都内で新聞配達をしていた51歳の男性被疑者を逮捕し、解決しております。また、昨年全国的に多発した振り込め詐欺事件については、捜査員を首都圏に派遣し、全国的な共同捜査を推進するとともに、県内金融機関等へ被害の未然防止の協力依頼や被害防止の広報活動等に取り組んだ結果、昨年末から、発生件数、被害額ともに大幅に減少しております。
 一方、交通事故の発生状況を見ますと、交通事故による死者数は、平成20年は69人でありました。これは、前年比マイナス29人の大幅な減少で、死者が60人台となったのは50年ぶりのことです。死者数のうち65歳以上の高齢者が42人で全体の60.9%を占めています。6割以上となったのは、昭和41年からの統計上初めてのことであります。交通事故による負傷者数は、平成20年は5、553人ですが、5年連続の減少となっております。本年に入っても交通事故の減少傾向は持続しておりますが、高速道路における重大死亡事故の多発等により、事故死者数は10月19日現在56人で、前年同期比プラス5人と増加しております。
 こうした中、平成21年における県の施策に関する県民意識調査結果によると、犯罪への不安の少ない社会づくりや交通事故の少ない社会づくりの項目をほとんどの県民が重要またはやや重要と認識しているほか、将来の岩手県の望ましいイメージのキーワードとして、安全・安心がトップに挙げられております。これらのことから、県民は、良好な治安の維持、向上を強く望んでいるものと思われます。
 県警察としては、こうした諸情勢を踏まえ、自治体や関係機関を初めとして、県民の皆様と連携した総合的な治安対策を推進し、さらなる安全・安心な地域社会の実現を目指し、今後とも組織の総力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 それでは、決算について御説明申し上げます。
 お手元の平成20年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開きください。第9款警察費の歳出予算現額は289億3、303万円余で、これに対する支出済額は282億5、987万円余で、執行率は97.7%であります。支出済額は、前年度に比べますと8億728万円余、2.8%の減となっております。これは、給料、退職手当等の人件費の減少によるものであります。
 なお、翌年度繰越額5億3、893万円余は、国の経済対策による臨時交付金等の繰越明許費が5億3、349万円余、道路工事のおくれのために、交通信号機の設置工事が年度内に執行できなかったことによる事故繰越が543万円余であります。
 不用額は1億3、422万円余で、その主なものは、退職手当等人件費の残が5、700万円余、燃料費単価の下落等による需用費の残が1、800万円余、運転免許証の高齢者講習等受講者の実績減による委託料の残が1、400万円余、その他、実績が下回ったことによる赴任旅費、活動旅費等の残が1、600万円余であります。
 次に、平成20年度歳入歳出決算事項別明細書により項目ごとに御説明申し上げます。
 なお、項目ごとの金額の読み上げは省略しますので、御了承願います。
 310ページをお開きください。第1項警察管理費第1目公安委員会費は、公安委員3名の委員報酬及び活動経費であります。第2目警察本部費は、警察職員の給料、職員手当などの給与費が主なものです。警察費の決算額に占める給与費等人件費の割合は79.6%となっております。
 平成20年度における警察官定数は2、101人、警察官以外の職員の定数は319人であります。その他非常勤の職員として、交番相談員27人、警察安全相談員13人などの職員が勤務しております。
 第3目装備費は、犯罪捜査や災害対策などに対応するための警察装備の経費で、警察車両の購入や、車両、警備船、航空機などの維持管理に要した経費であります。次に、312ページをお開きください。第4目警察施設費は、治安の基盤をなす警察署、交番、駐在所などの警察施設の整備や維持管理などに要した経費であります。この中には、本年3月に完成し移転した機動隊庁舎の新築経費、二戸警察署の移転新築のための用地購入費等、花巻空港警備派出所、北上警察署常盤台交番、紫波警察署日詰駅前駐在所の移転新築等の経費が含まれております。第5目運転免許費は、自動車運転免許試験、更新、行政処分などに要した経費であります。次に、314ページをお開きください。第6目は、恩給及び退職年金の経費であります。
 第2項警察活動費第1目一般警察活動費は、110番通報を処理する通信指令システムなどの警察通信施設の維持管理経費、犯罪被害者等支援のための補助経費、犯罪被疑者の警察署留置のための食費等経費が主なものであります。第2目刑事警察費は、少年非行防止や子供の安全対策などの安全・安心なまちづくり推進事業に要した経費、犯罪捜査に要した旅費等の経費、防犯活動支援のための補助経費であります。次に、316ページをお開きください。第3目交通指導取締費は、交通安全や指導取締活動の経費、交通事故の防止と交通の円滑化を図るための交通信号機等の交通安全施設の整備及び維持管理に要した経費であります。
 以上のとおりでありますので、よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
〇高橋雪文副委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇及川幸子委員 まず1点お伺いいたします。シートベルト着用は義務づけられているところでございますが、シートベルト未着用のため、先日も痛ましい事故が起きております。
 そこでお伺いいたしますが、平成21年度のシートベルトの着用状況と取り締まり強化策について、まずお伺いいたします。
〇遠藤交通部長 まず、本県のシートベルトの着用率についてでありますけれども、本年実施しておりますが、最終まとまっておりませんので、昨年の数値で申し上げますと、昨年10月の調査結果、一般道では、運転者は98.9%、それから助手席は96.5%、後部座席につきましては39.5%。高速道路では、運転者、助手席ともに100%、後部座席は78.4%ということで、高速道路を含め、後部座席着用率の向上が課題となっているところであります。
 次に、シートベルト着用の取り締まり強化策についてでありますけれども、シートベルトあるいはチャイルドシートは、交通事故の際、人体への衝撃を和らげるすぐれた効果があるほか、運転者の交通安全意識の高揚にも大きな効果があるものと考えております。
 県警察といたしましては、被害軽減に一番効果のあるシートベルト等の着用を継続して重点施策に掲げ、広報啓発とあわせて、違反の取り締まりを強化しているところであります。
 特に、昨年6月1日に改正道路交通法が施行され、一般道、高速道等を問わず、後部座席シートベルト着用が義務化をされたことから、全座席シートベルト着用徹底の広報啓発を、関係機関、団体と連携して実施しているところであります。
〇及川幸子委員 このシートベルト着用というのが、とにかくどこでもという、そういうところでやるというのが、まだまだ浸透されていない部分があると思うんです。この間の東北道八幡平の事故なんかも、あのときも、後部座席の方々がやっていないから痛ましい事故になったということなのですが、そういう個々のドライバーに対して、箇所箇所でそういう取り締まり強化月間もあると思うんですが、常になさっている部分はあるのでしょうか。
〇遠藤交通部長 高速道路あるいは一般道を含めて、特に被害軽減という立場から、シートベルトの着用については、いつでも、どこでも取り締まりをしているといったような実態でございます。
〇及川幸子委員 いつでも、どこでも取り締まりの強化をしていただいて、無事故につながるようにしていただきたいと思います。
 次に移ります。不正経理問題についてお伺いしたいと思います。
 県警の不正経理は、昨年11月に発覚し、最終報告では、調査対象の2003年から2008年までの6年間で不正は4、322件、総額2億1、491万円の報告があったところであります。残念なことに、職員が物品を私的流用していたことも明らかになりました。余りの額の多さに、県民の多くは、信頼を裏切られたという強い思いで厳しい批判の声が寄せられております。
 そこでお伺いいたしますが、なぜこの時期まで不正経理の内容が示されなかったのか、まず伺います。
〇島村警務部長 今回の不適切な事務処理に係る調査につきましては、平成20年11月10日から、警務部長の私をトップとする体制を確立し、本年4月から調査方法などを見直した上で徹底した調査を行ってまいりました。
 今回の調査方法は、調査対象業者数を前回の29社から275社に大幅に拡大し、また、業者の帳簿と県警察の支出関係記録に基づき約3万4、000件余のすべての契約内容を突合するという帳簿方式に変更したため、膨大な調査となったものであります。
 また、私的流用の疑いがあることが7月中旬に発覚し、捜査と調査を尽くしてきたという事情がございます。
 このようなことから、調査結果の公表がおくれたものでありますが、県議会運営に支障を来しましたことに対して、大変申しわけなく思っております。
〇及川幸子委員 膨大な調査になったということで、いつまでたってもこの調査結果が出なかったということは、本当に私どももどうしたものかという思いでずっとおりました。
 物品購入の際、上司の決裁が行われているはずなんですが、この決裁というものは、一体何をどのように今まで決裁されてきたのでしょうか。
〇島村警務部長 納入物品につきましては、消耗品等であったため、契約から検収まで事務職員に任せ切りにしていたため、都度の納品の確認がおろそかになっていたものであります。
〇及川幸子委員 こういう厚いまとめた報告が届いたわけですけれども、不適切な事務処理に関する処理報告書と、これは預け金、差しかえ、一括払いですが、その内容を見ますと、品々が全然、消耗または廃棄したと思われるということが大分多いんですね。ほとんど手元には残っていないというものばかりです。恐らくこれを1ページから最後まで見る議員はいないのじゃないかと私は思いますよ。こういうものも全然、預けとか差しかえ、一括払いなので、余りこれも当てにならない報告ではなかったかと思われます。めくら判をついていたということなのでしょうか。
〇島村警務部長 上司が決裁をする際に、消耗品を一々、署長や、あるいはその本部の課長が、コピー用紙、これで、こう来たなでありますとか、このボールペンが10個入ったなというのは、信頼に任せていたため、その都度の確認がおろそかになっていたということでございます。
〇及川幸子委員 その信頼に任せていた部分が大きな結果になってあらわれたのではないかと思います。平成20年度までの預け金は、33部署、計5、047万円であります。これらが平然と行われていた原因は一体何だと思われるでしょうか。
〇保住警察本部長 委員御指摘の預け金につきましては、33所属で5、047万円余の預け金がこの間発生していたこと、その後、実際に納入物品が費消等されまして、調査時点では13所属で残高として99万円余が確認されているところであります。
