平成20年12月定例会 第8回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(木村幸弘君) 政和・社民クラブの木村幸弘でございます。
 定例議会におきまして2度目の一般質問の機会をいただき、ありがとうございます。先輩・同僚議員各位の御指導をお願い申し上げながら、また、県当局におかれましては、県民の安全・安心の暮らしを確保するために、実りある議論と課題解決に向けた前向きの御答弁をよろしくお願い申し上げます。
 それでは、通告に従いまして順次質問を行います。
 第1に、構造改革路線からの転換と岩手の対応についてお伺いいたします。
 小泉内閣以来、構造改革・規制緩和路線を推し進めてきたことによって、日本社会はあらゆる局面において不安定な社会へと変容してしまいました。構造改革路線、すなわち市場経済万能主義は、金主主義とでも言うべき富の偏在をつくり出し、その一方では、共生と公正な社会基盤が崩壊し、貧困などの格差を生み、心の豊かさを失いました。10年以上も3万人を超える自殺者が出る社会、全労働者の3分の1以上が低所得・不安定雇用にあえぐ社会、自立支援法、後期高齢者医療制度など、障がい者や高齢者に自己責任と負担増を押しつける社会など、枚挙にいとまがありません。
 そこで、まず一つ目にお尋ねするのは、こうした構造改革路線による政治経済のあり方について、国民の暮らしを最優先とする方向へと転換すべきであると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 また、二つ目に、小泉内閣以来の構造改革路線を政策の基本として踏襲し続け、その結果、政治、経済、社会に多くの問題を生み出しながら、何ら対策を講じることができずに2度にわたって総理が政権を投げ出し、引き続き自民・公明連立政権のもとに麻生内閣が誕生したわけですが、今日、二転三転しながらいまだに方向が定まらず、迷走状態にある緊急経済対策の内容について、その経済効果を総体としてどのように見ておられるのか、また、本県への効果をどう分析しておられるのかお伺いいたします。
 三つ目に、そもそも国政を預かる内閣としての資質が問われていますが、政治的責任を果たす意味において、早期の解散総選挙を行い、国民の意思決定のもとに信頼される政治を実現すべきであり、加えて、多様な国民意思が反映されるために、本県議会の構成に見られるような二極化によらない政治的バランスが日本の政治においても必要なことであると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 四つ目に、先ほど申し上げてきた構造改革路線の実態を踏まえて、知事はまさにその影響を大きく受けている岩手の現状を危機を希望にと転換させていくとして、県民所得向上、雇用環境改善、人口転出の歯どめ、地域医療確保の重点目標を掲げ、政策の6本柱の実現に全力で取り組むと県民に約束されました。さらに、現在の県総合発展計画にかわる新たな長期計画の策定について、9月定例議会での各議員からの質問に対し、目指す将来像として希望ある岩手づくりのための県民計画と位置づけ、グローバル化の急速な進展への対応、安全・安心な暮らしの確保、地域コミュニティの維持・再生などが重要な項目と述べられており、また、10月20日の総合計画審議会の諮問においては、県民一人一人がみずからの希望の実現に向かい未来を切り開く内容としたいと述べられておりますが、新総合計画の策定に向けての重点課題設定と検討に当たり、現後期実施計画とされているいわて希望創造プランの課題を具体的にどう反映するのかお伺いいたします。
 第2に、今年度末をもって解散する県住宅供給公社の対応についてお伺いいたします。
 今議会に上程されました解散議案に関する説明によりますと、9月末で宅地分譲の募集を終了し、完売が達成できず、9団地231区画が売れ残る見込みであるとのことでした。今後は、宅地の処理と清算に当たっての対応と雇用対策が課題であると承知していますが、そこでまず、昨年9月定例議会において久保孝喜議員が一般質問した際に検討課題とされてきた点について、どのような対処がされてきたのかお伺いいたします。
 一つ目は、解散に向けて販売促進に努めるとしておりましたが、半年足らずで募集終了とした点と、申し込みのあった区画との契約がすべて完了していないとの状況があるようですが、可能な限り販売促進に取り組むことが必要であったと思いますが、9月で募集終了したことについて、どういう判断だったのか、また、そのことにより収支に及ぼす影響についてもあわせてお伺いいたします。
 二つ目に、買い戻し特約登記の抹消について、平成19年9月末時点で購入者のおおむね半数が抹消登記を行い、さらなる周知と手続を検討していくと答えておりますが、現在の進捗状況はどうなっているかお伺いいたします。
 三つ目に、公社解散に伴う瑕疵担保責任の取り扱いについてですが、財団法人住宅保証機構からの8割負担と、施工業者としての公社が解散した以後の2割負担分の課題について、全国で最初のケースとなることから、国交省とよく協議をしてまいりたいとしていましたが、今回の解散議案の説明では、設立団体である県が引き継ぐとその立場と責任を明確にされています。その判断となった具体的な検討協議経過についてお伺いいたします。
 四つ目に、販売促進に努めてなお残った資産の取り扱いについて、今議案の説明として、出資団体の希望があれば出資割合に応じた分配を、希望がなければ県または県土地開発公社が無償で引き受けることとし、公社と協議中であるとのことですが、無償譲渡ということについて、公社に残余資産が残る見込みとはいえ、今後の清算業務を行う上で、可能な限り収益を確保することが必要ではないかと思いますが、お伺いいたします。
 五つ目に、雇用問題があります。現在、職員19名、うちプロパー職員13名、役員2名が在籍されていますが、解散決定に伴うプロパー職員の退職取り扱いに向けた処遇についてはどのようになっているのでしょうか。
 基本的には労使間協議が前提となるものでありますが、仄聞するところによると、その労使間協議が暗礁に乗り上げ、本年4月2日に岩手県労働委員会に対し公社職員労働組合からあっせん申請がなされましたが、公社側はこのあっせんの取り扱いを門前払いとし、その後、労働委員会の説得に応じなかったことから、岩手県労働委員会より5月2日付であっせん打ち切りの通知が示され、今日に至るまでなお雇用問題が解決していないと聞いています。解散まで3カ月余りとなる中で、解散に向けた販売活動を初め、清算処理に向けて、先々の不安を感じながらもその業務に当たってきた職員に対して、このような状況にしていることは雇用対策上極めて憂慮すべき事態にあると指摘しなければなりません。
 そこで、県としては、これまで雇用対策について公社との協議を含めてどのような指導を行い、努力されてきたのかお伺いいたします。
 また、あっせん打ち切りとせざるを得なかった今回の事態は、今後の第三者機関の存在意義にかかわる重大な問題とも思われますが、自治体の外郭団体、その設置者である県と公社等の関係性と当事者資格について、11月に開催されました全国労働委員会総会において議題として取り上げられ、全国の事例などから論議が交わされたと聞いておりますが、労働委員会の御所見をお伺いいたします。
 第3に、雇用促進住宅廃止問題についてお伺いいたします。
 国は、平成9年に特殊法人等の廃止、整理合理化計画を決定し、雇用促進事業団も廃止となり、これにかわって平成11年に新たな特殊法人である雇用・能力開発機構が発足しました。新法人の機能、役割は、中小企業の雇用創出支援などの雇用開発と離職者等への職業訓練、人材育成の能力開発に限定し、雇用促進住宅や勤労者福祉施設の新設は行わないとしました。平成15年5月には独立行政法人化となり、雇用促進住宅について、今後30年程度をめどに廃止に努めることが適当とされました。しかし、規制改革・民間開放推進会議においてこの廃止時期の撤回が行われ、昨年6月の閣議で遅くとも平成33年にはすべて処理を完了するとの決定がなされ、さらに昨年12月、雇用促進住宅の売却の加速化を図る必要があるとして、全雇用促進住宅の半数程度を平成23年度までに前倒しして廃止することなどが決定されました。
