平成21年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成21年10月14日(水)
1開会  午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長     浅 田 和 夫
  議事管理担当課長 菊 池 達 也
  主任主査     石木田 浩 美
  主任主査     岩 渕 伸 也
  主任主査     鈴 木 文 彦
  主任主査     藤 原 由喜江
  主査       菅 原 俊 樹
  主査       大 森 健 一
1説明員
  知事       達 増 拓 也
  副知事      宮 舘 壽 喜
  企画理事     藤 尾 善 一
  会計管理者    古 内 保 之
  総合政策部長   高前田 寿 幸
  副部長兼
  首席政策監    中 村 一 郎
  政策推進課
  総括課長     木 村 卓 也
  政策課長     小 向 正 悟
  評価課長     高 橋   勉

  地域振興部長   加 藤 主 税
  副部長兼
  地域企画室長   工 藤 孝 男
  地域振興支援室長 菊 池 正 佳
  市町村課総括課長 小 原 敏 文

  警察本部長    保 住 正 保
  警務部長     島 村   英
  会計課長     内 山 新 次
  議会事務局長   大 矢 正 昭
  議会事務局次長  水 野 和 彦
  総務課総括課長  伊 藤 孝 栄
  政務調査課長   高 橋   徹

  総務部長     菅 野 洋 樹
  副部長兼総務室長 菊 池 俊 夫
  総合防災室長   大 谷 陽一郎
  参事兼人事課
  総括課長     高 橋 嘉 行
  総務室管理課長  八重樫 一 洋
  法務私学課長   黒 田 俊 彦
  入札課長     金 田   学
  予算調製課
  総括課長     八 矢   拓
  税務課総括課長  八重樫 幸 治
  管財課総括課長  吉 田   拓
  防災消防課長   高 橋   誠
  防災危機管理監  越 野 修 三
  総務事務
  センター所長   切 金   精

  会計管理者兼
  出納局長     古 内 保 之
  出納局管理課長  小 守 武 義
  指導審査課長   南 舘 俊 則

  人事委員会
  事務局長     熊 田   淳
  職員課総括課長  及 川   明

  監査委員     菊 池 武 利
  監査委員     谷 地 信 子
  監査委員事務局長 千 田   永
  監査第一課
  総括課長     奈須川 博 司
  監査第二課
  総括課長     小 原 一 信
〇小田島峰雄委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成20年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第15号平成20年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算まで、決算15件を一括議題といたします。
 本日は、昨日に引き続き総括質疑を行った後、議会、総務部、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 これより、昨日に引き続き総括説明に対する総括質疑を行います。阿部富雄委員。
   〔阿部富雄委員質問者席に着く〕
〇阿部富雄委員 県は岩手県緊急雇用対策本部を平成20年12月10日に設置し、生活支援、雇用維持、就労支援、雇用の創出の四つの柱で取り組んできました。その後、本年8月に岩手県経済・雇用対策本部へ改組しましたが、緊急雇用対策本部の成果と課題をどうとらえているのかお聞きします。
〇達増知事 昨年12月、岩手県緊急雇用対策本部を設置いたしまして、まず、四つの柱の第1、生活支援といたしましては、県営住宅の提供などの住宅支援、生活福祉資金、生活保護の適用などの生活費支援、県立大学や県立高校等の授業料減免、修学資金貸し付けなどの教育費支援などを行ってまいりました。第2の柱、雇用維持としては、雇用調整助成金の周知や経営安定資金の融資枠拡大などを行ってまいりました。第3の柱、雇用創出としては、雇用関係基金を活用した短期の雇用創出や産業振興施策による中長期の雇用創出に取り組んでまいりました。そして第4の柱、就業支援といたしましては、いわて求職者総合支援センターなどの設置や職業訓練の実施などを行ってきたところであります。
 これらの施策によりまして、離職を余儀なくされた方々の生活の下支え、雇用の維持、再就職支援などに一定の成果を上げていると認識しております。
 今後の課題といたしましては、地域経済の活性化による持続的な雇用の拡大と企業の再編等による離職者への対応が課題と考えておりまして、岩手県緊急雇用対策本部を改組して、岩手県経済・雇用対策本部として全庁挙げて経済対策や雇用対策に努めてまいります。
〇阿部富雄委員 金融危機以前の有効求職者数は2万9、000人から3万人台、有効求人数は1万7、000人台であり、その差約1万3、000人台が求人不足となっていました。金融危機以降は、有効求職者数は4万人から4万3、000人台、有効求人数は1万2、000人台で推移しております。その差2万8、000人台が求人不足となっておりますが、以前の水準に戻すには1万5、000人台の雇用創出が望まれるところであり、どのような対策を講じようとしているのかお聞きします。
〇達増知事 県では、求人不足数の解消に向けた雇用創出の取り組みといたしまして、平成21年度の9月補正時点におきましては、地場企業を中心とした新事業の創出や新たな企業の誘致、農林水産業の振興など産業振興施策により1、302人、雇用対策の二つの基金を活用した事業により3、829人、合計5、131人の新規雇用を見込んでいるところであります。また、農林水産業及び関連産業への就業促進アクションプランなど、関係団体と一体となった雇用創出の取り組みも推進してまいります。
 雇用環境の改善に向けましては、何よりも民間における雇用力の回復が重要でありますので、地域経済の下支えや活性化のための取り組みを推進してまいります。これらの取り組みを通じまして、より多くの雇用創出に努めてまいります。
〇阿部富雄委員 平成21年度の雇用創出計画は、6月に産業振興施策で1、290人、基金活用で1、836人、計3、126人に上方修正しております。金融危機以前の水準に戻すために必要な雇用創出1万5、000人台から大きくかけ離れているわけでありますが、現状を直視し、実態に合わせた雇用創出計画を策定すべきと考えますけれども、どう対応するのかお聞きします。
〇達増知事 県の雇用創出目標につきましては、平成21年度の当初予算編成段階から、緊急雇用創出事業臨時特例基金の追加配分や事業費の配分計画の前倒しなどによりまして、6月補正、9月補正と上方修正をしているところであります。
 雇用環境の改善に向けては、民間における雇用力の回復が重要でありまして、県の経済、雇用対策の取り組みが契機となり、民間企業による雇用の拡大に波及して雇用情勢が改善していくことを期待しております。
〇阿部富雄委員 そこで、雇用創出事業でありますけれども、基金77億円を、6月補正の段階では県1、市町村2の割合で平成21年度から3カ年で4対3対3の割合で実施する、ふるさと雇用再生特別機金事業は、基金64億9、000万円で、県1、市町村2の割合で平成21年度から3カ年で3分の1ずつ実施するとしておりますが、依然として雇用情勢が改善されない中で、年度割の予算にこだわることなく、前倒し実施することにより成果を上げることも必要でありますけれども、弾力的な活用を図るべきだと考えますが、対応をお聞きします。
〇達増知事 緊急雇用創出事業につきましては、6月時点では、平成20年度から平成21年度に4割、平成22年度及び平成23年度に各3割を配分する想定で事業化に取り組むとしたところでありますが、今回、9月時点では、雇用情勢が依然として厳しい状況にありますことから、その配分を平成20年度から平成21年度に5割、そして平成22年度に4割、平成23年度に1割とすることといたしまして、これをめどに、県と市町村が一体となり雇用の確保に努めることとしたところであります。
 今後も雇用情勢が改善されない場合には、さらに配分を見直すなどして、状況に応じて機動的、弾力的に対応してまいりたいと思います。
〇阿部富雄委員 雇用創出というのは、県財政の支出の伴う事業の中で創出することが効果的だと考えております。各部局が雇用創出を常に意識し、財政支出する際に雇用確保が可能かどうか検討し、支出先に要請するなど効果を上げるべきと考えますけれども、その取り組みについてお聞きいたします。
〇達増知事 雇用の創出につきましては、経済・雇用対策本部を中心に、各部局ごとの取り組みはもちろんでありますが、部局の枠を超えて全庁一丸となって取り組んでいるところであります。
 具体的な取り組みとして、緊急雇用創出事業においては平成21年度95事業、1、014人の新規雇用を、また、ふるさと雇用再生特別基金事業においては33事業、182人の新規雇用を創出する事業が各部局により取り組まれております。
 産業振興の施策についても、新事業創出・経営支援、企業誘致、農林水産業振興、福祉施設整備としまして計28事業で1、302人の雇用創出を目標に、さらに農林水産業及び関連産業への就業アクションプランによる雇用拡大など、それぞれの担当部局が取り組んでいるところであります。
 また、経済対策関連としまして、公共事業の前倒し発注や環境対応車導入促進事業などを各部局がそれぞれの所管事業を活用しながら直接間接的に雇用創出につながるよう意識して積極的に推進しているところでございます。
〇阿部富雄委員 職業相談、職業紹介及び生活相談、就業相談をワンストップで実施するため、いわて地域共同就職支援センターを盛岡市に、いわて求職者総合支援センターを奥州市に設置しています。これらセンターの活用状況、特にも就職に結びついた件数はどのようになっているのかお聞きします。
〇宮舘副知事 いわて地域共同就職支援センターの利用者数は、9月末時点で延べ1万8、364人、うち職業相談、職業紹介が7、003人、生活・就労相談が463人などとなっております。このうち就職に結びついた件数は8月末時点で251件となっております。
 また、いわて求職者総合支援センターの利用者数は、9月末時点で延べ1万5、230人、うち職業相談、職業紹介が3、339人、生活・就労相談が479人などとなっております。このうち就職に結びついた件数は8月末時点で214件となっております。
〇阿部富雄委員 地域のジョブカフェの体制として北上、一関に企業等巡回員を増員していますし、このほかにジョブカフェは盛岡、宮古、二戸、久慈、大船渡に設置していますが、ジョブカフェの活用状況はどうなっているのか、また、どのように就職に結びついているのかお聞きします。
〇宮舘副知事 平成16年度から設置されておりますジョブカフェは、現在、県内7カ所に設置されておりまして、平成21年度の利用者数は9月末までの累計で2万6、550人となっておりまして、昨年同期では481人増となっております。
 利用者は、キャリアカウンセリング、適性診断、スキルアップのための各種セミナー、Eラーニングなどのサービスを受けておりますが、このうち、利用者からの聞き取りなどによりまして就職したことを把握できた人数は1、462人でございます。
〇阿部富雄委員 いずれジョブカフェの果たす役割も大きいわけですが、釜石地区がジョブカフェの空白地域となっています。当該市と連携して設置し、県内どこでも必要な就職相談などを受けられるよう取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇宮舘副知事 現在、釜石地方振興局内に地域ジョブカフェとほぼ同様の機能を持つ就業支援センターを設置しておりまして、若者を含めた釜石、大槌地域における雇用、労働に関するあらゆる相談への対応等を行っているところであります。今後におきましても、市町及び釜石公共職業安定所など関係機関と連携を図りながら、地域の実情に応じた雇用関連サービスを提供できるように努めてまいります。
 なお、地域ジョブカフェは県と地域の市町村が共同で設置、運営しているものでありまして、基本的には、地元におけるニーズと必要性が高いと認められる場合には関係市町村、関係機関との協議により設置することとしているものでありますが、釜石地域から具体の相談があった場合には十分検討してまいりたいと考えております。
〇阿部富雄委員 2009年度年次経済報告書では、金融危機による景気の急激な悪化を受けて余剰人員となっている企業内失業者が1980年以降で最大の607万人に上ると推計しておりますし、過去10年間で、雇用者のうち年収が300万円未満の層だけが増加し、全体の過半数に達していること、非正規労働者の増加による賃金格差の拡大が続いていることを指摘しています。
 県内の雇用調整助成金等に係る休業等実施計画届受理状況の平成21年度の各月別を見ると、事業所数で600前後、対象者で2万人から3万1、000人となっています。県内の企業内失業者の実態をどうとらえているのか、また、これらへの対応についてお聞きします。
〇達増知事 いずれにせよ非常に深刻な事態になっておりますので、きちんと県としても対応してまいりたいと思います。
〇阿部富雄委員 ぜひ実態をとらえて、失業という事態にならないよう、きちっと県のほうでも対応していただければと思います。
 次に、生活支援などのうち、特に生活保護については、金融危機以降、平成20年10月から平成21年7月までに申請が1、744件、開始が1、402件と増加しており、申請の理由は収入減が多くなっています。342件が開始されずにおりますけれども、開始されなかった理由はどのようなものであったのか、開始されなかった者への生活支援はどのようになっているのかお聞きします。
〇達増知事 今、委員から342件御指摘がありましたその主な内訳を申し上げますと、申請者の収入や預貯金が保護基準を上回ることによるものが206件、生活福祉資金など生活保護以外の制度を活用することとしたものが34件、申請後に雇用先を確保し、保護を要しないこととなったものが20件などとなっております。
 なお、保護が開始されなかった申請者に対しましては、収入や預貯金の減少など生活状況に変化があった場合においては改めて保護申請ができますことや、低所得者向けに生活費等を貸し付ける生活福祉資金制度や医療費負担を大幅に軽減できる高額療養費支給制度の活用等について助言指導を行っているところであります。
〇阿部富雄委員 次に、離職者等に対する職業訓練は65コース、1、147名に拡大しました。既に訓練期間を修了した訓練科目もあると思いますが、修了者の再就職状況はどうなっているのかお聞きします。
〇達増知事 10月2日現在、OA事務系等を中心に13コース、196人が修了し、就職者は40人となっております。
〇阿部富雄委員 そこで、訓練の必要性はわかるわけですけれども、効果的な訓練を実施するという考え方に立てば、再就職先の企業に内定を出してもらって、企業が希望する職業訓練を行う方法も有効な手段になり得ると思います。企業との連携を図った訓練を積極的に取り入れることによって雇用拡大につながるものと思いますけれども、対応はいかがでしょうか。
〇達増知事 委員提案のような訓練方式につきましては、現在、ジョブ・カード制度の中で雇用型訓練として運用されており、盛岡商工会議所では、平成20年8月に岩手県地域ジョブ・カードセンターを開所し、本制度への協力企業の開拓を行っております。開所から本年9月までに本制度を利用して雇用型訓練を行った企業は延べ40社、74名となっております。
 県といたしましては、今後もジョブ・カード制度の積極的な活用について普及、啓発してまいります。
〇阿部富雄委員 次に、新規高校卒業予定者の就職についてお聞きしますが、来年3月の高校卒業予定者の職業紹介状況は、7月末現在、昨年と同時期のほぼ半分に減少している状況であります。このままでは、就職しないまま失業するという事態を招きかねないと思います。思い切った雇用補助金制度を創設するなどして求人数の増加を図るべきと考えますが、対応はいかがでしょうか。
〇達増知事 企業においては、経済情勢の厳しい今のようなときこそ優秀な人材を確保できるチャンスでもあることを理解していただきながら、できる限り新規高卒者の雇用拡大に向けて県としても働きかけることが必要であり、少しでも多くの新規高卒者が就職できるよう、その取り組みを最優先と考えているところでございます。
〇阿部富雄委員 ぜひその具体の施策をつくって対応していかないと私は実効にならないと思いますので、実効性を上げる取り組みをお願いしたいと思います。
 最後になると思いますけれども、非常に景気に大きな影響を受ける企業が県内でも多いわけでありますが、景気に影響を受けない産業や業種も県政に位置づける必要があると思います。どういう中身の産業を位置づけようと県のほうでは考えていらっしゃるのかお聞きして終わります。
〇達増知事 いわゆる内需主導型の経済基盤を地域において構築し、そして安定的な雇用を維持、創出していくことが重要であります。そのためには、長期的な視野に立ったものづくり産業の振興とともに、地域の特性や資源を最大限に生かした産業の振興によって、県外から安定的にいわゆる外貨を獲得する域外市場産業のようなものを強化することが重要であります。また、得られた所得を県内で循環させる内需主導型の経済基盤を構築していくことで商業やサービス業の振興を図り、地域経済を安定的、持続的に成長させていくことが必要と考えております。
 こうした考え方は、新しい長期計画の中にも、国際競争力の高いものづくり産業の振興とあわせ、農林水産業、食産業、観光産業など地域資源型産業の振興に取り組むとともに、さらに、本格的な人口減少、少子・高齢社会の到来を踏まえて、今後、成長が期待されます医療機器産業や健康長寿関連産業、そして環境関連産業などの育成を重点的に進めていく方向が盛り込まれているところであります。
 こうしたことから、現在策定中の新しい長期計画のもとで、計画に盛り込まれた産業振興に向けて、関係部局が緊密な連携を図りながら総合的に取り組んでいくことができると考えております。
〇小田島峰雄委員長 次に、及川あつし委員。
   〔及川あつし委員質問者席に着く〕
〇及川あつし委員 1点目は、県警察本部の不適切な事務処理に関して、知事の対応についてお伺いしたいと思います。
 この質問の前提には、私も前からちょっと不思議だと思っておりましたのは、昨年この委員会でもいろいろ議論がありました不適切な事務処理に関しては、知事部局において平成20年度の分、保健福祉部で2万1、000円だけだったと思っているんです。しかし、今回、警察からの資料によれば、きのうも御答弁がありましたように6様態で1、495万2、824円。知事部局が2万1、000円、警察本部が1、495万円余。この違いは何なのかと前から実は思っておりました。
 そういう前提に立ってお伺いしたいわけですが、まず知事は、今回の警察本部の不正経理事案に関して、決算の議案の提出に至るまでどのような御対応をとってきたのかお伺いしたいと思います。
 また、他県でも、警察本部に関していろいろな事案が出たときには、随時監査、特別監査、いろいろな言い方があるようですが、やってきたようであります。今般、随時監査をするという報告を受けているわけでございますけれども、会計上の諸問題に関して各都道府県の知事の対応をどの程度承知して今回の対応としたのか、他県の事例も引き合いに出しながら知事の一連の対応についてまずはお伺いしたいと思います。
〇達増知事 まず、今回の事案に対する対応でございますが、再調査に着手して以来、総務部を通じて決算議会前には県議会に対して調査結果を報告するよう県警本部に要請してきたところであり、10月1日には、私から県警本部長に対して直接その旨伝えたところであります。そして、10月5日には、県警本部長から現時点での調査状況について県議会に中間報告を行いたい旨と調査結果の概要について報告があったところであります。
 他県の事例についてでありますが、例えば、最近、千葉県においては警察本部も含めた県の経理問題にかかわる内部調査を実施し、先月公表していますけれども、警察本部に関する調査については、警察本部自身の責任において調査を実施したと聞いております。
〇及川あつし委員 知事、僕ちょっと不思議だと思ったのは、いわゆる知事部局に関しては平成20年2月18日から22日に会計実地検査が入っていますよね。去年の決算特別委員会の段階でもいろいろ議論がありました。知事の初動というか、前の総務部長もきちっと他部局に対して警告を発しなかったのではないか、こういう議論も昨年あったわけであります。そういう問題意識からいいますと、警察本部が平成20年度、1、500万円近いこういう不適切な事務処理があったということは、会計実地検査が平成20年2月18日から22日に入ったということが多分認知されていなかったのではないかと私は思うわけでありますけれども、そこら辺の情報の共有というのはどうなっていたか、御答弁できる方がいたらお願いしたいと思います。
〇菅野総務部長 知事部局の発端につきましては、委員御承知のとおり、いわゆる公共事業に関する会計実地検査について問題点が指摘されたところでございますが、ただ、その時点におきましては、前回、御審査いただいた際にいろいろ御議論いただいたとおり、庁内での情報共有が必ずしも十分ではなかったという反省点は私どもも持ってございます。
 したがいまして、会計実地検査におきましては、特に会計検査院から国会報告までについては一切情報を明らかにするなという指示を受けた点もございますが、ただ、いずれにいたしましても、庁内各部局における情報の共有、それから、それに対する適切な対応をどうできたのかという部分については私どもとして反省材料だったと考えております。
〇及川あつし委員 今、総務部長から御答弁があったように、知事部局内の情報共有も十分ではなかったということは昨年の決算特別委員会、また、今の答弁であったとおりだと思うわけですが、知事は県警本部長に対して直接的な指揮権とか監督権はないわけでありますけれども、これも昨年同様、情報の共有ができていれば、平成20年度に関して警察本部でこんなに多額の不適切な事務処理はなかったのではないかと思われてなりませんので、その点については改めて指摘しておきたいと思います。
 あと、知事の随時監査、特別監査の対応でありますが、これについては、議会としても議決をすれば監査委員会に対して特別監査、随時監査の要求はできるわけでありますので一方的に知事の対応について云々するつもりはありませんけれども、今思えば、警察本部として調査中であるといえども、きのうまでの議論でもあったように、きちっとした決算審議をするのであれば、もう少し早く議会も、また知事も随時監査、特別監査をしてもよかったのかなという気もするわけですが、御所見があれば知事に伺いたいと思います。
〇達増知事 本件において監査委員が随時監査を行うと決断していますので、その状況を注視してまいりたいと思います。
〇及川あつし委員 いずれお互いにもう少し早くやることも可能だったのではないかという指摘でありますので、御理解賜ればと思います。
 次に、これも去年と同様なわけでありますが、今回の不適切な処理については、もちろんコンプライアンスを十分認識していなかった部分も当然ありますし、各委員から厳しく指摘された内容もしかるべきだと思うわけであります。
 同時に、去年も御答弁いただきましたけれども、やっぱり政府と地方自治体の間の会計制度とかその解釈、ここにも問題があると承知しているわけでありますが、これについても政府の各省庁と折衝に当たってきたと思っておりますけれども、会計制度、また制度運用上、政府各省と折衝してきた中で何か変更点があればこの際お知らせいただきたいと思います。
〇菅野総務部長 委員から御指摘のありましたとおり、例えば昨年度の会計実地検査において旅費と賃金についてもかなりの指摘、全体の6割近い指摘があったところでございますが、従前、この補助事業の中で、補助要綱上は、補助事業の執行に要する経費は補助対象とするという非常に解釈の幅が広い規定だけしかなかったと。こういったこともありまして、最終的に県と会計検査院、それから補助省庁との見解が相違して返還に至った事例が多々あったわけでございますので、いずれ委員から御指摘のありましたとおり、やっぱり事務費の交付金化ですとか国庫補助事業の早期内示、さらには旅費、賃金の使途基準の明確化ですとか、関係省庁に県としての経験を踏まえて改善要望を行ったところでございます。
 これを受けまして、まだ一部ではございますが、国土交通省からは、補助事業に係る事務費の取り扱いについて、旅費を中心といたしまして補助対象となる事務費の範囲が示されるなど、今のところまだ一部ではございますが一定の改善に向けた動きが見られるところでございます。私どもとしても、今後とも制度改善について国に対して粘り強く交渉を続けてまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 今、御答弁あったように、もちろん法令違反は絶対に許してはならないという前提でありますけれども、かといって地方自治体が一方的に断罪されるのはいかがかと私はずっと思っておりましたので、今、御答弁では、まだ国交省の分の一部しかきちっとした解釈とか使途基準が決まっていないようでありますので、これを続けていくと、またまた前向きの議論ではなくて後ろ向きの議論でやられることになりますので、そこは知事もあらゆる機会を通じて政府のほうにしっかり働きかけていただきたいと思います。
 次に、さらなる改善策についてでありますが、たしかきのう、私もしっかり答弁を聞いたわけではありませんけれども、知事が今後の不適切な事務処理の発生を防ぐためにいろいろな御見解を示されたようでありますけれども、さらなる改善策について知事はどのような御所見をお持ちなのかお伺いしたいと思います。
〇達増知事 不適切な事務処理の発生を防ぐためのさらなる改善策に関しましては、一連の事務費の不適切な事務処理の背景には、職員の意識、それから体制上の問題、これらに加えましてルール上の問題もあり、その一つとして予算の単年度主義や国庫補助制度の制約も指摘されているところであります。
 このような中で、今、政府においては、複数年度予算の導入や、また、補助金の一括交付金化などを検討していると聞いておりますけれども、これは単年度予算のもとで年度末に予算を使い切ろうとする国と地方自治体双方の意識を変えることに大いに資すると思われますので、今後、その動向を注視してまいりたいと思います。
〇及川あつし委員 きのう、今も答弁の中に出てまいりました一括交付金化ということでありますけれども、これは地方に後で自由に使ってくれということになると思うので、こういう不適切な事務処理、また不正経理という部分については、概念的にはわかるわけでありますけれども、知事としてはその効果と課題についてどのように今お考えになっているのか、その点もあわせてお聞かせいただければと思います。
〇達増知事 現行の補助金制度は、補助対象の範囲についての国の所管部局による取り扱いが異なっていることや、また、交付申請の事務手続等が煩雑であるなどの弊害が指摘されております。一括交付金化は、地方の裁量の拡大という地方分権の流れに沿ったものであり、また、具体的にも、補助金制度にかかわる国の縦割りによる弊害の除去や交付申請、会計事務負担の軽減が図られるなどのメリットがあると考えております。
 交付金の総額や交付事務等も含め制度の詳細は不明でありますけれども、課題といたしましては、一般論として、地方が主体的な判断と責任のもとで施策を展開する財源の確保が重要であり、地域主権の趣旨に従って県民の生活を守る施策を十分に展開することができる制度となることを期待しているところであります。
〇及川あつし委員 あと16秒になりましたので質問はこれで終わりたいと思いますが、部局別審査で警察本部からまたしっかりとした調査報告が出ると思いますので、必要があればまた質疑いたしたいと思います。よろしくお願いします。
〇小田島峰雄委員長 以上で総括説明に対する総括質疑を終わります。
 知事を初め、執行部の皆さんは退席されて結構です。大変御苦労さまでございました。
 これより各部局別の審査に入るわけでありますが、委員席の移動を行いますので、その間、暫時休憩いたします。
   午前10時39分 休 憩
午前10時57分 再開
〇高橋雪文副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより各部局別の審査を行います。
 質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、平成20年度決算の審査であるので、当該年度の決算に関する質疑とし、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑されるとともに、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことがないよう、あわせて質疑及び答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑につきましては、冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性のあるもののみについて、短時間かつ簡潔に行い、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いします。
 また、冒頭でも申し上げましたが、本日は議会、総務部、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるよう進行したいと思いますので、重ねて御協力をお願いします。
 初めに、議会事務局長に議会関係の説明を求めます。