 こうした預け金が行われてきた問題としては、まず第1に、職員の公金を取り扱っている重要性に対する認識が欠けていたこと、第2に、第一線の警察活動の状況に対して臨機応変に対応し、迅速かつ円滑に物品購入等をするため、安易な手段として預け金という手法を用いてしまったこと、第3に、予算は使い切ることが望ましく、年度末に予算を残したくない、こういった心理があったこと、第4に、管理監督者等が会計事務処理の実態を十分に把握していなかったため、チェック機能が不十分であったこと等と考えております。
 いずれにしましても、こうした多くの所属におきまして、5、000万円余の預け金が発生していたことにつきましては、大変申しわけなく思っているところでございます。
〇及川幸子委員 それぞれの理由というか、やられたのではないかという中身が話されましたけれども、本部交通規制とか交通企画、両課で組織ぐるみで公費を不正に使用したことが明らかになったんですが、部内の親睦を図る上で充てられたこれは、これらのやり方というのは、この二つの課だけにとどまるのでしょうか。
〇島村警務部長 今回の調査において、この2所属のみが確認されております。
〇及川幸子委員 今の段階ではそうお話しなさっているでしょうけれども、けさの段階でも、また新たな部分が、職場を通さず入手可とか、いろいろと記事がまた変わってくる部分が、金額とかが随分膨らんだりいろいろ変わってくるのが、大変ずさんな経理が行われていたんだなというのが詳細にわかってきます。
 捜査をする警察本部だけに、今まで入念に調査をされ、他の課の流用はなかったと今おっしゃっていますけれども、私は信じたいと思いますが、県民の裏切られたという気持ちは払拭できないと思うんですが、その点はどうなのでしょうか。
〇島村警務部長 他の職員についての私的流用がないということにつきましては、納入物品の所在確認作業、それから職員からの聞き取り、それから業者からの聞き取り、さらには最初に言いました物品の所在確認等をして、その他の職員についての私的流用は、現時点でないものと信じております。
〇及川幸子委員 済みません、質問とか答弁のやりとりで、いきなり質問が入ることもありますので、どうぞ心してお答えいただきたいと思います。
 次に、8日、調査報告が出されました。全46所属が関与、当初の公表の額の7倍に不正経理総額が膨れ上がったのはなぜなのか、部長、お答えいただきたいと思います。
〇島村警務部長 不適切な事務処理の金額が7倍に増加した理由は、大きく3点あるものと考えております。
 一つには、徹底した調査を行うため、調査対象業者を前回に比べ大幅に広げ、県警察職員からの申告だけに頼ることなく、調査可能な業者の帳簿等の資料と県警察の支出関係記録とを突合するという方法に変更したことであります。
 二つには、翌年度納入の発生総額が9、115万円余と新たに判明したことであります。これは、前回調査では職員からの聞き取りをベースとして行ったものでありますが、翌年度納入は、預け金等と比べ、職員の記憶があいまいであったことであります。
 三つには、前回の調査では、預け、差しかえ、一括払い、翌年度納入、前年度納入の5態様でありましたが、今回の調査の過程において、新たな態様として先払い及び契約前納入を追加して調査しましたところ、この2態様の発生総額が7、494万円余となったことであります。
〇及川幸子委員 本当に徹底した捜査がなされ、このたびの私たちへの報告がなされたと思って信じます。
 それで、被害額というか、私的流用分とか国への返還分についての考え方は、今後どうなされるおつもりでしょうか。
〇島村警務部長 被害額は、今、委員おっしゃいましたとおり、いろいろ私的流用で、被疑者本人の私的部分の被害でありますとか、あるいは国に関する補助金適正化法についての被害額とかいろいろございますけれども、まず、国に対する返還金につきましては、いわゆる補助金適正化法の第18条と第19条に基づきまして、関係機関と協議の上決定されるものと認識しておりまして、今後、検討してまいりたいと考えております。
 また、被疑者本人が私的に流用した部分の被害については、今後、本人が被害弁済するかどうか動きがあるものと考えております。
〇及川幸子委員 対象になる職員というのは、どのようにお考えでしょうか。
〇島村警務部長 職員の負担につきまして、先ほど申し上げました国への返還金が確定した上で、知事部局等の例を参考としつつ、金額を決定の上、職員等に相応分の負担を求めたいと考えておりますけれども、どういった範囲で負担を求めるかは、現時点で決まっておりません。
〇及川幸子委員 最後、本部長にお尋ねいたします。本部長は、再三にわたりまして、今後、全職員が一丸となって再発防止に取り組んでいきたいと述べております。その辺のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
〇保住警察本部長 今回の不適切な事務処理の調査結果につきましては、冒頭でも申し上げましたが、その調査の過程で、職員による公金の私的流用事案を認知し、公金の詐取により逮捕する事態に至ったほか、残念ながら、県警察全46所属において不適切な事務処理の存在が明らかとなりました。
 こういった事態となりまして、県警を代表いたしまして、県民の皆様及び県議会各位に対しまして、心よりおわびを申し上げる次第であります。
 県警として何ができるかということが次の課題になってくるわけでありますが、県警としては、既に今般の報告書でお示ししている再発防止対策などにしっかりと取り組み、やはり私がリーダーシップを発揮して、先頭に立って、全職員一丸となって心機一転、再生に向けて懸命に取り組んでいく、これしかないという決意をしているところでありまして、こういった決意につきまして、改めて県民の皆様に対してお約束するものでございます。
〇及川幸子委員 不正経理に関与した、関与しないにかかわらず、県警の皆さんには、今後においても襟を正し、模範的な県民として、一日も早く信頼を回復し、県民の安心・平穏な生活を守っていただくため邁進していただくように切に切に望み、質問を終わります。
〇平沼健委員 不適切な事務処理、不正経理についてお尋ねいたします。質問事項として5項目ほどお出ししておりますが、あちこちはねると思いますが、御容赦ください。
 まず、職員の逮捕に至った経過というものを改めてお尋ねしたいと思います。
 そしてまた、組織的関与を否定しておるわけでして、これは、私は、上司が決裁しているというこの事実も一つありますね。それから、社内というか、部内というか、課内というか、ボウリング大会の賞品等が、懇親会開催とかいろいろ買われておるということ、それから、もう一つは、もっと大きいのは、前任者が例えば転勤等でかわられて、新任者が来られて、全く同じことを繰り返してきているわけですね。そうすると、こういうことを考えると、本当に組織的と言えないと言えるのかなという気持ちがあって、今のようなお尋ねをする次第でございます。
 それから、業務上横領ということじゃなくて、あくまでもこれは詐欺だということでおられますけれども、この辺について、とりあえずお尋ねしたいと思います。
〇島村警務部長 まず、1点目の職員が逮捕されるに至った経過、経緯について御説明いたします。
 昨年11月に明らかになりました岩手県警察における不適切な事務処理につきましては、本年4月以降、警察本部を中心として調査体制を再構築し、徹底した調査を行ってきたところであります。
 この調査の過程で明らかとなった預け金によって納品された物品の追跡調査を実施した結果、私的流用の疑いのあることが7月中旬に発覚し、その後、県警察では調査や捜査を行った結果、今般、被疑者を逮捕するに至ったものでございます。
 2点目の組織的な関与についての御質問であります。
 3点御指摘いただいたと思っておりますが、まず、上司の決裁につきましては、上司は、物品購入票に記載された事務用品が納入されるものと信用して決裁をしていたものでありまして、組織的ということではなくて、あくまでも個人的なものと考えております。
 また、2点目の懇親会等のボウリング大会等の関係でありますけれども、当時の職員から聴取した結果、これらの商品等につきましては、親睦会費等で購入されていたものと考えておりまして、預け金で購入されていたという認識はないことが確認されております。
 それから、3点目の前任者が新任者に引き継ぐということにつきましては、引き継ぐ場合もございますし、中には、後任者には引き継げないので、次の部署にそのまま預け金を持っていったというような者もおります。
 それから、大きな3点目の、業務上横領罪ではなくて、なぜ詐欺罪で逮捕しているのかということにつきましては、預け金は、上司はその存在を把握しておらず、先ほども申し上げましたとおり、個人的につくったものでありますので、組織によるものではないという整理でございます。今回は、県をだまして業者の口座に36万円を入金させた行為を詐欺罪の疑いにより逮捕したものでございます。
〇平沼健委員 この事務処理に関する調査報告書の中の19ページに、今回のこの不適切な事務処理の態様というものが七つ上げられております。本当に七つとも、これは違法なわけでございますけれども、やっぱり中には差しかえというか、一たん発注して、鉛筆を発注したけれども、急遽、消しゴムになったとか、そういうものはある程度私も理解できないわけじゃないですが、やっぱり一番問題にしなければならないのは、この預け金なんですね。それと、この預け金と別になっておりますけれども、翌年度納入と先払い、これもまさしく預けなわけですよ。そうじゃありませんか。先に公金を払ってしまうわけですから。
 だから、この預け金と翌年度納入、先払い、特に翌年度納入というのは、どうなんでしょうか、当年度に例えば予算が余ったといったときに、あるものを買った形にしてお金をとりあえず払っておくというか預けておくということですよ。そして、新年度になったら必要なものを納めさせるというかね。まさしくこういうことが預けなわけですよ。私たちはそう思いますけれどもね。
 だから、これがやっぱり一番大きな、言ってみればこれは犯罪だと思っておりまして、そういうような認識のもとに次にお尋ねしますけれども、島村警務部長は、これは10月15日の新聞ですので、10月14日の記者会見だったと思います。その中でこういうことをおっしゃっております。預け金は個人的につくったもので、組織によるものではないから、業務上横領に当たらないと考えていると。それが今の御答弁だったと思いますけれどもね。今回は、県をだまして業者の口座に36万円を入金させた時点で詐欺罪が成立する、こうなっているわけですよ。
 そうすると、まずここまでですけれども、こういうことであれば、業者の口座に公金を入金された時点で詐欺罪が成立するということは、この預け、それから翌年度納入とか先払いとか、あるいはこういうようなことをやった方々は、全部詐欺罪に問われるのではないのかなと、私はそう思うんですけれども、その辺どうでしょうか。
〇島村警務部長 まず先に、先ほどの委員の認識の点について、御質問はいただいておりませんけれども、預け、差しかえ、一括払い、これはいわゆる3悪と申し上げまして、全部で七つの態様がございますが、いずれもやってはいけない、手続違反のいけない行為なんでありますが、警察といたしましては、預け、差しかえ、一括払いが、預け金に近い非常によくない行為であると考えておりまして、翌年度納入、前年度納入、あるいは今回新たに設けました先払い、契約前納入につきましては、当該その物品自体は同じものでございまして、日付の点だけが実態と違っているというもので、預け、差しかえ、一括払いが、この七つの中では悪いといいますか、不適切というのか不正なものであると考えております。