 本県では、今回、前倒しで廃止決定されることとなった住宅は65住宅中50住宅、4、292戸、78%となり、うち入居戸数は2、285戸、全入居戸数に占める割合は70%となっています。これらの対象者について、機構では今年度末までの退去の取り扱いをこの間進めておりましたが、2年の猶予期間が延長されました。また、県及び市町村に対して譲渡の要請などがあわせて行われてきております。
 そこでまず、本県として、平成15年10月31日、厚生労働省職業安定局長から知事あてに雇用促進住宅の譲渡及び社会福祉分野における活用についての通達、そして平成18年9月26日、国土交通省住宅局住宅総合整備課長から各都道府県公営住宅担当部長あてに雇用促進住宅の廃止に伴う公営住宅への優先入居について、厚生労働省職業安定局長から知事あてに雇用促進住宅の購入及び同住宅からの退去者の公営住宅等での受け入れについての通達が出されておりますが、これらの通達を踏まえて、これまでどのような検討と対策が行われてきたのかお伺いいたします。
 二つ目に、今年度末をもって締め切られる譲渡希望に対し、県及び市町村の譲渡に関する動向についてはどのようになっているのかお伺いいたします。
 三つ目に、県及び市町村が仮に譲渡を受けた場合に、現在の入居者が引き続き入居するためには、個々の要件と公営住宅法第22条の規定の条件整理が必要になると思われます。特に単身者の取り扱いについて特例措置が検討されなければならないと思いますが、譲渡に係る条件面での課題についてどのように認識され、対応を検討しているのかお伺いいたします。
 四つ目に、そもそも当初の雇用促進住宅基本課題検討会で報告された今後30年程度をめどに事業廃止すべきとしてきた方針が、昨年6月の閣議決定として14年後の平成33年度を期限に定め、さらに12月末に全住宅の2分の1程度にするとして今年度約50%の784住宅が前倒しで廃止決定が示され、本県を含む北海道・東北ブロックが平均75%の廃止率で、全国7ブロック中、群を抜いて高い住宅廃止率であり、今回の全国の前倒し廃止数の実に3割を占めています。このような国の一方的かつ急激な方針変更と地方への譲渡要請という押しつけ、勤労県民の生活と居住権を奪う理不尽な対応について見直しを求めるとともに、入居者の意思と立場を最大限尊重し、強制退去に及ぶことのないようにすべきでありますが、いかがでしょうか。
 また、県及び市町村においても入居者の居住確保が図られるよう対応することについて知事の御所見をお伺いいたします。
 第4に、医療施策についてお伺いいたします。
 昨日来、この問題については既に議論が活発に行われているところでありますが、私も、この計画案を含めて、議論に参画する立場から意見を含めて質問をさせていただきたいというふうに思います。
 初めに、このたびの県立病院等の新しい経営計画案において、5診療センターと沼宮内病院の無床化方針が示された点についてお伺いいたします。
 このたびの計画案を検討するに当たり、さきの議案説明会を初め一般質問において既に指摘されているわけですが、診療センター化されてからそれぞれ1年ないし2年余りという短期間の経過の中で、これまで診療センター化について関係地域での説明と約束を初め議会での議論の経緯を踏まえると、まさに舌の根も乾かないうちに当該地域がやむなく受け入れた気持ちを踏みにじるような方針転換であり、到底容認できるものではありません。各診療センター化において地域住民に約束してきた個別の具体的な対応と課題についてどのように取り組まれてきたのかお伺いいたします。そして、その総括はされてきたのでしょうか、明らかにしていただきたいと思います。
 また、平成16年2月に策定され実施されてきた県立病院改革プランについては順調に進められて、改善効果を累計して28億円もの効果を上げていると評価をしています。しかし、診療報酬の引き下げと患者数の減少に歯どめがかからず、累積欠損をふやす結果となったとまとめられています。つまり、この5年間の改革プランの成果として、病棟休止や診療所化による病床縮小を初め、職員配置の見直しの努力により評価をされながら、外的要因によってその努力は報われなかったということになります。さらなる効率化を図り、今回の新計画推進の具体策として掲げた6項目中1項目めの各病院が担うべき役割と機能に対策のすべてが包含され、結局、病床の縮小と廃止に転嫁をしているのではないでしょうか。これ以外の項目に示されている内容のほとんどは、体制やシステムに対する検討、見直し、強化、目指します、努めますなどの言葉で彩られてはいますが、どれも具体的な成果を推しはかれるものは見当たりません。収支計画と数値目標を見ても、結局この計画の眼目は初年度の平成21年度に集約されており、病床の廃止により病床利用率を高める一方、減価償却費、企業債利息等の設備投資に要する費用の増加を給与費の縮減により圧縮する内容となっています。だとすれば、まさに厳しい医療環境と過疎地域におけるかなめとしての誇りを持って頑張ってきた医療スタッフと地域で協力してきた県民に冷や水をかけるようなものではないでしょうか。これではますます医療スタッフのモチベーションは低下するばかりであり、県民との信頼やきずなも失われていくばかりであります。新経営計画の理念と目的に対して逆立ちした計画であり、このような内容については改めて計画策定についての手順を含めて再検討すべきだと思いますが、お伺いいたします。
 二つ目に、この新しい経営計画案及び岩手県公立病院改革推進指針案の策定について、その考え方の基礎になっている総務省が示した公立病院改革ガイドラインと県の対応と課題についてお伺いいたします。
 この改革ガイドラインの柱は、経営効率化、再編・ネットワーク化、経営形態の見直しという視点から公立病院改革プランを策定することになっていますが、そもそも総務省のガイドラインの前提となるものは、小泉内閣の構造改革路線を引き継いで経済財政改革に基づく財政健全化に主眼を置いての改革プランであり、今日の医療の危機的現状や地方の実態を踏まえて論じられてきたものとは到底思えないものであります。
 本県の場合、平成17年度医療施設調査及び厚生労働省の報告に示されるとおり、公立病院への依存度は大変高いものとなっています。総務省の示す経営効率化重視の物差しで一律に地方の公立病院の再編統合と経営形態の見直しを当てはめることは、地方の現状や立場を踏まえない、問題の多いガイドラインと言わざるを得ません。県民の命と健康を守り、安心して暮らすことのできる保健医療行政を推進する立場として、そもそも知事はどのように受けとめられたのでしょうか。
 また、ガイドライン策定の中間論議において各自治体からの意見が集約されましたが、本県ではどのような意見を総務省に対して伝えたのでしょうか、お伺いいたします。
 また、本年4月に策定されました県保健福祉計画・保健医療編を初め、今回の岩手県公立病院改革推進指針案や県立病院等の新しい経営計画でも本県の医療の実態について述べられておりますが、特にも医師不足という課題についてさらに踏み込んだ議論が必要ではないかと感じています。これまで公的医療機関の役割として、地理的条件や交通アクセス、民間医療機関の不足地域において、大きな役割を担い、高度医療の県民ニーズに対応し、二次医療圏での完結性の高い医療の提供、マンパワーの連携への役割を果たしてきたとしていますが、将来的には奨学金制度の拡充などの人材育成策によって医師不足の解消が期待されるとしても、当面の対策として、これまで医師の地域偏在を解消するためにどのような取り組みがなされ、どのような成果を上げているのかお伺いいたします。
 医師や医療機関については盛岡保健医療圏への一極集中が顕著であり、それ以外の地域との医療格差が著しくなっております。推進指針案の各論における記述、盛岡圏域の方向性を見ると、岩手医科大学附属病院と県立中央病院が高度専門医療機関として並列的に位置づけられておりますが、この二つの病院の機能、役割の違いは何か、県立中央病院でなければ果たすことができない医療機能とは何かお伺いいたします。
