平成17年12月定例会 第17回岩手県議会定例会会議録

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〇26番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第1号から第7号について質問いたします。
 議案第1号は、2005年度岩手県一般会計補正予算(第5号)であります。その内容は、29億6、200万円の減額補正予算ですが、これは、県人事委員会の勧告に基づく給与改定と年間過不足調整によるものであります。
 知事に質問します。
 第1に、公務員の賃金を決める原則は、同一労働同一賃金、生計費原則、民間との格差是正であると考えますが、いかがでしょうか。
 第2に、県職員――医療局、企業局を含めての賃金は、今回を含めると7年連続マイナス改定となります。この間の賃金削減の総額は、単年度換算でどうなるでしょうか。その地域経済への波及効果をどう把握されているでしょうか。県職員1人当たりの平均の減額総額はどうなるでしょう。
 第3に、7年連続の大幅な賃金削減は、県職員の生活、生計費を確保する上で既に支障を来たしていると考えますが、どう認識されているでしょうか。
 第4に、県人事委員会は、給与構造の改革として、来年度から4.8%の賃金削減を勧告しています。これは、今回の給与改定と一体のものとして出されたものであります。
 そこでお聞きします。県内の民間との格差是正を含め、毎年給与改定しているにもかかわらず、4.8%もの大幅な賃金引き下げを行う理由も根拠もないと考えますが、いかがでしょうか。
 総務部長に質問します。
 第1に、今回の給与改定の影響額、削減額は、給与改定分、4月にさかのぼる削減分、職員手当分、それぞれどうなるでしょうか。その総額はどうでしょうか。医療局、企業局分を含めて示していただきたい。
 第2に、県職員の給与改定は、市町村職員にも影響を与えます。国家公務員を含め、賃金削減の人員と削減額、総額はどう推計されるでしょうか。この7年間の影響額はどうでしょうか。
 第3に、賃金の削減という不利益について、今回も4月にさかのぼって削減するとしていますが、これは不利益不遡及という原則に反するのではないでしょうか。
 第4に、労働組合との協議と合意はどうなされたのでしょうか。
 第5に、来年度からの給与構造改革による4.8%の賃金削減の影響を、どのように具体的に推計されているでしょうか。
 第6に、超過勤務手当の削減も盛り込まれていますが、その総額と理由は何でしょうか。超過勤務時間の推移とサービス残業の解消は、どう図られているでしょうか。
 県人事委員会委員長に質問します。
 第1に、今回の勧告では、民間の給与との格差が3.57%であり、特別給、いわゆる一時金は、民間の平均4.21カ月分に対し、県職員は4.40カ月分となっています。ところが勧告では、国に準拠して、月額給与は0.35%の削減、期末・勤勉手当は0.05カ月の引き上げ等の内容です。民間との格差は、何を考慮して今回の勧告となったのでしょうか。
 第2に、来年度からの給与構造改革について、4.8%の大幅な賃金削減も盛り込まれました。国家公務員と違って、県職員は、地域給の対象となる職員はほとんどいません。全体の賃金引き下げとなります。こうした大幅な賃金引き下げの勧告は、公務員労働者の労働基本権を奪っている代償として、労働者の利益を守るべき人事委員会の役割と責任を放棄するものではないでしょうか。
 第3に、不利益不遡及の原則は、最高裁判所での判例としても確定をしていると思いますが、何を根拠に4月からさかのぼって賃金の削減を求めているのか、示していただきたい。
 第4に、県人事委員会は、本来、行政とは独立した機関だと思いますが、国の人事院との関係、県行政とのかかわりをどう認識されて協議されてきたのでしょうか。
 最後に、県警本部長に質問します。
 県警本部についても超過勤務手当の削減が盛り込まれていますが、その総額はどうなっているでしょうか。昨年度の超過勤務は、1人平均360時間となっていました。これは全額支給されたのでしょうか。今年度の超過勤務はどうなっているでしょうか。全額支給されるとするならば、その総額はどうなるでしょうか。
 以上で質問を終わりますが、答弁によっては再質問をさせていただきます。