 その上で、この預け金は、今回の被疑者以外のその他の職員も当然預け金をやっておりますので、その他の預け金をやっていた職員も全員詐欺罪が成立するのではないかという御質問につきましては、およそある事案について詐欺罪を構成するかどうかにつきましては、個別具体の事案に即して判断すべきでありますので、詳細は差し控えさせていただきたいと思うんですけれども、本件の被疑者は、私的流用のために預け金をつくったものでありまして、他の一般職員について私的流用は確認されていないところでございます。
〇平沼健委員 そうすると、私の認識が違うというか、翌年度納入とか先払いというのは、今のこれは預けに当たらないということなんですね。そういうことなんですね。だけど、これは、先にお金を払っているということなんでしょう。どうなんですか。
〇島村警務部長 翌年度納入及び先払いにつきましては、確かにお金を払っている点はお金を払っているんですけれども、当該物品自体は同じものでございまして、預け、差しかえ、一括払いは、例えばコピー用紙を買うことにしてホチキスを買ってしまうとか、別の物品になっているわけでありますが、翌年度納入というのは、コピー用紙を買うことにして、コピー用紙が年度をまたいで、例えば3月31日までに入らなければならないものが、4月5日に入ってしまったというようなものでございます。
〇平沼健委員 ちょっとこれ、かみ合わないんですけれども、商売とすれば、物が入ってきて初めてお金を払うでしょう。なぜ先に払うんですか。だから、私は預けと同じだと言っているんですよ。その認識が違うと思うんですけれどもね。もしあれだったらば、後ほどお答えください。
 それから、今回、A社とB社ということが出てきましたね。そして、このA社、B社という社は、例えば鉛筆とか何か文房具を主に扱っていて、それ以外にもいろいろな家電というかそういうものを常時商売としてやっているところなんでしょうか。
〇島村警務部長 A社、B社は、最終報告書の別添4のところにあります交通規制課A、交通規制課Bというところを踏まえて委員はおっしゃっているんだと思うんですけれども、これらの業者は、取扱商品を登載した総合カタログを顧客に配布し、販売していたと承知しております。
〇平沼健委員 そうすると、その店にはこういうものは置いていないということなんですね。注文があってから、工面をして納入するということなんですね。
 ところで、私は、これからこの業者の責任というものをお尋ねしたいと思っているんですけれども、預けにしても、これは、例えば県の決算は3月31日ですね、出納閉鎖は5月31日ですね。一般的にこれ、民間なんかは決算というものが一番大事でございまして、これはもう県も同じだと思いますし、業者も全く同じだと思うんですよ。この預けをやる、先にお金を払う、業者は預かっておく、もらう、そういうような形での決算が済むというか、そういうような形がこれは随分あると思うんですけれどもね。決算日を境にして、お金は先にもらう、物は後からだと。
 これは、やっぱり決算のやり方によっては、脱税とか粉飾とか、そういうようなことも考えられないわけでもないわけでして、だから、こういうことは禁止というか、してはいけないということになっているわけですけれどもね。
 だから、この相手業者というものが、その辺がどうなったかというのは、これは、県警は、自分たちはもう関係ないよということなのか、それはもう税務署の問題だという認識なのかどうなのかが一つ。
 それから、この預かりの残高管理というのがほとんど業者任せだったということが言われております。これにも出ていますけれども、その預けの残高が100万円弱というものが出てきておりますが、これは、返金してもらうということに書いているんですが、どのような形でこれを返金させるのか。すべて業者任せであったわけで、疑うわけじゃないんですけれども、この残金というのは、この数字で本当に正しいのかどうかということも何か感じられるわけでございます。
 続いて、県警としては、この業者も、逮捕された職員からだまされたということなんでしょうか。そういう認識なのでしょうか。というのは、テレビとか何か、これは、逮捕された方の自宅に直接持っていったんですか、それとも、一たん役所に持ってきて、それからということなんでしょうか。その辺、いろいろと今、質問しましたけれども、あわせてお答えいただければ。〇島村警務部長 まず、1点目の脱税に当たるのではないかでありますとか、あるいは業者の決算がどうかという、その業者側の責任の関係の御質問でありますけれども、警察といたしましては、業者のほうは、あくまでも職員からの要望を受けたものでありまして、その責任は、職員の側にあるんだろうと考えているところでございます。
 それで、今後の業者のほうに今ある99万円の残高につきましては、出納局等と連携をとりまして、このお金を返してくださいというようなお願いをして、返してもらおうと考えております。
 この残高が、業者任せでありますけれども、業者に確かに残高を任せていたものなのでありますが、業者側担当者から残高を示すメモ等の書類を定期的に警察の担当者が受け取っておりまして、定期的または随時に残高の確認を行っておりましたので、これらの金額を返納していただこうかと考えている次第でございます。
 それから、業者のほうが岩手県と同様に逮捕者にだまされたのかということや、あるいは、きょうの新聞に出ていたとおっしゃっていた、自宅に直接配送させたのか、それとも職場に持ち込ませた上で、それを自宅に持ち帰ったのかということにつきましては、現在捜査中でありまして、捜査の内容にかかわることでございますので、大変心苦しいのですけれども、この場で御答弁申し上げられないことについて御理解を賜れればと存じます。
〇高橋雪文副委員長 平沼健委員の質疑の途中ではありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、10分ほど休憩いたします。
 平沼健委員、御了承願います。
   午後3時9分 休 憩
午後3時28分 再開
〇小田島峰雄委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇平沼健委員 先ほどは納入方法はお答えできないということでしたので、これについては、私は先ほど申し上げましたように、納入業者が逮捕された方の家に直接届けたとか、あるいは県警の職場に持ってきてからとか、いろいろそれによって大きな差が出てくると思うんです。その思いでお尋ねしたんですけれども、それはそれでお答えできませんということですので、その程度にします。
 それで、業者、275社あるということでございますけれども、どうも県警のいろいろなお話、答弁を聞いていますと、何か業者に対して後ろ向きというか、また、今まで県警に限らず、業者とのそういう商売のなれ合いというものが昔からあったのではないのかと思うんですね。だから、こういう預けにしても何にしても、やってはいけないことを業者も知りながら、やっぱり受注者の弱い立場ということもあるんでしょうか、そういうことでずっとこれがなされてきたと。非常に残念なことだと思っておりますが、あくまでも業者には今回の事件で責任がないというスタンスなんでしょうか、県警としては。どうなんでしょう。
〇島村警務部長 業者側に全く責任がないかといえば、そこは何とも申し上げにくいところでありますけれども、県警側といたしましては、業者側はあくまでも職員からの要望を受けた受け身の立場でありまして、その責任は県警職員側にあるものと認識しております。
〇平沼健委員 そういう認識であればそれはそれでしようがないんですけれども、最後に、こういう本当に大変な事件が起きました。先ほどもお話ししましたけれども、やっぱり業者とのなれ合いを断ち切るということもあるでしょうし、業者選定の方法とか、そういうことも考えていかなければならないと思うんです。
 そこで、こういうことが二度と起こらないような形の物品の発注とか納品のチェックとか、その辺をこれから県警としてどうするかということを保住本部長からお聞きして終わります。
〇保住警察本部長 御質問のありました再発防止対策、特に発注関係でございます。報告書にも記載がございますが、こういった預け等の背景となっておりました予算の使い切りという意識の問題とか制度的な問題もございますので、節減加算システムの運用等への適切な対応を初めといたしまして、各種再発防止対策を掲げてこれまでも実施してきておりますが、さらに職員の意識改革を徹底しながら、例えば発注と検収の分離など、そういった運用面に配意して再発防止を徹底してまいりたい、このように考えております。
〇高橋博之委員 私の方からもこの不正経理の問題について聞かせていただきたいと思います。
 既に出た質問については割愛させていただきたいと思います。
 初めに、昨年11月10日に警務部長をトップとする調査班を独自に県警として設置して事実解明に向けて調査を実施したわけですが、その後12月定例議会に我々に報告があったところであります。その後、新たに不適切な事務処理が認められたわけですが、なぜ1回目の調査の段階でそこまで把握できなかったのか、その点についてお尋ねいたします。
〇島村警務部長 前回の調査といいますか、昨年の12月定例会で御報告した調査の手法といいますのは、関係する職員に、まず、あなたはこれまで不適切な事務処理を行ったことがありますかという質問をいたしまして、そこの質問に応じて預けをやっておりましたという申告があった場合には、その人が担当していた部署の県警の支出記録と、それから当該預けをやっていた業者の帳簿とを突合して報告したのが前回の調査でありました。ただ、この手法で行いますと、例えば年度越えというのは記憶で覚えているのもなかなか難しい面がありますので、本人が忘れていた場合は、この職員の申告をベースとする方法ではすべてを解明することが難しいという問題点がございます。それで、3月の段階だったと思いますけれども、結果的にそういった手法では把握できていなかった不適切な事務処理を発見したものですから、これはもう職員の申告と関係なしに、およそある一定額の取引については職員の申告と関係なしに悉皆的、網羅的に帳簿と帳簿を突合しようというやり方をしたものでございます。
 このような結果から今回、大幅な変更になってしまったものでございます。前回の報告が変わってしまった点については大変申しわけなく思っております。
〇高橋博之委員 県警の自浄能力が問われていると思うんですが、やはり初動が甘かったと指摘せざるを得ません。知事部局では、この問題が発覚した直後に第三者委員会を設置して調査したわけですが、県警もやはり最初から外部の目をしっかり入れて調査をしていたら二転することにはならなかった思うわけですが、いかがですか。
〇島村警務部長 警察には公安委員会という警察を管理する組織がございます。今回の調査を遂げるに当たりましても公安委員会からは適時適切な指示を受けておりまして、今回このような厳正な調査ができたものと考えておりますので、新たな外部の第三者委員会を設置する必要はないものと考えております。