 これまでも医師不足の問題や県内の偏在の実態が多々取り上げられておりますが、私は、公立病院としての担うべき役割について、地域の皆さんから率直な声を聞き、通院、入院している患者さんの立場や御家族の負担を考えると、なぜ盛岡に集中しなければならないのかという思いを持っておりました。医師確保や医療界のことなどさまざまな課題があるとは思いますが、この際、素人のたわ言と言われるかもしれませんが、当面、医師養成の成果があらわれてくるまでの間、県内の医師配置と診療科体制の地域偏在を解消するため、盛岡圏域以外の医療圏、特に気仙や二戸を初め県北、沿岸の充実強化を図ることや、花北統合病院を県南のセンター的病院として充実を図り、県南部基幹病院、各診療所との連携強化を明確にすることが本来公立病院改革ガイドラインで求められている再編・ネットワーク化の視点であり、それを強力に推進するのが岩手県公立病院改革推進指針であるというのが私の意見であります。県内における医療格差の是正を図るため、盛岡圏域に集中している医療資源、特に公立病院のあり方を大胆に見直し、具体的に踏み込んで医療機関の配置を再構築した再編・ネットワーク案を示すことが重要であると思いますが、知事の御所見をお伺いします。
 三つ目に、救急医療体制のあり方についてお伺いいたします。
 都立墨東病院での妊婦のたらい回しによる痛ましい死亡事故は、依然として深刻な医師不足を露呈するとともに、国内医療体制の危機的実態を改めて考えさせる問題となりました。
 そこで、本県における救急医療体制は、救急搬送を担う消防機関と医療機関の連携や開業医の要請に対する受け入れ側の医療機関との連携についてどのような対策が講じられているかお伺いいたします。
 また、医療保健計画に示されております救急医療情報システムが整備されているとのことですが、医療施設と消防本部への情報提供は十分機能しているのかお伺いいたします。
 四つ目に、議案にも上程されております岩手県立中部病院についてお伺いいたします。
 これまで統合計画が示されて以来、花巻、北上両市民にとっては、それぞれの県立病院の診療体制や病床削減などの再編等に、不満と不安を持ちながらも、岩手中部医療圏のみならず、中央病院に次ぐよりよい医療体制が確立されることに大きな期待を寄せています。いよいよ来年4月開業ということが示されたわけですが、しかし一方では、これまで説明されてきた医療体制が本当にしっかりと確保されるのか、具体的な内容が示されないことに不安の声も出ており、7月に行われました平成20年度岩手中部地域県立病院運営協議会の審議経過を見ましても、関係首長から、新病院の体制とシステムが説明できない状態にあることに、市民に対する説明責任を果たすことができないとして、早期の方針と体制の確立を強く求める意見があったわけですが、具体的な内容についてどのようになっているのかお伺いいたします。
 最後に、周産期医療についてお伺いします。
 本年4月に公示された岩手県保健福祉計画では、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の4疾病と救急医療、災害医療、僻地医療、周産期医療、小児救急医療、うつ対策の6事業を主要な疾病・事業と位置づけ、医療機関の有する機能を明確化するとともに、役割分担と連携を促進するとしています。
 周産期医療については、ハイリスクを担う総合周産期母子医療センターを岩手医科大学附属病院とし、中・低リスクを担う地域周産期母子医療センターを周産期医療圏ごとに1カ所設置するとされ、県内では3カ所が認定されていますが、岩手中部・胆江・両磐圏域についてはいまだに認定されておりません。この地域における地域周産期母子医療センターとして岩手県立中部病院にその役割が期待されるところですが、その認定の見通しについてお示しください。
 以上で私の一般質問を終わりますが、答弁によっては再質問をさせていただきたいと思います。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 木村幸弘議員の御質問にお答えいたします。
 まず、構造改革路線による政治経済のあり方についてですが、私は、真の構造改革は、活気のある地域社会の実現を通じて、地域経済が我が国の経済全体を牽引する内需主導型の社会経済構造に転換することであって、いわゆる構造改革路線と呼ばれているものは、本来のあるべき改革ではなかったと考えております。国のこれまでのいわゆる構造改革路線の取り組みは、一部に企業活動の活発化や生産性の向上などをもたらした反面、規制緩和を含む市場原理万能型の政策や、国民の暮らしを最優先にしない財政再建に軸足が置かれた経済財政政策等の影響によって、都市と地方の所得や雇用の格差の拡大と非正規雇用の増大、行政サービスの縮小と医療・福祉など、生活にかかわる分野での自己負担の拡大や医療資源の地域偏在、こういった問題が生じ、人口流出に見られるように、特に地方においては、地域社会が著しく疲弊する要因になったと考えております。
 こうした状況を踏まえ、今後、我が国は、市場原理万能主義の構造改革路線から内需主導型の真の構造改革に転換し、医療、介護、年金や雇用、産業面などの社会的なセーフティネットを強化していくとともに、それぞれの地域に根差した産業の創造と振興を積極的に進めることによって、国民の暮らしを最優先し、安心・安全で活力のある社会を目指していくことが必要と考えます。
 次に、緊急経済対策についてでありますが、世界的な景気後退が懸念される中、暮らしや仕事の現場に関係する生活者本位の経済対策を早期に実施し、景気後退に歯どめをかけ、地域経済を活性化していくことはもちろん、これまでの外需依存型の経済財政政策を見直し、内需拡大型の政策への転換にもあわせて取り組んでいく必要があると考えます。
 今回の対策を見ますと、信用保証枠の拡大などは中小企業の経営安定に一定の効果が期待できますが、内需創出を期待する定額給付金については、その効果に疑問が呈されているなど、日本経済に最も不可欠な内需拡大策や経済波及効果の大きい経済的な対策という点では、実効性に疑問があると考えております。
 本県への経済効果について、定額給付金については、本県人口をもとに試算いたしますと、支給総額で約210億円となり、また、国の試算を本県に当てはめて計算をいたしますと、今後1年間では、実質及び名目県内総生産で0.1%程度、額にして60億円程度の押し上げ効果が見込まれると算出されます。
 また、緊急経済対策総体の経済効果については、国においても効果全体の算出を行っておりませんで、数量的な把握は困難であります。
 次に、政治への国民意思の反映についてでありますが、未曾有の経済的危機に直面するアメリカは、11月4日、歴史的な選択をしたと思います。人種はもちろん、各種の階層、政党の図式までも超えて、グローバルな多様性の象徴と言えるオバマ氏をリーダーに選び、変革―CHANGEに挑もうとしていることに、アメリカ民主主義の強さを改めて感じたところであります。
 ちなみに、テレビドラマCHANGEでも、木村拓哉首相が、最終回で決断したのが解散・総選挙でありました。
 我が国においても、今、経済は深刻な状態にあり、国民の間に閉塞感が強まっておりますけれども、政権として有効な手だてが打てず、むしろ混迷をきわめる事態を招いているということは、これは民意を問うことなしに、内閣が3回もかわるという異常な政治のありように起因していると考えます。
 小泉内閣以来の構造改革路線に厳しい民意が示された昨年の参議院議員選挙の結果を踏まえますと、憲政の常道からも、速やかに解散・総選挙を行って、国民の支持を得た政権によって、真の改革に取り組む国民本位の政治を実現していくことが望ましいと考えます。
 なお、政治の二極化についてでありますが、過半数を求めてしのぎを削る二大政党制が、変化を引き起こすには最も向いている政治体制だと考えております。
 多様な国民意思を反映させる多党制は、安定している社会を安定している政治につなげていくには最適だと思いますけれども、今の日本にとっては、変化を引き起こしやすい二極化が求められていると考えております。
 次に、新総合計画の策定についてでありますが、いわて希望創造プランにおいては、所得の向上や雇用環境の改善、地域医療の確保などを緊急的な重点課題と掲げ、現在、その解決に向け、さまざまな取り組みを進めているところであります。
 一方、新しい長期計画については、総合計画審議会に、仕事、暮らし、学び・こころという、県民の活動に着目した三つの部会を設置して、将来の課題として、経済社会のグローバル化の一層の進行による競争の激化、均質化の拡大、人口減少、高齢化の進行に伴う地域経済規模の縮小、地域コミュニティ機能等の低下などを掲げながら、目指す将来像、取り組む政策の展開方向などについての議論を深めているところです。