〇知事(増田寛也君) 斉藤信議員の御質問にお答え申し上げます。
 職員の給与は、地方公務員法が定める給与決定の諸原則にのっとりまして、職務給の原則――これは、その職務と責任に応ずるというものでございますが、この職務給の原則。そして均衡の原則――生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員、並びに民間事業の従業者の給与等を考慮するということ。そして、情勢適応の原則――社会一般の情勢に適応すると、この原則にのっとって決定すべきものと考えております。
 平成11年度からの給与のマイナス改定及び平成15年度からの給料等の減額措置による減少額の総額でございますが、当該年度の減少額を単純に合算した金額でありますが、医療局及び企業局分を含め、およそ205億円と推計をしております。
 この減少額の地域経済への波及効果につきましては、平成12年の産業連関表を用いて試算をいたしますと、およそ326億円となります。
 7年間の職員1人当たりの平均の減額総額でありますが、職位によって異なるわけでありますが、職員構成の中で最も多い職位であります主査クラスで試算した場合には、約68万円でございます。
 また、議員御指摘の7年連続の賃金削減のうち、給料表のベースダウン、期末・勤勉手当の支給月数の減、扶養手当の減額につきましては、人事委員会の勧告を受けまして、生計費はもとより、国や他の都道府県、民間の給与等の実態を踏まえて、給与決定の諸原則にのっとり、適切に定めたものでございます。
 それから、給与構造改革の関係でございます。この関係につきましては、本年の人事院勧告で、公務員給与のあり方について、地方の公務員給与の水準は民間に比べて高い等の指摘がなされていることから、公務員給与に地場賃金を反映させる等の見直しを行うために、俸給表水準の4.8%の引き下げ等を含む給与構造改革が勧告されたものでございまして、本県の人事委員会の勧告におきましても、給与構造改革につきましては、県内民間企業従事者の給与並びに国及び他の都道府県の職員の給与その他の諸事情を総合的に勘案して、人事院勧告に準じた措置を講ずる必要があると、このような内容が盛り込まれております。
 職員の給与改定に当たりましては、基本的にこの人事委員会の勧告を尊重すべきものと考えているところでございます。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。

〇総務部長(時澤忠君) まず、今回の給与改定の影響額につきまして、医療局、企業局分を含む県全体で申し上げますと、給料改定分が1億2、700万円の減、12月の期末手当での調整分が3億7、900万円の減、勤勉手当、通勤手当の増、扶養手当の減等により、職員手当分が4億6、700万円の増、その他含めまして、総額でおよそ2、200万円の減額となるものでございます。
 続きまして、市町村職員及び国家公務員の給与決定の影響額でございますが、県内の国家公務員に係る影響額につきましては、公表されておりませんので把握していないところでございます。
 市町村の給与改定につきましては、それぞれの市町村が判断するところでありますが、仮に、すべての市町村が今回の県の給与改定に準じて改定したとした場合の影響額を試算しますと、全体で1、500万円程度の減額となると見込んでいるものでございます。したがいまして、県内の地方公務員に係る給与改定の影響額は、先ほどの件とあわせましておよそ3、700万円と推計しているものでございます。
 なお、市町村のこの7年間の給与改定の影響額につきましては、市町村への照会及び作業が必要になるということで、現在、数字は持ち合わせていないところでございます。
 次に、不利益不遡及の原則に反するものではないかという御指摘がございました。
 給与改定につきましては、本年4月から条例改正の施行日前日までの期間に係ります公民格差を解消するために、4月分給与及び6月分期末勤勉手当を基礎とした減額調整を行おうとするものでございます。この調整方法につきましては、国が行っている方法でありまして、政府におきましても、給与の減額措置を遡及適用するものではなく、また、情勢適応の原則に照らして、十分な合理性があるというような見解が示されているところでございます。
 本県の取り扱いにおきましても、国と同様に、条例施行後の給与であります期末手当を調整するものでございまして、不利益不遡及の原則に反するものではないというふうに考えているところでございます。
 それから、労働組合との協議、合意でございますが、今回の給与改定の決定に当たりまして、10月下旬に職員団体に対して改正案を説明し協議を重ねてまいりまして、職員団体の理解は十分に得られたと考えているところでございます。
 次に、給与構造改革によります影響でございます。
 給与構造改革を実施した場合の単年度当たりの賃金減少額は、医療局、企業局分を含めまして、およそ97億円と推計をしております。
 次に、超過勤務についてでございます。
 12月補正におけます超過勤務手当の補正でございますが、1、263万8、000円の減額補正を行うものでございます。これは、超過勤務手当の当初予算への計上が、そもそも前年度の10月1日現在の職員数に翌年度の定数縮減の見込みを加味して積算をしているものでございます。このため、例年、12月定例会におきましては、当該年度の10月1日現在の職員数との差、そして給与改定などによりまして年間所要額に過不足が生ずると、このようなことから所要の補正を行っているものでございまして、今回の補正につきましても、職員数の減、給与改定などに伴う所要の補正でございます。
 超過勤務時間の推移でございます。
 今年度上半期の職員1人1月当たり平均超過勤務時間数を前年度同期と比較してみますと、昨年度が13.2時間でございました。今年度は9.5時間と、約28%の減となっているものでございます。
 また、年間の超過勤務時間数の比較を見てみましても、15年度が237.8時間、前年度比13.6%の減、16年度が147.5時間、前年度比28.2%の減、このように着実に減ってきているところでございます。
 この残業につきましては、従前から超過勤務につきまして、所属長に対しましてグループ制を活用した業務の繁閑調整、あるいは業務改善によります業務量削減などの取り組みを行ってきたところでございますが、特に昨年11月からは、緊急性が高い業務を除きまして超過勤務を命じない、あるいは部下職員の日常の業務管理をしっかりと行いまして、命令権者みずからが事前に命令するということを徹底する、こういったことをやってきておりまして、超過勤務の一層の縮減に努めてきているところでございまして、さらに超過勤務の縮減に今後とも努めてまいりたいと考えているところでございます。