〇高橋博之委員 報告書の不適切な事務処理発生の背景、それから原因分析についてでありますが、1の(2)の、第一線の警察活動の状況に対して臨機応変に対応し、迅速かつ円滑に物品購入等を進めるため、安易な手段として預け金、差しかえという手法を用いてしまったことと、こういう原因分析があるわけですけれども、これ、安易な手段ではない方法で臨機応変に物品購入をすることはできたんですか。この預け金や差しかえに頼らずに、こういう安易な手法に頼らずに、第一線の警察活動の状況に対して臨機応変に物品購入することというのはそもそも可能だったんでしょうか。
〇島村警務部長 大変難しい御質問でありまして、過去にさかのぼって預けをやらなくて、果たして、では警察の活動に支障を来さずにできたかどうかというのは、仮定の話でありますので何ともお答えしにくいところはあるんですけれども、ただ、そうはいいましてもやはりいけない手続違反でありますので、やはりそういった仮に需要があったとしても、そこに甘えてはいけないのであろうと。預け金というのはいけない行為でありますので、今現在考えている再発防止対策を今後徹底して預け等の絶無を図っていきたいと思っております。
〇高橋博之委員 そういう仮定の話ではなくて、まさに皆さんが分析された結果、ここに大きな原因があったとされているわけです。ということは、この原因を取り除かないと再発防止にならないと思うんですが、再発防止のほうを読んでも、この安易な手段に頼らずに警察活動の迅速かつ円滑に物品購入するための手法というのは担保されていないと思うんです。ということはまた同じことが起きかねないと思うわけですが、いかがでしょうか。
〇島村警務部長 報告書にも、先ほど本部長も答弁しましたけれども、節減加算システムの運用や需用費の翌年度配分、あるいは需用費の事故繰り越しといった方策がありますけれども、やはり正規の手続を例えば迅速にする、決裁手続を簡易な形でするとか、これはすぐ必要なので、署長すぐ決裁してくださいという形でやるだけでも、目の前に事故がある、現場があるといったときに必要な物品の調達というのはどうしてもございますので、そういった意識改革や運用だけでもかなり違ってくるんだろうと考えております。
〇高橋博之委員 今の説明では私ちょっと理解しかねるのでありますが、結局一つ一つ詳細に会計規程に従ってやっておったら仕事にならないというところも恐らくあったんだと思うんです。そこの部分を根本的に解決しないと、監督を強化していくのはもちろんやっていかなければならないことだと思いますが、そのことと、やはりさっきの問題を解決しないと、結局イタチごっこじゃないですけれどもまた同じような問題に私は突き当たってしまうと思うんですが、そのあたりについてもう一度お聞かせいただきたいと思います。
〇島村警務部長 先ほどの答弁の繰り返しになってしまうんですけれども、報告書に記載のような再発防止対策、意識改革やその運用等の改善も踏まえた上で再発防止対策を一生懸命やるということと、今後こうした再発防止対策を行っていく上で、その上でもなお会計手続等の見直しが必要になった場合は、必要に応じて関係部局等と協議して、より一層効果的な再発防止対策についても検討してまいりたいと考えております。
〇高橋博之委員 しつこいんですけれども、この原因分析の(2)を解決する方法が、今、再発防止策、現時点では載っていないと思うんです。先ほど最後に、これから問題が起きた場合には関係部局と連携をしてというお話をしておりましたが、これちょっと出納局長にお伺いしたいんですけれども、警察活動に支障が出ないように、なおかつこういう問題が二度と発生しないようにするために、例えば大量に処理できる方法も含めて出納局のほうでも工夫していかなければいけないと思うんですが、その辺いかがでしょうか。
〇古内会計管理者 ただいまお尋ねがございました。私ども、この警察本部の取りまとめた報告書を、議員の先生方に報告会がございましたけれども、そのときに初めて私どもも承知したと。
 今後の取り組みでありますけれども、再発防止策、先般、小野寺有一委員の質問のときにも私お話しいたしまして、ちょっとくどくお話しさせていただきましたけれども、システムをまずきちっとする。これは、県民の貴重な税金、公金ということで、やっぱりルールに従って処理しなければいけないというのは私どもに課せられた役割だろうと思います。ただ、そうはいっても、やはり第一線の現場で今々必要とするものが手に入らなかった場合に、業務に支障を来すということは当然考えられます。
 そういうことで、実は今でもある程度工夫すればできるところがございます。一つは、昨年来ただし書き物品、─ただし書き物品と私お話し申し上げてきましたけれども、各公所で調達できるシステムにしております。その中に、緊急にどうしても必要な場合、緊急性があるという合理的な理屈がちゃんとある場合は所属長の判断において3万円までは調達できるというシステムにしております。ただ、それでも、ある程度そのものを買っていいかどうかという担当者のほうからのちゃんと意思表示があり、それを上司がいいと判断して、そこでオーケーが出て初めて買うと。それを担当者個人が自分の判断でもしやったとすると今回の事件というか問題に結びついていくわけですけれども、組織の中でそういうルールがしっかりしていれば今現在でも3万円の中では買える。
 ただ、今後は、その3万円が果たしていいのかどうかという議論もございます。ルールはやはり守っていかなければならないんですけれども、きちっと要は公金を正しく使えるようなシステムにできればいいわけですので、これを今後、私どももいろいろな角度から十分検討していきたいと考えております。
〇高橋博之委員 いずれ警察の場合、業務に支障を来すことによって取り返しのつかないことも恐らくあると思うので、もちろんルールはルールでしっかりと守っていただかなければなりませんが、ぜひこの預けや差しかえという手段を用いなくてもこうした警察の活動がしっかりと保障されるような仕組みというものも考えていただきたいと思います。
 次に、私的流用の問題でありますが、先ほど島村警務部長から現時点ではほかにはないと思っているという御答弁がありましたが、現時点ではということは、ほかにもある可能性が今後出てくるということでしょうか。
〇島村警務部長 深い意味で現時点と申し上げたつもりもございません。これ以外に私的流用はないと考えております。
〇高橋博之委員 もう少ししっかり言葉を重く使っていただきたいと思います。ここは議会でありますから。
 いずれ、預けが私的流用という犯罪にも発展しかねないということを図らずも警察みずからが証明を今回してしまったわけですが、まさに自浄能力が今問われている。疑問符がついていると思います。今回の調査結果をもって、これで幕引きということになかなかならない、県民の皆さんも納得がいかないと思います。
 昨年、ちょうど1年前でありますが、昨年の決算特別委員会で議論をしたわけですが、それでも平成20年度分も年度を越えて発生しているわけです。そういうことを考えますと、やはりここは改めて第三者委員会を設置して、調査結果の検証あるいは再発防止も含めて、しっかりと県民の皆さんにその辺の姿勢を示していかないとなかなか今回失った信頼というものは取り戻せないし、我々も決算の認定については極めて難しい判断をせざるを得ないと思うわけですが、本部長、その辺についていかがでしょうか。
〇保住警察本部長 ただいま自浄能力に関する御質問がございました。先般、昨年12月定例会の決算特別委員会におきまして一度私どもが県議会にお出しした調査内容について、その後、業者側からの追加の協力が得られたということで金額を修正させていただいたわけですが、その際、及川幸子委員からも、今後さらに額がふえるようなことはないのかというような御質問をいただきまして、こういう調査をしましたと。その調査経緯を説明した上で、今後、額の変更はなかろうと考えている、こういった旨の発言をいたしました。しかしながら、その後本年3月4日に至りまして新たな不適切な事務処理の疑いが浮上したという報告がありまして、私としても大変衝撃を受けたところであります。
 それで、今回の再調査は、委員御指摘のとおり、県警察としての最大限の自浄能力を県民の皆様にお示ししなければならない、こういう思いを新たにしたところであります。そういう思いを踏まえて、私ども証拠主義と申しておりますけれども、一定金額以上のすべての取引について調査可能な経理書類をすべて調査する、こういうことを基本に徹底した調査を行うことにしたものであります。ただ、その結果、予想以上に時間がかかってしまって関係各位に御迷惑をおかけしたことについては改めておわびを申し上げるところであります。
 したがいまして、私どもとしては、こういう徹底した調査を私どもの管理機関でございます公安委員会の指示のもと遂行してきたところでございますので、こういった経緯を踏まえますと、新たに重ねて外部の第三者委員会を設置する必要はなかろうと、このように考えているところでございます。
〇久保孝喜委員 関連。1点だけ事実関係を含めてお伺いしたいと思います。
 ただいまの高橋博之委員の質疑の中で、今、本部長答弁がございましたけれども、3月の時点で新たな事案の発生があったことが警察の内部で明らかになっていながら、しかし、3月を越えて今年度に至る預け金がなお存在しているわけですよね。そうすると、3月時点で、預けにかかわる全庁に対する指示なり、あるいは預けはすべて解消しろとか、そういう具体的な指示はされたんでしょうか。
〇島村警務部長 預け金等を解消するというのは隠ぺいみたいな形になりますので、預け等を解消しないようにという指示は3月の段階でしております。
〇久保孝喜委員 預けを解消しないようにという指示を出したということですか。年度を越えた今年3月時点で新たな事案が発生して、なおかつその時点で、仮に部署として預けのような行為があったら、それをやめろではなくてやめるなということですか。
〇島村警務部長 申しわけございません。ちょっと不適切な説明でございました。
 預け等をやってはいけないという指示を当然しております。私が先ほど申し上げたのは、既にある預け金があるわけです。それを、では急いで解消してしまおう、ゼロにしてしまおうということはいけないよということもあわせて言っております。
〇久保孝喜委員 だから問題なわけですよね。つまり自浄能力というか、警察組織内部の指示が具体的には徹底されないまま、本年度に至ってもなお預け金があるという事実なわけでしょう、今現在、この最終報告書によれば。だから私は、先ほど高橋博之委員が言うように、第三者、外の目をきちんと入れて、少なくともこれからの再発防止策を含めた具体的な検証を、外部の目が必要だと思うのはそういう点だと思うんですよ。公安委員会からのさまざまな御指摘なり指導というのは当然あったんでしょうが、あってなおかつ二転三転しているわけですよね、現実。そこのところをどう考えるかというのが私どもはこの最終報告書の信頼性ということにかかわって非常に重要だと申し上げているわけなんですが、その点はいかがでしょうか。
〇島村警務部長 新たな預け金の発生はございません。ちょっとそこ、私の答弁が悪くて誤解させて申しわけございませんけれども、新たに預けを行っているということはございません。
〇久保孝喜委員 私にはちょっと今の話は理解できなかったんですが、もうちょっと砕いて御説明いただけますか。
 今現在、99万円なるものが預け金についてという項目の中で説明されていますよね、報告書の5ページですが。この数字というのは、平成20年から平成21年に年度を越えて存在していたという数字ではないんですか。