〇大矢議会事務局長 平成20年度の議会関係の決算について御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、150ページ、151ページをお開き願います。第1款議会費第1項議会費の支出済額は12億9、674万円余であります。内訳でありますが、第1目議会費の支出済額は8億9、049万円余であり、これは、議員の報酬及び費用弁償等の議会運営に要した経費であります。次に、第2目事務局費の支出済額は3億8、378万円余でありますが、これは、事務局職員33名分の人件費及び事務費等、事務局の管理運営に要した経費であります。次に、150ページから153ページにかけてでございますが、第3目議員会館費の支出済額は2、246万円余であり、これは、議員会館の維持管理等に要した経費であります。
 以上で議会関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇高橋雪文副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 私は2点質問いたします。
 一つは、政務調査費について。
 政務調査費の08年度の報告書が公表されました。その中身を見ますと、人件費で事務職員と政務調査員に年間計360万円を支出し、政務調査費の約97%を充てる議員がいたという報道もありましたが、私は、これは政務調査費の趣旨に反するのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 もう一点、政務調査費に係る住民訴訟が行われておりますが、この論点整理、今後の見通しはどうなっているでしょうか。
 全国の都道府県議会でもかなりの訴訟が提起されていますが、全国の状況はどうなっているか示していただきたい。
〇大矢議会事務局長 政務調査費の執行に当たりましては、政務調査費の交付に関する条例等で定める使途基準に従いまして各議員が使用するものであります。
 使途基準では、議員が行う調査研究を補助する職員を雇用する経費を人件費として政務調査費から支出できるものでありますが、支出に当たりましては、政務調査費の事務処理マニュアルに従って、調査研究活動の補助業務以外にも従事した者の人件費は案分─2分の1を上限として支出し、調査研究活動の補助業務に専ら従事した者に係る人件費はその全額を政務調査費から支出できることとされております。いずれにしても、使途基準に合致していれば政務調査費を支出できるものであります。
 趣旨に反するのではないかということでございますけれども、政務調査費は、議員が行う議会の調査研究に資するため必要な経費の一部として交付しているものであり、広範な分野での議員活動の経費のうち、どの経費に政務調査費を充当するかは、条例、規程及び事務処理マニュアル等を踏まえて議員の裁量にゆだねられているものと認識しております。
 それから、政務調査費の住民訴訟についてでございますけれども、平成18年に、開かれた行政を求めるいわての会が知事を被告として提起した政務調査費の住民訴訟についてでありますが、知事は原告の請求の棄却を求めて応訴し、現在も訴訟が係属中であります。
 これまでの審理経過といたしましては、口頭弁論が3回行われたほか、争点整理のための弁論準備手続が14回行われたところであります。これらの審理の中で、知事は、原告が指摘する支出は政務調査費の交付に関する規程で定める使途基準に該当するものであることを主張し、補助参加人においては、原告から指摘された個別の支出について、正当なものであることを具体的に主張しているところであります。
 争点整理の状況についてでありますが、議員連盟の会費については三つの議連に絞り込まれたこと、個人的な交際費の支出については一部に絞り込まれたことなど、原告が指摘する争点について議員ごとに整理されてきましたことから、次回期日において口頭弁論が再開される見込みであり、口頭弁論においては、その絞り込まれた争点について証人尋問等の証拠調べが行われる予定であります。
 今後の見通しについてでありますが、絞り込まれた争点に関してさらに当事者において主張、立証が行われるものと考えられ、当面、訴訟は係属するものと思われます。
 次に、住民訴訟の全国の動向についてでありますが、平成21年4月現在で政務調査費に関する住民訴訟が係属しているのは12府県、訴訟件数では14件となっている状況であります。
〇斉藤信委員 360万円の人件費を支出したと、これは何人分なんでしょうか。それは全額なのか半額なのか。
 私、政務調査費というのは、本来、基本的には議員が調査すべきであって、我々が例えば秘書的な人材を活用するにしても、基本的には補助的なものですよ。97%も人件費に使うというのは私はちょっと異常な事態ではないのかと。その実態を改めて示していただきたい。
 それと、今、全国の訴訟の状況をお聞きしました。12府県、14件で係争中だと。しかし、既に判決が出た、和解したところも少なくないと思いますが、どういう形で決着しているか、この和解とか判決、そのことを示していただきたい。
〇大矢議会事務局長 何人分かということでございましたけれども、調査研究活動の補助業務以外にも従事した者の人件費、これは案分ということで2分の1を上限としておりますが、これが1名、それから、調査研究活動の補助業務に専ら従事した者に係る人件費、これが1名ということになっております。
 それから、和解と判決の内容でございますけれども、現在、手元に資料がございませんのでここで直ちに即答することはできかねますので、御理解をお願いしたいと思います。
〇斉藤信委員 今のはどういうことですか。後で答えるということですか。
〇大矢議会事務局長 後ほど調べて御回答を差し上げたいと思います。
〇斉藤信委員 人件費が2人分だったと、そのうちの1人は全額と。そういう姿を見たこともない、議会で。そのことは指摘だけしておきます。
 それと、県議の海外視察について住民監査請求もありました。この住民監査請求の結果はどうなったか。監査委員からどういう意見が出されているか。昨年度、今年度の県議の海外視察の実施状況、経費、1人当たり、参加議員数も示していただきたい。
〇大矢議会事務局長 海外行政視察に関する住民監査請求についてでございますが、平成21年6月4日に市民オンブズマンいわてから監査委員に対して岩手県職員措置請求書─議員の海外行政視察に関する住民監査請求が提出されました。市民オンブズマンいわての主張ですけれども、議員の海外視察を議会運営委員会で決定することは地方自治法に違反し、違法であるということ、それから、海外視察は議案の審査または岩手県の事務に関する調査には該当せず、違法であるという二つの理由でもって監査請求が出されております。
 これに対しまして監査の結果でございますけれども、本措置請求については理由がないため棄却するということでありまして、まず、第1の件に関しましては、本件海外行政視察に係る議員派遣は緊急を要する場合に該当して、議長において議員の派遣を決定しており、自治法には違反しない。それから、本件海外行政視察は、その他議会において必要があると認めるときとして派遣したものであり、議員派遣は議案の審査または岩手県の事務に関する調査に限定されないということで請求を棄却されております。
 それから、県議の海外視察の状況でございますけれども、議員の海外行政視察の平成20年度及び平成21年度の実施状況でありますが、平成20年度に行われた視察は1件でありまして、議員5名による自主計画として、ブラジル、アルゼンチン、アメリカの視察が行われたものであります。経費の総額は442万6、000円で、議員1人当たりでは約88万5、000円となっております。また、今年度に入って行われた視察は1件であり、議員5名による自主計画として、フランス、イタリアの視察が行われております。経費の総額は446万8、000円で、議員1人当たりで約89万3、000円となっております。
〇斉藤信委員 これで終わりますけれども、監査委員の監査結果について、どういう意見が付されていますか。
〇大矢議会事務局長 監査委員の意見でありますけれども、緊急を要する場合は議長において議員の派遣を決定することができることになっているが、原則は議会の議決で決定することとされている。今後、海外行政視察に係る議員派遣を行うに当たっては、原則どおり議会の議決で決定するよう努められたいという意見。もう一つは、海外行政視察は現地でじかに見聞を広めるために実施するものであることから、視察目的を十分に達成できるよう、視察計画の策定など事前の準備に万全を期されたいという二つの意見が付されております。
〇高橋雪文副委員長 先ほど答弁ができなかった斉藤信委員の質疑については、全委員に答弁資料を配付願うことにいたしたいと思いますので、御了承願いたいと思います。
 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋雪文副委員長 質疑がないようでありますので、議会関係の質疑をこれで終わります。
 退席されて結構でございます。ありがとうございます。
 次に、総務部長に総務部関係の説明を求めます。
〇菅野総務部長 平成20年度決算の概要につきましては、昨日、会計管理者から説明がありましたので、私からは、歳入歳出の構造、歳入全般及び総務部関係の決算の内容について御説明申し上げます。
 恐縮でございますが、お手元の歳入歳出決算説明書をごらんいただきたいと存じます。説明書の42ページをお開きいただきたいと存じます。第3表一般会計の財源別収入状況でございますが、県税、地方交付税等の一般財源収入の決算額は、一番上の行にありますように4、470億2、075万円余で、前年度に比べて103億364万円余、2.3%の減となっております。前年度と比較して減少した要因は、地方交付税が60億7、459万円余、2.6%の減となったほか、県税が51億6、283万円余、4%の減となったことによるものであります。また、国庫支出金、県債等の特定財源収入の決算額は、中ほどの行になりますが、2、364億4、305万円余で、前年度に比べて373億3、228万円余、13.6%の減となっております。これは、平成20年度に新たに公債管理特別会計を設置したことにより、県債が528億5、860万円の減となったことなどによるものであります。
 なお、平成19年度決算から公債管理特別会計相当額を控除した特定財源収入の全体額─欄の上段括弧書きの数字でございますが、これと比較いたしますと、国庫支出金などの増により、58億2、829万円余、2.5%の増となっております。
 次に、これら歳入の内容について御説明申し上げます。便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書によって説明をさせていただきたいと存じます。
 6ページをお開きいただきたいと存じます。まず、第1款県税の収入済額は1、242億2、404万円余で、前年度に比べて51億6、283万円余の減となっております。これは、世界不況の影響による法人二税の減収などによるものでございます。また、調定額に対する収入済額の割合であります徴収率は97.4%で、前年度より0.4ポイント減となっております。収入未済額は31億4、822万円余と、前年度より15.6%増加しております。この収入未済額の主なものは個人県民税でありますが、個人県民税は市町村民税と合わせて賦課徴収することとなっておりますので、関係市町村等とより一層の連携を図りながら、その徴収に努めてまいりたいと考えております。
 次に、20ページをお開き願います。第2款地方消費税清算金でありますが、これは、都道府県間の消費相当額に応じ清算するものであり、収入済額242億3、861万円余で、前年度比6.9%の減となっております。
 次に、22ページをお開きいただきたいと存じます。第3款地方譲与税でありますが、収入済額は41億8、661万円余で、前年度比8.4%の減となっております。これは、道路特定財源の暫定税率の一時失効による地方道路譲与税等の減などによるものであります。
 次に、24ページをお開きいただきたいと存じます。第4款地方特例交付金でありますが、収入済額23億1、521万円余で、前年度と比較し13億2、123万円余、132.9%の増となっております。これは、道路特定財源の暫定税率の失効期間の減収を補てんする地方税等減収補てん臨時交付金などによるものであります。
 次に、26ページをお開き願います。第5款地方交付税の収入済額は2、310億929万円余で、前年度と比較して60億7、459万円余、2.6%の減となっております。これは、国の地方財政計画における歳出の見直し、いわゆる基準財政需要額及び基準財政支出額の算定方法の見直しでございますが、これによるものでございます。
 次に、28ページをお開きいただきたいと存じます。第6款交通安全対策特別交付金は収入済額5億5、791万円余となっており、前年度と比較して10.3%の減となっております。
 次に、30ページに参りまして、第7款分担金及び負担金の収入済額は44億3、126万円余で、前年度と比較して1億3、856万円余、3.2%の増となっておりますが、これは、農林水産業費負担金が増となったことなどによるものであります。
 次に、36ページをお開き願います。第8款使用料及び手数料の収入済額は84億116万円余で、前年度と比較して3.3%の減となっております。
 次に、恐縮でございますが、52ページまで進ませていただきたいと存じます。第9款国庫支出金でありますが、収入済額は975億6、013万円余で、前年度と比較して123億3、465万円余、14.5%の増となったものであります。これは、ふるさと雇用再生特別基金などの基金造成に対する交付金の増などによるものであります。
 以下、95ページまでは、国庫支出金のそれぞれの内訳でございます。
 次に、96ページ、第10款財産収入でありますが、収入済額は12億8、923万円余で、前年度と比較して20.8%の減となっておりますが、これは、土地売払収入の減などによるものであります。
 次に、104ページをお開きいただきたいと存じます。第11款寄附金の収入済額は、岩手・宮城内陸地震など大規模災害の被災に伴う災害見舞金などにより前年度と比較して289.7%増の2億8、507万円余となっております。
 次に、106ページをお開きいただきたいと存じます。第12款繰入金は73億213万円余で、前年度と比較して100億9、450万円余、58%の減となっております。これは、県債管理基金や公共施設整備基金などからの繰り入れが減少したことなどによるものであります。
 次に、108ページをお開き願います。第13款繰越金は98億7、388万円余で、前年度と比較して7.8%の増となっております。
 次に、110ページをお開きいただきたいと存じます。第14款諸収入は、収入済額764億4、392万円余で、前年度と比較して63億9、387万円余、9.1%の増となっております。これは、中小企業経営安定資金貸付金元金収入などの増によるものであります。
 恐縮でございますが、142ページまで進ませていただきたいと存じます。第15款県債でありますが、収入済額は913億4、530万円で、前年度と比較して445億5、020万円、32.8%の減となっております。これは、臨時財政対策債の前年度比49億8、240万円の増などがあるものの、先ほど御説明申し上げましたとおり、公債管理特別会計を新たに設置したことなどによるものであります。
 なお、平成20年度末の一般会計県債残高は1兆4、102億517万円となっております。
 以上、款別に申し上げました歳入の合計額は、148、149ページにありますように、予算現額7、054億1、481万円余、調定額6、959億5、551万円余、収入済額6、834億6、380万円余となっており、収入済額は前年度と比べ476億3、592万円余、6.5%の減となっております。また、平成19年度決算額から公債管理特別会計相当額を控除した額との比較におきましては44億7、534万円余、0.7%の減となっております。
 なお、不納欠損として処理いたしましたものは、県税及び県税に係る延滞金、加算金の不納欠損処分額が大部分でありますが、これは、地方税法の規定により、納入義務が消滅したもの、あるいは時効の完成等により処分したものでございます。
 次に、歳出について御説明申し上げたいと存じます。恐縮でございますが、先ほどの歳入歳出決算説明書にお戻りいただきたいと存じます。
 説明書の54ページ、第8表一般会計性質別経費の決算額と一般財源充当状況をお開きいただきたいと存じます。
 歳出決算を性質別に申し上げます。左側区分に従いまして、義務的経費につきましては、計欄にありますように3、026億329万円余で、前年度と比較して16.0%の減、決算総額に占める割合である決算額構成比では45%で、前年度より5ポイント低下しております。これは、公債管理特別会計の設置によるものであり、平成19年度決算額から公債管理特別会計相当額を控除した額との比較では、金額では4.6%、決算額構成比の比較では1.8ポイント、それぞれ減となっております。
 投資的経費につきましては、計欄のとおり1、237億5、283万円余で、前年度と比較して5.1%減少しておりますが、構成比は18.4%で、前年度より0.3ポイント上昇しておりますが、平成19年度決算から、再三で恐縮でございますが、公債管理特別会計相当額を控除した後の構成比との比較では0.8ポイントの低下となっております。これは、岩手・宮城内陸地震等大規模災害があったものの、河川等災害復旧費の減などにより災害復旧費全体では減少となったことによるものであります。
 なお、ここには記載してございませんが、公債費比率は、前年度より2.4ポイント低下して15.5%となっており、財政構造の弾力性の尺度である経常収支比率につきましては92.6%と前年度より2.6ポイント低下しておりますが、今後も当分の間、公債費が高い水準で推移することなどにより、財政構造は依然として厳しい状況が続いております。
 このため、引き続き、自主財源の確保に努める一方、成績評価をもとに、緊急性、重要性の観点から徹底した選択と集中を行うとともに、創意と工夫を凝らしながら、限られた財源の重点的かつ効果的な活用に努めてまいりたいと考えております。
 大変恐縮でございますが、次に、総務部関係の決算の概要について御説明申し上げたいと思います。
 総務部の平成20年度の決算についての私どもの評価について若干申し上げさせていただきたいと存じます。
 総務部におきましては、厳しい行財政環境の中での各部局へ配分できる行財政資源の極大化、行財政基盤の強化、安定化と県民理解の促進、総合的な防災対策等の推進を重点的な課題として取り組んできたところでございます。
 まず最初に、厳しい行財政環境の中での各部局へ配分できる行財政資源の極大化についてでございますが、厳しさを増す財政環境の中で、いわて希望創造プランを着実に推進し、中期財政見通しに沿った財政運営が現実に実現できるよう、これらを下支えする取り組みとして、国への制度改正の働きかけを含めた歳入確保に向けた取り組みや県が有する各種資源を最大限に有効活用する取り組みを推進いたしました。
 県税収入等の歳入確保策の強化として、特別滞納整理機構の活動や市町村との連携強化により、市町村が賦課徴収することとなっている個人県民税の収入未済額の縮減に取り組んだほか、個人県民税以外の県税の収入未済額の一層の縮減や課税補足調査の強化に努めるとともに、県税以外の歳入においても、部局横断的な対応として、滞納債権の整理や回収強化に取り組んだところであります。
 歳入確保に向けた国への働きかけとしましては、本県の歳入基盤の安定化を図り、さらなる制度的な状況悪化を防ぐため、地方交付税に関する制度の改善を強く国に働きかけたところであります。
 県有の各種資源の有効活用といたしましては、県有財産をいかに有効に活用し、県の歳入や行政サービスの高度化、県民満足度の向上につなげるかという観点から、広告事業を初めとする県有の各種資源の有効活用に努めたところであります。
 次に、行財政基盤の強化、安定化と県民理解の促進についてでありますが、財政面では、地方財政健全化法への的確な対応を図るとともに、わかりやすい県民への説明に努め、県民理解のもとでの財政運営に努めたところであります。
 最後に、総合的な防災対策等の推進でありますが、昨年の2度の大きな地震の教訓を生かし、これまで以上に危機感を持って、高い確率で発生が予想される宮城県沖地震などの大規模災害に対する防災対策を推進してまいったところでございます。
 総務部といたしましては、各部がその機能を最大限に発揮できるよう、必要な価値と限られた資源を効果的かつ効率的に提供することにより各部を支援、最終的に県民満足度の実現と県民が確かな希望を抱く県土づくりに貢献してまいりたいと考えております。
 それでは、この後、資料にお戻りいただきまして、総務部の決算につきまして御説明申し上げたいと存じます。
 最初に、一般会計について御説明申し上げます。
 総務部の一般会計における支出済額の総額は1、574億6、517万円余となりましたが、その概要につきましては、歳入歳出決算事項別明細書154ページから記載してございますので、そちらをごらんいただきたいと存じます。
 歳入歳出決算事項別明細書の154ページでございます。2款総務費1項総務管理費1目一般管理費のうち、総務部関係の支出済額は、備考欄にございますように14億1、343万円余でございます。これは、総務室などの管理運営費や県営建設工事の入札関係費が主なものでございます。
 なお、今後、以下の説明につきましては、申し上げます金額を支出済額といたしますので、御了承いただきますようお願い申し上げます。
 次に、2目人事管理費46億1、362万円余でございますが、これは、職員の研修や退職手当及び公務災害補償などに要した経費であります。156ページに参りまして、3目文書費2、991万円余でございますが、これは、文書の収受、発送や電子県報の発行などに要した経費であります。次に、4目財政管理費43億8、598万円余につきましては、予算編成事務等支援システムの運営や財政調整基金、地域振興基金の積立金等が主なものでございます。158ページに参りまして、6目財産管理費17億3、289万円余でございますが、これは、庁舎、公舎の維持管理や県有資産所在市町村交付金等に要する経費であります。7目県外事務所費2億2、665万円余につきましては、東京、大阪などの県外事務所費やいわて銀河プラザの管理運営経費でございます。160ページに参りまして、次の8目公会堂費1、853万円余は、公会堂の管理運営に要した経費であります。次の9目恩給及び退職年金費4、178万円余は、恩給などの給付に要した経費でございます。次の10目諸費のうち総務部関係は、備考欄でございますが、186万円余でございます。これは、宗教法人設立認証事務、公益法人事務調整などの事務的経費であります。
 次の2項企画費1目企画総務費でございますが、平成21年度の組織見直しによりまして、総合政策部から一部の事務が移管されましたので、総務部関係は1、922万円余となっております。これは、外部監査費、行政経営推進費、県出資等法人指導監督費、地方独立行政法人評価費の事業実施のための経費でございます。
 次に、少し飛ばせていただきまして、168ページをお開きいただきたいと存じます。4項徴税費1目税務総務費29億4、527万円余でございますが、これは、税務職員に係る人件費等の経費でございます。2目賦課徴収費36億8、599万円余につきましては、市町村への個人県民税徴収取扱費交付金など賦課徴収に要する経費でございます。
 次に、172ページに参りまして、6項防災費1目防災総務費4億6、371万円余につきましては、防災担当職員の人件費や航空消防防災体制の強化、地域防災力の向上などに要した経費でございます。2目消防指導費1億4、009万円余は、産業保安業務の指導や消防学校の管理運営等の経費でございます。
 次に、恐縮でございますが、大きく飛んでいただきまして、340ページをお開きいただきたいと存じます。10款教育費8項大学費1目大学費43億7、143万円余でございますが、これは、公立大学法人岩手県立大学に要する運営費交付金でございます。
 次の9項私立学校費1目私立学校費52億5、035万円余につきましては、私立学校の運営費補助、私立高等学校等授業料減免補助など、私学の振興に要した経費でございます。
 次に、また少し飛んでいただきまして、350ページでございます。12款公債費でございますが、総務部関係の支出額は、1項公債費1目元金794億2、813万円余のうち、県債償還元金784億9、204万円余、及び県債管理基金積立金(元金)3億3、333万円余、2目利子229億6、328万円余、3目公債諸費8、077万円余となっており、事務費、これは5、943万円余を除いてでございますが、公債管理特別会計に対し繰り出ししたものでございます。
 352ページに参りまして、13款諸支出金でございますが、4項地方消費税清算金109億3、179万円余につきましては、都道府県間の地方消費税の清算に要した経費でございます。
 次の5項利子割交付金5億3、470万円余から、354ページの11項自動車取得税交付金22億588万円余までにつきましては、いずれも市町村に対して交付いたします税関係交付金でございます。
 次の12項利子割精算金278万円余につきましては、都道府県間の県民税利子割額の精算に要した経費でございます。
 356ページに参りまして、14款予備費についてでありますが、当初予算額3億円につきましては、2款総務費、3款民政費、6款農林水産業費、7款商工費、8款土木費にそれぞれ充用したものでございます。
 以上で一般会計の説明を終わらせていただきますが、続きまして、総務部の所管する特別会計について御説明申し上げたいと存じます。恐縮でございますが、同じ歳入歳出決算事項別明細書の406ページをお開きいただきたいと存じます。
 再三御説明申し上げております公債管理特別会計でございますが、この特別会計は、平成20年度において公債費に関する会計上の経理の一層の明確化を図るために設置したものでありますが、収入済額の合計は1、669億2、948万円余であり、その主な内容は、一般会計からの繰入金、県債管理基金利子、借換債でございます。
 408ページに参りまして、支払済額の合計は1、669億2、946万円余であり、その主な内容は、県債償還元金、県債償還利子、県債の償還事務費及び県債管理基金の積み立てに要した経費でございます。
 以上をもちまして、歳入歳出の構造、歳入全般及び平成20年度岩手県一般会計予算の歳出、並びに岩手県公債管理特別会計の決算についての説明を終わらせていただきます。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇高橋雪文副委員長 これより質疑を行います。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇及川幸子委員 菅野部長初め、部局の皆さん、御苦労さまでございます。
 まず、消防指導費についてお伺いしたいのですが、災害時においての消防団員の貢献は、大変頭の下がるものがあります。しかしながら、近年のこの消防団員の減少という状況は深刻なものだと思っております。それについての対策状況はどうだったのか、そして、今の現況というものをお示しいただきたいと思います。
 また、民間企業からの消防団員への取り組み状況はどうなっているのか、まずお伺いいたします。
〇高橋防災消防課長 消防団員の減少ということで、その状況でございますけれども、平成21年、ことしの4月1日現在の消防団員数でございますが、2万3、278人となっております。これは、各市町村が定める条例定数2万6、660人に対する充足率で見ますと87.3%ということになっております。昨年4月と比較してみますと198人の減少ということで、相変わらず減少傾向が続いているという状況でございます。
 また、対策でございますが、これまでも、県といたしましては、消防団員の士気の高揚、あるいは資質の向上を図るということのために、消防団員に対する表彰、教育訓練といったことを実施するとともに、消防団組織の活性化を図るということから、消防協会の行う事業について補助金を交付するなど、側面的な支援を実施してきたところでございます。しかしながら、こういった中で減少傾向になかなか歯どめがかからないということでございますので、県としても一層の取り組みが求められると思っております。
 このため、国において有効と推奨された機能別分団制度でありますとか、消防団協力事業所表示制度という事業につきまして市町村に対して働きかけを行ったほか、今年度は、特に県として独自に、市町村を訪問して、消防団員確保の課題等について、私どもよくわからないという面もありましたので、意見交換をしたり、また、先ごろは、消防団員確保キャラバン派遣事業というものをやって、側面的ではありますけれども、消防団入団について県民に強力にアピールするということの動きもしております。
 今後とも、こういった動きを続けながら、特に今年度は、さらに、県職員の入団促進、それから優良事例の発表会といったことにも取り組んでいきたいと思っております。
 それから、三つ目の民間企業の取り組みというお話でございました。消防団員の約7割が、昔と違ってサラリーマン、被雇用者ということもあって、勤め先の理解を得るということが非常に大事なことだと思っております。こういったことから、消防団協力事業所表示制度の導入というものを働きかけております。この制度は、企業の社会的貢献というものが住民の方々に認知されるという点で一定のインセンティブのあるものとなっておりますが、ことしから、平成21・22年度県営建設工事競争入札参加資格審査において、消防団員の雇用が地域貢献活動として評価される見直しをしたところでございます。こういったことで、事業者にとっての新たなメリットも付与しております。
 このような中で、この事業所表示制度につきましては、ことしの4月1日現在、15市町村が要綱を制定しておりますし、また、その要綱に基づいて表示証を交付しております事業所が47事業所ということになっております。これは、去年に比べて、市町村にして5ふえておりますし、事業所にして22ふえております。
 今後においても、この制度を活用しながら、さらに今年度は、先ほどのキャラバン事業で事業所も回って感謝状を贈呈するということも、小さなことですけれども、そんなこともやって、さらに事業者にとってインセンティブが高まるような方法はないか検討してまいりたいと思っております。
〇及川幸子委員 大変深刻なのは、やっぱり若いなり手がいないということじゃないかと思うんです。消防協会でも行う事業に対して補助金ということですが、やっぱりそういうものが無駄にならないよう、この消防協会の取り組みもしっかりやっていかなければならないと思っていますが、10月1日から27日までのこの消防協会のキャラバンというのは、成果が上がっているのでしょうか。