 新しい長期計画では、いわて希望創造プランに掲げ引き続き取り組んでいく必要がある喫緊の課題とともに、長期的な視点に立った、おおむね10年後を見据えた課題の双方を掲げることを基本としていく考えであります。
 次に、雇用促進住宅に関する国の方針変更と地方への譲渡要請の対応についてでありますが、雇用促進住宅は特殊法人等の整理合理化を図るため、国の行政構造改革の一環として廃止決定されたものと聞いています。国の方針により、雇用促進住宅の廃止が前倒しして進められている状況ではありますが、入居者の方々の生活の安定が重要であり、国に対してその実情について伝え、適切な対応を求めてまいります。
 また、雇用促進住宅を運営している独立行政法人雇用・能力開発機構においては、今年度末までに、全入居世帯に対して説明会を実施することとしており、同機構に対し、入居者の方々の声を十分にくみ上げた上で、居住先の確保等に配慮していただくことを要請してまいります。
 次に、公立病院改革ガイドラインについてでありますが、総務省が示したガイドラインは、全国的に公立病院の経営環境が悪化しており、地域において必要な医療を安定的かつ継続的に提供するため、公立病院の改革を促すものと受けとめております。
 本県の地域医療は、圏域の中核的な病院においても、過酷な勤務環境などを要因とする開業や退職により医師が不足し、診療体制を縮小あるいは休止せざるを得ず、また、地域の病院や診療所においても常勤医が確保できず、救急医療等に十分対応できないなど危機的な状況にあります。
 このような中で、県全体として、今後とも必要な医療提供体制を維持していくためには、公立病院の再編・ネットワーク化を通じた医師の集約化による勤務環境の改善などガイドラインを参考にしつつ、岩手にとって必要な改革に取り組んでいかなければならないと考えています。
 次に、公立病院の再編・ネットワーク化についてでありますが、医師を初め医療資源が限られている現在の状況においては、まず、保健医療圏ごとに公立病院の再編・ネットワーク化と、民間医療機関などを含めた役割分担や連携を進めることが必要と考えておりまして、各保健医療圏で対応できない医療について、高度専門医療を提供する岩手医科大学附属病院や、県立中央病院などを中心とした医療提供体制を構築することによって対応していくことが現実的であると考えているところであります。
 公立病院改革推進指針においては、このような考え方に基づいて、再編・ネットワーク化の方向性をお示ししたところです。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁させますので御了承をお願いします。
   〔県土整備部長佐藤文夫君登壇〕
〇県土整備部長(佐藤文夫君) 県の住宅供給公社の解散への対応についてでありますが、まず、宅地分譲の募集終了についてでありますが、公社の解散に当たり、残っている土地の取り扱いにつきまして、県及び盛岡市を初めとする11市の出資団体間で協議した結果、解散直後から継続して土地の販売、主に宅地の販売ができるよう、出資団体が希望する土地を出資割合の範囲内で、解散前に公社から寄附を受けることとしたものであります。このため、公社では、宅地の購入申込者の最終受け付けをした後の契約締結、所有権移転等に要する期間、また、各出資団体への希望区画照会を行う期間、各団体への所有権移転等の手続に要する期間などが必要であると見込んだことから、平成20年9月末で宅地分譲の募集を終了したところであります。
 収支に及ぼす影響についてでありますが、現在、公社におきましては、借入金をすべて返済しており、最終的な収支におきましても、現金資産が8億円程度残る見込みとなっておりますので、収支への影響はそれほど大きくはないものと考えております。
 次に、買い戻し特約の抹消登記についてでありますが、その進捗状況は、平成18年度から登記抹消していない購入者のすべての7、343人に対しまして、公社の解散と登記の抹消を案内する文書を発送しまして、現在までにおおむねその3分の2の方が抹消登記をしております。県としましては、今後の進捗状況を見ながら、さらなる周知につきまして、公社と検討をしていくこととしております。
 次に、販売物件の瑕疵担保責任の検討協議経過についてでありますが、解散認可権者である国土交通省との協議では、瑕疵担保責任がある物件につきましては、消費者保護の観点から、十分な対応を求められたところであります。県としましては、県が設立団体となっている住宅供給公社を信用しまして、住宅や宅地を購入していただいたものと考えられますことから、公社が解散することによりまして、消費者が不利益をこうむらないことを第一に考え、県が瑕疵担保責任を引き継ぐこととしたところであります。
 なお、こうした県の対応は、国土交通省にも説明し、理解が得られているものであります。
 次に、残資産の取り扱いについてでありますが、残資産のうち、土地については、地方住宅供給公社法に基づく分配を行った場合には、出資している市では、場合によっては当該市以外の土地が分配されてしまうほか、清算結了まで宅地分譲ができないことなどから、住宅供給公社が果たしてきたまちづくりがおくれてしまうことが懸念されたところであります。このため、先ほども申し上げましたように、出資している市が希望する土地については、出資割合の範囲内で解散前に公社から寄附を受けることとし、それ以外の土地につきましては、県が引き受けることにしたところであります。しかし、県が引き受ける土地のすべてを県有地とした場合には、草刈りなどの維持管理コストや処分に伴う人件費なども必要になりますことから、分譲宅地につきましては、現在、県が100%出資しております県の土地開発公社のノウハウを活用しながら、販売を進めることで検討しているところであります。
 なお、公社では、これまで販売促進に努めてきた結果、公社清算業務を終了した時点でも、現金は先ほど答弁申し上げましたように約8億円残るものと見込んでおりまして、来年度の清算業務を行う上で、必要な額は確保されているところであります。
 次に、プロパー職員の退職取り扱いに向けた処遇についてでありますが、公社では、昨年度までに退職した職員に対しまして、早期退職者として退職手当の割り増しを行ってきたところであります。また、今年度は、県の退職手当の支給に準じております公社職員退職手当支給規程の整理解雇の定めによりまして、退職手当が支払われることになっております。
 次に、県としての雇用対策の指導等についてでありますが、13名のプロパー職員の雇用問題につきましては、基本的には労使間における話し合いで解決していくものと考えておりますが、県としましても、雇用の確保については非常に重要な課題だと考えております。このため、再就職に有用な情報を随時公社に提供してきたほか、県出資団体などの関係団体42団体を訪問し、情報提供、情報収集を行ってきたところであります。
 また、公社におきましては、職員の再就職に向けた資格取得や研修、情報収集の支援を行ってきたところであります。さらには、平成16年9月から再就職が実現するまで、再就職先の紹介や面接時のアドバイスなど、職員をサポートしてくれる再就職支援会社と公社の負担で契約することができるよう、支援も行ってきたところであります。現在、5名の方が利用中でありまして、定年退職予定者を除く7名についても利用することができることとしております。
 県としましては、今後とも公社と連携を図りながら、引き続き雇用対策の支援に努めてまいることとしております。
 次に、雇用促進住宅の譲渡を受ける場合の課題についてでありますが、市町村が公営住宅等として譲渡を受ける場合には公営住宅法の適用を受けますことから、原則として、公募による入居者の選定、単身入居ができないこと、収入基準の範囲内であることなどが条件として必要となってまいります。また、公営住宅法の適用を受けない地方単独住宅として譲渡を受けることも考えられますが、市町村の負担が大きくなることや老朽化した市町村営住宅が多いことなどから、市町村が譲渡を受けようとする場合には、公営住宅として譲渡を受けるほうがよいものと考えております。