〇島村警務部長 11月時点で確定したものがそのままそこに記載されてございます。11月時点で御報告したものはその後動いていないということでございます。発生がその後ふえたということは当然ございません。
〇久保孝喜委員 そうすると、昨年度中のまさに年度末に新たな事案が発生した時点で、事務上の預けだとかという行為そのものをコンクリートしたと、ある意味。したがって不適切な事務処理は、3月時点であろうがなかろうが、それは年度内に処理することをやめてそのままの事態にとどめおいたと。したがって、現在99万何がしがあると、そういう意味での理解でいいわけですか。
〇島村警務部長 そのとおりでございます。
〇小野寺有一委員 私のほうからは、このたび詐欺罪の容疑で逮捕された職員の私的流用のことについてお伺いしたいと思いますが、先ほどから何度か出てきておりますけれども、36万円を入金した時点でその詐欺罪が成立したということでありますが、私的流用の一覧表の合計金額は320万円余になっておりまして、先般の最終報告の時点で警務部長のほうからその内容についての御説明をいただいたんですけれども、私、この327万円と36万円の関係というか、それがちょっと理解できなかったものですから、もう一度御説明をいただければと思うんですが。
〇島村警務部長 36万円と327万円の関係について御説明いたします。
 逮捕事実の36万円という金額につきましては、逮捕する時点で逮捕するに相当な理由が認められるものとして36万円を犯罪事実としたものでございます。この逮捕事実の36万円余以外の余罪がふえるかどうかにつきましては、今後、捜査を尽くして解明することとしております。
 なお、預け金につきましては、形成、すなわち発生する段階と費消、すなわち預け金を使うの二つの段階がございまして、そのうち預け金を発生する形成のほうにつきまして一部36万円を詐欺罪の逮捕事実としたものでございます。
 私的流用額の327万円余の数字につきましては、形成された預け金を私的に使ったという金額でございます。
〇小野寺有一委員 そうすると、例えば36万円を入金させたというのは、これは詐欺罪に当たるかもしれないけれども、今の預け金を費消したというのは、これはもしかしたら横領とか窃盗に当たるかもしれないとうことでよろしいんですか。
〇島村警務部長 横領に当たるかどうかにつきましては、個別具体の事案について捜査にかかわることですので、大変申し上げにくいんですけれども、今回の事案については、当時の交通規制課長等が預け金等を把握していないので、個人的な費消と考えております。
〇小野寺有一委員 わかりました、ありがとうございます。
 それでは、続きまして、監査委員からの随時監査の実施の要請に対する対応について伺いたいと思います。
 出納閉鎖後8月31日までの間に監査委員より随時監査を実施するという旨の求めがあったのかどうか。あったとすれば、それはいつなのか。また、その求めに県警本部として応じたのかどうかお答えいただければと思います。
〇島村警務部長 監査委員のほうから随時監査を実施する旨の求めはありませんでしたけれども、監査委員事務局による予備監査を8月24日及び25日までの2日間受監しておりまして、また、監査委員による本監査を9月14日に受監しております。そのときに監査委員あるいは監査委員事務局の方々から、不適切な事務処理の調査状況はどうなっているんですか、教えてくださいという求めがあったのは事実でございます。
 県警察といたしましては、平成15年度から平成20年度までの期間について、全所属を対象とした経理書類による突合作業に加えまして関係書類や納入業者からのヒアリング等を行っている最中でございましたので、一貫した調査作業を終了した上で調査結果を報告したいと考えておりますという旨を御説明したものでございます。したがいまして、当時、作業途中のものを監査委員の方々あるいは監査委員事務局に対して提供することはしなかったものでございます。
 いずれにいたしましても調査結果の提出に時間を要したのは事実でございまして、監査委員の求めにその場ですぐ応じることができず、その結果、議会の審議運営に支障を来したことについては大変申しわけなく思っております。
〇小野寺有一委員 それでは監査委員にお尋ねいたしますけれども、今、警務部長がおっしゃった、まず、随時監査を実施する旨の求めはなかったと。そのかわり予備監査についての申し入れは事務局を通じてあったというお話であったと思いますけれども、それは監査委員の認識も同様でしょうか。
〇千田監査委員事務局長 随時監査につきましてはそのとおりでございます。随時監査というのは、今回、中間報告を得た後に私どもが入ったものでございますが、随時監査というのは通常行われるというものではなくて、私ども平常、定期監査を行っております。定期監査については8月下旬にそのスケジュールがありますし、その時点で課長レベルでのやりとりをいたしますし、決算概況説明というのはその後、本部長も交えて別途行っております。そういう時点で2回公式にお話ししてございますし、また、もう少しさかのぼって申し上げますと、6月定例会の前に、こういったお話をわかるような形でしていただいてはどうかということも5月の段階で事務的に申し上げておりますし、9月定例会が始まる前に、やはりそういったことも必要ではないかということも申し上げておりまして、5回以上10回未満、こういった件についてお話は申し上げております。いずれ大変な調査だったということで、内容の整理がつくまで御説明できないということで今日に至っているというものでございます。
〇小野寺有一委員 私は監査のことについて余り理解が深くはないので、もしも事実関係に間違いがあったら御指摘いただきたいと思うわけですが、一般的に、監査を例えば受ける側が、いや、まだちょっと準備ができていないので監査は待ってくださいと単純に言えるものなのでしょうか。要は、もしもこれがほかの部署で、いや、まだうちの監査を受ける準備ができていないので、ちょっと待っていてくださいというのが通じるものなのでありましょうか。
〇小田島峰雄委員長 どなたにお尋ねですか。(小野寺有一委員「では、代表監査委員にお聞きします」と呼ぶ)
〇菊池監査委員 監査を拒否できるかということでありますが、地方自治法を見てもその辺のところは触れておりません。ただ、定期監査の場合は抜き打ちにやるのではなくて、事前に定期の監査に入りますよと。それから、今、随時監査を県警本部でやっていますけれども、これについても事前に随時監査をいたしますということを通告してあります。
 抜き打ちとか緊急監査、種々誤解されていますけれども、法律上そういう言葉がないということも申し添えておきます。
〇小野寺有一委員 わかりました。
 それでは最後にいたしますけれども、先ほど平沼健委員の質疑の中で、個別具体的なことについては捜査上の問題があるので、先ほどの平沼健委員の質問は納入方法だったと思いますけれども、回答できないというお答えでありました。それは、まだ余罪があるということなんですか。それともまだ別の、例えば共犯者とか、そういったものがある。何の捜査を今やっていらっしゃるんですか。
〇島村警務部長 捜査に関してのことでありますし、捜査中のことでありますので、今現在だれを捜査しているとか、どんな範囲をしているかということも、捜査上支障を来してしまいますと今後のいろいろなことに支障を来しますので、大変心苦しいんですけれども、この場でのお答えは御容赦いただきたいと思います。
〇斉藤信委員 それでは、警察本部の不正支出問題について、まず第1に、327万円余の私的流用の実態について、逮捕容疑の具体的な内容を示していただきたい。
〇島村警務部長 逮捕容疑の具体的な内容について御説明いたします。
 私的流用を行った職員は、交通規制課において、平成16年3月17日ころから同月19日ころまでの間、前後2回にわたり県出納局総務課担当者に対し、真実は同課が盛岡市内の業者から事務消耗品を購入する意図がないのにあるように装い、物品購入票合計2通を作成、提出し、前記担当者をして同物品購入票に記載された金員が同業者から同課に納入された物品の購入金であると誤信させて支払い決定及び支出手続を行わせ、平成16年4月14日、同業者名義の当座預金口座に合計36万円余を入金させたものでございます。
〇斉藤信委員 それで何を買ったという詐欺容疑ですか。
〇島村警務部長 詐欺は、何かを買ったという容疑は関係ございませんで、お金をだまし取ったというのが詐欺罪でございます。
〇斉藤信委員 そんなことを言ったら、みんな預けは裏金ですよ。大体、架空の請求書をやって物品が来ないのに金を払っているんだから、みんな詐欺じゃないですか、そうしたら、あなた方の論理でいったら。違いますか。
〇島村警務部長 先ほど平沼委員への御質問でもお答えしましたけれども、およそある事案について詐欺罪が成立するかどうかにつきましては個別具体の事案に即して判断すべきでありまして、詳細は差し控えさせていただきたいんですけれども、今回のこの逮捕事案についていいますと、私的流用のために預け金をつくったものでありまして、他の職員については私的流用は確認されておりません。
〇斉藤信委員 私的流用327万4、000円余、件数にして127件です。これは私的流用だと確認しているんですか。
〇島村警務部長 確認しております。
〇斉藤信委員 テレビを何台も買っているけれども、これは全部あったんですか。
〇島村警務部長 私的流用である旨は確認しておりますが、その当該物品が今どこにあるかということについては、捜査のかかわりがございますので、お答えは御容赦いただきたいと思います。
〇斉藤信委員 それでは、あなた方の資料では私的流用物件と不明物件と分かれているんですよ。不明物件はちゃんとあるんですよ、15件。ほかの私的流用物件というのは確認しているということでしょう。テレビ何台あるんですか。テレビ何台買ったんですか、この人は。
〇島村警務部長 当該本人がこの一覧表になっている私的流用物品を私的に流用したというのは確認してございますが、当該犯罪を立件する上で、具体的な内容についてはお答えは差し控えさせていただきたいと考えております。
〇斉藤信委員 とんでもない話ですよ。327万円、私的流用だと。不明を含めるとこれは380万円なんですよ。
 じゃ、私、個別に聞かなくちゃならない。例えば、ソニーKLVって何か、ソニーSUって何か。松下電器のTH50PX20、松下電器TYS50PX20、そしてソニーVEGA KV、これはテレビじゃないんですか。
〇島村警務部長 大変申しわけございません。今、わーっと早口でいろいろな物品をおっしゃったのでちょっとあれなんですけれども、例えばソニーVEGA KV32DX650はハイビジョンテレビでございます。
 お待たせして申しわけございません。
 ソニーのKLV23 2R2Bについてはテレビでございます。ソニーのSUR250Bというのはテレビの附属のラックといいますか、台みたいなものでございます。それから松下電器TH50PX20というのはテレビでございます。松下電器TYS50PX20というのはラックでございます。それから、先ほども申し上げましたけれども、ソニーVEGA KV32DX650というのがテレビでございます。
〇斉藤信委員 答弁漏れがあるんですよ。ソニーKLVというのもテレビですね。そうすると、テレビは4台になるんですか。間違っていたらちゃんと言ってくださいよ。今言わなかったけれども、ソニーKLV17WSIBというのがありますね。これもテレビですね。