〇高橋防災消防課長 キャラバン事業でございますけれども、10月1日に県庁前広場で出発式を行いました。マスコミの方にも取材していただきまして、県、消防協会挙げて取り組むんだという姿勢が動きつつあります。
 これは27日まで、県内5班に分けて、消防協会長以下、私も含めて回って、じきじき市町村長に、確保対策に力を入れてくださいとか、先ほど申し上げましたように、事業所を回って、協力をしていただきましてありがとうございますとか、それから、もうちょっとうまくいく方法について、団員、現場の人とも意見交換もして、もう少しいいアイデアがあればなということで、そういったことで使っていきたいと思っております。
〇及川幸子委員 本県の消防団員数を見てみますと、滝沢村、岩泉町とか野田村が大変団員をふやしているということですので、消防協会とも連携をとりながら、こういういい事例を参考にして今後も取り組んでいただきたいと思います。
 次に移ります。女性審議会委員の登用状況と今後のあり方について、そして、女性管理職の状況と、また今後のあり方についてお伺いしたいと思います。
〇高橋参事兼人事課総括課長 女性審議会の委員と、それから女性管理職の登用についての御質問でございます。
 まず初めに、審議会等委員の状況について申し上げますけれども、女性委員につきましては、本年4月1日現在におきまして、121の機関で、全1、604名中でございますが、475名の女性委員が選任されているところでございます。この審議会等委員の女性登用の割合は29.6%ということになってございます。
 女性委員につきましては、審議会等の設置・運営に関する指針に基づきまして積極的な選任に取り組んできたところでございます。平成10年度の17.9%から順調に登用割合が高まってきておりますけれども、個々の審議会等によりましては、特殊な専門性が強く求められているということでございますとか、職指定によりまして委員を選任しているなどの事情を抱えているものもあるところでございます。
 今後、なお一層、男女共同参画の視点に立った県政を推進するという観点に立てば、これまで以上に政策方針決定過程におけます女性の参画を進めることが重要と考えておりまして、公募制の活用でございますとか規定の緩和などによりまして、女性委員の一層積極的な選任について関係部局に働きかけてまいりたいと考えているところでございます。
 それから、次に、女性管理職の登用についてでございます。
 本年度におきます知事部局の管理監督者への登用状況でございますけれども、副部長級が1人、割合といたしまして1.3%、総括課長級が5人で1.4%、担当課長級が14人で3.9%、主任主査級が78人で12.1%、主査級が319人で20.1%という状況でございます。
 昨年度と比較してみますと、副部長級が1人減少いたしまして、総括課長級は同数となっておりますけれども、担当課長級は1人、主任主査級は9人、主査級は34人、それぞれ増加しているものでございます。
 特に、総括課長級以上の管理職が少ない理由でございますけれども、管理職層の大宗を占めます50歳代の女性職員の割合が6.9%ということで低いことが大きな要因となっているところでございますが、40歳代以下の女性職員の割合は増加してきておりまして、具体的に申し上げますと、40歳代が15.2%、30歳代が27.1%、20歳代が42.0%となっておりまして、また、監督者層への登用や職員育成を積極的に進めてきたということでございまして、その結果、マネジメント能力でございますとか専門性の高い女性職員が着実に育ってきているという現状でございます。
 県民の期待にこたえる県政運営を推進していくためには、県行政におきます男女共同参画の推進を通じた組織力の向上は極めて重要と考えておりまして、今後におきましても、適材適所の人事配置を基本としつつ、適切な人事評価を行いながら、女性職員の登用に積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
〇及川幸子委員 ありがとうございます。積極的に取り組むということで大変安心しましたが、私は平成11年に議員になりましたが、あれから10年少し、議場の正面に座っている部長が、10年以上たつけれども、女性が全く一人もいないんですね。いつ女性の方が座られるのかなと思って期待しているんですけれども、部長、ひとつその辺のところ、男女共同参画を推進するのですから、やっぱり積極的に育成していかなければならないと思うんですよ。
 きのう、東京大学の教授、女性の教授ですよ、都河明子先生に、男女共同参画の取り組み、東大の状況をお話いただきました。やっぱりこれからは、どんどん科学者なんかも減るということで、女性の科学者も多くしなければならないという、いろいろな具体策を勉強してきました。
 菅野部長、この点についてどうでしょうか。
〇菅野総務部長 部長級のお話がありました。私も部長を務めさせていただいておりますが、私は、昭和52年に県に入庁いたしましたが、大変申しわけございませんが、当時、52年に入った仲間で、一般行政職で入った同期に女性が実は一人もいないという状況にございます。当時はやはり、どうしても法学部、経済学部に進む女性の数がそんなに多くなかったという現実があるんだろうと思います。
 ただ、先ほど人事課総括課長から御説明申し上げましたとおり、現在、若い層は女性がかなり入庁してきております。先ほど申し上げましたとおり、今、大幅に入庁してきた職員が、ちょうど主任主査級になってきているという状況にございます。昨年、私は教育委員会におりましたが、教育委員会におきましては、委員御案内のとおり、特に小学校を中心に女性管理職が非常に多くなってきてございます。やっぱりそれは、母集団が多いのでそういうふうになってきているという面もございます。
 ただ、いずれにいたしましても、女性職員の登用というのは重要な課題でございますので、私も、今後一層そういう基盤をつくりながら、そういう環境の醸成に向けて努力してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 部長、きのうのお話の中で、やっぱり大手の企業は、今、女性の管理職を随分採用しているようですよ。乳母車ごと自動車に進める自動車会社とか、効率の良い便座も女性の発想。そういうところで、ぜひぜひこれからも進めていただきたいと思います。
 最後になりますが、入札制度のあり方についてお伺いいたします。
 低入札に対する改善策とその取り組み状況はどうなさったのかを聞きたいと思います。
〇金田入札課長 低入札対策についてでございますけれども、平成19年7月の入札制度改革におきまして、いわゆる低入札対策として、他の入札者と比べ特に低い価格で入札したものを自動失格とする失格基準価格、それから、工事費内訳書の費目の計上金額によって、一定基準に該当する場合は失格とするという数値的判断基準による失格基準、それから、詳細調査によりまして失格させるというような低入札対策を運用してまいりました。
 しかしながら、近年の公共工事の減少などを背景とした競争の激化によりまして、平成20年度は落札率が81.4%と前年度と比べ低下、それから、低入札の件数も513件、発生率30%ということで増加してまいりました。
 これらの状況を踏まえまして、本年2月及び6月に調査基準価格の引き上げなどを行いました。それによりまして、平成21年4月から8月までの状況を見ますと、調査基準価格、いわゆる低入札となるラインを引き上げましたので、低入札の発生率そのものはふえております。50%を超えたと。ただ、落札率につきましては、一応82.8%で上向いてきております。
 しかし、今も実は検証を行いまして、状況を見ますと、過度な低入札というものは減ってきたんですけれども、小規模工事を中心といたしまして低入札がかなり減らない状況でございます。それらを踏まえまして、現在、さらに強化をする必要があるだろうということで、その検証結果を踏まえまして、追加の低入札対策を具体的に検討いたしております。できるだけ早くまとめまして早期に追加で実施したいと考えております。
〇及川幸子委員 いろいろとこの低入札の失格ラインも設けているようですが、いまだに、この間倒産した地元の会社で聞きましたら、71%で落札して無理があったということですが、やっぱり皆さんからお話を聞きますと、70%台では絶対仕事はできないのだと。しかしながら、この経営事項審査のあり方も問題があると思うんですよ。過去においてその仕事を、県工事をとったかどうかも基準になりますので、やっぱり無理しても、損してもとったということなんですが、そういうことも、経営事項審査のあり方ももう少し見直すべきと思うんですが、いかがでしょうか。
〇金田入札課長 経営事項審査のあり方、経営事項審査そのものは国のシステムということなので、なかなか県のほうでそれそのものを変えるということはできないんですけれども、いわゆる名簿等をつくるときに、経審による点数と、それから、県独自の技術点数ということで、追加して合計で点数を出しているわけですが、やはり県のほうの独自のものにつきましても工事の成績というものもかなり点数として加わりますが、結局、工事を行わないと点数もつかないということもあって、実績を上げたいというようなお話を聞いております。
 現在、県土整備部と連携いたしまして、次の名簿作成のときにどういうふうにすればいいか、余り実績、実績ということで低入札というのもやはり問題ですので、それらも踏まえて検討してまいりたいと思っております。
〇及川幸子委員 県土整備部に照会して、その中でも随分質問しておりますが、どうぞ総務部、県土整備部と連携をとりながら、この問題はやっぱり改善していかなければならないと思っております。
 最後、91社の談合問題ですが、これについては、あれから91社のうち大分減ったと思うんです。現状は何社で、従業員数はどのくらいなのか、また、結審後の状況はどうなっているのかお話いただきたいと思います。
〇金田入札課長 91社の問題でございます。
 まず、91社のその後の状況でございますけれども、91社のうち、倒産等によるものが12社ございます。それから、今年度の名簿で資格申請をしなかった、県営工事の名簿登録に手を上げなかった会社が6社ございます。会社としてはございますが。それから、継承という形で引き継いでいる会社が1社という状況でございます。
 それから、従業員数でございますが、詳細なものではないのですけれども、いわゆる最近の決算書から拾ったものでございますが、おおよそ3、400人弱と一応つかんでおります。
 それから、次に、いわゆる審判の状況で、けさ岩手日報に記事が出ておりました。私も、実は昨晩、新聞社から情報というか取材があって知ったということなんですけれども、審決案というもの、審決の決定ではなくて案というものが、いわゆる91社側の代理人等に送られたという情報でございました。
 この審決案というものは、あくまでその当事者、91社のこの問題の当事者にのみ送られるもので、県等ではちょっと手に入れることができません。したがって、内容については、現在のところ把握していない状況でございます。
 今後どうなるのかということでございますが、この審決案が出されますと、当事者のほうでは、異議の申し立て、それから直接陳述の申し出というものができるという制度になってございます。それらを出されれば、それを踏まえて、また公正取引委員会の審判員が対応を検討するということになると思いますが、いずれ今後の動向を県といたしましても注視してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 今後の動向も注視なさるということで、県に与える影響も大変大きいと思うんです。この、指名停止という措置になると思うんですが、普通どおりであれば12カ月、1年であろうかと思いますが、最大では2年ぐらいになるかもしれないと予想されておりますが、それらに該当する会社はこの中でどのくらいあるとお考えでしょうか。指名停止1年から2年に該当する会社。
〇金田入札課長 この審判の結果が出ていないので、あくまで、いわゆる違反行為があった、談合行為があったという認定の審判が出たという前提でお答えいたしますが、いずれ談合の排除勧告が出た会社91社─先ほどの、もちろん倒産した会社とか名簿にもう載っていない会社は除きますけれども─については、原則として、現在のルールは12月の指名停止でございます。そういう基準でございます。
 あとは、中身の状況によって加算措置はあるんですけれども、具体の中身はちょっとわからないので、加算措置についてはどうなるかというのは、現在のところなかなか難しいところでございます。
〇及川幸子委員 菅野部長にお聞きします。
 突然ですが、これらに対する県の影響というものが随分あると思うんですが、その辺のところはどのようにお考えでしょうか、最後にお尋ねいたします。
〇菅野総務部長 建設業というのは、やはり本県を支える重要な産業の一つでございますし、また、関連するすそ野が非常に広い産業でもございます。今、入札課長からお話し申し上げました会社と取引関係にある会社もおありになりますし、当然、そこに働いていらっしゃる従業員の方もおいでになります。したがいまして、審判がどういう格好になるか、私どもとしてもまだ把握できないところでございまして、その状況を予想するのも非常に難しい状況でございますが、いずれ、いかなる事態に立ち至りましても、やはり本県の産業、特に働いていらっしゃる方、もしくはそれらの取引先のいろいろな会社等についてどういった対応がとれるのかというものについては、私どもだけではなく、関係部局ともよく連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 建築A級の仕事もないから余り影響ないという考えもあるかもしれませんけれども、B級でJVを組んでA級に参入する方策も今、全然とられておりませんので、これは大変な影響があると思いますので、今後においても、県土整備部ともいろいろ連携をとりながら進めていただきたいと思います。
 ありがとうございます。
   〔「関連。午後でもいいです」と呼ぶ者あり〕
〇高橋雪文副委員長 それでは、関連を認めますが、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午後0時1分 休 憩
午後1時3分 再開
〇小田島峰雄委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇伊藤勢至委員 先ほどの及川幸子委員の消防団員確保の問題に関しまして、関連で何点かお伺いいたします。
 現在、県内の35市町村それぞれ消防団があるわけでありまして、その消防団を束ねる組織として岩手県消防協会があると認識しております。私も29年間、赤いはんてんを着て活動してきた経緯がございまして、消防団員のつらさといいますか、一方、その仕事を成し遂げたときの地域に対してお役に立てたかなというその気持ちは大事なものだと思っておりまして、消防団、特にも若い人たちに多く入っていただいて定足数を何とか満たしてもらいたい、このように思っているところであります。
 そういう中で、消防団、そして一団員から見ました場合に、岩手県消防協会というのは大本営というふうな思いがありました。そういう中で、本年5月13日、県の消防協会、使途不明3、761万円という記事が載りまして、大変ショックを受けたところでございます。これは本当に現場で、ある場面は命を賭して、身命を賭して市民の皆さんのために頑張ろうと思っております団員にとりましても、非常に士気を向上せいと言ってもなかなかつらいものがある、こんなふうに思っているところでありまして、憂慮いたしております。
 この不正発見に至った経緯をまず詳しくお知らせいただきたいと思います。
 それから、問題発覚後、協会としてどのような取り組みをしているのか、まず、その2点について知っている範囲の中でお答えいただきたい。
〇高橋防災消防課長 使途不明金の発覚した経緯ということでございますが、まず、この使途不明金は、日本消防協会が行っている共済事業のうち、市町村に返すべき事務費、それから返戻金、こういったものがございまして、これを消防協会を通じて返すわけですが、その通帳の中に入ってたものが市町村に行かないで額が一部消えていたということで使途不明となっているものでございます。これにつきましては、昨年8月に日本消防協会から岩手県消防協会あてに事務費の送金をしますということで通知があったわけでございますが、この通知を受けて、消防協会としては各市町村に送金口座確認の通知をしたところでございます。その後、一部市町村からどのような内容の送金なのか確認の問い合わせがあったため、それ以前の処理について、前どういうふうに処理していたかという疑義が生じまして、過去の支払い状況の調査を実施したところ、いや、払われていないということがわかって発覚したものでございます。
 それから、これに対して協会としてどのような対応をとってきたのかということでございます。実は、私ども、協会から3月18日に呼び出しを受けまして説明を受けました。その上で、3月26日に協会に行って、再度私どもとしてわからないことを調査してまいりました。そのときに聞いたお話でございますが、発覚して以降、平成20年11月以降、本人からの聴取、それから日本消防協会に行って実際にどれくらいお金をよこしたのか、そういった裏づけ調査等をしておりました。その後、本人とさまざまやりとりをしまして、1月になって、本人から申しわけないと、一部不明になっている点についておわびがあったと伺っております。その後、お支払いをするということで、3月になってそのうち200万円ほどを内金として納めたと聞いております。
 協会としては、その後、理事会、それから代議員会を開きまして、その処置についていろいろ協議をして、また市町村への説明会なども行っていまして、市町村からすぐ返せという強い意見もあって、理事会、代議員会で協議をした結果、やっぱりあいまいにはできない、しっかりと訴訟を起こして事実をはっきりさせようという意思決定のもと、7月28日に盛岡地方裁判所に元職員を被告とする不当利得返還請求という訴えを起こしたという状況でございます。
〇伊藤勢至委員 本来、市町村を通じて、言ってみれば各分団に支給されるべきお金が滞っていた、それがこのごろになっていきなり起訴されて、このお金は何なのだということからわかったと、こういうことですか。
 今の岩手県の消防協会長、現在9代目ですが、この方は盛岡の消防団の団長さん。それ以前は、8代目、7代目、6代目、いずれも当時の現職の県議会議員だったわけでありまして、8代目が12年間、7代目が13年間、6代目が12年間、6、7、8の3代だけで37年間この協会長をやってきたという経緯があるわけであります。
 そこで、先ほど及川委員からの質問に県も協会に補助を出しているということでありましたが、岩手県という名前の冠をいただいて県から補助を出しているということは、岩手県の監査の対象になっているんでしょうか。監査委員事務局長、いかがなものですか。
〇千田監査委員事務局長 消防協会を監査しているかということでございますが、最近では平成18年度において監査の実績がございますが、関係団体が60から70に及びますのでローテーションをとりながらやっているところでございまして、今年度は対象としていなかったところでございます。
〇伊藤勢至委員 今、裁判ということになっているようでありますが、当該女性は事務局次長を相当長い間やっておられた方のようでありますけれども、その辺のことで、日本消防協会から送金された事務費等は市町村からの掛金の遅延や不足金に立てかえたり来賓の接待交際費等に支出したものである、こういう答弁をしているようでありますが、これは公金でありますので、それが来賓の接待交際費等に使われた。使われたのが悪いのではなく、こういうものは正々堂々と、今の消防団員、3万人ぐらいもいるのでしょうか、そういうものの上に立つ人たちが使うお金ですので、いつ、いかなることがあっても明らかに説明ができるようにしていただきませんと、一方では消防団員の確保と言いながら、これでは、まさに身命を賭して、身を粉にして働く消防団員を幾ら勧誘しようとしても、こういう不祥事があったのではなかなか難しい、このように思うわけでありまして、今後のいろいろな裁判の推移を見守るしかありませんけれども、相当これは根が深い問題だと思っております。きのう、きょうの問題ではない。
 したがいまして、当時の関係者からこういったものを返還してもらうとか、そういったものを公にしながら県民の前に発表していかないと消防団員確保という大命題につながっていかない、私はこのように思うのでありますが、いかがお考えですか。
〇高橋防災消防課長 委員御指摘のとおりでございまして、やはり公的な団体でありますので、当初、向こうから示談という話もあったわけですけれども、そうではなくて、やはり裁判を通じてしっかりと事実関係を明らかにしていくことがまず第一だろうと思います。その過程でさらに市町村消防団員の方々にその経緯等をきちんとお知らせする、そういう中にあって消防協会としてしっかりと今後の対応策を考えていくべきであろうと考えております。
〇伊藤勢至委員 消防団を束ねる協会の中からこういうことが起きたということは、もちろん現在の団長が矢面に立つことかもしれませんが、しかし、長い間なあなあで続いてきたことによることがあるのかもしれません。13年、12年、13年という長きにわたって3人がやってきた。しかもその3人の会計をやってきたのはほとんど1人の、しかも女性だったと、こういうことでありまして、そこには新しい風が入っていかないからそのままやあやあ、なあなあで来た面もあるのかもしれませんので、これはやはり岩手の消防団を健全に育成していくという観点から、万般にわたって指導というか協議というか、本来のあり方はこうあるべきですよということをやっていただいて、県の消防団が元気よくやっていけるようにやっていただきたいと思うのですが、部長から一言聞いて終わります。
〇菅野総務部長 委員の御指摘のとおり、やはり今、消防団の方々は身命を賭してそれぞれ、特に昨年度の地震災害等も含めて全力を尽くして活躍いただいています。これだけ災害が発生しても、何とか本県が今の姿にあるのは、やはり消防団員の方々のお力によるところが非常に大きいのだろうと思ってございます。
 そういった意味で、今回発生しました事件につきまして、訴訟を─現在係争中でございますが、事案を明らかにして、その内容、今後の取り組みについて団員の方々を初め県民の方々に広く御説明し、消防団活動について県民の方々に一層の御理解を深めていただく、そういった努力を協会ともども私どもも尽くしてまいりたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
〇柳村岩見委員 総務部長は、議会運営委員会に予算調製課総括課長、担当課長を従えて出席されます。それから、本会議場においては、知事が提出される議案について、人事案件議案以外は説明されるお立場にあります。
 そこで総務部長にお尋ねするわけですが、質問する前提についてまず先にお話しさせていただきます。
 昨日の総括質疑におきまして、嵯峨壱朗委員は、平成20年度決算は議案として提出要件を満たしているのか、提出の仕方としてどうかなどさまざまな疑問を抱いているとの認識を示しながら、不適切な処理があっても決算書としては問題ないということかと質問されました。答弁は、古内会計管理者は、歳入歳出の出納は5月31日で閉鎖され、決算における計数は同日で確定する。決算書として整理した計数上としては問題ないと、こう答弁されました。達増知事は、5月31日時点で計数的に誤りのないものと認識しており、決算認定をいただきたいと、こう答弁されております。
 このことを前提にお尋ねするわけでありますが、決算審査という今まさしく行われているこの決算特別委員会において、あるいはまた言葉をかえれば議会において決算を審査し、その結果として認定する、認定しないというこの行動における決算審査というのは、計数だけを審査しておりますか。その御認識でしょうか。それとも、決算の性格、特徴についても審査していると御認識でしょうか、どちらでしょうか。
〇菅野総務部長 ただいま議会に決算の審査をお願いしているところでございます。私どもとして、議案を御提案申し上げている執行部として、議会でどこまで御審査いただくべきかというのを申し上げることはなかなか難しい面もございますが、ただ一般的に、地方自治法に基づく決算審査をいただいているわけでございますが、地方自治法の解釈といたしましては、決算の審査につきましては、今、委員から御指摘のありました計数について誤りがないかだけではなくて、支出命令等に符合しているのか、さらには収支は適法であるかなどを主眼として多方面から検討されるべきというのが現在の通説的な考えであろうと思ってございまして、私もこういう考え方がいわゆる自治法の解釈として一般に行われており、そういうことなのではないかと考えているところでございます。
〇柳村岩見委員 まさしく今の答弁は立派な答弁だったと思います。今の総務部長の答弁を裏づけるかのように、平成19年度の決算審査におきましては、計数が動かないのに不認定という審査結果を得ております。議会はそういう結果を示しております。そのことから考えましても、当然ながら計数の動き、このことだけを見て審査しているのではない。よって、結果として、その決算が持っている性格、平成19年度の決算においては、私どもから見れば不正経理、皆さんから見れば経理における不適切な事務処理が存在したことによって性格が定まったと、そのことによる不認定であったと、こうなるわけであります。それが普通の一般的な定義づけであろうかと思います。
 ところが、昨日の総括質疑における答弁では、出納閉鎖された日に決算に係る計数は同日で確定されるということだけをもって知事に対してそれを報告し、知事が監査委員に付し、そして意見書をつけてもらって議会に決算認定議案として提出される、こういうことであります。この皆さんが答弁をされている姿と決算特別委員会の現実的な姿と余りにも差がある、結果として。
 恐らく制度として今までそのようにやってきましたということになろうかと思いますけれども、それにしても進化がないということです。要するに、議会では性格も見定めながら審査し、認定するかしないかを決するという行動をしております。昨年はまさしくそういうことがあったと、こういうことでありますから、そのことに当局の決算認定議案としての提出の姿が伴っていなかったり、非常に進化されない旧態依然の姿が見受けられる、この御認識はいかがですか。
〇菅野総務部長 昨日、会計管理者等が御答弁申し上げましたのは、大変恐縮でございますが、5月31日をもって出納閉鎖されますので、内容としていろいろ、昨年度、私どもの知事部局でもございましたが、実際に支出した内容と現実に購入した物品に差異があった、異なっていたという現実が昨年度もございました。そういう事実は事実として存在するわけですが、一方で、支出されてしまった、実際にお金を払ってしまって計数的にはもう動かしようがない事実として、誤りは誤りとして確定してしまったという事実もまた動かしがたい、大変恐縮ですが、そういう一つの現実もございます。
 したがいまして、実際に出納機関を通じてそのように支出されてしまいましたので、そういう計数的な整理としてはもう我々としては動かしようのない事実として確定してしまったということでございます。したがいまして、そういう事実を事実のまま、決算数値としてはもう動かしようがございませんので、それで決算数値として確定して、監査委員等の外部的な御審査をいただいた上で、大変恐縮でございますが、議会に御提案をさせていただくという一連の手続が法定されてございますので、それに従わせていただいて議会に御提案させていただいたという事実を申し上げさせていただいたということでございます。
 確かにその中に、昨年度も結果としてございました、実際の決算のそれぞれの費目と現実に購入した物品が異なっていた、言ってみれば現実の支出科目と実際に中身に相違していたものがあったことについては私どもとして大変反省しなければならないと思っておりますし、今後このようなことが起こることのないよう、我々としてもさらに努めていかなければならないと思ってございますが、あくまでも決算数値としてそういう性格のものだということを申し上げたところでございますので、その辺については私どもの反省も含めまして何とぞ御理解を賜ればと思います。
〇柳村岩見委員 今回の決算の認定議案の提出については大変不幸な状況であったと思います。県警本部長も釈明しているとおり、帳簿における一つ一つの事例を帳簿に合わせて調査をするという膨大な調査の中で決算議案を提出する前に報告ができなかったということでありますけれども、しかしながら、先ほど申し上げております私の見解であれば、決算というのは計数のほかに性格を持つものだ、結果として特徴を持つものだと思われますときに、私どもから見る不正経理が予見されたと。予見された以上は、それがある、ない、どの程度あるかによって決算が持つ性格と特徴が定まってまいります。その資料を提出しないで、いわば県警の調査の最終報告がなされないで決算認定議案が提出されたことは不幸なことであります。
 でき得れば、膨大な調査であれ、決算認定議案として提出される以前に報告がされ、そのことによって決算が持つ性格、特徴というものが定まり、そのことも含めてこの特別委員会において審査し、結果を出す、こういう流れになると思いますが、今回、これは非常に閉塞的な結果であって、今後、先ほど部長、釈明の弁もなされましたけれども、これから釈明してもらいたい、誤りはおわびをしてほしいのですが、今回は不幸なこういうケースでありました。今後、やはり決算というのはいろいろな要素によって性格も定まり、特徴も定まっていきます以上、それらにかかわる資料というものが、予見されてからの場合は特に結果を出して提出をするのだということでなければ非常に決算審査というものは形骸化していく。そして、皆さんの提出の仕方も旧態依然とした、今までそうしてきた、だからそういう認識だからこうした、数字には変わりはない、こうおっしゃいますけれども、実際、性格も審査していますから、それに見合う要件を満たした議案提出でなければならないという御認識と今後のことについて、今回はまことに私は不幸なことだと思うのだけれども、あってはならない、こういうケースは。特に2年など続けてあってはならないという観点からどういう見解になりますか。
