〇決算特別委員長報告
平成18年10月25日
 去る10月16日行われました決算特別委員会の正副委員長の互選の結果、委員長には私が、副委員長には小野寺研一君が選任されましたので、私から、当委員会における審査の経過と結果につきまして、御報告申し上げます。
 決算特別委員会は、去る10月10日の本会議におきまして設置され、平成17年度の企業会計決算3件、平成17年度の一般会計及び特別会計の歳入歳出決算12件につきまして審査の付託を受けたのでありますが、これら付託案件の審査に当たりましては、10月16日から7日間にわたって委員会を開き、総括質疑には知事の出席を求めて質疑を行うとともに、各部局ごとに、主管部局長から決算の内容等について、詳細な説明を聞き、質疑を行ったのち後、10月24日の午後に、交渉団体である会派の代表の方々にお集まりを願い、意見の取りまとめをいたしました。
 その結果を委員会に諮り、当委員会の結論といたした次第であります。
 審査に当たりましては、終始、熱心に審査されたのでありますが、その経過につきましては、各位御承知でありますので、省略させていただき、以下、各決算につきまして、その結果を申し上げます。
 まず、認定第1号平成17年度岩手県立病院等事業会計決算につきましては、次の意見、すなわち、医療を取り巻く環境が一層厳しさを増す状況にありながらも、医療の近代化、高度化を積極的に推進し、公的病院及び地域医療の中核医療機関として、その使命を果たしてきた努力は評価するところである。
 平成17年度の経営収支は、入院患者の平均在院日数の短縮や平均単価の増加等により医業収益が増加したことに加え、特別損失の減少等により事業費用が低く抑えられたことなどにより、4億円余の純利益を生じ、平成13年度以来4年ぶりの黒字決算となったが、なお、当年度末の累積欠損金は117億円余となっている。
 また、今般の診療報酬の改定の実施等により、大幅な減収が見込まれる一方、医療需要等に対応した施設の整備等による諸経費の増加が見込まれるなど、今後さらに厳しい経営環境に置かれることが予測される。
 今後の経営に当たっては、今般の国における医療制度改革の影響を見極めながら、引き続き国に対し、財政措置の強化や医師等人材の確保・育成支援などを積極的に要請するほか、県立病院改革の推進に当たっては、引き続き県民の理解を得る努力を重ねるとともに、医療資源の有効活用や職員一丸となった改革への取り組みを進め、安定した経営基盤の確立と、良質で効率的な医療提供体制の構築を図り、もって県民に信頼される医療サービスの充実、向上に努められたい旨の意見を付し、また、認定第4号平成17年度岩手県一般会計歳入歳出決算につきましては、次の意見、すなわち、平成17年度における本県財政は、国と地方に関する三位一体の改革の影響により、国庫支出金が前年度に引き続き大幅に減少したことから、政策評価による事務・事業の重点化、効率化や投資的経費の抑制を図ったものの、依然として非常に厳しい運営を迫られたものとなった。
 経常収支比率や公債費比率は引き続き高い水準にあり、当年度末の普通会計における県債現在高も1兆4,537億円余に上るなど、本県財政の硬直化は一層進行している。
 また、平成19年度以降も多額の財源不足が見込まれることに加え、今後の岩手県競馬組合の経営の状況によっては、構成団体である本県の財政にさらなる負担の発生が懸念されるなど、本県の行財政を取り巻く環境は、極めて危機的な状況にある。
 今後の行財政運営に当たっては、地方財政対策における地方交付税等一般財源所要額の確保を国に強く働きかけるとともに、新たな行財政構造改革プログラムを早期に策定し、県出資法人等の整理合理化を含めた徹底した改革の取り組みを進めるなど、持続可能な財政基盤と効率的な行政執行体制を構築し、顕在化する県政の諸課題の解決に取り組み、県民福祉の維持・向上に一層努める必要がある。
 また、平成19年度予算編成に当たっては、以上のことを踏まえ、適切に取り組まれたい。
 なお、審査の過程で、平成17年度岩手県一般会計歳入歳出決算の一部が訂正されたことは、誠に遺憾である。
 今後は、かかる事態が再発しないよう、なお一層、適正な事務の執行に努めるよう強く指摘する旨の意見を付し、多数をもってそれぞれ認定することに決定いたしました。
 次に、ただいま報告いたしました以外の決算、すなわち、認定第2号、認定第3号及び認定第5号から認定第15号までにつきましては、いずれも認定することに決定いたしました。
 以上をもって報告といたします。