〇決算特別委員長報告
平成17年11月29日
 去る10月24日行われました決算特別委員会の正副委員長の互選の結果、委員長には私が、副委員長には樋下正信君が選任されましたので、私から、当委員会における審査の経過と結果につきまして、御報告申し上げます。
 決算特別委員会は、第15回県議会におきまして設置され、平成16年度の企業会計決算3件につきまして、審査の付託を受け、また、第16回県議会におきまして、平成16年度の一般会計及び特別会計の歳入歳出決算12件につきまして審査の付託を受けたのでありますが、これら付託案件の審査に当たりましては、10月31日から6日間にわたって委員会を開き、総括質疑には知事の出席を求めて質疑を行うとともに、各部局ごとに、主管部局長から決算の内容等について、詳細な説明を聞き、質疑を行った後、11月8日の午後に、交渉団体である会派の代表の方々にお集まりを願い、意見の取りまとめをいたしました。
 その結果を委員会に諮り、当委員会の結論といたした次第であります。
 審査に当たりましては、終始、熱心に審査されたのでありますが、その経過につきましては、各位御承知でありますので、省略させていただき、以下、各決算につきまして、その結果を申し上げます。
 まず、認定第1号平成16年度岩手県立病院等事業会計決算につきましては、次の意見、すなわち、医療を取り巻く環境が一段と厳しさを増す状況にありながらも、医療の近代化、高度化を積極的に推進し、公的病院及び地域医療の中核医療機関として、その使命を果たしてきた努力は評価するところである。
 しかしながら、入院患者数の減少及び薬剤の投与日数の長期化などによる外来患者数の大幅な減少に伴い医業収益が減少したことに加え、12億円余の特別損失が生じたことなどにより、平成16年度の経常収支は15億円余の純損失を生じる赤字決算となり、累積欠損金は122億円余に達した。
 また、今後においても収益の増加が見込まれない中、医療需要等に対応した施設の整備等による諸経費の増加が見込まれるなど、さらに厳しい経営環境に置かれることが予測される。
 今後の経営に当たっては、引き続き国に対し、財政措置の強化や医師等人材の確保・育成支援などを積極的に要請するほか、県立病院改革の推進に当たっては、さらに県民の理解を得る努力を重ねるとともに、医療資源の有効活用や職員の意識改革を図り、安定した経営基盤を確立し、医療安全対策の推進をはじめ、高度医療設備の整備充実等、良質で効率的な医療提供体制を構築し、もって県民に信頼される医療サービスの充実、向上に努められたい旨の意見を付し、また、認定第1号平成16年度岩手県一般会計歳入歳出決算につきましては、次の意見、すなわち、平成16年度における本県財政は、国の構造改革等の影響により、地方交付税及び国庫支出金が昨年に引き続き大幅に減少したことから、政策評価による事務・事業の重点化、効率化や投資的経費の抑制を図ったものの、過去の国の経済対策に対応した県債の元利償還が多額となったことなどにより公債費はなお増加し、非常に厳しい運営を迫られたものとなった。
 経常収支比率や公債費比率は依然として高い水準にあり、当年度末の普通会計における県債現在高も1兆4,498億円余に上るなど、本県財政の硬直化は一層進行しており、さらに、平成19年度以降も多額の財源不足が見込まれるなど、極めて危機的な財政状況に陥っている。
 今後の行財政運営に当たっては、地方財政対策における地方交付税等一般財源所要額確保を国に強く働きかけるとともに、次期行財政構造改革プログラムを早期に策定し、徹底した改革の取り組みを進め、市町村合併に対応する広域行政体制や県と市町村さらには民間との役割分担等の見直しを図るなど、本格的な分権型社会の到来や、既に進行の始まっている人口の減少・少子高齢化等将来を見据えた持続可能な財政基盤と効率的な行政執行体制を構築し、顕在化する県政の諸課題の解決に取り組むとともに、県民福祉の維持・向上に一層努める必要がある。
 また、平成18年度予算編成に当たっては、以上のことを踏まえ、適切に取り組まれたい旨の意見を付し、多数をもってそれぞれ認定することに決定いたしました。
 次に、認定第11号平成16年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算につきましては、多数をもって認定することに決定いたしました。
 次に、認定第2号平成16年度岩手県電気事業会計決算、認定第3号平成16年度岩手県工業用水道事業会計決算、認定第2号平成16年度岩手県母子寡婦福祉資金特別会計歳入歳出決算から認定第10号平成16年度岩手県流域下水道事業特別会計歳入歳出決算まで及び認定第12号平成16年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計歳入歳出決算につきましては、いずれも認定することに決定いたしました。
 以上をもって報告といたします。