〇菅野総務部長 委員御指摘のとおり、やはり議会に決算の審査をいただくに当たって、執行部として最大限努力させていただきながら、議会においてより的確な御審査をいただけるような努力を万全に尽くすべきであろうと存じておりまして、そういった意味で、今回、県警本部から御説明がおくれたことにつきましては、議案を所管します総務部としてもおわび申し上げなければならない事態だと思ってございます。
 決算審査におきましては、私どもも正直言って非常に悩んだところがございます。一方で、やはり決算審査については、極力いろいろな議会の御審議をいただいて、来年度予算にそういった御審議の内容をより的確に反映させるべきであるという一つの要請もございますし、また特に、現在、地方公共団体のいわゆる、今回御報告しておりますが、決算数値、新たな動き等がございまして、地方公共団体の決算に対する全国的な関心も非常に高まっております。こういった段階で、いち早くまとまった決算について議会の御審議をいただいて、より明らかに県民の方々に議会審議を通じて決算のあり方というものをより広く公表させていただくのも非常に大きな要請でございますので、そういった点で、より早くしなければならない。
 ただ一方で、私どもとしても県警本部に対して再三、知事が御答弁申し上げましたとおり、議会に早期に御報告して審査いただける万全の態勢をとるようにと申し上げたところでございますが、結果として中間報告、それも議案の提出と相前後したという結果になったわけでございまして、その辺の状況については私どもとしても重く受けとめなければならないと思ってございます。
 したがいまして、今後とも議会における審議に当たりまして、より的確な審議を尽くしていただけるよう、関係書類の提出も含めて私どもとして最大限努力をさせていただきたいと思ってございますので、今回の事案については何とぞ御理解を賜ればと思ってございます。
〇嵯峨壱朗委員 今の説明で、きのうもそうでしたけれども、予算に反映させるために早目に決算をどうこうと。不明朗な決算を審議してどういう意味があるんですかね。予算に反映するって、きのう時間もなくて触れなかったんですけれども、本来であれば、そういった一定の、警察の報告がおくれた時点で、そして議案として提案すべきであって、であればわかりますよ。そんな不明朗なものを審議して予算にどうやって反映させるのか、その考え方がちょっとわからない。説明願いたいと思います。
〇菅野総務部長 確かに委員御指摘のとおり、今回、県警本部からの中間報告にありましたとおり、今現在、県警本部から報告されています平成20年度決算に係る分についても、今の中間報告の段階でも中に含まれているものが明らかになってございますが、ただ一方で、決算審査におきましては多方面にわたりいろいろ議会の御審議をいただいていると存じます。県警本部のみならず、その他の部局も含めて多方面からいろいろ議会の御意見、御審議を賜っていると存じてございますので、そういったトータルな意味で決算審査を通じていろいろな決算についての問題点が明らかになる場合もあろうと思いますし、私どもで行っている事業についてのいろいろな評価もしくは御意見等が議会の御審議を通じて明らかになり、それが県民の方々に広く御認識いただけるという面もあろうかと思いますので、恐縮でございますが、そういうトータルな意味で、そこで出たいろいろな御意見を来年度予算に反映させていくという趣旨で申し上げたところでございまして、そういう趣旨を御理解賜ればと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 やっぱりちょっとずれがあるんでしょうけれども、きのうも指摘しましたけれども、議案は一つですよね、いろいろな部局があっても。それ一つとして議案をなす一部が、県警の議案だけとって決算するというふうな議案は存在しないわけですから、多方面にわたっているのは十分知っておりますけれども、議案としてやはり、岩手県ですよ、こういったことを提案すること自体、本来であれば恥ずべきだと私は思っているんです。また、それを受けた議会もどうかと思っているけれども、そういったこともやっぱりきっちりと考えないと悪い前例になると思いますけれども、どうでしょうか、それは。
〇菅野総務部長 また同じようなお話になって恐縮でございますが、やはり執行部として、今回、結果的に県警本部からの御報告がおくれ、本来であれば県警本部からの最終的な御報告をさせていただいた後、決算審査に臨んでいただくということで私どもも努力させていただいたところでございますが、力足らず、結果としてそういうふうに至らなかったことについては私どもとしても重く受けとめてまいりたいと思ってございますし、今後、各議会の審査がより深まるように、資料の提出については万全の措置をとらせていただきたいと思ってございますので、今回については何とぞ御理解をいただき、決算の審査についていろいろ御意見を賜ればと思ってございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〇亀卦川富夫委員 事務事業の点検という観点から、東京事務所と県外事務所の現状についてお伺いいたします。
 今、東京事務所と国内外6県外事務所をお持ちになっているわけですが、それぞれの設置目的とその成果についてどのように把握されているのかお伺いいたします。
〇八重樫総務室管理課長 県外事務所の設置目的でございますけれども、東京事務所につきましては中央省庁との連絡調整、それから観光、物産の情報発信目的ということでございますし、それ以外の北海道、大阪、名古屋、福岡の各事務所におきましてはいわゆる北東北3県合同事務所として運営しておりまして、各地域で北東北3県の観光や物産の情報発信拠点として設置しているということでございます。
 それから、海外の事務所でございます。ソウル事務所、大連事務所がございますけれども、ソウルや中国との経済交流、観光客誘致の推進ということで設置しているものでございます。
〇亀卦川富夫委員 今、海外のソウル、大連、これは商工労働観光部が、この決算書にも出ておりますが、これは現状把握等も問いやすいし、答えも返ってくるんだろうと思います。
 今、東京事務所あるいは銀河プラザ、これはある程度わかりやすいんですが、その他の都市に存在している県外事務所については、設置目的はお話しいただきましたが、その成果というんでしょうか、現状等についてどのように把握されているのか、その辺、どの課で把握しているものか、その点をお伺いします。
〇八重樫総務室管理課長 県外事務所の成果ということでございます。
 東京事務所につきましては、県の最前線基地としまして、中央省庁との連絡調整、それから企業誘致、岩手ファンの拡大、食材販売の推進など重要な役割を果たしております。商工労働観光部、総務部双方の所管でもって役割を果たしているところでございます。特に銀河プラザにつきましては、平成20年度の販売額は5億4、000万円余に達していると伺っております。全国でも上位に入っていると聞いておりますし、企業誘致につきましても、製造業で見ますと、昭和30年度からの数字ですけれども、現在まで730件誘致実績がある、そういった大きな成果があるということでございます。
 それから、北海道事務所につきましては、それぞれ主なものになろうかと思いますけれども、教育旅行情報交換会を毎年北東北3県で開催しておりまして、学校の先生方に集まっていただいて、修学旅行の誘致を目的とする会議でございますけれども、その成果もありまして、平成15年度が1、004名だったんですけれども、平成19年度について1、315名岩手県に修学旅行として来ていただいているところでございます。
 それから、名古屋事務所につきましては企業誘致の比重が高まってきておりまして、平成5年に関東自動車工業を誘致して以来、自動車関連企業の誘致が中心となっておりますが、実績として中京地区の15社を含めまして31社、自動車関連企業の誘致があると聞いてございます。
 それから、大阪事務所、福岡事務所ですけれども、それぞれ特にアンテナショップの売り上げ、販売額がふえておりまして、大阪事務所につきましては平成16年度からアンテナショップが始まっておりますが、当初5、700万円余の販売額が平成20年度は9、700万円余ということで、3県の売り上げが4、000万円増になっております。それから、福岡事務所のアンテナショップにつきましても、3県の販売額で、設置の平成10年度が3、300万円余の販売額が平成20年度は5倍以上になりまして1億7、500万円余の販売額というところで、それぞれ関西、九州で大きな成果を上げているということでございます。
〇亀卦川富夫委員 今、概略をお話しいただきました。そこで、多分これから戦略的に物事を進めていくときに、かなり専門的な知識を有する職員の配置とか、あるいは外部への委託等が出てくるんだろうと思います。そこで、今こうして一括して総務室で管理しているということで決算書には出ているんですが、例えば商工労働観光部に所管がえして、そこでもっと予算措置あるいは決算での判断、私はそういったことがなされてしかるべきではないかと、こういうふうな感じがいたします。
 そういう意味で冒頭、事務事業の点検の観点からと、こうお伺いしたわけですが、点検するのみではなくて、これを本当に県勢発展のために、例えば食産業の育成という観点からいったら、まさしくこういったものはそういう担当部がやっていくと。不動産の部分を管理するために総務室に置いておくという観点ではなくて、事業を中心とした設置ということで対処していくべきではないかと、あえて決算でそういうことでお伺いした次第でございますが、予算等への反映についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
〇菅野総務部長 東京事務所を含めた県外事務所、特に国内事務所につきましては平成11年度から総務部の所管になってございます。これは当時、岩手県について総合的な情報発信を行う窓口としてやはり総務部が適当だろうという判断だったと思いますが、そのときの状況は状況といたしまして、やはりその後、委員からの御指摘にありましたとおり、今、役割としては、観光や物産を初め、非常にそういったものが重視されてきてございます。そうしますと、現段階においてどこが所管するのが最もいいのかというのは組織的に見て常に見直す必要があるだろうと思ってございまして、よくその辺については、現在の県外事務所のあり方、機能等も含めて今後検討させていただきたいと思っております。
〇佐々木博委員 それでは、歳入にかかわって、県債の関連で2点伺いたいと思います。
 最初は、退職手当債についてでありますけれども、平成20年度も退職手当債を一般会計で45億円発行しているようですけれども、平成18年度から始まったと思いますが、累計の発行額は現時点で幾らになっているでしょうか。それから、今後どの程度の発行が見込まれるのか伺いたいと思います。
 あわせまして、退職手当債の償還年数は何年になっているのか。そして、今後の発行も含めて、金利を含めると全体で将来にわたる返済総額は幾らぐらいになるのか、まずこのことについてお伺いしたいと思います。
〇八矢予算調製課総括課長 退職手当債についての御質問でございます。
 現行の退職手当債は、委員御指摘のとおり、団塊の世代の大量退職に伴う人件費の一時的な増大に対処するために、地方財政制度の一つとして平成18年度に創設されたものでございます。本県では、これまで平成18年度に45億円、平成19年度に54億円、平成20年度に45億円の合計144億円の発行を行っております。
 それから、先般公表いたしました今後の収支見込み等におきまして、教育委員会や県警本部も含めて、平成21年度に43億円、平成22年度に50億円程度の発行を想定しているところでございます。
 それから、償還期限等についてですが、退職手当債の償還については全国共通の発行についての基準が定められてはおりませんが、本県の場合、財政状況等を勘案いたしまして、20年償還ということでこれまで3カ年借り入れを行ってきたところでございます。
 これまで平成18、平成19、平成20年度発行した144億円につきまして、金利も含めまして返済総額は173億円でございます。平成21年度、平成22年度を合わせて93億円の発行を今のところ予定しておりますが、まだ発行していませんので、その金利等の分についてはまだ含まれておりませんが、およそ300億円弱が今後の返済総額として見込まれるところでございます。
〇佐々木博委員 退職手当債の償還財源ですけれども、これは、定数削減などによって将来の人件費の削減効果が見込まれる範囲内で発行が認められているわけです、制度として。それで本県の場合、私、一般質問でもちょっとやりましたけれども、ずっと定数を減らしてきまして、平成23年度には知事部局4、000名、多分そろそろ限界値に近づいているのではないかと私は思っているんです。
 ということはどういうことかというと、もう限界値に近づいているから、人員の削減による削減効果というのもそんなに大きく期待できないのではないかと思っております。今、300億円弱という答弁がありましたけれども、果たしてその償還の財源、本当にそれだけで確実に見込めるという見通しが立っているんでしょうか、いかがですか。
〇八矢予算調製課総括課長 退職手当債は、通常の建設投資に係る地方債とは異なりまして赤字地方債の一つでございますので、必要となる退職手当の総額の全額が退職手当債として賄えるものではなく、将来の人件費の削減により償還財源が確保できる分ということで発行可能額が定められているものでございます。
 本県におきましては、これまで平成18年度から平成20年度までの3カ年で、職員数の削減により大体957億円ほどの将来の歳出減を確保したところでございます。人件費の削減を1年だけで行うか数年かけて行うかによって、1年でどんとやったらその年だけ退職手当債が発行できて、あとはできない、同じ数を複数年度にわたって職員数の削減をすれば複数年度退職手当債を発行できるというものではなくて、これまでの累計でどれぐらい職員数の削減を行ったかで発行可能額が定まってまいります。本県ではこれまでかなり努力して定数の削減を行ってまいりましたので、今後につきましてもこの範囲内で償還を行うことになるものと考えておりますけれども、ちなみに、本県の中でも発行可能額の満額を退職手当債として発行しているわけではなく、全体の一部を発行可能額とすると。ただ、その発行可能額の3割ぐらいを退職手当債で賄っているということで、できるだけ絞った発行を行っているということでございまして、将来の償還にも配慮した発行を行っているところでございます。
〇佐々木博委員 わかりましたけれども、この退職手当債って、一般県民には、御承知だと思いますけれども大変評判が悪いわけです。それはなぜかというと、普通の民間企業ですと、退職金というのは大体引当を積んでおいてそれで賄うのが普通です。それが赤字になって、要するに退職金が払えないからそれを起債して払うと。それにも抵抗があるし、プラス、大体償還年数20年ぐらいということでしたけれども、これから納税者になる方もどんどんふえてくるわけですけれども、要するに今まで恩恵をこうむらなかった方々がそれの負担もしなければいけないという点でも余り評判がよくないわけです。
 実は平成20年度、平成18、平成19、平成20年度と3カ年通じてそうなんですが、退職手当債を起債していないところもあります。平成18年度は多かった。だんだん少なくなってきましたけれども、平成20年度においても、私が総務省の資料で調べたところ、起債をしていないのは東京都、それから鳥取県、島根県、この三つです。東京都については事情も違うだろうと思いますけれども、少なくとも鳥取だとか島根の財政状況というのは、恐らく私は本県と余り大差ないのではないかと考えます。ところが、こういった差が生じている。片方では起債をしていない、本県を含めて多くのところでは起債している。なぜこの差が生じたのか、そこに何か要因があるのかと思うわけでありますけれども、いかがでしょうか。
 ある経済誌で、鳥取県の片山前知事ですけれども、いずれ退職金をこうしないと支払えなくなるということで手を打ったという記事が載っておりました。確かに鳥取県はまだ起債していません。将来はわかりませんが、少なくとも平成20年度まではこの退職手当債の起債をしていないわけでありまして、本県でも何かもっと事前に手を打てば対応可能だったのではないかというような気もいたしますけれども、その辺について御所見を伺いたいと思います。
〇八矢予算調製課総括課長 鳥取県、島根県等との違いということでございますけれども、余り詳細に調査ができているわけではございませんが、委員御指摘のとおり、島根、鳥取でも退職手当債を発行しないことを特段大方針として決めていると、そのために行革などをどんどん行っているということではなく、今のところ何とか発行しないでもやっていけているという理由で退職手当債を発行していないと聞いております。
 退職手当債は地方財政制度上やむなく導入された制度ではありますけれども、可能であれば発行せずに済ませたい、そのほうが望ましいと私どもとしても考えているところでございまして、今後の財政運営についても必要最小限の活用という考え方で努力していきたいと考えております。ただ、現在の地方財政制度、地方財政計画が国、地方を通じた巨額の財源不足を背景に、一時期の団塊の世代の大量退職のために退職手当債を発行することを織り込んで今の地方交付税等の算定が決まっていることから考えますと、県が必要な歳出を賄うためには、現状では退職手当債を含めたさまざまな財源対策を講じざるを得ないと考えておりまして、今後の具体的な発行見込み等につきまして、県債の発行見通し、収支のバランス等々を勘案しながら、できるだけ最小限度、適切な規模での発行を検討していく必要があるものと考えてございます。
〇佐々木博委員 鳥取県についてはちょっと認識が違いますけれどもね、片山さんはそうなることを見込んでやっていたと、それで行革に取り組んだと言っていますよ。
 それはともかくとして、今、答弁で私の認識とちょっと違うところがあったんですが、これらの財源ですね、退職手当債、全部比例して地方交付税が来ますか。私はそういうふうに解釈していないんですけれども、どうですか。今の答弁だとその分も地方交付税でだっと来るような御答弁だったんですけれども、私はそういうふうには認識していないんですけれども、いかがですか。
〇八矢予算調製課総括課長 私の説明に幼稚なところがございまして……。地方全体として必要な歳出を積み上げると。それを税収とか地方債とか交付税でどのぐらい足すか、それで交付税の額が決まって、それを全団体に配分する、足りない分を全額交付税で国として措置すると。現ナマで各地方公共団体に配られるということであればきちんと交付税と税金で県の歳出を賄うということでありますが、最初から退職手当債を日本全体として1、500億円なり2、000億円発行するという前提で交付税の額が決まりますので、そうすると、岩手県に配分されるものも、日本全国として退職手当の一部は退職手当債で賄うという方針のもとに、少し少ない額が割り当てられるということで、本県としては自前で退職手当債を発行しないとなかなか苦しいということでございました。
〇佐々木博委員 そうだと思います。
 次に、仕組み債について伺いたいと思います。
 まず、仕組み債を導入するに至った経緯について伺いたいと思うんですが、県では平成19年度に仕組み債を50億円発行しております。これは嵯峨壱朗委員が過去2回ぐらいこの委員会でも多分取り上げたと思いますけれども、今回取り上げていないので私が取り上げたいと思っております。
 この仕組み債ですが、いわゆる為替レートに連動して金利が半年ごとに連動する、いわゆるデリバティブを活用した地方債であります。1ドル98円50銭よりも円安の場合は利率は1.37%、しかし、1ドル98円50銭を超えて円高になると利率が上がるというものです。総務省の公表によりますと、この仕組み債を導入しているのは本県を含めて7府県とのことでありますけれども、この仕組み債については、資金の運用としての仕組み債についてでありますけれども、大学や財団や、あるいは多くの地方自治体等も資金運用で仕組み債をやって失敗しているというのは報道されているとおりであります。非常に危険性が指摘されているわけでありますけれども、債券発行の場合もやはり同様な危険性があるわけであります。
 そこで、県が仕組み債を導入する際、まずどのような検討が行われたのか。そしてまた、起債はもちろん議会で予算で通るわけでありますが、しかしながら、どういった起債がされるかということについては基本的に説明がありません。ですから、県がデリバティブを活用した起債を行っていたというのも、実は2007年、平成19年に総務省が公表したから我々が初めてわかったということであって、県からの説明でわかったのではないわけであります。
 そこで、議会に一切こういった危険だと言われているものが説明がないままになされたということについてどのように考えておられるか、まずそのことについてお伺いしたいと思います。
〇八矢予算調製課総括課長 仕組み債についての御質問でございます。
 先ほど、本県の発行している仕組み債、平成18年度発行した50億円分につきまして、制度の内容は委員御指摘のとおりでございますので改めての御説明はいたしませんが、発行に当たってどのような検討が行われたかという点につきまして、2点、発行体制の面あるいはリスクの分散という点から検討を行ったものでございます。
 当時、本県も含め、政府の財政融資資金の貸付規模をどんどん縮小していくという財政投融資改革の流れの中で、地方公共団体が調達する資金についても、基本的に市町村ではなく、都道府県レベルにあっては特に政府資金から自分で市場から調達してくださいという大きな流れがございました。年々銀行等引受債が増加していく中で、地元金融機関のみに依存した資金調達を行っていると、そうした発行体制では、将来的に発行金利の上昇だとか、金融機関が好む短い償還年限への集中、さらには発行自体が不調になってしまう等々の懸念がございましたので、平成17年度から資金の調達先の多様化を図るということで、地元以外の金融機関からの調達を行ってきたところでございます。
 本債券もこの観点からの検討を行っていたというのが1点でございまして、もう一つはリスクの分散ということで、例えば今回の仕組み債は期間10年の満期一括償還方式でございますけれども、一口に期間10年の県債発行と言っても、10年間金利が固定の地方債、あるいは5年固定の利付債を5年後に借りかえて2回発行する、あるいはこれらを変動利付債として都度都度金利を変動するといったような形で多くの発行方法がありまして、特定の方法に偏ったスタンスをとらないということが将来の金利変動に備えて重要だと考えているところでございまして、現在も県債を発行するに当たって、一つの方式に固定してしまいますとリスクがそこに集中してしまうということで、いろいろなリスク分散を図っているところでございますが、こうした方針のもと、今の県債は金利が上がると利払いが上がることになりますが、金利という要因以外、金利とは別の経済指標に連動する仕組み債というのが考えられないかと。県債の利払い額を増減させる要因そのものを分散させるという意味合いで検討したものでございます。
 難しい説明になりますが、マクロ的には、日米の金利差が縮まる、アメリカが高くて日本の金利が低い。日本の金利が上がると県の利払い費は上がるわけですが、マクロ的に言うと円安傾向になりますので、円安になれば今回の仕組み債は金利が低くて済むということで、リスクの分散を図るといった観点から導入を試験的に決めたものでございまして、あくまで試みといたしまして、できるだけ小さいロットで発行を行ったものでございます。
 そうした検討を行って発行したものでございますが、もう一点、議会に対しての御説明ということでございます。
 先ほど御説明いたしましたように、県債はいろいろな発行形態によって発行しているものでございますが、当初の県債の発行から20年、30年で返すと。その間に何回か金利の見直しをするということで、最終的に20年、30年後に償還されるまで、その間の長期金利の動向などによって大きく利払い額はそもそも変わるものでございます。本県において、定期的に利率の変更をするということで変動利付債として発行しているものもございまして、これらについては、国債など参照する金利の上昇によっては仕組み債と同様に高い利率となる可能性もあります。
 このように、県債というのは発行から返し終わるまで多かれ少なかれ金利という経済指標に左右されるものでございまして、私どもとしては、予算として県債を発行する、利率9%以内で発行しますということを提案いたしまして、それで議決をいただいているということで、利率が議案として議決いただきました9%の範囲内におさまっているということでございまして、議会に対して特段の御報告というのを行ってこなかったという事情がございます。
 ただ、いろいろな御指摘をいただいているところでございまして、為替という経済指標に左右される本仕組み債について、こうした特殊性を改めて考えてみますと、当面新たなこうした金利以外の経済指標に左右される仕組み債の導入を直ちに導入することは考えてございませんけれども、こうした債券を仮に発行することになった場合は、何らかの形で適宜状況等をお知らせする方法を考えていく必要があるのではないかと考えております。
〇小田島峰雄委員長 この際、進行に御協力願うため、答弁は簡潔明瞭に願います。
〇佐々木博委員 マクロ経済のお話を今御説明いただきましたけれども、金利差があっても、それで為替のレートは決まっていないですよ。インフレの率だとかいろいろな要因があるから、御承知でしょう。だから、そんな理論どおりいくのならだれも間違えないんですよ。そのとおりいっていないから難しいわけで、総務省は、やっぱりこれは基本的には余り推薦できないと言っているでしょう。そうですよね、御承知のとおりなんですよ。
 ですから、9%の金利だって、これは最高額が9%ですからね、金利が一番円高にいって。それは後からわかったことだけれども。ただ、やっぱりそれの仕組み、我々今の低金利で本当に9%の起債をやるなんてだれも思っていないわけですよ。上限は9%かもしれないけれども。だから、こういったことをやるときには、それなりにやはり説明は私は必要だと思うし、ぜひ説明をしていただきたいと思います。
 ちょっと伺いますけれども、今の為替レートなら金利は幾らになりますか。支払い利息は年間幾らになりますか。
 また、円高が進むと最高の金利は9%ですが、その為替レートというのは、9%のときというのは幾らということになっているんでしょうか、そのことについてちょっとお伺いしたいと思います。
〇八矢予算調製課総括課長 直近の利払い日はことしの7月31日でございまして、利率の判定は30日業務前の6月18日の午前10時の金利ということで決定いたしました。このときの為替レートは、アメリカドル1ドル95円72銭でございまして、利率が5.42%でございました。元金50億円に対する半年分の利子は約1億3、600万円余でございます。
 それから、上限9%になった場合の為替でございますけれども、1ドル72円23銭といった水準でございます。
〇佐々木博委員 これから円が高くなるのか安くなるのかだれもわからないわけでありますけれども、ただ、多くのアナリストは、来年80円ぐらいまであるいは円がいくんじゃないかという話もあります。これも確実かどうかいってみなければわかりませんが、いずれそういった危険性があるわけでして、恐らく80円近くまでいきますと、今は5.42%、95円、きょうは89円ぐらいですから、これよりまだ高くなっているはずですし、もっと結局利払いがふえる可能性があるわけですね。
 このデリバティブというのは、御承知のとおり物すごく複雑なんですね。今度のもの、県はどこを買ったかわかりませんが、恐らく外資、外国の証券会社が組成して日本の証券会社に売ったものなのかよくわからないですけれども、いずれブットだとかコールのオークションを組み込んでいって、しかもそれに対して今度はヘッジをかけたりして、非常に中身がわからないのがいわゆる仕組み債ですよね。だから、持っていても損するか得するかどうなるかわからないで持っている方々が結構多いんですよ、デリバティブの資金運用をしている方々についても。
 実は平成19年でしょうか、金融商品取引法が改正になって、いわばプロの投資家、特定投資家、これに一応地方自治体も組み入れられたわけですよ。ですから、地方自治体は、そういった難しい金融商品を買うときも、売るほうは説明しないで売れるわけですね、相手がプロだという前提でやりますから。
 私は、これも問題があると思っているんです。もともと自治体でそんな金融商品の中身に詳しい人がいるところなんてほとんどないですよ。ですから、私は、県なんかも、やはりこれから買わないほうがいいと思いますけれども、いずれそういった難しい金融商品を買うときには、特定投資家じゃなくて、一般投資家に移行しておいて、そして、やっぱりきちんと説明を受けながら購入する、そういったふうに方針転換をしていかなければいけないのではないかと考えますが、御所見いかがでしょうか。
〇八矢予算調製課総括課長 県は、資金の調達先、調達主体としての役割と、それから運用主体としての役割がございまして、今の委員のお話ですと、例えば基金を運用する際に、そうした派生商品を買うといったようなことを想定してのことかと思いますけれども、できるだけ県の基金などは安定したもの、それから、毎年の財政状況が非常に厳しいということで、来年幾ら取り崩さなければならなくなるかわからないということで、そもそも長期の資金運用はできないと考えてございます。
 予算調製課の立場としては、資金調達の主体として考えますと、金融商品取引法で一般投資家と、それから特定投資家が分かれている、地方公共団体はどちらにもなれる。特定投資家ですが一般投資家になることができる。ただ、一般投資家であっても、特定投資家であっても、取引前に行う金融機関の説明義務が変わるということで、取引に伴う結果責任は両者では変わらない。仮に、資金調達先として、資金の調達主体として考えますと、より詳細な説明を金融機関が義務として負うことになりますので、本県は1、000億円からの資金の調達を毎年行っている、借入日もかなり異なりますし、借入先もそれぞれある。そのときに、銀行としては、一般の市民といいますかお客さんと同じように一から十まで全部説明しなければならなくなるということになりますので、かなり事務的なコストが過大になるのではないかと考えてございます。ですので、金融機関からは、そのコストに見合った金利の上乗せが想定されるほか、そもそも説明が余り長時間にわたるので、取引が敬遠されるという可能性も否定できないのかと考えてございます。