〇人事委員会委員長(及川卓美君) 人事委員会の給与勧告に対する御質問にお答えいたします。
 まず、本年の給与勧告についてでありますが、勧告を行うに当たっての本委員会の考え方の基本は、法の定める給与決定の諸原則に従い、民間従業員の給与とともに、国及び他の都道府県の職員の給与その他の諸事情を総合的に勘案して行うという考えであります。
 県内民間企業と県職員の給与格差は、議員御案内のとおり、月例給及び特別給の支給月数ともに職員が民間を上回っており、県内における公民均衡の観点からは、その格差により調整することも選択肢の一つとして議論を行ったところであります。しかしながら、本年度以降の給与構造改革、これは現行の給与制度が確立してからおよそ50年ぶりの大きな改革となるものでありますが、これとの関連や、民間準拠を基本とする国家公務員の給与制度との均衡、他県の人事委員会勧告の動向、さらには、民間における特別給の支給月数が昨年に比し増加したこと等も含め、総合的に勘案した結果、月例給、特別給ともに、人事院勧告に準じた改定を行うことが適当と判断し、勧告を行ったものであります。
 次に、本委員会の持つ労働基本権制約の代償機能についてでありますが、その機能とは、職員給与を単に引き上げるというものではなく、給与勧告を通じ、社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保するための役割と認識しているところであります。
 次に、期末手当における年間給与の調整についてでありますが、これは、職員給与を4月にさかのぼって返納させるとするものではなく、給与条例主義の原則に従い、12月に支給される期末手当の特例を条例で定めて行うよう勧告したものであり、不利益不遡及の原則には抵触しないものと認識しております。
 次に、人事院それから県行政とのかかわりについてでありますが、人事院とは民間給与実態調査を共同実施し、また、各任命権者に対しては職員給与実態調査を行うなど、所要の調査や情報提供を受けたところでありますが、本委員会は、法の定めにより、県の一機関ではあるものの、人事行政の専門機関として各任命権者から独立した第三者機関であり、今回の勧告もその位置づけを十分に踏まえ、独自の検討、判断により行ったところであります。

〇警察本部長(山内正和君) 警察本部の超過勤務手当の削減等についてお答えいたします。
 まず、警察本部の平成17年度当初予算における超過勤務手当の予算額は12億4、158万円余となっており、これを今12月補正予算において、給与改定などに伴う減額補正分として767万1、000円減額するものでございます。
 次に、昨年度の超過勤務手当の支給実績でございますが、超過勤務は予算の範囲内で命じることが原則ではございますが、予算には制約がある一方、事件・事故への対応は一刻を争うものであることなどから、昨年度は全額支給とはなっておりません。
 県警察といたしましては、県民の安全・安心を守りつつ、今後とも業務の効率化などによりまして、超過勤務の縮減に努めてまいりたいと考えております。
 なお、今年度の超過勤務の実績でございますが、年度途中であることから算定については困難でありますので、その点御理解願いたいと思います。

