〇予算特別委員長報告
平成21年3月25日
 去る3月9日に行われました、予算特別委員会の正副委員長の互選の結果、委員長には私が、副委員長には平沼健君が選任されましたので、私から 当委員会における審査の経過と結果につきまして、御報告申し上げます。
 予算特別委員会は、3月4日の本会議において設置され、同日、平成21年度の予算議案15件及びこれらに関連する議案18件、計33件につきまして審査の付託を受けたのでありますが、これら付託案件の審査に当たりましては、総括質疑に知事の出席を求めて質疑を行うとともに、各部局ごとに主管部局長から議案の説明を聞き、質疑を行った後、3月19日の午後に、各会派の代表の方々にお集まり願い、意見の取りまとめをいたしました。
 その結果を委員会に諮り、当委員会の結論といたした次第であります。
 審査の経過につきましては、各位御承知のとおりでありますので省略させていただき、以下、各案件について、その結果を申し上げます。
 議案第1号につきましては、次の意見、すなわち、わが国の経済情勢は、世界の金融資本市場の危機を契機に世界的に深刻な景気後退が見られる中で、景気の急速な悪化が続いており、県内においても景気は一段と悪化し、厳しい状況にある。
 このような中にあって、本県の財政は、県税収入の大幅な落ち込みが見込まれており、また、地方交付税についても国税収入の大幅な減少に伴い減額が予想される中、国の平成21年度地方財政対策により臨時財政対策債が大幅に増額され、当面の所要額が確保される見込みであるものの、本県の自主財源の比率はますます低下している。
 また、近年の財源不足への対応から主要3基金の残高は減少してきたが、現下の厳しい経済財政状況に対応するため、さらなる取り崩しが見込まれており、今後の財政運営の見通しは一段と厳しさを増している。
 県は、前年度対比で8年ぶりの増額となる当初予算としたが、このような深刻な財政見通しを踏まえ、今後の行財政運営に当たっては、引き続き地方税財政制度の改革を国に強く働きかけるほか、あらゆる角度からの歳入確保の取り組みを強化する一方、岩手県集中改革プログラムに基づく改革を着実に推進し、安定した行財政基盤の構築に努められたい。
 また、雇用の維持・創出、地域経済の活性化及び震災被害の早期克服に積極的に取り組むほか、少子高齢化、人口減少等進行しつつある社会経済情勢の変化に対応した各政策分野における施策を展開し、さらには、保健・医療・介護の一体的推進及び深刻さを増す医師不足の早期解消などにより、現下の喫緊の課題である地域医療の確保に全力を挙げて取り組まれたい。
 特にも「いわて希望創造プラン」における主要課題である産業経済基盤の構築、安心な暮らしを支えるセーフティ・ネットの充実及び県北・沿岸圏域の振興などに積極的に取り組み、県民一人ひとりが確かな希望を抱く県土の形成と均衡ある発展が実現されるよう、一層の努力をされたい。
 なお、不正経理問題については、県民の不信感の解消と再発防止のため、さらに取り組まれたい。旨の意見を付し、多数をもって原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、議案第13号につきましては、次の意見、すなわち、国の医師抑制政策等に起因する深刻な医師不足、特にも勤務医の不足や診療科の偏在、医療費抑制を目的とした診療報酬のたび重なるマイナス改定を主因とする県立病院の経営不振、人口減少社会の到来など、県立病院を取り巻く環境は大きく変化しており、現在の県立病院の規模・機能を維持することは極めて困難な状況に直面している。
 こうした環境変化を背景に地域診療センターの無床化を含む「岩手県立病院等の新しい経営計画」が策定され、これまで、パブリックコメント、地域説明会を通じ、計画の周知を図ってきたところであるが、今なお、当該市町村、地域住民の理解が十分に得られているとは言い難い状況である。
 しかし一刻の猶予もならない事業会計の性格に鑑み、大局的な判断に立ち、この意見を付すものである。
 今般の計画策定に当たっては、当該地域住民、市町村等への十分な情報開示、説明がないまま計画案が提示され、公表後、四ヶ月余りで即実施する計画内容であるなど、政策決定過程が拙速であったと指摘せざるを得ない。
 こうした問題点を踏まえ、早急に地域住民の不安を解消し、市町村等との相互協力体制を構築し、地域医療確保に万全を期すことを求めるものである。
 なお、今後の県の医療政策の方向性、財政負担のあり方、市町村との連携強化、とりわけ保健・医療・福祉分野での一体的な政策展開、医療局の組織及び県立病院等の経営形態のあり方の検討、さらに県民と地域医療における危機意識を共有すべく県民の意識啓発などを進め、県民に良質な医療を持続的に提供するよう努められたい。旨の意見を付し、多数をもって原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、議案第12号及び議案第16号から議案第21号までにつきましては、多数をもって原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、議案第2号から議案第11号まで、議案第14号、議案第15号、議案第22号、議案第26号、議案第27号、議案第31号から議案第35号まで、議案第37号、議案第39号、議案第40号及び議案第74号につきましては、原案を可とすることに決定いたしました。
 以上をもって報告を終わります。