 ただ、一般投資家にならなくとも、相手方に詳細な説明を求めるということは、特定投資家の立場としてもできますことから、当面、その導入は想定しておりませんが、複雑な金融商品の取引を行う際には、金融機関等と綿密な打ち合わせを重ねるなど、より慎重に対処していく必要があると考えてございます。
〇佐々木博委員 これで最後にします。仕組み債、基金の運用においては、本当に、大学なんかは何百億円、自治体もそうですよね、仕組み債で大分やられています。それから、地方債の導入が一番多いのは大阪府でしたでしょうか、それから兵庫県なんかが多いんだけれども、ここも今、円高で多分みんなやられていると思うんです。
 大体デリバティブというのは、基本的には為替レートの差でやるものと長短金利の差でやるものと、多分2種類だと思いますけれども、いずれ本当に、去年はリーマンショックもあったわけですが、今、経済が混沌としていて非常に難しい時代だと思うんですね。
 さっきの答弁の中にあったとおり、調達の範囲を広げたいというのはよくわかるんです。調達の範囲を広げたいというのはよくわかります。しかし、こういったことをやることが、私は、決してリスクの分散にはならないと思う。調達の範囲を広げると同時に、むしろリスクを高めていると私は思います。ですから、そういった点では、本当にいろいろと、やりたいのもわからないわけじゃないですけれども、やはり慎重に対応していただいて、そして、できるだけ県民の負担がふえないような資金の調達を頑張っていただきたいと思います。
 終わります。
〇平沼健委員 私は、歳入について若干と、それから防災総務費についてお尋ねいたします。
 歳入で収入未済額が増加しておるということで、先ほど総務部長から、それについての説明がございました。岩手県滞納債権対策基本方針というものがございまして、そしてまた、市町村とのこれからの取り組みという話が先ほどございましたけれども、もう少し具体的にお話をいただきたいと思っております。
 もう一つは、これまた先ほど説明がございましたけれども、不納欠損金が平成20年度非常にふえておりましたので、この辺のお話を聞こうと思ったんですが、これは、わかりましたので結構でございます。
 あと予算の執行率、これは、平成20年度、前年度に比べてこの執行率が低下しておるわけでして、これは、国の、あるいはいろいろな経済対策によって補正予算ということが出てきて、それによって執行率が低下したんだなという思いはしますけれども、これが、いろいろな事業が平成22年の3月末で大体完結するというようなことが出ております。
 それにしても予算執行、今のような経済状況であればあるほど100に近づいたほうがいいわけでして、事業効果というものを幾らでも早く発現するためにそういう思いがするわけですが、この執行率が毎年このような数字で推移してきておりますが、これはやっぱりやむを得ないものかどうなのか、その辺もあわせて、まずお尋ねしたいと思います。
〇吉田管財課総括課長 岩手県滞納債権対策基本方針についてのお尋ねでございます。
 この方針につきましては、平成20年10月に策定いたしまして、11月、12月の2カ月間を滞納債権回収強化月間として、書面におきましては1万四千数百件、また訪問、電話により1万7、000件などの催告を集中的に、全庁的に実施いたしました。
 この間、件数で3、795件、前年同期比で20%、金額でも5、842万円ほど、前年同期比7%の増になっております。回収が進んできております。
 そのほかに、従来は、収納は銀行に納付するという形が多かったわけですが、その場で直接お支払いいただくという直接収納が可能な債権の拡大を図っております。そういった規則等の改正手続を進め、新たにそのような制度面の充実を図っているところでございます。
〇八重樫税務課総括課長 収入未済額のうち、市町村との連携についてでございますが、県税の収入未済額につきましては、個人県民税において、所得税からの税源移譲により調定総額が増加したことによって収入未済額が増加しているところでございまして、収入未済額の縮減に向けて鋭意取り組んでいるところでございますが、特にも賦課徴収事務が市町村で行うこととされている個人県民税については、平成18年10月に設置いたしました岩手県地方税特別滞納整理機構において、大口特殊滞納事案の整理を促進してきたほか、各地方振興局おきまして、市町村との連携強化や共同で滞納整理に当たるなど、収入未済額の縮減に努めているところでございます。
〇八矢予算調製課総括課長 予算執行率の低下についてでございますけれども、予算執行率は、予算現額のうち支出済みの額の割合ということで、それ以外の額としては、不用額と繰越額の二つの要素がございます。
 昨年度より予算執行率が低下しておりますのは、不用額、繰越額双方がふえているという要因によるものでございまして、不用額がふえましたのは、外的な要因、例えば積雪量が見込みを下回って除雪に係る経費が見込みより下回ったといったような事情により不用額が生じる場合があるほか、予算編成後の執行段階においても、不断に経費節減を行っていることによる成果であると考えております。
 また、繰越額は、前年度比で30%の増ということで大幅な増になっておりますが、これは、平成20年度2月補正において、国の経済対策に伴う交付金を活用した事業の予算化を図るなど、時期を逸することのないよう最大限の対策を講じてきたところであり、この結果として、翌年度繰越額が昨年度より増加する形となったところでございます。
 こうした事情がありますことから、予算執行率が前年度比で1.4ポイントほど減少したところでありまして、直ちに改善を要するものとは考えておりませんが、いずれにしても、1会計年度の予算は当該年度内に執行し完結することが原則と考えてございますので、今後とも、効率的かつ効果的な予算執行に努めてまいりたいと考えてございます。
〇平沼健委員 本当に難しいと思うんですけれども、できるだけ、こういう経済状況でありますので、幾らでも100に近づけるような執行ということが必要と思っております。
 次に、防災総務費について二、三お尋ねいたします。
 先ほど消防のお話がございましたけれども、自主防災、この組織が今実施されておりますが、この自主防災組織の組織率というんでしょうか、この現状と、なかなか達成できない地域があるようですが、この未達成の要因あるいは今後の対応といいますか、その辺をお尋ねいたしますし、また、各地でいろいろな災害が発生する場合がございます。その場合の避難場所の指定ということで、あちこち避難場所が指定されてきております。ただ、まだ県内でも300カ所以上がそういう指定がなされないという、孤立の危険があるということが今言われておるわけでして、その辺の解消のために、県として市町村とどのような取り組みをしているのかということをお尋ねしたいと思っております。
 そしてまた、やっぱり災害のとき、特に携帯電話というものが非常に重要視されてきていると思うんですけれども、まだまだその不感地帯があると。鋭意、県あるいは事業者がこの不感地帯解消ということで、毎年毎年大きな財源が投入されておりますけれども、まだまだ不感地帯があるということで、これは地域振興部でまたお尋ねしますが、防災の観点で、この不感地帯解消についてどのようにとらえているのか、お聞かせいただければと思っております。
〇越野防災危機管理監 まず、自主防災組織につきまして、自主防災組織率の現況でございますが、平成21年4月1日現在で69.8%になっておりまして、前年度に比較しまして4.0ポイントの増加になってございます。
 岩手県の総合計画におきまして、平成22年度まで組織率を75%に向上させるということを目標にしているところでありまして、各市町村ごとの状況としまして、100%の組織率になっている市町村があります一方で、都市部とか沿岸部の一部あるいは県北部において、取り組みがなかなか進まないという市町村もございます。この要因としましては、コミュニティの希薄でございますとか、被害が比較的少なくて住民の防災意識がやや低調かなというようなことを考えてございます。したがいまして、県全体としてまだ70%に届いていないというのが現状でございます。
 このような状況を踏まえまして、県としては、市町村の防災主管課長会議の際に、自主防災組織の育成強化を進めるための意見交換、あるいは取り組み例の紹介などを行っております。そのほかに、自主防災組織のリーダーを育成するための研修会を開催いたしましたり、市町村職員を対象として、ワークショップのノウハウを習得するための研修会、こういうものを開催して、自主防災組織の育成強化に努めているところでございます。
 二つ目の避難場所でございますが、避難場所の指定でございますけれども、県全体としては避難場所が1、780カ所ございます。委員おっしゃいました岩手県の孤立化地域の把握及び孤立化地域が発生した場合の市町村の対策状況について、昨年度、再調査を行ったところ、331地域において孤立化のおそれがあるという調査結果が出ました。
 この地域のうちに、指定避難場所がある地域が138地域、それから指定避難場所以外の避難可能な場所がある地域が82地域になっております。しかしながら、全体の43.8%の地域においては、避難場所がないという調査結果になってございます。
 このような調査結果を踏まえまして、県としましては、集落内に指定避難場所や避難ができる場所がない場合には、災害時に集合する集落内の安全な場所、例えば神社とか、どこかの鎮守の森、いわゆるどこか集落の中で集まれるような場所、あるいは大家さんみたいな大きな家とか、そういうことをあらかじめ定めまして、安否確認を行うなどの対策の推進について、市町村に要請したところでございます。
 それから、三つ目の携帯電話の不感地域の解消ということで、防災上のメリットということでございますが、結論から先に申し上げますと、携帯電話の通信不可地域の解消というのは、防災上、非常にメリットがあります。
 昨年、岩手・宮城内陸地震におきまして孤立化地域が発生しました。そこの場所は、携帯電話が通信不可地域でございました。そういうこともございました関係上、情報の伝達をいかに確保するかが重要なポイントということで再認識したところでございます。
 仮にそういうところで携帯電話がつながるようになりますと、通信状況が整備されるということで非常にメリットがあります。ちなみに、孤立化地域に関する調査結果で、孤立化のおそれがある331地域のうち146地域が、パーセントとしては44.1%が、携帯電話の通話が不可能な地域になってございますので、そういうことが解消されるということは、孤立化対策にも非常にプラスになると考えてございます。
〇平沼健委員 最後に、災害時に後方支援基地として遠野市にということで、ここ数年前から各市町村で期待されているわけでございます。遠野市のああいう強固な岩盤の上に、そういう後方支援という形で中継基地をつくったらというか、つくりたいというか、お願いしたいというか、そういう市町村が大きく今期待しているわけでございますけれども、その話があるんですが、なかなか見えてこない。これは、言ってみればどのような検討がされているかということなんですけれども、岩手県の沿岸あるいは内陸を含めたエリア以外に、もっと大きな形で考えていこうとしているのか。これは、国とのいろいろな関係もあるとは思うんですが、この後方支援基地、まず遠野市ということで話が出てきておりますし、その辺が今どのように進んでいるのかお聞かせいただきたいと思っております。
〇越野防災危機管理監 遠野市の後方支援拠点につきましては、以前から、地理的な優位性といいますか、非常に関心を持って進めていると。国にも、補助制度の緩和とかそういうことを盛んに働きかけております。
 今現在、広域拠点ということで、東北地方整備局が中心になって進めております東北圏広域地方計画協議会というものがございまして、それの中で、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策に関する広域連携部会という中で推進取組プロジェクトチームというものがございます。そこで、この全体の広域応援拠点について検討を進めているところでございまして、現在、各地域の現況を調査するための準備を進めているということでございまして、県としても、東北地方整備局の推進プロジェクトチームに参加しまして、積極的に県全体の広域拠点の拡充あるいは指定等について意見を述べているところでございます。
〇平沼健委員 今のお話ですと、検討はしているんだけれども、具体的なことは、まだまだ先が見えないというようなことでしょうか。
〇越野防災危機管理監 県内の防災拠点というものは一応227カ所ございます。その中で、各市町村が、災害対応がいろいろございますので、こことここは拠点にしてほしいというのがまだ、実態は、そういうふうに指定されている市町村はごく少なくございます。
 そういうことでございますので、県としては、これから自衛隊とか、各市町村、それから県と一体となって防災拠点に関する調査を行いまして、各関係機関と認識の共有化を図っていきたいと考えてございます。
 具体的に、防災拠点が遠野市みたいに事業としてどうのこうのということじゃなくて、まず、防災拠点としてどこが適正なのか、あるいは市町村としてはどこを防災拠点として指定するのかというようなことを、各関係機関で状況を認識したいと思っております。
〇平沼健委員 それは、大体いつごろを目途に考えているんですか。そういう指定というか、拠点指定というのは。それを聞いて終わります。
〇越野防災危機管理監 これは、遠野市に限らず、今年度から来年度にかけまして、指定というよりも、防災拠点というものは各市町村が指定するものでございますので、指定するに当たって、自衛隊の意見とか、県の意見とか、そういうものを考えながら各市町村に指定していただく、そういうものを県としても把握をする、こういうことでございます。
〇新居田弘文委員 人事管理費に関連いたしましてお伺いします。
 県職員の人事行政についてでございますが、最初に、平成20年度末における知事部局の退職状況について、定年によるもの、あるいは退職勧奨によるもの等の状況、これは、ただし自己都合を除いた部分です。それから、その役職によって違うと思うんですが、部長級、あるいは室長及び局長級、副部長級ですか、それから、そのほかに分類した内容について、まずお尋ねいたします。
〇高橋参事兼人事課総括課長 昨年度末の退職者の状況についてでございます。
 知事部局の退職者数でございますけれども、全体では、定年退職者が116人、それから勧奨退職者が28人、合計144人となったところでございます。
 それから、職位別の状況ということでございますけれども、これにつきましては退職者の合計で申し上げさせていただきますが、部長級については3人、それから副部長級につきましては16人、総括課長級が51人、担当課長級が20人、主任主査級が43人等となっておりまして、合計で144人という状況でございます。
〇新居田弘文委員 その場合、いわゆる退職勧奨によって28人が退職されたということでございますが、その主なるといいますか、退職後における再就職の状況についてお知らせいただきたいと思います。
〇高橋参事兼人事課総括課長 まず、退職勧奨の状況についてでございますけれども、これについて若干説明させていただきます。
 定年制のもとにおきまして、退職勧奨につきましては、職員の新陳代謝を図る、その結果として組織の活性化を図るというような観点を踏まえながら、年齢を一つの基準としながら、県政課題への適切な対応でございますとか職員個々の意向にも十分配慮しながら、個別に検討を行い実施しているものでございます。
 平成20年度末の副部長級以上の勧奨退職者について申し上げますけれども、先ほど申し上げましたとおり、部長級が2人、副部長級が11人の計13人が、退職勧奨によって退職いたしております。
 次に、再就職の状況についてでございますけれども、昨年度末に退職した副部長級以上の者19人について申し上げますと、そのうち県出資等法人の役員に再就職した者は7人、その他県行政と深くかかわりのある団体に再就職した者は6人という状況になってございます。
〇新居田弘文委員 就職状況についてはわかりました。そこで、県は、厳しい財政状況の中で、総人件費の抑制に積極的に取り組んでおられますが、これについては評価するところでございます。
 最近の職員の状況を見ますと、知事部局でも、平成15年度の5、013人から平成20年度で4、300人、それから平成23年度には4、000人体制を目途にしていると総括質疑等でもお話がありました。
 私は、県人口の減少とか、あるいは少子・高齢化が進む一方で、県の事務のIT化が進む、いわゆる事務能率の向上が進んでいる中で職員の減少は当然の流れだ、そのように理解しているところでございます。
 一方で、職員の定年年齢の引き上げについても議論が高まっているところでありまして、去る10月8日、県人事委員会から知事及び議長に提出されました職員の給与等に関する報告及び勧告の中にも記述されておりますが、公務員の高齢期の雇用問題について触れられ、特にも、今回は人事院の勧告においても、平成25年度から公的年金支給開始年齢が段階的に引き上げられることに伴い、国家公務員の定年年齢を65歳へ段階的に引き上げる方向が示されており、本県においても、定年年齢を引き上げるための検討を進めるべきだとされております。
 私も長年の経験を地域あるいは県勢発展のために生かすためには、定年前の退職勧奨について見直ししながら、あるいは60歳定年についても段階的に順次引き上げるべき、そういう検討段階に来ていると思いますが、ここについての御所見を伺いたいと思います。
〇高橋参事兼人事課総括課長 定年の見直しについてでございますけれども、ただいま委員のほうから、本年8月の人事院勧告、それから10月8日に知事、議長に対しまして人事委員会から行われた給与等に関する報告の内容について触れていただいたところですが、それは御案内のとおりでございます。
 定年年齢の引き上げの検討に当たりましては、人件費増大の問題でございますとか、それから、組織の活力を維持しながら65歳までの雇用維持を実現するための人事管理上の問題など、さまざまな課題があると認識いたしておりまして、今後、国の動向等を見きわめながら多面的な検討を行いたいと考えております。
 それから、退職勧奨の関係でも御質問がございましたけれども、退職勧奨は、現在、部長級、副部長級につきまして一定の年齢を基準に行っているという状況にございまして、定年延長というような将来的な課題を見据えれば、この退職勧奨を段階的に定年のほうに移行させるというようなことは必要な方向と考えておりまして、現在、その具体的な検討を行っているところでございます。
〇新居田弘文委員 ぜひ御検討いただきたいと思います。ただ、今、お話がありましたように、そういうことで組織の活性化とか人件費の増大を招くおそれもあるという危惧のお話もございました。
 そこで一つ提案といいますかお願いなんですけれども、いわゆる職員が毎年1号ずつとか昇給する仕組みになっておりますが、一般的には当該号給に─何等級何号俸の号給ですが─12カ月経過すると上位号給に昇給するという仕組みだと思います。ただ、一定年齢以上になりますと、その昇給月がさらに半年とか、あるいは1年延ばすというような昇給制度になっていると思いますが、それについて十分配慮するとともに、あわせて、きのうの総括質疑の中でも話がありましたように、県の出資団体等に再就職のあっせんといいますか、そういうことをする場合は、減給、今もらっている年報の6割から7割をめどにして受け入れしてもらっているようなお話もございました。そうしますと、当然、昇給制度というよりも、むしろ減給といいますか、今よりも若干下がることもあり得るのだという前提の中で、65歳定年までの引き上げの検討をぜひ進めていただきたいということを申し上げたいと思いますが、最後に部長の所見をお伺いします。
〇菅野総務部長 段階的に年金の支給年齢も引き上げられてございます。国におきましても、そういったものとのバランスを図るために定年の見直しが順次検討されてございます。その場合、大きな検討課題になっておりますのは、今までの人事システムをどう、委員から御指摘あった点も含めて、うまく制度化していくかというところだと思います。それは、60歳以降の職員の給与面での処遇のあり方、あと業務について、どういった業務を担っていくのか、今までどおり、例えば部長職なら部長職でずっとそのまま行っていいのかとか、いろいろな多面的の検討が必要でございますので、国の動向ともよく整合性をとりながら、本県として、組織の活力を維持しつつ、総体的に人件費の増大を招かず、かつ職員のライフプランにも適合するような多面的な検討を行ってまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 入札業務につきましては、及川幸子委員も質問がございましたので、別な視点のほうから御質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
 県土整備部から総務部のほうに入札業務が移ってから、もう既に、10年にはならないかもしれませんけれども、かなり年数がたっていると思っております。その間、いろいろな形の中で随時改善が図られてきたと思っております。
 しかし、公共事業が大幅に減少すること、また、今日では経済の低迷等で、民間の工事の発注というんですか、そういうものも非常に少なくなってきて、建設業の経営自体が非常に厳しい状況になってきていると思っていることは、私自身だけではなくて、総務部も一番わかっていることではないかと思っております。
 そこで、この入札業務が年々改善されてきたことに対して、建設業の総合評価落札方式等も入っているわけですけれども、どのように建設業がこれを理解しながらされているのかとか、その成果の部分についてお聞きしたいと思いますので、お願いいたします。
〇金田入札課長 入札業務の改善と、それから建設業の皆さんがどういう評価なりをしてきたかということでございます。
 入札制度につきましては、大きく言うと二つの面があって、やはり本県だけでなくて、全国的にいろいろな不適正な事例があったということも踏まえて、より公正、それから透明性を高める、それから競争性を確保するという形での改正も行ってきたところでございます。それから、やはり地域の建設業が健全に発展できるようにということ等も踏まえつつ改善を行ってきております。
 その時々に建設業の皆さんに御説明をし、一応、一定の理解を得ながら進めてきたと考えております。そういう中で、現在の新しい制度は平成19年7月からスタートいたしまして、御理解も得て、おおむね順調に推移はしてきております。
 ただ、やはり声として大きいものは、先ほどもお話が出ました低入札がやはり多くなってきているということ、それが結果としてあらわれているので、それに対して必要な対策、改善を図ってほしいという大きな声がございます。それに向かって、私たちも順次見直しも図ってきておりますけれども、まだちょっと足りない部分もあると考えておりますので、現在も、次のステップに向けて検討してまいりたいと思っております。
〇工藤勝子委員 建設業の人たちは理解したと言うでしょうけれども、多分、私は対等な立場ではないんだろうなと思っています。例えば、受注する側、それを受ける側では、なかなか事業を受ける側とすれば、かなり低姿勢でやっていることがあるのではないかと思っておりまして、もう少し建設業と入札業務を行う側と対等な立場で話を進めていただければ、もっといい方向に進んでいくのではないかと私は思っているところでもあります。
 部長にお聞きいたしますけれども、例えば、先ほどの答弁の中で、御説明の中で、自主財源を高めるために、確保するために一層力を入れていくという話があるわけですが、ことしの話になってまずいんですが、非常に、建設業そのとおり、農業だってそのとおりであります。ましてや、いろいろな自動車関連、雇用の問題等を含めますと、県税の収入を、自主財源を上げていくということはかなり厳しい状況じゃないかと思っている中で、低入札で、赤字を覚悟しながら、結局、実績を上げなければならないという形で、赤字を覚悟で低入札すれすれのところで、失格ラインにかかるかかからないかのところで仕事をとっているわけなんですね。
 そういう中で、産業振興を進めて自主財源を確保するという中において、例えば、建設産業のこの進みぐあいというんですか、今の状況を部長としてどのようにとらえているのか、その点をお聞きしたいと思います。
〇菅野総務部長 ただいま委員から御指摘のありましたとおり、やっぱり本県を取り巻く経済情勢は非常に厳しいものがございまして、総括質疑等でも御答弁させていただきましたとおり、やっぱり法人二税を中心に県税が大幅に落ち込んでいるという状況から見ても、もうそれは明らかに読み取れるところでございます。
 建設業、農業それぞれの分野におきまして、県としても最大限の努力をしながら、そういった産業の振興を図ってまいらなければならないと思ってございます。これは一に、例えば入札制度をちょっといじくったからすぐにどうなるという問題では、それもありますが、それらを含めて、トータルで県の産業政策に位置づけ、それぞれの産業をどう育成していくかというところは、県全体でしっかり取り組まなければならない課題だと思ってございます。
 総務部も、そういった課題を共有する一つの部局でございますので、関連部局ともよく、具体的には、入札、それから、建設業については県土整備部が所管してございますが、県土整備部、あとは商工労働観光部、それから農林水産部と、関係部局とよく連携しながら、本県の産業振興に全力を挙げてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 よく、私たちは、連携するという話、調整しているという話を聞いて、それで納得しているんですね。それ以上は聞かないんです。どんな連携をしているのか、どういう調整をしているかというところまでちょっと突っ込んで聞いてみたいと思いますけれども、この低入札にかけて、県土整備部とどんな調整をし、どんな連携をしているんですか、お聞きいたします。
〇菅野総務部長 実は私も昔、土木部にいたことがありますので、そのころから県土整備部長とはよく一緒に仕事をさせていただきましたので、県土整備部長からは、やっぱり県土整備部は、低入札対策について非常に危機感を持ってございます。実際、発注するところとして、これをどうしたらいいんだろうと。それから、一方で、やはり公正な入札もとり行わなければならない。そういう両面から、県土整備部自体におきましても、いろいろな御提言をいただいています。
 例えばこういったことが考えられるのではないか。かといっても、実際は、例えば低入札対策でいろいろ調査をするとなりますと、実務を担っていただくのはどうしても県土整備部とか農林水産部という実務の部門になりますので、やっぱり実務部門からすると、こういったところまではできる、だからこういったことを総務部で考えてくれないかという、いわゆる具体的な提案をいただいてございますし、私どもからも、これは、現在の仕組みの中ではここまでできるのではないか、逆に、振興局の負担から言うとここらあたりまでが限度じゃないかということで、具体的な対策について、今、県土整備部と詰めているところでございますし、具体的に低入札対策を行う場合については、県土整備部とよく相談しながらやらせていただいているところでございます。
 やはり実際工事を所管する部局の理解をいただき、協力をいただきながらやりませんと、一番困るのは、実際に事業を執行する場でございますので、その辺はよく意見交換をさせていただきながら、相互の立場をいろいろ、ある意味では戦わせながら、ある意味では協力しながら、一つの制度をつくってまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 低入札に関して、例えば積算価格を公表しているわけですよね。例えば、建設協会等々では、これを廃止してほしいという話もあります。結局、公表されたことによって、電子計算機を使って、何%掛ければ工事がとれるかとれないかという世界に入ってくるというようなこともある。
 実際に業界に聞きますと、逆に積算できない業者の方もいらっしゃるというのも事実だろうと思っておりますけれども、これを廃止していただければいいのではないか、低入札がある程度改善されるのではないかという協会の声に対して、どのように考えていらっしゃいますか。
〇金田入札課長 いわゆる予定価格の事前公表制度についてでございますけれども、私たちも、地域の建設業の皆様と懇談をことしもやっております。その中で、事前公表はやはり避けてほしいと。つまり、それは、適切な積算をしないで入札に参加している者がいるのだというお話を実はされております。
 事前公表制度を導入した経緯と申しますのは、いろいろな不適正なことがあって、不正を今後絶対させない、それで透明性をきちんと確保するという趣旨で導入したものでありますので、その趣旨は、やっぱり今後も続けていきたいと考えております。
 そこで、適切な積算をさせる意味で、実は入札のときに、まず、積算の総括表を入札の時点で出させる。それから、いわゆる落札決定の前に詳細の積算書類も出させて、それをチェックした上で落札者を決定するということで、そういう積算をしないで入札に参加するというのを防ぐ方法をとってございます。
 これらのやり方を工夫してやりながら、現在のシステムを生かしていきたいと考えているところでございます。
〇工藤勝子委員 いろいろな形の中で、工事が安かろうが、そして結果が、製品がよければそれでいいだろうということにはならないのではないかと思っています。私たちの考えとすれば、ある程度、業者の方も利益が上がって、それである程度従業員の給料も上げることもできるとか、ボーナスも出せるとか、県税として納めることもできる、そういうところに少し流れを変えていかないと、岩手県の自主財源というのは今後あり得ないことが出てくるのではないか、そういう考えがしてならないんです。そういうところを考えて、もう少しこの辺のところを検討していただければと、私はそのように思っているところでありますので、お願い申し上げます。