〇26番(斉藤信君) それでは、まず先に私は知事にお聞きをしたいと思います。
 今回の給与改定の額そのものは、今までと比べると小さいものでありますけれども、7年連続マイナスというところに私は大変重大な問題があると、こういうふうに思います。
 205億円、総額で言いますと、これだけの賃金削減で、そして地域経済の波及効果は326億円になるということでございました。県職員のまさに生活にとって将来が見通せない。私は、生計費の原則から見たら、もう、限界を超えているのではないかというふうに思いますが、この点で知事は、7年連続のマイナス、この総額をどういうふうに受けとめているのか。
 二つ目に、人事院勧告の勧告に基づく給与改定を毎年毎年やっています。このよしあしは別にして、毎年毎年いわば是正をしているということになります。しかし、今回人事委員会の勧告が出した給与構造改革というのは、来年度これでは足りないと、4.8%大幅に賃金引き下げが必要だというふうになっているわけです。私は、これは、今までのいわば給与改定のやり方と全く違うのではないか。毎年毎年さまざま総合的に検討して給与を改定しているのに、今回の場合は、今年度の改定だけではなくて、来年度もっと大幅な、97億円に及ぶ大幅な賃下げをやるというんでしょう。私、この根拠は全くないんじゃないか。毎年給与改定を実施しているのに、なぜ、来年度給与構造改革という形で大幅な賃金の引き下げをしなくちゃならないのか、私はそこの理由が全くないと思うんですけれども、その点知事は、毎年の給与改定と来年の給与構造改革というのはどういう関連にあるのか、本当に必要なものなのか、そのことをお答えいただきたい。
 人事委員会委員長についても、私は同じことを聞きたいと思うんです。
 今回の給与改定は、今年度の民間との差額、そしてもちろんさまざまな諸情勢、総合的に勘案して決めたと言っていました。今年度そういうふうに是正しておきながら、来年度から4.8%賃金を大幅に引き下げる理由、根拠というのは何でしょうか。
 国家公務員の場合は、いわば首都圏で働いている労働者と地方で働いている労働者と地場賃金の差がある。私は、地場賃金なんという言葉自身が初めて出て、これ自身とんでもないことだと思いますよ。しかし、一歩譲って、国家公務員の間にそういう違いがあるとするなら、しかし、国家公務員の場合は相殺されるんです。地方は下がっても、首都圏の方は上がる。しかし、地方公務員の場合は全部下がるんです。上がる人はいないんです。私、だから、人事委員会の勧告に準拠してというけれども、国家公務員と地方公務員ではあらわれ方、全然違うんじゃないかと。地方公務員の場合は、もうすべてが大幅な賃下げを一律に押しつけられる。こういうことで、私はこの勧告の妥当性、国家公務員と比べても全く根拠がないのではないか。そして、労働基本権の代償として、労働者の利益を守るという、こういう役割を人事委員会は本来は持っていると思いますけれども、そういう立場、役割から見たら、私は人事院の勧告に準拠するというのは、まさに国に追随して労働者の利益を守る役割を放棄することになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 最後に、県警本部長にお聞きします。
 平成16年度1人当たり平均360時間超過勤務していたというのが実績ですよ。しかし、それは全額支給になっていないと。1人当たり平均360時間のうち、支給実績はどのぐらいですか。支払われていないサービス残業はどのぐらいですか。このことを示していただきたい。

〇知事(増田寛也君) 今、お話がございました点についてお答え申し上げますが、職員の給与を抑制しておりますので、職員の皆さん方にとりましては、これまた大変な事態であろうというふうに思うわけでありますが、このことは県職員のみならず、県内の各民間それぞれのところでも今大変な苦労をしているわけでございまして、県民の皆さん方、生活それぞれ営んでいく上で大変な御苦労がおありだと思います。今回のこの給与の勧告の内容を見ましても、民間事業所との比較なども行って、その上で決められたものでありますので、県職員のみを聖域として守るわけにもいきませんし、やはり他の民間企業あるいは社会一般の情勢に適応するように決めていくものが県民理解のもとだと思いますので、こうした職員の士気高揚につきましては、別途またさまざまなことを考えなければいけないと思っておりますが、この給与を最近ずっと抑制しておりますけれども、これにつきましては職員の皆さんにもぜひ理解をしていただくように、庁内で話をしているところでございます。そうしたことが、県民理解につながるものと、このように考えております。
 それから、給与構造改革の方についての御質問もございますが、これは人事委員会の方から勧告が出されて、私どもは先ほど申し上げましたように、基本的に人事委員会の勧告を尊重するという立場でいるわけでございますが、この勧告を受けてどのような措置をとるか、これはまだ内部で検討中でございますので、これは改めてまた申し上げたいと思います。