〇小田島峰雄委員長 再答弁させますから、お待ちください。
〇島村警務部長 ソニーKLVはテレビでございます。それから、ソニーKLV17WSIBもテレビでございます。
〇斉藤信委員 そうすると、この方はテレビ4台少なくとも買っているんですよ。4台使っていないと思うんですよ。だから、これはあなた方、行き先をわかっているのかということですよ。私的流用と言うけれども、関係者にこれ貢いでいるんじゃないですか。
 じゃ、その行き先がわかっているか、そのことを聞きたい。
〇島村警務部長 現在、捜査中でありまして、私的流用であるということの確認はとれておりますけれども、どのような形でその私的流用を我々が証拠として確認したかということにつきましては、今後の犯罪の立証にかかわることですので、この場での答弁は控えさせていただきたいと考えております。
〇斉藤信委員 逮捕された人が1人で本当に済むのかと私は思うんだけれども、この私的流用物件を見ると、とても1人で使ったと思えないのですよ。テレビでも4台でしょう。DVDレコーダー、MDプレーヤー、何台ありますか。
〇島村警務部長 4台以上あると把握しております。
〇斉藤信委員 私、さっと見たところでは5台以上ありますね。5台も使うわけがない。だから私は、この私的流用というのは、いわゆる私的流用して関係者に配っていると思いますよ。贈与していると思いますよ。これは極めて重大な疑惑ですよ。
 例えば電波時計、これも六つ買っていますね。一つあれば済むんですよ。これも贈答用でしょう。もっと露骨なのは、ギフトセットというのがあるんですよ。ギフト電動歯ブラシ、ギフトステンレスボトル、サンファニーギフト、サンファニーギフト、贈り物ですよ、これは。あなた方は私的流用と確認したというけれども、どこに贈られたんですか、これは。
〇島村警務部長 私的流用物品につきましては、先ほど来申し上げていますとおり、証拠として、県警としてはこれが私的流用になっているというのは確認しておりますが、ではそれがどこにあるとか、そういったことについては捜査にかかわることなので申し上げられません。
 今、委員おっしゃいました不明物品につきましては、これはあらゆる調査を尽くしたんですけれども、私的流用とも公的流用とも判別できないという性格のものでございます。
〇斉藤信委員 それでは、テレビも4台、DVD、その他レコーダーも5台、贈答品、たくさんあります。電波時計のほかに時計というのが4台あるんですよ。ばらまいていると思うんですよ。ばらまいているかばらまいていないか言えますか。
〇島村警務部長 私的流用の部分の品目名につきましては、捜査にかかわることでございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は関係者、上司に配られた疑惑が大きいんじゃないかと思いますよ、この物品を見ても。自分の趣味で流用したとは思えない、この物品は。もらった人がいるんじゃないか、県警の内部に。そういうことも含めて捜査していますか。
〇島村警務部長 捜査の内容につきましては、どのような捜査をしているとか、今こんな観点で捜査しているといったことはお答えできません。
〇斉藤信委員 かなりこの私的流用それ自身が重大な疑惑だというのは明らかになったと思うので、次に、あなた方は、交通規制課、平成15年6月、交通企画課、平成16年3月の不正支出は私的流用に入れていません。しかし、本来これは公費で支出すべきものではない、私的流用そのものじゃないですか。なぜ私的流用に入れなかったんですか。
〇島村警務部長 これらのものにつきましては、職員の士気高揚等を目的とした課内ボウリング大会や所属内の親睦を深めるための懇親会に係る使途につきましては、職員の福利厚生のためでございまして、私的流用ではないものと認識しているところであります。
 ただし、これらの物品につきましては、本来、親睦会費等で負担すべきものと認められるため、その全額を県警察職員等において負担したいと考えております。
〇斉藤信委員 交通規制課、平成15年6月というのは所属内ボウリング大会ですよ。これが福利厚生ですか。とんでもない話ですよ。これは全く公務と関係ない。
 本部長、これ、公務と関係あるんですか。
 そして、交通企画課、懇親会で使用した調理器プレート、これは公務と関係ありますか。なかったら私的流用じゃないですか。
〇保住警察本部長 御指摘の質問でございますけれども、課内ボウリング大会でございますが、これは職員の士気高揚等を目的として行われたものでありまして、したがって、職員の福利厚生のためである。よって、私的流用ではない、このように認識しているところでございます。
 交通企画課の内容につきましても、所属内の親睦を深めるための懇親会に係る使途ということでありまして、私的流用には当たらない、このような認識をしているところでございます。
〇斉藤信委員 一般の常識とかなりかけ離れているんじゃないですか。大体、所属内のボウリング大会が公務だったらとんでもない話ですよ。県民、そんなことは抗議が殺到しますよ、これ。懇親会も公務だったと。とんでもない話。
 出納局長、会計管理者に聞きたい。そんなの、そういうことで公費支出できますか。所属内のボウリング大会。
〇古内会計管理者 ただいま本部長が答弁したとおりの認識だろうと思います。
〇斉藤信委員 会計管理者もそういう認識なんですか。県庁でもやっているんですか。所属内のボウリングを公務で。私、そんなのはあり得ないと思いますよ。懇親会も公務なんてあり得ないでしょう。自分たちで会費を払ってやるでしょう。だからここでは、いいですか、親睦会費等で負担すべきものと認められたとあなた方は言っているんじゃないですか。ごまかしなんですよ、これは。県警自身が、本来公費ではなく親睦会費等で負担すべきものとあなた方が判定しているのに、それを公費だと、公務だと、論理矛盾じゃないですか。だめだよ、そんなの。
〇古内会計管理者 私、公務だと申し上げたわけではございません。親睦会費だということで本部長が答弁した、そのように認識しております。(斉藤信委員「そんなこと言っていないよ、本部長は。本部長にも答えさせて」と呼ぶ)
〇保住警察本部長 繰り返しになりますが、御指摘の物品につきましては、私どもとしても本来親睦会費等で負担すべきものと認めているところでありまして、したがって、その全額を県警察職員等において負担したいと、このように考えているところであります。
 私どもの見解としては、こういった課内のボウリング大会でありますとか所属内の親睦を深めるための懇親会に係る使途につきましては私的流用ではない、このような認識を持っている、このように申し上げているところでございます。
〇斉藤信委員 そんなあいまいなことをやるからだめなんですよ。公費で支出できなかったら私的流用なんですよ。結果的には公費を出しているんだから。いいですか、結果的にはボウリング大会に公費を出したんですよ。懇親会の費用に出したんですよ。本来親睦会費で負担すべきだったら、これは公費を出すべきじゃなかったと、こういうことになりませんか。
〇島村警務部長 繰り返しになりますけれども、親睦会費等で負担すべきものと考えております。ただ、先ほど来本部長が申し上げているとおり、私的流用ではないと認識しているところであります。
〇斉藤信委員 代表監査委員の意見を聞きたい。私は公費で支出すべきでないと。それは県警も認めていると。だったら、これは問題でしょう。返せばいいという問題じゃないですよね。一部の人がやったボウリング大会に公金を出したんですよ。懇親会に公金を出したんですよ。これを私的流用と言わないで何と言うんですか、監査委員の意見を聞きたい。
〇菊池監査委員 非常に難しい判断を求められると思います。ただ、それ自体を監査すれば、私どもは、これはやはり懇親会に使ったんだから不適当な事務処理だという判断をいたします。
 ただ、不正かどうかという重い判断は、これは4人の監査委員が協議しなければならない問題ですので、前段の答弁も私個人の考えと解釈していただきたいと思います。
〇斉藤信委員 今の監査委員の意見を重く受けとめていただきたい。
 次に、具体的な問題をもう少しお聞きします。
 渡された資料の11ページに、実はデジカメというのがあります、5万2、290円。これは備品では確認できませんでしたが、判定は公用で使ったと。備品でないのに公用で使ったと。21ページには、東芝PSというものが12万2、640円とあります。これも備品としては確認できないと。しかし、公用で使ったと。
 これ、東芝は何の製品だか言ってください。大体こういうそれなりのものを買って、確認できなかったらだめでしょう、証明できなかったら。これはもうまさに不正支出そのものじゃないですか。
〇島村警務部長 御指摘のデジカメ等につきましては、不適切な事務処理の調査の中で、職員からの聞き取り等から公用に使用したものと判定したものであります。
 具体的に申し上げますと、交通規制課において、平成15年7月4日に購入したデジタルカメラ1台につきましては、信号機や道路標識の状況を撮影するなどの目的で使用していたものであり、故障のため廃棄処分されたことであります。
 また、盛岡西警察署におきまして、平成17年5月10日に業者から納入された東芝─これは品目名はノートパソコンでございますが─ノートパソコンは、当時、警察署の会計課の非常勤職員が会計業務に使用していたんですけれども、ハードディスクの調子が悪くなっていたことに加え、情報流出事案の防止上、登録しているパソコン以外は使用できなくなったことから物理的に廃棄し、廃棄処分されたことが確認されております。
〇斉藤信委員 しかし、こういう備品というのは、証明できなかったら本当はだめなんですよ。口頭の証明でしょう。不正が出たときにはだめなんですよ、こういうのは。やっぱり証明能力がないと言わなくてはならない。
 次に、70ページを見てほしいんですが、これは千厩警察署です。千厩警察署の70ページに、タイヤが購入されています。これは消耗品扱いになって確認できないと。70ページは、これは平成18年3月3日、冬タイヤ、9万9、540円。平成18年3月といったら、ほとんど雪のないときですよ。そして、千厩ですからね。これが確認できないという話はないと思うんだよ。本当にこれ、パトカー等に使ったんですか。私的に使ったということじゃないんですか。
〇島村警務部長 千厩警察署におきまして、平成18年3月3日に差しかえにより納品した冬タイヤ4本につきましては、地域のパトカー、警察用語で無線警ら車と言うんですけれども、無線警ら車用のタイヤであります。
 無線警ら車につきましては、犯罪の予防と抑止、交通指導取り締まり等のため昼夜を問わず所管する区域を走行している車両でありまして、その走行距離は年間で約9万キロメートル、平均しますと1カ月約7、500キロメートルとなります。走行距離が多いことによりタイヤの摩耗も早く、冬タイヤにつきましては、1シーズンで2度の交換が必要な場合もございます。このようなことから、当時の冬タイヤは既に摩耗のため交換廃棄されており、現物を確認できなかったものであります。
〇斉藤信委員 この本数だけ何で預けで、裏金で買ったんですか。そのぐらい交換が激しかったら普通にかえればいい。不自然でしょう。
〇島村警務部長 個別の1件1件の動機については確認しておりません。