 次に防災について、いろいろ出ておりますけれども、お聞きいたします。
 昨年度は、まさに岩手・宮城内陸地震が発生いたしました。それによって防災ヘリの出動回数も多かったのではないかと予想しているところでございますけれども、その出動回数と、どのような内容で1年間防災ヘリが出動したか、まずそこをお聞きいたします。
〇高橋防災消防課長 平成20年度の防災ヘリの出動件数でございますけれども、総出動件数は261件となっております。その内訳でございますが、火災救助、救急などの災害業務は108件、市町村の防災訓練などの防災業務が40件、他県等の応援が7件、隊員の訓練などの運航管理業務というのが98件、それから、ドクターヘリの導入可能性調査など、その他の行政業務が8件という中身になっております。
〇工藤勝子委員 防災ヘリの出動によって非常にたくさんの人命が救助されてきたんだろうなと思っておりますし、まさに、ああいう大きな災害が発生したときは、防災ヘリの役割というのは、初期としては非常に大きな役割を果たしてくるわけです。
 そこで、多分ドクターヘリの調査費として300万円だと思っておりましたけれども、ついているはずでございました。この件について質問するのは保健福祉部だというような話をされましたが、例えば、予算を執行する側として、このドクターヘリの考え方を総務部としてどう考えているのかお聞きいたします。
〇八矢予算調製課総括課長 予算の執行は保健福祉部になりますが、予算の編成に当たって相談をあずかった立場としての御答弁になりますが、本県の救急医療体制の充実強化のため、ドクターヘリの導入はその有効な手段の一つとして考えているところでございますが、ただ、導入に当たっては、かなり多額の費用が必要となるということも懸念されます。
 そのため、導入に当たっては、その実現可能性あるいは効果、運航に当たっての留意事項等を十分勘案して判断することが必要であると考えておりまして、そのための基礎調査として、平成20年度においては、実際の運航体制、必要なスタッフ数あるいはその基地病院などの調査を行う経費として300万円を予算計上したところでありまして、平成21年度においても同様に、さまざまな調査あるいは有識者からの意見、提言をいただく場として、有識者会議の設置、運営経費等を予算計上しているところと考えてございます。
〇工藤勝子委員 ぜひ、今年度もまた新たに調査が行われるということであれば、十分に検討されていただければなと、そのように思っております。
 そこで、やはりこの防災ヘリだけでは対応できないというようなことがございますでしょうか。その点について、もう一回お聞きいたします。
〇高橋防災消防課長 防災ヘリは、先ほど261件ということで飛んでいますけれども、ここ何年かずっと250件前後で回っておりまして、それほど全体の件数がふえているわけではございません。ただ、最近、中でも、やはり救助・救急、救急関係の業務がふえておりまして、先ほど108件と申し上げましたけれども、これが二、三年前までは70件台で推移していたということもあって、今度、ドクターヘリが導入されると、この救急の部分の負担が少し楽になって、その分、救助、救出活動に注力できるということで、2機、そういった連携の中でうまく運用できる、そういうメリットがあると感じております。
〇工藤勝子委員 それを踏まえながら、先ほど平沼健委員も質問がありましたけれども、例えば遠野市での今の中継基地、後方支援としての取り組みをしているわけでございまして、いろいろ先ほどの答弁によりますと、227カ所が県内の防災拠点となっていると。市町村でどういうところが望ましいかというようなところも今後の課題だという話がありましたけれども、たしか遠野市とすれば、陸前高田市から宮古市まで、住田町を含めて連絡協議会みたいなものをつくって、三陸沿岸の市町の人たちは、遠野市が拠点でいいという話になっているはずでございますので、その辺の答弁がなかったのは非常に残念だなと思って聞いておりました。どこをどう認めていらっしゃるのか。例えば227カ所で、岩手・宮城内陸地震があったとき、その拠点としてどのような活動をされたのかというようなところをお聞きしたいと思います。
〇越野防災危機管理監 先ほど227カ所と申しましたのは、県内の各市町村が防災拠点として候補として挙げている地域でございます。すなわち、ヘリコプターが着陸できて、しかも応援部隊も集結できる、そういうところが227カ所。
 そのほかに、遠野市のように、広域的に支援する活動ができる広域防災拠点というものがございますが、これにつきましては、岩手県だけで決められるものではなくて、他県との調整とか、そういうことが必要になってございます。
 特に遠野市の場合は、例えば宮城県沖地震があった場合に、沿岸地域に支援をするための拠点として、そういう候補としては、先ほど申し上げました東北地方整備局のプロジェクトチームの中でそういうことを今検討している段階だと。国に対しては今、私もそのメンバーに入りまして、そういう働きかけをしているところでございます。
 ですから、広域的な防災拠点というのは、遠野市だけじゃなくて、例えば県の県北にもあるかもしれませんし、内陸地域にも候補として挙げられるかもしれません。そういうことをこれから検討していくということでございます。
〇工藤勝子委員 県ではこれを決められないという、何かその規則といいましょうか法律みたいなものがあるものでしょうか。例えば、そういう取り組みを、地方の、まさに遠野市みたいな人口も少ない、面積だけはいっぱいあるわけですけれども、そういうところで名乗りを上げてやろうとしていることに対して、県は、やったらいいじゃないですか、じゃ、同じテーブルに着いて一緒に検討しながら、遠野市はどんなことができるかというようなことを今後やっていこうじゃないかとか、遠野市に対するそういう提案に対して、県がどのような助言をしているのか、指導と申しましょうか、そういうものをやっているのか。これは広域で考えなければならないというようなことじゃないのではないかと私は思うんですよね。
 じゃ、岩手県では、遠野市を拠点として、例えば陸前高田市から宮古市までの範囲で、ここを中継基地として、後方支援として県として認めてやっていくんだというような考えにはならないものなんでしょうか、お聞きいたします。
〇大谷総合防災室長 昨年度以来、遠野市におけます協議会を設置してのいろいろな後方支援基地構想は、委員御指摘のとおり、何遍も私どももお話を伺っておりますし、承知してございます。
 その中で、従来から、本会議でも御答弁申し上げているように、いろいろな課題、構想は、確かにスペース、グラウンドはありますし、いろいろな備蓄施設も必要だ、司令塔も必要だ、こういういろいろな構想はお伺いしてございますが、やはり、どうしても平常時の使い方とか、それから、整備する際には一定の地方負担も伴うとか、こういう面をもう少しこの協議会の中で議論いただいて、いい案があれば、私どももお受けして、いろいろな指導、助言できる部分があるのかなと協議会、特に遠野市とは、お話をしている段階でございます。
 そういう意味で、特に国の支援のあり方もございますけれども、今年度に入っていろいろなモデル事業として、今まで1県1カ所という縛りもあった部分もございますが、それを緩和するような方向で、事務的には検討するようなこともありましたものですから、そういう要望もしておりますし、そういう意味で、先に、まず、この推進協議会のいろいろな打ち合わせをもう少し構成市町村と一緒になってお詰めいただきたいというのが本音でございます。
 そういう意味で、どうしても施設整備等が伴わないのであれば、あれだけの広いグラウンドとか野球場、いろいろなスペースがございますので、ヘリコプターの集結拠点としては適しているのは当然でございますけれども、いずれ箱物をつくるという段階になりますと、どうしても一定の財政負担を伴いますので、それらも含めて協議会として、遠野市として、もう少し中身を詰めていただきたいというのが本音でございます。
 我々も、その協議会のときにはオブザーバーとして出席させていただいて、いろいろなお話し合い、意見交換はさせていただきたいと思っております。
〇工藤勝子委員 わかりました。県の取り組み体制もわかりました。そういう形の中で、県としては、その協議会の提案にだけ任せないで、県としての考え方もぜひその協議会に示していただきたい。県はこのように考えるんですがというようなことも示していただければいいのかなと思っているところでございます。
 それを含めて、国のほうにも働きかけて、東北地方整備局のほうにも働きかけていただいて、ぜひ、せっかくやろうとしている遠野市でありますので、その辺のところで、同じ認識に立って、まさに県の人たちの考えというのは、私はもっとすばらしいものを持っていると思っておりますので、その辺のところを、多分、頭の上には財政というような、財源という問題があるからなかなか出せない部分もあるかもしれませんが、その辺のところもぜひクリアしながらやっていただきたいものだと思っております。
 最後に、総務部長からお聞きして、今後、まさに宮城県沖地震、三陸地震ももう70年以上過ぎているわけでございますので、やはり着々とそういう災害に備えて、まさに今、地球規模でいろいろな大災害が発生している中で、いつ発生するかわからない状況の中で、いつまでもそういう整備が整わないでいるということは不幸なことだと思っておりますので、万全を期すためにも、ひとつしっかりやっていただきたいと思いますので、最後に所感を聞いて、終わります。
〇菅野総務部長 私も遠野市長から、直接お目にかかって、お話をちょうだいしました。先ほど室長や課長が申し上げましたとおり、一つは、広域的な防災拠点として遠野市をどう位置づけていくかというところ、これは、できれば、せっかく東北地方整備局が中心になって、東北全体での、今、宮城県沖地震等も含めて、どうそれを位置づけようかということを自衛隊ですとか関係機関と一緒になって研究を進めておりますので、私どもメンバーになっておりますので、ぜひ、その中で具体的な位置づけをしてもらって、県のみならず、東北広域として遠野市というものをしっかり位置づけてほしいという思いも一つございます。
 それから、もう一つございましたが、先ほど室長が御答弁申し上げましたとおり、今までそういう防災の広域拠点というのは、各県1カ所しか補助制度は認められないという動きだったんですが、それが緩和の動きがございます。実は、本県はもう1カ所使い切ってしまいまして、このままですとなかなか次の1カ所というのはめどが立たなかったという面もございますが、こういった災害についての状況にかんがみて、事務的にはその緩和の動きもございますので、そういった点も働きかけてまいりたいと思います。
 いずれ、よく遠野市と御相談申し上げながら、県として、やっぱり遠野市とよく意見をすり合わせながら、遠野市の思い、それから県としての考え方を議論させていただいて、よりよい方向に進むように私ども努めてまいりたいと考えております。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇小田島峰雄委員長 ただいま菊池勲委員から関連質問が出されましたが、この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
 なお、菊池勲委員の関連質問は、再開後に行いますことを御了承願います。
   午後3時2分 休 憩
午後3時17分 再開
〇高橋雪文副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇菊池勲委員 工藤勝子委員の質問に対して関連をさせていただきます。
 まず最初に、入札制度について。
 皆さんとのやりとりをずっと聞いていて、どうも納得できないのが一つ、公共事業が見事に少なくなって、そして一生懸命競争で勝とうとして努力しながら低入札でとると仮定して、そのとった業者が本当に幸せな社会生活ができるかとなれば、その中でも倒産したりする人があると聞いているんだよね。調べたわけではないからわかりませんよ。せっかくあなた方がつくって入札をさせたもので、県民のだれかに落札させて、そして結果的には倒産をさせるというやり方は一体どういうものか。これは全く公共事業ではなくして悪だと、私はそうしか思っていないんだけれども、担当課長にまずそれを聞きたい。
〇金田入札課長 やはり安値受注、ダンピングについてはいろいろな面で問題があると考えております。したがって、私たちも基本的にはその発生をしっかり防止したいという考えでおります。
 ただ、入札制度は、やはり公正で競争性もある程度確保するというのが県民等にも信頼がおける制度だとも考えておりますので、その辺をどうバランスをとっていくかというふうに思っております。ただ、いずれ低入札対策は、やはり不足している部分はもっとやっていかなければならないと考えておりますので、現在、具体的に検討を進めております。
〇菊池勲委員 例えば、私は素人だからそう思っておるんだけれども、物によっては幾らかかるかさまざまだと思う。すべて同じではないんだと思う。例えば1、000万円の仕事で、この仕事は700万円で大丈夫できるというのもあるだろう。いや、これはやっぱり800万円か850万円でないとできないというのもあるだろう。そういう基準を設定する方法で最低価格を決めた場合は、それを潜ることはないと。潜らなければ、少なくともその業者は仕事をして、絶対少なくとも幾らかプラスになるというような方法が展開されれば先ほど言ったような話は私は起きないんだと思うんだけれども、これは素人考えだから、それは、あえてあなた方がやって罪になる方法ではないんだと私は思うんだけれども、どうなんでしょうかね、それは。
〇金田入札課長 要するに最低制限価格制度という趣旨かと存じます。従前、改革前に金額の低い工事で実施してまいりました。しかし、やはり市場価格を適切に反映していきたいということ、それからくじ引きが実は、最低制限価格制度にすると、その最低制限価格も積算である程度算出できます、最低制限価格のルールというのは公表していきますので。ということで、それもやはり適切ではないということで現在の制度に切りかえたものでございます。
 いずれ今の制度の趣旨を生かしつつ、低入札対策のさらなる改善を図っていきたいと考えております。
〇菊池勲委員 理屈はわかるんだよね。私の言っているのは、最低価格を切ったときはその業者はもうからないんだろうと。だから、初めに言ったように、せっかく県の公共工事を落札して、そして会社をつぶすなんて方法は、あなたと仮定したらどうしますか。調べてあるんでしょう、しゃべらないだけで。私の聞いているのは二つか三つあるんだ、私どもの周辺なんだけれども。なぜ5、000万円の仕事をとっていて倒産しなければならないのかだよ。こんな世の中には絶対なっていないはずなんだ、せっかく公費を使って入札させていて。それはなぜかといえば、間に合わない仕事をとるからでしょう、競争させて。
 私も一つの改良区の理事長をやっているんだけれども、入札するときには、どうしたって、何も昔のように落札率95%とか98%なんていうのはあり得ないんだ。だけれども、最低は幾らだと、これは。それ以上切ってはだめなんだと最低価格を決めて入札させてもらった。それは公表していないから。私はそうでなかったら、やっている業者はしのぎの仕事がないから競争ですよ。とにかく潜ったら勝てるんですから、それは60%になるか71%になるかわからないんだけれども、そんなことをさせて本当にいいのかということなの、それを聞きたい。
 もちろん最低価格が決まれば同じ値段の者が3人ぐらい出ますよ。抽せんで決まるわけだから、それは当たり前の話であって、競争しているから同じ値段で決まるだけであって、談合していたらそうはいかないでしょう、絶対。そうじゃないの、課長、あなたの答弁は正しいようで正しくない。どうなの、それは。
〇金田入札課長 最低制限価格制度、他県の例も実は見ておりまして、結果としてそういう事態が、ほとんど最低制限価格ラインのところで、結局くじで決まるというのが多発するというような結果が見えております。それらをやはり防ぎたいということで、現在の制度を何とか運用して、もちろん低入札対策の強化もやってまいりたいと思っております。
〇菊池勲委員 同じ答弁を何遍聞いても同じことなんだからおもしろくないな。
 当然入札だから1者でやるわけじゃないから、複数、少なくとも10者以上で入札するわけだから、同じ値段を入れる人だってあるわけですよ。私もこの間3人が同じ値段で入った。そして抽せんさせてもらった。1回目は順番を決める抽せんで、次は本番だよといって。そうしたら、やっぱりだれかしらとりますよね、抽せんだから、これは当たり前の話なんだ。それがだめだという方法はどういうことですか、課長。それは当たり前の話だろう。同じ値段で分けるわけにいかないから、当然ここで抽せんしてだれかに決めてくださいというのは、これは常識の話であって、それが違法だという感覚はおかしな話じゃないの。どうなんですか、部長。
〇菅野総務部長 委員御指摘のとおり、最低制限価格制度について、違法という問題ではないと存じます。実際他でやっている県もございますし、一部本県においても、工事ではございませんが導入している例もございます。
 先ほど課長が申し上げましたとおり、最低制限価格制度というのは、これ以下のものについては全部失格するという制度でございますので、逆に言うと最低制限価格を行政が決めた場合については、それ以上のところで競争してくださいというところでの縛りがかかる格好になります。
 一方で、現在私どもがやっておりますのは、競争の幅をもう少し広げた上で、確かに委員御指摘のとおり、極端ないわゆるダンピングといいますのは、やはり従業員にも非常に負担をかける、それからあと会社経営にとっても決してよくないことですし、まして一番懸念されますのは、例えば資材を納入されている方ですとか、実際の関連会社に対していわゆるたたくということもあり得るかもしれませんので、やはり適正な価格で適正な工事をやっていただく、かつもう一つは競争もよく確保していただく、そういう二面性からいろいろな制度を、私どももこのバランスの中で実は悩んでいるところがございます。低入札対策は進めたい、ただ現実的には、特に今、小規模工事を中心に低入札もふえている状況にあります。幸いに平均落札率はようやく下がりどまって若干上向き傾向になっていまして、それがどう推移するかというのは今後よく見ていかなければならないと思っていますが、当面やはり、特に小規模工事で多発しておりますいわゆる低入札対策をもう少ししっかりしていきませんと、今、委員から御指摘のあったような大きな問題にもなりかねない。
 ですから、1億円以上の工事は今、総体的に安定している、低入札についても総体的に安定してきていますので、こういった制度を小規模工事についても何とか導入できないか、そういう今ぎりぎりの検討を行っているところでございまして、これは早期に私どもとして内部的な結論を出しまして、事業者の方々ともよく御相談させていただきながら、早期に今より少しでもよくなるように制度改善を図ってまいりたいと考えております。
〇高橋雪文副委員長 関連質疑は、冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう御協力願います。
〇菊池勲委員 では、この件は終わります。今の部長さんの答弁で、納得しないけれども我慢しましょう。
 もう一つ、遠野市の防災拠点都市、工藤委員の発言で、大谷総合防災室長の答弁は、私どもオブザーバー参加をしながら意見を申し上げているという話をしていた。やっぱり地方行政が一生懸命やろうとするときに、その上である県がオブザーバー参加で意見を申し上げる程度では、全く可能性はないんだと私は思う。やっぱり三陸にもし何か起きたときに、どこでそれを拠点で補うかとなれば、中心は盛岡、県庁かもしれない。だけれども、もっと近いところに防災拠点みたいなものをつくっておかなければならないとするならば、今、遠野市が一生懸命やっている、手を挙げている方法にあなた方も入って、そして応援をする形。ただオブザーバー参加で意見を申し上げる程度では可能性はないんだよ、絶対に、市町村では。そこに問題があるんだと私は思って聞いていたんだけれども、大谷室長、もう一度答弁してくれますか。
〇大谷総合防災室長 オブザーバーとして参加するということは、地元遠野市を含めて関係市町がつくっております推進協議会に県がメンバーとして入っておりませんので、幹事会とか協議会の会議の際には、県は構成メンバーではないけれどもオブザーバーとして参加させていただいて意見交換をさせていただく、こういう趣旨で申し上げているものでございます。協議会のメンバーではございません。
 それから、先ほど来申し上げましたように、昨年度来、先ほどまでの答弁で県内二百何十カ所の防災拠点とかという話がいろいろ出てきているものですから、事遠野市あるいは関係市町で構成するこの推進協議会から昨年、構想を私ども県のほうに御説明いただきまして、例えば備蓄倉庫とか司令塔とか体育館的なものとか、いろいろな構想が入っておりましたものですから、県といたしましては、やはり平常時は使われないものですから、平常時の活用のあり方とか整備の主体とか、そして、どうしても新しい箱物的なものをつくるのであれば丸々国ということはないものですから、整備する主体、例えば遠野市等々にも一定の財政負担が生じるので、そういう意味で、整備する施設の内容とか財政負担のあり方とか平常時の使い方をどうするか、これらも含めて協議会でお詰めいただいて、それに、では県として国の補助金を引き出す方法はないかとか、これも含めまして先ほど御説明しましたように1県一つのものを、ではもう少し事務的には広げていくかという検討もございましたものですから、それの意見を申し上げた、こういう段階でございます。
 この件につきましては、昨年来から協議会にも参加させていただいておりますし、ことしはまだ1回の会議で、事地元遠野市では、まず最初に消防庁舎の建築をある程度スケジュールを決めて今お進めいただいている段階でございます。今後、後方支援拠点としてほかにどういう施設を考えているか、ここをもう少しこれからまた一緒になって検討させていただきたい、こういう趣旨でございます。
〇菊池勲委員 ずっとさっきよりいい答弁になった。
 メンバーに入っていないからという格好、それは初めて今聞いたからだけれども、やっぱり遠野市を中心とした形で、三陸沿岸にもし災害があったときに我々も手伝おうという意味なんだな。そこで設けるときには、手伝おうという場所は私どものところが一番いいんじゃないかという、あのスペースだから、そういう意味だと私ずっと前から工藤委員から聞いておった。
 ですから、市を中心として一生懸命協議会をつくってやっていることはそのとおりなんだけれども、やっぱりオブザーバーでありながらも、県は国との戦いなり、そういう形をやっぱりしてあげなければ、遠野市の協議会のメンバーではなかなか前に行かないんだと思う。
 今、具体的な話が出たんだよね、部長。それをあなた方が手をかしてくれて、意見を申し上げる程度ではなかなか前に行かないと思う。これはひとつどうなんですかね、部長。
〇菅野総務部長 先ほど総合防災室長が申し上げましたとおり、協議会の設立の経緯から県としてそういう参加の形態になっているところでございますが、ただ、今、委員から御指摘のありましたとおり、県としての役割はもちろんございます。国とどう調整していくか、それから広域的な役割としてどういうふうに各広域の市町村間での調整を図っていくかという県固有の役割がありますので、そういった県の役割を踏まえながら、遠野市ともよく御相談をしながら進めさせていただきたいと考えております。
〇小野寺有一委員 総括質疑とか、あるいは本日のほかの委員の方の質問と重複しているところも一部ありますので、それは割愛してまいりたいと思います。
 まず最初に、県債現在高についてお尋ねしたいと思います。
 平成20年度末で県債現在高が1兆4、800億円余という非常に大きな規模に膨れ上がっているわけでありますけれども、議会事務局のほうでまとめていただいた議会資料を拝見いたしますと、この中で借入先別内訳というのがありまして、その借入先別内訳の中にその他の金融機関という項目があるわけですけれども、このその他の金融機関というのはどういったものが入っているんでしょうか。
〇八矢予算調製課総括課長 県債の資金別内訳につきましてその他の金融機関というのは、総務省が毎年実施しております地方財政状況調査、いわゆる決算統計においてその区分がございまして、信託銀行、相互銀行、信用金庫、各種協同組合、その他金銭の貸し付けを業とするもので市中銀行以外のものを言うと規定されておりまして、本県でいえば具体的には岩手県信用農業協同組合連合会、それから農林中央金庫、盛岡信用金庫、信金中央金庫となっているところでございます。
〇小野寺有一委員 この資料を見ますと、その他の金融機関というところが東北他県との比較で、例えば秋田県は0.3%、岩手県以外で一番高いところでも福島県の3.5%となっているんですが、本県の場合はこの比率が10.4%という構成比になっています。突出して高い理由があるんでしょうか、教えていただければと思います。
〇八矢予算調製課総括課長 端的に申し上げますと、金融機関が県の資金調達に御協力いただいているというところかと推測しておりますが、本県はやはり農業県ということもありまして、農協系の金融機関である農林中央金庫と県信連からの借り入れが多いところが影響しているものでございます。
 ただ、農林中金については、平成19年度からそれぞれ条件が合わず借り入れを行っていないところでありますが、その他の内訳のうちの約半分程度を県信連が占めておりまして、県の資金調達に御協力いただいている結果ではないかと考えてございます。
〇小野寺有一委員 それでは、県債現在高の1兆4、800億円余というこの金額が、これから先、元金、それから利息が償還されていくわけですけれども、今もう償還が始まっている県債とこれから始まるものとあるんだろうと思いますけれども、現時点でこの償還総額というのは利息を含めて幾らになるんでしょうか。
〇八矢予算調製課総括課長 平成20年度末ベースで考えますと、現在発行している県債の元金が1兆4、808億円余でございまして、また、契約上支払いが必要となる利息が1、634億円余でございまして、償還総額、足し合わせたものが1兆6、442億円余と見込んでいるところでございます。
〇小野寺有一委員 次に、不正経理に係る国庫補助金の返還、それから、その職員負担についてお伺いいたします。
 先般の報告によりますと、現役職員、それから元三役については、人数、それから金額とも職員負担金収集目標額を達成しているということでありますけれども、退職者は、その両方とも、金額、人数ともに達成できていないという報告でございました。その原因が何かということをお知らせいただきたいと思います。
 また、今後も退職者に対しての負担金の収集の働きかけを継続していくのか。私自身は継続するべきであると思うわけでありますけれども、見解を示していただきたいと思います。
〇菊池総務部副部長兼総務室長 不適切な事務処理に係る退職者への協力金の要請につきましては、平成14年4月1日以降に県を退職された方で、退職時点の職位が担当課長級以上の方々に対しまして、退職時の職位に応じまして御協力いただくようお願いしたところでございます。しかしながら、実は納入期限が間近になりましてもなかなか芳しくないという状況がございました。そこで、改めまして職員負担金収集納付会の会長のほうから文書を出しまして協力を強く要請したところでございますし、また、退職者が会員となっております県友会にも御協力をいただきまして、県友会を通じて協力の要請をしたところでございます。
 その結果でございますけれども、このように短期間の間にできる限り退職者の理解と協力を取りつけるよう努力をいたしました結果、最終的な納付額は当初見込んだところの2、000万円には達しなかったところではございますけれども、多くの退職者の方々から御協力をいただいたところでございます。
 もとより、すべての退職者の方々から御協力をいただけなかったことにつきましては残念ではございますけれども、その原因として考えられますことは、退職者とはいえ、現在は県庁という組織を離れました一県民でございます。そしてまた、その置かれている状況も、年金生活が主体であるとか、そういうこともあるかと思いますし、お一人お一人生活環境、経済環境もさまざまであるというような状況もあろうかと思います。また、今回御協力をお願いいたしました方々の中にはこういう不適切な経理に関与した部署に所属しておられなかった方々も相当数おりますし、そういうことを考えますと、今回私たちがお願いしました事項につきまして、みずからが県庁にいたときの職位、責任、業務のかかわり、そういったものと県職員OBとしてどう対応すべきかということにつきましてお一人お一人真剣に考えていただきまして、その上での結論であったのではなかったかと思っておりまして、要はさまざまなお考えがあったことによるものと理解しているところでございます。
 県といたしましては、退職者の方々に対しましては任意の協力金としてこれをお願いしたところでございますし、再度の要請も強く行ったところでございます。その結果におきまして、最終的には現職の職員の方々にも任意で御協力をいただいた方が多数ございます。そういうこともございまして、当初目標としておりましたところの5、000万円は達したということもございまして、改めて再三にわたりまして退職者の方々に要請することは難しいのではないかと考えているところでございます。
〇小野寺有一委員 恐らく亡くなられた方とかもいらっしゃるでしょうし、おっしゃることはよくわかりますけれども、ただ、退職者の方は、ある意味、実は現役の方よりも責任が大きいと言えるところもあると思います。恐らくその方々が県庁内で指導的な立場にいらっしゃるときにこの不適切経理が始まっているように思われるわけでありますので、どうかその点を心していただきたいと思うところであります。
 この不正経理が二度と発生しないようにということで、総務部長のほうからも適切な再発防止の措置をしていくという御発言が昨年から何度もあったわけでありますけれども、その具体的な内容についてお聞かせいただきたいと思います。