〇人事委員会事務局長(土井進君) ただいまの給与勧告の背景等についての御質問でございましたけれども、今回の給与構造の見直しでございますけれども、これにつきましては、背景として国家公務員の給与構造改革など、公務員制度全体に係る抜本的な改革が求められていると。あるいは、地方公務員給与が高いというような御批判等がございます。また、多くの自治体が財政難で給与カット等を行いまして、現行制度に対する閉塞感があるというふうな背景があろうかと存じてございます。そういう中で、今後も厳しい財政事情のもと、職員の士気を確保しながら、能率的な人事管理の推進が求められるというふうな状況があろうかと思います。
 そういうことから、人事院におきましては、平成16年度の勧告におきまして、これらの問題を提起いたしまして、1年間にわたりまして国民各層の意見をお伺いし、今回17年度の勧告において引き下げの勧告を行ったというふうな状況にございます。これらにつきましては、民間あるいは国家公務員との均衡も図られるものというふうに考えてございますので、本県が準拠するというふうなことにつきましては、県民の御理解を得られるのではないかというふうに考えてございます。
 それから、代償機関というふうなことでございますけれども、先ほども委員長の方から御答弁申し上げましたけれども、これまでの給与勧告につきましては、右肩上がりの場合には、4月に遡及してというふうなことの改定を行ってございますけれども、マイナスの場合におきまして、法におきまして、地方公務員法におきまして、給与の引き下げ等があり得ることは想定をされているところでございますので、代償機関としての役割を果たしているというふうに存じております。

〇警察本部長(山内正和君) 警察職員に対します昨年度の超過勤務の1人当たりの支給率は、約54%ということになっております。

〇議長(伊藤勢至君) これをもって質疑を終結いたします。
 ただいま議題となっております議案第1号から議案第7号までは、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
   
〔参照〕
委員会付託区分表
(第17回県議会定例会 平成17年11月29日)
総務委員会
1 議案第1号中
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 各款
    歳出 第1款、第2款、第9款
2 議案第3号
3 議案第4号
4 議案第5号
5 議案第6号
6 議案第7号
環境福祉委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第3款、第4款
商工文教委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第5款、第7款、第10款
農林水産委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款、第11款
2 議案第2号
県土整備委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第8款     
   

〇議長(伊藤勢至君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時2分 休 憩
   
出席議員(46名)
1  番 亀卦川 富 夫 君
2  番 三 浦 陽 子 君
3  番 中 平   均 君
4  番 ザ・グレート・サスケ 君
5  番 木戸口 英 司 君
6  番 関 根 敏 伸 君
7  番 野 田 武 則 君
8  番 高 橋 比奈子 君
9  番 高 橋 雪 文 君
10  番 嵯 峨 壱 朗 君
11  番 平   澄 芳 君
12  番 工 藤 勝 子 君
13  番 柳 村 典 秀 君
14  番 飯 澤   匡 君
15  番 田 村   誠 君
16  番 平 野 ユキ子 君
17  番 大 宮 惇 幸 君
18  番 千 葉 康一郎 君
19  番 新居田 弘 文 君
20  番 工 藤 大 輔 君
21  番 平 沼   健 君
22  番 樋 下 正 信 君
24  番 柳 村 岩 見 君
25  番 阿 部 富 雄 君
26  番 斉 藤   信 君
27  番 川 村 農 夫 君
28  番 佐々木 順 一 君
29  番 佐々木   博 君
30  番 及 川 幸 子 君
31  番 阿 部 敏 雄 君
32  番 吉 田 昭 彦 君
33  番 小野寺 研 一 君
34  番 千 葉   伝 君
35  番 小野寺   好 君
37  番 伊 沢 昌 弘 君
38  番 小 原 宣 良 君
39  番 佐々木 一 榮 君
40  番 伊 藤 勢 至 君
41  番 渡 辺 幸 貫 君
42  番 高 橋 賢 輔 君
43  番 藤 原 良 信 君
44  番 佐々木 大 和 君
45  番 藤 原 泰次郎 君
46  番 菊 池   勲 君
47  番 工 藤   篤 君
51  番 佐々木 俊 夫 君
   欠席議員(2名)
23  番 照 井 昭 二 君
50  番 佐 藤 正 春 君
   説明のため出席した者
休憩前に同じ
 職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
    午後3時15分 再 開