 いずれにしましても、現在の雇用促進住宅には入居者も多数おられますことから、譲渡を受ける場合には、個々の入居者の実情を踏まえたきめ細やかな対応が必要になると考えております。このため、県としましては、市町村が譲渡を受ける際の補助制度の活用や、現在入居している人が継続して入居が認められる場合の具体的な取り扱いなどにつきまして、市町村からの相談に応じまして、国土交通省と調整を行うこととしております。
   〔商工労働観光部長廣田淳君登壇〕
〇商工労働観光部長(廣田淳君) まず、雇用促進住宅の廃止に関する国の方針を踏まえた取り組みについてでありますが、雇用促進住宅の譲り受けにつきましては、その住宅があります地域の雇用の実態、入居者の実情に詳しい市町村が対応することがふさわしいものと考えており、これまで、県としましては、市町村の主体的な判断を尊重してきたところであります。
 また、退去者の公営住宅等での受け入れでありますが、県、市町村個々の判断で行われるものであり、県営住宅の場合には、住宅困窮者のうち、障がい者世帯、母子世帯などの、より困窮度が高い方々が優先入居の対象となっております。
 次に、県及び市町村の譲渡に関する動向についてでありますけれども、幾つかの市町村で譲り受けを検討していると聞いております。
   〔医療局長田村均次君登壇〕
〇医療局長(田村均次君) 診療所化における具体的な対応等についてでありますが、外来診療については、応援診療も含めて平均3人以上の医師が勤務する体制を確保し、入院診療については、病棟運営に必要な看護師17名を配置し、症状に応じて他の県立病院等と連携して対応してきたところであります。
 救急医療につきましては、夜間・休日も含めて初期救急に対応し、必要に応じて広域で連携・分担して対応し、その他在宅医療等についても、地域の事情に合わせて可能な限り対応をしてまいりました。その結果、地域診療センターの運営状況は、県立病院全体の常勤医師が減少していることから十分な医師を配置することができず、医師の当直回数が平均で月8回、多い場合は月20回に及ぶなど、勤務している医師の勤務環境が過酷となっており、また、基幹病院等からの応援も平均で月26回に及ぶことから、応援している医師にも大きな負担となっております。
 また、利用患者の状況は、平成20年8月末現在で1日平均入院患者が12名、同じく外来患者が75名と想定を下回っており、救急患者は1日平均1.1名で、そのうち救急車による搬送は0.1名となっており、平日の夜は0.5人、休日は1.6人となっております。
 次に、計画策定の進め方についてでありますが、計画案は、各病院の意向調査をもとに方向性を検討し、各職域の代表で構成する経営計画検討委員会と全病院長会議等で、十分に議論を重ね取りまとめたものであります。
 計画案の策定に当たっては、改めて収益、費用について全般的な見直しを行ったところであり、収支改善の面では、地域診療センターの無床化など、病床規模の適正化による費用の抑制のみならず、7対1看護体制への移行や、DPC・診断群分類による医療費の包括支払いへの移行などにより収益を確保するとともに、外来看護体制の見直し、職員給与の適正化、投資的経費の抑制、診療材料など材料費の縮減、光熱水費などの経費の節減、業務委託の推進などにより、費用を抑制することとしております。さらに、病院現場からの意見も踏まえ、認定看護師等の専門資格職員の計画的養成などの人材育成や、職員満足度の向上にも取り組むこととしております。
 次に、中部病院の医療体制についてでありますが、岩手中部圏域における基幹病院として、地域の医療機関等との機能分担と連携を進めながら、新たに整備するPET-CTを初めとする最新の放射線診断・治療機器や、別棟型の緩和ケア病棟を備えたがん治療の中心施設としてその機能を充実させるとともに、2次救急医療や災害医療、周産期母子医療などの高度・特殊医療も担うこととしております。
 施設整備については順調に推移しており、平成21年4月の開院に向け、現在、診療体制について医療局本庁と病院が一体となって、関係大学などと協議を進めるとともに、職員体制についても最終的な調整を進めているところであります。
 また、このような中部病院の医療体制について、診療機能や交通アクセスなどとともに地域住民の理解が深まり、患者紹介、逆紹介など、地域の医療機関との連携が円滑に進むよう、リーフレットや医療局のホームページ、周辺自治体の広報誌などの媒体を活用しながら、周知を図ってまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長岩渕良昭君登壇〕
〇保健福祉部長(岩渕良昭君) まず、公立病院改革ガイドラインの中間論議に際し総務省に対して提示した意見についてでありますが、昨年の11月に総務省から意見照会があり、本県からは、第1に、地域の中核的な病院が医師派遣機能を十分に発揮するためには医師の充足が必要であり、その前提となる勤務医の絶対数の確保に関する方策と見通しを示されたいこと、第2に、地域医療の確保の観点から、医師確保を含めた国の財政負担について検討すべきであること、第3に、医業収益の根幹をなす診療報酬について、将来的な見通しを明確にされたいことなどの意見を提示いたしました。
 次に、これまでの医師の地域偏在解消に向けた取り組みと成果についてでありますが、これまで医師の絶対数の確保に向けた取り組みを進めるとともに、自治医科大学卒業医師の派遣と、計画的な配置や初期臨床研修体制の整備による臨床研修医の受け入れ拡大、さらには、医療局において、県立中央病院等からの診療応援などに取り組んできました。しかしながら、保健医療圏ごとの人口10万人当たりの医師数を見ると、医師の地域偏在は依然として厳しい状況にあります。
 今後は、引き続き、これまでの医師の絶対数の確保に向けた取り組みをさらに推し進めるとともに、医療機関の明確な機能分担のもと、再編・ネットワーク化により地域の中核病院に医師を集約するなど、勤務医が働き続けられる勤務環境の整備などに力を入れてまいりたいと考えております。
 次に、岩手医科大学附属病院と県立中央病院の機能と役割についてでありますが、岩手医科大学附属病院は、高度医療の提供、開発・評価、研修を行う能力を有する特定機能病院であり、本県における高度専門医療と3次救急の医療機能を有するほか、医育機関として県内医療機関に対する医師の供給、専門医の教育研修などを行っております。
 一方、県立中央病院は、県立病院ネットワークのセンター病院として高度医療機能を有するほか、臨床研修や2次救急の医療機能、県内の公立病院に対する応援医師の派遣などの機能を担っているところであります。
 このように、両病院には機能面で重複する部分、また異なる部分もあり、それぞれの役割を互いに補完しながら、県全域の医療ニーズに対応する高度・専門的な医療機能を担っているものと考えております。
 次に、消防機関と医療機関との連携等についてでありますが、救急医療体制における消防機関と医療機関との連携や開業医の要請に対する受け入れについては、県内各地域で設置されているメディカルコントロール協議会のほか、県が設置している周産期医療協議会等において協議され、必要な連携体制が確保されております。
 こうした連携体制の状況について、平成19年に国が実施した救急搬送における医療機関の受入状況等実態調査の結果によりますと、最初に消防機関が照会した医療機関が患者を受け入れた割合は、産科・周産期傷病者の場合、全国が82.1%に対し本県では92.8%、救命救急センターに搬送された傷病者の場合、全国が80.1%に対し本県では95.1%となっており、本県の救急搬送体制は全国と比較して有効に機能しているものと考えております。
 次に、救急医療情報システムについてでありますが、このシステムは、参加している救急医療機関が1日2回更新入力する当日の診療情報や空きベッド等の情報を消防本部等の関係機関が利用できるものであります。平成19年度に更新入力された情報は延べ2万4、580件で、この件数は、参加する全救急医療機関が1日2回更新入力した場合に想定される4万3、800件の約56%となっており、盛岡地区消防本部などでは救急搬送先の選択に活用されているものの、搬送する医療機関が限定される地域では補完的な利用にとどまっている状況にあります。