〇古内会計管理者 不適切経理に関する再発防止の取り組みでございますけれども、まず、昨年11月の不正でございましたが、全庁調査報告書を取りまとめまして既に報告をさせていただいているところでございます。その中にこの不適切経理の発生要因等が分析されておりまして、それを踏まえて再発防止策というのを六つの体系に整理いたしまして、今後取り組んでいくことを報告させていただいているところでございます。
 私のほうからは、主にその中から出納局が中心になって取り組んでおります四つのことについて簡単に申し上げたいと思います。
 まず一つは、物品調達のシステムそのものが問題だったのではないかということがございまして、物品を契約する人と納品があったときに検収する担当者を完全に分離するようにいたしました。それまでは50万円以下のものについては契約担当者と検収者が同じでもいいという運用の仕方をしておりましたけれども、それを完全に分けると。そこで牽制機能を発揮するようにいたしました。
 また、物品の納入を受けたときにどのような形で検収するかということですけれども、一つは、購入票に本当に注文したものが確実に入っているかというのを新たに様式にプラスいたしまして、一つずつチェックする。手間暇かけて完全に検収するということをやりました。
 それと、どのような物品がどのように買われているかを広くオープンにする。透明性を確保するということで、物品調達情報を財務会計システムの中から引っ張り出しまして、毎月毎月前月分の物品の購入状況を公所ごとに、あるいは物品名、数量、細かなそういうデータを全部公表するようにいたしました。
 また、これも随分問題ではないかと御指摘がありました納品書を必ずしも徴していなかったということがございましたので、必ず納品書を徴する。保存義務も5年間と改めております。
 また、内部統制の問題がやっぱりあったのではないかということで、内部統制の強化を図るために、出納局で物品の購入の支出負担行為を確認するんですけれども、その際に、ちょっとこれは疑問があるなというものがあった場合には抜き打ちで調査をする。現場まで行って物品と照合して調査するということもやっておりますし、もう一つは、管理者の責任も重いのではないかということがございましたので、年4回、いわゆる管理監督者である所属長みずからが会計事務の自己点検をするという新しい制度を設けまして、それをやっております。既に2月、5月、そして8月、今度は11月にやりますけれども、それをやって間違いがないかどうかをチェックすることもしております。
 さらに、県のほうだけではなく業者からの協力もきちっといただくということで、県のほうから、簡単に言えばうまいぐあいにやってくださいみたいな問題のある発注を受けたときにはちゃんと通報していただくように、出納局のホームページにフリーダイヤルでもって通報していただくようにしておりますし、納品書、請求書に日付をきちっと書いていただくこともお願いを徹底していたところでございます。
 さらにもう一つ……
〇高橋雪文副委員長 当局に申し上げます。答弁は簡潔にお願いします。
〇古内会計管理者(続) つい、徹底した再発防止をしたいということで気合が入りました。
 あとは職員の意識を高めるということで、職員教育の徹底ということで、いろいろな研修を通じて二度とこうした問題が起きないように取り組ませていただいているところでございます。
 その他、予算システムの関係でありますとか国への要望については総務部が中心になって取り組ませていただいているところでございます。
 長くなりました。
〇高橋雪文副委員長 小野寺有一議員に申し上げます。質問項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑されるよう御協力をお願いいたします。
〇小野寺有一委員 そのようにいたしますが、それでは、この項目について最後にいたします。
 今の再発防止策については御丁寧な説明でよくわかりましたが、結果として平成20年度についても起こったわけでありまして、結局再発防止策が十分ではなかったと言わざるを得ないところだろうと思います。
 そこでお伺いしますが、不適切経理について具体的に懲戒処分の基準を策定することが必要ではないかと思うんですけれども、そういった取り組みがなされているのかどうか。
 ちなみに香川県では、私的流用がなかったとしても預け金をつくっただけで懲戒免職というそういった懲戒処分を策定したそうであります。やはり懲戒処分、厳罰化をして臨むという姿勢を県が示さなければならないのではないか、そういった時期に来ているのではないかと思うわけでありますが、見解をお示しください。
〇高橋参事兼人事課総括課長 ただいま委員のほうから懲戒処分の基準について香川県の運用の御紹介もちょうだいいたしました。その状況については我々も承知いたしております。
 職員が非違行為を行った場合、そのペナルティーとして懲戒処分がございますけれども、その非違行為にはさまざま予期し得ないような多様な非違形態がございまして、それを一律に基準化するのはどうかという問題も一方ございますけれども、本県では、飲酒運転については平成18年から原則、懲戒免職という基準を設けました。その事案に関して、さまざま高等裁判所まで控訴されたような事案もございますけれども、やはり基本は、一つずつ非違の形態に応じて公平、公正な処分をすると。それに対して一律的に網をかけるというのは、これはやはり人間一人一人の権利というものもございますし、また一方、行った非違行為に対してはきちんと対応するという要請もございます。その辺のバランスで決定していくものと考えておりまして、今後、その香川県、全国で唯一でございまして、その辺の動向等も見きわめながら本県としての対応を検討することになろうかと考えております。
〇小野寺有一委員 それでは、次の項目に移らせていただきます。
 県職員の天下りについてであります。まとめて質問させていただきます。
 本県における天下りの定義というものがどのようになっているのかを示していただきたい。
 それから、現在、県からの出資法人や県行政と深くかかわりのある団体において、現時点で把握していらっしゃる県職員OBの就業状況をお示しいただきたいと思います。
 それから、県では、退職前5年間に在職していた職務と密接な関係にある法人などへの再就職の自粛を要請しているということでありますけれども、これは全く期限の定めがなく、ずっと職務に関係のあった人はその関係の団体には行けないということなのか、それともある一定の期間を経過すればそれは認めるということなのか、そういったことをお示しいただきたいのと、それから、こうした県の自粛要請に応じなかった例は今までにあったのかなかったのかということを御説明いただきたいと思います。
 それから、通告しておりました報酬、それから退職金等の実態については先ほど新居田委員から、それからきのうの総括質疑でも交わされましたので割愛いたしますが、平成19年6月に成立した改正国家公務員法では、再就職後に出身省庁に対して口ききをすることに対して刑事罰を科しておりますけれども、地方公務員はこの点についてはどのようになっているのでしょうか、お示しいただきたいと思います。
〇高橋参事兼人事課総括課長 県職員の退職後の再就職についてでございますけれども、最初に、本県における天下りの定義ということでございます。
 本県ではこの天下りという実情はないという認識でございますので答えに窮するところでございますけれども、国家公務員の再就職に関して言われております天下り、これについての定義、これはいわば報道等を通じて出ている内容でございますけれども、一つには、事務次官出世レースから外れた同期入省組の方々が定年退職年齢よりも相当早期に退職する慣行だと。それから二つ目として、省庁のあっせんによって関連団体等に再就職すること。それから、再就職先で高額な報酬でございますとか退職金を得ながら法人を渡り歩く再就職の仕方をいわゆる天下りとされていると認識しているところでございます。
 次に、平成20年度末に退職した県職員の、出資法人でございますとか県行政と深くかかわりのある団体への再就職状況の御質問でございました。これにつきましては、先ほど新居田委員のほうにお答えさせていただいた内容でございます。
 それから、県出資法人でございますとか県行政と深くかかわりのある団体において現時点で把握している県職員OBの就業状況でございますけれども、県内に主な事務所を有する県の出資等法人につきまして、常勤及び非常勤の役職員に再就職している県職員OBでございますけれども、本年6月末現在で34法人、延べ79人と把握いたしているところでございます。
 それから、次に、営利企業への再就職の従事制限─自粛要請の関係についてでございます。
 県におきましては、総括課長級以上の職員につきましては、退職前5年間に在職していた職と密接な関係にある営利企業への再就職を自粛するように要請しているものでございますけれども、この期間につきましては、職業選択の自由にも配慮いたしまして、退職後おおむね2年間ということで要請しているところでございます。また、こうした自粛要請にもかかわらず営利企業等に再就職を強く希望する場合には、公共事業等につきまして営業活動におおむね2年間は従事しないように、これもあわせて要請しているところでございます。ということで、このような要請に対して、これまでこうした取り扱いに反した例はないと承知しているところでございます。
 それから、国家公務員法の改正の関係でございますけれども、これは再就職後の働きかけについてのものでございます。国家公務員法の改正を受けまして地方公務員法につきましても同様の趣旨の改正が予定されていたところでございまして、同法の改正案が過般の国会に提出されていたところでございます。しかしながら、さきの衆議院の解散によりまして廃案となったものと承知しているところでございます。
 本県におきましては、国家公務員法でございますとか地方公務員法の改正に動きに先立ちまして、平成16年3月に外部からの職務に関する働きかけに対する取扱要領を定めておりまして、県退職者から職員に対しまして職務の公正な執行を損なうおそれのある働きかけがあった場合にはこれを公表する扱いとするなど、公正な職務の執行が確保されるよう徹底しているものでございます。この結果、これまでにおきましては、この要領に基づいて報告された働きかけは例がないものでございます。
〇小野寺有一委員 次に、退職予定者人材バンクについてお伺いしたいと思います。
 この退職予定者人材バンクの運営主体というのはどうなっているのでしょうか。それに係る経費というのは、どのような形で、だれが負担をしているのでしょうか。
 それから、退職予定者の人材情報が法人とか団体とかに提供されるわけですけれども、この人材情報の提供先はどのような基準で選定されるのでしょうか。
 それから、一般の方はこういう人材バンクというのはないわけでありまして、例えば普通の会社を定年で退職された後、もし仕事につきたいときにはハローワークに行くというのが一般的な再就職先を探すことになると思うわけでありますけれども、県の職員にこういったバンクがあることそのものが不公平ではないかと思うわけでありますが、御見解をいただきたいと思います。
〇高橋参事兼人事課総括課長 まず、退職予定者人材バンクの設置の趣旨についてでございますけれども、これは退職予定者に関する情報提供窓口を一本化して透明性及び公平性の確保を図ることを目的に平成16年に設置したものでございました。この実施要領におきまして、その事務局を私がおります総務部人事課に置いているところでございます。
 また、その経費でございますけれども、人事課職員の人件費及び若干の事務経費以外については特に要していないということでございます。
 次に、退職予定者の人材情報のバンクを通じた提供先でございますけれども、このバンクにおきましては、本県を退職する職員の専門知識や経験を活用したいと考えている民間企業を含めまして、希望する団体すべての求めに対しまして登録者の情報を提供しているものでございます。
 具体的には、企業等からの求人に対しまして、職名でございますとか氏名、個人が特定される情報は伏せた上で、団体の要請に応じた一定要件に該当する登録者の人材情報を提供しているということでございまして、その後におきまして求人側と本人との1対1の面談を経て再就職が決定していく仕組みになっているものでございます。いずれ人材バンクの側で人材情報の提供先を選定して特定のところだけというものではございません。
 それから、ハローワークとの関係でございますけれども、人材バンクへの求人状況等を見る限りにおきまして、県職員の専門知識や経験を必要とする団体は一定程度存在していると認識しているところでございます。こうした団体に対しまして公平に退職予定者に関する情報提供を行っていく観点から、人材バンクのような機能は必要があると考えているところでございます。
 ただ一方、国におきまして、本県より後にできたものでございますけれども、官民人材交流センターの機能が現在停止されている、今後具体的な見直しがされるというような動きがございますので、退職者の再就職のあり方が検討されている中におきまして、今後新たなルールが整えられるということであれば、そうした動向も見きわめながら、県における再就職支援のあり方等についても適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
〇小野寺有一委員 そうすると、人材情報の提供先というのは希望するところに全部行くということでありますけれども、逆にそうすると、この人が欲しいという団体とか法人側の希望が重複する場合があるわけですよね。その重複した場合にはどのように調整されるのでしょうか。
〇高橋参事兼人事課総括課長 先ほども申し上げましたけれども、最終的には求人側と御本人との面談によって決定するということで、複合した場合には、あとは御本人と相手方の条件等が一致したところに決まっていくということでございます。
〇高橋雪文副委員長 小野寺有一委員に申し上げます。30分が超過しておりまして、世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことがないよう、議事の進行に御協力をお願いいたします。
〇小野寺有一委員 最後の質問であります。
 県職員の再就職先の法人についてでありますけれども、天下り先法人、団体に対して県の補助金、交付金等がどのように支出されているのか実態をお示しいただきたいと思います。
 それから、天下り先法人、団体への県事業の発注で随意契約となっているものの割合を、本来でしたらその他の法人、団体と比較して示していただきたいところでありますが、それが難しければ随意契約となっているものの割合だけで結構でありますので、お示しいただきたいと思います。
〇八矢予算調製課総括課長 県のOBが就任している法人のうち、予算調製課で数字がつかめますのは県の出資等法人についてでありますので、申しわけございませんが、現在あるデータに限定して答えさせていただきます。
 県の出資等法人44法人のうち、県職員OBが常勤役員に就任している法人は29法人ございます。平成20年度決算において、このうち運営費補助金を交付している法人は5法人でございまして、補助金額が合計で約11億2、500万円でございます。そのうち、かなりの部分、9億円余りを社会福祉法人の岩手県社会福祉事業団が占めてございます。平成20年度決算において同じく事業費補助金を交付している法人は14法人で、補助金額が24億3、200万円でございます。ただ、平成20年度は空港の整備などがございまして、空港ターミナルビル会社に対する補助金や、あるいはクリーンいわて事業団に対する最終処分場の施設整備補助金などがございまして、かなり事業費は膨らんでいると考えてございます。
 また、そのほか委託契約についてもお答えいたしますと、指定管理業務を受託している法人は4法人で、受託額が20億円余でございます。例えば療育センターを先ほどの事業団に委託しているものなどさまざまございます。また、指定管理業務以外の部分は、18法人に対して45億7、900万円余でございます。アイシーエスへのシステム運営報酬あるいは岩手県土木技術振興協会への公共事業の設計委託などさまざまございます。
 それから、随意契約でございますけれども、こうした法人に対する契約方法がどうかというのは、申しわけございませんが、当方で名寄せして管理をしているわけではございません。ただ、県全体といたしまして、現在、随意契約全体の見直しを行っておりまして、公共調達についてはより一層の競争性及び透明性を確保する必要があることから、法律上随意契約できる範囲はかなり広くありますが、できるだけ原則、一般競争入札に移行することとして見直しを行ったところでありまして、契約の相手方が法令等の規定により明確に特定されるものなど競争性のない随意契約によらざるを得ないもの以外は原則、一般競争入札にいっていただくと。もしくは相手方が1者と見込まれる場合であっても、公募を行って要件を満たす者が1者の場合は特命随意契約、要件を満たす者が複数ある場合は一般競争入札または企画競争を行うという見直しをしたところでございまして、現在その効果測定等も行っているところでございまして、特に出資法人あるいはOBが就職している法人等々といった個別の観点からの着目とは若干違いますが、県全体といたしましてそうした随意契約の見直しに努力しているところでございまして、御理解いただければと思います。
〇斉藤信委員 それでは、最初に、08年度の決算についてまとめてお聞きします。
 国庫支出金が124億円の増となりましたが、緊急経済対策の各項目とその効果はどうだったのか。
 二つ目、不用額が53億円余と24億円増でありました。その主な内容、理由はどうでしょうか。
 決算規模が歳入歳出とも縮小している中で、実質収支が43億円の黒字と。どこが主に削減されたのか。もっと暮らしや福祉の充実に回すべきではなかったのか。
 三つ目、今後の財政見通しについて、県は、平成23年度から700億円弱の収支ギャップになると。なぜ平成23年度から大幅な収支ギャップが起こるのか、具体的な要因、理由を示していただきたい。
 四つ目、08年度の不正支出分の額は幾らになるのか。
〇八矢予算調製課総括課長 緊急経済対策の各項目とその効果ということでございまして、昨年秋の金融危機以降、本県の景気も低迷いたしまして、この厳しい経済情勢に対応するため、昨年度は12月、1月、2月において補正予算を編成するとともに、本年度は当初予算に加えて6月、9月と切れ目なく対策を講じているところでございます。
 経済対策の項目といたしましては、灯油高騰対策や新型インフルエンザ対策など県民生活の支援、あるいは県単融資制度の拡大などの中小企業支援、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用した雇用対策、国の交付金を活用した地域経済の活性化などに注力したところでございます。
 こうした取り組みによりまして、直近の景況でありますが、日銀の盛岡事務所の県内企業の短期経済観測調査結果によりますと、業況判断指数は、製造業、非製造業とも改善と公表されたところでありまして、本県の雇用、経済に対する一定の下支え効果があるものと考えているところでありますが、ただ、さきに公表された8月の有効求人倍率は0.32倍と依然非常に厳しい水準となっておりまして、引き続き厳しい状況であると考えておりまして、今後とも県民の仕事と暮らしを守る施策を強力に進めていく必要があると考えてございます。
 それから、不用額等についてでございますが、平成20年度決算の53億円余の不用額の内容と理由。
 不用額が生じる理由といたしましては、2月補正時点では、最終的な所要額が確定していない事業で、2月補正予算編成後の事業実施、あるいは最終的な精算等の行為が必要なため事業費の最終所要額の確定が年度末になる事業など、最終予算と結果として必要になった所要額に差が生じると、その差が不用額となるものでございまして、その主なものといたしましては、人件費のうち退職手当で、退職者が見込みを下回ったと。経済情勢が非常に厳しいということで、特に勧奨退職の方の見込みが下回ったことでありますとか、あるいは民生費、衛生費を中心に、障害者自立支援対策臨時特例事業費、国民健康保険事業安定化推進費、重度心身障害者医療費助成など、結果として事業実績が見込みを下回ったことによるものでございます。
 実質収支は、歳入総額と歳出総額の差、いわゆる歳入歳出差し引き額から繰り越しする財源を控除したものでありまして、主な要因については先ほどの不用額と同じでございます。
 2月補正予算編成時点では、その時点で見込み得る最終所要額を精査の上、歳入歳出両面の最終予算として必要な額を予算計上しているものであり、最終的な事業執行段階で、2月補正予算編成時点で見込んだ額より減少したり、事業費の精査、節減等に努めた結果、県全体で43億円余が実質収支として計上されたものでございまして、繰り返しになりますが、最終予算として見込んだ額と結果として必要になった額の差分が不用額あるいは実質収支としてあらわれたものでございまして、特定の分野を何か削減したものではないということで御理解賜ればと思います。
 平成23年度以降、収支見込みで大きなギャップが生じることになった要因でございますけれども、平成21、22年度につきましては、アクションプランに基づくいろいろな歳入確保、歳出削減の取り組みを行うことを前提として収支見込みを策定したものでございますが、平成23年度以降、まだアクションプランを策定していない中で、どういった歳出削減の具体的な取り組みを行うか、歳入確保を行うかといったこと、あるいはどういうふうに財源対策を行うかといったことが決まっておりませんので、そういったものを全く見込まず策定したものでございまして、今後の県政運営の参考とするために、何もしなかったらどうなるかということをお示ししたものでございまして、そうした結果700億円程度の収支ギャップが生じることになったものと見込んでございます。
〇八重樫総務室管理課長 2008年度、つまり平成20年度の不適正な会計処理の額でございますが、保健福祉部の2万1、000円、それから総合政策部の1、310円、計2万2、310円でございます。
〇斉藤信委員 不用額が53億円余というのは、2月補正をした上で、私は前にも指摘したことがあるけれども、それよりも大幅にふえているわけですよ。それはもう見込み違いと言わなければならない。53億円といったら小さな町村の予算ですよ、年間の。これだけの財源があったらもっと県民のための仕事ができるという規模ですから、私はそういう意味で指摘したので、これは指摘だけにとどめておきます。
 次に、超過勤務の実態とサービス残業の根絶問題について、昨年度の超過勤務の実態はどうだったか。超過勤務手当の支給実績はどうなっているか。1人当たりの時間数、手当額はどうか。
 昨年度、監査委員、人事委員会の監査、調査が行われたが、どういう指摘がなされ、どう改善されたのか示していただきたい。
〇高橋参事兼人事課総括課長 まず、超過勤務の実態と超過勤務手当の支給状況についてでございますけれども、昨年度の知事部局におけます超過勤務手当の支給決算額でございますが、普通会計全体で10億5、700万円余となっているところでございます。
 また、年間1人当たりの平均超過勤務時間数は120.3時間、1月当たり10時間でございます。平均手当支給額、これも年間1人当たりでございますけれども、29万5、000円余となっているところでございます。
 時間数、それから手当支給額とも一昨年よりふえたということでございますけれども、これは、岩手・宮城内陸地震等による災害対策等により増大したととらえているところでございます。
 次に、監査委員、人事委員会の監査等における指摘と改善の状況についてでございます。
 超過勤務につきましては、管理監督者が職員間の業務の平準化でございますとか業務の効率化を行うなどによりまして、所定の勤務時間内で業務遂行がなされるよう努めることを基本としながら、やむを得ず超過勤務を行わせなければならない場合には、厚生労働省通知を踏まえまして、事前命令を行う。それから終業時刻につきましては、管理職員みずからが直接確認できる場合はその確認によるもののほか、当該職員が超過勤務命令記録簿に終業時刻を記録し、翌日これらにより確認しているところでございます。
 これら超過勤務につきましては、繰り返しその適正な取り扱いを各所属長に示しまして、所属長から職員に周知しているところでございますけれども、昨年度の監査委員の定期監査でありますとか人事委員会による超過勤務実態についての現地調査を通じまして、職場として超過勤務の申告等を抑制する雰囲気があったことから申告をしていなかったなどの例が指摘されたところでございました。改めましてその適正な取り扱いについて通知するとともに、庁内の諸会議等におきましても各部局に徹底を図ったところでございます。
〇斉藤信委員 厚生労働省通知を踏まえてという一番のポイントは、出勤時間、退勤時間の客観的な記録なんですよ。それを自己申告にするというのがサービス残業の最大の理由ですよ。
 監査委員や人事委員会の監査、現地調査で、実際に申告していない例もあったと。私、ここが極めて重要だと思うので、その点も踏まえて、だから超過勤務手当を出している分が超過勤務ですよという把握は間違いだと。これは指摘だけにしておきます、きょうは時間がないので。
 次に、3番目。総務事務センターの派遣労働、私はこの改善を求めてきましたが、この派遣労働はどう改善をされたのでしょうか。職員の待遇改善の具体的な中身も含めて示していただきたい。
〇切金総務事務センター所長 総務事務センターへの派遣労働は平成16年度から実施されたものでございますけれども、この派遣労働の導入から5年間を経過いたしましたことから、その効果や効率性、円滑な業務運営、公立の制度の動き等を踏まえた上で総合的に検討を行った結果、非常勤職員体制としたほうが、業務運営上、より効果的と判断されたことから、現契約、これは平成21年8月末まででございましたけれども、この契約終了をもって、派遣労働から非常勤職員の採用に切りかえを行ったものでございます。
 非常勤職員への切りかえに当たっては、ハローワークへ公募いたしまして、それに応じて来た方に対して面接等をした上で、採用としたものでございます。
 派遣職員でありました当時、給料面で見ますと、派遣会社と県との委託契約の時間単価が918円でございました。これにつきましては、派遣会社が諸経費を控除した上で給料として支給されるとなるものと認識してございますが、非常勤職員の場合でありますと月額14万6、300円ということで、一月21日あるいは22日間出勤するということで仮に計算いたしますと、1日6時間の労働となりますけれども、そうしますと時間単価で1、000円を超えるということになってございます。
 それから、派遣職員でありました当時、通勤手当といったようなものが支給されていないといったこともございましたが、現在の非常勤職員におきましては、自動車等の交通用具を利用した場合には、住居と勤務公署の距離が2キロメートル以上の場合、支給上限額5、400円、それから公共交通機関を利用した場合には支給上限額が1万1、600円、こういった通勤手当が支給されるとなったものでございます。
 それから、服務面におきましては、派遣職員の場合には、年次休暇はあったようですけれども、忌引とか夏季休暇といったような特別休暇が付与されていなかったということでございましたが、非常勤職員の場合は、これらの特別休暇が付与されるということでございます。
〇高橋雪文副委員長 当局に申し上げます。答弁は簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
〇斉藤信委員 県が率先して派遣労働を導入していたという、私は、もう大問題だと思ってこれを取り上げて、やっとこれが改善されたと。
 ちなみにちょっと言っておきますが、918円というのは消費税込みなんですよ。消費税を除くと872円、そして20%天引きすると時給697円なんですよ。20日間働いたとして派遣労働というのは11万円余ですよ。私は、こういう貧困な派遣労働を解消したということは、もう一歩前進だと評価をして、再びこういうことをやってはならないということを教訓にしていただきたい。
 次に、受動喫煙対策の問題についてお聞きいたします。
 私のところに、県職員で、公用車に乗って急性の受動喫煙症、化学物質過敏症になって1年間休職せざるを得なかったという、こういう方から実際の相談もございました。
 それで、私は、この受動喫煙の問題について、国際条約から、健康増進法から、その他調べて、私自身が認識を大きく変えました。実は、WHOのたばこ規制条約、日本政府が批准しているけれども、これは、基本的には禁煙すべきだ、そういう法的整備をすべきだというのが国際条約なんですよ。健康増進法は、それをそれぞれの国や都道府県に努力義務でやりなさいとなっている。
 岩手県の受動喫煙対策はどうなっていますか。
〇切金総務事務センター所長 職員に対する受動喫煙対策といたしましては、毎年、世界保健機関が定めております世界禁煙デー、これは5月31日に設定されておりますが、これとか、あるいは厚生労働省が定めております5月31日から6月6日までの禁煙週間、こういったものに呼応いたしまして、本庁及び広域振興局等におきまして、喫煙室の閉鎖、たばこ自動販売機の販売休止、それから禁煙教室の開催、さらには意識啓発のチラシ配布、ビデオ放映といったような取り組みを行っておりまして、受動喫煙防止対策に関する意識啓発に取り組んでいるところでございます。
 それから、県庁におけます受動喫煙対策として、健康増進法施行前の平成10年7月から県庁内の執務室は終日禁煙、それから、平成13年7月からは庁舎内完全分煙としておりまして、各地区の合同庁舎におきましても、平成17年4月からは、すべての庁舎内で分煙という形になっているところでございます。
〇斉藤信委員 化学物質過敏症を発症したこの職員は、どういう形で発症したのですか。
〇切金総務事務センター所長 振興局の職員でありまして、現場に出張に行こうとして、その振興局所属の公用車を使って出ようとしたところ、その公用車に充満しておりましたたばこの煙が相当きつくて、それで、受動喫煙という状況になって化学物質過敏症を発症したと言っているものでございます。
〇斉藤信委員 これは極めて大事なことなんですよ。いわば仕事中に公用車で化学物質過敏症になってしまったと。これは、県の責任は極めて重大じゃないですか。