〇議長(伊藤勢至君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 
 〇議長(伊藤勢至君) 各委員長から、それぞれ委員会報告書が提出されておりますが、後刻詳細に報告を求めますので、朗読を省略いたします。
   
日程第19 議案第1号平成17年度岩手県一般会計補正予算(第5号)から日程第25 議案第7号市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例(続)

〇議長(伊藤勢至君) 日程第19、議案第1号から日程第25、議案第7号までの議事を継続いたします。
 各案件に関し委員長の報告を求めます。佐々木総務委員長。
   〔総務委員長佐々木順一君登壇〕

〇総務委員長(佐々木順一君) 本日の本会議におきまして、当総務委員会に付託されました議案6件につきまして、本日、委員会を開き、慎重審査いたしましたので、その経過と結果につきまして御報告いたします。
 議案第1号平成17年度岩手県一般会計補正予算(第5号)中、第1条第1項、同条第2項第1表歳入歳出予算補正のうち、歳入各款、歳出第1款議会費、第2款総務費、及び第9款警察費についてでありますが、これは、給与費について、職員の給与改正等及び年間過不足調整などにより、総額29億6、163万1、000円を減額補正しようとするものであります。
 第1条第2項第1表歳入歳出予算補正のうち、歳入は、第9款国庫支出金9億2、064万1、000円の増、及び第5款地方交付税37億8、314万8、000円、第14款諸収入9、912万4、000円のそれぞれの減であります。
 歳出の主なものは、第2款総務費において、地域振興総務費5、351万3、000円、第9款警察費において、警察行政運営費3億5、684万5、000円のそれぞれの減等であり、原案を可とすることに決定いたしました。
 なお、審査の過程におきましては、地方交付税の将来的な見通し、共済費の減額理由等について質疑が交わされたところであります。
 次に、議案第3号特別職の職員の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、国の例に準じて、特別職の職員の期末手当の支給割合を改定しようとするものであり、原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、議案第4号一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、国の例に準じて、特定任期付職員の給料月額及び期末手当の支給割合を改定しようとするものであり、原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、議案第5号一般職の任期付研究員の採用等に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、国の例に準じて、任期付研究員の給料月額及び期末手当の支給割合を改定しようとするものであり、原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、議案第6号一般職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、国の例に準じて、一般職の職員の給料月額並びに初任給調整手当、扶養手当及び勤勉手当の額を改定し、並びに諸般の情勢にかんがみ、通勤手当の額を改定する等所要の改正をしようとするものであり、原案を可とすることに決定いたしました。
 なお、審査の過程におきましては、公務員の給与の減額と労働基本権の関係、職員の士気への影響、地域経済への影響、地域給の考え方等について質疑が交わされたところであります。
 次に、議案第7号市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、国の例に準じて、市町村立学校職員の給料月額並びに扶養手当及び勤勉手当の額を改定し、並びに諸般の情勢にかんがみ、通勤手当の額を改定する等所要の改正をしようとするものであり、原案を可とすることに決定いたしました。
 以上をもって報告を終わります。(拍手)

〇議長(伊藤勢至君) 次に、飯澤環境福祉委員長。
   〔環境福祉委員長飯澤匡君登壇〕

〇環境福祉委員長(飯澤匡君) 本日の本会議におきまして、当環境福祉委員会に付託されました議案1件につきまして、本日、委員会を開き、慎重審査いたしましたので、その経過と結果につきまして御報告いたします。
 議案第1号平成17年度岩手県一般会計補正予算(5号)中、第1条第2項第1表歳入歳出予算補正のうち、歳出第3款民生費及び第4款衛生費についてでありますが、これは、給与費について、職員の給与改定等及び年間過不足調整などにより、減額補正しようとするものであり、原案を可とすることに決定いたしました。
 以上をもって報告を終わります。(拍手)