 一方、消防本部と救急医療機関の当直医が携帯電話のホットラインで連携することにより救急搬送に成果を上げている地域があると聞いているところであり、こうした状況を踏まえ、県といたしましては、救急医療機関と消防本部が地域の実情に応じた、より効果的な連携ができるようにシステムの見直しを検討してまいりたいと考えております。
 次に、岩手中部・胆江・両磐圏域における地域周産期母子医療センターの認定の見通しについてでありますが、本県の周産期医療圏は、患者搬送や受療動向を勘案し4圏域としており、議員御指摘のとおり、岩手中部・胆江・両磐圏域の地域周産期母子医療センターについては認定していないところであります。
 この認定につきましては、岩手県立中部病院を初め、圏域内の周産期医療機関における施設・設備や緊急帝王切開、新生児医療の提供及び合併症妊娠への対応の可否等、医療機能の状況を見ながら検討しているところであります。今後、岩手県周産期医療協議会の意見も伺いながら、認定に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
   〔労働委員会事務局長伊藤瞬一君登壇〕
〇労働委員会事務局長(伊藤瞬一君) 労働委員会が行いますあっせんとは、労働委員会会長の指名するあっせん員が労使紛争の解決に向けた当事者間の話し合いを支援する制度でございます。あっせん員は、労使紛争の解決が図られるよう、当事者への助言、説得等あっせん活動に努めますが、相手方が応じないなど、あっせんによる解決の見込みがないと判断された場合、打ち切りとするものでございます。
 また、11月に開催された全国労働委員会連絡協議会総会におきましては、近年、民間委託等の推進に伴い、地方公共団体の外郭団体等の縮小、解散などが進んでいる状況の中で、労働条件や退職時の処遇などをめぐる労使紛争が発生している例が見受けられますことから、その取り扱いが議題として取り上げられたものでございます。
 各労働委員会からは、事例紹介のほか、県と公社等の関係性と当事者資格などを含め、意見交換がなされたところであります。
〇1番(木村幸弘君) それでは、何点か再質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず初めに、住宅供給公社問題についてでありますが、特に雇用にかかわる問題で、県としての取り組み経過、そしてその努力が示されたわけであります。しかしながら、そうした状況を踏まえつつも、なお今日段階で具体的に再就職を含めて雇用の問題が解決をしていないというこの状況を踏まえると、これまでのそうした指導や努力が果たして十分だったのかということも含めて、県の対応がどうであったのか、改めて疑問を感じるわけであります。
 特に、労働委員会等における労使間協議の紛争調停という形の中で手続が踏まれたわけでありますけれども、その手続にさえもテーブルにのろうとしなかった、そうした姿勢そのものが労使間協議が前提と言われているこのシステムをないがしろにしておりますし、また、本来そうした中でしっかりと雇用対策が論じられるべきであったはずなのに、そうした点がきちんと行われなかったということについて、やはり県の指導性というものが実は問われているのではないか、あるいは公社がこうしたあっせん拒否をなぜしたのか、そして、その際に県はそうした取り扱いについて相談に乗ったのか、あるいは相談に乗ったとしてどのような指導を行ったのか、この点について改めてお伺いしたいというふうに思います。
 それから、労働委員会に確認の意味で再度御質問いたしますが、今、御答弁をいただいた自治体の外郭団体、この労使関係における自治体と公社の使用者性の問題でありますけれども、今回のような解散に伴って、例えばこの公社の問題を一つの例に例えると、先ほど申し上げたように、資産の引き取り、あるいは瑕疵担保等の責任、これについては、まさに県が社会的な立場からこれをしっかりと責任を担っていくというふうなことが明確にされました。同時に、そうした部分でいうと、出資比率の問題も66%を超える出資団体であること、さらに、そうした中で、この全国総会では、いわゆる出資比率と、それから実質的な影響や関与の度合いから見た場合にその使用者性があるかどうかが判断されるのではないかというふうな議論もされており、そういった観点からいえば、今回のこの労使問題にかかわって見ましても、いわゆる公社ひとりのみの責任というだけではなくて、そうした設置者たる自治体の再就職あっせんを含めて積極的な関与あるいは責任が問われているのではないかというふうに私は客観的に判断をするものでありますが、そうした場合に、今、全国の中で議論されたさまざまなケースの例からいいますとどのような判断が見てとれるのか、そうした点について再度労働委員会の御見解をお伺いしたいと思います。
 次に、雇用促進住宅の問題ですが、今、知事からは、入居者が強制退去あるいはそうした生活権が奪われないように関係機関に積極的に働きかけをしていきたいという御答弁をいただいたわけですが、県として、その具体的な譲渡を含めて、万が一こうした状況が続いていったときに、強制的に廃止された場合、この入居者がどうなっていくのかという観点で、これは全県的な問題として、当該の市町村だけにその問題をゆだねるという考え方でいいのかというふうに私は思うわけであります。入居者の多くが、先ほど答弁の中にもありました低所得者が多数入居している、あるいは非正規雇用の方で入居している方もある、さらに高齢者、障がい者なども入居している、そうした実態があります。そうした方々に対して、労働対策も含め、あるいは福祉の面からも、商工あるいは県土、そして福祉、そうした部局の横断的な立場の中に立って、市町村と連携を図りながらこの入居者の今後の対応についてしっかりとサポートしていく、支援をしていくということが重要ではないかというふうに思っております。
 そうした点について、まさにこの雇用促進住宅の問題は、国の一方的な政策に大きな責任が問われる部分もありますが、同時に、地域としては、やはり今、ここ2年で定期の方は契約打ち切り、そして普通借家契約の方はその期限をもって退去というふうな説明がなされております。そうしたときに、受け皿が全くない。市町村あるいは県営住宅も、各入居倍率を見れば4倍から5倍と。結局、公営住宅に移れと言っても公営住宅そのものにも受け皿がない、このような状況の中でどう具体的に対応していくのか。このことを、やはりしっかりと県民の生活を守るという視点から市町村との連携がしっかり図られるべきではないのかという点について再度の御見解をお伺いしたいというふうに思います。
 それから、医療の関係でありますが、昨日、3人の議員の皆さんからそれぞれの角度で御質問がされたわけであります。そうした中で、飯澤議員の質問の答弁に際して知事からは今計画についてベストな計画を示したという答弁をいただきました。さらに、このベストな計画よりもよりよいものを求めるというのであれば、さらにそれを上回る考え方についても提起をいただいて大いに議論することを期待したいというふうな御答弁をいただいたわけであります。しかし私は、ベストな計画と豪語するほどにこの計画が十分なものであるとするならば、なぜ今、きょうも含めて、これほどにこの計画案に対して各方面から異論が唱えられてくるのかということを感じるわけであります。
 昨日の議論の中で、経営計画のいわゆる論点の中心に、医師の過酷な勤務状況を解消することを専ら中心にお話をいただいているわけでありますが、しからば、今経営計画なり指針の中で、具体的にこの計画によって医師の過酷な条件がどう解消される方向が示されているのか、具体的なものが果たしてこの計画の中にきちんとあるのかということを私は改めて問いたいわけであります。ベストな計画の内容、そしてその中身を考える上では、やはり何といっても、単に病床縮小・廃止というだけの計画にとどまらず、医療圏ごとの偏在の解消、基幹病院の医師不足への配置をどうするのか、具体的にそうした方向も指し示す必要が当然あろうと思いますし、夜間救急医療の病床廃止に伴うその機能が失われた地域に対してどのような手だてを行うのか、そうしたそれぞれの具体的な項目を示していくことが重要ではないのでしょうか。
