〇決算特別委員長報告
平成19年10月24日
 去る10月15日行われました決算特別委員会の正副委員長の互選の結果、委員長には私が、副委員長には嵯峨壱朗君が選任されましたので、私から、当委員会における審査の経過と結果につきまして、御報告申し上げます。
 決算特別委員会は、去る10月9日の本会議におきまして設置され、平成18年度の企業会計決算3件、平成18年度の一般会計及び特別会計の歳入歳出決算11件につきまして審査の付託を受けたのでありますが、これら付託案件の審査に当たりましては、10月15日から7日間にわたって委員会を開き、総括質疑には知事の出席を求めて質疑を行うとともに、各部局ごとに、主管部局長から決算の内容等について、詳細な説明を聞き、質疑を行った後、10月23日の午後に、交渉団体である会派の代表の方々にお集まりを願い、意見の取りまとめをいたしました。
 その結果を委員会に諮り、当委員会の結論といたした次第であります。
 審査に当たりましては、終始、熱心に審査されたのでありますが、その経過につきましては、各位御承知でありますので、省略させていただき、以下、各決算につきまして、その結果を申し上げます。
 まず、認定第1号平成18年度岩手県立病院等事業会計決算につきましては、次の意見、すなわち、医療を取り巻く環境が一層厳しさを増す状況にありながらも、医療の近代化、高度化を積極的に推進し、公的病院及び地域医療の中核医療機関として、その使命を果たしてきた努力は評価するところである。
 平成18年度の経営収支は、診療報酬の改定、医師の不足による診療体制の弱体化等に伴う入院・外来患者数の減少などにより、経営の根幹である医業収益が減少したことにより、事務部門等の職員数の見直し、院外処方せんの発行促進等、費用削減の努力を行ったが、9億円余の純損失が生じ、当年度末の累積欠損金は127億円余となっている。
 また、今後も医療費の抑制に加え、患者数の減少等により収益の増加が見込まれない状況下においても、医療需要等に対応した施設の整備等による諸経費の増加が見込まれるなど今後とも厳しい経営環境に置かれることが予測される。
 今後の経営に当たっては、引き続き国に対し、財政措置の強化や医師等人材の確保・育成支援などを積極的に要請するほか、医師確保対策を一層強化するとともに、医療資源の有効活用や職員一丸となった県立病院改革への取り組みを進め、安定した経営基盤の確立と、良質で効率的な医療提供体制の構築を図り、もって県民に信頼される医療サービスの充実、向上に努められたい旨の意見を付し、また、認定第4号平成18年度岩手県一般会計歳入歳出決算につきましては、次の意見、すなわち、平成18年度における本県財政は、国と地方に関する三位一体の改革の影響により地方譲与税が増加した一方で、国庫支出金が大幅に減少したことから、政策評価結果等に基づく選択と集中により、施策の重点化、効率化を図ったものの、依然として非常に厳しい運営を迫られたものとなった。
 当年度末の普通会計における県債現在高は1兆4,439億円余と前年度末に比べ97億円余減少したものの依然として多額であり、経常収支比率及び公債費比率は前年度を上回る高い水準にあるなど、本県財政の硬直化は一層進行している。
 また、今後も多額の財源不足が見込まれる中、岩手競馬再生推進基金の造成等に伴い県の主要3基金の残高が大幅に減少するなど、本県の行財政を取り巻く環境は、極めて危機的な状況にある。
 今後の行財政運営に当たっては、地方税財政制度の改革を国に強く働きかけるとともに、年々増加傾向にある収入未済額の解消を図るなど歳入確保に全力を傾け、また、中期の財政見通しのもと、新たな行財政改革プログラムを早期に策定し、すべての事務事業をゼロベースから見直すなど不断に行財政改革の取り組みを進める必要がある。
 あわせて、安定した行財政基盤を確立するため、プライマリーバランスの均衡を基本としながら中長期的に県債残高の縮小に努めるとともに、顕在化する県政の諸課題の解決、特にも岩手県競馬組合の経営健全化に全力で取り組み、県民福祉の維持・向上に一層努める必要がある。
 平成20年度予算編成に当たっては、以上のことを踏まえ、適切に取り組まれたい旨の意見を付し、多数をもってそれぞれ認定することに決定いたしました。
 次に、認定第14号平成18年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算につきましては、多数をもって認定することに決定いたしました。
 次に、ただいま報告いたしました以外の決算、すなわち、認定第2号、認定第3号及び認定第5号から認定第13号までにつきましては、いずれも認定することに決定いたしました。
 以上をもって報告といたします。