〇斉藤信委員 1シーズンで2回も履きかえるというぐらい交換しているんでしょう。ここは4件だけ入っているんですよ、裏金で、預けのお金でね。そのぐらい交換していたら、正規のルートで何で入れなかったのかと。ここだけ何で裏金でやったのかというのが問われるんですよ。あなたの説明は、さっぱり説得力がないんですよ。
 もう一つ、2枚目の資料。2枚目の資料というのは、12月報告の修正版の43ページ、これは一関警察署であります。極めて不自然なのは、象印の魔法瓶を何本も買っているんですよ。1、2、3、4ね。短期間で何でこんなに象印の魔法瓶が必要なんですか。これが捜査に必要なんですか。緊急の捜査に必要で買ったんですか。
〇島村警務部長 今時点でちょっと把握しておりません。
〇斉藤信委員 調べてみてください。預けの理由で、あなた方は、緊急に捜査で必要なときに使った、とんでもない。見てください、緊急に必要なものなんか全然買っていませんよ。まさに裏金にして好きなものを買っているんですよ。私は、本当にこの預けというのは、請求書を偽造する、そして裏金をためておくんですよ。その裏金で好きなもの買って、その帳簿はないんだから。預けというのは、まさにこれは裏金の世界ですよ。あなた方は、捜査報償費でやっているから感覚が麻痺しているんだと思うけれどもね。本当に、そういう意味では、この預けの実態というのは大変なものですよ。
 先ほど私、聞き忘れましたが、逮捕された容疑者の三菱鉛筆というのがもう山のようにありましたが、これは中身は何ですか。
〇島村警務部長 MDやDVDでございます。鉛筆という商品名になっておりますけれども、普通の鉛筆、ペンシルではございません。
〇斉藤信委員 わかりました。
 次に、じゃ、この預けというのは、11社に預け金がためられていたと。それぞれの社にどれだけの預け金があったのか、総額を示していただきたい。
〇島村警務部長 平成15年度から平成20年度までにおける預け金の発生総額の多い業者を上から順番に申し上げます。
 第1番目が2、224万円余、第2番目が994万円余、第3番目が464万円余、第4番目が281万円余、第5番目が257万円余、第6番目が47万円余、第7番目が26万円余、第8番目が12万円余、第9番目が8万円余、第10番目が1万円余、第11番目も1万円余という順番になっております。
〇斉藤信委員 この1番目、2番目、3番目ってすごいですね。これまで2、224万円も預けていたと。これはすごい癒着ですよ。すごい癒着ですよ。県警たるものが、一部の業者とこんなに癒着していいのかと。裏金の関係をつくっていたということですよ。本当に信じがたい。私は、これは、この業者にもやっぱり責任があるんだと思いますよ。業者の名前を公表すべきじゃないですか。どうですか、本部長。
〇保住警察本部長 納入業者に関する御質問でございますが、今回の調査におきましては、納入業者の方々の名前を公表しないということで協力をいただいているところでございます。したがいまして、業者名の公表をするという考えはございません。
 ただ、御指摘のとおり、納入取引自体につきましては、やはり今回のような調査結果を踏まえまして、これまで以上に適正な手続を行っていただくよう協力を求めていきたい、このように考えているところでございます。
〇斉藤信委員 本当に異常な癒着、これは県庁の場合もそうでした。恐らくこれはダブっていると思います。ダブっているとなると、本当に3、000万円、4、000万円ということになってしまうんですよ。本当にこれは、私は、県庁、県警と一部企業との癒着ということになるのではないか。ぜひ監査委員にもこれを厳しく監査していただきたい。
 それで、この問題の最後になりますが、この調査報告書、不適切な事務処理発生の背景と原因分析。この背景、発生原因、最初に指摘されているのが職員の意識なんですよ。もう数年じゃないですよね、平成16年からでしたか、6年間の調査をしているけれども、そのときには残金があったわけだから、それ以前からやっていたと。いつから始まったかわからないぐらい長期間に、そして、今わかる範囲でも2億2、000万円の不正があったと。これは職員の意識の問題じゃないと思いますよ。これは組織的な不正ですよ。幹部職員の責任こそ問われているのではないですか。
 私は、こういう問題の設定が全く間違っていると思う。個々の職員の意識の問題にすげかえたら、この問題は解決しません。なぜ長期にわたって組織的に全部署でこういうことが起きたのか。それは職員の意識の問題じゃない。まさに組織の問題。本部長、県警幹部職員の問題じゃないですか。管理監督責任にかかわる問題じゃないですか、本部長。
〇保住警察本部長 不適切な事務処理発生の背景に関する質問でございました。
 委員御指摘のとおり、県警察全46所属におきまして不適切な事務処理が確認されたことは、まことに申しわけないことと考えております。発生の背景といたしまして、報告書でも4点記載をしているところでございまして、御指摘のような管理監督者等が会計事務の実態を十分に把握していなかったためチェック機能が不十分だった、こういったことも要因として指摘しているところでございます。
 こういった分析からしますと、やはり担当者任せにしておって、そして、危機管理が不十分であった、こういったことから今回の問題が起こってしまった、そういう側面もある、このように認識しているところでございます。
〇小田島峰雄委員長 斉藤信委員に申し上げます。委員の質疑が長時間に及んでおります。世話人会の申し合わせを踏まえて質疑をされるよう、議事の進行に御協力をお願いいたします。
 なお、答弁に要したロスタイムはカウントいたしておりませんので、念のため申し上げます。
〇斉藤信委員 まさに歴史的な県警の不正問題という集中審議が求められたというので、私は本題に入れないでいた。これから本題に入って。
 実は、ことしの2月7日、岩手県警技能指導官係長を送る会というのが開催されました。これには、県警幹部職員50人、パチンコ業界その他五十数人出席しているんですよ。これ、パチンコ業界といったら許認可権限にかかわる者ですよ。この係長を送る会というのはだれが主催して、なぜ県警の職員が50人も参加したんですか。
〇佐藤警務部参事官兼首席監察官 委員お尋ねの会ですけれども、それは、ある印刷物が掲載したものだと思っておりますが、当該記事内容によれば、県警の現職幹部、警察官が招待された等という内容になっておりますが、送別会に参加した職員から確認しましたところ、同勤した警察官有志が主催し、完全会費制で実施されたということであります。ですので、当該印刷物に係る記事内容につきましては、事実とは異なると承知しております。
〇斉藤信委員 とんでもない話です。実は、この係長を係る送別会は2回開かれているんですよ。県警の主催した送別会、もう一つがこれなんですよ。これには会費も何も書いていない。それで警察官50人。大体メーンテーブルには、首席監察官、そしてパチンコ業界の理事長が座っているんですよ。こんな許認可権限のある方々と同席して懇親すること自身がナンセンスじゃないですか。
 送別会は2回開かれているんですよ。違いますか。
〇佐藤警務部参事官兼首席監察官 出席した職員から確認した結果、主催は警察官有志で行われたものでありまして、会費は1万円を個々出席者の自己負担、いわゆる全くの割り勘で行ったものであります。
 また、飲食後、金額に見合うもので領収書も発行されておるというようなことでございます。
 2度行われたというのは、2度目は刑事部の職員のみでやったということでございます。
〇斉藤信委員 私は、会費を取ったということは全くないと思います。
 それで、警察官有志が主催したと。そこにパチンコ業界から何十人も呼ぶんですか。それがおかしいでしょう。警察官有志が主催して、許認可、大体、この係長がパチンコ業界に天下ったわけですよ。それでそのパチンコ業界が、実質は主催してやられたんですよ、これは。
 大体、警察官有志がパチンコ業界を呼んで送る会をやること自身がナンセンスじゃないですか。あなた方の言うことだっておかしいでしょう。
〇佐藤警務部参事官兼首席監察官 主催は、同勤した有志が発起人となりまして、先輩としてお世話になった当該警部補を送別する趣旨で計画して開催したと聞いております。
 一般人が同会に参加した経緯につきましては、当該警部補が、民間の方々と合わせて一度の開催を希望したと聞いております。
〇斉藤信委員 許認可権限、岩手県遊戯組合理事長を含め、パチンコ業界から13人参加している。パチンコ業界。警察官有志が、こういう方々を招いて、あいさつまでさせて大宴会をやったんですよ。そこに呼ばれているのが、呼ばれたのか呼んだのかわからないけれども、本来、警察で、警察官の職務、倫理を監督すべき首席監察官ですよ。信じがたいことですね、これ。
 本部長、警察官有志が許認可権限にかかわるこういうパチンコ業界の幹部を呼んで、こういう酒席の宴を持つということはまともなことですか。
〇保住警察本部長 御指摘の質問の前に、前提条件につきまして、事実関係につきましては、先ほど私どもの首席監察官から申し述べたとおりでございますので、その事実関係について違うところについては、ちょっと認識に相違がございます。
 ただ、私どもの担当のほうで出席した職員から確認いたしました。警察行政あるいは捜査の公平性を疑わせるようなものはない、このような認識をしております。
 ただ、しかしながら、部外者との飲食に当たっては、無用な誤解、疑惑、不信を招かず、特にも慎重であらねばならぬものでありまして、厳に軽率な行動を慎むべきでありまして、こういった観点から、今後とも職員の指導を徹底してまいりたい、このように思っております。
〇斉藤信委員 県職員の倫理条例、それに関する規則というものがあるんですね。禁止行為第4条、そして、その第4条には、たくさんあるんだけれども、ここにかかわることを言うと、利害関係者から供応接待を受けること、利害関係者とともに飲食すること、利害関係者とともに遊戯またはゴルフをすること、これは禁止事項なんですよ。利害関係者とともに飲食すること、これは禁止事項ですよ。
 そして、そういうことを管理監督する首席監察官が参加していたということ自身、異常なことじゃないですか。
 改めてもう一回聞く。本部長、本部長。
〇保住警察本部長 職員の職務に係る倫理の保持に関する条例及び同規則に関する御質問でございました。
 個別の事案がこういった条例あるいは規則に違反するかどうかというのは、個別の事案に即して具体的に判断されるべきものと考えております。しかしながら、一般論として申し上げれば、部外者と飲食することについては、多数の者が出席する式典、総会その他の催し物においては、自己の費用を負担する場合には、こういった条例あるいは規則に基づく届け出等の制限がなされないものと認識しております。
〇小田島峰雄委員長 斉藤信委員に重ねて申し上げます。委員の質疑に係る時間が40分を超えております。長時間に及んでおります。何とぞ議事の進行に御協力願います。
〇斉藤信委員 残念ながら最後ですが、いいですか、これは、係長がパチンコ業界に天下る、その送別会なんですよ。そして、あなた方の言い分だと、警察官有志が主催した。警察官が主催して、パチンコ業界の幹部、お偉方をわんさと呼んで100人規模の宴会をやったんですよ。私は、本当にこれは異常だと。許認可権限のあるこういう利害関係者とやるときには、事前の通告が必要ですよね。事前の通告がありましたか。それを許可したんですか。これを聞いて終わります。