〇切金総務事務センター所長 公用車の喫煙対策といたしましては、県庁車といいますか、県庁の場合は、管財課が集中管理しております公用車につきましては、平成16年8月から全面禁煙にしているところでございますけれども、各出先機関の長が保有、管理する公用車につきましては、それぞれの職場内におきまして、喫煙者と非喫煙者が相互の理解を得ることに努めながら、それぞれの職場の実態に即して対応する必要があるということでございまして、振興局それぞれの所属で判断をしていただいていたものと認識してございます。
 それから、化学物質過敏症を発症したことについて、県の責任というお話でございましたけれども、いわゆる安全配慮義務ということになろうかと思うわけでございますが、安全配慮義務につきましては、一定の訴えがあって、あるいは愁訴があって、その上で、それに対して何らかの処置が必要だといったような場合に、それぞれの処置を講ずるといったようなことになるわけでございますけれども、本件の場合には、その1回の出張のために公用車のドアをあけて、そのにおいをかいでしまったがために発症したということを申しているわけでありまして、その場合に、それは午後から出張するということだったんですが、午前中にその公用車を利用した職員、あるいはそれ以前の職員におきましても、そういった訴えというものはございませんでしたので、当方といたしましても、そういう予見可能性というのはなかったということであります。
 それから、安全配慮義務につきましては、何でもかんでも安全配慮義務があるんだということではなくて、一定の範囲のもとに安全配慮義務があるんだということがこれまでの判例等の中にございますので、そういったことから考えますと、一定の範囲内での配慮義務は果たしていたので、本件について責任があるということは認識しておりせん。
〇斉藤信委員 受動喫煙の危険性というのは、今、世界の常識なんですよ。いいですか、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約、これは日本政府が批准している。第8条、たばこの煙にさらされることからの保護、一つ目はこう書いているんですよ。締約国は、たばこの煙にさらされることが、死亡、疾病及び障がいを引き起こすことが科学的証拠により明白に証明されていることを認識する。締約国は、屋内の職場、公共の輸送機関、屋内の公共の場所及び適当な場所には、他の公共の場所におけるたばこの煙にさらされることからの保護を定める効果的な立法上、執行上、行政上の措置をとる、こうなっているんですよ。
 それで、国立がんセンターは、この受動喫煙によって、全国で毎年2万人から3万人の人が病気で死亡していると報告しているんですよ。これは明白な事実なのです。予見可能性がなかったなんてとんでもない話ですよ。あなたの認識不足なんですよ。
 受動喫煙というのは、国際的な法律からいっても、健康増進法からいっても、そういう危険があると明確になっているものなのです。ましてや県庁の場合は、公用車は全面禁煙、合同庁舎の場合はそうしなかったということは、あなた方の対策が不十分だったということを示すのではないですか。部長、どうですか。
〇菅野総務部長 やっぱりたばこの問題は、委員御指摘のとおり、今、世界的にはいろいろ議論されているところだと思います。
 ただ、この事案につきましては、先ほど所長から御説明申し上げましたとおり、出張に行こうとして、公用車を運転しようとして公用車に入った。その際に、前に使った職員とか、それ以前の職員とかが、恐らく車内でたばこを吸っていて、その影響で化学物質過敏症を発症したという申し立てをされているところでございます。したがいまして、当該1回の─いろいろ個人の方の体質の問題があろうと思います。どういった場合についてそういった問題が起こるかというのはいろいろ議論があるところだと思いますが、1回の事案においてそういう疾病が発症することについての予見可能性、もしくは公用車としての従業員に対する安全配慮義務としてどの程度まで求められているものかといいますのは、それぞれ過去の判例等によりいろいろ判断がなされているものと考えてございまして、それらに基づいて、県としては適切に対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 公用車、車の中というのは受動喫煙の被害が本当に数十倍、100倍という規模で出るのですよ。ですから、今、全国のタクシーは7割以上が禁煙車です。岩手県は、残念ながら一律の禁煙にまだなっていないけれども、そうしてほしいという声は寄せられていますがね。いわば公用車、自動車の中は受動喫煙の危険性が、私が指摘したように危険なんですよ。そういう認識があなた方になかったら時代おくれなのですよ。全国で2万人、3万人がこれで亡くなっているんですから、それに対して県庁が率先して対策を立てるのは当たり前のことじゃないですか、部長ね。
 それで、私はもう一つ、結局は1年間休職せざるを得なかった。しかし、専門医の診断も受けて、回復して、今、職場復帰していますよね。しかし、治るわけではないのです。化学物質過敏症にかかったこの職員が仕事に復帰するためには、さまざまな課題があるんです。例えば、床のワックスがけ、これをやめるとか、シックハウス対策用のものにするとか、さまざまな対応が学校などではとられていますが、こういう要求に対して、上司がこう言っているんですよ。おれはまるきり対応することは考えていない。おれは今後も対応するつもりはない。あなたがなれればいいでしょう。あなたが勝手になった病気なんでしょう。
 私は、こういう対応は許されないと。健康増進法という法律もある、それにこたえてさまざまな施策も不十分だけれどもとっているときに、こういう形で上司が対応したとするなら大問題じゃないですか。部長、違いますか。
〇菅野総務部長 具体的に上司がどのような対応をしたか、今、委員から御紹介のありましたような対応をしたかどうかというのは、私どもとしては把握してございません。ただ、当該職員につきましては、現在、職場復帰をいたしてございます。その段階におきまして、職場復帰に当たり、どういう対応がとれるかというものについては、職員とよく御相談させていただきました。
 また、一方で職員からは、これに伴いまして、現在、今後の県の対応等につきまして訴訟(後刻「労働審判」と訂正)も提起されているところでございますので、そういった点も含めまして適切に対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 これは、労働審判をかけているんですけれども、これは、県がまともに対応しなかったから、そういう手だてをとらざるを得なかったと。本当に残念な事態です。しかし、これは、国際条約、健康増進法、そして、ことしの3月に厚生労働省が専門家による報告書も出しています。方向も明らかになって、例えばこれは、神奈川県は、全国で最初に受動喫煙防止条例を制定しました。全国的にも大変な反響を呼んだんですね。世論調査をしたら89%が、圧倒的に県民はこれを支持した、こういう形で、けんけんがくがくの中で、今そういう流れになりつつある。
 環境王国を言うんだったら、こういう課題で、ぜひ、私は世界レベルの水準をよく認識をして、具体的なとれる対応をしっかりとっていただきたい。
 これを最後に部長に聞いて、終わります。
〇菅野総務部長 おっしゃるとおり、職員の健康を守るとともに、いわゆる受動喫煙対策については、県としても推進していかなければならないと思ってございまして、そういう点については、しっかり対応させていただきたいと思ってございます。
 ただ、やはりどういった点において、雇用者として県の責任を果たすべき範囲が法的にどのくらいあるのか、その辺については、過去の判例等も踏まえながら、適切に対応しつつ、やはり職員の健康を守るという視点も大事にしながら鋭意努めてまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 1点だけお聞きします。
 先週、県人事委員会のほうから職員の給与等に関する報告及び勧告、これが出されまして、その中で住居手当を廃止すること、このような勧告になっているわけですけれども、勧告されて、はい、そうですかとすぐ廃止できるようなものなのか、その根拠はどのようなものか。
 ちなみに、国の場合は、月額2、500円、年間3万円ですけれども、これを新築または購入してから5年間、こういったことで支給されているようなんですが、本県の場合、平成20年度、金額、人数、どのような手当が出されたかお伺いします。
〇高橋参事兼人事課総括課長 ただいまの御質問は、住居手当のうち、自宅に係る住居手当の御質問ということだろうとお聞きいたしました。
 それで、まず、住居手当の支給根拠でございますけれども、これは、条例及び人事委員会規則に基づきまして支給しているものでございます。
 また、その支給額でございますけれども、月額3、000円という額になっております。この支給要件でございますけれども、新築または購入から5年間に限ってということでございまして、この内容につきましては国と同等でございます。
 ただいま御質問にございました5年を経過した以後に支給するということについては、本県ではそのような実態はございません。
 なお、支給額につきましては、本県は3、000円でございますけれども、国のほうは2、500円ということで、本県が500円国より上回っているということでございます。
 それで、先般の人事委員会勧告におきまして、公民較差を解消する一つの手法といたしまして、この住居手当の廃止が勧告されたところでございまして、勧告を受けた側といたしましては、この勧告を尊重するという基本姿勢に立ちながらも、一方、職員の勤務条件の変更等につながるものでございますので、今後、職員団体等と十分な協議を進めていきたいと考えているところでございます。
〇小野寺好委員 この持ち家に対する手当ですけれども、これは、借家とか職員公舎、こっちのほうに対してはどのような、例えば借家についての手当は減額するとか、あるいは県公舎の場合は値上げするとか、そういった影響が出るものなのかどうかお聞きします。
〇高橋参事兼人事課総括課長 これまで住居手当を含めまして、職員の給料でございますとか職員の基本的な諸手当につきましては、人事委員会の勧告を受けまして見直しをするというような基本的なルールのもとに改定を行ってきているものでございます。
 それから、この借家に係る住居手当でございますけれども、これは、月額2万7、000円を限度といたしまして、基本的には2分の1程度を支援するというような仕組みになっている手当でございます。
〇小野寺好委員 ついでのような形になりますけれども、県公舎、こちらの関係なんですが、前に質問したときに、ちょっと古くなって最近は入居率が下がっているとか、そういった答弁をいただいたことがあるんですが、最近はどのような状況になっているかお聞きしたいと思います。
〇吉田管財課総括課長 県公舎の入居率でございます。ことし、平成21年4月1日現在、県全体で86.8%。これは、前年度が78.4%、平成19年度は77.9%ということで、率としましては若干上昇しているのでございますが、実態といたしましては、県公舎そのものの戸数を減少させておりまして、実際の入居人数は50人ぐらい減っているといったような状況でございます。
 その原因といたしましては、職員数が減っている、それから従来公舎に入っていました若い人たちが減っている、それから交通事情、二戸の新幹線開通等の交通事情がございました。それから、民間の供給もふえているといったことがあるかと存じております。
〇小野寺好委員 最後ですけれども、この資料の中に無料公舎、この中に212人入っていると書いてあるんですが、これはどういった内容なのかお聞きして終わりにします。
〇吉田管財課総括課長 無料公舎についてでございますが、県の規則で、公舎の管理及び使用に関する規則というものがございまして、生命または財産を保護するため非常勤務に従事することとなる職、試験施設ですとか研究施設、実験施設等に勤務することとなる職員等について知事が指定するものという、具体的には、畜産研究所ですとか農業大学校における動物の管理、それからダムの管理などに従事する職員の居住に要する公舎と承知しております。
〇高橋雪文副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇菅野総務部長 恐縮でございます。
 先ほど、斉藤信委員の質疑の際に、私、訴訟と申し上げましたが、正しくは盛岡地裁における労働審判、委員の御指摘のとおりでございますので、おわびして、訂正させていただきます。
〇高橋雪文副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋雪文副委員長 質疑がないようでありますので、総務部関係の質疑をこれで終わります。
 総務部の皆さん方は退席して結構でございます。お疲れさまでございました。
 次に、出納局長に出納局関係の説明を求めます。
〇古内会計管理者兼出納局長 それでは、出納局関係の決算について御説明申し上げます。
 まず初めに、昨年発覚いたしました不適切な会計処理に係る再発防止について、出納局における取り組みの状況を説明させていただきたいと思いまして準備しておりましたが、先ほど詳しく御説明申し上げましたので、少し簡単に御説明申し上げたいと思います。
 いずれ、不適切経理は、県民の皆様の信頼を失うこととなりますし、職員としても非常に厳しい評価をいただくことになりますので、もう金輪際こういうことがあってはならないという思いで取り組んでいるものでございます。
 出納局で取り組んでいるものといたしましては、第1に物品調達システムの見直しを行ったということでございますし、第2には、内部統制の強化といたしまして、所属長が事務の自己点検を行うということをやっておりますし、第3として、業者への協力要請もいたしております。また、第4として、これもとても大事なのですが、職員教育の徹底に取り組んでいるところでございます。
 以上、4項目について重点的に取り組みまして、適正な会計事務の執行が図られるよう努めてきたところでございますけれども、このたび、県警から不適切な経理処理の実態が報告されましたことは、まことに遺憾なことでございまして、今後、出納局といたしましては、さらなる会計事務の適正執行の確保にしっかりと努めてまいりたいと考えているところでございます。
 それでは、続きまして、決算の詳細について御説明申し上げます。便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 154ページをお開きいただきたいと思います。第2款総務費第1項総務管理費1目一般管理費のうち、出納局関係の支出済額は、155ページの備考欄に記載しております出納局の管理運営費2億4、491万円余であります。これは、職員31人の人件費など、出納局の管理運営に要した経費であります。続きまして、156ページをお開き願います。5目会計管理費の支出済額は2億7、735万円余であります。これは、金融機関などからの一時借入金の支払い利息など会計の管理運営費、証紙の売りさばき手数料、そして、電子収納システム運営費であります。
 次に、ちょっと飛んでいただきまして、410ページをお開き願います。証紙収入整理特別会計についてであります。収入済額の合計は59億927万円余であります。また、支出済額の合計は、412ページに記載してございますが、58億8、948万円余であります。これは、一般会計に繰り出しをしたものであり、その内訳は、県税、使用料及び手数料となっております。また、収入済額の合計から支出済額の合計を差し引きました実質収支額につきましては、438ページの実質収支に関する調書に記載しておりますが1、978万円余で、翌年度に繰り越しをしているものであります。
 以上で出納局関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇高橋雪文副委員長 これより質疑を行います。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋雪文副委員長 質疑がないようでありますので、出納局関係の質疑をこれで終わります。お疲れさまでございました。
 次に、人事委員会事務局長に人事委員会関係の説明を求めます。
〇熊田人事委員会事務局長 人事委員会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 お手元の歳入歳出決算事項別明細書により説明申し上げますので、176ページと177ページをお開き願います。第2款総務費のうち、8項人事委員会費でございます。予算総額1億7、813万5、000円に対しまして、支出総額は1億7、687万7、000円余でございます。内訳でございますが、1目の委員会費の支出済額の665万5、000円余は、委員3名分の報酬など委員会の運営に要した経費でございます。次に、2目の事務局費の支出済額1億7、022万2、000円余でございますが、これは、職員16名分の人件費及び事務局における公平審査事務、任用関係事務及び給与関係事務等の管理運営に要した経費でございます。
 以上で人事委員会関係の決算の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇高橋雪文副委員長 これより質疑を行います。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇小野寺有一委員 職員の給与等に関する報告及び勧告についてお尋ねいたします。
 給与勧告の基本的な考えとして、県内民間従業員の給与を重視し検討を行っているということであります。それについては非常に評価するものであります。
 県内民間従業員の給与実態は、企業規模50人以上、かつ事業所規模50人以上の県内民間事業者397のうちから抽出した123事業所を対象に実地調査を行ったということでありますが、この公民給与の比較の対象として、このくくりがふさわしいものであるかどうかということについて伺いたいと思います。
 というのは、事業所数が今県内に、いろいろな数値がありますのでざっくりと申し上げますけれども、6万カ所以上の事業所があって、そして従業員数は60万人近い従業員が働いている。それに対して、今回この397の県内の民間事業所に働いていらっしゃる人は5万7、101人ということでありまして、単純に言いますと9.5%ぐらいしかカバーできていないわけでありまして、しかも、この50人以上の事業所規模の方々というのは、多分、一般の方々よりもどちらかというと恵まれた所得を得ている人たちであるような気がするわけで、どうもこのサンプルが適切であるとは思えないのでありますが、見解をお示しいただきたいと思います。
〇及川職員課総括課長 ただいまの民間給与実態調査のくくり、これの妥当性についてでありますが、民間給与実態調査というものにつきましては、従来から人事院とほかの都道府県等で共同で実施しておりまして、そのサンプルですが、これにつきましては、一定のルールに基づきまして人事院と協議して定めておりますことから、これについては妥当と認識しております。
 この調査の集計に当たりましては、抽出ということでやっておりまして、抽出したものにつきまして、逆数、これはまた後で御説明しますが、逆数を乗じて母集団に復元しているということで、調査結果は、母集団事業所全体と調査した結果とほぼ等しいものになると考えております。例えば10%で抽出しますと、それを戻す場合は、いわゆる10倍掛けてやるということでやっております。
 それで、さっきの規模についてですが、県内で企業規模が50人以上、あとは、かつ事業所規模で50人以上ということで、いわゆる大きな、50人以上ありましても、支店とかありますと、その支店規模で50人あるという会社を対象にしております。それが県内で民間事業所が397ありまして、その中から抽出した123事業所、この抽出の仕方に関しては、人事院が無作為という形でやっております。
〇高橋雪文副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋雪文副委員長 質疑がないようでありますので、人事委員会関係の質疑をこれで終わります。お疲れさまでございました。
 次に、監査委員事務局長に監査委員関係の説明を求めます。
〇千田監査委員事務局長 監査委員関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、178ページをお開き願います。第2款総務費のうち、9項監査委員費1目委員費の支出済額は1、935万円余でありますが、これは、監査委員4名の報酬、給与及び監査等に要した経費であります。2目事務局費の支出済額は1億9、760万円余でありますが、これは、事務局職員の人件費等事務局の管理運営に要した経費であります。
 以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇高橋雪文副委員長 これより質疑を行います。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 警察本部の不正支出に対する監査の中身についてお聞きしたい。
 実は、県警の不正支出は、いわゆる2月定例会の段階で明らかになって、我々に一度は報告をされた。その時点で既に不正支出はあった。それ以後、現段階では2億1、000万円余の規模に膨れ上がったわけですけれども、この不正支出について、既に明らかになった段階で昨年度の監査はどのように行われたのか。そして、今回の新たな中間報告に対して随時監査を行ったということでございました。この随時監査の中身はどういうものだったのか示していただきたい。
〇千田監査委員事務局長 初めに、ことしの随時監査の状況でございますけれども、平成20年度分を対象にいたしまして、10月13日、昨日実施したところでございます。
 その結果、不適当事案について、預け金等の悪質性の高い3態様について、関係する会計書類や業者取引関係書類を点検いたしまして、現時点で新たな分として11万87円が認められております。
 また、前年度納入、先払い、契約前納入の3態様につきましては、抽出いたしまして同様に点検し、点検の中では、警察の調査報告書のとおりであるということが認められました。
 なお、調査報告書については、中間報告となっておりますので、まだ調査中となっている備品などの状況等が明らかになる最終報告を受けまして、さらに確認していきたいと考えております。
 また、昨年度の監査の関係でございますけれども、県警も含めて、また、知事部局につきましても、事務用品の在庫の確認、あるいは納入業者に対する外部確認、部局等の再発防止策の実施状況を点検、確認してまいりました。
〇斉藤信委員 県警の中間報告によると、業者は275社対象だと。私は、岩手県の県庁、知事部局の不正支出と業者がダブっていると思うんですよ。岩手県の不正支出のときにも、県警が2月定例会までやったときにも業者からの報告を受けていると思うんですね。業者からは、県警の不正支出については報告がなかったのかどうか。監査委員はそれを調べたのかどうか。私は、本来こういうものはもっと早く発覚されるべきじゃなかったのかと思いますけれども、いかがですか。
〇千田監査委員事務局長 業者との関係でどのぐらい早くそういった事実関係を掌握できたかどうかということがございますけれども、いずれ、監査の手法と申しますのは、監査の事務局の職員なり委員が入っていって、相手方から、十分な準備がない段階でいろいろ調べるという形ではなくて、監査調書というものをつくっていただきまして、そういった事実関係を相手方のほうで用意していただいて、それに基づいていろいろお聞きするということでございますので、県警のほうで、今、調査中であるということで、私どもも、たびたびその調査の内容を早目に報告いただきたい、説明いただきたいということは申し上げてございましたけれども、この時期に中間報告となりましたので、それに対応した監査の仕方をしているという状況ですので、御理解いただきたいと思います。
〇斉藤信委員 難しいんだけれども、私もまだ丹念には見ていないけれども、例えば洗濯機、冷蔵庫、テレビ、こういうものを預け金で買っているわけですね。私は、これは警察活動に必要なものだから買ったのか、そうではないと思うんですよ。余ったから買ったと。いわば必要のないものをそういう形で買ったのではないか。いいですか、必要なものだったら、まだ、仕事のために買ったとなりますけれども、私は、そうではないのではないか。買ったものは、金が余ったから買ったというものじゃないですか。その実態は、監査委員はどういうふうに把握していますか。
〇菊池監査委員 県警及び第一線の署の不適切な、不適当な事務処理については、昨年一部明らかになりました。その後、たしか3月の常任委員会だったと思うんですが、詳しい調査を進めているという県警本部のお答えがありましたので、それに合わせまして我々は監査をやっております。
 これは定期監査でございますが、そういう細かい部分までなかなか資料が整わず突っ込めなかったんですが、いずれ不適切な、不適当な事務処理をやったという部分七十数万円、これはしっかり確認しまして、その都度、岩手県報に登載しました。しっかりと公署名を明らかにしておりますし、不適正、不適当な経理をやったと明記しております。改善しなさいというふうに。
 その後、定期監査の中でしっかりとした監査をやりたいということで、県警本部には何度か資料の提出を求めてまいりました。しかし、まだ精査中である、まとまらないということもあって、ついこの間、中間報告での数字に基づいて監査に入っているという現状でございます。
〇斉藤信委員 これ、あとはもう県警でやりますけれども、私は、県警には、やっぱりもっと重大な問題があると思うんですよ。実は捜査報償費ですよ。捜査報償費を私は一貫して取り上げてきた。これは、出納から現ナマが警察本部、警察署に行くのですよ、現ナマが。そのお金が、会計担当者、警察署であれば副署長の金庫に入るんです。この段階で裏金になるんですよ、捜査報償費というのは。
 私は、その捜査報償費、取り上げられたときには半分に減ったが、そのときは1、380万円でした。今、2、000万円までふえているんですよ。ほとぼりが冷めると、だんだん、だんだんこれがふえていく。
 この捜査報償費について、その捜査報償費にふさわしいように使われていると、これはきちんと継続した監査をやっていますか。裏金として使われているのではないですか。
〇菊池監査委員 委員御指摘のとおり、2、000万円を超えているという数字は我々も認識しております。これは、本部及び一線警察署16署の合計でございます。
 それで、報償費については、我々もかなり重点的に監査はしているところでありまして、平成20年度監査でも、本部については9月、各警察署、これは16署ありますが、7月から9月にかけて監査をやっているところであります。
 監査手法ですが、これは、悉皆じゃなく、どうしても抽出になります。本部については二、三カ月分、あるいは各警察署ですが、これは三、四カ月分を無作為に抽出して、その報償費の内容を監査しております。当然、所属長が命令したものかどうか、そういうことも確認しておりますし、報償費を支払った捜査員にも直接会って確認しております。
 それから、領収書類も抽出の中で確認しまして、現金あるいはお菓子類などをもらったとされる協力者の住所、氏名を明らかにしてもらって、住宅地図で存在を確認しております。
 ただ、ちょっと気になるのは、捜査に協力して、報償費の中から現金をいただいた、あるいはお菓子をいただいたという人に、直接会って監査はやっておりません。果たしてもらったかというようなことはやっておりません。これは、やはり捜査に影響が出るという我々の判断であります。ですから、完全に間違いないと自信を持って言えるものではございません。北海道の監査もこの辺で苦しんでおりまして、やはり同じような考え、完全に間違いない、払っているということは言えないと指摘しておりますが、現状はそういうところであります。
 ただ、抽出率は結構高くて、本部は29%を超えております。一線署が28%台と、普通の監査と比べて報償費に関しては抽出率が非常に高いということです。
〇斉藤信委員 これで終わりますが、監査をやっているけれども、肝心なところの確証がないんだよね。いわば、どこで崩れているかというと、協力者はもらっていないと言うんですよ。北海道も、愛媛県もみんなそうなんですよ。もらっていないのですよ。そこで崩れるんですね。
 実際に、監査の中で協力者に現金が渡されたという現金支給の率はどのぐらいあるんですか。あと、お菓子類その他、報償費の内訳は監査の中でどうなりますか。
〇菊池監査委員 情報提供者に対して謝礼として現金を直接交付した、そういう事例は25件、23万9、000円であります。そのほとんどは本人名義の領収書がありました。それから、お菓子類については50件、金券も含みます。4万6、500円余り。土産品というものもありますので、それは32件、6万7、000円余り。今述べたのは、一線署中心であります。
 本部については、現金が5件、5万円。すべて本人名義の領収書があったということであります。本部の金券あるいは菓子類、これについては、金券が2件、1万3、000円、土産品5件、1万1、000円余り。それから、現金を直接交付したという例は5件、5万円です。これも、やはり領収書は添付されていました。
〇斉藤信委員 わかりました。書類の不備はないでしょう、これだけ騒いでいるんですからね。しかし、実際にそれが捜査協力者に渡ったかどうかという確証は、残念ながら監査でも明らかにできなかった。これは極めて残念なことです。いずれにしても、あとは県警本部でやりたいと思います。
 終わります。
〇高橋雪文副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋雪文副委員長 質疑がないようでありますので、監査委員関係の質疑をこれで終わります。お疲れさまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
 あすは10時でございますので、よろしくお願いいたします。
   午後5時13分 散 会

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