 地域保健福祉施策との関係も、これまたこの間の診療所化が議論された際には、地域住民にそうした連携もしっかりととっていきたいというふうなことが述べられてきているわけです。そうした問題も、これから検討します、計画します、そういった中身がこの計画の内容になっていないのではないでしょうか。そういった点からいうと、これらの課題をどのように踏まえて、そして県民に対してまさにこのベストな計画をどういう形で説明ができるのか、そうした意味でのお答えを再度知事にお伺いしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 雇用促進住宅廃止問題については、御指摘のとおり、市町村との連携をしっかり進めて、住宅政策はもちろんですけれども、雇用政策、また福祉政策、そうした観点からも県としてもしっかり取り組んでまいりたいと思います。
 次に、医療局の新しい経営計画に関係して、まず、なぜ反対が多いのかということについてでありますが、現状認識のレベルで、診療センターにおいても常勤医が減って基幹病院からの応援に頼らざるを得ない状態になっている、また、その基幹病院もどんどん人が抜けて診療科が確保できなくなっており、中央病院からの応援に頼っている、そしてその中央病院もまた非常に人手不足であって、このまま続くと、共倒れといいますか、診療センター、そして基幹病院、また中央病院3者がともに同時に倒れてしまう、去年、私が知事就任以来、いつそうなってもおかしくないという状況が続いていると思います。基幹病院がある大船渡市でありますとか胆沢病院、奥州市でありますとか、あとは大船渡病院、宮古病院、そういったところから非常に深刻な陳情がありましたし、現場の勤務医の声を聞いても、これは本当に一刻の猶予もならない事態だというふうに聞いております。
 まずはその現状認識を共有することが重要かと思っておりますが、その現状認識をもとにしたときに、優先順位といいますか、まず最初の初期診療を最優先させるのか、最初、身近なところで基本的な診療、そして簡単な入院を充実させることを優先させるのか。ただ、そこを優先させることによって、基幹病院がほとんどぼろぼろになって、命にかかわる診療はまさに盛岡に行かなきゃ受けられない、あるいは盛岡でも受けられない。最初の初期的な対応については手厚く地域の中で確保できても、命にかかわる診療については岩手県内でできなくなるというそういう路線を目指すのか、それとも、初期医療の段階では不便があったとしても、命にかかわる診療を確保するところを優先させていくのか。とにかく基幹病院がきちんと機能する、それは中央病院からの応援も含めてなんですが、そういう中央病院、基幹病院の連携というところを核にしながら、そして関係者の協力によってできるだけゆとりをつくって診療所のところにもしっかりとした手厚い応援が行くようにするのか。その優先順位について私は大きく分かれていて、医療局の案は後者の考え方に沿ってその方向でベストの案とされているんですが、反対を述べる方は、前者の、とにかく身近な初期診療を最優先させるべきという考え方なのかなと思います。
 ただ、本当に身近な初期医療が充実していれば、命にかかわる診療の部分が不安定になってもいいのかということについては、本当にそうなのかということを私は確認したいなと思っておりまして、そうした議論が進んでいくことによって反対が減っていくのではないかなと私は考えております。
 あと、計画案の中で医師確保に関して確たる具体的な策がないということ、やはり一人一人の人間の人生の選択の問題でもありますので、総合的にこういう手を打てば必ず医師がふえるというのはなかなか難しいと思っております。
 現在考えられるとり得る策を設けているところでありますが、これについては、県民みんなで支える岩手の地域医療推進協議会のような場を通じても、県民一人一人が救急車をタクシーがわりに使わないとか、そういったことも含めて、やはり医師確保というのは県民の総力を結集しないとなかなか確たる効果は出てこないんじゃないかなと思っておりますが、まさにこの分野も、いや、こういう手があるぞとか、さらに言えば、自分の身近にこういうお医者さんがいて岩手でやりたがっているというのがあればどんどんそういう情報をいただきたいと思っております。
〇県土整備部長(佐藤文夫君) 住宅供給公社の雇用問題についてでありますが、平成15年10月に住宅供給公社が解散決定になったわけですが、そのとき職員の方は24名おられまして、その後、早期退職制度を利用し、あるいは定年の方もいらっしゃいまして、今現在13名に至っているところであります。
 県としての対応というのは、やはり先ほども御答弁申し上げましたように、再就職についての情報収集あるいは提供、そういうものに努めてまいりまして、有用な情報があれば公社のほうにお伝えしていくというようなことで考えております。
 基本的には、やはり直接の労使関係にあります公社が主体的に対応するべきというふうに思っておりますが、県としましても非常に重要な問題、課題というふうに考えておりますので、再就職のあっせんについては、今現在、公社との協議の中で、宅地を引き継ぐことを検討しております土地開発公社、あるいは、1年間という限られた期間ではございますが、清算法人の中での職員の雇用、そういう可能性につきましても検討するように協議の中で話し合いをしているところでございます。
 それから、あっせんのお話がありましたが、相談があったかということですけれども、これについては相談はございませんでした。今、理由等を思い返せば、組合側のほうのあっせんの申請書の中に退職金のお話がございまして、公社都合による整理解雇取り扱いとし、退職金規程により支給することということがございまして、その整理解雇扱いにするというお話は公社との労使交渉の中で組合側のほうにも整理解雇扱いにするというふうにお伝えしているということから、あっせんには応じられないという公社独自の判断をされたというふうに考えております。
〇労働委員会事務局長(伊藤瞬一君) 先日行われました全労委総会におきましての議論では、このような案件の場合には個別具体的にケース・バイ・ケースで議論すべきである。より現実的な解決策を探るのが適切であろうというふうな議論がなされております。
 本案件につきまして、県の当事者性の当事者資格ですとか、そういうふうな部分につきましては、残念ながら両者がテーブルに着く前にあっせん打ち切りというふうな形になっておりますので、この時点においての当事者資格の労働委員会の所感ですとか、そういうふうなものはお示しできかねますので、御了承願いたいと思います。
〇商工労働観光部長(廣田淳君) 雇用促進住宅の市町村の譲り受け等の支援についてでございますけれども、これまで市町村からは、譲り受け等につきましては特別な相談がなかったということでございます。
 今後におきましては、入居者の生活安定を第一といたしまして、市町村の意向を十分尊重しながら、県庁内の関係部局とも連携をとりながら対応してまいりたいと思います。
〇1番(木村幸弘君) 今の公社の雇用に係る問題については、いずれ昨日の本会議でも、例えば雇用対策本部を設置するという雇用の危機に対する知事の決意が述べられたわけであります。そうした観点で考えますと、やはり県の政策転換によって雇用不安を生じるケース、さまざまなこうした外郭団体にかかわる取り扱い等が当然今後も考えられ得るというふうな状況を踏まえると、しっかりとまず自分の足元にあるこうした雇用の問題について、やはり労働者をしっかりとセーフティネットで包んでいく、そうした取り組み、対応が求められているのではないかというふうに思います。県による十分な関与がない中で、これまでいわゆる放置されてきたというふうに私は思うわけですが、今後、こうした問題、こうした状況が発生しないように、知事としてこうしたケースを一つの事例として踏まえながらきちんと対応していくべきだというふうに考えますけれども、最後に知事のお考えをお聞きしたい。
 それから、雇用促進住宅の問題について、確かに市町村も、去年の12月に突然廃止決定がされたんですね。しかも県内のそれぞれの市町村が、自分たちのどの住宅がどういう形で廃止されたのか、つまりその廃止の基準も一切説明されないまま中央から一方的に廃止決定が示されているわけであります。そこで、さまざまな通達は来ていますが、実際にはどう対応していいのか、全く今、困惑している状態だと言わざるを得ないと思います。