〇佐藤警務部参事官兼首席監察官 先ほどの条例と規則の第4条第1項第7号、それから同規則の2項第5号、第7号から言いまして、多数の者が出席する式典、総会等の催し物における飲食等におきましては、届け出を要しないと理解しております。
〇島村警務部長 先ほどの一関警察署の電動ポットの関係、今、調べましたので御説明させていただきます。
 捜査本部用に新規に購入したことや駐在所の来客用のポットの更新のために購入したため、複数購入したということでございます。
〇小田島峰雄委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇阿部富雄委員 不正経理についてお聞きいたします。
 預かり金の関係について申し上げますと、平成15年から20年までの6年間を調査対象として4、300万円余、それから平成14年度以前からの繰り越しが726万円余、さらに、不正経理が明らかになって、現在でも預け金が解消されず99万円余が残っているわけでありますけれども、こういう一連の期間を見ますと、相当以前からこうした預け金制度といいますか不正経理が行われていたものと想定されるわけでありますが、いつごろからこうした不正経理が行われていたと推測されているのかお聞きします。
〇島村警務部長 会計書類というものの保存期間がありまして、昔の書類はもうないので、確たる証拠としていつからというのは申し上げられないんですけれども、一部職員の聞き取り作業の中におきましては、昭和50年あるいは昭和60年代から既にあったというような供述(後刻「職員のヒアリングを通じての回答」に訂正)もございます。
〇阿部富雄委員 昭和50年代あるいは60年代からもう行われていたということでありますと、かなりの期間にわたってこうした不正経理が行われていたということが明らかですね。しかも、先ほど来の答弁でも明らかなように、県警察の全所属、46所属全部で行われていた。
 知事部局も去年問題になりましたけれども、知事部局は、農林水産部、県土整備部などの一部だったんですが、県警察は全部の局署、所属所という、こういう極めて異例な中身だと私は思っていますし、申しわけないんですけれども、きょう出席されている幹部の皆さんも、かつては第一線の所属長を経験された方々もいらっしゃるわけであります。こういうことを考えると、やっぱり組織的に行われてきたと見られても仕方ないのではないでしょうか。その辺についてはどうでしょうか。
〇島村警務部長 ちょっと今、供述と申し上げてしまったんですけれども、職員のヒアリングを通じての回答に答弁を訂正させていただきたいと思っております。申しわけございません。
 組織的ということにつきましては、上司あるいは上司などの指示に基づいて預け行為をやりなさいというようなことは確認されておりませんので、組織ぐるみでありますとか、組織的な預けということではないと認識しております。
〇阿部富雄委員 先ほど斉藤信委員も言っていましたけれども、職員の意識問題にすりかえてしまっている。県民感情からすれば、何だ県警察よというのが一般的な見方ですよ。それから、それこそ第一線で一生懸命頑張っている警察職員の皆さん、何でこんなことするんだと、悔しさと落胆でいっぱいですよ。そして、何でこんなことまでしてやらなければならないという、現場の方々が士気を低下させている、こういう実態ですよ。
 やっぱりきちっと、一部の職員、担当者だけに押しつけるという形じゃなくて、県警察として責任ある態度を明確にしないと、私は、この問題については県民の理解は得られないと思いますけれども、いかがですか。
〇島村警務部長 必ずしも職員に押しつけていて、職員意識改革だけが問題だということを言っているつもりではございませんで、報告書にも書いてありますとおり、職員の意識の問題やルール上の問題や体制上の問題が原因だと考えております。
 特に、体制上の問題につきましては、先ほど斉藤委員からの質問にも御答弁しましたけれども、管理監督者が会計事務の処理を十分に把握しておらず、担当者任せにしていたという点は、私を含めまして幹部職員も襟を正さなければいけない。末端の─末端と言うと語弊がありますけれども、会計係長さん方がいけないと言っているつもりは毛頭ございませんで、担当者任せにして、組織的管理が不十分であったということは、大きな問題であると考えているところでございます。
〇阿部富雄委員 これ以上の答弁はないのかなと思いますけれども、やっぱり県民感情からすれば、これは絶対許されることではない。私は、きちっと県警察が組織的に責任を明確にするということが大事なことだと思っています。特に、担当者任せであったとか、組織的管理ができなかった、これはまさに組織的な問題だと思いますし、会計事務担当者が、個人としてお金を預けたわけじゃないでしょう。何々所属の会計担当だれだれということで金を預けているわけでしょう。やっぱりその辺は、県警察はきちっと認めて、県民に対して責任を負うという、それぐらいの姿勢があっていいのではないですか。
〇島村警務部長 先ほど申し上げましたとおり、組織的管理が不十分であったというのは、管理監督者の問題として大いに反省し、今後、警察署長あるいは本部の所属長、課長もしっかりと会計経理について関心を持って再発防止対策に取り組んでいかなければならないと。会計職員の係長さん方だけの問題ではないと認識しております。
〇阿部富雄委員 ぜひ県民に信頼される、そういう対応をとっていただきたい、このことだけ申し上げて終わりたいと思います。
 それから、返還金についてでありますけれども、今後、警察庁であるとか岩手県と協議をして決定することになるんだろうと思いますが、今回の一連の不正経理によって、返還金はどの程度見込まれているのか。それから、加算金が当然かかってくるわけでありますけれども、加算金についてはどの程度になると見込んでおられるのかお聞きします。
〇島村警務部長 大変申しわけございませんが、今後、ただいま委員がおっしゃったような機関と協議をして検討してまいりますので、現時点で加算金が幾らでありますとか、国への返還金が幾らでありますとかといったことを申し上げる金額を持ち合わせておりません。申しわけございません。
〇阿部富雄委員 県警察の能力を疑うわけじゃないんですけれども、一般的に、こういうことが出れば、不正経理の部分は幾らというのも出て、法に照らし合わせて、いわゆる適正化法に合わせればこれぐらいの金額というのは当然出てくるのではないですか。やっぱりそういうこともやれないところに、こういう問題を起こしているのではないですか。
 なぜ私がこれを聞くかというと、返還金については、国庫支出経費の部分と、それから岩手県の支弁に係る経費とあるわけですよ。そうすると、国庫支弁に係る経費については、これは国が払うことになるわけですか、それとも岩手県が払うことになるんですか。岩手県の支弁に係る部分は、もちろん岩手県が、岩手県に返してもらって、また岩手県が払う、こういう形になると思いますけれども、国の部分はどういうふうになるんですか。
〇島村警務部長 先ほど、なぜ今言えないのかとの御質問と、あと国費の関係でありますけれども、国費につきましては、国費の関係ですので、この場での御答弁は御容赦いただきたいと思いますし、県費につきましては、預け、差しかえ、一括払い、翌年度納入、前年度納入、先払い、契約前納入と七つの態様がございまして、先払いと契約前納入は、今回新設した二つの態様でございます。こういったことも踏まえますと、どの範囲が補助金適正化法で言うところの対象となるかにつきまして、今現在、全く協議等もしていないものですから、そういった事情で、今現在、大まかな額でも申し上げられないという事情でございます。
〇阿部富雄委員 何回も言うのは恐縮ですけれども、やっぱりその辺が、県警察の事務処理能力といいますか、欠落しているところじゃないかと思いますので、速やかにそういう対応はすべきだと私は思います。
 次に、職員負担についてですけれども、報告書では、他県や知事部局などの例を参考として、競争性が働かなかったことによる損害などの内容を整理した上でとありますが、競争性が働かなかったことによる損害などの、などというのは何々を指すんですか。
〇島村警務部長 競争性が働かなかった、入札等をしてやれば、正規の手続でやればもうちょっと安く買えたのにということで高くなっている部分が競争性が働かなかったことによる損害で、その後に、よるなどというのは、例えば利息等、年利が今2%であったり、5%であったり、そういった利息の部分を、などとして考えております。
〇阿部富雄委員 そこで、知事部局の不正経理でやっぱり同じような職員負担の考え方を示したわけですね。ただ、議会は、それでは不十分だということで、割高部分に限らず、県民負担を幾らかでも、少しでも少なくするように、こういうことを申し上げてきているわけであります。
 知事部局の考え方、加算金についてですけれども、従来、加算金については、事務処理上のミスなどで発生したことに対しては支払ってこなかった、職員負担を求めてこなかった。したがって、今回も不正経理にかかわる加算金については、従来の例にならって、加算金については職員負担を求めない、こういう言い方をしているわけです。それは、あくまでも今までは事務処理上のミスということなんですけれども、今回は、明らかに不正経理という事態によって加算金が発生するわけですから、私は、当然その部分も含めて職員負担は考えるべきだと考えておりますけれども、いかがですか。
〇島村警務部長 先般の総務常任委員会での阿部委員の御議論は承知しております。現時点では、ここに書いてありますとおり、競争性が働かなかったことによる損害等の内容を整理した上で、今後、職員等に一定の負担を求めることを検討してまいりたいと考えております。
〇阿部富雄委員 書かれている中身は、競争性が働かなかったことによる損害等で、その競争性が働かなかった部分と、その等というのは利息だと。私は、その利息だけでは不十分だよと。加算金というものは、不正経理によって発生したものだよと。したがって、加算金も当然職員負担によるべきものではないですか、このことを言っているわけですが、いかがですか。
〇島村警務部長 先般の総務常任委員会における阿部委員と総務部長あるいは総務部副部長とのやりとりは、私、その場に同席しておりましたので重々承知しております。その上で、今申し上げたように、競争性が働かなかったことによる損害等の内容を整理した上で、職員等に一定の負担を求めることを今後検討してまいりたいと考えております。
〇阿部富雄委員 総務委員会での議論を聞いているということですけれども、議会は、知事部局が加算金については、執行部が出さないということだったから、それではだめだ、県民負担を少しでも少なくしなさいよという、そういう過程があって議会が決議を上げたんですよ。それは御存じですね。ぜひ私は、その議会の意思に沿って対応していただきたい。このことを強く求めて、終わります。
〇小田島峰雄委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇小田島峰雄委員長 質疑がないようでありますので、警察本部関係の質疑をこれで終わります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時5分 散 会

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