〇議長(伊藤勢至君) 次に、樋下商工文教委員長。
   〔商工文教委員長樋下正信君登壇〕

〇商工文教委員長(樋下正信君) 本日の会議におきまして、当商工文教委員会に付託されました議案1件につきまして、本日、委員会を開き、慎重審査いたしましたので、その経過と結果につきまして御報告いたします。
 議案第1号平成17年度岩手県一般会計補正予算(第5号)中、第1条第2項第1表歳入歳出予算補正のうち、歳出第5款労働費、第7款商工費及び第10款教育費についてでありますが、これは、給与費について、職員の給与改定等及び年間過不足調整などにより、減額補正しようとするものであり、採決の結果、多数をもって原案を可とすることに決定いたしました。
 なお、審査の過程におきましては、超過勤務に係る労働時間の管理状況、観光総務費、教職員費等の増額理由、私立学校の教職員に与える影響等について質疑が交わされたところであります。
 以上をもって報告を終わります。(拍手)

〇議長(伊藤勢至君) 次に、中平農林水産副委員長。
   〔農林水産副委員長中平均君登壇〕

〇農林水産副委員長(中平均君) 本日の本会議におきまして、当農林水産委員会に付託されました議案2件につきまして、本日、委員会を開き、慎重審査いたしましたので、その経過と結果につきまして御報告いたします。
 議案第1号平成17年度岩手県一般会計補正予算(第5号)中、第1条第2項第1表歳入歳出予算補正のうち、歳出第6款農林水産業費、第11款災害復旧費、議案第2号平成17年度岩手県県有林事業特別会計補正予算(第2号)についてでありますが、これは、給与費について、職員の給与改定等及び年間過不足調整などにより、減額補正しようとするものであり、原案を可とすることに決定いたしました。
 なお、審査の過程におきましては、振興局における農林水産部の職員数の推移について質疑が交わされたところであります。
 以上をもって報告を終わります。(拍手)

〇議長(伊藤勢至君) 次に、及川県土整備委員長。
   〔県土整備委員長及川幸子君登壇〕

〇県土整備委員長(及川幸子君) 本日の本会議におきまして、当県土整備委員会に付託されました議案1件につきまして、本日、委員会を開き、慎重審査いたしましたので、その経過と結果につきまして御報告いたします。
 議案第1号平成17年度岩手県一般会計補正予算(第5号)中、第1条第2項第1表歳入歳出予算補正のうち、歳出第8款土木費についてでありますが、これは、給与費について、職員の給与改定等及び年間過不足調整などにより、減額補正しようとするものであり、原案を可とすることに決定いたしました。
 なお、審査の過程におきましては、人員の異動状況及び共済費の増減の根拠等について質疑が交わされたところであります。
 以上をもって報告を終わります。(拍手)

〇議長(伊藤勢至君) これより、ただいまの委員長報告に対する質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。
   〔26番斉藤信君登壇〕