 先ほどの公営住宅法の問題、それから機構は機構で住宅法に倣って一たん退去させて公募して扱うのであれば、機構とすれば、本来の2分1減額での譲渡はできないという話を実は最近市の担当者に述べられております。そうしますと、全く機構と国交省の考え方にもずれが生じておりまして、いろいろな問題が今、発生しようとしております。こうした取り扱いを含めて、やはり県が、県内の22市町村にまたがってこの雇用促進住宅があるわけですから、この取り扱いをしっかりと国の動向も確認をしながらきちんと対応していくべきだというふうに思いますので、再度伺いたいと思います。
 最後に、医療の問題ですが、そもそもこの計画について、総務省の要請によって今年度中に策定しろというふうな形で取り進められてきたというふうに私は承知しているわけです。結局、病床利用率のつじつまを合わせて、いわゆる効率化の姿勢をまず総務省に示さなきゃならぬ、そういう発想からこの計画がつくられてきたのではないのかというふうに思われます。勤務医の過酷な実態、これらは大変だということはだれもが承知しておりますけれども、しかし、この計画そのものによって解消のめどが具体的に示されているわけではないのであります。
 真の再編・ネットワーク化ということを本当に考えるのであれば、やはり偏在対策、あるいは地域との連携、そうした点をしっかりと、計画の中では記載はされていますけれども、具体的に説明し得る内容になっていないというふうに私は思うんです。そういう意味では、大いに議論していただきたいという知事の御答弁をいただきましたけれども、だとすれば、まさに地域医療に対する県民意識の問題はどうあるべきなのか、それから県立病院の医療圏ごとの医師配置、あるいは診療科体制のあり方、保健福祉行政との連携、こうした議論をしっかりと全県的に県民の参画をいただく機会をつくりながら徹底して協議を進めていくということが重要ではないのかというふうに思います。
 この2カ月余りの間で突然この提案が出された。そして、パブリックコメントでそれをもう確定しようというふうな手順、手続は、そもそもやはり無理があるし問題であるというふうに思います。したがって今回の計画案は、私自身は白紙撤回して、改めて知事の思い、あるいはそういった医療格差のない、命を守る岩手の医療のあり方ということを考えるのであれば、しっかりとそういう議論をすべき場を改めて提案をしていくべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。最後にお尋ねして終わりたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 県住宅供給公社の解散への対応については、県の中でも知事を含めた協議が何度も行われておりまして、その協議のたびに、職員の今後の身の振り方ということをきちんとしていかなければだめだということを、知事と職員の間で確認しているところでありまして、このことについては、最後の最後まで、きちんと遺漏のないように取り組んでいかなければならないと考えております。
 次、雇用促進住宅廃止問題についてでありますが、確かに国のやり方、また、譲渡についても、市町村のほうで納得できるような金額ではないということも、そこは非常に問題だと思っております。そういったことも含めて、県のほうからも、機構また国に対して、住民、入居者の声をくみ上げながら、きちんと言うべきことを言っていかなければならないと思いますし、先ほどお答え申し上げたように、県も市町村としっかり連携しながら、住宅政策さらには雇用や福祉政策も含めた対応をきちんとやっていかなければならないと思います。
 医療局の計画案についてでありますけれども、総務省は総務省で、増田大臣のもと、今、医療問題が地方の最大の課題になっていて、そして、その中で公立病院が果たす役割が重要なので、公立病院が破綻しないようにという問題意識からガイドラインをつくり、そして、今年度中には結論をということを各都道府県に呼びかけたものと考えておりますが、岩手は岩手として、それ以前からこの医師不足問題というのが非常に深刻で、今の医療局の経営計画が今年度で終わりますので、来年度からの経営計画というものについては準備をしてきたところであります。
 また、岩手の医療のあり方についての議論というのは、これはもう、医師不足問題というのが注目されてきてから議会の場でもさまざまな形で取り上げられてきたと思いますし、さまざまな市民集会の機会等もあったと思いますし、また、昨年の統一地方選挙の主要争点の一つにもなっていたと思います。そうした議論を踏まえて、今回計画を出したこと。もっと早く出せれば出したかったところでありますけれども、やはり私としても、苦渋の決断となるそういう案でありましたので、なかなか出すのに時間がかかったことについては申しわけなく思っておりますけれども、事態は急を要しておりますので、一つ完成度の高い案が出ているので、ぜひこの案をたたき台にしながら、よりよい案があれば、そのよりよい案も至急出していただかないと、岩手の医療が一気に崩壊する。これは国の行政、政策に基づいてこうなっているところが多いので、お医者さんの中には、これは医療崩壊ではなくて医療破壊だと、国による意図的な破壊行為だと、医療破壊と呼ぶべきだというお医者さんもいます。そういう中で、何とか岩手で医療体制を崩壊しないように守っていかなければならないということは、緊急に県民の総力を挙げて対応していかなければならないことと考えておりますので、議論はしっかり進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇県土整備部長(佐藤文夫君) 先ほど、公営住宅として譲渡を受けた場合の課題ということでございまして、答弁申し上げましたとおり、かなり制約が多いということがございます。しかしながら、国のほうでも、そういう制約の中でどういう形で対応するのかということも考えて検討されているようですので、その辺、動向を注視しながら、適切に市町村と協議をしてまいりたいと思っています。
〇議長(渡辺幸貫君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時39分 休憩
出席議員(45名)
1  番 木 村 幸 弘 君
2  番 久 保 孝 喜 君
3  番 小 西 和 子 君
4  番 工 藤 勝 博 君
5  番 岩 渕   誠 君
6  番 郷右近   浩 君
7  番 高 橋   元 君
8  番 喜 多 正 敏 君
9  番 高 橋 昌 造 君
10  番 菅 原 一 敏 君
11  番 小野寺 有 一 君
12  番 熊 谷   泉 君
14  番 高 橋 博 之 君
15  番 亀卦川 富 夫 君
16  番 中 平   均 君
17  番 五日市   王 君
18  番 関 根 敏 伸 君
19  番 三 浦 陽 子 君
20  番 小田島 峰 雄 君
21  番 高 橋 比奈子 君
22  番 高 橋 雪 文 君
23  番 嵯 峨 壱 朗 君
24  番 及 川 あつし 君
25  番 飯 澤   匡 君
26  番 田 村   誠 君
27  番 大 宮 惇 幸 君
28  番 千 葉 康一郎 君
29  番 新居田 弘 文 君
30  番 工 藤 大 輔 君
31  番 佐々木 順 一 君
32  番 佐々木   博 君
33  番 工 藤 勝 子 君
34  番 平 沼   健 君
35  番 樋 下 正 信 君
36  番 柳 村 岩 見 君
37  番 阿 部 富 雄 君
38  番 斉 藤   信 君
39  番 吉 田 洋 治 君
40  番 及 川 幸 子 君
41  番 佐々木 一 榮 君
42  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 小野寺 研 一 君
45  番 千 葉   伝 君
46  番 佐々木 大 和 君
48  番 小野寺   好 君
欠席議員(2名)
43  番 渡 辺 幸 貫 君
47  番 菊 池   勲 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後2時53分 再開
〇副議長(佐々木大和君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。関根敏伸君。
   〔18番関根敏伸君登壇〕(拍手)

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