〇26番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第1号、第2号、第4号から第7号について反対の討論を行います。
 これらの議案は、県人事委員会の勧告に基づく給与改定を行おうとするものであります。その内容は、1人当たり平均で給料、諸手当を含めて、年収で0.3%、1万6、000円の減額、期末・勤勉手当で0.05カ月分、1万3、000円引き上げるというものであります。年収では、平均3、000円の減収となるものであります。
 また、県人事委員会の勧告は、給与構造の改革として、給料表の水準を来年度から5年間で4.8%引き下げることを、まともな根拠もなく求めるという重大なものであります。今回提案されている議案は、今年度分の給与の改定であります。
 反対する第1の理由は、7年連続の賃金の削減となったことであります。
 今回の削減額は、一般職員分、医療局、企業局職員を含めると2、200万円余の削減であります。7年間の連続引き下げでは、累計で、一般職員分で169億円余、医療局、企業局を含めると実に205億円を超える賃金の削減となります。
 一般職員の係長級の場合は、総額68万円の減額、課長補佐級では82万円の減額であります。まさに、将来の生活設計が見通せない大幅な賃金削減と言わなければなりません。県職員の生計を支えるという点では、限界を超えた賃金の削減と言うべきものであります。
 反対する第2の理由は、賃金の削減を4月にさかのぼって行おうとしていることであります。これは、不利益不遡及の原則を踏みにじるものであります。この遡及分は3億7、900万円余となります。県は、調整という名目で4月にさかのぼっての賃金の削減を合理化しようとしていますが、脱法行為と言うべきものであります。
 反対する第3の理由は、こうした県職員の賃金の削減が、市町村職員はもとより、岩手医大職員や私立保育園など、県職員に準拠している多くの労働者に波及するということであります。
 この7年間の削減額は、県職員で205億円に及びます。この地域経済へのマイナスの波及効果は、単年度で見るとおよそ326億円にも及ぶものであります。史上空前の利益を上げている一部大企業は、賃上げに背を向け続けるという異常な状況のもとで、公務員賃金の引き下げが民間賃金の引き下げという、賃下げスパイラルを招いていることも重大であります。
 反対する第4の理由は、県人事委員会の役割が放棄されていることであります。
 県人事委員会は、本来、公務員労働者の労働基本権を奪っている代償措置として、公務員労働者の利益を守る役割を持つものであります。ところが、勧告の内容は、7年連続の賃金の引き下げであります。さまざまな調査をしていても、結局は人事院勧告に準拠した中身であります。こうした実態は、小泉政権と人事院が一体として行っている公務員攻撃、総人件費削減攻撃に追従するものであります。県人事委員会の役割を根本的に見直すべきであります。
 反対する第5の理由は、今回の給与改定が来年度からのまともな根拠もない、4.8%の大幅な賃金引き下げと連動していることであります。これは、50年ぶりと言われる給与構造の改革として出されたものですが、何の根拠もない大幅賃下げを押しつける最悪のものであります。
 国家公務員の場合も問題ですが、賃金総額は、地方と都市圏では基本的には相殺されます。岩手県のような地方公務員の場合は、ほとんど全職員が平均4.8%、最高7%の賃下げとなる横暴なものであります。これは、何よりも、同一労働同一賃金という根本原則を踏みにじるものであります。
 また、毎年の人事委員会の勧告で、基本的には民間賃金との格差も総合的に解決されているものであります。その上で、一方的に4.8%もの賃下げを押しつけることは許されないものであります。4.8%の賃下げは、一般職員では約81億円の賃金の削減であります。医療局、企業局職員を含めると、約97億円の賃金の引き下げとなります。その地域経済へのマイナスの波及効果は、約154億円余となります。まさに、耐えがたい賃金破壊をもたらすものと言わなければなりません。また、県職員はもとより、市町村職員を含めた公務員の生活にかかわる重大問題であるとともに、民間労働者にとっても、賃金引き下げの悪循環をもたらしかねないものであります。
 岩手自治労連の試算によると、国家公務員、市町村職員、公務員に準拠している職員の賃金削減額は約190億円で、地域経済への波及効果は約260億円に及ぶと指摘をしています。地域経済にとっても、耐えがたい打撃と影響を与えるものであります。
 今、小泉内閣の構造改革路線のもとで、公務員に対する攻撃、公務員の削減と総人件費の引き下げ攻撃が強まっています。この攻撃の本質は、自民党政治がもたらした深刻な財政破綻のツケを公務員に押しつけようとするものであります。
 日本の公務員の人口1、000人当たりの総数は35.1人で、フランスの約3分の1、イギリス、アメリカの半分以下であります。現在でも少ない公務員を削減するということは、福祉や暮らし、教育など、国民サービスを切り捨てるものであります。官から民への構造改革も、官でなければできないことまで、労働条件の低い民間の利益のために開放するものであります。耐震強度偽装問題に見られるように、国民の安全をないがしろにするものであります。
 公務員労働者は、国民の敵でも民間労働者の敵でもありません。福祉、暮らし、教育など、住民サービスを支えるかけがえのない役割と仕事をしているのであります。公務員労働者の賃金は、民間の賃金と地域経済を支える防波堤の役割を果たしているのであります。
 以上申し上げ、私の討論といたします。御清聴ありがとうございました。

〇議長(伊藤勢至君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、議案第1号、議案第2号及び議案第4号から議案第7号までを一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(伊藤勢至君) 起立多数であります。よって、議案第1号、議案第2号及び議案第4号から議案第7号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第3号特別職の職員の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例を採決いたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(伊藤勢至君) 起立全員であります。よって、議案第3号特別職の職員の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   

〇議長(伊藤勢至君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後3時37分 散 会


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